JP6777110B2 - 有機物質の熱分解方法及び熱分解設備 - Google Patents
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Description
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。
また、特許文献2には、ガス化溶融炉で発生した一酸化炭素と水素を含有する排ガスを利用し、この排ガスに過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、このシフト反応生成ガスを有機物質に接触させることで、有機物質を改質して低分子化(熱分解)する方法が開示されている。
まず、特許文献1に関しては、有機物質のガス化率がきわめて高くなることが特徴であるが、COG中の水素濃度が60vol%以上となるのは石炭乾留工程のうちでも乾留末期に限られるので、特許文献1の方法では、乾留末期のタイミングでガス流路を切替え、多量のダストを含む600℃以上のCOGを廃プラスチックの水素化分解反応器に供給する必要がある。しかし、このような過酷な条件で、流路切替弁を長期間安定して作動させ続けることは困難であり、この意味で実現性に乏しい技術であると言える。さらに、廃プラスチックの効率的なガス化のためには、60vol%以上の水素を含有するCOGを連続的に水素化分解反応器に供給することが必要であるが、このためには炭化室毎に水素濃度計と流路切替弁を設置する必要があり、設備コストが増大する。
[1]流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入される流動層式の反応器(A)において、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
反応器(A)から取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物(x)の少なくとも一部を、液体の状態で、反応器(A)の側壁部を貫通して設置された吹込み管(C)を通じて流動層(f)内に吹き込み、反応器(A)内で熱分解させることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[2]上記[1]の熱分解方法において、流動化ガスとして反応器(A)に導入される混合ガス(g)の一部を、液状の熱分解生成物(x)とともに吹込み管(C)を通じて流動層(f)内に吹き込むことを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[4]上記[2]又は[3]の熱分解方法において、吹込み管(C)の設置高さよりも上部側の領域での反応器内空塔速度をu0(m/sec)、下部側の領域での反応器内空塔速度をu*(m/sec)とした場合、吹込み管(C)を通じて反応器(A)内に吹き込む混合ガス(g)の流速uL(m/sec)を、下記(1)式及び(2)式を満足するように制御することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
uL≧u0 …(1)
u*≧u0/2 …(2)
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの熱分解方法において、混合ガス(g)は、さらに水蒸気を含むことを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[7]上記[6]の熱分解方法において、混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、二酸化炭素濃度が10〜40vol%であることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの熱分解方法において生成した、常温で気体である熱分解生成物を有用ガス状物質として回収することを特徴とするガス状物質の製造方法。
該反応器(A)から排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(gp)を常温又は常温近傍まで冷却し、ガス(gp)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させてガス(gp)から分離する分離装置(B)と、
反応器(A)の側壁部を貫通して設置され、分離装置(B)でガス(gp)から分離された液状の熱分解生成物(x)の少なくとも一部を流動層(f)内に吹き込む吹込み管(C)を有することを特徴とする有機物質の熱分解設備。
[10]上記[9]の熱分解設備において、分離装置(B)が散水式の装置からなる熱分解設備であって、
さらに、分離装置(B)で分離された液状の熱分解生成物(x)から水分を除去する水分除去装置(D)と、該水分除去装置(D)で水分が除去された液状の熱分解生成物(x)の少なくとも一部を吹込み管(C)に供給する供給手段(E)を有することを特徴とする有機物質の熱分解設備。
[12]上記[11]の熱分解設備において、吹込み管(C)が単管構造又は内管と外管からなる二重管構造を有し、単管構造を有する吹込み管(C)の場合には、混合ガス(g)と液状の熱分解生成物(x)が単管から混合状態で吹き込まれ、二重管構造を有する吹込み管(C)の場合には、内管と外管のうちの一方から混合ガス(g)が、他方から液状の熱分解生成物(x)が、それぞれ吹き込まれるようにしたことを特徴とする有機物質の熱分解設備。
