以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。尚、図1乃至図18までは、回路基板の構造と製造方法について説明したものであり、図19乃至図42までは、その回路基板に関連した半導体装置及び電子システムの構造と製造方法を説明したものである。
図1は、本発明の好ましい実施形態による回路基板(シリコンウエハを含む)の構造を示す模式的な断面図(第3の方向(Z))である。
図1に示すように、本実施形態によるシリコンウエハ10は、ウエハ本体である基板1と、基板1の表面に形成されたチップ取り出し電極(内部端子電極)2と、チップ取り出し電極2に電気的に接続された半田ボール(外部端子電極)9とを備えている。基板1は、その後個片化される複数の半導体チップからなる集合基板である。これら半導体チップに形成されている回路は互いに同一である。
基板1の表面は、チップ取り出し電極2が設けられた領域以外のほぼ全面が絶縁性のパッシベーション膜3(第2の絶縁膜)で覆われている。特に限定されるものではないが、チップ取り出し電極2は一般的にAlからなり、パッシベーション膜3は一般的に厚さ5μm程度のポリイミドからなる。チップ取り出し電極2には、後述する配線層と接する表面にメッキ(例えばNi+Au)があらかじめ施されていても構わない。尚、本明細書においては、「基板1」と言うときには、チップ取り出し電極2及びパッシベーション膜3を含むことがある。したがって、「基板1の表面」とは、チップ取り出し電極2の表面や、パッシベーション膜3の表面も指すことがある。
これら基板1、チップ取り出し電極2及びパッシベーション膜3からなる部分は、いわゆる前工程(拡散工程)にて作製される部分である。前工程においては、ステッパーなどを用いた極めて高精度なフォトリソグラフィー法によって、極微細な内部配線などが基板上に形成される。これら内部配線の端子となる部分がチップ取り出し電極2である。本実施形態によるシリコンウエハ10は、その表面にウエハレベルで加工を施すことにより、図1に示す配線層21,22及び半田ボール9などを形成するものである。図1に示す破線Aはスクライブラインであり、シリコンウエハ10に対するウエハレベルでの加工(WLP工程)が完了した後、スクライブラインに沿ってシリコンウエハ10をダイシングすることにより、個々の半導体チップに個片化される。
図2は、シリコンウエハ10の主要部を拡大して示す断面図である。図2においては、半田ボール9が形成された面を下側にして示している。
図2に示すように、基板1の表面には、チップ取り出し電極2とパッシベーション膜3が設けられている。上述の通り、パッシベーション膜3は、基板1の表面のうちチップ取り出し電極2が設けられた領域以外のほぼ全面を覆っている。取り出し電極2は、バリア金属配線4及び銅配線5が積層されてなる第1の配線層21に接続されている。特に限定されるものではないが、バリア金属配線4の厚みとしては0.3μm程度、銅配線5の厚みとしては5μm程度とすればよい。
第1の配線層21は、チップ取り出し電極2を覆う第1の端部21aと、第2の端部21bと、基板1の表面に沿って延在し端部21aと端部21bとを接続する再配線部21cとを有している。配線層21の平面形状(それは第1の方向(X)及び第2の方向(Y)で示される)の一例は図3(a)に示されており、特に限定されるものではないが、端部21a,21bの径よりも再配線部21cの幅が細く設計される。また、端部21aは、チップ取り出し電極2の全面を覆うよう、チップ取り出し電極2の径よりもやや大きく設計される。配線層21の上面のうち、配線層22によって覆われる部分以外は、全て保護絶縁膜8によって覆われる。本明細書においては、配線層21,22の上面のうち、保護絶縁膜8によって覆われていない部分を「第1の部分」と呼び、保護絶縁膜8によって覆われた部分を「第2の部分」と呼ぶことがある。したがって、配線層21は第1の部分を有していない。
さらに、図2に示すように、配線層21の端部21bには、バリア金属配線6及び銅配線7が積層されてなる第2の配線層22に接続されている。特に限定されるものではないが、バリア金属配線6の厚みとしては0.3μm程度、銅配線7の厚みとしては10μm程度とすればよい。第2の配線層22は、半田ボール9の下地となるポスト電極として機能する配線層であり、基板1の表面に対して垂直に設けられている。換言すれば、再配線部21cのように基板1の表面に沿って延在する部分を有していない。配線層22の平面形状の一例は図3(b)に示されており、配線層21の端部21bよりも僅かに小さい径を有している。一方、図3(b)に示すように、配線層22は、半田ボール9の底面9aを全て覆うよう、半田ボール9の底面9aよりもやや大きく設計される。これらは、後述する図5を用いた説明にて詳細に理解できる。特に限定されるものではないが、半田ボール9の径が500μm程度であれば、配線層22の径は400μm程度とすればよい。
バリア金属配線4,6としては、Ti、Cr、Ta又はPdからなる単層膜、或いは、TiとNiの積層膜などを用いることができる。本発明においてバリア金属配線4,6を設けることは必須でないが、一般に、パッシベーション膜3の表面に銅配線5を直接形成すると両者の密着性が不足し、一旦大気中に曝された銅配線5の表面に銅配線7を直接形成すると両者の密着性が不足するため、これらを設けることが好ましい。但し、本発明においては銅配線5,7をイオンプレーティング法によって形成するため、被着エネルギを制御することによって密着性や被着応力を調整することが可能である。したがって、本発明においては、従来のWLPに比べると、バリア金属配線4,6を設ける必然性は低い。
図2に示すように、基板1の表面のうち半田ボール9が形成される領域を除く全面は、保護絶縁膜8で覆われている。保護絶縁膜8の材料については特に限定されないが、液状の有機絶縁材料をキュアなどで固化した材料を用いることが好ましい。
かかる構造により、配線層21の表面のうち、配線層22によって覆われる部分以外は全て保護絶縁膜8によって覆われることになる。同様に、配線層22の表面のうち、半田ボール9の底面9aによって覆われる部分(第1の部分)以外は全て保護絶縁膜8によって覆われることになる(第2の部分)。図3(b)に示すように、配線層22の表面のうち、半田ボール9の底面9aによって覆われる部分は配線層22の中央部であることから、配線層22の表面のうち外周に沿った縁部22aは保護絶縁膜8によって覆われることになる。この様子は、図3(b)に示す直線Bに沿った拡大断面図である図4にも示されており、配線層22の縁部22aの表面が保護絶縁膜8で覆われていることが分かる。
かかる構造により、保護絶縁膜8によって配線層22のエッジを含む縁部22aが保護されるため、剥離の発生などを防止することができる。エッジとは、基板1の表面に垂直な方向から見た端部を指す。また、配線層22の縁部22aが保護絶縁膜8によって覆われることにより、配線層22の脱落などが生じなくなる。これらにより、パッケージの信頼性を高めることが可能となる。
ここで、配線層22の縁部22aの幅L(図3(b)参照)、つまり、保護絶縁膜8で覆われる幅については、特に限定されるものではないが、1μm以上に設定することが好ましい。これは、縁部22aの幅Lが1μm未満であると上記の効果が十分に得られないおそれがあるからである。縁部22aの幅Lの上限については特に限定されないが、30μm以下とすることが好ましい。これは、縁部22aの幅Lを30μm超としても、上記の効果はそれ以上向上しない反面、半田ボール9との接触面積が必要以上に小さくなるからである。半田ボール9との接触面積を十分に確保しつつ、上記の効果を十分に得るためには、縁部22aの幅Lを15μm程度とすることが好ましい。尚、縁部22aの幅Lとは、図5に示すように、配線層22の側面22sの平均的接線D1と配線層22の上面22uに沿った仮想線D2との交点Pから、保護絶縁膜8の端部8aまでの距離によって定義される。また、図5に示すように、保護絶縁膜8の基板1からの高さは、配線層22の上面22uの基板1からの高さよりも高い。図5に示すように、配線層22の側面22sは垂直ではなく斜めである。この点は配線層21についても同様であり、以下、配線層21を例にその断面構造について説明する。
図6は、図3(a)に示す直線Cに沿った拡大断面図である。
