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JP6775175B1 - 高い発電量が得られる色素増感型太陽電池 - Google Patents

高い発電量が得られる色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽の位置が変化した場合や光が弱い屋内であっても、発電量が高く維持される色素増感型太陽電池の提供。【解決手段】少なくとも一対の光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池1であり、光電極がチタン材料上に、色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成され、対極が透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に、電気化学的還元触媒層が形成され、色素増感型太陽電池の側に向かって入射する光を収束させるように集光レンズ3並びに集光レンズを通過した光を反射する反射板4がそれぞれ設置され、色素増感型太陽電池の受光面の法線Nが集光レンズの光軸L方向に対して交差するように色素増感型太陽電池が配置され、反射板は色素増感型太陽電池の受光面の法線が光軸方向に対して交差する側に、集光レンズを通過した光のうち少なくとも一部を反射して色素増感型太陽電池に照射させるように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関し、より詳しくは集光レンズと反射板とを備えた色素増感型太陽電池に関する。
太陽電池としては、単結晶、多結晶又はアモルファスのシリコン型太陽電池、CIGS、CdTe、GaAs等の化合物半導体太陽電池、有機薄膜太陽電池、ペロブスカイト型太陽電池、色素増感型太陽電池等、多種類のものがある。
これらの太陽電池の中では、現在シリコン型太陽電池が主流となっている。しかしながら、このシリコン型太陽電池は、高純度のシリコン材料を必要とし、しかも製造プロセスにおけるエネルギー消耗が高く、製造コストが高くなるとの問題となっているだけではなく、太陽電池の軽量化も難しかった。
こうした中、色素増感型太陽電池は、安価に作製ができ、高い光電変換効率を有するために、次世代太陽電池として注目されている。
色素増感型太陽電池は、光電極と対極との間に、可逆的な電気化学的酸化還元特性を有するヨウ素やヨウ化物イオン等の電解質を注入後、光電極と対極とを封止及び結線するという簡便な手法により、構築できる。
色素増感型太陽電池としては、例えば、従来以下の手法により作製されるものがある。
先ず、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の透明導電膜を形成させたガラス基板である透明導電性ガラス上に酸化チタン微粒子粉末を含むペースト剤を塗布する。次いで、加熱処理することにより、多孔質状酸化チタン焼結体層が透明導電膜上に形成された光電極基板を作製する。
次いで、ルテニウム錯体系色素、インドリン系色素等の色素増感剤を含む有機溶媒中に、上記の光電極基板を浸漬することにより、多孔質酸化チタンの表面に色素増感剤が吸着された光電極を作製する。
次に、スパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition)等の手法により、透明導電膜を形成させたガラス基板やフィルム上に、高い電気化学的還元作用を有する白金層を蒸着等の手法にて形成させることにより対極が作製される。
このようにして作製した光電極と対極の間に、可逆的な電気化学的酸化還元特性を有するヨウ素やヨウ化物イオン等を含むアセトニトリル等の有機溶媒にて構成される電解質層を注入し、封止することという簡便な手法において色素増感型太陽電池は作製される。
また、前記色素増感型太陽電池は、以下のようにして発電される。
光電極の多孔質状酸化チタン焼結体層に吸着された色素増感剤に光照射が為されると、色素増感剤が光吸収することにおいて、電子が励起される。この励起電子は、色素増感剤が吸着している多孔質酸化チタン層を通じて、FTO等の透明導電膜に到達する。光励起に伴う電子を放出した色素増感剤は、電解質から電子を奪う酸化反応を起こす。
また、光電極基板の透明導電膜に到達した電子は、外部回路を経由して対極へ移動する。この対極に移動した電子は、電子を奪われた電解質へ電子を供給する還元反応を起こす。こうした一連の流れを繰り返すことで、色素増感型太陽電池は、発電を行う。
しかしながら、従来の透明導電膜では電気抵抗が高いことや酸化チタン焼結体を作製する際の加熱処理において、電気抵抗はさらに高くなるために、得られた色素増感型太陽電池の光電変換効率が低くなるという問題点があった。
そこで、本発明者は、金属チタン又はチタン合金或いは表面処理された金属チタン又はチタン合金を光電極に用いた高電力が発現できる色素増感型太陽電池モジュールを開発している(特許文献1)。
ここで、太陽の軌道は、一日のうちや季節ごとに変化するため、太陽電池の向きが固定されていると、発電効率が一日のうちや季節ごとに変化することになる。
現在のところ、太陽電池の向きを太陽の動きにあわせて変化させることはコストの観点から採用し難いことから、シリコン型太陽電池においては発現効率を高める手段としては、追尾型の集光レンズのような集光装置を用いられている。
特許第6104446号公報
しかしながら、現在の太陽電池の主流であるシリコン型太陽電池や従来の光電極に透明導電ガラスや透明導電フィルムを用いた色素増感型太陽電池においては太陽の位置が変化するとそれに応じて太陽電池に照射される光の量が変化するため、集光装置を用いた場合であっても、高い発電量を維持することは難しかった。
また、シリコン型太陽電池は、入射光強度が弱い屋内では、電流のみならず電圧も低下してしまうため、ほとんど発電しなくなってしまうという欠点を持つ。一方、色素増感型太陽電池は、入射光が弱くとも電流は低下するが、電圧はほとんど変化しないため、屋内での使用も可能という利点があるが、それでも、電流の大きさは入射光強度に依存するため、得られる発電量はそれほど大きくない。
本発明は、上記の課題を解決するべく、太陽の位置が変化した場合や、光が弱い屋内であっても、発電量が高く維持される色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した従来技術の問題点を解決すべく検討をした処、特定の構造を備える色素増感型太陽電池が上記した目的を達成できることを見出した。
本発明の要旨は、
[1]少なくとも一対の光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池において、
(1)光電極が、チタン材料上に、色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されたものであり、
(2)対極が、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に、電気化学的還元触媒層が形成されたものであり、
(3)前記色素増感型太陽電池の側に向かって入射する光を収束させるように集光レンズが配置され、前記集光レンズを通過した光を反射する反射板が設置され、
前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記集光レンズの光軸方向に対して交差するように前記色素増感型太陽電池が配置され、
前記反射板は、前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記光軸方向に対して交差する側に、前記集光レンズを通過した光のうち少なくとも一部を反射して前記色素増感型太陽電池に照射するように配置され
前記色素増感型太陽電池を固定した基板、前記集光レンズおよび前記反射板が、略三角筒状となるように配置されていることを特徴とする色素増感型太陽電池、
[2]前記色素増感型太陽電池の受光面の法線と、前記集光レンズの光軸とのなす角度が0°を超えて180°未満である、前記[1]に記載の色素増感型太陽電池
