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JP5363841B2 - エポキシ系樹脂組成物、プリプレグ、硬化体、シート状成形体、積層板および多層積層板 - Google Patents

エポキシ系樹脂組成物、プリプレグ、硬化体、シート状成形体、積層板および多層積層板 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ系樹脂組成物、プリプレグ、硬化体、シート状成形体、積層板および多層積層板に関し、より詳細には、例えば、銅めっき層等が形成される基板などの用途に用いられるエポキシ系樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、硬化体、シート状成形体、積層板および多層積層板に関する。
従来から、例えば半導体装置などに用いられる樹脂または樹脂組成物として、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物に、イミダゾールシラン処理されたフィラーを含ませたものが用いられており、それによって、樹脂組成物の諸物性を向上させる種々の試みがなされ、提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
特許文献1には、半導体装置の封止樹脂として、特定のイミダゾールシランまたは特定のイミダゾールシランの混合物により処理されたフィラーを含む樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物では、フィラーの表面上に存在するイミダゾール基が硬化触媒及び反応起点として作用する。そのため、化学結合が生じ易く、該樹脂組成物を硬化させると、樹脂硬化物の強度を高めることができ、密着性が必要な場合に、特に有用であるとされている。
また、特許文献2には、アルコキシシリル基を有するイミダゾールシラン、もしくはアルコキシシリル基を有するジメチルアミノシランを含有するエポキシ樹脂組成物が開示されている。このエポキシ樹脂組成物は、硬化性、密着性、および貯蔵安定性に優れているとされている。
さらに、特許文献3には、エポキシ樹脂(A)、フェノール樹脂(B)および無機質充填剤(C)を含む樹脂組成物中に、Si原子とN原子とが直接結合していないイミダゾールシラン(D)が0.01〜2.0重量部の割合で含有されているエポキ樹脂組成物が開示されている。このエポキシ樹脂組成物は、半導体チップとの接着性に優れ、IRリフロー後においても、剥離せず、さらに耐湿性にも優れているとされている。
また、本発明者等も、特許文献4において、エポキシ系樹脂とエポキシ系樹脂の硬化剤およびイミダゾールシラン処理されてなる平均粒子径が5μm以下であるシリカとを含有する樹脂組成物を開示した。特許文献4に記載の樹脂組成物は、配線形成時において、粗化処理(エッチング)後の表面粗さが小さく、かつ銅メッキ密着性に優れ、微細配線対応性に優れている。
ところが、近年、銅配線のL/Sがより一層小さくなってきていることに伴い、絶縁材料を構成する樹脂組成物には、より線膨張率の低いものが求められてきている。そして、線膨張率を低くするためには、シリカなどの無機充填材(又は充填剤)の含有割合を高くすることが一般的に行われるが、シリカなどの無機充填材(又は充填剤)の割合を高くすると、粗化処理後の表面粗さが大きくなるという問題があった。また、シリカ含有率が高くなりすぎると、銅メッキのメッキピール強度が下がるという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、樹脂組成物の硬化物の表面を粗化処理した場合に、粗化処理後の表面粗さが小さく、かつ、該樹脂組成物の硬化物の表面にメッキ層が形成された場合に、硬化物とメッキ層との密着性、或いは接着性が高められた樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、硬化体、シート状成形体、積層板、および多層積層板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ系樹脂、硬化剤、イミダゾールシラン処理などされた特定径のシリカ、およびノニオン系界面活性剤を、特定割合で含有させた樹脂組成物は、シリカの分散状態が良好であって、その硬化物の表面を粗化処理した際にも、粗化処理後の表面粗さが好適となり、上記課題が達成されることを見出した。本発明は、こうした知見に基づいて、さらに検討を重ね、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エポキシ系樹脂(a)と、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)と、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理され、かつ平均粒子径が5μm以下であるシリカ(c)と、ノニオン系界面活性剤(d)とを含有する樹脂組成物であり、エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、シリカ(c)を25〜400重量部、ノニオン系界面活性剤(d)を0.1〜10重量部の割合で含有することを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ノニオン系界面活性剤(d)は、エステル系界面活性剤、エーテル系界面活性剤およびエステル・エーテル系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理されたシリカ(c)は、シリカ100重量部に対し、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランによる処理量が0.1〜5重量部であることを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記イミダゾールシランが分子内に水酸基を有しないことを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、エポキシ系樹脂(a)は、アントラセン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂およびビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ樹脂全量に対し、5質量%以上含有することを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)は、ビフェニル骨格を有する硬化剤、活性エステル硬化剤、ベンゾオキサジン構造を含有する硬化剤、アミノトリアジン骨格を有する硬化剤およびナフタレン骨格を有する硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ系樹脂用硬化剤全量に対し、5質量%以上含有することを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、シリカ(c)は、平均粒子径が1μm以下であることを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、平均粒子径が500nm以下である有機化層状珪酸塩(e)を2重量部以下の割合で、さらに含有することを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、さらに、樹脂組成物全量に対し、マレイミド系化合物(f)を2〜45質量%含有することを特徴とするエポキシ系樹脂組成物が提供される。
一方、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明に係るエポキシ系樹脂組成物を多孔質基材に含浸させてなるプリプレグが提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明に係るエポキシ系樹脂組成物または第10の発明に係るプリプレグを加熱硬化させてなる樹脂硬化物に、粗化処理が施された硬化体であって、表面粗さRaが0.2μm以下であり、かつ表面粗さRzが2.0μm以下であることを特徴とする硬化体が提供される。
さらに、本発明の第12の発明によれば、第11の発明において、前記樹脂硬化物を粗化処理する前に、膨潤処理が施されていることを特徴とする硬化体が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明に係るエポキシ系樹脂組成物、第10の発明に係るプリプレグ、又は第11若しくは12の発明に係る硬化体を用いてなることを特徴とするシート状成形体が提供される。
さらに、本発明の第14の発明によれば、第13の発明に係るシート状成形体の少なくとも片面に、金属層及び/又は接着性を有する接着層が形成されてなることを特徴とする積層板が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、第14の発明において、前記金属層が回路として形成されていることを特徴とする積層板が提供される。
さらに、本発明の第16の発明によれば、第14又は15の発明に係る積層板から選ばれる少なくとも1種類の積層板を積層してなることを特徴とする多層積層板が提供される。
本発明のエポキシ系樹脂組成物は、エポキシ系樹脂(a)と、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)と、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理され、かつ平均粒子径が5μm以下であるシリカ(c)と、ノニオン系界面活性剤(d)とを含有する樹脂組成物であり、エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、シリカ(c)を25〜400重量部、ノニオン系界面活性剤(d)を0.1〜10重量部の割合で含有することを特徴としているため、特に、特定のシリカを特定量含有しているため、樹脂組成物を加熱処理させた後に粗化処理することにより、多くの樹脂をエッチングしなくても容易にシリカが脱離し、硬化物の表面粗さを小さくすることができる。また、硬化物(硬化体)表面の孔は、平均粒子径が5μm以下であるシリカが脱離したものであるため、孔の平均径は5μm程度以下となる。さらに、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカは、特に平均粒子径が1μm以下でかつ含有量が多くなるに従って、凝集傾向となりやすく、表面粗さが大きくなるものの、ノニオン系界面活性剤(d)を特定量含有させることにより、平均粒子径1μm以下のイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカの含有量が多い場合にも、良好な分散性を維持できるという効果を奏する。従って、樹脂部分が平滑であり、平均粒子径が5μm以下のシリカの脱離した微細な凹凸が形成された、銅めっき接着性に優れた硬化体を得ることができる。
本発明では、樹脂組成物を加熱硬化させた後に粗化処理すると、硬化物の表面に、シリカが脱離した複数の微細な孔が形成される。よって、硬化物の表面に、例えば、銅などの金属めっき層などが形成された場合には、表面に形成された複数の孔の内部にも、金属めっき層が至る。よって、物理的なアンカー効果により、硬化物と金属めっきとの密着性を高めることができる。
また、シリカの平均粒子径が1μm以下である場合には、樹脂組成物を加熱硬化させて、さらに、例えば膨潤、粗化処理を施すと、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカをより一層容易に脱離させることができる。また、シリカの平均粒子径が小さいほど、シリカが脱離しやすく、また、形成される孔が微細となる。これにより、硬化物の表面に、微細な凹凸面を形成される。よって、硬化物の表面に、例えば銅などの金属めっき層などが形成された場合に、硬化物と金属めっきとの密着性をより一層高めることができる。
