1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲン、具体的には、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaは、微細二酸化シリコン(SiO2)を用いた処理により血漿由来タンパク質組成物から除去できるという驚くべき所見に基づく。このようにして、本発明は、血漿由来タンパク質組成物のセリンプロテアーゼ活性、セリンプロテアーゼ含量、およびセリンプロテアーゼチモーゲン含量を低減する方法を提供する。また、セリンプロテアーゼ活性、セリンプロテアーゼ含量、およびセリンプロテアーゼチモーゲン含量が低下した治療的血漿由来タンパク質組成物、ならびに同一投与による疾患の治療または予防のための方法も提供する。
第1態様では、本発明は、血漿由来標的タンパク質組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、もしくは第XII因子(FXII)である。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化組成物を形成する工程をさらに含む。1つの実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程である。具体的な実施形態では、タンパク質沈降工程は、アルコール分別工程である。別の実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である。
上記方法の他の実施形態では、本方法は、富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む。1つの実施形態では、第2標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程である。具体的な実施形態では、タンパク質沈降工程は、アルコール分別工程である。別の実施形態では、第2標的タンパク質富化工程は、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である。さらに別の実施形態では、第2標的タンパク質富化工程は、クロマトグラフィー富化工程である。
上記方法の他の実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、第3標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む。1つの実施形態では、第3標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程である。具体的な実施形態では、タンパク質沈降工程は、アルコール分別工程である。別の実施形態では、第3標的タンパク質富化工程は、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である。さらに別の実施形態では、第3標的タンパク質富化工程は、クロマトグラフィー富化工程である。
上記方法のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)血漿由来標的タンパク質への結合に適した条件下で、血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来標的タンパク質をクロマトグラフィー樹脂から溶出する副工程を含む。具体的な実施形態では、不純物は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。別の具体的な実施形態では、不純物は、副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合するが、副工程(ii)においてクロマトグラフィー樹脂から溶出されない。
上記方法の他のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)少なくとも1種の不純物への結合に適した条件下で、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来タンパク質組成物から樹脂を分離する副工程を含み、該血漿由来標的タンパク質は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。
上記クロマトグラフィー富化工程を含む方法のある実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、疎水性相互作用樹脂、混合様式樹脂、ヒドロキシアパタイト樹脂、リガンド親和性樹脂、免疫親和性樹脂、およびサイズ排除樹脂からなる群から選択される。
上記クロマトグラフィー富化工程を含む方法の他のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程はサイズ排除クロマトグラフィーを使用してサイズおよび/または形により標的タンパク質から少なくとも1種の不純物を分離することを含む。
上記方法のある実施形態では、血漿由来標的タンパク質は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される。具体的な実施形態では、補体系のタンパク質は、H因子(FH)、D因子、補体タンパク質C3、およびC4結合タンパク質からなる群から選択される。
上記方法のさらに別の実施形態では、血漿由来標的タンパク質組成物は、製造中間体である。
第2態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;(c)H因子が結合し続ける溶液条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに(d)H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法のある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約6.0超のpHを含む。別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約6.5超のpHを含む。別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約7.0超のpHを含む。さらに別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、少なくとも約7.5のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、溶液条件は、11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、10.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、9.0以下のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約10mS/cm超の伝導度を含む。上記方法の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約20mS/cm超の伝導度を含む。上記方法の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約10mS/cm〜約50mS/cmの伝導度を含む。上記方法のさらに別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子が結合し続ける溶液条件は、約20mS/cm〜約50mS/cmの伝導度を含む。
第3態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子および少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2に結合し続ける条件下で、H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法のある実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約6.0超のpHを含む。別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約6.5超のpHを含む。別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約7.0超のpHを含む。さらに別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、少なくとも約7.5のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、溶液条件は、11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、10.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、9.0以下のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約20mS/cm未満の伝導度を含む。別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約10mS/cm未満の伝導度を含む。上記方法の別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約2mS/cm〜約20mS/cmの伝導度を含む。上記方法のさらに別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件は、約2mS/cm〜約10mS/cmの伝導度を含む。
第4態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子に結合するが、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種には結合しないために適した条件下で、H因子とリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法のある実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約6.0超のpHを含む。別の実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約6.5超のpHを含む。別の実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約7.0超のpHを含む。さらに別の実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、少なくとも約7.5のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、溶液条件は、11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、10.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、9.0以下のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約10mS/cm超の伝導度を含む。上記方法の別の実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約20mS/cm超の伝導度を含む。上記方法の別の実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約10mS/cm〜約50mS/cmの伝導度を含む。上記方法のさらに別の実施形態では、H因子はSiO2に結合してセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは結合しない溶液条件は、約20mS/cm〜約50mS/cmの伝導度を含む。
第5態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種に結合するが、H因子には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、ならびに(b)組成物からSiO2を分離する工程を含む。
上記方法のある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約6.0超のpHを含む。別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約6.5超のpHを含む。別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約7.0超のpHを含む。さらに別の実施形態では、溶液条件は、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合し、H因子が少なくとも約7.5のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、溶液条件は、11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、10.0以下のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、9.0以下のpHを含む。
上記方法のある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約20mS/cm未満の伝導度を含む。別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約10mS/cm未満の伝導度を含む。上記方法の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約2mS/cm〜約20mS/cmの伝導度を含む。上記方法のさらに別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合してH因子は結合しない溶液条件は、約2mS/cm〜約10mS/cmの伝導度を含む。
第6態様では、本発明は、セリンプロテアーゼ活性の低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIおよび少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;(c)IαIが結合し続ける条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼを溶出する工程;ならびに(d)SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
第7態様では、本発明は、セリンプロテアーゼ活性の低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIおよび少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)セリンプロテアーゼがSiO2に結合し続ける条件下で、SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
第8態様では、本発明は、セリンプロテアーゼ活性の低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIには結合するが、少なくとも1種のセリンプロテアーゼには結合しないために適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
第9態様では、本発明は、セリンプロテアーゼ活性の低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼに結合するが、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)には結合しないために適した条件下で、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)と少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離する工程を含む。
上記態様のある実施形態では、組成物は、少なくとも1g SiO2/gタンパク質の最終濃度でSiO2と接触させる。上記態様の別の実施形態では、組成物は、少なくとも2g SiO2/gタンパク質の最終濃度でSiO2と接触させる。上記態様の別の実施形態では、組成物は、少なくとも2.5g SiO2/gタンパク質の最終濃度でSiO2と接触させる。
上記態様のある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XI因子である。上記態様の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子である。上記態様の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XII因子である。上記態様のさらに別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIIa因子である。
第10態様では、本発明は、上記の任意の1つの態様によるセリンプロテアーゼ活性の低減のための方法を含む方法により調製された血漿由来タンパク質組成物を提供する。1つの実施形態では、組成物は、対象への投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内、筋肉内、または皮下投与用に製剤化される。1つの実施形態では、組成物は、水性である。別の実施形態では、組成物は、凍結乾燥されている。
第11態様では、本発明は、血漿タンパク質の異常活性に関連した疾患の治療のための方法を、それを必要としている対象に提供し、本方法は、上に概説した態様により、血漿由来タンパク質組成物を投与する工程を含む。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される。
第12態様では、本発明は、(a)H因子を含む懸濁血漿沈降画分を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)低pHおよび低伝導度を含む洗浄緩衝液でSiO2を洗浄する工程、ならびに(c)7.0〜8.0のpHおよび少なくとも10mS/cmの伝導度を含む溶出緩衝液を用いてH因子をSiO2から溶出する工程を含むH因子組成物の調製のための方法を提供する。具体的な実施形態では、H因子を含む血漿沈降画分は、コーン(Cohn)画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン(Kistler/Nitschmann)沈降物A、またはキストラー/ニッチェマン沈降物Bである。ある実施形態では、本方法は、(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させて除去する工程、(e)富化組成物からH因子を沈降させて回収する工程、(f)陰イオン交換クロマトグラフィーによりH因子をさらに富化させる工程、(g)ヘパリン親和性クロマトグラフィーによりH因子をさらに富化させる工程、(h)特定の目的のためのウイルス不活性化工程、ならびに(i)限外濾過/ダイアフィルトレーションにより、富化H因子組成物を濃縮する工程から選択される追加工程をさらに1つまたは複数含む。
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼを除去する工程を含み、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種は、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、もしくは第XII因子(FXII)である。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化組成物を形成する工程をさらに含む。1つの実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程である。具体的な実施形態では、タンパク質沈降工程は、アルコール分別工程である。別の具体的な実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む。1つの実施形態では、第2標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程である。具体的な実施形態では、タンパク質沈降工程は、アルコール分別工程である。1つの実施形態では、第2標的タンパク質富化工程は、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である。1つの実施形態では、第2標的タンパク質富化工程は、クロマトグラフィー富化工程である。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、第3標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む。1つの実施形態では、第3標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程である。具体的な実施形態では、タンパク質沈降工程は、アルコール分別工程である。1つの実施形態では、第3標的タンパク質富化工程は、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である。1つの実施形態では、第3標的タンパク質富化工程は、クロマトグラフィー富化工程である。
上記方法の具体的な実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)血漿由来標的タンパク質への結合に適した条件下で、血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来標的タンパク質をクロマトグラフィー樹脂から溶出する副工程を含む。1つの具体的な実施形態では、副工程(i)において少なくとも1種の不純物はクロマトグラフィー樹脂に結合しない。別の具体的な実施形態では、副工程(i)において少なくとも1種の不純物は、クロマトグラフィー樹脂に結合するが、副工程(ii)においてクロマトグラフィー樹脂から溶出されない。
上記方法の具体的な実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)少なくとも1種の不純物への結合に適した条件下で、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来タンパク質組成物から樹脂を分離する副工程を含み、該血漿由来標的タンパク質は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。
上記方法の具体的な実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、疎水性相互作用樹脂、混合様式樹脂、ヒドロキシアパタイト樹脂、リガンド親和性樹脂、免疫親和性樹脂、およびサイズ排除樹脂からなる群から選択される。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、陰イオン交換樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、陽イオン交換樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、疎水性相互作用樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、混合様式樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、ヒドロキシアパタイト樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、リガンド親和性樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、免疫親和性樹脂である。1つの実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、サイズ排除クロマトグラフィーを使用してサイズおよび/または形により標的タンパク質から少なくとも1種の不純物を分離する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、血漿由来標的タンパク質は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質は、免疫グロブリン(Ig)である。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質は、アルブミンである。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質は、α−1−抗トリプシンである。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質は、ブチリルコリンエステラーゼである。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質は、補体系のタンパク質である。1つの実施形態では、補体系のタンパク質は、H因子(FH)、D因子、補体タンパク質C3、およびC4結合タンパク質からなる群から選択される。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質は、インター−α−トリプシンインヒビターである。
上記方法の具体的な実施形態では、血漿由来標的タンパク質組成物は、製造中間体である。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;(c)H因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに(d)H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO2に結合する溶液条件は、7.0未満のpHおよび11mS/cm未満の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO2に結合する溶液条件は、4.5〜6.5のpHおよび6mS/cm未満の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO2に結合する溶液条件は、4.5〜6.5のpHおよび0.5mS/cm〜5mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出がH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件は、7.0未満のpHおよび11mS/cm未満の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件は、4.5〜6.5のpHおよび6mS/cm未満の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび0.5mS/cm〜5mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子がSiO2から溶出される溶液条件は、少なくとも6mS/cmのイオン強度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子がSiO2から溶出される溶液条件は、少なくとも11mS/cmのイオン強度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子がSiO2から溶出される溶液条件は、5.0〜7.0のpHを含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子がSiO2から溶出される溶液条件は、7.0〜8.0のpHおよび4mS/cm〜7mS/cmのイオン強度を含む。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子および少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO2に結合し続ける条件下で、H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO2に結合する溶液条件は、7.0未満のpHおよび11mS/cm未満の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件は、4.5〜6.5のpHおよび6mS/cm未満の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した溶液条件は、5.0〜6.0のpHおよび0.5mS/cm〜5.0mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分が結合し続ける溶液条件は、5.0〜7.0のpHおよび少なくとも11mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分が結合し続ける溶液条件は、7.0〜8.0のpHおよび2mS/cm〜10mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、溶液条件の伝導度は、4mS/cm〜7mS/cmである。
上記方法の具体的な実施形態では、溶液条件の伝導度は、5mS/cm〜6mS/cmである。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子に結合するがセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種の実質的な画分には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分はSiO2に結合しない溶液条件は、5.0〜7.0のpHおよび14mS/cm以下の伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、溶液条件の伝導度は、9mS/cm〜14mS/cmである。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種に結合するがH因子の実質的な画分には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合し、H因子の実質的な画分はSiO2に結合しない溶液条件は、5.0〜7.0のpHおよび少なくとも11mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合し、H因子の実質的な画分はSiO2に結合しない溶液条件は、7.0〜8.0のpHおよび2mS/cm〜10mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、溶液条件の伝導度は、4mS/cm〜7mS/cmである。
上記方法の具体的な実施形態では、溶液条件の伝導度は、5mS/cm〜6mS/cmである。
1つの実施形態では、本発明は、H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程;ならびに(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子を含む出発組成物は、懸濁コーン画分II+III沈降物、またはその等価画分である。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子を含む出発組成物は、懸濁キストラー/ニッチェマン沈降物A、またはその等価画分である。
上記方法の具体的な実施形態では、H因子を含む出発組成物は、懸濁キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、回収したH因子溶液から少なくとも1種の不純物を沈降させ、H因子は沈降しない工程をさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、沈降工程は、PEG沈降である。
上記方法の具体的な実施形態では、PEG沈降は、PEG4000を最終濃度3%〜7%で用いた沈降を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、回収したH因子溶液からH因子を沈降させる工程をさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、沈降工程は、PEG沈降である。
上記方法の具体的な実施形態では、PEG沈降は、PEG4000を最終濃度10%〜15%で用いた沈降を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、12±0.5%である。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、クロマトグラフィーによりH因子を富化する工程をさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は陰イオン交換クロマトグラフィーを含む。
上記方法の具体的な実施形態では、クロマトグラフィー富化工程はヘパリン親和性クロマトグラフィーを含む。
上記方法の具体的な実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は陰イオン交換クロマトグラフィー、続いてヘパリン親和性クロマトグラフィーを含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、特定の目的のためのウイルス除去または不活性化工程の少なくとも1つをさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、ナノ濾過工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーションを含むH因子組成物の濃縮工程をさらに含む。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIおよび少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;(c)IαIの実質的な画分が結合し続ける条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに(d)SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIおよび少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO2に結合し続ける条件下で、SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIに結合するがセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種の実質的な画分には結合しないために適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンに結合するが、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)には結合しないために適した条件下で、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)と少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離する工程を含む。
1つの実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した免疫グロブリンG(IgG)組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)第1沈降工程中、約6%〜約10%アルコールでpH約7.0〜約7.5においてで脱寒冷(cryo−poor)プラスミド画分を沈降させて、第1沈降物および第1上清を得る工程;(b)第2沈降工程中、約20%〜約25%アルコールでpH約6.7〜約7.3において第1上清からIgGを沈降させて、第2沈降物を形成する工程;(c)第2沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程;(d)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンへの結合に適した溶液条件下で、懸濁液を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(e)懸濁液からSiO2を分離して精製懸濁液を形成する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法はさらに、(f)第3沈降工程中、約22%〜約28%アルコールでpH約6.7〜約7.3において、工程(e)で形成された精製懸濁液からIgGを沈降させて、第3沈降物を形成する工程;(g)第3沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程;および(h)工程(e)において形成された懸濁液から可溶性画分を分離して、それにより、富化IgG組成物を形成する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、陰イオン交換クロマトグラフィー富化工程をさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、陽イオン交換クロマトグラフィー富化工程をさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、特定の目的のためのウイルス不活性化または除去工程の少なくとも1つをさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、溶媒/清浄液(S/D)ウイルス不活性化工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、ナノ濾過工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、本方法は、低pHのインキュベーション工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(b)は工程(a)において形成される第1上清のエタノール濃度を約−7℃〜約−9℃の温度で約25%(v/v)に調節する工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、温度は、約−9℃である。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(c)はリン酸および酢酸を含む緩衝液を用いた工程(b)の沈降物の再懸濁化を含み、緩衝液のpHは1000L緩衝液当たり300mL〜700mLの氷酢酸で調節される。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(d)は、工程(b)において形成される沈降物1g当たり約0.02g〜工程(b)において形成される沈降物1g当たり約0.06gの最終濃度となるようなSiO2の添加を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンへの結合に適した溶液条件が4.5〜6.0のpHおよび0.1mS/cm〜3mS/cmの伝導度を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、pHは4.9〜5.3である。
上記方法の具体的な実施形態では、伝導度は、0.5mS/cm〜2mS/cmである。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(e)は、(i)リン酸および酢酸を含む緩衝液のフィルタープレスデッドボリュームの少なくとも3容積でフィルタープレスを洗浄する副工程であって、緩衝液のpHを緩衝液1000L当たり50mL〜200mLの氷酢酸で調節し、それにより、洗浄溶液を形成する副工程;ならびに(ii)工程(f)の濾液を工程(g)の洗浄溶液と結合させることにより、溶液を形成する副工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、さらに、(iii)清浄液で溶液を処理する副工程を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(h)が富化IgG組成物の溶媒および清浄液(S/D)処理をさらに含む。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(h)において得られた前記富化IgG組成物は、工程(a)に使用される脱寒冷血漿画分に見られるIgG含量の少なくとも85%を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、工程(h)において得られた前記富化IgG組成物は、工程(a)に使用される脱寒冷血漿画分に見られるIgG含量の少なくとも90%を含む。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも90%低下している。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも95%低下している。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも98%低下している。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも99%低下している。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXIaである。
上記方法の具体的な実施形態では、組成物は、少なくとも1g SiO2/gタンパク質の最終濃度でSiO2と接触させる。
上記方法の具体的な実施形態では、組成物は、少なくとも2g SiO2/gタンパク質の最終濃度でSiO2と接触させる。
上記方法の具体的な実施形態では、組成物は、少なくとも2.5g SiO2/gタンパク質の最終濃度でSiO2と接触させる。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XI因子である。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XII因子である。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子である。
上記方法の具体的な実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIIa因子である。
1つの実施形態では、本発明は、前記請求項のいずれか一項によるセリンプロテアーゼ活性の低減のための方法を含む方法により調製された血漿由来タンパク質組成物を提供する。
上記組成物の具体的な実施形態では、組成物は、対象への投与用に製剤化される。
上記組成物の具体的な実施形態では、組成物は、静脈内、筋肉内、または皮下投与用に製剤化される。
上記組成物の具体的な実施形態では、組成物は、水性である。
上記組成物の具体的な実施形態では、組成物は、凍結乾燥されている。
1つの実施形態では、本発明は、血漿タンパク質の異常活性に関連した疾患の治療のための方法を、それを必要としている対象に提供し、本方法は、請求項124〜請求項128のいずれか一項による血漿由来タンパク質組成物を投与する工程を含む。1つの実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される。
[本発明1001]
血漿由来標的タンパク質組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法であって、
(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、該組成物を微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;ならびに
(b)該組成物からSiO 2 を分離して、結合したセリンプロテアーゼを除去する工程
を含み、
該セリンプロテアーゼもしくは該セリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種が、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、もしくは第XII因子(FXII)である、方法。
[本発明1002]
前記組成物を微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程の前に、第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化組成物を形成する工程をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記第1標的タンパク質富化工程が、タンパク質沈降工程である、本発明1002の方法。
[本発明1004]
前記タンパク質沈降工程が、アルコール分別工程である、本発明1003の方法。
[本発明1005]
前記第1標的タンパク質富化工程が、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である、本発明1002の方法。
[本発明1006]
前記富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程の前に、第2標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む、本発明1002〜本発明1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記第2標的タンパク質富化工程が、タンパク質沈降工程である、本発明1006の方法。
[本発明1008]
前記タンパク質沈降工程が、アルコール分別工程である、本発明1007の方法。
[本発明1009]
前記第2標的タンパク質富化工程が、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である、本発明1006の方法。
[本発明1010]
前記第2標的タンパク質富化工程が、クロマトグラフィー富化工程である、本発明1006の方法。
[本発明1011]
