以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜図11は本発明によるベビーカーの一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1〜図3には、ベビーカーの全体構成が示されている。図示されたベビーカーは、折り畳み可能なベビーカー本体11と、展開状態のベビーカー本体11を折り畳み可能な状態に切り替える折り畳み操作機構40と、折り畳み操作機構40の動作を規制する第1操作規制機構50および第2操作規制機構60と、を有している。図1〜図3に示されたベビーカー本体11は、一対の前脚22および一対の後脚24を有するフレーム部20と、フレーム部20に揺動可能に連結された手押しハンドル36と、を有している。ベビーカー本体11の各前脚22の下端には、車輪(前輪)16が保持され、ベビーカー本体11の各後脚24の下端には、車輪(前輪)18が保持されている。
本実施の形態のベビーカー10においては、ハンドル36がフレーム部20に対して揺動可能となっている。ハンドル36は、図1および図2に実線で示す背面押し位置(後方位置)と、図1および図2に二点鎖線で示す対面押し位置(前方位置)と、に固定され得る。ハンドル36をフレーム部材20に対して揺動可能とする構成は、既知の構成、例えば、JP2008−254688Aに開示された構成を、採用することができる。
また、本実施の形態において、ベビーカー10は、広く普及しているように、折り畳み可能に構成されている。具体的な一例として、ベビーカー10は、以下のように構成され得る。
ベビーカー本体11(ベビーカー10)は、全体的に、前後方向に沿って延びる横方向中心面を中心として概ね対称な構成となっている。図1に示すように、本実施の形態におけるフレーム部20は、それぞれ左右に配置された一対の前脚22と、それぞれ左右に配置された一対の後脚24と、それぞれ左右に配置された一対のアームレスト28と、それぞれ左右に配置された一対の第1リンク材26と、を有している。前脚22の上方端部は、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト28に回動可能(揺動可能)に連結されている。同様に、後脚24の上方端部が、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト28に回動可能(揺動可能)に連結されている。また、第1リンク材26の上方部分が、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト28の後方部分に回動可能(揺動可能)に連結されている。
フレーム部20は、左前脚と左第1リンク材26とを連結する左第2リンク材32、および、右前脚22と右第1リンク材26とを連結する右第2リンク材32をさらに有している。各第2リンク材32は、その前方部分を前脚22の中間部分に回動可能に連結され、その後方部分を第1リンク材26の下方部分に回動可能に連結されている。なお、図示する例では、一対の前脚22の間および一対の後脚24の間に配置された板状の部材の側部分によって、第2リンク材32が構成されている。すなわち、左第2リンク材および右第2リンク材32は、板状部材の一部分として一体的に形成されている。
また、フレーム部20は、左後脚24と左第1リンク材26とを連結する左第3リンク材34、および、右後脚24と右第1リンク材26とを連結する右第3リンク材34と、をさらに有している。各第3リンク材34は、その一部分において後脚24の中間部分に回動可能(揺動可能)に連結され、他の部分において第1リンク材26の下方部分に回動可能に連結されている。
このような構成からなるフレーム部20に対し、ハンドル36が揺動可能に連結されている。ハンドル36は、フレーム部20から延び出す一対の主部37と、一対の主部37の間を幅方向延びて一対の主部37を連結する中間部38と、を有しており、全体としてU字状に形成されている。ハンドル36は、U字の両端部、すなわち主部37の中間部38とは反対側の端部を、対応する側の第3リンク材34に回動可能(揺動可能)に連結されている。なお、図4に示すように、ハンドル36の第3リンク材34に対する回動軸線(揺動中心)は、第3リンク材34と第1リンク材26との回動軸線、および、第1リンク材26と第2リンク材32との回動軸線と一致している。
また、背面押し位置にあるハンドル36は、図4に示すように、ハンドル36に摺動可能に設けられた摺動保持部材39と、アームレスト28または第1リンク材26に設けられた第1ハンドル保持部材27aと、の係合によって、第1リンク材26と略平行に延びるように保持される。一方、対面押し位置にあるハンドル36は、ハンドル36に摺動可能に設けられた摺動保持部材39と、アームレスト28に設けられた第2ハンドル保持部材27bと、の係合によって、前方上方に延びるように保持される(図1の二点鎖線を参照)。
なお、図1に示すように、ハンドル36の右側主部37の上方部分には、ブレーキ操作手段13が設けられている。ブレーキ操作手段13を操作することにより、操作伝達手段14を介して、図示しない後輪18の制動機構を操作することができる。
また、ベビーカー10の横方向(幅方向)に延びる部材として、一対の前脚22の間を連結するフットレスト17と、一対の後脚24の間を連結する後方連結材19と、が設けられている。
以上のような全体構成を有したベビーカー10は、各構成部材を互いに回動させることにより、折り畳むことができる。具体的には、背面押し位置に配置されたハンドル36をいったん後上方に引き上げ、その後、下方に押し下げることによって、第3リンク材34を後脚24に対し図2において時計回り方向に回動させる。この操作にともなって、アームレスト28および第2リンク材32は第1リンク材26に対し図2において時計回り方向に回動する。図3に示すように、この操作により、側面視においてハンドル36と前脚22とが接近して略平行に配置されるとともに、ハンドル36の配置位置が下げられるようになる。以上のようにして、ベビーカー10(ベビーカー本体11)を折り畳むことができ、ベビーカー10の前後方向および上下方向に沿った寸法を小型化することができる。一方、ベビーカー10(ベビーカー本体11)を折り畳み状態から展開するには、上述した折り畳み操作と逆の手順を踏めばよい。
