JP6799931B2 - ニッケル微粒子含有組成物及びその製造方法、内部電極並びに積層セラミックスコンデンサ - Google Patents
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Description
A)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50Aが40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子、
及び、
B)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50Bが5nm以上40nm未満の範囲内である第2のニッケル微粒子、
を含有する。
また、本発明のニッケル微粒子含有組成物は、走査型電子顕微鏡観察によって任意の300個の前記第1のニッケル微粒子を観察したときに、表面に少なくとも1個以上の前記第2のニッケル微粒子が接触している前記第1のニッケル微粒子の存在確率が30%以上である。
D50A>D50B×4 … (1)
かつ
D1A−D99B > (D50A−D50B)/4 … (2)
を満たすものであってもよい。
a)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
b)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が5nm以上40nm未満の範囲内である第2のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
c)前記第2のニッケル微粒子を溶剤で洗浄する工程、
及び
d)前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子とを混合する工程、
を含むものである。
また、本発明のニッケル微粒子含有組成物の製造方法において、
前記工程cは、前記第2のニッケル微粒子の平均粒子径D50に対して10%以上小さな平均孔径を有するフィルタを用い、前記第2のニッケル微粒子を前記溶剤とともに前記フィルタでろ過することにより行われ、
かつ、
前記工程dは、前記工程cと同時に、又は前記工程cの後で引き続き、前記フィルタで前記第1のニッケル微粒子をろ過することによって行われる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るニッケル微粒子含有組成物の構成を示す模式図である。本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、成分Aとして、平均粒子径D50Aが40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子10、及び、成分Bとして、平均粒子径D50Bが5nm以上40nm未満の範囲内である第2のニッケル微粒子20を含有する。ここで、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の平均粒子径(メディアン径)D50は、いずれもSEM(走査型電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に300個を抽出してそれぞれの粒子について面積を求め、真球に換算したときの粒子径から、個数基準にて求めることができる。つまり、平均粒子径D50A及び平均粒子径D50Bは、走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、小粒径側からの積算粒度分布が50%となる値である。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第1のニッケル微粒子10は、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50Aが40〜200nmの範囲内であり、45〜150nmの範囲内が好ましい。第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50Aが40nmを下回ると、それ自体の収縮温度が低くなり、誘電体層とのデラミネーションが激しくなることから、例えばMLCCの内部電極材料としての実用性を欠く。また、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50Aが40nmを下回ると、脱バインダー時の加熱でニッケル微粒子含有組成物100同士が凝集又溶融しやすくなり、さらに酸素を取り込みやすくなるため、ニッケル微粒子含有組成物100の体積膨張や収縮変化が大きくなる。さらに、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50Aが40nmを下回ると、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間が小さくなって第2のニッケル微粒子20が隙間に入り込むことが困難になり、密度が低下する。そのため、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。
一方、第1のニッケル微粒子10の平均粒子径D50Aが200nmを上回ると、ペースト塗布後の平滑性が低下するとともに、最小径の粒子及び最大径の粒子の分布幅が大きくなり、薄膜化したMLCCの内部電極材料に利用した場合に、巨大粒子の存在によりショート不良を起こしやすい。
