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JP6694291B2 - 金属と炭素繊維との複合材の製造方法 - Google Patents

金属と炭素繊維との複合材の製造方法 Download PDF

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JP6694291B2 JP2016025952A JP2016025952A JP6694291B2 JP 6694291 B2 JP6694291 B2 JP 6694291B2 JP 2016025952 A JP2016025952 A JP 2016025952A JP 2016025952 A JP2016025952 A JP 2016025952A JP 6694291 B2 JP6694291 B2 JP 6694291B2
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Description

本発明は、 金属と炭素繊維との複合材の製造方法に関する。
なお本明細書及び特許請求の範囲では、「アルミニウム」の語は、特に明示する場合を除き純アルミニウム及びアルミニウム合金の双方を含む意味で用いられ、また同じく「銅」の語は、特に明示する場合を除き純銅及び銅合金の双方を含む意味で用いられる。
金属として例えばアルミニウムの放熱性を向上させるとともに線膨張率をコントロールした材料として、アルミニウムと炭素材との複合材が検討されている。
この複合材の製造方法として、溶融したアルミニウムに炭素材としての炭素繊維を入れて撹拌混合する方法(溶湯撹拌法)、空隙を有する炭素成形体内に溶融したアルミニウムを押し込む方法(溶湯鍛造法)、アルミニウム粉末と炭素粉末を混合して加圧加熱焼成する方法(粉末冶金法)、アルミニウム粉末と炭素粉末を混合して押出加工する方法(粉末押出法)などが知られている。
しかしながら、これらの方法では、溶融したアルミニウム又はアルミニウム粉末を用いるので、製造作業が煩雑であるし、製造設備が大型化していた。
また、特開昭59−76840号公報(特許文献1)は、無機ウィスカーを有機結合剤により金属薄板の金属面に結合又は接着させることで前駆成型物(プリプレグ)を製作し、次いで前駆成型物を複数積層して加熱加圧することで強化金属材を製造する方法を開示している。
また、特許第5150905号公報(特許文献2)は、炭素繊維を有機バインダー及び溶剤と混合して塗布混合物を準備し、次いで塗布混合物をシート状又はフォイル状の金属支持体上に付着させることでプリフォーム箔(塗工箔)を形成し、その後、プリフォーム箔を複数積み重ねて積層体を形成し、そして積層体を加熱圧接してプリフォーム箔同士を一体化させることにより、金属と炭素繊維との複合材としての金属基炭素繊維複合材を製造する方法を開示している。
また、金属と炭素繊維との複合材の製造方法を開示したその他の文献としては、特許第5145591号公報(特許文献3)及び特開2015−25158号公報(特許文献4)がある。
上記の特許文献2〜4に開示された製造方法では、金属層と炭素繊維層が交互に複数積層された状態で接合一体化されてなる金属と炭素繊維との複合材が得られる。
特開昭59−76840号公報 特許第5150905号公報 特許第5145591号公報 特開2015−25158号公報
而して、上記の特許文献1に開示された複合材の製造方法では、金属薄板の金属面に結合又は接着した無機ウィスカー層が厚すぎると、無機ウィスカー層内に金属薄板の金属が十分に浸透することができず、無機ウィスカー層内に空隙ができてしまうこと、及び、無機ウィスカー層を挟んだ両側に配置された金属薄板同士があまり接合されないことが原因で、複合材の強度は低かった。
上記の特許文献2〜4に開示された複合材には次のような欠点があった。
ここで本明細書では、複合材において、金属層と炭素繊維層との積層方向に対して垂直な面を「複合材の平面」といい、金属層と炭素繊維層との積層方向に対して垂直な面方向を「複合材の平面方向」という。
複合材において、炭素繊維層中の炭素繊維の繊維方向が複合材の平面内で一方向に揃っている場合、即ち炭素繊維が一方向に配向している場合には、線膨張係数、熱伝導率等の複合材の物性が複合材の平面内における炭素繊維の繊維方向(即ち炭素繊維の配向方向)とその直角方向とで大きく相異する。そのため、複合材が加熱されたときに複合材が歪み易いという欠点があった。
そこで、プリフォーム箔を炭素繊維の繊維方向が交互に直角になるように複数積層して積層体を形成することが考えられる。
しかしこの方法では、炭素繊維の繊維方向を考慮しながらプリフォーム箔を積層しなければならないので、プリフォーム箔の積層作業が面倒である。しかも、複合材の平面内における炭素繊維の繊維方向に対して斜め方向(例:45°の方向)の物性(例:線膨張係数)を炭素繊維の繊維方向及びその直角方向の物性と同じにすることが困難であった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、複合材の平面方向の物性の均一化を図ることができる金属と炭素繊維との複合材の製造方法を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 炭素繊維とバインダーと前記バインダー用溶剤とを混合状態に含有する塗工液をグラビア印刷法により金属箔の表面に塗工し、乾燥させることにより、前記金属箔の表面上に炭素繊維層が形成された塗工箔を得る工程と、