ところで、図4に示すように、第1リンク材26にはロック部材30が設けられている。ロック部材30は、第1リンク材26の長手方向に沿って第1リンク材26に対して摺動可能となっている。ロック部材30は、図示しない付勢手段、例えばバネによって、第1リンク材26の下方部分に設けられた第3リンク材34に向けて付勢されている。そして、図4に示すように、ロック部材30は、第3リンク材34に嵌り込むようになっている。第1リンク材26に設けられたロック部材30が第3リンク材34と係合することにより、第3リンク材34の第1リンク材26に対する回動が規制され、ベビーカー本体11の折り畳み動作が規制され、ベビーカー本体11が展開状態に保持されるようになる。
一方、ベビーカー10には、このロック部材30を操作する折り畳み操作機構40が設けられている。図4に示すように、ロック部材30は、幅方向外方に向けて延び出た受け片31を有している。一方、折り畳み操作機構40は、受け片31に下方から当接する解除部材41を有している。そして、折り畳み操作機構40を操作すると、解除部材41が受け片31を介してロック部材30を第1リンク材26の長手方向に沿って持ち上げ、ロック部材30と第3リンク材34との係合を解除する。すなわち、折り畳み操作機構40によって解除部材41を操作することにより、ベビーカー本体11(ベビーカー10)を折り畳み可能にすることができる。折り畳み操作機構40についは、折り畳み操作機構40の操作を規制する第1操作規制機構55および第2操作規制機構とともに、後述する。
なお、本明細書中において、ベビーカーに対する「前」、「後」、「上」および「下」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にあるベビーカー10に乗車する乳幼児を基準とした「前」、「後」、「上」および「下」を意味する。したがって、ベビーカー10の「前後方向」とは、図1における紙面の左下と右上とを結ぶ方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、乗車した乳幼児が向く側であり、図1における紙面の右上側がベビーカー10の前側となる。一方、ベビーカー10の「上下方向」とは前後方向に直交するとともにベビーカー10の接地面に直交する方向である。したがって、ベビーカー10の接地面が水平面である場合、「上下方向」とは垂直方向をさす。また、「横方向」および「幅方向」とは、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。さらに、「右」および「左」についても、それぞれ、ベビーカー10に乗車する乳幼児を基準とした横方向または幅方向における「右」および「左」のことを意味する。したがって、例えば右側の前脚22および後脚24とは、図1の手前側に示された前脚22および後脚24のことであり、左側の前脚22および後脚24とは、図1の奥側に示された前脚22および後脚24のことを指す。
次に、主に図5〜図11を参照しながら、折り畳み操作機構40、第1操作規制機構55および第2操作規制機構60について詳述する。図5〜図11に示すように、折り畳み操作機構40は、ベビーカー本体11の折り畳み動作が規制されるようになる規制位置と、ベビーカー本体11の折り畳み動作を可能にする解除位置と、の間を移動可能な解除部材41と、解除部材41に接続され、操作されることによって解除部材41を規制位置から解除位置へ移動させる主操作部材50と、を有している。第1操作規制機構55および第2操作規制機構60は、それぞれ、主操作部材50を用いた解除部材41の操作が規制されるロック位置と、主操作部材50を用いた解除部材41の操作が可能となる非ロック位置と、の間を移動可能な規制解除操作部材56、61を、有している。
まず、折り畳み操作機構40について説明する。折り畳み操作機構40は、規制位置(図7に示された状態)と解除位置(図8に示された状態)との間を移動可能な解除部材41と、解除部材41に接続された主操作部材50と、を有するとともに、さらに、主操作部材50の動作を解除部材41に伝達する伝達手段43を有している。
図5〜図10に示すように、折り畳み操作機構40は、ハンドル36に設けられている。図1〜図3、図5、図6に示すように、ハンドル36の中間部38の中央には、ケーシング95が設けられている。このケーシング95と一対の筒状部材、例えば一対の金属製パイプとによって、主として、ハンドル36が構成されている。図5および図6に示すように、ケーシング95内に設けられた支持軸部材96を介して、折り畳み操作機構40の主操作部材50が、ケーシング95に対して回動自在に取り付けられている。主操作部材50は、支持軸部材96に挿通され、支持軸部材96を中心としてケーシング95に対して回動可能に連結された回動部50bと、主操作部材50bから延び出たレバー部50aと、を有している。レバー部50aは、ケーシング95の第1開口95aを介してケーシング95から延び出ており、ケーシング95の外部から主操作部材50を操作し得るようになっている。
一方、図7および図8に示すように、ハンドル36の主部37の下方部分に、言い換えると、背面押し位置にあるハンドル36のうちのロック部材30と幅方向に対面する部分に、支持部材91が設けられている。支持部材91は、ハンドル36の主部37の内部に固定されている。支持部材91には、主部37の長手方向に延びる支持長穴91aが設けられている。図7および図8に示すように、解除部材41は、この支持長穴91a内に配置され、支持長穴91a内を移動可能となっている。すなわち、解除部材41は、支持長穴91aに誘導されて、ハンドル36の主部37の長手方向に沿って、主部37および支持部材91に対して摺動可能となっている。
図4、図7および図8に示すように、解除部材41は、ハンドル36の主部37内において、支持部材91の支持長穴91aに配置された本体部(解除部材本体部)41aと、ベビーカー10の幅方向に本体部41aから突出した突出部(解除部材突出部、突出ピン)41bと、を有している。図7および図8に示すように、支持部材91と本体部41aとの間には、例えば圧縮バネ等からなる主付勢部材49が設けられている。この主付勢部材49によって、解除部材41は、ハンドル36の主部37に沿って下方に、すなわち、主操作部材50から離間する向きに付勢されている。
