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JP4322491B2 - 色素増感型太陽電池の製造方法及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型太陽電池の製造方法及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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康彦 竹田
晃洋 武市
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竜生 豊田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素増感型太陽電池の製造方法及び色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化やエネルギー問題に対する関心の高まりとともに太陽電池の様々な開発が進められている。その太陽電池の中でも、色素増感型太陽電池は、使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点からその実用化が期待されている。
【0003】
そのため、色素増感型太陽電池の実用化に向けて、例えば、光電極、電解質、対極の性能を向上させるなどして、電池のエネルギー変換効率を向上させるための様々な検討が行われている。
【0004】
このような検討としては、例えば、特表平6−511113号公報に、多孔質の金属酸化物半導体粒子(酸化チタン(II))からなる半導体電極(「電極(4)」或いは「電極層(4)」と記載。)を備えた光電極に対して、1)光電極を四塩化チタンの水溶液に浸漬する方法、2)光電極を、四塩化チタンを含む500℃の乾燥空気の流れに曝す方法、及び、3)光電極を別途用意した白金電極と共に三塩化チタンを含む水溶液に浸漬し、光電極及び白金電極間に通電する方法の何れかの方法で処理することにより半導体電極上に更に酸化チタン(II)を堆積させ、得られる光電気化学セル(色素増感型太陽電池)エネルギー変換効率を向上させることを意図した光電気化学セル(色素増感型太陽電池)の製造方法が提案されている。
【0005】
また、上記の検討の他の検討としては、例えば、Solar Energy Materials and Solar Cells 44(1996)99-117 には、アナターゼ型の酸化チタン粒子を構成材料とする光電極(photoelectrode)と、対極(多孔質の炭素電極,porous counter ectrode)との間に絶縁性の多孔体材料(屈折率の大きなルチル型の酸化チタン粒子とジルコニア粒子)を構成材料とする多孔体層(porous spacer (light reflecting spacer))を配置した構成を有する色素増感型太陽電池が提案されている。
【0006】
この色素増感型太陽電池では、多孔体層中に電解質(電解質溶液)を保持させて電解質の電池外部への漏洩を防止することが意図されているとともに、光電極から電解質の側に向けて透過する光を多孔体層において反射させて再び光電極に入射させることにより、光電極における入射光の吸収効率を向上させてエネルギー変換効率を向上させることが意図されている。
【0007】
【特許文献1】
特表平6−511113号公報
【非特許文献1】
Andreas Kay, Michael Gratzel,「Low cost photovoltaic modules based on dye sensitized nanocrystalline titanium dioxide and carbon powder」,Solar Energy Materials and Solar Cells, 44,Elsevier Science,1996,p.99-117
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らは、上記Solar Energy Materials and Solar Cells 44(1996)99-117 に記載の色素増感型太陽電池であっても、充分なエネルギー変換効率を得られておらず未だ不充分であるという問題があることを見出した。
【0009】
更に本発明者らは、Solar Energy Materials and Solar Cells 44(1996)99-117 に記載の色素増感型太陽電池と同様の構成(光電極と対極との間に多孔体層を配置する構成)を有する電池を製造する際に、その光電極に対して特表平6−511113号公報に記載の1)〜3)の何れの処理方法を適用しても、得られる電池について充分なエネルギー変換効率を得ることができず、未だ不充分であるという問題があることを見出した。
【0010】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れたエネルギー変換効率を有する電池を容易に構成することのできる色素増感型太陽電池の製造方法及びこれにより得られる色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、光電極と対極との間に絶縁性の多孔体材料からなる多孔体層を配置する構成を有する電池を製造する場合において、以下の処理を行うことが色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率の向上を図る上で非常に有効であることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明者らは、光電極の半導体電極上に多孔体層の前駆体層を形成した後、又は、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で該多孔体層の前駆体層を熱処理することにより多孔体層を形成した後に、得られる積層体をチタン化合物を含む処理液に浸漬し、その後、該処理液から取り出した積層体を、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、電池のエネルギー変換効率を増大させることが容易にできることを見出した。
【0013】
また、本発明者らは、上記の構成を有する色素増感型太陽電池において導電性の炭素材料を構成材料として含む多孔質の炭素電極を対極として採用する場合には、多孔体層の前駆体層上に対極(炭素電極)の前駆体層を形成した後、又は、400〜600℃の温度範囲で該対極(炭素電極)の前駆体層を熱処理することにより対極(炭素電極)を形成した後に、得られる積層体をチタン化合物を含む処理液に浸漬し、その後、該処理液から取り出した積層体を、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、電池のエネルギー変換効率を増大させることが容易にできることを見出し、本発明に到達した。
【0014】
ここで、先に述べた特表平6−511113号公報に記載の製造方法にも、四塩化チタンを含む水溶液に光電極を浸漬する処理方法が記載されている。しかし、この処理方法を、本発明の製造方法において採用する「光電極と対極との間に多孔体層を配置する構成を有する電池」に単純に適用することは、当業者の一般的な認識ではむしろ有効でないとされていた。
【0015】
すなわち、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理すると、多孔質の多孔体層及び多孔質の半導体電極のそれぞれの内部に侵入した処理液中のチタン化合物は、酸化チタン(主成分が導電性を有するアナターゼ型の酸化チタン)となると考えるのが当業者の一般的な認識である。そのため、多孔体層中に導電性を有する酸化チタンの薄膜(或いは粒子)が析出すると電気的な絶縁性の低下を危惧し、多孔体層(又は多孔体層の前駆体層)を処理液に浸漬させず、光電極のみ処理液に浸漬させることが有効であるとする認識が当業者の一般的な認識であった。
【0016】
これに対して、本発明者らは、光電極と多孔体層(又は多孔体層の前駆体層)を一体化した積層体として作製し、この多孔体層(又は多孔体層の前駆体層)を含む積層体を処理液に浸漬させ、更に熱処理するという工程(後述の第3工程又は第8工程)を積極的に採用することにより、エネルギー変換効率を向上させることができるという当業者の一般的な認識からは容易に想到できない効果が得られることをはじめて見出し、本発明に到達した。
【0017】
すなわち、本発明は、受光面を有する半導体電極及び当該受光面上に隣接して配置された透明電極を有する光電極と、対極と、半導体電極と対極との間に配置されており絶縁性の多孔体材料を構成材料として含む多孔体層とを有し、電解質が多孔体層中に少なくとも含有されている色素増感型太陽電池の製造方法であって、
光電極を形成する第1工程と、
絶縁性の多孔体材料を含む液を調製し、光電極の半導体電極上に塗布し、次いで乾燥させることにより、半導体電極上に多孔体層の前駆体層を少なくとも形成する第2工程と、
チタン化合物を含む処理液を調製し、該処理液中に第2工程で得られる積層体を浸漬し、次いで、当該積層体を処理液から取り出して洗浄し、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理する第3工程と、
第3工程の熱処理により得られる多孔体層上に対極を形成する第4工程と、
を少なくとも有することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法を提供する。
【0018】
ここで、本発明において、「多孔体層の前駆体層」とは、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で行う熱処理を施される以前の状態にある絶縁性の多孔体材料からなる層を示す。また、本発明において、「酸化雰囲気」とは、構成元素として酸素原子を含有する酸化剤(例えば、酸素分子)が少なくとも含まれる雰囲気(熱処理される物が置かれる外部環境、例えば、空気中等)を示す。更に、本発明において、「対極の前駆体層」とは、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で行う熱処理を施される以前の状態にある導電性の炭素材料からなる層を示す。
【0019】
先に述べた従来の製造方法を光電極と対極との間に多孔体層を配置する構成を有する電池に適用した場合に比較して、上述のように光電極を形成し、更に多孔体層の前駆体層或いは多孔体層を形成した後において第3工程の処理を行うことにより、得られる電池のエネルギー変換効率を向上させることができる。また、この製造方法では、半導体電極上に多孔体層を形成するため、電解質を内部に保持しやすく、電解質溶液又はそれをゲル化したものを光電極と対極との間に配置する構成を有する電池よりも構造的に安定性の高い電池を容易に製造することができる。
【0020】
また、第3処理工程においては、例えば、電気化学セルを組み上げて通電するといった処理をするのではなく、主として処理液への浸漬と熱処理という比較的シンプルな処理を行うだけなので、この観点からも電池を容易に製造することができしかも低コストで製造することができる。