図6に示すように、配線層21の断面形状は、上面21uが基板1の表面に対してほぼ平行であるのに対し、側面21sは基板1の表面に対して斜めの角度を有している。つまり、配線層21のエッジ部21eが鋭角とされている。その角度θは55°以下であり、好ましくは20°以上40°以下であり、特に好ましくは25°以上35°以下である。本実施形態では配線層21のエッジ部21eがこのような角度を有しているため、エッジ部21eにおける応力が緩和される。しかも、配線層21と保護絶縁膜8との接触面積が増大することから、両者の密着性も向上する。さらに、エッジ部21eが保護絶縁膜8によって上方から覆われるため、配線層21とパッシベーション膜3との密着性も向上する。これらにより、パッケージの信頼性を高めることが可能となる。図5に示したように、上記の角度θを有するエッジ部21eは保護絶縁膜8によって覆われていることから、第1の部分(保護絶縁膜8によって覆われていない部分)とは、配線層21,22の表面のパターン形状から、角度θを有するエッジ部を構成する部分を除く内包領域となる。尚、図5に示したように、配線層21の側面21sは、その断面が必ずしも直線的ではなく、角度が徐々に変化する曲線である場合がある。このような場合における角度θとは、図5に示すエッジ部21e,22eにおける角度によって定義される。エッジ部21eは配線層21がパッシベーション膜3と接する起点であり、エッジ部22eは配線層22が配線層21と接する起点である。
次に、本実施形態によるシリコンウエハ10の製造方法について説明する。
図7〜図8は、本実施形態によるシリコンウエハ10の製造方法を説明するための工程図である。
まず、前工程(拡散工程)が完了した基板1を用意し、図7(a)に示すように、その表面をメタルマスク100で覆う(マスク工程)。メタルマスク100(第1のメタルマスク)には配線層21の平面形状に対応する複数の開口部101が設けられており、基板1の表面のうち、配線層21を形成すべき領域が開口部101を介して露出するよう、メタルマスク100を被せる。配線層21を形成すべき領域とは、図7(a)に示すようにチップ取り出し電極2を含む領域である。メタルマスク100は、フィックスチャーを用いて位置合わせした後、基板1に密着させ、イオンプレーティング装置の陰極側に接続される。メタルマスク100は、温度や被着金属によるひずみによるそりが出ないよう、フィックスチャーの固定部で周辺に多少の張力がかかるように固定される。
メタルマスク100の材料については特に限定されないが、金属性であり、好ましくはステンレスなどを用いることが好ましい。メタルマスク100は、フォトリソグラフィー法によってパターニングされたフォトレジストなどとは異なるリジッドなマスクであり、1枚のメタルマスク100をそのままの状態で基板1に被せることが可能であり、且つ、そのままの状態で基板1から剥離することが可能である。この点において、フォトレジストなどの有機マスクとは明確に区別される。
次に、図7(b)に示すように、メタルマスク100を被せた状態で、イオンプレーティング法によってバリア金属材料4a及びCu5aをこの順に被着させる(成膜工程)。イオンプレーティング法とは、被着すべき金属材料を真空中で蒸発又は昇華させ、金属蒸気に正の電荷、被着基板に負の電荷を印加することによって、被着基板に金属材料を蒸着する方法である。したがって、図7(b)に示す工程は、基板1を真空チャンバーに収容し、気体状のバリア金属材料及びCuに正の電荷、基板1に負の電荷を印加することによって行う。
これにより、メタルマスク100の開口部101を介して露出している基板の表面、並びに、メタルマスク100の上面に、バリア金属材料4a及びCu5aが堆積した状態となる。この時、開口部101を介して露出している部分に形成されるバリア金属材料4a及びCu5aは、図9に示すように、上面21uが基板1の表面に対してほぼ平行となるのに対し、側面21sは基板1の表面に対して斜めとなる。これは、ある程度厚みのあるメタルマスクを介してイオンプレーティングを行った場合の特徴であり、開口部101を介して露出した領域のうち、メタルマスク100の側面100sに近い部分は単位時間当たりの被着量が少なくなるからである。
その理由は、基板1に引き寄せられる金属蒸気のうち進行方向がやや斜めである成分は、開口部101の中央においてはメタルマスク100に阻害されることなく基板1に被着する一方(矢印31参照)、開口部101の端部においてはメタルマスク100に阻害されて基板1に到達しないからである(矢印32参照)。また、図9に示すように、メタルマスク100の側面100sにも金属材料がオーバーハング状に被着するため、これがマスクとなって開口部101の端部における被着量が減少する。このような原理により、上面21uについては基板1に対してほぼ平行となるのに対し、側面21sについては基板1に対して斜めとなる。かかる構造によって得られる効果については既に説明したとおりである。
これに対し、WLPにおける配線層の一般的な形成方法であるメッキ法(アディティブ法)を用いた場合、図10に示すように、フォトリソグラフィー法によってパターニングされたフォトレジスト41の開口部内に、配線層42が選択的に形成される。この場合、フォトレジスト41の開口部の内壁41sは、フォトリソグラフィー法によってパターニングされた結果、実質的に基板1の表面に対して垂直であることから、開口部内に形成される配線層42の側面も実質的に垂直となる。
また、WLPにおける配線層の一般的な形成方法ではないが、サブトラクティブ法を用いた場合、図11(a)に示すように、基板の全面に形成された金属導体51の表面にフォトリソグラフィー法によってパターニングされたフォトレジスト52が形成される。そして、図11(b)に示すように、フォトレジスト52をマスクとして金属導体51をパターニングすると、形成される配線層53の側面は基板1の表面に対して実質的に垂直となる。
このように、フォトリソグラフィー法を用いた場合には、形成される配線層の側面は実質的に垂直となることから、上述した効果を得ることはできない。
本願の特徴の説明に戻り、このようにしてバリア金属材料4a及びCu5aをこの順に被着させた後、図7(c)に示すように、メタルマスク100を基板1から剥離する(リフトオフ工程)。これにより、開口部101内のバリア金属材料4a及びCu5aが残存することから、フォトリソグラフィー法を用いることなく、リフトオフ法によってバリア金属配線4及び銅配線5からなる第1の配線層21がパターニングされることになる。このように、本発明では、イオンプレーティングとリフトオフプロセスによって、フォトリソグラフィー法を用いることなく配線層21を直接形成することができる。本明細書においては、このような手法をイオンプリンティングと呼ぶことがある。
第1の配線層21を形成した後は、引き続き第2の配線層22を形成する。第2の配線層22の形成方法は第1の配線層21の形成方法と同じであり、図8(a)に示すように、配線層22の平面形状に対応する開口部201が設けられたメタルマスク200(第2のメタルマスク)を用意し、基板1の表面のうち、配線層22を形成すべき領域が開口部201を介して露出するよう、メタルマスク200を被せる(マスク工程)。配線層22を形成すべき領域とは、図3(b)に示すように第1の配線層21の端部21bを含む領域である。メタルマスク200の材料については、メタルマスク100と同じ材料を用いればよい。
次に、メタルマスク200を被せた状態で、イオンプレーティング法によってバリア金属材料6a及びCu7aをこの順に被着させる(成膜工程)。これにより、メタルマスク200の開口部201を介して露出している基板1の表面(正確には銅配線5の表面)、並びに、メタルマスク200の上面に、バリア金属材料6a及びCu7aが堆積した状態となる。この場合も、開口部201を介して露出している部分に形成されるバリア金属材料6a及びCu7aは、図9に示すように、上面22uが基板に対してほぼ平行となるのに対し、側面22sが基板に対して斜めとなる。
そして、図8(b)に示すように、メタルマスク200を基板1から剥離すれば(リフトオフ工程)、フォトリソグラフィー法を用いることなく、バリア金属配線6及び銅配線7からなる第2の配線層22が形成される。
次に、図8(c)に示すように、半田ボール9を形成すべき部分を除く基板1の表面に、流動性を有する絶縁材料を選択的に供給し、キュアを行うことにより固化する(保護絶縁膜形成工程)。絶縁材料の選択的な供給は、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。絶縁材料を選択的に供給すると、配線層21の全面と配線層22の側面22sが保護絶縁膜8によって覆われることになる。絶縁材料を供給する前の段階では、配線層22が基板から最も突出していることから、配線層22を避けるように絶縁材料を選択的に供給すれば、配線層22の側面によって絶縁材料が堰き止められるため、配線層22の上面の全体が絶縁材料によって覆われることはない。但し、配線層22の上面が絶縁材料によって全く覆われないわけではなく、拡大図である図5に示したように、表面張力によって配線層22の縁部22aが覆われる。かかる構造によって得られる効果については既に説明したとおりである。
