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JP2018199840A - 金属−炭素粒子複合材の製造方法 - Google Patents

金属−炭素粒子複合材の製造方法 Download PDF

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JP2018199840A JP2017103610A JP2017103610A JP2018199840A JP 2018199840 A JP2018199840 A JP 2018199840A JP 2017103610 A JP2017103610 A JP 2017103610A JP 2017103610 A JP2017103610 A JP 2017103610A JP 2018199840 A JP2018199840 A JP 2018199840A
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若林 正一郎
Shoichiro Wakabayashi
正一郎 若林
克昌 廣瀬
Katsumasa Hirose
克昌 廣瀬
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Abstract

【課題】熱特性(例:熱伝導率、線膨張係数)の異方性が緩和された金属−炭素粒子複合材の製造方法を提供することにある。【解決手段】金属−炭素粒子複合材の製造方法は、炭素粒子を含む塗工液を金属箔の塗工予定表面に塗工することにより金属箔の塗工予定表面に炭素粒子層が形成された塗工箔を得る工程と、塗工箔を裁断して複数の裁断小片13を得る工程と、型枠16内に複数の裁断小片13を充填する工程と、型枠16内に充填された複数の裁断小片13を焼結一体化する工程と、を備える。【選択図】図11

Description

本発明は、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した炭素粒子とを含む金属−炭素粒子複合材の製造方法に関する。
金属−炭素粒子複合材は一般に高い熱伝導性と低い線膨張性を有している。この種の複合材の製造方法を開示した文献として、特許第5150905号公報(特許文献1)、特許第4441768号公報(特許文献2)及び特開2006−1232号公報(特許文献3)がある。
特許第5150905号公報は、シート状又はフォイル状の金属支持体上に炭素粒子としての炭素繊維を含有する皮膜が形成されたプリフォームを形成し、これを複数積み重ねて積層体を形成し、積層体を加熱圧接することでプリフォーム同士を一体化させることにより、金属−炭素粒子複合材としての金属基炭素粒子複合材を製造する方法を開示している。この方法では、得られる複合材において熱伝導率は炭素粒子が配向した一方向が高くなる傾向となる。
特許第4441768号公報は、鱗状黒鉛粉末と所定の鱗状金属粉末との混合体を用いて焼結前駆体を形成し、焼結前駆体を加圧しながら焼結することにより、金属−炭素粒子複合材としての金属−黒鉛複合材を製造する方法を開示している。この方法では、製造コストが高いという問題がある。
特開2006−1232号公報は、結晶系カーボン材層と金属層とが積層され複合化された複合体をホットプレス焼結することにより、金属−炭素粒子複合材としての高熱伝導・低熱膨張複合材を製造する方法を開示している。この方法では、複合体の焼結条件の設定が難しいことが課題として考えられる。
金属−炭素粒子複合材を開示したその他の文献として、特開2015−25158号公報(特許文献4)及び特開2015−217655号公報(特許文献5)がある。
特許第5150905号公報 特許第4441768号公報 特開2006−1232号公報 特開2015−25158号公報 特開2015−217655号公報
而して、上記特許第5150905号公報(以下「特許文献1」という)の金属−炭素粒子複合材の製造方法では、金属支持体は金属箔(金属シートを含む)などからなり、皮膜は、金属箔上に炭素粒子とバインダーと溶剤とを含む塗工液を塗工することにより形成される。このような皮膜の形成方法によれば、金属箔上に塗工液の塗工方向に対し直交する方向に塗工液の塗工ムラが発生し易かった。もし塗工ムラが発生した場合には、金属箔上に形成された皮膜中の炭素粒子の含有量が不均一であるため、これをプリフォームとして用いて上記特許文献1に開示の製造方法に従って複合材を製造すると、複合材の厚さ方向に対し垂直な面方向(以下この「面方向」を複合材の「平面方向」という)における熱特性(例:熱伝導率、線膨張係数)の異方性を誘発し易い。一方、塗工ムラが発生しないように塗工液を金属箔上に塗工することは容易ではない。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、熱特性の異方性が緩和された金属−炭素粒子複合材を製造する方法を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 炭素粒子を含む塗工液を金属箔の塗工予定表面に塗工することにより前記金属箔の前記塗工予定表面に炭素粒子層が形成された塗工箔を得る工程と、
前記塗工箔を裁断して複数の裁断小片を得る工程と、
型枠内に前記複数の裁断小片を充填する工程と、
前記型枠内に充填された前記複数の裁断小片を焼結一体化する工程と、を備える、金属−炭素粒子複合材の製造方法。
[2] 前記充填する工程では、前記型枠内に前記複数の裁断小片を無作為に充填する前項1記載の金属−炭素粒子複合材の製造方法。
[3] 前記金属箔がアルミニウム箔である前項1又は2記載の金属−炭素粒子複合材の製造方法。