突出部41bは、主部37に形成された第1長穴37aを貫通し、ハンドル36の外に延び出ている。第1長穴37aは、突出部41bの移動方向に沿って、すなわち、主部37の長手方向に沿って延びている。図4に示すように、突出部41bは、ベビーカー本体11の第1リンク材26上に設けられたロック部材30の受け片31に下方から当接することができる。そして、折り畳み操作機構40が操作されて、解除部材41が主部37に沿って上方に摺動すると、突出部41bが受け片31に下方から当接して、ロック部材30が第1リンク材26に沿って上方に摺動するようになる。ロック部材30が上方に移動すると、ロック部材30と第3リンク材34との係合が解除され、ベビーカー本体11の折り畳み動作が可能となる。すなわち、ここで説明した例において、主付勢部材49によって付勢されるべき位置が、ベビーカー本体11の折り畳み動作が規制されるようになる解除部材41の規制位置である。一方、主付勢部材49の付勢力に抗して主部37に沿って上方に移動した位置が、ベビーカー本体11の折り畳み動作を可能にする解除部材41の解除位置となる。
次に、折り畳み操作機構40の伝達手段43について説明する。図示する例では、ロック部材30が、左右の第1リンク材26にそれぞれ設けられ、解除部材41も、一対のロック部材30に対応して、ハンドル36の左右の主部37にそれぞれ設けられている。このため、伝達手段43も、一対のロック部材30に対応して、一対設けられている。そして、各伝達手段43は、ケーシング95に設けられた主操作部材50と、主部37に設けられた解除部材41と、の間を延びている。すなわち、各伝達手段43は、ケーシング95にそれぞれ接続され且つケーシング95とともにハンドル36を構成する筒状部材内を、延びている。
ただし、図1に示されているように、第2操作規制機構60は、左側の主部37のみに設けられ、右側の主部37には設けられていない。このため、図示された例では、伝達手段43の構成も、第2操作規制機構60が設けられている側と、第2操作規制機構60が設けられていない側とで異なっている。
具体的には、図5〜図11に示すように、第2操作規制機構60が設けられている側の伝達手段43、すなわち、左側の伝達手段43(図5および図6における図面の右側の伝達手段)は、主操作部材50に接続された第1接続部材45と、解除部材41に接続された第2接続部材46と、第1接続部材45および第2接続部材46を連結する保持解除部材44と、を有している。第1接続部材45および第2接続部材46は、金属線(針金)等の公知の手段によって構成され得る。図5〜図8に示すように、第1接続部材45は、回動部50bおよび保持解除部材44に両端を接続された柔軟なワイヤ等からなる第1線状部材45aと、第1線状部材45aが摺動可能に挿通する第1筒状部材45bと、を有している。第1筒状部材45bの両端は、回動部50bおよび保持解除部材44の近傍となる位置において、ハンドル36に固定されている。第2接続部材46は、保持解除部材44および解除部材41に両端を接続された柔軟なワイヤ等からなる第2線状部材46aと、第2線状部材46aが摺動可能に挿通する第2筒状部材45bと、を有している。第2筒状部材46bの両端は、保持解除部材44および解除部材41の近傍となる位置において、ハンドル36に固定されている。
一方、第2操作規制機構60が設けられていない側の伝達手段43、すなわち、右側の伝達手段43(図5および図6における図面の左側の伝達手段)は、主操作部材50と解除部材41との間を延びる接続部材47を有している。図示された例において、接続部材47は、回動部50bおよび解除部材41に両端を接続された柔軟なワイヤ等からなる線状部材47aと、線状部材47aが摺動可能に挿通する筒状部材47bと、を有している。筒状部材47bの両端は、回動部50bおよび解除部材41の近傍となる位置において、ハンドル36に固定されている。
図5および図6に示すように、線状部材45a,47aの一端が固定された主操作部材50の回動部50bは、円板状の外輪郭を有している。円板状からなる回動部50bの外周面には、線状部材45a,47aを巻き取り可能な誘導溝52が形成されている。そして、図5に示された主操作部材50の位置から、図6に示された主操作部材50の位置まで、レバー部50aを操作して回動部50bを回動させると、線状部材45a,47aが、筒状部材45b,47bからケーシング95内に引き出され、回動部50bの誘導溝52に巻き取られるようになる。
このとき、右側の伝達手段43(図5および図6における図面の左側の伝達手段)においては、線状部材47aの筒状部材47bに対する相対移動により、解除部材41が、主付勢部材49に抗して規制位置から解除位置まで移動する。左側の伝達手段43(図5および図6における図面の右側の伝達手段)においては、第1線状部材45aの第1筒状部材45bに対する相対移動により、保持解除部材44を介して、第2線状部材46aが第2筒状部材46bから第1接続部材45の側に引き出される。結果として、第2線状部材46aの第2筒状部材46bに対する相対移動により、解除部材41が、主付勢部材49に抗して規制位置(図7の位置)から解除位置(図8の位置)まで移動する。
すなわち、折り畳み操作機構40によれば、主操作部材50を操作することにより、一対の解除部材41をそれぞれ規制位置から解除位置へ移動させることができる。したがって、主操作部材50を操作することにより、一対のロック部材30を移動させて、各ロック部材30と対応する側の第3リンク材34との係合を解除し、ベビーカー本体11を折り畳み可能な状態とすることができる。一方、主操作部材50に外力が加えられていない状態においては、主付勢部材49からの付勢力によって、解除部材41が解除位置から規制位置まで移動する。これにともなって、各ロック部材30が対応する側の第3リンク材34と係合し、ベビーカー本体11の折り畳み動作が規制される。なお、保持解除部材44については、第2操作規制機構60とともに後に詳述する。
次に、第1操作規制機構55について説明する。上述したように、第1操作規制機構55は、操作されることによって、主操作部材50を用いた解除部材41の操作を規制する第1ロック位置(図5の位置)から、主操作部材50を用いた解除部材41の操作を可能にする第1非ロック位置(図6の位置)まで移動可能な第1規制解除操作部材56を有している。