]前記チタン材料が、金属チタン、チタン合金、表面処理された金属チタン及び表面処理されたチタン合金からなる群から選ばれた1種以上の材料である、前記[1]または[2]に記載の色素増感型太陽電池、
]前記光電極が、該チタン材料の該対極と対抗配置された側に、ブロック層が設けられ、さらに該ブロック層に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されており、前記ブロック層が、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層、酸化ニオブの層からなる群から選ばれた少なくとも2つの層で構成される、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池、
]前記電気化学的還元触媒層が白金触媒層である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池、
]前記対極が、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に、集電極を設けた後に電気化学的還元触媒層が形成されたものである、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池、
]前記対極の透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムの光照射面にさらに反射防止フィルムを設けている、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池、
]光電極と対極が電解質層を介してT字型に配置されたものであって、チタン材料の断面上に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成された光電極が絶縁体を介して2個以上配列されており、該光電極の間に絶縁材を介して一体化された構成を備えており、該対極の透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムに関しては、該透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムが有する透明導電膜と該電気化学的還元触媒層とともにエッチングにより絶縁されており、それぞれの光電極と対極とは、電気的に直列あるいは並列に接続されている、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池、
]前記光電極のチタン材料が、金属チタン又はチタン合金上にチタン窒化物を形成後、金属チタンに対してエッチング作用を有する電解液を用いた、火花放電電圧以上での陽極酸化による、アナターゼ型酸化チタンの皮膜が表面に形成されている金属チタン又はチタン合金材料である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池、
10]前記光電極のチタン材料が、金属チタン又はチタン合金上にチタン窒化物を形成後、金属チタンに対してエッチング作用を有しない電解液を用いた、陽極酸化および酸化性雰囲気中での加熱処理による、アナターゼ型酸化チタンの皮膜が表面に形成された金属チタン又はチタン合金材料である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池
に関する。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、太陽の位置が変化した場合や、光が弱い屋内でも発電量が高く維持することができる。
本発明の色素増感型太陽電池の実施形態を示す概略図である。 本発明の色素増感型太陽電池の実施形態を示す概略図である。 本発明の色素増感型太陽電池の実施形態を示す概略図である。 実施例1で作製した色素増感型太陽電池1の概略図である。 比較例2で用いた色素増感型太陽電池の概略図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の色素増感型太陽電池は、
少なくとも一対の光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池において、
(1)光電極が、チタン材料上に、色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されたものであり、
(2)対極が、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に、電気化学的還元触媒層が形成されたものであり、
(3)前記色素増感型太陽電池の側に向かって入射する光を収束させるように集光レンズが配置され、前記集光レンズを通過した光を反射する反射板が設置され、
前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記集光レンズの光軸方向に対して交差するように前記色素増感型太陽電池が配置され、
前記反射板は、前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記光軸方向に対して交差する側に、前記集光レンズを通過した光のうち少なくとも一部を反射して前記色素増感型太陽電池に照射するように配置されていることを特徴とする。
本発明の色素増感型太陽電池では、従来の太陽電池のように、色素増感型太陽電池の受光面の法線の方向と、集光レンズの光軸方向とが平行になるように配置するのではなく、色素増感型太陽電池の受光面の法線が集光レンズの光軸方向に対して交差するように前記色素増感型太陽電池が配置され、前記色素増感型太陽電池からみて、前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記光軸方向に対して交差する側に、前記集光レンズを通過した光のうち少なくとも一部を反射して前記色素増感型太陽電池に照射するように反射板が配置されていることで、利用する光が、継時的に位置を変化させる太陽光である場合や、さらに光が弱い屋内でも、前記色素増感型太陽電池本体に照射される光の低減を防いで、発電量を高く維持することができる。
図1〜3に、本発明の色素増感型太陽電池1、1A、1Bの実施態様の概略図をそれぞれ示す。
色素増感型太陽電池1、1A、1Bは、太陽電池本体2、集光レンズ3および反射板4を備えている。
前記太陽電池本体2は、基板5に固定されている。
本発明の色素増感型太陽電池1、1A、1Bでは、図1〜3に示すように、前記太陽電池本体2を固定した基板5、前記集光レンズ3および前記反射板4が、略三角筒状となるように配置され、この筒の内部に入った光を用いて太陽光発電が行われる。
前記太陽電池本体2は、前記太陽電池本体2の受光面と直交する法線Nが、集光レンズ3の中心軸である光軸L方向に対して交差するように配置されている。
前記交差する部分の角度θは、前記法線Nと前記光が入射する方向の光軸Lとのなす角度であり、0°を超えて180°未満となるように調整される。
例えば、図1に示すように、0°を超えて90°未満の範囲に調整されていると、集光レンズ3を通過した光が太陽電池本体2の受光面に直接照射されることに加えて、直接照射されない光も反射板4で反射されて前記受光面に照射される。
また、図2に示すように前記角度θが90°に調整されていたり、図3に示すように前記角度θが90°を超えて180°未満となるように調整されていると、集光レンズ3を通過した光の大部分は、太陽電池本体2の受光面に直接照射されないが、反射板4で反射されて前記受光面に照射される。
前記反射板4は、太陽電池本体2からみて、前記太陽電池本体2の受光面の法線Nが前記光軸L方向に対して交差する側に配置される。
前記のように配置された反射板4には、前記集光レンズ3を通過した光のうち少なくとも一部が当たって反射し、この反射した光が前記太陽電池本体2の受光面に照射する。
図1〜3に示す色素増感型太陽電池1、1A、1Bでは、太陽の位置が変化した場合や、光が弱い屋内でも発電量が高く維持することができる。
