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JP6884031B2 - 摺動部材 - Google Patents

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JP6884031B2
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Description

本発明は、摺動部材に関するものである。
環境対応技術への関心が高まり、摺動部材においては、摺動部の低摩擦化が重要な課題となっている。そのため、潤滑油の少量化や低粘度化が進められている。潤滑油の少量化や低粘度化は流体潤滑領域の低摩擦化には有効であるが、油膜切れが生じやすくなり、焼付きの発生が問題となる。
特許文献1には、ピストンピンの摺動特性を改善するものが記載されている(特許文献1)。特許文献1のものは、ピストンピンに、軸方向及び円周方向と交差する断面矩形の溝を形成するものである。溝に浸入した潤滑剤は溝内を伝わり、溝から流れ出され(かき出され)て接触面に供給される。
特開2016−044637号公報
特許文献1に記載されたような溝は、溝と潤滑剤とのなじみ(濡れ)がよくない場合があり、潤滑剤の溝への引き込み性及び溝内における潤滑剤の濡れ広がり性が高くない。また、溝が矩形であるため、溝から接触面へ潤滑剤が移動しにくく、溝から接触面への潤滑剤の供給能力が高くない。
本発明は、上記課題に鑑みて、潤滑剤の油溝への引き込み性および溝内における潤滑剤の濡れ広がり性が高く、油膜切れの生じにくい摺動部材を提供する。
本発明の第1の摺動部材は、潤滑剤の介在下で相手部材と相対摺動を行う油溝を有し、油溝の中に、油溝の溝幅よりも周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が設けられた摺動部材であって、一つの油溝の中に、配向方向が異なる複数の周期構造が、油溝の幅方向に並んで設けられており、配向方向が溝の進展方向に沿う周期構造と配向方向が溝の進展方向と異なる周期構造とを有するものである。
本発明の第2の摺動部材は、潤滑剤の介在下で相手部材と相対摺動を行う油溝を有する摺動部材であって、前記油溝に、油溝の溝幅よりも周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が複数の配向方向で設けられ、かつ、前記グレーティング状凹凸の周期構造が前記油溝の幅方向周縁部外まで連通しているものである。
本発明の第3の摺動部材は、潤滑剤の介在下で相手部材と相対摺動を行う油溝を有する摺動部材であって、前記油溝に、油溝の溝幅よりも周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が複数の配向方向で設けられ、前記油溝の溝底に、前記油溝の進展方向に沿った方向にグレーティング状凹凸の周期構造が形成されるとともに、溝底に形成されたグレーティング状凹凸の周期構造から油溝の幅方向周縁部まで進展する方向にグレーティング状凹凸の周期構造が形成されるものである。
本発明の摺動部材によれば、油溝に溝幅より周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が複数の配向方向で設けられていることで、油溝と潤滑剤とのなじみ(濡れ)がよくなるとともに表面積が増加して、濡れ性向上、毛管現象の効果が加わり、油溝の進展方向及び幅方向に潤滑剤を速やかに濡れ広げることができる。すなわち、ある方向に進展する周期構造において、先行して潤滑剤が濡れ広がり、さらに、その周期構造から別の方向に進展する周期構造にわたって潤滑剤が濡れ広がる。その結果、潤滑剤の循環性が向上して摺動面への潤滑剤の供給性が向上し、摺動部材の油膜切れを防止することができる。