[4] 前記炭素粒子が炭素繊維及び鱗片状黒鉛粒子の少なくとも一方である前項1〜3のいずれかに記載の金属−炭素粒子複合材の製造方法。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]によれば、もし金属箔の塗工予定表面に塗工液の塗工ムラが発生し、そのため金属箔の塗工予定表面に形成された炭素粒子層中の炭素粒子の含有量が不均一である場合であっても、塗工箔を裁断して複数の裁断小片を得、その後、型枠内に複数の裁断小片を充填することにより、型枠内に充填された複数の裁断小片の全体において炭素粒子層中の炭素粒子の含有量の均一化が図られる。そして、この状態で複数の裁断小片を焼結一体化することにより、得られる複合材の熱特性の異方性を緩和することができる。
前項[2]では、型枠内に複数の裁断小片を無作為に充填することにより、型枠内に充填された複数の裁断小片の全体における炭素粒子層中の炭素粒子の含有量の均一化を簡単に図ることができる。これにより、複合材の熱特性の異方性を簡単に緩和することができる。
前項[3]では、金属箔がアルミニウム箔であることにより、複合材の軽量化を図ることができるし、複合材の加工性を高めることができる。
前項[4]では、炭素粒子が炭素繊維及び鱗片状黒鉛粒子の少なくとも一方であることにより、複合材の熱特性を効果的に改良することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属−炭素粒子複合材の製造方法を示す流れ図である。 図2は、塗工箔を得る工程を説明する概略図である。 図3Aは、グラビアロールの周面における格子型セルの配列状態を示す平面図である。 図3Bは、図3Aの格子型セルの形状を示す斜視図である。 図4Aは、グラビアロールの周面におけるピラミッド型セルの配列状態を示す平面図である。 図4Bは、図4Aのピラミッド型セルの形状を示す斜視図である。 図5Aは、グラビアロールの周面における亀甲型セルの配列状態を示す平面図である。 図5Bは、図5Aの亀甲型セルの形状を示す斜視図である。 図6Aは、グラビアロールの周面における円型セルの配列状態を示す平面図である。 図6Bは、図6Aの円型セルの形状を示す斜視図である。 図7Aは、セルの底面が平坦状である場合のセルの側面図である。 図7Bは、セルの底面が凹曲面状である場合のセルの側面図である。 図7Cは、セルの底面が凹錐面状である場合のセルの側面図である。 図8は、セルの内周側面に連絡口が設けられている場合のセルの斜視図である。 図9は、塗工箔を裁断して複数の裁断小片を得る工程を説明する概略図である。 図10は、型枠内に複数の裁断小片を充填する工程を説明する概略図である。 図11は、複数の裁断小片を焼結一体化する工程を説明する概略図である。 図12は、複数の裁断小片を加熱する時の昇温曲線の一例を示す図(グラフ)である。 図13は、同複合材の概略斜視図である。 図14は、冷却器の概略側面図である。
次に、本発明の幾つか実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施形態に係る金属−炭素粒子複合材(金属−炭素粒子複合体)は、いわゆる金属基炭素粒子複合材の一種であり、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した炭素粒子とを含むものである。炭素粒子は複合材の全体に亘って金属マトリックス中に多数分散している。
本実施形態に係る金属−炭素粒子複合材の製造方法について以下に説明する。
複合材の製造方法は、図1に示すように、塗工箔を得る工程S1と、複数の裁断小片を得る工程S2、複数の裁断小片を充填する工程S3と、複数の裁断小片を焼結一体化する工程S4とを含んでおり、この記載の順にこれらの工程が行われ、これにより図13に示した本実施形態に係る金属−炭素粒子複合材20が得られる。
塗工箔を得る工程S1は、図2に示すように、炭素粒子1を含む塗工液5を長尺な帯状金属箔10(即ち金属箔10の条材)の塗工予定表面10aに一方向に連続的に層状に塗工することにより、金属箔10の塗工予定表面10aに炭素粒子層11が形成(塗工)された長尺な帯状塗工箔12(即ち塗工箔12の条材)を得る工程である。本実施形態では、塗工液5の塗工方向Dは金属箔10の長さ方向である。
金属箔10の塗工予定表面10aは、金属箔10の厚さ方向の両側の表面のうち少なくとも一方である。本実施形態では、塗工予定表面10aは金属箔10の厚さ方向の一方の片側の表面であり、詳述すると金属箔10の上表面である。
塗工液5は、上述したように炭素粒子1を含むものであり、更にバインダー2とバインダー2用溶剤3とを混合状態に含んでいる。
塗工箔を得る工程S1は、更に、金属箔10の塗工予定表面10aに形成された炭素粒子層11から溶剤3を除去する工程S1aを含んでいる(図1参照)。
複数の裁断小片を得る工程S2は、図9に示すように、塗工箔12を所定形状に小さく裁断して複数の裁断小片13を得る工程である。
複数の裁断小片を充填する工程S3は、図10に示すように、型枠16内に複数の裁断小片13を充填する工程である。
複数の裁断小片を焼結一体化する工程S4では、図11に示すように、型枠16内に充填された複数の裁断小片13をその厚さ方向に加圧しながら加熱することにより複数の裁断小片13を型枠16内にて焼結一体化する。この工程S4は、複数の裁断小片13を加熱することにより各裁断小片13からバインダー2を除去する工程S4aを含んでいる(図1参照)。
次に、各工程について以下に詳細に説明する。
<塗工箔12を得る工程S1>
図2に示すように、本工程S1で使用される塗工液5は、上述したように炭素粒子1とバインダー2と溶剤3とを混合状態に含むものであり、例えば次のようにして得られる。
多数の炭素粒子1とバインダー2と溶剤3とを混合容器7内に入れてこれらを撹拌器8により撹拌混合する。これにより、炭素粒子1とバインダー2と溶剤3とを混合状態に含有した塗工液5が得られる。なお必要に応じて、分散剤、消泡剤、表面調整剤、粘度調整剤などを更に混合容器7内に入れて撹拌混合することで塗工液5にこれらを添加しても良い。