前記組成物を微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程の後に、第3標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む、本発明1001〜本発明1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記第3標的タンパク質富化工程が、タンパク質沈降工程である、本発明1011の方法。
[本発明1013]
前記タンパク質沈降工程が、アルコール分別工程である、本発明1012の方法。
[本発明1014]
前記第3標的タンパク質富化工程が、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程である、本発明1012の方法。
[本発明1015]
前記第3標的タンパク質富化工程が、クロマトグラフィー富化工程である、本発明1012の方法。
[本発明1016]
前記クロマトグラフィー富化工程が、
(i)血漿由来標的タンパク質への結合に適した条件下で、血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および
(ii)血漿由来標的タンパク質をクロマトグラフィー樹脂から溶出する副工程
を含む、本発明1010または本発明1015の方法。
[本発明1017]
副工程(i)において少なくとも1種の不純物がクロマトグラフィー樹脂に結合しない、本発明1016の方法。
[本発明1018]
副工程(i)において少なくとも1種の不純物が、クロマトグラフィー樹脂に結合するが、副工程(ii)においてクロマトグラフィー樹脂から溶出されない、本発明1016の方法。
[本発明1019]
前記クロマトグラフィー富化工程が、
(i)少なくとも1種の不純物への結合に適した条件下で、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および
(ii)血漿由来タンパク質組成物から該樹脂を分離する副工程
を含み、
該血漿由来標的タンパク質が副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない、本発明1010または本発明1015の方法。
[本発明1020]
前記クロマトグラフィー樹脂が、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、疎水性相互作用樹脂、混合様式樹脂、ヒドロキシアパタイト樹脂、リガンド親和性樹脂、免疫親和性樹脂、およびサイズ排除樹脂からなる群から選択される、本発明1015〜本発明1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
前記クロマトグラフィー樹脂が、陰イオン交換樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1022]
前記クロマトグラフィー樹脂が、陽イオン交換樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1023]
前記クロマトグラフィー樹脂が、疎水性相互作用樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1024]
前記クロマトグラフィー樹脂が、混合様式樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1025]
前記クロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキシアパタイト樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1026]
前記クロマトグラフィー樹脂が、リガンド親和性樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1027]
前記クロマトグラフィー樹脂が、免疫親和性樹脂である、本発明1020の方法。
[本発明1028]
前記クロマトグラフィー富化工程が、サイズ排除クロマトグラフィーを使用してサイズおよび/または形により標的タンパク質から少なくとも1種の不純物を分離する工程を含む、本発明1010または本発明1015の方法。
[本発明1029]
前記血漿由来標的タンパク質が、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される、本発明1001〜本発明1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記血漿由来タンパク質が、免疫グロブリン(Ig)である、本発明1029の方法。
[本発明1031]
前記血漿由来タンパク質が、アルブミンである、本発明1029の方法。
[本発明1032]
前記血漿由来タンパク質が、α−1−抗トリプシンである、本発明1029の方法。
[本発明1033]
前記血漿由来タンパク質が、ブチリルコリンエステラーゼである、本発明1029の方法。
[本発明1034]
前記血漿由来タンパク質が、補体系のタンパク質である、本発明1029の方法。
[本発明1035]
前記補体系のタンパク質が、H因子(FH)、D因子、補体タンパク質C3、およびC4結合タンパク質からなる群から選択される、本発明1034の方法。
[本発明1036]
前記血漿由来タンパク質が、インター−α−トリプシンインヒビターである、本発明1029の方法。
[本発明1037]
前記血漿由来標的タンパク質組成物が、製造中間体である、本発明1001〜本発明1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法であって、
(a)H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程;
(c)H因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件下で、SiO 2 からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに
(d)H因子をSiO 2 から溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1039]
H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO 2 に結合する溶液条件が、7.0未満のpHおよび11mS/cm未満の伝導度を含む、本発明1038の方法。
[本発明1040]
H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO 2 に結合する溶液条件が、4.5〜6.5のpHおよび6mS/cm未満の伝導度を含む、本発明1038または本発明1039の方法。
[本発明1041]
H因子と少なくとも1つセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼのチモーゲンとがSiO 2 に結合する溶液条件が、4.5〜6.5のpHおよび0.5mS/cm〜5mS/cmの伝導度を含む、本発明1040の方法。
[本発明1042]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO 2 から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件が、7.0未満のpHおよび11mS/cm未満の伝導度を含む、本発明1038〜本発明1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO 2 から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件が、4.5〜6.5のpHおよび6mS/cm未満の伝導度を含む、本発明1042の方法。
[本発明1044]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO 2 から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件が、5.0〜6.5のpHおよび0.5mS/cm〜5mS/cmの伝導度を含む、本発明1042の方法。
[本発明1045]
H因子がSiO 2 から溶出される溶液条件が、少なくとも6mS/cmのイオン強度を含む、本発明1038〜本発明1044のいずれかの方法。
[本発明1046]
H因子がSiO 2 から溶出される溶液条件が、少なくとも11mS/cmのイオン強度を含む、本発明1038〜本発明1045のいずれかの方法。
[本発明1047]
H因子がSiO 2 から溶出される溶液条件が、5.0〜7.0のpHを含む、本発明1038〜本発明1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
H因子がSiO 2 から溶出される溶液条件が、7.0〜8.0のpHおよび4mS/cm〜7mS/cmのイオン強度を含む、本発明1038〜本発明1044のいずれかの方法。
[本発明1049]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製するための方法であって、
(a)H因子および少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程;ならびに
(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO 2 に結合し続ける条件下で、H因子をSiO 2 から溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1050]
H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とがSiO 2 に結合する溶液条件が、7.0未満のpHおよび11mS/cm未満の伝導度を含む、本発明1049の方法。
[本発明1051]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO 2 から溶出されかつH因子の実質的な画分が結合し続ける溶液条件が、4.5〜6.5のpHおよび6mS/cm未満の伝導度を含む、本発明1049または本発明1050の方法。
[本発明1052]
H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した溶液条件が、5.0〜6.0のpHおよび0.5mS/cm〜5.0mS/cmの伝導度を含む、本発明1049の方法。
[本発明1053]
H因子がSiO 2 から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分が結合し続ける溶液条件が、5.0〜7.0のpHおよび少なくとも11mS/cmの伝導度を含む、本発明1049〜本発明1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
H因子がSiO 2 から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分が結合し続ける溶液条件が、7.0〜8.0のpHおよび2mS/cm〜10mS/cmの伝導度を含む、本発明1049〜本発明1052のいずれかの方法。
[本発明1055]
前記溶液条件の伝導度が、4mS/cm〜7mS/cmである、本発明1054の方法。
[本発明1056]
前記溶液条件の伝導度が、5mS/cm〜6mS/cmである、本発明1054の方法。
[本発明1057]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製のための方法であって、
(a)H因子に結合するが、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種の実質的な画分には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程;ならびに
(c)H因子をSiO 2 から溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1058]
H因子がSiO 2 に結合しかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO 2 に結合しない溶液条件が、5.0〜7.0のpHおよび14mS/cm以下の伝導度を含む、本発明1057の方法。
[本発明1059]
前記溶液条件の伝導度が、9mS/cm〜14mS/cmである、本発明1058の方法。
[本発明1060]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したH因子組成物の調製するための方法であって、
(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種に結合するが、H因子の実質的な画分には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;ならびに
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程
を含む、方法。
[本発明1061]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO 2 に結合しかつH因子の実質的な画分がSiO 2 に結合しない溶液条件が、5.0〜7.0のpHおよび少なくとも11mS/cmの伝導度を含む、本発明1060の方法。
[本発明1062]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO 2 に結合しかつH因子の実質的な画分がSiO 2 に結合しない溶液条件が、7.0〜8.0のpHおよび2mS/cm〜10mS/cmの伝導度を含む、本発明1060の方法。
[本発明1063]
前記溶液条件の伝導度が、4mS/cm〜7mS/cmである、本発明1062の方法。
[本発明1064]
前記溶液条件の伝導度が、5mS/cm〜6mS/cmである、本発明1062の方法。
[本発明1065]
H因子組成物の調製のための方法であって、
(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO 2 を洗浄する工程;ならびに
(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO 2 から溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1066]
SiO 2 を洗浄するために使用される溶液が5.5〜6.5のpHを含む、本発明1065の方法。
[本発明1067]
SiO 2 を洗浄するために使用される溶液が6.0±0.2のpHを含む、本発明1065の方法。
[本発明1068]
H因子を溶出するために使用される溶液が、少なくとも20mS/cmの伝導度を含む、本発明1065〜本発明1067のいずれかの方法。
[本発明1069]
H因子を溶出するために使用される溶液が25mS/cm〜40mS/cmの伝導度を含む、本発明1068の方法。
[本発明1070]
H因子を含む前記出発組成物が、懸濁コーン(Cohn)画分II+III沈降物、またはその等価画分である、本発明1038〜本発明1069のいずれかの方法。
[本発明1071]
H因子を含む前記出発組成物が、懸濁キストラー/ニッチェマン(Kistler/Nitschmann)沈降物A、またはその等価画分である、本発明1038〜本発明1069のいずれかの方法。
[本発明1072]
H因子を含む前記出発組成物が、懸濁キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である、本発明1038〜本発明1069のいずれかの方法。
[本発明1073]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法であって、
(a)IαIおよび少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程;
(c)IαIの実質的な画分が結合し続ける条件下で、SiO 2 からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに
(d)SiO 2 からIαIを溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1074]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法であって、
(a)IαIおよび少なくとも1種のセリンプロテアーゼへの結合に適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程;ならびに
(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO 2 に結合し続ける条件下で、SiO 2 からIαIを溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1075]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法であって、
(a)IαIに結合するが、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種の実質的な画分には結合しないために適した条件下で、IαIと少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程;ならびに
(c)SiO 2 からIαIを溶出する工程
を含む、方法。
[本発明1076]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下したインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)組成物の調製のための方法であって、
(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンに結合するが、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)には結合しないために適した条件下で、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)と少なくとも1種のセリンプロテアーゼとを含む溶液を、微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;ならびに
(b)該組成物からSiO 2 を分離する工程
を含む、方法。
[本発明1077]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した免疫グロブリンG(IgG)組成物の調製のための方法であって、
(a)第1沈降工程中、約6%〜約10%アルコールでpH約7.0〜約7.5において脱寒冷(cryo−poor)プラスミド画分を沈降させて、第1沈降物および第1上清を得る工程;
(b)第2沈降工程中、約20%〜約25%アルコールでpH約6.7〜約7.3において第1上清からIgGを沈降させて、第2沈降物を形成する工程;
(c)第2沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程;
(d)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンへの結合に適した溶液条件下で、懸濁液を微細二酸化シリコン(SiO 2 )と接触させる工程;ならびに
(e)懸濁液からSiO 2 を分離して精製懸濁液を形成する工程
を含む、方法。
[本発明1078]
(f)第3沈降工程中、約22%〜約28%アルコールでpH約6.7〜約7.3において、工程(e)で形成された精製懸濁液からIgGを沈降させて、第3沈降物を形成する工程;
(g)第3沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程;および
(h)工程(e)において形成された懸濁液から可溶性画分を分離して、それにより、富化IgG組成物を形成する工程
をさらに含む、本発明1077の方法。
[本発明1079]
陰イオン交換クロマトグラフィー富化工程をさらに含む、本発明1077または本発明1078の方法。
[本発明1080]
陽イオン交換クロマトグラフィー富化工程をさらに含む、本発明1077〜本発明1079のいずれかの方法。
[本発明1081]
特定の目的のためのウイルス不活性化または除去工程の少なくとも1つをさらに含む、本発明1077〜本発明1080のいずれかの方法。
[本発明1082]
溶媒/清浄液(S/D)ウイルス不活性化工程を含む、本発明1081の方法。
[本発明1083]
ナノ濾過工程を含む、本発明1081または本発明1082の方法。
[本発明1084]
低pHのインキュベーション工程を含む、本発明1081〜本発明1083のいずれかの方法。
[本発明1085]
工程(b)が、工程(a)において形成される第1上清のエタノール濃度を約−7℃〜約−9℃の温度で約25%(v/v)に調節する工程を含む、本発明1078〜本発明1084のいずれかの方法。
[本発明1086]
前記温度が、約−9℃である、本発明1085の方法。
[本発明1087]
工程(c)が、リン酸および酢酸を含む緩衝液を用いた工程(b)の沈降物の再懸濁化を含み、該緩衝液のpHが1000L緩衝液当たり300mL〜700mLの氷酢酸で調節される、本発明1078〜本発明1086のいずれかの方法。
[本発明1088]
工程(d)が、工程(b)において形成される沈降物1g当たり約0.02g〜工程(b)において形成される沈降物1g当たり約0.06gの最終濃度となるようなSiO 2 の添加を含む、本発明1078〜本発明1087のいずれかの方法。
[本発明1089]
セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンへの結合に適した溶液条件が、4.5〜6.0のpHおよび0.1mS/cm〜3mS/cmの伝導度を含む、本発明1078〜本発明1088のいずれかの方法。
[本発明1090]
前記pHが、4.9〜5.3である、本発明1089の方法。
[本発明1091]
前記伝導度が、0.5mS/cm〜2mS/cmである、本発明1089または本発明1090の方法。
[本発明1092]
工程(e)が、
(i)リン酸および酢酸を含む緩衝液のフィルタープレスのデッドボリュームの少なくとも3容積で、フィルタープレスを洗浄する副工程であって、該緩衝液のpHを、緩衝液1000L当たり50mL〜200mLの氷酢酸で調節し、それにより、洗浄溶液を形成する副工程;ならびに
(ii)工程(f)の濾液を工程(g)の洗浄溶液と混合させることにより、溶液を形成する副工程
を含む、本発明1078〜本発明1091のいずれかの方法。
[本発明1093]
(iii)清浄液で溶液を処理する副工程
をさらに含む、本発明1092の方法。
[本発明1094]
工程(h)が、富化IgG組成物の溶媒および清浄液(S/D)処理をさらに含む、本発明1078〜本発明1093のいずれかの方法。
[本発明1095]
工程(h)において得られた前記富化IgG組成物が、工程(a)に使用される脱寒冷血漿画分に見られるIgG含量の少なくとも85%を含む、本発明1078〜本発明1093のいずれかの方法。
[本発明1096]
工程(h)において得られた前記富化IgG組成物が、工程(a)に使用される脱寒冷血漿画分に見られるIgG含量の少なくとも90%を含む、本発明1095の方法。
[本発明1097]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が、少なくとも90%低下している、本発明1077〜本発明1096のいずれかの方法。
[本発明1098]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が、少なくとも95%低下している、本発明1097の方法。
[本発明1099]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が、少なくとも98%低下している、本発明1097の方法。
[本発明1100]
セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が、少なくとも99%低下している、本発明1097の方法。
[本発明1101]
前記セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが、FXIaである、本発明1097〜本発明1100のいずれかの方法。
[本発明1102]
前記組成物を、少なくとも1g SiO 2 /gタンパク質の最終濃度でSiO 2 と接触させる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1103]
前記組成物を、少なくとも2g SiO 2 /gタンパク質の最終濃度でSiO 2 と接触させる、本発明1102の方法。
[本発明1104]
前記組成物を、少なくとも2.5g SiO 2 /gタンパク質の最終濃度でSiO 2 と接触させる、本発明1102の方法。
[本発明1105]
前記セリンプロテアーゼまたは前記セリンプロテアーゼチモーゲンが第XI因子である、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1106]
前記セリンプロテアーゼまたは前記セリンプロテアーゼチモーゲンが第XII因子である、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1107]
前記セリンプロテアーゼまたは前記セリンプロテアーゼチモーゲンが第XIa因子である、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1108]
前記セリンプロテアーゼまたは前記セリンプロテアーゼチモーゲンが第XIIa因子である、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1109]
前記本発明のいずれかのセリンプロテアーゼ活性の低減のための方法を含む方法により調製された、血漿由来タンパク質組成物。
[本発明1110]
対象への投与用に製剤化される、本発明1109の血漿由来タンパク質組成物。
[本発明1111]
静脈内、筋肉内、または皮下投与用に製剤化される、本発明1109の血漿由来タンパク質組成物。
[本発明1112]
水性である、本発明1109〜本発明1111のいずれかの血漿由来タンパク質組成物。
[本発明1113]
凍結乾燥された、本発明1109〜本発明1111のいずれかの血漿由来タンパク質組成物。
[本発明1114]
それを必要としている対象における血漿タンパク質の異常活性に関連した疾患の治療のための方法であって、本発明1109〜本発明1113のいずれかの血漿由来タンパク質組成物を投与する工程を含む、方法。
[本発明1115]
血漿由来タンパク質を含む前記組成物が、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される、本発明1114の方法。
発明の詳細な説明
I.導入
治療的血漿由来血液タンパク質組成物(免疫グロブリン組成物、血液凝固因子、凝固因子インヒビター、および補体系のタンパク質など)の広範な使用を考慮すると、これらの組成物の安全性を確実にすることが最優先事項である。最近、血漿由来タンパク質組成物を投与した患者における血栓塞栓性事象の発現とあわせてこれら組成物のアミド分解活性含量に関する懸念により、当技術分野において、これら生物製剤の製造中のセリンプロテアーゼ(例えば、FXIaおよびFXIIa)およびセリンプロテアーゼチモーゲン(例えば、FXIおよびFXII)の低減のための方法の必要性が強調されている。有利には、本発明は、微細二酸化シリコン(SiO2)は、血漿由来タンパク質組成物に存在するセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲン結合に使用できるという驚くべき所見に少なくとも部分的に基づく。それゆえ、血漿由来タンパク質組成物の製造中、セリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンの濃度の低減のための方法を本明細書に提供する。
ある態様では、本発明は、微細二酸化シリコン(SiO2)は、血漿由来タンパク質溶液からの大量セリンプロテアーゼ(例えば、FXIaおよびFXIIa)およびセリンプロテアーゼチモーゲン(例えば、FXIおよびFXII)の除去に使用できるという驚くべき所見に基づく製造法を提供する。それゆえ、本明細書に提供する方法は、冷エタノールにより、既存の製造手順、例えば、血漿試料(好ましくはヒト血漿試料)プール画分に容易に統合し得る(Schultze H E, Heremans J F; Molecular Biology of Human Proteins. Volume I: Nature and Metabolism of Extracellular Proteins 1966, Elsevier Publishing Company; p. 236−317に概説される)。しかしながら、本明細書に提供する方法の使用は、エタノール画分を含む製造法に決して限定されない。他の血漿由来タンパク質の精製法、例えば、ポリマー(例えば、PEG)画分およびクロマトグラフ法(例えば、陰イオンおよび/または陽イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、混合様式クロマトグラフィーなど)も、本明細書に提供する方法と適合する。
さらに、宿主細胞系内DNAベクターの組換え発現を介して産生する他の生物製剤とは異なり、血漿由来タンパク質はヒト血液および献血血漿から分別される。したがって、これらの製剤の供給は、単純な製剤増量によって増大できない。むしろ、市販の血液製剤レベルは、血液および献血血漿の供給可能量によって制限される。このため、商業市場においてあまり確立されていない補体因子H(CFH)およびインター−α−トリプシンインヒビタータンパク質(IαIp)を含む新規血漿由来血液因子の製造に利用可能なヒト血漿原料が不足している。
新規血漿由来製剤の製造に利用可能な血漿不足欠如のために、それらの製造は、血漿由来製剤(免疫グロブリンおよびアルブミンなど)の確立された製造プロセスの既存フレームワーク内に統合されなければならない。他の状態の中でもとりわけ、AMD、aHUS、およびMPGNの潜在的治療として示唆されるH因子は、医師の注目を集めているかかる血漿由来血液製剤の1つである。しかしながら、該供給源は、例えば、IgGγグロブリン製造に役立つため、既存の製造スキームに導入できるH因子の製造法が必要とされている。いくつかの方法は、まさにこの必要性を満たすことが示唆されているが、これら提唱される溶液の多くにおいて、確立された製剤向けの既存の製造スキームを修正する必要がある。かかる変更は確立された製剤の新規規制認可を必要とし、確立された製剤の特徴の改変にすら至り得る。
例えば、WO2007/066017号には、寒冷沈降物の上清からのH因子調製物の産生法について記載されている。開示された方法は、寒冷沈降物の上清の調製、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEC)への上清の付与、ヘパリン親和性クロマトグラフィー(HAC)へのAECからの流出物の付与、強陽イオン交換クロマトグラフィー(CEC)へのHACからの関連溶出物の付与、強陰イオン交換クロマトグラフィー(sAEC)へのCECからの関連溶出物の付与、およびsAECからのH因子溶出からなる。不利なことに、寒冷沈降物上清は、IgGγグロブリン(IVIGおよび皮下)およびアルブミンを含む、商業的に重要な血漿由来血液製剤の多くの製造プロセスにおける共通の中間画分である。この画分のクロマトグラフィー工程への付与は、寒冷沈降物上清を改変し、確立された下流血液製剤の製造プロセスの未知の形態への適応を必要とする。これらの製造プロセスの完全な再確認および可能な再設計を必要とする他に、主要規制当局からの製造手順の認可再承認が必要である。
同様に、WO2008/113589号には、ヒト血漿からのH因子調製物の産生法について記載されている。具体的には、この刊行物には、3つの既知の血漿プロセス画分、つまりコーン−オンクレイ(Cohn−Oncley)画分I上清、コーン−オンクレイ画分III沈降物、およびキストラー/ニッチェマン沈降物B画分からのH因子の精製について記載されている。第1方法に関して、WO2008/113589号には、ヘパリン親和性クロマトグラフィー工程の追加によりコーン−オンクレイ画分I上清からH因子を取り除くことができることが開示されている。不利なことに、コーン−オンクレイ画分I上清は、IgGγグロブリン(IVIGおよび皮下)およびアルブミンを含む、商業的に重要な血漿由来血液製剤の多くの製造プロセスにおける共通の中間画分である。同様に、多くの免疫グロブリン(例えば、IgG、IVIGなど)製造プロセスはコーン−オンクレイ画分III沈降またはキストラー/ニッチェマン沈降物B工程、例えばGammagard(登録商標)LIQUIDおよびKiovig(Baxter International Inc.)に依存しない。確立された血液製剤の製造スキームに追加工程(ヘパリン親和性クロマトグラフィー、画分III沈降、または沈降物B工程など)を導入する欠点は、上に概説したように、製造手順の再確認、主要規制当局からの製造手順の認可再承認が必要であり、確立されていない製剤の収率および/または純度の予想外の結果をさらに有し得る。
それゆえ、当技術分野において、追加の投入血漿または商業的に重要な血漿由来血液製剤(静脈内(IVIG)または皮下投与用のアルブミンおよびIgGγグロブリンなど)の既存の製造プロセスの再設計および認可再承認の使用が不要なH因子の製造法が依然として必要とされている。有利には、本発明は、H因子、セリンプロテアーゼ、およびセリンプロテアーゼチモーゲンは微細二酸化シリコン(SiO2)へ同時に結合し、それにより、セリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンを(例えば、IgGへ)結合していない興味の第1タンパク質から分離してから、H因子ならびにセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンのSiO2からの差次的溶出により分離できるという驚くべき発見に少なくとも部分的に基づく。同様に、本発明は、IαIp、セリンプロテアーゼ、およびセリンプロテアーゼチモーゲンは、微細二酸化シリコン(SiO2)へ同時に結合してから、IαIpならびにセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲン差次的溶出によりSiO2から分離できるという驚くべき発見に少なくとも部分的に基づく。
II.定義
本明細書で使用する「H因子」とは、補体因子H遺伝子によりコードされた補体第2経路のタンパク質成分を指す(例えば、CFH; NM000186; GeneID:3075; UniProt ID P08603; Ripoche et al., Biochem. J. 249:593−602(1988))。H因子は、18個のアミノ酸シグナルペプチド除去によりプロセス化する1,213個のアミノ酸前駆体ポリペプチドとして翻訳され、成熟H因子タンパク質が得られる(アミノ酸19〜1231)。本発明に使用されるH因子は、血漿試料(例えばヒト血漿試料)に見ることができる任意の自然変異体、代替配列、イソ型または突然変異体タンパク質を包含する。ヒト集団に見られるH因子突然変異の例としては、Y402H;V62I;R78G;R127L;Δ224;Q400K;C431S;T493R;C536R;I551T;R567G;C630W;C673S;C673Y;E850K;S890I;H893R;C915S;E936D;Q950H;Y951H;T956M;C959Y;W978C;N997T;V1007I;V1007L;A1010T;T1017I;Y1021F;C1043R;N1050Y;I1059T;Q1076R;R1078S;D1119G;V1134G;Y1142D;Q1143E;W1157R;C1163W;W1183L;W1183R;T1184R;L1189R;S1191L;G1194D;V1197A;E1198A;F1199S;R1210C;R1215G;R1215Q;YPTCAKR1225:1231FQS;およびP1226Sが挙げられるが、これらに限定されない。これらの突然変異の多くは、溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、II型膜性増殖性糸球体腎炎(MPGNII)、CFH不全、および基底層ドルーゼを含む様々な疾患および障害に関することが見出されている。H因子はまた、翻訳後改良を含むタンパク質も含む。例えば、H因子は、残基529位、718位、802位、822位、882位、911位、1029位、および1095位にてN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)により改良されていると考えられる。
本明細書で使用する「インター−α−インヒビタータンパク質」または「IαIp」とは、α−1−マイクログロブリン/ビクニン前駆体遺伝子(AMBP;UnigeneID:231948、ビクニンポリペプチド)、インター−α(グロブリン)インヒビターH1遺伝子(ITIH1;UnigeneID:224173、H1ポリペプチド)、インター−α(グロブリン)インヒビターH2遺伝子(ITIH2;UnigeneID:139782、H2ポリペプチド)、インター−α(グロブリン)インヒビターH3遺伝子(ITIH3;UnigeneID:140017、H3ポリペプチド)、またはインター−α(グロブリン)インヒビターH4(血漿カリクレイン感受性糖タンパク質、H4ポリペプチド)遺伝子(ITIH4;UnigeneID:3321613)の1つまたは複数によりコードされたポリペプチドからなる血漿プロテアーゼインヒビターファミリーを指す。IαIpプロテアーゼインヒビターの例としては、IαI(ビクニン、H1、およびH2ポリペプチド);PaI(ビクニンおよびH3ポリペプチド)、IaLI(ビクニンおよびH2ポリペプチド)、IαIH4P(H4ポリペプチド)、およびビクニン(上記Salier, J, et al.)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「脱寒冷血漿」とは、凍結に近い温度、例えば、約10℃未満の温度、好ましくは約6℃以下の温度で血漿または血漿プールを解凍して形成される寒冷沈降物の除去後に作製した上清を指す。本発明の文脈において、血漿は、回収した血漿(すなわち、全血からex vivo分離された血漿)または血漿源(すなわち、血漿交換を介して回収した血漿)と同義的に言及し得る。寒冷沈降物は、新規血漿も使用し得るが、一般的に、安全性および品質考慮について分析済みの、例えば、凍結血漿プールの解凍により実施する。低温での凍結血漿の完全な解凍後、液体上清から固体寒冷沈降物の分離は、低温(例えば、≦6℃)で濾液を遠心分離して実施する。
本明細書で使用する「コーンプール」とは、血漿試料の画分または血漿試料のプールに使用される出発物質を指す。コーンプールとしては、前プロセス工程に供しても供さなくてもよい完全血漿、脱寒冷血漿試料、および脱寒冷血漿試料プールが挙げられる。ある実施形態では、コーンプールは、前プロセス工程中に血液因子が1つまたは複数除去されている脱寒冷血漿試料、例えば、固相上の吸着(例えば、水酸化アルミニウム、微細二酸化シリコンなど)、またはクロマトグラフ工程(例えば、イオン交換またはヘパリン親和性クロマトグラフィー)である。様々な血液因子(第8因子インヒビターバイパス活性(FEIBA)、第IX因子複合体、第VII因子濃縮物、または抗トロンビンIII複合体が挙げられるが、これらに限定されない)を脱寒冷血漿試料から単離してコーンプールを形成し得る。
本明細書で使用する「画分II+III濾過ケーキ」とは、コーン−オンクレイまたは等価画分II+IIIペースト懸濁液の濾過または遠心後に回収された固相を指す。好ましい実施形態では、画分II+III懸濁液を吸着物質(例えば、微細二酸化シリコン)で処理し、不純物(脂質、フィブリノーゲン、アミド分解活性、プレカリクレイン活性、およびリポタンパク質など)を除去する。別の好ましい実施形態では、濾過助剤は、遠心分離または濾過の前に画分II+III懸濁液に添加し得る。最も好ましい実施形態では、画分II+III懸濁液は、遠心分離または濾過の前に吸着物質と濾過助剤の両方で処理する。精製画分II+III懸濁上清の分離時、回収した固相物質は、画分II+III濾過ケーキと呼ばれる。
本明細書で使用する「微細二酸化シリコン」または「微細シリカ」とは、表面上にH因子を吸着させる形で製造される式SiO2のシリコンオキシドを指す。本発明の方法における使用に適した微細二酸化シリコン形態の例としては、ヒュームドシリカ、発熱物質シリカ、アエロジル(登録商標)、Cab−O−Sil(商標)、コロイダルシリカ、珪藻土などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、市販親水ヒュームドシリカ製剤は、本明細書に提供する方法に使用される。これらの製剤の例としては、Evonik Industries市販品商標名アエロジル(登録商標)(例えば、アエロジル90、アエロジル130、アエロジル150、アエロジル200、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルOX50、アエロジルEGの50、アエロジルTT600、アエロジル200SP、アエロジル300SP、およびアエロジル300/30)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「H因子機能障害関連の疾患または障害」とは、対象における低下レベルのH因子活性により引き起こされ、低下レベルのH因子活性を特徴とするか、または低下レベルのH因子活性を引き起こす、対象における任意の疾患、障害、または状態を指す。本発明の目的のため、H因子活性は、タンパク質またはリガンド、例えば、C3b、C3bBb、C3b2Bb、csbC3b、補体因子B(CFB)、C反応タンパク質、内皮細胞、グリコサミノグリカン(GAG)へのH因子の結合能を指し得、あるいは、その第I因子共因子活性またはそのC3bBbおよびC3b2Bbの不可逆的解離加速能を指し得る。1つの実施形態では、H因子機能障害関連の疾患または障害により、C3欠損症および細菌感染に対する感受性が引き起こされる。場合によっては、H因子機能障害関連の疾患または障害は、CFH遺伝子コードH因子の突然変異および多型結合により引き起こされるかそれらに連関した状態を含む(総論については、Barlow et al., Adv Exp Med Biol. 2008;632:117−42参照、これらの開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)。CFH遺伝子の突然変異または多型と連関している疾患としては、H因子不足、非定型的溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、II型膜性増殖性糸球体腎炎(MPGNII; de Cordoba and de Jorge, Clinical and Experimental Immunology 151, 1−13 (2008))、心筋梗塞(Kardys et al., Journal of the American College of Cardiology 47, 1568−1575 (2006); Mooijaart et al., Experimental Gerontology 42, 1116−1122 (2007); Nicaud et al., Journal of Molecular Medicine 85, 771−775 (2007); Pai et al., European Heart Journal 28, 1297−1303 (2007); Stark et al., Clinical Science (Lond) 113, 213−218 (2007))、冠状動脈性心臓病/冠動脈疾患(CAD/CHD;(Meng et al., BMC Medical Genetics 8, 62 (2007); Pulido et al., Mayo Clinic Proceedings 82, 301−307 (2007); Topol et al., Human Molecular Genetics 15 Spec No 2, R117−R123 (2006))、およびアルツハイマー病(Hamilton et al., Neuromolecular Medicine 9, 331−334 (2007); Zetterberg et al., American Journal of Ophthalmology 143, 1059−1060 (2007))が挙げられるが、これらに限定されない。CFH遺伝子の突然変異および多型とH因子機能障害関連疾患間の関連が述べられている前述の参考文献の開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用する「異常補体活性化第2経路関連の疾患または障害」とは、補体第2経路の制御不能または異常活性化に起因する疾患、障害、または状態を指す。一般に、補体第2経路の制御不能または異常活性化は、宿主細胞および組織のバイスタンダー損傷、ならびにC3減耗および相当する病原感染(例えば、真菌、細菌、ウイルス、および原生生物)に対する感受性を引き起こす可能性がある。異常補体活性化第2経路関連の疾患および障害の例としては、様々な自己免疫疾患(関節リウマチ、IgA腎症、喘息、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、抗リン脂質症候群、ANCA関連脈管炎、天疱瘡、ブドウ膜炎、重症筋無力症、橋本甲状腺炎など)、腎疾患(IgA腎症、溶血性尿毒症症候群、膜性増殖性糸球体腎炎など)、他の疾患(喘息、アルツハイマー病、成体黄斑変性、近位夜間ヘモグロビン尿、腹部大動脈瘤、虚血、および敗血症など)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「限外濾過(UF)」という用語は、半浸透性膜に対して液体に静水圧が加圧される様々な膜濾過法を包含する。高分子量の懸濁固体および溶質は保持されつつ、水および低分子量溶質は膜を通過する。この分離プロセスは、高分子(103〜106Da)溶液、特にタンパク質溶液の純化および濃縮に頻繁に使用される。それらが保持する分子サイズに応じて、いくつかの限外濾過膜が利用可能である。限外濾過は、典型的には、膜孔径1〜1000kDa、操作圧0.01〜10バールを特徴とする。
