JP6152321B2 - 点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、点火コイルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
クラックの発生は、エポキシ樹脂組成物に対して可とう性のエポキシ樹脂を配合することによってある程度抑制することができるものの、ガラス転移温度が低下し耐熱性が低下しまい、上述のような高温環境下で使用される点火コイルなどの封止樹脂として用いることができない。
特許文献2においては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸を必須成分として含む酸無水物と、平均粒径2μm以下の球状シリカを必須成分として含む無機充填剤と、硬化促進剤とを配合したA剤と、エポキシ樹脂をB剤とした2液型のエポキシ樹脂組成物を得、線膨張率を低減させることによって耐ヒートサイクル性を向上させ、上述した熱応力によるクラックの発生を防止する試みがなされている。
さらに、特許文献3においては、エポキシ樹脂組成物に対して特定範囲の粒径を有するシリカ粒子を所定量含有させることによってトリー経路を形成しにくくし、エポキシ樹脂組成物の絶縁破壊電圧を低下させ、コイル等の部品に高電圧が印加された場合においても絶縁破壊が生じないようにしたモールドコイル含浸用エポキシ樹脂組成物が開示されている。しかしながら、そのような手法でも、耐クラック性、エンジンのダウンサイズに伴う熱放散性(熱伝導率)、コイルへの含浸性の向上ならびに高温度下の硬化物の電気的特性の低下を防止することはできず、これらの諸問題を解決すべき、環境対応新機種コイルに対応した点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物のための新規なフィラーの検討が必要となった。一般に、結晶シリカは熱伝導率の向上に有効なフィラーであるが、その反面、結晶シリカが添加された場合でも、熱膨張係数の値を小さくできず、しかも電気特性の誘電正接がほかのフィラーに比較して大きい値を示す。また、溶融シリカはその添加量を増やすことにより、熱膨張係数の値を小さくすることができるが、熱伝導率を大きくすることが難しい。
球状溶融シリカ及び/又は球状クリストバライトを特定量配合したエポキシ樹脂組成物は、例えば、特許文献4、5に開示されているが、これらのエポキシ樹脂組成物はいずれも半導体封止用であり、点火コイル注形用に使用することは示唆されていない。
点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物は、例えば、特許文献6に開示されているが、特定の数平均粒径を有する破砕溶融シリカと、同じく特定の数平均粒径を有する球状溶融シリカを用いるものであり、クリストバライトを使用することは示唆されていない。
球状クリストバライトを特定の粒子径および球形度に規定して特定量配合したエポキシ樹脂組成物は、例えば、特許文献7に開示されているが、このエポキシ樹脂組成物は半導体封止用であり、点火コイル注形用封止材料として使用することは示唆されていない。
(1)(A)エポキシ樹脂(B)酸無水物、(C)硬化促進剤および(D)クリストバライトを含む点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、
(2)(A)エポキシ樹脂および(D)クリストバライトを主剤成分とし、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤および(D)クリストバライトを硬化剤成分とした2液型である上記(1)に記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、
(3)前記(D)クリストバライトが、前記樹脂組成物中に40〜80質量%含まれ、(D)クリスバライトが数平均粒径3〜10μmのクリストバライト(D−1)と数平均粒径が10μmを超え、50μm以下のクリストバライト(D−2)の配合比、(D−1):(D−2)が質量比で80:20〜100:0である上記(1)又は(2)に記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、
(4)(A)エポキシ樹脂の全量に対して(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を70〜100質量%、(A−2)脂環式エポキシ樹脂を0〜30質量%含み、(B)酸無水物の全量に対して、ヘキサヒドロ無水フタル酸またはテトラヒドロ無水フタル酸を70〜100質量%含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、
(5)(C)硬化促進剤がベンジルジメチルアミン又は4級アンモニウム塩である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物をコイルに含浸させ、次いで、加熱硬化させてなる点火コイルおよび
(7)コイルを金型内に固定して金型内を真空状態とし、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に注形し加熱硬化させることを特徴とする点火コイルの製造方法を提供する。
