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JP2010181710A - 偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、及び液晶表示装置 Download PDF

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JP2010181710A
JP2010181710A JP2009026061A JP2009026061A JP2010181710A JP 2010181710 A JP2010181710 A JP 2010181710A JP 2009026061 A JP2009026061 A JP 2009026061A JP 2009026061 A JP2009026061 A JP 2009026061A JP 2010181710 A JP2010181710 A JP 2010181710A
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JP2009026061A
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Masakazu Saito
昌和 齊藤
Yasuhide Fujino
泰秀 藤野
Taku Hatano
拓 波多野
Shunsuke Yamanaka
俊介 山中
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】 高温・高湿度環境下においても寸法変化がなく高い光学性能を有するとともに、光源の光の利用効率に優れる、偏光板、及びこの偏光板を備える液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 コレステリック規則性を有する樹脂層からなる円偏光分離素子、光学補償フィルム、直線偏光フィルム、及び所定の透湿度を有する保護フィルムを、この順に備え、
前記光学補償フィルムは、固有複屈折値が負の樹脂からなる層を含むλ/4板である、偏光板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、光源と、入射側偏光板と、液晶セルと、出射側偏光板とをこの順に備えて構成されている。各偏光板は、偏光フィルムと、偏光フィルムの一方の面に設けられる第1の保護フィルムと、偏光子の他方の面に設けられる第2の保護フィルムとを備えて構成されている。各保護フィルムには、透明性に優れる、低複屈折性などの点で、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)が広く用いられている。
一方、液晶表示装置等の表示装置には、その性能を向上させるために様々な光学部材を設けることが知られている。例えば、液晶表示装置において、光源からの光を有効に利用し、輝度を向上させ且つ発光効率を高めるための方法として、輝度向上フィルムを設けることが知られている。かかる輝度向上フィルムとして提案されているものとして、所定の円偏光を透過しその他の偏光を反射する円偏光分離素子と、円偏光分離素子を透過した円偏光を直線偏光に変換する位相差フィルムとを含むものがある(例えば、特許文献1)。
このような液晶表示装置は、近年では、その部材(例えば、上記TACフィルム)を薄くしたり、部材点数を減少させたりして、装置の小型・軽量化を図ることが試みられている。例えば、特許文献2には、偏光フィルム、透明基板、第一光学補償膜、第二光学補償膜より構成される薄型偏光板が提案されている。
特開2002−341343号公報 特開2007−286388号公報
しかしながら、装置の小型・軽量化を図るために、単純に部材を削減して且つ部材を薄く(特に、上記TACフィルムを40μm以下に)すると、偏光フィルムや輝度向上フィルムの劣化に起因した、表示性能の低下が見られることがわかった。
本発明の目的は、高温・高湿度環境下においても寸法変化がなく高い光学性能を有するとともに、光源の光の利用効率に優れる、偏光板、及びこの偏光板を備える液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決するために検討した結果、偏光フィルムの保護フィルムとして適当な材料からなる保護フィルムを所定の位置に配置した上に、特定の輝度向上フィルムを所定の位置に配置することによって、上記課題を解決し得ることを見出し、この知見に基づいて、本発明に到達した。
本発明は、以下の〔1〕〜〔9〕を提供するものである。
〔1〕円偏光分離素子、光学補償フィルム、直線偏光フィルム、及び保護フィルムを、この順に備え、前記円偏光分離素子は、コレステリック規則性を有する樹脂層からなり、 前記光学補償フィルムは、固有複屈折値が負の樹脂からなる層を含み、且つ、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4であり、前記保護フィルムは、透湿度が20〜500g/m・24hである、偏光板。
〔2〕前記光学補償フィルムの透湿度が、10〜100g/m・24hである、上記〔1〕記載の偏光板。
〔3〕前記光学補償フィルムの厚みが、5〜40μmである、上記〔1〕又は〔2〕に記載の偏光板。
〔4〕前記保護フィルムが、アクリル樹脂からなる層を含む、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔5〕前記固有複屈折値が負の樹脂が、ポリスチレン系樹脂である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔6〕前記光学補償フィルムのNz係数が0未満である、、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔7〕前記光学補償フィルムの面内遅相軸が、前記直線偏光フィルムの透過軸と略45°で交差する、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔8〕長尺である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔9〕光反射素子、光源、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の偏光板、液晶セル、及び検光子を、この順に備えてなる、液晶表示装置。
本発明の偏光板は、薄型化や大面積化が可能であり、製造効率や耐久性に優れ、且つ、液晶表示装置に配置したときに、その光源の光の利用効率が高い。また、本発明の液晶表示装置は、薄型化や大面積化が可能であり、製造効率や耐久性に優れ、且つ、輝度が高く、観察角度による色調の変化が少ない。
本発明の偏光板は、円偏光分離素子、光学補償フィルム、直線偏光フィルム、及び保護フィルムを、この順に備えてなる。
<円偏光分離素子>
円偏光分離素子は、ある特定波長域の左回転若しくは右回転の円偏光を透過し、それ以外の円偏光を反射する機能を有する。
本発明に用いる円偏光分離素子は、コレステリック規則性を有する樹脂層(以下、「コレステリック樹脂層」ということがある。)からなり、必要に応じて「基材層」及び「配向膜」を有する。
コレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、分子が一定方向に配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。
「コレステリック樹脂層」
本発明に用いるコレステリック樹脂層は、コレステリック液晶組成物(X)を重合してなる層である。かかる層は、液晶の分子配向を呈したまま硬化した非液晶性の樹脂層となる。
前記コレステリック液晶組成物(X)は、下記一般式(1)で表される化合物と、重合性の特定の棒状液晶性化合物とを含有する。
