以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である生理用ナプキン1(以下、「ナプキン1」とも言う。)に基づき図面を参照して説明する。ナプキン1は、高吸収性ポリマー41、親水性繊維及び血液凝集剤43を含有する吸収性シートからなる吸収体4と、該吸収体4を挟持する表面シート2及び裏面シート3とを備えている。また、本実施形態のナプキン1では、吸収体4が吸収性シートから構成されており、具体的には、吸収性シートが複数層厚み方向に重なった構造となっている。好適には、図1には、本発明の経血吸収用の吸収性物品の好ましい一実施形態であるナプキンの平面図が示されており、図2には、図1に示す吸収体の肌対向面側(表面シート側)を示す平面図が示されている。図3には、本実施形態のナプキン1の断面図が示されている。なお、本発明の吸収性物品は、経血吸収用途で好ましいものである。
本実施形態では、ナプキン1は、図1〜3に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在され、パルプ42及び血液凝集剤43を含有する吸収性シートからなる吸収体4を具備する吸収性本体10を有している。
ナプキン1の吸収性本体10は、図1に示すように、着用時に着用者の排泄部(膣口等)に対向配置される排泄部対向部Bと、該排泄部対向部Bよりも着用者の腹側(前側)寄りに配される前方部Aと、該排泄部対向部Bよりも着用者の背側(後側)寄りに配される後方部Cとを有している。ナプキン1及び吸収性本体10は、着用者の前後方向に対応する縦方向X及び該縦方向Xに直交する横方向Yを有する。即ち、吸収性本体10は、縦方向Xに、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cの順番で区分される。
また、本明細書において、肌対向面は、ナプキン1又はその構成部材(例えば表面シート2)における、ナプキン1の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、ナプキン1又はその構成部材における、ナプキン1の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。また、縦方向Xは、ナプキン1及び吸収性本体10の長手方向に一致し、横方向Yは、ナプキン1及び吸収性本体10の幅方向(長手方向に直交する方向)に一致する。
本実施形態では、ナプキン1は、図1及び図3に示すように、吸収性本体10に加えて更に、吸収性本体10における排泄部対向部Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部10W,10Wを有している。
尚、本発明の吸収性物品において、排泄部対向部Bは、本実施形態のナプキン1のようにウイング部10Wを有する場合には、吸収性物品の縦方向(吸収性物品の長手方向、図中のX方向)においてウイング部10Wを有する領域(一方のウイング部10Wの縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部10Wの縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域)を意味する。ウイング部を有しない吸収性物品における排泄部対向部Bは、吸収性物品が3つ折りの個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向(吸収性物品の幅方向、図中のY方向)に横断する2本の折曲線(図示せず)について、該吸収性物品の縦方向Xの前端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域を意味する。
本実施形態のナプキン1では、表面シート2は、図1に示すように、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、更に吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述するサイドシート7と共にサイドフラップ部10Sを形成している。表面シート2と裏面シート3とは、吸収体4の縦方向Xの両端縁からの延出部分において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。尚、表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていてもよい。
ナプキン1では、サイドシート7は、図1及び図3に示すように、吸収性本体10の肌対向面(表面シート2の肌対向面)における縦方向Xに沿う両側部に配されている。好適には、サイドシート7は、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、吸収性本体10の縦方向Xの全長に亘って配されている。
ナプキン1では、一対のサイドシート7,7は、それぞれ、図1に示すように、排泄部対向部Bに位置する線状の第1接合線61と、該第1接合線61の縦方向Xの前後(前方部A及び後方部C)に位置する線状の第2接合線62とで表面シート2に接合されている。第1接合線61は、平面視において横方向Yの外方に向けて凸の曲線状であり、第2接合線62は、平面視において縦方向に交互に交差するように延びる線状(ジグザグ線状)である。このように、サイドシート7が、第1接合線61及び第2接合線62にて表面シート2に接合されて、吸収性本体10の肌対向面に固定されると、図3に示すように、第1接合線61及び第2接合線62よりも横方向Yの内方に、サイドシート7と表面シート2とで画成される空間部Pが形成される。この空間部Pは、吸収性本体10の横方向Yの中央に向けて開口しているので、横方向Yの中央から外方へ流れる経血等の体液が空間部Pに収容されるようになり、結果として体液の漏れが効果的に防止できる。尚、一対のサイドシート7,7のそれぞれの自由端部に、縦方向Xに伸長状態の弾性部材を配して、縦方向Xに沿う一対の防漏カフを配置してもよい。防漏カフは、起立性を有するものであり、肌対向面に配設された経血の横漏れを防止することができる。
ナプキン1では、サイドフラップ部10Sは、図1に示すように、排泄部対向部Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部10W,10Wが延設されている。また、表面シート2及び裏面シート3は、図1に示すように、吸収体4の縦方向Xの前端及び後端それぞれから縦方向Xの外方に延出し、それらの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって、互いに接合されてエンドシール部を形成している。
ウイング部10Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面側に折り返されて用いられるものである。ナプキン1では、ウイング部10Wは、図1に示すように、平面視において、下底(上底よりも長い辺)が、吸収性本体10の縦方向Xに沿う側部側に位置する略台形形状を有している。ウイング部10Wの非肌対向面には、該ウイング部10W(ナプキン1)をショーツ等の着衣(図示せず)に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されており、このウイング部粘着部によって、使用時に、着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されたウイング部10Wを、該クロッチ部に粘着固定できるようになされている。また、吸収性本体10の非肌対向面にも、吸収性本体10を、ショーツ等の着衣に固定するための本体粘着部(図示せず)が形成されている。
本実施形態では、ナプキン1は、図3に示すように、表面シート2と吸収体4との間に、不織布によって構成されたセカンドシート5が配されている。セカンドシート5は、ナプキン1では、図3に示すように、吸収体4の肌対向面の略全域を被覆している。セカンドシート5は、表面シート2及び吸収体4とは別体の、当該技術分野においてサブレイヤーシートとも呼ばれるシートである。セカンドシート5は、表面シート2から吸収体4への液の透過性を向上させたり、吸収体4に吸収された液の表面シート2への液戻りを低減させたりする役割を担うシートである。ナプキン1では、セカンドシート5は、後述する血液凝集剤43を含有していないシートである。
図4には、図3に示す断面図における吸収体4の拡大断面図が示されている。また、図5には、図4に示す吸収体4を構成する吸収性シート1枚の要部拡大断面図が示されている。吸収性シートからなる吸収体4は、図5に示すように、三次元に分散配置された高吸収性ポリマー41と、親水性繊維としてのパルプ42と、血液凝集剤43とを有している。前記吸収性シート4は、断面視して、前記パルプ42の質量と前記高吸収性ポリマー41の質量の合計量に対する高吸収性ポリマー41の質量比率が、相対的に高いポリマーリッチ領域PTと、該ポリマーリッチ領域PTよりも相対的に低い親水性繊維リッチ領域としてのパルプリッチ領域FTとを有している。ナプキン1では、ポリマーリッチ領域PTとパルプリッチ領域FTとは吸収性シート4の厚み方向に区分されている。吸収性シートからなる吸収体4は、パルプ42を含み、高吸収性ポリマー41及び血液凝集剤43がその内部に含まれた一体構造となっている。吸収性シートからなる吸収体4としては、湿潤状態の高吸収性ポリマー41に生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、パルプ42どうしの間や高吸収性ポリマー41とパルプ42との間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。なお、吸収性シートとは、シート状に成型されている吸収体のことであり、一般的に吸収性材料を積もらせた構造の吸収体とは区別される。吸収性シートの代表的なものとしては、特許2963647号記載のものや、特許2955223号記載のものなどが挙げられる。
吸収体4の有する高吸収性ポリマー41としては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでもよい。高吸収性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられる。ポリアクリル酸塩やポリメタクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸又はメタクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合物も用いることができる。
吸収体4の有する親水性繊維としては、疎水性の繊維を親水化処理したものと、それ自体が親水性であるものが挙げられる。特に、それ自体が親水性でかつ保水性を有するものが好ましい。後者の親水性繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられる。親水性繊維としては、特にパルプ、レーヨンが好ましく、パルプが一層好ましい。ナプキン1では、親水性繊維としてパルプを使用している。更にセルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維や木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いてもよい。パルプ42としては、針葉樹クラフトパルプ或いは広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ或いはワラパルプ等の天然セルロース繊維等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。これらのパルプは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の吸収性物品は、吸収体4に血液凝集剤43を含んでいる。以下、本発明で用いる血液凝集剤について説明する。本発明で用いる血液凝集剤とは血液中の赤血球を凝集させて赤血球の凝集塊を形成し、血漿成分と分離しうるものであり、好ましくは、以下の性質を有するものである。
即ち、擬似血液に、測定サンプル剤を1000ppm添加した際に、血液の流動性が維持された状態で、少なくとも2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成するものである。
前記擬似血液は、B型粘度計(東機産業株式会社製 型番TVB−10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、25℃、60秒間)を用いて測定した粘度が8mPa・sになるように、脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)の血球・血漿比率を調製したものである。