【0021】
上記の効果を得ることが可能となることについての詳細なメカニズムは明確に解明されていないが、検討した実験データの結果から本発明者らは以下のように推察している。
【0022】
すなわち、本発明において、少なくとも第3工程の処理を行った後においては、酸化雰囲気下で熱処理するときの温度が400〜600℃であるので、半導体電極及び多孔体層が形成されている。このとき、この熱処理の温度条件から、多孔質の多孔体層及び多孔質の半導体電極のそれぞれの内部に侵入した処理液中のチタン化合物は酸化チタン(主成分が導電性を有するアナターゼ型の酸化チタン)になっていると本発明者らは考えている。
【0023】
そして、半導体電極中では、酸化物半導体粒子の表面上に適量の酸化チタンからなる薄膜(粒子状の酸化チタンも含む場合がある)がこの酸化物半導体粒子の表面の一部を被覆した状態で3次元的に形成されており、一方、多孔体層中においても、絶縁性の多孔体材料からなる粒子の表面上に適量の酸化チタンからなる薄膜(粒子状の酸化チタンも含む場合がある)がこの多孔体材料からなる粒子の表面の一部を被覆した状態で3次元的に形成されていると本発明者らは考えている。
【0024】
そのため、半導体電極においては、上述の酸化チタンからなる薄膜が形成されることにより、該薄膜が導電性を有するバインダとして機能し、構成材料の酸化物半導体粒子同士の密着性が高められ、その電子輸送特性(電子伝導率)が向上するとともに色素の吸着状態が最適化されると本発明者らは考えている。更に、その結果、光励起された色素から半導体電極への電子注入を効率よく進行させることができ、光電流を増大させることができていると本発明者らは考えている。また、多孔体層においては、酸化チタンからなる薄膜が形成されることにより、その電気的絶縁性を保持しつつ光反射率を向上させることができていると本発明者らは考えている。更に、酸化チタンからなる薄膜が形成されることにより、半導体電極と多孔体層との密着性が高められ、電池の機械的な構造安定性を向上させることができる。
【0025】
なお、上述の製造方法の場合、対極又は対極の前駆体層を形成する前に、チタン化合物を含む処理液を使用する場合の本発明の製造方法においては、対極としては、例えば、透明基板上にPt等の触媒粒子を付着させた透明導電膜をコートした構成を有するいわゆるPt担持TCOガラス基板(Transparent Conductive Oxide Coated Glass)を使用してもよく、多孔質の炭素電極を使用してもよい。例えは、炭素電極としては、炭素電極自身を対極として使用してもよく、基板上に炭素電極を一体化して形成したものを対極として使用してもよく、基板上に透明導電膜を形成し更に該透明導電膜上に炭素電極を一体化して形成したものを対極として使用してもよい。
【0026】
また、本発明は、受光面を有する半導体電極及び当該受光面上に隣接して配置された透明電極を有する光電極と、対極と、半導体電極と対極との間に配置されており絶縁性の多孔体材料を構成材料として含む多孔体層とを有し、電解質が多孔体層中に少なくとも含有されている色素増感型太陽電池の製造方法であって、
光電極を形成する第5工程と、
絶縁性の多孔体材料を含む液を調製し、光電極の半導体電極上に塗布し、次いで乾燥させることにより、半導体電極上に多孔体層の前駆体層を少なくとも形成する第6工程と、
導電性の炭素材料を含む液を調製し、当該液を第6工程の後に得られる積層体上に塗布し、次いで乾燥させることにより、当該積層体上に対極の前駆体層を少なくとも形成する第7工程と、
チタン化合物を含む処理液を調製し、当該処理液中に第7工程で得られる積層体を浸漬し、次いで、当該積層体を処理液から取り出して洗浄し、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理する第8工程と、
を少なくとも有することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法を提供する。
【0027】
先に述べた従来の製造方法を光電極と対極との間に多孔体層を配置する構成を有する電池に適用した場合に比較して、上述のように光電極を形成し、次いで、多孔体層の前駆体層又は多孔体層を形成し、更に対極の前駆体層又は対極を形成した後、第8工程の処理を行うことにより、得られる電池のエネルギー変換効率を向上させることができる。また、この製造方法では、半導体電極上に多孔体層を形成し、更に多孔体層上に対極(炭素電極)を形成するため、電解質を内部に保持しやすく、電解質溶液又はそれをゲル化したものを光電極と対極との間に配置する構成を有する電池よりも構造的に安定性の高い電池を容易に製造することができる。
【0028】
また、第8処理工程においては、例えば、電気化学セルを組み上げて通電するといった処理をするのではなく、主として処理液への浸漬と熱処理という比較的シンプルな処理を行うだけなので、この観点からも電池を容易に製造することができ、しかも低コストで製造することができる。
【0029】
上記の効果を得ることが可能となることについての詳細なメカニズムは明確に解明されていないが、検討した実験データの結果から、この製造方法の場合にも本発明者らは以下のように推察している。
【0030】
すなわち、本発明において、少なくとも第8工程の処理を行った後においては、酸化雰囲気下で熱処理するときの温度が400〜600℃であるので、半導体電極、多孔体層及び対極が形成されている。このとき、この熱処理の温度条件から、多孔質の多孔体層、多孔質の半導体電極及び多孔質の対極(炭素電極)のそれぞれの内部に侵入した処理液中のチタン化合物は酸化チタン(主成分が導電性を有するアナターゼ型の酸化チタン)になっていると本発明者らは考えている。
【0031】
そして、先に述べた製造方法の場合と同様に、半導体電極中では、酸化チタンからなる薄膜(粒子状の酸化チタンも含む場合がある)が酸化物半導体粒子の表面の一部を被覆した状態で3次元的に形成されており、多孔体層中においても、酸化チタンからなる薄膜(粒子状の酸化チタンも含む場合がある)がこの多孔体材料からなる粒子の表面の一部を被覆した状態で3次元的に形成されていると本発明者らは考えている。更に、この場合、対極中においても、適量の酸化チタンからなる薄膜(粒子状の酸化チタンも含む場合がある)が、構成材料となる導電性の炭素材料からなる粒子の表面の一部を被覆した状態で3次元的に形成されていると本発明者らは考えている。
【0032】
そして、半導体電極においては、先に述べた製造方法の場合と同様にして光電流を増大させることができていると本発明者らは考えている。また、多孔体層においては、先に述べた製造方法の場合と同様にしてその電気的絶縁性を保持しつつ光反射率を向上させることができていると本発明者らは考えている。更に、対極(炭素電極)においては、酸化チタンからなる薄膜が形成されることにより、該薄膜が導電性を有するバインダとして機能し、構成材料の炭素材料からなる粒子同士の密着性が高められ、その電子輸送特性(電子伝導率)が向上すると本発明者らは考えている。また、酸化チタンからなる薄膜が形成されることにより、半導体電極及び多孔体層の間の密着性、多孔体層及び対極の間の密着性がそれぞれ高められ、電池の機械的な構造安定性を向上させることができる。
【0033】
なお、上記の対極として炭素電極を形成する場合の本発明の製造方法においては、炭素電極自身を対極として使用してもよく、基板上に炭素電極を一体化して形成したものを対極として使用してもよく、基板上に透明導電膜を形成し更に該透明導電膜上に炭素電極を一体化して形成したものを対極として使用してもよい。
【0034】
更に、本発明は、受光面を有する半導体電極及び当該受光面上に隣接して配置された透明電極を有する光電極と、半導体電極に対向配置された対極と、半導体電極と対極との間に配置されており絶縁性の多孔体材料からなる多孔体層とを有し、電解質が多孔体層中に少なくとも含有された色素増感型太陽電池であって、上述の本発明の何れかの方法により製造されること、を特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。
【0035】
このように、先に述べた本発明の製造方法の何れかにより製造することにより、優れたエネルギー変換効率を有する電池を容易に構成することができる。
【0036】
ここで、本発明において、「色素」とは、金属錯体色素及び有機色素を示す。また、「電解質」とは、電解質溶液(以下、必要に応じて「電解液」という)、電解質溶液にゲル化剤を添加してゲル化したもの、及び、固体電解質のいずれかであって、半導体電極中及び多孔体層中に保持可能なもの(対極が多孔質の炭素電極のような多孔質の電極の場合には更に対極中にも保持可能なもの)を示す。
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の炭素電極及び色素増感型太陽電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
[第1実施形態]
図1は、本発明の色素増感型太陽電池の第1実施形態の基本構成を示す模式断面図である。図1に示す色素増感型太陽電池20は、主として、光電極10と、対極CEと、シール材5により光電極10と対極CEとの間に画成される間隙に配置された多孔体層PSとから構成されている。この多孔体層PSは多数の細孔を有した構造を有しており、この多孔体層PSの内部には、電解質E(液体状或いはゲル状の電解質)が充填されて保持されている。
【0038】
また、図1に示す光電極10は、主として、受光面F2を有する半導体電極2と、当該半導体電極2の受光面F2上に隣接して配置された透明電極1とから構成されている。そして、半導体電極2は、受光面F2と反対側の裏面F22において多孔体層PSと接触している。
【0039】
この色素増感型太陽電池20は、透明電極1を透過して半導体電極2に照射される光によって半導体電極2内に吸着されている増感色素が励起され、この増感色素から半導体電極2へ電子が注入される。そして、半導体電極2において注入された電子は、透明電極1に集められて外部に取り出される。
【0040】
透明電極1の構成は特に限定されるものではなく、通常の色素増感型太陽電池に搭載される透明電極を使用できる。例えば、図1に示す透明電極1は、ガラス基板等の透明基板4の半導体電極2の側にいわゆる透明導電膜3をコートした構成を有する。この透明導電膜3としては、液晶パネル等に用いられる透明電極を用いればよい。
【0041】
例えば、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)、等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものでもよい。
【0042】
透明基板4としては、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
【0043】