また、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100において、第2のニッケル微粒子20は、走査型電子顕微鏡観察による一次粒子の平均粒子径D50Bが5nm以上40nm未満の範囲内であり、5〜35nmの範囲内が好ましく、5〜25nmの範囲内がより好ましく、10〜20nmの範囲内がさらに好ましい。第2のニッケル微粒子20の一次粒子の平均粒子径D50Bが5nmを下回ると、比表面積が増大し、焼結開始温度が低温化したり、表面自由エネルギーの増大により分散が困難になって第2のニッケル微粒子20どうしの凝集粒子が増加したりする。また、平均粒子径D50Bが5nm未満のニッケル微粒子は、表面の酸化物量が金属ニッケル量に対して大きくなり、還元時の収縮が大きくなってしまうほか、有機物の付着量も大きくなり、その消滅によるガス発生や熱収縮も大きくなるため、好ましくない。
一方、第2のニッケル微粒子20の一次粒子の平均粒子径D50Bが40nm以上になると、第1のニッケル微粒子10どうしの隙間に入り込むことが困難になり、密度が低下するため、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、熱収縮が大きくなる場合がある。
D50A>D50B×4 … (1)
かつ
D1A−D99B > (D50A−D50B)/4 … (2)
を満たすことが好ましい。
本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100は、共材を含有することが好ましい。共材としては、例えばMLCCの誘電体層の材料に用いるBaTiO3、SrTiO3、CaTiO3などを挙げることができる。共材を添加することによって、高密度化が可能になり、ニッケル微粒子含有組成物100を例えばMLCCの内部電極材料として使用する場合に収縮率を抑えることが可能となる。共材は、例えば走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が20〜60nmの範囲内のものを使用することが好ましい。共材の添加量は、ニッケル微粒子含有組成物100質量部に対して5〜20質量部とすることが好ましい。共材の添加量が5質量部を下回ると、添加の効果が得られず、20質量部を上回ると、例えばニッケル微粒子含有組成物100を用いてMLCCの内部電極を形成する場合に、共材が誘電体層へ拡散することで誘電体層の膜厚が増大し、電気容量が低下するのみならず、電気抵抗が上昇し、導電性が低下する場合がある。
次に、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物100の製造方法について説明する。ニッケル微粒子含有組成物100は、例えば、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20を別々に調製した後、混合することによって製造することができる。第1のニッケル微粒子10及び第2のニッケル微粒子20は、それぞれ、例えば気相法や液相法などの方法により製造可能であり、その製造方法については特に限定されない。気相法は液相法に比べて製造コストが高価になりがちであるので、液相法を適用することが有利である。液相法のなかでも、粒子径分布が狭いニッケル微粒子を短時間で容易に製造できる方法として、湿式還元工程を有する方法が好ましい。第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20を共に後述する湿式還元法によって製造することによって、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の表面状態がほぼ同様の性質を持つようになる。そのため、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20は、近似した分散挙動を示すようになり、両者を混合した後も、均一な分散状態を得ることができる。
a)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
b)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が5nm以上40nm未満の範囲内である第2のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
c)前記第2のニッケル微粒子を溶剤で洗浄する工程、
及び
d)前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子とを混合する工程。
かつ、
前記工程dは、前記工程cと同時に、又は前記工程cの後で引き続き、前記フィルタで前記第1のニッケル微粒子をろ過することによって行われる。
[工程a]
工程aでは、ニッケル塩と、脂肪族1級モノアミンと、を混合し、加熱することによってニッケル塩を有機アミンに溶解させたニッケル錯体溶液を準備し、このニッケル錯体溶液を湿式加熱還元することによって、第1のニッケル微粒子10を製造することができる。第1のニッケル微粒子10は、粒子内部に銅元素が拡散していても良い。粒子内部に銅元素が拡散していることによって、第1のニッケル微粒子10は、ニッケルの磁性が緩和され、磁性による凝集が抑制されるため、分散性が向上するので好ましい。