また、製鉄プロセスにおける転炉ガスや高炉ガスなども利用可能なガスであり、上述のように水素が不足するガスの場合には、いわゆるシフト反応によって水素が生成するため、水素濃度が10vol%程度であっても本発明の混合ガス(g)として好適な組成となる。
したがって、本発明で用いる混合ガス(g)は、水素及び二酸化炭素に加えて、水蒸気を含有することが好ましい。
水素化:CmHn+H2→CmHn+2
水素化分解:CmHn+H2→CpHq+CrHs(m=p+r、n+2=q+s)
水蒸気改質:CmHn+H2O→Cm−1Hn−2+CO+2H2
炭酸ガス改質:CmHn+CO2→Cm−1Hn−2+2CO+H2
ただし、水素化には下記のCO、CO2のメタネーション反応も含まれる。
CO+3H2→CH4+H2O、CO2+4H2→CH4+2H2O
なお、水蒸気改質や炭酸ガス改質で生成したH2によっても、上記の水素化や水素化分解が進行する。
CO+H2O→H2+CO2 …(i)
ガス化溶融炉で発生する排ガスや製鉄所で発生するガスには一酸化炭素を多く含むものがあるため、この方法によれば、一酸化炭素と水蒸気のシフト反応を制御することで、熱分解用として好適な混合ガスを得ることができる。
シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的であり、その場合、シフト反応器長さや触媒充填量は、ほぼ平衡まで反応を進行させる場合の1/2〜1/4程度とすればよい。
また、製鉄所で発生する高炉ガスや転炉ガスについても、同様のシフト反応を利用することで、有機物質熱分解用として好適なガス組成に改質することができる。
なお、混合ガス(g)として、上述したようなシフト反応で生成したガスを用いる場合において、反応器Aに投入する有機物質が水を含んでいる場合には、反応器A内で水蒸気が発生するので、その分を考慮してシフト反応で添加する水蒸気の過剰割合を調整することが好ましい。
対象とする廃プラスチックの種類に特別な制限はないが、例えば、産業廃棄物系、容器包装リサイクル法の対象プラスチックなどを挙げることができる。より具体的には、PEやPPなどのポリオレフィン類、PAやPETなどの熱可塑性ポリエステル類、PSなどのエラストマー類、熱硬化性樹脂類、合成ゴム類や発砲スチロールなどを挙げることができる。なお、多くのプラスチック類にはフィラーなどの無機物が添加されているが、本発明では、このような無機物は反応に関与しないので、固体状残渣として反応器Aから排出される。また、廃プラスチックは、必要に応じて適当なサイズに事前裁断された後、反応器Aに投入される。
なお、反応温度が高いとガス状物質の生成量が増加し、油状物質の生成量が減少する傾向があるが、反応温度が低い方がエネルギーコストは小さくなるため、できるだけ低温での反応が有利である。圧力の影響はほとんど認められないので、常圧〜数kg/cm2程度の微加圧で反応器Aを運転することが経済的である。
すなわち、油状物質が反応器Aの流動層f内に直接還流され加熱される場合、流動媒体との接触が良好であり、油状物質および揮発した油状物質と流動媒体とが接触する際に熱分解が進行するため、ガス状物質の収率が向上するものと考えられる。
この実施形態の熱分解設備は、流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入される流動層式の反応器であって、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる反応器Aと、この反応器Aから排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(gp)を常温又は常温近傍まで冷却し、ガス(gp)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させてガス(gp)から分離する分離装置Bと、反応器Aの側壁部を貫通して設置され、分離装置Bでガス(gp)から分離された液状の熱分解生成物(x)(油状物質)の少なくとも一部を流動層f内に吹き込む吹込み管Cを備える。さらに、この実施形態では、散水式の分離装置Bで分離された油状物質から水分を除去する水分除去装置Dと、この水分除去装置Dで水分が除去された油状物質の少なくとも一部を吹込み管Cに供給する供給手段E(油分還流管11)を有するとともに、流動化ガスとして反応器Aに導入される混合ガス(g)の一部を吹込み管Cに供給する供給手段F(ガス分岐管17)を備える。
所定温度に昇温され且つ流動層fが形成された反応器A内に供給管4を通じて有機物質が定量供給され、有機物質の熱分解が開始される。反応器A内で生成した有機物質の熱分解生成物(ガス状物質及びガス化した油状物質)を含むガス(gp)は、ガス取出管8で反応器Aから取り出され、分離装置Bに送られる。なお、反応器Aから取り出されるガス(gp)には、通常、混合ガス(g)の未反応ガス成分が含まれる。