R1X−A1X−B−A2X−R2X (1)
1.コレステリック液晶組成物(X)中の化合物(1)
一般式(1)において、R1X及びR2Xはそれぞれ独立して炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基からなる群より選択される基である。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの意味である。
前記アルキル基及びアルキレンオキサイド基は置換されていないか若しくはハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい。前記ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基は炭素原子数1〜2個のアルキル基、アルキレンオキサイド基と結合していてもよい。
R1X及びR2Xとして好ましいものとしては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基が挙げられる。
また、R1X及びR2Xの少なくとも一方は反応性基であることが好ましい。R1X及び/又はR2Xとして反応性基を有することにより、前記一般式(1)で表される化合物が硬化時に液晶層中に固定され、より強固な膜を形成することができる。ここで反応性基とは、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、及びアミノ基を挙げることができる。
一般式(1)において、A1X及びA2Xはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、及び2,6−ナフチレン基からなる群より選択される基を表す。前記1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、及び2,6−ナフチレン基は、置換されていないか若しくはハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で1つ以上置換されていてもよい。A1X及びA2Xのそれぞれにおいて、2以上の置換基が存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
A1X及びA2Xとして特に好ましいものとしては、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、及び2,6−ナフチレン基からなる群より選択される基が挙げられる。これらの芳香環骨格は脂環式骨格と比較して比較的剛直であり、後述する棒状液晶性化合物のメソゲンとの親和性が高く、配向均一能がより高くなる。
一般式(1)において、Bは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される。
Bとして特に好ましいものとしては、単結合、−OCO−及び−CH=N−N=CH−が挙げられる。
一般式(1)の化合物は、少なくとも一種が液晶性を有することが好ましく、また、キラリティを有することが好ましい。また、コレステリック液晶組成物(X)は、一般式(1)の化合物として、複数の光学異性体の混合物を含有することが好ましい。例えば、複数種類のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含有することができる。一般式(1)の化合物の少なくとも一種は、その融点が、50℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。
一般式(1)の化合物が液晶性を有する場合には、高Δnであることが好ましい。高Δn液晶を含有させることによって、コレステリック液晶組成物(X)としてのΔnを向上させることができ、広帯域の円偏光分離シートを作製することができる。一般式(1)の化合物の少なくとも一種のΔnは好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上とすることができる。
2.コレステリック液晶組成物(X)中の棒状液晶性化合物
本発明において、前記コレステリック液晶組成物(X)は、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有する棒状液晶性化合物を含有する。
前記棒状液晶性化合物としては、式(2)で表される化合物を挙げることができる。
R3X−C3X−D3X−C5X−M−C6X−D4X−C4X−R4X 式(2)
(式中、R3X及びR4Xは反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3X及びD4Xは単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3X〜C6Xは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又は置換基を有していてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、フェニル類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。
前記、メソゲン基Mが有しうる置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−O−R5X、−O−C(=O)−R5X、−C(=O)−O−R5X、−O−C(=O)−O−R5X、−NR5X−C(=O)−R5X、−C(=O)−NR5XR7X、または−O−C(=O)−NR5XR7Xを表す。ここで、R5X及びR7Xは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、アルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR6X−C(=O)−、−C(=O)−NR6X−、−NR6X−、または−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R6Xは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。前記「置換基を有してもよい炭素数1〜10個のアルキル基」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基、炭素原子数2〜8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3〜15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
該棒状液晶性化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(2)において、メソゲン基Mを中心として、R3X−C3X−D3X−C5X−と−C6X−D4X−C4X−R4Xが異なる構造のことをいう。該棒状液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
前記棒状液晶性化合物は、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有するものとすることができる。前記反応性基としては、具体的にはエポキシ基、チオエポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、フマレート基、シンナモイル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、オキサゾリン基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、及びアクリル基が挙げられる。これらの反応性基を有することにより、コレステリック液晶組成物を硬化させた際に、安定した硬化物を得ることができる。1分子中に反応性基が1つ以下の化合物を用いると、コレステリック液晶組成物を硬化させた際に、架橋した硬化物が得られないため実用に耐えうる膜強度が得られないおそれがある。後述する架橋剤を使用した場合でも、膜強度が不足してしまい実用は困難である。実用に耐えうる膜強度とは鉛筆硬度(JIS K5400)でHB以上、好ましくはH以上である。膜強度がHBより低いと傷がつきやすくハンドリング性に欠けてしまう。好ましい鉛筆硬度の上限は、光学的性能や耐久性試験に悪影響を及ぼさなければ特に限定されない。
