以下に添付図面を参照して、この発明に係る撮像装置、測色装置、測色システムおよび画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態では、本発明を適用した画像形成装置の一例としてインクジェットプリンタを例示するが、本発明は、記録媒体に画像を出力する様々なタイプの画像形成装置に対して広く適用可能である。
<画像形成装置の機械的構成>
まず、図1乃至図4を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の機械的構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の内部を透視して示す斜視図、図2は、本実施形態に係る画像形成装置100の内部の機械的構成を示す上面図、図3は、キャリッジ5を昇降させる昇降機構の一例を説明する図、図4は、キャリッジ5に搭載される記録ヘッド6の配置例を説明する図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、主走査方向(図中矢印A方向)に往復移動して、副走査方向(図中矢印B方向)に間欠的に搬送される記録媒体Pに対して画像を形成するキャリッジ5を備える。キャリッジ5は、主走査方向に沿って延設された主ガイドロッド3により支持されている。また、キャリッジ5には連結片5aが設けられている。連結片5aは、主ガイドロッド3と平行に設けられた副ガイド部材4に係合し、キャリッジ5の姿勢を安定化させる。
キャリッジ5には、図2に示すように、イエロー(Y)インクを吐出する記録ヘッド6y、マゼンタ(M)インクを吐出する記録ヘッド6m、シアン(C)インクを吐出する記録ヘッド6c、およびブラック(Bk)インクを吐出する複数の記録ヘッド6k(以下、記録ヘッド6y,6m,6c,6kを総称する場合は、記録ヘッド6という。)が搭載されている。記録ヘッド6は、その吐出面(ノズル面)が下方(記録媒体P側)に向くように、キャリッジ5に搭載されている。
記録ヘッド6にインクを供給するためのインク供給体であるカートリッジ7は、キャリッジ5には搭載されず、画像形成装置100内の所定の位置に配置されている。カートリッジ7と記録ヘッド6とは図示しないパイプで連結されており、このパイプを介して、カートリッジ7から記録ヘッド6に対してインクが供給される。
キャリッジ5は、駆動プーリ9と従動プーリ10との間に張架されたタイミングベルト11に連結されている。駆動プーリ9は、主走査モータ8の駆動により回転する。従動プーリ10は、駆動プーリ9との間の距離を調整する機構を有し、タイミングベルト11に対して所定のテンションを与える役割を持つ。キャリッジ5は、主走査モータ8の駆動によりタイミングベルト11が送り動作されることにより、主走査方向に往復移動する。キャリッジ5の主走査方向の移動は、たとえば図2に示すように、キャリッジ5に設けられたエンコーダセンサ41がエンコーダシート40のマークを検知して得られるエンコーダ値に基づいて制御される。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、記録ヘッド6の信頼性を維持するための維持機構21を備える。維持機構21は、記録ヘッド6の吐出面の清掃やキャッピング、記録ヘッド6からの不要なインクの排出などを行う。
記録ヘッド6の吐出面と対向する位置には、図2に示すように、プラテン板22が設けられている。プラテン板22は、記録ヘッド6から記録媒体P上にインクを吐出する際に、記録媒体Pを支持するためのものである。本実施形態に係る画像形成装置100は、キャリッジ5の主走査方向の移動距離が長い広幅機である。このため、プラテン板22は、複数の板状部材を主走査方向(キャリッジ5の移動方向)に繋いで構成している。記録媒体Pは、図示しない副走査モータによって駆動される搬送ローラにより挟持され、プラテン板22上を、副走査方向に間欠的に搬送される。
記録媒体Pが腰の強い用紙や折れ用紙などの場合、プラテン板22から記録媒体Pが浮き上がって搬送される場合がある。このとき、記録媒体Pが記録ヘッド6の吐出面に接触すると記録ヘッド6の破損に繋がる虞がある。そこで、画像形成装置100は、プラテン板22からの浮きが発生しやすい記録媒体Pへの対策として、キャリッジ5を昇降させる昇降機構を備えており、浮きが発生しやすい記録媒体Pを使用する際には記録媒体Pから記録ヘッド6の吐出面との間の距離を大きく取ることができるようにしている。なお、キャリッジ5の昇降とは、記録媒体Pに対して近接離間する方向へのキャリッジ5の移動をいう。
昇降機構は、たとえば図3に示すように、キャリッジ昇降モータ30の駆動により偏心カム31を変位させてキャリッジ5を昇降させる構成である。すなわち、キャリッジ昇降モータ30の回転により、キャリッジ昇降モータ30の回転軸に取り付けられたギア30aが偏心カム31の軸31aを回転させる。軸31aは偏心カム31の中心から変位した位置に設けられているため、軸31aが回転すると偏心カム31が変位する。キャリッジ5は、偏心カム31に当接しているため、偏心カム31の変位に伴って図中矢印で示す方向に昇降する。なお、図3に示す昇降機構はあくまで一例であり、キャリッジ5を昇降できる機能であればどのような構成であってもよい。
記録ヘッド6は、複数のノズル列を備えており、プラテン板22上を搬送される記録媒体P上にノズル列からインクを吐出することで、記録媒体Pに画像を形成する。本実施形態では、キャリッジ5の1回の走査で記録媒体Pに形成できる画像の幅を多く確保するため、図4に示すように、キャリッジ5に、上流側の記録ヘッド6と下流側の記録ヘッド6とを搭載している。また、ブラックのインクを吐出する記録ヘッド6kは、カラーのインクを吐出する記録ヘッド6y,6m,6cの2倍の数だけキャリッジ5に搭載している。また、記録ヘッド6y,6mは左右に分離して配置されている。これは、キャリッジ5の往復動作で色の重ね順を合わせ、往路と復路とで色が変わらないようにするためである。なお、図4に示す記録ヘッド6の配列は一例であり、図4に示す配列に限定されるものではない。
本実施形態に係る画像形成装置100を構成する上記の各構成要素は、外装体1の内部に配置されている。外装体1にはカバー部材2が開閉可能に設けられている。画像形成装置100のメンテナンス時やジャム発生時には、カバー部材2を開けることにより、外装体1の内部に設けられた各構成要素に対して作業を行うことができる。
本実施形態に係る画像形成装置100は、記録媒体Pを副走査方向に間欠的に搬送し、記録媒体Pの副走査方向の搬送が停止している間に、キャリッジ5を主走査方向に移動させながら、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド6のノズル列からプラテン板22上の記録媒体P上にインクを吐出して、記録媒体Pに画像を形成する。
特に、画像形成装置100の色再現特性を調整するための色調整時には、記録媒体Pにインクを吐出して測色対象パッチCPを形成する。測色対象パッチCPは、基準色のパッチを画像形成装置100が実際に出力することで得られる画像であり、画像形成装置100の出力特性を反映している。したがって、測色対象パッチCPの測色値に基づいて色変換パラメータを生成し、この色変換パラメータを用いて色変換を行った後の画像データに基づいて画像を出力することで、画像形成装置100は再現性の高い画像を出力することができる。
本実施形態に係る画像形成装置100は、測色対象パッチCPを測色するための測色装置を備える。測色装置は、被写体を後述する基準チャートKCとともに撮像する撮像部(撮像装置)42を備える。撮像部42は、図2および図3に示すように、キャリッジ5に対して固定されて設けられ、キャリッジ5と一体となって主走査方向に往復移動する。また、昇降機構によりキャリッジ5が昇降すると、キャリッジ5の昇降に伴って撮像部42も昇降する。撮像部42には、当該撮像部42が撮像を行う際の撮像条件を反映した色味の基準として用いられる基準チャートKCが一体に設けられている。そして、撮像部42は、キャリッジ5の移動に伴って被写体と対向する位置に移動した状態で、被写体と基準チャートKCとを同時に撮像する。なお、ここでの同時に撮像とは、被写体と基準チャートKCとを含む1フレームの画像データを取得することを意味する。つまり、画素ごとのデータ取得に時間差があっても、1フレーム内に被写体と基準チャートKCとを含む画像データを取得すれば、被写体と基準チャートKCとを同時に撮像したことになる。
画像形成装置100の色調整時には、測色対象パッチCPが形成された記録媒体Pがプラテン板22上にセットされる。そして、副走査モータによる調整シートCSの搬送およびキャリッジ5の移動により、撮像部42を測色対象パッチCPと対向する位置に移動させる。この状態で、撮像部42が、測色対象パッチCPと基準チャートKCとを同時に撮像する。測色装置は、撮像部42が測色対象パッチCPを被写体として撮像を行うことで得られる測色対象パッチCPおよび基準チャートKCの画像データを用いて、後述する方法によって測色対象パッチCPの測色値を算出する。
<撮像部の具体例>
次に、図5−1乃至図5−3を参照しながら、撮像部42の具体例について詳細に説明する。図5−1乃至図5−3は、撮像部42の具体例を示す図であり、図5−1は、撮像部42の縦断面図(図5−2中のX1−X1線断面図)、図5−2は、撮像部42の内部を透視して示す上面図、図5−3は、筐体の底面部を図5−1中のX2方向から見た平面図である。
撮像部42は、枠体422と基板423とを組み合わせて構成された筐体421を備える。枠体422は、筐体421の上面となる一端側が開放された有底筒状に形成されている。基板423は、枠体422の開放端を閉塞して筐体421の上面を構成するように、締結部材424によって枠体422に締結され、枠体422と一体化されている。
筐体421は、その底面部421aが所定の間隙dを介してプラテン板22上の記録媒体Pと対向するように、キャリッジ5に固定される。記録媒体Pと対向する筐体421の底面部421aには、記録媒体Pに形成された被写体(色調整では測色対象パッチCP)を筐体421の内部から撮影可能にするための開口部425が設けられている。
筐体421の内部には、画像を撮像するセンサユニット430が設けられている。センサユニット430は、CCDセンサまたはCMOSセンサなどの2次元イメージセンサ431と、センサユニット430の撮像範囲の光学像を2次元イメージセンサ431のセンサ面に結像する結像レンズ432とを備える。2次元イメージセンサ431は、センサ面が筐体421の底面部421a側に向くように、たとえば、基板423の内面(部品実装面)に実装されている。結像レンズ432は、その光学特性に応じて定められる位置関係を保つように2次元イメージセンサ431に対して位置決めされた状態で固定されている。
筐体421の底面部421aのセンサユニット430と対向する内面側には、底面部421aに設けられた開口部425と隣り合うようにして、基準チャートKCが形成されたチャート板410が配置されている。チャート板410は、たとえば、基準チャートKCが形成された面とは逆側の面を接着面として、筐体421の底面部421aの内面側に接着材などにより接着され、筐体421に対して固定された状態で保持されている。基準チャートKCは、センサユニット430により被写体(測色対象パッチCP)とともに撮像されるものである。つまり、センサユニット430は、筐体421の底面421aに設けられた開口部425を介して筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)を撮像すると同時に、筐体421の底面421aの内面側に配置されたチャート板410上の基準チャートKCを撮像する。なお、基準チャートKCの詳細については後述する。