前記油溝は、幅方向周縁部において斜面又は曲面を有し、前記斜面又は曲面の斜度が45°以下であるのが好ましい。ここで、斜度とは、油溝の幅方向周縁部が斜面である場合は、摺動面に対する斜面の傾斜角度であり、油溝の幅方向周縁部が曲面である場合は、摺動面に対する曲面(油溝の幅方向周縁部)の接線角度をいう。これにより、斜面又は曲面を介して油溝から摺動面への潤滑剤の供給性が向上し、摺動部材の油膜切れを防止することができる。
前記構成において、前記グレーティング状凹凸の周期構造の少なくとも1つの配向方向と前記油溝の進展方向のなす角度が45°未満であってもよい。これにより、油溝の進展方向に潤滑剤を速やかに濡れ広げることができる。また、前記グレーティング状凹凸の周期構造の少なくとも1つの配向方向と前記油溝の進展方向のなす角度が45°以上であってもよい。これにより、油溝の進展方向に潤滑剤を速やかに濡れ広げることができるとともに、摺動面への潤滑剤の供給性を向上することができる。
前記第2の摺動部材によれば、油溝から摺動面への潤滑剤の供給性を向上することができる。
前記構成において、前記グレーティング状凹凸の周期構造は、凸部頂点が非平坦面となって連続的に高さが変化するものであってもよい。これにより、開口部が広くなり、潤滑剤の引き込み性及び摺動面への潤滑剤の供給性を向上することができる。
前記グレーティング状凹凸の周期構造の周期ピッチが、10μm以下であってもよい。これにより、毛管現象の効果が顕著となり、潤滑剤を速やかに濡れ広げることができる。
前記第3の摺動部材によれば、油溝の進展方向に沿った方向のグレーティング状凹凸の周期構造によって、油溝の中に速やかに潤滑剤を濡れ広げるとともに、これと直交する方向の周期構造によって、油溝から摺動面へ潤滑剤を供給することができる。このため、溝内における潤滑剤の濡れ広がり性を向上させるとともに、摺動面への潤滑剤の供給性を一層向上させることができる。
本発明の摺動部材は、潤滑油の引き込み性および保持性が高く、油膜切れの生じにくいものとなる。
本発明の実施形態を示す摺動部材の簡略斜視図である。 前記図1の摺動部材に形成された油溝の簡略断面図であり、(a)は摺動面が平面かつ油溝の幅方向周縁部が斜面であり、(b)は摺動面が平面かつ油溝の幅方向周縁部が曲面であり、(c)は摺動面が曲面かつ油溝の幅方向周縁部が斜面であり、(d)は摺動面が曲面かつ油溝の幅方向周縁部が曲面である。 前記油溝に形成されたグレーティング状凹凸の周期構造を示す斜視図である。 実施例の潤滑油引き込み評価に使用した試験片を示し、(a)は周期構造の拡大図であり、(b)は周期構造が形成されたプレート試験片(直交プレート)の平面図であり、(c)は周期構造が形成されたプレート試験片(平行プレート)の平面図であり、(d)は周期構造が形成されたプレート試験片(複合プレート)の平面図である。 潤滑油の浸漬60分後の持ち上げの推移を示し、(a)は直交プレートの正面図であり、(b)は平行プレートの正面図であり、(c)は複合プレートの正面図である。 プレート試験片を潤滑油に浸漬した際の潤滑油持ち上げ高さの推移を示すグラフ図である。 実施例の濡れ広がり評価に使用したプレートを示し、(a)は周期構造を形成しない未加工プレートの平面図であり、(b)は1方向配向プレートの平面図であり、(c)は2方向配向プレートの平面図であり、(d)は溝付きプレートの平面図である。 1μlのPAO2を点着後60分経過時の油滴の濡れ広がりの様子を示し、(a)は周期構造を形成しない未加工プレートの平面図であり、(b)は1方向配向プレートの平面図であり、(c)は2方向配向プレートの平面図であり、(d)は溝付きプレートの平面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