前記棒状液晶性化合物は、そのΔn値が0.18以上であることが好ましく、0.22以上であることがより好ましい。このような高いΔn値を有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光分離特性)を有する円偏光分離素子を与えることができる。
本発明では、前記コレステリック液晶組成物(X)において、(前記一般式(1)の化合物の合計重量)/(棒状液晶性化合物の合計重量)の重量比は0.05〜1であることが好ましく、0.1〜0.65であることがより好ましく、0.15〜0.45であることがさらに好ましい。前記重量比が0.05より少ないと配向均一性が不十分となる場合があり、また逆に1より多いと配向均一性が低下したり、液晶相の安定性が低下したり、液晶組成物としてのΔnが低下して所望する光学的性能(例えば、円偏光分離特性)が得られない場合があり好ましくない。なお、合計重量とは、1種を用いた場合にはその重量を、1種以上用いた場合には合計の重量を示す。
本発明では、前記コレステリック液晶組成物(X)において、前記一般式(1)の化合物の分子量が600未満、前記棒状液晶性化合物の分子量が600以上であることが好ましい。一般式(1)の化合物の分子量が600未満であることにより、それよりも分子量の大きい棒状液晶性化合物の隙間に入り込むことができ、配向均一性を向上させることができる。
3.コレステリック液晶組成物(X)中の任意成分
本発明において、前記コレステリック液晶組成物(X)等のコレステリック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上や耐久性向上のために、任意に架橋剤を含有することができる。前記架橋剤の配合割合は、コレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中に0.1〜15重量%となるようにすることが好ましい。該架橋剤の配合割合が0.1重量%より少ないと架橋密度向上の効果が得られず、逆に15重量%より多いと液晶層の安定性を低下させてしまうため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物(X)は、任意に光開始剤を含有することができる。当該光開始剤としては、紫外線又は可視光線によってラジカル又は酸を発生させる公知の化合物が使用できる。また、所望する物性に応じて2種以上の化合物を混合することができ、必要に応じて公知の光増感剤や重合促進剤としての三級アミン化合物を添加して硬化性をコントロールすることもできる。
該光開始剤の配合割合はコレステリック液晶組成物中0.03〜7重量%であることが好ましい。該光開始剤の配合量が0.03重量%より少ないと重合度が低くなってしまい膜強度が低下してしまう場合があるため好ましくない。逆に7重量%より多いと、液晶の配向を阻害してしまい液晶相が不安定になってしまう場合があるため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物(X)は、任意に界面活性剤を含有することができる。当該界面活性剤としては、配向を阻害しないものを適宜選択して使用することができる。当該界面活性剤としては、具体的には、疎水基部分にシロキサン、フッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に使用でき、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。
界面活性剤の配合割合はコレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中0.05重量%〜3重量%となるようにすることが好ましい。該界面活性剤の配合割合が0.05重量%より少ないと空気界面における配向規制力が低下して配向欠陥が生じる場合があるため好ましくない。逆に3重量%より多い場合には、過剰の界面活性剤が液晶分子間に入り込み、配向均一性を低下させる場合があるため好ましくない。
本発明において、コレステリック液晶組成物(X)は、任意にカイラル剤を含有することができる。前記カイラル剤の具体例としては、例えば、特許第4054392号に開示されるもの、特開平9−31077号公報に開示されるもの、特開2000−309589号公報に開示されるもの、特開2003−137887号公報に開示されるものを挙げることができる。また、市販のカイラル剤として、例えばBASF社パリオカラーのLC756を入手できる。
前記カイラル剤は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
前記カイラル剤の含有割合は、前記コレステリック液晶組成物中、通常1〜60重量%である。
本発明において、コレステリック液晶組成物(X)は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有することができる。当該他の任意成分としては、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることができる。これらの任意成分は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
本発明に用いるコレステリック樹脂層は、円偏光分離機能を可視光の全波長領域にわたって発揮することが好ましい。例えば、青色(波長410〜470nm)、緑色(波長520〜580nm)、赤色(波長600〜660)nmのいずれの波長域の光についても円偏光分離機能を有することが好ましい。
前記コレステリック樹脂層としては、例えば、(i)カイラル構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)カイラル構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層等が挙げられる。
カイラル構造のピッチとは、カイラル構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離のことである。このカイラル構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。
(i)カイラル構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層は、例えば、