撹拌器8は限定されるものではなく、撹拌羽根付き撹拌器、プラネタリーミキサー、ホモディスパー、ビーズミルなどを使用可能である。
炭素粒子1、バインダー2及び溶剤3についての具体的な説明は後述する。
塗工液5を金属箔10の塗工予定表面10aに塗工するための塗工方法は限定されるものではない。塗工方法として、グラビア塗工法、3本ロールコート法(例えばオフセットタイプ)、ナイフコート法、カーテンコート法、バーコート法、ドクターブレードコート法、スプレー塗布法等を適用可能である。好ましくは、塗工液5の塗工は、同図に示すように、金属箔10を巻き出す巻出しロール37aと金属箔10を巻き取る巻取りロール37bとを用いたロールtoロール方式により行われる。
以下では、塗工方法がグラビア塗工法である場合について塗工方法を説明する。
巻出しロール37aと巻取りロール37bとの間には、塗工装置としてのグラビア塗工装置(例:グラビアコーター)30と乾燥装置としての乾燥炉38とが金属箔10の送り方向Fに並んで設置されている。
グラビア塗工装置30は、詳述するとダイレクトグラビア塗工装置(例:ダイレクトグラビアコーター)であり、グラビアロール31、バックアップロール33、グラビアロール31の周面31aに塗工液5を付着させる塗工液付着手段35などを備えている。
グラビアロール31の周面31aにはその全体に亘って多数のセル(凹部)32が整然と配列して設けられている(図3A、4A、5A及び6A参照)。隣り合うセル32間には隔壁部31bが形成されており、この隔壁部31bによって各セル32が仕切られている。バックアップロール33は、グラビアロール31に対向して配置されている。
グラビアロール31の回転方向は、通常、金属箔10の送り方向Fと同じ方向に設定される。グラビアロール31の周速度は、通常、金属箔10の送り速度と等しく設定される。
塗工液付着手段35は、塗工液5を収容した塗工液パン(図示せず)を備えたものであり、グラビアロール31の周面31aの周方向の一部がパン内の塗工液5に接触した状態でグラビアロール31がその中心軸を中心に回転することにより、グラビアロール31の周面31aに塗工液5が付着されるように構成されている。パン内の塗工液5中の炭素粒子1はその最長軸方向がランダムになるように塗工液5中に分散している。
乾燥炉38は、金属箔10の塗工予定表面10aに形成された炭素粒子層11を加熱乾燥することにより炭素粒子層11中に含まれている溶剤3を炭素粒子層11から蒸発除去するためのものである。
図2に示したグラビア塗工装置30は上述したようにロールtoロール方式のものである。このグラビア塗工装置30では、巻出しロール37aから巻き出された金属箔10は、グラビアロール31とバックアップロール33との間と、乾燥炉38内とを所定の送り速度で略水平方向に順次通過したのち巻取りロール37bに巻き取られる。
金属箔10の送り方向Fは金属箔10の長さ方向に設定されており、この送り方向Fに平行な方向がグラビア塗工装置30(詳述するとグラビア塗工装置30のグラビアロール31)による金属箔10の塗工予定表面10aへの塗工液5の塗工方向Dである。また金属箔10はその塗工予定表面10aが上側に向けられた状態で送り方向Fに送られる。
グラビアロール31は金属箔10の上側(即ち塗工予定表面10a側)に金属箔10をその幅方向の全体に亘って横断する態様にして配置されている。また、バックアップロール33は金属箔10の下側に金属箔10をその幅方向の全体に亘って横断する態様にして配置されている。
巻出しロール37aから巻き出された金属箔10は、グラビア塗工装置30のグラビアロール31とバックアップロール33との間を通過する際に、グラビアロール31によって金属箔10の塗工予定表面10aに塗工液5が金属箔10の長さ方向に連続的に塗工される。
すなわち、グラビアロール31が回転することにより、グラビアロール31の周面31aに塗工液付着手段35により塗工液5が付着して各セル32内に入る。そして、グラビアロール31の回転に伴い、グラビアロール31の周面31aに付着した余分な塗工液5がドクターブレード(スクレーパ)34により掻き取られる。その後、グラビアロール31の周面31aが金属箔10の塗工予定表面10aに当接することによりセル32内の塗工液5が金属箔10の塗工予定表面10a上に転写塗工されて、当該転写塗工された塗工液5からなる炭素粒子層11が塗工予定表面10a上に形成される。これにより、金属箔10の塗工予定表面10a上に炭素粒子層11が形成された長尺な帯状塗工箔12(即ち塗工箔12の条材)が得られる。
グラビア塗工装置30のグラビアロール31において、セル32の形状は例えばカップ状であってセル32の周囲が全周に亘って略閉鎖された形状である。
具体的にはセル32の形状は、格子型32A(図3A及び3Bを見よ)、ピラミッド型32B(図4A及び4Bを見よ)、亀甲型32C(図5A及び5Bを見よ)及び円型32D(図6A及び6Bを見よ)からなる群より選択される少なくとも一つであることが望ましい。
格子型セル32Aは、図3A及び3Bに示すように四角錐台状に凹んで形成されている。
ピラミッド型セル32Bは、図4A及び4Bに示すように四角錐状に凹んで形成されている。
亀甲型セル32C、は図5A及び5Bに示すように六角錐台状に凹んで形成されている。
円型セル32Dは、図6A及び6Bに示すように円錐台状に凹んで形成されている。
さらに、セル32(例:格子型、ピラミッド型、亀甲型、円型)の底面32bの形状は限定されるものではなく、例えば、図7Aに示すように平坦状であっても良いし、図7Bに示すように凹曲面状(例:凹球面状)であっても良いし、図7Cに示すように凹錐面状(例:凹角錐面状、凹円錐面状)であっても良いし、更に、これらの形状のうち少なくとも二つが組み合わされた形状であっても良い。