前記塗工箔が複数積層された状態の積層体を形成する工程と、
前記積層体を加熱することにより前記積層体から前記バインダーを除去し、そして前記積層体を前記塗工箔の積層方向に加圧しながら加熱することにより前記塗工箔を接合一体化する工程と、を具備し、
前記塗工箔を得る工程では、前記炭素繊維層が白抜け状態になるように前記塗工液をグラビア印刷法により塗工し、乾燥させる、金属と炭素繊維との複合材の製造方法。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]では、金属箔の表面に塗工液を塗工すること、塗工箔が複数積層された状態の積層体を形成すること、及び、積層体を加圧加熱することで塗工箔を接合一体化することを採用することにより、金属と炭素繊維との複合材を安価に且つ大量に製造することができる。
さらに、塗工箔を接合一体化する工程では、積層体からバインダーを除去することにより、得られる複合材の熱伝導率を確実に高めることができる。
さらに、塗工箔を得る工程では、炭素繊維層が白抜け状態になるように塗工液をグラビア印刷法により塗工し、乾燥させることにより、金属箔の表面上において、炭素繊維層を構成する各網点中の多数の炭素繊維は、網点の中心部に形成された気泡はじけ部の周囲に該気泡はじけ部を包囲する方向に略円環状(略年輪状)に配列する。このような炭素繊維の略円環状配列が金属箔の表面上に存在する多数の網点それぞれに生じ、その結果、金属箔の表面全体では炭素繊維の配向度が低下する。これにより、複合材の平面方向の物性の均一化を図ることができる。
しかも、積層体を形成する際に炭素繊維の繊維方向を考慮する必要がなく、これにより複合材の平面方向の物性の均一化を容易に図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属と炭素繊維との複合材の製造方法を示す流れ図である。 図2は、塗工箔を得る工程を説明する概略図である。 図3Aは、金属箔の条材の表面上に形成される炭素繊維層の状態を時系列に示す、本実施形態の場合の概略断面図である。 図3Bは、金属箔の条材の表面上に形成される炭素繊維層の状態を時系列に示す、参考形態の場合の概略断面図である。 図4は、本実施形態の場合において炭素繊維層を構成する網点中の炭素繊維の配列状態を示す概略平面図である。 図5は、塗工箔の条材を切断するときの概略図である。 図6は、塗工箔が複数積層されて形成された積層体の概略側面図である。 図7は、塗工箔を焼結一体化する工程を説明する概略図である。 図8は、塗工箔が焼結一体化されて得られた本実施形態の複合材の概略側面図である。 図9は、本実施形態(実施例)の複合材で定義された様々な方向を示す複合材の斜視図である。 図10は、実施例の塗工箔の条材の表面の顕微鏡写真である。
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施形態に係る金属と炭素繊維との複合材(複合体)の製造方法は、図1に示すように、塗工箔を得る工程S1と、積層体を形成する工程S2と、塗工箔を焼結一体化する工程S3とを含んでおり、この記載の順にこれらの工程が行われる。
塗工箔を得る工程S1は、図2に示すように詳述すると、塗工液5を金属箔10の帯状条材10Aの表面10aにグラビア印刷法により塗工し、乾燥させることにより、金属箔10の条材10Aの表面10a上に炭素繊維層11が形成されてなる塗工箔14の帯状条材14Aを得る工程である。塗工液5は、炭素繊維1とバインダー2とバインダー2用溶剤3とを混合状態に含有したものである。
積層体15を形成する工程S2は、図6に示すように、塗工箔14が複数積層された状態の積層体15を形成する工程である。
塗工箔14を焼結一体化する工程S3は、図7に示すように、積層体15を塗工箔14の積層方向(即ち積層体15の厚さ方向)に加圧しながら加熱することにより塗工箔14を焼結一体化する工程である。この工程S3は、積層体15を加熱することにより積層体15からバインダー2を除去する工程S3aを含んでいる(図1参照)。
なお、塗工箔14を焼結一体化する工程S3は、特許請求の範囲に記載された、塗工箔14を接合一体化する工程についての望ましい一例に相当している。
本実施形態で得られる複合材17は、図8に示すように、金属箔10で形成された金属層と多数の炭素繊維1を主体とする炭素繊維層(ドットハッチングで示す)11とが交互に複数積層された状態で焼結一体化されたものである。炭素繊維層11内には金属箔10の金属の一部が浸透している。
複合材17は炭素繊維1を含んでいることから、複合材17の平面方向の線膨張係数は金属とセラミックとの中間程度になる。したがって、複合材17は、パワーモジュール用基板等の電子モジュール用絶縁基板における絶縁セラミック層と金属配線層との間に配置される緩衝層(この層を説明の便宜上「第1緩衝層」という)の材料として及び/又は絶縁セラミック層と金属冷却層(金属放熱層を含む)との間に配置される緩衝層(この層を説明の便宜上「第2緩衝層」という)の材料として好適に利用可能である。
さらに、複合材17は、炭素繊維1で強化された金属基複合材料として捉えることができ、高い放熱性を有しておりまた高いヤング率も有している。したがって、複合材17は、高い機械的強度(例:曲げ強度)を要求される部材の材料としても好適に使用可能である。
次に、各工程について以下に詳細に説明する。
<塗工箔14を得る工程S1>