また、筐体421の内部には、光路長変更部材440が配置されている。光路長変更部材440は、光を透過する屈折率n(nは任意の数)の光学素子である。光路長変更部材440は、筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)とセンサユニット430との間の光路中に配置され、被写体(測色対象パッチCP)の光学像の結像面を基準チャートKCの光学像の結像面に近づける機能を持つ。つまり、本実施形態の撮像部42では、被写体(測色対象パッチCP)とセンサユニット430との間の光路中に光路長変更部材440を配置することによって、筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)の光学像の結像面と、筐体421の内部の基準チャートKCの結像面とを、ともにセンサユニット430の2次元イメージセンサ431のセンサ面に合わせるようにしている。なお、図5−1では、光路長変更部材440を筐体421の底面部421a上に載置した例を図示しているが、光路長変更部材440は必ずしも底面部421a上に載置する必要はなく、筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)とセンサユニット430との間の光路中に配置されていればよい。
光路長変更部材440を光が通過すると、光路長変更部材440の屈折率nに応じて光路長が延び、画像が浮き上がって見える。画像の浮上がり量Cは、光路長変更部材440の光軸方向の長さをLpとすると、以下の式で求めることができる。
C=Lp(1−1/n)
また、センサユニット430の結像レンズ432の主点と基準チャートKCとの間の距離をLcとすると、結像レンズ432の主点と光路長変更部材440を透過する光学像の前側焦点面(撮像面)との間の距離Lは、以下の式で求めることができる。
L=Lc+Lp(1−1/n)
ここで、光路長変更部材440の屈折率nを1.5とした場合、L=Lc+Lp(1/3)となり、光路長変更部材440を透過する光学像の光路長を光路長変更部材440の光軸方向の長さLpの約1/3だけ長くすることができる。この場合、例えばLp=9[mm]とすれば、L=Lc+3[mm]となるので、センサユニット430から基準チャートKCまでの距離と被写体(測色対象パッチCP)までの距離との差が3mmとなる状態で撮像すれば、基準チャートKCの光学像の後側焦点面(結像面)と、被写体(測色対象パッチCP)の光学像の後側焦点面(結像面)とを、ともにセンサユニット430の2次元イメージセンサ431のセンサ面に合わせることができる。
また、筐体421の内部には、センサユニット430が被写体(測色対象パッチCP)と基準チャートKCとを同時に撮像する際に、これら被写体(測色対象パッチCP)および基準チャートKCを照明する照明光源426が設けられている。照明光源426としては、たとえばLEDが用いられる。本実施形態においては、照明光源426として2つのLEDを用いる。照明光源426として用いるこれら2つのLEDは、たとえば、センサユニット430の2次元イメージセンサ431とともに、基板423の内面に実装される。ただし、照明光源426は、被写体(測色対象パッチCP)と基準チャートKCとを照明できる位置に配置されていればよく、必ずしも基板423に直接実装されていなくてもよい。
また、本実施形態では、図5−2に示すように、照明光源426として用いる2つのLEDを基板423側から筐体421の底面部421a側に垂直に見下ろしたときの底面部421a上の投影位置が、開口部425と基準チャートKCとの間の領域内となり、且つ、センサユニット430を中心として対称となる位置となるように、これら2つのLEDが配置されている。換言すると、照明光源426として用いる2つのLEDを結ぶ線がセンサユニット430の結像レンズ432の中心を通り、且つ、この2つのLEDを結ぶ線に対して線対称となる位置に、筐体421の底面部421aに設けられた開口部425と基準チャートKCとが配置される。照明光源426として用いる2つのLEDをこのように配置することにより、被写体(測色対象パッチCP)と基準チャートKCとを、概ね同一の条件にて照明することができる。
ところで、筐体421の内部に配置された基準チャートKCと同一の照明条件により筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)を照明するには、センサユニット430による撮像時に外光が被写体(測色対象パッチCP)に当たらないようにして、照明光源426からの照明光のみで被写体(測色対象パッチCP)を照明する必要がある。被写体(測色対象パッチCP)に外光が当たらないようにするには、筐体421の底面部421aと記録媒体Pとの間の間隙dを小さくし、被写体(測色対象パッチCP)に向かう外光が筐体421によって遮られるようにすることが有効である。ただし、筐体421の底面部421aと記録媒体Pとの間の間隙dを小さくしすぎると、記録媒体Pが筐体421の底面部421aに接触してしまい、画像の撮像を適切に行えなくなる虞がある。そこで、筐体421の底面部421aと記録媒体Pとの間の間隙dは、記録媒体Pの平面性を考慮して、記録媒体Pが筐体421の底面部421aに接触しない範囲で小さな値に設定することが望ましい。たとえば、筐体421の底面部421aと記録媒体Pとの間の間隙dを1mm〜2mm程度に設定すれば、記録媒体Pが筐体421の底面部421aに接触することなく、記録媒体Pに形成された被写体(測色対象パッチCP)に外光が当たることを有効に防止できる。
なお、照明光源426からの照明光を被写体(測色対象パッチCP)に適切に照射するには、筐体421の底面部421aに設けた開口部425の大きさを被写体(測色対象パッチCP)よりも大きくし、開口部425の端縁で照明光が遮られることで生じる影が被写体(測色対象パッチCP)に映り込まないようにすることが望ましい。
本実施形態に係る画像形成装置100は、上述したように、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド6のノズル列からプラテン板22上の記録媒体P上にインクを吐出して、記録媒体Pに画像を形成する構成である。このため、記録ヘッド6のノズル列からインクを吐出する際に、霧(ミスト)状の微小なインク粒子(以下、このような微小なインク粒子を「ミスト」という。)が発生する。そして、画像形成時に発生したミストが、キャリッジ5に固定して設けられた撮像部42の筐体421の外部から開口部425を介して筐体421の内部に入り込むと、筐体421内部に入り込んだミストがセンサユニット430や照明光源426、光路長変更部材440などに付着して、測色対象パッチCPの測色を行う色調整時などに正確な画像データが得られなくなる懸念がある。そこで、本実施形態の撮像部42では、図5−1に示すように、筐体421の底面部421aに設けられた開口部425を、ミスト防止透過部材450で覆うことにより、画像形成時に発生したミストが筐体421の内部に入り込むことを防止している。
ミスト防止透過部材450は、照明光源426の光に対して十分な透過率を有する透明な光学素子であり、開口部425の全体を覆うことができる大きさの板状に形成されている。ミスト防止透過部材450は、筐体421の底面部421aに沿って形成されたスリットに装着され、筐体421の底面部421aに設けられた開口部425の全面を閉止する。ミスト防止透過部材450が装着されるスリットは、筐体421の側面部にて開口している。ミスト防止透過部材450は、この筐体421の側面部から挿入されてスリットに装着することができる。また、ミスト防止透過部材450は、筐体421の側面部から取り外すこともでき、適宜交換が可能である。
<基準チャートの具体例>
次に、図6を参照しながら、撮像部42の筐体421の内部に配置されるチャート板410上の基準チャートKCについて詳細に説明する。図6は、基準チャートKCの具体例を示す図である。
図6に示す基準チャートKCは、測色用のパッチを配列した測色用の複数の基準パッチ列Pa〜Pd、ドット径計測用パターン列Pe、距離計測用ラインlkおよびチャート位置特定用マーカmkを有する。
基準パッチ列Pa〜Pdは、YMCの1次色のパッチを階調順に配列したパッチ列Paと、RGBの2次色のパッチを階調順に配列したパッチ列Pbと、グレースケールのパッチを階調順に配列したパッチ列(無彩色の階調パターン)Pcと、3次色のパッチを配列したパッチ列Pdと、を含む。ドット径計測用パターン列Peは、大きさが異なる円形パターンを大きさ順に配列された幾何学形状測定用のパターン列である。
距離計測用ラインlkは、複数の基準パッチ列Pa〜Pdやドット径計測用パターン列Peを囲む矩形の枠線として形成されている。チャート位置特定用マーカmkは、距離計測用ラインlkの四隅の位置に設けられていて、各パッチ位置を特定するためのマーカである。撮像部42の撮像により得られる基準チャートKCの画像データから、距離計測用ラインlkとその四隅のチャート位置特定用マーカmkを特定することで、基準チャートKCの位置及び各パターンの位置を特定することができる。
測色用の基準パッチ列Pa〜Pdを構成する各パッチは、撮像部42が撮像を行う際の撮像条件を反映した色味の基準として用いられる。
なお、基準チャートKCに配置されている測色用の基準パッチ列Pa〜Pdの構成は、図6に示す配置例に限定されるものではなく、任意のパッチ列を用いることができる。例えば、可能な限り色範囲を広く特定することのできるパッチを用いてもよいし、また、YMCの1次色のパッチ列Paや、グレースケールのパッチ列Pcは、画像形成装置100に使用されるインクの測色値のパッチで構成されていてもよい。また、基準チャートKCのRGBの2次色のパッチ列Pbは、画像形成装置100で使用されるインクで発色可能な測色値のパッチで構成されていてもよく、さらに、JapanColor等の測色値が定められた基準色票を用いてもよい。
基準チャートKCは、撮像部42の筐体421の底面部421aに、開口部425と隣り合うように配置されているため、センサユニット430によって測色対象パッチCPなどの被写体と同時に撮像することができる。
<画像形成装置の制御機構の概略構成>
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100の制御機構の概略構成について説明する。図7は、画像形成装置100の制御機構の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る画像形成装置100の制御機構は、上位CPU107、ROM118、RAM119、主走査ドライバ109、記録ヘッドドライバ111、測色制御部50、紙搬送部112、副走査ドライバ113、記録ヘッド6、エンコーダセンサ41、および撮像部42を備える。記録ヘッド6、エンコーダセンサ41、および撮像部42は、上述したようにキャリッジ5に搭載されている。
上位CPU107は、記録媒体Pに形成する画像のデータや駆動制御信号(パルス信号)を各ドライバに供給し、画像形成装置100の全体の制御を司る。具体的には、上位CPU107は、主走査ドライバ109を介して、キャリッジ5の主走査方向の駆動を制御する。また、上位CPU107は、記録ヘッドドライバ111を介して、記録ヘッド6によるインクの吐出タイミングを制御する。また、上位CPU107は、副走査ドライバ113を介して、搬送ローラや副走査モータを含む紙搬送部112の駆動を制御する。