例えば、図1に示す色素増感型太陽電池1では、太陽の位置が変化して光の照射角度が変わった場合でも、集光レンズ3を通過した光は、太陽電池本体2に直接照射されたり、また反射板4で反射されたりするため、発電量が高く維持される。
また、光が弱い屋内でも、集光レンズ3を通過した光は、効率よく太陽電池本体2の反射板に当たることになるため発電量が高く維持される。
図2に示す色素増感型太陽電池1Aは、主に水平方向から太陽光などの光が照射されてくる屋内における実施形態の1例である。水平方向から集光レンズ3を通過してきた光は反射板4で反射されて、設置面6に対して水平方向に設置されている太陽電池本体2の受光面に照射される。したがって、水平方向から照射される光を効率よく利用できるため、室内でも発電量を高く維持できる。
図3に示す色素増感型太陽電池1Bは、主に右斜め下方向から太陽光などの光が照射されてくる屋内における実施形態の1例である。右斜め下方向から集光レンズ3を通過してきた光は反射板4で反射されて、設置面6に対して水平方向に設置されている太陽電池本体2の受光面に照射される。したがって、照射される光を効率よく利用できるため、室内でも発電量を高く維持できる。
通常、集光レンズを用いる太陽電池では、光の照射される方向に対して垂直方向となるように太陽電池を配置することで発電量を高めることができるが、集光レンズの焦点を太陽電池に合わせる必要があり、室内のように光が弱い環境では、多くの光を集めるために集光レンズを大型化すると、太陽電池との距離の調整も長くする必要もあり、結果として太陽電池装置が大型化するため、特に室内において利用する場合には制限が大きかった。
これに対して、前記のような構成を有する本発明の色素増感型太陽電池であれば、図1〜3に示すように、光の弱い室内であっても、どのような光の向きに対しても配置することができ、しかも太陽電池本体2、集光レンズ2および反射板4を略三角筒状に配置することで、大型化をせずに用いることも可能になる。
なお、本発明では、前記太陽電池本体2の数については、1個が使用されたセルタイプでもよいし、2個以上が使用されたモジュールタイプのいずれも含まれる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池の各部について説明する。
(光電極)
前記色素増感型太陽電池の本体を構成する光電極は、金属チタン、チタン合金、表面処理した金属チタン及び表面処理したチタン合金からなる群から選ばれた材料(以下「チタン材料」とも記す、光電極基板)上に、色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン層が形成されたものである。
(光電極基板)
前記光電極基板は、金属チタンのみで構成されていてもよい。また、チタン合金材料としては、その種類については、特に限定されない。チタン合金としては、Ti−6Al−4V、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−8Al−1Mo−1V、Ti−0.15Pd等が挙げられる。
前記金属チタンまたはチタン合金は、表面処理されたものでもよい。前記表面処理とは、光電極基板の表面に結晶性酸化チタン、より好ましくはアナターゼ型酸化チタン皮膜を形成させる処理をいう。
前記表面処理としては、以下の2種類の表面処理方法A、Bが挙げられる。
表面処理方法A:
(1)金属チタン又はチタン合金材料の表面にチタン窒化物を形成する工程、及び
(2)工程(1)で得られた表面にチタン窒化物が形成された金属チタン又はチタン合金材料を金属チタンに対してエッチング作用を有する電解液を用いて、火花放電電圧以上で陽極酸化を行い、アナターゼ型酸化チタンの皮膜を形成する工程。
表面処理方法B:
(1)金属チタン又はチタン合金材料の表面にチタン窒化物を形成する工程、及び
(2)工程(1)で得られた表面にチタン窒化物が形成された金属チタン又はチタン合金材料を、金属チタンに対してエッチング作用を有しない電解液を用いて陽極酸化を行う工程、及び
(3)工程(2)で得られた陽極酸化を施した金属チタン又はチタン合金材料を酸化性雰囲気中で加熱処理を行い、アナターゼ型酸化チタンの皮膜を形成する工程。
表面処理方法A及びBの工程(1)
前記工程(1)では、チタン材料(金属チタン又はチタン合金)の表面上にチタン窒化物を形成する工程では、チタン材料の表面にチタン窒化物の層を通常0.1μm〜100μm形成させることができる。
チタン窒化物の層は、好ましくは0.5μm〜50μm、より好ましくは1μm〜10μmである。
チタン材料の表面にチタン窒化物を形成させる手段については、例えば、チタン材料の表面にチタン窒化物を物理的または化学的に付着させる方法や、チタン材料とアンモニアガス又は窒素ガスとを加熱処理などで反応させる方法等が挙げられるが、簡便性、経済性、安全性等を考慮すると、窒素ガスを用いる方法が好ましい。
また、窒素ガスとチタンと反応させてチタン窒化物を形成させる工程に関しては、チタン材料は極めて酸素親和性が高いために、酸素トラップ剤を併用することが好ましい。
この酸素トラップ剤は、カーボン材、金属粉末、水素ガス等が好ましいが、簡便性、経済性、安全性等を考慮すると、カーボン材が好ましい。
前記カーボン材料としては、例えば、黒鉛質系カーボン、非晶質カーボン等が挙げられるが、特に限定はない。また、前記カーボン材料の形状としては、平板状、粉末状等如何なる形状でもよいが、取り扱い性やチタン材料の加熱処理中での熱歪を防止できるという理由から、平板状のカーボン材料が好ましい。前記平板状のカーボン材料を用いる場合、このカーボン材料にてチタン材料を挟み込むという方法が好ましい。
前記チタン材料を窒素ガス雰囲気下で加熱処理する方法としては、先ずロータリー式真空ポンプ、次にメカニカルブースターポンプ、更に油拡散ポンプを用いて加熱処理する炉内を減圧する。次に、この減圧された炉内に窒素ガスを導入し、復圧させる。この減圧、復圧を2回以上繰り返すことで、加熱処理する炉内の酸素ガス濃度を極限まで低下させることが好ましい。
窒素ガス雰囲気下での加熱処理の反応気圧としては、0.01MPa〜10MPa程度が好ましく、0.1MPa〜10MPa程度がより好ましく、0.1MPa〜0.2MPa程度がさらに好ましい。
窒素ガス雰囲気下での加熱処理温度は、500℃程度以上が好ましく、750〜1050℃がより好ましく、750℃〜950℃がさらに好ましい。
窒素ガス雰囲気下での加熱処理時間は、1分〜12時間程度が好ましく、10分〜8時間程度がより好ましく、1時間〜6時間がさらに好ましい。
表面処理方法Aの工程(2)
表面処理方法Aの工程(2)では、表面にチタン窒化物が形成されたチタン材料を、金属チタンに対してエッチング作用を有する電解液を用いて、火花放電発生電圧以上で陽極酸化を行い、前記チタン材料表面にアナターゼ型酸化チタン皮膜を形成させる。
前記電解液としては、金属チタンに対してエッチング作用を有する無機酸又は有機酸を含むことが好ましい。前記無機酸としては、硫酸、フッ化水素酸、塩酸等が挙げられる。また、前記有機酸としては、シュウ酸、ギ酸、クエン酸等が挙げられる。これらの無機酸、有機酸を2種以上任意に組み合わせて使用してもよい。
また、前記電解液としては、硫酸にリン酸更に過酸化水素を含有するものであれば好ましい。
前記火花放電発生電圧以上の電圧としては、通常100V以上であり、150V以上が好ましい。
火花放電による陽極酸化は、電圧を制御する代わりに、電流制御にて行うことができる。
電流制御による陽極酸化条件としては、電流密度は、0.1A/dm以上であればよいが、経済性、簡便性、性能面の観点から、1A/dm〜10A/dmが好ましい。
陽極酸化時間としては、1分以上が好ましく、1〜60分間がより好ましく、10〜30分間がさらに好ましい。
上記方法における処理にて、膜厚1〜100μm程度の陽極酸化皮膜を得ることができる。
表面処理方法Bの工程(2)
表面処理方法Bの工程(2)では、表面にチタン窒化物が形成されたチタン材料を、金属チタンに対してエッチング作用を有しない電解液を用いて、陽極酸化を行うことにより、チタン材料の表面に非晶質(アモルファス)な酸化皮膜を形成することができる。
