JP6042511B2 - 二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献5には、マリサイト型NaMnPO4を用いたナトリウム二次電池用活物質が開示されており、また特許文献6には、オリビン型構造を有するリン酸遷移金属ナトリウムを含む正極活物質が開示されており、いずれの文献においても高性能なナトリウムイオン二次電池が得られることを示している。
また、上記特許文献5及び6に記載のナトリウムイオン二次電池用活物質においても、充分に水分含有量を低減し得るものではなく、リチウムイオン二次電池の代替電池としてより有用なナトリウムイオン二次電池の実現が望まれている。
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f<1、及び2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。を示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物と、セルロースナノファイバー由来の炭素とを含む複合体に、グラファイトが担持してなる二次電池用正極活物質を提供するものである。
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f<1、及び2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。を示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物と、セルロースナノファイバー由来の炭素とを含む複合体に、グラファイトが担持してなる二次電池用正極活物質の製造方法であって、酸化物とセルロースナノファイバーとを含む複合体に、グラファイトを添加する工程を含み、
セルロースナノファイバーの炭素原子換算量に対するグラファイトの添加量が、質量比(グラファイト/セルロースナノファイバー)で0.08〜6であり、かつ
リチウム化合物又はナトリウム化合物と、セルロースナノファイバーを含む混合物Xに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Xを得る工程(I)、
得られた複合体Xと、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Yを水熱反応に付して複合体Yを得る工程(II)、
得られた複合体Yにグラファイトを添加して圧縮力及びせん断力を付加しながら混合し、複合体Zを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Zを還元雰囲気又は不活性雰囲気中で焼成する工程(IV)
を備える二次電池用正極活物質の製造方法を提供するものである。
本発明で用いる酸化物は、少なくとも鉄又はマンガンを含み、かつ下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f<1、及び2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。を示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
のいずれかの式で表される。
これらの酸化物は、いずれもオリビン型構造を有しており、少なくとも鉄又はマンガンを含む。上記式(A)又は式(B)で表される酸化物を用いた場合には、リチウムイオン電池用正極活物質が得られ、上記式(C)で表される酸化物を用いた場合には、ナトリウムイオン電池用正極活物質が得られる。
より具体的には、リチウム化合物又はナトリウム化合物と、セルロースナノファイバーを含む混合物Xに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Xを得る工程(I)、並びに
得られた複合体Xと、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Yを水熱反応に付して複合体Yを得る工程(II)
を備える製造方法により得られるものであるのが好ましい。
用い得るリチウム化合物又はナトリウム化合物としては、水酸化物(例えばLiOH・H2O、NaOH)、炭酸化物、硫酸化物、酢酸化物が挙げられる。なかでも、水酸化物が好ましい。
混合物Xにおけるリチウム化合物又はケイ酸化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは7〜45質量部である。より具体的には、工程(I)においてリン酸化合物を用いた場合、混合物Xにおけるリチウム化合物又はナトリウム化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは10〜45質量部である。また、ケイ酸化合物を用いた場合、混合物Xにおけるケイ酸化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5〜40質量部であり、より好ましくは7〜35質量部である。
なお、混合物Xを撹拌する際、さらに混合物Xの沸点温度以下に冷却するのが好ましい。具体的には、80℃以下に冷却するのが好ましく、20〜60℃に冷却するのがより好ましい。
また、窒素をパージする際、反応を良好に進行させる観点から、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合した後の混合物Xを撹拌するのが好ましい。このときの撹拌速度は、好ましくは200〜700rpmであり、より好ましくは250〜600rpmである。
これら金属(M、N又はQ)塩を用いる場合、鉄化合物、マンガン化合物、及び金属(M、N又はQ)塩の合計添加量は、上記工程(I)において得られた混合物中のリン酸又はケイ酸1モルに対し、好ましくは0.99〜1.01モルであり、より好ましくは0.995〜1.005モルである。
得られた複合体Yは、上記式(A)〜(C)で表される酸化物及びセルロースナノファイバーを含む複合体であり、ろ過後、水で洗浄し、乾燥することによりこれを、セルロースナノファイバーを含む複合体粒子として単離できる。なお、乾燥手段は、凍結乾燥、真空乾燥が用いられる。
なお、インペラの周速度とは、回転式攪拌翼(インペラ)の最外端部の速度を意味し、下記式(1)により表すことができ、また圧縮力及びせん断力を付加しながら混合する処理を行う時間は、インペラの周速度が遅いほど長くなるように、インペラの周速度によっても変動し得る。
