JP5640745B2 - 光学フィルム、製造方法及び輝度向上フィルム - Google Patents
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Description
即ち、本発明によれば、下記〔1〕〜〔7〕が提供される。
固有複屈折値が正の樹脂と固有複屈折値が負の樹脂とを含む樹脂組成物PからなるA層を有し、
前記A層は、配向角θが、40°〜50°の範囲にあり、かつ、波長450nmの光における面内方向のレターデーションRe450、波長550nmの光における面内方向のレターデーションRe550、および波長650nmの光における面内方向のレターデーションRe650が、Re450<Re550<Re650の関係を満たす、光学フィルム。
〔2〕 波長450nm、550nm及び650nmにおけるNz係数がいずれも0未満である、〔1〕に記載の光学フィルム。
〔3〕 前記レターデーションRe550が110〜150nmである、〔1〕又は〔2〕に記載の光学フィルム。
〔4〕 前記固有複屈折が正の樹脂がポリフェニレンエーテルであり、かつ前記固有複屈折が負の樹脂がポリスチレンである、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の光学フィルム。
〔5〕 ポリスチレンの重合単位1モルに対する、ポリフェニレンエーテルの重合単位の量が、0.25モル以上0.32モル以下である、〔4〕に記載の光学フィルム。
〔6〕 固有複屈折が正の樹脂であるポリフェニレンエーテルと固有複屈折が負の樹脂であるポリスチレンとを含み、ポリスチレンの重合単位1モルに対する、ポリフェニレンエーテルの重合単位の量が、0.25モル以上0.32モル以下である樹脂組成物Pを溶融押出成形して、樹脂組成物PからなるPA層を含む延伸前フィルムを得る工程、及び
前記延伸前フィルムを斜め延伸する工程
を含み、
前記延伸する工程後の前記PA層は、配向角θが、40°〜50°の範囲にあり、かつ、波長450nmの光における面内方向のレターデーションRe450、波長550nmの光における面内方向のレターデーションRe550、および波長650nmの光における面内方向のレターデーションRe650が、Re450<Re550<Re650の関係を満たす長尺の光学フィルムの製造方法。
〔7〕 コレステリック規則性を持った樹脂層を有する長尺の円偏光分離素子と、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の光学フィルムとを貼付してなる、輝度向上フィルム。
本発明の光学フィルムは、長尺の光学フィルムである。長尺のフィルムとは、幅方向の寸法に対して長い(例えば10倍以上、といった長さの)長さ方向を有するフィルムであり、このようなフィルムは製造ラインにおいて、長さ方向に連続的に製造工程を行なうことにより得られる。特に、以下に説明する延伸前フィルムを長尺のフィルムとして調製し、これをさらに延伸するという工程で本発明の光学フィルムを製造する場合、これらの工程の一部または全部をインラインで簡便且つ効率的に行なうことが可能である。
添加される配合剤は特に限定されず、例えば、滑剤;層状結晶化合物;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;可塑剤:染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤;などが挙げられる。配合剤の量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜定めることが出来る。特に滑剤や紫外線吸収剤を添加することで可撓性や耐候性を向上させることができるので好ましい。
配合剤の添加量は、例えば得られる光学フィルムの全光線透過率85%以上を維持できる範囲とすることができる。
(要件1)配向角θが、40°〜50°の範囲にある。
(要件2)波長450nmの光における面内方向のレターデーションRe450、波長550nmの光における面内方向のレターデーションRe550、および波長650nmの光における面内方向のレターデーションRe650が、Re450<Re550<Re650の関係を満たす。
前記要件1及び2を満たすことにより、観察角度による色調の変化が少なく、広い波長において位相差の補正等の効果が均質に得られ、且つ簡便に低コストで製造でき大面積化が可能な光学フィルムとすることができる。
本発明の光学フィルムは、以下に説明する、本発明の光学フィルムの製造方法により製造することができる。
本発明の光学フィルムの製造方法は、下記工程1及び2を含む。
(工程1):樹脂組成物Pを溶融押出成形して、樹脂組成物PからなるPA層を含む延伸前フィルムを得る工程。
(工程2):前記延伸前フィルムを斜め延伸する工程。
工程1で得る延伸前フィルムは、樹脂組成物PからなるPA層のみからなってもよいが、PA層に加えて他の層を有していてもよい。例えば、前記B層を与える層として、前記透明樹脂を含む層を有していてもよい。延伸前フィルムは、通常、等方性の原反フィルムとすることができるが、一旦延伸処理を施したフィルムを延伸前フィルムとして、これをさらに工程2の延伸処理に供することもできる。
工程1で得られた延伸前フィルムを工程2に供すことにより、延伸前フィルムのPA層をA層にし、本発明の光学フィルムを得ることができる。
工程2における斜め延伸の具体的な方法の例としては、テンター延伸機を用いた延伸方法を挙げることができる。かかるテンター延伸機としては、フィルムの左右(すなわち水平に搬送されるフィルムをMD方向から観察した際のフィルム幅方向両端の左右)において、異なる速度の送り力、引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機、又はTD方向又はMD方向に左右等速度の送り力、引張り力又は引取り力を付加し左右移動する距離が同じで軌道を非直線とすることにより斜め方向の延伸を達成しうるテンター延伸機、又は移動する距離を左右で異なる距離とすることにより斜め方向の延伸を達成しうるテンター延伸機を挙げることができる。延伸する際のフィルム温度は、樹脂材料(樹脂組成物P)のTg〜Tg+30℃であることが好ましく、更に好ましくはTg〜Tg+20℃である。また、延伸倍率は1.2〜3倍とすることができる。
本発明の輝度向上フィルムは、コレステリック規則性を持った樹脂層(以下、単に「コレステリック樹脂層」ということがある。)を有する長尺の円偏光分離素子と、前記本発明の光学フィルムとを貼付してなる。
直線偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素若しくは二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるものや、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素もしくは二色性染料を吸着させ延伸し、さらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものなどを挙げることができる。
また、直線偏光子として、グリッド偏光子、多層偏光子などの直線偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子を用いることもできる。この中でも、ポリビニルアルコールを含んでなる直線偏光子が好ましい。
本発明の光学フィルム及びこれを含む本発明の輝度向上フィルムは、液晶表示装置の構成要素として用いることができる。図1は、本発明の輝度向上フィルムを組み込んだ液晶表示装置の一例を概略的に示す分解斜視図である。この例の液晶表示装置においては、反射板20、冷陰極管19、拡散板18、プリズムシート(図示せず)、本発明の輝度向上フィルム21、第1の直線偏光子13、液晶セル12、及び第2の直線偏光子(検光子)11がこの順に配置されている。輝度向上フィルム21は、基材16、基材16上に形成されたコレステリック樹脂層17、及び1/4λ板として機能する本発明の光学フィルム14を有している。
王子計測器社製KOBRA−WRを用いて、平行ニコル回転法により求めた。厚さ方向レターデーションRthを求める際に必要なフィルム厚さはダイヤルゲージを用いて測定した。
示差走査熱量計(セイコーインストルメンツ社製EXSTAR6220)を用いて測定した。
光学性能評価用標準バックライト装置を照明装置として使用した。光学性能評価用標準バックライトは、上面に開口を有する直方体の筐体を有する。筐体の内面は白色の反射板から構成され、筐体内には複数の冷陰極管が、その長手方向が水平方向となり、底面から離隔して底面と平行で且つ互いに平行となるよう配置されている。また、筐体の開口を覆って、拡散板(平板の拡散板、ゼオノア1060Rと微粒子(商品名「トスパール」、日硝産業株式会社製、重量比6%)、全光線透過率65%)、拡散シート(株式会社きもと社製、188−GM3)、プリズムシート(3M社製 BEF−III)がこの順に載置されている。
測定の輝度向上フィルムは、プリズムシート上に、円偏光分離層を下側(バックライト側)に、位相差フィルムが上側になるよう載置した。さらにその上側に吸収型直線偏光板(サンリツ製、HLC2−5618ReB)を載置した。冷陰極管を点灯させ、偏光板から出射する光線の正面方向(出射面の法線方向)の色相及び斜め方向の色相として極角(測定方向と正面方向とがなす角)60°の色相を測定し、色度座標におけるx値及びy値を求めた。
また対照として、輝度向上フィルムがない場合(すなわち筐体の開口上に拡散板、拡散シート、プリズムシート及び偏光板のみがこの順に載置されている場合)についても同様に色相を測定した。
色相測定はオートロニク−メルチャーズ・ゲーエムベーハー(autronic−MELCHERS GmbH, Karlsruhe, Germany)から入手可能なコノスコープ(Conoscope)光学測定システムを用い行なった。
正面方向の色相のΔxce(=輝度向上フィルムありのときの正面方向の色相のxの値)−(輝度向上フィルムなしのときの正面方向の色相のxの値)およびΔyce(=(輝度向上フィルムありのときの正面方向の色相のyの値)−(輝度向上フィルムなしのときの正面方向の色相のyの値)を求めた。Δxceお及びΔyceの値が小さいと、輝度向上フィルムによる正面色相の変化が少なく、バックライト装置の正面色相を忠実に表していることになる。
また、各方位角における斜め方向(極角60度°)の色相の、正面方向の色相に対する差|Δx60°|及び|Δy60°|を求め、さらにこれらの、全ての方位角に関する平均値<|Δx60°|>及び<|Δy60°|>を求めた。これらの値<|Δx60°|>及び<|Δy60°|>が小さいと、正面色相と斜めの色相の差が小さく色の視野角依存性が良好といえる。
(1−1:原反フィルム)
ポリスチレン(PSジャパン社製、商品名「HF77」、ガラス転移温度78℃)75重量%とポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)(アルドリッチ社カタログNo.18242−7)25重量%とを2軸押出機で混錬し、透明な樹脂P1のペレットを作製した。ガラス転移温度は98℃であった。ポリスチレンの重合単位1モルに対する、ポリフェニレンエーテルの重合単位の量は0.29モルとなる。
樹脂P1のペレットを単軸押出機で溶融させ、押出用のダイに供給し、押出成形することにより、厚さ200μmの原反フィルム1を得た。
次いで、原反フィルム1をテンター延伸機で、遅相軸がMD方向に対して45°傾いた方向になるように、延伸温度105℃、延伸倍率2.0倍(45°方向)で斜め延伸し、厚さ100μmの長尺の位相差フィルム1を得た。遅相軸はMD方向に対して45°傾いていた。位相差フィルム1の面内方向のレターデーションReは、波長450nm、550nm、650nmでそれぞれ116nm、140nm、151nm、厚さ方向のレターデーションRthは、波長450nm、550nm、650nmでそれぞれ−67nm、−88nm、−97nmであった。また、位相差フィルム1のNz係数は、波長450nm、550nm、650nmでそれぞれ−0.08、−0.13及び−0.14であった。
位相差フィルム1を80℃で5時間熱処理したところ、波長550nmでの面内方向のレターデーションは137nmとなった。
樹脂P1のペレットをポリスチレン(PSジャパン社製、商品名「HF77」)のみからなるペレットに置き換え、また原反フィルムの厚さを90μmとした他は実施例1の(1−1)と同様に操作し、原反フィルム2を得た。
原反フィルム2を実施例1の(1−2)と同じ条件で延伸し、厚さ45μmの長尺の位相差フィルム2を得た。遅相軸はMD方向に45°傾いていた。位相差フィルム2の面内方向のレターデーションReは、波長450nm、550nm、650nmでそれぞれ149nm、141nm、136nm、厚さ方向のレターデーションRthは、波長450nm、550nm、650nmでそれぞれ−90nm、−87nm、−86nmであった。また、位相差フィルム1のNz係数は、波長450nm、550nm、650nmでそれぞれ−0.10、−0.12及び−0.13であった。
位相差フィルム2を80℃で5時間熱処理したところ、波長550nmでの面内方向のレターデーションは8nmとなった。
樹脂P1のペレットをスチレン重合体樹脂P2(商品名「ダイラークD332」、ノヴァケミカルジャパン社製、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ガラス転移温度125℃)のペレットに置き換え、また原反フィルムの厚さを90μmとした他は実施例1の(1−1)と同様に操作し、原反フィルムを得た。
この原反フィルム2を実施例1の(1−2)と同じ条件で延伸しようとしたが、原反フィルムが脆かったために、破断してしまい、延伸フィルムを得ることができなかった。
スチレン重合体樹脂P2のペレットと、耐衝撃性メタクリル酸メチル樹脂組成物P3(商品名「スミペックスHT25X」、旭化成社製)のペレットとを、それぞれ押出機で溶融させ、共押出用のダイに供給し、P3/P2/P3の三層構造の原反フィルム3を成形した。フィルム断面を顕微鏡観察したところ、P3層の平均厚さ60μm/P2層の平均厚さ40μm/P3層の平均厚さ60μmであった。
位相差フィルム1を80℃で5時間熱処理したところ、波長550nmでの面内方向のレターデーションは138nmとなった。
(2−1:コレステリック液晶組成物の作製)