青色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するカイラル構造のピッチを有するコレステリック樹脂層、緑色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するカイラル構造のピッチを有するコレステリック樹脂層及び赤色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するカイラル構造のピッチを有するコレステリック樹脂層を積層することによって得ることができる。また、反射される円偏光の中心波長が470nm、550nm、640nm、及び770nmであるコレステリック樹脂層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック樹脂層を任意に選択し、反射光の中心波長の順序で3〜7層積層することによって得ることができる。カイラル構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層を積層する場合には、各コレステリック樹脂層で反射する円偏光の回転方向が同じであることが好ましい。また、カイラル構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層の積層順序は、カイラル構造のピッチの大きさで、昇順又は降順になるようにすることが、視野角の広い液晶表示装置を得るために好ましい。これらコレステリック樹脂層の積層は、単に重ね置いただけでもよいし、粘着剤や接着剤を介して固着させてもよい。
(ii)カイラル構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、その製法によって特に制限されないが、このようなコレステリック樹脂層の製法の好ましい例としては、コレステリック樹脂層を形成するためのコレステリック液晶組成物(X)を、好ましくは配向膜等の他の層上に塗布してコレステリック液晶層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該液晶層を硬化する方法が挙げられる。塗布は、公知の方法、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等により実施することができる。
前記塗布により得られた液晶層を硬化する前に、必要に応じて、配向処理を施すことができる。配向処理は、例えば液晶層を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、コレステリック液晶層を良好に配向させることができる。
前記硬化の工程は、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。加温条件は、具体的には例えば、温度40〜200℃、好ましくは50〜200℃、
さらに好ましくは50〜140℃、時間は1秒〜3分、好ましくは5〜120秒とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、具体的には例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。また、例えば0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返し、反射帯域の広い円偏光分離シートとすることもできる。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、50〜10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させ、コレステリック樹脂層とすることができる。上記の反射帯域の拡張及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行うこともできる。
本発明において、配向膜等の他の層上へのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返し2層以上のコレステリック樹脂層を形成することもできる。ただし本発明においては、1回のみのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化によっても、良好に配向したΔnが0.18以上の棒状液晶性化合物を含み、かつ5μm以上といった厚みのコレステリック樹脂層を容易に形成することができる。
本発明において、コレステリック樹脂層の乾燥膜厚は好ましくは3.0μm〜10.0μm、より好ましくは3.5〜8μmとすることができる。前記コレステリック樹脂層の乾燥膜厚が3.0μmより薄いと反射率が低下してしまい、逆に10.0μmより厚いと、コレステリック樹脂層に対して斜め方向から観察した時に着色してしまうため、それぞれ好ましくない。なお、前記乾燥膜厚は、コレステリック樹脂層が2以上の層である場合は、各層の膜厚の合計を、コレステリック樹脂層が1層である場合にはその膜厚をさす。
「基材層」
本発明に用いる円偏光分離素子の任意の構成要素である、前記基材層は、透明樹脂により構成することができる。
透明樹脂は、特に限定されず1mm厚で全光透過率80%以上の樹脂を使用することができる。具体的には、脂環式オレフィンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、変性アクリルポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルムが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィンポリマー又は鎖状オレフィンポリマーが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィンポリマーが特に好ましい。
「配向膜」
前記基材層の上に、前記配向膜を設けることができる。配向膜を設けることにより、その上に塗布されたコレステリック液晶組成物を好適に所望の方向に配向させることができる。配向膜は、基材表面上に、必要に応じてコロナ放電処理等を施した後、配向膜の材料を水又は溶剤に溶解させた溶液等を、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法を用いて塗布し、乾燥させ、その後乾燥塗膜にラビング処理を施すことにより形成することができる。前記配向膜の材料としては、セルロース、シランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレート、シラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリオキサゾール、環化ポリイソプレンなどを用いることができるが、変性ポリアミドが特に好ましい。
前記変性ポリアミドとしては、芳香族ポリアミド又は脂肪族ポリアミドに変性を加えたものを挙げることができ、脂肪族ポリアミドに変性を加えたものが好ましい。具体的には例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、3元ないし4元共重合ナイロン、脂肪酸系ポリアミド、又は脂肪酸系ブロック共重合体(例えばポリエーテルエステルアミド、ポリエステルアミド)に変性を加えたものを挙げることができる。当該変性としては、末端アミノ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシル変性などの変性、並びにアミド基の一部をアルキルアミノ化又はN−アルコキシアルキル化する変性を挙げることができる。N−アルコキシアルキル化変性ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−66、又はナイロン−12等の共重合ナイロンのアミド基の一部をN−メトキシメチル化したものが挙げられる。前記変性ポリアミドの重量平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000とすることができる。
配向膜の厚さは、所望する液晶層の配向均一性が得られる膜厚であればよく、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜2μmであることがさらに好ましい。
前記配向膜上へ、上に既に述べた方法でコレステリック樹脂層を設けることにより、基材層/配向膜/コレステリック樹脂層の層構成を有する円偏光分離素子を得ることができる。このような3つの層からなる円偏光分離素子を、接着層又は粘着層を介して貼り合わせることにより、第1の基材層、第1の配向膜、第1のコレステリック樹脂層、第2の基材層、第2の配向膜、及び第2のコレステリック樹脂層をこの順に有する円偏光分離素子を得ることができる。
本発明に用いる円偏光分離素子は、長尺であることが好ましい。長尺とは、当該素子の幅方向に対し5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍以上の長さを有するものをいう。具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。
<光学補償フィルム>
本発明に用いる光学補償フィルムは、光の位相を変化させることができるフィルムであり、固有複屈折値が負の樹脂からなる層を含む。
固有複屈折値が負の樹脂としては、スチレン又はスチレン誘導体の単独重合体または他のモノマーとの共重合体を含むポリスチレン系樹脂;ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、あるいはこれらの多元共重合ポリマーなどが挙げられる。これらは、一種単独でまたは二種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリスチレン系樹脂に用いられる前記他のモノマーとしては、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレート、およびブタジエンが好ましいものとして挙げられる。本発明においては、これらの中でも、位相差発現性が高いこと、および、直線偏光フィルム・円偏光分離素子や表示装置の耐久性や表示性能をより向上させることができる観点から、ポリスチレン系樹脂の中でもスチレン又はスチレン誘導体の単独重合体が好ましく、特にポリスチレン樹脂が好ましい。また、ポリスチレン系樹脂の立体規則性についてはアタクチック構造でも、シンジオタクチック構造でもよいが、シンジオタクチック構造であることが好ましい。
前記固有複屈折値が負の樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。
また、前記固有複屈折値が負の樹脂は、ガラス転移温度Tgが好ましくは120℃以上、より好ましくは120〜200℃、特に好ましくは120〜140℃である。
前記固有複屈折値が負の樹脂には、耐久性を持たせるなどのために、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤などが添加されていてもよい。
前記固有複屈折値が負の樹脂は、その製造方法によって、特に制限されないが、例えば、負の固有複屈折値を有する樹脂では、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法などで得ることができる。
前記固有複屈折値が負の樹脂からなる層は、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などによって得ることができる。中でも、寸法安定性に優れるフィルムが得られる観点から、押出成形法が好ましい。
本発明に用いる光学補償フィルムは、前記固有複屈折値が負の樹脂からなる層と、他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構造を有することが好ましい。当該積層構造を有することにより、固有複屈折値が負の樹脂による光学的特性や適度な透湿性と、他の熱可塑性樹脂による機械的強度とを兼ね備えた素子とすることができる。他の熱可塑性樹脂としては、脂環式構造を有する樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリル酸エステル−ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、メタクリル酸エステル−ビニル芳香族化合物共重合体樹脂、ポリエーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、固有複屈折値が負の樹脂(特にポリスチレン系樹脂)との密着性に優れ、適度な透湿性や機械的強度を有する観点から、メタクリル樹脂を好適に用いることができる。
前記メタクリル樹脂は、メタクリル酸アルキルエステルを主モノマー単位として含む重合体樹脂である。メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体;アルキル基の水素がOH基、COOH基もしくはNH基などの官能基によって置換された炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体;またはメタクリル酸アルキルエステルと、スチレン、酢酸ビニル、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸アルキルエステルなどのメタクリル酸アルキルエステル以外のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。これらは一種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうちアクリル酸アルキルエステルがメタクリル酸アルキルエステルとの共重合に好適である。好適なメタクリル樹脂では、官能基によって置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99.9重量%、さらに好ましくは50〜99.5重量%含有し、アクリル酸アルキルエステルを好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜50重量%含有する。
前記他の熱可塑性樹脂には、耐光性、耐熱性などを持たせるために、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、ゴム粒子などが添加されていてもよい。
前記他の熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgが好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上である。さらに前記ガラス転移温度Tgは、負の固有複屈折値を有する樹脂のガラス転移温度Tgよりも低いことが好ましく、Tgよりも20℃以上低いことがより好ましい。このような構成にすることによって、固有複屈折値が負の樹脂からなる層と他の熱可塑性樹脂を含む層との積層体を後述のように共延伸したときに、固有複屈折値が負の樹脂による光学的特性を効率的に発現させることが可能となる。
前記他の熱可塑性樹脂は、その製造方法によって、特に制限されず、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法などで得ることができる。好適なガラス転移温度を持ち、フィルム成形性に優れた熱可塑性樹脂を得るために、連鎖移動剤を重合時に使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類及び組成に応じて適宜決定する。
前記固有複屈折値が負の樹脂からなる層と前記他の熱可塑性樹脂を含む層との積層体は、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などによって得ることができる。中でも、寸法安定性に優れるフィルムが得られる観点から、押出成形法が好ましい。
本発明に用いる光学補償フィルムは、正面方向のレターデーションRe(以下、「Re」と略記することがある。)が透過光の波長の約1/4であり、透過光の波長範囲は400nm〜700nmとすることができる。また、Reが透過光の約1/4波長であるとは、透過光の波長の、1/4±65nm、好ましくは1/4±30nm、より好ましくは1/4±10nmの範囲であることをいう。Reを上記範囲とすることにより、表示装置の輝度を好適に高めることができる。なお、Reは、式:Re=(nx−ny)×d(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。)で表される値である。
前記光学補償フィルムは、(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz係数が、好ましくは0未満であり、より好ましくは−2.7〜−0.1であり、特に好ましくは−1.6〜−1.2である。Nz係数を上記範囲とすることにより、表示装置の観察角度による色調の変化を好適に低減することができる。なお、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の遅相軸に面内で直交する方向の屈折率であり、nzはフィルム面に垂直な厚み方向の屈折率である。
前記光学補償フィルムは、可視光の全光線透過率が、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。なお、全光線透過率は、JIS K0115に準拠して、分光光度計(日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計「V 570」)を用いて、求めた値である。
前記光学補償フィルムは、ヘイズが、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。ヘイズを低い値とすることにより、本発明の光学補償フィルムを組み込んだ表示装置の表示画像の鮮明性を高めることができる。なお、ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計 NDH−300A」を用いて、5箇所測定し、それから求めた平均値である。
前記光学補償フィルムは、好ましくはΔYIが5以下、より好ましくは3以下である。このΔYIが上記範囲にあると、着色がなく視認性がよくなる。ΔYIはASTM E313に準拠して、日本電飾工業社製「分光色差計 SE2000」を用いて同様の測定を5回行い、その算術平均値として求める。
前記光学補償フィルムは、JIS鉛筆硬度でHまたはそれ以上の硬さを有することが好ましい。このJIS鉛筆硬度の調整は、樹脂の種類の変更や樹脂の層厚の変更などによって行うことができる。JIS鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に準拠して、各種硬度の鉛筆を45°傾けて、上から500g重の荷重をかけてフィルム表面を引っ掻き、傷が付きはじめる鉛筆の硬さである。
前記光学補償フィルムは、厚み100μmでの透湿度が、好ましくは10〜100g/m・24h、より好ましくは30〜60g/m・24hである。透湿度を上記範囲とすることにより、直線偏光フィルム・円偏光分離素子や表示装置の耐久性や表示性能をより向上させることができる。なお、透湿度は、40℃、92%RHの環境下で、24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法により測定できる。
前記光学補償フィルムは、厚み(平均厚み)が、好ましくは100μm以下、適度な透湿性や機械的強度を有する観点から、より好ましくは1〜60μm、さらに好ましくは5〜40μm、特に好ましくは10〜30μmである。厚みを上記範囲とすることにより、偏光板や表示装置の薄型化を図ることができる。
前記光学補償フィルムは、長尺であることが好ましい。長尺とは、幅方向の寸法に対して長い(例えば10倍以上、といった長さの)長さ方向を有するフィルムであり、具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。このようなフィルムは製造ラインにおいて、長さ方向に連続的に製造工程を行なうことにより得られる。特に、延伸前フィルムを長尺のフィルムとして調製し、これをさらに延伸するという工程で本発明に用いる光学補償フィルムを製造する場合、これらの工程の一部または全部をインラインで簡便且つ効率的に行なうことが可能である。また、この場合、表示装置の表示性能(輝度等)をより向上させることができる観点から、該長尺フィルムの長手方向から約45°傾いた方向に光学補償フィルムの遅相軸があることが好ましい。なお、約45°とは、45°±3°、好ましくは45°±1°、より好ましくは45°±0.3°の範囲であることをいう。
本発明に用いる光学補償フィルムは、固有複屈折値が負の樹脂からなる層を延伸することにより、或いは、前記固有複屈折値が負の樹脂からなる層と前記他の熱可塑性樹脂を含む層との積層体を共延伸することにより得ることができる。延伸は、一軸延伸又は斜め延伸により行うことが好ましく、テンターによる一軸延伸又は斜め延伸により行うことがより好ましく、本発明の好ましい態様である長尺の偏光板を得ることができる観点から、斜め延伸により行うことが特に好ましい。
<直線偏光フィルム>
本発明に用いる直線偏光フィルムは、直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過するものである。例えば、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。直線偏光フィルムの厚みは、通常5〜80μmである。また、前記直線偏光フィルムは、長尺であることが好ましい。この場合、直線偏光フィルムの透過軸(一方の直線偏光が透過する軸)は、通常、該長尺フィルムの幅方向に平行な方向である。
<保護フィルム>
本発明に用いる保護フィルムは、前記直線偏光フィルムを保護するためのフィルムである。当該保護フィルムは、透明な材料からなる層を含むことが好ましい。なお、透明な材料とは、1mm厚のフィルムにしたときの全光線透過率が80%以上のものである。
透明な材料としては、ノルボルネン樹脂、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロースなどのアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、アセチルセルロースやアクリル樹脂であることが好ましく、直線偏光フィルム・円偏光分離素子や表示装置の耐久性や表示性能をより向上させることができる観点から、アクリル樹脂であることが特に好ましい。また、透明な材料としては、熱可塑性であることが好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体;アルキル基の水素がOH基、COOH基もしくはNH基などの官能基によって置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体;または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、スチレン、酢酸ビニル、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの不飽和結合を有するビニル系モノマーとの共重合体を挙げることができる。これらのうち1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。当該アクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチルおよびポリメタクリル酸ブチルが単量体単位として含まれているものがより好ましい。また、当該アクリル樹脂は、ガラス転移温度Tgが80〜120℃の範囲のものが好ましい。さらに、当該アクリル樹脂は、フィルムに成形したときの表面の硬度が高いもの、具体的には、鉛筆硬度(試験荷重を500gとした以外は、JIS K5600−5−4に準拠)で2Hを超えるものが好ましい
前記保護フィルムは、厚み100μmでの透湿度が、20〜500g/m・24h、好ましくは50〜200g/m・24h、より好ましくは120〜170g/m・24hである。