これに対し、WLPにおける配線層の一般的な形成方法であるメッキ法(アディティブ法)を用いた場合、図12に示すように、フォトリソグラフィー法によってパターニングされた保護絶縁膜60の開口部61内に、ポスト電極となる配線層62が選択的に形成される。この場合、配線層62が保護絶縁膜60よりも後に形成されることから、配線層62の縁部62aが保護絶縁膜60によって覆われることはない。
また、サブトラクティブ法を用いた場合も、図13に示すように、保護絶縁膜70の全面に形成された金属導体がパターニングされることになる。この場合も、配線層71が保護絶縁膜70よりも後に形成されることから、配線層71の縁部71aが保護絶縁膜70によって覆われることはない。
このように、フォトリソグラフィー法を用いた場合には、配線層62,71の縁部62a,71aが保護絶縁膜60,70で覆われることがないため、上述した効果を得ることはできない。
本願の特徴の説明に戻り、その後は、配線層22の露出部分に半田を供給しこれを溶融させれば、図1に示すように半田ボール9が形成される(電極形成工程)。以上により、一連のWLP工程が完了する。その後は、スクライブラインに沿って基板1をダイシングすれば、個々の半導体チップに個片化することができる(切断工程)。尚、基板1のダイシングは、保護絶縁膜8を形成した後、半田ボール9を形成する前に行っても構わない。
以上説明したように、本実施形態によるシリコンウエハ10の製造方法によれば、2回のイオンプリンティングによって、フォトリソグラフィー工程(レジストの塗布、露光、現像、及びレジストの剥離を含む一連の工程)を経ることなく配線層21,22が直接形成される。このため、従来の一般的な方法を用いた場合と比べて、工程数が1/3〜1/4に減少する。しかも、メタルマスク100は安価に大量生産可能であるとともに、被着した金属をエッチングにより除去すればクリーニングされたメタルマスク及びそのエッチングされた金属材料をそれぞれ繰り返し使用することが可能である。本発明者らの実験によれば、5回程度繰り返して使用しても、形成される配線層21,22に品質の低下は見られなかった。これらにより、生産性が高く低コストなシリコンウエハ10を提供することが可能となる。
尚、配線層21,22に含まれる銅配線5,7は、膜厚が比較的厚いため(上記の例ではそれぞれ5μm及び10μm)、応力の発生原因となる。しかしながら、上述の通り配線層21,22のエッジが鋭角であり、その角度θが55°以下であることから、エッジ部における応力が緩和される。応力をより緩和するためには、イオンプレーティング時における基板1の温度を低温化するとともに、被着原子エネルギを低い状態とすることによって、ひずみの少ない成膜条件に制御することが好ましい。
より具体的には、イオンプレーティング時における被着原子エネルギを5〜100eVの範囲に設定することが好ましい。これは、被着原子エネルギが高すぎると、界面破壊が生じるからである。これに対し、被着原子エネルギを上記の範囲に設定すれば、セカンダリマイグレーションが活発となる結果、被着金属は成長方向に伸びる柱状結晶の集合体となる。
図14は、イオンプレーティング法によって形成されたCuの断面を示す図である。
図14に示すように、Cuをイオンプレーティング法によって形成すると、Cuは成長方向に伸びる柱状の塊30の集合体となる。柱状の塊30とは、典型的には配線層を構成する金属材料(Cu)の結晶体であり、この場合、隣接する2つの塊30の境界部分は結晶界面となる。また、これら柱状の塊30の少なくとも一部は、互いに結晶方位が異なることがある。柱状の塊30の成長方向は、基板1の表面方向とは異なる方向であり、典型的には基板の表面に対してほぼ垂直な方向である。したがって、イオンプレーティング法によって形成される配線層21,22は、典型的には、基板1の表面に対してほぼ垂直に伸びる柱状結晶の集合体によって構成されることになる。このため、面方向に対しては細分化されたグレインとなることから、被着ひずみが少なく且つ界面においては強固な接着力を得ることが可能となる。
図15は、柱状の塊30の集合体が成長するメカニズムを説明するための図である。
まず、真空中でイオン化されたスピーシーズ32がクーロン力により基板31に向かって運動し、基板31に付着する(図15(a))。基板31に付着したスピーシーズ32aは、セカンダリマイグレーションによって基板31の表面を移動し、これによって移動したスピーシーズ32b同士が合体する(図15(b))。これを繰り返すことにより、基板31の表面には、スピーシーズの核32cが形成される(図15(c))。図15(d)はスピーシーズの核32cを平面方向から見た図である。イオンプレーティングが進むにつれて、核32cは平面方向及び高さ方向に成長し、島状の塊32dとなる(図15(e))。島状の塊32dは、イオンプレーティングが進むにつれてさらに成長し、基板31の表面が隙間なく島状の塊32dで覆い尽くされた後は、高さ方向に成長を進め、柱状の塊30となる(図15(f))。このようなメカニズムにより柱状の塊30の集合体が成長することから、早期に島状の塊32dが形成された箇所においては柱状の塊30の高さが高くなり、他の箇所においては柱状の塊30の高さがやや低くなる。このため、柱状の塊30の基板31からの高さは互いに僅かに異なることになり、その結果、配線層21,22の表面には、細かな凹凸が現れることになる。
使用するイオンプレーティング装置としては、市販のイオンプレーティング装置を用いることができるが、被着金属イオンのエネルギを制御することによって、密着力を確保しつつひずみの発生しにくい成膜条件とすることができる。イオン源は電子ビーム法で蒸発させ、蒸発した金属原子を高周波コイルの中で発生しているArプラズマに浸入させ、イオン化させる。イオン化された金属原子はマイナス電極に設置されたウエハにクーロン力で引き付けられ、被着する。
その被着エネルギはイオンの平均自由工程と電圧に関与する。イオンの有効面積をσ2とすると、平均自由工程λ[m]はArガス温度T[K]およびガス圧P[Pa]で決まり、次式で表すことができる。
また、イオン質量をm[g]とすると、加速される速度vは、次式で表すことができる。
したがって、イオン加速エネルギUは、次式で表すことができる。
当然、平均自由工程λはボルツマン分布をしているため、0から1000倍以上という広がりを持つが、平均自由行程で被着層の性質が異なることになる。
上式から明らかなようにイオン加速エネルギUは平均自由工程λと同一次元であるため、ボルツマン分布をする。図43は、本実施形態のイオンプレーティング時における被着金属イオンのエネルギの分布を示すグラフである。図44は図43を対数表示したグラフである。エネルギ分布を視認しやすい図44を用いて説明すると、本実施形態のイオンプレーティングでは、主要部分を25±10eVとする0.01eVから250eVの被着エネルギを与える。
ここで「主要部分」とは、ボルツマン分布する被着エネルギのピークを意味する。図43に示すように、本実施形態では、被着エネルギのピークは25±10eV、すなわち15eV〜35eVの範囲にあればよい。図43では15eV、25eV、35eVをそれぞれピークとする3通りのエネルギ分布f1(u)、f2(u)、f3(u)を例示している。
次に、ピークを中心とした被着エネルギの範囲(上下限)を上記の0.01eVから250eVと定めた理由について説明する。本来、ボルツマン分布する被着エネルギに上下限はない。しかし、本実施形態の被着エネルギを一般的なイオンプレーティングのそれと差別化するため、図44の縦軸に示す、頻度が5%(値0.05)以下の、ほとんど利用されないエネルギ値を一応の目安として切り捨てた。するとエネルギの範囲0.8〜250eVが得られる。ただし本実施形態では下限値をより小さくし、被着エネルギの範囲を0.01〜250eVとした。これは、被着エネルギが低い分子・原子は空間を飛程中に衝突し易く、これによってエネルギが減少すると見たからである。
図45は一般的なイオンプレーティングおよび本実施形態におけるイオンプレーティングの被着エネルギの分布を比較するグラフである。図46は図45を対数表示したグラフである。本実施形態におけるイオンプレーティングの特徴は、被着エネルギのピーク(図46に代表として示すエネルギ分布f1(u)のピーク15eV)が、一般的なイオンプレーティングの被着エネルギのピーク(図46のエネルギ分布f0(u)のピーク1keV)より格段に小さく、2桁もの差があることである。
ピークにこれだけ明確な差がありながら、既に述べたように上下限のないボルツマン分布同士であるために、本実施形態におけるイオンプレーティングと一般的なイオンプレーティングの被着エネルギの分布曲線は、ほとんど使用されない裾野の部分(0.05=5%以下の部分)でオーバーラップしている。そこで一般的なイオンプレーティングについても、本実施形態と同様に頻度が5%以下のエネルギ値を一応の目安として切り捨てる。これによって本実施形態の被着エネルギの範囲0.01〜250eVは、一般的なイオンプレーティングの被着エネルギの範囲とオーバーラップしなくなる。したがって両者を明確に差別化することができる。
なお、イオンプレーティングの被着原子エネルギの範囲を上記の0.01〜250eVからさらに限定し、5〜100eVにすることが好ましいことは既に述べた通りである。
図5および図6に示した、配線層21、22のエッジ部21e、22eの角度が55°以下となる構造、および、図14に示した、Cuが柱状の塊30の集合体となる構造は、本実施形態に特有の構造である。すなわち、ある程度の厚みのメタルマスクを用い、主要部分を25±10eVとする0.01eVから250eVの被着エネルギでイオンプレーティングを行うことにより、かかる構造の配線層が得られる。
ボルツマン分布からCu2+イオンの粒子エネルギの平均値15.5eVとすると、分布はおおむね200eV(0.01%以下を切捨て)で収まる。この値は原子結合エネルギの約5から10倍であり、被着後再配列するエネルギを持っているが、被着された状態を乱す値ではないことから、被着膜の応力が発生しない条件である。この条件で被着したCu膜のX線回折によるピークを圧延銅箔と比較した測定結果を図16に示す。図16は、上記の件で被着したCu膜80と、標準Cu板81とを比較した図である。最大ピーク(2θ=69°)と2θ=33°のピークはSUS板に貼り付けたための、SUSを表すピークであり、これを除外してみる必要があるが、全体として強度が強い方が標準Cu板81であり、それと同じ場所にピーク値が一致していることから、ひずみのないCu結晶となっていることが分かる。
以上の説明で明らかなように、ひずみの少ない厚いCu配線をフォトリソグラフィー法を用いることなく形成することができる。
図47はイオンプレーティング時の被着金属(Cu)の被着エネルギと、成膜されたCu結晶の構造との関係を示す実験結果である。同図は結晶をFIB(Focused Ion Beam)で切断した断面である。バイアス電圧およびCuイオンエネルギは4通りに変化させている。その値は図47(a)においてバイアス10V、Cuイオンエネルギ1.825eV+α(条件1)、図47(b)においてバイアス55V、Cuイオンエネルギ10.038eV+α(条件2)、図47(c)においてバイアス200V、Cuイオンエネルギ36.503eV+α(条件3)および図47(d)においてバイアス300V、Cuイオンエネルギ54.754eV+α(条件4)である。それぞれ被着エネルギに「+α」としているのは、これらの被着エネルギの値には、原料基板へのイオンビーム加熱の運動エネルギ(1〜5eV)を加算すべきだからである。
条件1〜条件4は、すべて、0.01eVから250eVという本発明が推奨する範囲の被着エネルギの範囲にある。したがって、Cuの大部分が柱状結晶となっていて、図15で説明したセカンダリマイグレーションが起こっている良好な結果と見える。条件1〜4の柱状結晶の成長の様子の相違を、以下、考察する。
図47(b)に示す条件2、すなわち被着エネルギが10.038eV+α=11〜15eVの場合が、4条件のなかで、最も、全体にわたって微細できれいな柱状結晶ができていることが分かる。条件2における被着エネルギは、上記の0.01eVから250eVという範囲のなかでも本発明が主要部分としてとりわけ推奨する25±10eVに最も近い値である。
図47(a)に示す条件1、すなわち低い被着エネルギ1.825eV+α=2.8〜6.8eVの場合は、領域A1に示すように、粗大結晶になってしまっている領域がある。これは、図15で説明したセカンダリマイグレーションが不足し、安定して成長していない柱状結晶が、隣で成長している柱状結晶からの侵食を受けたためと考えられる。したがって柱状にならず、横の広がりができ、上記のような粗大結晶ができている。また、その他の3つの領域A2、A3、A4にも見られるように、かかる侵食は、柱状結晶の途中でも起こっている。条件1よりさらに低エネルギにした場合には、かかる粗大化が顕著になり、さらに低エネルギにすれば、結晶はアモルファスに近付くと考えられる。
図47(c)に示す条件3、すなわち被着エネルギを高くした36.503eV+α=37〜41eVの場合、被着当初(おおよそラインL1より下方の層)は、微細柱状結晶の傾向が見られる。しかしおおよそラインL1より上の中盤以降、スピーシーズ衝突時に既に生成した結晶の乱れが生じ、セカンダリー・サーダリマイグレーションで柱状結晶の連続性が阻害される傾向にあり、結晶粒が次第に粗大化されて成長してゆく。
図47(d)に示す条件4、すなわち被着エネルギをさらに高くした54.754eV+α=55〜60eVの場合、おおよそラインL2より上の層において、条件3と同様の粗大化成長とともに、さらに柱状結晶の連続性がなくなり、乱れが大きくなっている。そのきっかけは、既結晶の乱れによる枝別れの箇所が多いことから判断できる。さらに本実験結果には含まれていない以内が、被着エネルギを100eVレベルにすると、柱状結晶ではなく、粒状結晶が生じてくる可能性が示唆される。
以上の条件1〜4の比較をまとめると、最も柱状結晶の成長が理想的なものから順に、条件2>条件3>条件1>条件4の順位が付けられる。概ね、本発明がとりわけ推奨する25±10eVの被着エネルギに近い値でイオンプレーティングを行ったものから順番に良好な柱状結晶を形成している。
なお条件1より低い被着エネルギや条件4より高いエネルギなど、より広範囲の被着エネルギを用いて実験すれば、結晶の成長の差がより顕著に現れたと考えられる。
原子の並びが500〜800個程度という超微細な柱状結晶(ほぼ50nm径)では粒界が極端に多いことから、粒界の変位能の高さから成膜ひずみが小さくなり、被着厚みが厚くても、残留応力の小さな安定膜が形成される。
イオンプレーティングによる被着金属は、通常の金属結合エネルギの数倍のエネルギで被着するため、界面接着強度も大きく、ひずみが小さいことから柱状結晶は最適な成膜条件である。
図48は、図5および図6にて説明した、配線層21の断面形状を例示する実験結果である。図48(a)は成膜された配線層21の結晶構造を示している。図48(b)は、配線層21の成膜時における配線層21とメタルマスク100との位置関係を模式的に示す図である。図48(c)は、図48(a)と比較対象となる、図10に示したメッキ法にて配線層42を形成した場合の実験結果を例示する図である。図48(a)では、メタルマスクを用いたイオンプレーティングによって配線層(Cu)を成膜していて、その被着エネルギは18.25eV(バイアス100v)である。
図48(a)には、図48(b)で位置関係を模式的に示したメタルマスク100の影響でエネルギが弱く、柱状結晶がうまくできていない領域A5があるものの、エッジ部の角度が55°以下となる配線層21が形成されている。
一方、図48(c)に比較例として示すメッキ法にて配線層を形成した場合には、エッジ部A6の形状が基板1に対してほぼ90°になっていて、エッジ部A6の応力は緩和されないし、配線層42と保護絶縁膜との密着性も向上させることができず、パッケージの信頼性が高められない。
以上、本発明の好ましい回路基板に関する実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、本発明において基板上に2層の配線層21,22を設けることは必須でなく、模式図である図17に示すように、チップ取り出し電極2の上部に配線層22を直接形成しても構わない。つまり、再配線部を有する配線層21を省略することも可能である。このような構造は、チップ取り出し電極2の電極ピッチが十分に広く、再配線を行う必要がないケースにおいて好適である。この場合、図18に示すように、配線層22の側面22sは斜め(55°以下)であり、配線層22の上面22uのうち外周に沿った縁部22aは保護絶縁膜8によって覆われる。
