[go: up one dir, main page]

JP6081771B2 - フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材 - Google Patents

フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材 Download PDF

Info

Publication number
JP6081771B2
JP6081771B2 JP2012237059A JP2012237059A JP6081771B2 JP 6081771 B2 JP6081771 B2 JP 6081771B2 JP 2012237059 A JP2012237059 A JP 2012237059A JP 2012237059 A JP2012237059 A JP 2012237059A JP 6081771 B2 JP6081771 B2 JP 6081771B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
heat ray
phthalocyanine compound
carbon atoms
ray absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012237059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013241563A (ja
Inventor
裕規 辰巳
裕規 辰巳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2012237059A priority Critical patent/JP6081771B2/ja
Priority to PCT/JP2013/062456 priority patent/WO2013162017A1/ja
Publication of JP2013241563A publication Critical patent/JP2013241563A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6081771B2 publication Critical patent/JP6081771B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

本発明は、フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材に関する。特に、本発明は、低い日射透過率(優れた熱線吸収能)及び高い可視光透過率(優れた透明性)を有するフタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材に関する。
したがって、本発明の熱線吸収材は、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどに用いる際に優れた効果を発揮するものである。
太陽エネルギーの熱線遮蔽用として建物や自動車の窓などに使用する場合には、大面積への適用が必要であり、また、十分な透明性が確保される必要がある。太陽光のスペクトルは、紫外−可視−赤外領域に広く分布する。上記用途では、ガラスのような透明性を確保しつつ、熱線を効果的に遮蔽する上で670nm以上の波長の熱線を選択的に吸収することが重要である。
従来、熱線吸収/遮蔽ガラスとしては、板ガラスの表面に反射率の高い金属酸化物の膜をコーティングしたものが知られている。この熱線吸収/遮蔽ガラスは、通常のガラス原料に微量の鉄、ニッケル、コバルト等の金属を加えて着色し、波長による光の選択透過性を持たせたものである。しかしながら、従来の熱線吸収/遮蔽剤として使用されている金属酸化物には、670〜850nmの近赤外域を選択的に吸収できるものはなく、当該波長域の光を十分吸収するためには、添加量を増やす必要がある。しかし、このような場合には、ガラスの透明性の低下を引き起こす場合があり、また、コスト的にも好ましくない。また、金属酸化物を用いて大面積の金属薄膜層の表面を均一に被覆する技術が十分開発されるにはいたっていないため、従来の金属酸化物の被覆(塗布)方法では、大面積の表面に均一な塗布面を形成することが困難であった。
一方で、特定の波長域の光を選択的に吸収する近赤外吸収色素が種々開発されている。特に、フタロシアニン化合物は、可視光透過率が高く、近赤外光線の吸収効率が高く、かつ近赤外域の選択吸収能に優れ、かつ溶媒溶解性に優れ、樹脂との相溶性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐候性にも優れるなど、諸特性に優れている。例えば、特許文献1には、α位に4〜8個の置換または無置換のフェノキシ基および4〜0個のハロゲン原子を、β位に8個の置換または無置換のフェノキシ基を導入したフタロシアニン化合物、および上記フタロシアニン化合物を熱線吸収材に使用することが開示される。
特開2011−94127号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなフタロシアニン化合物であっても、熱線吸収能が十分であるとは必ずしもいえず、より優れた熱線吸収能が求められていた。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、熱線吸収能が向上したフタロシアニン化合物を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、優れた熱線吸収能および透明性(高い可視光透過率)を有するフタロシアニン化合物を提供することである。
本発明の別の目的は、上記したようなフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、少なくとも8個の置換または無置換の2−フェニルフェノキシ基および残部に置換または無置換のフェノキシ基を導入したフタロシアニン化合物は、可視光透過率が高くかつ日射透過率が低いことを見出した。このため、当該フタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、優れた熱線吸収能、特に優れた熱線吸収能および透明性を発揮できることを見出し、上記知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、下記式(1):
上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、下記式(2):
上記式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基(−O−X、この際、Xは、炭素原子数6〜30のアリール基を表わす)、炭素原子数2〜21のエステル基(−C(=O)OXまたは−OC(=O)X、この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、アミノ基(−N(X、この際、Xは、それぞれ独立して、水素原子または、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、炭素原子数1〜20のチオアルコキシ基(−S−X、この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、または−COO(XO)−X[この際、Xは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表わし;Xは、炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし;pは、1〜5の整数である]を表わし;nは、0〜5の整数である、で示される置換基(a)であり、
この際、Z〜Z16のうち、8〜16個は、それぞれ独立して、下記式(3):
上記式(3)中、Rは上記式(2)と同様の定義であり;mは0〜4の整数である、
で示される置換基(b)であり、
Mは、バナジル(VO)またはスズのハロゲン化物である、
で示されるフタロシアニン化合物によって達成される。
本発明のフタロシアニン化合物は、優れた熱線吸収能、特に優れた熱線吸収能(低い日射透過率)および透明性(高い可視光透過率)を有する。ゆえに、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、優れた熱線吸収能を発揮できるため、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどに好適に使用できる。また、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、優れた熱線吸収能および透明性を発揮できるため、高い透明性が要求される建物や自動車の窓などの熱線吸収ガラスにも好適に使用できる。
図1は、フタロシアニン化合物(1)〜(4)および比較フタロシアニン化合物(1)〜(4)の400〜900nmの波長に対する最大吸収波長(λmax)の透過率が10%の時の透過率(%)を示すグラフである。 図2は、フタロシアニン化合物(1)〜(4)および比較フタロシアニン化合物(1)〜(4)の可視光透過率(Tv)に対する日射透過率(Te)を示すグラフである。 図3は、熱線吸収材(1)〜(3)の300〜2500nmの波長に対する透過率(%)を示すグラフである。 図4は、比較熱線吸収材(1)〜(2)の300〜2500nmの波長に対する透過率(%)を示すグラフである。
本発明の第一は、上記式(1)で示されるフタロシアニン化合物に関する。なお、本明細書では、上記式(1)で示されるフタロシアニン化合物を、単に「フタロシアニン化合物」あるいは「本発明に係るフタロシアニン化合物」とも称する。また、本明細書中、上記式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15の置換基を単に「β位の置換基」とも称する、またはZ、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15を総称して「β位」とも称する。同様にして、上記式(1)中、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16の置換基を単に「α位の置換基」とも称する、またはZ、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16を総称して「α位」とも称する。
本発明のフタロシアニン化合物は、少なくとも8個の置換または無置換の2−フェニルフェノキシ基および残部に置換または無置換のフェノキシ基を導入する;及び中心金属がバナジル(VO)またはスズのハロゲン化物である構造を有することに特徴を有する。
上述したように、特許文献1では、α位に4〜8個の置換または無置換のフェノキシ基および4〜0個のハロゲン原子を、β位に8個の置換または無置換のフェノキシ基を導入したフタロシアニン化合物が報告されている。しかし、このフタロシアニン化合物では、フェノキシ基に導入されうる置換基が、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6個のアルキル基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基もしくは−COO(RO)−R(Rは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表わし、Rは、炭素原子数1〜6個のアルキル基を表わす)である。このような置換基を有するフェノキシ基が導入されたフタロシアニン化合物は、可視光透過性には優れるものの、最大吸収波長(λmax)が若干小さく、また、685nm未満に第二の吸収ピーク(サブピーク)を示す。このため、日射透過率が必ずしも十分でなく、さらなる日射透過率の低減(熱線吸収能の向上)が望まれていた。
これに対して、本発明のフタロシアニン化合物では、上記したように全16個のフェノキシ基のうち、少なくとも8個が置換または無置換の2−フェニルフェノキシ基である。これにより、得られるフタロシアニン化合物は、可視光透過率は高く維持したまま、日射透過率をより低減できる(熱線吸収能を向上できる)ことが判明した。このように本発明のフタロシアニン化合物が高い可視光透過率及び低い日射透過率を示す理由は不明であるが、下記のように推測される。なお、本発明は、下記推測に限定されない。すなわち、すべての置換基が−OR(フェノキシ基)であるため、得られるフタロシアニン化合物は高い可視光透過性を発揮する。また、嵩高い2−フェニルフェノキシ基の立体障害により、近傍の置換基(例えば、2−フェニルフェノキシ基がα位に置換基として存在する場合には、隣接β位のフェノキシ基や近傍α位の2−フェニルフェノキシ基)は衝突を回避するために角度をもって重なり合う(例えば、一方はフタロシアニン化合物面に対して平行に配置し、他方はフタロシアニン化合物面に対して垂直に配置するなど)。このため、フタロシアニン化合物全体としてみると、平面部分が大きくなり、共役系が拡張する。また、中心金属のバナジル(VO)またはスズのハロゲン化物と嵩高い置換基である置換または無置換の2−フェニルフェノキシ基とを組み合わせることにより、フタロシアニン化合物構造は歪の大きい構造となり、共役系がより拡張する。このため、フタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)が長波長化し、最大吸収波長及び第二の吸収ピークの双方が、670〜850nm、好ましくは680〜830nm、より好ましくは685〜820nm、特に690〜810nmの波長域に存在する。このため、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、670〜850nm、好ましくは680〜830nm、より好ましくは685〜820nm、特に690〜810nmの波長域の光を選択的に吸収することができ、例えば、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の窓などの熱線吸収ガラスに使用すると、車内や室内の温度の上昇を有効に抑制することができる。