ここで、「血液の流動性が維持された状態」とは、測定サンプル剤が1000ppm添加された前記擬似血液10gをスクリュー管瓶(マルエム社製 品番「スクリュー管No.4」,口内径14.5mm,胴径27mm,全長55mm)に入れ、該擬似血液を入れたスクリュー管瓶を180度反転した際に、20秒以内で60%以上の体積の該擬似経血が流れ落ちる状態を意味する。
また、「2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成」しているか否かは、次のようにして判断される。即ち、測定サンプル剤が1000ppm添加された前記擬似血液を、生理食塩水で4000倍に希釈し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製 型番:LA−950V2,測定条件:フロー式セル測定,循環速度1,超音波なし)を用いたレーザー回折散乱法によって、温度25℃にて測定した体積粒径平均のメジアン径が、2個以上の赤血球が凝集した凝集塊のサイズに相当する10μm以上である場合に、「2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成」を形成していると判断する。
ナプキン1では、吸収体4の有する血液凝集剤43としては、カチオン性ポリマーを含んでいる。カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロースや、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン等のカチオン化デンプンなどが挙げられる。また、血液凝集剤43は、カチオン性ポリマーとして、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物を含むこともできる。本発明において「第4級アンモニウム塩」とは、窒素原子の位置にプラス一価の電荷を有している化合物、又は中和によって窒素原子の位置にプラス一価の電荷を生じさせる化合物を包含し、その具体例としては、第4級アンモニウムカチオンの塩、第3級アミンの中和塩、及び水溶液中でカチオンを帯びる第3級アミンが挙げられる。以下に述べる「第4級アンモニウム部位」も同様の意味で用いられ、水中で正に帯電する部位である。また、本発明において「共重合物」とは、2種以上の重合性単量体の共重合によって得られた重合物のことであり、二元系共重合物及び三元系以上の共重合物の双方を包含する。本発明において「重縮合物」とは、2種以上の単量体からなる縮合物を重合することで得られた重縮合物である。血液凝集剤43が、カチオン性ポリマーとして、第4級アンモニウム塩ホモポリマー及び/又は第4級アンモニウム塩共重合物及び/又は第4級アンモニウム塩重縮合物を含む場合、該血液凝集剤43は、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物及び第4級アンモニウム塩重縮合物のうちのいずれか1種を含んでいてもよく、あるいは任意の2種以上の組み合わせを含んでいてもよい。また第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。同様に、第4級アンモニウム塩共重合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に同様に、第4級アンモニウム塩重縮合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において「血液凝集剤」とは、血液の赤血球を凝集させることができる化合物又はその組合せ、更には化合物の組み合わせによって赤血球の凝集を発現する剤のことである。つまり、血液凝集剤とは、あくまで血球凝集作用があるものに限定した剤のことである。したがって、血液凝集剤に第三成分を含む場合には、それを血液凝集剤組成物と表現し、血液凝集剤と区別する。
上述した各種のカチオン性ポリマーのうち、特に、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物を用いることが、赤血球への吸着性の点から好ましい。以下の説明においては、簡便のため、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物及び第4級アンモニウム塩重縮合物を総称して「第4級アンモニウム塩ポリマー」と言う。
第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を1種用い、これを重合することで得られたものである。一方、第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を少なくとも1種用い、必要に応じ第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を少なくとも1種用い、これらを共重合することで得られたものである。すなわち第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を2種以上用い、これらを共重合させて得られたものであるか、又は第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を1種以上用い、これらを共重合させて得られたものである。第4級アンモニウム塩共重合物は、ランダム共重合物でもよく、交互共重合物でもよく、ブロック共重合物でもよく、あるいはグラフト共重合物でもよい。第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上からなる縮合物を用い、それら縮合物を重合することで得られたものである。すなわち第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体2種以上の縮合物を用い、これを重合させて得られたものであるか、又は、第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない単量体1種以上からなる縮合物を用い、これを縮重合させて得られたものである。
第4級アンモニウム塩ポリマーは、第4級アンモニウム部位を有するカチオン性のポリマーである。第4級アンモニウム部位は、アルキル化剤を用いた第3級アミンの第4級アンモニウム化によって生成させることができる。あるいは第3級アミンを酸若しくは水に溶解させ、中和で生じさせることができる。あるいは縮合反応を含む求核反応による第4級アンモニウム化によって生成させることができる。アルキル化剤としては、例えばハロゲン化アルキルや、硫酸ジメチル及び硫酸ジメチルなどの硫酸ジアルキルが挙げられる。これらのアルキル化剤のうち、硫酸ジアルキルを用いると、ハロゲン化アルキルを用いた場合に起こり得る腐食の問題が生じないので好ましい。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、リン酸、フルオロスルホン酸、ホウ酸、クロム酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、ギ酸、アスコルビン酸、ヒアルロン酸などが挙げられる。特に、アルキル化剤によって第3級アミン部位を第4級アンモニウム化した第4級アンモニウム塩ポリマーを用いると、赤血球の電気二重層を確実に中和できるので好ましい。縮合反応を含む求核反応による第4級アンモニウム化は、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンの開環重縮合反応、ジシアンジアミドとジエチレントリアミンの環化反応のようにして生じさせることができる。
経血中に赤血球の凝集塊を生成させるためには、カチオン性ポリマーを用いることが特に有効であることが本発明者の検討の結果判明した。この理由は次のとおりである。赤血球はその表面に赤血球膜を有する。赤血球膜は、2層構造を有している。この2層構造は、下層である赤血球膜骨格と上層である脂質皮膜からなる。赤血球の表面に露出している脂質皮膜には、グリコホリンと呼ばれるタンパク質が含まれている。グリコホリンはその末端にシアル酸と呼ばれるアニオン電荷を帯びた糖が結合した糖鎖を有している。その結果、赤血球はアニオン電荷を帯びたコロイド粒子として扱うことができる。コロイド粒子の凝集には一般に凝集剤が用いられる。赤血球がアニオン性のコロイド粒子であることを考慮すると、凝集剤としてはカチオン性の物質を用いることが、赤血球の電気二重層を中和する点から有利である。また凝集剤が高分子鎖を有していると、赤血球の表面に吸着した凝集剤の高分子鎖どうしの絡み合いが生じやすくなり、そのことに起因して赤血球の凝集が促進される。更に、凝集剤が官能基を有している場合には、該官能基間の相互作用によっても赤血球の凝集が促進されるので好ましい。
赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーは、その分子量が2000以上であることが好ましく、1万以上であることが更に好ましく、3万以上であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの分子量がこれらの値以上であることによって、赤血球間でのカチオン性ポリマーどうしの絡み合いや、赤血球間でのカチオン性ポリマーの架橋が十分に生じる。分子量の上限値は1000万以下であることが好ましく、500万以下であることが更に好ましく、300万以下であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの分子量がこれらの値以下であることによって、カチオン性ポリマーが経血中へ良好に溶解する。カチオン性ポリマーの分子量は、2000以上1000万以下であることが好ましく、2000以上500万以下であることが更に好ましく、2000以上300万以下であることが一層好ましく、1万以上300万以下であることが更に一層好ましく、3万以上300万以下であることが特に好ましい。本発明に言う分子量とは、重量平均分子量のことである。カチオン性ポリマーの分子量は、その重合条件を適切に選択することで制御することができる。カチオン性ポリマーの分子量は、東ソー株式会社製のHLC−8320GPCを用いて測定することができる。具体的な測定条件は次のとおりである。カラムとしては、東ソー株式会社製のガードカラムαと分析カラムα−Mを直列でつないだものを、カラム温度:40℃で用いる。検出器は、RI(屈折率)を用いる。測定サンプルとしては、溶離液1mLに対して1mgの測定対象の処理剤(第4級アンモニウム塩ポリマー)を溶解させる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、水に150mmol/Lの硫酸ナトリウムと1質量%の酢酸を溶解させた溶離液を用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、溶離液10mLに対して、分子量5900のプルラン、分子量47300のプルラン、分子量21.2万のプルラン、分子量78.8万のプルラン、各2.5mg溶解させたプルラン混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は流速:1.0mL/min、注入量:100μLで測定する。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、エタノール:水=3:7(体積比)に50mmol/Lの臭化リチウムと1質量%の酢酸を溶解させた溶離液を用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、溶離液20mLに対して、分子量106のポリエチレングリコール(PEG)、分子量400のPEG、分子量1470のPEG、分子量6450のPEG、分子量5万のポリエチレンオキシド(PEO)、分子量23.5万のPEO、分子量87.5万のPEO、各10mg溶解させたPEG−PEO混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は流速:0.6mL/min、注入量:100μLで測定する。