さらに、エポキシ系樹脂(a)およびエポキシ系樹脂の硬化剤(b)からなる混合物(a+b)100重量部に対し、有機化層状珪酸塩(e)を2重量部以下の割合で、さらに含む場合には、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)の周囲には、有機化層状珪酸塩(e)が分散されることになる。そのため、この樹脂組成物を硬化させた後に、例えば膨潤、粗化処理を施すことにより、硬化物の表面に存在するイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)を、より一層容易に脱離させることができる。従って、硬化物の表面に、微細で、かつ均一な凹凸面を形成することができる。よって、硬化物の表面に、例えば銅などの金属めっき層などが形成された場合に、硬化体と金属めっきとの密着性を高めることができる。
前記特許文献4においては、有機化層状珪酸塩(e)は0.1〜50重量部の割合と規定しているが、本発明では、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)の含有割合が25重量部以上で、有機化層状珪酸塩(e)が2重量部以下とし、更に、ノニオン系界面活性剤(d)を特定量含有させることにより、粗化処理後の表面粗さを、更に、小さくできることを本発明で見出したのである。
本発明に係るプリプレグは、樹脂組成物が多孔質基材に含浸されている。従って、多孔質基材に含浸されている樹脂組成物を硬化させた後に粗化処理することにより、硬化物の表面粗さを小さくすることができる。よって、硬化物の表面に、例えばめっきなどによる銅などの金属層などが形成された場合に、硬化後の樹脂組成物と金属層の密着性をより一層高めることができる。
そのため、めっきによって回路を形成する部材、例えばビルドアップ基板のような電子回路を形成用部材、樹脂製アンテナのような接続端子を形成用部材であって、めっき層の密着性に優れた信頼性の高い部材を得ることができる。なお、回路の形成は、公知の手法、例えばエッチング等により形成することができる。
本発明に係る硬化体は、本発明に従って構成された樹脂組成物、又は本発明に従って構成されたプリプレグを加熱硬化させてなる樹脂硬化物に、粗化処理が施されたものである。硬化体は、平均径が5μm以下である複数の孔を表面に有し、硬化体の表面粗さRaが0.2μm以下であり、かつ表面粗さRzが2.0μm以下であるため、硬化体の表面粗さが小さくされている。
よって、硬化物の表面に、例えば銅などの金属めっき層などが形成された場合に、硬化後の樹脂組成物と金属めっき層との密着性をより一層高めることができる。また、硬化体の表面粗さが小さいので、硬化体に、L/S値が小さい銅配線が形成された場合に、高速信号処理性能を高めることができる。信号が5GHz以上の高周波になったとしても、硬化体の表面の表面粗さが小さいので、銅めっきと硬化体との界面での電気信号のロスが小さくなるというメリットがある。また、アンカー穴が5μm以下と小さいので、L/Sが小さくなっても、パターン形成が可能である。例えばL/Sが10/10以下になっても、アンカー穴が小さいので、配線の短絡の心配がなく、高密度配線が形成可能である。本発明では、表面粗さが小さいにもかかわらず、銅めっき層の密着性を高めることができ、この点が、従来技術に対して、大きく異なる点である。
さらに、本発明に係る硬化体を用いれば、例えば、樹脂付き銅箔、銅張積層板、プリント基板、プリプレグ、接着シートおよびTAB用テープなどの用途において、微細な配線を形成することができ、高速信号伝送性を高めることができる。
また、本発明に係る硬化体において、樹脂硬化物を粗化処理する前に、膨潤処理が施された場合には、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカを、より一層容易に脱離させることができる。よって、シリカが脱離して、微細な孔が形成されることにより、硬化体の表面に、微細な凹凸を形成することができる。
本発明に係るシート状成形体では、本発明に従って構成された樹脂組成物、プリプレグ、又は硬化体が用いられているため、シート状成形体は、引張強度などの機械強度、線膨張率に優れており、かつガラス転移温度Tgも高められている。
また、本発明に係る積層板では、シート状成形体の少なくとも片面に、金属層及び/又は接着性を有する接着層が形成されている。この積層板では、シート状成形体の表面の凹凸面と、金属層及び/又は接着層とシート状成形体との密着性が高められており、密着信頼性に優れている。
さらに、金属層が回路として形成されている場合には、金属層がシート状成形体の表面に、強固に密着されているため、金属層からなる回路の信頼性が高められている。
本発明に係る多層積層板では、本発明に従って構成された積層板から選ばれる少なくとも1種類の積層板が積層されている。よって、本発明に係る多層積層板では、シート状成形体と金属層及び/又は接着層との密着性が高められている。また、複数の積層板の積層界面において、樹脂組成物が介在する場合には、積層板間の接合信頼性を高めることができる。
本発明のエポキシ系樹脂組成物では、エポキシ系樹脂(a)と、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)と、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理され、かつ平均粒子径が5μm以下であるシリカ(c)と、ノニオン系界面活性剤(d)とを含有する樹脂組成物であり、エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、シリカ(c)を25〜400重量部、ノニオン系界面活性剤(d)を0.1〜10重量部の割合で含有することを特徴とするものである。
以下、本発明のエポキシ系樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、硬化体、シート状成形体、積層板および多層積層板などについて、項目毎に説明する。
1.エポキシ系樹脂組成物
本発明のエポキシ系樹脂組成物は、エポキシ系樹脂(a)と、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)と、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理され、かつ平均粒子径が5μm以下であるシリカ(c)と、ノニオン系界面活性剤(d)とを必須成分として含有し、必要に応じて、好ましくは有機化層状珪酸塩(e)、或いはさらにマレイミド系化合物(f)、さらに、他の成分を含有するものである。
(1)エポキシ系樹脂(a)
本発明において、エポキシ系樹脂(a)とは、少なくとも1個のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物をいう。
上記エポキシ系樹脂中のエポキシ基の数としては、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。
エポキシ系樹脂(a)としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、以下に示すエポキシ系樹脂(1)〜エポキシ系樹脂(11)等が挙げられる。
これらのエポキシ系樹脂(a)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、エポキシ系樹脂として、これらのエポキシ系樹脂の誘導体又は水添物が用いられてもよい。
芳香族エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(1)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ノボラック型エポキシ系樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、上記エポキシ系樹脂(1)としては、ナフタレン、ナフチレンエーテル、ビフェニル、アントラセン、ピレン、キサンテン、インドール等の芳香族環を主鎖中に有するエポキシ系樹脂、インドール−フェノール共縮合エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。この他には、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族化合物からなるエポキシ系樹脂等も挙げられる。
脂環族エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(2)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等が挙げられる。このようなエポキシ系樹脂(2)のうち市販されているものとしては、例えば、ダイセル化学工業社製の商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃)等が挙げられる。
脂肪族エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(3)としては、例えば、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(4)としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(5)としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N´−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等が挙げられる。
グリシジルアクリル型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(6)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
ポリエステル型エポキシ系樹脂である上記エポキシ系樹脂(7)としては、例えば、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ系樹脂(8)としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ジシクロペンタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体またはその部分水添物の重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化した化合物等が挙げられる。
上記エポキシ系樹脂(9)としては、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水添物の重合体ブロックとを同一分子内にもつブロック共重合体において、共役ジエン化合物が有する不飽和炭素の二重結合部分をエポキシ化した化合物等が挙げられる。このような化合物としては、例えば、エポキシ化SBS等が挙げられる。
上記エポキシ系樹脂(10)としては、例えば、上記エポキシ系樹脂(1)〜(9)の構造中に、ウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変性エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(11)としては、ビスアリールフルオレン骨格のエポキシ樹脂が挙げられる。このようなエポキシ樹脂(11)のうち市販されているものとしては、例えば、大阪ガスケミカル社製の商品名「オンコートEXシリーズ」等が挙げられる。
また、低弾性成分を樹脂の構造で設計する場合は、エポキシ系樹脂として、可撓性エポキシ樹脂が好ましく用いられる。可撓性エポキシ樹脂としては、硬化後に柔軟性を有するものが好適である。