本工程S1で使用される塗工液5は例えば次のようにして得られる。図2に示すように、多数の炭素繊維1とバインダー2とバインダー2用溶剤3とを混合容器41内に入れてこれらを撹拌混合装置42により撹拌混合する。これにより、炭素繊維1とバインダー2と溶剤3とを混合状態に含有した塗工液5が調製される。このとき、分散剤、消泡剤、表面調整剤、粘度調整剤なども必要に応じて混合容器41内に入れて炭素繊維1、バインダー2及び溶剤3と一緒に撹拌混合し、塗工液5に含有させても良い。
炭素繊維1、バインダー2及び溶剤3についての具体的な説明は後述する。
塗工液5をグラビア印刷法により塗工するために用いられるグラビア塗工装置20(例:グラビアコーター)は、詳述するとダイレクトグラビア塗工装置(例:ダイレクトグラビアコーター)であり、グラビアロール21、バックアップロール24、塗工液5を収容した塗工液パン26などを備えている。
グラビアロール21の周面21aにはその全体に亘って多数のグラビアセル(以下「セル」という)が整然と配列して設けられている。バックアップロール24は、グラビアロール21に対向して配置されている。
パン26内の塗工液5中の炭素繊維1は、その繊維方向がランダムになるように塗工液5中に分散している。グラビアロール21の周面21aの周方向の一部はパン26内の塗工液5に漬けられている。
図2に示したグラビア塗工装置20では、巻出しロール27aから巻き出された金属箔10の条材10Aは、グラビアロール21とバックアップロール24との間と、加熱乾燥装置としての乾燥炉28内とを所定の送り速度で略水平方向に順次通過したのち巻取りロール27bに巻き取られる。
金属箔10の条材10Aの送り方向Fは金属箔10の条材10Aの長手方向に設定されており、この送り方向Fに平行な方向がグラビア塗工装置20(詳述するとグラビア塗工装置20のグラビアロール21)による金属箔10の条材10Aの表面10aへの塗工液5の塗工方向(印刷方向)となる。
本実施形態では、グラビアロール21は金属箔10の条材10Aの下側に金属箔10の条材10Aをその幅方向の全体に亘って横断する態様にして配置されており、バックアップロール24は金属箔10の条材10Aの上側に金属箔10の条材10Aをその幅方向の全体に亘って横断する態様にして配置されている。したがって、塗工液5が塗工される金属箔10の条材10Aの表面10aとは、詳述すると金属箔10の条材10Aの下表面である。
なお本発明では、塗工液5が塗工される金属箔10の条材10Aの表面10aは、金属箔10の条材10Aの下表面であることに限定されるものではなく、その他に例えば金属箔10の条材10Aの上表面であっても良い。
塗工液5の塗工は、金属箔10の条材10Aがグラビアロール21とバックアップロール24との間を通過する際に行われる。すなわち、グラビアロール21が回転することにより、グラビアロール21の周面21aにパン26内の塗工液5が付着して各セル22内に塗工液5が充填される。そして、グラビアロール21の周面21aに付着した余分な塗工液5がドクターブレード(スクレーパ)25により掻き取られ、その後、グラビアロール21の周面21aが金属箔10の条材10Aの表面10aに当接することにより、セル22内の塗工液5が金属箔10の条材10Aの表面10aに転移される。その結果、金属箔10の条材10Aの表面10a上にその全体に亘って、多数の網点12から構成された炭素繊維層11が形成される。これにより、金属箔10の条材10Aの表面10a上に炭素繊維層11が形成されてなる塗工箔14の条材14Aが得られる。なお網点12は、転移したセル22内の塗工液5からなる。
グラビアロール21の回転方向は、通常、金属箔10の条材10Aの送り方向Fと同じ方向に設定される。グラビアロール21の周速度は、通常、金属箔10の条材10Aの送り速度と等しく設定される。
乾燥炉28は、金属箔10の条材10Aの表面10a上に形成された炭素繊維層11(即ち塗工箔14の条材14Aの炭素繊維層11)を加熱乾燥することにより炭素繊維層11に含まれている溶剤3を炭素繊維層11から蒸発させて除去するためのものである。
グラビア塗工装置20のグラビアロール21において、セル22の形状はカップ状であり、特に、セル22の周囲が全周に亘って略閉鎖された形状であることが望ましい。具体的にはセル22の形状は、格子型、ピラミッド型、亀甲型又は円型であることが望ましい。
さらに、セル22の底面の形状は限定されるものではなく、平坦状であっても良いし凹曲面状(例:凹球面状)であっても良いし凹錐面状(例:凹角錐面状、凹円錐面状)であっても良い。
セル22の大きさについては、セル22の口形状に内接する円(詳述するとセル22の開口周縁に内接する円)の直径が炭素繊維1の平均繊維長よりも大きく設定されている。
炭素繊維1は繊維状の炭素粒子であれば使用可能であり、具体的には例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維及びカーボンナノファイバー(例:気相成長カーボンファイバー、カーボンナノチューブ)からなる群より選択される1種の炭素繊維か又は2種以上の混合炭素繊維が用いられる。
炭素繊維1の長さは限定されるものではなく、特に炭素繊維1の平均繊維長が1mm以下であることが望ましい。
バインダー2は、炭素繊維1に金属箔10の条材10Aの表面10aへの付着力を付与し、これにより炭素繊維層11中の炭素繊維1が金属箔10の条材10Aの表面10aから脱落するのを抑制するためのものである。本実施形態ではバインダー2は樹脂からなる。