工程aにおいて、ニッケル塩の種類は特に限定されず、例えば水酸化ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、カルボン酸ニッケル、Ni(acac)2(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸ニッケル等が挙げられるが、この中でも、塩化ニッケル又はカルボン酸ニッケルが好ましく、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いカルボン酸ニッケルを用いることが有利である。カルボン酸ニッケルとしては、例えば、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いギ酸ニッケル、酢酸ニッケルなどを用いることが好ましい。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。なお、カルボン酸ニッケルに代えて、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等の無機塩を用いることも考えられるが、無機塩の場合、解離(分解)が高温であるため、還元過程で高温での加熱が必要であり好ましくない。また、Ni(acac)2(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸イオン等の有機配位子により構成されるニッケル塩を用いることも考えられるが、これらのニッケル塩を用いると、原料コストが高くなり好ましくない。カルボン酸ニッケルは単独で用いてもよいし、他のニッケル塩と併用することもできる。
有機アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定されず、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の有機アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の有機アミンであっても、加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
脂肪族1級モノアミンは、有機溶媒として反応を進行させることができるが、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、第1のニッケル微粒子10の調製において、脂肪族1級モノアミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。使用できる有機溶媒としては、脂肪族1級モノアミンと、ニッケルイオン、銅イオンなどの金属イオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル、炭素数が20〜40の範囲内にあるポリアルファオレフィン等が挙げられる。
ニッケル錯体溶液中のニッケル錯体濃度は、例えば2〜11質量%の範囲内とすることが好ましく、4〜8質量%の範囲内とすることがより好ましい。一段階の合成法では、ニッケル錯体濃度が11質量%を超えると、反応性が低下するとともに、粒子径の制御が難しくなる。
錯形成反応は室温においても進行させることができるが、反応を確実かつより効率的に行うために、100℃以上の温度で加熱を行うことが好ましい。この加熱は、カルボン酸ニッケルとして、例えば酢酸ニッケル4水和物のようなカルボン酸ニッケルの水和物を用いた場合に特に有利である。加熱温度は、好ましくは100℃を超える温度とし、より好ましくは105℃以上の温度とすることで、カルボン酸ニッケルに配位した配位水と脂肪族1級モノアミンとの配位子置換反応が効率よく行われ、この錯体配位子としての水分子を解離させることができ、更にその水を系外に出すことができるので効率よく錯体を形成させることができる。例えば、酢酸ニッケル4水和物は、室温では2個の配位水と2座配位子である2個の酢酸イオン、外圏に2つの水分子が存在した錯体構造をとっているため、この2つの配位水と脂肪族1級モノアミンの配位子置換により効率よく錯形成させるには、100℃より高い温度で加熱することでこの錯体配位子としての水分子を解離させることが好ましい。また、加熱温度は、後に続く還元の過程と確実に分離し、錯形成反応を完結させるという観点から、175℃以下が好ましい。錯形成反応での加熱温度が高すぎると、ニッケル錯体の生成とニッケル(0価)への還元反応が同時に進行し、新たにニッケルの核が発生してしまうことで、粒子径の分布が狭い第1のニッケル微粒子10の生成が困難となるおそれがある。従って、錯形成反応のための加熱温度は、例えば105℃〜175℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、125〜160℃の範囲内である。
次に、得られたニッケル錯体溶液中、又は混合液中のニッケルイオンを加熱還元し、第1のニッケル微粒子10に成長させる。この場合、種粒子を使用することが好ましく、後述する工程bで得られる第2のニッケル微粒子20を、工程aにおける種粒子として用いることがより好ましい。種粒子を用いることによって、一段階の合成法に比べ、均一な粒子径を有する第1のニッケル微粒子10を製造できる。また、工程bで得られる第2のニッケル微粒子20を種粒子として所定量使用することによって、第1のニッケル微粒子10中に所望の量の銅元素を含有させることができる。
本工程は、走査型電子顕微鏡観察による平均粒子径D50が5nm以上40nm未満の範囲内である第2のニッケル微粒子20を準備する工程である。なお、第2のニッケル微粒子20は、工程aにおいて、第1のニッケル微粒子10の成長の核(種粒子)としても利用できるものである。
銅塩としては、例えばカルボン酸銅を用いることが好ましい。また、カルボン酸銅としては、例えば、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いギ酸銅、酢酸銅などを用いることが好ましい。また、カルボン酸銅は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。銅塩を配合することによって、第2のニッケル微粒子20の形成を促進できるとともに、第2のニッケル微粒子20の粒子径の制御が容易になる。