エンコーダセンサ41は、エンコーダシート40のマークを検知して得られるエンコーダ値を上位CPU107に出力する。上位CPU107は、エンコーダセンサ41からのエンコーダ値を基に、主走査ドライバ109を介して、キャリッジ5の主走査方向の駆動を制御する。
撮像部42は、上述したように、記録媒体Pに形成された測色対象パッチCPの測色時に、測色対象パッチCPと筐体421の内部に配置されたチャート板410上の基準チャートKCとをセンサユニット430で同時に撮像し、測色対象パッチCPおよび基準チャートKCを含む画像データを測色制御部50に出力する。
測色制御部50は、撮像部42の動作を制御するとともに、撮像部42から画像データを取得する。画像形成装置100の色調整を行う調整時においては、測色制御部50は、撮像部42から測色対象パッチCPおよび基準チャートKCの画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、測色対象パッチCPの測色値(標準色空間における表色値)を算出する。測色制御部50が算出した測色対象パッチCPの測色値は、上位CPU107に送られ、画像形成装置100の色調整に用いられる。測色制御部50は、撮像部42および上位CPU107とともに、測色装置を構成している。
また、測色制御部50は、撮像部42に対して各種設定信号やタイミング信号、光源駆動信号などを供給し、撮像部42による画像の撮像を制御する。各種設定信号は、センサユニット430の動作モードを設定する信号や、シャッタスピード、AGCのゲインなどの撮像条件を設定する信号を含む。これら設定信号は、測色制御部50が上位CPU107から取得して、撮像部42に供給する。また、タイミング信号は、センサユニット430による撮像のタイミングを制御する信号であり、光源駆動信号は、センサユニット430の撮像範囲を照明する照明光源426の駆動を制御する信号である。これらタイミング信号および光源駆動信号は、測色制御部50が生成して、撮像部42に供給する。
ROM118は、たとえば、上位CPU107で実行する処理手順等のプログラムや各種制御データなどを格納する。RAM119は、上位CPU107のワーキングメモリとして利用される。
<測色装置の制御機構の構成>
次に、図8を参照しながら、測色装置の制御機構について具体的に説明する。図8は、測色装置の制御機構の一構成例を示すブロック図である。
測色装置は、撮像部42と測色制御部50と上位CPU107とを備える。撮像部42は、上述したセンサユニット430と照明光源426とに加え、さらに、画像処理部45と、インターフェース部46と、を備える。なお、撮像部42は、上述したように、キャリッジ昇降モータ30の駆動により、キャリッジ5とともに記録媒体Pに対して近接離間する方向に移動(昇降)する構成であるため、図8では撮像部42を駆動するためのキャリッジ昇降モータ30のブロックも図示している。
画像処理部45は、センサユニット430により撮像した画像データを処理するものであり、AD変換部451、シェーディング補正部452、ホワイトバランス補正部453、γ補正部454、および画像フォーマット変換部455を備える。
AD変換部451は、センサユニット430が出力するアナログ信号をAD変換する。
シェーディング補正部452は、センサユニット430の撮像範囲に対する照明光源426からの照明の照度ムラに起因する画像データの誤差を補正する。
ホワイトバランス補正部453は、画像データのホワイトバランスを補正する。
γ補正部454は、センサユニット430の感度のリニアリティを補償するように画像データを補正する。
画像フォーマット変換部455は、画像データを任意のフォーマットに変換する。
インターフェース部46は、測色制御部50から送られた各種設定信号、タイミング信号および光源駆動信号を撮像部42が取得し、また、撮像部42から測色制御部50へ画像データを送るためのインターフェースである。
測色制御部50は、フレームメモリ51と、間隙調整部52と、演算部53と、タイミング信号発生部54と、光源駆動制御部55と、不揮発性メモリ56と、を備える。
フレームメモリ51は、撮像部42から送られた画像データを一時的に記憶するメモリである。フレームメモリ51に一時的に記憶された画像データは、演算部53に送られる。
間隙調整部52は、キャリッジ昇降モータ30を駆動するためのモータ駆動信号を生成して、キャリッジ昇降モータ30に供給する。間隙調整部52が生成したモータ駆動信号に基づいてキャリッジ昇降モータ30が動作することで、キャリッジ5および当該キャリッジ5に固定して設けられた撮像部42が昇降し、記録媒体Pとの間の間隙dが調整される。
タイミング信号発生部54は、撮像部42のセンサユニット430による撮像のタイミングを制御するタイミング信号を発生して、撮像部42に供給する。
光源駆動制御部55は、撮像部42の照明光源426を駆動するための光源駆動信号を生成して、撮像部42に供給する。
間隙調整部52、タイミング信号発生部54、および光源駆動制御部55は、たとえば上位CPU107による制御のもとで、上記の動作を実行する。
演算部53は、測色値算出部531と、汚れ画素検出部532と、判定部533と、を備える。
測色値算出部531は、撮像部42のセンサユニット430が、記録媒体Pに形成された測色対象パッチCPと基準チャートKCとを同時に撮像したときに、この撮像によって得られる測色対象パッチCPおよび基準チャートKCの画像データに基づいて、測色対象パッチCPの測色値を算出する。測色値算出部531が算出した測色対象パッチCPの測色値は、上位CPU107へと送られる。なお、測色値算出部531による処理の具体例については、詳細を後述する。
汚れ画素検出部532および判定部533は、測色値を適切に算出する上で障害となる汚れを検知するための処理を行う。たとえば、撮像部42のミスト防止透過部材450は、記録ヘッド6のノズル列から吐出したインクのミストや空気中の埃が付着することで汚れる場合がある。また、被写体は、記録媒体P自体の汚れや埃の付着などにより汚れる場合がある。これらの汚れは、センサユニット430の撮像により得られる画像データに基づいて測色対象パッチCPの測色値を算出する際に悪影響を及ぼす虞がある。そこで、本実施形態に係る画像形成装置100では、演算部53の汚れ画素検出部532および判定部533によって定期的に、あるいは色調整を行う調整時において後述の測色処理を行う前に、ミスト防止透過部材450や記録媒体Pの汚れを検知するようにしている。
汚れ画素検出部532は、被写体に近い位置で撮像部42のセンサユニット430が撮像した第1の画像と、被写体から離れた位置でセンサユニット430が撮像した第2の画像とのそれぞれから汚れ(汚れ画素)を検出する。すなわち、センサユニット430の光軸方向における筐体421の位置が第1の位置のときに、センサユニット430の撮像により得られる画像を第1の画像とし、センサユニット430の光軸方向における筐体421の位置が第1の位置よりも被写体から離れた位置である第2の位置のときに、センサユニット430の撮像により得られる画像を第2の画像とする。このとき、汚れ画素検出部532は、第1の画像と第2の画像とのそれぞれから汚れ画素を検出する。なお、センサユニット430の光軸方向における筐体421の位置は、間隙調整部52からキャリッジ昇降モータ30に供給されるモータ駆動信号の制御により調整することができる。
判定部533は、第1の画像と第2の画像のうちの一方で汚れが検出され、他方で汚れが検出されない同じ位置の画素の数が閾値以下の場合に、ミスト防止透過部材450に汚れが付着していると判定する。すなわち、判定部533は、同じ位置の汚れ画素がキャンセルされるように第1の画像と第2の画像との差分を求め、キャンセルされない汚れ画素の数が閾値以下の場合に、ミスト防止透過部材450に汚れが付着していると判定する。なお、汚れ画素検出部532および判定部533による処理の具体例については、詳細を後述する。
不揮発性メモリ56は、演算部53での演算に用いられる各種データや演算結果の各種データを格納する。たとえば、不揮発性メモリ56は、後述するメモリテーブルTb1や基準値線形変換マトリックス、基準RGB間線形変換マトリックス、ミスト防止透過部材450の汚れブロックの位置情報などを格納する。
<測色対象パッチの測色方法>
次に、図9乃至図15を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置100による測色対象パッチCPの測色方法の具体例について詳細に説明する。この測色方法は、画像形成装置100が初期状態のとき(製造やオーバーフォールなどによって初期状態となっているとき)に実施される前処理と、画像形成装置100の色調整を行う調整時に実施される測色処理とを含む。なお、以下で説明する測色方法は一例であり、この方法に限定されるものではない。
図9は、基準測色値および基準RGB値を取得する処理と基準値線形変換マトリックスを生成する処理を説明する図である。図9に示すこれらの処理は、前処理として実施される。前処理では、複数の基準パッチKPが配列形成された基準シートKSが用いられる。基準シートKSの基準パッチKPは、撮像部42が備える基準チャートKCのパッチと同等のものである。
まず、基準シートKSの複数の基準パッチKPの測色値であるLab値とXYZ値のうち、少なくともいずれか(図9の例では、Lab値とXYZ値の双方)が、不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に、パッチ番号に対応して格納される。基準パッチKCの測色値は、分光器BSなどを用いた測色により事前に得られる値である。基準パッチKCの測色値が既知であれば、その値を用いればよい。不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に格納された基準パッチKCの測色値を「基準測色値」という。
次に、基準シートKSがプラテン板22上にセットされ、キャリッジ5の移動を制御することで、基準シートKSの複数の基準パッチKCを被写体として、撮像部42による撮像が行われる。そして、撮像部42の撮像により得られた基準パッチKCのRGB値が、不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に、パッチ番号に対応して格納される。つまり、不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1には、基準シートKSに配列形成された複数の基準パッチKCそれぞれの測色値とRGB値が、各基準パッチKCのパッチ番号に対応して格納される。不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に格納された基準パッチKCのRGB値を「基準RGB値」という。基準RGB値は、撮像部42の特性を反映した値である。
画像形成装置100の上位CPU107は、基準パッチKCの基準測色値および基準RGB値が不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に格納されると、同じパッチ番号の基準測色値であるXYZ値と基準RGB値との対に対して、これらを相互に変換する基準値線形変換マトリックスを生成し、不揮発性メモリ56に格納する。不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に基準測色値としてLab値のみが格納されている場合は、Lab値をXYZ値に変換する既知の変換式を用いてLab値をXYZ値に変換した後に、基準値線形変換マトリックスを生成すればよい。