さらに本実施形態では、セル32は、セル32の周囲が全周に亘って完全に閉鎖された形状であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、セル32の内周側面32aの一部に、セル32内の塗工液5の一部が隣りのセル32内へ流れうるようにするための小さな連絡口32cが形成された形状であっても良い。
セル32の大きさは、セル32内に平均最長軸長さの炭素粒子1がセル32の開口面と略平行な状態で入るのに十分な大きさであり、且つ、セル32内に入った炭素粒子1がセル32内でセル32の内周方向に360°回転可能な大きさであることが望ましい。具体的には、セル32の口形状に内接する円N(詳述するとセル32の開口周縁32dに内接する円N)の直径Wは炭素粒子1の平均最長軸長さよりも大きければ特に限定されるものではないが、炭素粒子1の平均最長軸長さに対して1.2倍以上に設定されていることが望ましい。
なお、図3A、4A及び5Aではセル32の口形状に内接する円Nは二点鎖線で示されており、図6Aではセル32の口形状に内接する円Nはセル32の開口周縁32dと一致する。
このように、セル32の形状がカップ状であり、且つ、セル32の口形状に内接する円Nの直径Wが炭素粒子1の平均最長軸長さに対して1.2倍以上に設定されることにより、グラビアロール31の周面31aに塗工液5が付着した時、塗工液5中の炭素粒子1がセル32内に確実に入る。そして、セル32内の塗工液5がグラビアロール31の回転に伴い金属箔10の塗工予定表面10aに転写塗工される。その結果、炭素粒子層11が金属箔10の塗工予定表面10a上に形成される。
セル32の口形状に内接する円Nの直径Wの上限については限定されるものではなく、例えば2500μmである。
セル32の開口周縁32dの形状が正方形状(例:格子型32A、ピラミッド型32B)である場合は、セル32の口形状に内接する円Nの直径Wは、セル32の形状が亀甲型32Cや円型32Dである場合よりも大きい方が望ましく、特に炭素粒子1の平均最長軸長さに対して1.5倍以上であることが非常に望ましい。
炭素粒子1の種類は限定されるものではない。炭素粒子1として、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、天然黒鉛粒子及び人造黒鉛粒子からなる群より選択される少なくとも一種を使用することができる。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などを使用することができる。PAN系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維のうち特にピッチ系炭素繊維を用いることが望ましい。その理由は、ピッチ系炭素繊維の最長軸方向(即ち繊維方向)の熱伝導率がPAN系炭素繊維のそれよりも大きく、そのためより高い熱伝導率を有する複合材20を得られるからである。
カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標)を含む)などを使用することができる。
グラフェンとしては、単層グラフェン、多層グラフェンなどを使用することができる。
天然黒鉛粒子としては、鱗片状黒鉛粒子などを使用することができる。
人造黒鉛粒子としては、等方性黒鉛粒子、異方性黒鉛粒子、熱分解黒鉛粒子などを使用することができる。
炭素粒子1の大きさ(平均最長軸長さ、平均粒径など)は限定されるものではないが、炭素粒子1が例えば炭素繊維である場合、炭素繊維の平均最長軸長さ(即ち平均繊維長さ)は1mm以下であることが望ましい。その理由は、金属箔10の塗工予定表面10aに形成される炭素粒子層(炭素繊維層)11中の炭素粒子(炭素繊維)1の最長軸方向(繊維方向)が塗工予定表面10a内において比較的ランダムになるからである。炭素繊維の平均最長軸長さの下限は限定されるものではなく、通常10μmである。
また、炭素粒子1が例えば炭素繊維である場合、炭素繊維の繊維直径は限定されるものではなく、炭素繊維の平均繊維直径は例えば0.1nm〜20μmである。炭素繊維がPAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維である場合は、炭素繊維は例えばチョップドファイバーやミルドファイバーであってその平均繊維直径は例えば5μm〜15μmである。
炭素粒子1が気相成長カーボンナノファイバーである場合は、その平均繊維直径は例えば0.1nm〜20μmである。
炭素粒子1が例えば鱗片状黒鉛粒子である場合、鱗片状黒鉛粒子の平均粒径は100μm以上であることが望ましい。その理由は、鱗片状黒鉛粒子と金属マトリックスとの境界の界面抵抗を確実に低減し得て、これにより複合材20の熱伝導特性(熱伝導率)を確実に高めることができるからである。鱗片状黒鉛粒子のより望ましい平均粒径は200μm以上であり、非常に望ましい平均粒径は400μm以上である。鱗片状黒鉛粒子の平均粒径の上限は限定されるものではなく、例えば1000μmである。
バインダー2は、炭素粒子1に金属箔10の塗工予定表面10aへの付着力を付与し、これにより炭素粒子層11中の炭素粒子1が金属箔10の塗工予定表面10aから脱落するのを抑制するためのものであり、通常、樹脂からなる。
さらに、バインダー2は、非酸化雰囲気中にて200℃〜450℃の温度で炭化せずに昇華又は分解などにより消失するものを用いることが望ましい。そのようなバインダー2として、アクリル系樹脂、ポリエチレングリコール系樹脂、ブチレンゴム樹脂、フェノール樹脂、セルロース系樹脂などが好適に使用される。これらのバインダー2は一般に常温で固形である。