インペラの周速度(m/s)=
インペラの半径(m)×2×π×回転数(rpm)÷60・・・(1)
例えば、上記混合する処理を、周速度25〜40m/sで回転するインペラを備える密閉容器内で5〜90分間行う場合、容器に投入する複合体Yの量及びグラファイトの添加量の合計量は、有効容器(インペラを備える密閉容器のうち、複合体Y及びグラファイトを収容可能な部位に相当する容器)1cm3当たり、好ましくは0.1〜0.7gであり、より好ましくは0.15〜0.4gである。
上記混合の処理条件としては、処理温度が、好ましくは5〜80℃、より好ましくは10〜50℃である。処理雰囲気としては、特に限定されないが、不活性ガス雰囲気下、又は還元ガス雰囲気下が好ましい。
このように、本発明の二次電池用正極活物質は、水分を吸着しにくいため、製造環境として強い乾燥条件を必要とすることなく吸着水分量を有効に低減することができ、得られるリチウム二次電池及びナトリウム二次電池の双方において、様々な使用環境下でも優れた電池特性を安定して発現することが可能となる。
なお、温度20℃及び相対湿度50%にて平衡に達するまで水分を吸着させ、温度150℃まで昇温して20分間保持した後、さらに温度250℃まで昇温して20分間保持したときの、150℃から昇温を再開するときを始点、及び250℃での恒温状態を終えたときを終点とする、始点から終点までの間に揮発した水分量は、例えばカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。
LiOH・H2O 12.72g、水 90mL、及びセルロースナノファイバー(セリッシュKY−100G、ダイセルファインケム製、繊維径4〜100nm、略称CNF)5.10gを混合してスラリー水を得た。次いで、得られたスラリー水を、25℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液 11.53gを35mL/分で滴下し、続いて窒素ガスパージ下で12時間、400rpmの速度で撹拌することにより、複合体X11を含有するスラリー水X11(溶存酸素濃度0.5mg/L)を得た。かかるスラリー水X11は、リン1モルに対し、2.97モルのリチウムを含有していた。
得られた複合体Y11 98.0gとグラファイト(高純度黒鉛粉末、日本黒鉛工業(株)製、BET比表面積5m2/g、平均粒子径6.1μm) 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを予め混合して混合物Y11を得た。得られた混合物Y11を微粒子複合化装置 ノビルタ(NOB−130、ホソカワミクロン社製、動力5.5kw)に投入し、処理温度を25〜35℃、インペラの周速度を30m/s、処理時間を15分として混合し、複合体予備粒子Y11を得た。
次いで、窒素ガスをパージした電気炉を用い、得られた複合体予備粒子Y11を温度750℃で90分焼成し、複合体Z11としてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
CNFを1.70gとした以外、実施例1−1で得たスラリー水X11と同様にしてスラリー水X12を得た後、実施例1−1で得た複合体Y11と同様にして複合体Y12(BET比表面積22m2/g、平均粒径58nm、CNF由来の炭素量0.5質量%)を得た。次いで、得られた複合体Y12を用い、かかる複合体Y12 98.0gとグラファイト 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=2.5質量%)を得た。
CNFを3.40gとした以外、実施例1−1で得たスラリー水X11と同様にしてスラリー水X13を得た後、実施例1−1で得た複合体Y11と同様にして複合体Y13(BET比表面積21m2/g、平均粒径55nm、CNF由来の炭素量1.0質量%)を得た。次いで、得られた複合体Y13を用い、かかる複合体Y13 98.0gとグラファイト 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=3.0質量%)を得た。
実施例1−1で得られた複合体Y11を用い、かかる複合体Y11 98.0gと鱗片黒鉛(伊藤黒鉛工業(株)製、BET比表面積13.2m2/g、平均粒子径8.6μm) 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
実施例1−1で得られた複合体Y11を用い、かかる複合体Y11 99.5gとグラファイト 0.5g(活物質中における炭素原子換算量で0.5質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=2.0質量%)を得た。
実施例1−1で得られた複合体Y11を用い、かかる複合体Y11 97.0gとグラファイト 3.0g(活物質中における炭素原子換算量で3.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=4.5質量%)を得た。
実施例1−1で得られたスラリー水X11を用い、かかるスラリー水X11にFeSO4・7H2O 5.00g及びMnSO4・5H2O 19.29gのほか、MgSO4・7H2O 0.50gを添加した以外、実施例1−1と同様にして複合体Y17(式(A)で表される酸化物の化学組成:LiFe0.18Mn0.80Mg0.02PO4、BET比表面積21m2/g、平均粒径56nm)を得た。
次いで、得られた複合体Y17を用い、かかる複合体Y17 98.0gとグラファイト 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.18Mn0.80Mg0.02PO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
実施例1−1で得られたスラリー水X11を用い、かかるスラリー水X11にFeSO4・7H2O5.00g及びMnSO4・5H2O19.29gのほか、Zr(SO4)2・4H2O0.36gを添加した以外、実施例1−1と同様にして複合体Y18(式(A)で表される酸化物の化学組成:LiFe0.18Mn0.80Zr0.01PO4、BET比表面積21m2/g、平均粒径60nm、CNF由来の炭素量1.5質量%)を得た。
次いで、得られた複合体Y18を用い、かかる複合体Y18 98.0gとグラファイト 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.18Mn0.80Zr0.01PO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