また、撮像部42が基準シートKSの複数の基準パッチKCを撮像する際には、撮像部42に設けられた基準チャートKCも同時に撮像される。この撮像により得られた基準チャートKCの各パッチのRGB値も、パッチ番号に対応させて、不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に格納される。この前処理により不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に格納された基準チャートKCのパッチのRGB値を「初期基準RGB値」という。図10は、初期基準RGB値の一例を示す図である。図10(a)は初期基準RGB値(RdGdBd)をメモリテーブルTb1に格納した様子を示し、初期基準RGB値と(RdGdBd)ともに、初期基準RGB値(RdGdBd)をLab値に変換した初期基準Lab値(Ldadbd)やXYZ値に変換した初期基準XYZ値(XdYdZd)も対応付けて格納されることを示している。また、図10(b)は基準チャートKCの各パッチの初期基準RGB値をプロットした散布図である。
以上の初期処理が終了した後、画像形成装置100は、外部から入力される画像データや印刷設定等に基づいて、上位CPU107が、キャリッジ5の主走査移動制御、紙搬送部112による記録媒体Pの搬送制御および記録ヘッド6の駆動制御を行って、記録媒体Pを間欠的に搬送させつつ、記録ヘッド6からのインク吐出を制御して、画像を記録媒体Pに出力する。このとき、記録ヘッド6からのインクの吐出量が、機器固有の特性や経時変化などによって変化することがあり、このインクの吐出量が変化すると、ユーザが意図する画像の色とは異なった色で画像形成されることとなって、色再現性が劣化する。そこで、画像形成装置100は、色調整を行う所定のタイミングで、測色対象パッチCPの測色値を求める測色処理を実施する。そして、測色処理により得られた測色値に基づいて色調整を行うことで、色再現性を高める。
図11は、測色処理の概要を説明する図である。画像形成装置100は、色調整を行う調整時に、まず、プラテン板22上にセットされた記録媒体P上に記録ヘッド6からインクを吐出して、測色対象パッチCPを形成する。以下、測色対象パッチCPが形成された記録媒体Pを「調整シートCS」という。この調整シートCSには、画像形成装置100の調整時における出力特性、特に、記録ヘッド6の出力特性を反映した測色対象パッチCPが形成されている。なお、測色対象パッチCPの色パッチデータは、予め不揮発性メモリ56などに格納されている。
次に、画像形成装置100は、図11に示すように、この調整シートCSがプラテン板22上にセットされるか、調整シートCSを作成した段階で排紙することなくプラテン板22上に保持された状態において、キャリッジ5の移動を制御して、このプラテン板22上の調整シートCSに形成された測色対象パッチCPと対向する位置に撮像部42を移動させる。そして、撮像部42により、測色対象パッチCPを撮像すると同時に、撮像部42に設けられた基準チャートKCのパッチを撮像する。撮像部42により同時に撮像された測色対象パッチCPおよび基準チャートKCのパッチの画像データは、画像処理部45において必要な画像処理が行われた後、測色制御部50に送られて、フレームメモリ51に一時保管される。撮像部42に同時に撮像されてフレームメモリ51に一時保管された画像データのうち、測色対象パッチCPの画像データ(RGB値)を「測色対象RGB値」、基準チャートKCのパッチの画像データ(RGB値)を「測色時基準RGB値(RdsGdsBds)」という。「測色時基準RGB値(RdsGdsBds)」は、不揮発性メモリ56に格納される。
測色制御部50の測色値算出部531は、後述する基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、フレームメモリ51に一時保管された測色対象RGB値を、初期化測色対象RGB値(RsGsBs)に変換する処理を行う(ステップS10)。初期化測色対象RGB値(RsGsBs)は、測色対象RGB値から、前処理を行った初期状態のときから測色処理を行う調整時に至るまでの間に生じる撮像部42の撮像条件の経時変化、たとえば、照明光源426の経時変化や2次元イメージセンサ431の経時変化の影響を排除したものである。
その後、測色値算出部531は、測色対象RGB値から変換された初期化測色対象RGB値(RsGsBs)を対象として、後述する基本測色処理を実行することにより(ステップS20)、測色対象パッチCPの測色値であるLab測色値を取得する。
図12は、基準RGB間線形変換マトリックスを生成する処理を説明する図であり、図13は、初期基準RGB値と測色時基準RGB値との関係を示す図である。測色値算出部531は、測色対象RGB値を初期化測色対象RGB値(RsGsBs)に変換する処理(ステップS10)を行う前に、この変換に用いる基準RGB間線形変換マトリックスを生成する。すなわち、測色値算出部531は、図12に示すように、画像形成装置100が初期状態のときに前処理として得られた初期基準RGB値(RdGdBd)と、調整時において得られる測色時基準RGB値(RdsGdsBds)とを不揮発性メモリ56から読み出し、測色時基準RGB値(RdsGdsBds)を初期基準RGB値(RdGdBd)に変換する基準RGB間線形変換マトリックスを生成する。そして、測色値算出部531は、生成した基準RGB間線形変換マトリックスを不揮発性メモリ56に格納する。
図13において、図13(a)に白抜き点で示されている点が初期基準RGB値(RdGdBd)をrgb空間でプロットした点であり、塗りつぶし点が、測色時基準RGB値(RdsGdsBds)をrgb空間でプロットした点である。図13(a)から分かるように、測色時基準RGB値(RdsGdsBds)の値が初期基準RGB値(RdGdBd)の値から変動しており、これらのrgb空間上での変動方向は、図13(b)に示すように概ね同じであるが、色相によってずれの方向が異なる。このように、同じ基準チャートKCのパッチを撮像してもRGB値が変動する要因としては、照明光源426の経時変化、2次元イメージセンサ431の経時変化などがある。
このように、撮像部42による撮像によって得られるRGB値が変動している状態で、測色対象パッチCPを撮像することで得られる測色対象RGB値を用いて測色値を求めると、変動分だけ測色値に誤差が発生する虞がある。そこで、本実施形態に係る画像形成装置100においては、初期基準RGB値(RdGdBd)と測色時基準RGB値(RdsGdsBds)との間で、最小2乗法などの推定法を用いて、測色時基準RGB値(RdsGdsBds)を初期基準RGB値(RdGdBd)に変換する基準RGB間線形変換マトリックスを求め、この基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、撮像部42で測色対象パッチCPを撮像することにより得られる測色対象RGB値を、初期化測色対象RGB値(RsGsBs)に変換し、変換した初期化測色対象RGB値(RsGsBs)を対象として、後述する基本測色処理を実行することで、測色対象パッチCPの測色値を精度よく取得できるようにしている。
この基準RGB間線形変換マトリックスは、1次だけでなく、さらに高次の非線形マトリックスであってもよく、rgb空間とXYZ空間間で非線形性が高い場合には、高次のマトリックスとすることで、変換精度を向上させることができる。
測色値算出部531は、上述したように、測色対象パッチCPの撮像により得られる測色対象RGB値を、基準RGB間線形変換マトリックスを用いて初期化測色対象RGB値(RsGsBs)に変換した後(ステップS10)、この初期化測色対象RGB値(RsGsBs)を対象として、ステップS20の基本測色処理を行う。
図14および図15は、基本測色処理を説明する図である。測色値算出部531は、まず、前処理において生成して不揮発性メモリ56に格納した基準値線形変換マトリックスを読み出し、基準値線形変換マトリックスを用いて初期化測色対象RGB値(RsGsBs)を第1XYZ値に変換し、不揮発性メモリ56に格納する(ステップS21)。図14では、初期化測色対象RGB値(3、200、5)が基準値線形変換マトリックスにより第1XYZ値(20、80、10)に変換された例を示している。
次に、測色値算出部531は、ステップS21で初期化測色対象RGB値(RsGsBs)から変換された第1XYZ値を、既知の変換式を用いて第1Lab値に変換し、不揮発性メモリ56に格納する(ステップS22)。図14では、第1XYZ値(20、80、10)が既知の変換式により第1Lab値(75、−60、8)に変換された例を示している。
次に、測色値算出部531は、前処理において不揮発性メモリ56のメモリテーブルTb1に格納された複数の基準測色値(Lab値)を検索し、該基準測色値(Lab値)のうち、Lab空間上において第1Lab値に対して距離の近い基準測色値(Lab値)を持つ複数のパッチ(近傍色パッチ)の組を選択する(ステップS23)。距離の近いパッチを選択する方法としては、たとえば、メモリテーブルTb1に格納されたすべての基準測色値(Lab値)に対して、第1Lab値との距離を算出し、第1Lab値に対して距離の近いLab値(図14では、ハッチングの施されているLab値)を持つ複数のパッチを選択するといった方法を用いることができる。
次に、測色値算出部531は、図15に示すように、メモリテーブルTb1を参照して、ステップS23で選択した近傍色パッチのそれぞれについて、Lab値と対になっているRGB値(基準RGB値)とXYZ値を取り出して、これら複数のRGB値とXYZ値のなかから、RGB値とXYZ値との組み合わせを選択する(ステップS24)。そして、測色値算出部531は、選択した組み合わせ(選択組)のRGB値をXYZ値に変換するための選択RGB値線形変換マトリックスを、最小二乗法などを用いて求め、求めた選択RGB値線形変換マトリックスを不揮発性メモリ56に格納する(ステップS25)。
次に、測色値算出部531は、ステップS25で生成した選択RGB値線形変換マトリックスを用いて、初期化測色対象RGB値(RsGsBs)を第2XYZ値に変換する(ステップS26)。さらに、測色値算出部531は、ステップS26で求めた第2XYZ値を、既知の変換式を用いて第2Lab値に変換し(ステップS27)、得られた第2Lab値を、測色対象パッチCPの最終的な測色値とする。画像形成装置100は、以上の測色処理により得られた測色値に基づいて色調整を行うことにより、色再現性が高められる。
<汚れ画素検出部および判定部による処理の具体例>