赤血球の凝集塊を一層効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーとして第4級アンモニウム塩ポリマーを用いる場合、該第4級アンモニウム塩ポリマーは、その流動電位が1500μeq/L以上であることが好ましく、2000μeq/L以上であることが更に好ましく、3000μeq/L以上であることが一層好ましく、4000μeq/L以上であることが更に一層好ましい。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位がこれらの値以上であることによって、赤血球の電気二重層を十分に中和することができる。流動電位の上限値は13000μeq/L以下であることが好ましく、8000μeq/L以下であることが更に好ましく、6000μeq/L以下であることが一層好ましい。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位がこれらの値以下であることによって、赤血球に吸着した第4級アンモニウム塩ポリマーどうしの電気的反発を効果的に防止することができる。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位は、1500μeq/L以上13000μeq/L以下であることが好ましく、2000μeq/L以上13000μeq/L以下であることが更に好ましく、3000μeq/L以上8000μeq/L以下であることが一層好ましく、4000μeq/L以上6000μeq/L以下であることが更に一層好ましい。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位は、例えば構成しているカチオン性モノマー自体の分子量、共重合体を構成しているカチオン性モノマーとアニオン性モノマー又はノニオン性モノマーの共重合モル比を調整することで制御することができる。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位は、スペクトリス株式会社製の流動電位測定器(PCD04)を用いて測定することができる。具体的な測定条件は次のとおりである。まず市販のナプキンに対して、ドライヤーなどを用いて各部材を接着しているホットメルトを無効化し、表面シート、吸収体、裏面シートなどの部材に分解する。分解した各部材に対して、非極性溶媒から極性溶媒までの多段階溶媒抽出法を行い、各部材に用いられている処理剤を分離し、単一の組成物を含んだ溶液を得る。得られた溶液を乾燥・固化させ、1H−NMR(核磁気共鳴法)、IR(赤外分光法)、LC(液体クロマトグラフィ)、GC(ガスクロマトグラフィ)、MS(質量分析法)、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)、蛍光X線などを複合して、処理剤の構造を同定する。測定対象の処理剤(第4級アンモニウム塩ポリマー)0.001gを生理食塩水10gに溶解させた測定サンプルに対して、0.001Nのポリエチレンスルホン酸ナトリウム水溶液(測定サンプルが負電荷を有する場合は、0.001Nのポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液)を滴定し、電極間の電位差がなくなるまでに要した滴定量XmLを測定する。その後、式1により第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位を算出する。
流動電位 = (X+0.190※)×1000 ・・・ 式1
(※ 溶媒の生理食塩水に要した滴定量)
カチオン性ポリマーが、赤血球の表面に首尾よく吸着するためには、該カチオン性ポリマーが、赤血球の表面に存在しているシアル酸と相互作用しやすいことが有利である。この観点から本発明者が検討を推し進めたところ、物質の無機性値と有機性値との比率である無機性値/有機性値の値(以下「IOB(Inorganic Organic Balance)値」という。)を尺度として、シアル酸結合物とカチオン性ポリマーとの相互作用の程度を評価できることが判明した。詳細には、カチオン性ポリマーとして、シアル酸結合物のIOB値と同じか、それに近似した値のIOB値を有するものを用いることが有利であることが判明した。シアル酸結合物とは、生体内でシアル酸が存在し得る形態となっている化合物のことであり、例えばガラクト脂質などの糖脂質の末端にシアル酸が結合している化合物などが挙げられる。
一般に、物質の性状は、分子間の各種分子間力に大きく支配され、この分子間力は主に分子質量によるVan Der Waals力と、分子の極性による電気的親和力からなっている。物質の性質の変化に対して大きな影響を与えるVan Der Waals力と、電気的親和力のそれぞれを個別に把握することができれば、その組み合わせから未知の物質、あるいはそれらの混合物についてもその性状を予測することができる。この考え方は、「有機概念図論」として良く知られている理論である。有機概念図論は、例えば藤田穆著の「有機分析」(カニヤ書店、昭和5年)、藤田穆著の「有機定性分析:系統的.純粋物編」(共立出版、1953年)、藤田穆著の「改編 化学実験学−有機化学編」(河出書房、1971年)、藤田穆・赤塚政実著の「系統的有機定性分析(混合物編)」(風間書房、1974年)、及び甲田善生・佐藤四郎・本間善夫著の「新版 有機概念図 基礎と応用」(三共出版、2008年)等に詳述されている。有機概念図論では、物質の物理化学的物性について、主にVan Der Waals力による物性の程度を「有機性」と呼び、また主に電気的親和力による物性の程度を「無機性」と呼び、物質の物性を「有機性」と「無機性」の組み合わせでとらえている。そして、炭素(C)1個を有機性20と定義し、それに対して各種極性基の無機性及び有機性の値を、以下の表1に記載のとおり定め、無機性値の和と有機性値の和を求め、両者の比をIOB値と定義している。本発明においては、これらの有機性値及び無機性値に基づき、上述したシアル酸結合物のIOB値を決定し、その値に基づきカチオン性ポリマーのIOB値を決定する。
具体的には、カチオン性ポリマーがホモポリマーである場合、該ホモポリマーの繰り返し単位に基づき無機性値及び有機性値を決定し、IOB値を算出する。例えば後述する実施例1で用いているカチオン性ポリマーであるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの場合、−C−×8=160の有機性値と、Ammo and NH4 salt×1=400の無機性値と、Ring(non-aromatic single ring)×1=10の無機性値と、−Cl×1=40の有機性値及び10の無機性値とを有することから、無機性値の合計は400+10+10=420となり、有機性値の合計は160+40=200となる。したがってIOB値は420/200=2.10となる。
一方、カチオン性ポリマーが共重合物である場合には、共重合に用いられるモノマーのモル比に応じて以下の手順でIOB値を算出する。すなわち、共重合物がモノマーAとモノマーBとから得られ、モノマーAの有機性値がORAで、無機性値がINAであり、モノマーBの有機性値がORBで、無機性値がINBであり、モノマーA/モノマーBのモル比がMA/MBである場合、共重合物のIOB値は以下の式から算出される。
このようにして決定されたカチオン性ポリマーのIOB値は、0.6以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましく、2.1以上であることが更に好ましく、2.2以上であることが一層好ましい。また、カチオン性ポリマーのIOB値は、4.6以下であることが好ましく、3.6以下であることが更に好ましく、3.0以下であることが一層好ましい。具体的には、カチオン性ポリマーのIOB値は、0.6以上4.6以下であることが好ましく、1.8以上3.6以下であることがより好ましく、2.1以上3.6以下であることが更に好ましく、2.2以上3.0以下であることが一層好ましい。なお、シアル酸のIOB値は、シアル酸単体で4.25であり、シアル酸結合体で3.89である。前記シアル酸結合物とは、糖脂質における糖鎖とシアル酸が結合したものであり、シアル酸結合体は、シアル酸単体よりも有機性値の割合が高くなり、IOB値は低くなる。
カチオン性ポリマーのIOB値は上述のとおりであるところ、有機性値そのものは40以上であることが好ましく、100以上であることが更に好ましく、130以上であることが一層好ましい。また、310以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましく、240以下であることが更に好ましく、190以下であることが一層好ましい。例えば有機性値は、40以上310以下であることが好ましく、40以上250以下であることがより好ましく、100以上240以下であることが更に好ましく、130以上190以下であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの有機性値をこの範囲に設定することで、該カチオン性ポリマーが赤血球に一層首尾よく吸着するようになる。
一方、カチオン性ポリマーの無機性値に関しては、70以上であることが好ましく、90以上であることが更に好ましく、100以上であることが一層好ましく、120以上であることが更に一層好ましく、250以上であることが特に好ましい。また、790以下であることが好ましく、750以下であることが更に好ましく、700以下であることが一層好ましく、680以下であることが更に一層好ましく、490以下であることが特に好ましい。例えば無機性値は、70以上790以下であることが好ましく、90以上750以下であることが更に好ましく、90以上680以下であることが一層好ましく、120以上680以下であることが更に一層好ましく、250以上490以下であることが特に好ましい。カチオン性ポリマーの無機性値をこの範囲に設定することで、該カチオン性ポリマーが赤血球に一層首尾よく吸着するようになる。
カチオン性ポリマーを赤血球に更に一層首尾よく吸着させる観点から、該カチオン性ポリマーの有機性値をxとし、無機性値をyとしたとき、xとyが以下の式Aを満たすことが好ましい。
y=ax (A)
式中、aは0.66以上であることが好ましく、0.93以上であることが更に好ましく、1.96以上であることが一層好ましい。また、aは、4.56以下あることが好ましく、4.19以下であることが更に好ましく、3.5以下であることが一層好ましい。例えばaは、0.66以上4.56以下の数であることが好ましく、0.93以上4.19以下の数であることが更に好ましく、1.96以上3.5以下の数であることが一層好ましい。特に、カチオン性ポリマーの有機性値及び無機性値が上述の範囲内であることを条件として、該カチオン性ポリマーの有機性値及び無機性値が前記の式Aを満たす場合には、該カチオン性ポリマーがシアル酸結合体と相互作用しやすくなり、該カチオン性ポリマーが赤血球に更に一層吸着しやすくなる。
赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーは水溶性であることが好ましい。本発明において「水溶性」とは、100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に0.05gの1mm以下の粉末状または厚み0.5mm以下のフィルム状カチオン性ポリマーを25℃の50mLイオン交換水に添加混合したときに、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、アズワン株式会社製マグネチックスターラーHPS−100を用いて600rpm攪拌下、その全量が24時間以内に水に溶解する性質のことである。なお、本発明において、さらに好ましい溶解性としては、全量が3時間以内に水に溶解することが好ましく、全量が30分以内に水に溶解することがさらに好ましい。
カチオン性ポリマーは、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものであることが好ましい。特に第4級アンモニウム塩ポリマーは、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものであることが好ましい。第4級アンモニウム部位は側鎖に存在していることが好ましい。この場合、主鎖と側鎖とが1点で結合していると、側鎖の可撓性が阻害されにくくなり、側鎖に存在している第4級アンモニウム部位が赤血球の表面に円滑に吸着するようになる。尤も本発明において、カチオン性ポリマーの主鎖と側鎖とが2点又はそれ以上で結合していることは妨げられない。本発明において「1点で結合している」とは、主鎖を構成する炭素原子のうちの1個が、側鎖の末端に位置する1個の炭素原子と単結合していることをいう。「2点以上で結合している」とは、主鎖を構成する炭素原子のうちの2個以上が、側鎖の末端に位置する2個以上の炭素原子とそれぞれ単結合していることをいう。