また、このような構造を有する本発明のフタロシアニン化合物は、可視光波長域の内、特に500〜600nmでの透過率が高い。また最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)双方が、670〜850nmの波長域に存在する。JIS R3106(1998)の可視光透過率の算出において、500〜650nmの重価係数は大きく、700〜780nmの重価係数は小さいため、本発明のフタロシアニン化合物の可視光透過率(Tv)は高い。このため、本発明のフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は、非常に透明性に優れるため、建物や自動車の窓などの熱線吸収ガラスに使用されても、十分な視認性を確保できる。
加えて、本発明のフタロシアニン化合物は、溶媒溶解性や樹脂との相溶性に優れ、耐熱性、耐光性、耐候性等の諸特性に優れる。このため、プラスチックフィルムなどへの成型性に優れ、工業的に大面積への塗布(大量生産)が可能であると共に、また、窓ガラスに使用されても、耐久性に優れる。
したがって、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、高い透明性が要求される建物や自動車の窓などの熱線吸収ガラスに好適に使用できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のフタロシアニン化合物は、下記式(1):
で示される。
上記式(1)において、中心金属を表すMは、バナジル(VO)またはスズのハロゲン化物(Sn(L)、この際、Lは、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である)である。このように中心金属をバナジルまたはスズのハロゲン化物とすることによって、フタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)が、670〜850nm、好ましくは680〜830nm、より好ましくは685〜820nm、特に690〜810nmに存在できる。ゆえに、本発明のフタロシアニン化合物は、上記した特定の波長域の光を選択的に吸収することができる。このため、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は優れた熱線吸収性(熱線遮蔽性)を発揮できる。好ましくは、Mは、バナジル(VO)、塩化スズ(SnCl)、臭化スズ(SnBr)、ヨウ化スズ(SnI)であることが好ましく、バナジル(VO)、塩化スズ(SnCl)であることがより好ましく、バナジル(VO)であることが特に好ましい。
上記式(1)において、Z〜Z16は、下記式(2):
で示される置換基(a)(以下、単に「置換基(a)」とも称する)であり、このうち、8〜16個は、下記式(3):
で示される置換基(b)(以下、単に「置換基(b)」とも称する)である。ここで、Z〜Z16は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。このように、すべてのフタロシアニン骨格の置換基を置換または無置換のフェノキシ基で占めることによって、可視光透過率を高めることができる。このため、フタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、優れた透明性を発揮できる。また、このような置換基の配置をとることによって、フタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)双方が、670〜850nmに存在できる。ゆえに、本発明のフタロシアニン化合物は、上記した特定の波長域の光を選択的に吸収することができ、優れた熱線遮蔽効果を発揮できる。また、このような置換基を有するフタロシアニン化合物は、耐光性、耐候性に優れるため、建物や自動車の窓などの熱線吸収材に使用されても、優れた耐久性を発揮する。
ここで、置換基(b)は、8〜16個がフタロシアニン骨格に導入される限り、Z〜Z16のいずれの位置に配置されてもよいが、好ましくは、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16(α位)に置換または無置換の2−フェニルフェノキシ基が導入されることが好ましい。即ち、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16は、それぞれ独立して、上記式(3)で示される置換基(b)であることが好ましい。このような構造のフタロシアニン化合物では、可視光透過率をより高めることができ、当該フタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、優れた透明性を発揮できる。また、α位に置換基(b)が存在すると、2−フェニルフェノキシ基は近距離に隣接するため、衝突を回避するために、隣接する2−フェニルフェノキシ基は角度をもって重なりあう(例えば、一方はフタロシアニン化合物面に対して平行に配置し、他方はフタロシアニン化合物面に対して垂直に配置するなど)。このため、フタロシアニン化合物全体としてみると、平面部分が大きくなり、会合性が上がり、共役系がより拡張するため、最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)双方が、670〜850nm、好ましくは680〜830nm、より好ましくは685〜820nm、特に690〜810nmに存在する。ゆえに、本発明のフタロシアニン化合物は、上記した特定の波長域の光を選択的に吸収することができ、より優れた熱線遮蔽効果を発揮できる。また、このような置換基を有するフタロシアニン化合物は、耐光性、耐候性に優れるため、建物や自動車の窓などの熱線吸収材に使用されても、優れた耐久性を発揮する。加えて、このような構造のフタロシアニン化合物は、一段階で製造可能であるため、製造工程の簡略化、フタロシアニン化合物のコスト面などの点で有利である。
本発明において、Z〜Z16への置換基(a)の導入位置や種類は、均一であっても不均一であってもよいが、置換基(a)がα位またはβ位に均一に導入されることが好ましい。このため、Z〜Z、Z〜Z、Z〜Z12、Z13〜Z16を含む各構成単位を、それぞれ、構成単位A、B、C、Dとすると、各構成単位A、B、C、Dは、それぞれ、同じ組み合わせの置換基(a)で構成されることが好ましい。このように均一な導入/配置により、可視光透過率の向上、上記波長域での光の吸収選択性の向上、耐久性などがより達成されうる。
上記式(2)において、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基(−O−X、この際、Xは、炭素原子数6〜30のアリール基を表わす)、炭素原子数2〜21のエステル基(−C(=O)OXまたは−OC(=O)X、この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、アミノ基(−N(X、この際、Xは、それぞれ独立して、水素原子または、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、炭素原子数1〜20のチオアルコキシ基(−S−X、この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、または−COO(XO)−X[この際、Xは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表わし;Xは、炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし;pは、1〜5の整数である]を表わす。ここで、Rが同一のフェノキシ基中に複数存在する(nが2〜5の整数である)場合に、各Rは、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
これらのうち、透明性(高い可視光透過率)や溶解性などを考慮すると、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜21のエステル基、−COO(XO)−Xであることが好ましい。また、上記波長域での選択的な吸収性[最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)の上記特定波長域での存在]を考慮すると、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜21のエステル基であることが好ましい。
耐光性を考慮すると、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数2〜21のエステル基、−COO(XO)−Xであることが好ましい。これらの置換基をフェノキシ基に導入すると、この導入による立体障害性と電子供与性により、フタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)を長波長域にシフトできる。また、分子内における電子的な安定性が増す。このため、熱線吸収材に媒体を使用した場合であっても、媒体からの攻撃を受けにくく、フタロシアニン化合物の光(特に紫外線)による分解を有効に抑制・防止できる。このため、このようなフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は耐光性、特に紫外線(UV)に対する耐光性に優れる。上記効果は、これらの置換基が、各構成単位中に同数でかつ異なる軸で共存すると、より顕著に発揮できる。このため、これらの置換基は、それぞれ、α位およびβ位に2個ずつ導入されることが特に好ましい。なお、上記は、推測であり、本発明を限定するものではない。
また、上記式(2)において、nは、0〜5の整数であり、Rがフェノキシ基に導入される数は特に制限されない。例えば、nは、1〜4の整数が好ましく、1または2がより好ましい。また、当該置換基のフェノキシ基への結合位置もまた特に制限されない。例えば、nが1である場合には、置換基は、フェノキシ基の、オルト位(2位)、メタ位(3位)またはパラ位(4位)のいずれかの位置に配置されうる。これらのうち、特定波長域への選択的な吸収、溶解性などを考慮すると、2位、4位が好ましく、2位がより好ましい。また、耐光性、特に紫外線(UV)に対する耐光性などを考慮すると、2位、4位が好ましく、4位がより好ましい。置換基数が2個である場合には、置換基は、フェノキシ基の、2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位、3,5位のいずれかの位置に配置されうる。これらのうち、可視透過率などを考慮すると、2,5位、2,6位、2,4位が好ましく、2,5位、2,6位がより好ましい。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性、耐久性等を考慮すると、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、2−テトラオクチル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ヘプタデシル基、1−オクチルノニル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基などの直鎖または分岐鎖のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基などが挙げられる。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、特にメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、特に制限されず、炭素原子数1〜20の直鎖または分岐鎖アルコキシ基が挙げられる。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,2−ジメチル−プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、1−イソプロピルプロポキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐のアルコキシ基、特にメトキシ基及びエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
炭素原子数6〜30のアリール基としては、特に制限はないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基としては、特に制限はなく、式:−O−Xで表される。この際、Xは、炭素原子数6〜30のアリール基を表わす。ここで、炭素原子数6〜30のアリール基は、特に制限されず、上記と同様のアリール基が使用できるため、ここでは説明を省略する。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