本発明に係る摺動部材は、図示省略の相手部材と潤滑下で相対的に摺動するものであり、例えばエンジン部品に適用することができる。摺動部材および相手部材は、炭素鋼、銅、アルミニウム、白金、超硬合金等であっても、炭化ケイ素や窒化ケイ素等のシリコン系セラミックスであっても、エンジニアプラスチック等であってもよい。また、潤滑剤としても、水やアルコールであっても、さらにはエンジンオイル等の潤滑油等であってもよい。すなわち、摺動部材や相手部材の材質は、使用する環境等に応じて種々の潤滑剤を用いることができる。
図1に示すように、本実施形態では摺動部材を例えば平板体とし、表面(本実施形態では上面)が、相手部材と接触する摺動面1となる。摺動面1には、一方向に進展し、潤滑剤の流路となる油溝2が設けられている。この油溝2は、図2に示すように、幅方向周縁部3a、3b(つまり、油溝の進展方向と直交する方向における油溝2の端部であって、摺動面1と油溝2との境界となる部分)において斜面4(図2(a)(c)参照)又は曲面5(図2(b)(d)参照)を有する。本実施形態では、幅方向周縁部3a、3bは曲面5となっている。ここで、溝幅とは、油溝2の一方の幅方向周縁部3aから他方の幅方向周縁部3bまでの長さをいう。また、斜面4とは、摺動面1(本実施形態では水平方向)に対して傾斜した面をいう。
曲面5の斜度θは45°以下としている。斜度θとは、図2(a)のように摺動面1が平面であって油溝2の幅方向周縁部3a(3b)が斜面4である場合は、摺動面1に対する斜面4の傾斜角度θ1であり、図2(b)のように摺動面1が平面であって油溝2の幅方向周縁部3a(3b)が曲面5である場合は、摺動面1に対する曲面5(油溝2の幅方向周縁部3a(3b))の接線角度θ2をいう。図2(c)のように、摺動面1が曲面であって油溝2の幅方向周縁部3a(3b)が斜面4である場合は、幅方向周縁部3a(3b)における摺動面1の接線方向を基準とした斜面4の傾斜角度θ1であり、図2(d)のように摺動面1が曲面であって油溝2の幅方向周縁部3a(3b)が曲面5である場合は、幅方向周縁部3a(3b)における摺動面1の接線方向を基準とした曲面5(油溝2の幅方向周縁部3)の接線角度θ2をいう。なお、油溝2の底部は、図2(a)のような曲面や、図2(b)のような平面等、どのような形状であってもよい。
油溝2には、図3に示すようなグレーティング状凹凸の周期構造6が形成されている。周期構造6は、油溝2の溝幅よりも周期間隔の狭いピッチで微小の凹部9と微小の凸部10とが交互に所定ピッチで配設されてなるものである。凸部10の頂点は、非平坦面となって連続的に高さが変化している。また、周期構造6の凹凸ピッチは10μm以下とするのが好ましい。なお、周期構造は多少の乱れがあっても問題はない。
周期構造6は、図1に示すように複数の配向方向で設けられている。すなわち、図1の矢印Aのように、第1の方向に進展する周期構造6aは、油溝2の溝底に形成されており、油溝2の進展方向に沿って進展している。図1の矢印Bのように、第2の方向に進展する周期構造6bは、油溝2の曲面5に形成されており、油溝2の進展方向(第1の方向)と直交する方向に沿って進展する。すなわち、第2の方向に延びる周期構造6bは、2箇所において形成されており、一方の周期構造6b1は、第1の方向に延びる周期構造6aから、油溝2の一方の幅方向周縁部3aにわたって曲面5に形成され、他方の周期構造6b2は、第1の方向に延びる周期構造6aから、油溝2の他方の幅方向周縁部3bにわたって曲面5に形成されている。曲面5に形成された周期構造6b1、6b2は、油溝2の幅方向周縁部外まで連通している。図1では、周期構造6b1、6b2は、摺動面1の平面にまで連続して形成されている。
本実施形態では、グレーティング状凹凸の周期構造の少なくとも1つの配向方向(本実施形態では、周期構造6aの配向方向)と油溝2の進展方向のなす角度が45°未満である。本実施形態では、周期構造6aの配向方向は油溝2の進展方向とほぼ同じであるため、0°である。また、グレーティング状凹凸の周期構造の少なくとも1つの配向方向(本実施形態では、周期構造6b1、6b2の配向方向)と油溝2の進展方向のなす角度が45°以上である。本実施形態では、周期構造6bの配向方向は油溝2の進展方向と直交する方向とほぼ同じであるため、90°である。