前記保護フィルムは、厚み(平均厚み)が、好ましくは100μm以下、より好ましくは1〜60μm、さらに好ましくは5〜40μm、特に好ましくは10〜35μmである。厚みを上記範囲とすることにより、偏光板や表示装置の薄型化を図ることができる。また、前記保護フィルムは、長尺であることが好ましい。
本発明に用いる保護フィルムは、本発明の偏光板の取り扱い性が向上する観点から、前記透明な材料からなる層と前記他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構造を有することが好ましく、前記アクリル樹脂からなる層と前記他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構造を有することがより好ましく、前記アクリル樹脂からなる層と前記他の熱可塑性樹脂を含む層とゴムなどの弾性体粒子とを含む層との積層構造を有することがさらに好ましく、前記アクリル樹脂からなる層と、前記メタクリル樹脂とゴムなどの弾性体粒子とを含む層との積層構造を有することが特に好ましい。
本発明の偏光板は、円偏光分離素子、光学補償フィルム、直線偏光フィルム、及び保護フィルムが、この順に一体となっていることが好ましい。他の部材を介さずに一体にすることで偏光板や表示装置を薄型化することができる。一体にする方法は、特に制限されないが、例えば、接着剤や粘着剤を用いてこれらを貼りあわせる方法、これらの表面にプラズマを接触させ次いでこれらを圧着する方法などが挙げられる。接着剤や粘着剤は、可視光に対して透明であることが好ましく、また無用な位相差を発生させないものであることが好ましい。該光学補償フィルムと該直線偏光フィルムとを一体にした場合には、該光学補償フィルムは直線偏光フィルムを保護する機能も有するので、該直線偏光フィルムの、前記円偏光分離素子に近い側の保護フィルムを省略することができる。
本発明の偏光板は、前記光学補償フィルムの面内遅相軸が、前記直線偏光フィルムの透過軸と略45°で交差することが好ましい。これにより、表示装置の表示性能(輝度等)が好適に向上する。なお、略45°とは、45°±5°、好ましくは45°±2°、より好ましくは45°±0.5°の範囲であることをいう。
本発明の偏光板は、長尺であることが好ましい。以下に説明する液晶表示装置に用いる際に、効率よく目的に応じた方向や形状に切り出すことが可能となり、本発明の偏光板や表示装置の製造効率を高めることができる。
本発明の液晶表示装置は、光反射素子、光源、前記偏光板、液晶セル、及び検光子を、この順に備えてなる
前記光反射素子としては、特に限定されず、公知の液晶表示装置に採用されているものが使用できる。具体的には、内部に空洞を形成した白色プラスチックシート、酸化チタンなどの白色顔料を表面に塗布したプラスチックシートなどが挙げられる
前記光源としては、特に限定されず、公知の液晶表示装置に採用されているものが使用できる。具体的には、冷陰極管、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンスランプなどが挙げられる。
前記液晶セルとしては、一対のガラス基板の間に液晶を挿入してなるものであり、公知のものが利用される。液晶の駆動方式も特に制限されず、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなどを挙げることができる。
前記検光子としては、前記直線偏光フィルムの両面に前記保護フィルムを貼合したものが使用できる。検光子の表面には、反射防止層、防汚層、防眩層などが備わっていてもよい。
本発明の液晶表示装置には他の部材を備えていてもよい。例えばプリズムアレイシート、レンズアレイシート、光拡散板、導光板等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
本発明の液晶表示装置において、本発明の偏光板は、光源と液晶セルとの間に配置されていればよいが、液晶セルにより近い方が、すなわち他の部材を介さずに偏光板と液晶セルとを配置させた方が、表示装置の性能を向上できる点で好ましい。また、表示装置の表示能向上を考慮して、本発明の偏光板は、その円偏光分離素子を光源に近くなるように配置させることができる。
以下に、本発明を実施例により説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(フィルムの層厚み)
フィルムをエポキシ樹脂に包埋したのち、ミクロトーム(製品名「RUB−2100」、大和工業社製)を用いてスライスし、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し、測定した。
(フィルムの透湿度)
40℃、92%RHの環境下に24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法に準じた方法で測定した。透湿度の単位はg/m・24hである
(フィルムのRe及びNz係数)
自動複屈折計(王子計測機器社製、KOBRA−21ADH)を用いて波長550nmにおいて、幅方向に50mm間隔、流れ方向に長さ1000mmの範囲で50mm間隔で測定した。そして全測定結果を平均して面内方向レタ−デーションRe及びNz係数を求めた。
(製造例1)
<コレステリック液晶組成物(X)の調整>
下記式(B1)で表される化合物7.31重量部、棒状液晶化合物(下記式(A2))30重量部、光重合開始剤(「IRG907」、チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)1.20重量部、カイラル剤(「LC756」、BASF社製)2.22重量部、界面活性剤(「KH40」、セイミケミカル製)0.04重量部、及び2−ブタノン溶媒60.00重量部を混合し、コレステリック液晶組成物(X)を調製した。
Figure 2010181710
(製造例2)
<円偏光分離素子の作製>
長尺のノルボルネン樹脂フィルム:基材層(「ZF14−100」、日本ゼオン社製)の片面にコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理面に、ポリビニルアルコール水溶液を塗布し、120℃で5分間乾燥し、該乾膜を一方向にラビング処理することで、配向膜を有する長尺の基材1を得た。
次いで、製造例1で得たコレステリック液晶組成物(X)を、基材1の配向膜を有する面にワイヤーバーにて塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、窒素雰囲気下で紫外線を照射して反射帯域の広帯域化処理を行い、次いで紫外線照射により硬化し、乾燥膜厚5.3μmのコレステリック樹脂層を有する長尺の円偏光分離素子を得た。
(製造例3)
<光学補償フィルム1の作製>
固有複屈折値が負の樹脂P1(商品名「ダイラークD332」、ノヴァケミカルジャパン社製、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ガラス転移温度125℃)のペレットと、他の熱可塑性樹脂P2(商品名「スミペックスHT25X」、住友化学社製、メタクリル酸メチル重合体)のペレットとを、それぞれ押出機で溶融させ、共押出用のダイに供給し、P2/P1/P2の三層構造の原反フィルム1を成形した。
次いで、原反フィルム1をテンター延伸機で、遅相軸が長手方向に対して45°傾いた方向になるように、延伸温度134℃、延伸倍率2.1倍で斜め延伸し、光学補償フィルム1を得た。総厚さ28μm、P1層厚さ18μmの長尺の光学補償フィルム1を得た。
光学補償フィルム1のフィルム断面を顕微鏡観察したところ、P2層の平均厚さ5μm/P1層の平均厚さ18μm/P2層の平均厚さ5μmであった。また、遅相軸はMD方向に対して45°傾いていた。得られた光学補償フィルム1の特性を表1に示す。
(製造例4)