さらに、バインダー2は、加熱すると有機物の焼結残渣又はアモルファス炭化物になり易く、これらはバインダー2の残渣として複合材17の熱伝導率を低下させる要因になる。したがって、バインダー2は、非酸化雰囲気中にて300℃〜550℃の温度で炭化せずに分解又は昇華などにより消失するものを用いることが望ましい。そのようなバインダー2として、アクリル系樹脂、ポリエチレングリコール系樹脂、ブチレンゴム樹脂、フェノール樹脂、セルロース系樹脂などが好適に使用される。これらのバインダー2は一般に常温で固形である。
溶剤3は、バインダー2を常温で溶解するものであることが望ましく、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤などが好適に使用される。
塗工液5は、炭素繊維1とバインダー2を質量比で75:25〜99.5:0.5の割合で含有していることが望ましい。この場合には、塗工箔14を得る工程S1において炭素繊維1を金属箔10の条材10Aの表面10aに確実に付着させることができるし、バインダー2を除去する工程S3aにおいてバインダー2を確実に消失除去することができる。特に望ましくは、塗工液5は炭素繊維1とバインダー2を質量比で80:20〜99:1の割合で含有していることが良い。
塗工箔14を得る工程S1において、金属箔10の条材10Aの表面10aへの塗工液5の塗工量は限定されるものではなく、例えば、炭素繊維層11に含まれる炭素繊維1の塗工量が40g/m以下(望ましくは30g/m以下)になるように設定される。
また、得られる複合材17において炭素繊維1の体積が複合材17全体の体積に対して50%以下になるように、塗工液5を金属箔10の条材10Aの表面10aに塗工することが望ましく、これにより、塗工箔14を焼結一体化する工程S3において金属箔10の金属を炭素繊維層11内に確実に浸透させることができて、塗工箔14を確実に強固に焼結一体化することができる。
さらに、金属箔10がアルミニウム箔である場合、炭素繊維1の体積は複合材17全体の体積に対して10%以上であることが望ましく、これにより、複合材17の熱伝導率を250W/(m・K)以上にすることができ、アルミニウムの熱伝導率(約225W/(m・K))に対して確実に差別化を図り得る。
ここで、複合材17が上述した絶縁基板の第1緩衝層の材料として用いられる場合には、複合材17の平面方向の線膨張係数が絶縁セラミック層の線膨張係数と金属配線層(例:アルミニウム配線層、銅配線層)の線膨張係数との中間値になるように金属箔10の体積と炭素繊維1の体積との比率を設定することが望ましい。また、複合材17が上述した絶縁基板の第2緩衝層の材料として用いられる場合には、複合材17の平面方向の線膨張係数が絶縁セラミック層の線膨張係数と金属冷却層(例:アルミニウム冷却層、銅冷却層)の線膨張係数との中間値になるように金属箔10の体積と炭素繊維1の体積との比率を設定することが望ましい。
金属箔10が例えばアルミニウム箔である場合においては、特に、複合材17の平面方向の線膨張係数を、絶縁セラミック層の材料としてよく使用されるセラミック(窒化アルミ、アルミナ、炭化ケイ素等)の線膨張係数(例:約3×10-6/K〜約5×10-6/K)と金属冷却層の材料としてよく使用されるアルミニウムの線膨張係数(約23×10-6/K)との中間値(約10×10-6/K〜約16×10-6/K)にするために、炭素繊維1の体積を複合材17全体の体積に対して30%〜60%の範囲に設定することが望ましい。
金属箔10(金属箔10の条材10A)は、塗工に耐えうるものであればその材料に限定されるものではない。特に、金属箔10はアルミニウム箔及び銅箔のうち少なくとも一方であることが望ましい。その理由は、高い熱伝導率を有する複合材17を確実に得られるからである。
金属箔10がアルミニウム箔である場合において、アルミニウム箔の材料は限定されるものではなく、A1000系、A3000系、A6000系等が用いられる。一般に、アルミニウム箔の材料は、得られる複合材17の物性(熱伝導率、線膨張係数、強度など)が所望する設定値になるように複数種のアルミニウム材料の中から適宜選択される。
金属箔10が銅箔である場合において、銅箔の種類及び材料は限定されるものではなく、電解銅箔、圧延銅箔などが用いられる。一般に、銅箔の材料は、得られる複合材17の物性が所望する設定値になるように複数種の銅材料の中から適宜選択される。
金属箔10の厚さは限定されるものではなく、得られる複合材17の物性が所望する設定値になるように金属箔10の厚さを選択可能である。
ここで、市販されている金属箔10(例:アルミニウム箔、銅箔)の最薄の厚さは6μmであることから、金属箔10の厚さの下限は6μmであることが金属箔10を容易に入手可能である点で特に望ましい。金属箔10の厚さの上限は通常100μmであり、概ね50μmであることが望ましい。
炭素繊維層11の乾燥は、図2に示すように、塗工箔14の条材14Aが乾燥炉28を通過する際に行われる。すなわち、塗工箔14の条材14Aが乾燥炉28を通過した時に炭素繊維層11が乾燥炉28により加熱されて乾燥され、これにより炭素繊維層11に含まれている溶剤3が炭素繊維層11から蒸発除去されるとともに炭素繊維層11に含まれているバインダー2が硬化する。その後、塗工箔14の条材14Aは巻取りロール27bに巻き取られる。
乾燥条件は、炭素繊維層11に含まれている溶剤3を炭素繊維層11から蒸発除去可能な条件であれば限定されるものではなく、通常、乾燥温度60℃〜250℃及び乾燥時間1min〜120minの乾燥条件を適用可能である。