また、本発明の製造方法によれば、本発明の樹脂組成物を用いてコイルに含浸、加熱硬化させることにより機械的強度及び絶縁信頼性に優れた点火コイルとすることができ、低温から高温下(−40〜150℃)での動作信頼性の高い点火コイルを用いた耐久性のある製品を提供することができる。
本発明に用いる成分(A)のエポキシ樹脂としては、(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などがあり、市販品ではEP4100E〔アデカ(株)製〕、830−S〔DIC社製〕、R710〔三井石油化学(株)製〕などがある。
(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂とともに、より粘度の低い(A−2)脂環式エポキシ樹脂を併用してもよい。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの市販品としては〔(株)ダイセル製、商品名:セロキサイド#2021P、エポキシ当量:128〜140〕、があり、好ましく用いられる。
(A−1)が、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜90質量%であり、(A−2)が、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。(A−1)と(A−2)の合計は100質量%である。
(A−2)を添加することにより、樹脂組成物が適度な粘度となり、コイルへの含浸性が向上する。また、(A−2)の添加量を30質量%以下とすることにより、適度な硬化性と硬化物の優れた機械的物性を確保することができる。
点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物中の成分(A)の割合は樹脂組成物のコイルへの含浸性および硬化物の諸物性の観点から20〜50質量%程度であることが好ましい。
本発明において硬化剤として用いる成分(B)の酸無水物としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されるものであればよく、特に制限されるものではないが、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。成分(B)の酸無水物中ヘキサヒドロ無水フタル酸またはテトラヒドロ無水フタル酸は樹脂組成物の硬化性の観点から70〜100質量%であることが好ましい。
成分(B)の酸無水物の配合量は前記成分(A)のエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して酸無水物基を0.8〜1.3当量、好ましくは0.95〜1.2当量程度になるように調整する。
0.8当量より少ないと硬化が不十分となり、1.3当量を超えると硬化物の機械的物性が低下するので好ましくない。
点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物中の成分(B)の割合は樹脂組成物のコイルへの含浸性および硬化物の諸物性の観点から20〜50質量%程度であることが好ましい。
本発明に用いる成分(C)の硬化促進剤は、一般的に用いられるもの、例えば、第3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール類、有機ホスフィン、ルイス酸触媒等が挙げられる。
第3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等、4級アンモニウム塩としては、DBU〔1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7〕のオクチル酸塩〔サンアプロ(株)製、商品名:SA102)、DBN〔1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン〕や3級アミンとカルボン酸との塩である4級アンモニム塩系〔サンアプロ(株)製、商品名:U−CAT2313〕、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド〔日油株式会社製、商品名:ニッサンカチオンRAB−600、凝固点60〜66℃〕、テトラアルキル(各アルキル基の炭素数1〜18)アンモニウム塩[例えばテトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラアルキルアンモニウムカルボン酸塩(カルボン酸の炭素数1〜12)、イミダゾール類としては、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等、有機ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボレート、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等、ルイス酸触媒としては、具体的には、例えば、三フッ化ホウ素アミン錯体、三塩化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体などのルイス酸触媒などが挙げられる。
中でも、硬化性の観点からベンジルジメチルアミン又は4級アンモニム塩を使用することが好ましい。
これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