カチオン性ポリマーが、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものである場合、例えば第4級アンモニウム塩ポリマーが、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものである場合、各側鎖の炭素数は4以上であることが好ましく、5以上であることが更に好ましく、6以上であることが一層好ましい。炭素数の上限値は、10以下であることが好ましく、9以下であることが更に好ましく、8以下であることが一層好ましい。例えば側鎖の炭素数は4以上10以下であることが好ましく、5以上9以下であることが更に好ましく、6以上8以下であることが一層好ましい。側鎖の炭素数とは、該側鎖における第4級アンモニウム部位(カチオン部位)の炭素数のことであり、対イオンであるアニオン中に炭素が含まれているとしても、その炭素は計数に含まない。特に、側鎖の炭素原子のうち、主鎖に結合している炭素原子から、第4級窒素に結合している炭素原子までの炭素数が上述の範囲であることが、第4級アンモニウム塩ポリマーが赤血球の表面の表面に吸着するときの立体障害性が低くなるので好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマーである場合、該ホモポリマーとしては、例えば第4級アンモニウム部位又は第3級アミン部位を有するビニル系単量体の重合物が挙げられる。第3級アミン部位を有するビニル系単量体を重合する場合には、重合前に及び/又は重合後に、第3級アミン部位をアルキル化剤によって第4級アンモニウム化した第4級アンモニウム塩ホモポリマーとなるか、重合前に及び/又は重合後に、第3級アミン部位を酸によって中和した第3級アミン中和塩となるか、重合後に水溶液中でカチオンを帯びる第3級アミンとなる。アルキル化剤や酸の例は、先に述べたとおりである。
特に第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、以下の式1で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
第4級アンモニウム塩ホモポリマーの具体例としては、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。また、第4級アンモニウム部位を有する側鎖が、主鎖と1点で結合しているものであるポリ(2−メタクリルオキシエチルジメチルアミン4級塩)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムメチル硫酸塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルジメチルアミン4級塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルトリメチルアミン4級塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチル硫酸塩)、ポリ(3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド4級塩)、ポリメタクル酸ジメチルアミノエチル、ポリアリルアミン塩酸塩、カチオン化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ポリアミジンなどが挙げられる。一方、第4級アンモニウム部位を有する側鎖が、主鎖と2点以上で結合しているホモポリマーの例としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルアミン塩酸塩が挙げられる。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩共重合物である場合には、該共重合物として、上述した第4級アンモニウム塩ホモポリマーの重合に用いられる重合性単量体を2種以上用い共重合して得られた共重合物を用いることができる。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物として、上述した第4級アンモニウム塩ホモポリマーの重合に用いられる重合性単量体を1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を1種以上用い共重合して得られた共重合物を用いることができる。更に、ビニル系重合性単量体に加えて、又はそれに代えて、他の重合性単量体、例えば−SO2−などを用いることもできる。第4級アンモニウム塩共重合物は、上述したとおり、二元系の共重合物又は三元系以上の共重合物であり得る。
特に、第4級アンモニウム塩共重合物は、前記の式1で表される繰り返し単位と、以下の式2で表される繰り返し単位とを有することが、赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から好ましい。
また、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体としては、カチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体、又はノニオン性重合性単量体を用いることができる。これらの重合性単量体中で、特にカチオン性重合性単量体又はノニオン性重合性単量体を用いることで、第4級アンモニウム塩共重合物内において第4級アンモニウム部位との電荷相殺が起こらないので、赤血球の凝集を効果的に生じさせることができる。カチオン性重合性単量体の例としては、特定の条件下でカチオンを帯びる窒素原子を有する環状化合物としてビニルピリジンなど、特定の条件下でカチオンを帯びる窒素原子を主鎖に有する直鎖状化合物としてジシアンジアミドとジエチレントリアミンの縮合化合物などが挙げられる。アニオン性重合性単量体の例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、及び、スチレンスルホン酸、並びに、これらの化合物の塩などが挙げられる。一方、ノニオン性重合性単量体の例としては、ビニルアルコール、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどが挙げられる。これらカチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体、又はノニオン性重合性単量体は、それらのうちの一つを用いることができ、あるいは任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。またカチオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることができ、アニオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることができ、あるいはノニオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることもできる。カチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体及び/又はノニオン性重合性単量体を重合性単量体として用いて共重合された第4級アンモニウム塩共重合物は、その分子量が、上述のとおり1000万以下であることが好ましく、特に500万以下、とりわけ300万以下であることが好ましい(以下に例示する第4級アンモニウム塩共重合物についても同様である。)。
第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体として、水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いることもできる。このような重合性単量体を共重合に用いること、それから得られる第4級アンモニウム塩共重合物を用いて赤血球を凝集させたときに、硬い凝集塊が生じやすくなり、高吸収性ポリマーの吸収性能が一層阻害されにくくなる。水素結合をすることが可能な官能基としては、例えば−OH、−NH2、−CHO、−COOH、−HF、−SHなどが挙げられる。水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体の例としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルアルコール、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどが挙げられる。特に、水素結合が強く働く、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアクリルアミドなどは、第4級アンモニウム塩ポリマーの赤血球への吸着状態が安定化するので好ましい。これらの重合性単量体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体として、疎水性相互作用をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いることもできる。このような重合性単量体を共重合に用いることで、上述した、水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いる場合と同様の有利な効果、すなわち赤血球の硬い凝集塊が生じやすくなるという効果が奏される。疎水性相互作用をすることが可能な官能基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、アルキルナフタレン基、フッ化アルキル基などが挙げられる。疎水性相互作用をすることが可能な官能基を有する重合性単量体の例としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレンなどが挙げられる。特に、疎水性相互作用が強く働き、第4級アンモニウム塩ポリマーの溶解性を大きく低下させない、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどは、第4級アンモニウム塩ポリマーの赤血球への吸着状態が安定化するので好ましい。これらの重合性単量体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第4級アンモニウム塩共重合物中での、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体とのモル比は、該第4級アンモニウム塩共重合物によって赤血球が十分に凝集するように適切に調整されることが好ましい。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物の流動電位が、上述した値となるように調整されることが好ましい。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物のIOBが、上述した値となるように調整されることが好ましい。特に、第4級アンモニウム塩共重合物における第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体のモル比は10モル%以上であることが好ましく、22モル%以上であることが更に好ましく、32モル%以上であることが一層好ましく、38モル%以上であることが更に一層好ましい。また、100モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることが更に好ましく、65モル%以下であることが一層好ましく、56モル%以下であることが更に一層好ましい。具体的には、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体のモル比は10モル%以上100モル%以下であることが好ましく、22モル%以上80モル%以下であることが更に好ましく、32モル%以上65モル%以下であることが更に好ましく、38モル%以上56モル%以下であることが一層好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩重縮合物である場合には、該重縮合物として、上述した第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上からなる縮合物を用い、それらの縮合物を重合することで得られた重縮合物を用いることができる。具体例としては、ジシアンジアミド/ジエチレントリアミン重縮合物、ジメチルアミン/エピクロルヒドリン重縮合物などが挙げられる。
上述した第4級アンモニウム塩ホモポリマー及び第4級アンモニウム塩共重合物は、ビニル系重合性単量体の単独重合法又は共重合法によって得ることができる。重合方法としては、例えばラジカル重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、配位重合、開環重合、重縮合などを用いることができる。重合条件に特に制限はなく、目的とする分子量、流動電位、及び/又はIOB値を有する第4級アンモニウム塩ポリマーが得られる条件を適切に選択すればよい。
以上に詳述したカチオン性ポリマーは上述した「好ましい血液凝集剤43」の例示であり、その効果は特願2015−239286号の実施例1乃至45によって参照可能である。