実施例1−1で得られた複合体Y11を用い、かかる複合体Y11にグラファイト等のセルロースナノファイバー以外の炭素源を添加しなかった以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=1.5質量%)を得た。
実施例1−1で得られた複合体Y11を用い、かかる複合体Y11 98.0gとケッチェンブラック(ライオン(株)製、BET比表面積800m2/g、平均粒子径30.0μm) 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
CNFを用いなかった以外、実施例1−1で得たスラリー水X11と同様にしてスラリー水Xc13を得た後、実施例1−1で得た複合体Y11と同様にして複合体Yc13(式(A)で表される酸化物の化学組成:LiFe0.2Mn0.8PO4、BET比表面積21m2/g、平均粒径60nm、CNF由来の炭素量0.0質量%)を得た。次いで、得られた一次粒子Yc13を用い、かかる複合体Yc13 98.0gとグラファイト 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=2.0質量%)を得た。
実施例1−1で得られたスラリー水X11を用い、かかるスラリー水X11にFeSO4・7H2O 27.80gのみを添加した以外、実施例1−1と同様にして複合体Y14(式(A)で表される酸化物の化学組成:LiFePO4、BET比表面積19m2/g、平均粒径85nm、CNF由来の炭素量1.5質量%)を得た。
次いで、得られた複合体Y14を用い、かかる複合体Y1498.0gとケッチェンブラック 2.0g(活物質中における炭素原子換算量で2.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFePO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
LiOH・H2O 0.428kg、Na4SiO4・nH2O 1.40kgに超純水3.75Lを混合してスラリー水X21を得た。次いで、得られたスラリーX21に対し、窒素ガスをパージして溶存酸素濃度を0.5mg/Lに調整した後、このスラリー水X21に、CNF 1.49kg、FeSO4・7H2O 0.39kg、MnSO4・5H2O 0.79kg、及びZr(SO4)2・4H2O 0.053kgを添加、混合し、スラリー水Y21を得た。次いで、得られたスラリー水Y21を窒素ガスでパージしたオートクレーブに投入し、150℃で12時間水熱反応を行った。オートクレーブの圧力は0.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶を−50℃で12時間凍結乾燥して複合体Y21(粉末、式(B)で表される化学組成:Li2Fe0.28Mn0.66Zr0.03SiO4、CNF由来の炭素量7.0質量%)を得た。
実施例2−1で得られた複合体Y21を用い、かかる複合体Y21 97.0gとグラファイト3.0g(活物質中における炭素原子換算量で3.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例2−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(Li2Fe0.28Mn0.66Zr0.03SiO4、炭素の量=10.0質量%)を得た。
実施例2−1で得られた複合体Y21を用い、かかる複合体Y21にグラファイト等のセルロースナノファイバー以外の炭素源を添加しなかった以外、実施例2−1と同様にしてリチウムイオン二次電池用正極活物質(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の量=7.0質量%)を得た。
NaOH0.60kg、水 9.0L、及びCNF 0.51kgを混合してスラリー水を得た。次いで、得られたスラリー水を、25℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液0.577kgを35mL/分で滴下し、続いて12時間、400rpmの速度で撹拌することにより、複合体X31を含有するスラリーX31を得た。かかるスラリーX31は、リン1モルに対し、3.00モルのナトリウムを含有していた。次いで、得られたスラリーX31に対し、窒素ガスをパージして溶存酸素濃度を0.5mg/Lに調整した後、FeSO4・7H2O 0.139kg、MnSO4・5H2O 0.964kg、MgSO4・7H2O 0.124kgを添加し、混合してスラリー水Y31を得た。次いで、得られたスラリー水Y31を窒素ガスでパージしたオートクレーブに投入し、200℃で3時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、1.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶を−50℃で12時間凍結乾燥して複合体Y31(粉末、式(C)で表される化学組成:NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、CNF由来の炭素量1.5質量%)を得た。
次いで、窒素ガスをパージした電気炉を用い、得られた複合体予備粒子Y31を、温度700℃で1時間焼成して、ナトリウムイオン二次電池用正極活物質(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の量=3.5質量%)を得た。
実施例3−1で得られた複合体Y31を用い、かかる複合体Y31 97.0gとグラファイト3.0g(活物質中における炭素原子換算量で3.0質量%に相当)とを混合した以外、実施例3−1と同様にしてナトリウムイオン二次電池用正極活物質(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の量=4.5質量%)を得た。
実施例3−1で得られた複合体Y31を用い、かかる複合体Y3199.9gとケッチェンブラック0.1g(活物質中における炭素原子換算量で0.1質量%に相当)とを混合した以外、実施例3−1と同様にしてナトリウムイオン二次電池用正極活物質(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の量=1.6質量%)を得た。