吹込み管Cは、ランス式の管体であり、反応器Aの側壁部を水平に貫通して設置されている。この吹込み管Cは、油状物質を反応器A(流動層f)の中心領域に送り込むことで、流動層f全体に拡散させるようするため、その先端側が反応器Aの中心方向に延出(突出)している。この吹込み管Cの突出長に特別な制限はないが、突出長が長すぎると吹込み管の摩耗等が生じ、吹込み管の寿命が短くなり、突出長が短すぎると反応器壁面に付着物が堆積することもあるため、反応器Aの内径をR、吹込み管Cの炉内への突出長をrとしたとき、0.01≦r/R≦0.3程度とするのが望ましい。
吹込み管Cとしては、例えば、(i)単管構造を有し、混合ガス(g)と油状物質を単管から混合状態で吹き込むもの、(ii)内管と外管からなる二重管構造を有し、内管と外管のうちの一方から混合ガス(g)を、他方から油状物質を、それぞれ吹き込むもの、などを用いることができる。
なお、図4(3)、(4)に示すような二重管構造を有する吹込み管Cでは、内管21から混合ガス(g)を、外管22から油状物質を、それぞれ吹き込むようにしてもよい。
なお、例えば図4(3)、(4)のように油状物質を単独で吹込む場合には、送液用のポンプ(図示せず)が用いられる。また、例えば図4(1)、(2)のように油状物質を気体を同時に吹込む場合には、送液用のポンプ(図示せず)を用いてもよいし、気体によるエジェクター作用などを利用してもよい。
uL≧u0 …(1)
u*≧u0/2 …(2)
吹込み管Cから反応器A内に導入する混合ガス(g)の流速uLが小さすぎると、流動層f内に油状物質が十分に拡散せず(吹込み管先端付近に油状物質の濃度が極端に高い領域が形成される)、油状物質と流動媒体や流動化ガスとの接触が不十分となり、結果としてガス状物質の収率の向上効果は小さくなる。一方、吹込み管Cから導入する混合ガスの流速uLを高めるためには、ガス分岐管17(供給手段F)を通じて吹込み管Cに供給する混合ガス(g)の量を増やす必要があるが、これに伴い反応器Aの風箱2に導入される混合ガス(g)の量は減少することになり、吹込み管Cの設置高さよりも下部側の領域での反応器内空塔速度u*が低下する。空塔速度が低下すると流動媒体の運動量も低下するため、吹込み管Cの設置高さよりも下部側の領域での流動層(流動媒体)の流動性が低下し、ガス状物質の収率も低下する。
混合ガス(g)の流速uLを制御するには、例えば、ガス分岐管17に流量制御弁(図示せず)を設け、吹込み管Cに供給するガス量を調整する。
精製サーモセレクト方式のガス化溶融炉(Thermoselect Waste Gasification and Reforming Process)から発生し、塩化水素などの不純物を除去した後の排ガス(以下、サーモガス(Purified synthesis gas)という。)に水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このためサーモガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じてサーモガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器を配置した。
吹込み管Cは、図4(3)に示すものを用い、内管21から混合ガス(g)が、外管22から油状物質が、それぞれ吹込まれるようにした。吹込み管Cを構成する内管21は、内径60mm、外径62mmとし、外管22は内径80mmとした。吹込み管Cは反応器Aの周方向でほぼ等間隔で20本設置し、それらの設置高さは流動層fの高さの1/3の高さ(分散板上端から1mの高さ)とした。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における操業条件を表1に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表2にそれぞれ示す。
製鉄所の転炉から発生したガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、これにより得られたガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このため転炉ガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器、Fe−Cr系高温シフト触媒を充填したシフト反応器(円筒竪型)を配置した。
吹込み管Cは、図4(3)に示すものを用い、内管21から混合ガス(g)が、外管22から油状物質が、それぞれ吹込まれるようにした。吹込み管Cを構成する内管21は、内径100mm、外径103mmとし、外管22は内径120mmとした。吹込み管Cは反応器Aの周方向でほぼ等間隔で25本設置し、それらの設置高さは流動層fの高さの1/3の高さ(分散板上端から1mの高さ)とした。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における操業条件を表3に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表4にそれぞれ示す。
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このためサーモガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じてサーモガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器を配置した。