可撓性エポキシ樹脂としては、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数2〜9(好ましくは2〜4)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニルもしくは(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体、共役ジエン化合物を主体とする(共)重合体またはその部分水添物の(共)重合体における不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂、ウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変性エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂、ダイマー酸またはその誘導体の分子内にエポキシ基を導入したダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分の分子内にエポキシ基を導入したゴム変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
上記可撓性エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基及びブタジエン骨格を有する化合物がより好ましく用いられる。ブタジエン骨格を有する可撓性エポキシ樹脂を用いた場合には、樹脂組成物及びその硬化物の柔軟性をより一層高めることができ、低温域から高温域までの広い温度範囲にわたり、硬化物の伸度を高めることができる。
本発明のエポキシ系樹脂組成物において、エポキシ系樹脂(a)は、アントラセン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂およびビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ樹脂全量に対し、5質量%以上含有することが好ましい。5質量%以上含有することにより、ガラス転移温度を向上させたり、線膨張率を低減化することができる。更にアントラセン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂およびビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ樹脂全量に対し、5質量%以上含有すると、粗化処理後の表面粗さを、更に小さくできることができる。
また、本発明のエポキシ系樹脂組成物には、必須成分である前記エポキシ系樹脂(a)、前記エポキシ系樹脂の硬化剤(b)、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)、ノニオン系界面活性剤(d)に加えて、必要に応じて、例えば、前記エポキシ樹脂と共重合可能な樹脂が含有されていてもよい。
上記共重合可能な樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。これらの共重合可能な樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂をエポキシ基、イソシアネート基、アミノ基などの熱硬化性を有する官能基で変性させた樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうちエポキシ基で変性されたものの例として、市販されているものとしては、例えば、三菱ガス化学社製の商品名「OPE−2Gly」等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン樹脂とは、ベンゾオキサジンモノマーあるいはオリゴマー、および、これらがオキサジン環の開環重合によって高分子量化されたものを含む。上記ベンゾオキサジンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、オキサジン環の窒素にメチル基、エチル基、フェニル基、ビフェニル基、シクロヘキシル基などのアリール基骨格を有する置換基が結合したもの、あるいは2つのオキサジン環の窒素間にメチレン基、エチレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、シクロヘキシレン基などのアリーレン基骨格を有する置換基が結合したもの等が挙げられる。これらのベンゾオキサジンモノマーあるいはオリゴマーおよびベンゾオキサジン樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
(2)エポキシ系樹脂用硬化剤(b)
本発明のエポキシ系樹脂組成物には、上記のエポキシ系樹脂(a)を硬化させるエポキシ系樹脂用硬化剤(b)が含有される。
樹脂組成物における硬化剤(b)の配合割合は、エポキシ系樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部配合される。硬化剤(b)が1重量部より少ないと、エポキシ系樹脂(a)が十分硬化しないことがあり、一方、200重量部より多いと、エポキシ系樹脂(a)を硬化するのに過剰となることがある。
上記硬化剤(b)としては、特に限定されず、従来公知のエポキシ系樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、ジシアンジアミド、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、フェノール化合物、活性エステル化合物、ベンゾオキサジン化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、及びそれらの誘導体等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、硬化剤とともに、アセチルアセトン鉄等の樹脂硬化触媒として、これらの硬化剤の誘導体が用いられてもよい。
上記アミン化合物としては、例えば、鎖状脂肪族アミン化合物、環状脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
また、上記鎖状脂肪族アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等が挙げられる。
さらに、上記環状脂肪族アミン化合物としては、例えば、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
上記芳香族アミン化合物としては、m−キシレンジアミン、α−(m/p−アミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
また、上記アミン化合物から合成される化合物としては、例えば、ポリアミノアミド化合物、ポリアミノイミド化合物、ケチミン化合物等が挙げられる。
さらに、上記ポリアミノアミド化合物としては、例えば、上記アミン化合物とカルボン酸とから合成される化合物等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
上記ポリアミノイミド化合物としては、例えば、上記アミン化合物とマレイミド化合物とから合成される化合物等が挙げられる。マレイミド化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられる。
また、上記ケチミン化合物としては、例えば、上記アミン化合物とケトン化合物とから合成される化合物等が挙げられる。
この他に、上記アミン化合物から合成される化合物としては、例えば、上記アミン化合物と、エポキシ化合物、尿素化合物、チオ尿素化合物、アルデヒド化合物、フェノール化合物、アクリル系化合物等の化合物とから合成される化合物が挙げられる。
上記3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−〔2´−メチルイミダゾリル−(1´)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2´−ウンデシルイミダゾリル−(1´)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2´−エチル−4´−メチルイミダゾリル−(1´)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2´−メチルイミダゾリル−(1´)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール等が挙げられる。
イミダゾール化合物は、硬化剤としてだけではなく、他の硬化剤と併用して、硬化促進剤としても、使用され得る。
上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
また、上記メラミン化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
さらに、上記酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
上記熱潜在性カチオン重合触媒としては、特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ゼンジルスルホニウム塩等のイオン性熱潜在性カチオン重合触媒;N−ベンジルフタルイミド、芳香族スルホン酸エステル等の非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒が挙げられる。
上記光潜在性カチオン重合触媒としては、特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、並びに鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等のイオン性光潜在性カチオン重合開始剤;ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等の非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤が挙げられる。
また、上記硬化剤がフェノール基を有する場合には、耐熱性、低吸水性や、寸法安定性を向上させることができる。
上記フェノール基を有するフェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。これらの誘導体も用いることができ、フェノール化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤がフェノール化合物である場合には、樹脂組成物を硬化させた後に、粗化処理すると、硬化物の表面粗さ(Ra,Rz)がより一層細かくなる。
上記硬化剤が下記式(1)〜(3)のいずれかで示されるフェノール化合物である場合には、硬化物の表面粗さ(Ra,Rz)がさらに一層細かくなる。また、上記硬化剤がフェノール化合物である場合には、耐熱性が高く、吸水性が低く、さらに硬化物に熱履歴を与えた場合の寸法安定性がより一層向上された硬化物を得ることができる。
Figure 0005363841
上記式(1)中、Rは、メチル基またはエチル基を示し、Rは、水素または炭化水素基を示し、nは2〜4の整数を示す。
Figure 0005363841
上記式(2)中、nは0または1〜5の整数を示す。
Figure 0005363841
上記式(3)中、Rは、下記式(4a)または下記式(4b)で表される基を示し、Rは、下記式(5a),下記式(5b)または下記式(5c)で表される基を示し、Rは、下記式(6a)または下記式(6b)で表される基を示し、Rは、水素または炭素数1〜20の炭素原子含有分子鎖基を示し、pおよびqは、それぞれ1〜6の整数を示し、rは1〜11の整数を示す。
Figure 0005363841
Figure 0005363841
Figure 0005363841