金属チタンにエッチング作用を有しない電解液としては、無機酸、有機酸及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する電解液であることが好ましい。
前記無機酸としては、リン酸、炭酸等が好ましい。前記有機酸としては、酢酸、乳酸等が好ましい。また塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等が挙げられ、中でも前記非晶質な酸化皮膜を形成し易い観点から、リン酸やリン酸塩が好ましい。
前記陽極酸化は、電圧制御または電流制御された条件下で行えばよい。
電圧制御の陽極酸化では、電圧が10〜300V程度に調整されていることが好ましく、50〜200V程度がより好ましい。
電流制御の陽極酸化では、電流密度は、0.1A/dm以上に調整されていればよいが、経済性、簡便性、性能面の観点から、0.5A/dm〜2A/dmが好ましい。
陽極酸化の処理温度は、10〜80℃程度が好ましく、10〜50℃程度がより好ましく、20〜30℃程度がさらに好ましい。
陽極酸化の処理時間は、1分〜30分程度が好ましく、5分〜20分程度がより好ましい。
表面処理方法Bの工程(3)
表面処理方法Bの工程(3)では、陽極酸化により表面に非晶質(アモルファス)な酸化チタン皮膜が形成されたチタン材料を、酸化性雰囲気中で加熱処理を行い、アナターゼ型酸化チタン皮膜を形成させる。
前記加熱処理を行う酸化性雰囲気としては、大気、酸素ガスと窒素ガスを混合したガス、酸素ガスが挙げられるが、簡便性、経済性、安全性等の観点から、大気が好ましい。
酸化性雰囲気下の加熱処理温度は、300〜800℃程度であればよいが、300〜700℃が好ましく、400〜700℃がより好ましい。
酸化性雰囲気下での加熱処理の反応気圧としては、0.01MPa〜10MPa程度が好ましく、0.1MPa〜10MPa程度がより好ましく、0.1MPa〜0.2MPa程度がさらに好ましい。
酸化性雰囲気下での加熱処理時間は、10分〜12時間程度が好ましく、10分〜8時間程度がより好ましく、1時間〜6時間程度がさらに好ましい。
上記方法における処理にて、膜厚1〜10μm程度の陽極酸化皮膜を得ることができる。
(多孔質酸化チタン焼結体層)
前記表面処理方法AもしくはBにより作製された光電極基板上に酸化チタン粒子が配合されたペースト剤を塗布後、酸化性雰囲気下にて加熱処理することで、多孔質酸化チタン焼結体層を形成させる。
前記酸化チタン粒子の平均粒径は、1〜3000nm程度でよいが、1〜1000nm程度が好ましく、10〜500nm程度がより好ましい。
また、酸化チタン粒子は、1種類のものを使用する必要はなく、粒径の小さなものと大きなものを混合したものを使用することにより、多孔質酸化チタン層中で光が散乱する等で得られた色素増感型太陽電池の光電変換特性が向上する。
前記ペースト剤を光電極基板上に塗布する方法としては、スキージ法、スクリーンプリント法、インクジェット法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法等が挙げられるが、特に限定はない。
また、前記ペースト剤を塗布する前に、UVオゾン処理を実施することで、光電極基板の濡れ性が向上し、良質な多孔質酸化チタン層が形成される。UVオゾン処理の方法としては、公知の手法に基づいて行えばよい。
前記酸化性雰囲気下としては、表面処理方法Bの工程(3)と同様に、大気、酸素ガスと窒素ガスを混合したガス、酸素ガスが挙げられるが、簡便性、経済性、安全性等の観点から、大気が好ましい。
前記加熱処理温度は、300〜600℃程度が好ましく、400〜500℃程度がより好ましい。
得られる多孔質酸化チタン焼結体層の形状は、長方形であることが好ましい。多孔質酸化チタン焼結体層の形状を正方形ではなく長方形にすることにより、色素増感剤の光励起により発生した電子は、多孔質酸化チタン焼結体層中にて消失しにくくなるために、得られた色素増感型太陽電池の光電変換特性が向上する。
(ブロック層)
本発明の色素増感型太陽電池では、光電極上にブロック層を設けることで、光電変換特性を向上させることが可能である。
多孔質状酸化チタン層に吸着された色素増感剤に光照射が為されると、色素増感剤が光吸収することにおいて、電子が励起される。この励起電子は、色素増感剤が吸着している多孔質酸化チタン焼結体層を通じて、光電極基板であるチタン材料に移行する際に、多孔質酸化チタン層及び光電極基板から電解質層への電子の漏出や励起電子と電子を放出することにて酸化状態になった色素増感剤と電子が再結合することが起こり、光電変換特性が低下する傾向がある。
そこで、前記光電極上に緻密なブロック層を設けることで、この電子の漏出や電子の再結合を効率よく防ぐことができるので、得られた色素増感型太陽電池の光電変換特性が向上する。
前記ブロック層としては、n型半導体が好ましい。
前記ブロック層が、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層、酸化ニオブの層からなる群から選ばれた少なくとも2つの層で構成されることが好ましい。
ブロック層の作製方法としては、ブロック層の前駆体であるチタン化合物、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、チタン酸ストロンチウム化合物、マグネシウム化合物、ニオブ化合物等を含有する液を、多孔質酸化チタン層構築する前の光電極基板上に、ディップ法、ゾルゲル法、スピンコート法、スキージ法、スクリーン印刷法、スプレー法等にてコーティングし、450℃程度の加熱処理することやスパッタリング、真空蒸着、電子ビームにより形成させることができる。
多孔質酸化チタン焼結体層上に上記と同様な手法において、ブロック層を形成させることができる。
光電極基板上にブロック層を構築する場合は、酸化チタン層、酸化アルミニウム層、酸化ニオブ層からなる群から選ばれる2層もしくは3層にて構築するのが好ましい。
特に酸化アルミニウムをブロック層としてチタン材料上に設けることが更に好ましい。酸化アルミウニムは、ブロック層の材料中でもバンドギャップ(コンダクションバンドとバレンスバンドとのギャップ)が大きな物質であり、コンダクションバンドのエネルギー値が高い物質である。色素増感剤の光励起に伴う電子は、コンダクションバンドに移動する。酸化アルミニウムのコンダクションバンドのエネルギー値は、高い位置にあるために、この高いコンダクションバンドの壁を越えての電解液側への逆電子移動は難しく、得られた色素型太陽電池の光電変換特性は向上する。
中でも、前記光電極が、該チタン材料の該対極と対抗配置された側に、ブロック層が設けられ、さらに該ブロック層に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されており、前記ブロック層が、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層、酸化ニオブの層からなる群より選ばれた少なくとも2つの層で構成されていることが好ましい。
(色素増感剤)
前記のように多孔質酸化チタン焼結体層を形成させた光電極基板、もしくはブロック層も構築させた光電極基板を、色素増感剤を含む溶液中に浸漬することで、色素増感剤を多孔質酸化チタン焼結体層に吸着させる。
色素増感剤溶液に浸漬する前に、UVオゾン処理を実施することで、色素増感剤が多孔質チタン焼結体層に吸着しやすくなり、好ましい。
前記色素増感剤としては、近赤外光領域、可視光領域に光吸収を持つ色素増感剤であればよく、例えば、ルテニウム金属錯体、銅フタロシアニン等のルテニウム以外の金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシリニン、インドリン等の有機錯体等が挙げられるが、特に限定はない。
これらの色素増感剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、近赤外光領域に光吸収を持つ色素増感剤と可視光領域に吸収を持つ色素増感剤を組み合わせることが好ましい。