図5および図6に示すように、第1規制解除操作部材56は、折り畳み操作機構40の主操作部材50の近傍に配置されている。このため、第1規制解除操作部材56は、第1ロック位置において、主操作部材50と直接接触し、第1規制解除操作部材56の動作を規制するようになっている。すなわち、第1操作規制機構55は、折り畳み操作機構40の主操作部材50と係合して主操作部材50の動作を規制し、主操作部材50を用いた解除部材41の操作を規制することができる。
図5および図6に示すように、第1規制解除操作部材56は、主操作部材50と同様にケーシング95内に配置されている。図5および図6に示すように、ケーシング95内には、第1規制解除操作部材56と係合する誘導溝97が形成されている。第1規制解除操作部材56は、誘導溝97に誘導されて、ケーシング95に対して一定の方向のみに摺動可能に支持されている。第1規制解除操作部材56は、ケーシング95の第2開口95b内に延び入った操作凸部56aを有している。この操作凸部56aを介して、ケーシング95の外部から第1規制解除操作部材56を操作し得るようになっている。
図5および図6に示すように、第1規制解除操作部材56は、板状の部材として形成されている。第1規制解除操作部材56には、板状の本体部からケーシング95の内方に向けて延び出した操作規制係合部(係合突出部)57が設けられている。この操作規制係合部57は、主操作部材50の回動部50bに形成された切欠部(操作規制溝)51と係合し得るようになっている。
図5および図6に示すように、ケーシング95と、第1規制解除操作部材56との間には、例えば引っ張りバネからなる第1規制付勢部材59が設けられている。この第1規制付勢部材59は、操作規制係合部57が主操作部材50から離間する第1非ロック位置(図6の位置)から、操作規制係合部57が主操作部材50の切欠部51と係合して主操作部材50の動作を規制する第1ロック位置(図5の位置)に向けて、第1規制解除操作部材56を付勢している。すなわち、第1規制解除操作部材56および主操作部材50に操作力が加えられていない場合、第1規制解除操作部材56は、第1規制付勢部材59によって、第1非ロック位置から付勢されて第1ロック位置へ戻される。
このような構成によれば、第1規制解除操作部材56が第1非ロック位置に配置されて主操作部材50の動作が開始されると、第1規制解除操作部材56から手を離したとしても、第1規制解除操作部材56は動作中の主操作部材50の回動部50bの外周面に当接するようになり、第1ロック位置への復帰が阻まれる。その一方で、主操作部材50の操作が終了して、主付勢部材49からの付勢力によって解除部材41が規制位置に戻ると、第1規制付勢部材59からの付勢力によって、第1規制解除操作部材56は自動的に第1ロック位置に復帰するようになる。すなわち、ベビーカー10を折り畳もうとする保護者は、操作部材50の操作が開始されるまでの間だけ、第1規制付勢部材59に抗して第1規制解除操作部材56を第1非ロック位置へ移動させておけばよい。そして、ベビーカー10の展開状態においては、第1規制解除操作部材56が自動的に第1ロック位置に復帰し、意図しないベビーカー10(ベビーカー本体11)の折り畳み操作を効果的に防止することができる。
なお、図5に示すように、第1非ロック位置において、切欠部51に当接して主操作部材50の動作を規制するようになる操作規制係合部57の当接面57aは、第1規制解除操作部材56のケーシング95に対する摺動方向と平行になっている。したがって、第1規制解除操作部材56が第1ロック位置に位置する際に、主操作部材50を操作しようとする力が加えられたとしても、当接面57aを介して第1規制解除操作部材56に伝達される力は、第1規制解除操作部材56を摺動させる方向には作用しない、或いは、少なくとも第1規制解除操作部材56を摺動させる大きな力とはなり得ない。したがって、誤操作等によって意図せずベビーカー本体11の折り畳み動作が始まってしまうことをより効果的に防止することができる。
次に、第2操作規制機構60について説明する。上述したように、第2操作規制機構60は、操作されることによって、主操作部材50を用いた解除部材41の操作を規制する第2ロック位置(図7の位置)から、主操作部材50を用いた解除部材41の操作を可能にする第2非ロック位置(図8〜図10の位置)まで移動可能な第2規制解除操作部材61を有している。また、この第2規制解除操作部材61は、操作されて第2ロック位置から第2非ロック位置まで移動すると第2非ロック位置に保持されるようになっている。第2規制解除操作部材61の第2非ロック位置への保持は、当該第2規制解除操作部材61が第2非ロック位置に位置するとともに第1規制解除操作部材56が第1非ロック位置に位置した状態で主操作部材50が操作されることによって、解除されるようになっている。
図7および図8に示すように、第2操作規制機構60は、第2規制解除操作部材61に接続された操作規制部材70を有している。図7に示すように、第2規制解除操作部材61が第2ロック位置に位置する際に、解除部材41の規制位置から解除位置までの移動経路内に、操作規制部材70の少なくとも一部分が入り込むようになっている。すなわち、第2規制解除操作部材61が第2ロック位置に位置すると、解除部材41が、規制位置から解除位置まで移動することが不可能となり、ベビーカー10(ベビーカー本体11)の折り畳み動作を実施することができない。すなわち、第2操作規制機構第60の他方は、解除部材41と係合して解除部材41の動作を規制し、主操作部材50を用いた解除部材41の操作を規制することができる。
図示された例において、操作規制部材70は、揺動軸部材71を介して支持部材91に揺動可能に連結されている。操作規制部材70は、第2規制解除操作部材61が第2ロック位置に位置する際に配置される係合位置(図7の位置)と、第2規制解除操作部材61が第2非ロック位置に位置する際に配置される非係合位置(図8の位置)と、の間を揺動することによって移動可能となっている。