また、吸収体4の有する血液凝集剤43としては、上述したように、ポリカチオン(カチオン性ポリマー)以外に、第三成分、例えば、溶媒、可塑剤、香料、抗菌・消臭剤、スキンケア剤等を含んだ組成物(血液凝集剤組成物)の形態で付与されていてもよい。また、この血液凝集剤43に含まれ得るカチオン性ポリマー以外の成分は、1種又は2種以上混合することができる。溶媒としては、水、炭素数1ないし4の飽和脂肪族一価アルコール等の水溶性有機溶媒、又は該水溶性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブタンジオールなどを用いることができる。香料としては、特許第4776407号公報に記載されているグリーンハーバル様香気を有する香料、植物の抽出エキス、柑橘類の抽出エキスなどを用いることができる。抗菌・消臭剤としては、特許第4526271号公報に記載されている抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物、特許第4587928号公報に記載されているフェニル基を有する重合性モノマーから重合された多孔性ポリマー、特許第4651392号公報に記載されている第4級アンモニウム塩、活性炭、粘土鉱物などを用いることができる。スキンケア剤としては、特許第4084278号公報に記載されている植物エキス、コラーゲン、天然保湿成分、保湿剤、角質柔軟化剤、消炎剤などを用いることができる。
血液凝集剤組成物に占めるカチオン性ポリマーの割合は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが一層好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以下であることが一層好ましい。例えばカチオン性ポリマーの割合は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが一層好ましい。血液凝集剤組成物に占めるカチオン性ポリマーの割合をこの範囲内に設定することで、吸収性物品に有効量のカチオン性ポリマーを付与することができる。
吸収体4を構成する吸収性シートに含有される血液凝集剤43の量は、0.1g/m2以上であることが好ましく、0.5g/m2以上であることが更に好ましく、1.5g/m2以上であることが一層好ましい。また25g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以下であることが更に好ましく、10g/m2以下であることが一層好ましい。例えば血液凝集剤43の量は、0.1g/m2以上25g/m2以下であることが好ましく、0.5g/m2以上15g/m2以下であることが更に好ましく、1.5g/m2以上10g/m2以下であることが一層好ましい。この範囲の量で血液凝集剤43を施すことで、排泄された経血中の赤血球を効果的に凝集させることができる。なお、血液凝集剤43が、例えば後述する本体吸収性シート401及び中央吸収性シート402の双方に施されている場合など、2つ以上の部位に施されている場合、前記の量は、各部位に施されている血液凝集剤43の総和のことである。なお、血液凝集剤43がカチオン性ポリマーであって、吸収性シートに含まれるカチオン性ポリマーの量が上述の範囲であることが特に好ましい。
ナプキン1では、吸収体4は、図3及び図4に示すように、吸収性シートで形成された多層構造となっている。ここで、前記形成された多層構造は、吸収性シートを複数枚重ね合わせて形成されたものであってもよいし、1枚の吸収性シートを折り重ねて形成されたものであってもよいし、これらを複合して形成されたものであってもよい。ナプキン1では、吸収体4は、図3及び図4に示すように、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部Bに吸収性シートで形成された中央吸収性シート402と、中央吸収性シート402を覆う本体吸収性シート401とで構成されている。即ち、ナプキン1の吸収体4は、本体吸収性シート401及び中央吸収性シート402から多層構造が形成されており、排泄部対向部Bに中高部403を形成している。ナプキン1の吸収体4の多層構造は、1枚の本体吸収性シート401の折り畳み構造の内部に中央吸収性シート402が内包された構造を有し、この中央吸収性シート402が中高部403に配されている。
好適に、ナプキン1では、図3及び図4に示すように、本体吸収性シート401は、ナプキン1よりも横方向Yの長さ(幅)が長い、1枚のシートからなり、該本体吸収性シート401の縦方向Xに沿う両側部を裏面シート3側に折り返して2層構造とし、且つその縦方向Xに沿う両側縁どうしを横方向Yの中央にて重ね合わせて、吸収体4の外形を形成している。このように2層構造を形成する本体吸収性シート401は、表面シート2側の表面側吸収性シート401aと裏面シート3側の裏面側吸収性シート401bとを有している。中央吸収性シート402は、1枚の平面視矩形形状のシートからなり、該中央吸収性シート402を横方向Yに3つ折りした3層構造となっている。中央吸収性シート402を3層構造とする際には、中央吸収性シート402を縦方向Xに横断する2本の折り曲げ線において、横方向Yの自由端から数えての2本目の折り曲げ線にて裏面シート3側に折り曲げ、更に横方向Yの自由端から数えての1本目の折り曲げ線にて表面シート2側に折り曲げ、横方向Yの自由端が3層構造の内部に配されるように、渦巻き状に折り畳む。このように渦巻き状に3つ折りした3層構造を形成する中央吸収性シート402は、表面側吸収性シート401a側の上側吸収性シート402aと、裏面側吸収性シート401b側の下側吸収性シート402bと、それらのシート402a,402bの間の中間吸収性シート402cとを有している。中高部403は、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bからなる3層構造のシートを、表面側吸収性シート401aと裏面側吸収性シート401bとで挟んで形成されている。中高部403は、排泄部対向部Bのみに形成され、前方部A及び後方部Cには形成されていない。図4に示すように、中高部403の周囲における吸収体4を構成する吸収性シートの積層枚数が2枚であるのに対し、中高部403における吸収体4を構成する吸収性シートの積層枚数が5枚と積層枚数が多く、厚みが大きい部分となっている。このため、中高部403は、排泄部対向部Bに、表面シート2側(ナプキン1の肌対向面側)に突出した隆起部となっている。
吸収性シート1枚あたりの厚みとしては、好ましくは0.1mm以上、特に0.3mm以上であり、また、好ましくは2mm以下、特に1.5mm以下であることが好ましい。より具体的には、0.1mm以上2mm以下、特に0.3mm以上1.5mm以下であることが、液拡散性、液保持性を十分に備えてかつ装着感の良好な吸収性物品を得る点から好ましい。
吸収体4は、中高部403における厚みが、好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは4mm以下であり、より具体的には、好ましくは0.7mm以上5mm以下、更に好ましくは1mm以上4mm以下である。中高部403の厚みをこのような範囲とすることで、中高部403が形成されている排泄部対向部Bにおける良好な装着感と高い吸収性能を両立することが容易となる。また、本実施形態のナプキン1のように吸収性物品がウイング部を備えている場合には、装着時に排泄部対向部での吸収体のヨレを抑制しやすくなる。また、吸収体は、中高部403以外の部分における厚みが、好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2.5mm以下であり、より具体的には、好ましくは0.3mm以上3mm以下、更に好ましくは0.5mm以上2.5mm以下である。この範囲であることが、高い吸収性能と着用者の動きへの追従性を高める観点から好ましい。なお、吸収体及び吸収性シートの厚みは下記方法により測定される。
<吸収性シート及び吸収体の厚みの測定方法>
測定対象物である吸収性シート又は吸収体を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cm2の荷重下での厚みを測定する。本発明における厚みの測定には、厚み計 PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製)を用いた。このとき、厚み計の先端部と測定対象物における測定部分との間に、平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、荷重が5cN/cm2となるようにプレートの大きさを調整する。
そして、ナプキン1では、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用される部分において、血液凝集剤43は、少なくともパルプリッチ領域FTに存在している。ここで、ナプキン1のように、吸収体4が吸収性シートで形成された多層構造となっている場合、多層構造を形成する全ての吸収性シートに血液凝集剤43が配されていなくてもよい。ナプキン1では、図4に示すように、表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bからなる2層構造を形成する本体吸収性シート401に、血液凝集剤43が配されている。上述したように、本体吸収性シート401の縦方向Xに沿う両側部を折り返した2層構造となっているので、表面側吸収性シート401aが、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用されており、裏面側吸収性シート401bが、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用されている。したがって、中高部403では、表面側吸収性シート401a、上側吸収性シート402a及び中間吸収性シート402cが、いずれも、肌当接面側から見て、パルプリッチ領域FTとポリマーリッチ領域PTの順で配置されていて、下側吸収性シート402b及び裏面側吸収性シート401bはいずれも、肌当接面からみて、ポリマーリッチ領域PTとパルプリッチ領域FTとがこの順で配置されている。そして、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用される表面側吸収性シート401aにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。ここで、「多く存在している」とは、各領域FT、PT各々の面積当たりに存在する血液凝集剤43の質量、すなわち、各領域FT、PT各々における血液凝集剤43の坪量を比較した場合に一方の領域の血液凝集剤43の坪量が相対的に大きいことを意味する。また、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用さている、言い換えれば、ポリマーリッチ領域PTを肌対向面側に配して使用さている裏面側吸収性シート401bにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。尚、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bからなる3層構造を形成する中央吸収性シート402に、血液凝集剤43は配されていない。
血液凝集剤43が配されているか否かは、以下のようにして判断する。
走査型電子顕微鏡(SEM)に付随されるエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用い、予め、吸収体4の有する高吸収性ポリマー41、吸収体4の有するパルプ42、及び吸収体4の有する血液凝集剤43、それぞれの元素分析を行う。次いで、血液凝集剤43が配されているか否か判断したい試料片をアルミ製の試料台にカーボン製の両面テープを用いて貼り付け、必要に応じて白金/バナジウムコーティングを行った後、SEM観察で拡大しながらEDX(元素分析装置)を用いて血液凝集剤43の元素の有無について確認を行う。測定は、15kV〜40kVの加速電圧で行う。
また、血液凝集剤43がポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在しているか否かは、以下のように半定量的に判断する。
ポリマーリッチ領域PTとパルプリッチ領域FTとを備え、血液凝集剤43を含有する吸収性シートからなる試料片をアルミ製の試料台にカーボン製の両面テープを用いて貼り付け、必要に応じて白金/バナジウムコーティングを行った後、SEM観察で拡大しながらEDX(元素分析装置)を用いて、高吸収性ポリマー41の元素のマッピング、パルプ42の元素のマッピング、血液凝集剤43の元素のマッピングを行う。測定は、15kV〜40kVの加速電圧で行う。そして、得られた元素分布のマッピングを見比べて、血液凝集剤43の元素のマッピングが、高吸収性ポリマー41の元素のマッピングよりも、パルプ42の元素のマッピングに類似している場合に、血液凝集剤43がポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在していると判断する。