このように本発明では、油溝2に、溝幅より周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造6a、6b1、6b2が複数の配向方向で設けられていることで、油溝2と潤滑剤とのなじみ(濡れ)がよくなるとともに表面積が増加して、濡れ性向上、毛管現象の効果が加わり、油溝2の進展方向及び幅方向に潤滑剤を速やかに濡れ広げることができる。すなわち、油溝2の進展方向に沿って進展する周期構造6aにおいて、先行して潤滑剤が濡れ広がる。さらに、周期構造6aから周期構造6b1、6b2にわたって潤滑剤が濡れ広がる。その結果、潤滑剤の循環性が向上して摺動面1への潤滑剤の供給性が向上し、摺動部材の油膜切れを防止することができる。
また、油溝2は、幅方向周縁部3a、3bにおいて曲面5を有し、曲面5の斜度を45°以下としている。これにより、曲面5を介して油溝2から摺動面1への潤滑剤の供給性が向上し、摺動部材の油膜切れを防止することができる。
周期構造6aの配向方向と油溝2の進展方向のなす角度を45°未満とすることにより、油溝2の進展方向に潤滑剤を速やかに濡れ広げることができる。また、周期構造6b1、6b2の配向方向と油溝2の進展方向のなす角度を45°以上とすることにより、油溝2の進展方向に潤滑剤を速やかに濡れ広げることができるとともに、摺動面1への潤滑剤の供給性を向上することができる。
グレーティング状凹凸の周期構造6b1、6b2が油溝2の幅方向周縁部外まで連通しているため、油溝2から摺動面1への潤滑剤の供給性を向上することができる。また、グレーティング状凹凸の周期構造6は、凸部頂点が非平坦面となって連続的に高さが変化するものであるため、開口部が広くなり、潤滑剤の引き込み性及び摺動面への潤滑剤の供給性を向上することができる。さらには、グレーティング状凹凸の周期構造6の周期ピッチを10μm以下としているため、毛管現象の効果が顕著となり、潤滑剤を速やかに濡れ広げることができる。
油溝2の溝底に、油溝2の進展方向に沿った方向にグレーティング状凹凸の周期構造6aが形成されるとともに、周期構造6aから油溝2の幅方向周縁部3a、3bまで進展する方向にグレーティング状凹凸の周期構造6b1、6b2が形成されているので、周期構造6aによって、油溝2の中に速やかに潤滑剤を濡れ広げるとともに、周期構造6b1、6b2によって、油溝2から摺動面1へ潤滑剤を供給することができる。このため、溝内における潤滑剤の濡れ広がり性を向上させるとともに、摺動面1への潤滑剤の供給性を一層向上させることができる。
本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、摺動部材の摺動面1としては、平面ではなく円筒面(筒体の内径面や外径面、中実体の外径面)等であってもよい。また、摺動部材と相手部材との摺動は、面接触、線接触、および点接触のいずれであってもよい。摺動部材の摺動方法としては、摺動部材側を固定して相手部材を摺動部材に対して摺動させても、逆に、相手部材側を固定して摺動部材を相手部材に対して摺動させても、摺動部材と相手部材とを摺動させてもよい。
油溝2の溝幅の大きさ、底部までの深さ、断面形状、平面形状、数、位置は種々のものとすることができ、必要性に応じて適宜決定することができる。周期構造6の配向方向は3方向以上でもよい。実施形態では、周期構造6aの進展方向と周期構造6b1、6b2の進展方向とのなす角度は約90°であったが、周期構造が複数の配向方向で設けられていれば、それらのなす角度は問わない。また、図1において、周期構造6aと周期構造6bの配向方向を入れ替える等、油溝2のどの位置に、どの方向の周期構造を配置してもよい。油溝2の幅方向周縁部の一方側3aと他方側3bとで、周期構造の進展方向を同一にする必要はなく、例えば、幅方向周縁部の一方側3aの周期構造は、油溝2の進展方向に沿った方向に形成し、幅方向周縁部の他方側3bの周期構造は、油溝2の進展方向と直交する方向に形成する、等であってもよい。周期構造は、油溝2の全面に設けるのが望ましいが、油溝2の一部において周期構造が設けられない箇所があってもよい。