溶剤3は、バインダー2を常温で溶解するものであることが望ましく、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤などが好適に使用される。
塗工液5は、炭素粒子1とバインダー2を質量比で75:25〜99.5:0.5の割合で含有していることが望ましい。この場合には、塗工箔12を得る工程S1において炭素粒子1を金属箔10の塗工予定表面10aに確実に付着させることができるし、バインダー2を除去する工程S4aにおいてバインダー2を確実に消失除去することができる。特に望ましくは、塗工液5は炭素粒子1とバインダー2を質量比で80:20〜99:1の割合で含有していることが良い。
塗工箔12を得る工程S1では、炭素粒子層11に含まれる炭素粒子1の塗工量が40g/m以下になるように塗工液5を金属箔10の塗工予定表面10aに塗工することが望ましい。その理由は次のとおりである。
すなわち、炭素粒子層11に含まれる炭素粒子1の塗工量が40g/m以下になるように塗工液5を金属箔10の塗工予定表面10aに塗工する場合には、複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4において金属箔10の金属が炭素粒子層11内の空隙の略全部に十分に浸透するとともに複数の裁断小片13が確実に焼結一体化される。これにより、複合材20の強度(機械的強度等)を確実に高めることができる。さらに、複合材20の製造時間を短縮化するため、炭素粒子層11に含まれる炭素粒子1の塗工量は30g/m以下であることが特に望ましい。
また、得られる複合材20において炭素粒子1の体積が複合材20全体の体積に対して50%未満になるように、塗工液5を金属箔10の塗工予定表面10aに塗工することが望ましく、これにより、複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4において金属箔10の金属を炭素粒子層11内に確実に浸透させることができて、複数の裁断小片13を確実に強固に焼結一体化することができる。
金属箔10は、塗工に耐えうるものであればその材料に限定されるものではない。特に、金属箔10はアルミニウム箔及び銅箔のうち少なくとも一方であることが望ましい。その理由は、高い熱伝導率を有する複合材20を確実に得られるからである。
金属箔10がアルミニウム箔である場合において、アルミニウム箔の材料は限定されるものではなく、A1000系、A3000系、A6000系等が用いられる。一般に、アルミニウム箔の材料は、得られる複合材20の熱特性(熱伝導率、線膨張係数など)が所望する設定値になるように複数種のアルミニウム材料の中から適宜選択される。
金属箔10がアルミニウム箔である場合には、複合材20の金属マトリックスはアルミニウムマトリックスである。そのため、複合材20の軽量化を図ることができるし、複合材20の加工性を高めることができる。
金属箔10が銅箔である場合において、銅箔の種類及び材料は限定されるものではなく、電解銅箔、圧延銅箔などが用いられる。一般に、銅箔の材料は、得られる複合材20の熱特性(熱伝導率、線膨張係数など)が所望する設定値になるように複数種の銅材料の中から適宜選択される。
金属箔10の厚さは限定されるものではなく、得られる複合材20の熱特性が所望する設定値になるように金属箔10の厚さを選択可能である。
金属箔10が銅箔である場合には、複合材20の金属マトリックスは銅マトリックスである。
ここで、市販されている金属箔(例:アルミニウム箔、銅箔)10の最薄の厚さは6μmであることから、金属箔10の厚さの下限は6μmであることが金属箔10を容易に入手可能である点で特に望ましい。金属箔10の厚さの上限は通常100μmであり、特に概ね50μmであることが望ましい。
金属箔10の幅は限定されるものではなく、複合材20の用途などに応じて設定され、例えば10mm〜1200mmに設定される。
溶剤3を除去する工程S1aは、図3に示すように、塗工箔12が乾燥炉38内を通過することにより行われる。すなわち、塗工箔12が乾燥炉38内を通過した時に炭素粒子層11が乾燥炉38により加熱乾燥され、これにより炭素粒子層11に含まれている溶剤3が炭素粒子層11から蒸発除去される。その後、塗工箔12は巻取りロール37bに巻き取られる。
乾燥炉38による溶剤3の除去条件は、炭素粒子層11に含まれている溶剤3を炭素粒子層11から蒸発除去可能な条件であれば限定されるものではなく、通常、乾燥温度60℃〜250℃で乾燥時間1min〜120minである。
さらに、溶剤3を除去した後では炭素粒子層11内に大きな空隙が生じていることもあるので、押圧ロール(図示せず)で炭素粒子層11をその厚さ方向に押圧して炭素粒子層11のかさ密度を高めることも可能である。
<複数の裁断小片13を得る工程S2>
図9に示すように、複数の裁断小片13を得る工程S2では、巻取りロール37bから巻き解かれた塗工箔12を受けダイ(図示せず)で支持した状態で裁断装置40に備えられた裁断刃(打ち抜きパンチ)41で所定形状に小さく裁断する(打ち抜く)。これにより、塗工箔12から所定形状の裁断小片13を複数切り出す。
裁断小片13の形状は限定されるものではなく、例えば、円形状や楕円形状であっても良いし多角形状(三角形状、四角形状等)であっても良く、更に、紙を市販のシュレッダーで裁断したような細長い形状であっても良い。本実施形態では裁断小片13の形状は例えば円形状である。また、複数の裁断小片13の形状及び寸法は互いに同じであっても良いし相異していても良く、本実施形態では複数の裁断小片13は互いに同一形状及び同一寸法である。
図9中の矢印「D」は、上述したように塗工箔12を得る工程S1における金属箔10の塗工予定表面10aへの塗工液5の塗工方向を示している。金属箔10の塗工予定表面10aには塗工液5の塗工ムラが塗工液5の塗工方向Dに対し直交する方向(即ち金属箔10の幅方向)に発生する。塗工ムラが発生している場合、塗工箔12の炭素粒子層11中の炭素粒子1の含有量は塗工方向Dに対し直交する方向に不均一になっており、肉眼では炭素粒子1の含有量が多い箇所は濃く少ない箇所は淡く見える。