炭素原子数2〜21のエステル基としては、特に制限はなく、式:−C(=O)OXまたは−OC(=O)Xで表される。この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす。ここで、炭素原子数1〜20のアルキル基は、特に制限されず、上記と同様のアルキル基が使用できるため、ここでは説明を省略する。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、特にメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アミノ基としては、特に制限はなく、式:−N(Xで表される。この際、Xは、それぞれ独立して、水素原子または、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす。ここで、Xは、同じあっても異なるものであってもよい。また、炭素原子数1〜20のアルキル基は、特に制限されず、上記と同様のアルキル基が使用できるため、ここでは説明を省略する。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、特にメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
炭素原子数1〜20のチオアルコキシ基としては、特に制限はなく、式:−S−Xで表される。この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす。ここで、炭素原子数1〜20のアルキル基は、特に制限されず、上記と同様のアルキル基が使用できるため、ここでは説明を省略する。これらのうち、最大吸収波長や第二のピーク(サブピーク)の特定波長域への存在や耐久性等を考慮すると、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、特にメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式:−COO(XO)−Xの置換基としては、特に制限はない。上記式中、Xは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表わす。ここで、炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基がある。これらのうち、耐久性等を考慮すると、Xは、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、pは、オキシアルキレン基(XO)の繰り返し単位数を表わし、1〜5の整数である。耐久性等を考慮すると、pは、1〜3の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。さらに、Xは、炭素原子数1〜6のアルキル基を表わす。ここで、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのうち、耐久性や溶解性等を考慮すると、炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基、特にメチル基、エチル基が好ましく、フタロシアニン化合物の結晶性などを考慮すると、メチル基がより好ましい。
また、上述したように、本発明のフタロシアニン化合物では、Z〜Z16のうち、8〜16個は、上記式(3)の置換基(b)である。ここで、8〜16個の置換基(b)は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。上記式(3)のRは、上記式(2)中の置換基Rと同様の定義であるため、ここでは説明を省略する。また、上記式(3)において、mは0〜4の整数であり、Rが2−フェニルフェノキシ基に導入される数は特に制限されない。例えば、mは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。また、当該置換基の2−フェニルフェノキシ基への結合位置もまた特に制限されない。例えば、nが1である場合には、置換基は、2−フェニルフェノキシ基の、3〜6位のいずれかの位置に配置されうる。これらのうち、可視透過率などを考慮すると、4位、5位、6位が好ましく、5位、6位がより好ましい。
したがって、本発明に係るフタロシアニン化合物の好ましい例としては、下記化合物がある。なお、本明細書のフタロシアニン化合物の略称において、最初にβ位に置換する8個の置換基を表わし、その後にα位に置換する8個の置換基を表わし、Phはフェニル基を表わし、Pcはフタロシアニン核を表わし、Pcの直前は中心金属を表わす。また、本明細書では、下記構造のフタロシアニン化合物を下記番号にて規定する。例えば、式:(2−(Ph)PhO)(2−(Ph)PhO)VOPcのフタロシアニン化合物は、「フタロシアニン化合物(1)」と称する。
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法は、特に制限されず、例えば、特開2000−26748号公報、特開2001−106689号公報、特開2005−220060号公報に記載の方法などの従来公知の方法を単独であるいは適宜修飾して適用することができる。すなわち、本発明のフタロシアニン化合物の製造方法は、溶融状態または有機溶媒中で、フタロニトリル化合物と金属化合物とを環化反応させる方法が好ましく使用できる。以下、本発明のフタロシアニン化合物の好ましい製造方法を記載する。しかしながら、本発明は、下記好ましい実施形態に制限されるものではない。
下記式(4):
で示されるフタロニトリル化合物を、バナジウムまたはスズの、金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物または有機酸金属(例えば、バナジルの場合には、酸化バナジウム、三塩化バナジウム等のバナジウムのハロゲン化物、カルボニルバナジウム、またはバナジウムの有機酸/塩;スズの場合には、塩化第一スズ、塩化第二スズ等のスズのハロゲン化物)(本明細書中では、一括して「金属化合物」とも称する)と環化反応させることによって、本発明のフタロシアニン化合物が製造できる。
上記式(4)において、Y〜Yは、それぞれ独立して、本発明に係る置換基(a)または置換基(b)に対応し、所望のフタロシアニン化合物の構造によって適宜決定されうる。このため、上記では、本発明のフタロシアニン化合物の構造にかかわらず、フタロニトリル化合物を1つの式にて記載したが、目的とするフタロシアニン化合物の構造によっては、フタロニトリル化合物が2〜4種類となることもある。
ここで、出発原料である式(4)のフタロニトリル化合物は、特開昭64−45474号公報に開示されている方法などの、従来既知の方法により合成でき、また、市販品を用いることもできるが、好ましくは、ハロゲン化フタロニトリル誘導体を、下記式(5):
の化合物と、反応させることによって得られる。上記式(5)中、R及びnは、上記式(2)の定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。ここで、ハロゲン化フタロニトリル誘導体としては、以下に制限されないが、テトラフルオロフタロニトリル、テトラクロロフタロニトリル等が挙げられる。これらのうち、テトラフルオロフタロニトリルが好ましく使用される。テトラフルオロフタロニトリルを出発原料として使用する場合には、上記式(5)の化合物が、テトラフルオロフタロニトリルの4,5位のフッ素原子と優先的に反応する。このため、テトラフルオロフタロニトリルを出発原料として使用することにより、置換基(a)や(b)が、フタロシアニン骨格のβ位に選択的に導入できる。このため、得られるフタロシアニン化合物は、置換基が均一に導入される構造をとりやすい。また、2種以上の置換基をフタロシアニン骨格に導入する場合には、ハロゲン化フタロニトリル誘導体(好ましくはテトラフルオロフタロニトリル)を、まず、β位に導入するための置換基を有する式(5)の化合物と反応させた後、α位に導入するための置換基を有する式(5)の化合物と反応させることによって、所望のフタロニトリル化合物を製造できる。
また、上記態様において、環化反応は、無溶媒中でも行なえるが、有機溶媒を使用して行なうのが好ましい。有機溶媒は、出発原料としてのフタロニトリル化合物との反応性の低い、好ましくは反応性を示さない不活性な溶媒であればいずれでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、o−クロロトルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、エチレングリコール、およびベンゾニトリル等の不活性溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール;ならびにピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが、より好ましくは、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが使用される。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。有機溶媒を使用する際の有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、式(4)のフタロニトリル化合物の濃度が、通常、2〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となるような量である。
式(4)のフタロニトリル化合物と金属化合物との反応条件は、当該反応が進行する条件であれば特に制限されるものではない。例えば、反応温度は、通常、100〜240℃、好ましくは130〜200℃である。反応時間も特に制限はないが、通常、1〜20時間、好ましくは3〜10時間である。また、金属化合物を式(4)のフタロニトリル化合物4モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モルの範囲で仕込む。また、上記反応は、大気雰囲気中で行なってもよいが、金属化合物の種類により、不活性ガスまたは酸素含有ガス雰囲気(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、または酸素/窒素混合ガスなどの流通下)で、行なわれることが好ましい。
上記環化反応後は、従来公知の方法に従って、晶析、ろ過、洗浄、乾燥を行なってもよい。このような操作により、フタロシアニン化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
上記または上記方法によって製造される本発明に係るフタロシアニン化合物は、熱線吸収(遮蔽)効果を鑑みると、可視光透過率(Tv)が高く、かつ日射透過率(Te)が低いことが好ましい。具体的には、本発明のフタロシアニン化合物は、可視光透過率(Tv)が90%のとき、日射透過率(Te)が78.5%未満であることが好ましく、78%以下であることがより好ましく、77.5%以下であることがさらに好ましい。上記特性であると、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどに用いる際に優れた効果を発揮できる。なお、本明細書において、フタロシアニン化合物の「可視光透過率(Tv)(%)」および「日射透過率(Te)(%)」は、JIS R3106(1998)の規格に準じて算出したが、具体的には、下記実施例の方法に従って測定した値を意味する。
また、本発明に係る上記または上記方法によって製造されるフタロシアニン化合物は、670〜850nm、好ましくは680〜830nm、より好ましくは685〜820nm、特に690〜810nmの波長域に最大吸収波長(λmax)および当該λmaxより通常短波長側に現れる第二の吸収ピーク(サブピーク)の双方を有することが好ましい。このような範囲に最大吸収波長(λmax)及び第二の吸収ピーク(サブピーク)を有すると、フタロシアニン化合物は、上記波長域の光を選択的に吸収できるため、本発明に係るフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、太陽光のうち、上記波長域の光を選択的に吸収し、熱線吸収/遮蔽効果に非常に優れる。なお、本明細書において、フタロシアニン化合物の「最大吸収波長(λmax)(nm)」及び「第二の吸収ピーク(サブピーク)(nm)」は、下記実施例の方法に従って測定した値を意味する。
また、本発明に係る上記または上記方法によって製造されるフタロシアニン化合物は、上記利点に加え、樹脂との相溶性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐候性に優れた特性を有し、その特性を損なうことなく熱線吸収材として優れた作用効果を奏する。
このため、このように可視光透過率の高い本発明に係るフタロシアニン化合物を熱線吸収材に用いることによって、得られる熱線吸収材は、熱線吸収(遮蔽)能は維持しつつ非常に透明性に優れる。すなわち、本発明の第二は、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材に関する。本発明の熱線吸収材は、熱線吸収(遮蔽)能は維持しつつ非常に透明性に優れる。ゆえに、本発明の熱線吸収材は、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどに用いる際に優れた効果を発揮できる。
また、本発明のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、太陽光のうち、上記波長域の光を選択的にかつ効率よく吸収でき、優れた熱線遮蔽効果を発揮できる。このため、本発明に係るフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材を、例えば、自動車や建物の窓などの熱線吸収ガラスに使用すると、車内や室内の温度の上昇を有効に抑制することができる。