ここで本実施形態では、塗工箔14を得る工程S1において、炭素繊維層11が白抜け状態になるように塗工液5をグラビア塗工装置20を用いたグラビア印刷法により塗工し、乾燥させる必要がある。この工程S1を図3A及び図3Bを参照して以下に説明する。
図3Aは、金属箔10の条材10Aの表面10a上に形成される炭素繊維層11の状態を時系列に示す、本実施形態の場合の概略断面図である。
図3Bは、金属箔110の条材110Aの表面110a上に形成される炭素繊維層111の状態を時系列に示す、参考形態の場合の概略断面図である。なお参考形態の場合とは、炭素繊維層111が白抜け状態にならないように塗工液5をグラビア印刷法により塗工し、乾燥させる場合を意味する。
図3A(a)及び図3B(a)は、それぞれ、グラビア塗工装置のグラビアロール21、121の周面のセル22、122の部分の概略断面図である。
図3A(b)及び図3B(b)は、それぞれ、セル22、122内に塗工液5が充填された状態の概略断面図である。
図3A(c)及び図3B(c)は、それぞれ、グラビアロール21、121の周面が金属箔10、110の条材10A、110Aの表面10a、110aに当接した状態の概略断面図である。
図3A(d)及び図3B(d)は、それぞれ、セル22、122内の塗工液5が金属箔10、110の条材10A、110Aの表面10a、110aに転移されることで炭素繊維層11、111が形成された状態の概略断面図である。なお、これらの図では、金属箔10、110の条材10A、110Aは上下反転して示されている。
図3A(e1)〜(e3)は、それぞれ、実施形態の場合において、金属箔10の条材10Aの表面10a上の炭素繊維層11を加熱乾燥した初期状態、中期状態及び後期状態の概略断面図である。図3B(e)は、参考形態の場合において、金属箔110の条材110Aの表面110a上の炭素繊維層111を加熱乾燥した状態の概略断面図である。
まず、図3Bに示した参考形態の場合(すなわち、炭素繊維層110が白抜け状態にならないように塗工液5をグラビア印刷法により塗工し、乾燥させる場合)について以下に説明する。
図3B(a)及び(b)に示すように、グラビアロール121のセル122内に塗工液5が充填された状態では、セル122内の塗工液5の表面は平坦状であり且つセル隔壁123の表面123aと略面一に連なっている。この状態で図3B(c)に示すようにグラビアロール121の周面(詳述するとセル隔壁123の表面123a)が金属箔110の条材110Aの表面110aに当接して各セル122内の塗工液5が転移されると、図3B(d)に示すように金属箔110の条材110Aの表面110a上に多数の網点112から構成された炭素繊維層111が形成される。網点112は、上述したように転移したセル122内の塗工液5からなり多数の炭素繊維(図示せず)、バインダー及び溶剤を含んでいる。そして、炭素繊維層111が乾燥炉によって加熱乾燥されることにより、炭素繊維層111から溶剤が蒸発除去されるとともに炭素繊維層111中のバインダーが硬化する。この乾燥の工程では、図3B(e)に示すように、炭素繊維層111を構成する各網点112の形状は殆ど変化せず、炭素繊維層111は白抜け状態になっていない。
次に、図3Aに示した本実施形態の場合(すなわち、炭素繊維層11が白抜け状態になるように塗工液5をグラビア印刷法により塗工し、乾燥させる場合)について以下に説明する。
炭素繊維層11が確実に白抜け状態になるようにするためには、グラビアロール21のセル22を大きく設定すること、及び/又は、塗工液5の粘度を小さく設定することが望ましい。
そこで、図3A(a)に示すように、グラビアロールとして、各セル22の開口径(詳述すると各セル22の開口周縁に内接する円の直径)が大きなグラビアロール21が用いられている。そして、図3A(b)に示すように、粘度の小さな塗工液5がグラビアロール21の各セル22内に充填されており、そのため、各セル22内の塗工液5の表面はその中央部が凹んだ状態になっている。
この状態でグラビアロール21の周面(詳述するとセル隔壁23の表面23a)が金属箔10の条材10Aの表面10aに当接すると、図3A(c)に示すように各セル22内の塗工液5の表面の中央部と金属箔10の条材10Aの表面10aとの間に気泡13が生じる。そして、各セル22内の塗工液5が金属箔10の条材10Aの表面10aに転移すると、図3A(d)に示すように金属箔10の条材10Aの表面10a上の各網点12は、金属箔10の条材10Aの表面10aとの接触部の中央部に気泡13を巻き込んだ状態になる。
この状態で炭素繊維層11が加熱乾燥されると、図3A(e1)に示すように炭素繊維層11から溶剤が蒸発除去されるとともに各網点12内の気泡13がはじけて各網点12の表面の中心部に凹状の気泡はじけ部13aが形成される。そして、炭素繊維層11の加熱乾燥が進むにつれて図3A(e2)に示すように各網点12の気泡はじけ部13aは網点12の中心部から網点12中の多数の炭素繊維(図示せず)を外側へ押し出しながら広がり、最終的に図3A(e3)に示すように各網点12の中心部に略円形の気泡はじけ部13aが形成される。その結果、図4に示すように、各網点12中の多数の炭素繊維1は、気泡はじけ部13aの周囲(即ち網点12の外周部)に該気泡はじけ部13aを包囲する方向(即ち網点12の周方向)に略円環状(略年輪状)に配列する。そしてこの配列状態で各網点12中のバインダーが硬化する。
同図に示すように、各網点12において、網点12の中心部には気泡はじけ部13aが形成されることで炭素繊維1は殆ど存在しておらず、また多数の炭素繊維1は気泡はじけ部13aの周囲に該気泡はじけ部13aを包囲する方向に略円環状に配列していることから、網点12を顕微鏡で拡大観察すると網点12は恰もバームクーヘンのように見える。