また、血液凝集剤43がポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している吸収性シートは、吸収性シートの製造工程において、パルプリッチ領域FTに対して選択的に血液凝集剤43を含有させれば作成できる。例えば、吸収性シートが上下各々にパルプリッチ領域FTであるパルプリッチ層と、ポリマーリッチ領域PTであるポリマーリッチ層とが重ねあわされた構造とする場合は、互いの層を別々に作成し、パルプリッチ層に、ポリマーリッチ層と重ねあわせる前に血液凝集剤43を含ませればよい。
例えば、特許2963647号記載の吸収性シートの場合について説明する。少なくとも親水性繊維及び熱溶融性接着繊維または紙力補強剤を含む水スラリーを湿式抄紙して抄造された、湿潤した繊維ウェブ上に高吸収性ポリマーを散布することにより高吸収性ポリマーが繊維間に入り込んだ高吸収性ポリマーリッチ層(ポリマーリッチ領域PT対応)を形成し、その上に親水性繊維及び熱溶融性接着繊維または紙力補強剤を含む繊維集合体が重ね合わせされ一体化、乾燥させて吸収性シートが製造されることで、重ね合わせされる繊維集合体がパルプリッチ層(パルプリッチ領域FT対応)となる。この重ね合わせる繊維集合体にあらかじめ凝集剤を含有させておく、あるいは、吸収シート製造工程中において、重ね合わせる繊維集合体に凝集剤を噴霧や塗工しながら吸収シートを製造することにより、吸水性ポリマーリッチ層よりパルプリッチ層に凝集剤を多く存在させることが可能となる。
なお、高吸収性ポリマーを散布する層は、湿潤ウェブに限られるものはなく、積繊パルプあるいは、抄紙、乾燥して製造された紙および不織布でもよい。高吸収性ポリマーが繊維間に入り込みやすい、という観点では、クレープ処理されたような嵩高な紙やエアースルー不織布などが好ましく、高吸収性ポリマーと高吸収性ポリマーリッチ層の繊維、及び高吸収性ポリマーリッチ層とパルプリッチ層の接着手段としてホットメルトや水溶性接着剤等を使用してもよい。更に高吸収性ポリマーリッチ層に親水性繊維を積繊する、あるいは吹き付けることでパルプリッチ層を形成してもよい。また、凝集剤の塗布方法としては、吸収シート製造後にパルプリッチ層側に凝集剤を噴霧や塗工してもよい。
また、ナプキン1では、吸収体4に、排泄部対向部Bに、図1〜図4に示すように、縦方向Xに延びる縦スリット44が設けられている。縦スリット44によって、吸収体4に到達した経血が縦方向Xに拡散され易くなっているとともに、吸収体4の厚み方向にも浸透し易くなっている。ナプキン1では、縦方向Xに延びる縦スリット44が、縦方向X及び横方向Yの両方向に分散した状態に形成されたスリット領域44Sを有している。複数の縦スリット44が配されたスリット領域44Sは、図2に示すように、排泄部対向部Bのみならず、前方部Aの一部及び後方部Cの一部に亘っている。すなわち、縦スリット44が少なくとも排泄部対向部Bに存在しており、この排泄部対向部Bに位置するスリット44を含む領域のことをスリット領域44Sという。
ナプキン1では、縦スリット44は、血液凝集剤43を含む最も肌対向面側の吸収性シートを貫通していることが好ましい。ナプキン1において、血液凝集剤43を含む最も肌対向面側の吸収性シートとは、表面側吸収性シート401aのことである。図3及び図4に示すように、吸収体4を横方向Yに沿って断面視したときに、縦スリット44が、表面側吸収性シート401aのみを貫通していればよいが、吸収体4をその厚み方向に亘って全層貫通している。好適に、ナプキン1では、縦スリット44は、排泄部対向部Bにおいては、中高部403を構成する5枚の積層シート、即ち、表面側吸収性シート401a、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c、下側吸収性シート402b及び裏面側吸収性シート401bの全シートを貫通している。また、ナプキン1では、前方部Aの一部及び後方部Cの一部においては、縦スリット44は、表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bを貫通している。
ナプキン1では、スリット領域44Sにおける縦スリット44の配置は、各縦スリット44が、縦方向X及び横方向Yの両方向に分散されている配置であれば、特に制限されないが、中央スリット領域44S1には、4本以上のスリットが分散配置されていることが好ましい。中央スリット領域44S1とは、スリット領域44Sの内、中央吸収性シート402と重なる領域のことである。
また、中央スリット領域44S1には、スリット列が、縦方向Xに3列以上形成されていることが好ましく、4列以上がより好ましく、5列以上が更に好ましい。また、個々のスリット列に含まれる横方向Yに離間した縦スリット44の本数は、好ましくは2本以上であり、より好ましくは3本以上である。
スリット領域44Sの縦方向Xには、中央スリット領域44S1に含まれるスリット列に加えて、中央スリット領域44S1の縦方向Xの前後それぞれに、1列又は2以上のスリット列を有することが好ましい。
各縦スリット44を平面視したときの幅W44(図2参照)は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上が更に好ましく、また、1mm以下が好ましく、0.8mm以下が更に好ましく、また、0.1mm以上1mm以下が好ましく、0.2mm以上0.8mm以下が更に好ましい。
スリット領域44Sにおける縦スリット44を平面視したときの長さ(長手方向長さ)L44は、好ましくは10mm以上、更に好ましくは15mm以上であり、また、好ましくは35mm以下、更に好ましくは25mm以下であり、また、好ましくは10mm以上35mm以下、更に好ましくは15mm以上25mm以下である。
スリット領域44Sにおける同一スリット列内における縦スリット44の間隔(幅方向間隔)D44は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは7mm以上、また、好ましくは20mm以下、更に好ましくは15mm以下であり、また、好ましくは3mm以上20mm以下、更に好ましくは7mm以上15mm以下である。
上述した本実施形態のナプキン1の各構成部材の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。
セカンドシート5としては、親水性不織布や親水性の繊維集合体からなることが好ましい。不織布としては、エアースルー不織布、ポイントボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等が挙げられる。
セカンドシート5は、その坪量が、好ましくは10g/m2以上50g/m2以下であり、更に好ましくは15g/m2以上40g/m2以下である。また、セカンドシート5は、その厚みが、好ましくは0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。
ナプキン1では、表面シート2とセカンドシート5との間、セカンドシート5と吸収体4との間、及び吸収体4と裏面シート3との間は、接着剤を塗布して固定されていることが好ましい。接着剤は、公知の手段、例えば、スロットコートガン、スパイラルスプレーガン、スプレーガン、或いはドットガンを用いて塗布することができ、ナプキン1では、スパイラルスプレーガンを用いてスパイラル状に塗布することが好ましい。塗布する接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤が好ましく用いられる。ホットメルト接着剤の塗布量は、1.5g/m2以上10g/m2以下であることが好ましい。
また、ナプキン1のように、吸収体4に縦スリット44を形成するには、吸収性シートの積層体を、公知の切断手段により部分的に切断すればよく、例えば、ロールの周面に、周方向に延びる切断刃が、ロールの周方向及び軸長方向に分散させて多数形成されたカッターロールと、該カッターロールの刃を受けるアンビルロールとを備えた切断装置を用いることができる。
上述したナプキン1の作用効果と推定メカニズムについて説明する。
ナプキン1では、図5に示すように、吸収性シートからなる吸収体4は、断面視して、相対的に高吸収性ポリマー41の多いポリマーリッチ領域PTと、相対的に高吸収性ポリマー41の少ないパルプリッチ領域FTとを有しており、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用される部分において、血液凝集剤43が、少なくともパルプリッチ領域FTに存在している。その為、ナプキン1の使用中においては、肌対向面側のパルプリッチ領域FTの血液凝集剤43によって、経血が赤血球と血漿に分離された後、高吸収性ポリマー41に吸収することができ、経血を効果的に吸収することができる。また、経血が高吸収性ポリマー41に吸収される前に経血の赤血球と血漿が分離されることで、血液より粘度が低い血漿がパルプ42で拡散され、更に凝集された赤血球も血漿ほどではないがいっしょに拡散されることで、局所的に血球凝集塊が集まることが防止され、血液を繰り返し吸収する吸収速度が速くなり、経血の横漏れを防止することができる。特に、ナプキン1では、血液凝集剤43が、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。その為、肌対向面側のパルプリッチ領域FTで多くの血球凝集塊を分散させながらも留まらせ易く、ポリマーリッチ領域PTで効率的に血液の血漿を吸収することができ、血液を吸収する吸収速度が更に速くなり易く、経血の横漏れを更に防止することができる。
また、ナプキン1では、図3及び図4に示すように、吸収体4が吸収性シートで形成された多層構造となっている。その為、それぞれのシート間に空間が形成されており、該空間が抵抗となり、表面側吸収性シート401a内で形成された血球凝集塊が、401aより下層のシートへ移行し難く、裏面シート3側に進むほど、血液の血漿が増え易く、拡散し易い。また、血漿は次のシートに浸透、拡散するよりもシート間のわずかな空間の間でも容易に拡散することができ、血液を吸収する吸収速度が更に速くなり易く、経血の横漏れを更に防止することができる。
また、ナプキン1では、図1〜図3に示すように、吸収体4が、排泄部対向部Bに縦スリット44を有している。その為、経血を縦方向Xに移行させ易く、経血の横漏れを更に防止することができる。更に、吸収体4の縦スリット44が設けられた部分には空間が形成されて表面シート2からの経血が取り込み易くなっていて、経血が吸収体4の厚み方向に浸入し易く、また、縦スリット44の断面で吸収体4の面方向へと経血が浸入し易くなっている。このため、たとえ吸収体4の肌当接面側において血球凝集塊が一か所にまとまって存在することが生じても、経血が吸収体4の裏面シート側に浸入、吸収され易いので漏れが生じ難くなる。また、吸収体4における非肌対向面側に血液凝集剤が存在する場合には、当該領域で効率的な経血の吸収ができるので、吸収速度が劇的に早くなるというメリットがある。
また、縦スリット44の切断部は、切り込み加工する際にやや圧縮されることが多いため、縦スリット44が設けられていない部分と比べると密度が高くなっており、更に吸収スピードが高められる。また、縦スリット44が吸収体4を完全に貫通することで、吸収体4へ到達した液は、吸収体4の非肌対向面側へ到達しやすくなり吸収体4を効率的に使用した吸収が可能になり、吸収容量の向上と液戻り抑制の点から有利である。吸収体4に設けられたスリットによるこれらの効果は、血液凝集剤43がパルプリッチ領域FTのみに存在している場合、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在している場合で両領域に血液凝集剤43が同等量存在しているケース、又はパルプリッチ領域FTにポリマーリッチ領域PTよりも血液凝集剤43が多く存在しているケースの何れでも発現が期待される。
また、ナプキン1では、図1及び図3に示すように、表面シート2と吸収体4との間に、不織布によって構成されたセカンドシート5が配されている。その為、吸収体4に形成される血球凝集塊が、セカンドシート5でカバーされ、表面に戻ってべたつきを感じさせることを防止すると共に、表面シート2側から視認し難く、使用者に不快感を与えることを防止できる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の吸収性物品は前記実施形態のナプキン1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上述したナプキン1では、吸収体4が吸収性シートからなる構造であったが、これに代えて、親水性繊維及び/又は高吸収性ポリマーを積繊したタイプの吸収体構造であって、肌対向面側と非肌対向面側で親水性繊維と高吸収性ポリマーの配合比率が異なるポリマーリッチ領域と親水性繊維リッチ領域を備える構成であっても良い。更に、上述の積繊したタイプの吸収体構造を親水性のコアラップ材で全体を覆う構造としても良い。ただし、親水性のコアラップ材で積繊タイプの吸収体構造を覆う構造の吸収体場合、該コアラップを除いた親水性繊維リッチ領域に血液凝集剤が含まれていることが必要である。