本発明の熱線吸収材は、本発明に係る上記のフタロシアニン化合物を必須に含む。このため、本発明に係るフタロシアニン化合物を使用する以外は、本発明の熱線吸収材は、従来と同様の熱線吸収材として適用できる。ここで、本発明に係るフタロシアニン化合物は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。当該フタロシアニン化合物は、特に上記特定範囲の光強度の高い近赤外域の光を選択的に吸収し、可視光波長域での透過率を高くして(即ち、透明性を確保しつつ)、太陽光からの熱の吸収/遮蔽を効果的に行う作用効果を熱線吸収材に与えることができる。これは、本発明に係るフタロシアニン化合物が、上記したような特定の構造を有することによる。また、本発明に係るフタロシアニン化合物は、上記利点の特定波長域での優れた選択吸収能や可視光波長域での高い透過率に加えて、樹脂との相溶性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐候性に優れた特性を有する。このため、本発明の熱線吸収材も同様の優れた作用効果を合わせて奏することができる。さらに、本発明に係るフタロシアニン化合物は、熱線吸収材を構成する安価な有機材料として提供可能であり、種々の熱線遮蔽用途に幅広く用いることのできるものである。また、該フタロシアニン化合物は、耐熱性に優れることにより、熱可塑性樹脂を用いて、射出成形、押出成形等の生産性に優れた成形方法により作製することのできる、とした多くの優れた特性を発揮することができるものである。したがって、本発明の熱線吸収材は、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどとして、好適に使用できる。さらには、本発明に係るフタロシアニン化合物は一段階のプロセスで製造することができるため、製造プロセスが容易であり、短時間に製造でき、経済的であり、環境にも優しい。
本発明の熱線吸収材の使用形態は、特に限定されず、公知のいずれの形態を使用してもよい。具体的には、熱線を吸収/遮蔽することが好ましい対象物上に塗膜やフィルム等として別途形成される形態;2枚の対象物の間にフタロシアニン化合物含有中間層を設ける積層体などの形態;上記対象物中に含ませた形態などが挙げられる。これらのうち、本発明に係るフタロシアニン化合物を、塗膜やフィルム、ならびに中間層中に混合することが好ましい。ここで、塗膜、フィルムや中間層は、一般的に、本発明に係るフタロシアニン化合物に加えて、樹脂を含む。すなわち、本発明の熱線吸収材は、本発明に係るフタロシアニン化合物および樹脂を含む。以下、フタロシアニン化合物および樹脂を含む組成物を樹脂組成物と呼ぶ場合がある。
上記熱線吸収材におけるフタロシアニン化合物の配合量は、用途または樹脂の厚みによって適宜選択することが出来るが、樹脂の固形分100質量部に対して、0.0005〜20質量部、好ましくは0.001〜10質量部である。このような範囲で配合することにより、用途にあった適度な可視光透過率を有する熱線吸収材とすることができる。
上記樹脂としては、一般に光学材料に使用しうるものであれば特に制限されないが、出来るだけ透明性の高いものが好ましく、より具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、カルボキシル化ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ハロゲン化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリアリレート(PAR)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。これらのうち、溶融または溶液化が可能であるものが好ましく使用される。この際、溶融が可能な樹脂を使用し、フタロシアニン化合物を練りこむことで成形加工が可能な樹脂組成物が得られる。このような樹脂として好適なものは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂(例えば、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA))、アートン(登録商標)(JSR(株)製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン(株)製)、スミペックス(登録商標)(住友化学(株)製)、オプトレッツ(日立化成工業(株)製)が挙げられる。
また、溶液化が可能な樹脂に、フタロシアニン化合物を溶液化することで、コーティング可能な樹脂組成物とすることができる。このような樹脂として好適なものは(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アートン(登録商標)(JSR(株)製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン(株)製)が挙げられる。特に好ましくはメチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、脂環式、多環性脂環式アルキル基を有するメタクリル酸エステルを共重合したポリマーである。これは1種のメタクリル酸エステル単量体からなるポリマーであってもよいし、複数のメタクリル酸エステル単量体からなる共重合体であってもよい。
また、上記のメタクリル酸エステル以外の単量体と共重合したポリマーであってもよい。他の単量体としてはスチレン、メチルスチレン等の芳香族系モノマー、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体、炭素数1〜15のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する単量体等も使用できる。上記の(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体の使用量は50重量%未満、好ましくは30重量%未満、さらに好ましくは10重量%未満である。具体的には、スミペックス(住友化学製)、オプトレッツ(日立化成工業製)、ハルスハイブリッドIR(日本触媒製)等が挙げられる。
上記樹脂の分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量が5万以上、さらに好ましくは10万以上が好ましい。ポリマー構造に制限はなく、直鎖型または分岐型であってもよいが、直鎖型よりも分岐型の方が樹脂は割れにくくなり耐久性が高くなるため好ましい。分岐構造にすると高分子量化した場合でも樹脂の粘度が低く、取り扱いが容易になる。分岐型の樹脂を得るためにはマクロモノマー、多官能モノマー、多官能開始剤、多官能連鎖移動剤が使用できる。マクロモノマーとしては、AA−6、AA−2、AS−6、AB−6、AK−5(いずれも東亜合成(株)製)等が使用できる。多官能モノマーとしては、ライトエスエルEG、ライトエスエル1,4BG、ライトエステルNP、ライトエステルTMP(いずれも共栄社化学(株)製)等が挙げられる。多官能開始剤としては、パーテトラA、BTTB−50(いずれも日本油脂(株)製)、トリゴノックス17−40MB、パーカドックス12−XL25(いずれも化薬アクゾ(株)製)等が挙げられる。多官能連鎖移動剤としてはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)(いずれも堺化学工業(株)製)等が使用できる。分岐構造の樹脂を得るためには多官能開始剤を使用するのが重合が容易で特に好ましい。分岐数が多く、マイルドな温度で反応するパーテトラA、パーカドックス12−XL25が特に好ましい。
一方、上記樹脂は、粘着剤若しくは接着剤、またはこれらの混合物であってもよい。粘着剤や接着剤を用いた場合、他の機能性フィルムと貼りあわせることができるため、簡便かつ経済的に熱線吸収材を製造することができる。
上記の粘着剤として好適な樹脂には、アクリル系、シリコン系、SBR系の樹脂等が挙げられる。特に好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等を主成分として重合したポリマーであり、具体的にはアクリセット(登録商標)AST((株)日本触媒製)等が挙げられる。Tgは−80℃以上0℃以下が好ましい。さらに、好適な粘着剤は、シクロヘキシル基、イソボルニル基等の脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを共重合した(メタ)アクリル酸エステル系樹脂である。脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを共重合する際の当該エステルの使用量は、特に制限されないが、樹脂のTgが−80℃以上0℃以下となるような量であることが好ましい。また、カルボキシル基等の酸性基を有する(メタ)アクリル酸エステルを共重合することも可能であるが、このような場合には、耐湿性の向上を目的として、(メタ)アクリル酸エステルの共重合量は、樹脂の酸価が好ましくは30以下、より好ましくは15以下、最も好ましくは5以下となるような量であることが好ましい。本明細書において、「酸価」とは、樹脂固形分1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg量をいう。
上記の接着剤として好適な樹脂としては、一般的なシリコン系、ウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン等のポリオレフィン系が挙げられる。
熱線吸収材に含んでいてもよい溶剤としては、フタロシアニン化合物および樹脂を溶解または分散できる溶剤であれば限定されない。この際使用できる溶剤としては、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族系、トルエン、キシレン等の芳香族系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、アセトニトリル等のニトリル系、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール等のアルコール系、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系、トリエチレングリコールジ−(2−エチル)ブチレート、トリエチレングリコールジ−(2−エチル)ヘキサノエート等のエーテルエステル系、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系が使用できる。これらを単独で使用しても混合して使用してもよい。色素の耐久性を向上させるためにはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の沸点が100℃以下の溶媒が好適である。また、コーティング時の塗膜外観を向上させるためにはトルエン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル等沸点が100〜150℃の溶媒が好適である。塗膜の耐クラック性を向上させるにはブチルセロソルブ、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の沸点が150〜200℃の溶媒が好適である。
本発明に係る樹脂組成物には上記フタロシアニン化合物に加えて、可視吸収色素、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤(以下、一括して、「他の吸収剤」とも称する)を含んでもよい。このように他の吸収剤をさらに使用することによって、本発明のフタロシアニン化合物が吸収できないまたは吸収が十分でない波長域の光を吸収できる。
ここで、可視吸収色素としては、シアニン系、テトラアザポルフィリン系、アズレニウム系、スクアリリウム系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、オキサジン系、アジン系、チオピリリウム系、ビオローゲン系、アゾ系、アゾ金属錯塩系、ビスアゾ系、アントラキノン系、ペリレン系、インダンスロン系、ニトロソ系、金属チオール錯体系、インジコ系、アゾメチン系、キサンテン系、オキサノール系、インドアニリン系、キノリン系等従来公知の色素を広く使用することができる。例えば、アデカアークルズTW−1367、アデカアークルズSG−1574、アデカアークルズTW1317、アデカアークルズFD−3351、アデカアークルズY944(いずれも(株)ADEKA製)、NK−5451、NK−5532、NK−5450(いずれも林原生物化学研究所製)等が挙げられる。可視光吸収色素は溶媒に溶解する染料であってもよいし、ヘイズが問題にならない程度に微粒化した顔料であってもよい。
また、近赤外線吸収剤としては、特に制限されず、用途によって所望される最大吸収波長によって公知の近赤外線吸収剤が適宜選択されうる。ここで、近赤外吸収剤の最大吸収波長は、800nm以上であることが好ましいが、800〜1500nmであることがより好ましく、800〜1000nmであることが特に好ましい。当該波長域の近赤外線吸収剤を使用することによって、本発明のフタロシアニン化合物が吸収できないまたは吸収が十分でない波長域の光を吸収できるため、熱線遮蔽効果をさらに向上できる。このような近赤外線吸収剤としては、特に制限されず、所望の最大吸収波長によって適宜選択できる。より具体的には、特開2000−26748号公報、特開2001−106689号公報、特開2004−018561号公報、特開2007−56105号公報、特開2011−116918号公報に記載されるフタロシアニン化合物を用いてなる近赤外吸収色素などが挙げられる。また、他の吸収剤としての近赤外線吸収色素は、市販されていてもよい。市販品としては、IR−915、IR−12、IR−14、IR−20、HA−1(いずれも、株式会社日本触媒製のフタロシアニン化合物)等が挙げられる。