なお同図では、塗工液5の塗工方向Dを分かり易くするため、塗工箔12及び裁断小片13の表面には塗工液5の塗工方向Dを表示する細線が描かれている。その他の図(図10及び11)でも同じである。
<複数の裁断小片13を充填する工程S3>
図10に示すように、複数の裁断小片13を充填する工程S3では、型枠16内に複数の裁断小片13を充填する。型枠16内に充填された複数の裁断小片13はその全体が一つの焼結素材に相当している。
型枠16は黒鉛製である。型枠16の形状は限定されるものではなく、多角形状であっても良いし円形状であっても良く、本実施形態では四角形状である。
裁断小片13のサイズは限定されるものではなく、裁断小片13を型枠16内に充填し得るサイズであれば良い。特に、裁断小片13の最大投影面積を「Y」、型枠16の開口面積を「X」としたとき、「X」と「Y」は次式(1)を満足していることが望ましい。なお、複数の裁断小片13の形状及び寸法が互いに同一ではなく相異する場合、「Y」は複数の裁断小片13の最大投影面積の平均値を適用する。
X>4×Y …式(1)。
「X」と「Y」が式(1)を満足することにより、型枠16内に複数の裁断小片13を充填した際に型枠16内の中心に裁断小片13が集まるのを確実に抑制することができ、これにより、複数の裁断小片13を確実に均一に焼結一体化することができる。
さらに、「X」と「Y」は「X>40×Y」の式を満足していることが望ましい。その理由は、得られる複合材20の熱特性の異方性(特に、複合材20の平面方向における熱特性の異方性)を確実に緩和することができるからである。この観点から、特に「X」と「Y」は「X>100×Y」の式を満足していることが望ましい。
また、「Y」は限定されるものではないが、4mm以上であることが望ましい。その理由は、裁断小片13からの炭素粒子1の脱落を確実に抑制することができるし、裁断小片13のハンドリング性を確実に向上させることができるし、塗工箔12を裁断するのに要するコストを確実に削減することができるからである。この観点から、特に「Y」は25mm以上であることが望ましく、更に100mm以上であることが非常に望ましい。「Y」の上限は限定されるものではなく、通常10000mmである。
型枠16内への裁断小片13の充填個数は限定されるものではなく、所望する複合材20の大きさ等により決定されるものであり、例えば5×10〜1×10個である。
複数の裁断小片13を型枠16内に充填する場合においては、複数の裁断小片13を型枠16内に無作為に充填しても良いし規則的に充填しても良い。
複数の裁断小片13を型枠16内に無作為に充填する場合、各裁断小片13に発生している塗工ムラが、複数の裁断小片13が型枠16内に無作為(乱雑に)に充填されることで相殺される。そのため、型枠16内に充填された複数の裁断小片13の全体における炭素粒子層11中の炭素粒子1の含有量を簡単に均一化することができる。これにより、複合材20の熱特性の異方性(特に、複合材20の平面方向における熱特性の異方性)を簡単に緩和することができる。
複数の裁断小片13を型枠16内に規則的に充填する場合、各裁断小片13に発生している塗工ムラの方向(即ち塗工方向D)が平面内において特定の方向に集中しないような規則性をもって(即ち塗工ムラの方向(塗工方向D)が平面内において均一に分散するような規則性をもって)複数の裁断小片13を型枠16内に充填することが良い。こうすることにより、複合材20の熱特性の異方性(特に、複合材20の平面方向における熱特性の異方性)を確実に緩和することができる。
<複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4>
図11に示すように、複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4では、まず加圧加熱焼結装置などの焼結装置50の焼結室51内に、型枠16内に充填された複数の裁断小片13を配置する。そして、焼結装置50によって所定の焼結雰囲気中にて複数の裁断小片13を型枠16内に充填した状態のままでその厚さ方向に加圧しながら所定の焼結温度で加熱することにより複数の裁断小片13を焼結一体化する。これにより、複合材20が型枠16内にて形成される。次いで、複合材20と型枠16を分離する。これにより、図13に示した複合材20が得られる。
この工程S4では、複数の裁断小片13が上述のように加圧加熱されることにより、各裁断小片13の金属箔10の金属の一部が各裁断小片13の炭素粒子層11内に浸透して炭素粒子層11内に存在する微細な空隙(例:炭素粒子層11中の炭素粒子1間の隙間)に充填されて、当該空隙が略消滅する。さらに、各裁断小片13の金属箔10の金属は複合材20の金属マトリックスを形成するとともに、各裁断小片13の炭素粒子層11中の炭素粒子1は複合材20の金属マトリックス中に分散した状態になる。
焼結装置50としては、ホットプレス装置(例:真空ホットプレス装置)、放電プラズマ焼結装置などが好適に用いられる。
複数の裁断小片13への加圧は、例えば、焼結装置50に備えられた一対の押圧パンチ(図示せず)で複数の裁断小片13をその厚さ方向の両側から挟んでその厚さ方向に加圧することにより行われる。同図中の上向き及び下向きの一対の矢印「53」「53」は、両押圧パンチによる複数の裁断小片13への加圧方向を示している。
焼結雰囲気は非酸化雰囲気であることが望ましい。非酸化雰囲気は、不活性ガス雰囲気(例:窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気)、真空雰囲気などを含む。