図1に示す半導体電極2は、酸化物半導体粒子を構成材料とする酸化物半導体層からなる。半導体電極2に含有される酸化物半導体粒子は特に限定されるものではなく、公知の酸化物半導体等を使用することができる。酸化物半導体としては、例えば、TiO2,ZnO,SnO2,Nb25,In23,WO3,ZrO2,La23,Ta25,SrTiO3,BaTiO3等を用いることができる。これらの酸化物半導体の中でもアナターゼ型TiO2が好ましい。
【0044】
また、半導体電極2に含有される増感色素は、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であれば特に限定されるものではない。より好ましくは、少なくとも200nm〜10μmの波長の光により励起されて電子を放出するものであればよい。このような増感色素としては、金属錯体や有機色素等を用いることができる。金属錯体としては銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体(例えば、シス−ジシアネート−N,N’−ビス(2、2’−ビピリジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))等が挙げられる。有機色素としては,メタルフリーフタロシアニン,シアニン系色素,メロシアニン系色素,キサンテン系色素,トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。
【0045】
また、対極CEは、電解質中に含有される酸化還元対(例えば、I3 -/I-等)の酸化体に電子を反応させて還元体を得る還元反応(例えば、I3 -をI-へ還元する還元反応)を高効率で進行させることができる材料から構成されるのもであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対極と同じものを用いてよい。
【0046】
例えば、対極CEの場合には、前述の透明電極1と同じ構成を有するものが用いられており、その透明導電膜(図示せず)の側が多孔体層PSに接触されるように配置されている。この他に対極CEとしては、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解液Eの側に向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであってもよく、白金などの金属薄膜などであってもよい。
【0047】
多孔体層PSは、電解質Eを保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されない。例えば、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。また、ルチル型の酸化チタン以外の構成材料としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ等が挙げられる。更に、この多孔体層PSは、光電極10を透過する光を反射してその反射光を再び光電極10内に照射する光反射層としての機能も有している。これにより、光電極10における光の利用効率を向上させることができる。また、この電解質Eは半導体電極2内にも保持されている。また、対極CEが多孔質の炭素電極の場合には対極CE中にも保持されている。
【0048】
更に、電解質Eは、光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されず、例えば、液状の電解質であってもよく、これに公知のゲル化剤(高分子或いは低分子のゲル化剤)を添加して得られるゲル状の電解質であってもよい。
【0049】
また、電解質Eに使用される液状電解質の溶媒としては、溶質成分を溶解できる化合物であれば特に制限はないが、電気化学的に不活性で、比誘電率が高くかつ粘度が低い溶媒(およびこれらの混合溶媒)に溶かしたものが好ましく、例えば、例えば,メトキシプロピオニトリルやアセトニトリルのようなニトリル化合物,γ−ブチロラクトンやバレロラクトンのようなラクトン化合物,エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのようなカーボネート化合物、炭酸プロピレン等が挙げられる。
【0050】
電解質Eに使用される液状電解質の溶質としては,半導体電極2に担持された色素や対極CEと電子の受け渡しを行える酸化還元対(I3 -/I-系の電解質、Br3 -/Br-系の電解質、ハイドロキノン/キノン系の電解質などのレドックス電解質)や、この電子の受け渡しを助長する作用を有する化合物等が挙げられ、これらがそれぞれ単独あるいは複数組み合せて含まれていてもよい。
【0051】
より具体的には、酸化還元対を構成する物質としては、例えば,ヨウ素,臭素,塩素などのハロゲン,ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム,ヨウ化テトラプロピルアンモニウム,ヨウ化リチウムのようなハロゲン化物などが挙げられる。電子の受け渡しを効率よく行うための添加剤としては、4−t−ブチルピリジンのようなヘテロ環状化合物などが挙げられる。
【0052】
シール材5は、電解質Eが、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面から外部に漏れることを防止するためのものである。このシール材5としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。
【0053】
また、電解質Eを密封する目的で、シール材5に対し、光電極10、対極CE及び多孔体層PSを一体化するために使用する接着剤としては、電解質Eの成分ができる限り外部に漏洩しないように封止できるものであればよく、特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチレン/メタクリル酸共重合体,表面処理ポリエチレンからなる熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0054】
次に、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法の好適な一実施形態を、図1に示した色素増感型太陽電池20を製造に適用した場合について説明する。図1に示した色素増感型太陽電池20は、優れたエネルギー変換効率を得るために、以下に示す方法により製造されている。
【0055】
先ず、光電極10を形成する(第1工程)。
透明電極1を製造する場合は、ガラス基板等の基板4上に先に述べたフッ素ドープSnO2等の透明導電膜3をスプレーコートする等の公知の薄膜製造技術を用いて形成することができる。例えば、この他にも、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法及びゾルゲル法の公知の薄膜製造技術を用いて形成することができる。
【0056】
透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する方法としては、例えば、以下の2つの方法がある。すなわち、第1の方法としては、半導体電極2の構成材料を含む液を調製し、当該液を透明電極1上に塗布し、次いで、乾燥させることにより、透明電極1上に半導体電極2の前駆体層を形成する方法が挙げられる。
【0057】
より具体的には、先ず、所定の大きさ(例えば粒子径が10〜30nm程度)を有する酸化物半導体粒子を分散させた分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など酸化物半導体粒子を分散できるものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。
【0058】
次に、分散液を透明電極1の透明導電膜3上に塗布し、次いで乾燥することにより、半導体電極2の前駆体層を形成する。このときの塗布方法としてはバーコーター法、印刷法などを用いることができる。なお、ここで、半導体電極2の前駆体層を形成した後、更に、空気中等の酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、半導体電極2の前駆体層を焼成して半導体電極2を形成してもよい。
【0059】
この場合、熱処理の温度が400℃未満であると、前駆体層の充分な焼成を充分に行うことができなくなる傾向が大きくなる。また、熱処理の温度が600℃を超えると、透明電極1の電気抵抗が増大する傾向が大きくなると共に基板4に歪みが発生し半導体電極2の前駆体層(又は、焼成後の半導体電極2)の一部又は全部が剥離し電池性能が低下する傾向が大きくなる。
【0060】
ただし、半導体電極2の前駆体層を焼成して半導体電極2を形成するための熱処理を省いても、後述の第3工程の熱処理により、半導体電極2の前駆体層を焼成して半導体電極2を形成することができるので、製造効率を向上させる観点からは、ここの段階での熱処理は省くことが好ましい。
【0061】
また、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する第2の方法としては、以下の方法がある。すなわち、第2の方法としては、物理蒸着法又は化学蒸着法により透明電極1の透明導電膜3上にアナターゼ型のTiO2等の酸化物半導体からなる薄膜状の層を蒸着させる方法が挙げられる。より具体的には、透明導電膜3上に半導体を膜状に蒸着させる方法としては公知の薄膜製造技術を用いることができる。例えば、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイオンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を透明導電膜3上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸着法を用いることもできる。
【0062】
次に、絶縁性の多孔体材料を含む液を調製し、光電極1の半導体電極2上に塗布し、次いで乾燥させることにより、半導体電極2上に多孔体層PSの前駆体層を少なくとも形成する(第2工程)。例えば、ルチル型の酸化チタン等の電気的絶縁性の多孔体層PSの構成材料を含む分散液(スラリー)を調製し、これを半導体電極2の面F22上に塗布し乾燥させることにより多孔体層PSの前駆体層を形成する。
【0063】
ここで、多孔体層PSの前駆体層を形成した後、更に、空気中等の酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、多孔体層PSの前駆体層を焼成して多孔体層PSを形成してもよい。この場合、熱処理の温度が400℃未満であると、前駆体層の充分な焼成を充分に行うことができなくなる傾向が大きくなる。また、熱処理の温度が600℃を超えると、透明電極1の電気抵抗が増大する傾向が大きくなると共に基板4に歪みが発生し多孔体層PSの前駆体層(又は、焼成後の多孔体層PS)の一部又は全部が剥離し電池性能が低下する傾向が大きくなる。
【0064】
ただし、多孔体層PSの前駆体層を焼成して多孔体層PSを形成するための熱処理を省いても、後述の第3工程の熱処理により、多孔体層PSの前駆体層を焼成して多孔体層PSを形成することができるので、製造効率を向上させる観点からは、ここの段階での熱処理は省くことが好ましい。