また、使用されてもよい紫外線吸収剤としては、特に制限されず、公知の紫外線吸収剤が使用できる。具体的には、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の化合物が好適に使用される。
上記他の吸収剤は単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されても良く、用途によって適宜選択することが出来る。好ましくは、本発明に係る樹脂組成物は、近赤外吸収色素をさらに含むことが好ましく、最大吸収波長が800nm以上の近赤外吸収色素をさらに含むことがより好ましい。
上記他の吸収剤の配合量は、特に制限されず、用途により要求される吸収波長域、可視光透過率および日射透過率が異なるので一概には決定することができない。上記他の吸収剤の配合量は、樹脂の固形分100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.005〜8質量部である。また、本発明のフタロシアニン化合物との混合比もまた、特に制限されない。本発明のフタロシアニン化合物と上記他の吸収剤との混合比(質量比)は、本発明のフタロシアニン化合物 100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、10〜500質量部がより好ましい。この範囲であれば、可視光線の透過率に影響することなく、日射透過率を下げることができる。好ましい可視光線の透過率としては、55%以上であり、より好ましくは60%以上である。また、日射透過率は65%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、55%以下が更に好ましい。
更に、熱線吸収材には、その性能を失わない範囲でイソシアネート化合物、チオール化合物、エポキシ化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング剤、UV硬化剤等の樹脂硬化剤を使用してもよい。ただし、硬化剤を使用しない樹脂組成物の方が、コーティング液のポットライフが長くエージングが不要になるため、より好ましい。
また、熱線吸収材にはフィルムやコーティング剤等に使用される公知の添加剤を用いることができ、該添加材としては、分散剤、レベリング剤、消泡剤、粘性調整剤、つや消し剤、粘着付与剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、消光剤、硬化剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、滑り剤等が挙げられる。
本発明の熱線吸収材は、上記した樹脂組成物からなる塗膜が形成されたものでもよいし、上記樹脂組成物を成形したものでもよい。好ましくは(A)樹脂組成物を透明基材に塗布したもの、(B)樹脂組成物で2枚の透明基材を接着したもの、(C)樹脂組成物を成形したものが挙げられる。
本発明の熱線吸収材の厚みに制限はないが、目的、用途に応じて適宜決定される。好ましくは0.1μmから20mmである。また熱線吸収材に含まれるフタロシアニン化合物の含有量も目的、用途に応じて、適宜決定される。熱線吸収材の厚みに関係なくフタロシアニン化合物の含有量を表示するとすれば、上方からの投影面積中の質量と考えて、0.01〜2.0g/mの配合量が好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.0g/mである。この範囲であると、可視光線の透過率が高く、日射透過率は小さくなり、熱線吸収効果は高くなるので好ましい。可視光透過率は用途により異なるが、好ましい可視光線の透過率としては、55%以上である。より好ましくは60%以上である。また、日射透過率は95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
透明基材は一般に光学材に使用し得るものであって、実質的に透明であれば特に制限はない。具体的な例としてはガラス、シクロポリオレフィン、非晶質ポリオレフィン等のオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、PETやPAR等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリールエーテル系樹脂等が挙げられる。透明基材として、ガラス等の無機基材を使用する場合にはアルカリ成分が少ないものが色素の耐久性の観点から好ましい。
透明基材として樹脂系材料を使用する場合には、樹脂に公知の添加剤、耐熱老化防止剤、滑剤、帯電防止剤等を配合することができ、公知の射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶融させてキャスティングする方法等で所望の形状に成形される。かかる透明基材は、必要に応じて延伸したり、他の樹脂と積層してもよい。また、透明基材は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施してもよい。
上記樹脂組成物を透明基材に塗布する際には公知の塗工機が使用できる。例えばコンマコーター等のナイフコーター、スロットダイコーター、リップコーター等のファウンテンコーター、マイクログラビアコーター等のキスコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター等のロールコーター、フローコーター、スプレーコーター、バーコーター、スピンコーターが挙げられる。塗布前にコロナ放電処理、プラズマ処理等の公知の方法で基材の表面処理を行ってもよい。乾燥、硬化方法としは熱風、遠赤外線、UV硬化等公知の方法が使用できる。乾燥、硬化後は公知の保護フィルムとともに巻き取ってもよい。
樹脂組成物を塗布する場合、その塗膜の厚みに制限はないが、目的に応じて適宜決定される。好ましくは0.1μmから10mmである。
本発明の熱線吸収材がフィルム形態のときには、透明基材としてはPETフィルムが好ましく、特に易接着処理をしたPETフィルムが好適である。具体的にはコスモシャインA4300(東洋紡績製)、ルミラーU34(東レ製)、メリネックス705(帝人デュポン製)等が挙げられる。
上記したフィルム形態である場合は、熱線遮蔽材に使用する樹脂は粘着剤樹脂またはUV硬化樹脂が好ましい。粘着剤樹脂またはUV硬化樹脂を使用した場合、塗膜はフィルムの片面に形成してもよいし、両面に形成してもよいが、好ましくは片面に塗布する。フィルムに塗膜を形成する場合は、樹脂組成物の塗工液を透明基材上に直接塗布してもよいし、離型性のある基材上に塗布した樹脂組成物の塗膜を透明基材上に転写してもよい。また、フィルムの反対面にUV硬化性の塗膜を形成してもよい。その場合は、上記フタロシアニン化合物、UV硬化性モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤を含む塗工液を透明基材上に塗布するのがよい。また、フィルムの反対面に粘着剤を塗布してもよい。
熱線吸収材が、上記樹脂組成物で2枚の透明基材を接着させた熱線吸収材である場合、透明基材としてはガラス、PETフィルムが好ましい。2枚のガラス基材を接着する際の樹脂組成物としては、接着性の観点から樹脂としてポリビニルブチラールを使用するものが好ましい。
熱線吸収材を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、(ア)樹脂組成物を混練、加熱成形する方法、(イ)フタロシアニン化合物と、硬化性モノマーあるいはオリゴマーおよび重合開始剤とともに型枠の中で重合し、成形する方法が利用できる。
樹脂組成物を混練、加熱成形する際の成形条件は樹脂の種類により異なるが、通常、フタロシアニン化合物を熱可塑性樹脂の粉体に溶融し混練後にペレット化してフタロシアニン化合物濃度の高いマスターバッチとする。このマスターバッチをさらに該熱可塑性樹脂で希釈、溶融、混練、成形する方法が挙げられる。
本発明の熱線吸収材に用いられる上記フタロシアニン化合物は、市販の赤外線吸収剤と比較して、耐熱性に優れているので、射出成形、押出成形のような樹脂温度が200〜350℃という高温まで上昇する成形方法でも成形することが可能であり、透明感が良好で熱線遮蔽性能に優れた成形品を得ることができる。
上記した熱可塑性樹脂としては、シクロポリオレフィン、非晶質ポリオレフィン等のオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、PETやPAR等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリールエーテル系樹脂等が挙げられる。
また、フタロシアニン化合物と、硬化性モノマーあるいはオリゴマー、および重合開始剤とともに型枠の中で重合し成形する方法で用いられる硬化性モノマーあるいはオリゴマーとしては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド等を生成するモノマー又はオリゴマー等が挙げられる。重合開始剤はモノマーやオリゴマーに応じて好適なものが使用できる。
樹脂組成物を成形する際、上記熱線吸収材は形状に制限はなく、用途に応じて適宜形成できる。平板状、フィルム状、波板状、球面状、ドーム状等様々な形状のものが含有される。厚みは、特に制限されないが、0.05〜20mmが好ましい。このような範囲であれば、熱線吸収材として十分な強度や安全性が得られる。
本発明の熱線吸収材は、透明基材に上記樹脂組成物からなる塗膜が形成されたものでもよいし、上記樹脂組成物を成形したものでもよいが、さらに熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)が含まれていてもよい。このように熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)を使用することによって、本発明のフタロシアニン化合物による吸収能力の低い近赤外領域での熱線吸収能力を向上できる。
熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)は、フタロシアニン化合物を含む樹脂組成物中に添加して成形または塗膜を形成してもよい。また、熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)を含む透明基材を用いて本発明の熱線吸収材と複合化してもよいし、成形または塗布された熱線吸収材の表面に熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)を含む塗料を塗布してもよい。すなわち、上記熱線吸収材にさらに熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)を含むものも本発明の好ましい実施形態の1つである。また、上記熱線吸収材が800nm以上の最大吸収波長を有する近赤外吸収色素および熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)の少なくとも一方をさらに含むことが本発明の好ましい実施形態である。
上記熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)としては、熱線吸収能または紫外線吸収能を有するものが好ましい。具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、セシウムドープ酸化タングステン(CsWO)等のアルカリ金属ドープ酸化タングステン、酸化アンチモン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アンチモン酸亜鉛等が挙げられる。熱線吸収能を有する熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)は上記フタロシアニン化合物や有機色素では吸収することのできない波長域である900nm以上、好ましくは1100nm以上、より好ましくは1200nm以上を吸収することができ、可視光透過率を維持したまま日射透過率を下げることができる。より好ましくは、アルカリ金属ドープ酸化タングステン、酸化インジウムスズまたはアンチモンドープ酸化スズである。具体的には、アルカリ金属ドープ酸化タングステンとしては、SG−IRC90SPM(Sukgyung社製)等がある。酸化インジウムスズとしては、PI−3(三菱マテリアル製)等がある。アンチモンドープ酸化スズとしては、SNS−10M、SNS−10T、SN100P、SN−100D、FS−10P、FS−10D(いずれも石原産業製)等がある。金属酸化物は微粒子状であり、平均分散粒子径は0.001〜0.2μmである。好ましくは0.005〜0.15μmである。この範囲であると透明性を損なわないので好ましい。
上記熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)の配合量は、特に制限されず、用途により要求される吸収波長域、可視光透過率および日射透過率が異なるので一概には決定することができない。具体的には、熱線吸収無機化合物(無機系熱線吸収材料)の配合量は、樹脂の固形分100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましい。また、本発明のフタロシアニン化合物との混合比もまた、特に制限されない。本発明のフタロシアニン化合物と上記他の吸収剤との混合比(質量比)は、本発明のフタロシアニン化合物 100質量部に対して、20〜5000質量部であることが好ましく、50〜4000質量部がより好ましい。この範囲であれば、可視光線の透過率に影響することなく、日射透過率を下げることができる。好ましい可視光線の透過率としては、55%以上であり、より好ましくは60%以上である。また、日射透過率は65%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、55%以下が更に好ましい。