各セル22の開口径は数ミリ程度であり、網点12の気泡はじけ部13aの直径はセル22の開口径よりも若干小さいか又は同程度である。そして、金属箔10の条材10Aの表面10a上において、網点12中の多数の炭素繊維1は、多数の網点12ごとに上述したように気泡はじけ部13aの周囲に略円環状に配列していることから、金属箔10の条材10Aの表面10a全体では炭素繊維1は多数の小さな水玉模様を形成するように配列する(後述する実施例及び図10参照)。その結果、金属箔10の条材10Aの表面10a全体では炭素繊維1の配向度が低下する。
そして、このような炭素繊維1の配向状態で塗工箔14の条材14Aが乾燥炉28から出てきて巻取りロール27bに巻き取られる。
<積層体15を形成する工程S2>
積層体15を形成する工程S2では、図5に示すように、巻取りロール27bから巻き解かれた塗工箔14の条材14Aを切断機29により所定形状に切断する。これにより、塗工箔14の条材14Aから所定形状(例:略四角形状)の塗工箔14を複数切り出す。そして、図6に示すように、塗工箔14を複数積層することにより、塗工箔14が複数積層された状態の積層体15を形成する。あるいは、図示していないが巻取りロール27bから巻き解かれた塗工箔14の条材14Aをロール状に巻くことにより、塗工箔14が複数積層された状態の積層体を形成しても良い。
塗工箔14の条材14Aの切断方法は限定されるものではないが、塗工箔14の条材14Aの塗工面を傷つけることなく切断できる方法であることが望ましい。
こうして形成された積層体15はプリフォーム(焼結素材)として用いられる。
塗工箔14の積層枚数は限定されるものではなく、所望する複合材17の厚さなどに応じて設定され、例えば5〜1000枚に設定される。
<塗工箔14を焼結一体化する工程S3>
塗工箔14を焼結一体化する工程S3では、図7に示すように、加圧加熱焼結装置などの焼結装置(接合装置)30の焼結室31内に積層体15を配置し、そして焼結装置30によって所定の焼結雰囲気中にて積層体15を塗工箔14の積層方向(即ち積層体15の厚さ方向)に加圧しながら所定の焼結温度で加熱することにより積層体15を焼結し即ち塗工箔14を焼結一体化する。これにより、図8に示すように本実施形態の複合材17が得られる。
この工程S3では、積層体15が加圧加熱されることにより、炭素繊維層11がその厚さ方向に圧縮されるとともに金属箔10の金属の一部が炭素繊維層11内に浸透して炭素繊維層11内に存在する微細な空隙(例:炭素繊維層11中の炭素繊維1間の隙間)に充填されて、当該空隙が略消滅する。これにより、得られる複合材17の密度を複合材17の理論密度の95%以上にすることができる。
なお、複合材17の理論密度とは、複合材17が金属箔10の金属と炭素繊維1とだけで形成されており且つ複合材17の内部に空隙が全く存在しない場合における複合材17の密度を意味する。
焼結装置30としては、ホットプレス装置、放電プラズマ焼結装置などが好適に用いられる。ホットプレス装置を用いる場合は、真空ホットプレスや窒素置換を行ったホットプレスにより焼結が行われる。
積層体15への加圧は、例えば、焼結装置30に備えられた一対のパンチ32、32で積層体15を挟んで加圧することにより行われる。
焼結雰囲気は非酸化雰囲気であることが望ましい。非酸化雰囲気は、不活性ガス雰囲気(例:窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気)、真空雰囲気などを含む。
焼結温度とは、塗工箔14を焼結一体化(接合一体化)する温度を意味する。具体的には焼結温度は、金属箔10の金属の融点以下の温度に設定され、特に、金属箔10の金属の融点と当該融点よりも50℃程度低い温度との間の温度に設定されることが塗工箔14を確実に良好に焼結一体化できる点で望ましい。金属箔10が例えばアルミニウム箔である場合、焼結温度は550℃〜620℃の範囲に設定されることが望ましい。
積層体15への加圧力は限定されるものではなく、積層体15を軽く押圧する程度の加圧力でも良い。さらに、積層体15への加熱時に積層体15を加圧すると金属箔10の金属の流動性が向上することがあるので、積層体15への加圧により金属箔10の金属が積層体15から流れ出ない程度の加圧力で加圧するか、あるいは金属箔10の金属が積層体15から流れ出ないように金型(図示せず)内で積層体15を加圧することが特に望ましい。
もし塗工箔14間に空隙が残った状態で塗工箔14が焼結一体化されると、当該空隙の部分が複合材17の内部欠陥になる。そこで、この欠陥の発生を抑制するため、積層体15を焼結雰囲気として真空雰囲気中にて加圧すること又は/及び積層体15を金型内にて加圧することが望ましい。
本実施形態では、バインダー2の分解温度は焼結温度よりも低く、バインダー2を除去する工程S3aは、焼結装置30により塗工箔14を焼結一体化する工程S3における積層体15を初期温度としての約室温から焼結温度まで加熱する途中で焼結装置30により行われる。
すなわち、塗工箔14を焼結一体化する工程S3では、積層体15の温度が約室温から焼結温度まで上昇するように焼結装置30により積層体15を加熱する途中における積層体15の温度がバインダー2の分解温度である時に、バインダー2が分解して積層体15(詳述すると積層体15の各塗工箔14の炭素繊維層11)から除去される。
このバインダー除去方法について具体的に説明すると次のとおりである。