吹込み管Cは、図4(3)に示すものを用い、内管21から混合ガス(g)が、外管22から油状物質が、それぞれ吹込まれるようにした。吹込み管Cを構成する内管21は、内径100mm、外径103mmとし、外管22は内径120mmとした。吹込み管Cは反応器Aの周方向でほぼ等間隔で20本設置し、それらの設置高さは流動層fの高さの1/3の高さ(分散板上端から1mの高さ)とした。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における操業条件を表5に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表6にそれぞれ示す。
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このためサーモガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じてサーモガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器を配置した。
吹込み管Cは、図4(3)に示すものを用いたが、発明例1〜3とは逆に、内管21から油状物質が、外管22から混合ガス(g)が、それぞれ吹込まれるようにした。吹込み管Cを構成する内管21は、内径32mm、外径34mmとし、外管22は内径200mmとした。吹込み管Cは反応器Aの周方向でほぼ等間隔で30本設置し、それらの設置高さは流動層fの高さの1/3の高さ(分散板上端から1mの高さ)とした。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における操業条件を表7に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表8にそれぞれ示す。
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。すなわち、使用したサーモガスの平均組成は、H2:31vol%、CO:33vol%、CO2:30vol%、H2O:<1vol%、N2:6vol%であり、このサーモガスをスチーム混合器に108Nm3/hr導入し、水蒸気として圧力10kg/cm2Gのスチームを64Nm3/hr供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H2:20vol%、CO:21vol%、CO2:19vol%、H2O:37vol%、N2:4vol%であり、流量は172Nm3/hr(質量流量では171kg/hr)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図1に示す設備構成において、油状物質を反応器Aに還流させることなく、廃プラスチックの熱分解処理を実施した。反応器Aは、内径が0.8mの円筒形であり(高さ方向で径は一定)、反応器A内の流動層fの高さ(分散板上端から流動層上端までの高さ)は3mとした。
この比較例では、供給原料総量に対するガス状物質の収率は33mass%と低い値となった。生成したガス状物質のLHVは7.2Mcal/Nm3であり、サーモガスの4.0倍に増熱していた。
以上のように、この比較例では油状物質を反応器Aに還流させて再熱分解させなかったため、ガス状物質の生成量が大幅に減少する結果となった。
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。すなわち、使用したサーモガスの平均組成は、H2:31vol%、CO:33vol%、CO2:30vol%、H2O:<1vol%、N2:6vol%であり、このサーモガスをスチーム混合器に108Nm3/hr、水蒸気として圧力10kg/cm2Gのスチームを64Nm3/hr供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H2:20vol%、CO:21vol%、CO2:19vol%、H2O:37vol%、N2:4vol%であり、流量が172Nm3/hr(質量流量では171kg/hr)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図1〜図3に示す設備構成において廃プラスチックの熱分解処理を実施した。流動媒体は珪砂を用いた。
吹込み管Cは、図4(3)に示すものを用い、内管21から油状物質を吹込み、外管22からは何も吹込まなかった(混合ガス(g)は全量を分散板1を介して反応器Aに導入した)。吹込み管Cを構成する内管21は、内径32mm、外径34mmとした。吹込み管Cは反応器Aの周方向でほぼ等間隔で20本設置し、それらの設置高さは流動層fの高さを超えて、分散板上端から3.5mとした。すなわち、この比較例では、吹込み管Cから流動層f内ではなく、流動層fの上方の空間に油状物質の吹き込みを行った。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における操業条件を表11に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表12にそれぞれ示す。
B 分離装置
C 吹込み管
D 水分除去装置
E 供給手段