(電解質層)
色素増感型太陽電池本体を構成する電解質層は、前記光電極において、多孔質酸化チタン焼結体層への電子注入を果たしたことで電子を失った色素増感剤へ電子注入できるものであればよい。また、前記電解質層は、対極において、色素増感剤へ電子注入を起こすことにおいて電子を失った電解液層に対極から電子が電子注入できるものであればよい。
前記電解質層としては、酸化化還元種を含む非水系電解質等が挙げられる。酸化還元種としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化物塩とヨウ素の組み合わせ、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭化物塩と臭素の組み合わせ等が好ましい。
また、前記電解質層にはDMPII(1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide)やTBP(tert-butyl pyridine)等を添加することが好ましい。
前記電解質層に含まれる溶媒としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピルニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロプレン、γ−ブチルラクトン等が挙げられる。
前記電解質層の厚みは、光電極と対極との距離であり、その厚みは、25〜100μmが好ましく、25〜50μmがより好ましい。
(対極)
色素増感型太陽電池本体を構成する対極は、透明導電性ガラス又は透明導電性フィルム上に、電気化学的還元触媒層が形成されたものが好ましい。
前記電気化学的還元触媒層は、透明導電性ガラス又は透明導電性フィルム上に電気化学的触媒物質を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等にてコーティングすることで実施することができる。
前記電気化学的触媒としては、白金、炭素、ロジウム、インジウム、PEDOT/PSS等挙げられる。中でも、水素過電圧が低いために、電子を失った電解質層に電子注入がされ易いという理由等から、白金が好ましい。
本発明では、光電極として光透過性のないチタン材料を用いることから、光照射は対極から実施する必要があるために、電気化学的還元触媒層の厚みは、数nm以下が好ましく、0.5〜1nm以下がより好ましい。
(集電極)
色素増感型太陽電池本体では、対極の透明導電性ガラス又は透明導電性フィルム表面に集電効果を有する導電性材料をストライプ状、格子状に配線することで、色素増感型太陽電池、特に大面積の色素増感型太陽電池においても光電変換特性の低減が抑制される。
集電極設置後の対極の開口率は、対極の全体面積の50〜99%程度が好ましく、70〜99%がより好ましく、80〜95%程度が更に好ましい。
本発明において、前記集電極材料としては、導電性を有するものであればよいが、電解質層にヨウ化物塩とヨウ素の組み合わせを用いる場合、電解質が高い腐食性を示すために、使用できる集電極材料としては、耐食性に優れた材料を使用する。
耐食性が高い集電極材料としては、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、クロム、モリブデン及びそれらを主成分とするチタン合金、ニオブ合金、タンタル合金、ジルコニウム合金、クロム合金、モリブデン合金、ならびに白金等の金属材料の他、カーボン、グラファイト、カーボンナノチューブ等の炭素材が好ましい。
対極上に集電極を作製する方法としては、ポリイミドテープにてマスキングし、エッチングすることにてパターニングしたものやフォトリゾグラフィーにてパターニングした対極材料へ電解メッキや無電解メッキ等の化学的手法や真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等の物理的手法などが挙げられる。また高分子材料やガラス材に凹面を予め作製し、その凹面に集電極部材を埋設させた材料を作製し、その表面に透明導電膜をコーティングした後に、電気化学的触媒物質をコーティングしたものでもよい。
前記集電極の厚みは、0.01〜100μm程度が好ましく、0.1〜10μm程度がより好ましく、1〜10μm程度が更に好ましい。
(反射防止膜)
色素増感型太陽電池本体では、前記光電極と対面しない、前記対極の透明導電ガラス又は透明導電フィルムの非導電面上に反射防止膜を設けていることが好ましい。
前記反射防止膜は、MgFやSiO等を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等の物理的手法やスピンコーティングやディップコーティング等の化学的手法にて作製することができる。また反射防止膜は、1種類にて実施してもよいが、2種類以上併用することが好ましい。
前記反射防止膜を設けることにより、色素増感型太陽電池本体の光電極に届く光量が高まるために、得られた色素増感型太陽電池の電流量が増加し、発電量は向上する。
(スペーサー及び封止剤)
色素増感型太陽電池本体の光電極と対極とが接触すると、光電極と対極が短絡してしまうために、色素増感型太陽電池として機能は発揮しないことから、光電極と対極との間にスペーサーを設置することで光電極と対極の接触を防ぐことが好ましい。
前記スペーサーとしては、電池分野で通常使われている公知のものを使用することができる。具体的には、アイオノマー系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、UV硬化樹脂、ガラス材、ポリイミドテープ等を用いることができる。
一方、金属チタンやチタン合金を表面処理することにおいて表面にアナターゼ型酸化チタン皮膜を形成させた光電極は、本アナターゼ型酸化チタン皮膜が半導体特性を有するために、光電極と対極が接触しても、問題ないので、金属チタンやチタン合金を表面処理することにて作製した光電極と対極の間には、スペーサーを設置する必要はない。
スペーサーを使用しない場合は、光電極と対極の距離、即ち電解質の厚みを減らすことができるために、光電極上の多孔質酸化チタン層に吸着させた色素増感剤に光が効率よく照射されるために、高い電流量が得られ、得られた色素増感型太陽電池の光電変換特性は向上する。
また、前記電解質層からの電解質の漏出の封止に用いる封止剤としては、UV硬化樹脂、アイオノマー系樹脂フィルム、エポキシ系樹脂、シリコン系エラストマー、フリットガラス材等を用いることができる。
封止する手法としては、前記封止剤を、対極と対向する光電極に塗布又は設置し、対極を設置した後に、封止剤を硬化させること等により、メインシールを先ず実施することが好ましい。
次いで予め、対極又は光電極に設けた電解質注入孔を設ける。この電解質注入孔から電解質層を注入後、電解質注入孔を前記封止剤にて塞ぎ、硬化させること等により、エンドシールを実施することが好ましい。
電解質の注入としては、電解質が満たされた容器に色素増感型太陽電池を浸漬させ、引圧して大気圧に戻すこと等や電解質を、ディスペンサー等を用いて、直接注入すること等が挙げられる。
(色素増感型太陽電池モジュール)
色素増感型太陽電池本体が、太陽電池本体を2つ以上備えたモジュールである場合、例えば、光電極と対極が電解質層を介してT字型に配置されたものであって、チタン材料の断面上に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されたもの光電極が絶縁体を介して2個以上配列されており、該光電極の間に絶縁材を介して一体化された構成を備えており、対極の透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムに関しては、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムが有する透明導電膜と電気化学的還元触媒層(以下、電気化学触媒層ともいう)ともにエッチングにより絶縁されており、それぞれの光電極と対極とは、電気的に直列あるいは並列に接続されている構成を有している色素増感型太陽電池モジュールであることが好ましい。