棒状液晶化合物(下記式(A2))30重量部、下記式(B1)で表される化合物7.31重量部、光重合開始剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製「IRG907」)1.20重量部、カイラル剤(BASF社製LC756)2.22重量部、界面活性剤(セイミケミカル製「KH40」)0.04重量部、及び2−ブタノン溶媒60.00重量部を混合し、コレステリック液晶組成物を調製した。
長尺のノルボルネン樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZF14−100」)の片面にコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理面に、ポリビニルアルコール水溶液を塗布し、120℃で5分間乾燥し、該乾膜を一方向にラビング処理することで、配向膜を有する長尺の基材1を得た。
次いで、(2−1)で得たコレステリック液晶組成物を、基材1の配向膜を有する面にワイヤーバーにて塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、窒素雰囲気下で紫外線を照射して反射帯域の広帯域化処理を行い、次いで紫外線照射により硬化し、乾燥膜厚5.3μmのコレステリック樹脂層を有する長尺の円偏光分離素子を得た。コレステリック樹脂層の屈折率異方性Δnは、0.21であった。
実施例1で得た位相差フィルム1と、(2−2)で得た長尺の円偏光分離素子とを、拡散剤入り粘着性組成物(綜研化学社製架橋アクリル粉体「ケミスノーMX300」、及び綜研化学社製アクリル酸エステル共重合体「SKダイン2094」)からなる拡散粘着層を介して、ロールトゥーロールで貼付し、基材1−配向膜−コレステリック樹脂層−拡散粘着層−位相差フィルム1の層構成を有する、長尺の輝度向上フィルム1を作製した。
実施例1で得た位相差フィルムに代えて、比較例1で得た位相差フィルムを用いた他は、実施例2と同様に操作し、輝度向上フィルム2を作製し、色相測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
実施例1で得た位相差フィルムに代えて、比較例3で得た位相差フィルムを用いた他は、実施例2と同様に操作し、輝度向上フィルム3を作製し、色相測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
12 液晶セル
13 第1の直線偏光子
14 1/4λ板(A層)
16 基材
17 コレステリック樹脂層
18 拡散板
19 冷陰極管
20 反射板
21 輝度向上フィルム
Claims (7)
- 長尺の光学フィルムであって、
固有複屈折値が正の樹脂と固有複屈折値が負の樹脂とを含む樹脂組成物PからなるA層を有し、
前記A層は、配向角θが、40°〜50°の範囲にあり、かつ、波長450nmの光における面内方向のレターデーションRe450、波長550nmの光における面内方向のレターデーションRe550、および波長650nmの光における面内方向のレターデーションRe650が、Re450<Re550<Re650の関係を満たす、光学フィルム。 - 波長450nm、550nm及び650nmにおけるNz係数がいずれも0未満である、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記レターデーションRe550が110〜150nmである、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記固有複屈折が正の樹脂がポリフェニレンエーテルであり、かつ前記固有複屈折が負の樹脂がポリスチレンである、請求項1に記載の光学フィルム。
- ポリスチレンの重合単位1モルに対する、ポリフェニレンエーテルの重合単位の量が、0.25モル以上0.32モル以下である、請求項4に記載の光学フィルム。
- 固有複屈折が正の樹脂であるポリフェニレンエーテルと固有複屈折が負の樹脂であるポリスチレンとを含み、ポリスチレンの重合単位1モルに対する、ポリフェニレンエーテルの重合単位の量が、0.25モル以上0.32モル以下である樹脂組成物Pを溶融押出成形して、樹脂組成物PからなるPA層を含む延伸前フィルムを得る工程、及び
前記延伸前フィルムを斜め延伸する工程
を含み、
前記延伸する工程後の前記PA層は、配向角θが、40°〜50°の範囲にあり、かつ、波長450nmの光における面内方向のレターデーションRe450、波長550nmの光における面内方向のレターデーションRe550、および波長650nmの光における面内方向のレターデーションRe650が、Re450<Re550<Re650の関係を満たす長尺の光学フィルムの製造方法。 - コレステリック規則性を持った樹脂層を有する長尺の円偏光分離素子と、請求項1に記載の光学フィルムとを貼付してなる、輝度向上フィルム。
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