焼結温度とは、複数の裁断小片13を焼結一体化する温度を意味する。具体的には焼結温度は、金属箔10の金属の融点以下の温度に設定され、特に、金属箔10の金属の融点と当該融点よりも50℃程度低い温度との間の温度に設定されることが複数の裁断小片13を確実に良好に焼結一体化できる点で望ましい。金属箔10が例えばアルミニウム箔である場合、焼結温度は550℃〜620℃の範囲に設定されることが望ましい。
複数の裁断小片13への加圧力は限定されるものではなく、複数の裁断小片13を軽く押圧する程度の加圧力でも良い。さらに、複数の裁断小片13への加熱時に複数の裁断小片13を加圧すると金属箔10の金属の流動性が向上することがあるので、複数の裁断小片13への加圧により金属箔10の金属が型枠16から流れ出ない程度の加圧力で加圧するか、あるいは金属箔10の金属が型枠16から流れ出ないように型枠16の外周を金型(図示せず)で覆って複数の裁断小片13を加圧することが特に望ましい。
もし、型枠16内において互いに重なり合う裁断小片13、13間に空隙が残った状態で複数の裁断小片13が焼結一体化されると、当該空隙の部分が複合材20の内部欠陥になる。そこで、この欠陥の発生を抑制するため、複数の裁断小片13を焼結雰囲気として真空雰囲気中にて加圧することが望ましい。この場合の真空雰囲気の真空度は1×10−1〜1×10−6Paであることが望ましい。
本実施形態では、バインダー2を除去する工程S4aは、複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4における複数の裁断小片13を初期温度としての約室温から焼結温度まで加熱する途中で焼結装置50により行われる。この場合におけるバインダー2を除去する工程S4aを以下に説明する。
図12は、複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4において複数の裁断小片13を加熱する時の温度曲線の一例を示す図(グラフ)である。
同図中のT1〜T2(但し、T1<T2)の温度範囲は、各裁断小片13の炭素粒子層11に含まれているバインダー2が昇華又は分解などにより消失する範囲であり、通常200℃〜450℃である。T3は焼結温度であり、T2よりも高い温度である(即ちT3>T2)。
複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4では、複数の裁断小片13の温度が約室温から焼結温度T3まで上昇するように焼結装置50により複数の裁断小片13を加熱する途中における複数の裁断小片13の温度がT1〜T2の範囲内である時に、バインダー2が昇華又は分解などにより消失して各裁断小片13の炭素粒子層11から除去される。
複数の裁断小片13の温度がT1〜T2の温度範囲内である時間Δtは、バインダー2を複数の裁断小片13から除去しうる時間であれば限定されるものではなく、焼結装置50による複数の裁断小片13の昇温速度、複数の裁断小片13に含まれているバインダー2の全量、複数の裁断小片13の合計質量、焼結雰囲気などに応じて設定されるものであり、通常10min以上に設定される。
また、複数の裁断小片13の温度がT1〜T2の温度範囲内である時に昇温を一旦停止したり昇温速度を緩やかにしたりすることにより上記時間Δtを長くし、これによりバインダー2の除去を確実に行うようにすることも可能である。
このように、バインダー2を除去する工程S4aを、複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4における複数の裁断小片13を焼結温度T3まで加熱する途中で行うことにより、複合材20の製造工程数を削減することができて複合材20の製造を容易に行える。
なお本発明は、バインダー2を除去する工程S4aが、焼結装置50により複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4から独立して行われることを排除するものではない。
この場合、バインダー2を除去する工程S4aは、複数の裁断小片13を型枠16内に充填する工程S3の後であって且つ複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4の前に行われることが望ましい。その理由は、複数の裁断小片13の型枠16内への充填時に各裁断小片13の炭素粒子層11中の炭素粒子1が各裁断小片13から脱落するのを確実に抑制できるからである。さらにこの場合、バインダー2を除去する工程S4aを行った後であって且つ複数の裁断小片13を焼結一体化する工程S4を行う前においては、型枠16内に充填された複数の裁断小片13を非酸化雰囲気中に配置しておくこと又は/及び複数の裁断小片13の温度を300℃以下に設定しておくことが望ましい。その理由は、炭素粒子1の酸化消耗を確実に抑制できるし、金属箔10がアルミニウム箔である場合においてアルミニウム箔の酸化を確実に抑制できるからである。
本実施形態の複合材20の製造方法には次の利点がある。
もし金属箔10の塗工予定表面10aに塗工液5の塗工ムラが発生し、そのため金属箔10の塗工予定表面10aに形成された炭素粒子層11中の炭素粒子1の含有量が不均一である場合であっても、塗工箔12を裁断して複数の裁断小片13を得、その後、型枠16内に複数の裁断小片13を充填することにより、型枠16内に充填された複数の裁断小片13の全体において炭素粒子層11中の炭素粒子1の含有量が均一化される。そして、この状態で複数の裁断小片13を焼結一体化することにより、得られる複合材20の熱特性(例:熱伝導率、線膨張係数)の異方性(特に、得られる複合材20の平面方向における熱特性の異方性)を緩和することができる。