前記色素増感型太陽電池モジュールは、光電極は、厚さが0.1〜5mm程度のチタン材料の切断面に、多孔質酸化チタン層を形成させた後、本多孔質酸化チタン層に色素増感剤を吸着させるともに、チタン材料と絶縁体との一体化させる構成を備えていることが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールでは、対極は、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に電気化学触媒層をコーティングされたものを、前記2個以上の光電極と絶縁材とが一体化させたものの上部にT字型に設置されていることが好ましい。
光電極と絶縁材を一体化させるためには、電解質層に対して耐久性のあるエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PEEK(Polyether ethyl ketone)樹脂、シリコン系樹脂等の群から選ばれた少なくとも1種類以上選択させた材料を用いることが好ましい。またこれらの樹脂材を予め切削加工あるいは射出加工等を施した部材に、光電極を入れ込むこと等も挙げられる。
対極に対向配置された光電極と絶縁体を一体化させたもののパターンに準じて、対極の透明導電膜と電気化学触媒層とともにエッチング等を実施することにて、絶縁層をパターニング処理すること等が挙げられる。
前記パターニング処理としては、光電極に対向する部分にポリイミドテープ等を貼り、マスキングする。次いで、エッチングするために、非マスキング面の透明導電膜と電気化学触媒層を、薬剤を用いて取り除くこと等による絶縁処理のパターニング処理することが好ましい。また感光性の有するレジストを対極に塗布し感光させることで、露光部と非露光部を形成させることにて、微細なパターニングを実施できるフォトリゾグラフィー法によるポターニング処理する方法等も好ましい。
また、色素増感型太陽電池モジュールにおいても発電量を増加させるために、対極に反射防止膜加工等を施すことが好ましい。
このようにして作製した光電極と対極を電気的に直列接続または並列接続を実施することにより、色素増感型太陽電池モジュールは作製する。
(集光レンズ)
集光レンズとしては、太陽電池に使用可能なものであればよく、特に限定されるものではない。集光レンズの素材としては、ガラス、PMMA(ポリメチルメタクリレート),PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の透明プラスティック製のリニアフレネルレンズ等が好ましい。
色素増感型太陽電池に使用されている色素増感剤等の有機物成分は、太陽光に含まれる紫外線にて劣化する恐れがあるが、本集光レンズを用いることにより、紫外線が色素増感型太陽電池に入ることを防ぐことが可能なために、色素増感型太陽電池の耐久性を向上させることができる。
また、前記集光レンズとしては、凸レンズに限定されるものではなく、凹レンズでも構わない。
(集光レンズと鏡との併用)
集光レンズを用いることによる発電量は、従来のシリコン型太陽電池においてもある程度は、向上する。しかしながら、シリコン型太陽電池の発電は、入射光依存性が高く、わずかにでも入射角が異なると、発電量が著しく低下する。
本発明の色素増感型太陽電池又は色素増感型太陽電池モジュールは、入射光依存性がなく、どのような角度からの光でも、発電量に違いはない。この入射光依存性がない特性を鋭意検討した所、集光レンズから入射された光を、鏡を用いて乱反射させる。この乱反射された光を用いても、本発明の色素増感型太陽電池又は色素増感型太陽電池モジュールは、高い発電量が得ることができることがわかった。
また、単に集光レンズを用いるものと比較して、鏡を併用した本発明品は、コンパクトな構造を有するものである。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)陽極酸化処理したチタン材料の作製
金属チタン板(チタン材料、光電極基板)側面に、フライス盤(VHR-SD,静岡鐵工所製)による平滑化処理を実施し、トリクロロエチレンを用いて脱脂処理した後、窒化炉(NVF-600-PC、中日本炉工業製)を使用して、脱脂処理した金属チタン板の表面にチタン窒化物を形成した。
先ず、窒化炉内に設置した平板状のカーボン材により、金属チタン板を挟んだ。次いで、酸素を取り除くために窒化炉を1Pa以下まで減圧処理した後、窒化炉に99.99%以上の高純度の窒素ガスを導入して0.1MPa(大気圧)まで復圧させた。次いで、窒化炉を2時間かけて950℃まで昇温した。次いで、この950℃の窒化炉において、1時間加熱処理を行い、金属チタン板の表面にチタン窒化物を形成した。
表面にチタン窒化物を形成させた金属チタン板を、1.5M硫酸(和光純薬製工業製)、0.05Mリン酸(和光純薬製工業製)、0.3M過酸化水素(和光純薬製工業製)にて電流密度10A/dmにて30分間陽極酸化処理を実施することで、金属チタン表面にアナターゼ型酸化チタンの皮膜を形成させた。
(2)光電極の作製
上記表面処理した10mm×50mm×2mmの金属チタン板を光電極として用いて、色素増感型太陽電池を作製した。先ず、上記表面処理した金属チタン板を溶剤であるエタノールにて洗浄、乾燥させた。
その後、前処理した材料を50mMのアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で卓上ディップコーター(SDI製、DT−0303−S1)を用いて1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、乾燥後、450℃で15分間焼成した。次に、5mMのニオブエトキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、乾燥後、450℃で15分間焼成した後、60mMのチタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、乾燥後、450℃で15分間焼成した。さらに、40mM 四塩化チタン(TiCl)(和光純薬工業製)水溶液に70℃で30分間浸漬、乾燥後、450℃にて15分間焼成する工程を経ることにおいて、下層に酸化アルミニウム、中間層に酸化ニオブ、上層に酸化チタンの下層ブロック層をチタン材料上に形成させた。
本処理をした上記表面処理材において、フライス加工(平滑化処理)した面(幅2mm×長さ50mm)に、酸化チタン材料(日揮触媒化成製、PST−18NR)とエタノールを重量比で2:1になるように混合したペーストを、塗布面積が0.8cm(2mm×40mm)になるように、スキージ法にて塗布し450℃で15分間焼成した。これを膜厚20〜25μmとなるよう10回コーティングした(半導体層)後、450℃で1時間焼成した。
上記半導体層の上層に、60mMのチタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、450℃で15分間焼成した後、さらに40mM TiCl(和光純薬工業製)水溶液に70℃で30分間浸漬し、450℃にて15分間焼成することで上層ブロック層を形成させた。
得られた光電極材料に対し、UVオゾンクリーナー UV253S(フィルジェン(株)製)内にて酸素フロー(0.05MPa,2分間)実施後紫外線照射を15分間実施、更に窒素フロー(0.2MPa,7分間)実施し、色素増感剤のルテニウム系色素C106(Solaronix製) 0.3 mMとインドリン系色素のD131(三菱製紙製)0.3mMを、tert-ブタノール(t−BuOH)(和光純薬製工業製)及びアセトニトリル(CHCN)(和光純薬工業製)を含む混合溶液に希釈し、色素溶液を調製した。混合液は、t−BuOH:CHCN=1:1の混合割合である。
光電極材料を本色素溶液に40℃にて14時間浸漬した後、光電極基板に負極配線として1.5mm×50mmに切断したチタン箔をスポット溶接し、光電極材料を得た。
(3)対極板の作製
対極としては、FTO蒸着ガラス板(AGC製)を溶剤にてアセトン、エタノールにて洗浄、乾燥させた後、反射防止コーティング(大正光学製)した後に白金を電子ビーム蒸着にて1nm蒸着した。