本明細書で使用する「ダイアフィルトレーション」という用語は、限外濾過膜と同等または類似の膜を用いて実施し、典型的に横流出濾過モードで実施する。ダイアフィルトレーション中、緩衝液を再利用タンクに導入しつつ、濾液は、単位操作から取り除く。製剤が残余分(例えば、H因子)にあるプロセスにおいて、ダイアフィルトレーションは、タンパク質を低分子(糖類および塩など)から分離するために特に有用である。ある場合は、ダイアフィルトレーションは、緩衝系の溶液、緩衝液、または各成分の交換に使用できる。
本明細書で使用する「混合」という用語は、任意の撹拌形態により溶液または懸濁液中の2つ以上の異なる化合物または物質の均等分配を引き起こす行為について記載する。溶液または懸濁液中のすべての成分の完全に均等な分配が、必ずしも本願に使用される「混合」という用語の結果である必要はない。
本明細書で使用する「溶媒」という用語は、他の物質を1つまたは複数溶解または分散可能な任意の液体物質を包含する。溶媒は天然無機物(水など)であってもよく、有機液体(エタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、ガソリンエーテルなど)であってもよい。「溶媒清浄処理」という用語に使用されるように、溶媒とは、溶液中不活性脂質エンベロープウイルスに使用される溶媒清浄混合物の一部である有機溶媒(例えば、トリ−N−リン酸ブチル)を示す。
本明細書で使用する「清浄液」という用語は、本願において「界面活性剤」または「表面作用剤」という用語と同義的に使用される。界面活性剤は、典型的には両親媒性、すなわち、疎水基(「尾」)と親水基(「頭」)の両方を含む有機化合物であり、界面活性剤を有機溶媒と水の両方に溶解させる。界面活性剤は、その頭における形式的な荷電基の存在により分類できる。非イオン性界面活性剤は、頭に荷電基を有さないが、陰イオン性界面活性剤は頭に正味荷電を保有する。ツビッターイオン性界面活性剤は、2つの正反対に荷電した基を有する頭を含む。共通の界面活性剤の一部の例としては、陰イオン性(硫酸、スルホン酸またはカルボン酸陰イオンベース):パーフルオロオクタン酸(PFOAまたはPFO)、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、硫酸アンモニウムラウリル、および他のアルキル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、またはSLESとしても知られている)、スルホン酸アルキルベンゼン;陽イオン性(第四級アンモニウム陽イオンベース):セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、別名ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、および他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ポリエトキシ化獣脂アミン(POEA)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT);長鎖脂肪酸およびそれらの塩:カプリン酸、カプリル酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸など;ツビッターイオン性(両性):ドデシルベタイン;コカミドプロピルベタイン;ココアムホグリシネート;非イオン性:アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルフェノールポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)のコポリマー(商業的にポロキサマーまたはポロキサミンとして知られている)、アルキルポリグルコシド、オクチルグルコシド、デシルマルトシド、脂肪アルコール(例えば、セチルアルコールおよびオレイルアルコール)、コカミドMEA、コカミドDEA、ポリソルベート(Tween20、TWEEN80など)、Triton清浄液、ならびにドデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
本明細書で使用する「治療有効量または用量」または「十分/有効量または用量」という用語は、効果の生じる投与量を指す。正確な用量は治療目的に依存し、当業者によって既知の技術を使用して確認可能である(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1−3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999); and Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照されたい;これらの開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)。
本願で使用する「噴霧」という用語は、例えば、コーン画分IまたはII+III沈降工程などのアルコール沈降工程中に、液体物質の微粒滴または噴霧状で液体物質を系内へ送達する方法を指す。噴霧は、スプレーヘッドまたはノズルを備える容器(例えば、スプレーボトル)など任意の加圧器により達し得、手動または自動で操作して液体から微霧を生成する。典型的には、噴霧は、液体物質を受ける系を継続的に撹拌あるいは混合して系内の液体の迅速かつ均等分配を確実にしつつ実施する。
本明細書で使用する「約」という用語は、特定値のほぼ±10%の範囲を示す。例えば、「約20%」という語句は、18〜22%の範囲を含む。本明細書で使用する約とは、正確な量も含む。したがって「約20%」とは、「約20%」を意味し、「20%」も意味する。本明細書で使用する「約」とは、特定値または約特定値の範囲を指す。
「用量」および「投与量」という用語は、本明細書において同義的に使用される。用量とは、各投与で個人に投与される活性成分量を指す。用量は、いくつかの要因(投与頻度;個々のサイズおよび耐性;状態の重症度;副作用リスク;ならびに投与経路など)に応じて変更される。用量は、上の要因に応じてまたは治療進行に基づき修正できることを当業者は認識するであろう。「投与形態」という用語は、医薬の特定の型式を指し、投与経路に依存する。例えば、投与形態は、液体、例えば、注射用生理食塩溶液であることができる。
本明細書で使用する「予防」という用語は、血液タンパク質の機能欠如または機能障害関連状態に起因する症状の可能性低下または頻度低下を指す。
本明細書で使用する「療法」、「治療」、および「改善」という用語は、血液タンパク質の機能欠如または機能障害関連状態に起因する症状の重症度の任意の低下を指す。本明細書で使用する「治療」および「予防」という用語は、絶対用語を意図しない。治療は、任意の発現遅延化、症状改善、患者生存の改善、生存期間もしくは生存率の延長などを指すことができる。治療効果は、個体または未治療個体プールと比較できる。
本明細書で使用する「実質的な画分」という用語は、組成物中の特定タンパク質集団の少なくとも10%を指す。例えば、組成物中のセリンプロテアーゼの実質的な画分について言及する場合、セリンプロテアーゼの実質的な画分は、組成物に存在するセリンプロテアーゼの少なくとも10%に相当する。1つの実施形態では、実質的な画分とは、組成物中の特定タンパク質集団の少なくとも25%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、組成物中の特定タンパク質集団の少なくとも50%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、組成物中の特定タンパク質集団の少なくとも75%を指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、組成物中の特定タンパク質集団の少なくとも10%、または組成物中の特定タンパク質集団の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは99%超を指す。
III.セリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンの含量の低下
第1態様では、本発明は、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンを微細二酸化シリコン(SiO2)に結合させて組成物からSiO2を分離することにより、血漿由来標的タンパク質組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。
1つの実施形態では、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来タンパク質組成物中の第XI因子量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第XI因子への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合第XI因子を除去する工程を含む。
別の実施形態では、本発明は、血漿由来タンパク質組成物中の第XIa因子量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第XIa因子への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合第XIa因子を除去する工程を含む。
別の実施形態では、本発明は、血漿由来タンパク質組成物中の第XII因子量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第XII因子への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合第XII因子を除去する工程を含む。
さらに別の実施形態では、本発明は、血漿由来タンパク質組成物中の第XIIa因子量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第XIIa因子への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合第XIIa因子を除去する工程を含む。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法を提供し、本方法は、(a)血漿プール由来出発物質中のタンパク質を部分的に沈降させることにより第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。1つの実施形態では、部分的な沈降は、アルコールを使用して達する。好ましい実施形態では、アルコールは、エタノールである。別の好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
別の実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法を提供し、本方法は、(a)血漿プール由来出発物質の限外濾過および/もしくはダイアフィルトレーションにより第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
さらに別の実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法を提供し、本方法は、(a)血漿プール由来出発物質をクロマトグラフィー樹脂と接触させることにより、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。ある実施形態では、クロマトグラフィー樹脂は、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、疎水性相互作用樹脂、混合様式樹脂、ヒドロキシアパタイト樹脂、リガンド親和性樹脂、免疫親和性樹脂、およびサイズ排除樹脂から選択される。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法を提供し、本方法は、(a)第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
(表1)第1富化工程および第2富化工程の組み合わせのための例示的実施形態
*Ppt:沈降
UF/DF:限外濾過/ダイアフィルトレーション
AEC:陰イオン交換クロマトグラフィー
CEC:陽イオン交換クロマトグラフィー
HIC:疎水性相互作用クロマトグラフィー
HAC:ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー
MMC:混合様式クロマトグラフィー
LAC:リガンド親和性クロマトグラフィー
IAC:免疫親和性クロマトグラフィー
SEC:サイズ排除クロマトグラフィー
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む。ある実施形態では、標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法を提供し、本方法は、(a)第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(d)第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
同様に、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来標的タンパク質中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量の低減のための方法を提供し、本方法は、(a)第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(e)第3標的タンパク質富化工程を実施して、第3富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8、表9、表10、または表11に見られるバリエーションVar.101〜Var.1100の任意の1つから選択される。
(表2)第1沈降富化工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表3)第1限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表4)第1陰イオン交換クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表5)第1陽イオン交換クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表6)第1疎水性相互作用クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表7)第1ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表8)第1混合様式クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表9)第1リガンド親和性クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表10)第1免疫親和性クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
(表11)第1サイズ排除クロマトグラフィー工程、第2富化工程、および第3富化工程の組み合わせの例示的実施形態
*表1のとおり。
上記方法のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)血漿由来標的タンパク質への結合に適した条件下で、血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来標的タンパク質をクロマトグラフィー樹脂から溶出する副工程を含む。1つの具体的な実施形態では、不純物は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。別の具体的な実施形態では、不純物は、副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合するが、副工程(ii)においてクロマトグラフィー樹脂から溶出されない。
上記方法の他のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)少なくとも1種の不純物への結合に適した条件下で、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来タンパク質組成物から樹脂を分離する副工程を含み、該血漿由来標的タンパク質は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。
上記方法のある実施形態では、血漿由来標的タンパク質は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、補体系のタンパク質(例えば、H因子)、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)から選択される。具体的な実施形態では、補体系のタンパク質は、H因子(FH)、D因子、補体タンパク質C3、およびC4結合タンパク質からなる群から選択される。好ましい実施形態では、タンパク質組成物は、製造中間体である。
本明細書に提供する方法のある実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも10%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも25%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも50%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも75%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも90%低下している。さらに他の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも5%低下しているか、または少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%低下しているか、または試験系の検出下限値未満である。
一般に、本明細書に記載の方法に必要な微細二酸化シリコン(SiO2)の量は、いくつかの要因、限定しないが、組成物に存在するタンパク質総量、組成物中のセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲン(例えば、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIa)濃度、標的タンパク質、および溶液条件(例えば、pH、伝導度など)に依存して変わる。例えば、SiO2は、標的組成物に約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質濃度で添加し得る。別の実施形態では、SiO2は、標的組成物に約1g/gタンパク質〜約5g/gタンパク質の濃度で添加し得る。別の実施形態では、SiO2は、標的組成物に約2g/gタンパク質〜約4g/gタンパク質の濃度で添加し得る。1つの実施形態では、SiO2は、少なくとも1g/g総タンパク質の最終濃度となるように添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2.5g/g総タンパク質濃度で添加する。別の実施形態では、SiO2は、標的組成物に約0.01g/gタンパク質〜約5g/gタンパク質濃度で添加し得る。別の実施形態では、SiO2は、標的組成物に約0.02g/gタンパク質〜約4g/gタンパク質濃度で添加し得る。1つの実施形態では、SiO2は、少なくとも0.1g/g総タンパク質の最終濃度となるように添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.25g/g総タンパク質濃度で添加する。さらに他の具体的な実施形態では、微細二酸化シリコンは、少なくとも0.01g/g総タンパク質または少なくとも0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、0.1g、0.2g、0.3g、0.4g、0.5g、0.6g、0.7g、0.8g、0.9g、1.0g、1.5g、2.0g、2.5g、3.0g、3.5g、4.0g、4.5g、5.0g、5.5g、6.0g、6.5g、7.0g、7.5g、8.0g、8.5g、9.0g、9.5g、10.0g、または10.0g/g総タンパク質濃度超で添加する。
標的タンパク質を懸濁血漿沈降画分から抽出するある実施形態では、濾過助剤、例えばCelpureC300(Celpure)またはHyflo−Supper−Cel(World Minerals)を二酸化シリコン処理後に添加して、深層濾過を促進する。濾過助剤は約0.01kg/kg沈降物〜約1.0kg/kg沈降物、または約0.02kg/kg沈降物〜約0.8kg/kg沈降物、または約0.03kg/kg沈降物〜約0.7kg/kg沈降物の最終濃度となるように添加することができる。他の実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kg沈降物〜約0.07kg/kg沈降物、または約0.02kg/kg沈降物〜約0.06kg/kg沈降物、または約0.03kg/kg沈降物〜約0.05kg/kg沈降物の最終濃度となるように添加することができる。ある実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kg沈降物、または約0.02kg/kg沈降物、約0.03kg/kg沈降物、約0.04kg/kg沈降物、約0.05kg/kg沈降物、約0.06kg/kg沈降物、約0.07kg/kg沈降物、約0.08kg/kg沈降物、約0.09kg/kg沈降物、約0.1kg/kg沈降物、約0.2kg/kg沈降物、約0.3kg/kg沈降物、約0.4kg/kg沈降物、約0.5kg/kg沈降物、約0.6kg/kg沈降物、約0.7kg/kg沈降物、約0.8kg/kg沈降物、約0.9kg/kg沈降物、もしくは約1.0kg/kg沈降物の最終濃度となるように添加する。
A.免疫グロブリン
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来免疫グロブリン(Ig)組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。1つの具体的な実施形態では、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、Ig組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)SiO2をIg組成物から分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。1つの実施形態では、Ig組成物は、IgG組成物である。他の実施形態では、Ig組成物は、IgA、IgM、IgG、またはそれらの混合組成物である。
1つの実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1Igタンパク質富化工程を実施して、第1富化Ig組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1Igタンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。1つの実施形態では、Ig組成物は、IgG組成物である。他の実施形態では、Ig組成物は、IgA、IgM、IgG、またはそれらの混合組成物である。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2Igタンパク質富化工程を実施して、第2富化Ig組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1Igタンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来Ig組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1Ig富化工程を実施して、第1富化血漿由来Ig組成物を形成する工程;(b)第2Ig富化工程を実施して、第2富化血漿由来Ig組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、Ig富化工程を実施する工程をさらに含む。ある実施形態では、Ig富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来Ig組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1Ig富化工程を実施して、第1富化血漿由来Ig組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(d)第2Ig富化工程を実施して、第2富化血漿由来Ig組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
同様に、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来Ig組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1Ig富化工程を実施して、第1富化血漿由来Ig組成物を形成する工程;(b)第2Ig富化工程を実施して、第2富化血漿由来Ig組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(e)第3Ig富化工程を実施して、第3富化血漿由来Ig組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8、表9、表10、または表11に見られるバリエーションVar.101〜Var.1100の任意の1つから選択される。
特定の実施形態では、Ig組成物は、製造中間体である。例えば、ある実施形態では、Ig組成物は、Cohn分画法(J. Am. Chem. Soc., 1946, 68(3): 459−475; J. Am. Chem. Soc. 72:465−474 (1950))、Oncley分画法(J. Am. Chem. Soc., 1949, 71(2): 541−550)、Deutsch精製法(J. Biol. Chem. 164:109−118)、Hoppe精製法(Munch Med Wochenschr 1967 (34): 1749−1752)、Falksveden精製法(スウェーデン特許第348942号)、FalksvedenおよびLundblad精製法(Methods of Plasma Protein Fractionation 1980)、Lebing精製法(Vox Sang 2003 (84):193−201)、田中精製法(Braz J Med Biol Res 2000 (33)37−30)、Teschner精製法(Vox Sang, 2007 (92):42−55)、Nitschmann分画法(Helv. Chim. Acta 37:866−873)、Kistler/Nitschmann分画法(Vox Sang. 7:414−424 (1962))、Barundern精製法(Vox Sang. 7:157−74 (1962))、Koblet精製法(Vox Sang. 13:93−102 (1967))、米国特許第5,122,373号もしくは同第5,177,194号に開示の精製法、それらの変法、ならびに当技術分野において既知である類似もしくは同等の精製法からのIgG製造中間体である。
1つの特定の実施形態では、IgG組成物は、脱寒冷コーンプールである。別の特定の実施形態では、IgG組成物は、コーン画分I上清またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、IgG組成物は、再懸濁コーン画分III沈降物、またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、IgG組成物は、再懸濁コーン画分II+III沈降物、またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、IgG組成物は、再懸濁コーン画分I+II+III沈降物、またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、IgG組成物は、再懸濁沈降物G沈降物、またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、IgG組成物は、再懸濁キストラー/ニッチェマン沈降B沈降物、またはその等価画分である。
具体的な実施形態では、本発明は、再懸濁IgG画分II+III沈降物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。有利には、再懸濁IgG画分II+III沈降物中の第XI因子、第XII因子、第XIa因子、および/または第XIIa因子レベルは濾過/遠心分離前の前処理工程の追加により大幅に低減できることが見出された。1つの実施形態では、この前処理工程は微細二酸化シリコン粒子(例えば、ヒュームドシリカ、アエロジル(登録商標))の添加、その後の懸濁液を定期的に混合中の40〜80分間のインキュベーション時間を含む。ある実施形態では、インキュベーション時間は、約50分間〜約70分間、または約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、もしくは約80分間超である。一般に、処理は、約0℃〜約10℃または約2℃〜約8℃で実施する。ある実施形態では、処理は、約0℃、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、約5℃、約6℃、約7℃、約8℃、約9℃、または約10℃で実施し得る。特定の実施形態では、処理は、約2℃〜約10℃で実施する。
ヒュームドシリカ処理の効果は、実施例3、6、および7に見られる結果により例示される。これらの実施例では、画分II+III沈降物は、各種量の微細二酸化シリコンで再懸濁および処理する。表22、表27、表28、および表29に見ることができるように、第XI因子および第XII因子のセリンプロテアーゼ活性およびチモーゲン含量は、SiO2を用いた懸濁液処理により少なくとも90%低減できる。
ある実施形態では、ヒュームドシリカは、約20g/kgII+IIIペースト〜約100g/kgII+IIIペーストの濃度で添加する(すなわち、1:15比で抽出した改良画分II+III沈降物において、ヒュームドシリカは約20g/16kgII+III懸濁液〜約100g/16kgII+III懸濁液、または最終濃度約0.125%(w/w)〜約0.625%(w/w)の濃度で添加するべきである)。ある実施形態では、ヒュームドシリカは約20g/kgII+IIIペースト、または約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100g/kgII+IIIペーストの濃度で添加し得る。1つの具体的な実施形態では、ヒュームドシリカ(例えば、アエロジル380または等価物)は、最終濃度約40g/16kgII+IIIの改良画分II+III懸濁液に添加する。混合は約2〜8℃で少なくとも50〜70分間行う。
ある実施形態では、SiO2は、約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質濃度でIgG組成物に添加する。別の実施形態では、SiO2は、約0.01g/gタンパク質〜約5g/gタンパク質濃度でIgG組成物に添加する。別の実施形態では、SiO2は、約0.02g/gタンパク質〜約4g/gタンパク質濃度でIgG組成物に添加する。1つの実施形態では、SiO2は、少なくとも0.1g/g総タンパク質の最終濃度となるように添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.25g/g総タンパク質濃度で添加する。他の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも1g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2.5g/g総タンパク質濃度で添加する。さらに他の具体的な実施形態では、微細二酸化シリコンは、少なくとも0.01g/g総タンパク質または少なくとも0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、0.1g、0.2g、0.3g、0.4g、0.5g、0.6g、0.7g、0.8g、0.9g、1.0g、1.5g、2.0g、2.5g、3.0g、3.5g、4.0g、4.5g、5.0g、5.5g、6.0g、6.5g、7.0g、7.5g、8.0g、8.5g、9.0g、9.5g、10.0gか、10.0g/g超総タンパク質濃度で添加する。
ある実施形態では、濾過助剤、例えばCelpureC300(Celpure)またはHyflo−Supper−Cel(World Minerals)を二酸化シリコン処理後に添加して、深層濾過を促進する。濾過助剤は約0.01kg/kgII+IIIペースト〜約1.0kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト〜約0.8kg/kgII+IIIペースト、または約0.03kg/kgII+IIIペースト〜約0.7kg/kgII+IIIペーストの最終濃度となるように添加することができる。他の実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kgII+IIIペースト〜約0.07kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト〜約0.06kg/kgII+IIIペースト、または約0.03kg/kgII+IIIペースト〜約0.05kg/kgII+IIIペーストの最終濃度となるように添加することができる。ある実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kgII+IIIペースト、または約0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは1.0kg/kgII+IIIペーストの最終濃度となるように添加する。
1つの実施形態では、プロセスは、画分II+III懸濁液の濾過または遠心清澄前にヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。ある実施形態では、ヒュームドシリカ処理は、約0.01kg/kgII+IIIペースト〜約0.07kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト〜約0.06kg/kgII+IIIペースト、または約0.03kg/kgII+IIIペースト〜約0.05kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト、0.03kg/kgII+IIIペースト、0.04kg/kgII+IIIペースト、0.05kg/kgII+IIIペースト、0.06kg/kgII+IIIペースト、0.07kg/kgII+IIIペースト、0.08kg/kgII+IIIペースト、0.09kg/kgII+IIIペースト、または0.1kg/kgII+IIIペーストの添加を含み、混合物は、約50分間〜約70分間、または約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、もしくは約80分間超、約2℃〜約8℃の温度でインキュベートする。別の実施形態では、プロセスは、残りのフィブリノーゲン、アミド分解活性、および/またはプレカリクレイン活性因子レベルを低減するヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。具体的な実施形態では、プロセスは、免疫グロブリン調製物中のFXI、FXIa、FXII、およびFXIIaレベルを低減するヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。
一般に、免疫グロブリン組成物からのセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲン除去は、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2に結合するpHおよび伝導度の溶液条件下で、免疫グロブリン含有溶液を微細二酸化シリコン(SiO2)で処理することにより達成することができる。実施例に示すように、適切な条件は、低pHおよび低伝導度を含む。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来免疫グロブリン組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、約4.0〜約7.0のpHで組成物をSiO2と接触させてセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させ、組成物からSiO2を除去する工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約6.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約6.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約5.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約7.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約6.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約6.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約5.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約7.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約6.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約6.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに別の実施形態では、本方法は、約4.6〜約5.6のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.7〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.8〜約5.4のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.9〜約5.3のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約5.2のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.1のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。他の実施形態では、本方法は、約4.0または約4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、もしくは7.0以下のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに他の実施形態では、本方法は、4.0以下または4.1以下、4.2以下、4.3以下、4.4以下、4.5以下、4.6以下、4.7以下、4.8以下、4.9以下、5.0以下、5.1以下、5.2以下、5.3以下、5.4以下、5.5以下、5.6以下、5.7以下、5.8以下、5.9以下、6.0以下、6.1以下、6.2以下、6.3以下、6.4以下、6.5以下、6.6以下、6.7以下、6.8以下、6.9以下、または7.0以下のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来免疫グロブリン組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、約0.1mS/cm〜約3.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させてセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合し、組成物からSiO2を除去する工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.5mS/cm〜約2.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約1.3mS/cm〜約1.7mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.8mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.7mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.6mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.5mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.4mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.3mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.2mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.1mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約0.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約0.8mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.2mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.3mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約0.4mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.5mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.6mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.7mS/cm〜約0.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、組成物をSiO2と約0.8mS/cmのイオン強度で接触させる工程を含む。他の実施形態では、本方法は、組成物をSiO2と約0.1mS/cmまたは0.2mS/cm以下、0.3mS/cm以下、0.4mS/cm以下、0.5mS/cm以下、0.6mS/cm以下、0.7mS/cm以下、0.8mS/cm以下、0.9mS/cm以下、1.0mS/cm以下、1.1mS/cm以下、1.2mS/cm以下、1.3mS/cm以下、1.4mS/cm以下、1.5mS/cm以下、1.6mS/cm以下、1.7mS/cm以下、1.8mS/cm以下、1.9mS/cm以下、2.0mS/cm以下、2.1mS/cm以下、2.2mS/cm以下、2.3mS/cm以下、2.4mS/cm以下、2.5mS/cm以下、2.6mS/cm以下、2.7mS/cm以下、2.8mS/cm以下、2.9mS/cm以下、または3.0mS/cmのイオン強度で接触させる工程を含む。さらに他の実施形態では、本方法は、組成物をSiO2と0.1mS/cm以下または0.2mS/cm以下、0.3mS/cm以下、0.4mS/cm以下、0.5mS/cm以下、0.6mS/cm以下、0.7mS/cm以下、0.8mS/cm以下、0.9mS/cm以下、1.0mS/cm以下、1.1mS/cm以下、1.2mS/cm以下、1.3mS/cm以下、1.4mS/cm以下、1.5mS/cm以下、1.6mS/cm以下、1.7mS/cm以下、1.8mS/cm以下、1.9mS/cm以下、2.0mS/cm以下、2.1mS/cm以下、2.2mS/cm以下、2.3mS/cm以下、2.4mS/cm以下、2.5mS/cm以下、2.6mS/cm以下、2.7mS/cm以下、2.8mS/cm以下、2.9mS/cm以下、または3.0mS/cmのイオン強度で接触させる工程を含む。
ある実施形態では、本発明は、血漿由来免疫グロブリン組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、組成物をSiO2と低pHおよび低イオン強度で接触させてセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させ、組成物からSiO2を除去する工程を含む。特定の実施形態では、本方法は、約4.8〜約5.4のpHで約0.6mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。より特定の実施形態では、本方法は、約4.9〜約5.3のpHで約0.7mS/cm〜約0.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに特定の実施形態では、本方法は、約5.0〜約5.2のpHで約0.8mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに他の実施形態では、本方法は、表12、表13、表14、および表15に示すバリエーションVar.1222〜3041の任意の1つによるpHおよびイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。
(表12)セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンのSiO
2に対する結合に有用な溶液条件の例示的実施形態
(表13)セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンのSiO
2に対する結合に有用な溶液条件の例示的実施形態
(表14)セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンのSiO
2に対する結合に有用な溶液条件の例示的実施形態
NMT=以下(No More Than)
(表15)セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンのSiO
2に対する結合に有用な溶液条件の例示的実施形態
NMT=以下
A.改良アルコール沈降/イオン交換クロマトグラフィー分別方法
1つの態様では、本発明は、IVIG療法における使用に適したIgG組成物の改善された製造法を提供する。一般に、これらの方法は、現在使用されている市販IVIG製剤の産生法より高収率で、高純度でない場合は同等の純度のIgG調製物を提供する。
1つの具体的な態様では、本発明は、血漿由来の濃縮IgG組成物、例えば、10%IVIGの調製のための方法を提供し、本方法は、少なくとも1つのアルコール沈降工程および少なくとも1つのイオン交換クロマトグラフィー工程を実施する工程を含む。特に、改善された上流プロセスにおけるいくつかの工程は、前プロセスと異なる(例えば、より低温での25%エタノールの使用、スプレーによるエタノール添加、スプレーによるpH調節、および微細シリカ粒子の使用)。
ある実施形態では、本方法は、(a)第1沈降工程中、約6%〜約10%アルコールでpH約6.7〜約7.3において脱寒冷プラスミド画分を沈降させて、IgG中に富化した上清を得る工程、(b)約20%〜約30%アルコールで、より低温およびpH約6.7〜約7.3において上清からIgGを沈降させて、第1沈降物を形成する工程、(c)工程(b)において形成された第1沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程、(d)工程(c)において形成された懸濁液の清浄処理工程、(e)約20%〜約30%アルコールでpH約6.7〜約7.3において懸濁液からIgGを沈降させて、第2沈降物を形成する工程、(f)工程(e)において形成された第2沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程、(g)工程(f)において形成された懸濁液の溶媒および/もしくは清浄処理工程、ならびに(h)少なくとも1つのイオン交換クロマトグラフィー分別を実施し、それにより、濃縮IgG組成物を調製する工程を含む。1つの実施形態では、本方法はさらに、工程(c)において形成された懸濁液を、微細二酸化シリコン(SiO2)を用いて処理する工程、および工程(d)前に溶液を濾過する工程を含む。
1つの実施形態では、血漿から濃縮IgG組成物を調製する方法を提供し、本方法は、(a)脱寒冷血漿画分pHを約7.0に調節する工程、(b)工程(a)の脱寒冷血漿画分のエタノール濃度を約−5℃〜約−9℃の温度で25%(v/v)または約25%(v/v)に調節して、それにより、混合物を形成する工程であって、該エタノール濃度をスプレーにより調節し得る工程、(c)工程(b)の混合物から液体と沈降物を分離する工程、(d)工程(c)の沈降物をリン酸および酢酸を含む緩衝液で再懸濁化し、緩衝液のpHを緩衝液1000L当たり約400〜約700mLの氷酢酸で調節し、それにより、懸濁液を形成する工程、(e)微細二酸化シリコン(SiO2)を工程(d)からの懸濁液と少なくとも約30分間混合する工程、(f)フィルタープレスを用いて懸濁液を濾過し、それにより、濾液を形成する工程、(g)リン酸および酢酸を含む緩衝液のフィルタープレスデッドボリュームの少なくとも3容積でフィルタープレスを洗浄する工程であって、緩衝液のpHを緩衝液1000L当たり約150mLの氷酢酸で調節し、それにより、洗浄溶液を形成する工程、(h)工程(f)の濾液を工程(g)の洗浄溶液と結合させることにより、溶液を形成し、清浄液で溶液を処理する工程、(i)工程(h)の溶液pHを約7.0に調節し、最終濃度25%または約25%となるようにエタノールを添加し、それにより、沈降物を形成する工程であって、該エタノール濃度および/またはpHはスプレーにより調節し得る工程、(j)工程(i)の混合物から液体と沈降物を分離する工程、(k)溶媒または清浄液を含む水溶液に沈降物を溶解させ、該溶液を少なくとも60分間維持する工程、(l)工程(k)後の溶液を陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに通過させて、溶出物中のカラム上に吸着したタンパク質を溶出する工程、(m)工程(l)からの溶出物を陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに通過させて、流出物を生成する工程(すなわち、貫流)、(n)工程(m)からの流出物をナノフィルターに通過させて、ナノ濾液を生成する工程、(o)工程(n)からのナノ濾液を限外濾過膜に通過させて、限外濾液を生成する工程、ならびに(p)工程(o)からの限外濾液をダイアフィルトレーション緩衝液に対してダイアフィルトレーションし、タンパク質濃度が約8%(w/v)〜約22%(w/v)であるダイアフィルトレーションを生成し、それにより、濃縮IgG組成物を得る工程を含む。1つの実施形態では、工程(b)の温度は−7℃または約−7℃である。1つの具体的な実施形態では、工程(d)中の懸濁緩衝液は、約600mL氷酢酸で調節される。
ある実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は約8%〜約12%、例えば、約8%、または約9%、約10%、約11%、または約12%である。好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は、10%または約10%である。別の好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は、11%または約11%である。さらに別の好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は、12%または約12%である。他の実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は約13%〜約17%、例えば、約13%、または約14%、約15%、約16%、または約17%である。さらに他の実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は約18%〜約22%、例えば、約18%、または約19%、約20%、約21%、または約22%である。好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は、20%または約20%である。別の好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は、21%または約21%である。さらに別の好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーションのタンパク質濃度は、22%または約22%である。
本発明のある実施形態では、本明細書に提供する方法は、2つ以上の上記画分プロセス工程における改善を含み得る。例えば、実施形態は、第1沈降工程、改良画分II+III沈降工程、改良画分II+III溶解工程、および/または改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
1つの実施形態では、第1沈降工程における改善は、スプレーによるアルコール添加である。別の実施形態では、第1沈降工程における改善は、スプレーによるpH修正剤の添加である。さらなる実施形態では、第1沈降工程における改善は、アルコール添加後の溶液pH調節である。関連実施形態では、第1沈降工程における改善は、アルコール添加中のpH維持である。別の関連実施形態では、第1沈降工程における改善は、沈降インキュベーション中の溶液pHの継続的調節によるpH維持である。ある実施形態では、第1沈降工程は複数のこれらの改善の実施により改善し得る。この工程において達成し得るさらなる改善は、第1沈降工程−改良画分Iについて論じる以下の項目から明らかであろう。上記改善の1つまたは複数の実施により、低下量IgGは、第1沈降工程の沈降画分中に紛れているおよび/または低下IgG画分は、沈降工程中に不可逆的に変性している。
1つの実施形態では、改良画分II+III沈降工程における改善は、スプレーによるアルコール添加である。別の実施形態では、改良画分II+III沈降工程における改善は、スプレーによるpH修正剤の添加である。さらなる実施形態では、改良画分II+III沈降工程における改善は、アルコール添加後の溶液pH調節である。関連実施形態では、改良画分II+III沈降工程における改善は、アルコール添加中のpH維持である。別の関連実施形態では、改良画分II+III沈降工程における改善は、沈降インキュベーション中の溶液pHの継続的調節によるpH維持である。別の態様では、改良画分II+III沈降工程は、アルコール濃度を25%または約25%に増大することにより改善が達成される。さらに別の実施形態では、改良画分II+III沈降工程は、インキュベーション温度を約−7℃〜−9℃に低減することにより改善が達成される。ある実施形態では、改良画分II+III沈降工程は、複数のこれらの改善の実施により改善し得る。この工程において達成し得るさらなる改善は、第2沈降工程〜改良画分II+IIIについて論じる以下の項目から明らかであろう。上記改善の1つまたは複数の実施により、低下量IgGは、改良画分II+III沈降工程の上清画分中に紛れているおよび/または低下IgG画分は、沈降工程中に不可逆的に変性している。
1つの実施形態では、改良画分II+III溶解工程において、溶解緩衝液の氷酢酸含量を約0.06%に増大することにより改善が達成される。別の実施形態では、改良画分II+III溶解工程において、溶解インキュベーション中、溶液pHの継続的調節によるpH維持により改善が達成される。別の実施形態では、改良画分II+III溶解工程において、微細二酸化シリコン(SiO2)を濾過前に画分II+III懸濁液と混合することにより改善が達成される。ある実施形態では、改良画分II+III溶解工程は複数のこれらの改善の実施により改善し得る。この工程において達成し得るさらなる改善は、改良画分II+III溶解工程〜改良画分II+III沈降物の抽出について論じる以下の項目から明らかであろう。上記改善の1つまたは複数の実施により、画分II+III懸濁液から回収されるIgG量は増大する、および/または画分II+III懸濁液中の不純物量は低下する。
改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善例は、1000L当たり150mL氷酢酸または約150mL氷酢酸を含む溶解緩衝液の少なくとも約3.6デッドボリュームを用いたフィルター後洗浄により達成される。この工程において達成し得るさらなる改善は、改良画分II+III懸濁液の濾過工程〜改良画分II+III懸濁液の前処理および濾過について論じる以下の項目から明らかであろう。上記改善の1つまたは複数の実施により、低下量IgGは、改良画分II+III懸濁液の濾過工程中に紛れている。
1つの実施形態では、本方法は、第1沈降工程および改良画分II+III沈降工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、第1沈降工程および改良画分II+III溶解工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、第1沈降工程および改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、改良画分II+III沈降工程および改良画分II+III溶解工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、改良画分II+III沈降工程および改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、改良画分II+III溶解工程および改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、第1沈降工程、改良画分II+III沈降工程、および改良画分II+III溶解工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、第1沈降工程、改良画分II+III沈降工程、および改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、第1沈降工程、改良画分II+III溶解工程、および改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、改良画分II+III沈降工程、改良画分II+III溶解工程、および改良画分II+III懸濁液の濾過工程における改善を含み得る。
別の実施形態では、本方法は、第1沈降工程、改良画分II+III沈降工程、改良画分II+III溶解工程、および改良画分II+III懸濁液の濾過工程のすべてにおける改善を含み得る。
ある実施形態では、本明細書に提供するIgG精製法の1つのプロセスは、流体添加により血漿画分中に導入されるところであった溶液の1つまたは複数のスプレー添加を含む。例えば、ある実施形態では、プロセスは、タンパク質種を1つまたは複数沈降させるための血漿画分中へのスプレーによるアルコール(例えば、エタノール)添加を含む。他の実施形態では、血漿画分にスプレーにより添加し得る溶液としては、pH調節剤、溶媒溶液、清浄液、希釈緩衝液、伝導度調節剤などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、1つまたは複数のアルコール沈降工程は、血漿画分へのスプレーによるアルコール添加により実施する。第2の好ましい実施形態では、1つまたは複数のpH調節工程は、血漿画分へのスプレーによるpH調節剤の添加により実施する。
ある実施形態では、別のプロセスは、任意の他のプロセス改善と併合し得、沈降剤(例えば、アルコールまたはポリエチレングリコール)の添加後および/または添加と同時に沈降した血漿画分のpH調節を含む。いくつかの実施形態では、活動的に沈降している血漿画分のpHが連続モニタリングおよびpH調節により完全沈降インキュベーションまたは保持工程全体を通して維持されるプロセス改善が提供する。好ましい実施形態では、pH調節はpH調節剤のスプレー添加により実施する。
他の実施形態では、別のプロセスは、任意の他のプロセス改善と併合し得、微細シリカ処理工程の使用を含み、不純物を除去する。
1.脱寒冷血漿の調製
濃縮IgG組成物の調製に使用される出発物質は、一般に回収した血漿(すなわち、全血からex vivo分離された血漿)か血漿源(すなわち、血漿交換を介して回収した血漿)のいずれかからなる。精製プロセスは、典型的には、安全性および品質考慮について分析済みの凍結血漿プールの解凍から開始する。解凍は、典型的には6℃以下の温度で実行する。凍結血漿の低温での完全な解凍後、低温(例えば、≦6℃)で遠心分離を実施して液体上清から固体寒冷沈降物を分離する。あるいは、分離工程は、遠心分離ではなく濾過により実施できる。次いで、液体上清(遠心分離により新規の解凍血漿から冷不溶性タンパク質の除去後、「脱寒冷血漿」とも呼ばれる)を次工程に進める。この連結で、第8因子インヒビターバイパス活性(FEIBA)、第IX因子複合体、第VII因子濃縮物、または抗トロンビンIII複合体の単離のために様々な工程を追加できる。
2.第1沈降事象−改良画分I
この工程では、脱寒冷血漿は、典型的には約0±1℃に冷却し、pHは約7.0〜約7.5、好ましくは約7.1〜約7.3、最も好ましくは約7.2に調節する。1つの実施形態では、脱寒冷血漿pHは、pH7.2または約7.2に調節する。次いで、血漿を撹拌中に冷却前エタノールを添加し、標的エタノール濃度を8%v/vまたは約8%v/vとする。同時に温度を約−4〜約0℃にさらに低減する。好ましい実施形態では、温度を−2℃または約−2℃に低減して、汚染物質(α2マクログロブリン、β1Aグロブリンおよびβ1Cグロブリン、フィブリノーゲン、ならびに第VIII因子など)を沈降させる。典型的には、沈降事象は、少なくとも約1時間の保持時間を含むが、より短い保持時間を使用してもよいし、より長い保持時間も使用してもよい。続いて、上清(上清I、理想的には脱寒冷血漿に存在するIgG含量全体を含む)を次いで遠心分離、濾過、または別の適切な方法により回収する。
脱寒冷血漿の第1分別工程として使用される従来法(上記Cohn et al.;上記Oncley et al.)と比較して、本発明は、いくつかの実施形態において、上清I画分におけるIgG収率を改善する方法を提供する。1つの実施形態では、IgG収率は、スプレーによるアルコール添加により改善される。別の実施形態では、IgG収率は、スプレーによるpH修正剤の添加により改善される。さらに別の実施形態では、IgG収率は、アルコール添加後の溶液pH調節により改善される。関連実施形態では、IgG収率は、アルコール添加中の溶液pH調節により改善される。
1つの具体的な態様では、改善は、低下量IgGが第1沈降工程の沈降画分中に紛れている方法に関する。例えば、ある実施形態では、低下量IgGは、Cohn法6プロトコールの第1沈降工程中に紛れているIgG量と比較して、第1沈降工程の沈降画分中に紛れている。
ある実施形態では、プロセスは、沈降アルコール添加後に溶液pHを約7.0〜約7.5に調節することにより改善される。他の実施形態では、沈降アルコール添加後に溶液pHを約7.1〜約7.3に調節する。さらに他の実施形態では、沈降アルコール添加後に溶液pHを約7.0または約7.1、7.2、7.3、7.4、もしくは7.5に調節する。特定の実施形態では、沈降アルコール添加後に溶液pHを約7.2に調節する。それゆえ、ある実施形態では、低下量IgGは、沈降アルコール添加後ではなく添加前に溶液pHを調節する類似沈降工程と比較して、第1沈降工程の沈降画分中に紛れている。1つの実施形態では、pHは沈降保持またはインキュベーション時間、溶液pHの継続的調節により、所望のpHで維持される。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
他のある実施形態では、プロセスは、沈降アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を流体としてではなくスプレーによって添加することにより改善される。それゆえ、ある実施形態では、低下量IgGは、アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を流体添加により導入する類似沈降工程と比較して、第1沈降工程の沈降画分中に紛れている。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
さらに他のある実施形態では、溶液pHを約7.0〜約7.5に調節することにより改善が達成される。好ましい実施形態では、溶液pHを約7.1〜約7.3に調節する。他の実施形態では、沈降アルコール添加後に流体としてではなくスプレーによる添加によって沈降アルコールおよび/もしくはpH調節に使用する溶液を添加することにより、溶液pHを7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、もしくは7.5または約7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、もしくは7.5に調節する。特定の実施形態では、沈降アルコール添加後に流体としてではなくスプレーによる添加によって沈降アルコールおよび/もしくはpH調節に使用する溶液を添加することにより、溶液pHを7.2または約7.2に調節する。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
3.第2沈降事象−改良画分II+III
画分のIgG含量および純度をさらに富化するため、上清Iを改良コーン−オンクレイ画分II+III画分である第2沈降工程に供する。一般に、溶液pHをpH約6.6〜約6.8に調節する。好ましい実施形態では、溶液pHを6.7または約6.7に調節する。次いで、アルコール、好ましくはエタノールを最終濃度約20%〜約25%(v/v)となるように撹拌しながら溶液に添加して、画分中IgGを沈降させる。好ましい実施形態では、アルコールは、最終濃度25%(v/v)または約25%(v/v)となるように添加して、画分中IgGを沈降させる。一般に、汚染物質(α1−リポタンパク質、α1−抗トリプシン、Gcグロブリン、α1X−糖タンパク、結合グロブリン、セルロプラスミン、トランスフェリン、ヘモペキシン、クリスマス因子画分、チロキシン結合グロブリン、コリンエステラーゼ、ハイパーテンシノーゲン、およびアルブミンなど)はこれらの条件により沈降しない。
アルコールを添加前または添加と同時に、溶液を約−7℃〜約−9℃にさらに冷却する。好ましい実施形態では、溶液は、−7℃または約−7℃の温度に冷却する。アルコールを添加完了後、溶液pHを迅速に約6.8〜約7.0に調節する。好ましい実施形態では、溶液pHを6.9または約6.9に調節する。典型的には、沈降事象は、少なくとも約10時間の保持時間を含むが、より短い保持時間を使用してもよいし、より長い保持時間も使用してもよい。続いて、脱寒冷血漿に存在する、理想的には少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%のIgG含量を含む沈降物(改良画分II+III)を、遠心分離、濾過、または別の適切な方法により上清から分離して、収集する。脱寒冷血漿の第2分別工程として使用される従来法(上記Cohn et al.;上記Oncley et al.)と比較して、本発明は、いくつかの実施形態において、改良画分II+III沈降物中のIgG収率を改善する方法を提供する。関連実施形態では、本発明は、改良II+III上清におけるIgG損失を抑える方法を提供する。
脱寒冷血漿の第2分別工程として使用される従来法(上記Cohn et al.;上記Oncley et al.)と比較して、本発明は、いくつかの実施形態において、改良画分II+III沈降物中のIgG収率を改善する方法を提供する。1つの実施形態では、スプレーによるアルコール添加により改善が達成される。別の実施形態では、スプレーによるpH修正剤の添加により改善が達成される。別の実施形態では、アルコール添加後の溶液pH調節により改善が達成される。関連実施形態では、アルコール添加中の溶液pH調節により改善が達成される。別の実施形態では、アルコール(例えば、エタノール)濃度を約25%(v/v)に増大することにより改善が達成される。別の実施形態では、沈降工程温度を約−7℃〜−9℃に低減することにより改善が達成される。好ましい実施形態では、アルコール(例えば、エタノール)濃度を約25%(v/v)に増大し、温度を約−7℃〜−9℃に低減することにより改善が達成される。対照的に、Cohn et al.とOncley et al.は共に、−5℃で沈降を実施し、Oncley et al.は沈降物中の汚染物質レベルを低減するために20%アルコールを使用する。有利には、本明細書に提供する方法は、最終製剤中に高レベルの汚染物なくIgG収率を最大化する。
沈降アルコール添加前に溶液pHをpH約6.9に調節時、部分的にタンパク質沈降に起因して溶液pHが6.9から約7.4〜約7.7に移ることを発見した(図8を参照されたい)。溶液pHが6.9から離れるにつれ、IgG沈降の有利性は減り、特定の汚染物質沈降はより有利となる。有利には、本発明者らは、沈降アルコール添加後の溶液pH調節により、画分II+III沈降物中に、より高い割合のIgGが回収されることを見出した。
したがって、1つの態様では、低下量IgGが改良画分II+III沈降工程の上清画分中に紛れている方法に関する。すなわち、増大した出発IgG%は、画分II+III沈降物に存在する。ある実施形態では、プロセスは、沈降アルコール添加直後または添加中に溶液pHを約6.7〜約7.1に調節することにより改善される。別の実施形態では、プロセスは、沈降インキュベーション時間に継続的に溶液pHを約6.7〜約7.1に維持することにより改善される。他の実施形態では、沈降アルコール添加直後または添加中に溶液pHを約6.8〜約7.0に、または沈降アルコール添加直後または添加中に、約6.7、6.8、6.9、7.0、もしくは7.1のpHに調節する。特定の実施形態では、沈降アルコール添加直後または添加中に溶液pHを約6.9に調節する。ある実施形態では、沈降インキュベーション時間に継続的に溶液pHを約6.8〜約7.0、または沈降インキュベーション時間に継続的にpHを6.9に維持する。それゆえ、ある実施形態では、低下量IgGは、沈降アルコール添加後ではなく添加前に溶液pHを調節する類似沈降工程または沈降インキュベーション時間を通して溶液pHを維持しない類似沈降工程と比較して、第2沈降工程の上清画分中に紛れている。1つの実施形態では、pHは沈降保持またはインキュベーション時間の溶液pHの継続的調節により、所望のpHで維持される。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
別の実施形態では、プロセスは、沈降アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を流体としてではなくスプレーによって添加することにより改善される。それゆえ、ある実施形態では、低下量IgGは、アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を流体添加により導入する類似沈降工程と比較して、第2沈降工程の上清画分中に紛れている。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
別の実施形態では、プロセスは、約−7℃〜約−9℃の温度で沈降工程を実施することにより改善される。1つの実施形態では、沈降工程は、−7℃または約−7℃の温度で実施する。別の実施形態では、沈降工程は、−8℃または約−8℃の温度で実施する。別の実施形態では、沈降工程は、−9℃または約−9℃の温度で実施する。ある実施形態では、沈降工程のアルコール濃度は約23%〜約27%である。好ましい実施形態では、アルコール濃度は約24%〜約26%である。別の好ましい実施形態では、アルコール濃度は25%または約25%である。他の実施形態では、アルコール濃度は23%、24%、25%、26%、もしくは27%または約23%、約24%、約25%、約26%、もしくは約27%であり得る。特定の実施形態では、第2沈降工程は、−7℃または約−7℃の温度でアルコール濃度25%または約25%で実施する。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
上記Oncley et al.に使用されるように第2沈降のアルコール濃度を20%から25%に増大し、CohnおよびOncley法に使用されるようにインキュベーション温度を−5℃から−7℃または約−7℃に低下する効果は、改良画分II+III沈降物のIgG含量を5%〜6%増大する。
別の実施形態では、プロセスは、沈降インキュベーション時間に継続的にpHを調節して溶液pHを約6.7〜約7.1、好ましくは6.9または約6.9に維持し、沈降アルコール添加直後または添加中、溶液pHを約6.7〜約7.1、好ましくは6.9または約6.9に調節し、流体としてではなくスプレーによる添加によって沈降アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を添加することにより改善される。別の特定の実施形態では、プロセスは、約−7℃〜約−9℃の温度で、好ましくは−7℃または約−7℃で沈降工程を実施し、約23%〜約27%、好ましくは25%または約25%のアルコール濃度でIgGを沈降させることにより改善される。さらに別の特定の実施形態では、プロセスは、上に提供したすべての改良画分II+III改善を組み込むことにより改善される。好ましい実施形態では、プロセスは、−7℃または約−7℃の温度で25%または約25%エタノールをスプレーにより添加してIgGを沈降させ、次いで沈降アルコール添加後に溶液pHを6.9または約6.9に調節することにより改善される。さらに別の好ましい実施形態では、沈降インキュベーションまたは保持時間全体で溶液pHは6.9または約6.9で維持される。
4.改良画分II+III沈降物の抽出
改良画分II+III沈降物のIgG含量を可溶化するために、冷抽出緩衝液を使用して、沈降物1パート対抽出緩衝液15パートの典型的比率で画分II+III沈降物を再懸濁する。他の適切な再懸濁液の比率は、例えば約1:8〜約1:30、または約1:10〜約1:20、または約1:12〜約1:18、または約1:13〜約1:17、または約1:14〜約1:16で使用し得る。ある実施形態では、再懸濁液比率は約1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、もしくは1:30超であり得る。
改良II+III沈降物の抽出に適した溶液pHは、一般に約4.0〜約5.5である。ある実施形態では、溶液pHは約4.5〜約5.0であり、他の実施形態では、抽出溶液pHは、約4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、もしくは5.5である。好ましい実施形態では、抽出緩衝液のpHは4.5または約4.5である。別の好ましい実施形態では、抽出緩衝液のpHは4.7または約4.7である。別の好ましい実施形態では、抽出緩衝液のpHは4.9または約4.9である。一般に、これらのpHの必要条件は、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、第1リン酸、第2リン酸、それらの混合物などから選択される緩衝剤を使用して満たすことができる。適切な緩衝液濃度は、典型的には約5〜約100mM、または約10〜約50mMの範囲、または約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、もしくは100mM緩衝剤である。
抽出緩衝液の伝導度は、好ましくは、約0.5mS・cm−1〜約2.0mS・cm−1である。例えば、ある実施形態では、抽出緩衝液の伝導度は、約0.5mS・cm−1、または約0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、もしくは約2.0mS・cm−1である。当業者は、適切な伝導度の抽出緩衝液の生成法を知るであろう。
1つの特定の実施形態では、抽出緩衝液の例としては、pH4.5±0.2または約4.5±0.2および0.7〜0.9mS/cmまたは約0.7〜0.9mS/cmの伝導度の5mMもしくは約5mMリン酸一ナトリウムおよび5mMもしくは約5mM酢酸を挙げ得る。
一般に、抽出は、約0℃〜約10℃または約2℃〜約8℃で実施する。ある実施形態では、抽出は、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃で実施し得る。特定の実施形態では、抽出は、約2℃〜約10℃で実施する。典型的には、懸濁液を継続的に撹拌しつつ、抽出プロセスを約60〜約300分間、または約120〜240分間、または約150〜210分間進行させる。ある実施形態では、抽出プロセスを約60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、または約300分進行させる。好ましい実施形態では、継続的に撹拌しながら、抽出プロセスを少なくとも160分間進行させる。
5mMリン酸一ナトリウム、5mM酢酸、および0.051%〜0.06%氷酢酸(v/v)を含む抽出緩衝液の使用は、最終製剤の純度を損なわずに最終IgG組成物の収率増大の実質的な増大を得ることができることが見出された。酢酸量と抽出緩衝液のpHの相関関係を図9に示す。好ましい実施形態では、画分II+III沈降物は、緩衝液との比率1:15または約1:15のペーストで、pH4.5±0.2または約4.5±0.2で抽出する。
有利には、5mMリン酸一ナトリウム、5mM酢酸、および0.051%氷酢酸(v/v)を含む抽出緩衝液を使用するGAMMAGARD(登録商標)LIQUID(Baxter健康ケア)の現在の製造プロセスと比較して、氷酢酸含量を0.06%(v/v)または約0.06%(v/v)に増大することにより、最終IgG組成物中で増大した収率の実質的な増大を達成できることが見出された。第2沈降工程により形成される沈降物の抽出のためにすでに使用されている方法(GAMMAGARD(登録商標)LIQUID)と比較して、本発明は、いくつかの実施形態において、改良画分II+III懸濁液におけるIgG収率を改善する方法を提供する。
1つの態様では、改善は、低下量IgGが非溶画分の改良画分II+III沈降物中に紛れている方法に関する。1つの実施形態では、プロセスは、5mMリン酸一ナトリウム、5mM酢酸、および0.06%氷酢酸(v/v)を含む溶液を用いて改良画分II+III沈降物を1:15比(沈降物対緩衝液)で抽出することにより改善される。別の実施形態では、溶液pHを抽出プロセス時間に維持することにより改善が達成される。1つの実施形態では、溶液pHは抽出プロセス時間に約4.1〜約4.9で維持される。好ましい実施形態では、溶液pHは抽出プロセス時間に約4.2〜約4.8で維持される。より好ましい実施形態では、溶液pHは抽出プロセス時間に約4.3〜約4.7で維持される。別の好ましい実施形態では、溶液pHは抽出プロセス時間に約4.4〜約4.6で維持される。さらに別の好ましい実施形態では、溶液pHは抽出プロセス時間に4.5または約4.5で維持される。
別の態様では、改善は、画分II+III溶解工程における画分II+III沈降物から増大量IgGが可溶化する方法に関する。1つの実施形態では、プロセスは、画分II+III沈降物の1000L当たり600mL氷酢酸を含む溶解緩衝液への可溶化により改善される。別の実施形態では、画分II+III沈降物中IgGの可溶化後に不純物を低減する方法に関する。1つの実施形態では、プロセスは、微細二酸化シリコン(SiO2)を画分II+III懸濁液と少なくとも約30分間混合することにより改善される。
5.改良画分II+III懸濁液の前処理および濾過
非溶画分の改良画分II+III沈降物(すなわち、改良画分II+III濾過ケーキ)除去のために、典型的には深層濾過を使用して懸濁液を濾過する。本明細書に提供する方法に適用し得るデプスフィルターとしては、金属製、ガラス製、セラミック、有機(珪藻土など)デプスフィルターなどが挙げられる。適切なフィルターの例としては、Cuno 50SA、Cuno 90SA、およびCuno VR06フィルター(Cuno)が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、分離工程は、濾過ではなく遠心分離により実施できる。
上記の製造プロセス改善は精製プロセス初回工程中のIgG損失を最小限に抑えるが、主な不純物(PKA活性、アミド分解活性、およびフィブリノーゲン含量など)は、例えば、II+IIIペーストをpH4.5または4.6で抽出時、pH約4.9〜5.0で抽出時よりも高い(実施例2〜5を参照されたい)。
本明細書に提供する方法において抽出した不純物を測定するため、IgG組成物の純度は、濾過/遠心分離前の前処理工程の追加により非常に高まる可能性があることが見出された。1つの実施形態では、この前処理工程は、微細二酸化シリコン粒子(例えば、ヒュームドシリカ、アエロジル(登録商標))の添加、その後の懸濁液を定期的に混合中の40〜80分のインキュベーション時間を含む。ある実施形態では、インキュベーション時間は、約50分間〜約70分間、または約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、もしくは約80分間超である。一般に、処理は、約0℃〜約10℃または約2℃〜約8℃で実施する。ある実施形態では、処理は、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃で実施し得る。特定の実施形態では、処理は、約2℃〜約10℃で実施する。
ヒュームドシリカ処理の効果は、実施例17に見られる結果により例示される。この実施例では、画分II+III沈降物を懸濁し、2つの試料に分け、1つを濾過前のみに濾過助剤で精製し(図7A)、もう1つを濾過助剤の添加および濾過の前にヒュームドシリカ処理する(図7B)。クロマトグラフおよび定量データに見ることができるように、ヒュームドシリカで前処理した濾液試料のIgG純度は濾過助剤で処理しただけの試料よりずっと高い(68.8%対55.7%;それぞれ表17と表18を比較)。
ある実施形態では、ヒュームドシリカは、約20g/kgII+IIIペースト〜約100g/kgII+IIIペーストの濃度で添加する(すなわち、1:15比で抽出される改良画分II+III沈降物のため、ヒュームドシリカを約20g/16kgII+III懸濁液〜約100g/16kgII+III懸濁液、または最終濃度約0.125%(w/w)〜約0.625%(w/w)の濃度で添加するべきである)。ある実施形態では、ヒュームドシリカは約20g/kgII+IIIペースト、または約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100g/kgII+IIIペーストの濃度で添加し得る。1つの具体的な実施形態では、ヒュームドシリカ(例えば、アエロジル380または等価物)は、改良画分II+III懸濁液に添加して最終濃度約40g/16kgII+IIIとする。混合は約2〜8℃で少なくとも50〜70分間行う。
ある実施形態では、SiO2は、約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質濃度でIgG組成物に添加する。別の実施形態では、SiO2は、約0.01g/gタンパク質〜約5g/gタンパク質濃度でIgG組成物に添加する。別の実施形態では、SiO2は、約0.02g/gタンパク質〜約4g/gタンパク質濃度でIgG組成物に添加する。1つの実施形態では、SiO2は、少なくとも0.1g/g総タンパク質の最終濃度となるように添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.25g/g総タンパク質濃度で添加する。他の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも1g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2.5g/g総タンパク質濃度で添加する。さらに他の具体的な実施形態では、微細二酸化シリコンは、少なくとも0.01g/g総タンパク質または少なくとも0.02g、0.03g、0.04g、0.05g、0.06g、0.07g、0.08g、0.09g、0.1g、0.2g、0.3g、0.4g、0.5g、0.6g、0.7g、0.8g、0.9g、1.0g、1.5g、2.0g、2.5g、3.0g、3.5g、4.0g、4.5g、5.0g、5.5g、6.0g、6.5g、7.0g、7.5g、8.0g、8.5g、9.0g、9.5g、10.0g、または10.0g/g超総タンパク質濃度で添加する。
ある実施形態では、濾過助剤、例えばCelpureC300(Celpure)またはHyflo−Supper−Cel(World Minerals)を二酸化シリコン処理後に添加して、深層濾過を促進する。濾過助剤は約0.01kg/kgII+IIIペースト〜約1.0kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト〜約0.8kg/kgII+IIIペースト、または約0.03kg/kgII+IIIペースト〜約0.7kg/kgII+IIIペーストの最終濃度となるように添加することができる。他の実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kgII+IIIペースト〜約0.07kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト〜約0.06kg/kgII+IIIペースト、または約0.03kg/kgII+IIIペースト〜約0.05kg/kgII+IIIペーストの最終濃度となるように添加することができる。ある実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kgII+IIIペースト、または約0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは1.0kg/kgII+IIIペーストの最終濃度となるように添加する。
GAMMAGARD(登録商標)LIQUID製造プロセスの濾過工程中、著しいIgG画分が紛れていた。1.8デッドボリュームの懸濁緩衝液を使用してフィルタープレスフレームおよびラインを浄化する現在の後濾過洗浄法は、この工程のIgGを最大限に回収するには不十分であったことが見出された。驚くべきことに、改良画分II+III精製懸濁液中の総IgGの効率的回収のために少なくとも3.0デッドボリューム、好ましくは3.6デッドボリュームの懸濁緩衝液が必要であることが見出された(実施例12および図1を参照されたい)。ある実施形態では、フィルタープレスは任意の適切な懸濁緩衝液で洗浄し得る。特定の実施形態では、洗浄緩衝液は、例えば、5mMリン酸一ナトリウム、5mM酢酸、および0.015%氷酢酸(v/v)を含む。
1つの態様では、低下量IgGが画分II+III懸濁液の濾過工程中に紛れている方法に関する。1つの実施形態では、プロセスは、1000L当たり150mL氷酢酸を含む少なくとも約3.6デッドボリュームの溶解緩衝液を用いたフィルター後洗浄により改善される。氷酢酸量と後洗浄緩衝液のpH間の関連を図10に示す。1つの実施形態では、後洗浄抽出緩衝液のpHは、約4.6〜約5.3である。好ましい実施形態では、後洗浄緩衝液のpHは、約4.7〜約5.2である。別の好ましい実施形態では、後洗浄緩衝液のpHは、約4.8〜約5.1である。さらに別の好ましい実施形態では、後洗浄緩衝液のpHは、約4.9〜約5.0である。
第2沈降工程により形成される懸濁液の清澄のためにすでに使用されている方法(GAMMAGARD(登録商標)LIQUID)と比較して、本発明は、いくつかの実施形態において、精製画分II+III懸濁液のIgG収率および純度を改善する方法を提供する。1つの態様では、改善は、低下量IgGが改良画分II+III濾過ケーキ中に紛れている方法に関する。他の態様では、改善は、不純物量の低減が精製画分II+III懸濁液に見られる方法に関する。
1つの実施形態では、プロセスは、画分II+III懸濁液の濾過または遠心清澄前にヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。ある実施形態では、ヒュームドシリカ処理は、約0.01kg/kgII+IIIペースト〜約0.07kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト〜約0.06kg/kgII+IIIペースト、または約0.03kg/kgII+IIIペースト〜約0.05kg/kgII+IIIペースト、または約0.02kg/kgII+IIIペースト、0.03kg/kgII+IIIペースト、0.04kg/kgII+IIIペースト、0.05kg/kgII+IIIペースト、0.06kg/kgII+IIIペースト、0.07kg/kgII+IIIペースト、0.08kg/kgII+IIIペースト、0.09kg/kgII+IIIペースト、または0.1kg/kgII+IIIペーストの添加を含み、混合物は、約50分間〜約70分間、または約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、もしくは約80分間超、約2℃〜約8℃の温度でインキュベートする。別の実施形態では、プロセスは、残りのフィブリノーゲン、アミド分解活性、および/またはプレカリクレイン活性因子レベルを低減するヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。具体的な実施形態では、プロセスは、免疫グロブリン調製物中のFXI、FXIa、FXII、およびFXIIaレベルを低減するヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。
別の実施形態では、プロセスは、改良画分II+III懸濁液の濾過工程完了後にデプスフィルターをフィルターデッドボリュームの約3〜約5容積で洗浄することにより改善される。ある実施形態では、フィルターは、フィルターデッドボリュームの、約3.5容積〜約4.5容積、または少なくとも約2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0容積で洗浄する。特定の実施形態では、フィルタープレスは、デッドボリュームの少なくとも約3.6容積の懸濁緩衝液で洗浄する。
6.清浄処理
次いで、追加の汚染物質を改良画分II+III濾液から除去するため、試料を清浄処理する。血漿由来画分の清浄処理方法は当技術分野において周知である。一般に、任意の標準的な非イオン性清浄処理は本明細書に提供する方法と併用し得る。例えば、清浄処理プロトコールの例を以下に提供する。
簡単に述べると、ポリソルベート80を改良画分II+III濾液に撹拌しながら添加して最終濃度約0.2%(w/v)とし、試料を少なくとも30分間、約2〜8℃の温度でインキュベートする。次いで、クエン酸ナトリウム水和物を溶液に混合して最終濃度約8g/Lとし、試料を約2〜8℃の温度で継続的に撹拌しながらさらに30分間インキュベートする。
ある実施形態では、任意の適切な非イオン性清浄液を使用できる。適切な非イオン性清浄液の例としては、Octylglucoside、ジギトニン、C12E8、Lubrol、TritonX−100、NonidetP−40、Tween20(すなわち、ポリソルベート20)、Tween80(すなわち、ポリソルベート80)、アルキルポリ(エチレンオキシド)、Brij清浄液、アルキルフェノールポリ(エチレンオキシド)、ポロキサマー、オクチルグルコシド、デシルマルトシドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態では、プロセスは、清浄試薬(例えば、ポリソルベート80およびクエン酸ナトリウム水和物)を流体としてではなくスプレーによって添加することにより改善される。他の実施形態では、改良画分II+III濾液に清浄試薬を固体として、添加物の迅速な分配を確実にするように試料を混合しながら添加し得る。ある実施形態では、固体試薬の添加は、流体添加などのように局所濃度が過剰とならないように濾液の非局在表面領域上に固体を散布して行うことが好ましい。