この成分(C)硬化促進剤の配合量は、前記成分(B)酸無水物の100質量部に対して、0.3〜5質量部の範囲であることが好ましく、配合量が0.3質量部未満であると、硬化時間が長く機械的特性を十分に向上させることができないおそれがあり、5質量部を超えると、反応が速く、ポットライフが短くなるため好ましくない。
成分(D)のクリストバライトとしては、破砕したクリストバライト及び、球状のクリストバライトなどを用いることができる。例えば、破砕したクリストバライトとして、クリストバライトBF-115、BF−07〔以上、福島窯業(株)製、商品名〕等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。一般に、破砕したクリストバライトはアスペクト比が1に近いほど作業性が優れており、点火コイルへの樹脂組成物の含浸性が良好になる。
なお、クリストバライトまたはクリストバル石(cristobalite)は、二酸化ケイ素(SiO2)の結晶多形の一つで、石英の高温結晶形のものであり、方珪石(ほうけいせき)とも称されている。球状溶融シリカまたは結晶シリカを原料とし加熱処理にてクリストバライト化したものであり、クリストバライトは溶融シリカまたは結晶シリカとは溶融化度が異なっている。クリストバライトの溶融化度(測定法:X線回折)は75%程度であり、溶融シリカまたは結晶シリカの溶融化度はそれぞれ100%と0%である。
これによって、硬化物は高熱伝導性、低線膨張性、高強度という優れた機械的特性および体積抵抗率を示す。数平均粒径以外には特に制限なく広く使用できる。成分(D)のクリストバライトの配合量はエポキシ樹脂組成物中において40〜80質量%範囲であることが好ましく、より好ましくは、45〜55質量%の範囲である。配合量を40質量%以上とすることにより強度を十分に確保ができ、80質量%以下とすることにより粘度が上昇し、作業性およびコイルへの含浸性が低下してしまう恐れがある。
これらシランカップリング剤としては、例えば、3- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルーγ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられ、これらは単独でも2種類以上併用してもよい。
さらに、本発明の目的に反しない範囲において、クリストバライト以外の無機質充填剤、カップリング剤、消泡剤、沈降防止剤及びその他の成分を添加配合することができる。無機質充填剤としては、アルミナ、結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム等が上げられ、これらは単独または、2種以上混合して使用することができる。
通常は、主剤成分と硬化剤成分の2液型として注形直前に両者を混合することが好ましい。その一例として、前記成分(A)のエポキシ樹脂と成分(D)のクリストバライトを混合して調製した主剤成分と、別途前記成分(B)の硬化剤、成分(C)の硬化促進剤および成分(D)のクリストバライトを混合して調製した硬化剤成分の2液型として注形直前に両者を混合するのが好ましい。成分(D)のクリストバライトを主剤成分と硬化剤成分の双方に分けて混合するのは両者の粘度に大きな差がないようにして混合を容易にするためである。
なお、主剤成分および/または硬化剤成分に結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機質充填剤を配合してもよい。こうして得られた点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物は、ガソリン又はHEV自動車に対応することができる点火コイル等の高熱伝導コイル注型用樹脂組成物として使用することができる。
本発明のコイル注形用エポキシ樹脂組成物を含浸後、加熱硬化させてなる点火コイルを有する装置としては、ペンタイプのイグニションコイルが挙げられる。これは、直径2.0cm以下のプラスチックケース中に配置された、直径50μm程度の被覆導線を鉄心に巻いたコイルに前記エポキシ樹脂組成物を含浸させ、次いで加熱硬化させてなるものである。このイグニションコイルにおける樹脂組成物の占有体積は30%以下であることが好ましい。
本発明の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物はガソリン又はHEV自動車に対応することができる
まず、コイルを金型内に固定して金型内を真空状態とし、得られた点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に注形してコイル内に含浸させ、100〜300℃、好ましくは150〜200℃程度の温度で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間程度加熱硬化させることにより本発明の点火コイルを得ることができる。後で説明する<京セラケミカル式テストコイル法>による含浸率は80%以上であることが好ましい。