周期構造形成には、フェムト秒レーザ、ピコ秒レーザ、およびナノ秒レーザといったパルスレーザを使用することができる。
まず、潤滑油引き込み評価を行った。図4に、周期構造を形成したプレート試験片を示す。SUS304基板に超短パルスレーザを加工しきい値近傍のエネルギー密度で照射し、図4(a)に示すようなグレーティング状の周期構造(ピッチ約900nm、深さ約250nm)を帯状領域(幅3mm、長さ15mm)に形成した。周期構造の配向方向は長軸方向に対して直交(直交プレート、図4(b)参照)、平行(平行プレート、図4(c)参照)、および直交と平行の組み合わせ(複合プレート、図4(d)参照)とした。複合プレートは、帯状領域中央部を長軸方向に対して平行の周期構造とし、その両サイドに直交の周期構造を配置した。
周期構造の潤滑油に対する引き込み性を評価するため、ディップ試験装置を用いて、周期構造を形成した帯状領域端部を潤滑油に浸漬し、潤滑油の持ち上げ高さを測定した。潤滑油にはPAO2[6.5cP(25℃)]を使用した。
図5(a)に直交プレート、図5(b)に平行プレート、図5(c)に複合プレートを潤滑油に浸漬した際の潤滑油持ち上げの様子を示す。また、プレート試験片を潤滑油に浸漬した際の潤滑油持ち上げ高さの推移を図6に示す。図6において実線が直交プレート、点線が平行プレート、一点鎖線が複合プレートを示している。全てのプレート試験片で潤滑油を持ち上げることが可能であった。図5における三角印が潤滑油の持ち上げ高さを示しており、図5及び図6に示すように、平行プレート及び複合プレートの潤滑油持ち上げ高さは、直交プレートの2倍となった。なお、図示省略するが、未加工部では潤滑油の持ち上げは認められなかった。
原子間力顕微鏡の測定結果から、周期構造の表面積は未加工部に対して1.78倍であった。表面積倍率rである粗面の見かけの接触角θWと平滑面の接触角θeの関係は、凹部まで液体が入り込むWenzelモデルの場合、cosθW=rcosθeで表される。r=1.78の場合、平滑面の接触角θeが56°以下の液体は、見かけの接触角θWが0°となり、拡張濡れに移行する。
本実施例において使用したPAO2の平滑面の接触角は56°以下であるため、直交プレート、平行プレートともに拡張濡れに移行し、潤滑油を持ち上げることとなった。平行プレートは、周期構造の配向方向と潤滑油の持ち上げ方向が合致するため、毛管現象の効果が加わり、潤滑油の引き込み性が向上したと考えられる。複合プレートは、中央部に形成した長軸方向に平行の周期構造が潤滑油の持ち上げを先導する形となり、平行プレートと同等以上の潤滑油引き込み効果となった。
次に、濡れ広がり評価を行った。試験片は、図7(a)に示すように、SUS304基板に周期構造を形成しない比較材としての未加工プレートと、図7(b)に示すように、SUS304基板に縦21mm、横25mmの領域に縦方向に配向する周期構造を形成した1方向配向(1D)プレートと、図7(c)に示すように、1方向配向プレート中央部の帯状領域(幅3mm)に横方向に配向する周期構造を形成した2方向配向(2D)プレートと、図7(d)に示すように、プレート中央部の帯状領域(幅3mm)を深さ10μmの溝(図7(d)における濃色部分)とし、溝内には前記複合プレート(図4(d)参照)と同様に、溝中央部に長軸方向に対して平行の周期構造を形成し、その両サイドに直交の周期構造を形成した溝付き(2D−groove)プレートとした。なお、溝付きプレートは、周期構造を溝の幅方向周縁部外まで連通させた。
潤滑油の濡れ広がりを評価するため、プレート試験片中央部に1μlのPAO2を点着し、油滴の濡れ広がりの様子を観察した。