また、ナプキン1では、図4に示すように、表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bからなる2層構造を形成する本体吸収性シート401に、血液凝集剤43が配されているが、図6に示すように、本体吸収性シート401に血液凝集剤43が配されておらず、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bからなる3層構造を形成する中央吸収性シート402に、血液凝集剤43が配されていてもよい。図6に示す吸収体4において、中央吸収性シート402は、上述したように、巻き状に3つ折りした3層構造となっているので、上側吸収性シート402a及び中間吸収性シート402cが、それぞれ、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用されており、下側吸収性シート402bが、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用されている。そして、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用される上側吸収性シート402a及び中間吸収性シート402cにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。また、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用さている、言い換えれば、ポリマーリッチ領域PTを肌対向面側に配して使用さている下側吸収性シート402bにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。尚、表面側吸収性シート401aは、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用されているが、血液凝集剤43は配されていない。また、裏面側吸収性シート401bは、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用されているが、血液凝集剤43は配されていない。図6に示す吸収体4によれば、1枚の本体吸収性シート401の折り畳み構造の内部に配される中央吸収性シート402において、血液凝集剤43がポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在しているので、排泄が同じ吸収部位で繰り返されたとしても吸収表面での血球凝集塊による吸収阻害が起こりにくく、吸収速度が速くなる効果を奏する。
また、図7に示すように、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bからなる3層構造を形成する中央吸収性シート402に、血液凝集剤43が配され、本体吸収性シート401にも血液凝集剤43が配されていてもよい。図7に示す吸収体4は、本体吸収性シート401が形成する表面側吸収性シート401aが、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用され、本体吸収性シート401が形成する裏面側吸収性シート401bが、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用されている。そして、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用される表面側吸収性シート401aにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。また、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用さている、言い換えれば、ポリマーリッチ領域PTを肌対向面側に配して使用されている裏面側吸収性シート401bにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。また、上側吸収性シート402a及び中間吸収性シート402cが、それぞれ、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用されており、下側吸収性シート402bが、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用されている。そして、パルプリッチ領域FTを肌対向面側に配して使用される上側吸収性シート402a及び中間吸収性シート402cにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。また、パルプリッチ領域FTを非肌対向面側に配して使用している、言い換えれば、ポリマーリッチ領域PTを肌対向面側に配して使用している下側吸収性シート402bにおいて、血液凝集剤43は、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTに存在しており、ポリマーリッチ領域PTよりもパルプリッチ領域FTに多く存在している。図7に示す吸収体4によれば、何れの吸収性シート401a,401b,402a,402b,402cも血液凝集剤43を有しているので、血液を吸収する吸収速度が更に速くなり易く、経血の横漏れを更に防止することができる。
また、図4、図6及び図7に示すように、吸収体4が吸収性シートで形成された多層構造となっている場合に、含有される血液凝集剤43は、何れの吸収性シート401a,401b,402a,402b,402cにおいても同じ血液凝集剤43であってもよいし、異なる血液凝集剤43であってもよい。
また、図4、図6及び図7に示すように、吸収体4を構成する吸収性シートは、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTの2層領域で形成されているが、ポリマーリッチ領域PT及びパルプリッチ領域FTを有していれば3層以上の領域で形成されていてもよい。
また、ナプキン1では、排泄部対向部Bに経血を縦方向Xに拡散する拡散手段が設けられているが、拡散手段が無くてもよい。また、ナプキン1の拡散手段は、図1〜図4に示すように、縦方向Xに延びる縦スリット44であるが、縦スリット44以外の拡散手段であってもよい。縦スリット44以外の拡散手段としては、表面シート2の肌対向面に、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥してなる線状圧搾溝であってもよい。また、該線状圧搾溝と縦スリット44との組み合わせであってもよい。該線状圧搾溝は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工(いわゆるエンボス加工)、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。
また、ナプキン1の吸収体4が有する複数のスリット44は、図1及び図2に示すように、縦方向Xに沿うスリットであるが、縦方向X及び横方向Yの両者に対して角度を有する斜め方向に延びるスリットであってもよい。
また、本発明の経血吸収用の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティーライナー(おりものシート)等であってもよい。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
高吸収性ポリマー、親水性繊維、及び血液凝集剤を有する吸収体と、該吸収体を挟持する表面シート及び裏面シートと、を備える吸収性物品であって、前記吸収体は、断面視して、前記パルプの質量と前記高吸収性ポリマーの質量の合計量に対する高吸収性ポリマーの質量比率が、相対的に高いポリマーリッチ領域と、該ポリマーリッチ領域よりも相対的に低い親水性繊維リッチ領域とを有しており、前記親水性繊維リッチ領域を肌対向面側に配して使用される部分において、前記血液凝集剤は、少なくとも前記親水性繊維リッチ領域に存在している吸収性物品。
<2>
前記吸収体は吸収性シートからなる、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記親水性繊維がパルプ繊維である、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記吸収体は、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に、血液を縦方向に拡散する拡散手段を有している、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記血液凝集剤がカチオン性ポリマーである、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記カチオン性ポリマーが第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物である、前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、前記吸収性シートが厚み方向に複数重なった多層構造となっている、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に、血液を縦方向に拡散する拡散手段を有し、
前記拡散手段は、縦方向に延びる縦スリットであり、前記縦スリットは、前記血液凝集剤を含む最も肌対向面側の前記吸収性シートを貫通している、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収体は、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に、血液を縦方向に拡散する拡散手段を有し、
前記拡散手段は、縦方向に延びる縦スリットであり、
前記縦スリットの幅が0.1mm以上1mm以下、好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記吸収体は、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に、血液を縦方向に拡散する拡散手段を有し、
前記拡散手段は、縦方向に延びる縦スリットであり、
前記縦スリットを平面視したときの長さは10mm以上35mm以下、好ましくは15mm以上25mm以下である、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収体は、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に、血液を縦方向に拡散する拡散手段を有し、
前記拡散手段は、縦方向に延びる縦スリットであり、
前記縦スリットは横方向に隣り合って複数列存在しており、該隣り合う縦列における縦スリットどうしの間隔は、3mm以上20mm以下、好ましくは7mm以上15mm以下である、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収体は、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に、血液を縦方向に拡散する拡散手段を有し、
前記拡散手段は、縦方向に延びる縦スリットであり、
前記縦スリットは横方向に隣り合って複数列存在しており、
前記縦列には複数本の前記縦スリットが分散している、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に前記吸収性シートで形成された中央吸収性シートと、該中央吸収性シートを覆う本体吸収性シートとで構成されており、前記排泄部対向部の前記血液凝集剤の坪量が、該排泄部対向部の周縁部分の前記血液凝集剤の坪量よりも多い、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記中央吸収性シートは複数の前記吸収性シートが重なった多層構造となっている、前
記<13>に記載の吸収性物品。
<15>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に前記吸収性シートで形成された中央吸収性シートと、該中央吸収性シートを覆う本体吸収性シートとで構成されており、
前記中央吸収性シートは、前記吸収性シートの前記ポリマーリッチ領域と前記親水性繊維の厚み方向の配置が、厚み方向にみて、隣り合った吸収性シート間で逆になっている部分がある、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に前記吸収性シートで形成された中央吸収性シートと、該中央吸収性シートを覆う本体吸収性シートとで構成されており、
前記中央吸収性シートは、少なくとも3層構造になるように、1枚の吸収性シートが折り曲げられた構造となっており、そのうち、最も肌当接面側に位置する最上層と、厚み方向に見て該最上層に隣接する第2層とは、前記親水性繊維リッチ領域と前記ポリマーリッチ領域の厚み方向の配置が同じである、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に前記吸収性シートで形成された中央吸収性シートと、該中央吸収性シートを覆う本体吸収性シートとで構成されており、