7.第3沈降事象−沈降物G
残りのいくつかの小タンパク質(アルブミンおよびトランスフェリンなど)を除去するために、第3沈降を25%アルコール濃度で実施する。簡単に述べると、清浄処理II+III濾液pHを、適切なpH調節剤(例えば、1M水酸化ナトリウムまたは1M酢酸)を用いて、約6.8〜7.2、好ましくは約6.9〜約7.1、最も好ましくは約7.0に調節する。次いで、冷アルコールを溶液に添加して最終濃度約25%(v/v)とし、混合物を約−6℃〜約−10℃で撹拌しながら少なくとも1時間インキュベートして、第3沈降物(すなわち、沈降物G)を形成する。1つの実施形態では、混合物は、少なくとも2時間、または少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも24時間、もしくは24時間超インキュベートする。好ましい実施形態では、混合物を少なくとも2時間インキュベートする。より好ましい実施形態では、混合物を少なくとも4時間インキュベートする。さらに好ましい実施形態では、混合物を少なくとも8時間インキュベートする。
1つの態様では、プロセス改善は、低下量IgGが第3沈降工程の上清画分中に紛れている方法に関する。ある実施形態では、プロセスは、沈降アルコール添加直後または添加中に溶液pHを約6.8〜約7.2に調節することにより改善される。別の実施形態では、プロセスは、沈降インキュベーション時間に継続的に溶液pHを約6.8〜約7.2に維持することにより改善される。他の実施形態では、沈降アルコール添加直後または添加中に溶液pHを約6.9〜約7.1に、または沈降アルコール添加直後または添加中に約6.8、6.9、7.0、7.1、もしくは7.2のpHに調節する。特定の実施形態では、沈降アルコール添加直後または添加中に溶液pHを約7.0に調節する。ある実施形態では、沈降インキュベーション時間に継続的に溶液pHを約6.9〜約7.1に、または沈降インキュベーション時間に継続的にpHを約7.0に維持する。それゆえ、ある実施形態では、低下量IgGは、沈降アルコール添加後ではなく添加前に溶液pHを調節する類似沈降工程または沈降インキュベーション時間を通して溶液pHを維持しない類似沈降工程と比較して、第3沈降工程の上清画分中に紛れている。1つの実施形態では、pHは沈降保持またはインキュベーション時間の溶液pHの継続的調節により、所望のpHで維持される。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
別の実施形態では、プロセスは、沈降アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を流体としてではなくスプレーによって添加することにより改善される。それゆえ、ある実施形態では、低下量IgGは、アルコールおよび/またはpH調節に使用する溶液を流体添加により導入する類似沈降工程と比較して、第3沈降工程の上清画分中に紛れている。1つの実施形態では、アルコールは、エタノールである。
8.沈降物G(PptG)の懸濁および濾過
沈降物GのIgG含量を可溶化するために、冷抽出緩衝液を使用してPptGを再懸濁した。簡単に述べると、沈降物Gは、約40〜95のAU280−320値に達するように、約0℃〜約8℃で注射水(WFI)に1対3.5で溶解する。次いで、少なくとも2時間撹拌した溶液の最終pHを5.2±0.2または約5.2±0.2に調節する。1つの実施形態では、このpH調節は、1M酢酸を用いて行う。IgG可溶性を増大するため、懸濁液の伝導度を約2.5〜約6.0mS/cmに増大する。1つの実施形態では、伝導度は、塩化ナトリウムの添加により増大する。次いで、任意の不溶粒子を除去するために、基準孔径約0.1μm〜約0.4μmの適切なデプスフィルターを用いて懸濁PptG溶液を濾過する。1つの実施形態では、精製濾液を得るために、デプスフィルターの基準孔径は、約0.2μmである(例えば、Cuno VR06フィルターまたは等価物)。別の実施形態では、懸濁PptG溶液を遠心分離して精製上清を回収する。フィルター後洗浄は、約2.5〜約6.0mS/cmの伝導度の塩化ナトリウム溶液を使用して実施する。典型的には、沈降物Gの抽出に適した溶液は、WFIおよび低伝導度の緩衝液を含む。1つの実施形態では、低伝導度緩衝液の伝導度は、約10mS/cm未満である。好ましい実施形態では、低伝導度緩衝液の伝導度は、約9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1mS/cm未満である。好ましい実施形態では、低伝導度緩衝液の伝導度は、約6mS/cm未満である。別の好ましい実施形態では、低伝導度緩衝液の伝導度は、約4mS/cm未満である。別の好ましい実施形態では、低伝導度緩衝液の伝導度は、約2mS/cm未満である。
9.溶媒清浄処理
次いで、血漿由来製剤に存在し得る様々なウイルス汚染物質を不活性化するため、精製PptG濾液を溶媒清浄(S/D)処理する。血漿由来画分の清浄処理方法は、当技術分野において周知である(総論については、Pelletier JP et al., Best Pract Res Clin Haematol. 2006;19(1):205−42を参照されたい)。一般に、任意の標準的なS/D処理は本明細書に提供する方法と併用し得る。例えば、S/D処理プロトコールの例を以下に提供する。
簡単に述べると、TritonX−100、Tween20、およびリン酸トリ(n−ブチル)(TNBP)を精製PptG濾液に添加して、それぞれ最終濃度約1.0%、約0.3%、および約0.3%とする。次いで、混合物を約18℃〜約25℃の温度で少なくとも約1時間撹拌する。
1つの実施形態では、プロセスは、S/D試薬(例えば、TritonX−100、Tween20、およびTNBP)を流体としてではなくスプレーによって添加することにより改善される。他の実施形態では、清浄試薬は固体として、S/D成分の迅速な分配を確実にするように混合された精製PptG濾液に添加し得る。ある実施形態では、固体試薬は、局所過剰濃度が流体添加中などに生じないように濾液の非局在表面領域上に固体を散布して添加することが好ましい。
10.イオン交換クロマトグラフィー
S/D処理PptG濾液からのIgGのさらなる純化および濃縮のために、陽イオン交換および/または陰イオン交換クロマトグラフィーを使用できる。イオン交換クロマトグラフィーを使用したIgGの純化および濃縮方法は、当技術分野において周知である。例えば、米国特許第5,886,154号には、画分II+III沈降物が低pH(約3.8〜約4.5)で抽出し、続いてカプリル酸を使用してIgGを沈降し、最終的に2つの陰イオン交換クロマトグラフィー工程を実施する方法について記載されている。米国特許第6,069,236号には、アルコール沈降に全く依存しないクロマトグラフIgG精製スキームについて記載されている。PCT公開WO2005/073252号には、画分II+III沈降物の抽出、カプリル酸処理、PEG処理、および単一陰イオン交換クロマトグラフィー工程に関与するIgG精製法について記載されている。米国特許第7,186,410号には、画分I+II+IIIか画分II沈降物のいずれかの抽出、続いて、アルカリ性pHで実施した単一陰イオン交換工程に関与するIgG精製法について記載されている。米国特許第7,553,938号には、画分I+II+IIIか画分II+III沈降物のいずれかの抽出、カプリル酸処理、および1つか2つの陰イオン交換クロマトグラフィー工程に関与する方法について記載されている。米国特許第6,093,324号には、約6.0〜約6.6のpHで操作したマクロ孔質陰イオン交換樹脂の使用を含む精製法について記載されている。米国特許第6,835,379号には、アルコール画分の不在下で陽イオン交換クロマトグラフィーに依存する精製法について記載されている。上の刊行物の開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
本発明の方法の1つの実施形態では、S/D処理PptG濾液は陽イオン交換クロマトグラフィーと陰イオン交換クロマトグラフィーの両方に供し得る。例えば、1つの実施形態では、S/D処理PptG濾液は、溶液中IgGに結合する陽イオン交換カラムを通過させる。次いで、吸着IgGからS/D試薬を洗い流し、続いて、約8.0〜9.0のpHの高pH溶出緩衝液カラムから溶出する。このようにして、陽イオン交換クロマトグラフィー工程は、調製物からのS/D試薬除去、IgG含有溶液の濃縮、またはその両方に使用できる。ある実施形態では、溶出緩衝液のpHは、約8.2〜約8.8、または約8.4〜約8.6のpH、または約8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、もしくは9.0のpHであり得る。好ましい実施形態では、溶出緩衝液のpHは、約8.5±0.1である。
ある実施形態では、陽イオン交換カラムからの溶出物は、より低いpH、例えば約5.5〜約6.5に調節し得、溶液の伝導度を低減するように適切な緩衝液で希釈し得る。ある実施形態では、陽イオン交換溶出物pHは、pH約5.7〜約6.3、または約5.9〜約6.1、またはpH約5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、もしくは6.5に調節され得る。好ましい実施形態では、溶出物pHは、pH約6.0±0.1に調節される。次いで溶出物を、調製物中に見られるいくつかの汚染物質に結合する陰イオン交換カラム上に負荷する。IgG画分を含むカラム流出全体を、カラム負荷および洗浄中に回収する。ある実施形態では、本発明のイオン交換クロマトグラフ工程は、カラムモードでも、バッチモードでも、2つの組み合わせでも実施できる。
ある実施形態では、プロセスは、pH調節に使用する溶液を流体としてではなくスプレーによって添加することにより改善される。
11.ナノ濾過および限外濾過/ダイアフィルトレーション
本明細書に提供するIgG組成物のウイルス負荷をさらに低減するため、陰イオン交換カラム流出物は適切なナノ濾過機を使用してナノ濾過し得る。ある実施形態では、ナノ濾過機の平均孔径は、約15nm〜約200nmである。この使用に適したナノフィルターの例としては、DVD、DV50、DV20(Pall)、Viresolve NFP、Viresolve NFR(Millipore)、Planova 15N、20N、35N、および75N(Planova)が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な実施形態では、ナノフィルターの平均孔径は、約15nm〜約72nm、または約19nm〜約35nm、または約15nm、19nm、35nm、または72nmであり得る。好ましい実施形態では、ナノフィルターの平均孔径は、約35nmである(Asahi PLANOVA 35Nフィルターまたはその等価物など)。
任意選択的に、限外濾過/ダイアフィルトレーションを実施して、ナノ濾液へさらに濃縮し得る。1つの実施形態では、産生プロセス終了間際の具体的に設計された後洗浄および製剤化と共にオープンチャネル膜を使用して、収率および保存安定性に影響を与えずに、当技術分野のIVIG(例えば、GAMMAGARD(登録商標)LIQUID)と比較してタンパク質濃度が約2倍高い(200mg/mL)IgG組成物を生成する。ほとんどの市販限外濾過膜は、タンパク質を大幅に失わずに濃度200mg/mLのIgGに達することができない。これらの膜は、早期にブロックされるため、適切な後洗浄を達成することが困難である。したがってオープンチャネル膜構造を使用しなければならない。さらに、オープンチャネル膜を用いた場合、タンパク質を著しく失うことなく(損失2%未満)、必要な濃度を得るためには、具体的に設計された後洗浄方法を使用しなければならない。さらに驚くべきことに、より高いタンパク質濃度200mg/mLは低pH保存工程のウイルス不活性化能に作用しないという事実がある。
ナノ濾過後、限外濾過/ダイアフィルトレーションにより濾液をさらに濃縮し得る。1つの実施形態では、限外濾過によりナノ濾液をタンパク質濃度約2%〜約10%(w/v)に濃縮し得る。ある実施形態では、限外濾過は、オープンチャネルスクリーンを備えるカセット内で実行し、限外濾過膜の基準分子量カットオフ(NMWCO)は、約100kDa未満または約90kDa未満、約80kDa未満、約70kDa未満、約60kDa未満、約50kDa未満、約40kDa未満、約30kDa未満、もしくはそれより低い。好ましい実施形態では、限外濾過膜のNMWCOは50kDa以下である。
限外濾過工程の完了時、濃縮物は、静脈内または筋肉内投与に適した溶液に対するダイアフィルトレーションを介してさらに濃縮し得る。ある実施形態では、ダイアフィルトレーション溶液は、分解防止剤および/または緩衝剤を含み得る。好ましい実施形態では、分解防止剤および緩衝剤は、適切な濃度(例えば約0.20M〜約0.30M、または約0.22M〜約0.28M、または約0.24M〜約0.26mM、または約2.0mM、約2.1mM、約2.2mM、約2.3mM、約2.4mM、約2.5mM、約2.6mM、約2.7mM、約2.8mM、約2.9mM、もしくは約3.0mMの濃度)のグリシンである。好ましい実施形態では、ダイアフィルトレーション緩衝液は、0.25Mまたは約0.25Mグリシンを含む。
典型的には、最小交換容量は、元の濃縮容量の少なくとも約3倍または元の濃縮容量の少なくとも約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、もしくは約9倍超である。IgG溶液は、最終タンパク質濃度約5%〜約25%(w/v)、または約6%〜約18%(w/v)、または約7%〜約16%(w/v)、または約8%〜約14%(w/v)、または約9%〜約12%、または最終濃度約5%、または約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%もしくは約25%超に濃縮し得る。1つの実施形態では、後洗浄画分を濃縮溶液に添加せずに少なくとも約23%の最終タンパク質濃度に達する。別の実施形態では、後洗浄画分を濃縮溶液に添加せずに少なくとも約24%の最終タンパク質濃度に達する。後洗浄画分を濃縮溶液に添加せずに少なくとも約25%の最終タンパク質濃度に達する。典型的には、濃縮プロセス終了時の溶液pHは約4.6〜5.1である。
例示的実施形態では、限外濾過前にIgG組成物pHを約4.5に調節する。溶液は、限外濾過を通してタンパク質濃度5±2%w/vに濃縮する。UF膜の基準分子量カットオフ(NMWCO)は、50,000ダルトンまたは50,000ダルトン未満である(Millipore Pelliconポリエーテルスルホン膜)。濃縮物は、10容量の0.25Mグリシン溶液、pH4.5±0.2に対してダイアフィルトレーションする。限外ダイアフィルトレーション操作全体を通して、溶液は、約2℃〜約8℃の温度に維持する。ダイアフィルトレーション後、溶液は、少なくとも11%(w/v)のタンパク質濃度に濃縮する。
12.製剤化
ダイアフィルトレーション工程完了時、溶液のタンパク質濃度は、ダイアフィルトレーション緩衝液で最終濃度約5%〜約20%(w/v)、または約6%〜約18%(w/v)、または約7%〜約16%(w/v)、または約8%〜約14%(w/v)、または約9%〜約12%、または最終濃度約5%、または約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%に調節する。好ましい実施形態では、溶液の最終タンパク質濃度は約9%〜約11%、より好ましくは約10%である。
製剤化した大量溶液は、絶対孔径約0.22ミクロン以下、例えば約0.2ミクロンの膜フィルターを通した濾過により、さらに滅菌する。次いで溶液を適切な密封最終容器内に滅菌分配し、試料を検査用に採取する。
1つの実施形態では、IgG組成物の濃度は、ダイアフィルトレーション緩衝液を用いて約10.2±0.2%(w/v)にさらに調節する。必要に応じて、pHは約4.4〜約4.9に調節する。最終的に、溶液は、滅菌濾過し、30℃または約30℃で3週間インキュベートする。
B.H因子
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来H因子組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。1つの具体的な実施形態では、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、H因子組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)H因子組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
1つの実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1H因子タンパク質富化工程を実施し、第1富化H因子組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1H因子タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2H因子タンパク質富化工程を実施して、第2富化H因子組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1H因子タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来H因子組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1H因子富化工程を実施して、第1富化血漿由来H因子組成物を形成する工程;(b)第2H因子富化工程を実施して、第2富化血漿由来H因子組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、H因子富化工程を実施する工程をさらに含む。ある実施形態では、H因子富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来H因子組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1H因子富化工程を実施して、第1富化血漿由来H因子組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(d)第2H因子富化工程を実施して、第2富化血漿由来H因子組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
同様に、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来H因子組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1H因子富化工程を実施して、第1富化血漿由来H因子組成物を形成する工程;(b)第2H因子富化工程を実施して、第2富化血漿由来H因子組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(e)第3H因子富化工程を実施して、第3富化血漿由来H因子組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8、表9、表10、または表11に見られるバリエーションVar.101〜Var.1100の任意の1つから選択される。
1.血漿由来H因子の製造法
産生に関して、ヒト血漿から開始する請求プロセスは、例えば、冷エタノールによる分別沈降により得られた典型的な産業中間体の副画分に基づくべきである(Schultze H E, Heremans J F; Molecular Biology of Human Proteins. Volume I: Nature and Metabolism of Extracellular Proteins 1966, Elsevier Publishing Company; p. 236−317に概説されている)。かかる精製の好ましい実施形態は、医薬規制当局の管理下にある血漿製剤(例えば、免疫グロブリン)の確立された公認製造プロセスが影響を受けない形で、工業規模の血漿画分の側画分から機能的H因子を精製することである。例えば、画分II+IIIペースト懸濁液の濾過後に得られた濾過ケーキ(Teschner W et al., Vox Sang. 2007 Jan;92(1):42−55)、画分I沈降物(上記Cohn et al., (1946))、沈降物III(Schultze H E, Heremans J F; Molecular Biology of Human Proteins. Volume I: Nature and Metabolism of Extracellular Proteins 1966, Elsevier Publishing Company; p. 236−317 at p. 253)および沈降物B(KistlerおよびNitschmannの方法;上記p.253)は、H因子のかかる産業的供給源の例である。それらの側画分から開始して、当技術分野において既知である精製法をH因子の純化に使用できる。それらは、ポリエチレングリコールを用いた沈降(Nagasawa S, Stroud R M; Mol Immunol 1980; 17:1365−72)、固定化ヘパリンを介した親和性クロマトグラフィー(前記引用)、陰イオン交換クロマトグラフィー(Crossley L G, Porter R R; Biochem J 1980; 191:173−82)および疎水性相互作用クロマトグラフィー(Ripoche J, Al Salihi A, Rousseaux J, Fontaine M; Biochem J 1984; 221, 89−96)に基づき得る。
1つの実施形態では、本発明の出発物質は、コーン画分を使用して調製する。この画分は、ドナー血清またはモノクローナルもしくは組換え免疫グロブリンから調製できる免疫グロブリン調製物の調製に使用される周知の画分である。典型例では、血液または血漿は、健常ドナーから回収する。通常、血液は、H因子調製物を投与する対象と同動物種から回収する(典型的には「相同」免疫グロブリンと呼ばれる)。免疫グロブリンは、適切な方法(例えば、コーン画分、超遠心分離法、電気泳動調製、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィー、ポリエチレングリコール画分など)により、血液から単離する(例えば、Cohn et al., J. Am. Chem. Soc. 68:459−75 (1946); Oncley et al., J. Am. Chem. Soc. 71:541−50 (1949); Barundern et al., Vox Sang. 7:157−74 (1962); Koblet et al., Vox Sang. 13:93−102 (1967);米国特許第5,122,373号および同第5,177,194号を参照されたい;これらの開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)。1つの実施形態では、本発明は、免疫グロブリン調製物からの廃棄画分を使用する。特定の実施形態では、本発明は、画分II+III抽出物を濾過後にSiO2濾過ケーキに見られる画分を使用する。
一般に、本発明によるH因子調製物は、任意の適切な出発物質、例えば、回収した血漿または血漿源から調製できる。典型例では、血液または血漿は、健常ドナーから回収する。通常、血液は、H因子調製物を投与する対象と同動物種から回収する(典型的には「相同」H因子と呼ばれる)。H因子は、適切な方法、例えば、沈降(アルコール画分またはポリエチレングリコール画分)、クロマトグラフ法(イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィーなど)、超遠心分離法、および電気泳動調製などにより血液または血漿から単離される(例えば、Cohn et al., J. Am. Chem. Soc. 68:459−75 (1946); Deutsch et al., J. Biol. Chem. 164:109−118; Oncley et al., J. Am. Chem. Soc. 71:541−50 (1949); Cohn et al., J. Am. Chem. Soc. 72:465−474 (1950); Cohn et al., Blood Cells and Plasma Proteins: Their State in Nature (J.L. Tullis, ed), pp. 1−58, Academic Press, NewYork and London (1953); Nitschmann et al., Helv. Chim. Acta 37:866−873; Kistler and Nitschmann, Vox Sang. 7:414−424 (1962); Barundern et al., Vox Sang. 7:157−74 (1962); Koblet et al., Vox Sang. 13:93−102 (1967);米国特許第5,122,373号および同第5,177,194号を参照されたい;これらの開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)。
ある実施形態では、H因子は、血漿画分により、他の商業的に重要な血液製剤の製造中に廃棄されるところであった物質から回収する。例えば、例示的実施形態では、H因子は、画分I沈降物から抽出される、および/または再懸濁画分II+IIIペーストの遠心分離または濾過後に形成される濾過ケーキから抽出される。有利には、本明細書に提供する方法により、追加の投入血漿または既存の製造プロセスの再設計および認可再承認の必要性がなく、他の商業的に重要な血漿由来血液製剤(静脈内(IVIG)または皮下投与用IgGγグロブリンなど)のために工業規模のH因子調製を達成できる。
1つの態様では、本発明は、血漿画分からH因子を抽出して、FXI、FXIa、FXII、および/またはFXIIa含量を本明細書に提供するSiO2処理方法を用いて低下することにより、血漿由来のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量が低下した富化H因子組成物の調製のための方法を提供する。
1つの実施形態では、本方法は、血漿からの富化H因子組成物調製のために提供し、本方法は、(a)第1沈降工程中、約6%〜約10%アルコールでpH約7.0〜約7.5において脱寒冷血漿画分からタンパク質を沈降させて、第1沈降物および第1上清を得る工程;(b)第2沈降工程中、約20%〜約30%アルコールでpH約6.7〜約7.3において第1上清からH因子を沈降させて、第2沈降物を形成する工程;(c)第2沈降物を再懸濁化して、懸濁液を形成する工程;(d)微細二酸化シリコン(SiO2)を工程(c)からの懸濁液と混合する工程;(e)懸濁液を分離して、濾過ケーキおよび上清を形成する工程;ならびに(f)最終組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンレベルを低減する溶液条件下で、SiO2濾過ケーキからH因子を抽出する工程を含む。好ましい実施形態では、濾過ケーキは、適切なフィルターを含むフィルタープレスを通した上清の濾過により懸濁液から分離する。1つの実施形態では、H因子は、濾過ケーキを含むフィルタープレスを通して抽出緩衝液を再利用することにより抽出できる。
第2態様では、本発明は、画分I沈降物からH因子を抽出することにより、血漿からセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量が低下した富化H因子組成物を調製する方法を提供する。
好ましい実施形態では、本方法は、血漿からの富化H因子組成物調製のために提供し、本方法は、(a)第1沈降工程中、約6%〜約10%アルコールでpH約7.0〜約7.5において脱寒冷血漿画分からタンパク質を沈降させて、第1沈降物および第1上清を得る工程;(b)H因子抽出緩衝液を用いて沈降物からH因子を抽出する工程、ならびに(c)本明細書に提供する適切な方法を使用して組成物をSiO2処理することによりセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンレベルを低減する工程を含む。
1つの態様では、本方法は、第2血液タンパク質、例えば、IgGγグロブリンを得るように設計されたプロセスにより作製した副産物画分を製造する2つ以上のプールからH因子を抽出することにより、血漿から富化H因子組成物を調製するために提供する。1つの実施形態では、本方法は、IgGγグロブリン(例えば、IVIG)の製造中に形成される画分I沈降物および画分II+III濾過ケーキのプーリングならびに画分プールからのH因子抽出を含む。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量が低下した富化H因子組成物は、画分I沈降物および/または画分II+III濾過ケーキからの抽出後に、さらに精製し得る。H因子をさらに純化する様々な方法(限定しないが、追加沈降工程または分別、親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、溶媒/清浄液(S/D)処理、ナノ濾過、限外濾過、ダイアフィルトレーションなど)が利用可能である。
1つの実施形態では、本方法は、富化H因子組成物から不純物を沈降させることをさらに含む。ある実施形態では、この工程は、少なくとも1種の不純物、例えば脂質またはタンパク質を組成物から沈降させ、次いでH因子を含む上清から沈降物を分離することを含む。次いで、任意選択的に、H因子を分離沈降物中の上清から沈降させる。
具体的な実施形態では、PEGを最終濃度約2.5%〜約7.5%で使用して少なくとも1種の不純物を溶液から沈降させることにより、血漿画分から抽出したH因子組成物(例えば、画分I沈降物、画分II+III沈降物、沈降B沈降物など)をさらに富化する。別の実施形態では、PEGを最終濃度約3%〜約7%で使用する。別の実施形態では、PEGを最終濃度約4%〜約6%で使用する。さらに別の実施形態では、PEGを最終濃度約5%で使用する。
別の具体的な実施形態では、PEGを最終濃度約9%〜約15%で使用して溶液からH因子を沈降させることにより血漿画分から抽出したH因子組成物(例えば、画分I沈降物、画分II+III沈降物、沈降B沈降物など)をさらに富化する。別の実施形態では、PEGを最終濃度約10%〜約14%で使用する。別の実施形態では、PEGを最終濃度約11%〜約13%で使用する。さらに別の実施形態では、PEGを最終濃度約12%で使用する。
別の具体的な実施形態では、血漿画分から抽出したH因子組成物(例えば、画分I沈降物、画分II+III沈降物、沈降B沈降物など)は、(a)溶液から少なくとも1種の不純物を沈降させること;(b)溶液からH因子を沈降させること;および(c)H因子を含む沈降物を回収することによりさらに富化する。ある実施形態では、沈降工程は、アルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)、PEG、またはその組み合わせを用いて行う。特定の実施形態では、沈降工程は、PEGを用いて行う。ある実施形態では、第1沈降工程のPEG濃度は約2.5%〜約7.5%であり、第2沈降工程のPEG濃度は約9%〜約15%である。具体的な実施形態では、第1工程のPEG濃度は約4%〜約6%であり、第2工程のPEG濃度は約11%〜約13%である。より具体的な実施形態では、第1沈降工程のPEG濃度は約5%であり、第2沈降工程のPEG濃度は約12%である。さらに他の実施形態では、第1および第2沈降工程のPEG濃度は、表16に列挙するバリエーションVar.1101およびVar.1221から選択される。
ある実施形態では、富化H因子組成物の調製のための方法は、組成物の純度をさらに富化するために、少なくとも1つ、好ましくは2つのクロマトグラフ工程をさらに含む。一般に、例えば、画分I沈降物または画分II+III濾過ケーキから抽出したH因子組成物をさらに富化するために任意の適切なクロマトグラフ法を適用し得る。ある実施形態では、クロマトグラフィー富化前、抽出したH因子組成物は、上記のとおり1つまたは複数の追加沈降工程に供して、組成物に存在する不純物を低減し、クロマトグラフ工程の負荷容量を減らし、および/または組成物の緩衝液を交換する。
ある実施形態では、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEC)、陽イオン交換クロマトグラフィー(CEC)、ヘパリン親和性クロマトグラフィー、疎水性交換クロマトグラフィー(HIC)、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(HAP)、免疫親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー(すなわち、ゲル濾過)、または他の適切なクロマトグラフ工程を含むクロマトグラフ工程により、H因子組成物をさらに富化し得る。クロマトグラフ工程はバッチモードで実施してもよいしカラムモードで実施してもよい。
好ましい実施形態では、本方法は、陰イオン交換クロマトグラフィーおよびヘパリン親和性クロマトグラフィーの使用を含む。
ある実施形態では、本明細書に提供する富化H因子組成物の調製のための方法は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは少なくとも3つのウイルス不活性化または除去工程をさらに含む。本明細書に提供する方法と適用し得るウイルス不活性化または除去工程の例としては、溶媒清浄処理(Horowitz et al., Blood Coagul Fibrinolysis 1994 (5 Suppl 3):S21−S28 and Kreil et al., Transfusion 2003 (43):1023−1028、これらは共に、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に明確に組み込まれる)、ナノ濾過(Hamamoto et al., Vox Sang 1989 (56)230−236 and Yuasa et al., J Gen Virol. 1991 (72 (pt 8)):2021−2024、これらは共に、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に明確に組み込まれる)、低pHインキュベーション、高温(Kempf et al., Transfusion 1991 (31)423−427 and Louie et al., Biologicals 1994 (22):13−19)、および凍結乾燥H因子組成物の熱処理(Piszkiewicz et al., Thromb Res. 1987 Jul 15;47(2):235−41; Piszkiewicz et al., Curr Stud Hematol Blood Transfus. 1989;(56):44−54; Epstein and Fricke, Arch Pathol Lab Med. 1990 Mar;114(3):335−40)が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい実施形態では、本発明は、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量が低下したウイルス的に安全な富化H因子組成物の調製法を提供し、(i)SiO2を使用して画分II+III濾過ケーキからH因子を抽出する工程、(ii)第1沈降工程を実施して、H因子組成物から少なくとも1種の不純物を沈降させること、(iii)第2沈降工程を実施して、組成物からH因子を沈降させる工程、ならびに(iv)ウイルス不活性化もしくは除去工程の少なくとも1つを実施し、それにより、ウイルス的に安全な富化H因子組成物を調製する工程を含む。1つの実施形態では、沈降工程は、PEG沈降を含む。具体的な実施形態では、第1および第2沈降工程のPEG濃度は、表16に列挙するバリエーションVar.1101およびVar.1221から選択される。
2.共結合および差次的溶出
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、タンパク質を微細二酸化シリコン(SiO2)に結合させることにより、血漿プール由来の組成物からH因子とセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンとを共抽出する工程、第1溶液条件下でSiO2からセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程、続いて、第2溶液条件下でH因子をSiO2から溶出する工程を含む。好ましい実施形態では、出発組成物は、再懸濁画分II+III沈降物またはその等価沈降物である。
具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;(c)H因子が結合し続ける溶液条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに(d)H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
ある実施形態では、H因子が結合し続ける溶液条件とは、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを選択的に溶出しつつ、H因子の実質的な画分が、SiO2に結合し続ける条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合するH因子の少なくとも10%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合するH因子の少なくとも25%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合するH因子の少なくとも50%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合するH因子の少なくとも75%を指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合するH因子の少なくとも10%、または少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%超のSiO2に結合するH因子を指す。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンならびにH因子の差次的溶出は、大部分のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは溶出するが、結合H因子の実質的な画分は溶出しない条件に適した第1溶液条件(例えば、第1溶出緩衝液)、およびSiO2からの結合H因子の実質的な画分の溶出に適した第2溶液条件(例えば、第2溶出緩衝液)下でSiO2と継続的に接触させること(すなわち、段階的溶出)により達成される。
他の実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンならびにH因子の差次的溶出は、大部分のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは溶出するが、結合H因子の実質的な画分は溶出しない条件に適した第1溶液条件から、SiO2からの結合H因子の実質的な画分の溶出に適した第2溶液条件に溶液条件を徐々に変化させること(すなわち、勾配溶出)により達成される。このようにして、SiO2流出のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンならびにH因子含量は部分的に重複し得る。溶出分別および個々の分別の特性化により、H因子プールは、H因子含量が高くかつセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量が低い画分から作製し得る。
上記方法から所望の成果を得るために変更し得る溶液条件としては、溶液pH、溶液の伝導度、溶液の温度、組成物中のH因子濃度、および本方法に使用されるSiO2濃度が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、H因子富化組成物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量の低減法に適したpH範囲は、約3〜約11の範囲である。上記方法に適した伝導度は、約0.1mS/cm〜約100mS/cmの範囲である。上記方法の実施に適した温度は、約−10℃〜約90℃の範囲である。微細二酸化シリコンは約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質の範囲の最終濃度で使用し得る。最終的に、H因子組成物は、約0.001mg/mL〜約100mg/mLの濃度で変更し得る。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約5.0〜約11.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは約6.0〜約1.0である。別の実施形態では、pHは約7.0〜約9.0である。別の実施形態では、pHは約7.5〜約8.5である。さらに別の実施形態では、pHは約7.0〜約8.0である。
特定の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、pH約7.0を含む。別の具体的な実施形態では、pHは約7.5である。別の実施形態では、pHは約8.0である。さらに他の実施形態では、pHは約3.0または約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、もしくは約11.0である。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、少なくとも6.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは少なくとも6.5である。別の実施形態では、pHは少なくとも7.0である。さらに別の実施形態では、pHは少なくとも7.5である。さらに他の実施形態では、溶液pHは少なくとも3.0または少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5、少なくとも6.0、少なくとも6.5、少なくとも7.0、少なくとも7.5、少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、少なくとも10.0、少なくとも10.5、もしくは10.5超である。
任意の上記方法の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、pHは約10.0以下である。別の実施形態では、pHは約9.0以下である。別の実施形態では、pHは約8.0以下である。さらに他の実施形態では、pHは約11.0以下、または10.5以下、10.0以下、9.5以下、9.0以下、8.5以下、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、または3.5未満である。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、少なくとも10mS/cmの伝導度を含む。別の実施形態では、伝導度は、少なくとも20mS/cmである。さらに他の実施形態では、溶液条件の伝導度は、少なくとも2mS/cm、または少なくとも3mS/cm、4mS/cm、5mS/cm、6mS/cm、7mS/cm、8mS/cm、9mS/cm、10mS/cm、11mS/cm、12mS/cm、13mS/cm、14mS/cm、15mS/cm、16mS/cm、17mS/cm、18mS/cm、19mS/cm、20mS/cm、21mS/cm、22mS/cm、23mS/cm、24mS/cm、25mS/cm、26mS/cm、27mS/cm、28mS/cm、29mS/cm、30mS/cm、31mS/cm、32mS/cm、33mS/cm、34mS/cm、35mS/cm、36mS/cm、37mS/cm、38mS/cm、39mS/cm、40mS/cm、41mS/cm、42mS/cm、43mS/cm、44mS/cm、45mS/cm、46mS/cm、47mS/cm、48mS/cm、49mS/cm、50mS/cm、55mS/cm、60mS/cm、65mS/cm、70mS/cm、75mS/cm、80mS/cm、85mS/cm、90mS/cm、95mS/cm、100mS/cm、もしくは100mS/cm超である。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約10mS/cm〜約100mS/cmの伝導度を含む。別の実施形態では、約10mS/cm〜約50mS/cmの伝導度である。別の実施形態では、約20mS/cm〜約100mS/cmの伝導度である。さらに別の実施形態では、約20mS/cm〜約50mS/cmの伝導度である。
実施例5に示し図3に例証するように、pH6.0超(例えば、7.5)および増大した伝導度(例えば、6.0mS/cm超)を有する溶液条件の使用は、SiO2からのセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲン溶出を増大し、SiO2からのH因子溶出を低減することが見出された。有利には、これらの所見を使用して、H因子組成物に存在するセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンレベルを低減する方法を提供することができる。上記方法の特定の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、少なくとも約10mS/cmの伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。別の特定の実施形態では、溶液条件は、少なくとも10mS/cmの伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、少なくとも20mS/cmの伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。さらに別の実施形態では、溶液条件は、少なくとも20mS/cmの伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。