成分(A)として、液状のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂〔アデカ(株)製、商品名:EP4100E、エポキシ当量190〕100部、消泡剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、商品名:TSA720〕0.1部、シランカップリング剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、製品名:A−187〕0.5部、成分(D−1)として、数平均粒径7μmのクリストバライト〔福島窯業(株)製、商品名:BF−07〕160部、成分(D−2)として、数平均粒径15μmのクリストバライト〔福島窯業(株)製、商品名:BF−115〕20部、沈降防止剤として1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ジベンジリデンソルビトール)〔新日本理化(株)製、製品名:ゲルオールD〕0.5部を混合して主剤とした。
これとは別に、成分(B)の酸無水物としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸〔日立化成(株)製、商品名:HN7000〕100部、成分(C)の硬化促進剤として4級アンモニウム塩〔日油(株)製、商品名:M2−100〕0.5部を混合して硬化剤とした。上記主剤と硬化剤を混合してガソリン又はHEV自動車に対応することができる点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
表1に示した配合組成によって実施例1と同様に点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物および比較用のエポキシ樹脂組成物を製造した。これらの点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物の粘度およびゲルタイムを測定して表1に示した。
(1)エポキシ樹脂―成分(A)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂:アデカ(株)製〔商品名:EP4100E、エポキシ当量190〕
脂環式エポキシ樹脂:(株)ダイセル製〔商品名:セロキサイド#2021P、エポキシ当量:128〜140〕
(2)酸無水物―成分(B)
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 日立化成(株)製、商品名:HN7000
メチルテトラヒドロ無水フタル酸:日立化成(株)製、商品名:HN2000
(3)硬化促進剤―成分(C)
三級アミン:花王(株)製のベンジルジメチルアミン〔BDMA〕
4級アンモニウム塩:日油(株)製のテトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド〔M2-100R〕
イミダゾール:四国化成(株)製の2−エチル−4−メチルイミダゾール〔2E4MZ〕
(4)クリストバライト―成分(D)
クリストバライトD-1:福島窯業(株)製、数平均粒子径7um(D−1)、溶融化度75%、商品名:BF−07
クリストバライトD-2:福島窯業(株)製、数平均粒子径15um(D−2)、溶融化度75%、商品名:BF−115
(5)充填材―成分(D)に対する比較材料
溶融シリカ1:龍森(株)製、数平均粒径7μmの溶融シリカ〔E−2〕、溶融化度100%
溶融シリカ2:龍森(株)製、数平均粒径15μmの溶融シリカ〔ZA−20〕、溶融化度100%
結晶シリカ:龍森(株)製、数平均粒径6μmの結晶シリカ〔A−AC〕、溶融化度0%
(6)沈降防止剤
新日本理化(株)製の1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ジベンジリデンソルビトール)〔ゲルオールD〕
(7)シランカップリング剤
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製のエポキシシラン系カップリング剤〔A-187〕
(8)消泡剤
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製のシリコーン系消泡剤〔TSA720〕
次に、製造された樹脂組成物の硬化物について、ガラス転移点、熱膨張率、曲げ強さ、曲げ弾性率および熱伝導率を測定して表1に示した。
次に、コイルを金型内に固定して点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物および比較用のエポキシ樹脂組成物を真空下で注形して含浸させ、100℃で3時間、150℃で3時間加熱硬化させて点火コイルを作製し、電気特性、絶縁破壊電圧、熱伝導率、テストコイル法による含浸性を試験して、その結果を表1と図1に示した。
図1は樹脂組成物のコイル巻き線部への含浸性を試験する際の手順と巻き線部における樹脂組成物の含浸状態を示す写真である。従来の点火コイルでは得られない高電圧下での体積抵抗率が安定性を有していることが証明され、実施例1〜6のいずれにおいても、点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物、その硬化物および点火コイルの特性が優れており、本発明による効果を確認することができた。
(1)粘度
B型粘度計を使用して25℃で測定した。
(2)ゲルタイム
試験管法により110℃で測定した。
(3)樹脂組成物(主剤+硬化剤)のコイルへの含浸性
図1に示すような方法<京セラケミカル式テストコイル法>で樹脂組成物のコイル巻き線部への含浸率の測定を行なった。測定温度は25℃である。