【0065】
次に、チタン化合物を含む処理液を調製し、当該処理液中に第2工程で得られる積層体を浸漬し、次いで、当該積層体を処理液から取り出して洗浄し、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理する(第3工程)。
【0066】
ここで、第3工程における熱処理の温度が400℃未満であると、半導体電極及び多孔体層中に、先に述べた酸化チタンからなる薄膜(酸化チタン粒子も含まれる場合がある)を充分に形成できなくなる。また、この第3工程における熱処理により、半導体電極2の前駆体層及び多孔体層PSの前駆体層の焼成も同時に行う場合には、これらの各層の充分な焼成を充分に行うことができなくなる。更に、熱処理の温度が600℃を超えると、透明電極1の電気抵抗が増大する傾向が大きくなると共に、基板4に歪みが発生し半導体電極2の前駆体層(又は、焼成後の半導体電極2)の一部又は全部、及び/又は、多孔体層PSの前駆体層(又は焼成後の多孔体層PS)の一部又は全部が剥離し電池性能が低下する傾向が大きくなる。
【0067】
また、「チタン化合物を含む処理液」とは、チタン化合物が溶媒中に溶解した溶液であってもよく、チタン化合物が分散媒中に分散した分散液であってもよいが、半導体電極2或いは多孔体層PS中に酸化チタンの薄膜を均一な厚さで速やかに形成する観点からは、チタン化合物が溶媒中に溶解した溶液であることが好ましい。処理液に含まれるチタン化合物としては、三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体が好ましい。また、チタン化合物として、四塩化チタンも好ましい。
【0068】
更に、「チタン化合物を含む処理液」の溶媒又は分散媒としては、水、アルコール類;エタノール,n−プロパノール,i−プロパノール,n−ブタノール、エーテル類;ヒドロキシエチルメチルエーテル,ヒドロキシエチルエチルエーテル、ケトン類;アセトン,アセチルアセトン等が挙げられる。また、これら溶媒又は分散媒のうちの少なくとも2種を任意に混合して使用してもよい。
【0069】
ここで、「チタンアルコキシド」とは、下記一般式(1)で表される化合物を示す。
Ti(OR)4 ・・・(1)
【0070】
ここで、上記式(1)中、4つのRは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、-CH3、-C25、-iC37、-nC37、-iC49及び-nC49からなる群より選択される1種の特性基を示す。
【0071】
より高いエネルギー変換効率を得る観点から、チタンアルコキシドとしては、チタンテトライソプロポキシド{Ti(O-iC374}、チタンテトラnブトキシド{Ti(O-nC494}が好ましい。
【0072】
また、「チタン錯体」とは、酢酸チタン、クエン酸チタン、オキシシュウ酸チタン(IV)カリウム塩、チタンペルオキソ錯体、チタンペルオキソヒドロキシカルボン酸のアンモニウム塩、チタンイソプロポキシドアセチルアセトン誘導体及び、チタンアセチルアセトナートからなる群より選択される1種の化合物を示す。
【0073】
より高いエネルギー変換効率を得る観点からは、チタン錯体としては、チタンペルオキソクエン酸アンモニウム、チタンアセチルアセトナートが好ましい。
【0074】
第3工程において使用する処理液に含まれるチタン化合物が三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体である場合、処理液中に第2工程の後に得られる積層体を浸漬する際の温度は0〜50℃であることが好ましい。この浸漬の温度が0℃未満となると、加水分解反応速度が遅く、TiO2の薄層の析出に長時間を要する。また、この浸漬の温度が50℃を超えると、最終的に生成する酸化チタンの粒子の粒子径が大きくなり、本発明の作用効果を得にくくなる傾向が大きくなる。更に、この浸漬の温度が50℃を超えると、チタン化合物の反応性が高くなるため、チタン化合物の種類によっては該チタン化合物が透明導電膜3と反応して透明電極1の抵抗が増大し電池性能が低下する傾向が大きくなる。
【0075】
また、第3工程において使用する処理液に含まれるチタン化合物が四塩化チタンである場合、処理液中に第2工程の後に得られる積層体を浸漬する際の温度は0〜120℃であることが好ましい。この浸漬の温度が0℃未満となると、加水分解反応速度が遅く、TiO2の薄層の析出に長時間を要する。また、この浸漬の温度が120℃を超えると、最終的に生成する酸化チタンの粒子の粒子径が大きくなり、本発明の作用効果を得にくくなる傾向が大きくなる。
【0076】
また、第3工程において使用する処理液中のチタン化合物の濃度は、半導体電極(或いはその前駆体層)、多孔体層(或いはその前駆体層)のポロシティや各層に使用する構成材料の種類、チタン化合物の種類等に応じて最大のエネルギー変換効率を得られるように調節されるが、より高いエネルギー変換効率を得る観点から、第3工程において使用する処理液中のチタン化合物の濃度は0.01〜0.20mol/Lであることが好ましい。ここで、チタン化合物の濃度が0.01mol/L未満であると、焼成後に十分な量のTiO2の薄層が析出されない傾向にある。一方、チタン化合物の濃度が0.20mol/Lを超えると、透明導電膜3の分解を進行させる傾向が大きくなる。
【0077】
また、チタン化合物を含む処理液から処理後の積層体を取り出して洗浄する場合の洗浄液としては、希塩酸水溶液、エタノール又はメタノールを使用する。なお、この洗浄の処理は、積層体の外表面[半導体電極2(又は半導体電極2の前駆体層)及び多孔体層PS(又は多孔体層PSの前駆体層)内部の細孔壁の表面を除く]に付着した余分な処理液を除去するための処理である。半導体電極2(又は半導体電極2の前駆体層)及び多孔体層PS(又は多孔体層PSの前駆体層)内部の細孔中に侵入させたチタン化合物を含む処理液は積層体外部に除去されないようにする。
【0078】
次に、半導体電極2中に浸着法等の公知の技術により増感色素を含有させる。増感色素は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中に第3工程で得られる積層体(光電極1と多孔体層PSを一体化したもの)を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
【0079】
次に、第3工程の熱処理により得られる多孔体層PS上に対極CEを形成する(第4工程)。先ず、対極CEを作製する。対極CEの製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。図1に示す色素増感型太陽電池20の対極CEのように透明電極1と同様の構成を有する場合には、先に述べた透明電極1の製造方法と同様にして対極CEを作成する。
【0080】
次に、対極CEの多孔体層PSの側と反対の側の面上に基板6を形成し、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面をシール材5で被覆し、電解質Eを含まない状態の色素増感型太陽電池20を完成する。次に、色素増感型太陽電池20の内部(半導体電極2及び多孔体層PS)に電解質Eを注入し、色素増感型太陽電池20を完成する。
【0081】
この電解質Eの注入は、例えば、光電極1、対極CE、又は、シール材5に予め設けておいた注入口を利用して行うことができる。この注入口は、電解質Eの注入を完了した後に所定の部材や樹脂により塞げばよい。また、電解質Eの注入の際、電解質Eがゲル状の場合には加熱により液化すればよい。また、電解質Eが固体電解質の場合には、例えば、固体電解質を溶解可能な溶媒を用いて固体電解質を溶解した液を調製し、第4工程を行う以前の色素を吸着させた後の積層体をこの液に含浸させ、その後溶媒を除去するなどしてもよい。
【0082】
[第2実施形態]
図2は、本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態を示す模式断面図である。以下、図2に示す色素増感型太陽電池30について説明する。なお、上述の図1に示した色素増感型太陽電池20に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0083】
図2に示す色素増感型太陽電池30は、以下に示す多孔体層PSの形状と、対極CEの形状及び構成以外は図1に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有している。
【0084】
すなわち、図2に示す色素増感型太陽電池30の場合、多孔体層PSが半導体電極2の裏面F22を覆う部分の他に、半導体電極2の側面を密着して覆う鍔状の縁部分を有している。この鍔状の縁部分は、光電極10の透明電極1の受光面F1の法線方向に略平行となる方向にのびてその先端が透明電極1に接続されている。
【0085】
この透明電極1と多孔体層PSとの接続部についてより詳細に説明すると、この接続部において、透明電極1の透明導電膜3の部分は、例えばレーザスクライブ等の技術により完全に削りとられ、透明基板4の表面があらわれる深さの溝9が形成されている。そして、この溝9の部分に多孔体層PSの鍔状に形成された縁部分が挿入されている。
【0086】
次に、対極CEについて説明する。図1に示した色素増感型太陽電池20では対極CEとして透明電極1と同様の構成を有する電極が採用されているのに比較して、図2に示す色素増感型太陽電池30では、対極CEとして、導電性の炭素材料を構成材料として含む炭素電極が採用されている。
【0087】
対極CE(炭素電極)は、例えば、カーボンブラック粒子と、グラファイト粒子と、アナターゼ型の酸化チタン粒子等の導電性酸化物粒子とを構成材料として形成された多孔質の電極である。この多孔質の対極CE(炭素電極)の細孔内には、電解質Eが保持される。なお、多孔質の炭素電極である対極CE中には、例えば、電極反応の速度をより速やかに進行させる観点から、Pt微粒子等の触媒微粒子を分散担持してもよい。
【0088】
この対極CE(炭素電極)にも、多孔体層PSの鍔状の縁部分を密着して覆うための鍔状の縁部分が形成されている。また、この対極CE(炭素電極)の鍔状の縁部分も、光電極10の透明電極1の受光面F1の法線方向に略平行となる方向にのびてその先端が透明電極1の透明導電膜3の表面に密着するように接続されている。
【0089】
更に、対極CE(炭素電極)の多孔体層PSと反対側の面上には、透明基板6が隣接するように配置されている。また、半導体電極2の側面のうち多孔体層PSの鍔状の縁部分で覆われていない部分、及び、多孔体層PSの側面のうち、対極CEの鍔状の縁部分で覆われていない部分は、図1に示した色素増感型太陽電池20に使用されているものと同様のシール材5を密着させて配置することによりシールされている。更に、対極CEの鍔状の縁部分の外表面に対してもシール材5が密着するように配置されている。
【0090】