F 供給手段
1 分散板
2 風箱
3 ガス供給管
4 供給管
5 貯留槽
6 定量切出装置
7 ヒーター
8 ガス取出管
9 ガス輸送管
10 油分輸送管
11 油分還流管
12 水供給管
13 ノズル
14 比重分離槽
15 水回収バルブ
16 水回収管
17 ガス分岐管
18 冷却水供給管
20 単管
21 内管
22 外管
23 管体
f 流動層
Claims (10)
- 流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入される流動層式の反応器(A)において、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
反応器(A)から取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物(x)の少なくとも一部を、液体の状態で、反応器(A)の側壁部を貫通して設置された吹込み管(C)を通じて流動層(f)内に吹き込み、反応器(A)内で熱分解させるにあたり、
流動化ガスとして反応器(A)に導入される混合ガス(g)の一部を、液状の熱分解生成物(x)とともに吹込み管(C)を通じて流動層(f)内に吹き込むことを特徴とする有機物質の熱分解方法。 - 吹込み管(C)が単管構造又は内管と外管からなる二重管構造を有し、単管構造を有する吹込み管(C)の場合には、混合ガス(g)と液状の熱分解生成物(x)を単管から混合状態で吹き込み、二重管構造を有する吹込み管(C)の場合には、内管と外管のうちの一方から混合ガス(g)を、他方から液状の熱分解生成物(x)を、それぞれ吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の有機物質の熱分解方法。
- 吹込み管(C)の設置高さよりも上部側の領域での反応器内空塔速度をu0(m/sec)、下部側の領域での反応器内空塔速度をu*(m/sec)とした場合、吹込み管(C)を通じて反応器(A)内に吹き込む混合ガス(g)の流速uL(m/sec)を、下記(1)式及び(2)式を満足するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機物質の熱分解方法。
uL≧u0 …(1)
u*≧u0/2 …(2) - 有機物質が廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3に記載の有機物質の熱分解方法。
- 混合ガス(g)は、さらに水蒸気を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
- 混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、二酸化炭素濃度が10〜40vol%であることを特徴とする請求項5に記載の有機物質の熱分解方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱分解方法において生成した、常温で気体である熱分解生成物を有用ガス状物質として回収することを特徴とするガス状物質の製造方法。
- 流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入される流動層式の反応器であって、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる反応器(A)と、
該反応器(A)から排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(gp)を常温又は常温近傍まで冷却し、ガス(gp)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させてガス(gp)から分離する分離装置(B)と、
反応器(A)の側壁部を貫通して設置され、分離装置(B)でガス(gp)から分離された液状の熱分解生成物(x)の少なくとも一部を流動層(f)内に吹き込む吹込み管(C)と、
流動化ガスとして反応器(A)に導入される混合ガス(g)の一部を吹込み管(C)に供給する供給手段(F)を有し、
該供給手段(F)で吹込み管(C)に供給された混合ガス(g)が、液状の熱分解生成物(x)とともに流動層(f)内に吹き込まれるようにしたことを特徴とする有機物質の熱分解設備。 - 分離装置(B)が散水式の装置からなる熱分解設備であって、
さらに、分離装置(B)で分離された液状の熱分解生成物(x)から水分を除去する水分除去装置(D)と、該水分除去装置(D)で水分が除去された液状の熱分解生成物(x)の少なくとも一部を吹込み管(C)に供給する供給手段(E)を有することを特徴とする請求項8に記載の有機物質の熱分解設備。 - 吹込み管(C)が単管構造又は内管と外管からなる二重管構造を有し、単管構造を有する吹込み管(C)の場合には、混合ガス(g)と液状の熱分解生成物(x)が単管から混合状態で吹き込まれ、二重管構造を有する吹込み管(C)の場合には、内管と外管のうちの一方から混合ガス(g)が、他方から液状の熱分解生成物(x)が、それぞれ吹き込まれるようにしたことを特徴とする請求項8又は9に記載の有機物質の熱分解設備。
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