次に、図16乃至図27を参照しながら、汚れ画素検出部532および判定部533による処理の具体例について説明する。本実施形態に係る画像形成装置100は、上述したように、撮像部42により撮像された画像を用いて測色対象パッチCPの測色値を算出する。撮像部42は、筐体421の内部に設けられたセンサユニット430により、筐体421の底面部421aに設けられた開口部425を介して、筐体421外部の被写体を撮像する構成であり、筐体421内部へのミストの進入を防止するために、ミスト防止透過部材450によって開口部425が閉止されている。このような構成の撮像部42では、ミスト防止透過部材450がミストや埃の付着により汚れると、その影響が画像の変化として表れ、適切な測色値の算出に支障を来す虞がある。また、被写体となる測色対象パッチCPが形成される記録媒体P自体が埃の付着などにより汚れている場合も、適切な測色値の算出に支障を来す虞がある。そこで、本実施形態に係る画像形成装置100では、汚れ画素検出部532および判定部533を設け、これら汚れ画素検出部532および判定部533の処理により、ミスト防止透過部材450や記録媒体Pの汚れを検知するようにしている。なお、図8に示す例では、測色制御部50の演算部53が汚れ画素検出部532および判定部533を備える構成としているが、汚れ画素検出部532および判定部533は、撮像部42の機能として、たとえば撮像部42の画像処理部45に設けるようにしてもよい。
図16は、図5−1に示した撮像部42の構成において、プラテン板22上にセットされた記録媒体Pの被写体領域(撮像部42が備える筐体421の開口部425と対向する領域)に汚れW1が付着し、また、撮像部42のミスト防止透過部材450に汚れW2が付着した状態を示す図である。また、図17は、図16に示した状態でセンサユニット430が撮像した画像データに対して必要な画像処理を施した後の被写体領域Rの画像(以下、被写体領域Rの画像を「読取画像」という。)の一例を示す図であり、撮像部42の筐体421がセンサユニット430の光軸方向における第1の位置にあるときに得られる第1読取画像D1(第1の画像)を示す図である。なお、以下では、汚れ画素検出部532および判定部533による処理を分かり易く説明するために、測色対象パッチCPが形成されていない記録媒体Pを被写体とする場合を例に説明するが、測色対象パッチCPを被写体とする場合であっても同様の処理が可能である。
被写体となる記録媒体Pは一般的には白色のため、記録媒体P自体やミスト防止透過部材450に汚れW1,W2が付着していなければ、読取画像は被写体領域Rの全体に亘って一様に白色の画像となる。しかし、記録媒体Pに汚れW1が付着していたり、ミスト防止透過部材450に汚れW2が付着していたりすると、図17に示すように、被写体領域Rの汚れW1に対応した位置に汚れW1a、汚れW2に対応した位置に汚れW2aが映り込み、読取画像の変化として現れる。汚れ画素検出部532は、この読取画像に現れる汚れW1a,W2aを構成している画素を汚れ画素として検出する。
なお、汚れ画素検出部532が汚れ画素を検出する対象となる読取画像は、撮像部42のセンサユニット430が撮像した1フレーム分の画像であってもよいし、センサユニット430が撮像した複数フレーム分の画像に対して、各画素で平均化(または重加算平均)処理したものであってもよい。複数フレーム分の画像に対して各画素の平均を取ったものを読取画像とした場合には、ランダムノイズを低減できる効果がある。また、読取画像は、センサユニット430の撮像により得られるカラー画像(RGBデータ)を、カラー→モノクロ変換したものであってもよい。カラー→モノクロ変換は、たとえば、画像処理部45の画像フォーマット変換部455で実施することができる。カラー→モノクロ変換は、一般的には(R+G+B)/3の変換式を用いて実施できるが、別の方法を用いるようにしてもよい。読取画像をモノクロ画像に変換することにより、その後の処理を軽量化することができる。
汚れ画素検出部532は、図17に示すような第1読取画像D1に対して、被写体領域Rの全体における画素値の平均値D1_aveを算出する。そして、汚れ画素検出部532は、第1読取画像D1の各画素について、平均値D1_aveに対する各画素値の差分を求め、得られた差分の絶対値が予め定めた閾値α以上となる画素を汚れ画素として検出する。汚れ画素検出部532が検出した汚れ画素の位置情報(第1読取画像D1における汚れ画素の座標など)は、不揮発性メモリ56に格納される。
また、汚れ画素検出部532は、第1読取画像D1の被写体領域R全体をN(主走査方向)×M(副走査方向)個のブロックに分割する。そして、汚れ画素検出部532は、各ブロックに対して汚れ画素がいくつ含まれるかを算出し、汚れ画素の数が予め定めた閾値β以上のブロックを汚れブロックと判定する。汚れ画素検出部532が汚れブロックと判定したブロックの位置情報(第1読取画像D1における汚れブロックの代表点の座標など)は、汚れ画素の位置情報とともに不揮発性メモリ56に格納される。なお、汚れ画素の数が閾値βに満たないブロックは、汚れがないブロックもしくは汚れがあっても測色に影響を与えないレベルのブロックと判定される。図18は、図17に示した第1読取画像D1に対して、汚れ画素検出部532が汚れブロックを判定する様子を示す図である。図18(a)に示すような汚れW1a,W2aが映り込んでいるブロックが、図18(b)に示すように、汚れブロックWB1,WB2と判定される。なお、ここでは簡単のために読取画像がモノクロ画像であるものとして説明するが、RGBのカラー画像の場合であっても、同様の処理により汚れブロックの判定が可能である。すなわち、読取画像がカラー画像である場合には、RGBの各色ごとに同様の処理を行って、いずれかの色で汚れ画素の数が閾値β以上となるブロックがあれば、そのブロックは汚れブロックと判定される。
第1読取画像D1に対する汚れ画素の検出および汚れブロックの判定が終了すると、上位CPU107の指令に基づいて間隙調整部52によりモータ駆動信号が生成され、このモータ駆動信号に応じてキャリッジ昇降モータ30が動作する。そして、キャリッジ5および当該キャリッジ5に固定して設けられた撮像部42が、被写体としてプラテン板22上にセットされた記録媒体Pから離間する方向に移動し、撮像部42の筐体421の位置が、第1読取画像D1の取得時よりもセンサユニット430の光軸方向において被写体から離れた位置である第2の位置に変化する。この状態で、第1読取画像D1の撮像時と同じ記録媒体Pを被写体としてセンサユニット430による撮像が行われることにより、第2読取画像D2(第2の画像)が得られる。
図19は、撮像部42の筐体421が第2の位置まで移動した後にセンサユニット430が撮像した画像データから得られる第2読取画像D2を示す図である。第2読取画像D2が得られると、汚れ画素検出部532は、第2読取画像D2に対して、第1読取画像D1と同様に汚れ画素の検出および汚れブロックの判定を行う。第2読取画像D2の汚れ画素の位置情報および汚れブロックの位置情報は、不揮発性メモリ56に格納される。なお、上記の説明では、汚れ画素の検出を行った後に汚れブロックの判定を行うようにしているが、汚れ画素の検出と汚れブロックの判定を併せて行うようにしてもよい。すなわち、読取画像をN×M個のブロックに分割した後に、各ブロックごとに汚れ画素を検出し、検出した汚れ画素の数が閾値β以上のブロックを汚れブロックと判定するようにしてもよい。
第2読取画像D2の取得時には、撮像部42の筐体421が第1の位置から第2の位置に移動してセンサユニット430と記録媒体Pとの間の光路長が変化するため、図19に示すように、記録媒体Pの汚れW1に対応する第2読取画像D2上の汚れW1bは、第1読取画像D1上の汚れW1a(図19において破線で図示)と比べて、被写体領域Rにおける位置および大きさが変化している。これに対して、撮像部42の筐体421が第1の位置から第2の位置に移動しても、センサユニット430とミスト防止透過部材450との間の光路長は変化しないので、ミスト防止透過部材450の汚れW2に対応する第2読取画像D2上の汚れW2bは、被写体領域Rにおける位置および大きさが変化しない。したがって、第1読取画像D1と第2読取画像D2との差を見れば、これら第1読取画像D1および第2読取画像D2に映り込んでいる汚れが記録媒体Pの汚れであるのか、あるいはミスト防止透過部材450の汚れであるのかを判別することができる。
次に、このような汚れの判別を行う判定部533の処理の具体例について説明する。図20は、判定部533による処理の具体例を説明する図である。判定部533は、まず、不揮発性メモリ56に格納された第1読取画像D1の汚れブロックの位置情報と汚れ画素の位置情報とに基づいて、第1読取画像D1の各汚れブロックについて、汚れブロック内の各画素が汚れ画素であるか否かを示すフラグを設定する。すなわち、汚れブロック内の汚れ画素には「1」、汚れ画素以外の画素には「0」を設定する。図20(a)は、第1読取画像D1のある汚れブロックについて、汚れ画素に「1」、汚れ画素以外の画素に「0」を設定した様子を示している。
また、判定部533は、不揮発性メモリ56に格納された第2読取画像D2の汚れブロックの位置情報と汚れ画素の位置情報とに基づいて、第2読取画像D2の各汚れブロックについて、第1読取画像D1の汚れブロックと同様に、汚れブロック内の各画素が汚れ画素であるか否かを示すフラグを設定する。すなわち、汚れブロック内の汚れ画素には「1」、汚れ画素以外の画素には「0」を設定する。図20(b)は、図20(a)に示した第1読取画像D1の汚れブロックに対応する第2読取画像D2の汚れブロックについて、汚れ画素に「1」、汚れ画素以外の画素に「0」を設定した様子を示している。
次に、判定部533は、第1読取画像D1の汚れブロック内の各画素に設定した値と、対応する第2読取画像D2の汚れブロック内の各画素に設定した値との差分を求め、値が1となる画素の個数を求める。そして、判定部533は、汚れブロック内の値が1となる画素の個数が閾値γ未満である場合、その汚れブロックは、ミスト防止透過部材450の汚れW2が映り込んだものであり、ミスト防止透過部材450に汚れW2が付着しているものと判定する。一方、汚れブロック内の値が1となる画素の個数が閾値γ以上であれば、その汚れブロックは、記録媒体Pの汚れW1が映り込んだものであり、記録媒体Pに汚れW1が付着しているものと判定する。図20(c)は、図20(a)に示した読取画像D1の汚れブロックと図20(b)に示した読取画像D2の汚れブロックとの画素ごとの差分をとった結果を表している。図20(c)の例では、値が1となる画素の個数が閾値γ以上であるため、記録媒体Pに汚れW1が付着していると判定される。
判定部533が用いる上記閾値γは、一定値としてもよいし、各汚れブロックD(n,m)内の汚れ画素数p(n,m)を基準に随時設定されるようにしてもよい。閾値γを一定値とする場合は、この閾値γは、上述した汚れ画素検出部532が汚れブロックの判定に用いる閾値β以下の値である必要がある。また、閾値γを汚れブロックD(n,m)内の汚れ画素数p(n,m)を基準に設定する場合は、γ=p(n,m)×Fとする(ただし、F≦1)。
ところで、第1読取画像D1に現れる汚れW1a,W2aや第2読取画像D2に現れる汚れW1b,W2bは、フレアの影響などにより輪郭がぼやけ、境界付近での汚れ画素の検出が難しくなる場合がある。そこで、空間マトリックスを用いて第1読取画像D1や第2読取画像D2の各画素の画素値を補正することで、汚れW1a,W2a,W1b,W2bのエッジを強調させた上で、汚れ画素検出部532による汚れ画素の検出を行うようにしてもよい。
図21は、空間マトリックスの概要を説明する模式図である。図中のiで示す中心の画素に対して空間マトリックスを適用する場合、中心の画素の画素値iとその周辺の画素の画素値a〜hを使用して、中心の画素の画素値iが補正される。なお、図21では1つの画素に対して3×3の画素の画素値を使用する例を示しているが、この例は一例であり、1つの画素に対してより多くの画素の画素値を使用してもよいし、より少ない画素の画素値を使用してもよい。