また、上記実施形態においては、配線層21,22をバリア金属配線と銅配線の2層構造としたが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、バリア金属配線を省略しても構わないし、銅を主成分とする銅配線の代わりに他の金属材料からなる配線を用いても構わない。Cu以外の好ましい他の金属材料(主金属)の主成分としては、Al、Ti、Cr及びNiを挙げることができる。好ましくは、主成分は、50パーセント以上である。その他の材料(副金属)の副成分は10パーセント以下である。特に、Alは一般的なWLPにて用いられるメッキ法では形成することができない金属材料であるが、イオンプレーティング法によれば、金属の種類にかかわらず成膜可能である。また、銅配線の代わりにAl配線を用いた場合、バリア金属配線は不要である。さらに、銅配線の代わりに、複数の金属材料からなる多元合金を含む配線を用いても構わない。多元合金は、その種類によってはメッキ法で形成することが困難であるが、イオンプレーティング法によれば、任意の種類の金属を任意の比率で混合させることが可能となる。多元合金を使用したイオンプレーティング法によって、さらに製造コストが低減できる。
また、上記実施形態においては、おなじメタルマスクを用いてバリア金属配線(第1の金属性の導体)と銅配線(第2の金属性の導体)の複数の配線層を連続的に形成している(一回の前記マスク工程、連続する複数回の前記成膜工程、及び前記一回のマスク工程に対応する一回の前記リフトオフ工程からなる一連の工程群)が、本発明がこれに限定されるものではなく、メタルマスクを用いてバリア金属配線を形成した後このメタルマスクを剥離し、別のメタルマスクを用いて銅配線を形成しても構わない。
さらに、本発明の対象がシリコンウエハに限定されるものではなく、種々の回路基板に適用することが可能である。
さらに、本願の権利対象である回路基板が、シリコンウエハ及び半導体チップに限定されるものではなく、シリコンウエハ、半導体チップを封止した最終製品としての電子デバイス(単一の半導体チップまたは複数の半導体チップがモールディング等で封止された半導体装置、単一または複数の前記半導体装置を含むカード、単一または複数の半導体チップを含むカード、コンピュータや移動体通信機器などの電子機器に含まれるシステムとしてのマザーボード等)とすることが可能である。この場合、回路基板の外部端子電極は、最終製品が有する外部端子電極となる。本願の一つの技術思想(フォトリソグラフィー工程を経て作成された基板に、フォトリソグラフィー工程を使用せずにメタルマスクを基板に被せるマスク工程、イオンプレーティング法により金属性の導体を形成する成膜工程、及びメタルマスクを剥離するリフトオフ工程、並びに外部端子電極を形成する電極形成工程)と何ら矛盾するものではない。
尚、これまでの技術思想においては、後工程においてボンディングワイヤを敷設することを排除するものではないし、回路基板又は最終製品がボンディングワイヤを含むことを何ら制約するものでもない。よって、実施形態における半田ボール9に替えてボンディングワイヤまたはTAB(tape automated bonding)を外部端子電極に含めてもよい。
次に、本実施形態による半導体装置及び電子システムの構造、並びにそれらの製造方法について説明する。図19乃至図42までは、その回路基板に関連した半導体装置及び電子システムの構造と製造方法を説明したものである。
図19は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置(複数のチップを含む)の構造を示す模式的な構造図を上から見た図である。
図19に示すように、本実施形態による半導体装置は、絶縁基板50(第4の基板)の上に複数の機能素子である複数の半導体チップ(第1乃至第7チップ)が搭載される。絶縁基板50は、周知の材料及び製法で構成される。絶縁基板上には、それぞれが複数の配線層51(絶縁基板配線)が形成される複数の配線を含む。配線層51は、周知の材料及び製法で構成される。半導体装置は、外部と通信する外部端子群1、2を有する。外部端子群は、配線層51と同一構造である。外部端子群1、2は、絶縁基板50の上面(第1乃至第7チップが搭載されている側の面)に形成されている必要はなく、絶縁基板50の裏面に形成されていても構わない。図19においては外部端子群1、2を破線で示しており、これは、外部端子群1、2が絶縁基板50の裏面に形成されていることを意味する。この点は、図32,33,35,37においても同様である。
本実施形態による半導体装置は、第1、2及び第6のチップで構成された第1のシステム、並びに第3、4、5及び第7のチップで構成された第2のシステムを有する。第1のチップ(第1の基板)と第2のチップ(第2の基板)は積層される。第3、4及び第5のチップは、積層される。第1のチップ、第3のチップ(第1の基板)及び第4のチップ(第5の基板)は、前述した回路基板である。第3のチップと第4のチップは、同一の機能を有する半導体チップである。第6のチップ(第3の基板)は、第1及び第2のチップ並びに外部端子群1を介して半導体装置の外部とそれぞれ通信する。第7のチップ(第3の基板)は、第3乃至第5のチップ並びに外部端子群2を介して半導体装置の外部とそれぞれ通信する。第3、4、5及び第7のチップで構成された第2のシステムの電気的な接続構成は、図20に示される。第1、2及び第6のチップで構成された第1のシステムの電気的な接続構成は、不図示であるが、第2のシステムと同様である。故に、この半導体装置は、2つのシステムを有する例である。
図20に示すように、本実施形態による第2のシステムは、CPU(プロセッサ:第7チップ)の命令信号をNANDフラッシュメモリ(第3、第4チップ)の動作信号に変換するための制御回路チップ(第5チップ)との接続状態を示した一例である。それぞれの記号は表1に示すとおりである。なお、Other-a,-bは非公開の特別な信号である(不図示)。
CPUは、汎用のI/O制御信号(GPIO)ピン、アドレス指定ピンA0〜An、読み出し/書き込みピンRD/_WRなどの制御ピンで構成されている。しかし、NANDフラッシュメモリは読み出しや書き込みをシーケンシャルに実行するため、CPU命令とは異なったステップで実行しなければならず、制御回路(第5チップ)が必要である。メモリにアクセスするには、まず所定のコマンドを投入してから、メモリのアドレスを必要サイクル分投入する。そのうえで必要なデータの読み出しや書き込みが実行できる。制御回路がNANDフラッシュメモリを適切に実行させ、CPUの命令に従ったNANDメモリのタスクを実行する。これで分かることは、CPUとNANDフラッシュメモリ間の接続配線a、CPUと制御回路間の接続配線b、及び制御回路とNANDフラッシュメモリ間の接続配線c、並びにCPU、制御回路、NANDフラッシュメモリの3者間で共有する接続配線dがある。
図19に戻り、接続配線a、接続配線b及び接続配線dは、それぞれ複数の配線層51(a、b−1乃至b−3、d−1、d−2、e−1)で示される。接続配線c(c−1乃至c−7)は、前述の配線層21若しくはボンディングワイヤ、またはそれらの組み合わせで示される。尚、図面の紙上、それら配線本数は少なく表現している。よって、対応するそれぞれのチップに含まれるチップ取り出し電極(内部端子電極)2の数も実際の製品の数よりも少なく表記している。複数の内部端子電極2は、図19においては、白枠で示されるD1乃至D10、E1乃至E10及びF1乃至F12で示される。尚、配線層21は、第1の端部21a、第2の端部21b及び再配線部21cを含む。図19においては、第1の端部21aと第2の端部21bはグレーの枠で示されるGとHの符号で示され、再配線部21cは点線または一点鎖線で示される。再配線部21cは、第1の端部21aと第2の端部21b、若しくは第1の端部21a同士、または第2の端部21b同士を接続する。第3のチップと第4のチップのそれぞれの表面に形成する配線層21は同一のパターンである。ボンディングワイヤについて、内部端子電極2間を接続する、または内部端子電極2及び第1の端部21a、第2の端部21bをそれぞれ接続するボンディングワイヤは、細い線と太い線のいずれかで示される。