上記対極板を、光電極に対向する部分にポリイミドテープを貼り、よくこすり付けてマスキングした後、非マスキング面のFTO膜及び白金を亜鉛粉末(和光純薬工業製)及び塩酸(和光純薬工業製)にて剥離し、絶縁処理した。その後、対極板を水とエタノールで洗浄し、ポリイミドテープでマスキングした後、スパッタリングにより白金集電電極(ビースパッタ製)を得た。
次いで、電動式ハンドピース(アルゴファイルジャパン製、SPC−40)を用いてガラス板に穴を開け、電解質注入孔を設けた。ターミナル部位としては、特殊ハンダ セラソルザ#186(黒田テクノ製)にてコーティングした。
(4)色素増感型太陽電池モジュールの作製
モジュール外枠には、PEEK製のモールド(アリス製)を用いて、上記光電極をモールドに差し込み、モールド外周および光電極間にアクリル系UV硬化樹脂TB3035B(スリーボンド製、封止剤)を塗布して対極板を設置した。その後、コンベア型UV照射装置(ウシオ電機製、VB−15201BY−A)を用いて積算強度40kJ/mで封止剤を硬化させ、光電極と対極のメインシールを行った。
0.04Mヨウ素(アルドリッチ製)、0.08Mヨウ化リチウム(アルドリッチ製)、0.72M DMPII(Solaronix製)、1.0M TBP(アルドリッチ製)をアセトニトリル中(和光純薬製工業製)に溶解させて、電解質を調製した。調製した電解質を、電解質注入孔からセル内に入れた。
次いで、アクリル系UV硬化樹脂TB3035Bを用いて電解質注入孔を塞ぎ、その上にカバーガラスを接着することで、エンドシールを行った。
その後、各セルの光電極と対極を直列に接続し、8直列の色素増感型太陽電池モジュールを2個作製した後、それらを2並列に接続した。
(5)太陽電池の作製および評価結果
図4に示すように、太陽電池本体2として得られた8直列2並列色素増感太陽電池モジュールを基板5の表面に固定し、この基板5と、集光レンズ3であるフレネルレンズ(日本特殊光学樹脂製 LF200−B)と反射板5である鏡とを略三角筒状に配置して、モジュールタイプの色素増感型太陽電池1を作製した。
具体的には、前記太陽電池本体2の受光面の法線が前記集光レンズ3の光軸方向に対して交差するように前記太陽電池本体2を配置し、この太陽電池本体2から見て、前記太陽電池本体2の受光面の法線が前記光軸方向に対して交差する側に、前記反射板5を配置した。
太陽電池本体1の受光面の法線Nと、前記集光レンズ3の光軸Lとのなす角度は約57°に調整した。
前記色素増感型太陽電池1は、水平な設置面6に対して、図1に示すように設置した。具体的には、設置面6から前記基板5との角度θ1を70°、設置面6から前記反射板4との角度θ2を35°に調整した。
(比較例1)
集光レンズ3、反射板4を用いず、太陽電池本体2を固定した基板5のみを設置面6に置いた。
(比較例2)
図5に示すように、比較例1のように太陽電池本体2を固定した基板5を設置面6に置き、この太陽電池本体2に対して集光レンズ3を平行に配置した(太陽電池本体2の受光面の法線と集光レンズ3の光軸Lとの角度:0°)。また、反射板4は使用しないようにした。
(試験例1:光電変換効率の測定)
実施例1で作製した色素増感型太陽電池1、比較例1、2の太陽発電装置を用い、設置面6に対して垂直な方向から光を照射して光電変換効率の測定を行った。
なお、光量は、太陽電池標準セル(SN/667 BS−520BK分光計器製)を用いて測定を行った。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0006775175
表1に示す結果から、実施例1の色素増感型太陽電池1の変換効率は、比較例1よりも若干大きく、また比較例2よりもやや低いものの十分に高いことがわかる。
また、比較例1、2は、いずれも太陽電池本体2の受光面の真上から光が照射されており、最も変換効率が高くなる光照射をしているのに対し、実施例1では、図1に示すように、太陽電池本体2の受光面に真上から光が照射されていないにも関わらず、上記のように変換効率が高くなっている。
したがって、太陽の位置が変わるなど、光の照射方向が変化した場合、比較例1、2に比べて、実施例1の色素増感型太陽電池1の変換効率への影響は少なく、発電量は高く維持されることがわかる。
試験例2(色素増感型太陽電池とシリコン型太陽電池との光電変換効率の対比)
(1)陽極酸化処理したチタン材料の作製
金属チタン板(チタン材料、光電極基板)を、トリクロロエチレンを用いて脱脂処理した後、窒化炉(NVF−600−PC、中日本炉工業(株)製)を使用して、脱脂処理した金属チタン板の表面にチタン窒化物を形成した。
先ず、窒化炉内に設置した平板状のカーボン材により、金属チタン板を挟んだ。次いで、酸素を取り除くために窒化炉を1Pa以下まで減圧処理した後、窒化炉に99.99%以上の高純度の窒素ガスを導入して0.1MPa(大気圧)まで復圧させた。次いで、窒化炉を2時間かけて950℃まで昇温した。次いで、この950℃の窒化炉において、1時間加熱処理を行い、金属チタン板の表面にチタン窒化物を形成した。
表面にチタン窒化物を形成させた金属チタン板を、1.5M硫酸(和光純薬製工業製)、0.05Mリン酸(和光純薬製工業製)、0.3M過酸化水素(和光純薬製工製)にて電流密度10A/dmにて30分間陽極酸化処理を実施した。金属チタン表面にアナターゼ型酸化チタンの皮膜を形成させた。
(2)光電極の作製
上記表面処理した12mm×50mmの金属チタン板を光電極として用いて、色素増感型太陽電池を作製した。先ず、上記表面処理した金属チタン板を溶剤であるエタノールにて洗浄、乾燥させた。
その後、前処理した材料を50mMのアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で卓上ディップコーター(SDI製、DT−0303−S1)を用いて1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、乾燥後、450℃で15分間焼成した。次に、5mMのニオブエトキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、乾燥後、450℃で15分間焼成した後、60mMのチタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、乾燥後、450℃で15分間焼成した。さらに、40mM四塩化チタンTiCl(和光純薬工業製)水溶液に70℃で30分間浸漬、乾燥後、450℃にて15分間焼成する工程を経ることにおいて、下層に酸化アルミニウム、中間層に酸化ニオブ、上層に酸化チタンの下層ブロック層をチタン材料上に形成させた。
本処理をした上記表面処理材に酸化チタン材料(日揮触媒化成製、PST−18NR)とエタノールを重量比で2:1になるように混合したペーストを、塗布面積が1.2cm(3mm×40mm)になるように、スキージ法にて塗布し450℃で15分間焼成した。これを膜厚20〜25μmとなるよう10回コーティングした(半導体層)後、450℃で1時間焼成した。
上記半導体層の上層に、60mMのチタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業製)エタノール溶液で1mm/秒の引き上げ速度でディップコートを行い、450℃で15分間焼成した後、さらに40mMTiCl(和光純薬工業製)水溶液に70℃で30分間浸漬し、450℃にて15分間焼成することで上層ブロック層を形成させた。
得られた光電極材料に対し、UVオゾンクリーナーUV253S(フィルジェン製)内にて酸素フロー(0.05MPa,2分間)実施後紫外線照射を15分間実施、更に窒素フロー(0.2 MPa,7分間)実施し、色素増感剤のルテニウム系色素のC106(Solaronix製)を0.3mMとインドリン系色素のD131(三菱製紙製)0.3mMを、tert-ブタノール(t−BuOH)(和光純薬製工業製)及びアセトニトリル(CHCN)(和光純薬工業製)を含む混合溶液に希釈し、色素溶液を調製した。混合液は、t−BuOH:CHCN=1:1の混合割合である。