図22は、空間マトリックス係数の一例を示す図である。図21に示した中心の画素の画素値iに対して図22に例示する空間マトリックス係数を用いると、画素値iの補正後の値である画素値i’は、以下のように計算される。
i’=9×i−1×a−1×b−1×c−1×d−1×e−1×f−1×g−1×h
なお、計算結果が0以下になる場合は補正後の画素値を0とし、計算結果が255(8bitの場合)以上となる場合は補正後の画素値を255とする。このように、空間マトリックス係数の中心の値を大きくとることにより、画像のエッジを強調させることができる。なお、図22に示す空間マトリックス係数の数値は一例であり、他の値を用いるようにしてもよい。また、空間マトリックスの構成は3×3に限らず、用途に応じてn×mのマトリクスに変更してもよい。
図23は、空間マトリックスを用いて画像のエッジを強調させた後の読取画像の一例を示す図である。図23(a)は、図17および図18(a)に示した第1読取画像D1に対して空間マトリックスを適用した例を示し、図23(b)は、図19に示した第2読取画像D2に対して空間マトリックスを適用した例を示している。図23に示すように、第1読取画像D1や第2読取画像D2に対して空間マトリックスを適用して画素値を補正することにより、画像に現れる汚れW1a’,W2a’,W1b’,W2b’のエッジを強調させることができる。したがって、汚れ画素検出部532による汚れ画素の検出や、判別部533による汚れの判別を精度よく行うことができる。なお、空間マトリックスを用いた読取画像の画素値の補正は、たとえば、撮像部42の画像処理部45に空間マトリックス演算を行う機能(空間マトリックス演算手段)を持たせて画像処理部45において行うようにしてもよいし、測色制御部50の演算部53に空間マトリックス演算を行う機能(空間マトリックス演算手段)を持たせて演算部53において行うようにしてもよい。
図24は、判定部533による汚れの判別結果の一例を表す図である。図中の塗りつぶしのブロックが、ミスト防止透過部材450の汚れと判定された汚れブロックであり、ハッチングを付したブロックが、記録媒体Pの汚れと判定された汚れブロックである。
ミスト防止透過部材450の汚れと判定された汚れブロックに関しては、調整時の測色処理において撮像部42が測色対象パッチCPを撮像した際に、たとえば上位CPU107が当該ブロックの位置情報を不揮発性メモリ56から読み出して、当該ブロックの画像データを測色に使用しないように制御することで、汚れにより測色値が変化する不都合を防止することができる。また、ミスト防止透過部材450に汚れが付着していると判定されたとき、あるいは、ミスト防止透過部材450の汚れと判定された汚れブロックの数が予め定めた閾値φ(1以上)を超えたときに、たとえば上位CPU107による制御のもとで、ユーザに対してミスト防止透過部材450の清掃や交換を促す情報を報知するようにしてもよい。この場合、ミスト防止透過部材450の清掃や交換が終わると、不揮発性メモリ56に格納されている汚れブロックの位置情報がリセットされる。たとえば、上位CPU107が、ユーザによる何らかの入力操作に基づいてミスト防止透過部材450の清掃や交換が終わったことを検知し、不揮発性メモリ56に格納されている汚れブロックの位置情報をリセットする。
また、記録媒体Pの汚れと判定された汚れブロックがある場合は、たとえば上位CPU107の指令に応じて、記録媒体P上の汚れが付着している位置が被写体領域から外れるように、記録媒体Pの副走査方向における移動やキャリッジ5の主走査方向における移動が制御され、再度、汚れ画素検出部532および判定部533による処理が行われる。そして、記録媒体Pの汚れと判定される汚れブロックが存在しない状態で、測色対象パッチCPに対する測色を行う。また、記録媒体Pの汚れと判定された汚れブロックがある場合は、上位CPU107による制御のもとで、ユーザに対して記録媒体Pに汚れが付着している旨の情報を報知するようにしてもよい。
図25は、第1読取画像D1に対して汚れ画素の検出および汚れブロックの判定を行う一連の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図25では、第1読取画像D1に対する汚れ画素の検出と併せて汚れブロックの判定を行う例を示しているが、上述したように、汚れ画素の検出を行って汚れ画素の位置情報を不揮発性メモリ56に格納した後に、第1読取画像D1を複数のブロックに分割して、ブロックごとに汚れ画素の数を閾値βと比較して汚れブロックの判定を行うようにしてもよい。
図25に示す処理が開始されると、まず、上位CPU107が、副走査ドライバ113に対する指令により紙搬送部112の動作を制御するとともに、主走査ドライバ109に対する指令によりキャリッジ5の主走査方向の移動を制御して、キャリッジ5を記録媒体P上の被写体の位置まで移動させる(ステップS101)。
次に、キャリッジ5に固定して設けられた撮像部42が、記録媒体Pに対して間隙dを存して対向した位置である第1の位置にある状態で、被写体領域の画像を撮像する(ステップS102)。
次に、撮像部42のセンサユニット430から出力される画像データに対して、画像処理部45が必要な画像処理を行うことにより、第1読取画像D1が取得される(ステップS103)。なお、画像処理部45による画像処理の手順については後述する。
次に、汚れ画素検出部532が、ステップS103で取得された第1読取画像D1に対して、全画素の画素値の平均値D1_aveを算出する(ステップS104)。ここで算出された画素値の平均値D1_aveは、不揮発性メモリ56(またはフレームメモリ51)に格納される。
次に、汚れ画素検出部532が、ステップS103で取得された第1読取画像D1を、N(主走査方向)×M(副走査方向)個のブロックに分割する(ステップS105)。以下、主走査方向における位置がn(1≦n≦N)、副走査方向における位置がm(1≦m≦M)のブロックを、D1(n,m)と表記する。
次に、汚れ画素検出部532は、ステップS105で分割した各ブロックD1(1,1)〜D1(N,M)に対して、汚れ画素の検出および汚れブロックの判定を順次行う(ステップS106〜ステップS115)。すなわち、汚れ画素検出部532は、まず、mの値が1のブロックを対象として(ステップS106)、nの値を1から順にNを超えるまで順次インクリメントしながら(ステップS108、ステップS109、ステップS114)、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。そして、nの値がNを超えると(ステップS109:Yes)、mの値をインクリメントして(ステップS115)、上記の処理を繰り返す。この処理を、mの値がMを超えるまで繰り返し(ステップS107)、mの値がMを超えると(ステップS107:Yes)、一連の処理を終了する。
ステップS110では、汚れ画素検出部532が、D1(n,m)内の各画素について、|画素値−D1_ave|を算出し、|画素値−D1_ave|が閾値α以上となる画素を汚れ画素として検出する。このとき、汚れ画素については「1」を設定し、それ以外の画素(汚れのない画素)については「0」を設定することで、D1(n,m)内における汚れ画素を表す。以下、汚れ画素に「1」、それ以外の画素に「0」が設定されたブロックを、D’1(n,m)と表記する。
ステップS111では、汚れ画素検出部532が、D’1(n,m)内で「1」が設定された画素の数を表す合計読取値P1(n,m)を算出する。
ステップS112では、汚れ画素検出部532が、ステップS111で算出したP1(n,m)が閾値β以上であるか否かを判定する。そして、P1(n,m)が閾値β以上であれば(ステップS112:Yes)、次のステップS113に進み、P1(n,m)が閾値β未満であれば(ステップS112:No)、ステップS114に進む。
ステップS113では、汚れ画素検出部532が、D1(n,m)を汚れブロックと判定し、当該汚れブロックの位置情報(第1読取画像D1における当該ブロックの代表点の座標など)を不揮発性メモリ56に格納する。以上の処理により、汚れブロックの位置を特定することができる。
なお、以上の例では、第1読取画像D1をN×M個のブロックに分割しているが、1ブロックを1画素として、つまり画素単位で上記処理を行うようにしてもよい。この場合は、汚れブロックの判定は行われず、汚れ画素の位置情報が不揮発性メモリ56に格納されることになる。また、以上の例では、第1読取画像D1の各画素について、画素値と平均値D1_aveとの差分が閾値α以上となる画素を汚れ画素として検出するようにしているが、たとえば、単純に画素値が閾値を超える画素を汚れ画素として検出するなど、他の方法を用いて汚れ画素を検出するようにしてもよい。
図26は、第2読取画像D2に対して汚れ画素の検出を行うとともに、汚れがミスト防止透過部材450の汚れであるか否かを判定する一連の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図26では、第2読取画像D2に対する汚れ画素の検出と併せて汚れがミスト防止透過部材450の汚れであるか否かの判定を行う例を示しているが、上述したように、第2読取画像D2の汚れブロックを判定してその位置情報を不揮発性メモリ56に格納した後に、第1読取画像D1と第2読取画像D2とで対応する位置の汚れブロックに対して汚れ画素の差分を求めて、その汚れがミスト防止透過部材450の汚れであるか否かを判定するようにしてもよい。
図26に示す処理が開始されると、まず、上位CPU107の制御のもとで、間隙調整部52がキャリッジ昇降モータ30に対してモータ駆動信号を供給し、キャリッジ5および撮像部42を記録媒体Pから離間する方向に移動させる。これにより、撮像部42と記録媒体Pとの間隙dが、第1読取画像D1の取得時よりも大きくなる(ステップS201)。
次に、キャリッジ5に固定して設けられた撮像部42が、第1読取画像D1の取得時よりも記録媒体Pに対する間隙dが大きくなった第2の位置にある状態で、被写体領域の画像を撮像する(ステップS202)。
次に、撮像部42のセンサユニット430から出力される画像データに対して、画像処理部45が必要な画像処理を行うことにより、第2読取画像D2が取得される(ステップS203)。なお、画像処理部45による画像処理の手順については後述する。
次に、汚れ画素検出部532が、ステップS203で取得された第2読取画像D2に対して、全画素の画素値の平均値D2_aveを算出する(ステップS204)。ここで算出された画素値の平均値D2_aveは、不揮発性メモリ56(またはフレームメモリ51)に格納される。
次に、汚れ画素検出部532が、ステップS203で取得された第2読取画像D2を、N(主走査方向)×M(副走査方向)個のブロックに分割する(ステップS205)。以下、主走査方向における位置がn(1≦n≦N)、副走査方向における位置がm(1≦m≦M)のブロックを、D2(n,m)と表記する。
次に、汚れ画素検出部532は、ステップS205で分割した各ブロックD2(1,1)〜D2(N,M)のうち、第1読取画像D1において汚れブロックと判定されたブロックに対応するブロックを対象として、汚れ画素の検出および汚れブロックの判定を順次行う(ステップS206〜ステップS216)。すなわち、汚れ画素検出部532は、まず、mの値が1のブロックを対象として(ステップS206)、nの値を1から順にNを超えるまで順次インクリメントしながら(ステップS208、ステップS209、ステップS215)、ステップS210〜ステップS214の処理を繰り返す。そして、nの値がNを超えると(ステップS209:Yes)、mの値をインクリメントして(ステップS216)、上記の処理を繰り返す。この処理を、mの値がMを超えるまで繰り返し(ステップS207)、mの値がMを超えると(ステップS207:Yes)、一連の処理を終了する。