ニッケル塩としては、例えばカルボン酸ニッケルを用いることが好ましい。また、カルボン酸ニッケルとしては、例えば、還元過程での解離温度(分解温度)が比較的低いギ酸ニッケル、酢酸ニッケルなどを用いることが好ましい。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。なお、カルボン酸ニッケルに代えて、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等の無機塩を用いることも考えられるが、無機塩の場合、解離(分解)が高温であるため、還元過程で高温での加熱が必要であり好ましくない。また、Ni(acac)2(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸イオン等の有機配位子により構成されるニッケル塩を用いることも考えられるが、これらのニッケル塩を用いると、原料コストが高くなり好ましくない。
有機アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定されず、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の有機アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の有機アミンであっても、加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
脂肪族1級モノアミンは、有機溶媒として反応を進行させることができるが、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、第2のニッケル微粒子20の調製において、脂肪族1級モノアミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。使用できる有機溶媒としては、脂肪族1級モノアミンと、ニッケルイオン、銅イオンなどの金属イオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル、炭素数が20〜40の範囲内にあるポリアルファオレフィン等が挙げられる。
第2のニッケル微粒子20を形成するための加熱還元方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射による加熱であってもよいが、均一、かつ急速な加熱が可能なマイクロ波照射による加熱が好ましい。マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。
工程cは、第2のニッケル微粒子20を溶剤で洗浄する工程である。本工程で洗浄に用いる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノールなどの1級またはエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの多価アルコールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン、デカン、テトラリンなどの炭化水素系溶媒またはエーテル類やエステル類系溶媒などの有機溶剤を用いることができる。第2のニッケル微粒子20を洗浄することによって、第2のニッケル微粒子20の表面に付着した反応原料や反応副生物などを除去できるため、凝集が抑制される。
フィルタの材質に制限はなく、例えば、セラミックス、プラスチックス、布、紙などが使用できる。好ましくは、耐溶剤性、耐久性、耐熱性、耐磨耗性に優れるセラミックスフィルタである。具体的には、アルミナ製又はジルコニア製のフィルタが好ましい。
工程dは、工程aで得られた第1のニッケル微粒子10のスラリーと、工程bで得られ、工程cで洗浄された第2のニッケル微粒子20とを混合する。なお、第1のニッケル微粒子10は、別途、洗浄工程を設けて洗浄したものを使用してもよい。混合比率は、ニッケル微粒子含有組成物100中の第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20の合計量に対し、第1のニッケル微粒子10の含有量が75〜99質量%の範囲内、好ましくは80〜95質量%の範囲内であり、第2のニッケル微粒子20の含有量が1〜25質量%の範囲内、好ましくは5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
本工程では、工程dで得られたスラリー状態のニッケル微粒子含有組成物100を、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、乾燥することで、乾燥状態のニッケル微粒子含有組成物100が得られる。本工程で得られる乾燥後のニッケル微粒子含有組成物100は粉末状をなしていてもよい。この場合、第1のニッケル微粒子10と第2のニッケル微粒子20が凝集して2次粒子を形成していてもよいが、上記のとおり、個々の2次粒子における第1のニッケル微粒子10の含有比率が75〜99質量%であり、かつ第2のニッケル微粒子20の含有比率が1〜25質量%の範囲内であることが好ましい。
本実施の形態の積層セラミックコンデンサ用の内部電極(以下、単に「内部電極」ともいう。)は、本実施の形態のニッケル微粒子含有組成物をペースト化し、セラミック基板上に印刷することで製造される。
前記ペースト化する際、有機ビヒクル、水系ビヒクル等の公知の粘度調整剤を混合させても良い。粘度調整剤を混合することで、前記ペーストに適度な流動性や揮発性が付与され、セラミック基板上に平滑な内部電極を形成することができる。
有機ビヒクルは、例えば、樹脂を有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いる樹脂は特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種樹脂から適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、水系ビヒクルは、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂が挙げられる。