光電極材料を本色素溶液に40℃にて14時間浸漬し、光電極材料を得た。表面処理した金属チタンに電動式ハンドピース(アルゴファイルジャパン製、SPC−40)を用いて研磨処理をすることで集電部を設けた。
(3)対極板の作製
対極としては、FTO(Fluorine doped Tin Oxide)蒸着ガラス板(AGC製)を溶剤にてアセトン、エタノールにて洗浄、乾燥させた後、反射防止コーティング(大正光学製)した後に白金を電子ビーム蒸着にて1nm蒸着した。
ターミナル部位としては、特殊ハンダ セラソルザ#186(黒田テクノ製)にてコーティングした。
(4)色素増感型太陽電池セルの作製
光電極と対極とを重ね合わせ、外周および光電極間にアクリル系UV硬化樹脂TB3035B(スリーボンド製、封止材)を塗布し、コンベア型UV照射装置(ウシオ電機製、VB−15201BY−A)を用いて積算強度40kJ/mで封止剤を硬化させ、光電極と対極を接着した。
0.04Mヨウ素(アルドリッチ製)、0.08Mヨウ化リチウム(アルドリッチ製)、0.72M DMPII(Solaronix製)、1.0M TBP(アルドリッチ製)をアセトニトリル中(和光純薬製工業製)に溶解させて、電解質を調製した。調製した電解質を、電解質注入孔からセル内に入れた。
次いで、アクリル系UV硬化樹脂TB3035Bを用いて電解質注入孔を塞ぎ、コンベア型UV照射装置(ウシオ電機製、VB−15201BY−A)を用いて積算強度40kJ/mで封止剤を硬化させることにより、色素増感太陽電池セルを作製した。
(5)評価結果
得られた色素増感太陽電池セルに2mm×40mmに開口した遮光マスク(分光計器製)を装着し、フレネルレンズ(有機光学製 L250)を用いた集光装置にセットした後、光電変換特性の測定を行った結果を表2に示す。また、集光装置を用いない場合においても測定を行った。同様の方法で、市販されているシリコン型太陽電池モジュール(単結晶3V、125mA、55mm×55mm 購入先:Wing Solar 工作用ミニソーラーパネル店)の性能も評価した。
なお、光量は、太陽電池標準セル(SN/667 BS−520BK 分光計器製)を用いて測定を行った。
結果を表2に示す。
表2の結果から、シリコン型太陽電池も集光することにおいては、発電量が増加するが、その発電量は、光量に比例しないのに対して、本発明で用いる色素増感型太陽電池では、光量に比例して発電量が増加することがわかった。
したがって、本発明では、シリコン型太陽電池に比べて、太陽の位置が変わるなど、光の照射方向が変化した場合でも、変換効率への影響は少なく、発電量は高く維持されることがわかる。
Figure 0006775175
1、1A、1B 色素増感型太陽電池
2 太陽電池本体
3 集光レンズ
4 反射板
5 基板
6 設置面
N 太陽電池本体2の受光面の法線
L 集光レンズ3の光軸
θ 太陽電池本体2の受光面の法線Nと、集光レンズ3の光軸Lとのなす角度
θ1 設置面6から前記基板5との角度
θ2 設置面6から前記反射板4との角度


Claims (10)

  1. 少なくとも一対の光電極と対極とが電解質層を介して対向配置された色素増感型太陽電池において、
    (1)光電極が、チタン材料上に、色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されたものであり、
    (2)対極が、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に、電気化学的還元触媒層が形成されたものであり、
    (3)前記色素増感型太陽電池の側に向かって入射する光を収束させるように集光レンズが配置され、前記集光レンズを通過した光を反射する反射板が設置され、
    前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記集光レンズの光軸方向に対して交差するように前記色素増感型太陽電池が配置され、
    前記反射板は、前記色素増感型太陽電池の受光面の法線が前記光軸方向に対して交差する側に、前記集光レンズを通過した光のうち少なくとも一部を反射して前記色素増感型太陽電池に照射させるように配置され
    前記色素増感型太陽電池を固定した基板、前記集光レンズおよび前記反射板が、略三角筒状となるように配置されていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 前記色素増感型太陽電池の受光面の法線と、前記集光レンズの光軸とのなす角度が0°を超えて180°未満である、請求項1に記載の色素増感型太陽電池
  3. 前記チタン材料が、金属チタン、チタン合金、表面処理された金属チタン及び表面処理されたチタン合金からなる群から選ばれた1種以上の材料である、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記光電極が、該チタン材料の該対極と対抗配置された側に、ブロック層が設けられ、さらに該ブロック層に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成されており、前記ブロック層が、酸化チタンの層、酸化アルミニウムの層、酸化ケイ素の層、酸化ジルコニウムの層、チタン酸ストロンチウムの層、酸化マグネシウムの層、酸化ニオブの層からなる群から選ばれた少なくとも2つの層で構成される、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  5. 前記電気化学的還元触媒層が白金触媒層である、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  6. 前記対極が、透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルム上に、集電極を設けた後に電気化学的還元触媒層が形成されたものである、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  7. 前記対極の透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムの光照射面にさらに反射防止フィルムを設けている、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  8. 光電極と対極が電解質層を介してT字型に配置されたものであって、チタン材料の断面上に色素増感剤を含有する多孔質酸化チタン焼結体層が形成された光電極が絶縁体を介して2個以上配列されており、該光電極の間に絶縁材を介して一体化された構成を備えており、該対極の透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムに関しては、該透明導電性ガラスあるいは透明導電性フィルムが有する透明導電膜と該電気化学的還元触媒層とともにエッチングにより絶縁されており、それぞれの光電極と対極とは、電気的に直列あるいは並列に接続されている、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  9. 前記光電極のチタン材料が、金属チタン又はチタン合金上にチタン窒化物を形成後、金属チタンに対してエッチング作用を有する電解液を用いた、火花放電電圧以上での陽極酸化による、アナターゼ型酸化チタンの皮膜が表面に形成されている金属チタン又はチタン合金材料である、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
  10. 前記光電極のチタン材料が、金属チタン又はチタン合金上にチタン窒化物を形成後、金属チタンに対してエッチング作用を有しない電解液を用いた、陽極酸化および酸化性雰囲気中での加熱処理による、アナターゼ型酸化チタンの皮膜が表面に形成された金属チタン又はチタン合金材料である、請求項1〜のいずれかに記載の色素増感型太陽電池。
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