ステップS210では、汚れ画素検出部532が、D1(n,m)が汚れブロックであるか否かを判定する。そして、D1(n,m)が汚れブロックであれば(ステップS210:Yes)、次のステップS211に進み、D1(n,m)が汚れブロックでなければ(ステップS210:No)、ステップS215に進む。
ステップS211では、D2(n,m)内の各画素について、|画素値−D2_ave|を算出し、|画素値−D2_ave|が閾値α以上となる画素を汚れ画素として検出する。このとき、汚れ画素については「1」を設定し、それ以外の画素(汚れのない画素)については「0」を設定することで、D2(n,m)内における汚れ画素を表す。以下、汚れ画素に「1」、それ以外の画素に「0」が設定されたブロックを、D’2(n,m)と表記する。
ステップS212では、判定部533が、D’1(n,m)とD’2(n,m)との差分を求め、差分が「1」となる総画素数Qを算出する。つまり、判定部533は、D’1(n,m)とD’2(n,m)とで対応する各画素について、D’1(n,m)において設定された「1」または「0」の値と、D’2(n,m)において設定された「1」または「0」の値との差分を求め、その値が「1」となる画素の総数である総画素数Qを算出する。
ステップS213では、判定部533が、ステップS212で算出した総画素数Qが閾値γ未満であるか否かを判定する。そして、総画素数Qが閾値γ未満であれば(ステップS213:Yes)、次のステップS214に進み、総画素数Qが閾値γ以上であれば(ステップS213:No)、ステップS215に進む。
ステップS214では、判定部533が、D1(n,m)およびD2(n,m)に現れている汚れがミスト防止透過部材450の汚れであると判定し、当該汚れブロックの位置情報と併せて、当該汚れブロックの要因がミスト防止透過部材450の汚れにあることを示す情報を不揮発性メモリ56に格納する。
図27は、図25のステップS103および図26のステップS203において画像処理部45により実行される画像処理の手順を示すフローチャートである。なお、図27は、第1読取画像D1や第2読取画像D2に対して空間マトリックスを適用する場合の画像処理の手順を示しており、空間マトリックスを用いない場合は、ステップS306の処理は省略される。
撮像部42により被写体領域の画像が撮像され、センサユニット430から画像処理部45にアナログ信号の画像データが入力されると、まず、画像処理部45のAD変換部451が、入力されたアナログ信号をAD変換する(ステップS301)。
次に、シェーディング補正部452が、ステップS301でAD変換された画像データに対して、照明光源426の照度ムラに起因する画像データの誤差を補正するためのシェーディング補正を行う(ステップS302)。
次に、ホワイトバランス補正部453が、ステップS302でシェーディング補正が行われた画像データに対して、ホワイトバランス補正を行う(ステップS303)。
次に、γ補正部454が、ステップS303でホワイトバランス補正が行われた画像データに対して、センサユニット430の感度のリニアリティを補償するためのγ補正を行う(ステップS304)。
次に、画像フォーマット変換部455が、ステップS304でγ補正が行われた画像データを任意のフォーマットに変換する画像フォーマット変換を行う(ステップS305)。
次に、空間マトリックス演算手段が、ステップS305で画像フォーマット変換が行われた画像データに対して、空間マトリックスを用いて画素値を補正する空間マトリックス演算を行う(ステップS306)。なお、空間マトリックス演算は、ステップS305の画像フォーマット変換の前に行うようにしてもよい。また、空間マトリックス演算は、測色制御部50の演算部53において行うようにしてもよい。
<撮像部の変形例>
次に、撮像部42の変形例について説明する。以下では、第1変形例の撮像部42を撮像部42Aと表記し、第2変形例の撮像部42を撮像部42Bと表記し、第3変形例の撮像部42を撮像部42Cと表記し、第4変形例の撮像部42を撮像部42Dと表記し、第5変形例の撮像部42を撮像部42Eと表記し、第6変形例の撮像部42を撮像部42Fと表記する。なお、各変形例において、上述した撮像部42と共通の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
<第1変形例>
図28は、第1変形例の撮像部42Aの縦断面図であり、図5−1に示した撮像部42の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第1変形例の撮像部42Aでは、筐体421の底面部421aに、測色対象パッチCPを撮像するための開口部425とは別の開口部427が設けられている。そして、この開口部427を筐体421の外側から閉塞するように、チャート板410が配置されている。つまり、上述した撮像部42では、チャート板410が筐体421の底面部421aのセンサユニット430と対向する内面側に配置されていたのに対して、第1変形例の撮像部42Aでは、チャート板410が筐体421の底面部421aの記録媒体Pと対向する外面側に配置されている。
具体的には、たとえば、筐体421の底面部421aの外面側に、チャート板410の厚みに相当する深さの凹部が、開口部427と連通するように形成されている。そして、この凹部内に、チャート板410が、基準チャートKCが形成された面をセンサユニット430側に向けて配置されている。チャート板410は、たとえば、その端部が開口部427の端縁近傍にて接着剤などにより筐体421の底面部421aに接合され、筐体421と一体化されている。
以上のように構成される第1変形例の撮像部42Aでは、基準チャートKCが形成されたチャート板410を筐体421の底面部421aの外面側に配置することにより、上述した撮像部42に比べて、センサユニット430から測色対象パッチCPまでの光路長とセンサユニット430から基準チャートKCまでの光路長との差を小さくすることができる。
<第2変形例>
図29は、第2変形例の撮像部42Bの縦断面図であり、図5−1に示した撮像部42の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第2変形例の撮像部42Bでは、第1変形例の撮像部42Aと同様に、筐体421の底面部421aの外面側にチャート板410が配置されている。ただし、第1変形例の撮像部42Aでは、チャート板410が接着剤などによって筐体421の底面部421aに接合され、筐体421と一体化されていたのに対して、第2変形例の撮像部42Bでは、チャート板410が筐体421に対して着脱可能に保持されている。
具体的には、たとえば、第1変形例の撮像部42Aと同様に、筐体421の底面部421aの外面側に開口部427と連通する凹部が形成され、この凹部内にチャート板410が配置されている。また、第2変形例の撮像部42Bは、凹部内に配置されたチャート板410を筐体421の底面部421aの外面側から押さえ込んで保持する保持部材428を備える。保持部材428は、筐体421の底面部421aに対して取り外し可能に装着されている。したがって、第2変形例の撮像部42Bでは、保持部材428を筐体421の底面部421aから取り外すことにより、チャート板410を取り出すことができる。
以上のように、第2変形例の撮像部42Bでは、チャート板410が筐体421に対して着脱可能に保持され、チャート板410を取り出すことができるので、基準チャートKCの汚れなどによりチャート板410が劣化した場合に、チャート板410を交換する作業を簡単に行うことができる。また、上述したシェーディング補正部452が照明光源426による照度ムラを補正するためのシェーディングデータを得る際に、チャート板410を取り出して代わりに白基準板を配置し、この白基準板をセンサユニット430で撮像すれば、シェーディングデータの取得を簡便に行うことができる。
<第3変形例>
図30は、第3変形例の撮像部42Cの縦断面図であり、図5−1に示した撮像部42の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第3変形例の撮像部42Cでは、筐体421の開口部425を塞ぐミスト防止透過部材450が省略され、光路長変更部材440により、筐体421の開口部425を塞ぐ構成となっている。
第3変形例の撮像部42Cでは、筐体421の開口部425が光路長変更部材440により塞がれているため、ミスト防止透過部材450を設けた場合と同様に、筐体421の内部にミストが進入することを防止できる。本変形例の場合、光路長変更部材440に対してミストや埃が付着して光路長変更部材440が汚れることにより、測色対象パッチCPの測色に支障を来す懸念がある。そこで、本変形例の場合には、上述した方法によって、ミスト防止透過部材450の代わりに光路長変更部材440の汚れを判定する。
<第4変形例>
図31は、第4変形例の撮像部42Dの縦断面図であり、図5−1に示した撮像部42の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第4変形例の撮像部42Dでは、筐体421の内部の光路長変更部材440が省略されている。光路長変更部材440は、上述したように、センサユニット430から被写体(測色対象パッチCP)までの光路長を変更し、センサユニット430から基準チャートKCまでの光路長に合わせる機能を持つ。しかし、これらの光路長の差がセンサユニット430の被写界深度の範囲内であれば、光路長に差が生じていても、被写体(測色対象パッチCP)と基準チャートKCとの双方に焦点の合った画像を撮像することができる。
センサユニット430から被写体(測色対象パッチCP)までの光路長とセンサユニット430から基準チャートKCまでの光路長との差は、概ね、筐体421の底面部421aの厚みに間隙dを加えた値となる。したがって、間隙dを十分に小さな値とすれば、センサユニット430から被写体(測色対象パッチCP)までの光路長とセンサユニット430から基準チャートKCまでの光路長との差を、センサユニット430の被写界深度の範囲内とすることができ、光路長変更部材440を省略して部品コストの削減を図ることができる。
なお、センサユニット430の被写界深度は、センサユニット430の絞り値や結像レンズ432の焦点距離、センサユニット430と被写体との間の距離などに応じて定まる、センサユニット430に固有の特性である。本変形例の撮像部42Dにおいては、筐体421の底面部421aと記録媒体Pとの間の間隙dをたとえば1mm〜2mm程度の十分に小さな値としたときに、センサユニット430から被写体(測色対象パッチCP)までの光路長と、センサユニット430から基準チャートKCまでの光路長との差が被写界深度の範囲内となるように、センサユニット430が設計されている。
<第5変形例>
図32−1は、第5変形例の撮像部42Eの縦断面図であり、図5−1に示した撮像部42の縦断面図と同じ位置の断面図である。また、図32−2は、筐体421の底面部421aを図32−1中のX3方向から見た平面図である。なお、図32−2では、筐体421の底面部421aにおける照明光源426の垂直投影位置(底面部421aに対して垂直に見下ろしたときに投影される位置)を破線で示している。