3.共結合および選択的H因子溶出
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、タンパク質を微細二酸化シリコン(SiO2)に結合させることにより、血漿プール由来の組成物からH因子とセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンとを共抽出する工程、結合したセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO2に結合し続ける条件下で、H因子をSiO2から溶出する工程を含む。好ましい実施形態では、出発組成物は、再懸濁画分II+III沈降物またはその等価沈降物である。
具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子およびセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件下で、H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件とは、H因子を選択的に溶出しつつ、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分はSiO2に結合し続ける条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも10%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも25%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも50%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも75%を指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも10%、またはSiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは99%超を指す。
上記方法から所望の成果を得るために変更し得る溶液条件としては、溶液pH、溶液の伝導度、溶液の温度、組成物中のH因子濃度、および本方法に使用されるSiO2濃度が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、H因子富化組成物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量の低減法に適したpH範囲は、約3〜約11の範囲である。上記方法に適した伝導度は、約0.1mS/cm〜約100mS/cmの範囲である。上記方法の実施に適した温度は、約−10℃〜約90℃の範囲である。微細二酸化シリコンは約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質の範囲の最終濃度で使用し得る。最終的に、H因子組成物は、約0.001mg/mL〜約100mg/mLの濃度で変更し得る。
1つの実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約5.0〜約11.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは約6.0〜約1.0である。別の実施形態では、pHは約7.0〜約9.0である。別の実施形態では、pHは約7.5〜約8.5である。さらに別の実施形態では、pHは約7.0〜約8.0である。
特定の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分が結合し続ける溶液条件は、pH約7.0を含む。別の具体的な実施形態では、pHは約7.5である。別の実施形態では、pHは約8.0である。さらに他の実施形態では、pHは約3.0または約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、もしくは約11.0である。
1つの実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分が結合し続ける溶液条件は、少なくとも6.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは少なくとも6.5である。別の実施形態では、pHは少なくとも7.0である。さらに別の実施形態では、pHは少なくとも7.5である。さらに他の実施形態では、溶液pHは少なくとも3.0または少なくとも3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、または10.5超である。
任意の上記方法の別の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、pHは約10.0以下である。別の実施形態では、pHは約9.0以下である。別の実施形態では、pHは約8.0以下である。さらに他の実施形態では、pHは約11.0以下、または10.5、10.0、9.5、9.0、8.5、8.0、7.5、7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、4.5、4.0、3.5、もしくは3.5未満である。
1つの実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約20mS/cm以下の伝導度を含む。別の実施形態では、伝導度は、約10mS/cm以下である。さらに他の実施形態では、溶液条件の伝導度は、約20mS/cm以下、または約19mS/cm以下、18mS/cm以下、17mS/cm以下、16mS/cm以下、15mS/cm以下、14mS/cm以下、13mS/cm以下、12mS/cm以下、11mS/cm以下、10mS/cm以下、9mS/cm以下、8mS/cm以下、7mS/cm以下、6mS/cm以下、5mS/cm以下、4mS/cm以下、3mS/cm以下、2mS/cm以下、または2mS/cm未満である。
1つの実施形態では、溶液条件は、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2から溶出されかつH因子の著しい画分が結合し続ける溶液条件は、約2mS/cm〜約20mS/cmの伝導度を含む。別の実施形態では、伝導度は約2mS/cm〜約10mS/cmである。別の実施形態では、伝導度は約20mS/cm〜約6mS/cmである。さらに別の実施形態では、伝導度は約10mS/cm〜約6mS/cmである。
実施例5に示し図3に例証するように、pH6.0超(例えば、7.5)および低下した伝導度(例えば、20mS/cm未満)を有する溶液条件の使用は、SiO2からのH因子溶出を増大し、SiO2からのセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲン溶出を低減することが見出された。有利には、これらの所見を使用して、H因子組成物に存在するセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンレベルを低減する方法を提供することができる。上記方法の特定の実施形態では、H因子がSiO2から溶出されかつセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分が結合し続ける溶液条件は、伝導度約20mS/cm以下および少なくとも7.0のpHを含む。別の特定の実施形態では、溶液条件は、約10mS/cm以下の伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、約10mS/cm〜約2mS/cmの伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。さらに別の実施形態では、溶液条件は、約10mS/cm〜約2mS/cmの伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。
4.H因子の選択的結合
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子に結合するがセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離すること;ならびに(c)H因子をSiO2から溶出する工程を含む。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2に結合しない溶液条件とは、H因子をSiO2へ選択的に結合させつつ、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分は、溶液中で非結合を保つ条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも10%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも25%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも50%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも75%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも10%のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲン、または出発組成物中の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは99%超のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。
上記方法から所望の成果を得るために変更し得る溶液条件としては、溶液pH、溶液の伝導度、溶液の温度、組成物中のH因子濃度、および本方法に使用されるSiO2濃度が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、H因子富化組成物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量の低減法に適したpH範囲は、約3〜約11の範囲である。上記方法に適した伝導度は、約0.1mS/cm〜約100mS/cmの範囲である。上記方法の実施に適した温度は、約−10℃〜約90℃の範囲である。微細二酸化シリコンは約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質の範囲の最終濃度で使用し得る。最終的に、H因子組成物は、約0.001mg/mL〜約100mg/mLの濃度で変更し得る。
1つの実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、約5.0〜約11.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは約6.0〜約1.0である。別の実施形態では、pHは約7.0〜約9.0である。別の実施形態では、pHは約7.5〜約8.5である。さらに別の実施形態では、pHは約7.0〜約8.0である。
特定の実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、pH約7.0を含む。別の具体的な実施形態では、pHは約7.5である。別の実施形態では、pHは約8.0である。さらに他の実施形態では、pHは約3.0または約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、もしくは約11.0である。
1つの実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、少なくとも6.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは少なくとも6.5である。別の実施形態では、pHは少なくとも7.0である。さらに別の実施形態では、pHは少なくとも7.5である。さらに他の実施形態では、溶液pHは少なくとも3.0または少なくとも3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、または10.5超である。
任意の上記方法の別の実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、約11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、pHは約10.0以下である。別の実施形態では、pHは約9.0以下である。別の実施形態では、pHは約8.0以下である。さらに他の実施形態では、pHは約11.0以下、または約10.5以下、約10.0以下、約9.5以下、約9.0以下、約8.5以下、約8.0以下、約7.5以下、約7.0以下、約6.5以下、約6.0以下、約5.5以下、約5.0以下、約4.5以下、約4.0以下、約3.5以下、または3.5未満である。
1つの実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、少なくとも10mS/cmの伝導度を含む。別の実施形態では、伝導度は、少なくとも20mS/cmである。さらに他の実施形態では、溶液条件の伝導度は、少なくとも2mS/cm、または少なくとも3mS/cm、4mS/cm、5mS/cm、6mS/cm、7mS/cm、8mS/cm、9mS/cm、10mS/cm、11mS/cm、12mS/cm、13mS/cm、14mS/cm、15mS/cm、16mS/cm、17mS/cm、18mS/cm、19mS/cm、20mS/cm、21mS/cm、22mS/cm、23mS/cm、24mS/cm、25mS/cm、26mS/cm、27mS/cm、28mS/cm、29mS/cm、30mS/cm、31mS/cm、32mS/cm、33mS/cm、34mS/cm、35mS/cm、36mS/cm、37mS/cm、38mS/cm、39mS/cm、40mS/cm、41mS/cm、42mS/cm、43mS/cm、44mS/cm、45mS/cm、46mS/cm、47mS/cm、48mS/cm、49mS/cm、50mS/cm、55mS/cm、60mS/cm、65mS/cm、70mS/cm、75mS/cm、80mS/cm、85mS/cm、90mS/cm、95mS/cm、100mS/cm、もしくは100mS/cm超である。
1つの実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、約10mS/cm〜約100mS/cmの伝導度を含む。別の実施形態では、約10mS/cm〜約50mS/cmの伝導度である。別の実施形態では、約20mS/cm〜約100mS/cmの伝導度である。さらに別の実施形態では、約20mS/cm〜約50mS/cmの伝導度である。
実施例5に示し図3に例証するように、pH6.0超(例えば、7.5)および増大した伝導度(例えば、6.0mS/cm超)を有する溶液条件の使用は、SiO2に対するセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの親和性を低減し、SiO2に対するH因子の親和性を増大することが見出された。有利には、これらの所見を使用して、H因子組成物に存在するセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンレベルを低減する方法を提供することができる。上記方法の特定の実施形態では、H因子はSiO2に結合し、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの著しい画分は結合しない溶液条件は、少なくとも約10mS/cmの伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。別の特定の実施形態では、溶液条件は、少なくとも10mS/cmの伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、少なくとも20mS/cmの伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。さらに別の実施形態では、溶液条件は、少なくとも20mS/cmの伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。
5.セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの選択的結合
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンには結合するが、H因子には結合しないために適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む組成物を、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離する工程を含む。
ある実施形態では、H因子がSiO2に結合しない溶液条件とは、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンをSiO2へ選択的に結合させつつ、H因子の実質的な画分が、溶液中で非結合を保つ条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中少なくとも10%のH因子を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中少なくとも25%のH因子を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中少なくとも50%のH因子を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中少なくとも75%のH因子を指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中少なくとも10%のH因子、または少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%超の出発組成物中のH因子を指す。
上記方法から所望の成果を得るために変更し得る溶液条件としては、溶液pH、溶液の伝導度、溶液の温度、組成物中のH因子濃度、および本方法に使用されるSiO2濃度が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、H因子富化組成物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量の低減法に適したpH範囲は、約3〜約11の範囲である。上記方法に適した伝導度は、約0.1mS/cm〜約100mS/cmの範囲である。上記方法の実施に適した温度は、約−10℃〜約90℃の範囲である。微細二酸化シリコンは約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質の範囲の最終濃度で使用し得る。最終的に、H因子組成物は、約0.001mg/mL〜約100mg/mLの濃度で変更し得る。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、約5.0〜約11.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは約6.0〜約1.0である。別の実施形態では、pHは約7.0〜約9.0である。別の実施形態では、pHは約7.5〜約8.5である。さらに別の実施形態では、pHは約7.0〜約8.0である。
特定の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、pH約7.0を含む。別の具体的な実施形態では、pHは約7.5である。別の実施形態では、pHは約8.0である。さらに他の実施形態では、pHは約3.0または約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10.0、約10.1、約10.2、約10.3、約10.4、約10.5、約10.6、約10.7、約10.8、約10.9、もしくは約11.0である。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、少なくとも6.0のpHを含む。別の実施形態では、pHは少なくとも6.5である。別の実施形態では、pHは少なくとも7.0である。さらに別の実施形態では、pHは少なくとも7.5である。さらに他の実施形態では、溶液pHは少なくとも3.0または少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5、少なくとも6.0、少なくとも6.5、少なくとも7.0、少なくとも7.5、少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、少なくとも10.0、少なくとも10.5、または10.5超である。
任意の上記方法の別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、約11.0以下のpHを含む。別の実施形態では、pHは約10.0以下である。別の実施形態では、pHは約9.0以下である。別の実施形態では、pHは約8.0以下である。さらに他の実施形態では、pHは約11.0以下、または約10.5以下、約10.0以下、約9.5以下、約9.0以下、約8.5以下、約8.0以下、約7.5以下、約7.0以下、約6.5以下、約6.0以下、約5.5以下、約5.0以下、約4.5以下、約4.0以下、約3.5以下、または約3.5未満である。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、約20mS/cm以下の伝導度を含む。別の実施形態では、伝導度は、約10mS/cm以下である。さらに他の実施形態では、溶液条件の伝導度は、約20mS/cm以下、または約19mS/cm以下、18mS/cm以下、17mS/cm以下、16mS/cm以下、15mS/cm以下、14mS/cm以下、13mS/cm以下、12mS/cm以下、11mS/cm以下、10mS/cm以下、9mS/cm以下、8mS/cm以下、7mS/cm以下、6mS/cm以下、5mS/cm以下、4mS/cm以下、3mS/cm以下、2mS/cm以下、または2mS/cm未満である。
1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、約2mS/cm〜約20mS/cmの伝導度を含む。別の実施形態では、伝導度は約2mS/cm〜約10mS/cmである。別の実施形態では、伝導度は約20mS/cm〜約6mS/cmである。さらに別の実施形態では、伝導度は約10mS/cm〜約6mS/cmである。
実施例5に示し図3に例証するように、pH6.0超(例えば、7.5)および低下した伝導度(例えば、20mS/cm未満)を有する溶液条件の使用は、SiO2に対するH因子の親和性を増大し、SiO2からのセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの親和性を低減することが見出された。有利には、これらの所見を使用して、H因子組成物に存在するセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンレベルを低減する方法を提供することができる。上記方法の特定の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンはSiO2に結合するが、H因子の著しい画分は結合しない溶液条件は、約20mS/cm以下の伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。別の特定の実施形態では、溶液条件は、約10mS/cm以下の伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。別の実施形態では、溶液条件は、約10mS/cm〜約2mS/cmの伝導度および少なくとも7.0のpHを含む。さらに別の実施形態では、溶液条件は、約10mS/cm〜約2mS/cmの伝導度および少なくとも7.5のpHを含む。
6.血漿沈降物からのH因子の抽出方法
1つの態様では、本発明は、H因子組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、ならびに(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でSiO2からH因子を溶出し、それにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。
ある実施形態では、上記方法は、富化H因子組成物から少なくとも1種の不純物を沈降させる工程を含む富化工程をさらに含み、ここでH因子は共沈降しない。具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程、ならびに(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させ、H因子は沈降させないことにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。1つの実施形態では、不純物沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、不純物PEG沈降が最終濃度3%〜7%のPEG4000を用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、不純物沈降工程のPEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。
ある実施形態では、上記方法は、富化H因子組成物からH因子を沈降させる工程を含む富化工程をさらに含む。具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程、(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させて、H因子を含む上清を形成する工程、ならびに(e)上清からH因子を沈降させることにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。1つの実施形態では、不純物沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、不純物PEG沈降が最終濃度3%〜7%のPEG4000を用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、不純物沈降工程のPEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。1つの実施形態では、H因子沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、HPEG因子沈降は、PEG4000を最終濃度10%〜15%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、H因子沈降工程中、12±0.5%である。
ある実施形態では、上記方法は、富化H因子組成物を用いたイオン交換クロマトグラフィーを実施する工程を含む富化工程をさらに含む。具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程、(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させて、H因子を含む上清を形成する工程、(e)上清からH因子を沈降させる工程、(f)H因子を含む沈降物を再懸濁化する工程、(g)再懸濁沈降物に存在するH因子を陰イオン交換樹脂に結合させる工程、ならびに(h)陰イオン交換樹脂からH因子を溶出し、それにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。1つの実施形態では、不純物沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、不純物PEG沈降は、PEG4000を最終濃度3%〜7%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、不純物沈降工程のPEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。1つの実施形態では、H因子沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、HPEG因子沈降は、PEG4000を最終濃度10%〜15%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、H因子沈降工程中、12±0.5%である。
ある実施形態では、上記方法は、富化H因子組成物を用いたヘパリン親和性クロマトグラフィーを実施する工程を含む富化工程をさらに含む。具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程、(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させて、H因子を含む上清を形成する工程、(e)上清からH因子を沈降させる工程、(f)H因子を含む沈降物を再懸濁化する工程、(g)再懸濁沈降物に存在するH因子を陰イオン交換樹脂に結合させる工程、(h)陰イオン交換樹脂からH因子を溶出する工程、(i)陰イオン交換溶出物に存在するH因子をヘパリン親和性樹脂に結合させる工程、ならびに(j)ヘパリン親和性樹脂からH因子を溶出し、それにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。1つの実施形態では、不純物沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、不純物PEG沈降が最終濃度3%〜7%のPEG4000を用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、不純物沈降工程のPEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。1つの実施形態では、H因子沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、HPEG因子沈降は、PEG4000を最終濃度10%〜15%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、H因子沈降工程中、12±0.5%である。
ある実施形態では、上記方法は、H因子組成物を特定の目的のためのウイルス除去および/または不活性化工程に供する工程をさらに含む。具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程、(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させて、H因子を含む上清を形成する工程、(e)上清からH因子を沈降させる工程、(f)H因子を含む沈降物を再懸濁化する工程、(g)再懸濁沈降物に存在するH因子を陰イオン交換樹脂に結合させる工程、(h)陰イオン交換樹脂からH因子を溶出する工程、(i)陰イオン交換溶出物に存在するH因子をヘパリン親和性樹脂に結合させる工程、(j)ヘパリン親和性樹脂からH因子を溶出する工程、ならびに(k)ナノ濾過、溶媒/清浄液(S/D)処理、熱処理、および低pHでのインキュベーションから選択される特定の目的のためのウイルスの除去および/もしくは不活性化工程を実施し、それにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。1つの実施形態では、不純物沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、不純物PEG沈降が最終濃度3%〜7%のPEG4000を用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、不純物沈降工程のPEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。1つの実施形態では、H因子沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、HPEG因子沈降は、PEG4000を最終濃度10%〜15%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、H因子沈降工程中、12±0.5%である。
ある実施形態では、上記方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーションによる富化H因子組成物の濃縮工程をさらに含む。具体的な実施形態では、本方法は、(a)H因子への結合に適した条件下で、H因子とセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種とを含む懸濁血漿沈降組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、(b)5.0〜7.0のpHおよび4mS/cm未満の伝導度を含む溶液でSiO2を洗浄する工程、(c)7.0〜8.0のpHおよび10mS/cm超の伝導度を含む溶液でH因子をSiO2から溶出する工程、(d)H因子溶出物から少なくとも1種の不純物を沈降させて、H因子を含む上清を形成する工程、(e)上清からH因子を沈降させる工程、(f)H因子を含む沈降物を再懸濁化する工程、(g)再懸濁沈降物に存在するH因子を陰イオン交換樹脂に結合させる工程、(h)陰イオン交換樹脂からH因子を溶出する工程、(i)陰イオン交換溶出物に存在するH因子をヘパリン親和性樹脂に結合させる工程、(j)ヘパリン親和性樹脂からH因子を溶出する工程、(k)ナノ濾過、溶媒/清浄液(S/D)処理、熱処理、および低pHでのインキュベーションから選択される特定の目的のためのウイルスの除去および/もしくは不活性化工程を実施する工程、ならびに(l)限外濾過/ダイアフィルトレーションによりH因子を濃縮し、それにより、富化H因子組成物を提供する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、FXI、FXIa、FXII、およびFXIIaの1つまたは複数である。ある実施形態では、血漿沈降物は、コーン画分I沈降物、コーン画分II+III沈降物、コーン画分I+II+III沈降物、キストラー/ニッチェマン沈降物A、キストラー/ニッチェマン沈降物B、またはその等価画分である。1つの実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは5.5〜6.5を含む。具体的な実施形態では、SiO2を洗浄するために使用される溶液のpHは6.0±0.2を含む。1つの実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は少なくとも20mS/cmを含む。具体的な実施形態では、H因子を溶出するために使用される溶液の伝導度は25mS/cm〜40mS/cmを含む。1つの実施形態では、不純物沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、不純物PEG沈降は、PEG4000を最終濃度3%〜7%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、不純物沈降工程のPEG4000の最終濃度は、5±0.5%である。1つの実施形態では、H因子沈降工程は、PEG沈降である。具体的な実施形態では、HPEG因子沈降は、PEG4000を最終濃度10%〜15%で用いた沈降を含む。より具体的な実施形態では、PEG4000の最終濃度は、H因子沈降工程中、12±0.5%である。
C.インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来IαI組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。1つの具体的な実施形態では、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、IαI組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)SiO2をIαI組成物から分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
1つの実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1IαIタンパク質富化工程を実施し、第1富化IαI組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1IαIタンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2IαIタンパク質富化工程を実施し、第2富化IαI組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1IαIタンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来IαI組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1IαI富化工程を実施して、第1富化血漿由来IαI組成物を形成する工程;(b)第2IαI富化工程を実施して、第2富化血漿由来IαI組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させた後にIαI富化工程を実施する工程をさらに含む。ある実施形態では、IαI富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来IαI組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1IαI富化工程を実施して、第1富化血漿由来IαI組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(d)第2IαI富化工程を実施して、第2富化血漿由来IαI組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
同様に、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来IαI組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1IαI富化工程を実施して、第1富化血漿由来IαI組成物を形成する工程;(b)第2IαI富化工程を実施して、第2富化血漿由来IαI組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(e)第3IαI富化工程を実施して、第3富化血漿由来IαI組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8、表9、表10、または表11に見られるバリエーションVar.101〜Var.1100の任意の1つから選択される。
1.共結合および差次的溶出
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来IαI組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、タンパク質を微細二酸化シリコン(SiO2)に結合させることにより、血漿プール由来の組成物からIαIならびにセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを共抽出する工程、第1溶液条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程、続いて、第2溶液条件下で、SiO2からIαIを溶出する工程を含む。好ましい実施形態では、出発組成物は、再懸濁画分II+III沈降物またはその等価沈降物である。
具体的な実施形態では、本方法は、(a)IαIならびにセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、IαIならびにセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種を含む組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;(c)IαIが結合し続ける溶液条件下で、SiO2からセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを溶出する工程;ならびに(d)SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
ある実施形態では、IαIが結合し続ける溶液条件とは、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを選択的に溶出しつつ、IαIの実質的な画分はSiO2に結合し続ける条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したIαIの少なくとも10%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したIαIの少なくとも25%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したIαIの少なくとも50%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したIαIの少なくとも75%を指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したIαIの少なくとも10%、またはSiO2に結合したIαIの少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%超を指す。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンならびにIαIの差次的溶出は、大部分のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは溶出するが結合IαIの実質的な画分は溶出しない条件に適した第1溶液条件(例えば、第1溶出緩衝液)、ならびにSiO2からの結合IαIの実質的な画分の溶出に適した第2溶液条件(例えば、第2溶出緩衝液)でSiO2と継続的に接触させること(すなわち、段階的溶出)により達成される。
他の実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンならびにIαIの差次的溶出は、大部分のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは溶出するが、IαIの実質的な画分は溶出しない条件に適した第1溶液条件から、SiO2からの結合IαIの実質的な画分の溶出に適した第2溶液条件に溶液条件を徐々に変化させること(すなわち、勾配溶出)により達成される。このようにして、SiO2流出のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンならびにIαI含量は部分的に重複し得る。溶出分別および個々の画分の特性化により、IαIプールは、IαI含量が高くかつセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの含量が低い画分から作製し得る。
2.IαIの共結合および選択的溶出
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来IαI組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、タンパク質を微細二酸化シリコン(SiO2)に結合させて、結合したセリンプロテアーゼチモーゲンおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分結合がSiO2に結合し続ける条件下で、SiO2からIαIを溶出することにより、血漿プール由来の組成物からIαIならびにセリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを共抽出する工程を含む。好ましい実施形態では、出発組成物は、再懸濁画分II+III沈降物またはその等価沈降物である。
具体的な実施形態では、本方法は、(a)IαIならびにセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、IαIならびにセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種を含む組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件下で、SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンが結合し続ける溶液条件とは、IαIを選択的に溶出しつつ、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分はSiO2に結合し続ける条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも10%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも25%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも50%を指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも75%を指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、SiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも10%、またはSiO2に結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは99%超を指す。
3.IαIの選択的結合