第1のチップと第2のチップ間との接続、及びそれらと配線層51との接続について詳述する。第1のチップは、複数のチップ取り出し電極(内部端子電極)2を有する。それらは、白枠で示されるA1乃至A5で示される。第1のチップの表面には、第1の端部21a(第2のノード)、第2の端部21b(第1のノード)及び再配線部21c(第1または第2の配線)を含む再配線が形成される。第2のチップは、複数のチップ取り出し電極(内部端子電極)2を有する。それらは、白枠で示されるB1乃至B6で示される。取り出し電極(内部端子電極)2(A1)は、図2の様に第1の端部21a(C2)と接続する。図面の都合上、白枠とグレーの枠を少しずらして表現している。第1の構造形式として、取り出し電極(内部端子電極)2(B1)は、第2の端部21b(C1;第1のノード)とボンディングワイヤ(第1のボンディングワイヤ)で接続する。以降、図面上においては、曲線で描画された実線のシンボルがボンディングワイヤを示している。尚、細い実線と太い実線とがあるが、その意味は後述する。取り出し電極(内部端子電極)2(A1)は、第1の端部21a(C2;第2のノード)と接続する。取り出し電極(内部端子電極)2(A5)は、第1の端部21a(C12)と接続する。取り出し電極(内部端子電極)2(B6)は、第2の端部21b(C11)と接続する。これらについて、X−1からX−2のラインで表現した断面図を図21で示す。ボンディングワイヤ40は、周知の材料、構造(その断面は円形、円状)、手法で形成される。第1と第2のチップ間には、接着剤42が形成される。絶縁膜43は、ボンディングワイヤ40を保護する。これは、後の第1のチップで構成される第1のウェハがスクラインライン41でダイシングする工程に必要な保護膜である。保護絶縁膜8は、不図示である。再配線は、前述のメタルマスクとイオンプレーティング及びメタルマスクのリフトオフによって形成され、特殊な構造を有する。それらは、第1のチップの表面に垂直な方向から見たエッジ部を含み、第1のチップと接するエッジ部における再配線である配線層の第1のチップの表面と垂直な断面の角度が55°以下である。例えば、スクライブライン41側の配線層21の終端の形状で示される。さらに、配線層21は、第1のチップの表面方向とは異なる方向に伸びる柱状の塊の集合体によって構成されている。尚、配線層21は、好ましくはアルミAlを主成分とする金属であり、Si、Ti、Cuなどの副金属が少量混入し、パシベーション膜への接着力を高めると共に大電流によるエレクトロマイグレーション耐性、耐食性を高めた。Alの金属性が確保された範囲の副金属の混入範囲である。特に、Alは一般的なWLPにて用いられるメッキ法では形成することができない金属材料であるが、イオンプレーティング法によれば、金属の種類にかかわらず成膜可能である。また、一例として、配線層21の厚さは、0.5〜2ミクロンメータとするが、前述のように0.2〜10ミクロンメータでもよい。接着剤は、一例として、ダイボンディング剤(ペースト状)である金属粉末などの混入されたエポキシ、あるいはシリコーン樹脂である。尚、本発明において「主成分」とは、重量比で最も比率の多い材料を指し、好ましくは、重量比が50%以上である材料を指す。
図19に戻り、第2の構造形式として、取り出し電極(内部端子電極)2(B2)は、第2の端部21b(C3)とボンディングワイヤ(第2のボンディングワイヤ)で接続する。第1の配線層51(絶縁基板配線;f)は、第2の端部21b(C4)とボンディングワイヤ(第3のボンディングワイヤ)で接続する。これらについて、X−3からX−4のラインで表現した断面図を図22で示す。
第3の構造形式として、取り出し電極(内部端子電極)2(A3)は、第1の端部21a(C9)と接続する。第2の配線層51(絶縁基板配線;f)は、第2の端部21b(C6)と接続する。これらについて、X−5からX−6のラインで表現した断面図を図23で示す。配線層21は、第1のチップと第2のチップ間に配置され、第1の端部21a(C9)と第2の端部21b(C6)と接続する。これらについて、X−5からX−6のラインで表現した断面図を図23で示す。
第4の構造形式として、第3の配線層51(絶縁基板配線;f)は、取り出し電極(内部端子電極)2(A2)、第2の端部21b(C7)及び第2の端部21b(C8)を介して取り出し電極(内部端子電極)2(B3)と接続する。
第5の構造形式として、第4の配線層51(絶縁基板配線;f)は、第2の端部21b(C5)と接続する。取り出し電極(内部端子電極)2(B4)は、第2の端部21b(C10)を介して第2の端部21b(C5)と接続する。これは、第2と第3の構造形式の応用である。
第3のチップ、第4のチップ及び第5のチップ間の接続、及びそれらと配線層51との接続について詳述する。基本的には、第1と第2のチップ間の接続と同様であるが、それらに開示されていない部分を詳述する。
第6の構造形式として、第5の配線層51(絶縁基板配線;d−1)は、第2の端部21b(G5)、取り出し電極(内部端子電極)2(E1)と接続する。取り出し電極(内部端子電極)2(D1)は、第1の端部21a(G6)を介して第2の端部21b(G5)と接続する。取り出し電極(内部端子電極)2(F2)は、第2の端部21b(G2)を介して第2の端部21b(G5)と接続する。尚、第4のチップは、第3のチップ同様に配線層21と2つの第2の端部21b(G2)(G5)を有するが、それらは使用されない。第4のチップが有する取り出し電極(内部端子電極)2(E1)は、実質的に第4のチップの第2の端部21b(G6;不図示)に接続する。
第7の構造形式として、第6の配線層51(絶縁基板配線;d−2)は、第2の端部21b(G7)、取り出し電極(内部端子電極)2(D2)及び取り出し電極(内部端子電極)2(E2)と接続する。取り出し電極(内部端子電極)2(F3)は、第2の端部21b(G3)を介して第2の端部21b(G7)と接続する。第4のチップは、第3のチップ同様に配線層21と2つの第2の端部21b(G3(H3))(G7(H7))を有するが、それらは使用しない。以下同様である。
第8の構造形式として、2つの取り出し電極(内部端子電極)2(D5)(E4)は、第2の端部21b(G10)及び第2の端部21b(G9)を介して取り出し電極(内部端子電極)2(F4)と接続する。これらは、接続配線c(c−1)で示される。
第9の構造形式として、2つの取り出し電極(内部端子電極)2(F5)(E5)間は、第2の端部21b(G11)及び第2の端部21b(G12)を介して接続する。これらは、接続配線c(c−2)で示される。F5とG11は、ボンディングワイヤ(第5のボンディングワイヤ)で接続する。E5とD5は、ボンディングワイヤ(第6のボンディングワイヤ)で接続する。
第10の構造形式として、2つの取り出し電極(内部端子電極)2(F6)(D6)間は、第2の端部21b(G13)及び第2の端部21b(G14)を介して接続する。これらは、接続配線c(c−3)で示される。
第11の構造形式として、2つの取り出し電極(内部端子電極)2(E10)(D10)は、それぞれ対応する第1の端部21a(H16)(G16)及び第1の端部21a(H15)(G15)を介して取り出し電極(内部端子電極)2(F11)に接続する。2つの取り出し電極(内部端子電極)2(E9)(D9)は、それぞれ対応する第1の端部21a(H15)(G15)を介して取り出し電極(内部端子電極)2(F11)に接続する。これらは、接続配線c(c−7)で示される。2つの第1の端部21a(H15)(H16)間は、第4のチップの表面に形成された再配線部21c(一点鎖線)によって、接続される。その再配線部21c(一点鎖線)は、第3のチップと第4のチップ間に配置する。2つの第1の端部21a(G15)(G16)間は、第3のチップの表面に形成された再配線部21c(点線)によって、接続される。その再配線部21c(点線)は、第3のチップと第5のチップ間に配置する。その他の構造形式として、配線層51(絶縁基板配線;a)は、取り出し電極(内部端子電極)2(E3)とボンディングワイヤ(第7のボンディングワイヤ)で接続し、また、配線層51(絶縁基板配線;a)は、取り出し電極(内部端子電極)2(D3)とボンディングワイヤで接続する。配線層51(絶縁基板配線;b−3)は、取り出し電極(内部端子電極)2(F10)とボンディングワイヤ(第4のボンディングワイヤ)で接続する。
第1のチップについて、図24、図25で詳述する。図24は、第1のチップの表面に形成された第1の端部21a、第2の端部21b及び再配線部21cを含む再配線の上面図である。図25は、それぞれ再配線が形成された複数の第1のチップで構成するウェハ(第1のウェハ)状態の上面図である。これらの構造、及び製造方法の特徴は、前述のとおりである。よって、図24で示される一つの第1のチップは、第1のウェハにおける状態において一つの第1のチップを拡大した図である。