第5変形例の撮像部42Eでは、筐体421の底面部421aにおいて、センサユニット430から該底面部421aに対して垂直に下ろした垂線上(つまり、センサユニット430の光軸中心)に位置して開口部425Eが設けられ、この開口部425Eを介して被写体(測色対象パッチCP)の撮像を行う。すなわち、第5変形例の撮像部42Eでは、筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)を撮像するための開口部425Eが、センサユニット430の撮像範囲において略中心に位置するように設けられている。
また、第5変形例の撮像部42Eでは、基準チャートKCが形成されたチャート板410Eが、開口部425Eの周囲を取り囲むように、筐体421の底面部421aに配置されている。たとえば、チャート板410Eは、開口部425Eを中心とする円環状に形成され、基準チャートKCが形成された面とは逆側の面を接着面として、筐体421の底面部421aの内面側に接着材などにより接着され、筐体421に対して固定された状態で保持されている。
また、第5変形例の撮像部42Eでは、照明光源426として、筐体421の側壁を構成する枠体422の内周側の4隅に配置された4つのLEDを用いる。照明光源426として用いるこれら4つのLEDは、たとえば、センサユニット430の2次元イメージセンサ431とともに、基板423の内面に実装されている。照明光源426として用いる4つのLEDをこのように配置することにより、被写体(測色対象パッチCP)と基準チャートKCとを、概ね同一の条件にて照明することができる。
以上のように構成される第5変形例の撮像部42Eでは、筐体421の外部の被写体(測色対象パッチCP)を撮像するための開口部425Eを、筐体421の底面部421aにおけるセンサユニット430からの垂線上に設け、さらにその開口部425Eの周囲を取り囲むように、基準チャートKCが形成されたチャート板410Eを配置しているので、被写体(測色対象パッチCP)および基準チャートKCの撮像を適切に行うことができる。
<第6変形例>
図33は、第6変形例の撮像部42Fの縦断面図であり、図5−1に示した撮像部42の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第6変形例の撮像部42Fでは、第5変形例の撮像部42Eと同様に、照明光源426として、枠体422の内周側の4隅に配置された4つのLEDを用いる。ただし、第6変形例の撮像部42Fでは、被写体(測色対象パッチCP)や基準チャートKCで正反射される正反射光がセンサユニット430の2次元イメージセンサ431に入射しないようにするために、照明光源426として用いるこれら4つのLEDを、第5変形例の撮像部42Eと比べて、より筐体421の底面部421aに近い位置に配置している。
センサユニット430の2次元イメージセンサ431のセンサ面において、照明光源426の正反射光が入射する位置は、画素値が飽和するために正確な情報が得られない場合がある。このため、被写体(測色対象パッチCP)や基準チャートKCで正反射される正反射光がセンサユニット430の2次元イメージセンサ431に入射する位置に照明光源426が配置されていると、被写体(測色対象パッチCP)の測色に必要な情報が得られなくなることが懸念される。そこで、第6変形例の撮像部42Fでは、図33に示すように、照明光源426として用いるこれら4つのLEDを筐体421の底面部421aに近い位置に配置することで、被写体(測色対象パッチCP)や基準チャートKCで正反射される正反射光がセンサユニット430の2次元イメージセンサ431に入射しないようにしている。なお、図33中の一点鎖線の矢印は、正反射光の光路をイメージしたものである。
以上のように、第6変形例の撮像部42Fでは、被写体(測色対象パッチCP)や基準チャートKCで正反射される正反射光がセンサユニット430の2次元イメージセンサ431に入射しない位置に照明光源426を配置しているので、2次元イメージセンサ431のセンサ面において被写体(測色対象パッチCP)や基準チャートKCの光学像が結像する位置の画素値が飽和することを有効に抑制し、被写体(測色対象パッチCP)および基準チャートKCの撮像を適切に行うことができる。
<その他の変形例>
上述した撮像部42およびその変形例では、筐体421に基準チャートKCを設けて、センサユニット430によって被写体(測色対象パッチCP)と基準チャートKCとを同時に撮像する構成となっている。しかし、上述したように、基準チャートKCの撮像により得られる初期基準RGB値や測色時基準RGB値は、測色対象パッチCPの撮像により得られる測色対象RGB値に対して、撮像部42の撮像条件の経時変化、たとえば、照明光源426の経時変化や2次元イメージセンサ431の経時変化の影響を排除するために用いられる。つまり、基準チャートKCの撮像により得られる初期基準RGB値や測色時基準RGB値は、上述した基準RGB間線形変換マトリックスを算出し、この基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、測色対象RGB値を初期化測色対象RGB値(RsGsBs)に変換するために用いられる。
したがって、要求される測色の精度に対して撮像部42の撮像条件の経時変化が無視できるレベルであれば、基準チャートKCが省略された構成の撮像部42を用いることもできる。基準チャートKCが省略された構成の撮像部42を用いる場合は、この撮像部42が測色対象パッチCPを撮像することで得られる測色対象RGB値を初期化測色対象RGB値に変換する処理(図11のステップS10)が省略され、測色対象RGB値を対象として、基本測色処理(図11のステップS20、図14および図15)が行われる。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、測色制御部50で測色処理を行うようにしているが、測色処理は、必ずしも画像形成装置100内部で実行する必要はない。例えば、画像形成装置100と外部装置とが通信可能に接続された画像形成システム(測色システム)を構築し、測色制御部50の機能を外部装置に持たせて、外部装置において測色処理を行うようにしてもよい。つまり、測色システムは、画像形成装置100に設けられた撮像部42と、外部装置に設けられた測色制御部50と、これら撮像部42と測色制御部50とを接続する通信手段と、を備えた構成となる。
この場合、たとえば、画像形成装置100は、撮像部42で撮像した測色対象パッチCPおよび基準チャートKCの画像データを、通信手段により外部装置に送信する。外部装置は、画像形成装置100から受信した画像データを用いて測色対象パッチCPの測色値を算出し、算出した測色対象パッチCPの測色値に基づいて、画像形成装置100の色再現性を向上させるための色変換パラメータを生成する。そして、外部装置は、生成した色変換パラメータを、通信手段により画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、外部装置から受信した色変換パラメータを保持し、画像形成を行う際には、この色変換パラメータを用いて画像データを補正し、補正後の画像データに基づいて画像形成を行う。これにより、画像形成装置100は色再現性の高い画像形成を行うことができる。
また、外部装置が、測色対象パッチCPの測色値に基づいて生成した色変換パラメータを保持し、外部装置において画像データの補正を行うようにしてもよい。すなわち、画像形成装置100は、画像形成を行う際に、画像データを外部装置に送信する。外部装置は、画像形成装置100から受信した画像データを、自身が保持する色変換パラメータを用いて補正し、補正した画像データを画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、外部装置から受信した補正後の画像データに基づいて画像形成を行う。これにより、画像形成装置100は色再現性の高い画像形成を行うことができる。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の撮像部42は、筐体421内部に設けたセンサユニット430によって、照明光源426により均一に照明された筐体421外部の被写体を、筐体421の開口部425を介して撮像する。また、本実施形態の撮像部42は、筐体421外部の被写体を撮像するための筐体421の開口部425をミスト防止透過部材450で塞ぐことで筐体421内部へのミストの進入を防止し、必要に応じて、ミスト防止透過部材450に汚れが付着しているか否かを判定する。したがって、この撮像部42によれば、種々の撮像条件の変動を抑制して安定した撮像を行うことができるとともに、ミスト防止透過部材450に付着した汚れが原因となって、当該撮像部42で撮像した画像を用いた測色処理に支障を来す不都合を有効に抑制することができる。
また、本実施形態の画像形成装置100は、本実施形態の撮像部42およびこれを用いた測色装置を備えているため、測色対象の画像を出力しながら画像の測色を精度よく行い、出力特性を適切に調整して高品位な画像の出力を行うことができる。
なお、上述した本実施の形態では、汚れ画素検出部532は、第1読取画像D1の被写体領域R全体をN(主走査方向)×M(副走査方向)個のブロックに分割する。そして、汚れ画素検出部532は、各ブロックに対して汚れ画素がいくつ含まれるかを算出し、汚れ画素の数が予め定めた閾値β以上のブロックを汚れブロックと判定する場合を説明した。しかし、汚れ画素検出部532は、第1読取画像D1の被写体領域R全体を複数のブロックに分割せずに、センサユニット430全体の汚れ画素を算出してもよい。そして、汚れ画素検出部532は、該算出した汚れ画素の数が予め定めた閾値β以上のブロックを汚れブロックと判定してもよい。
なお、上述した本実施の形態では、判定部533が、各画素について、D’1(n,m)において設定された「1」または「0」の値と、D’2(n,m)において設定された「1」または「0」の値との差分を求め、その値が「1」となる画素の総数である総画素数Qを算出した。しかし、判定部533は、第1読取画像D1全体の汚れ画素数と、第2読取画像D2の全体の汚れ画素数との差を、総画素数Qとして算出してもよい。
なお、上述した本実施形態に係る画像形成装置100や測色装置を構成する各部の制御機能は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実現することができる。本実施形態に係る画像形成装置100や測色装置を構成する各部の制御機能をソフトウェアにより実現する場合は、画像形成装置100や測色装置が備えるプロセッサが処理シーケンスを記述したプログラムを実行する。プロセッサにより実行されるプログラムは、たとえば、画像形成装置100や測色装置内部のROMなどに予め組み込まれて提供される。また、プロセッサが実行するプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するようにしてもよい。
また、プロセッサにより実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、プロセッサにより実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
以上、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えながら具体化することができる。