1μlのPAO2を点着後60分経過時の油滴の濡れ広がりの様子を図8に示す。図 (a)の比較材の未加工プレートに対し、周期構造を形成したプレートは潤滑剤が大きく広がった。油滴は周期構造の配向方向に広がりやすいため、図8(b)に示すように、1Dプレートでは楕円形の形状となった。図8(c)に示すように、2Dプレートでは、帯状領域で横方向に広がった潤滑油が縦方向に広がるため、1Dプレートより広い領域に濡れ広がることが確認された。また、図8(d)に示すように、油溝を想定した2D−grooveプレートは、2Dプレートより横方向に素早く広がり、最も広い領域に濡れ広がった。
以上より、溝に平行に形成された溝中央部の周期構造が潤滑油の溝方向の流れを先導し、溝に直交に形成された溝の両サイドの周期構造が溝外部への潤滑剤供給に寄与したものと考えられる。また、周期構造が油溝の幅方向周縁部外まで連通していることで、油溝から摺動面となる溝外部への潤滑剤の供給性が向上していることが確認された。
2 油溝
3 幅方向周縁部
4 斜面
5 曲面
6 周期構造

Claims (8)

  1. 潤滑剤の介在下で相手部材と相対摺動を行う油溝を有し、油溝の中に、油溝の溝幅よりも周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が設けられた摺動部材であって、
    一つの油溝の中に、配向方向が異なる複数の周期構造が、油溝の幅方向に並んで設けられており、配向方向が溝の進展方向に沿う周期構造と配向方向が溝の進展方向と異なる周期構造とを有することを特徴とする摺動部材。
  2. 潤滑剤の介在下で相手部材と相対摺動を行う油溝を有する摺動部材であって、
    前記油溝に、油溝の溝幅よりも周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が複数の配向方向で設けられ、かつ、前記グレーティング状凹凸の周期構造が前記油溝の幅方向周縁部外まで連通していることを特徴とする摺動部材。
  3. 潤滑剤の介在下で相手部材と相対摺動を行う油溝を有する摺動部材であって、
    前記油溝に、油溝の溝幅よりも周期間隔の狭いグレーティング状凹凸の周期構造が複数の配向方向で設けられ、前記油溝の溝底に、前記油溝の進展方向に沿った方向にグレーティング状凹凸の周期構造が形成されるとともに、溝底に形成されたグレーティング状凹凸の周期構造から油溝の幅方向周縁部まで進展する方向にグレーティング状凹凸の周期構造が形成されることを特徴とする摺動部材。
  4. 前記油溝は、幅方向周縁部において斜面又は曲面を有し、前記斜面又は曲面の斜度が45°以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摺動部材。
  5. 前記グレーティング状凹凸の周期構造の少なくとも1つの配向方向と前記油溝の進展方向のなす角度が45°未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摺動部材。
  6. 前記グレーティング状凹凸の周期構造の少なくとも1つの配向方向と前記油溝の進展方向のなす角度が45°以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摺動部材。
  7. 前記グレーティング状凹凸の周期構造は、凸部頂点が非平坦面となって連続的に高さが変化していることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の摺動部材。
  8. 前記グレーティング状凹凸の周期構造の周期ピッチが、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の摺動部材。
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