以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電源システムが適用される車両の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、車両100は、モータジェネレータMGと、車輪6と、蓄電装置B1,B2と、電気機器10と、インバータ20と、コンデンサCと、切替装置40と、制御装置50と、電圧センサ61,62,63とを備える。
モータジェネレータMGは、交流電動機であり、たとえば、3相交流同期電動機である。モータジェネレータMGは、インバータ20から受ける3相交流電圧によって車両100の駆動トルクを発生する。モータジェネレータMGの駆動トルクは、車輪6に伝えられ、車両100を走行させる。
一方、車両100の回生制動時には、車輪6によりモータジェネレータMGが駆動され、モータジェネレータMGが発電機として作動する。これにより、モータジェネレータMGは、制動エネルギーを電力に変換する回生ブレーキとして作用する。モータジェネレータMGにより発電された電力は、インバータ20を介して蓄電装置B1,B2に蓄えられる。
蓄電装置B1,B2は、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池、燃料電池、あるいはキャパシタなどによって構成される。蓄電装置B1,B2は、負荷装置であるインバータ20へ電力を供給し、また、電力回生時には、インバータ20からの電力によって充電される。さらに、蓄電装置B2は、電気機器10へ電力を供給する。
電気機器10は、蓄電装置B2に並列に接続されて、蓄電装置B2の電力を消費する機器を含む。電気機器10は、たとえば、車両100に搭載された補機へ電力を供給するためのDC/DCコンバータ、電動エアコンなどによって構成される。電気機器10は、制御装置50からの信号LIに基づいて動作する。
インバータ20は、制御装置50から受ける信号PWIに基づいて動作する。インバータ20は、コンデンサCの直流電圧を3相交流電圧に変換してモータジェネレータMGへ出力する。また、インバータ20は、車両100の回生制動時にモータジェネレータMGが発電した3相交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサCへ出力する。
コンデンサCは、電力線PL1,PL2間に接続され、電力線PL1,PL2間の電圧変動を平滑化する。
切替装置40は、制御装置50から受ける信号SEに基づいて動作する。切替装置40は、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続を、直列接続と並列接続との間で切替えるためのものである。切替装置40は、スイッチング素子Q1〜Q3と、ダイオードD1〜D3とを含む。
スイッチング素子Q1は、電力線PL1と、蓄電装置B2の正極との間に設けられる。電力線PL1は、蓄電装置B1の正極をインバータ20に接続する。スイッチング素子Q2は、蓄電装置B1の負極と、蓄電装置B2の正極との間に設けられる。スイッチング素子Q3は、蓄電装置B1の負極と、電力線PL2との間に設けられる。電力線PL2は、蓄電装置B2の負極をインバータ20に接続する。スイッチング素子Q1〜Q3は、オン時に導通状態となり、オフ時に非導通状態となる。
スイッチング素子Q1〜Q3は、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む。ダイオードD1〜D3は、スイッチング素子Q1〜Q3に逆並列にそれぞれ接続される。
スイッチング素子Q1〜Q3は、制御装置50から受ける信号SEに応じてオン/オフされる。スイッチング素子Q1,Q3がともにオフであり、スイッチング素子Q2がオンであるときに、蓄電装置B1,B2は、インバータ20に対して直列に接続される。スイッチング素子Q1,Q3がともにオンであり、スイッチング素子Q2がオフであるときに、蓄電装置B1,B2は、インバータ20に対して並列に接続される。
電圧センサ61は、蓄電装置B1の電圧VB1を検出して制御装置50へ出力する。電圧センサ62は、蓄電装置B2の電圧VB2を検出して制御装置50へ出力する。電圧センサ63は、コンデンサCの電圧VHを検出して制御装置50へ出力する。
制御装置50は、アクセル開度やブレーキ踏込量、車両速度等に基づいてモータジェネレータMGの要求出力を決定する。制御装置50は、モータジェネレータMGの出力が要求出力と一致するようにインバータ20を制御する。制御装置50は、インバータ20を制御するための信号PWIを生成し、インバータ20へ出力する。
制御装置50は、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続を、直列接続と並列接続との間で切替えるように切替装置40を制御する。制御装置50は、切替装置40を制御するための信号SEを生成し、切替装置40へ出力する。