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来IαI組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)IαIには結合するが、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種には結合しないために適した条件下で、IαIならびにセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種を含む組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(b)組成物からSiO2を分離する工程;ならびに(c)SiO2からIαIを溶出する工程を含む。
ある実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2に結合しない溶液条件とは、IαIをSiO2へ選択的に結合させつつ、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分は、溶液中で非結合を保つ条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも10%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも25%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも50%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも75%のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも10%のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲン、または出発組成物中の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは99%超のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを指す。
4.セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの選択的結合
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量が低下した血漿由来IαI組成物の調製のための方法を提供し、本方法は、(a)セリンプロテアーゼおよび/もしくはセリンプロテアーゼチモーゲンには結合するが、IαIには結合しないために適した条件下で、IαIならびにセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種を含む組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離する工程を含む。
ある実施形態では、IαIがSiO2に結合しない溶液条件とは、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンをSiO2へ選択的に結合させつつ、IαIの実質的な画分は、溶液中で非結合を保つ条件を指す。1つの実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも10%のIαIを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも25%のIαIを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも50%のIαIを指す。別の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも75%のIαIを指す。さらに他の実施形態では、実質的な画分とは、出発組成物中の少なくとも10%のIαI、または出発組成物中の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは99%超のIαIを指す。
D.α−1−抗トリプシン(A1PI)
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来α−1−抗トリプシン(A1PI)組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。1つの具体的な実施形態では、本方法は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、A1PI組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)A1PI組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。
1つの実施形態では、本方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1A1PIタンパク質富化工程を実施して、第1富化A1PI組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1A1PIタンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2A1PIタンパク質富化工程を実施して、第2富化A1PI組成物を形成する工程をさらに含む。ある実施形態では、第1A1PIタンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来A1PI組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1A1PI富化工程を実施して、第1富化血漿由来A1PI組成物を形成する工程;(b)第2A1PI富化工程を実施して、第2富化血漿由来A1PI組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
ある実施形態では、上記方法は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、A1PI富化工程を実施する工程をさらに含む。ある実施形態では、A1PI富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来A1PI組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1A1PI富化工程を実施して、第1富化血漿由来A1PI組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(d)第2A1PI富化工程を実施して、第2富化血漿由来A1PI組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。
同様に、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来A1PI組成物中のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、(a)第1A1PI富化工程を実施して、第1富化血漿由来A1PI組成物を形成する工程;(b)第2A1PI富化工程を実施して、第2富化血漿由来Ig組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(e)第3A1PI富化工程を実施して、第3富化血漿由来A1PI組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンは、第XIa因子(FXIa)、第XIIa因子(FXIIa)、第XI因子(FXI)、および/または第XII因子(FXII)である。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8、表9、表10、または表11に見られるバリエーションVar.101〜Var.1100の任意の1つから選択される。
特定の実施形態では、A1PI組成物は、製造中間体である。例えば、ある実施形態では、A1PI組成物は、Cohn分画法からの製造中間体(J. Am. Chem. Soc., 1946, 68(3): 459−475; J. Am. Chem. Soc. 72:465−474 (1950))、Oncley分画法(J. Am. Chem. Soc., 1949, 71(2): 541−550)、Kistler/Nitschmann分画法(Vox Sang. 7:414−424 (1962))、米国特許第6,974,792号もしくは同第7,807,435号に開示の精製法、それらの変法、ならびに当技術分野において既知である類似もしくは同等の精製法である。上記の参考文献は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
例えば、いくつかのA1PI産生法は、ポリエチレングリコール4000だけではなく、様々な血漿画分プロセス(コーン画分IV−1沈降またはキストラー(Kistler)およびニッチェマン上清AもしくはA+1)(Feldman and Winkelman, Blood Separation and Plasma Fractionation (1991), Wiley−Liss, Inc., pp. 341−383)を用いた血漿の分別沈降も知られている。より複雑な精製では、例えば、親和性クロマトグラフ物質または陽イオン交換クロマトグラフ物質により処理した(欧州特許第0 698 615 A1号)DEAEセルロースを用いて各血液画分が精製されている(Basis et al. (Vopr. Med. Khim. 33 (1) (1987), 54−59))。米国特許第6,974,792号には、コーン画分V沈降物を利用する高度の特異的活性のA1PIを得る精製プロセスについて記載されている。米国特許第7,807,435号には、コーン画分IV−1および/または画分IV−4沈降物を利用する、より高収率のA1PIを得る精製プロセスについて記載されている。
1つの特定の実施形態では、A1PI組成物は、脱寒冷コーンプールである。別の特定の実施形態では、A1PI組成物は、再懸濁コーン画分V沈降物またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、A1PI組成物は、再懸濁コーン画分IV−1沈降物、またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、A1PI組成物は、再懸濁コーン画分IV−4沈降物、またはその等価画分である。別の特定の実施形態では、A1PI組成物は、キストラー/ニッチェマン上清A、またはその等価画分である。
一般に、A1PI組成物からのセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲン除去は、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンがSiO2に結合するpHおよび伝導度の溶液条件下で微細二酸化シリコン(SiO2)を用いたA1PI含有組成物を処理することにより達成できる。
1つの実施形態では、プロセスは、A1PIを含む血漿沈降物の濾過または遠心清澄前にヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。1つの実施形態では、SiO2処理工程は、微細二酸化シリコン粒子(例えば、ヒュームドシリカ、アエロジル(登録商標))の添加、その後の懸濁液を定期的に混合中の40分〜16時間のインキュベーション時間を含む。ある実施形態では、インキュベーション時間は、約50分〜約70分間、または約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、もしくは約80分間超である。他の実施形態では、インキュベーション時間は、少なくとも1時間、または少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、もしくは16時間超である。特定の実施形態では、インキュベーション時間は、少なくとも15時間である。一般に、処理は、約0℃〜約25℃、または約2℃〜約8℃で実施する。ある実施形態では、処理は、約0℃、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、約5℃、約6℃、約7℃、約8℃、約9℃、約10℃、約11℃、約12℃、約13℃、約14℃、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、または約25℃で実施し得る。特定の実施形態では、処理は、約2℃〜約25℃で実施する。具体的な実施形態では、プロセスは、免疫グロブリン調製物中のFXI、FXIa、FXII、およびFXIIaレベルを低減するヒュームドシリカ処理を含むことにより改善される。
ある実施形態では、ヒュームドシリカは、約20g/kg沈降物〜約100g/kg沈降物の濃度で添加する。ある実施形態では、ヒュームドシリカは約20g/kg沈降物、または約25g/kg沈降物、約30g/kg沈降物、約35g/kg沈降物、約40g/kg沈降物、約45g/kg沈降物、約50g/kg沈降物、約55g/kg沈降物、約60g/kg沈降物、約65g/kg沈降物、約70g/kg沈降物、約75g/kg沈降物、約80g/kg沈降物、約85g/kg沈降物、約90g/kg沈降物、約95g/kg沈降物、もしくは約100g/kg沈降物の濃度で添加し得る。1つの具体的な実施形態では、ヒュームドシリカ(例えば、アエロジル380または等価物)は、最終濃度約40g/kg沈降物になるように沈降物再懸濁液に添加する。
ある実施形態では、SiO2は、約0.01g/gタンパク質〜約10g/gタンパク質濃度でA1PI組成物に添加する。別の実施形態では、SiO2は、約0.01g/gタンパク質〜約5g/gタンパク質濃度でA1PI組成物に添加する。別の実施形態では、SiO2は、約0.02g/gタンパク質〜約4g/gタンパク質濃度でA1PI組成物に添加する。1つの実施形態では、SiO2は、最終濃度少なくとも0.1g/g総タンパク質でA1PI組成物に添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも0.25g/g総タンパク質濃度で添加する。他の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも1g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2g/g総タンパク質濃度で添加する。別の具体的な実施形態では、ヒュームドシリカは、少なくとも2.5g/g総タンパク質濃度で添加する。さらに他の具体的な実施形態では、微細二酸化シリコンは、少なくとも0.01g/g総タンパク質または少なくとも0.02g/g総タンパク質、少なくとも0.03g/g総タンパク質、少なくとも0.04g/g総タンパク質、少なくとも0.05g/g総タンパク質、少なくとも0.06g/g総タンパク質、少なくとも0.07g/g総タンパク質、少なくとも0.08g/g総タンパク質、少なくとも0.09g/g総タンパク質、少なくとも0.1g/g総タンパク質、少なくとも0.2g/g総タンパク質、少なくとも0.3g/g総タンパク質、少なくとも0.4g/g総タンパク質、少なくとも0.5g/g総タンパク質、少なくとも0.6g/g総タンパク質、少なくとも0.7g/g総タンパク質、少なくとも0.8g/g総タンパク質、少なくとも0.9g/g総タンパク質、少なくとも1.0g/g総タンパク質、少なくとも1.5g/g総タンパク質、少なくとも2.0g/g総タンパク質、少なくとも2.5g/g総タンパク質、少なくとも3.0g/g総タンパク質、少なくとも3.5g/g総タンパク質、少なくとも4.0g/g総タンパク質、少なくとも4.5g/g総タンパク質、少なくとも5.0g/g総タンパク質、少なくとも5.5g/g総タンパク質、少なくとも6.0g/g総タンパク質、少なくとも6.5g/g総タンパク質、少なくとも7.0g/g総タンパク質、少なくとも7.5g/g総タンパク質、少なくとも8.0g/g総タンパク質、少なくとも8.5g/g総タンパク質、少なくとも9.0g/g総タンパク質、少なくとも9.5g/g総タンパク質、少なくとも10.0g/g総タンパク質、もしくは10.0g/g総タンパク質超の濃度で添加する。
ある実施形態では、濾過助剤、例えばCelpureC300(Celpure)またはHyflo−Supper−Cel(Worldミネラル)を二酸化シリコン処理後に添加して、深層濾過を促進する。濾過助剤は約0.01kg/kg沈降物〜約1.0kg/kg沈降物、または約0.02kg/kg沈降物〜約0.8kg/kg沈降物、または約0.03kg/kg沈降物〜約0.7kg/kg沈降物の最終濃度となるように添加することができる。ある実施形態では、濾過助剤を少なくとも0.01kg/kg沈降物、または少なくとも0.02kg/kg沈降物、少なくとも0.03kg/kg沈降物、少なくとも0.04kg/kg沈降物、少なくとも0.05kg/kg沈降物、少なくとも0.06kg/kg沈降物、少なくとも0.07kg/kg沈降物、少なくとも0.08kg/kg沈降物、少なくとも0.09kg/kg沈降物、少なくとも0.1kg/kg沈降物、少なくとも0.2kg/kg沈降物、少なくとも0.3kg/kg沈降物、少なくとも0.4kg/kg沈降物、少なくとも0.5kg/kg沈降物、少なくとも0.6kg/kg沈降物、少なくとも0.7kg/kg沈降物、少なくとも0.8kg/kg沈降物、少なくとも0.9kg/kg沈降物、または少なくとも1.0kg/kg沈降物の最終濃度となるように添加する。ある実施形態では、濾過助剤は約0.01kg/kg沈降物、または約0.02kg/kg沈降物、約0.03kg/kg沈降物、約0.04kg/kg沈降物、約0.05kg/kg沈降物、約0.06kg/kg沈降物、約0.07kg/kg沈降物、約0.08kg/kg沈降物、約0.09kg/kg沈降物、約0.1kg/kg沈降物、約0.2kg/kg沈降物、約0.3kg/kg沈降物、約0.4kg/kg沈降物、約0.5kg/kg沈降物、約0.6kg/kg沈降物、約0.7kg/kg沈降物、約0.8kg/kg沈降物、約0.9kg/kg沈降物、または約1.0kg/kg沈降物の最終濃度となるように添加する。
したがって、1つの実施形態では、本発明は、血漿由来A1PI組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、約4.0〜約7.0のpHで組成物をSiO2と接触させてセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約6.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約6.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.0〜約5.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約7.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約6.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約6.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.5〜約5.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約7.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約6.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約6.0のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに別の実施形態では、本方法は、約4.6〜約5.6のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.7〜約5.5のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.8〜約5.4のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約4.9〜約5.3のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.0〜約5.2のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約5.1のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。他の実施形態では、本方法は、約4.0または約4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、もしくは7.0以下のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに他の実施形態では、本方法は、4.0以下または4.1以下、4.2以下、4.3以下、4.4以下、4.5以下、4.6以下、4.7以下、4.8以下、4.9以下、5.0以下、5.1以下、5.2以下、5.3以下、5.4以下、5.5以下、5.6以下、5.7以下、5.8以下、5.9以下、6.0以下、6.1以下、6.2以下、6.3以下、6.4以下、6.5以下、6.6以下、6.7以下、6.8以下、6.9以下、または7.0以下のpHで組成物をSiO2と接触させる工程を含む。
1つの実施形態では、本発明は、血漿由来A1PI組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、約0.1mS/cm〜約2.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させてセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.8mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.7mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.6mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.5mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.4mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.3mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.2mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.1mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約0.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約0.8mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.2mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.3mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cm〜約0.4mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.5mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.6mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約0.7mS/cm〜約0.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。別の実施形態では、本方法は、組成物をSiO2と約0.8mS/cmのイオン強度で接触させる工程を含む。他の実施形態では、本方法は、約0.1mS/cmまたは0.2mS/cm以下、0.3mS/cm、0.4mS/cm、0.5mS/cm、0.6mS/cm、0.7mS/cm、0.8mS/cm、0.9mS/cm、1.0mS/cm、1.1mS/cm、1.2mS/cm、1.3mS/cm、1.4mS/cm、1.5mS/cm、1.6mS/cm、1.7mS/cm、1.8mS/cm、1.9mS/cm、2.0mS/cm、2.1mS/cm、2.2mS/cm、2.3mS/cm、2.4mS/cm、2.5mS/cm、2.6mS/cm、2.7mS/cm、2.8mS/cm、2.9mS/cm、または3.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに他の実施形態では、本方法は、0.1mS/cm以下または0.2mS/cm以下、0.3mS/cm、0.4mS/cm、0.5mS/cm、0.6mS/cm、0.7mS/cm、0.8mS/cm、0.9mS/cm、1.0mS/cm、1.1mS/cm、1.2mS/cm、1.3mS/cm、1.4mS/cm、1.5mS/cm、1.6mS/cm、1.7mS/cm、1.8mS/cm、1.9mS/cm、2.0mS/cm、2.1mS/cm、2.2mS/cm、2.3mS/cm、2.4mS/cm、2.5mS/cm、2.6mS/cm、2.7mS/cm、2.8mS/cm、2.9mS/cm、または3.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。
ある実施形態では、本発明は、血漿由来A1PI組成物中のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、本方法は、低pHおよび低イオン強度で組成物をSiO2と接触させてセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させる工程を含む。特定の実施形態では、本方法は、約4.8〜約5.4のpHで約0.6mS/cm〜約1.0mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。より特定の実施形態では、本方法は、約4.9〜約5.3のpHで約0.7mS/cm〜約0.9mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに特定の実施形態では、本方法は、約5.0〜約5.2のpHで約0.8mS/cmのイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。さらに他の実施形態では、本方法は、表12、表13、表14、および表15に示すバリエーションVar.1222〜3041の任意の1つによるpHおよびイオン強度で組成物をSiO2と接触させる工程を含む。
1.セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの結合および溶出
1つの態様では、本発明は、A1PIを含む再懸濁血漿沈降物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。一般に、沈降物は、血漿(好ましくはヒト血漿)プールの分別中の任意沈降物であり得る。1つの実施形態では、本方法は、不溶状態のA1PIを含む再懸濁血漿沈降物を第1低pH溶液条件下で、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させる工程、不溶状態のA1PIを維持するために、懸濁液の溶解部分と不溶部分を分離する工程、不溶状態のA1PIの実質的な画分の維持に適した第2低pH溶液条件下で、セリンおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンをSiO2から溶出する工程、懸濁液の溶解部分と不溶部分を分離する工程、ならびに不溶部分からA1PIを抽出する工程を含む。1つの実施形態では、SiO2は、沈降反応前または沈降反応中に混合し、沈降物と共に回収する。具体的な実施形態では、沈降物は、コーン画分IV−1沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、コーン画分IV−4沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、コーン画分V沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、キストラー/ニッチェマン沈降物IVである。さらに別の実施形態では、沈降物は、キストラー/ニッチェマン沈降物Cである。
上に提供した方法の1つの実施形態では、第1低pH溶液条件は、4.0〜7.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜7.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH5.5±0.2および約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH6.0±0.2および約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。
上に提供した方法の別の実施形態では、第1低pH溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約4.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約2.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約1.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約0.5mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約4.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約2.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約1.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約0.5mS/cm未満のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH5.5±0.2および約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH6.0±0.2および約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。さらに他の実施形態では、第1低pH溶液条件は、表12、表13、表14、および表15に示すバリエーションVar.1222〜3041の任意の1つに応じたpHおよびイオン強度を含む。
上に提供した方法の1つの実施形態では、第2低pH溶液条件は、4.0〜7.0のpHおよび約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜7.0のpHおよび約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.0のpHおよび約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH5.5±0.2および約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH6.0±0.2および約5.0mS/cm超のイオン強度を含む。
上に提供した方法の別の実施形態では、第2低pH溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約3.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約4.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約6.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約7.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約10mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約3.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約4.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約6.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約7.0mS/cm超のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約10mS/cm超のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH5.5±0.2および約10mS/cm超のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH6.0±0.2および約10mS/cm超のイオン強度を含む。
1つの具体的な実施形態では、本発明は、A1PIを含む再懸濁血漿沈降物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供し、約5.0〜約6.5のpHおよび5.0mS未満のイオン強度を含む第1低pH溶液条件下で、不溶状態のA1PIを含む再懸濁血漿沈降物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させて、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させ、不溶状態のA1PIを維持するために、懸濁液の溶解部分と不溶部分を分離し、不溶状態のA1PIの実質的な画分を維持するために約5.0〜約6.5のpHおよび5.0mS超のイオン強度を含む第2低pH溶液条件下で、セリンおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンをSiO2から溶出して懸濁液の溶解部分と不溶部分を分離し、不溶部分からA1PIを抽出する工程を含む。1つの実施形態では、沈降反応前または沈降反応中にSiO2を混合し、沈降物と共に回収する。具体的な実施形態では、沈降物は、コーン画分IV−1沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、コーン画分IV−4沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、コーン画分V沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、キストラー/ニッチェマン沈降物IVである。さらに別の実施形態では、沈降物は、キストラー/ニッチェマン沈降物Cである。
2.セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲン結合およびA1PI抽出
別の態様では、本発明は、A1PIを含む再懸濁血漿沈降物中のセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの量を低減する方法を提供する。一般に、沈降物は、血漿(好ましくはヒト血漿)プールの分別中の任意沈降物であり得る。1つの実施形態では、本方法は、不溶状態のA1PIを含む再懸濁血漿沈降物を、低pHを含む第1溶液条件下で、微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させて、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンと結合させ、かつ不溶状態のA1PIを維持する工程、懸濁液の溶解部分と不溶部分を分離する工程、高pHを含む第2溶液条件下で、不溶部分からA1PIを抽出する工程、ならびに溶解部分を不溶部分から分離する工程を含み、不溶部分からA1PIの抽出中はセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンの実質的な画分がSiO2に結合し続ける。1つの実施形態では、沈降反応前または沈降反応中にSiO2を混合し、沈降物と共に回収する。具体的な実施形態では、沈降物は、コーン画分IV−1沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、コーン画分IV−4沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、コーン画分V沈降物である。別の実施形態では、沈降物は、キストラー/ニッチェマン沈降物IVである。さらに別の実施形態では、沈降物は、キストラー/ニッチェマン沈降物Cである。
上に提供した方法の1つの実施形態では、第1溶液条件は、4.0〜7.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜7.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH5.5±0.2および約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH6.0±0.2および約5.0mS/cm未満のイオン強度を含む。
上に提供した方法の別の実施形態では、第1溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約4.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約2.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約1.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.0〜6.5のpHおよび約0.5mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約4.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約2.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約1.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、5.5〜6.0のpHおよび約0.5mS/cm未満のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH5.5±0.2および約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH6.0±0.2および約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。さらに他の実施形態では、第1低pH溶液条件は、表12、表13、表14、および表15に示すバリエーションVar.1222〜3041の任意の1つに応じたpHおよびイオン強度を含む。
上に提供した方法の1つの実施形態では、第2溶液条件は、7.0〜10.0のpHおよび約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜9.0のpHおよび約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.5のpHおよび約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH7.5±0.2および約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH8.0±0.2および約10.0mS/cm未満のイオン強度を含む。
上に提供した方法の別の実施形態では、第2溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約9.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約8.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約7.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約6.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約5mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約4.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび約2mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.0〜8.5のpHおよび2mS/cm〜10mS/cmのイオン強度を含む。
上に提供した方法の別の実施形態では、第2溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約9.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約8.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約7.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約6.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約5mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約4.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約3.0mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.0のpHおよび約2mS/cm未満のイオン強度を含む。別の実施形態では、溶液条件は、7.5〜8.5のpHおよび2mS/cm〜10mS/cmのイオン強度を含む。具体的な実施形態では、溶液条件は、pH7.5±0.2および2mS/cm〜10mS/cmのイオン強度を含む。別の具体的な実施形態では、溶液条件は、pH8.0±0.2および2mS/cm〜10mS/cmのイオン強度を含む。
IV.医薬組成物
1つの態様では、本発明は、セリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンレベルの低下した血漿由来タンパク質の組成物を提供し、これは本明細書に記載の任意の方法により調製する。ある実施形態では、これらの組成物は、医薬投与用に製剤化される(すなわち、医薬組成物)。一般に、本明細書に提供する方法により調製した血漿由来血液タンパク質組成物は、アミド分解活性が低下し、現在入手可能な既存の血漿由来生物製剤よりもより良好な安全性プロファイルを提供する。好ましい実施形態では、本明細書に提供する組成物の第XI因子、第XIa因子、第XII因子、および/または第XIIa因子含量は低下している。
1つの実施形態では、本発明は、(a)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(b)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
ある実施形態では、上記の組成物は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化組成物を形成する工程をさらに含む方法により調製する。ある実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、(a)血漿プール由来出発物質中のタンパク質を部分的に沈降させることにより第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。1つの実施形態では、部分的な沈降は、アルコールを使用して達成する。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、(a)血漿プール由来出発物質の限外濾過および/もしくはダイアフィルトレーションにより第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。1つの実施形態では、部分的な沈降は、アルコールを使用して達成する。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、(a)血漿プール由来出発物質をクロマトグラフィー樹脂と接触させることにより第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。1つの実施形態では、部分的な沈降は、アルコールを使用して達成する。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
ある実施形態では、上記の組成物は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の前に、第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化組成物を形成する工程をさらに含む方法により調製する。ある実施形態では、第1標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、(a)第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;ならびに(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
ある実施形態では、上記の組成物は、組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程の後に、標的タンパク質富化工程を実施する工程をさらに含む方法により調製する。ある実施形態では、標的タンパク質富化工程は、タンパク質沈降工程(例えば、アルコール分別工程)、限外濾過/ダイアフィルトレーション工程、およびクロマトグラフ工程から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、(a)第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第1富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(c)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(d)第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表1に見られるバリエーションVar.1〜Var.100の任意の1つから選択される。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