透明基板6と、シール材5を配置することにより、半導体電極2及び多孔体層PSのそれぞれの内部に含有されている電解質の電池40外部への逸散を充分に防止することができる。
【0091】
以上のように、この色素増感型太陽電池30は、光電極10の透明電極1に多孔体層PSと対極CEとがそれぞれ一体化された構成を有している。そして、多孔体層PSの鍔状の縁部分により、光電極10と対極CEとの電気的な接触が防止されている。なお、光電極10と対極CEとの電気的な接触(光電極10と対極CEとの間での電子移動)が充分に防止されるのであれば、図2において、多孔体層PSの鍔状の縁部分を設けずに、半導体電極2の側面と対極CE3の鍔状の縁部分の内側面とが見かけ接触している状態の構成としてもよい。この場合、溝9内には半導体電極2の構成材料が挿入される。
【0092】
次に、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法の他の好適な一実施形態を、図2に示す色素増感型太陽電池30の製造に適用した場合について説明する。図2に示した色素増感型太陽電池30は、優れたエネルギー変換効率を得るために、以下に示す方法により製造されている。
【0093】
先ず、光電極10を形成する(第5工程)。この第5工程における光電極10の作製手順及び作製条件は、先に述べた第1実施形態の色素増感型太陽電池20の製造方法における第1工程と同様である。
【0094】
なお、この第5工程において、透明導電膜3を透明基板4上に形成した後、レーザスクライブ処理により、透明導電膜3の一部を削り、透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成してもよい。
【0095】
また、この溝9を形成した後の透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)を形成する際に、溝9中にも半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)が形成されるようにし、次いで、レーザスクライブ処理により、溝9を埋める半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)の部分を削り取り、再び透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成してもよい。
【0096】
更に、透明導電膜3を透明基板4上に形成した後においてはレーザスクライブ処理を行わず、透明電極1上に半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)を形成した後、レーザスクライブ処理により、透明導電膜3及び半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)の一部を削り、透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成してもよい。
【0097】
次に、絶縁性の多孔体材料を含む液を調製し、光電極1の半導体電極2上に塗布し、次いで乾燥させることにより、半導体電極2上に多孔体層PSの前駆体層を少なくとも形成する(第6工程)。この第6工程における多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)の作製手順及び作製条件は、多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)に先に述べた鍔状の縁部分を設けること以外は、先に述べた第1実施形態の色素増感型太陽電池20の製造方法における第1工程と同様である。
【0098】
なお、この第6工程において、多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)を半導体電極2上に形成した後、レーザスクライブ処理により、多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)の一部を削り、透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成してもよい。このとき、レーザスクライブ処理により、多孔体層PSの鍔状の縁部分のうち対極CE(炭素電極)が形成される側の表面を削り、多孔体層PSの形状を整える。
【0099】
また、この場合、第6工程におけるレーザスクライブ処理を行う前の積層体としては、第5工程における各作製段階の何れにおいても溝9を形成せずに、透明電極1上に半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)を形成した状態のものであってもよい。更に、第6工程におけるレーザスクライブ処理を行う前の積層体としては、上記の状態の積層体の他に、第5工程における各作製段階の何れかにおいて、先に述べたように内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成し、更に、多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)を形成する際に、溝9中にも多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)が形成したものであってもよい。
【0100】
次に、導電性の炭素材料を含む液を調製し、液を前記第6工程の後に得られる積層体上に塗布し、次いで乾燥させることにより、積層体上に対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成する(第7工程)。
【0101】
対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成する方法は特に限定されず、例えば、以下の手法で形成することができる。すなわち、カーボンブラック粒子と、グラファイト粒子と、アナターゼ型の酸化チタン粒子等の導電性酸化物粒子と、アセチルアセトン等の有機溶媒と、イオン交換水と、界面活性剤とを含むスラリー(或いはこのスラリーに増粘剤を添加したカーボンペースト)を調製し、これを多孔体層PSの前駆体層上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。上記のスラリー(或いはペースト)の塗布、乾燥の一連の作業を繰り返すことにより得られる対極CE(炭素電極)の厚さを調節することができる。
【0102】
ここで、対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成した後、更に、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、多孔体層PSの前駆体層を焼成して対極CE(炭素電極)を形成してもよい。この場合、熱処理の温度が400℃未満であると、前駆体層の充分な焼成を充分に行うことができなくなる傾向が大きくなる。
【0103】
また、熱処理の温度が600℃を超えると、透明電極1の電気抵抗が増大する傾向が大きくなる。また、この場合には、基板4に歪みが発生し、以下に示す(i)〜(iii)の現象のうちの少なくとも1つが発生して電池性能が低下する傾向が大きくなる。すなわち、これらの現象とは、(i):半導体電極2の前駆体層(又は、焼成後の半導体電極2)の一部又は全部が剥離すること、(ii):多孔体層PSの前駆体層(又は焼成後の多孔体層PS)の一部又は全部が剥離すること、(iii):対極CEの前駆体層(又は焼成後の対極CE)の一部又は全部が剥離することである。
【0104】
また、ここでの熱処理は、酸化雰囲気下及び非酸化雰囲気下(酸化剤を含まない雰囲気,例えば、希ガスなどの不活性ガス、窒素などの上記の温度範囲では化学的に不活性なガス中)の何れで行ってもよいが、酸化雰囲気下で行う場合には、対極CE(炭素電極)の劣化をより確実に防止する観点から、400〜450℃の温度範囲で行うことが好ましい。ただし、対極CE(炭素電極)の前駆体層を焼成して対極CE(炭素電極)を形成するための熱処理を省いても、後述の第8工程の熱処理により、対極CE(炭素電極)の前駆体層を焼成して対極CE(炭素電極)を形成することができるので、製造効率を向上させる観点からは、ここの段階での熱処理は省くことが好ましい。
【0105】
なお、この第7工程において、対極CE(炭素電極)の前駆体層(又は対極CE(炭素電極))を多孔体層PS上に形成した後、レーザスクライブ処理により、対極CE(炭素電極)の前駆体層(又は対極CE(炭素電極))の一部を削り、透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成してもよい。このとき、レーザスクライブ処理により、対極CE(炭素電極)の前駆体層(又は対極CE(炭素電極))の鍔状の縁部分のうちシール材5と接触する側の表面を削って面だしを行い、対極CE(炭素電極)の前駆体層(又は対極CE(炭素電極))の形状を整える。
【0106】
また、この場合、第7工程におけるレーザスクライブ処理を行う前の積層体としては、第5工程における各作製段階及び第6工程の各作製段階の何れにおいても溝9を形成せずに、透明電極1上に半導体電極2の前駆体層(又は半導体電極2)を形成し、更に、多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)を形成した状態のものであってもよい。
【0107】
更に、第7工程におけるレーザスクライブ処理を行う前の積層体としては、上記の状態の積層体の他に、第5工程における各作製段階及び第6工程の各作製段階の何れかにおいて、先に述べたように内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成し、更に、第6工程において多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)を形成する際に、溝9中にも多孔体層PSの前駆体層(又は多孔体層PS)が形成したものであってもよく、更には、第7工程において対極CE(炭素電極)の前駆体層(又は対極CE(炭素電極))を形成する際に、溝9中にも対極CE(炭素電極)の前駆体層(又は対極CE(炭素電極))が形成したものであってもよい。
【0108】
次に、チタン化合物を含む処理液を調製し、当該処理液中に第7工程で得られる積層体を浸漬し、次いで、当該積層体を前記処理液から取り出して洗浄し、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理する(第8工程)。ただし、酸化雰囲気下での熱処理は、対極CEの劣化をより確実に防止する観点から400〜450℃の温度範囲で行うことが好ましい。
【0109】
この第8工程における処理手順、処理条件は、先に述べた第1実施形態の色素増感型太陽電池20の製造方法における第3工程と同様である。すなわち、処理液に含まれるチタン化合物としては、三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体が好ましい。また、チタン化合物として、四塩化チタンも好ましい。溶媒又は分散媒としては、水、アルコール、エーテル類、ケトン類等が挙げられる。また、これら溶媒又は分散媒のうちの少なくとも2種を任意に混合して使用してもよい。