上記接続が直列接続とされると、電圧VHが上昇することで、モータジェネレータMGの最大出力を大きくすることができる。上記接続が並列接続とされると、電圧VHが低下することで、インバータ20における損失を抑制することができる。そこで、制御装置50は、インバータ20における負荷状態に応じて上記接続を直列接続と並列接続との間で切替えるように切替装置40を制御する。
また、電気機器10は、蓄電装置B2のみから電力の供給を受ける。このため、蓄電装置B1の充電状態を示すSOC(State Of Charge)と、蓄電装置B2のSOCとの間に差が生じる。蓄電装置B1のSOCと、蓄電装置B2のSOCと間に差が生じることによって一方の蓄電装置のSOCのみが下限に達すると、上記接続が直列接続である場合は、他方の蓄電装置に電力が蓄えられている場合であっても、蓄電装置B1,B2からインバータ20へ電力を供給することができなくなる。
しかしながら、蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差が大きい状態で直列接続から並列接続への切替が行われると、蓄電装置B1,B2間に大きな突入電流が流れる。蓄電装置B1,B2および切替装置40が有する素子を保護する観点から、突入電流を抑制することが望ましい。
そこで、本実施の形態1では、蓄電装置B1,B2の電圧差がしきい値を上回ったときに、インバータ20の負荷状態に拘わらず、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続を直列接続から並列接続へ切替えるための切替制御が実行される。これにより、蓄電装置B1,B2の電圧差が大きくなることが抑制され、蓄電装置B1,B2および切替装置40が有する素子の許容電流を超える電流が流れることを防止することができる。以下、上記切替制御の内容を詳しく説明する。
図2は、図1に示す制御装置50が実行する直列接続から並列接続への切替制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。なお、図2に示されるフローチャート中の各ステップについては、制御装置50に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期もしくは所定の条件が成立したことに応答して実行されることによって実現される(以下説明する図4,図5,図8,図10に示されるフローチャートについても同様である。)。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図2を参照して、制御装置50は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)110にて、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が直列接続であるか否かを判定する。上記接続が直列接続でないと判定された場合は(S110にてNO)、制御装置50は、直列接続から並列接続へ上記接続を切替える処理を行わない。
上記接続が直列接続であると判定された場合は(S110にてYES)、制御装置50は、蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値V1よりも大きいか否かを判定する(S120)。蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値V1以下であると判定された場合は(S120にてNO)、制御装置50は、直列接続から並列接続へ上記接続を切替える処理を行わない。
なお、しきい値V1は、蓄電装置B1,B2および切替装置40が有する素子の許容電流に基づいて設定される値である。すなわち、電圧差がしきい値V1以下である場合は、蓄電装置B1,B2間に流れる電流の大きさは、許容電流以下に抑えられる。
蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値V1よりも大きいと判定された場合は(S120にてYES)、制御装置50は、上記接続を並列接続へ切替えるように切替装置40を制御する(S130)。具体的には、制御装置50は、スイッチング素子Q1,Q3をオンとし、スイッチング素子Q2をオフとする。
以上のように、この実施の形態1においては、蓄電装置B1,B2の電圧差がしきい値を上回ったときに、インバータ20の負荷状態に拘わらず、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続を直列接続から並列接続へ切替えるための切替制御が実行される。これにより、蓄電装置B1,B2の電圧差が大きくなることが抑制され、許容電流を超える電流が流れることを防止することができる。したがって、実施の形態1によれば、上記接続が切替えられる際に蓄電装置B1,B2間に流れる突入電流を抑制することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、蓄電装置B1,B2の電圧差がしきい値を上回ったときに、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が並列接続とされる構成とした。このため、インバータ20の要求電力が大きい場合であっても、蓄電装置B1,B2の電圧差がしきい値を上回ったときは、強制的に上記接続が並列接続となる。よって、インバータ20の要求電力に対して、蓄電装置B1,B2からの出力が不足する場合がある。
実施の形態2では、上記接続が直列接続から並列接続へ切替えられる場合に、蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値よりも大きいときは、電圧が高い方の蓄電装置のみからインバータ20へ電力が供給される。そして、電圧VB1,VB2間の差が小さくなった後に、接続が並列接続へ切替えられる。これにより、上記接続が直列接続から並列接続へ切替えられる際に大きな電流が発生することを抑制することができる。よって、電圧VB1,VB2間の差が大きい場合であっても直列接続から並列接続へ切替える処理を行うことができる。したがって、インバータ20の要求電力が大きい場合に、電圧VB1,VB2間の差に拘わらず直列接続とすることができる。
実施の形態2による電源システムの回路構成は、図1に示した実施の形態1による電源システムの構成と同じである。
図3は、この発明の実施の形態2による電源システムにおける電圧VB1,VB2、蓄電装置B1の出力PB1、および蓄電装置B2の出力PB2の変化の一例を示すグラフである。図3を参照して、出力PB1,PB2の合計である車両要求出力PREQが零であるときに、蓄電装置B1の電圧VB1は、蓄電装置B2の電圧VB2よりも高いものとする。このとき、制御装置50は、スイッチング素子Q1,Q2をオフし、スイッチング素子Q3をオンするように切替装置40を制御する。これにより、蓄電装置B1のみからインバータ20へ電力が供給される。よって、電圧VB1,VB2間の差を小さくすることができる。
車両要求出力PREQが零から上昇すると、蓄電装置B1の出力PB1が上昇して、蓄電装置B1の電圧VB1が低下する。
蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差が小さくなると、車両要求出力PREQがP1において、制御装置50は、スイッチング素子Q2をオフし、スイッチング素子Q1,Q3をオンするように切替装置40を制御する。これにより、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続は、並列接続となる。
車両要求出力PREQがP1から上昇すると、蓄電装置B1,B2からインバータ20へ電力が供給されるので、電圧VB1,VB2が同様に低下する。そして、蓄電装置B1の出力PB1,PB2がともに上昇する。
このように、電圧VB1,VB2間の差が大きい場合は、電圧が高い方の蓄電装置のみからインバータ20へ電力が供給されることによって、電圧VB1,VB2間の差を小さくすることができる。これにより、電圧VB1,VB2間の差が大きい場合であっても直列接続から並列接続へ切替える処理を行うことができる。
図4は、この発明の実施の形態2による電源システムの制御装置50が実行する直列接続から並列接続への切替制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。
図4を参照して、制御装置50は、S210にて、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が直列接続であるか否かを判定する。
上記接続が直列接続であると判定された場合は(S210にてYES)、制御装置50は、直列接続から並列接続への切替要求があるか否かを判定する(S220)。上記切替要求がないと判定された場合は(S220にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。
なお、制御装置50は、インバータ20の要求電力に基づいて上記切替要求があるか否かを判定する。インバータ20の要求電力がしきい値よりも小さいときに、制御装置50は、上記切替要求があると判定する。一方、インバータ20の要求電力がしきい値以上であるときに、制御装置50は、上記切替要求がないと判定する。
上記切替要求があると判定された場合は(S220にてYES)、制御装置50は、蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値V1よりも大きいか否かを判定する(S230)。蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値V1以下であると判定された場合は(S230にてNO)、制御装置50は、直列接続から並列接続へ切替えるように切替装置40を制御する(S270)。
蓄電装置B1の電圧VB1と、蓄電装置B2の電圧VB2との差がしきい値V1よりも大きいと判定された場合は(S230にてYES)、制御装置50は、電圧VB1が電圧VB2よりも高いか否かを判定する(S240)。
電圧VB1が電圧VB2よりも高いと判定された場合は(S240にてYES)、制御装置50は、スイッチング素子Q1,Q2をオフし、スイッチング素子Q3をオンするように切替装置40を制御する(S250)。これにより、蓄電装置B1の電力のみがインバータ20へ供給される。また、蓄電装置B1,B2間に電流は流れない。電圧VB1が電圧VB2以下であると判定された場合は(S240にてNO)、制御装置50は、スイッチング素子Q1をオンし、スイッチング素子Q2,Q3をオフするように切替装置40を制御する(S260)。これにより、蓄電装置B2の電力のみがインバータ20へ供給される。また、蓄電装置B1,B2間に電流は流れない。
S210にて上記接続が直列接続でないと判定された場合は(S210にてNO)、制御装置50は、スイッチング素子Q1,Q3の一方のみがオン状態であり、かつ、スイッチング素子Q2がオフ状態であるか否かを判定する(S280)。スイッチング素子Q1,Q3の一方のみがオン状態であり、かつ、スイッチング素子Q2がオフ状態であると判定された場合は(S280にてYES)、処理がS230へ進められる。スイッチング素子Q1,Q3の一方のみがオン状態であり、かつ、スイッチング素子Q2がオフ状態であると判定されない場合は(S280にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。
以上のように、この実施の形態2においては、電圧VB1,VB2間の差が大きい場合に、電圧が高い方の蓄電装置のみからインバータ20へ電力が供給される。そして、電圧VB1,VB2間の差が小さくなった後に、接続が並列接続へ切替えられる。したがって、実施の形態2によれば、インバータ20の負荷状態に応じてインバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が直列接続から並列接続へ切替えられる場合において、上記接続が切替える際に蓄電装置B1,B2間に流れる突入電流を抑制することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1,2では、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が切替えられる際に、蓄電装置B1,B2間に流れる電流を抑制するための構成を説明した。実施の形態3では、上記接続が切替えられる際に、コンデンサCから蓄電装置B1,B2へ流れる突入電流を抑制するための構成が示される。
実施の形態3による電源システムの回路構成は、図1に示した実施の形態1による電源システムの構成と同じである。
図5は、この発明の実施の形態3による電源システムの制御装置50が実行する直列接続から並列接続への切替制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。
図5を参照して、制御装置50は、S310にて、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が直列接続であるか否かを判定する。上記接続が直列接続でないと判定された場合は(S310にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。
上記接続が直列接続であると判定された場合は(S310にてYES)、制御装置50は、直列接続から並列接続への切替要求があるか否かを判定する(S320)。上記切替要求がないと判定された場合は(S320にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。なお、上記切替要求があるか否かの判定については、実施の形態2と同様であるので、説明を繰り返さない。
上記切替要求があると判定された場合は(S320にてYES)、制御装置50は、スイッチング素子Q2をオフとするように切替装置40を制御する(S330)。すると、スイッチング素子Q1〜Q3のすべてがオフとなるので、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続は非接続となる。
続いてS340において、制御装置50は、蓄電装置B1,B2が並列接続とされるときの蓄電装置B1,B2の電圧を示す電圧VPと、コンデンサCの電圧VHとの差がしきい値V2よりも小さいか否かを判定する。電圧VPと電圧VHとの差がしきい値V2以上であると判定された場合は(S340にてNO)、制御装置50は、電圧VPと電圧VHとの差がしきい値V2よりも小さくなるまで待機する。このとき、インバータ20がコンデンサCの蓄電電力を消費することによって、電圧VHは低下する。
なお、しきい値V2は、蓄電装置B1,B2および切替装置40が有する素子の許容電流に基づいて設定される値である。すなわち、電圧VPと電圧VHとの差がしきい値V2以下である場合は、コンデンサCと蓄電装置B1,B2との間に流れる電流は、許容電流以下に抑えられる。
電圧VPと電圧VHとの差がしきい値V2よりも小さいと判定された場合は(S340にてYES)、制御装置50は、スイッチング素子Q1,Q3をオンとするように切替装置40を制御する。すると、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続は、並列接続となる。