セラミック基板は、公知のものが用いられ、例えば、ペロブスカイト系の誘電体で、チタン酸バリウムや、そのチタンの一部がジルコンに置換したもの、バリウムの一部がストロンチウムやカルシウム等に置換した誘電体が挙げられる。
内部電極の印刷方法は、層を均一に形成できる方法であれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法が挙げられる。
本実施の形態の積層セラミックコンデンサは、前記内部電極とセラミックス誘電体とを交互に層状に重ねて圧着し、焼成して一体化させることによって製造される。
セラミックス誘導体は、公知のものが用いられ、前記のチタン酸バリウム等が挙げられる。これをペースト化し、前記内部電極上に層を形成する。ペースト化する際、有機ビヒクル、水系ビヒクル等の公知の粘度調整剤を混合させても良い。粘度調整剤を混合することで、前記ペーストに適度な流動性や揮発性が付与され、セラミック基板上に平滑な内部電極を形成することができる。有機ビヒクルは、例えば、樹脂を有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いる樹脂は特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種樹脂から適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、水系ビヒクルは、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂が挙げられる。
セラミックス誘電体の印刷方法は、層を均一に形成できる方法であれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法が挙げられる。
内部電極とセラミックス誘導体の層及び層厚は限定しないが、例えば、数層〜1000層であり、各層厚が、0.3μm〜2μmである。
次に、このようにして得られた、内部電極とセラミックス誘導体の多層構造を、圧着し一体成型し、所定の大きさ(チップのサイズ)にカットし、焼成してチップを形成する。焼成温度は、例えば1000℃〜1300℃である。焼成後、チップの両端面に金属ペーストを塗布、熱処理し、その表面にメッキをすることで、外部電極を形成する。
このような電子機器は、本発明のニッケル微粒子含有組成物を使用しているため、小型高容量化が可能であり、信頼性、高寿命性に優れ、電子部品の高温負荷寿命を向上させることができる
SEM(走査型電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に3000個を抽出してそれぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として一次粒子のD99、D50及びD1を算出した。ここで、合成例4、5のニッケル微粒子は、SEM倍率5万倍で、合成例6のニッケル微粒子はSEM倍率10万倍で、合成例3のニッケル微粒子はSEM倍率15万倍で、合成例1、2のニッケル微粒子はSEM倍率30万倍で撮影した。また、CV値(変動係数)は、(標準偏差)÷(平均粒子径)によって算出した。なお、CV値が小さいほど、粒子径がより均一であることを示す。
SEM倍率10万倍で観察し、大粒子300個について、小粒子が大粒子の表面に接触して、又は大粒子間に接触して、存在する確率を計算した。
試料を5Φ×2mmの円柱状成型器に入れ、プレス成型して得られる成型体を作製し、窒素ガス(水素ガス3%含有)の雰囲気下で、熱機械分析(TMA)を行った。また、熱機械分析装置(TMA)により測定される5%熱収縮の温度を5%熱収縮温度とした。
比較例1では、混合した乾燥ニッケル微粒子を、トルエン中で超音波ホモジナイザーを用いて5分間分散させた後、エバポレーターでトルエンを除去し、スラリー中のニッケル濃度を50質量%まで濃縮した。この濃縮物をガラス板上に塗布して、80℃で乾燥後、接触式の表面粗さ計で平滑性Raを測定した。
実施例1〜8では、全てスラリー状のニッケル微粒子を混合した以外は、比較例1と同様にして、平滑性Raを測定した。
合成例1〜6のニッケル微粒子については、粒子合成後の反応液に対し、トルエン洗浄と遠心分離を5回繰り返し行った後、エバポレーターでトルエンを除去して、スラリー中のニッケル濃度を50質量%まで濃縮した後、比較例1と同様にして平滑性Raを測定した。
<錯化反応液の調製>
6.0kgのオレイルアミンに70gのギ酸銅四水和物と350gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下で120℃、60分間加熱することでギ酸銅とギ酸ニッケルをオレイルアミンに溶解した。
<錯化反応液の調製>
6.0kgのオレイルアミンに133gのギ酸銅四水和物と350gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下で120℃、60分間加熱することでギ酸銅とギ酸ニッケルをオレイルアミンに溶解した。
<錯化反応液の調製>
6.0kgのオレイルアミンに17gのギ酸銅四水和物と350gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下で120℃、60分間加熱することでギ酸銅とギ酸ニッケルをオレイルアミンに溶解した。
<ニッケル錯体溶液の調製>
50.0kgのオレイルアミンに20.6kgの酢酸ニッケル四水和物を加え、窒素フロー下で140℃、4時間加熱することでニッケル錯体溶液を調製した。
上記ニッケル錯体溶液の11.28kgを分取し、そこに、合成例1で得た65gのニッケル微粒子スラリー(1−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱して、オレイルアミンで希釈した200gの10%ドデカンチオール溶液を15分間で滴下して、さらにその温度を20分間維持したのち放冷して、ニッケル微粒子スラリー(4−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(4−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Dを調製した。
<ニッケル錯体溶液の調製>
合成例4と同様にして、ニッケル錯体溶液を調製した。
上記ニッケル錯体溶液の9.50kgを分取し、そこに、合成例2で得た100gのニッケル微粒子スラリー(2−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱して、オレイルアミンで希釈した180gの10%ドデカンチオール溶液を15分間で滴下して、さらにその温度を20分間維持したのち放冷して、ニッケル微粒子スラリー(5−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(5−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Eを調製した。
<ニッケル錯体溶液の調製>
合成例4と同様にして、ニッケル錯体溶液を調製した。
上記ニッケル錯体溶液の9.50kgを分取し、そこに、合成例2で得た370gのニッケル微粒子スラリー(2−A)を加え、撹拌後、マイクロ波を照射して225℃、10分間加熱することによってニッケル微粒子スラリー(6−A)を調製した。得られたニッケル微粒子スラリー(6−A)を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ2回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル微粒子Fを調製した。
上記合成例で得られたニッケル微粒子のスラリーを、表2に記載した比率となるように混合することによって、ニッケル微粒子含有組成物を調製した。混合に際しては、セラミックスフィルタ(小粒子が15nmの場合は孔径10nm、小粒子が12nmの場合は孔径5nm)で大粒子と同時に粒子洗浄を行った。洗浄及び混合の方法、得られたニッケル微粒子含有組成物の5%熱収縮温度、表面平滑性Raを表2に示した。また、実施例1〜8で得られたニッケル微粒子含有組成物のSEM画像をそれぞれ図2〜9に示した。また、図2〜9に示すように、実施例1〜8のニッケル微粒子含有組成物は、走査型電子顕微鏡観察によって任意の300個の大粒子を観察したときに、表面に少なくとも1個以上の小粒子が接触している大粒子の存在確率が30%以上であり、大粒子の表面に、小粒子がほぼ均等に分布して存在していた。
上記合成例で得られたニッケル微粒子のスラリーを、表3に記載した比率となるように混合することによって、ニッケル微粒子含有組成物を調製した。洗浄及び混合の方法、得られたニッケル微粒子含有組成物の5%熱収縮温度、表面平滑性Raを表3に示した。また、比較例1〜4で得られたニッケル微粒子含有組成物のSEM画像を、それぞれ図10〜13に示した。図10〜12に示すように、比較例1〜3のニッケル微粒子含有組成物は、小粒子の洗浄を遠心分離又は磁気分離で行ったことによって、小粒子が流出した結果、走査型電子顕微鏡観察によって任意の300個の大粒子を観察したときに、表面に少なくとも1個以上の小粒子が接触している大粒子の存在確率が30%未満であった。
また、図13に示すように、比較例4では、走査型電子顕微鏡観察によって任意の300個の大粒子を観察したときに、表面に少なくとも1個以上の小粒子が接触している大粒子の存在確率が30%以上であったが、大粒子のD50に対して小粒子のD50が大きすぎるため、大粒子の表面に接触している小粒子の分布が不均一であった。
Claims (5)
- 下記の工程a〜d;
a)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が40〜200nmの範囲内である第1のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
b)走査型電子顕微鏡観察による個数基準の粒度分布において、平均粒子径D50が5nm以上40nm未満の範囲内である第2のニッケル微粒子のスラリーを得る工程、
c)前記第2のニッケル微粒子を溶剤で洗浄する工程、
及び
d)前記第1のニッケル微粒子と前記第2のニッケル微粒子とを混合する工程、
を含み、
前記工程cは、前記第2のニッケル微粒子の平均粒子径D50に対して10%以上小さな平均孔径を有するフィルタを用い、前記第2のニッケル微粒子を前記溶剤とともに前記フィルタでろ過することにより行われ、
かつ、
前記工程dは、前記工程cと同時に、又は前記工程cの後で引き続き、前記フィルタで前記第1のニッケル微粒子をろ過することによって行われるニッケル微粒子含有組成物の製造方法。 - 前記フィルタが、セラミックスフィルタである請求項1に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
- 前記第1のニッケル微粒子及び前記第2のニッケル微粒子が、湿式加熱還元によって得られたものである請求項1又は2に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
- 前記湿式加熱還元が、マイクロ波照射によるものである請求項3に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
- 前記工程aにおいて得られる第1のニッケル微粒子が、前記工程bで得られる第2のニッケル微粒子を種粒子として用いて得られたものである請求項1から4のいずれか1項に記載のニッケル微粒子含有組成物の製造方法。
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