本発明の熱線吸収材は建築物や車輌用のウインドーフィルム、熱線吸収合わせガラス、熱線吸収樹脂グレージング、採光建材等に好適である。フィルム状の透明基材上に本発明の樹脂組成物の塗膜を形成させた熱線吸収材はウインドーフィルムとして使用できる。ウインドーフィルムは建築物の内側に貼っても外側に貼ってもよい。ウインドーフィルムとして使用する場合は上記フタロシアニン化合物を含む層の日射側に紫外線吸収層を設けることが好ましい。また、採光建材等のシート状の成形体として使用する場合は、多層押し出し方式により最外層に紫外線吸収材を添加し、内部層に本発明の熱線吸収材を使用するのが好ましい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記において、特記しない限り、室温は、25±5℃を意味する。また、特記しない限り、「Ph」は、フェニル基を表わす。
合成例1:3,4,5,6−テトラキス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルの合成
500mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 30g、炭酸カリウム 91g、2−フェニルフェノール 103gおよびアセトニトリル 180gを入れ、70℃で7時間攪拌した。
室温に冷却後、反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,4,5,6−テトラキス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルを115g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、96モル%)得た。
合成例2:3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリルの合成
500mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 70g、炭酸カリウム 116g、サリチル酸メチル108gおよびアセトニトリル 140gを入れ、70℃で7日間攪拌した。
室温に冷却後反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリルを110g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、68モル%)得た。
得られた3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリル 10g、炭酸カリウム 7g、2−フェニルフェノール 7gおよびアセトニトリル 30gを混合し、70℃で4時間攪拌を行った。
室温に冷却後反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリルを16g(収率:3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリルに対して、97モル%)得た。
合成例3:3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリルの合成
200mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 22g、フッ化カリウム 15gおよびアセトン 44gを入れ、0℃で混合した。液温0℃下、2−フルオロフェノール 25gとアセトン 25gで調製された混液を滴下し、2時間攪拌した。
室温に昇温後反応液を濾過し、濾液からアセトンを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリルを20g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、48モル%)得た。
得られた3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリル 3g、炭酸カリウム 3g、2−フェニルフェノール 3gおよびアセトニトリル 9gを混合し、70℃で4時間攪拌した。
室温に冷却後反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリルを5g(収率:3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリルに対して、93モル%)得た。
合成例4:3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリルの合成
200mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 22g、フッ化カリウム 15gおよびアセトン 44gを入れ、0℃で混合した。液温0℃下、4−フルオロフェノール 25gとアセトン 25gで調製された混液を滴下し、2時間攪拌した。
室温に昇温後反応液を濾過し、濾液からアセトンを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリルを22g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、52モル%)得た。
得られた3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリル 3g、炭酸カリウム 3g、2−フェニルフェノール 3gおよびアセトニトリル 9gを混合し、70℃で4時間攪拌した。
室温に冷却後反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリルを5g(収率:3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリルに対して、98モル%)得た。
比較合成例1:4,5−ビス(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−3,6−ビス(4−メトキシフェノキシ)フタロニトリルの合成
500mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 20g、フッ化カリウム 12.8gおよびアセトン 20gを入れ、5℃で混合した。液温5℃下、4−ヒドロキシ安息香酸メチル 31.0gとアセトン 30gで調製された混合液を約3時間かけて滴下し、反応温度を室温までゆっくり上げながら、一晩攪拌した。
次に、このフラスコに、4−メトキシフェノール 25.3g、フッ化カリウム 12
.8gおよびアセトン 30gを仕込み、還流下で2時間撹拌を行った。冷却後、反応液をろ過し、ろ液をロータリーエバポレータでアセトンを留去し、メタノールを加えて再結晶を行った。得られた結晶をろ過し、減圧乾燥により、4,5−ビス(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−3,6−ビス(4−メトキシフェノキシ)フタロニトリルを55.2g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、82.1モル%)得た。
比較合成例2:3,4,5,6−テトラキス(3−フェニルフェノキシ)フタロニトリルの合成
50mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 1g、炭酸カリウム 4g、3−フェニルフェノール 5gおよびアセトニトリル 7gを入れ、70℃で4時間攪拌した。
室温に冷却後反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,4,5,6−テトラキス(3−フェニルフェノキシ)フタロニトリルを5g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、90モル%)得た。
比較合成例3:3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルの合成
200mlのナスフラスコに、テトラフルオロフタロニトリル 20g、フッ化カリウム 14gおよびアセトン 60gを入れ、0℃で混合した。液温0℃下、2−フェニルフェノール 34gとアセトン 34gで調製された混液を滴下し、2時間攪拌した。
室温に昇温後反応液を濾過し、濾液からアセトンを減圧留去後、メタノールを加えて晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルを25g(収率:テトラフルオロフタロニトリルに対して、50モル%)得た。
比較合成例4:3−フルオロ−4,5,6−トリス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルの合成
上記合成例4と同様にして、3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルを合成して。
200mlのナスフラスコに、このようにして得られた3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリル 3g、フッ化カリウム 0.4g、2−フェニルフェノール 1gおよびアセトニトリル 12gを混合し、70℃で23時間攪拌を行った。
室温に冷却後、反応液を濾過し、濾液からアセトニトリルを減圧留去し、得られた3−フルオロ−4,5,6−トリス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルの濃縮液 3.9gを下記比較例4に用いた。
実施例1:フタロシアニン化合物(1)[(2-(Ph)PhO)8(2-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記合成例1で得られた3,4,5,6−テトラキス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリル 5g、塩化バナジウム(III) 0.4g、ベンゾニトリル 8gおよび1−オクタノール 0.3gを入れ、窒素ガス雰囲気下185℃で8時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥によりフタロシアニン化合物(1)を2g(収率:3,4,5,6−テトラキス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルに対して、41モル%)得た。
実施例2:フタロシアニン化合物(2)[(2-(COOCH3)PhO)8(2-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記合成例2で得られた3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリル 3g、塩化バナジウム(III) 0.2g、ベンゾニトリル 5gおよび1−オクタノール 0.2gを入れ、窒素ガス雰囲気下185℃で8時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥によりフタロシアニン化合物(2)を2g(収率:3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−メチルオキシカルボニルフェノキシ)フタロニトリルに対して、56モル%)得た。
実施例3:フタロシアニン化合物(3)[(2-(F)PhO)8(2-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記合成例3で得られた3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリル 3g、塩化バナジウム(III) 0.3g、ベンゾニトリル 5gおよび1−オクタノール 0.2gを入れ、窒素ガス雰囲気下185℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥によりフタロシアニン化合物(3)を2g(収率:3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(2−フルオロフェノキシ)フタロニトリルに対して、63モル%)得た。
実施例4:フタロシアニン化合物(4)[(4-(F)PhO)8(2-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記合成例4で得られた3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリル 3g、塩化バナジウム(III) 0.3g、ベンゾニトリル 5gおよび1−オクタノール 0.2gを入れ、窒素ガス雰囲気下185℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥によりフタロシアニン化合物(4)を2g(収率:3,6−ビス(2−フェニルフェノキシ)−4,5−ビス(4−フルオロフェノキシ)フタロニトリルに対して、62モル%)得た。