【0110】
また、第8工程において使用する処理液に含まれるチタン化合物が三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体である場合、処理液中に第2工程の後に得られる積層体を浸漬する際の温度は0〜50℃であることが好ましい。
更に、第3工程において使用する処理液に含まれるチタン化合物が四塩化チタンである場合、処理液中に第2工程の後に得られる積層体を浸漬する際の温度は0〜120℃であることが好ましい。また、第8工程において使用する処理液中のチタン化合物の濃度は0.01〜0.20mol/Lであることが好ましい。
【0111】
更に、チタン化合物を含む処理液から処理後の積層体を取り出して洗浄する場合の洗浄液としては、希塩酸水溶液、エタノール、又は、メタノールを使用する。なお、この洗浄の処理は、積層体の外表面[半導体電極2(又は半導体電極2の前駆体層)、多孔体層PS(又は多孔体層PSの前駆体層)及び対極CE(又は対極CEの前駆体層)内部の細孔壁の表面を除く]に付着した余分な処理液を除去するための処理である。半導体電極2(又は半導体電極2の前駆体層)、多孔体層PS(又は多孔体層PSの前駆体層)及び対極CE(又は対極CEの前駆体層)内部の細孔中に侵入させたチタン化合物を含む処理液は積層体外部に除去されないようにする。

【0112】
次に、半導体電極2中に浸着法等の公知の技術により増感色素を含有させる。増感色素は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中に第8工程で得られる積層体(光電極1と多孔体層PSと対極CEを一体化したもの)を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
【0113】
次に、積層体(光電極1と多孔体層PSと対極CEを一体化したもの)の大きさに合わせた形状を有するシール材5を準備し、図2に示すように半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE3の外部に露出した側面、及び、対極CEの鍔状の縁部の外表面にそれぞれ配置し、熱溶着する。次に、対極のCEの裏面(半導体電極2の裏面F22に略並行な対極のCEの面であって、多孔体層PSと接触している面と反対側の外表面)に、図2に示すように防湿フィルム7を配置して熱融着し、電解質Eを含まない状態の色素増感型太陽電池30を完成する。
【0114】
次に、色素増感型太陽電池30の内部(半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE)に電解質Eを注入し、色素増感型太陽電池30を完成する。この電解質Eの注入は、例えば、光電極1、対極CE、又は、シール材5に予め設けておいた注入口を利用して行うことができる。この注入口は、電解質Eの注入を完了した後に所定の部材や樹脂により塞げばよい。また、電解質Eの注入の際、電解質Eがゲル状の場合には加熱により液化すればよい。また、電解質Eが固体電解質の場合には、例えば、固体電解質を溶解可能な溶媒を用いて固体電解質を溶解した液を調製し、第4工程を行う以前の色素を吸着させた後の積層体をこの液に含浸させ、その後溶媒を除去するなどしてもよい。
【0115】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0116】
例えば、本発明の色素増感型太陽電池は、例えば、図3に示す色素増感型太陽電池40のように、複数の電池を併設したモジュールの形態を有していてもよい。図3に示す色素増感型太陽電池40は、図2に示した色素増感型太陽電池30又は図2に示した色素増感型太陽電池30をそれぞれ複数個直列に併設する場合の一例(3個直列に併設する場合)を示している。
【0117】
図2に示した色素増感型太陽電池30に比較して、図4に示す色素増感型太陽電池40は、隣り合う太陽電池の単セルの光電極10間に設けられるシール材5と一方の単セル(以下、単セルAという)の光電極10との間に溝9が形成されている。また、図4に示す色素増感型太陽電池40は、図2に示した色素増感型太陽電池30に比較して、対極CEと防湿フィルム7との間にもシール材5が配置され、各単セルA間を仕切るシール材5のそれぞれと一体化されている。
【0118】
この溝9は、単セルAの半導体電極2を、例えばレーザスクライブなどの技術により削りとることにより形成される。この溝9のうちのシール材5の近傍部分は、半導体電極2の部分を完全に除去して透明電極1の透明導電膜3の層があらわれる深さまで達している。また、この溝9のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分は、半導体電極2の部分と透明導電膜3の部分を完全に除去して、透明電極1の透明基板4の層があらわれる深さまで達している。
【0119】
そして、この溝のうちのシール材5の近傍部分には、隣り合う光電極10の透明導電膜3及び該透明導電膜3上の半導体電極2の部分同士が電気的に接触しないように、これらの部分の間に単セルAの多孔体層PSの鍔状に形成された縁部分が透明電極1の透明基板4に接触するようにして挿入されている。
【0120】
更に、この溝のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分、すなわち、単セルAの多孔体層PSとシール材5との間の部分には、単セルAの対極CEの鍔状に形成された縁部分が、もう一方の単セルAの透明電極1の透明導電膜3に接触するようにして挿入されている。この色素増感型太陽電池40は、図2に示した色素増感型太陽電池40と同様の製造方法により形成することができる。
【0121】
また、上述した第1実施形態では、透明電極1と同様の構成を有する電極を対極CEとして備える色素増感型太陽電池20について説明したが、この対極CEを第2実施形態の色素増感型太陽電池30に備えられる対極CE、すなわち、炭素電極としてもよい。この場合の対極CE(炭素電極)の作製方法(第4工程)としては、第2実施形態の第7工程と同様の方法が挙げられる。
【0122】
なおこの場合、第4工程において、導電性の炭素材料を含む液を調製し、当該液を、第3工程の後に得られる熱処理後の積層体の多孔体層PS上に塗布し、次いで乾燥させて対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成した後、更に、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、細孔を有する多孔質の対極CE(炭素電極)を形成してもよい。また、ここでの熱処理は、酸化雰囲気下及び非酸化雰囲気下(酸化剤を含まない雰囲気,例えば、希ガスなどの不活性ガス、窒素などの上記の温度範囲では化学的に不活性なガス中)の何れで行ってもよいが、酸化雰囲気下で行う場合には、炭素電極の劣化をより確実に防止する観点から、400〜450℃の温度範囲で行うことが好ましい。
【0123】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の炭素電極及び色素増感型太陽電池について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0124】
(実施例1)
以下に示す手順により、図2に示した光電極10と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、この光電極を用いた以外は図4に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(半導体電極2の受光面F2の面積:1cm2)を作製した。
【0125】
先ず、市販のアナターゼ型の酸化チタン粒子(平均粒子径:25nm、以下、「P25」という)と、これと粒子径の異なるアナターゼ型の酸化チタン粒子(平均粒子径:200nm、以下、「P200」という)とを用い、P25とP200の合計の含有量が15質量%で、P25とP200との質量比が、P25:P200=30:70となるように、これらにアセチルアセトン、イオン交換水、界面活性剤(東京化成社製、商品名;「Triton−X」)を加え、混練して第2の層形成用のスラリー(P25の含有量;7.5質量%、P200の含有量;7.5質量%、以下、「スラリー1」とする)を調製した。
【0126】
一方、ガラス基板(透明基板4)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(膜厚:700nm)を形成した透明電極(厚さ:1.1mm)を準備した。次に、レーザスクライブ処理により、SnO2導電膜の一部を削り、透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成した。
【0127】
次に、このSnO2導電膜上に、上述のスラリー1をバーコーダを用いて塗布し、次いで乾燥させた。なお、この場合、スラリー1の塗布により上記溝9の内部もスラリー1が充填されていた。このようにして、透明電極1上に、半導体電極2の前駆体層を形成し、透明電極1と半導体電極2の前駆体層を一体化させた積層体(以下、「積層体1」という)を得た。なお、上述と同様の塗布及び乾燥を繰り返すことにより、半導体電極2の前駆体層の厚さは、最終的に得られる半導体電極2(受光面の面積;1.0cm2)の厚さが10μm、となるように調節した。
【0128】
次に、レーザスクライブ処理により、溝9を埋める半導体電極2の前駆体層の部分を削り取り、再び透明基板4の表面を露出させ、内部に充填物の無い状態の溝9(図2参照)を形成した。
【0129】
次に、多孔体層PSを形成するためのスラリー(以下、「スラリー2」という)を以下の手順で調製した。すなわち、スラリー2は、市販の二酸化ケイ素(平均粒子径:40nm、以下、P1という)と市販のルチル型の酸化チタン(平均粒子径:400nm、以下、P2という)とを用い、P1とP2の合計の含有量が15質量%で、P1とP2との質量比が、P1:P2=35:65となるようにした以外は前述のスラリー1と同様の調製手順により多孔体層PS形成用のスラリー2を調製した。
【0130】
次に、図2に示した状態となるように、積層体1の裏面(光電極10が形成された場合の裏面F22に相当する面)及び側面に対してこのスラリー2の塗布と乾燥を繰り返すことにより、多孔体層PSの前駆体層を形成した。なお、この場合、スラリー2の塗布により上記溝9の内部にも図2に示した状態と同様の状態で、鍔状の縁部分を有する多孔体層PSの前駆体層を形成した。また、上述と同様の塗布及び乾燥を繰り返すことにより、多孔体層PSの前駆体層の厚さは、最終的に得られる多孔体層PSの厚さが7μmとなるように調節した。
【0131】
次に、レーザスクライブ処理により、多孔体層PSの前駆体層の鍔状の縁部分のうち対極CE(炭素電極)が形成される側の表面を削り、多孔体層PSの前駆体層の形状を整えた。このようにて、透明電極1、半導体電極2の前駆体層及び多孔体層PSの前駆体層が一体化された積層体(以下、「積層体2」という。)を作製した。