実施例3−1で得られた複合体Y31を用い、かかる複合体Y31にグラファイト等のセルロースナノファイバー以外の炭素源を添加しなかった以外、実施例3−1と同様にしてナトリウムイオン二次電池用正極活物質(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の量=1.5質量%)を得た。
実施例1−1〜3−2及び比較例1−1〜3−2で得られた各正極活物質の吸着水分量は、下記方法にしたがって測定した。
正極活物質(複合体粒子)について、温度20℃、相対湿度50%の環境に1日間静置して平衡に達するまで水分を吸着させ、温度150℃まで昇温して20分間保持した後、さらに温度250℃まで昇温して20分間保持したときの、150℃から昇温を再開するときを始点、及び250℃での恒温状態を終えたときを終点とし、始点から終点までの間に揮発した水分量を、カールフィッシャー水分計(MKC−610、京都電子工業(株)製)で測定し、正極活物質における吸着水分量として求めた。
結果を表1〜3に示す。
実施例1−1〜3−2及び比較例1−1〜3−2で得られた正極活物質を用い、リチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池の正極を作製した。具体的には、得られた正極活物質、ケッチェンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量比90:3:7の配合割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練し、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、正極とした。
次いで、上記の正極を用いてコイン型二次電池を構築した。負極には、φ15mmに打ち抜いたリチウム箔を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはNaPF6(ナトリウムイオン二次電池の場合)を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンなどの高分子多孔フィルムなど、公知のものを用いた。これらの電池部品を露点が−50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型二次電池(CR−2032)を製造した。
容量保持率(%)=(50サイクル後の放電容量)/(2サイクル後の放電容量) ×100 ・・・(2)
結果を表1〜3に示す。
Claims (7)
- 少なくとも鉄又はマンガンを含む下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、及び0≦f<1、2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。を示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物と、セルロースナノファイバー由来の炭素とを含む複合体に、グラファイトが担持してなり、セルロースナノファイバーの炭素原子換算量に対するグラファイトの炭素原子換算量(グラファイト/セルロースナノファイバー)が0.08〜6であるリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質。 - セルロースナノファイバー由来の炭素の原子換算量が、0.5〜15質量%である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質。
- グラファイトの平均粒子径が、0.5〜20μmである請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質。
- 少なくとも鉄又はマンガンを含む下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、及び0≦f<1、2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。を示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物と、セルロースナノファイバー由来の炭素とを含む複合体に、グラファイトが担持してなるリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、酸化物とセルロースナノファイバーとを含む複合体に、グラファイトを添加する工程を含み、
セルロースナノファイバーの炭素原子換算量に対するグラファイトの添加量が、質量比(グラファイト/セルロースナノファイバー)で0.08〜6であり、かつ
リチウム化合物又はナトリウム化合物と、セルロースナノファイバーを含む混合物Xに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Xを得る工程(I)、
得られた複合体Xと、少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Yを水熱反応に付して複合体Yを得る工程(II)、
得られた複合体Yにグラファイトを添加して圧縮力及びせん断力を付加しながら混合し、複合体Zを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Zを還元雰囲気又は不活性雰囲気中、500〜800℃で焼成する工程(IV)
を備えるリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。 - 工程(III)における圧縮力及びせん断力を付加しながら混合する時間が、5〜90分間である請求項4に記載のリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 工程(III)におけるグラファイトの添加量が、0.3〜5質量%である請求項4又は5に記載のリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 工程(III)における圧縮力及びせん断力を付加しながら混合する処理が、周速度25〜40m/sで回転するインペラを備えた密閉容器内で行う処理である請求項4〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
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