操作規制部材70は、係合位置に位置する際に解除部材41と接触するようになる接触部70aを有している。図示された例では、操作規制部材70の揺動軸線71aと平行な方向から観察した場合、つまり、図7および図8において、操作規制部材70の接触部70aと操作規制部材70の揺動軸線71aとを結ぶ方向daが、図7に示された操作規制部材70が係合位置に配置されている場合において、解除部材41の規制位置から解除位置に向けた移動方向(つまり、主部37の長手方向)と平行になっている、或いは、解除部材41の規制位置から解除位置に向けた移動方向に対して操作規制部材70が非係合位置に配置されている場合(図8の場合)とは逆側に傾斜している。このような構成によれば、操作規制部材70が係合位置に配置されている際に、主操作部材50を操作しようとする力が加えられたとしても、解除部材41から接触部70aを介して操作規制部材70に伝達される力は、操作規制部材70を揺動させる方向には作用しない、或いは、少なくとも操作規制部材70を揺動させる大きな力となり得ない。このため、誤操作等によって意図せずベビーカー本体11の折り畳み動作が始まってしまうことをより効果的に防止することができる。
図7および図8に示すように、第2規制解除操作部材61は、ハンドル36の主部37に沿って当該ハンドル36の長手方向に摺動可能に設けられている。第2規制解除操作部材61は、一例として筒状に形成されており、主部37が第2規制解除操作部材61内を通過している。図7および図8に示すように、第2規制解除操作部材61は、ハンドル36の主部37に形成された第1長穴37aを貫通する保持ピン62を有している。第2長穴37bは主部37の長手方向に延びており、この第2長穴37bと保持ピン62とが係合することにより、ハンドル36上における第2規制解除操作部材61の摺動可能範囲が画定されている。
第2規制解除操作部材61は、主操作部材50を用いた解除部材41の操作が可能となる第2非ロック位置において、第2規制解除操作部材61の摺動可能範囲のうちの上方に位置する。一方、第2規制解除操作部材61は、主操作部材50を用いた解除部材41の操作が規制される第2ロック位置において、第2非ロック位置よりも下方に位置する。すなわち、第2規制解除操作部材61は、重力により、第2非ロック位置から第2ロック位置に配置されやすくなる。したがって、第2操作規制機構60がより有効に機能し、意図せずベビーカー本体11の折り畳み動作が始まってしまうことをより効果的に防止することができる。
第2規制解除操作部材61の内面には、筒状からなる第2規制解除操作部材61が外方に膨出することによって、長溝61cが形成されている。長溝61cは、第2ロック位置と第2非ロック位置とを結ぶ方向、すなわち、ハンドル36の主部37の長手方向に延びている。一方、ハンドル36の主部37からは、付勢受け突出片86が外方に突出している。付勢受け突出片(突出片)86は、長溝61c内に収容されている。なお、上述した保持ピン62と第2長穴37bとの係合に加え、付勢受け突出片86と長溝61cとの係合によって、第2規制解除操作部材61のハンドル36に対する摺動が案内され、これにより、第2規制解除操作部材61の摺動を円滑にすることができる。
長溝61cと突出片86との間には、例えば圧縮バネからなる第2規制付勢部材89が設けられている。この第2規制付勢部材89は、図8に示された第2非ロック位置から図7に示された第2ロック位置に向けて第2規制解除操作部材61を付勢している。すなわち、第2規制解除操作部材61は、第2規制付勢部材89からの付勢力によって、後述するようにして第2非ロック位置に保持されていない状態において、第2非ロック位置から付勢されて第1ロック位置へ戻される。このような構成では、第2規制解除操作部材61を付勢するための機構が、ハンドル36の外部に設けられているので、ハンドル36の内部スペースを有効に利用することができる。例えば、ハンドル36を必要以上に大きく又は太くすることなく、第2規制解除操作部材61の第2非ロック位置への保持を解除する後述の機構をハンドル36の内部に配置することができる。
なお、図9および図10に示すように、付勢受け突出片86は、ハンドル36の主部37に形成された挿通孔(第2挿通孔37d)を介して、後述する主部37の内部に固定されたケーシング80に嵌め込まれて保持されている。
図7および図8に示すように、ハンドル36の主部37からは、ハンドル36内に没入可能に外方へ向けて突出した保持部材85が設けられている。保持部材85は、ハンドル36の内部の設けられた保持付勢部材88によって、外方に向けて付勢されている。一方、筒状に形成された第2規制解除操作部材61には、保持部材85を受ける凹部61aが形成されている。この凹部61aに、保持部材85の先端が係合することによって、第2規制解除操作部材61が第2ロック位置に保持される。図示された例において、凹部61aは、第2規制解除操作部材61を貫通する貫通穴として形成されている。ただし、凹部61aは、底を有する有底の穴として形成されていてもよい。
また、図7および図8に示すように、第2規制解除操作部材61は、凹部61aに隣接した位置に誘導部61bを有している。誘導部61bは、保持部材85の先端に係合して、保持部材85を凹部61aへ誘導する斜面を含んでいる。誘導部61bは、第2規制解除操作部材61が第2ロック位置から第2非ロック位置へ摺動する際に凹部61aの前方となる位置において、第2規制解除操作部材61に設けられている。誘導部61bは、凹部61aの上方において、外方に壁面が広がっていく拡径部として構成されている。このような誘導部61bによれば、ハンドル36の長手方向に直交する方向へ向けてハンドル36から突出する保持部材85を滑らか且つ安定して凹部61aへ誘導して、第2規制解除操作部材61を第2非ロック位置に保持することができる。これにより、ベビーカーの折り畳み操作を容易且つ安定して実施することが可能となる。
以上のように、第2操作規制機構60の第2規制解除操作部材61と操作規制部材70とは、離間して設けられている。このため第2操作規制機構60は、第2規制解除操作部材61の動作を操作規制部材70に伝達する伝達手段として、接続部材68を有している。接続部材68は、第2規制解除操作部材18と操作規制部材70との間に設けられ、第2規制解除操作部材18と操作規制部材70とを連結している。接続部材68は、金属線(針金)等の公知の手段によって構成され、一例として上述した伝達手段43をなす柔軟なワイヤ等からなる線状部材と当該線状部材が摺動可能に挿通する筒状部材との組み合わせから構成され得る。