比較例1:比較フタロシアニン化合物(1)[(4-(COOCH3)PhO)8(4-(MeO)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記比較合成例1で得られた4,5−ビス(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−3,6−ビス(4−メトキシフェノキシ)フタロニトリル 15g、塩化バナジウム(III) 1.1g、ベンゾニトリル 22.5gおよび1−オクタノール 0.9gを入れ、窒素ガス雰囲気下190℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により比較フタロシアニン化合物(1)を13.8g(収率:4,5−ビス(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−3,6−ビス(4−メトキシフェノキシ)フタロニトリルに対して、89.9モル%)得た。
比較例2:比較フタロシアニン化合物(2)[(3-(Ph)PhO)8(3-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記比較合成例2で得られた3,4,5,6−テトラキス(3−フェニルフェノキシ)フタロニトリル 5g、塩化バナジウム(III) 0.4g、ベンゾニトリル 8gおよび1−オクタノール 0.3gを入れ、窒素ガス雰囲気下185℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により比較フタロシアニン化合物(2)を4g(収率:3,4,5,6−テトラキス(3−フェニルフェノキシ)フタロニトリルに対して、85モル%)得た。
比較例3:比較フタロシアニン化合物(3)[(F)8(2-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記比較合成例3で得られた3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリル 3g、塩化バナジウム(III) 0.4g、ベンゾニトリル 5gおよび1−オクタノール 0.3gを混合し、窒素ガス雰囲気下185℃で5時間反応させた。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により比較フタロシアニン化合物(3)を3g(収率:3,6−ジフルオロ−4,5−ビス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルに対して、85モル%)得た。
比較例4:比較フタロシアニン化合物(4)[(F)4(2-(Ph)PhO)4(2-(Ph)PhO)8VOPc]の合成
50mlの試験管に、上記比較合成例4で得られた3−フルオロ−4,5,6−トリス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリル 4g、塩化バナジウム(III) 0.4g、ベンゾニトリル 6gおよび1−オクタノール 0.3gを入れ、窒素ガス雰囲気下185℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をメタノールに滴下して晶析を行った。析出物を濾取後、減圧乾燥により比較フタロシアニン化合物(4)を3g(収率:3−フルオロ−4,5,6−トリス(2−フェニルフェノキシ)フタロニトリルに対して、83モル%)得た。
上記実施例1〜4で得られたフタロシアニン化合物(1)〜(4)及び比較例1〜4で得られた比較フタロシアニン化合物(1)〜(4)について、下記方法に従って、最大吸収波長(λmax)(nm)、各可視光透過率(Tv)(%)における日射透過率(Te)(%)を測定し、その結果を下記表1及び表2ならびに図2に示す。なお、図2において、各プロット(および曲線)が右下の方向にあるほど、可視光透過率が高く、日射透過率が低いこと、即ち、熱線遮蔽材料として優れることを意味する。
また、これらのフタロシアニン化合物(1)〜(4)および比較フタロシアニン化合物(1)〜(4)の400〜900nmの波長に対する最大吸収波長(λmax)が10%の時の透過率(%)を図1に示す。
<最大吸収波長(λmax)の測定>
最大吸収波長(λmax)(nm)は、各フタロシアニン化合物のクロロホルム中での300〜2500nmの透過率を分光光度計(島津製作所製:UV−3100)を用いて測定し、600〜900nmの間で最低の透過率を示す波長(nm)である。
<可視光透過率(Tv)および日射透過率(Te)の測定>
フタロシアニン化合物の「可視光透過率(Tv)(%)」および「日射透過率(Te)(%)」は、JIS R3106(1998年)の規格に準じて算出したが、具体的には、下記方法に従って測定した値である。すなわち、フタロシアニン化合物を1cmの石英セル中で可視光透過率(Tv)の95、90、85、80、75%になるまでクロロホルムで希釈し、その濃度における透過率(%)を分光光度計(島津製作所製:UV−3100)を用いて測定した。その測定結果を基に、可視光透過率(Tv)(%)および日射透過率(Te)(%)を算出した。なお、可視光透過率(Tv)(%)および日射透過率(Te)の算出において、波長範囲300〜2500nmの数値を用いた。
上記表1及び表2ならびに図2から明らかなように、本発明のフタロシアニン化合物(1)〜(4)は、比較フタロシアニン化合物(1)〜(4)に比して、任意の可視光透過率(Tv)における日射透過率(Te)が有意に低いことがわかる。これから、本発明のフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は、優れた熱線吸収能を発揮できると、考察される。
実施例5
上記実施例1で得られたフタロシアニン化合物(1)について、以下のように合わせガラス(熱線吸収材)を作製した。
<樹脂組成物の調製>
ポリビニルブチラール樹脂(和光1級、平均重合度2400) 4g、可塑剤としてビス(2−エチルヘキサン酸)トリエチレングリコール 1.6g、2−メトキシエタノール 40g及びフタロシアニン化合物(1) 3mgを150℃で充分に攪拌混合した。90℃の減圧乾燥によって2−メトキシエタノールを除去し、樹脂組成物(1)を得た。
<合わせガラスの作製>
上記で得られた樹脂組成物(1)を180℃でプレス成型することにより、合わせガラス用中間膜を作製した。膜の厚みは0.23mmであった。
得られた合わせガラス用中間膜を、縦60mm×横60mmの大きさに切断した。
2枚の透明なフロートガラス(縦60mm×横60mm×厚さ1mm)の間に、上記合わせガラス用中間膜を挟み、積層体を得た。得られた積層体を90℃で30分間減圧乾燥させ、合わせガラス用中間膜を備えた合わせガラスを得た。
このようにして得られた合わせガラスについて、300〜2500nmの透過率を分光光度計(島津製作所製:UV−3100)を用いて測定した。得られた値を基に可視光透過率(Tv)(%)及び日射透過率(Te)(%)をJIS R3106(1998年)の規格に準じて算出した。最大吸収波長(λmax)(nm)と併せて、その結果を下記表3に示す。
上記表3から明らかなように、本発明のフタロシアニン化合物(1)を用いたガラスは、十分な透明性は確保したまま、日射透過率(Te)が低いことがわかる。これから、本発明のフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどに好適に使用できると、考察される。
実施例6
上記実施例1で得られたフタロシアニン化合物(1)について、以下のようにして、2枚のPETフィルム間にフタロシアニン化合物含有中間層を設けてなる熱線吸収材(1)を作製した。
<樹脂組成物の調製>
フタロシアニン化合物(1) 3mg、特開2011−116918号公報 比較合成例1に記載されるのと同様にして製造されたフタロシアニン化合物(最大吸収波長:869nm)(他の吸収剤) 2mg、EVA樹脂(東ソー社製、ウルトラセン720) 3g、トルエン 8gを、80℃で充分に攪拌混合した。40℃の減圧乾燥によってトルエンを除去し、樹脂組成物(2)を得た。
<熱線吸収材の作製>
上記で得られた樹脂組成物(2)を、PETフィルム(厚さ 0.1mm)2枚で挟み、100℃で2分間プレス成型することにより、厚さ:0.36mmのフィルム積層体(熱線吸収材(1))を作製した。
比較例5
上記実施例6において、フタロシアニン化合物(1)を使用しなかった以外は、実施例6と同様の方法に従って、厚さ:0.36mmのフィルム積層体(比較熱線吸収材(1))を作製した。
実施例7
上記実施例1で得られたフタロシアニン化合物(1)について、以下のようにして、PETフィルムにフタロシアニン化合物含有フィルムを設けてなる熱線吸収材(2)を作製した。
<樹脂組成物の調製>
フタロシアニン化合物(1) 100mg、17重量%CsWO分散液(Sukgyung社製、SG−IRC90SPM;平均分散粒子径:39.2nm)(熱線吸収無機化合物) 6g、アクリルモノマー(共栄化学社製、ライトアクリレート DPE−6A) 2g、光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア369) 125mg、メチルエチルケトン 2gを充分に攪拌混合して、樹脂組成物(3)を得た。
<熱線吸収材の作製>
上記で得られた樹脂組成物(3)を、PETフィルム(厚さ:0.1mm)上にスピンコーターを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させた後、照射線量 500mJ/cmで1秒間紫外線を照射することにより、厚さ:0.101mmの樹脂組成物(3)が塗布されたフィルム(熱線吸収材(2))を作製した。
実施例8
上記実施例1で得られたフタロシアニン化合物(1)について、以下のようにして、PETフィルムにフタロシアニン化合物含有フィルムを設けてなる熱線吸収材(3)を作製した。
<樹脂組成物の調製>
フタロシアニン化合物(1) 80mg、29.9重量%アンチモンドープ酸化スズ(ATO)分散液(石原産業社製、SNS−10M;平均分散粒子径:0.107μm) 10g、ジペンタエリストールヘキサアクリレート(共栄化学社製、ライトアクリレート DPE−6A) 2g、光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア369) 125mgを充分に攪拌混合しして、樹脂組成物(4)を得た。
<熱線吸収材の作製>
上記で得られた樹脂組成物(4)を、PETフィルム(厚さ:0.1mm)上にスピンコーターを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させた後、照射線量 500mJ/cmで1秒間紫外線を照射することにより、厚さ:0.101mmの樹脂組成物(4)が塗布されたフィルム(熱線吸収材(3))を作製した。
比較例6
上記実施例8において、フタロシアニン化合物(1)を使用しなかった以外は、実施例8と同様の方法に従って、厚さ:0.101mmのアクリル樹脂が塗布されたフィルム(比較熱線吸収材(2))を作製した。
このようにして得られた熱線吸収材(1)〜(3)及び比較熱線吸収材(1)〜(2)について、300〜2500nmの透過率を分光光度計(島津製作所製:UV−3100)を用いて測定した。得られた値を基に可視光透過率(Tv)(%)及び日射透過率(Te)(%)をJIS R3106(1998年)の規格に準じて算出した。結果を下記表4に示す。また、各熱線吸収材の透過率スペクトルを図3および図4に示す。
上記表4から明らかなように、本発明のフタロシアニン化合物(1)を、他の近赤外吸収色素(実施例6)または熱線吸収無機化合物(実施例7、8)と組み合わせることによって、可視光透過率(Tv)はやや低くなるものの、日射透過率(Te)を有意に低減できることがわかる。これは、他の近赤外吸収色素(実施例6)または熱線吸収無機化合物(実施例7、8)が、近赤外域の波長の吸収が十分でないため、本発明のフタロシアニン化合物(1)により補っているものと考えられる。これから、本発明の熱線吸収材は、特に乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物の熱線吸収ガラスなどに好適に使用できると、考察される。
実施例9
上記実施例1で得られたフタロシアニン化合物(1)について、以下のようにしてフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材(4)〜(6)を作製した。
<樹脂組成物の調製>
フタロシアニン化合物(1)を、それぞれ、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製、パンライト L1225WX)に対して35、50及び100質量ppmで添加し、ミキサーでよく攪拌混合して、樹脂組成物(5)〜(7)を得た。
<熱線吸収材の作製>
上記で得られた樹脂組成物(5)〜(7)を、それぞれ、250℃に調温した射出成形機に投入し、厚さ1.5mmの成形板[熱線吸収材(4)〜(6)]を作製した。
このようにして得られた成形板について、300〜2500nmの透過率を分光光度計(島津製作所製:UV−3100)を用いて測定した。得られた値を基に可視光透過率(Tv)(%)及び日射透過率(Te)(%)をJIS R3106(1998年)の規格に準じて算出した。その結果を下記表5に示す。また、得られた成形板は、いずれも最大吸収波長が789nmであった。
上記表5から明らかなように、本発明のフタロシアニン化合物(1)を用いた熱線吸収材は、フタロシアニン化合物の濃度を変えることにより、日射透過率(Te)を制御できることがわかる。また、本発明のフタロシアニン化合物は耐熱性に優れるため、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を用いた成形体に配合しても均一に分散することができ透明性の高い熱線吸収材を提供することが可能である。