上記式(3)で示される硬化剤は、Rが上記式(5c)で示されるビフェニル構造を有するフェノール化合物である場合には、硬化物は、電気特性、低線膨張率、耐熱性、低吸水性などの諸物性に優れるとともに、硬化物に熱履歴を与えた場合の寸法安定性をさらに一層向上させることができる。なかでも下記式(7)で示される構造を有するものが、これらの性能をより一層高め得るため、好ましい。
Figure 0005363841
上記式(7)中、nは1〜11の整数を示す。
また、上記活性エステル化合物は、例えば、芳香族多価エステル化合物が挙げられる。活性エステル基は,エポキシ樹脂との反応時のOH基を生成しないため、誘電率、誘電正接が優れた硬化体を得ることができるとされており、例えば、特開2002−12650号公報に開示されている。市販されているものとしては、例えば、大日本インキ化学工業社製の商品名「EPICLON EXB9451−65T」等が挙げられる。このような活性エステル化合物を用いた場合には、誘電率、誘電正接に優れた硬化物が得られる。
上記ベンゾオキサジン化合物としては、脂肪族系ベンゾオキサジンあるいは芳香族系ベンゾオキサジン樹脂が挙げられる。市販されているものとしては、例えば、四国化成学工業社製の商品名「P−d型ベンゾオキサジン」「F−a型ベンゾオキサジン」等が挙げられる。
また、樹脂組成物には、前述のイミダゾール化合物以外に、トリフェノルホスフィンなどのホスフィン化合物あるいはDBU、DBN、及びそのフェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩、フェノールノボラック樹脂塩などの硬化促進剤が添加されてもよい。
また、シアネートエステル樹脂も用いることができる。シアネートエステル樹脂は、線膨張率の低い硬化物を得ることができ、例えばノボラック型シーネートエステル樹脂、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂及び一部をトリアジン化したプレポリマーなどを用いることができる。
本発明のエポキシ系樹脂組成物において、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)は、ビフェニル骨格を有する硬化剤、活性エステル硬化剤、ベンゾオキサジン構造を含有する硬化剤、アミノトリアジン骨格を有する硬化剤およびナフタレン骨格を有する硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ系樹脂用硬化剤全量に対し、5質量%以上含有することが好ましい。
また、エポキシ系樹脂組成物は、硬化剤として、ビフェニル構造(または骨格)を有するフェノール系硬化剤、活性エステル硬化剤、ベンゾオキサジン構造を含有する硬化剤の少なくとも1種類を含有することがより好ましい。さらに、エポキシ系樹脂組成物は、ビフェニル構造を有するフェノール系硬化剤あるいは活性エステル硬化剤の少なくとも1種類を含有することが特に好ましい。この場合、硬化剤がビフェニル構造もしくは活性エステル構造を有するため、例えば、めっきの前処理としての膨潤・粗化処理において樹脂自体が影響を受け難い。従って、樹脂組成物を硬化させた後に、粗化処理すると、樹脂の表面が粗らされずに、平均粒子径が5μm以下のイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカが選択的に脱離して、孔が形成される。よって、硬化物の表面に、表面粗さの非常に小さい凹凸面を形成することができる。
エポキシ系樹脂(a)及び/または硬化剤(b)の分子量が大きいと、硬化物の表面に、微細な粗面を形成しやすいため、エポキシ系樹脂(a)の重量平均分子量は、4000以上が好ましく、硬化剤(b)の重量平均分子量は、1800以上が好ましい。特に、硬化剤の分子量が微細な粗面を形成するのに重要である。
また、エポキシ系樹脂のエポキシ等量及び/または硬化剤の等量は大きいと、硬化物の表面に微細な粗面を形成しやすい。
エポキシ系樹脂及び/またはフェノール硬化剤がビフェニル構造を有する場合には、樹脂組成物を硬化させた硬化物では、電気特性、特に誘電正接に優れると共に、強度・線膨張率にも優れ、吸水率も低くなる。硬化剤が芳香族多価エステル構造あるいはベンゾオキサジン構造を有する場合には、更に誘電率、誘電正接に優れた硬化物を得ることができる。また、低線膨張率が必要な場合には、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂などが適している。
上記ビフェニル型エポキシ系樹脂は、上述の式(1)〜(7)の疎水性を有するフェノール系化合物の水酸基の一部をエポキシ基含有基で置換し、残りを水酸基以外の置換基、例えば水素で置換した化合物などが挙げられ、下記式(8)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
Figure 0005363841
上記式(8)中、nは1〜11の整数を示す。
(3)イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)
本発明のエポキシ系樹脂組成物には、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されており、かつ平均粒子径が5μm以下であるシリカ(c)が含有される。
樹脂組成物におけるイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)の配合割合は、エポキシ系樹脂(a)および硬化剤(b)からなる混合物(a+b)100重量部に対して、25〜400重量部配合される。シリカの配合割合は、上記混合物に対して、25〜250重量部の範囲が好ましく、43〜150重量部の範囲がさらに好ましい。シリカが25重量部より少ないと、粗化処理等によってシリカが脱離されて形成される孔の総表面積が小さくなり、充分なめっき接着強度が発現しなくなり、一方、400重量部より多いと、樹脂が脆くなり易い。
また、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)において、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランによる処理量は、シリカ100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部であり、より好ましくは2〜4重量部である。イミダゾールシランなどの処理量が0.1重量部未満であると、処理量が不足であるために粗面の表面粗さが大きくなり、一方、5重量部を超えると、イミダゾール基、アミノ基またはエポキシ基の絶対量が多くなり、樹脂組成物の保存安定性が悪く(ゲル化し易く)なる。
上記イミダゾールシランとしては、特開平9−169871号公報、特開2001−187836号公報、特開2002−128872号公報などに開示されているイミダゾール基を有するシランカップリング剤などを、適宜用いることができる。
シランカップリング剤は、有機物と珪素から構成される化合物であるが、イミダゾールシランは、分子内にイミダゾール基を有するカップリング剤である。イミダゾールシランは、分子内に水酸基を有しない構造であることが好ましい。水酸基を有するイミダゾールシラン化合物は、エポキシ樹脂と混ぜて保管した場合に、安定性が悪いという問題があるからである。水酸基を含まないイミダゾールシランとしては、具体的には、日鉱金属社製、商品名「IM−1000」が挙げられる。
また、上記アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γーアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
さらに、上記エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、シリカの表面処理だけではなく、樹脂組成物にシランカップリング剤を別途添加することも可能であり、本発明の範囲に含まれるものである。特に、イミダゾールシランカップリング剤を更に添加することで粗化処理後の表面粗さを小さくすることが可能である。添加するシランカップリング剤の量は、樹脂組成物全量に対して5重量部以下が望ましい。5重量部以上になると、粘度が変化したり、硬化物の機械物性の低下などの影響があったりするからである。
上記シリカとしては、天然シリカ原料を粉砕して得られる結晶性シリカ、火炎溶融・粉砕して得られる破砕溶融シリカ、火炎溶融・粉砕・火炎溶融して得られる球状溶融シリカ、フュームドシリカ(アエロジル)、あるいはゾルゲル法シリカなどの合成シリカ等が挙げられる。合成シリカは、イオン性不純物を含んでいる場合が多いため、純度の面で溶融シリカが好ましく用いられる。溶剤にシリカ粒子を分散させたシリカスラリーは、作業性、生産性の面でメリットがあり、使用することが可能である。
シリカの形状としては、例えば真球状、不定形状等が挙げられる。樹脂硬化物に粗化処理を施す際に、シリカがより一層脱離し易くなるため、真球状であることが好ましい。
本発明では、微細な粗面を得るために、平均粒子径が5μm以下であるシリカが用いられる。そして、硬化物(硬化体)表面の孔は、平均粒子径が5μm以下であるシリカが脱離したものであるため、孔の平均径は5μm程度以下となる。ところが、平均粒子径が5μmより大きいと、樹脂硬化物に粗化処理を施す際に、シリカが脱離し難くなり、さらに脱離した部分に形成される孔が大きくなるため、表面粗さが粗くなる。特にエポキシ樹脂や硬化剤が、粗化処理等に処理され難いフェノールやビフェニル構造あるいは芳香族多価エステル構造、ベンゾオキサジン構造等を有する場合には、シリカの粒子径が大きくなるほど、脱離が起こり難くなる。
シリカの平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm以下であると、樹脂硬化物に粗化処理を施す際に、シリカがより一層脱離し易くなり、さらに脱離した硬化物の表面に形成される孔がより一層小さくなる。シリカの平均粒子径が1μm以下の場合には、粒子同士が凝集しやすくなり、イミダゾールシランカップリング剤などによるシリカの処理だけでは、分散性が不充分であることが明らかになり、本発明者らが鋭意検討した結果、次項で詳細に説明するノニオン系界面活性剤(d)を併用することにより、分散性を向上させることができ、その結果としてシリカの添加量が多くなっても、微細な粗面を形成することが可能となった。
シリカの平均粒子径は、50%となるメディアン径(d50)の値を採用することができ、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置にて測定することができる。
本発明では、平均粒子径の異なるシリカが併用されてもよい。細密充填を考慮して、粒度分布の異なるシリカを複数種類用いることにより、例えば部品内蔵基板のような流動性の要求される用途でも、好適に使用することができる。
シリカの最大粒子径は、5μm以下であることが好ましい。最大粒子径が5μm以下であると、樹脂組成物に粗化処理を施す際に、シリカがより一層脱離し易くなり、さらに硬化物表面に比較的粗大きな凹凸が形成されず、均一かつ微細な凹凸を形成することができる。特にエポキシ樹脂や硬化剤が、粗化処理等により処理され難いビフェニル構造あるいは芳香族多価エステル構造、ベンゾオキサジン構造等を有する場合には、硬化物の表面から粗化液が浸透し難いが、シリカの最大粒子径が5μm以下である場合には、シリカの脱離が起こり易い。
シリカの比表面積は、3m/g以上であることが好ましい。比表面積が3m/gより小さいと、例えば硬化物の表面に、例えば銅などの金属めっき層などが形成された場合に、硬化物と金属めっきとの密着性が十分でないことがあり、機械的特性が低下するおそれがある。比表面積は、BET法により求めることができる。
イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランを用いてシリカを処理する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
