JP5330294B2 - 抗lcat抗体及びlcatの測定方法 - Google Patents
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Description
本発明の抗LCAT抗体は、ヒトLCATに対して反応性を有するという特徴を有する。本発明の抗LCAT抗体としては、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれをも含むが、特に好適な具体例として、FERM P-17610として寄託されたハイブリドーマ36487により産生され、配列番号1を認識するモノクローナル抗体36487、FERM P-17609として寄託されたハイブリドーマ36442により産生され、配列番号2を認識するモノクローナル抗体36442、FERM P-17608として寄託されたハイブリドーマ36454により産生され、配列番号3を認識するモノクローナル抗体36454、FERM P-17611として寄託されたハイブリドーマ36405により産生され、配列番号4を認識するモノクローナル抗体36405、及びFERM P-17607として寄託されたハイブリドーマ36486により産生され、配列番号5を認識するモノクローナル抗体36486が挙げられる。
上記抗LCAT抗体若しくはそのフラグメント又はそれらの標識体を利用して、簡便に被検試料中のヒト由来LCATを検出又は定量することが可能となる。被検試料としては特に限定されないが、例えば、血漿等の体液試料のほか、培養上清、遠心上清等が挙げられる。ここで、利用される抗LCAT抗体又はそのフラグメントとしては、他の物質により標識されたものも含まれる。
本発明の抗LCAT抗体又はそのフラグメントを不溶性担体に固定化してなる固定化抗LCAT抗体又は固定化フラグメントを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、試料中に含まれるヒト由来LCATを分離又は精製することができる。
、円柱状カラム)に、試料(例えば、血漿等の体液試料や、培養上清、遠心分離等)を通じて溶出させることにより、該試料中に含まれるヒト由来LCATを分離又は精製する方法、が挙げられるが、特に(B)の方法が好ましい。
以下の各例において、LCATの活性測定は、特開昭59-116577号公報等に記載の方法により、レシチン-コレステロール-アシルトランスフェラーゼ測定用体外診断用医薬品アナソルブLCAT(第一化学薬品社製)を使用し、添付文書に従って、次に示すように活性測定を行った。
小試験管(T0)、(T1)、(St)及び(B1)にLCAT停止液を一滴ずつ分注する。共栓付試験管にサンプル200μlを採取し、基質液500μlを加え直ちに混和後、この混合液200μlを小試験管(T0)に添加してLCAT反応を停止させ、37℃の恒温槽で40分間加温する。残った混合液は共栓をし、37℃の恒温槽で40分間加温し反応液とする。反応液をよく混和し、200μlを小試験管(T1)に分注し、LCAT反応を停止する。小試験管(St)に標準液200μlを、小試験管(B1)に精製水200μlをそれぞれ分注する。小試験管(T0)、(T1)、(St)及び(B1)に酵素液3000μlを加え、よく混和して37℃、10分間加温する。室温に戻し、60分以内に精製水を対照として、波長545nmで吸光度を測定する。
測定値より、下式に従ってLCAT活性を求める。これにより、LCAT活性は「1U=ΔF-CHOnmol/ml・hr(37℃)」のように定義される。
〔式中、E(T0)、E(T1)、E(St)及びE(B1)は各小試験管の吸光度を示す。
*1:標準液中の遊離コレステロール(F-CHO)濃度(500nmol/ml)
*2:希釈倍率
*3:反応時間(40分)〕
特開昭61-257580号公報に記載の方法に従い、ヒト由来LCATの精製を行った。なお、以下の操作は、常法に従い全て4℃あるいは氷浴上で行った。
複数の健常人から採取した末梢血を、常法に従い遠心分離により血球系細胞を除去し、ヒト血漿を得、使用時まで-80℃で保存した。このヒト血漿880mlを37℃の恒温槽で溶解し、不溶物を除くために遠心(5000×g,30分,4℃)し、上清に1Mの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス緩衝液(pH7.4)を等量加えた。0.5Mの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス緩衝液(pH7.4)で平衡化したブチルトヨパールゲル(BUTYL-TOYOPEARL 650M,東ソー社製)の400mlを加え、氷浴中で2時間ゆっくり攪拌した。血漿の疎水性成分が結合したブチルトヨパールゲルをブフナー漏斗を用い吸引濾過した。ブチルトヨパールゲルを0.5Mの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス緩衝液(pH7.4)に懸濁し、氷浴中で2時間ゆっくり攪拌後、ブフナー漏斗を用いて吸引濾過し洗浄した。もう一度懸濁、吸引濾過、洗浄後、ブチルトヨパールゲルを0.5M塩化ナトリウムを含む20mMのトリス緩衝液(pH7.4)に懸濁し、ガラスカラム管(10×40cm,バイオラッド社製)に充填した。0.5Mの塩化ナトリウムを含む20mMのトリス緩衝液(pH7.4)の500mlで洗った後、5%エタノール水溶液により溶出させた(20ml/チューブ,50本)。溶出パターンを、波長280nmでの吸光度とLCAT活性の測定により観察し、ヒト由来LCATを含む活性な分画を回収した。