積層体15を例えば真空雰囲気中にて焼結する場合、積層体15を略室温から焼結温度まで加熱する際の昇温速度を50℃/min以下に設定することにより、バインダー2を確実に分解除去することができる。ここで、積層体15に含まれているバインダー2の全量が多かったり、積層体15のサイズが大きかったりする場合などにおいては、積層体15の温度がバインダー2の分解温度である時に昇温を一旦停止したり昇温速度を緩やかにしたりすることにより、バインダー2の除去を確実に行うようにすることも可能である。
このように、バインダー2を除去する工程S3aを、塗工箔14を焼結一体化する工程S3における積層体15を焼結温度まで加熱する途中で行うことにより、複合材17の製造工程数を削減することができて複合材17の製造を容易に行える。
なお本発明は、バインダー2を除去する工程S3aが、焼結装置30により塗工箔14を焼結一体化(接合一体化)する工程S3から独立して行われることを排除するものではない。この場合、バインダー2を除去する工程S3aは、積層体15を形成する工程S2の後であって且つ塗工箔14を焼結一体化(接合一体化)する工程S3の前に行われることが望ましい。
本実施形態の複合材17の製造方法には次の利点ある。
塗工箔14を得る工程S1では、炭素繊維層11が白抜け状態になるように塗工液5をグラビア塗工装置20を用いてグラビア印刷法により塗工し、乾燥させるので、乾燥後の金属箔10の条材10Aの表面10a上において、炭素繊維層11を構成する各網点12中の多数の炭素繊維1は、図3A(e3)及び図4に示すように、網点12の中心部に形成された気泡はじけ部13aの周囲に該気泡はじけ部13aを包囲する方向に略円環状(略年輪状)に配列する。このような炭素繊維1の略円環状配列が金属箔10の条材10Aの表面10a上に存在する多数の網点12それぞれに生じている。その結果、金属箔10の条材10Aの表面10a全体では炭素繊維1の繊維方向が乱雑な状態になり炭素繊維1の配向度が低下する。そのため、複合材17の平面方向の物性(熱伝導率、線膨張係数、強度など)の均一化を図ることができる。
しかも、積層体15を形成する際に炭素繊維1の繊維方向を考慮する必要がなく、これにより、複合材17の平面方向の物性の均一化を容易に図ることができる。
以上で本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々に変更可能である。
また本発明では、塗工箔を得る工程において塗工液が塗工される金属箔は、上記実施形態で示したような金属箔の条材であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、その他に例えば条材状ではない金属箔(例:予め設定された長さ寸法及び幅寸法を有する略方形状の金属箔)であっても良い。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を以下に示す。ただし、本発明は以下に示した実施例に限定されるものではない。
<実施例>
本実施例では、アルミニウムと炭素繊維との複合材を次の手順で製造した。
平均繊維長150μm及び平均繊維直径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー(株)製:XN−100)と、バインダーとして平均分子量70万のポリエチレンオキサイド(明成化学工業(株)製:アルコックス(登録商標)E−45)の3質量%水溶液と、溶剤としてメタノールと、水と、分散剤と、表面調整剤とを撹拌混合し、これにより塗工液を調製した。塗工液に含まれるバインダーの質量は炭素繊維の質量に対して固形分で3%であった。また、塗工液の粘度は25℃で300mPa・sであった。
厚さ20μm及び幅280mmのアルミニウム箔(その材質:A1N30)の帯状条材の表面にその全体に亘って塗工液をグラビアコーターを用いたグラビア印刷法により塗工し、これにより、アルミニウム箔の条材の表面上に炭素繊維層が形成されてなる塗工箔の条材を得た。そして、塗工箔の条材を乾燥炉内に通過させて加熱乾燥させることにより炭素繊維層から溶剤を蒸発除去した。炭素繊維層から溶剤を除去した後の炭素繊維層に含まれる炭素繊維の塗工量は30g/mであった。
塗工に使用したグラビアコーターに備えられたグラビアロールの周面のメッシュは#15、セルの形状は格子型であった。
図10は、こうして得られた塗工箔の条材の表面の顕微鏡写真である。金属箔の条材の表面において、炭素繊維層を構成する各網点中の多数の炭素繊維は、網点の中心部に形成された気泡はじけ部の周囲に該気泡はじ部を包囲する方向に略円環状(略年輪状)に配列しており、このような炭素繊維の略円環状配列が金属箔の条材の表面上に存在する多数の網点それぞれに生じていた。
次いで、塗工箔の条材を正方形状(その寸法:縦50mm×横50mm)に切断し、これにより塗工箔の条材から正方形状の塗工箔を複数切り出した。そして、塗工箔を200枚積層することで積層体を形成した。
次いで、加圧加熱焼結装置としての放電プラズマ焼結装置により真空雰囲気中にて積層体を塗工箔の積層方向に加圧しながら所定の焼結温度で加熱することにより積層体を焼結し即ち塗工箔を焼結一体化し、これによりアルミニウムと炭素繊維との複合材を得た。複合材の厚さは4mmであった。
この焼結に適用した焼結条件は、焼結温度550℃、焼結温度の保持時間(焼結時間)3h、真空度5Paであった。
また、このように塗工箔を焼結一体化した工程において、積層体を室温から焼結温度まで加熱する途中で積層体からバインダーを除去した。