乾式法と呼ばれる方法が挙げられ、一例としてシリカにシラン化合物を直接付着させる方法が挙げられる。具体的には、ミキサーにシリカを仕込み、攪拌しながらイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのアルコール又は水溶液を滴下又は噴霧し、後攪拌を行ってふるいで分級する。さらに、加熱によりシラン化合物とシリカとを脱水縮合させて、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカを得ることができる。
別の方法として、湿式法と呼ばれる方法が挙げられる。その一例としては、シリカスラリーを攪拌しながらイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランを添加し、更に攪拌を行い、濾過・乾燥・ふるいによる分級を行い、さらに、加熱によりシラン化合物とシリカとを脱水縮合させて、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカを得ることができる。
更に、別の方法として、シリカスラリーを攪拌しながらイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランを添加した後に、加熱還流処理により脱水縮合を進行させ、シリカスラリーとして使用することも可能である。
未処理のシリカを用いた場合と比べて、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカを用いた場合では、樹脂組成物を硬化させると、シリカがエポキシ樹脂と複合化されるので、硬化物のガラス転移温度Tgが10〜15℃高くなる。すなわち、樹脂組成物に未処理のシリカではなく、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)を樹脂組成物に含ませることで、ガラス転移温度Tgの高い硬化物を得ることができる。また、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカを用いることにより、硬化体のリフロー耐性を向上させることができる。
(4)ノニオン系界面活性剤(d)
本発明のエポキシ系樹脂組成物には、ノニオン系界面活性剤(d)が含有される。
ノニオン系界面活性剤(d)としては、エーテル系、エステル系、エステル・エーテル系、含窒素系の化合物、さらには、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノレイン酸等の各種脂肪酸も、好適に用いることができる。
上記エーテル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
上記エステル系界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノ・ジステアリン酸ジグリセリン、モノステアリン酸ジグリセリン、モノ・ジオレイン酸ジグリセリン、モノステアリン酸ヘキサグリセリン、モノオレイン酸ヘキサグリセリン、モノミリスチン酸ヘキサグリセリン、モノラウリン酸ヘキサグリセリン、モノ・ジカプリル酸ヘキサグリセリン、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタステアリン酸ヘキサグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、ジステアリン酸デカグリセリン、ペンタステアリン酸デカグリセリン、デカステアリン酸デカグリセリン、モノオレイン酸デカグリセリン、ペンタオレイン酸デカグリセリン、デカオレイン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸デカグリセリン、モノラウリン酸デカグリセリン、モノラウリン酸トリグリセリン、モノミリスチン酸トリグリセリン、モノオレイン酸トリグリセリン、モノステアリン酸トリグリセリン、モノラウリン酸ペンタグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン、トリミリスチン酸ペンタグリセリン、モノオレイン酸ペンタグリセリン、トリオレイン酸ペンタグリセリン、モノステアリン酸ペンタグリセリン、トリステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリン等が挙げられる。
上記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとしては、例えば、縮合リシノレイン酸テトラグリセリン、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン、縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン等が挙げられる。
また、上記ポリグリセリンエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとしては、例えば、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレントリミリスチン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンジステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレントリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等が挙げられる。
エステル・エーテル型界面活性剤としては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット・ソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤は、充分に分散させることが重要であり、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカを含む溶剤ノニオン系界面活性剤を添加して充分に攪拌させることが重要である。シリカスラリーの場合には、予めノニオン系界面活性剤を添加して、充分攪拌しておくことが好ましい。攪拌は、ディスパーあるいはビーズミルなどを用いればよい。
本発明のエポキシ系樹脂組成物において、ノニオン系界面活性剤(d)の含有量は、0.1〜10重量部の範囲が好ましい。0.1重量部より少ない場合には、分散性が充分でなく、一方、10重量部より多い場合には、硬化体の機械物性や電気特性に悪影響を与えるからである。ノニオン系界面活性剤(d)の含有量が0.5〜2重量部である場合、電気特性にほとんど影響を与えないため、より好ましい。
(5)有機化層状珪酸塩(e)
本発明のエポキシ系樹脂組成物には、好ましくは、有機化層状珪酸塩(e)が含有される。
樹脂組成物に、有機化層状珪酸塩(e)と、上述したイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)とを含有させると、シリカの周囲に有機化層状珪酸塩が存在することになる。この場合、樹脂組成物を加熱硬化させて、さらに、例えば膨潤、粗化処理を施すことにより、樹脂硬化物の表面に存在するイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカをより一層容易に脱離させることが可能となる。シリカが容易に脱離するメカニズムは明確ではないが、有機化層状珪酸塩の層間あるいは有機化層状珪酸塩と樹脂との間のナノオーダーの無数の界面から膨潤液、あるいは粗化液が浸透するとともに、エポキシ系樹脂(a)とイミダゾールシラン処理などされたシリカ(c)との界面にも浸透するためと推定される。
樹脂組成物における有機化層状珪酸塩(e)の配合割合は、エポキシ系樹脂(a)および硬化剤(b)からなる混合物(a+b)100重量部に対して、2重量部以下の範囲が好ましい。有機化層状珪酸塩が2重量部より多いと、特にイミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカが25重量部以上の場合には、膨潤液あるいは粗化液の浸透する界面が多くなりすぎて、表面粗さが比較的大きくなってしまうからである。一方、有機化層状珪酸塩を添加しない場合には、表面粗さを更に小さくすることができる。
本明細書において、有機化層状珪酸塩とは、層状珪酸塩を、樹脂中の分散性や、劈開性を向上させるなどの目的で、公知の有機化処理がなされているものをいう。
層状珪酸塩としては、例えば、スメクタイト系粘土鉱物、膨潤性マイカ、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。スメクタイト系粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等が挙げられる。
これらのうち、層状珪酸塩として、モンモリロナイト、ヘクトライト、及び膨潤性マイカからなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
有機化層状珪酸塩(e)の配合割合は、上述したが、樹脂組成物の用途に応じて、適宜設定することができる。
例えば、樹脂組成物が封止剤用途に用いられる場合には、有機化層状珪酸塩の配合割合は、エポキシ系樹脂(a)および硬化剤(b)からなる混合物(a+b)100重量部に対して、2重量部以下の範囲が好ましい。配合割合が2重量部より多いと、膨潤液及び粗化液の浸透速度が早くなることから、表面粗さが変化する速度が速すぎて充分な膨潤処理、粗化処理の処理時間が確保できないという問題が発生する可能性がある。膨潤処理及び粗化処理の温度を調節することで、ある程度は処理時間を長くとることは可能である。
エポキシ系樹脂及び硬化剤からなる混合物100重量部に対して、シリカが25〜400重量部と有機化層状珪酸塩が2重量部以下となるように樹脂組成物中に配合されると、シート状に形成された本発明の樹脂組成物を硬化させることにより構成された基板に、炭酸ガスレーザーなどのレーザーにより穿孔加工を施した場合に、エポキシ樹脂成分やエポキシ樹脂硬化剤成分と層状珪酸塩成分とが同時に分解蒸発し、部分的に残存する樹脂由来の成分や無機物の残渣も極わずかなものとなる。したがって、デスミア処理する場合に、その処理を複数回あるいは複数種を組み合わせて行わなくても、残存している層状珪酸塩の残渣を容易に除去することができる。よって、穿孔加工により発生する残渣によってめっき不良等の発生を抑制することができる。なお、デスミア処理は公知の方法を用いることができ、例えばプラズマ処理や薬液処理などにより行うことができる。
(6)マレイミド系化合物(f)
本発明のエポキシ系樹脂組成物には、好ましくは、さらにマレイミド系化合物(f)が含有される。
マレイミド(マレイン酸イミド)系化合物(f)としては、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、N−フェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、これらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することもできる。より好適なものとしては、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミドが挙げられる。それらの具体的なものとしては、大和化成工業(株)製の商品名「BMI−1000」のビス(4−マレイミドフェニル)メタン(または4,4’−Diphenylmethane bismaleimide)、商品名「BMI−2000」のポリフェニルメタンマレイミド(またはoligomer of phenylmethane maleimide)、商品名「BMI−5100」のビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンや、ケイ・アイ化成(株)製の商品名「BMI」のビス(4−マレイミドフェニル)メタン(または4,4’−Diphenylmethane bismaleimide)、商品名「BMI−70」のビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(またはBis−(3−ethyl−5−methyl−4−maleimidephenyl)methane)、商品名「BMI−80」の2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル}プロパン(または2,2’−Bis−[4−(4−maleimidephenoxy)phenyl]propane)などが挙げられる。