【0132】
次に、積層体2の多孔体層PSの前駆体層上に対極CE3の前駆体層を次の手順により形成した。先ず、この対極を形成するためのスラリー(以下、「スラリー3」という)を、市販のカーボンブラック状粒子(平均粒径:40nm)、市販の気相合成カーボンファイバからなる粒子(直径:150nm,高さ5μm)、及び、アナターゼ型の酸化チタン粒子(平均粒径:8nm)を用い、カーボンブラック状粒子、グラファイト状粒子、及び酸化チタン粒子の質量比が、カーボンブラック状粒子:グラファイト状粒子、:酸化チタン粒子=20:100:15となるようにした以外は前述のスラリー1と同様の調製手順により調製した。
【0133】
次いで、光電極10の形成手順と同様にして図2に示した状態となるように、このスラリー3の塗布と乾燥を繰り返し、積層体2の多孔体層PSの前駆体層の外表面上に鍔状の縁部分を有する対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成した。このようにて、透明電極1、半導体電極2の前駆体層、多孔体層PSの前駆体層及び対極CEの前駆体層が一体化された積層体(以下、「積層体3」という。)を作製した。また、対極CE(炭素電極)の前駆体層の厚さは、最終的に得られる多孔体層PSの厚さが50μmとなるように調節した。次に、レーザスクライブ処理により、対極CE(炭素電極)の前駆体層の鍔状の縁部分のうちシール材5と接触する側の表面を削り、対極CE(炭素電極)の前駆体層8の形状を整えた。
【0134】
次に、TiCl3をイオン交換水に溶解した水溶液(TiCl3の濃度:0.05mol/L)を調製した。次に、このTiCl3を溶解した水溶液中に、上記の積層体3を浸漬した。なお、この浸漬処理を行う間、この水溶液の温度を25℃に保持し、浸漬時間は1時間とした。
【0135】
次に、TiCl3を溶解した水溶液から上記の積層体3を取り出し、希塩酸水溶液(HClの濃度:0.1mol/L)で洗浄し、次いで、エタノールで洗浄した。次に。洗浄後の積層体を室温で乾燥させた。
【0136】
次に、上記の積層体3を、大気中、450℃の温度条件のもとで30分間焼成した。このようにして、透明電極1、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE(炭素電極)が一体化された積層体(以下、「積層体4」という。)を形成した。
【0137】
次に、積層体4の半導体電極2中に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、増感色素としてルテニウム錯体[cis-Di(thiocyanato)-N,N'-bis(2,2'-bipyridyl-4,4'dicarboxylic acid)-ruthenium(II)]を用い、これのエタノール溶液(増感色素の濃度;3×10-4mol/L)を調製した。
【0138】
次に、この溶液に、上記の積層体4を浸漬し、80℃の温度条件のもとで20時間放置した。これにより、半導体電極2の内部に増感色素を約1.0×10-7mol/cm2吸着させた。次に、開放電圧Vocを向上させるために、ルテニウム錯体吸着後の半導体電極2を4-tert-ブチルピリジンのアセトニトリル溶液に15分浸漬した後、25℃に保持した窒素気流中において乾燥させ、光電極10を完成させた。
【0139】
次に、半導体電極2の大きさに合わせた形状を有する三井デュポンポリケミカル社製のシール材5(商品名:「ハイミラン」,エチレン/メタクリル酸ランダム共重合体アイオノマーフィルム)を準備し、図2に示すように半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE3の外部に露出した側面に配置し、熱溶着した。次に、対極CE(炭素電極)の外表面上に防湿フィルム7を配置して熱融着し、電池の筐体(電解質未充填)を得た。
【0140】
次に、溶媒となるメトキシプロピオニトリルに、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムと、ヨウ化リチウムと、4−tert−ブチルピリジンとを溶解させて液状電解質E(ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムの濃度:0.6mol/L、ヨウ化リチウムの濃度:0.1mol/L,4−tert−ブチルピリジン濃度:0.5mol/L)を調製した。
【0141】
次に、この電解質Eを、対極CE及び防湿フィルム7に予め設けておいた孔から電池の筐体内に注入した後、孔をシール材Sと同素材の部材で塞ぎ、更に対極CE3の孔にこの部材を熱溶着させて孔を封止し、図2に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有する電池を完成させた。
【0142】
(実施例2)
以下に示す手順により、図2に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(半導体電極2の受光面F2の面積:1cm2)を作製した。
【0143】
先ず実施例1と同様の作製手順及び条件により、実施例1において作製したものと同様の積層体2を作製した。次に、実施例1で作製したものと同様のTiCl3をイオン交換水に溶解した水溶液を用い、実施例1と同様の手順及び条件により、積層体2を処理(積層体2の水溶液への浸漬、積層体2の洗浄、積層体2乾燥及び焼成の一連の処理)した。このようにして、光電極10の半導体電極2上に多孔体層PSが一体化された積層体(以下、「積層体5」という)を形成した。
【0144】
次に、実施例1において作製した積層体2のかわりに上記の積層体5を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件により、積層体5の多孔体層PSの外表面上に鍔状の縁部分を有する対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成した。このようにして、積層体5に対極CE(炭素電極)の前駆体層が一体化された積層体(以下、「積層体6」という)を形成した。
【0145】
次に、積層体6を、大気中、500℃の温度条件のもとで10分間焼成した。このようにして、透明電極1、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE(炭素電極)が一体化された積層体(以下、「積層体7」という。)を形成した。
【0146】
次に、実施例1で作製した積層体4のかわりに上記の積層体7を使用したこと以外は実施1と同様の手順及び条件により、図2に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有する電池を完成させた。
【0147】
(比較例1)
製造過程において、本発明の製造方法の第3工程又は第8工程に相当する処理を施さずに作製したこと以外は、図2に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(半導体電極2の受光面F2の面積:1cm2)を作製した。
【0148】
先ず実施例1と同様の作製手順及び条件により、実施例1において作製したものと同様の積層体1を作製した。次に、実施例1で作製したものと同様のTiCl3をイオン交換水に溶解した水溶液を用い、実施例1と同様の手順及び条件により、積層体1を処理(積層体2の水溶液への浸漬、積層体2の洗浄、積層体2乾燥及び焼成の一連の処理)した。このようにして光電極10(ただし、色素未吸着の状態)を形成した。
【0149】
次に、実施例1において作製した積層体1のかわりに上記の光電極10(ただし、色素未吸着の状態)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件により、光電極10の半導体電極2の外表面上に多孔体層PSの前駆体層を形成した。このようにして、積層体5に対極CE(炭素電極)の前駆体層が一体化された積層体(以下、「積層体8」という)を形成した。
【0150】
次に、実施例1において作製した積層体2のかわりに上記の積層体8を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件により、積層体8の多孔体層PSの前駆体層の外表面上に鍔状の縁部分を有する対極CE(炭素電極)の前駆体層を形成した。このようにして、積層体8に対極CE(炭素電極)の前駆体層が一体化された積層体(以下、「積層体9」という)を形成した。
【0151】
次に、積層体9を、大気中、450℃の温度条件のもとで30分間焼成した。このようにして、透明電極1、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE(炭素電極)が一体化された積層体(以下、「積層体10」という。)を形成した。
【0152】
次に、実施例1で作製した積層体4のかわりに上記の積層体10を使用したこと以外は実施1と同様の手順及び条件により、図2に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有する電池を完成させた。
【0153】
(比較例2)
製造過程において、本発明の製造方法の第3工程又は第8工程に相当する処理を施さずに作製したこと以外は、図2に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(半導体電極2の受光面F2の面積:1cm2)を作製した。
【0154】
先ず、実施例1と同様の作製手順及び条件により、実施例1において作製したものと同様の積層体3(透明電極1、半導体電極2の前駆体層、多孔体層PSの前駆体層及び対極CEの前駆体層が一体化された積層体)を作製した。
【0155】
次に、積層体3を大気中、450℃の温度条件のもとで30分間焼成した。このようにして、透明電極1、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CE(炭素電極)が一体化された積層体(以下、「積層体11」という。)を形成した。
【0156】
次に、実施例1で作製した積層体4のかわりに上記の積層体11を使用したこと以外は実施1と同様の手順及び条件により、図2に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有する電池を完成させた。
【0157】
[電池特性評価試験]
以下の手順により電池特性評価試験を行い、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率η(%)を測定した。なお、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率η(%)は、下記式(A)で表される。ここで、下記式(A)中、P0は入射光強度[mWcm-2]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm-2]、F.F.は曲線因子(Filling Factor)を示す。