第3と第4のチップについて、図26、図27で詳述する。図26と図27は、それぞれ第3のチップと第4のチップの表面に形成された第1の端部21a、第2の端部21b及び再配線部21cを含む再配線の上面図である。この実施例においては、同一機能のチップとしているので、それらの再配線は同一のレイアウトパターンであり、符号が異なるのみである。図26で示される第3のチップ(第4のチップ)は、第1のウェハ(図25)同様に再配線が形成された複数の第3のチップで構成するウェハ(第2のウェハ)であり、一つの第3のチップを拡大したものである。図27も同様である。ダイシング工程にて、一つの第2のウェハからダイシングされたチップを、第3と第4のチップと定義してもよい。
第1の製造方法に係わる第3と第5のチップについて、図28、図29及び図30で詳述する。図28は、第3のチップに第5のチップを接着剤で積層に形成した上面図である。正確には、第3のチップの表面に形成された再配線の上に接着剤を介して第5のチップが積層する。これら図28、図29及び図30においても、第3のチップは、第2のウェハにおける状態において一つの第3のチップを拡大したものである、ことに注意が必要である。図29は、第3のチップと第5のチップ間をボンディングワイヤで接続した上面図である。8か所において、それぞれボンディングワイヤリングしている。この実施例の説明において、ボンディングワイヤは、名称として単一名詞で扱っている。また前記ボンディングワイヤは、ワイヤボンディングと呼ぶことがある。図30は、8か所のボンディングワイヤを絶縁膜(網掛け)で保護した上面図である。第2のウェハをダイシングする工程、または試験工程においてボンディングワイヤの欠損を防止する。この後、複数の第5のチップが積層された第2のウェハは、ダイシングされ、積層された一つの個別チップとなる。
第1のチップ乃至第5のチップについて、図31で詳述する。第4のチップの上に第3のチップが積層される。第3のチップの上に、それぞれ第1のチップと第5のチップが積層される。第1のチップの上に第2のチップが積層される。正確には、第3のチップと第5のチップがボンディングワイヤでワイヤリングされて積層された一つの第1の個別チップが、第4のチップに積層される。第1のチップと第2のチップがボンディングワイヤでワイヤリングされて積層された一つの第2の個別チップが、第3のチップに積層される。尚、第4のチップは、第1の端部21a、第2の端部21b及び再配線部21cを含む再配線が表面に形成された第2のウェハをダイシングして得られた個別のチップである。さらに、その後の工程において、第3と第4のチップは積層する。第3のチップは、少なくとも一部の第4のチップの取り出し電極(内部端子電極)2、第1の端部21a及び第2の端部21bが露出するように、第4のチップに積層される。その露出の意義は、絶縁基板配線51、その他のチップの取り出し電極(内部端子電極)2、第1の端部21a及び第2の端部21bの少なくとも一つとの接続のためである。
半導体装置について、図32及び図33で詳述する。図32においては、第4のチップ(正確には、積層された第1のチップ乃至第5のチップ)が、絶縁基板50の上に搭載される。それぞれのチップまたはそれぞれのチップに関連する複数の再配線が、複数の絶縁基板配線51と複数のボンディングワイヤ(太い実線)で接続される。第4のチップまたは第4のチップに関連する再配線が、第3及び第5のチップと複数のボンディングワイヤ(太い実線)で接続される。図33においては、第1のチップ乃至第7のチップが、それぞれ絶縁膜(網掛け)で保護されている。
第2の製造方法に係わる第1のチップ乃至第5のチップについて、図34、図35で詳述する。図34においては、それぞれのウェハからダイシングされた第1のチップ乃至第5のチップが、積層される。当然、第1、第3及び第4のチップのそれぞれの表面には、再配線が形成されている。第1の製造方法が、再配線を含むウェハの状態で異なるチップを積層してボンディングワイヤを敷設し、その後ダイシングするのに対して、第2の製造方法では、まず最初にそれぞれ再配線を含むウェハをダイシングして、それぞれの異なるチップを積層している。
図35(半導体装置)においては、第4のチップ(正確には、積層された第1のチップ乃至第5のチップ)が、絶縁基板50の上に搭載され、それぞれ複数の絶縁基板配線51と複数のボンディングワイヤで接続される。第1のチップ乃至第5のチップ間は、それぞれ複数のボンディングワイヤで接続される。すべてのボンディングワイヤが太い実線であることに注意が必要である。それは、すべてのボンディングワイヤが、一工程にて敷設されるからである。第1のチップ乃至第7のチップが、それぞれ絶縁膜で保護されている。
第3の製造方法に係わる第1のチップ乃至第5のチップについて、図36で詳述する。図36においては、最初に、それぞれのウェハからダイシングされた第1のチップ乃至第5のチップが、積層される。当然、第1、第3及び第4のチップのそれぞれの表面には、再配線が形成されている。第1のチップと第2のチップ間が、ボンディングワイヤ(細い実線)で接続される。さらに、第3のチップと第5のチップ間が、ボンディングワイヤ(細い実線)で接続される。それらボンディングワイヤは、絶縁膜(網掛け)で保護される。第2の製造方法が、第4のチップ(正確には、積層された第1のチップ乃至第5のチップ)を絶縁基板50の上に搭載し、それぞれ複数の絶縁基板配線51と複数のボンディングワイヤで接続するのに対して、第3の製造方法では、第4のチップ(正確には、積層された第1のチップ乃至第5のチップ)を絶縁基板50の上に搭載する前に一部のボンディンワイヤを敷設し、保護膜を設けている。この一部のボンディングワイヤを敷設した状態において、第4のチップ(正確には、積層された第1のチップ乃至第5のチップ)を試験した後、良品のみを絶縁基板50に搭載する。
図37は、本発明の好ましい実施形態による複数の半導体装置(それぞれ複数のチップを含む)と電子システムの構造を示す模式的な構造図を上から見た図である。電子システムは、第1乃至第3の半導体装置(それぞれ半導体装置1,2,3)を含む。第1の半導体装置は、それぞれ絶縁基板52に敷設された外部端子群1、2を介して半導体装置2,3と通信する。半導体装置2、3は、それぞれ絶縁基板50に敷設された外部端子群3,4を介して外部と通信する。外部端子群1、2の一部分は、絶縁基板52の裏面に敷設してもよい。図19で示される半導体装置が一つの部品として顧客に提供されるのに対して、図37で示される第1の半導体装置が一つの部品として顧客に提供される。例えば、顧客は異なる供給元からそれぞれ購入した第1乃至第3の半導体装置を一つのシステムとして製造し、電子部品の最終製品としてエンドユーザに提供される。第2、第3の半導体装置も第1の半導体装置と同様な本願の特徴を適用することができる。よって、電子システムにおいても、それは本願の特徴を含む。
次に、本実施形態による半導体装置及び電子システムの製造方法について説明する。図38は第1の製造方法、図39は第2の製造方法、図40は第3の製造方法である。第1乃至第3の製造法方法において、図24乃至図27は、共通である。
第1の製造方法(図38)は、図28乃至図33に対応する。ステップ201にて、ウェハに電子回路を形成する。この工程は、前述のようにフォトリソグラフィー法(レジスト塗布、露光、現像、レジスト剥離)により形成される。これは異なるベンダーから購入する場合がある。ステップ202にて、前述した本願の特徴であるウェハ上に再配線等を形成する。ステップ203にて、異なるチップを再配線が形成されたウェハ(回路基板)に接着材等で積層する。ダイボンディング剤(ペースト状)である金属粉末などの混入されたエポキシ、あるいはシリコーン樹脂を印刷法でウエハ上に形成した後、異なるチップを搭載し、樹脂硬化させる。ステップ204(第1のボンディングワイヤ工程)にて、積層されたチップとウェハとをボンディングワイヤ(ワイヤボンディング)で接続する。ステップ205(第1のボンディングワイヤ保護膜形成工程)にて、そのボンディングワイヤの領域を保護膜で覆う。その保護膜は、有機系の被覆剤をポッティング等で行い、硬化させる。ステップ206にて、ウェハをダイシングして複数の積層したチップに分離する。ステップ207にて、半導体装置の絶縁基板50に接着剤等で接続する。接着剤は、一例として、ダイボンディング剤(ペースト状)である金属粉末などの混入されたエポキシ、あるいはシリコーン樹脂である。ステップ208(第2のボンディングワイヤ工程)にて、絶縁基板上の配線51と積層したチップとをボンディングワイヤで接続する。ステップ209(第2のボンディングワイヤ保護膜形成工程)にて、少なくともそのボンディングワイヤの領域を保護膜で覆う。その保護膜は、有機系の被覆剤をポッティング等で行い、硬化させる。好ましくは、積層されたチップを含む領域を保護膜で覆う。ステップ210にて、外観検査等を行い半導体装置(半導体回路)が完成する。