図示された例において、接続部材68は、自立可能な棒状の部材、例えば自立可能な金属棒から構成されている。接続部材68の一端は、輪状に曲げられ、当該輪状部を上述した保持ピン62が挿通することにより、保持ピン62を介して第2規制解除操作部材61に支持されている。接続部材68の他端は、折り曲げられて、操作規制部材70の揺動軸線71aと平行な方向に延びて操作規制部材70を貫通している。操作規制部材70は、接続部材68の他端を中心として、接続部材68に対して回動可能となっている。このような接続部材68によれば、極めて安価で単純な構成により、第2規制解除操作部材61の動作を操作規制部材70に伝達することができる。
ところで、図7および図8に示すように、ハンドル36の主部37内には、ケーシング80が固定されている。ケーシング80は、互いに嵌め合わされた第1部材81および第2部材82によって形成されている。図9および図10に示すように、ケーシング80の内部には、上述した保持解除部材44が配置される収容スペース83が形成されている。保持解除部材44は、収容スペース83内にて、ハンドル36の主部37の長手方向に沿って移動可能(摺動可能)となっている。上述したように、保持解除部材44には、第1接続部材45の第1線状部材45aの一端および第2接続部材46の第2線状部材46aの一端が接続されている。このため、ケーシング80には、第1線状部材45aが通過するための第1通過穴83aと、第2線状部材45bが通過するための第2通過穴83bと、が設けられている。
第2規制解除操作部材61と係合して第2規制解除操作部材61を第2非ロック位置に係止する保持部材85は、ケーシング80内に保持されている。そして、ケーシング80内に配置された保持解除部材44は、主操作部材50が操作されて解除部材41が規制位置から解除位置へ引き上げられる際に、保持部材85と係合して保持部材85をケーシング80内に引き込むように動作する。このような構成によれば、極めて簡易な構成により、第2規制解除操作部材61の第2非ロック位置への保持を、主操作部材50の操作に連動して、自動的に解除することが可能となる。
図9および図10に示すように、保持部材85は、拡径されたつば部85bと、つば部85bの両側に位置する突入部85aおよび支持部85cと、を有している。突入部85aは、第1部材81に設けられた挿通孔81aと、ハンドル36の主部37に設けられた挿通孔(第1挿通孔)37cと、を摺動可能に挿通している。突入部85aは、挿通孔81aおよび挿通孔37cに案内されながらケーシング80に対して摺動することにより、ハンドル36から外方に突出して第2規制解除操作部材61の凹部61aに係合し得る。一方、第1部材81の挿通孔81aと対面する位置において、第2部材82に支持凹部82aが形成されている。支持凹部82aには、例えば圧縮バネからなる保持付勢部材88が支持されている。保持付勢部材88は、保持部材85の突入部85aがハンドル36から外方に突出するよう、保持部材85を付勢している。その一方で、保持付勢部材88の付勢力に抗して、保持部材85をケーシング80内に引き込むことにより、保持部材85と第2規制解除操作部材61の凹部61aとの係合を解除することができる。
図示された例において、保持部材85の支持部85cは、圧縮コイルバネからなる保持付勢部材88内に挿入されて、保持付勢部材88を支持している。また、保持付勢部材88の端部は、保持部材85のつば部85bに当接している。このような態様によれば、保持部材85の突入部85aが挿通孔81aおよび挿通孔37cに案内されることとの組み合わせによって、保持部材85のハンドル36に対する動作を安定して円滑に行うことができる。
図9および図10に示すように、保持解除部材44は、保持部材85のつば部85bと、第1部材81の収容スペース83を形成する底面と、の間に配置されている。保持解除部材44の厚さは一定ではない。保持解除部材44の厚みは、解除部材41を規制位置から解除位置へ移動させる際の保持解除部材44の移動において前方となる側において薄く、当該保持解除部材44の移動において後方となる側において厚くなっている。これにより、ハンドル36の主部37の長手方向に移動する保持解除部材44が保持部材85と係合することによって、主部37の長手方向と交差する方向、典型的には、主部37の長手方向と直交する方向へ保持部材85を移動させることが可能となる。
より具体的には、図9および図10に示すように、保持解除部材44は、保持解除部材44の移動方向および保持部材85の移動方向の両方に対して傾斜した傾斜部44aを有している。主操作部材50を操作することによって移動する保持解除部材44の傾斜部44aは、保持部材85のつば部85bに当接する。傾斜部44aがつば部85bに当接することによって、保持部材85を第1部材81の側から第2部材の側へ移動させ、当該保持部材85をケーシング80内に引き込むことが可能となる。これにより、保持部材85と第2規制解除操作部材61の凹部61aとの係合を解除することができる。
なお、凹部61aとの係合を解除された第2規制解除操作部材61は、第2規制付勢部材89からの付勢力によって、第2非ロック位置から第2ロック位置へ向けて移動を開始する。すなわち、保持解除部材44に設けられた傾斜部44aによれば、保持解除部材44の動作を、方向を変換して、保持部材85に安定して伝達することが可能となる。これにより、簡易な構成を用いながら、主操作部材50の操作にともなって、第2規制解除操作部材61の第2非ロック位置への保持を、より安定して且つより確実に自動的に解除することができる。
なお、図示された例では、保持解除部材44の移動方向および保持部材85の移動方向の両方に対して傾斜した傾斜部44aが、保持解除部材44に設けられている。しかしながら、保持解除部材44の移動方向および保持部材85の移動方向の両方に対して傾斜した傾斜部が、保持解除部材44および保持部材85の両方、或いは、保持部材85のみに設けられていても同様の作用効果を得ることができる。一例として、つば部85bの保持解除部材44に対面する面が傾斜部として形成されていてもよい。