これから、本発明のフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は、乗り物(例えば、自動車、バス、電車等)や建物に使用できる熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどの熱線吸収ガラスに好適に使用できると、考察される。また、得られた熱線吸収材(成形体)の外観は良好なので、採光建材や自動車用樹脂グレージングとしての利用も期待できる。

Claims (4)

  1. 下記式(1):
    上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、下記式(2):
    上記式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基(−O−X、この際、Xは、炭素原子数6〜30のアリール基を表わす)、炭素原子数2〜21のエステル基(−C(=O)OXまたは−OC(=O)X、この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、アミノ基(−N(X、この際、Xは、それぞれ独立して、水素原子または、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、炭素原子数1〜20のチオアルコキシ基(−S−X、この際、Xは、炭素原子数1〜20のアルキル基を表わす)、または−COO(XO)−X[この際、Xは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表わし;Xは、炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし;pは、1〜5の整数である]を表わし;nは、0〜5の整数である、
    で示される置換基(a)であり、
    この際、Z〜Z16のうち、8〜16個は、それぞれ独立して、下記式(3):
    上記式(3)中、Rは上記式(2)と同様の定義であり;mは0〜4の整数である、
    で示される置換基(b)であり、
    Mは、バナジル(VO)である、
    で示されるフタロシアニン化合物。
  2. 上記式(1)中、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16は、それぞれ独立して、上記式(3)で示される置換基(b)である、請求項1に記載のフタロシアニン化合物。
  3. 請求項1または2に記載のフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材。
  4. 最大吸収波長が800nm以上の近赤外吸収色素および熱線吸収無機化合物の少なくとも一方をさらに含む、請求項3に記載の熱線吸収材。
JP2012237059A 2012-04-27 2012-10-26 フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材 Active JP6081771B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237059A JP6081771B2 (ja) 2012-04-27 2012-10-26 フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材
PCT/JP2013/062456 WO2013162017A1 (ja) 2012-04-27 2013-04-26 フタロシアニン化合物、フタロシアニン化合物の混合物、およびこれを用いる熱線吸収材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103238 2012-04-27
JP2012103238 2012-04-27
JP2012237059A JP6081771B2 (ja) 2012-04-27 2012-10-26 フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013241563A JP2013241563A (ja) 2013-12-05
JP6081771B2 true JP6081771B2 (ja) 2017-02-15

Family

ID=49842773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012237059A Active JP6081771B2 (ja) 2012-04-27 2012-10-26 フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6081771B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054281A1 (ja) 2017-09-15 2019-03-21 富士フイルム株式会社 組成物、膜、積層体、赤外線透過フィルタ、固体撮像素子および赤外線センサ
WO2020059509A1 (ja) 2018-09-20 2020-03-26 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化膜、赤外線透過フィルタ、積層体、固体撮像素子、センサ、及び、パターン形成方法
WO2020241535A1 (ja) 2019-05-31 2020-12-03 富士フイルム株式会社 光センサおよびセンシング装置
WO2022130773A1 (ja) 2020-12-17 2022-06-23 富士フイルム株式会社 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ
WO2022131191A1 (ja) 2020-12-16 2022-06-23 富士フイルム株式会社 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ
WO2023234094A1 (ja) 2022-06-01 2023-12-07 富士フイルム株式会社 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法
WO2023234096A1 (ja) 2022-06-01 2023-12-07 富士フイルム株式会社 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101724562B1 (ko) 2013-02-14 2017-04-07 후지필름 가부시키가이샤 적외선 흡수 조성물 내지는 적외선 흡수 조성물 키트, 이것을 사용한 적외선 커트 필터 및 그 제조방법, 및 카메라 모듈 및 그 제조방법
KR101816232B1 (ko) 2015-10-16 2018-01-08 삼성에스디아이 주식회사 신규한 화합물, 이를 포함하는 감광성 수지 조성물 및 컬러필터
CN108474885B (zh) 2016-01-15 2021-04-13 东洋油墨Sc控股株式会社 固体摄像元件用近红外线吸收性组合物及滤波器、固体摄像元件
US10852538B2 (en) * 2017-09-28 2020-12-01 Maxell, Ltd. Head-up display
TW202035647A (zh) 2019-01-17 2020-10-01 美商陶氏有機矽公司 抗靜電聚矽氧橡膠組成物
TWI841640B (zh) 2019-01-17 2024-05-11 美商陶氏有機矽公司 抗靜電聚矽氧橡膠組成物
JP7441687B2 (ja) * 2020-03-10 2024-03-01 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61246091A (ja) * 1985-04-24 1986-11-01 Tdk Corp 光記録媒体
JPH0615671B2 (ja) * 1987-10-20 1994-03-02 三井東圧化学株式会社 近赤外線吸収剤およびそれを用いた光記録媒体
WO1998016588A1 (fr) * 1996-10-14 1998-04-23 Nippon Shokubai Co., Ltd. Composes de phtalocyanine, procede de preparation desdits composes et support d'enregistrement optique les comprenant
JP2011094127A (ja) * 2009-09-29 2011-05-12 Nippon Shokubai Co Ltd 熱線吸収材
JP2014028950A (ja) * 2012-07-04 2014-02-13 Nippon Shokubai Co Ltd 組成物およびカラーフィルタ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054281A1 (ja) 2017-09-15 2019-03-21 富士フイルム株式会社 組成物、膜、積層体、赤外線透過フィルタ、固体撮像素子および赤外線センサ
WO2020059509A1 (ja) 2018-09-20 2020-03-26 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、硬化膜、赤外線透過フィルタ、積層体、固体撮像素子、センサ、及び、パターン形成方法
WO2020241535A1 (ja) 2019-05-31 2020-12-03 富士フイルム株式会社 光センサおよびセンシング装置
WO2022131191A1 (ja) 2020-12-16 2022-06-23 富士フイルム株式会社 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ
WO2022130773A1 (ja) 2020-12-17 2022-06-23 富士フイルム株式会社 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ
WO2023234094A1 (ja) 2022-06-01 2023-12-07 富士フイルム株式会社 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法
WO2023234096A1 (ja) 2022-06-01 2023-12-07 富士フイルム株式会社 光検出素子、イメージセンサおよび光検出素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013241563A (ja) 2013-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6081771B2 (ja) フタロシアニン化合物およびこれを用いる熱線吸収材
US7887920B2 (en) Borate and near-infrared ray absorption material
JP2017120430A (ja) 光学積層体
JP2010502563A (ja) 近赤外線吸収組成物用塩及び近赤外線吸収粘着剤組成物
US20050277729A1 (en) Pressure-sensitive adhesive composition
US20120251831A1 (en) Near-infrared absorptive coloring matter and near-infrared absorptive composition
JP6301841B2 (ja) 塗料及び近赤外線吸収フィルター
JP2011094127A (ja) 熱線吸収材
JP5484841B2 (ja) フタロシアニン化合物
JP2014024763A (ja) フタロシアニンダイマーおよびこれを用いる熱線吸収材
JP2014106309A (ja) 近赤外線吸収樹脂組成物及び近赤外線吸収フィルム
JP3959143B2 (ja) 新規フタロシアニン化合物、その製造方法および近赤外吸収材料
CN102395642A (zh) 近红外线吸收粘合剂组合物
JP7288812B2 (ja) フタロシアニン系化合物およびこれを含む熱線吸収材ならびにフタロシアニン系化合物の製造方法
JP2013001785A (ja) 樹脂組成物及び該樹脂組成物を利用した熱線吸収材
JP2014122205A (ja) フタロシアニン化合物、フタロシアニン化合物の混合物、およびこれを用いる熱線吸収材
CN101511962A (zh) 用于近红外线吸收性组合物的盐和近红外线吸收性压敏粘合剂组合物
JP2009249565A (ja) フタロシアニン化合物
KR20110055731A (ko) 디이모늄 화합물의 혼합물, 그의 합성 방법, 그를 함유하는 근적외선 흡수 필름 및 근적외선 흡수 필름을 포함하는 플라즈마 디스플레이 패널용 광학 필터
JP2013185098A (ja) フタロシアニン化合物およびそれを含む熱線吸収材
JP2019006747A (ja) フタロシアニン系化合物およびこれを含む熱線吸収材
JP5701552B2 (ja) 近赤外線吸収色素及び近赤外線遮断フィルター
JP2014105251A (ja) 近赤外線吸収樹脂組成物及び近赤外線吸収フィルム
WO2013162017A1 (ja) フタロシアニン化合物、フタロシアニン化合物の混合物、およびこれを用いる熱線吸収材
JP7538013B2 (ja) フタロシアニン系化合物およびこれを含む熱線吸収材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6081771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150