さらに、複数の裁断小片13を充填する工程S3では、型枠16内に複数の裁断小片13を無作為に充填することにより、型枠16内に充填された複数の裁断小片13の全体における炭素粒子層11中の炭素粒子1の含有量を簡単に均一化することができる。これにより、複合材20の熱特性の異方性(特に、複合材20の平面方向における熱特性の異方性)を簡単に緩和することができる。
さらに、金属箔10がアルミニウム箔である場合には、複合材20の軽量化を図ることができるし、複合材20の加工性を高めることができる。
また、炭素粒子1が炭素繊維及び鱗片状黒鉛粒子の少なくとも一方である場合には、複合材20の熱特性を効果的に改良することができる。
本実施形態の複合材20は、上述したように複合材20の熱特性の異方性(特に、複合材20の平面方向における熱特性の異方性)が緩和されているので、冷熱サイクル等の温度変化に対して高い信頼性を有している。したがって、複合材20は、図14に示した冷却器60を構成する複数の冷却器構成層のうち少なくとも一つの構成層の材料として好適に使用可能である。
冷却器60は、冷却対象物としての発熱体66(二点鎖線で示す)を冷却するものであり、複数の冷却器構成層として、配線層61、絶縁層62、緩衝層63及び冷却層64を備えている。そして、上から下へ順に、配線層61、絶縁層62、緩衝層63及び冷却層64が積層された状態でろう付け等の所定の接合手段によりこれらの層61〜64が接合一体化されることにより冷却器60が形成されている。
発熱体66としては、例えば、パワーモジュール素子等の電子素子が挙示される。発熱体66がパワーモジュール素子である場合、冷却器60はパワーモジュール用冷却器である。なお、パワーモジュールは、ハイブリッドカー(HEV)、電気自動車(EV)、電車などの車両に用いられたり、風力発電、太陽光発電などのエネルギー分野に用いられたりする。
配線層61の上面からなる搭載面61aには発熱体66がはんだ付け等の所定の接合手段により接合される。
絶縁層62は電気絶縁性を有しており、通常、セラミックからなる。
緩衝層63は、冷却器60に発生する熱応力等の応力を緩和するための層である。
冷却層64は、発熱体66の熱を放散して発熱体66を冷却するための層であり、例えば冷却部材(放熱部材を含む)からなり、複数の放熱フィン64aを有している。
上記の冷却器60では、詳述すると、上述した複数の構成層のうち絶縁層62を除く構成層(即ち、配線層61、緩衝層63及び冷却層64)からなる群より選択される少なくとも一つが本実施形態の複合材20製である。したがって、冷却器60は、冷熱サイクル等の温度変化に対して高い信頼性(例:高い接合信頼性)を有している。
複合材20が例えば緩衝層63の材料として用いられる場合には、複合材20の平面方向の線膨張係数が絶縁層62の平面方向の線膨張係数と冷却層64の平面方向の線膨張係数との中間値になるように複合材20の金属マトリックスの体積と炭素粒子1の体積との比率を設定することが望ましい。
金属箔10が例えばアルミニウム箔である場合においては、特に、複合材20の平面方向の線膨張係数を、絶縁層62の材料としてよく使用されるセラミック(窒化アルミ、アルミナ、炭化ケイ素等)の線膨張係数(例:約3×10−6/K〜約5×10−6/K)と冷却層64の材料としてよく使用されるアルミニウムの線膨張係数(約23×10−6/K)との中間値(約10×10−6/K〜約16×10−6/K)にするためには、炭素粒子1の体積を複合材20全体の体積に対して10%以上50%未満に設定することが望ましい。
以上で本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々に変更可能である。
例えば本発明では、金属箔10はその厚さ方向の一方の片側の表面と他方の片側の表面とをそれぞれ塗工予定表面10aとするものであって、塗工箔12は、金属箔10の一方の塗工予定表面10aと他方の塗工予定表面10aとにそれぞれ同種又は異種の炭素粒子層11が形成されたものであっても良い。
また、本発明に係る複合材は、上記実施形態で示したようなパワーモジュール用冷却器60の構成層の材料として用いられるものに限定されるものではなく、その他に、照明機器の構成部材の材料、携帯・モバイル端末の構成部材の材料、ヒートスプレッダーの構成部材の材料、ヒートパイプの構成部材の材料、電池モジュールの構成部材の材料などとしても用いることができる。
本発明は、金属マトリックスと金属マトリックス中に分散した炭素粒子とを含む金属−炭素粒子複合材の製造方法に利用可能である。
1:炭素粒子
5:塗工液
10:金属箔
10a:塗工予定表面
11:炭素粒子層
12:塗工箔
13:裁断小片
16:型枠
20:金属−炭素粒子複合材
30:塗工装置
D:塗工液の塗工方向

Claims (4)

  1. 炭素粒子を含む塗工液を金属箔の塗工予定表面に塗工することにより前記金属箔の前記塗工予定表面に炭素粒子層が形成された塗工箔を得る工程と、
    前記塗工箔を裁断して複数の裁断小片を得る工程と、
    型枠内に前記複数の裁断小片を充填する工程と、
    前記型枠内に充填された前記複数の裁断小片を焼結一体化する工程と、を備える、金属−炭素粒子複合材の製造方法。
  2. 前記充填する工程では、前記型枠内に前記複数の裁断小片を無作為に充填する請求項1記載の金属−炭素粒子複合材の製造方法。
  3. 前記金属箔がアルミニウム箔である請求項1又は2記載の金属−炭素粒子複合材の製造方法。
  4. 前記炭素粒子が炭素繊維及び鱗片状黒鉛粒子の少なくとも一方である請求項1〜3のいずれかに記載の金属−炭素粒子複合材の製造方法。
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CN118408406A (zh) * 2024-07-03 2024-07-30 四川力泓电子科技有限公司 热管及其制备方法

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