(1)で回収した活性な画分に等量の精製水を加えて希釈し、これをガラスカラム管(10×40cm,バイオラッド社製)に充填され精製水で平衡化されたハイドロキシアパタイトカラム(Hydroxylapatite、バイオラッド社製)に添加した。精製水500mlで洗浄後、0〜25mMのリン酸緩衝液(pH7.4)で濃度勾配溶出させた(10ml/チューブ,120本)。溶出パターンを、波長280nmでの吸光度とLCAT活性の測定により観察し、ヒト由来LCATを含む活性な分画を回収した。
(2)で回収した活性な画分に等量の40mMリン酸緩衝液(pH7.4)を加え、ガラスカラム管(2×40cm,バイオラッド社製)に充填し20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化した陰イオン交換カラム(DEAE TOYOPEARL 650M,東ソー社製)に添加した。20mMリン酸緩衝液(pH7.4)の200mlで洗浄後、0〜220mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で濃度勾配溶出させた(5ml/チューブ,100本)。溶出パターンを、波長280nmでの吸光度とLCAT活性の測定により観察し、ヒト由来LCATを含む活性な分画を回収し、精製ヒト由来LCATを取得した。
上記(3)で取得した精製ヒト由来LCATの蛋白量をブラッドフォード法(ProteinAssay kit、バイオラッド社製)で定量し、LCATの活性量を参考例1の方法で定量したところ、その酵素活性(比活性)は、6680U(ユニット)/mgであった。更に精製ヒト由来LCATの分子量を、常法に従ってSDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)により解析した。この結果を図1に示す。本参考例で得られた精製ヒト由来LCATは、分子量約65,000の一種からなることが確認された。
ヒト由来LCATの精製はこれまで多くの研究者により試みられており、その分子量は、いずれも約65,000である〔チェン(C. H. Chen)ら、バイオケミカエバイオフィジカアクタ(Biochimica et Biophysica Acta)、第834巻、第188頁、1985〕。これらの値との比較から、本参考例で得られたヒト由来LCATは、極めて高い純度であることが確認された。
一般的な方法に従って、抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体を調製した。
抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体を調製するために、下記の方法(a)又は(b)を用いた。
(a):精製ヒト由来LCATを用いて哺乳動物を免疫し、該免疫動物の脾細胞と骨髄腫細胞とを融合させ、得られるハイブリドーマ細胞から該精製ヒト由来LCAT又は下記の(2)の工程で選択合成したペプチドに特異的に反応するハイブリドーマ細胞を選択した。
(b):ヒト由来LCATのアミノ酸配列の一部を構成するペプチドを合成し、このペプチド又はその担体との結合物で哺乳動物を免疫し、該免疫動物の脾細胞と骨髄腫細胞とを融合させ、得られるハイブリドーマ細胞から該精製ヒト由来LCAT又は下記の(2)の工程で選択合成したペプチドに特異的に反応するハイブリドーマ細胞を選択した。
以下に示すタンパク質の基本的な性質を利用し、戦略的に親水性領域及び一次構造に動物種間が明確な合成ペプチドの配列を選択した。
一般的に蛋白質の構造として外部に露出している部位と考えられるアミノ酸配列中の親水性の高い部位を免疫抗原又はハイブリドーマ細胞のスクリーニングに用いるためヒト由来LCATの蛋白構造解析を行った。塩基配列・アミノ酸配列の解析は専用ソフトDNASIS-Mac v.3.6(日立ソフトウェア社製)を使用した。抗原認識部位として提示されやすい親水性領域推定法として、ホップとウッド法(Hopp&Woods法、プロシーディングスナショナルアカデミーオブサイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、第78巻、第3824〜3828頁、1981年)を参考にした。また、ある動物種に異種の抗原を免疫した際、抗原として提示されるアミノ酸配列としては、抗原のアミノ酸に動物の種差が明瞭に認められる領域を免疫することが重要であると考え、ホモロジー検索を行った。
ヒト由来LCATのアミノ酸配列から計算したハイドロホビシティ(Hydrophobicity)の計算結果を図2に示す。全体としては疎水性が強いが、中央部やC末端に親水性の領域がある。また、遺伝子配列が決定されている動物のLCATアミノ酸配列間のホモロジー検索の結果(Multiple alignment)、全体的にLCATのアミノ酸配列は動物種差がほとんど無く、C末端に若干の種差が認められるのみであった。上記疎水性部位の推定及び由来動物の異なるLCATのアミノ酸配列のホモロジー評価、更に個々のアミノ酸の構造特性、担体との結合性を総合的に判断して、抗原として使用する、あるいは抗体を製造するハイブリドーマの選抜に使用する配列を決定した。