得られた複合材は、アルミニウム箔から形成されたアルミニウム層と炭素繊維層とが交互に複数積層された状態になっており、更に、炭素繊維層内にアルミニウムが十分に浸透して炭素繊維層内に空隙が殆ど存在しておらず、複合材の密度は複合材の理論密度の99%であった。
また、複合材17の長さ方向A、幅方向B及び厚さ方向Cにおける熱伝導率と線膨張係数をそれぞれ測定した(図9参照)。その結果、複合材17の長さ方向Aの熱伝導率は280W/(m・K)、線膨張係数は6×10-6/Kであり、複合材17の幅方向Bの熱伝導率は280W/(m・K)、線膨張係数は6×10-6/Kであり、複合材17の厚さ方向Cの熱伝導率は105W/(m・K)、線膨張係数は22×10-6/Kであった。したがって、複合材17の長さ方向Aの熱伝導率と幅方向Bの熱伝導率は互いに等しかった。
ここで、図9に示すように、上述した複合材17の長さ方向Aとは、グラビアコーターによる金属箔の条材の表面への塗工液の塗工方向Pと平行な方向であり、複合材の幅方向Bとは、複合材17の平面内における複合材の長さ方向Aに対して直角方向である。複合材17の厚さ方向Cは塗工箔の積層方向と一致している。
<比較例>
本比較例では、アルミニウムと炭素繊維との複合材を次の手順で製造した。
平均繊維長150μm及び平均繊維直径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー(株)製:XN−100)と、バインダーとして平均分子量70万のポリエチレンオキサイド(明成化学工業(株)製:アルコックス(登録商標)E−45)の3質量%水溶液と、溶剤としてメタノールと、水と、分散剤と、表面調整剤とを撹拌混合し、これにより塗工液を調製た。塗工液に含まれるバインダーの質量は炭素繊維の質量に対して固形分で3%であった。また、塗工液の粘度は25℃で1000mPa・sであった。
厚さ20μm及び幅280mmのアルミニウム箔(その材質:A1N30)の帯状条材の表面にその全体に亘って塗工液をグラビアコーターを用いたグラビア印刷法により塗工し、これにより、アルミニウム箔の条材の表面上に炭素繊維層が形成されてなる塗工箔の条材を得た。そして、塗工箔の条材を乾燥炉内に通過させて加熱乾燥させることにより炭素繊維層から溶剤を蒸発除去した。炭素繊維層から溶剤を除去した後の炭素繊維層に含まれる炭素繊維の塗工量は30g/mであった。
塗工に使用したグラビアコーターに備えられたグラビアロールの周面のメッシュは#15、セルの形状は格子型であった。
次いで、塗工箔の条材を正方形状(その寸法:縦50mm×横50mm)に切断し、これにより塗工箔の条材から正方形状の塗工箔を複数切り出した。そして、塗工箔を200枚積層することで積層体を形成した。
次いで、放電プラズマ焼結装置により真空雰囲気中にて積層体を塗工箔の積層方向に加圧しながら所定の焼結温度で加熱することにより積層体を焼結し即ち塗工箔を焼結一体化し、これによりアルミニウムと炭素繊維との複合材を得た。複合材の厚さは4mmであった。
この焼結に適用した焼結条件は、焼結温度550℃、焼結温度の保持時間(焼結時間)3h、真空度5Paであった。
また、このように塗工箔を焼結一体化した工程において、積層体を室温から焼結温度まで加熱する途中で積層体からバインダーを除去した。
得られた複合材は、アルミニウム箔から形成されたアルミニウム層と炭素繊維層とが交互に複数積層された状態になっており、更に、炭素繊維層内にアルミニウムが十分に浸透して炭素繊維層内に空隙が殆ど存在しておらず、複合材の密度は複合材の理論密度の99%であった。
また、複合材の長さ方向A、幅方向B及び厚さ方向Cにおける熱伝導率と線膨張係数をそれぞれ測定した(図9参照)。その結果、複合材の長さ方向Aの熱伝導率は280W/(m・K)、線膨張係数は6×10-6/Kであり、複合材の幅方向Bの熱伝導率は275W/(m・K)、線膨張係数は6×10-6/Kであり、複合材の厚さ方向Cの熱伝導率は100W/(m・K)、線膨張係数は22×10-6/Kであった。したがって、複合材の長さ方向Aの熱伝導率と幅方向Bの熱伝導率は僅かに相異していた。
本発明は、金属と炭素繊維との複合材の製造方法に利用可能である。
1:炭素繊維
2:バインダー
3:溶剤
5:塗工液
10:金属箔
10A:金属箔の条材
11:炭素繊維層
12:網点
13:気泡
13a:気泡はじけ部
14:塗工箔
14A:塗工箔の条材
15:積層体
17:金属と炭素繊維との複合材
20:グラビア塗工装置
21:グラビアロール
22:セル
28:乾燥炉
30:焼結装置

Claims (1)

  1. 炭素繊維とバインダーと前記バインダー用溶剤とを混合状態に含有する塗工液をグラビア印刷法により金属箔の表面に塗工し、乾燥させることにより、前記金属箔の表面上に炭素繊維層が形成された塗工箔を得る工程と、
    前記塗工箔が複数積層された状態の積層体を形成する工程と、
    前記積層体を加熱することにより前記積層体から前記バインダーを除去し、そして前記積層体を前記塗工箔の積層方向に加圧しながら加熱することにより前記塗工箔を接合一体化する工程と、を具備し、
    前記塗工箔を得る工程では、カップ状セルを有するグラビアロールを用いて前記塗工液をグラビア印刷法により塗工し、乾燥させることにより、炭素繊維が、各網点の中心部に形成された気泡はじけ部を包囲する方向に円環状に配列する、金属と炭素繊維との複合材の製造方法。
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