以上のように、この実施の形態3においては、インバータ20の負荷状態に応じて接続が直列接続から並列接続へ切替えられる場合に、直列接続から非接続へ切替えられた後に、コンデンサCの電圧VHを低下させ、電圧VHが低下した後に、非接続から並列接続へ切替える制御が実行される。よって、電圧VPと電圧VHとの差が小さい状態で、接続が並列接続とされる。したがって、実施の形態3によれば、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が切替えられる際にコンデンサCから蓄電装置B1,B2へ流れる突入電流を抑制することができる。
[実施の形態3の変形例]
実施の形態3では、インバータ20の負荷状態に応じて接続が直列接続から並列接続へ切替えられる場合に、上記接続を直列接続から非接続へ切替えた後に、コンデンサCの電圧VHを低下させ、電圧VHが低下した後に、上記接続を非接続から並列接続へ切替える制御が実行される構成を説明した。しかしながら、上記接続が非接続であるときに、車両100の回生制動が実行されると、回生電力によって電圧VHが上昇する。このため、上記接続を並列接続にすることが困難になる場合がある。
実施の形態3の変形例による電源システムの回路構成は、図1に示した実施の形態1による電源システムの構成と同じである。
そこで、実施の形態3の変形例では、直列接続から並列接続へ切替える切替処理を、回生制動が開始されるまでに完了できるか否かが判定される。そして、切替処理を回生制動が開始されるまでに完了できる場合にのみ、切替処理の実行が許可される。これにより、非接続状態が継続されて切替制御が破綻することを防止できる。
図6は、この発明の実施の形態3の変形例による電源システムが適用される車両100におけるモータジェネレータMGのトルク変化の一例を示すタイムチャートである。
図6を参照して、時刻t1において、モータジェネレータMGは、力行動作の状態である。このとき、上記接続の直列接続から並列接続への切替要求があると、制御装置50は、このときのトルクTr1と、トルク変化率の最大レートとに基づいて、モータジェネレータMGが回生動作に移行する時刻t2までのモータジェネレータMGのトルクおよび回転数の変化を予測する。制御装置50は、予測されたトルクおよび回転数に基づいて電力Pmを算出する。電力Pmは、このときからモータジェネレータMGが回生動作になるまでにモータジェネレータMGで消費される電力である。
制御装置50は、電圧VPと電圧VHとの差をしきい値V2よりも小さくするためにコンデンサCから放電しなければならない電力Pcを、コンデンサCの容量および電圧VHに基づいて算出する。制御装置50は、電力Pmが電力Pcよりも大きい場合に、上記接続を直列接続から並列接続へ切替える切替処理の実行を許可する。すなわち、制御装置50は、切替処理を回生制動が開始するまでに完了できる場合にのみ、切替処理の実行を許可する。
なお、制御装置50は、トルク変化率の最大レートを用いることで、電力Pmが最小となる条件で予測することができる。このため、直列接続から並列接続へ切替える処理を完了できるか否かを確実に判定することができる。
図7は、この発明の実施の形態3の変形例による電源システムの制御装置50が実行する直列接続から並列接続への切替制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。図7を参照して、S310,S320,S330〜S350については、実施の形態3と同様であるので説明を繰り返さない。
S320にてインバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続の直列接続から並列接続への切替要求があると判定された場合は(S320にてYES)、制御装置50は、切替許可条件が成立するか否かを判定する(S325)。切替許可条件は、直列接続から並列接続へ切替える切替処理を、回生制動が開始するまでに完了できるか否かを判定するための条件である。具体的には、制御装置50は、上述した電力Pmが電力Pcよりも大きい場合に、切替許可条件が成立すると判定する。切替許可条件が成立しないと判定された場合は(S325にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。
切替許可条件が成立すると判定された場合は(S325にてYES)、制御装置50は、処理をS330へ進めて、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続を、非接続とする。そして、実施の形態3と同様に並列接続へ切替えるための処理が実行される。
以上のように、実施の形態3の変形例においては、直列接続から並列接続へ切替える切替処理を、回生制動が開始するまでに完了できるか否かを判定する。そして、切替処理を回生制動が開始するまでに完了できる場合にのみ、切替処理の実行が許可される。これにより、非接続状態が継続されて切替制御が破綻することを防止できる。