エポキシ系樹脂組成物に、上記マレイミド系化合物(f)が含有されると、熱膨張特性、金属箔引き剥がし強さ、ガラス転移温度(Tg)、吸湿時の耐熱性及び難燃性が優れるという効果を発揮する。
本発明のエポキシ系樹脂組成物において、マレイミド系化合物(f)の含有割合は、樹脂組成物全量に対し、2〜45質量%であり、好ましくは5〜25質量%である。
マレイミド系化合物(f)の含有量が2質量%未満であると、その添加効果がなく、一方、マレイミド系化合物(f)の含有量が45質量%を超えると、粗化処理後の表面粗さが大きくなったり、硬化物の引張強度や伸びが低下する懸念がある。
(7)その他の成分
本発明のエポキシ系樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、熱可塑性樹脂類、熱可塑性エラストマー類、架橋ゴム、オリゴマー類、無機化合物、造核剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、および着色剤等の添加剤が配合されてもよい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂組成物には、例えば、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリイミド樹脂およびポリエーテルイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種類の熱可塑性樹脂、ポリビニルベンジルエーテル樹脂、及び二官能ポリフェニレンエーテルオリゴマーとクロロメチルスチレンとの反応による得られる反応生成物(三菱ガス化学 商品名「OPE−2St」)からなる群より選択される少なくとも1種類の熱硬化性樹脂が添加されてもよい。これらの熱可組成樹脂及び熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。樹脂組成物における熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の配合割合は、エポキシ系樹脂(a)100重量部に対して、0.5〜50重量部の範囲が好ましく、1〜20重量部の範囲がより好ましい。熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が0.5重量部より少ないと、伸びや靭性の向上が十分でないことがあり、50重量部より多いと、強度が低下することがある。
(8)エポキシ系樹脂組成物の製造、用途
本発明のエポキシ系樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ系樹脂(a)と硬化剤(b)との混合物と、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)及びノニオン系界面活性剤(d)と、必要に応じて有機化層状珪酸塩(e)或いはさらにマレイミド系化合物(f)とを、溶剤に添加した後、乾燥して溶剤を除去する方法が挙げられる。
本発明のエポキシ系樹脂組成物は、例えば適当な溶媒に溶解したり、フィルム状に成形したりして、用いられる。樹脂組成物の用途としては、特に限定されないが、例えば、多層基板のコア層やビルドアップ層等を形成する基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、ワニス等に好適に用いられる。
また、樹脂組成物を硬化させた後に、粗化処理した場合、粗化処理によって形成される表面の粗さは、従来のものよりも小さいため、電気的に見た場合、絶縁層の厚みが厚くなる。また、表面粗さが小さいため、絶縁層の厚さを薄くすることも可能となる。
よって、樹脂組成物が樹脂付き銅箔、銅張積層板、プリント基板、プリプレグ、接着シートおよびTAB用テープなどの絶縁性を要求される用途に用いられた際に、微細な配線を形成し得る。従って、信号伝送速度を高めることができる。
導電性めっきを施した後に回路を形成するアディティブ法や、セミアディティブ法などによって樹脂と導電性めっき層を多層に形成するビルドアップ基板などに、本発明の樹脂組成物を用いた場合には、導電性めっき層と樹脂の接合面の信頼性が高まるので好ましい。
樹脂組成物を用いて、基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、または接着性シートを製造する場合、多工程を通じて製造される場合でも、高い歩留りで製造することができ、接着性、電気特性、高温物性、寸法安定性(低線膨張率)及び耐湿性等のバリア性を向上させることができる。なお、本明細書において、シートには自立性のないフィルム状のシートも含まれる。
上記成形方法としては、特に限定されず、例えば、押出機にて、溶融混練した後に押出し、Tダイやサーキュラーダイ等を用いて、フィルム状に成形する押出成形法;有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法、従来公知のその他のフィルム成形法等が挙げられる。なかでも、本発明の樹脂組成物からなる樹脂シートを用いて多層プリント基板を作成した場合に、薄型化を進めることができるので、押出成形法やキャスティング成形法が好適に用いられる。
本発明に従って構成された樹脂組成物は、封止用材料やソルダーレジストなどにも適用可能である。また、パッシブ部品やアクティブ部品を内蔵させる部品内蔵基板のような高周波特性の要求される用途には、本発明の樹脂組成物は、高速信号伝送性能に優れることから、好適に使用することができる。
2.プリプレグ
本発明のプリプレグは、上記エポキシ系樹脂組成物が多孔質基材に含浸されて構成されている。多孔質基材の材料は、樹脂組成物が含浸可能であれば、特に限定されないが、カーボン繊維、ポリアミド繊維,ポリアラミド繊維,ポリエステル繊維などの有機繊維やガラス繊維などが挙げられる。また、その形態としては、平織り、綾織りなどの織物や不織布などが挙げられる。なかでもガラス繊維不織布が好ましい。
3.硬化体
本発明のエポキシ系樹脂組成物、又はエポキシ系樹脂組成物が含浸されたプリプレグを加熱硬化させると、硬化体とすることができる。硬化体は、一般に、Bステージと呼ばれる半硬化状態である半硬化体から、完全な硬化状態である硬化体までの範囲を意味する。
本発明の硬化体は、例えば、以下のようにして得られる。
樹脂組成物を、例えば160℃で30分加熱すると、反応途中である半硬化体が得られる。さらに、この半硬化体を、高温で、例えば180℃で1〜2時間加熱すると、ほぼ完全に硬化した硬化体が得られる。
得られた樹脂硬化物の表面に、微細な凹凸を形成するためには、例えば粗化処理、または膨潤処理及び粗化処理が施される。
膨潤処理方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液や有機溶媒分散溶液などによる処理方法が用いられる。より具体的には、膨潤処理は、例えば、40質量%エチレングリコール水溶液などを用いて、処理温度30〜85℃で1〜20分間、樹脂硬化物を処理することにより行なわれる。
また、粗化処理には、例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなどのマンガン化合物、重クロム酸カリウム、無水クロム酸カリウムなどのクロム化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸化合物を主成分とする化学酸化剤などが用いられる。これらの化学酸化剤は、例えば水溶液や有機溶媒分散溶液にされて用いられる。
粗化処理方法としては、特に限定されないが、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液、30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃、1〜10分間で1又は2回、硬化物を処理する方法が好適である。処理の回数が多いと粗化効果も大きいが、処理を繰り返すと樹脂の表面も削られる。粗化処理が3回以上行われた場合には、処理回数を増やしたことによる粗化効果が実質的に変わらないことがあり、若しくは硬化体の表面に明確な凹凸が形成され難くなることがある。
上記のようにして得られた硬化体は、表面粗さRaが0.2μm以下であり、かつ表面粗さRzが2.0μm以下であることが好ましい。イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)の平均径が1μm以下である場合は、平均径が5μm以下である複数の孔を有し、表面粗さRaが0.15μm以下であり、かつ表面粗さRzが1.5μm以下であることが好ましい。
尚、本発明では、前記したとおり、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)とノニオン系界面活性剤(d)を併用することにより、分散性を向上させることができ、その結果としてシリカの添加量が多くなっても、微細な粗面を形成することが可能である。
複数の孔の平均径が5μmより大きいと、L/Sが小さくなった場合に配線間が短絡しやすくなり、微細な回路形成が困難となり、表面粗さRaが0.2μmより大きいと、電気信号の伝送速度を高速化できないことがある。表面粗さRzが2.0μmより大きいと、電気信号の伝送速度を高速化できないことがある。表面粗さRa、Rzは、JIS B0601−1994の測定法に準拠した測定装置等により求めることができる。
樹脂組成物に含まれるシリカの平均粒子径が小さいほど、より微細な凹凸が形成される。従って、平均粒子径が小さいシリカを含む樹脂組成物は、L/Sが短くなる銅配線においては、信号処理の高速化を図ることができ、非常に有用である。シリカの平均粒子径がより小さいこと、例えば、回路の配線の微細度合いを示すL/Sが65/65μmあるいは45/45μmより微細の場合、シリカの平均粒子径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下であり、L/Sが13/13μmより微細の場合、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。
粗化処理後の硬化体には、必要に応じて、公知のめっき用触媒を施したり、無電解めっきを施したりした後、電解めっきを施すことができる。
また、シリカが離脱した孔の表面近傍では、イミダゾールなどによる硬化反応が進行し、機械強度が非常に強固になっていると思われる。そのため、銅などのめっき層を形成すると、形状的なアンカー効果に加え、アンカー効果を維持する孔の表面近傍の強度が保たれているため、粗化処理等により処理されにくいビフェニル構造、芳香族多価エステル構造またはベンゾオキサジン構造を有する硬化体に、密着性の強い銅めっき層を形成可能とすることができる。また、ノニオン系界面活性剤(d)を併用することにより、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されたシリカ(c)の分散性が向上し、低線膨張率化のためにシリカを多量に配合する場合にでも、シリカの凝集起因の局所的な強度低下が発生せずに、安定したメッキの密着性を発現させることができる。
4.シート状成形体、積層板および多層積層板
本発明に係るシート状成形体は、樹脂組成物、プリプレグ、又は硬化体を、シートの形状に成形したものである。シート状成形体には、例えばフィルム状の形状を有するシートや、接着性シートが含まれる。
また、本発明に係る積層板は、シート状成形体の少なくとも片面に、金属層及び/又は接着性を有する接着層が形成されたものである。
さらに、本発明に係る多層積層板は、上記の積層板から選ばれる少なくとも1種類の積層板を積層してなるものである。
なお、上述したシート、積層板などは、搬送の補助やごみ付着や傷の防止などを目的として、シート、積層体などと、離型可能なフィルムと積層されてもよく、このような離型性を有するフィルムとしては、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルムなどが挙げられ、必要に応じて、さらに離型処理がされていてもよい。
前記離型処理方法としては、前記フィルムにシリコン系化合物・フッ素系化合物・界面活性剤などを含有させたり、離型性を有するように表面に凹凸を付与する処理、例えば梨地のエンボス加工など、シリコン系化合物・フッ素系化合物・界面活性剤などの離型性を有する物質を表面に塗布する方法などを挙げることができる。これらの離型性を有するフィルムをさらに保護するために、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、PETフィルム、PPフィルムなどの保護フィルムがフィルムに積層されていてもよい。
樹脂組成物、プリプレグ、その硬化体、およびこれらからなる基板用材料、シート状成形体、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、多層積層板、接着性シートなどには、少なくとも片面に、例えば回路として、金属層を形成することができる。
前記金属としては、シールド用、回路形成用などに用いられる金属箔あるいは金属めっき、あるいは回路保護用に用いるめっき用材料を用いることができる。めっき材料としては、例えば、金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、ニッケル、錫などが挙げられ、これらは、2種類以上の合金であってもよく、また、2種類以上のめっき材料により多層構成されてもよい。さらに、目的に応じて特性改善のために他の金属や物質が含まれていてもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げることにより、具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(使用した材料):
本実施例及び比較例においては、以下に示す原材料を用いた。
1.エポキシ系樹脂:
・ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「NC−3000H」、重量平均分子量2070、エポキシ等量288)(前記式(8)に相当)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、商品名「YD−8125」、重量平均分子量約350)
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「RE−304S」)
・アントラセン骨格含有エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「YX8800」、エポキシ等量181)
・ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(DIC(旧大日本インキ工業)社製、商品名「HP4700」、エポキシ等量165)
・アダマンタン骨格含有エポキシ樹脂(出光興産社製、商品名「アダマンテートX−E−202」、エポキシ等量193)
・トリアジン骨格含有エポキシ樹脂(日産化学工業社製、商品名「TEPIC−PAS B22」、エポキシ等量180〜200)
2.エポキシ系樹脂用硬化剤:
・前記式(7)で表される疎水性フェノール化合物からなるフェノール系硬化剤(明和化成社製、商品名「MEH7851−4H」、Pst換算での重量平均分子量10200)
・活性エステル化合物型硬化剤(DIC(旧大日本インキ工業)社製、商品名「EXB−9451−65T」、Pst換算での重量平均分子量2840)
均分子量2840)
・アミノトリアジンノボラックフェノール型硬化剤(DIC(旧大日本インキ工業)社製、商品名「LA−1356」、60質量%MEK溶液)
・αナフトール型フェノール硬化剤(東都化成社製、商品名「SN−475」、軟化点75℃)
3.硬化促進剤:
・イミダゾール(四国化成工業社製、商品名「2MAOK−PW」)
4.有機化層状珪酸塩:
・トリオクチルメチルアンモニウム塩で化学処理が施された合成ヘクトライト(コープケミカル社製、商品名「ルーセンタイトSTN」)
5.有機溶剤:
・N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、特級、和光純薬社製)
6.シリカ:
・シリカ(龍森社製、商品名「1−Fx」、平均粒径0.38μm、最大粒径1μm、表面積30m/g)
7.シリカ表面処理剤:
・分子内に水酸基を有しないイミダゾールシラン(日興マテリアルズ社製、商品名「IM−1000」)
・分子内に水酸基を有するイミダゾールシラン(日興マテリアルズ社製、商品名「IS−1000」)
・アミノシラン(信越化学社製、商品名「KBE−903」)
・エポキシシラン(信越化学社製、商品名「KBM−403」)
・ビニルシラン(信越化学社製、商品名「KBM−1003」)
(シリカのイミダゾールシラン処理方法など):
シリカ100重量部、上記分子内に水酸基を有しないイミダゾールシラン4重量部およびエタノール100重量部を混合し、60℃で1時間撹拌後、揮発成分を留去した。続いて、減圧乾燥機で100℃、6時間乾燥し、分子内に水酸基を有しないイミダゾールシラン処理フィラーであるシリカ(1)を得た。また、同様の処理方法にて、分子内に水酸基を有するイミダゾールシラン処理フィラーであるシリカ(2)を得た。
また、上記と同様の処理方法にて、アミノシラン処理フィラーであるシリカ(3)、エポキシシラン処理フィラーであるシリカ(4)、ビニルシラン処理フィラーであるシリカ(5)を得た。
8.ノニオン系界面活性剤:
・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(太陽化学社製、商品名「チラバゾールH−818」)
9.マレイミド:
・ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製、商品名「BMI−2300」)
[実施例1]:
合成ヘクトライト「ルーセンタイトSTN」2.00gおよびDMF84.53gを混合し、完全に均一な溶液となるまで常温で攪拌した。しかる後、イミダゾール「2MAOK−PW」1.00gを投入し、完全に均一な溶液となるまで常温で攪拌した。次に、イミダゾールシラン「IM−1000」にて表面処理されたシリカ「1−Fx」25.00g投入し、完全に均一な溶液となるまで、常温で攪拌した。
次に、ビフェニル型エポキシ樹脂「NC−3000H」53.29gを投入し、完全に均一な溶液となるまで常温で攪拌した。次いで、疎水性フェノール化合物からなるエポキシ樹脂硬化剤「MEH7851−4H」46.71gを上記溶液に投入し、完全に均一な溶液となるまで常温で攪拌して、樹脂組成物溶液を調製した。
樹脂組成物溶液は経時安定性を評価するために、1日(24時間)23℃で保存し、その後の流動性(ゲル化の度合い)を目視で確認した。調整後と同等の流動性を有しているものは○、調整後よりも明らかに流動性が低下したものを×とした。
上記で得られた樹脂組成物溶液を、離型処理が施された透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「PET5011 550」、厚み50μm、リンテック社製)にアプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工し、100℃のギアオーブン中で12分間乾燥して、200mm×200mm×50μmの樹脂シートの未硬化物を作製した。次いで、樹脂シートの未硬化物を170℃のギアオーブン中で1時間加熱して、樹脂シートの半硬化物を作製した。
[実施例2〜19および比較例1〜13]
樹脂組成物溶液を表1〜3に示す配合組成としたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、樹脂組成物溶液を調製し、樹脂シートの未硬化物および半硬化物を作製した。
[実施例20]
樹脂組成物溶液を表2に示す配合組成とし、樹脂組成物溶液の経時安定性を、1時間後の流動性で確認したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、樹脂組成物溶液を調製し、樹脂シートの未硬化物および半硬化物を作製した。
[実施例21〜30および比較例14]
樹脂組成物溶液を表4に示す配合組成としたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、樹脂組成物溶液を調製し、樹脂シートの未硬化物および半硬化物を作製した。
(実施例1〜30及び比較例1〜14における未硬化物を用いた銅めっき処理):
上記のようにして得られた各樹脂シートの未硬化物を、ガラスエポキシ基板(FR−4、品番「CS−3665」、利昌工業社製)に真空ラミネートし、170℃で30分硬化した後に、表面を、下記の(a)膨潤処理し、次に、(b)過マンガン酸塩処理すなわち粗化処理を行い、さらに(c)銅めっき処理を行った。
(a)膨潤処理:
80℃の膨潤液(スウェリングディップセキュリガントP、アトテックジャパン社製)に、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートした樹脂シートを入れて10分間揺動処理を行った。その後純水でよく洗浄を行った。
(b)過マンガン酸塩処理:
80℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートした樹脂シートを入れて20分間揺動させる処理を行なった。また、過マンガン酸塩による粗化処理が終了した樹脂シートを、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)を用いて2分間処理した後、純粋でよく洗浄した。
(c)銅めっき処理:
次に、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートされており、かつ上記粗化処理が施された樹脂シートに無電解銅めっき及び電解銅めっき処理を以下の手順で行った。
樹脂シートを、60℃のアルカリクリーナ(クリーナーセキュリガント902)で5分間処理し、表面を脱脂洗浄した。洗浄後、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートされた上記樹脂シートを25℃のプリディップ液(プリディップネオガントB)で2分間処理した。その後、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートされた上記樹脂シートを40の℃のアクチベーター液(アクチベーターネオガント834)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、30℃の還元液(リデューサーネオガントWA)で5分間処理した。
次に、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートした上記樹脂シートを化学銅液(ベーシックプリントガントMSK−DK、カッパープリントガントMSK、スタビライザープリントガントMSK)に入れ、無電解めっきをめっき厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解めっき後は、残留水素ガス除去のため、120℃の温度で30分間アニールをかけた。無電解めっきの工程までのすべての工程においては、ビーカースケールで処理液を1Lとし、樹脂シートを揺動させながら各工程を実施した。
次に、ガラスエポキシ基板に真空ラミネートされており、かつ無電解めっき処理された樹脂シートに、電解めっきをめっき厚さが25μmとなるまで実施した。電気銅めっきとして硫酸銅(リデューサーCu)を用い、電流は0.6A/cmとした。銅めっき処理後、180℃で1時間加熱硬化を行った。
(硬化体の作成):
さらに、実施例1〜30及び比較例1〜14で得た半硬化物を、表1〜4に示す硬化条件で加熱し、硬化体を得た。
(実施例および比較例の樹脂組成物の評価):
実施例1〜30および比較例1〜14で得られた樹脂シートの半硬化物及び樹脂シートの上記硬化体の性能及び粗化処理後の表面状態を以下の方法で評価した。
評価項目は、1.誘電率、2.誘電正接、3.平均線膨張率、4.ガラス転移温度(Tg)、5.破断強度、6.破断点伸度、7.粗化接着強度、8.表面粗さ(Ra、Rz)、9.銅接着強度とした。また、硬化体について、1.誘電率、2.誘電正接、3.平均線膨張率、4.ガラス転移温度、5.破断強度、6.破断点伸度を評価した。また、上記銅めっき処理についての(a)膨潤処理、(b)過マンガン酸塩処理による粗化処理及び(c)銅めっき処理を行った工程に際し、ガラスエポキシ基板に未硬化物を真空ラミネートしたものを加熱硬化し、半硬化状態としたものに、膨潤・粗化処理した後に、8.表面粗さを評価し、さらに銅めっきした後に、7.粗化接着強度及び9.銅接着強度を測定した。詳細は、以下の通りである。
(評価項目および評価方法の詳細):
1.誘電率、および、2.誘電正接:
樹脂シートの硬化体を15mm×15mmに裁断して8枚を重ね合わせて、厚み400μmの積層体とし、誘電率測定装置(品番「HP4291B」、HEWLETT PACKARD社製)を用いて、常温での周波数1GHzにおける誘電率および誘電正接を測定した。
3.平均線膨張率:
樹脂シートの硬化体を、3mm×25mmに裁断し、線膨張率計(品番「TMA/SS120C」、セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、引張り荷重2.94×10−2N、昇温速度5℃/分の条件で、硬化体の23〜100℃における平均線膨張率(α1)および硬化体の150〜260℃における平均線膨張率(α2)を測定した。
4.ガラス転移温度(Tg):
樹脂シートの硬化体を5mm×3mmに裁断し、粘弾性スペクトロレオメーター(品番「RSA−II」、レオメトリック・サイエンティフィックエフ・イー社製)を用いて、昇温速度5℃/分の条件で、30〜250℃まで測定を行い、損失率tanδが最大値になる温度(ガラス転移温度Tg)を測定した。
5.破断強度、および、6.破断点伸度:
樹脂シートの硬化体(厚み100μm)を10×80mmに裁断し、引張試験機(商品名「テンシロン」、オリエンテック社製)を用いて、チャック間距離60mm、クロスヘッド速度5mm/分の条件で引張試験を行って、破断強度(MPa)および破断伸び率(%)を測定した。
7.粗化接着強度:
ガラスエポキシ基板(FR−4、品番「CS−3665」、利昌工業社製)に、樹脂シートの未硬化物を真空ラミネートし、170℃で30分間加熱処理後に、上記膨潤処理及び過マンガン酸塩による粗化処理を行い、化学銅めっき及び電解銅めっきを行い、180℃で1時間加熱硬化したものの銅めっき層表面に10mm幅に切り欠きを入れて引張試験機(商品名「オートグラフ」、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッド速度5mm/分の条件で測定を行い、粗化接着強度を測定した。
8.表面粗さ(Ra、Rz):
ガラスエポキシ基板(FR−4、品番「CS−3665」、利昌工業社製)に半硬化物のシートを真空ラミネートし、170℃で30分間加熱処理後に、上記膨潤処理及び過マンガン酸塩による粗化処理を行った。樹脂表面を走査型レーザー顕微鏡(品番「1LM21」、レーザーテック社製)にて100μmの測定範囲における表面粗さ(Ra,Rz)を測定した。
9.銅接着強度:
CZ処理銅箔(CZ−8301、メック社製)に樹脂シートの半硬化物を真空中でラミネートし、180℃で1時間加熱処理を行った。銅箔の表面に10mm幅に切り欠きを入れて引張試験機(商品名「オートグラフ」、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッド速度5mm/分の条件で測定を行い、銅接着強度を測定した。
上記の評価結果を、樹脂組成物組成と共に、下記表1〜4に示す。
Figure 0005363841
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Figure 0005363841
Figure 0005363841
表1〜4の評価結果から明らかなように、ノニオン系界面活性剤(d)を含有しない樹脂組成物を用いた比較例1〜8では、例えば、実施例1〜4と比較例1〜4との対比などから、銅接着強度または粗化接着強度が低い、或いは粗化処理後の表面粗さが大きい結果となっている。また、ノニオン系界面活性剤(d)を含有しても本発明で規定した特定範囲の含有量でない樹脂組成物を用いた比較例9〜12でも、例えば、実施例13と比較例9との対比、或いは実施例15と比較例12との対比などから、銅接着強度や粗化接着強度が低い、又は粗化処理後の表面粗さが大きい結果となっている。さらに、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理されてなく、ビニルシラン処理されたシリカを含有した樹脂組成物を用いた比較例14では、銅接着強度や粗化接着強度が低い結果となっている。
一方、本発明のエポキシ系樹脂(a)、硬化剤(b)、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシラン処理された特定径のシリカ(c)、およびノニオン系界面活性剤(d)を、特定割合で含有させた樹脂組成物を用いた実施例1〜30では、粗化処理後の表面粗さが小さくて、銅接着強度や粗化接着強度が高いことは、明らかである。また、マレイド系化合物(f)を含有した樹脂組成物を用いた実施例29、30では、特にガラス転移温度(Tg)が高くなり、線膨張率が低くなっていることがわかる。
さらに、実施例4と実施例20、および実施例20と比較例13との対比では、水酸基を有しないイミダゾールシラン処理シリカを用いた系は、水酸基を有するイミダゾールシラン処理シリカを用いた系よりも、保存安定性に優れることが明らかである。
本発明のエポキシ系樹脂組成物は、特に、エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、シリカ(c)を25〜400重量部、ノニオン系界面活性剤(d)を0.1〜10重量部の割合で含有することを特徴としているため、シリカの含有量が多い場合にも、良好な分散性を維持でき、その結果、硬化物の表面粗さを小さくすることができ、銅めっき接着性にも優れた硬化体を得ることができ、例えば、多層基板のコア層やビルドアップ層等を形成する基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、ワニス等に好適に用いることができる。
特開平9−169871号公報 特開2001−187836号公報 特開2002−128872号公報 国際公開WO2007/032424号公報

Claims (16)

  1. エポキシ系樹脂(a)と、エポキシ系樹脂用硬化剤(b)と、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理され、かつ平均粒子径が5μm以下であるシリカ(c)と、ノニオン系界面活性剤(d)とを含有する樹脂組成物であり、
    エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、シリカ(c)を25〜400重量部、ノニオン系界面活性剤(d)を0.1〜10重量部の割合で含有することを特徴とするエポキシ系樹脂組成物。
  2. ノニオン系界面活性剤(d)は、エステル系界面活性剤、エーテル系界面活性剤およびエステル・エーテル系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  3. イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランのいずれか1以上で処理されたシリカ(c)は、シリカ100重量部に対し、イミダゾールシラン、アミノシランまたはエポキシシランによる処理量が0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  4. 前記イミダゾールシランが分子内に水酸基を有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  5. エポキシ系樹脂(a)は、アントラセン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂およびビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ樹脂全量に対し、5質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  6. エポキシ系樹脂用硬化剤(b)は、ビフェニル骨格を有する硬化剤、活性エステル硬化剤、ベンゾオキサジン構造を含有する硬化剤、アミノトリアジン骨格を有する硬化剤およびナフタレン骨格を有する硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種を、エポキシ系樹脂用硬化剤全量に対し、5質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  7. シリカ(c)は、平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  8. エポキシ系樹脂(a)とエポキシ系樹脂用硬化剤(b)との混合物(a+b)100重量部に対し、平均粒子径が500nm以下である有機化層状珪酸塩(e)を2重量部以下の割合で、さらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  9. さらに、樹脂組成物全量に対し、マレイミド系化合物(f)を2〜45質量%含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物を多孔質基材に含浸させてなるプリプレグ。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物または請求項10に記載のプリプレグを加熱硬化させてなる樹脂硬化物に、粗化処理が施された硬化体であって、
    表面粗さRaが0.2μm以下であり、かつ表面粗さRzが2.0μm以下であることを特徴とする硬化体。
  12. 前記樹脂硬化物を粗化処理する前に、膨潤処理が施されていることを特徴とする請求項11に記載の硬化体。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のエポキシ系樹脂組成物、請求項10に記載のプリプレグ、又は請求項11若しくは12に記載の硬化体を用いてなることを特徴とするシート状成形体。
  14. 請求項13に記載のシート状成形体の少なくとも片面に、金属層及び/又は接着性を有する接着層が形成されてなることを特徴とする積層板。
  15. 前記金属層が回路として形成されていることを特徴とする請求項14に記載の積層板。
  16. 請求項14又は15に記載の積層板から選ばれる少なくとも1種類の積層板を積層してなることを特徴とする多層積層板。
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