また、図9および図10に示すように、保持部材85は、収容スペース83を延びており、収容スペース83内に配置された保持解除部材44と係合するようになっている。図9〜図11に示すように、保持解除部材44は、その厚み方向に延びる貫通孔44bを形成されている。そして、保持部材85の突入部85aは、保持解除部材44の貫通孔44bを貫通して延びている。このような構成によれば、異なる方向、とりわけ直交する方向に移動可能な保持解除部材44および保持部材85が互いの動作を案内し合うことになる。これにより、保持解除部材44および保持部材85が予定された方向に滑らかに動作することが可能となる。また、異なる方向に移動する保持解除部材44および保持部材85をケーシング80内の狭い収容スペース83内に配置することも可能となる。
とりわけ、図示された例では、図11に示すように、貫通孔44bの両側に傾斜部44aが形成されており、図11に点線で外輪郭を示した保持部材85のつば部85bは、二箇所において、傾斜部44aと係合することができる。これにより、折り畳み操作機構40の伝達手段43の一部分をなす保持解除部材44を用いることによって、より安定して、保持部材85をハンドル36内に引き込むことができる。
なお、図示された例においては、保持解除部材44に貫通孔44bが形成され、当該貫通孔44bを保持部材85が挿通するようになっているが、これに限られず、保持部材85に形成された貫通孔を保持解除部材44が挿通するようにしてもよい。
以上のような構成からなるベビーカー10を折り畳む際の手順をまとめて説明すると次のようになる。
まず、第2操作規制機構60の第2規制解除操作部材61を、ハンドル36の主部37に沿って、第2ロック位置から第2非ロック位置まで摺動させる。この操作により、第2規制解除操作部材61の凹部61aにハンドル36から外方に突出する保持部材85が嵌り込み、第2規制解除操作部材61が第2非ロック位置に保持されるようになる。第2規制解除操作部材61の第2ロック位置から第2非ロック位置への移動は、接続部材68を介して、操作規制部材70に伝達される。操作規制部材70は、折り畳み操作機構40の解除部材41の規制位置から解除位置へ向けて移動を阻害する係合位置から、規制位置と解除位置との間の解除部材41の移動経路外に配置される係合位置へ移動する。すなわち、第2規制解除操作部材61の操作によって、第2操作規制機構60による解除部材41の移動の規制が解除される。
なお、第2規制解除操作部材61の摺動方向は、ハンドル36の長手方向に沿っている。一方、保持部材85がハンドル36の外方に向けて付勢される方向は、ハンドル36の長手方向と交差する方向、典型的には、ハンドル36の長手方向と直交する方向である。したがって、第2規制解除操作部材61と保持部材85との係合が意図せず解除されてしまうことを効果的に防止することができる。また、第2規制解除操作部材61の第2非ロック位置へ向けた移動における凹部61aの前方となる位置には、保持部材85の先端に係合して、これにより、保持部材85をハンドル36の内部に押し込み、当該保持部材85の先端を凹部61aまで誘導する誘導部61bが配置されている。このため、第2規制解除操作部材61と保持部材85との係合を安定して円滑に実現することもできる。
第2操作規制機構60を操作した後に、次に、第1操作規制機構55の第1規制解除操作部材56を第1ロック位置から第1非ロック位置まで移動させる。第1操作規制機構55の操作は、第1規制解除操作部材56を単に摺動させるだけであり、且つ、第1規制解除操作部材56は操作しやすいハンドル36の中間部38に設けられている。さらに、第2操作規制機構60の第2規制解除操作部材61は、保持部材85によって第2非ロック位置に保持されているので、第2規制解除操作部材61に手を掛けておく必要もない。したがって、第1操作規制機構55の第1規制解除操作部材56の操作を極めて容易に行って、第1規制解除操作部材56の操作規制係合部57と折り畳み操作機構40の主操作部材50との係合を解除することができる。これにより、第1操作規制機構55による主操作部材50の移動の規制が解除される。
次に、第1規制解除操作部材56を第1非ロック位置に維持した状態で、折り畳み操作機構40の主操作部材50を操作する。これにより、折り畳み操作機構40の解除部材41を規制位置から解除位置まで移動させることできる。この際、解除部材41の動作に伴って、ベビーカー本体11のロック部材30が第3リンク材34から引き離される。すなわち、ロック部材30と第3リンク材34との係合が解除され、ベビーカー本体11を上述した手順で折り畳むことが可能となる。
折り畳み操作機構40の主操作部材50は、第1規制解除操作部材56と同様に、操作しやすいハンドル36の中間部38に設けられている。しかも、第1規制解除操作部材56は、主操作部材50に直接係合することができる程、主操作部材50の近傍に配置されている。したがって、第1規制解除操作部材56を第1非ロック位置に維持しながらも、容易に主操作部材50を操作することもできる。典型的には、第1規制解除操作部材56と主操作部材50とを同じ手で操作することも可能である。すなわち、一方の手で乳幼児を抱きながら、他方の手を用いて、ベビーカー10の折り畳みを行うことも可能となる。
また、主操作部材50を操作して解除部材41を移動させると、主操作部材50の動作を解除部材41に伝達する伝達手段43が、第2規制解除操作部材61と係合している保持部材85をハンドル36の内部に引き込む。これにより、第2規制解除操作部材61は、第2規制付勢部材89からの付勢力によって、第2非ロック位置から第2ロック位置へ向けた移動を開始する。すなわち、第2規制解除操作部材61が第2非ロック位置に位置するとともに第1規制解除操作部材56が第1非ロック位置に位置する状態で主操作部材50が操作されると、第2規制解除操作部材61は、第2非ロック位置への保持を自動的に解除される。したがって、ベビーカー10の展開状態においては、第2規制解除操作部材61が自動的に第2ロック位置に復帰し、意図しないベビーカー10(ベビーカー本体11)の折り畳み動作を効果的に防止することができる。
以上のように本実施の形態によれば、ベビーカー10は、折り畳み可能なベビーカー本体11と、ベビーカー本体11を展開状態に保持するロック部材30を遠隔操作する折り畳み操作機構40と、折り畳み操作機構40の操作を規制する第1操作規制機構55および第2操作規制機構60と、を有している。すなわち、第1操作規制機構55および第2操作規制機構60の両方を解除しなければ、折り畳み操作機構40を開始することができない。したがって、意図せずにベビーカー本体11の折り畳み動作が始まってしまうことを効果的に防止することができる。
そして、本実施の形態によれば、第2規制解除操作部材61は、操作されて第2ロック位置から第2非ロック位置まで移動すると第2非ロック位置に保持され、且つ、当該第2規制解除操作部材61が第2非ロック位置に位置するとともに第1規制解除操作部材56が第1非ロック位置に位置する状態で主操作部材50が操作されると、第2非ロック位置への保持を自動的に解除される。このようなベビーカー10によれば、第2操作規制機構60の第2規制解除操作部材61を一度操作しさえすれば、第2規制解除操作部材61が第2非ロック位置に保持される。したがって、第2規制解除操作部材61から手を離して、次に、第1規制解除操作部材56および主操作部50材を操作し、ベビーカー本体11を折り畳むことができる。すなわち、主操作部材50、第1規制解除操作部材56および第2規制解除操作部材61の三つを同時に操作する必要がないので、ベビーカー本体11の折り畳み操作を容易に実行することが可能となる。また、第1規制解除操作部材56および第2規制解除操作部材61がそれぞれ非ロック位置に位置した状態で主操作部材50が操作されると、第2規制解除操作部材61の第2非ロック位置への保持が自動的に解除される。このため、その後においては、例えばいったん折り畳まれたべビーカー本体11が再度展開された際には、第2操作規制解除機構60が有効に機能して、誤操作等によって意図せずベビーカー本体11の折り畳み動作が始まってしまうことを効果的に防止することができる。すなわち、本実施の形態のベビーカー10によれば、ベビーカー10の折り畳み動作が意図せず開始されることを効果的に抑制することができ、その一方で、意図して折り畳もうとした際にベビーカーを容易な操作によって折り畳むことができる。
また、本実施の形態によれば、第1操作規制機構55および第2操作規制機構60の一方が、主操作部材50と係合して主操作部材50の動作を規制し、主操作部材80を用いた解除部材41の操作が規制され、第1操作規制機構55および第2操作規制機構60の他方が、解除部材41と係合して解除部材41の動作を規制し、主操作部材50を用いた解除部材41の操作が規制される。このようなベビーカー10によれば、第1操作規制機構55および第2操作規制機構60によって、解除部材41の動作と主操作部材50の動作が、それぞれ別個に規制されることになる。したがって、主操作部材50を用いた解除部材41の操作をより確実に規制することができる。これにより、誤操作等によって意図せずベビーカー本体11の折り畳み動作が始まってしまうことをより効果的に防止することができる。
さらに、折り畳み操作機構40、第1操作規制機構55および第2操作規制機構60のすべてがハンドル36に設けられており、操作性に優れる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
例えば、上述した実施の形態において、第2操作規制機構60が設けられている側の伝達手段43、すなわち、左側の伝達手段43(図5および図6における図面の右側の伝達手段)が、主操作部材50に接続された第1接続部材45と、解除部材41に接続された第2接続部材46と、第1接続部材45および第2接続部材46を連結する保持解除部材44と、を有している例を示した。しかしながら、これに限られず、伝達手段43が、単一の接続部材と、この接続部材上に保持された保持解除部材44と、を有するようにしてもよい。より具体的には、伝達手段43を、主操作部材50と解除部材41とに両端を接続された線状部材と、この線状部材上に取り付けられた保持解除部材44と、から構成されるようにしてもよい。あるいは、このような接続部材が、さらに、線状部材が挿通する一以上の筒状部材を有するようにしてもよい。筒状部材は、保持解除部材44と主操作部材50との間並びに保持解除部材44と解除部材41との間のうちの一方または両方に配置され得る。
さらに、上述した実施の形態において説明したベビーカー10のベビーカー本体11の構成は、単なる例に過ぎない。例えば、特開2011−148454に開示されたベビーカーのように、前後方向に小型化するように折り畳んだ後にさらに折り畳んで幅方向にも小型化させ得るよう、ベビーカー10のベビーカー本体11が構成されていてもよい。具体的には、ベビーカー本体11の幅方向に延びる部材、すなわち、ハンドル36の中間部38、フットレスト17および後方連結材19がヒンジ(屈曲点)を有し、これらの部材が、上述したように前後方向に小型化するように折り畳まれた後に、さらに、ヒンジを中心として屈曲し得るようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において説明したベビーカー10のベビーカー本体11において、ハンドル13が背面押し位置(後方位置)と対面押し位置(前方位置)との間を揺動可能に構成されている例を示した。すなわち、上述した実施の形態では、ハンドル36が第1リンク材26とは別途に設けられ、ハンドル36がベビーカー本体11のフレーム部20に対して揺動可能に構成されている例を示した。しかしながら、例えば図12に示すように、ハンドル36が後方位置に固定され、背面押し位置から揺動不可能にベビーカー本体11が構成されていてもよい。図12に示す例においては、ハンドル36の主部37の下端部に相当する部分によって、一対の第1リンク材26が構成されている。言い換えると、第1リンク材26が、アームレスト28との連結箇所を越えてさらに延び、ハンドル36の一部分を構成するようになっている。このようなベビーカー本体11においては、ハンドル36の主部37の下方部分に設けられた解除部材41が、上述した実施の形態におけるロック部材30としても機能し、第3リンク材34と係合してベビーカー本体11を展開した状態に維持するように構成され得る。このようなベビーカー10においても、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。