上記観点より、本実施例で合成し用いたペプチドは、配列番号6で示されるヒト由来LCATのアミノ酸配列中、27〜48番目のアミノ酸配列からなるペプチド(以下「ペプチド1」という)、56〜74番目のアミノ酸配列からなるペプチド(以下「ペプチド2」という)、159〜179番目のアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号1;以下「ペプチド3」という)、258〜273番目のアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号2;以下「ペプチド4」という)、273〜294番目のアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号3;以下「ペプチド5」という)、352〜376番目のアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号4;以下「ペプチド6」という)、384〜407番目のアミノ酸配列からなるペプチド(以下「ペプチド7」という)及び415〜440番目のアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号5;以下「ペプチド8」という)とした。これらペプチドの合成は、tBOC(tert-butoxycarbonyl)法、Fmoc(9-fluorenylmethoxycarbonyl)法等により行った。
(i) 担体としてウシサイログロブリンを用いる場合
合成ペプチド(2mg/ml蒸留水)0.5mlとウシサイログロブリン(シグマ社製)0.5mlを混合し、1M酢酸アンモニウムを加えてpHを7.0にする。
0.02Mグルタールアルデヒド0.54mlを加え、室温で5時間攪拌し、室温で50〜100容の蒸留水で1日間透析する。この透析品を超音波洗浄機で10分間超音波破砕して、免疫抗原あるいは酵素免疫測定法に供した。
10mgの担体用のKLH(ピアス社製)を蒸留水の1mLに溶解させ、Sulfo-MSCC(ピアス社製)2mgを、1mLの蒸留水に溶解し、その100μlとKLH溶液200μlを混合し、室温で1時間攪拌した。0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したPD-10カラム(ファルマシアバイオテック社製)に添加した。0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)で溶出させ、溶出パターンを波長280nmでの吸光度で測定した。該溶出パターンに従いマレイミド活性化KLHを回収後、合成ペプチド(4mg/ml蒸留水)0.5mlを加え、室温で2時間攪拌し、100容のPBSで透析し、免疫抗原あるいは酵素免疫測定法に供した。
(i) 免疫動物脾細胞の調製
BALB/c系のマウスを参考例2で調製した精製ヒト由来LCAT、又は上記(3)で調製したペプチドと担体との結合物で免疫して、その免疫マウスから脾細胞を調製した。
免疫方法は8〜10週令のBALB/cマウスの皮下、静脈内又は腹腔内に、参考例2で調製した精製ヒト由来LCAT、又は上記(3)で調製したペプチドと担体との結合物を、適当なアジュバント〔例えば、フロインドアジュバントあるいはリビアジュバントシステム(Ribi Adjuvant System,RIBI IMMUNOCHEM RESEARC社製,フナコシ社販売)〕とともに注射することにより、初回(0日)免疫した。初回免疫から14日目、28日目及び42日目に同精製ヒト由来LCAT、又はペプチドと担体との結合物を皮下あるいは腹腔内に注射することにより追加免疫し、更に下記に述べるモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ調製の前々日及び前日にも同様にして最終免疫し、マウスから脾細胞を調製して細胞融合に用いた。
8-アザグアニン耐性マウス骨髄細胞P3-U1を正常培地(RPMI-1640にグルタミン1.5mM及び牛胎児血清13%を加えた培地)に培養(37℃,CO2,5%通気)し、4日後に2×107以上の細胞を得た。
RPMI-1640(日水製薬社製)でよく洗浄した免疫マウス脾細胞1×108個とマウス骨髄腫細胞2×107個と混合し、1500rpmで5分間遠心分離にかけた。
沈殿として得られた脾細胞とP3-U1の混合した細胞群をほぐした後、攪拌しながら50%ポリエチレングリコール、10%DMSO溶液1mlを加え、2分後にRPMI-1640を徐々に加え、全容量が50mlとなるようにした。1000rpmで5分間遠心分離後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、HAT培地(上記正常培地にヒポキサンチン10-1M、チミジン1.5×10-5M、及びアミノプテリン4×10-7Mを加えた培地)30mlを加え、5ml溶メスピペットでゆるやかに細胞を懸濁し、5%CO2インキュベーター中37℃で2時間培養した。1500rpmで5分間遠心分離後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐした後、HAT培地に懸濁し、96穴培養プレートに200μl/穴ずつ分注し、5%CO2インキュベーター中37℃で10〜14日間培養した。
抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングは、抗原を固相化した酵素免疫測定法を用いて行った。
参考例2で調製した精製ヒト由来LCATを、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に1μg/mlの濃度で調製後、96穴EIAプレートに50μl/穴ずつ分注し、室温で2時間放置し抗原をプレートに固相化した。0.05%のTween20及び150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4,以下T-PBSという)を350μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置し底面上の蛋白結合性残基をブロックした。96穴EIAプレートをT-PBSにより2回洗浄後、T-PBSをプレートに1ウェルあたり50μl添加し、1次抗体として、クリーンベンチ内でハイブリドーマ培養上清を96穴EIAプレートに100μl移し、4℃で一晩又は室温で2時間放置した。96穴EIAプレートをT-PBSにより2回洗浄後、第2抗体として、ヤギの抗マウスイムノグロブリン-ペルオキシダーゼ結合物(TAGO社製、コスモバイオ社販売)の5000倍希釈液を50μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。96穴EIAプレートをT-PBSにより2回洗浄後、OPD基質液〔o-フェニレンジアミン二塩酸塩60mgをクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.2)20mlに溶かした溶液に、30%の過酸化水素20μlを加えた溶液〕を50μlずつ分注し発色後、1Nの硫酸溶液を50μl/穴ずつ分注し反応を停止させた。プレートリーダーにて吸光度を主波長492nm、副波長620nmで測定した。
上記方法に従い、免疫原として精製ヒト由来LCATを用いた場合には、精製ヒト由来LCAT及び(2)で選択合成したペプチドに特異的に反応するハイブリドーマ細胞を選択し、また免疫原として(2)で選択合成したペプチド又はその担体との結合物を用いた場合には、精製ヒト由来LCAT及び当該合成ペプチドに特異的に反応するハイブリドーマ細胞を選択した。
抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマが認められた穴について、限界希釈法によりクリーニングを2〜4回繰り返し、安定して抗体産生の認められたものを、抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択した。この結果、配列番号1を認識するモノクローナル抗体36487を産生するハイブリドーマ36487、配列番号2を認識するモノクローナル抗体36442を産生するハイブリドーマ36442、配列番号3を認識するモノクローナル抗体36454を産生するハイブリドーマ36454、配列番号4を認識するモノクローナル抗体36405を産生するハイブリドーマ36405、及び配列番号5を認識するモノクローナル抗体36486を産生するハイブリドーマ36486の5種のハイブリドーマを選択した。これらハイブリドーマを1999年10月14日付けにて通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に、各々寄託番号FERM P-17610、FERM P-17609、FERM P-17608、FERM P-17611、及びFERM P-17607として寄託した。
プリスタン処理(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン0.5ml/匹を腹腔内投与し、1〜2週間飼育する)した10週令マウス(BALB/c)に、上記で得られたハイブリドーマ株各1×106個細胞/匹を腹腔内注射する。10〜21日後にハイブリドーマ株は腹水癌化した。10〜21日後に腹水のたまったマウスから腹水(4〜10ml/匹)を採取し、遠心分離して固形分を除去した。上清を50%硫安塩析後、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で一晩透析し、これを粗精製モノクローナル抗体とした。
マウスモノクローナル抗体アイソタイプ決定キット(ZYMED社製、コスモバイオ社販売)を用い、該キット添付の実験操作プロトコールに従って操作を行い、モノクローナル抗体36487、36442、36454、36405及び36486各々のアイソタイプを決定した。36442、36454及び36486がIgG1、36405がIgG2a、36487がIgG2bであることが確認された。
(6)で取得したモノクローナル抗体36487、36442、36454、36405及び36486の各々の粗精製モノクローナル抗体に、MAPSII結合バッファー(バイオラッド社製)を等量加え、フィルター(ミリポア社製)で濾過し、白沈を除いた。得られた濾液をHiTrap Protein Aアフィニティーカラム(ファルマシアバイオテック社製)に添加した。MAPSII結合バッファー(バイオラッド社製)で洗浄後、MAPSII溶出バッファー(バイオラッド社製)で溶出させた(3ml/チューブ,10本)。溶出パターンを波長280nmでの吸光度の測定により観察し、該溶出パターンに従い、抗体を含む分画を回収した。
参考例2の(2)で調製した精製ヒト由来LCATを、実施例1で調製した精製モノクローナル抗体36487及び36486を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより更に高純度で精製し、更にその性状を解析した。
CNBr活性化セファロース4B(ファルマシアバイオテック社製)を用い、添付のプロトコールに従って操作を行った。すなわちCNBr活性化セファロース4Bを1mMの塩酸で20分間膨潤させ、G3グレードの細孔のグラスフィルター付きブフナーロート上で同1mMの塩酸で洗浄した。ゲルを0.5Mの塩化ナトリウムと0.1Mの炭酸水素ナトリウム(pH8.3)の緩衝液(以下、結合バッファーという)に懸濁し、結合バッファーに対し一晩透析した抗体を添加し、室温で2時間混合し抗体とゲルを結合させた。1000rpmで5分間遠心分離し上清を除去し、0.1Mのトリス緩衝液(pH8.0)に懸濁後、室温で2時間放置した。グラスフィルターにより濾過後、グラスフィルター上で結合バッファー及び0.5Mの塩化ナトリウムを含む0.1Mの酢酸緩衝液(pH4.0)で交互に洗浄する。適当量の150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に懸濁しカラムに充填させる。
参考例2の(2)で調製した精製ヒト由来LCATを含む溶液を、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4、以下PBSという。)に対して一晩透析後、(1)で調製したアフィニティーカラムに加えた。カラムをPBSで洗浄し、3MのNaSCNを含むPBSで溶出させた。溶出画分のパターンを、波長280nmでの吸光度により測定した。この結果を図3に示す。該溶出パターンに従い、ヒト由来LCATを含む画分を集め、PBSで透析し、極めて高純度の精製ヒト由来LCATを調製した。
精製各クロマトグラフィー工程を、常法に従ってSDS-PAGEにより解析した。この結果を図4に示す。本実施例で得られた精製ヒト由来LCATは、分子量約65,000の一種からなることが確認された。
ブチルトヨパールカラムクロマトグラフィーによる精製及びハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィーによる精製後、アフィニティークロマトグラフィー精製を用いることにより、参考例2に比べ、より簡便に再現性良くヒト由来LCATを精製できることを示した。また、本実施例で得られたヒト由来LCATは、極めて高い純度であることが確認された。
実施例1の(2)で理論的に選択後合成した合成ペプチドを固相化した酵素免疫測定法を用い、実施例1で調製した精製モノクローナル抗体36487、36442、36454、36405及び36486の抗原認識部位の確認を行った。
実施例1の(2)で理論的に選択後合成したペプチド1〜8を1mg/mlの濃度で高純度の蒸留水に溶解させる。150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4:以下PBSという)に溶解ペプチド各々を10μg/mlの濃度で調製後、96穴EIAプレートに50μl/穴ずつ分注し、室温で2時間放置し抗原をプレートに固相化した。0.05%のTween20を含むBPS(以下、T-PBSという)で2回洗浄後、ブロッキング試薬(ブロックエース,大日本製薬社製)を350μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置し底面上の蛋白結合性残基をブロックした。T-PBSにより2回洗浄後、1次抗体として、T-PBSに実施例1で調製した精製モノクローナル抗体の36487、36442、36454、36405及び36486の各々を10μg/mlの濃度で調製後、50μl/穴ずつ分注し室温で2時間放置する。T-PBSにより2回洗浄後、第2抗体として、ヤギの抗マウスイムノグロブリン-ペルオキシダーゼ結合物(TAGO社製、コスモバイオ社販売)の5000倍希釈液を50μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。T-PBSにより2回洗浄後、OPD基質液(o-フェニレンジアミンヂアミン2塩酸塩60mgのクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.2)20mlに溶かした溶液に、30%の過酸化水素20μlを加えた溶液)を50μl/穴ずつ分注し発色後、1Nの硫酸溶液を50μl/穴ずつ分注し反応を停止させる。プレートリーダーにて吸光度を主波長492nm、副波長620nmで測定する。この結果を表1に示す。
(1) 固相化モノクローナル抗体の作製
150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4、以下PBSという)に実施例1で調製した精製モノクローナル抗体36486を10μg/mlの濃度で調製後、96穴EIAプレートに50μl/穴ずつ分注し、室温で2時間放置し抗原をプレートに固相化した。0.05%のTween20を含むPBS(以下、T-PBSという)で2回洗浄後、1%のBSAを含むT-PBSを350μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置し底面上の蛋白結合性残基をブロックした。1%のBSA及び10%のシュークロースを含むT-PBSを350μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置後、自然乾燥させた後、T-PBSにより2回洗浄した。