直径50μmの被覆導線をアルミナ製ボビンに22000回巻きつけたものについて、樹脂組成物の含浸性を、コイル巻き線部に樹脂が浸透した部位(含浸部位)の割合(含浸率)を下記式により計算して数値化して下記の基準で評価した。
使用したボビンの幅は10mm、コイル巻き線部のボビン直径方法の厚さは5mmである。ボビンを入れる容器の高さはボビンの幅10mmより高い約15mmである。容器の内径はボビンのコイル巻き線部の外径30mmより大きい50mmである。図1におけるボビンの中心孔の上部を真空ライン(図1には示さず)に連結して、樹脂組成物を容器の高さまで流し込み、約2分真空ラインを稼動させて樹脂組成物をコイル巻き線部に含浸させた。
含浸率=(含浸部位面積)×100/(含浸部位面積+未含浸部位面積)
含浸性の評価基準
○:含浸率が80%以上
△:含浸率が60%以上80%未満
×:含浸率が60%未満
含浸率が低いと、巻線に欠落が生じる。
(4)ガラス転移点
点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化後、TMA法により、昇温速度15℃/分として室温から250℃まで昇温させて測定した。
(5)熱膨張率
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化後、TMA法により、昇温速度15℃/分として室温から250℃まで昇温させて測定した。
(6)曲げ強さおよび曲げ弾性率
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化させてサンプル片(幅:10mm、高さ:4mm、長さ:80mm)を作製し、JIS K6911に準じ、温度25℃において測定した。
(7)接着性<被着面積および試験条件>
樹脂組成物を被接着材であるPBT板(厚さ2mm)上に被着面積(幅5mm×長さ7mm)になるように塗布(厚さ:1mm)し、100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化させて接着性評価用サンプル片を作製した。
JIS K6850に準じ、引張速度2.5mm/分、温度25℃において接着強度を測定した。
(8)熱伝導率
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間加熱硬化させてサンプル片(幅:800mm、高さ:10mm、長さ:1000mm)を作製し、プローグ法にて室温で測定した。
(9)比誘電率:JIS C2105、測定周波数50Hz、測定温度25℃
(10)誘電正接:JIS C2105、測定周波数50Hz、測定温度25℃
(11)体積抵抗率:JIS C2105、測定電圧DC500V、測定温度25℃
体積抵抗率等の測定には試験片厚さ2mmのもの、主電極として60φのものを用いた。
表1から、実施例1〜6の成分(D)のクリストバライトを含む樹脂組成物は溶融シリカまたは結晶シリカを同量配合した比較例の樹脂組成物に比べて、樹脂組成物のコイルへの含浸性、接着強度、硬化物の機械的強度、体積抵抗率の全てがバランスよく、優れていることがわかる。
Claims (7)
- (A)エポキシ樹脂(B)酸無水物、(C)硬化促進剤および(D)クリストバライトを含む点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂および(D)クリストバライトを主剤成分とし、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤および(D)クリストバライトを硬化剤成分とした2液型である請求項1に記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物。
- 前記(D)クリストバライトが、前記樹脂組成物中に40〜80質量%含まれ、(D)クリスバライトが数平均粒径3〜10μmのクリストバライト(D−1)と数平均粒径が10μmを超え、50μm以下のクリストバライト(D−2)の配合比、(D−1):(D−2)が質量比で80:20〜100:0である請求項1又は2に記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂の全量に対して(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を70〜100質量%、(A−2)脂環式エポキシ樹脂を0〜30質量%含み、(B)酸無水物の全量に対して、ヘキサヒドロ無水フタル酸またはテトラヒドロ無水フタル酸を70〜100質量%含む請求項1〜3のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物。
- (C)硬化促進剤がベンジルジメチルアミン又は4級アンモニウム塩である請求項1〜4のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物をコイルに含浸させ、次いで、加熱硬化させてなる点火コイル。
- コイルを金型内に固定して金型内を真空状態とし、請求項1〜5のいずれかに記載の点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に注形し加熱硬化させることを特徴とする点火コイルの製造方法。
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