η=100×(Voc×Jsc×F.F.)/P0…(A)
【0158】
電池特性評価試験は、ソーラーシミュレータ(ワコム製、商品名;「WXS−85−H型」)を用い、AMフィルター(AM1.5)を通したキセノンランプ光源からの疑似太陽光の照射条件を、60mW/cm2とする場合(いわゆる「0.6Sun」の照射条件)と、100mW/cm2とする場合(いわゆる「1Sun」の照射条件)の2つの測定条件の下で行った。
【0159】
各色素増感型太陽電池について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、開放電圧(Voc/V)、短絡電流密度(Jsc/mA・cm-2)、曲線因子(F.F.)を求め、これらからエネルギー変換効率η0[%]を求めた。得られた結果を表1に示す。
【0160】
【表1】
Figure 0004322491
【0161】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1及び実施例2の色素増感型太陽電池は、2つの照射条件の何れの場合にも優れたエネルギー変換効率ηを示すことが確認された。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、優れたエネルギー変換効率を有する電池を容易に構成することのできる色素増感型太陽電池の製造方法を提供することができる。また、この製造方法により製造される本発明の色素増感型太陽電池によれば、優れたエネルギー変換効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素増感型太陽電池の第1実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
【図3】図2に示した色素増感型太陽電池を複数併設する場合の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…透明基板、5…シール材、6・・・外部出力端子、7・・・防湿フィルム、9・・・レーザスクライブにより形成された溝、10…光電極,20,30,40…色素増感型太陽電池、CE…対極、F1,F2,F3,…受光面、F22…半導体電極2の裏面、PS…多孔体層。

Claims (20)

  1. 受光面を有する半導体電極及び当該受光面上に隣接して配置された透明電極を有する光電極と、対極と、前記半導体電極と前記対極との間に配置されており絶縁性の多孔体材料を構成材料として含む多孔体層とを有し、電解質が前記多孔体層中に少なくとも含有されている色素増感型太陽電池の製造方法であって、
    前記光電極を形成する第1工程と、
    前記絶縁性の多孔体材料を含む液を調製し、前記光電極の前記半導体電極上に塗布し、次いで乾燥させることにより、前記半導体電極上に前記多孔体層の前駆体層を少なくとも形成する第2工程と、
    チタン化合物を含む処理液を調製し、当該処理液中に前記第2工程で得られる積層体を浸漬し、次いで、当該積層体を前記処理液から取り出して洗浄し、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理する第3工程と、
    前記第3工程の熱処理により得られる前記多孔体層上に前記対極を形成する第4工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  2. 前記第3工程において使用する前記処理液に含まれる前記チタン化合物が三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体であり、前記処理液中に前記積層体を浸漬する際の温度が0〜50℃であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  3. 前記第3工程において使用する前記処理液に含まれる前記チタン化合物が四塩化チタンであり、該処理液中に前記積層体を浸漬する際の温度が0〜120℃であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  4. 前記第3工程において使用する前記処理液中の前記チタン化合物の濃度が0.01〜0.20mol/Lであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  5. 前記第1工程において、前記半導体電極の構成材料を含む液を調製し、当該液を前記透明電極上に塗布し、次いで、乾燥させることにより、前記透明電極上に前記半導体電極の前駆体層を形成すること、を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  6. 前記第1工程において、前記半導体電極の前記前駆体層を得た後、更に、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、前記透明電極上に前記半導体電極を形成することを特徴とする請求項5に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  7. 前記第1工程において、物理蒸着法又は化学蒸着法により前記透明電極上に前記半導体電極を形成すること特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  8. 前記第2工程において、前記多孔体層の前記前駆体層を得た後、更に、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、前記半導体電極上に前記多孔体層を形成することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  9. 前記第4工程において、導電性の炭素材料を含む液を調製し、当該液を前記第3工程の後に得られる熱処理後の前記積層体の前記多孔体層上に塗布し、次いで乾燥させ、更に、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、細孔を有する多孔質の炭素電極を前記対極として前記多孔体層上に形成することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  10. 前記第4工程において、平板状の透明基板及び当該透明基板の一方の面上に形成された透明導電膜からなる透明電極を前記対極として前記多孔体層上に配置することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  11. 受光面を有する半導体電極及び当該受光面上に隣接して配置された透明電極を有する光電極と、対極と、前記半導体電極と前記対極との間に配置されており絶縁性の多孔体材料を構成材料として含む多孔体層とを有し、電解質が前記多孔体層中に少なくとも含有されている色素増感型太陽電池の製造方法であって、
    前記光電極を形成する第5工程と、
    前記絶縁性の多孔体材料を含む液を調製し、前記光電極の前記半導体電極上に塗布し、次いで乾燥させることにより、前記半導体電極上に前記多孔体層の前駆体層を少なくとも形成する第6工程と、
    導電性の炭素材料を含む液を調製し、当該液を前記第6工程の後に得られる積層体上に塗布し、次いで乾燥させることにより、当該積層体上に前記対極の前駆体層を少なくとも形成する第7工程と、
    チタン化合物を含む処理液を調製し、当該処理液中に前記第7工程で得られる積層体を浸漬し、次いで、当該積層体を前記処理液から取り出して洗浄し、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理する第8工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  12. 前記第8工程において使用する前記処理液に含まれる前記チタン化合物が三塩化チタン、チタンアルコキシド又はチタン錯体であり、前記処理液中に前記積層体を浸漬する際の温度が0〜50℃であることを特徴とする請求項11に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  13. 前記第8工程において使用する前記処理液に含まれる前記チタン化合物が四塩化チタンであり、該処理液中に前記積層体を浸漬する際の温度が0〜120℃であることを特徴とする請求項11に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  14. 前記第8工程において使用する前記処理液中の前記チタン化合物の濃度が0.01〜0.20mol/Lであることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  15. 前記第5工程において、前記半導体電極の構成材料を含む液を調製し、当該液を前記透明電極上に塗布し、次いで、乾燥させることにより、前記透明電極上に前記半導体電極の前駆体層を形成すること、を特徴とする請求項11〜14の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  16. 前記第5工程において、前記半導体電極の前記前駆体層を得た後、更に、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、前記透明電極上に前記半導体電極を形成することを特徴とする請求項15に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  17. 前記第5工程において、物理蒸着法又は化学蒸着法により前記透明電極上に前記半導体電極を形成すること特徴とする請求項11〜14の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  18. 前記第6工程において、前記多孔体層の前記前駆体層を得た後、更に、酸化雰囲気下、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、前記半導体電極上に前記多孔体層を形成することを特徴とする請求項11〜17の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  19. 前記第7工程において、前記対極の前駆体層を得た後、更に、400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより前記対極を形成すること、を特徴とする請求項11〜18の何れかに記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  20. 受光面を有する半導体電極及び当該受光面上に隣接して配置された透明電極を有する光電極と、対極と、前記半導体電極と前記対極との間に配置されており絶縁性の多孔体材料からなる多孔体層とを有し、電解質が前記多孔体層中に少なくとも含有された色素増感型太陽電池であって、
    請求項1〜19の何れかの方法により製造されること、を特徴とする色素増感型太陽電池。
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