実施例1で調製した精製モノクローナル抗体36486を、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に対して透析をした。この溶液にペプシン(シグマ社製)をIgG量1mgに対して160Uを添加し、37℃で約24時間反応させ、2Mのトリス緩衝液(pH8.0)を10分の1容添加した。FPLCクロマトグラフィーシステム(ファルマシアバイオテック社製)にゲル濾過カラムTSK gel G3000SW(東ソー社製)を付した自動クロマトグラフィーを、1mMの塩化マグネシウムと0.2Mの塩化ナトリウムを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.5)平衡化し、F(ab')を回収した。
F(ab')2を5mMのEDTAを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.0)に対して透析した。透析後、0.1Mの2-メルカプトエチルアミン及び5mMのEDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を10分の1容添加し、37℃で90分反応させた。次いでこれを5mM EDTAを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックスG-25ゲル(1.5×30cm,ファルマシアバイテック社製)のカラムに添加して、F(ab')画分を回収した。
N-サクシニルミジル-6-マレイミドヘキサネート(DOJIN社製)15mgをN,N-ジメチルホルムアミドの150μlに溶解した溶液を、0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)1.5mlに10mgのペルオキシダーゼ(以下、HRPという)を溶解した液に入れ室温で45分間反応させた。次いで反応液を0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックスG-25ゲル(1.5×30cm;ファルマシアバイテック社製)のカラムに添加して、マレイミド・HRP画分を回収した。次に(2)で得られたF(ab')画分とマレイミド・HRP画分を混合し、4℃で3日間反応させた。反応後、0.1Mの2-メルカプトエチルアミン及び5mMのEDTAを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.0)を10分の1容添加した。FPLCクロマトグラフィーシステム(ファルマシアバイオテック社製)にゲル濾過カラムTSD gel G3000SW(東ソー社製)を付した自動クロマトグラフィーを、0.2Mの塩化ナトリウムを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.5)平衡化し、HRP標識F(ab')を回収した。BSA及びグルクロン酸クロルヘキシジンを、各々0.1%及び0.0028%になるように添加し、分注して-80℃で保存した。
本発明で確立されたサンドイッチELISAによるヒト由来LCAT定量法は以下の通りである。
前記(1)で作製した固相化モノクローナル抗体36486(以下、固相化マイクロプレートという)を用いる。固相化マイクロプレートの各ウェルに0.2%のBSAを含むT-PBSで希釈した測定試料(実施例2の(2)で調製した精製ヒト由来LCAT標準物質、又はヒト血清)50μlを加え、室温で2時間インキュベートした。固相化マイクロプレートをT-PBSで2回洗浄後、0.2%のBSAを含むT-PBSで希釈した上記(3)で作製したペルオキシダーゼ標識抗LCATモノクローナル抗体を50μl/穴ずつ分注し、室温で1時間インキュベートした。固相化マイクロプレートをT-PBSで2回洗浄後、OPD基質液〔o-フェニレンジアミン二塩酸塩60mgをクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.2)20mlに溶かした溶液に、30%の過酸化水素20μlを加えた溶液〕を50μl/穴ずつ分注し発色後、1Nの硫酸溶液を50μl/穴ずつ分注し反応を停止させた。プレートリーダーにて吸光度を主波長492nm、副波長620nmで測定し、測定中のLCAT量は、精製ヒト由来LCAT標準物質から作製した検量線から求めた。
実施例2(2)で調製した精製ヒト由来LCATを標準物質として、前記(4)で確立したサンドイッチELISAを用いて検量線を作成した。結果を図5に示す。0.1〜10μg/mlの濃度範囲で良好な検量線が得られた(相関係数:R2=0.984)。
従来のLCAT活性値測定法を指標としたヒト由来LCATの定量法(参考例1)と本発明のLCAT蛋白定量法の有用性を確認するため下記の試験を行った。特に顕著なリポ蛋白異常がないと考えられるヒト血清30試料を、LCAT活性測定法及びLCAT蛋白定量法を用いて測定して両測定法間の相関性を検討した。結果を図6に示した。従来の活性定量法と本発明の蛋白定量法の相関係数(r)は0.773の相関性を示した。
(1) LCATのヒト血清中リポ蛋白分画の分布
ゲル濾過クロマトグラフィーを用いてリポ蛋白を分離後、LCATの分布を検討した。FPLCクロマトグラフィーシステム(ファルマシアバイオテック社製)にゲル濾過カラムSuperose 6HR 10/30(ファルマシアバイオテック社製)を付した自動クロマトグラフィーを、0.15Mの塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化し、健常人の血清を添加して、VLDL、LDL及びHDLの各リポ蛋白画分に分離した後、各画分のLCAT蛋白量を実施例3の方法に従い測定した。結果を図7に示す。LCATは、文献等で従来指摘されているようにほぼHDL画分に分布していた。
この方法では、蛋白-蛋白間及び/又は蛋白-リポ蛋白間の相互作用を回避するために界面活性剤及び/又は加熱による前処理を行う必要がないため、試料中の蛋白の変性を極力避けることができ、脂質代謝の研究に有用性が高い。
現在、脂質代謝異常症の病因や病態の解明などには、各種の動物がモデル系と
して使用されている。本発明で示したサンドイッチELISAによるヒト由来LCATの
定量法がこれらの用途へ適用可能かどうか検討した。
動物としてウサギの血清を用いLCAT蛋白量を実施例3の方法に従い測定した。結果を図8に示す。図の如くウサギ血清中のLCATが検出できることが明らかとなった。
一般的な方法に従って、抗LCATポリクローナル抗体を調製した。
ウサギ(日本白色種、メス)を実施例1の(2)で調製したペプチドと担体との結合物で免疫して、その免疫ウサギから抗血清を調製する。
ウサギ(日本白色種、メス)の皮下、皮内、静脈内あるいは腹腔内に、実施例1の(2)で調製した合成ペプチド1、5、6、7若しくは8と担体との結合物を適当なアジュバント〔例えば、フロインドアジュバントあるいはリビアジュバントシステム(Ribi Adjuvant System、RIBI IMMUNOCHEM RESEARC社製,フナコシ社販売)〕とともに注射することにより初回(0日)免疫した。初回免疫から14日目、28日目、42日目、56日目、70日目に同ペプチドと担体との結合物を皮下、皮内、静脈内あるいは腹腔内に注射することにより追加免疫し、更に抗血清調製の前々日及び前日にも同様にして最終免疫し、頸動脈からの採血あるいは心臓採血を行い抗血清を大量に調製した。
抗血清を50%硫安塩析後、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で一晩透析し、これを粗精製ポリクローナル抗体とする。粗精製ポリクローナル抗体に、MAPSII結合バッファー(バイオラッド社製)を等量加え、フィルター(ミリポア社製)で濾過し、白沈を除いた。得られた濾液をHiTrap ProteinAアフィニティーカラム(ファルマシアバイオテック社製)に添加した。MAPSII結合バッファー(バイオラッド社製)で洗浄後、MAPSII溶出バッファー(バイオラッド社製)で溶出させた(3ml/チューブ,10本)。溶出パターンを波長280nmでの吸光度で測定し、該溶出パターンに従い、抗体を含む分画を回収した。
ポリクローナル抗体の抗体価を抗原を固相化した酵素免疫測定法を用いて解析した。
参考例2で調製した精製ヒト由来LCATを150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に1μg/mlの濃度で調製後、96穴EIAプレートに50μl/穴ずつ分注し、室温で2時間放置し抗原をプレートに固相化した。0.05%のTween20及び150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4、以下T-PBSという)を350μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置し底面上の蛋白結合性残基をブロックした。96穴EIAプレートをT-PBSにより2回洗浄後、T-PBSをプレートに1ウェルあたり50μlで添加し、1次抗体として、クリーンベンチ内でハイブリドーマ培養上清を96穴EIAプレートに100μlに移し、4℃で一晩又は室温で2時間放置する。96穴EIAプレートをT-PBSにより2回洗浄後、第2抗体として、ヤギの抗マウスイムノグロブリン-ペルオキシダーゼ結合物(TAGO社製、コスモバイオ社販売)の5000倍希釈液を50μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。96穴EIAプレートをT-PBSにより2回洗浄後、OPD基質液〔o-フェニレンジアミン二塩酸塩60mgをクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.2)20mlに溶かした溶液に、30%の過酸化水素20μlを加えた溶液〕を50μl/穴ずつ分注し発色後、1Nの硫酸溶液を50μl/穴ずつ分注し反応を停止させる。プレートリーダーにて吸光度を主波長492nm、副波長620nmで測定する。結果を図9に示す。
実施例1の(2)で合成した合成ペプチド1、5、6、7又は8と担体との結合物を免疫原に用いて抗体を調製した場合、ペプチド5(配列番号3)、ペプチド6(配列番号4)及びペプチド8(配列番号5)を抗原として用いた場合に精製ヒト由来LCATを認識するポリクローナル抗体が得られた。更に、これらのポリクローナル抗体は特定のヒトLCATのアミノ酸配列をそれぞれ認識するポリクローナル抗体であり、極めて高い特異性を有している。また、上記配列番号3〜5で示される配列を含むLCAT抗原(遺伝子組換え発現体及び合成ペプチドを含む)は、抗ヒトLCAT抗体を作製するための人工抗原として極めて有用であることが示された。
本発明の抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体のホスホリパーゼA2に対する交差反応性について、抗原を固相化した酵素免疫測定法を用いて調べた。
参考例2で調製した精製ヒト由来LCAT、ホスホリパーゼA2(ウシ膵臓由来,シグマ社製)、ホスホリパーゼA2(ブタ膵臓由来,シグマ社製)、及びホスホリパーゼA2(ミツバチ毒由来,シグマ社製)の各々を、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に1μg/mlの濃度で調製後、96穴EIAプレートに50μl/穴ずつ分注し、室温で2時間放置し抗原をプレートに固相化した。0.05%のTween20を含むPBS(以下、T-PBSという)で2回洗浄後、ブロッキング試薬(ブロックエース,大日本製薬社製)を350μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置し底面上の蛋白結合性残基をブロックした。T-PBSにより2回洗浄後、1次抗体として、T-PBSに実施例1で調製した精製モノクローナル抗体36487、36442、36454、36405及び36486の各々を10μg/mlの濃度で調製後、50μl/穴ずつ分注し室温で2時間放置した。同時にコントロールとしてマウスミエローマIgG1(ZYMED社製)を10μg/mlの濃度で調製後、50μl/穴ずつ分注し室温で2時間放置した。T-PBSにより2回洗浄後、第2抗体として、ヤギの抗マウスイムノグロブリン-ペルオキシダーゼ結合物(TAGO社製,コスモバイオ社販売)の5000倍希釈液を50μl/穴ずつ分注し、室温で1時間放置した。T-PBSにより2回洗浄後、OPD基質液〔o-フェニレンジアミン二塩酸塩60mgをクエン酸・リン酸緩衝液(pH5.2)20mlに溶かした溶液に、30%の過酸化水素20μlを加えた溶液〕を50μlずつ分注し発色後、1Nの硫酸溶液を50μl/穴ずつ分注し反応を停止させた。プレートリーダーにて吸光度を主波長492nm、副波長620nmで測定した。
この結果を図10に示す。本発明の抗ヒト由来LCATモノクローナル抗体は、精製LCATとは反応するが、ホスホリパーゼA2ファミリーには反応性を示さない。この結果から本発明のモノクローナル抗体はいずれも、報告されている抗LCATモノクローナル抗体とは明らかに異なった抗原認識部位を示し、交差反応性のない特異的なモノクローナル抗体であることが証明された。
Claims (10)
- 抗LCAT抗体産生ハイブリドーマの製造方法において、配列番号4の配列からなるペプチド若しくはその担体との結合物を免疫感作して取得された抗体産生細胞と、ミエローマ細胞とを細胞融合することにより製造された抗LCAT抗体産生ハイブリドーマから、
配列番号4の配列からなるペプチドと反応するハイブリドーマを選択することを特徴とする、
配列番号4の配列からなるペプチドを認識する抗体を産生するハイブリドーマの選択方法。 - 請求項1記載の抗LCAT抗体産生ハイブリドーマの選択方法にて得られた抗LCAT抗体産生ハイブリドーマ。
- FERM P-17611として寄託されたハイブリドーマ36405。
- 請求項2記載の抗LCAT抗体産生ハイブリドーマを用いることを特徴とする抗LCAT抗体又はその結合性フラグメントの製造方法。
- 抗LCAT抗体産生ハイブリドーマが、配列番号4を認識する抗体を産生するFERM P-17611として寄託されたハイブリドーマ36405である請求項4記載の抗LCAT抗体又はその結合性フラグメントの製造方法。
- 請求項4又は5記載の抗LCAT抗体若しくはその結合性フラグメントの製造方法で得られた抗LCAT抗体又はその結合性フラグメント。
- 請求項6記載の抗LCAT抗体若しくはその結合性フラグメント又はそれらの標識体を含有するLCAT測定試薬。
- 請求項6記載の抗LCAT抗体若しくはその結合性フラグメント又はそれらの標識体を用いるLCATの測定法。
- 請求項6記載の抗LCAT抗体又はその結合性フラグメントを不溶性担体に固定化してなる固定化抗LCAT抗体又は固定化フラグメントを用いたアフィニティークロマトグラフィーによりヒト由来LCATを分離又は精製する方法。
- 抗LCAT抗体産生ハイブリドーマの製造方法であって、
配列番号4の配列からなるペプチド若しくはその担体との結合物を免疫感作して取得された抗体産生細胞とミエローマ細胞とを細胞融合することにより抗体産生ハイブリドーマを調製する工程、及び
当該ハイブリドーマから、配列番号4の配列からなるペプチドと反応するハイブリドーマを選択する工程
を含むことを特徴とする抗LCAT抗体産生ハイブリドーマの製造方法。
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