ボンディングワイヤ工程は2工程、ボンディングワイヤを覆う絶縁膜は2つ存在することに注意が必要である。試験工程においては、好ましくは3つの試験工程を適用するのが好ましい。第1の試験工程(試験1)では、ウェハに描画された電子回路を試験する。第1の試験工程は、ステップ202の後に実施してもよい。或いは、ステップ201の後に試験を行い、さらに、ステップ202の後に試験を行っても構わない。これによれば、ステップ202において形成された再配線に不良があるか否かを判別することが可能となる。第2の試験工程(試験2)においては、積層された複数の電子回路を試験する。第2の試験工程は、ステップ204後に実施してもよい。これは、試験結果によって、ボンディングワイヤを修正(リペア)もしくは冗長なボンディングワイヤ(不図示)を敷設することがあるからである。第3の試験工程(試験3)においては、半導体装置全体として試験する。第3の試験工程は、ステップ208の後に実施してもよい。これは、試験結果によって、ボンディングワイヤを修正(リペア)もしくは冗長なボンディングワイヤ(不図示)を敷設することがあるからである。これらの一連の工程において、ボンディングワイヤの意義は、第1乃至第5のチップの取り出し電極(内部端子電極)2の座標が設計変更等により異なっても、ボンディングワイヤの長さにより調整が可能な柔軟な接続が実現できる。
第2の製造方法(図39)は、図34乃至図35に対応する。第1の製造方法所なる点のみを詳述する。ステップ202の後、ステップ206が適用される。ステップ206の後、ステップ211が適用される。ステップ211の後、ステップ212及びステップ213が順次適用される。つまり、ステップ202の後、ステップ203乃至ステップ205を排除し、ステップ206を適用している。ステップ211は、図34の様に絶縁基板50の上にすべてのチップを積層する。ステップ212(第3のボンディングワイヤ工程)は、絶縁基板上の配線51と積層したすべてのチップ、及びそれらチップ同士を一回のボンディングワイヤの工程で接続する。ステップ213(第3のボンディングワイヤ保護膜形成工程)は、少なくともそのボンディングワイヤの領域を保護膜で覆う。これら複数の工程によって、第1の製造方法の工程数よりも少ない工程数で半導体装置が実現できる。尚、試験工程について、第2の製造方法は2つの試験工程に削減されていることに注意が必要である。但し、本例においても、ステップ201の後に試験を行い、さらに、ステップ202の後に試験を行っても構わない。これによれば、ステップ202において形成された再配線に不良があるか否かを判別することが可能となる。また、ステップ212において全てのボンディングワイヤを形成することは必須でなく、複数の工程に分けてボンディングワイヤを形成しても構わない。例えば、まずチップ同士を接続するボンディングワイヤを形成し、その後、別の工程にて絶縁基板上の配線51とチップとを接続するボンディングワイヤを形成しても構わない。
第3の製造方法(図40)は、図36に対応する。第1の製造方法と異なる点のみを詳述する。ステップ202の後、ステップ206が適用される。ステップ206の後、ステップ214、ステップ215が順次適用される。つまり、ウェハをダイシングするステップ206の工程を、第1の製造方法より前の工程に移行させている。これにより、ボンディングワイヤに関するボンダー装置をウェハのサイズに対応した高価で大きなボンダー装置に比べてチップのサイズに対応した安価で小さなボンダー装置を使用することができる。尚、ステップ214は、それぞれのウェハからダイシングされた複数のチップを積層する。ステップ215は、それらチップ間をボンディングワイヤで接続する。更に、第1の試験工程(試験1)は、ステップ206の後に実施してもよい。
第1乃至第3の製造方法は、それぞれ異なる長所を有する。半導体装置の製造業者は、第1乃至第7のチップをすべて製造する訳ではない。更に、再配線も異なる業者が行う場合がある。第1乃至第3の製造方法は、これらの複数の製造業者が関連する多様な製造方法を提供する。例えば、試験1乃至試験3のそれぞれが、異なる業者が関連する受け渡しの責任と理解することもできる。
以上、本発明の好ましい半導体装置と電子システムに関する実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、第2の端部21bは、図2、図3(b)の様に配線層22(第2の配線層)を含んでいてもよい。半田ボール9に変わるボンディングワイヤの製造条件をリラックスできる場合がある。
また、第6のチップと第7のチップが、それぞれ配線層51と接続する構造は、問わない。図2の構造であれば、絶縁基板50にフリップチップとして接続する構造である。また、図2の配線6,7及び半田ボール9を除く構造であれば、本願の半導体装置の製造工程(接着工程、ボンディングワイヤ工程)に含むことが可能である。
また、絶縁基板50から第1乃至第7のチップにそれぞれ供給する電源供給線は、これまで本願が開示した再配線の特徴を準用して適用することができる。
また、半導体装置は、第1、2及び第6のチップで構成された第1のシステムのみでよい、並びに第3、4、5及び第7のチップで構成された第2のシステム、又は第3、5及び第7のチップで構成された第2のシステムのみでもよい、ことは当然のことである。半導体装置の外観、形状、機能は、問わない。よって、第1のシステムではNANDフラッシュメモリに関するシステムについて例示したが、不揮発性に限られず揮発性のメモリ、またはそれらの組み合わせ、さらにはメモリの機能に限られない。
また、半導体装置は、第1のシステムと第2のシステムが相互に関連するデータ処理を行う機能であってもよい。例えば、第3のチップの表面に形成された再配線を介して、第1及び第2のチップとボンディングワイヤで接続される、又は第1のチップの表面に形成された再配線と、第3のチップの表面に形成された再配線、第3、4、5のチップとが、ボンディングワイヤで接続される、等の多様な構造が考えられる。
また、上記実施形態では、チップ間における電気的な接続を全てボンディングワイヤによって行っているが、本発明がこれに限定されるものではなく、チップ間における一部の電気的接続をフリップチップ接続により行っても構わない。チップ間における一部の電気的接続をフリップチップ接続により行う例を図41に示す。図41に示す例では、チップChip−Aの上にチップChip−Bが搭載され、さらに、チップChip−Bの上にチップChip−Cが搭載されている。このうち、チップChip−AとチップChip−Bについては上方が主面となるようフェースアップ方式で搭載され、チップChip−Cについては下方が主面となるようフェースダウン方式で搭載されている。そして、チップChip−Aと配線51との間、チップChip−Bと配線51との間、並びに、チップChip−AとチップChip−Bとの間は、ボンディングワイヤ40によって電気的に接続されている。一方、チップChip−BとチップChip−Cとの間は、半田ボール9を用いたフリップチップ接続によって電気的に接続されている。本発明はこのような態様も包含しうる。チップChip−B及びチップChip−Cの少なくともいずれかは、チップの表面に形成された本願の特徴である再配線層を有する。チップChip−Cの構造は、図2で示される。チップChip−Bの構造は、例えば、図23で示される第1チップの表面に敷設する配線42である。半田ボール9は、配線42に接続する。少なくともいずれかのチップに本願の特徴を適用することで、大幅なコストダウンが実現できる。
さらに、上記実施形態では、積層された複数のチップ間における接続について説明したが、積層されていない複数のチップ間における接続にも本発明の技術思想を応用することが可能である。例えば、図42に示すように、絶縁基板50の上面にチップChip−DとチップChip−Eが搭載され、チップChip−Dと配線51との間、チップChip−Eと配線51との間、並びに、チップChip−DとチップChip−Eとの間をボンディングワイヤ40によって電気的に接続することも可能である。本発明はこのような態様も包含しうる。チップChip−DとチップChip−Eは、少なくともいずれかのチップの表面に形成された本願の特徴である再配線層を有する。ボンディングワイヤ40は、少なくともチップChip−DとチップChip−Eのいずれかの再配線に接続する。
さらに、上記実施形態では、絶縁基板50に複数の半導体チップを搭載した例を挙げたが、半導体チップを搭載する基板としては絶縁性の基板に限定されるものではなく、リードフレームなどの導電性基板であっても構わない。本発明はこのような態様も包含しうる。