前記中央吸収性シートのみに前記血液凝集剤が含まれている、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に前記吸収性シートで形成された中央吸収性シートと、該中央吸収性シートを覆う本体吸収性シートとで構成されており、
前記本体吸収性シートのみに前記血液凝集剤が含まれている、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記吸収体は、吸収性シートからなり、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部に前記吸収性シートで形成された中央吸収性シートと、該中央吸収性シートを覆う本体吸収性シートとで構成されており、
前記中央吸収性シート及び前記本体吸収性シートに前記血液凝集剤が含まれている、前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記吸収体は吸収性シートからなり、最も肌当接面側に位置する前記吸収性シートが、厚み方向に見て、前記親水性繊維リッチ領域が肌当接面側、前記ポリマーリッチ領域が非肌当接面側に位置している<7>〜<19>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<21>
前記表面シートと前記吸収体との間に、不織布によって構成されたセカンドシートが配されており、前記セカンドシートは、前記血液凝集剤を含有していない、前記<1>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記血液凝集剤がカチオン性ポリマーであり、
前記カチオン性ポリマーの分子量は、2000以上1000万以下、好ましくは2000以上500万以下であり、更に好ましくは2000以上300万以下であり、一層好ましくは1万以上300万以下である、前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記血液凝集剤の量は、好ましくは0.1g/m
2以上25g/m
2以下、更に好ましくは0.5g/m
2以上15g/m
2以下、一層好ましくは1.5g/m
2以上10g/m
2以下である、前記<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記血液凝集剤が水溶性カチオン性ポリマーであり、該水溶性カチオンポリマーが、主鎖とそれに結合した側鎖とを有する構造からなり、かつ分子量が2000以上であり、前記水溶性カチオン性ポリマーは、以下の式1で表される繰り返し単位を有する第4級アンモニウム塩ホモポリマーであるか、又は、以下の式1で表される繰り返し単位と、以下の式2で表される繰り返し単位とを有する第4級アンモニウム塩共重合物であり、前記水溶性カチオン性ポリマーの前記主鎖と前記側鎖とが1点で結合しており、該側鎖が第4級アンモニウム部位を有するものである水溶性カチオン性ポリマーが適用された、前記<1>〜<23>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<25>
前記血液凝集剤として、流動電位が1500μeq/L以上であり、分子量が2000以上である、第4級アンモニウム塩ホモポリマー又は第4級アンモニウム塩共重合物からなる前記水溶性カチオン性ポリマーを1g/m
2以上20g/m
2有する、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記水溶性カチオンポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマー又は第4級アンモニウム塩共重合物が、主鎖とそれに結合した側鎖とを有する構造のものであり、主鎖と側鎖とが1点で結合している、前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記血液凝集剤として、分子量が2000以上である水溶性カチオン性ポリマーを含み、該水溶性カチオン性ポリマーは、無機性値と有機性値との比率である無機性値/有機性値の値が0.6以上4.6以下であり、前記水溶性カチオン性ポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物である、前記<1>〜<26>の何れか1に吸収性物品。
<28>
前記吸収性物品が生理用ナプキンである、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
以下、本発明の吸収性物品を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
<実施例1>
図4及び図5に示す吸収体を有する図1〜図3に示す生理用ナプキン1と同様の基本構成を有する生理用ナプキンを作製し、これを実施例1のサンプルとした。表面シートとしては、坪量が25g/m2の単層構造のエアースルー不織布シートを用いた。裏面シートとしては、透湿性の樹脂フィルムを用いた。セカンドシートとしては、坪量が25g/m2のポイントボンドエアースルー不織布を用いた。
吸収体を構成する吸収性シートとしては、特許2963647号の実施例2に準じて作成した。ただし、架橋処理パルプとしてWeyerhauser Paper社製のHigh Bulk Additive HBAを、高吸収性ポリマーとして日本触媒社製のアクアリックCAを用いた。この吸収体作成工程において、高吸収性ポリマーを散布した繊維ウェブと重ねあわせる吸収紙にあらかじめ血液凝集剤を含有させておいた。これによって、血液凝集剤が、ポリマーリッチ領域PTである高吸収性ポリマーを散布した繊維ウェブよりも、パルプリッチ領域FTである吸収紙に多く存在するようにした。血液凝集剤に含有されるカチオン性ポリマーとしては、日本ルーブリゾール社製の商品名マーコート106(重量平均分子量:1.5万、IOB値2.10、流動電位7345μeq/L)を用いた。吸収性シートに施されるカチオン性ポリマーの坪量は表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bにそれぞれ1.5g/m2であった。そして、図4に示す吸収体のように、表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bからなる2層構造を形成する本体吸収性シート401にのみ、血液凝集剤43が配されている。即ち、3層構造を形成する中央吸収性シート402には、血液凝集剤43が配されていない。更に吸収体に縦スリットを図1に図示したように配置した。
<実施例2>
吸収体として、図6に示すものを使用した以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを作成した。吸収体は、図6に示す吸収体のように、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bからなる3層構造を形成する中央吸収性シート402にのみ、血液凝集剤43が配されている。即ち、表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bからなる2層構造を形成する本体吸収性シート401には、血液凝集剤43が配されていない。吸収性シートに施されるカチオン性ポリマーの坪量は上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bにそれぞれ1.5g/m2であった。
<実施例3>
吸収体として、図7に示すものを使用した以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを作成した。吸収体は、図7に示す吸収体のように、表面側吸収性シート401a及び裏面側吸収性シート401bからなる2層構造を形成する本体吸収性シート401に、血液凝集剤43が配されている。そして、上側吸収性シート402a、中間吸収性シート402c及び下側吸収性シート402bからなる3層構造を形成する中央吸収性シート402に、血液凝集剤43が配されている。吸収性シートに施されるカチオン性ポリマーの坪量はそれぞれ1.5g/m2であった。
<比較例1>
実施例1のサンプルにおいて、吸収体を、血液凝集剤43が配されていない吸収体に換え、それ以外は実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。
〔評価〕
実施例1〜実施例3のサンプル(生理用ナプキン)及び比較例1のサンプル(生理用ナプキン)について、静的最大吸収量、動的拡散面積、静的吸収時間及び静的拡散面積を、それぞれ下記方法により評価した。それらの結果を下記表1に示す。
<静的最大吸収量>
実施例及び比較例の各サンプルを広げて実験台に置き、各サンプル上に、長軸50mm、短軸22.5mmの楕円筒、筒高さ30mmのアクリル製注入楕円筒部が一体成形されたアクリル製注液プレートをその注液孔が該サンプルの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向部の中央に位置するように重ねて置き、注入口から3gの擬似血液を注入した。注入後、その状態を3分間保持した。次に、楕円つきアクリル板を取り除き、表面シートの表面上に、圧力が50g/cm2のサンプルに再び上記のアクリル板を重ね、1回目の注入から4分後に再び注入口から3gの擬似血液を追加して注入した。実施例及あるいは比較例の各サンプルへの擬似血液の注入位置は、最初の3gを注入した位置と同じとした。2回目以降は1回目と同じ操作を繰り返し、実施例及あるいは比較例の各サンプルのウイング部から液が染み出した時点で終了し、静的最大吸収量とした。
なお、擬似血液は、本明細書で説明した通り、B型粘度計(東機産業株式会社製 型番TVB−10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、25℃、60秒間)を用いて測定した粘度が8mPa・sになるように、脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)の血球・血漿比率を調製したものである。
<吸収体における動的拡散面積>
実施例及び比較例の各サンプルを、特開平9−187476号公報の段落〔0082〕及び〔0083〕に記載の可動式女性腰部モデルを用いて評価した。可動式女性腰部モデルに各サンプルを装着させてショーツをはかせた後、100歩/分の速度で歩行させながら、擬似血液2gを3分間隔で8gまで注入した後、(擬似血液注入速度は15秒間に1gである)可動式女性腰部モデルからナプキンを外し、吸収体上の擬似血液が付着している面積を計測した。拡散面積の計測は画像解析装置としてNEXUS製NEWQUBE(ver.4.20)を使用し(CCDカメラやスキャナーを通して)画像を取り込んで実施した。
<静的吸収時間>
実施例及び比較例の各サンプルを広げて実験台に置き、該サンプルの上に、直径1cmの注入孔を有する筒高さ50mmのアクリル製注入円筒部が一体成形されたアクリル製注液プレートを、その注液孔が該サンプルの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向部の中央に位置するように重ねて置き、適当な重り板を乗せて(注液プレート自身を含む)荷重が0.85g/cm2となるよう調整した。擬似血液3gを前記注液プレートの筒内に3分間隔で9gまで注入し、9gまで注入し終わった瞬間から、筒内の擬似血液が無くなってサンプルの表面シートが露出するまでの時間(秒)を計測した。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの静的吸収時間とした。
<静的拡散面積>
静的吸収時間の測定が終了した後の各サンプルにおける表面シート上の擬似血液が付着している面積を計測した。拡散面積の計測は画像解析装置としてNEXUS製NEWQUBE(ver.4.20)を使用し(CCDカメラやスキャナーを通して)画像を取り込んで実施した。
表2の結果によれば、実施例1〜3の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、静的吸収時間が短く、しかも、静的拡散面積が小さいことがわかった。また、実施例1〜3の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、吸収体上での動的拡散面積が大きいことがわかった。従って、実施例1〜3の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、血液を効果的に吸収することができると共に、血液を吸収する吸収速度が速く、経血の横漏れを防止することが期待できる。