<光学補償フィルム2の作製>
メタクリル酸メチル97.7%とアクリル酸メチル2.3%とからなるモノマー組成物を、バルク重合法により重合させ、樹脂ペレットを得た。
一方、特公昭55−27576号公報の実施例3に準じてゴム粒子を製造した。このゴム粒子は、球形3層構造を有し、芯内層がメタクリル酸メチル及び少量のメタクリル酸アリルの架橋重合体であり、内層が主成分としてのアクリル酸ブチルとスチレン及び少量のアクリル酸アリルとを架橋共重合させた軟質の弾性共重合体であり、外層がメタクリル酸メチル及び少量のアクリル酸エチルの硬質重合体である。また、内層の平均粒子径は0.19μmであり、外層をも含めた粒径は0.22μmであった。
上記樹脂ペレット68部と、上記ゴム粒子32部とを混合し、二軸押出機で溶融混練して、熱可塑性樹脂P4(ガラス転移温度104℃)を得た。
次いで、アクリル樹脂P3(商品名「デルペット980N」、旭化成社製)のペレットと、上記熱可塑性樹脂P4のペレットとを、それぞれ押出機で溶融させ、共押出用のダイに供給し、P4/P3/P4の三層構造の原反フィルム2を成形した。
次いで、原反フィルム2をテンター延伸機で、遅相軸が長手方向に対して45°傾いた方向になるように、延伸温度144℃、延伸倍率2.6倍で斜め延伸し、光学補償フィルム2を得た。得られた光学補償フィルム2の特性を表1に示す。
(製造例5)
<保護フィルム1の作製>
アクリル樹脂P3(商品名「デルペット980N」、旭化成社製)のペレットと、他の熱可塑性樹脂P5(商品名「スミペックスHT55X」、住友化学社製、ゴム粒子を配合したメタクリル酸メチル重合体)のペレットとを、それぞれ押出機で溶融させ、共押出用のダイに供給し、P5/P3/P5の三層構造の長尺の保護フィルム1を得た。得られた保護フィルム1の特性を表1に示す。
(製造例6)
<保護フィルム2の作製>
トリアセチルセルロースを溶媒に溶解させてキャスト成形法により単層の保護フィルム2を得た。得られた保護フィルム2の特性を表1に示す。
(実施例1−1)
<偏光板1の作製>
製造例2で得た長尺の円偏光分離素子と、製造例3で得た光学補償フィルム1とを、拡散剤入り粘着性組成物(綜研化学社製架橋アクリル粉体「ケミスノーMX300」、及び綜研化学社製アクリル酸エステル共重合体「SKダイン2094」)からなる拡散粘着層を介して、ロールトゥーロールで貼付し、基材層−配向膜−コレステリック樹脂層−拡散粘着層−光学補償フィルム1の層構成を有する、長尺の積層体1を作製した。
次いで、上記積層体1と、透過軸が幅方向にある長尺の直線偏光フィルム(ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて延伸したもの)と、製造例5で得られた保護フィルム1とを、ロールトゥーロールで粘着剤(住友3M社製、「8142」)で貼付し、円偏光分離素子−光学補償フィルム1−直線偏光フィルム−保護フィルム1の層構成を有する、偏光板の巻回体を得た。
(実施例2−1)
<偏光板2の作製>
保護フィルム1を、製造例6で得られた保護フィルム2に置き換えた他は、実施例1−1と同様に操作して、偏光板の巻回体を得た。
(実施例1−2)
<液晶表示装置1の作製>
市販の液晶表示装置(シャープ(株)製 AQUOS 37インチ)を分解し、実施例1−1で得られた巻回体から切り出した偏光板1をバックライト側の偏光板と置き換え、円偏光分離素子がバックライト側になるようにして組み立てなおし、液晶表示装置1を得た。この液晶表示装置は、主要な構成部材として、光反射素子、光源、偏光板1、液晶セル、偏光板(検光子)をこの順で有していた。
得られた液晶表示装置1のバックライトのランプを点灯した状態で、40℃、95%RHで恒温恒湿試験を実施し、試験開始後700時間の液晶表示装置の表示画面の表示状態を目視で観察したところ、均一な黒表示が可能であることが観察された。また、液晶表示装置1の表示特性を目視により正面方向や斜め方向から確認したところ、全幅にわたり色ムラが観察されず、良好な表示であった。さらに、斜め方向から観察しても、輝度の低下は殆ど見られなかった。なお、比較対照品(偏光板1の積層体1を保護フィルム2に置き換えたもの)よりも、輝度の向上が見られた。
(実施例2−2)
<液晶表示装置2の作製>
偏光板1を、実施例2−1で得られた巻回体から切り出した偏光板2に置き換えた他は、実施例1−2と同様に操作して、液晶表示装置2を得た。
得られた液晶表示装置2のバックライトのランプを点灯した状態で、40℃、95%RHで恒温恒湿試験を実施し、試験開始後700時間の液晶表示装置の表示画面の表示状態を目視で観察したところ、若干の白抜けが観察されたが、画像を確認することは可能であった。また、液晶表示装置1の表示特性を目視により正面方向や斜め方向から確認したところ、一部分に若干の輝度の低下が見られた。なお、上記比較対照品よりは、輝度の向上が見られた。
(比較例1−1)
<偏光板3の作製>
光学補償フィルム1を、製造例4で得られた光学補償フィルム2に置き換えた他は、実施例2−1と同様に操作して、偏光板の巻回体を得た。
(比較例1−2)
<液晶表示装置3の作製>
偏光板1を、比較例1−1で得られた巻回体から切り出した偏光板3に置き換えた他は、実施例1−2と同様に操作して、液晶表示装置3を得た。
得られた液晶表示装置3のバックライトのランプを点灯した状態で、40℃、95%RHで恒温恒湿試験を実施し、試験開始後700時間の液晶表示装置の表示画面の表示状態を目視で観察したところ、白抜けが観察され、画像を確認することが困難であった。また、液晶表示装置3の表示特性を目視により正面方向や斜め方向から確認したところ、上記比較対照品よりも、輝度の低下が見られた。
Figure 2010181710

Claims (9)

  1. 円偏光分離素子、光学補償フィルム、直線偏光フィルム、及び保護フィルムを、この順に備え、
    前記円偏光分離素子は、コレステリック規則性を有する樹脂層からなり、
    前記光学補償フィルムは、固有複屈折値が負の樹脂からなる層を含み、且つ、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4であり、
    前記保護フィルムは、透湿度が20〜500g/m・24hである、
    偏光板。
  2. 前記光学補償フィルムの透湿度が、10〜100g/m・24hである、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記光学補償フィルムの厚みが、5〜40μmである、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記保護フィルムが、アクリル樹脂からなる層を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記固有複屈折値が負の樹脂が、ポリスチレン系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記光学補償フィルムのNz係数が0未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記光学補償フィルムの面内遅相軸が、前記直線偏光フィルムの透過軸と略45°で交差する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 長尺である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
  9. 光反射素子、光源、請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板、液晶セル、及び検光子を、この順に備えてなる、液晶表示装置。
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