[実施の形態4]
実施の形態3では、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が直列接続から並列接続へ切替えられる際に、コンデンサCと蓄電装置B1,B2との間に流れる電流を抑制する構成を説明した。実施の形態4では、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が並列接続から直列接続へ切替えられる際に、コンデンサCと蓄電装置B1,B2との間に流れる電流を抑制する構成が示される。
実施の形態4による電源システムの回路構成は、図1に示した実施の形態1による電源システムの構成と同じである。
図8は、この発明の実施の形態4による電源システムの制御装置50が実行する並列接続から直列接続への切替制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。
図8を参照して、制御装置50は、S410にて、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が並列接続であるか否かを判定する。上記接続が並列接続でないと判定された場合は(S410にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。
上記接続が並列接続であると判定された場合は(S410にてYES)、制御装置50は、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続の並列接続から直列接続への切替要求があるか否かを判定する(S420)。上記切替要求がないと判定された場合は(S420にてNO)、制御装置50は、接続を切替える処理を行わない。
なお、制御装置50は、インバータ20の要求電力に基づいて上記切替要求があるか否かを判定する。インバータ20の要求電力がしきい値よりも大きいときに、制御装置50は、上記切替要求があると判定する。一方、インバータ20の要求電力がしきい値以下であるときに、制御装置50は、上記切替要求がないと判定する。
上記切替要求があると判定された場合は(S420にてYES)、制御装置50は、スイッチング素子Q1,Q3をオフとするように切替装置40を制御する(S430)。すると、スイッチング素子Q1〜Q3のすべてがオフとなるので、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続は非接続となる。
続いてS440において、制御装置50は、蓄電装置B1,B2が直列接続されるときの電圧VB1および電圧VB2の和を示す電圧VSと、コンデンサCの電圧VHとの差がしきい値V3よりも小さいか否かを判定する。電圧VSと電圧VHとの差がしきい値V3以上であると判定された場合は(S440にてNO)、制御装置50は、電圧VSと電圧VHとの差がしきい値V3よりも小さくなるまで、回生制御を実行する(S460)。回生制御では、モータジェネレータMGのトルク指令が回生側となるように変更される。これにより、インバータ20からコンデンサCへ電力が供給されることによって、電圧VHは上昇する。
なお、しきい値V3は、蓄電装置B1,B2および切替装置40が有する素子の許容電流に基づいて設定される値である。すなわち、電圧VSと電圧VHとの差がしきい値V3以下である場合は、コンデンサCと蓄電装置B1,B2との間に許容電流以下の電流が流れる。
電圧VSと電圧VHとの差がしきい値V3よりも小さいと判定された場合は(S440にてYES)、制御装置50は、スイッチング素子Q2をオンとするように切替装置40を制御する。すると、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続は、直列接続となる。
以上のように、この実施の形態4においては、インバータ20の負荷状態に応じて接続が並列接続から直列接続へ切替えられる場合に、上記接続を並列接続から非接続へ切替えた後に、コンデンサCの電圧VHを上昇させ、電圧VHが上昇した後に、上記接続を非接続から直列接続へ切替える制御が実行される。よって、電圧VSと電圧VHとの差が小さい状態で、上記接続が直列接続となる。したがって、実施の形態4によれば、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が切替えられる際に、蓄電装置B1,B2からコンデンサCへ流れる突入電流を抑制することができる。
[実施の形態4の変形例]
実施の形態4では、車両100の走行中において、モータジェネレータMGの回生電力のみによって蓄電装置B1,B2が充電される構成を説明した。実施の形態4の変形例では、実施の形態4の構成に加え、コンデンサCへ電力を供給することができる発電機をさらに備える構成を説明する。このため、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続が切替えられる際にモータジェネレータを回生制御する必要がないので、ドライバビリティを損なうことなく接続の切替を行うことができる。
図9は、この発明の実施の形態4の変形例による電源システムが適用される車両の全体構成を示すブロック図である。図9を参照して、車両100Aは、実施の形態1の構成に対し、モータジェネレータMGに代えて、エンジン2と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割装置4とを備える。
車両100Aは、エンジン2およびモータジェネレータMG2を動力源として走行する。動力分割装置4は、エンジン2とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。動力分割装置4は、たとえば、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構から成り、この3つの回転軸がエンジン2およびモータジェネレータMG1,MG2の回転軸にそれぞれ接続される。なお、モータジェネレータMG1のロータを中空にしてその中心にエンジン2のクランク軸を通すことにより、エンジン2およびモータジェネレータMG1,MG2を動力分割装置4に機械的に接続することができる。また、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示されない減速ギヤや差動ギヤによって車輪6に結合される。
そして、モータジェネレータMG1は、エンジン2によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン2の始動を行ない得る電動機として動作するものとして車両100Aに組込まれ、モータジェネレータMG2は、車輪6を駆動する電動機として車両100Aに組込まれる。
制御装置50は、エンジン2を制御するための信号DRVをエンジン2へ出力する。制御装置50は、モータジェネレータMG1を制御するための信号PWI1、およびモータジェネレータMG2を制御するための信号PWI2をインバータ20へ出力する。制御装置50は、エンジン2の駆動力を用いてモータジェネレータMG1が発電するための発電制御を実行する。
図10は、図9に示す制御装置50が実行する並列接続から直列接続への切替制御に関する処理の制御構造を示すフローチャートである。図10を参照して、S410〜S450については、実施の形態4と同様であるので説明を繰り返さない。
S440にて電圧VSと電圧VHとの差がしきい値V3以上であると判定された場合は(S440にてNO)、制御装置50は、電圧VSと電圧VHとの差がしきい値V3よりも小さくなるまで発電制御を実行する(S470)。これにより、インバータ20からコンデンサCへ電力が供給されることによって、電圧VHは上昇する。
以上のように、この実施の形態4の変形例においては、蓄電装置B1,B2を充電することができる発電機が設けられる。このため、インバータ20に対する蓄電装置B1,B2の接続を切替える際に、モータジェネレータMGを回生制御する必要がないので、ドライバビリティを損なうことなく、接続の切替を行うことができる。
なお、上記の各実施の形態においては、切替装置40がスイッチング素子Q1〜Q3と、ダイオードD1〜D3とを含む構成について説明したが、スイッチング素子Q1およびダイオードD1によって構成される回路、スイッチング素子Q2およびダイオードD2によって構成される回路、およびスイッチング素子Q3およびダイオードD3によって構成される回路の各々が、リレーであってもよい。
なお、上記の実施の形態1〜4においては、モータジェネレータMGを備える電気自動車について説明したが、エンジンをさらに備えるハイブリッド車両であってもよい。また、上記の実施の形態4の変形例においては、動力分割装置4を用いてエンジン2の動力がモータジェネレータMG1と車輪6とに分配される、いわゆるシリーズ/パラレル型のハイブリッド車両について説明したが、エンジン2の動力をモータジェネレータMG1による発電のみに用い、モータジェネレータMG2のみを用いて車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車両であってもよい。また、発電機能を有するプラグインハイブリッド車、航続距離拡張機能(レンジエクステンダー)付電気自動車、あるいはレンジエクテンディッド電気自動車と呼ばれる車両であってもよい。
なお、上記の実施の形態においては、電源システムが2つの蓄電装置B1,B2を備える構成について説明したが、電源システムが3つ以上の蓄電装置を備える場合についても本発明の考え方を適用することができる。
なお、上記において、蓄電装置B1,B2は、それぞれこの発明における「第1の蓄電装置」および「第2の蓄電装置」に対応し、インバータ20は、この発明における「負荷装置」に対応する。また、スイッチング素子Q1〜Q3は、この発明における「第1〜第3のスイッチ」に対応し、コンデンサCは、この発明における「蓄電素子」に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。