1つの態様では、本発明は、血液タンパク質不足または機能障害関連状態の治療に使用するためのセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンレベルの低下した血漿由来タンパク質組成物を提供する。ある実施形態では、血漿由来タンパク質は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、(a)第1標的タンパク質富化工程を実施して、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(b)第2標的タンパク質富化工程を実施して、第2富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程;(c)セリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの少なくとも1種への結合に適した条件下で、第2富化組成物を微細二酸化シリコン(SiO2)と接触させる工程;(d)組成物からSiO2を分離して、結合したセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンを除去する工程;ならびに(e)第3標的タンパク質富化工程を実施して、第3富化血漿由来標的タンパク質組成物を形成する工程を含む方法により調製する血漿由来タンパク質組成物を提供する。ある実施形態では、第1および第2富化工程の組み合わせは、表2、表3、表4、表5、表6、表7、表8、表9、表10、または表11に見られるバリエーションVar.101〜Var.1100の任意の1つから選択される。1つの実施形態では、組成物は、医薬投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、組成物は、静脈内投与用に製剤化される。別の具体的な実施形態では、組成物は、筋肉内投与用に製剤化される。別の実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。さらに別の実施形態では、組成物は、眼内投与用に製剤化される。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
上記組成物のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)血漿由来標的タンパク質への結合に適した条件下で、血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来標的タンパク質をクロマトグラフィー樹脂から溶出する副工程を含む。1つの具体的な実施形態では、不純物は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。別の具体的な実施形態では、不純物は、副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合するが、副工程(ii)においてクロマトグラフィー樹脂から溶出されない。
上記組成物の他のある実施形態では、クロマトグラフィー富化工程は、(i)少なくとも1種の不純物への結合に適した条件下で、第1富化血漿由来標的タンパク質組成物をクロマトグラフィー樹脂と接触させる副工程;および(ii)血漿由来タンパク質組成物から樹脂を分離する副工程を含み、該血漿由来標的タンパク質は副工程(i)においてクロマトグラフィー樹脂に結合しない。
本明細書に提供する組成物のある実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも10%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも25%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも50%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも75%低下している。別の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも90%低下している。さらに他の実施形態では、特定のセリンプロテアーゼもしくはセリンプロテアーゼチモーゲンの量は、少なくとも5%低下しているか、または少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%低下している。1つの実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲン低下とは、個々のSiO2処理工程中に達した低下を指す。別の実施形態では、セリンプロテアーゼまたはセリンプロテアーゼチモーゲン低下とは、SiO2処理工程を除いて類似形式で調製した組成物と比較した最終組成物中の汚染物レベルを指す。
1つの実施形態では、本明細書に提供する医薬組成物は、本明細書に提供する方法を使用して単離された血漿由来タンパク質組成物を製剤化することにより調製する。一般に、製剤化した組成物は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは少なくとも3つのウイルス不活性化または除去工程に供する。本明細書に提供する方法と使用し得るウイルス不活性化または除去工程の例としては、溶媒清浄処理(Horowitz et al., Blood Coagul Fibrinolysis 1994 (5 Suppl 3):S21−S28 and Kreil et al., Transfusion 2003 (43):1023−1028、これらは共に、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に明確に組み込まれる)、ナノ濾過(Hamamoto et al., Vox Sang 1989 (56)230−236 and Yuasa et al., J Gen Virol. 1991 (72 (pt 8)):2021−2024、これらは共に、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に明確に組み込まれる)、低pHインキュベーションおよび高温(Kempf et al., Transfusion 1991 (31)423−427 and Louie et al., Biologicals 1994 (22):13−19)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
1つの実施形態では、本明細書に提供する医薬組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、および/または眼内投与に適した緩衝剤またはpH分解防止剤を1つまたは複数含む。本明細書に提供する血漿由来タンパク質組成物の製剤化に適した緩衝剤の例としては、適切なpHに調節するグリシン、クエン酸塩、リン酸、酢酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、ヒスチジンもしくは他のアミノ酸、グルコン酸、リンゴ酸塩、コハク酸、ギ酸塩、プロピオン酸塩、炭酸塩、または任意のそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、緩衝剤は、製剤pHを長期間適切に維持する上で十分である。好ましい実施形態では、緩衝剤は、グリシンである。ある実施形態では、組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される血漿由来タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供する医薬組成物は、組成物の浸透圧調節剤を任意選択的にさらに含み得る。浸透圧剤の例としては、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ショ糖、グルコース、デキストロース、レブロース、フルクトース、ラクトース、ポリエチレングリコール、リン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、グルコノグルコヘプトン酸カルシウム、ジメチルスルホンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
典型的には、本明細書に提供する製剤は、生理的浸透圧、約285〜295mOsmol/kg相当の浸透圧である(Lacy et al., Drug Information Handbook − Lexi−Comp 1999:1254)。ある実施形態では、製剤の浸透圧は、約200mOsmol/kg〜約350mOsmol/kg、好ましくは約240〜約300mOsmol/kgである。特定の実施形態では、製剤の浸透圧は、約200mOsmol/kg、または210mOsmol/kg、220mOsmol/kg、230mOsmol/kg、240mOsmol/kg、245mOsmol/kg、250mOsmol/kg、255mOsmol/kg、260mOsmol/kg、265mOsmol/kg、270mOsmol/kg、275mOsmol/kg、280mOsmol/kg、285mOsmol/kg、290mOsmol/kg、295mOsmol/kg、300mOsmol/kg、310mOsmol/kg、320mOsmol/kg、330mOsmol/kg、340mOsmol/kg、340mOsmol/kg、または350mOsmol/kgである。
本明細書に提供する血漿由来製剤は、一般に液体形態で長期間安定する。ある実施形態では、製剤は、少なくとも約3ヶ月間室温で、または少なくとも約4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、13ヶ月間、14ヶ月間、15ヶ月間、16ヶ月間、17ヶ月間、18ヶ月間、19ヶ月間、20ヶ月間、21ヶ月間、22ヶ月間、23ヶ月間、もしくは24ヶ月間室温で安定する。製剤はまた、一般に6ヶ月間または少なくとも約18ヶ月間冷凍条件(典型的には約2℃〜約8℃)下で、または少なくとも約21ヶ月間、24ヶ月間、27ヶ月間、30ヶ月間、33ヶ月間、36ヶ月間、39ヶ月間、42ヶ月間、もしくは45ヶ月間冷凍条件下で安定する。
V.治療法
1つの態様では、本発明は、本明細書に提供する方法により調製されたセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンレベルの低下した血漿由来タンパク質組成物を治療有効量投与することにより、血液タンパク質不足または機能障害関連の疾患または障害の治療のための方法を、それを必要としている対象に提供する。ある実施形態では、血漿由来タンパク質を含む組成物は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
1つの態様では、本発明は、血液タンパク質不足または機能障害関連状態の治療に使用するための薬品製造のためのセリンプロテアーゼおよび/またはセリンプロテアーゼチモーゲンレベルの低下した血漿由来タンパク質組成物の使用を提供する。ある実施形態では、血漿由来タンパク質は、免疫グロブリン(Ig)、アルブミン、α−1−抗トリプシン(A1PI)、ブチリルコリンエステラーゼ、H因子、補体系のタンパク質、およびインター−α−トリプシンインヒビター(IαI)タンパク質から選択される。
A.免疫グロブリン
近代医学で日常的に実践されているように、濃縮免疫グロブリン(特にIgG)の滅菌調製物は、これらの3つの主要クラス:免疫不全、炎症および自己免疫疾患、ならびに急性感染に属す医学的状態の治療に使用される。これらのIgG調製物は、多発性硬化症(特に再発寛解型多発性硬化症またはRRMS)、アルツハイマー病、およびパーキンソン病治療にも有用であり得る。本発明の精製IgG調製物は、これらの目的、ならびに他の臨床的に承認されたIgG調製物の使用に適している。
FDAは、様々な適応(同種骨髄移植、慢性リンパ性白血病、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、小児HIV、一次免疫不全、川崎病、慢性炎症脱髄ポリニューロパシー(CIDP)、ならびに高抗体レシピエントもしくはABO不適合ドナーとの腎移植など)を治療するためのIVIGの使用を承認した。ある実施形態では、本明細書に提供するIVIG組成物は、これらの疾患および状態の治療または管理に有用である。
さらに、FDA認可外のIVIG使用は、一般的に、患者に様々な適応(例えば、慢性疲労症候群、クロストリジウムディフィシレ大腸炎、皮膚筋炎および多発性筋炎、グレーブス眼症、ギラン・バレー症候群、筋肉ジストロフィー、封入体筋炎、ランバート・イートン症候群、エリテマトーデス、多発性運動性ニューロパシー、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、同種免疫性新生児血小板減少症、パルボウイルスB19感染、天疱瘡、輸血後紫斑病、腎移植拒絶反応、自然流産/流産、スティッフパーソン症候群、オプソクローヌス・ミオクローヌス、成人の重度疾患における重度の敗血症および敗血症性ショック、中毒性表皮壊死、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、X連鎖無ガンマグロブリン血症、ならびに低ガンマグロブリン血症)の治療または管理を提供する。ある実施形態では、本明細書に提供するIVIG組成物は、これらの疾患および状態の治療または管理に有用である。
最後に、疾患(一次免疫不全、RRMS、アルツハイマー病、およびパーキンソン病を含む)の治療または管理のためのIVIGの経験的使用が提唱されている(米国特許出願公開第2009/0148463号、これは、参照することによりその全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)。ある実施形態では、本明細書に提供するIVIG組成物は、一次免疫不全、RRMS、アルツハイマー病、またはパーキンソン病の治療または管理に有用である。連日投与を含むある実施形態では、対象に投与する有効量は、年齢、体重、疾患重症度、投与経路(例えば、静注対皮下)および治療反応の個人差を考慮して医師が決定できる。ある実施形態では、本発明の免疫グロブリン調製物は、約5mg/キログラム〜約2000mg/キログラムを毎日対象に投与できる。追加の実施形態では、免疫グロブリン調製物は、少なくとも約10mg/キログラム、少なくとも15mg/キログラム、少なくとも20mg/キログラム、少なくとも25mg/キログラム、少なくとも30mg/キログラム、または少なくとも50mg/キログラムの量で投与できる。追加の実施形態では、免疫グロブリン調製物は、最大約100mg/キログラム、最大約150mg/キログラム、最大約200mg/キログラム、最大約250mg/キログラム、最大約300mg/キログラム、最大約400mg/キログラムの用量を毎日対象に投与できる。他の実施形態では、免疫グロブリン調製物の用量は、より多いこともより少ないこともできる。さらに、免疫グロブリン調製物は、1日1回用量で投与することもでき、1日複数回用量で投与することもできる。IgG調製物による該疾患治療の熟練臨床医は、当技術分野において既知である基準に準じて患者に適した用量を決定することができる。
本発明により、治療過程の完了に必要な期間は医師が決定でき、1日程度の短期間から1ヶ月超の範囲であり得る。ある実施形態では、治療過程は、1〜6ヶ月である可能性がある。
有効量のIVIG調製物を、静脈内方法により対象に投与する。「有効量」という用語は、対象の疾患または状態の改善または救済に至るIVIG調製物量を指す。対象に投与する有効量は、年齢、体重、治療する疾患もしくは状態、疾患重症度および治療反応の個人差を考慮して医師が決定できる。ある実施形態では、IVIG調製物は、約5mg/キログラム〜約2000mg/キログラム/投与の用量で対象に投与できる。ある実施形態では、用量は少なくとも約5mg/kg、または少なくとも約10mg/kg、または少なくとも約20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、1000mg/kg、1100mg/kg、1200mg/kg、1300mg/kg、1400mg/kg、1500mg/kg、1600mg/kg、1700mg/kg、1800mg/kg、1900mg/kg、または少なくとも約2000mg/kgであり得る。
IVIG治療の投与量および投与頻度は、他の要因の中でもとりわけ、治療する疾患もしくは状態ならびに患者における疾患もしくは状態の重症度に依存する。一般に、一次免疫機能障害において、用量約100mg/kg〜約400mg/kg体重で約3〜4週間ごと投与する。神経および自己免疫疾患において、最大2g/kg体重を月1回5日間コースで3〜6ヶ月間実施する。これは一般に、約100mg/kg〜約400mg/kg体重で約3〜4週間ごとに1回投与を含む維持療法で補充する。一般に、患者は、約14〜35日間ごと、または約21〜28日間ごとに1回投与または治療する。治療頻度は、他の要因の中でもとりわけ、治療する疾患もしくは状態ならびに患者における疾患もしくは状態の重症度に依存する。
好ましい実施形態では、免疫不全、自己免疫疾患、または急性感染の治療法を、それを必要としているヒトに提供し、本方法は、本発明の医薬IVIG組成物を投与する工程を含む。関連実施形態では、本発明は、本明細書に提供する方法により製造されるIVIG組成物を、それを必要としているヒトにおける免疫不全、自己免疫疾患、または急性感染の治療のために提供される。
ある実施形態では、免疫不全、自己免疫疾患、または急性感染は、同種骨髄移植、慢性リンパ性白血病、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、小児HIV、一次免疫不全、川崎病、慢性炎症脱髄ポリニューロパシー(CIDP)、高抗体レシピエントもしくはABO不適合ドナーとの腎移植、慢性疲労症候群、クロストリジウムディフィシレ大腸炎、皮膚筋炎および多発性筋炎、グレーブス眼症、ギラン・バレー症候群、筋肉ジストロフィー、封入体筋炎、ランバート・イートン症候群、エリテマトーデス、多発性運動性ニューロパシー、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、同種免疫性新生児血小板減少症、パルボウイルスB19感染、天疱瘡、輸血後紫斑病、腎移植拒絶反応、自然流産/流産、スティッフパーソン症候群、オプソクローヌス・ミオクローヌス、成人の重度疾患における重度の敗血症および敗血症性ショック、中毒性表皮壊死、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、X連鎖無ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症、一次免疫不全、RRMS、アルツハイマー病、およびパーキンソン病から選択される。
B.H因子
1つの態様では、本発明は、本明細書に提供する方法により調製されたH因子組成物を治療有効量投与することにより、H因子機能障害または異常補体活性化第2経路関連の疾患または障害の治療のための方法を、それを必要としている対象に提供する。1つの実施形態では、H因子組成物は、画分I沈降物からH因子を抽出することにより調製する。別の実施形態では、H因子組成物は、画分II+III濾過ケーキからH因子を抽出することにより調製する。
ある実施形態では、H因子機能障害関連の疾患または障害は、非定型的溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、II型膜性増殖性糸球体腎炎(MPGNII)、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病/冠動脈疾患(CAD/CHD)、およびアルツハイマー病から選択される。1つの特定の実施形態では、疾患は、非定型的溶血性尿毒症症候群(aHUS)である。別の特定の実施形態では、疾患は、加齢黄斑変性(AMD)である。さらに別の特定の実施形態では、疾患は、II型膜性増殖性糸球体腎炎(MPGNII)である。
ある実施形態では、本方法は、本明細書に提供するH因子組成物を対象に治療有効量投与することにより、異常補体活性化第2経路関連の疾患または障害治療のために、それを必要としている対象に提供される。1つの実施形態では、H因子組成物は、画分I沈降物からH因子を抽出することにより調製する。別の実施形態では、H因子組成物は、画分II+III濾過ケーキからH因子を抽出することにより調製する。
ある実施形態では、異常補体活性化第2経路関連の疾患または障害は、自己免疫疾患(関節リウマチ、IgA腎症、喘息、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、抗リン脂質症候群、ANCA関連脈管炎、天疱瘡、ブドウ膜炎、重症筋無力症、橋本甲状腺炎など)、腎疾患(IgA腎症、溶血性尿毒症症候群、膜性増殖性糸球体腎炎など)、喘息、アルツハイマー病、成体黄斑変性、近位夜間ヘモグロビン尿、腹部大動脈瘤、虚血再潅流損傷、および敗血症から選択される。
本発明により提供する医薬組成物は、単独投与してもよいし他の治療薬と併用投与してもよい。これらの薬剤は、同一医薬品の一部として組み込み得る。
1.投与
本発明により、治療過程の完了に必要な期間は医師が決定でき、1日程度の短期間から1ヶ月超の範囲であり得る。ある実施形態では、治療過程は、1〜6ヶ月である可能性がある。
有効量のH因子調製物を、疾患または障害の治療に適した任意の方法により対象に投与する。例えば、ある実施形態では、H因子は静脈内、眼内、皮下、および/または筋肉内投与方法により投与し得る。好ましい実施形態では、それを必要としている対象における加齢黄斑変性の治療のための方法は、H因子組成物を患者に眼内投与する工程を含んで提供する。
ある実施形態では、本明細書に提供するH因子組成物は、全身投与もでき、局所投与もできる。全身投与は、経口、経皮、皮下(subdermal)、腹腔内、皮下(subcutaneous)、経鼻、舌下、または直腸内を含む。最も好ましい全身性投与経路は、経口である。眼内投与の局所投与としては、局所、硝子体内、眼周囲、経強膜、球後、強膜近傍、テノン嚢下、または眼内機器を介す投与が挙げられる。局所送達に好ましい方法としては、後強膜近傍投与により;硝子体内注射を介して;またはカニューレを介しての斑へ経強膜的送達(米国特許第6,413,245号(これらの開示は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)に記載されているものなど)が挙げられる。あるいは、インヒビターは、移植した持続送達機器を介して硝子体内lyもしくは経強膜的に送達してもよく、他の既知の局所眼内送達方法により送達してもよい。
ある実施形態では、「有効量」という用語は、対象の疾患または状態の改善または救済に至るH因子調製物量を指す。対象に投与する有効量は、年齢、体重、治療する疾患もしくは状態、疾患重症度および治療反応の個人差を考慮して医師が決定できる。ある実施形態では、H因子調製物は、5mg/キログラム〜2000mg/キログラム/投与または約5mg/キログラム〜2000mg/キログラム/投与の用量で対象に投与できる。ある実施形態では、用量は少なくとも約5mg/kgまたは約5mg/kg、少なくとも約10mg/kgまたは約10mg/kg、あるいは少なくとも20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、1000mg/kg、1100mg/kg、1200mg/kg、1300mg/kg、1400mg/kg、1500mg/kg、1600mg/kg、1700mg/kg、1800mg/kg、1900mg/kg、もしくは2000mg/kgまたは約20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、1000mg/kg、1100mg/kg、1200mg/kg、1300mg/kg、1400mg/kg、1500mg/kg、1600mg/kg、1700mg/kg、1800mg/kg、1900mg/kg、もしくは2000mg/kgであり得る。H因子治療の投与量および投与頻度は、他の要因の中でもとりわけ、治療する疾患もしくは状態ならびに患者における疾患もしくは状態の重症度に依存する。
2.加齢黄斑変性(AMD)
好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に提供するH因子組成物を対象に治療有効量投与することにより、それを必要としている対象における加齢黄斑変性の治療法を提供する。
加齢黄斑変性(AMD)は、60歳を超す高齢人口の失明の第一原因である。現在、75歳を超す者の35〜40%がある程度のAMDと推定されている。世界約5千万人が罹患しており、米国のみで1千万と推定されている。現在、毎年約155,000人が新たにAMDと診断されている。世界人口が高齢化し続けているため、年間診断数は2020年までに3倍になることが予想される。AMDは罹患した個体の中心視を破壊する壊滅的疾患であり、日常生活に必要な活動(読解および運転など)を行う能力を奪う。
AMDは、網膜外網層細胞(光受容体および光受容体を支える網膜色素上皮(RPE)細胞など)、ならびに脈絡膜として知られている眼の隣接血管層内細胞に関与する緩慢進行性疾患である。黄斑変性は、高視力視覚において役割を果たす中枢網膜のごく一部(直径約2mm)である斑の崩壊を特徴とする。後発黄斑変性(すなわち、AMD)は、「乾燥」か「湿潤」のいずれかとして一般に定義される。AMDの湿潤(「滲出性」)新生血管形成は、該疾患患者の約10%に影響し、RPEを通して脈絡毛細管枝から成長する異常血管を特徴とし、典型的には出血、滲出、瘢痕環、および/または漿液性網膜剥離に至る。AMD患者の約90%は、該疾患の非新生血管、または乾燥形態を呈し、これはRPE萎縮および黄斑光受容体喪失を特徴とする。
AMDは、RPE(網膜色素上皮細胞)を基底脈絡膜から分離する細胞外基質成分の多層複合物であるブルッフ膜上に蓄積する「ドルーゼ」と称される破片様物質沈着の存在を特徴とする。ドルーゼは、眼底検査により観察できる。これらの沈着は、AMD患者のドナー眼の顕微鏡検査において広く特性化されている。臨床的検査時に生眼に観察された沈着は、いくつかの基準(沈降物の相対的サイズ、豊富さ、および形状など)に応じて軟ドルーゼか硬ドルーゼのいずれかに分類される。組織化学的かつ免疫細胞化学的検査により、ドルーゼは様々な脂質、多糖類、グリコサミノグリカンおよびタンパク質を含むことが示されている。
現在、AMD疾患の管理にはいくつかの種類の治療が効果的であることが示されているが、既知のAMD治療法はない。該疾患の湿潤形態の異常血管のレーザー光凝固術は、標準的な治療である。この治療は、このようにして治療できるのは十分に輪郭がはっきりしている新生血管病巣のみであり、患者50%において血管漏出が再発するという事実により限定される(Fine et al., 2000)。この治療にはレーザーエネルギーが必要であるため、治療領域の光受容体も死滅し、治療直後に患者において中枢盲も頻発する。新規の新生血管病巣が最終的に発現し、反復治療が必要とされる。他の治療介入としては、喫煙の中止および抗酸化剤を用いた療法開始による生活様式の変化が挙げられる。VEGFインヒビター(例えば、ラニビズマブまたはベバシズマブの硝子体内注射)を使用した抗血管新生療法も示唆されている。
最近、個体約35%がH因子遺伝子複製の片方または両方に単一ヌクレオチド多型(SNP)リスクを保因することが発見された。同種接合の個体では、加齢黄斑変性発現の可能性は約7倍増加しており、対して、異型接合体では、該疾患発現の可能性は2〜3倍増加している。H因子のCCPモジュール7に位置するこのSNPは、H因子と、C反応タンパク質およびヘパリンの両方の間の相互作用に影響を与えることが示されており、SNPと疾患間の因果関係が示される。多型は、Y420H多型である。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の1つの実施形態では、対象は、任意のAMD症状を呈さない。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の別の実施形態では、対象は、ドルーゼを呈する。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の別の実施形態では、対象のAMD発現リスクは増大している。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の別の実施形態では、投与は、静脈内である。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の別の実施形態では、本方法は、AMDの徴候および/または症状を呈する対象の治療をさらに含む。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の別の実施形態では、対象は、AMDと診断されている。
別の態様では、本発明は、本明細書に提供するH因子調製物を対象へ予防または治療有効量投与し、前記投与を定期的に反復する工程を含む、加齢黄斑変性の発現リスクにあると判断されるヒト対象の治療法を提供する。
加齢黄斑変性の発現リスクにあると判断されるヒト対象の治療法の1つの実施形態では、投与は、前記対象における黄斑変性発現の進行または開始の遅延化に効果的な時間反復される。
加齢黄斑変性の発現リスクにあると判断されるヒト対象の治療法の別の実施形態では、ヒト対象は、加齢黄斑変性の発現に関する遺伝的マーカーの1つまたは複数の存在に基づき同定されて加齢黄斑変性の発現リスクにあると判断される。
加齢黄斑変性の発現リスクにあると判断されるヒト対象の治療法の別の実施形態では、遺伝的マーカーは、多型である。
対象における加齢黄斑変性(AMD)発現の進行または開始の遅延化に至る補体活性化の制限方法の別の実施形態では、対象は、AMDと診断されていない。
C.インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)
さらに他の態様では、本明細書に提供するIαIp組成物を治療有効量投与することにより、IαIp機能低下またはIαIp機能障害関連の障害および疾患の治療のための方法を提供することが本発明の目的である。1つの実施形態では、IαIp機能低下またはIαIp機能障害関連の疾患または障害は、敗血症である。
1つの実施形態では、本発明は、IαIp機能低下またはIαIp機能障害関連の疾患または障害の治療のための方法における使用のための治療有効量の本明細書に開示の方法により調製されたIαIp組成物を、それを必要としている対象に提供する。1つの実施形態では、IαIp機能低下またはIαIp機能障害関連の疾患または障害は、敗血症である。
別の態様では、本明細書に提供するIαIp組成物を治療有効量投与することにより、増大した血漿セリンプロテアーゼ活性に関連した疾患および障害の治療のための方法を提供することが本発明の目的である。1つの実施形態では、増大した血漿セリンプロテアーゼ活性に関連した疾患または障害は、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、播種性血管内凝固、線維性増殖、炭疽中毒、癌転移、外科手術中組織損傷、腎疾患、血管疾患、凝固、糖尿病、および全身性炎症から選択される。
1つの実施形態では、本発明は、増大した血漿セリンプロテアーゼ活性に関連した疾患または障害の治療のための方法における使用のための治療有効量の本明細書に開示の方法により調製されたIαIp組成物を、それを必要としている対象に提供する。1つの実施形態では、増大した血漿セリンプロテアーゼ活性に関連した疾患または障害は、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、播種性血管内凝固、線維性増殖、炭疽中毒、癌転移、外科手術中組織損傷、腎疾患、血管疾患、凝固、糖尿病、および全身性炎症から選択される。
A.投与
本発明により、治療過程の完了に必要な期間は医師が決定でき、1日程度の短期間から1ヶ月超の範囲であり得る。ある実施形態では、治療過程は、1〜6ヶ月である可能性がある。
有効量のIαIp調製物を、疾患または障害の治療に適した任意の方法により対象に投与する。例えば、ある実施形態では、IαIpは静脈内、皮下、および/または筋肉内投与方法により投与し得る。好ましい実施形態では、それを必要としている対象における敗血症の治療のための方法は、IαIp組成物を患者に静脈内(IV)投与する工程を含んで提供する。
ある実施形態では、本明細書に提供するIαIp組成物は、全身投与もでき、局所投与もできる。全身投与としては、経口、皮下(subdermal)、腹腔内、皮下(subcutaneous)、経鼻、舌下、または直腸内が挙げられる。局所投与としては、局所、皮下、筋肉内、および腹腔内投与経路が挙げられる。
ある実施形態では、「有効量」という用語は、対象の疾患または状態の改善または救済に至るIαIp調製物量を指す。対象に投与する有効量は、年齢、体重、治療する疾患もしくは状態、疾患重症度および治療反応の個人差を考慮して医師が決定できる。ある実施形態では、IαIp調製物は、約5mg/キログラム〜約2000mg/キログラム/投与の用量で対象に投与できる。ある実施形態では、用量は少なくとも約5mg/kg、または少なくとも約10mg/kg、または少なくとも約20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、300mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、1000mg/kg、1100mg/kg、1200mg/kg、1300mg/kg、1400mg/kg、1500mg/kg、1600mg/kg、1700mg/kg、1800mg/kg、1900mg/kg、または少なくとも約2000mg/kgであり得る。IαIp治療の投与量および投与頻度は、他の要因の中でもとりわけ、治療する疾患もしくは状態ならびに患者における疾患もしくは状態の重症度に依存する。
VI.実施例
実施例1
血漿由来タンパク質組成物に存在する残りのセリンプロテアーゼ含量および活性を決定するため、SiO2処理を使用せずに製造された2つの市販IgG調製物:OCTAGAM(登録商標)(5%静脈内免疫グロブリン;Octapharma)およびSubcuvia(16%皮下免疫グロブリン;Baxter);SiO2処理を使用して製造された2つの多くの市販IgG調製物:Gammagard Liquid(10%静脈内免疫グロブリン;Baxter)のアミド分解活性プロファイルならびに現在開発中のH因子精製法を決定した。とりわけ、上記のとおり、結合させてから、H因子を微細SiO2から溶出することによりH因子組成物を精製した。
簡単に述べると、各血漿由来タンパク質組成物のアミド分解活性プロファイルを、異なる酵素特異性を有する以下の発色基質:PL−1(広域スペクトル)、S−2288(広域スペクトル)、S−2266(FXIa、腺カリクレイン)、S−2222(FXa、トリプシン)、S−2251(プラスミン)、およびS−2302(カリクレイン、FXIa、およびFXIIa)を用いた分析により決定した。前カリクレイン活性因子(PKKA)および第XIa因子単位量も決定した。表17に示すように、SiO2吸着工程を使用せずに製造した血漿由来IgG組成物は、著しいレベルのアミド分解活性およびFXIa含量を含んだ。対して、両試験ロットのGammagard Liquidは、最小限のアミド分解活性およびFXIa含量を含んだ。これらの結果と一致し、微細SiO2と結合させ微細SiO2から溶出させて調製したH因子組成物は、非常に高いレベルのアミド分解活性およびFXIa含量を含む。
(表17)様々な血漿由来タンパク質組成物のアミド分解活性
実施例2
血漿試料からH因子の製造に経済的に有益であり、同じ血漿試料から追加の血液因子を回収させるスキームを決定するため、図1に示すフロー図解に概説するスキームに準じて多くのヒト血漿プールを画分に供した。図2に示すように、ヒト血漿脱寒冷コーンプールに存在する大部分のH因子(約90%)を画分II+III沈降物に見ることができる。少ないが有意な量のH因子(約10%)も画分I沈降物に見ることができる。これはPCT公開WO2011/011753号(これらの内容は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる)に示される結果と一致する。
「アエロジル処理」組成物の濾過の結果として形成される微細SiO2濾過ケーキ副産物からH因子を、フィルタープレスを通してH因子抽出緩衝液を再利用することにより、組成物6「画分II+III濾液」の上流から直接抽出した。次いで、最終濃度15%となるようにエタノールを添加し、−6℃で最小4時間のインキュベーションを介してpH8.0で実施した第1沈降工程により、濾過ケーキ抽出物から塩および様々な不純物を除去した。1時間のインキュベーション時間後、沈降反応のpHを8.0に再調節した。次いで、沈降物を遠心分離により上清から除去した。H因子を第2沈降工程によりさらに富化し、最終濃度25%となるようにエタノールを添加し、−10℃で最小8時間のインキュベーションを介してpH6.0で実施した。次いで、H因子を含む沈降物を遠心分離により回収した。
第2沈降工程により形成された沈降物を、低イオン強度溶解緩衝液に1:9比で溶解させ、不活性脂質エンベロープウイルスをS/D処理した。H因子を続いてDEAEセファロースFF樹脂を使用した陰イオン交換クロマトグラフィーにより富化した。簡単に述べると、H因子は、低イオン強度条件下で、DEAEセファロース樹脂に結合し、溶液のイオン強度を増大することにより溶出した。次いで、DEAEセファロース溶出物の伝導度を低減して、ヘパリン親和性クロマトグラフィーによりH因子をさらに富化した。簡単に述べると、H因子は、低イオン強度条件下で、ヘパリンセファロースFF樹脂に結合し、溶液のイオン強度を増大することにより溶出した。表18に示すように、大部分のH因子がDEAEおよびヘパリン樹脂に結合した。
次いで、ヘパリン樹脂から溶出したH因子を標準的な方法に準じて限外濾過/ダイアフィルトレーション、続いてSuperdex200カラム上のサイズ排除クロマトグラフィーに供した。次いで、サイズ排除クロマトグラフィーから回収したH因子を限外濾過により濃縮し、滅菌濾過し、PBS緩衝液中の最終タンパク質濃度50mg/mLで製剤化した。
次いで、最終H因子組成物(FH012)の同質、不純物、およびアミド分解活性を特性化した。H因子組成物の単分散性はサイズ排除クロマトグラフィーにより特性化した。表19に示すように、大部分のタンパク質は、HP−SECカラム上に負荷時に推測サイズ400kDaで移動したH因子最終組成物に存在する。
(表19)HP−SECにより決定した最終FH012組成物の分子サイズ分配
次いで、最終H因子組成物の内毒素レベル、pH、外観、および最終タンパク質濃度を決定した。表20に示すように、カブトガニ血球抽出成分(LAL)分析により決定された組成物の内毒素レベルは低かった(<0.5EU/mL)。
(表20)最終FH012組成物のLAL、pH、外観、およびタンパク質含量
次いで、最終H因子組成物中の様々なタンパク質不純物レベルを決定した。表21に示すように、補体タンパク質およびIgG免疫グロブリンは、H因子組成物中の最終タンパク質濃度1%未満と測定された。
最終的に、実施例1に報告するように、アミド分解活性レベルおよびプロテアーゼ含量を決定した。表17に示すように、この実施例に概説するスキームに準じて精製した血漿由来H因子には、高レベルのアミド分解活性およびFXIa含量が含まれた。
実施例3
血漿由来タンパク質組成物のアミド分解活性除去能を示すために、再懸濁コーン画分II+III沈降物を微細二酸化シリコン(SiO2)で処理した。簡単に述べると、画分II+III沈降物を得るために、脱寒冷ヒト血漿プールを本明細書に記載のIgG精製スキームに準じて分別した。画分II+III沈降物を、0℃〜8℃に維持した温度で、低伝導度の抽出緩衝液(pH5.1±0.2;〜0.8mS/cm)に再懸濁した。II+III沈降物の最終濃度が40〜60g/kgとなるようにアエロジル(登録商標)380(Evonik Industries AG)を添加した。II+III沈降物の最終濃度が0.5kg/kgとなるようにCELPURE(登録商標)C300濾過助剤(Advanced Minerals Corporation)を添加後、デプスフィルターを使用して懸濁液を濾過した。次いで、濾液中の免疫グロブリン組成物のFXIチモーゲン含量を試験した。表22に示すように、画分II+III懸濁液の微細SiO2を用いた処理により、組成物の第XI因子チモーゲン含量はほぼ90%低下した。
実施例4
微細SiO2濾過ケーキからのセリンプロテアーゼの溶出を評価するため、実施例3において調製したように、各種濃度のリン酸緩衝液(100、50、25、および5mM)を含む溶出緩衝液を使用して2つの異なるpH(6.0、7.5)でタンパク質をSiO2から溶出した。簡単に述べると、濾過ケーキを適切な緩衝系で1:5比で溶解し、デプスフィルター(Cuno 50SA)を通して濾過した。次いで、各溶出物のアミド分解活性およびH因子組成物を決定した(表23および表24)。表23に示すように、基質CS2166(FXIa、活性化タンパク質C)で測定したアミド分解活性の溶出はより低い伝導度およびpH(すなわち、6.0)で低下した。
pH7.5の溶出条件下で(表24)、H因子溶出物は伝導度増大時に低下しつつ、セリンプロテアーゼ溶出物は伝導度増大時に増大した。驚くべきことに、非常に低伝導度(5mMリン酸;0.882mS/cm)で、セリンプロテアーゼ溶出物は実質的に増大しつつ、H因子溶出物は低下した。pH7.5で得られた溶出データを図3に図示する。
(表23)pH6.0での微細SiO
2からのH因子溶出物およびセリンプロテアーゼ活性
(表24)pH7.5での微細SiO
2からのH因子溶出物およびセリンプロテアーゼ活性
実施例5
SiO2へ共結合したセリンプロテアーゼおよびH因子の差次的溶出能を示すために、2段階溶出法を開発した。簡単に述べると、SiO2処理後に形成される画分II+III濾過ケーキを前記のように調製した。次いで、濾過ケーキを、pH6.0で0.882mS/cm〜11.88mS/cmのイオン強度を含む溶液条件下で、第1溶出に供した。実施例4に示すように、低pH(pH6.0)および低イオン強度(6.5mS/cm未満)での結合SiO2処理はセリンプロテアーゼ(例えば、FXIa)溶出に至りつつ、H因子の実質的な画分は結合し続ける。高pH(pH7.5)および高イオン強度での後続処理は、SiO2からのH因子溶出に至る(表25)。さらに、実施例4に提供する結果と一致して、高pH(7.5)での初回SiO2処理はH因子溶出に至る(表26)。図示のように、低伝導度およびpH6.0での初回溶出を使用して濾過ケーキから部分的にアミド分解活性を低下することができ、次いで100mMリン酸濃度、150mM NaCl、pH7.6でH因子を溶出することができる。この手順により、濾液中、さらなるプロセス用に低下したアミド分解活性で収率0.31g/L血漿のH因子(CS2166)が得られた。
(表25)pH6.0/7.6でのSiO
2からのセリンプロテアーゼおよびH因子の2段階差次的溶出
(表26)pH7.5/7.6でのSiO
2からのセリンプロテアーゼおよびH因子の2段階差次的溶出
実施例6
血漿由来タンパク質組成物からセリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼチモーゲンを効率的に除去するために必要な微細SiO2の量を決定するため、画分II+III沈降物(すなわち、II+III濾過ケーキ)を溶解させ、濾過し、SiO2処理し、濾過助剤を混合し、第2濾過に供した。簡単に述べると、画分II+III濾過ケーキをまず150mM塩化ナトリウムを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5;30mS/cm)に溶解した。次いで、この懸濁液をCuno 50SAフィルターを介して濾過し、濾液を収集した。アエロジル380を1.0g/gタンパク質か2.5g/gタンパク質のいずれかの最終濃度で濾液と混合し、次いで少なくとも50分間インキュベートした。CELPURE濾過助剤を添加して、Cuno 50SAフィルターを使用して濾過を実施した。次いで、表27に報告するように、生成濾液のアミド分解活性を特性化した。注目すべきことに、結果は、最終濃度2.5g/gタンパク質でのアエロジル添加は、組成物中のカリクレイン、FXIa、およびFXIIaのアミド分解活性を、最終濃度1.0g/gタンパク質のアエロジルで処理した試料と比較して90%超低下したことを示す。
(表27)微細二酸化シリコンを用いた処理後の再懸濁画分II+III沈降物に存在するアミド分解活性
実施例7
血漿由来タンパク質組成物の工業規模の製造中に第XI因子チモーゲンを除去するためのSiO2処理の有効性を評価するため、6つの工業規模の製造バッチのFXIチモーゲン含量を特性化した。表28および表29は、同製造現場で実施した3つの精製から各上流プロセス工程の平均FXIチモーゲン含量を示す。表28および表29のデータは、製造規模精製のSiO2処理は組成物のFXIチモーゲン含量を少なくとも90%低減できることを示す。とりわけ、製造現場1はアエロジルを最終濃度50g/kgII+III沈降物を混合しつつ現場2はアエロジルを最終濃度40g/kgII+III沈降物で使用した。驚くべきことに、このアエロジル使用量の僅差は、アエロジル処理後の濾液の第XI因子チモーゲン含量の大差に至った(現場2の8.1%コーン出発プール対現場1の2.8%コーン出発プール)。
(表28)現場1にて進めた3つの大規模製造バッチの各画分の第XI因子チモーゲン含量平均値
(表29)現場2にて進めた3つの大規模製造バッチの各画分の第XI因子チモーゲン含量平均値
本明細書に記載の実施例および実施形態は例証目的のみであり、それらに照らした様々な修正または変更が当業者に示唆され、本願の真意および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書に引用したすべての刊行物、特許、および特許出願は、参照することによりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる。