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JP5355025B2 - 自己分散ポリマー、水性分散物、水性インク組成物、及びインクセット、並びに画像形成方法 - Google Patents

自己分散ポリマー、水性分散物、水性インク組成物、及びインクセット、並びに画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、自己分散ポリマー、該自己分散ポリマーを含む水性分散物、インク組成物、及びインクセット、並びに画像形成方法に関する。
インクジェット記録方法は、インクジェットヘッドに形成された多数のノズルからそれぞれインク滴を打滴することによって記録を行うものであり、記録動作時の騒音が低く、ランニングコストが安く、多種多様な記録媒体に対して高品位な画像を記録できることなどから幅広く利用されている。
ところで、インクジェット用インクでは、黒色インクにカーボンブラック顔料が使用されているが、カラーインクにおいては水溶性染料が中心的であり、耐候性(耐光性、耐オゾン性、耐水性)の改良が求められている。特に、印刷分野への応用を考えた場合、耐候性の改善は特に重要である。顔料は、その高い結晶性に起因して本質的に堅牢性が高く、耐光性、耐水性は染料に比べて格段に優れている。しかしながら、ノズル部の目詰まり等による吐出性、凝集沈降などの保存安定性や、さらに粒子が記録媒体表面に留まるために耐擦性や光沢性といった印字物の定着性が悪くなるなど、課題が残されている。
このような現状において本発明の課題は、インクジェット用インクの吐出性、定着性を改良させることである。
定着性向上技術として、炭素数14〜20の脂肪族炭化水素基を有する不飽和単量体と、メタクリル酸ベンジル系単量体、スチレン系単量体を共重合して得られる自己水分散性共重合体樹脂を、水性インクジェット記録液中にハイドロゾルまたはエマルションの形態で用いる水性インクジェット記録液が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この記録液は、保存安定性が良好で、浸透乾燥による速やかな乾燥性を付与しても高い印字濃度と印字品位を維持し、さらに耐摩擦性、耐水性にも優れるとされている。
また、自己分散型顔料と、芳香族基含有モノマー由来の構成単位を含む自己乳化ポリマー粒子を含有するインクジェット記録用水系インクが開示されている(例えば、特許文献2参照)。該インクは、高い印字濃度を満足しつつ、専用紙に印字した際の光沢性に優れるとされる。
さらに、水性キャリア媒体、界面活性剤、顔料、およびポリマーを含むインクジェット用インク組成物であって、前記ポリマーがメタクリル酸ベンジルを含みかつ前記顔料粒子と関連付けられてない、インクジェット用インク組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。該インクは、優れたプリント品質、画像安定性、水および油性物質に対する耐性、耐ひっかき性、並びに貯蔵安定性を有するとされている。
特開2002−88285号公報 特開2006−283003号公報 特表2007−519772号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水性インクジェット組成物中の自己水分散性共重合体樹脂では、例えば、好ましい範囲として記載または実施例で記載されている共重合体の酸価と塩基性化合物による中和度が高く、水溶性成分が非常に多いものとなる。また、特許文献2に記載の自己乳化ポリマー粒子についても、実施例で記載されている共重合体の親水性基の含有率が高く、かつ塩基性化合物による中和度が高いものであるためか、インク中の水溶性成分量は多くなる。さらに特許文献3に記載の自己分散ポリマー粒子においては、好適な酸価範囲についての記載はないが、実施例に記載されている共重合体はいずれも酸価が高く、必然的にインク中の水溶性成分量は多くなる。
これらのポリマー粒子を含むインクでは、いずれも定着性等の画質については、ある程度改善されるが、インク粘度が上昇し、吐出安定性が低下するという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、水溶性成分の少ない安定な自己分散ポリマーと、良好な分散性を有する水性分散物と、従来にない安定な吐出性と良好な定着性とを有するインク組成物及びインクセットを提供すると共に、該インク組成物又は該インクセットを用いた画像記録方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 親水性の構成単位と、芳香族基含有(メタ)アクリレートを含む芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含み、前記親水性の構成単位の少なくとも1種がカルボキシル基を有する構成単位であって、酸価が20以上200以下であり、前記芳香族基含有モノマー由来の構成単位の含有量が10質量%以上95質量%以下であり、スチレン系モノマーに由来する構成単位の含有量が30質量%以下であって、分散状態としたときに水溶性を示す水溶性成分の含有量が総質量中に10質量%以下である自己分散ポリマー。
<2> 前記親水性の構成単位の含有量が25質量%以下である前記<1>に記載の自己分散ポリマー。
<3> 前記芳香族基含有モノマーは下記一般式(I)で表される前記<1>または<2>に記載の自己分散ポリマー。

(一般式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Lは、単結合、炭素数1〜12のアルキレン基、繰り返し単位数が1から20の(ポリ)エチレンオキシ基、および、繰り返し単位数が1から20が(ポリ)プロピレンオキシ基から選ばれる少なくとも1種からなる2価の連結基を表す。Arは、フェニル基、縮環型芳香環化合物、または2以上のベンゼンが連結した化合物に由来する1価の基を表す)。
<4> 炭素数が1〜8の鎖状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位をさらに含む前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の自己分散ポリマー。
<5> 前記アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が10質量%以上80質量%以下である前記<4>に記載の自己分散ポリマー。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の自己分散ポリマーが、固体粒子状態で水性媒体中に分散している水性分散物。
<7> 水性媒体と、着色剤を含む水不溶性着色粒子(A)と、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の自己分散ポリマーを含むポリマー粒子(B)と、を含有する水性インク組成物。
<8> 前記着色剤は、顔料である前記<7>に記載の水性インク組成物。
<9> インクジェット記録用インクである前記<7>または<8>に記載の水性インク組成物。
<10> 前記<7><9>のいずれか1項に記載の水性インク組成物の少なくとも1種を含むインクセット。
<11> 前記<7><9>のいずれか1項に記載の水性インク組成物、または前記<10>に記載のインクセットを用いて、被記録媒体上に、前記水性インク組成物を付与して画像を形成するインク付与工程を含む画像形成方法。
本発明によれば、水溶性成分の少ない安定な自己分散ポリマーと、良好な分散性を有する水性分散物と、従来にない安定な吐出性と良好な定着性とを有するインク組成物及びインクセットを提供すると共に、該インク組成物又は該インクセットを用いた画像記録方法を提供することができる。
以下、本発明に係る自己分散ポリマー、水性分散物、水性インク組成物、インクセット及び画像記録方法について詳細に説明する。先ず、本発明の自己分散ポリマーについて説明する。
<自己分散ポリマー>
本発明の自己分散ポリマーは、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含み、前記芳香族基含有モノマー由来の構成単位の含有量が10質量%以上95質量%以下であって、水性媒体中に分散状態としたときに水溶性を示す水溶性成分の含有量が10質量%以下であることを特徴とする。
本発明の自己分散ポリマーは、分散したときの分散状態が安定であり、また分散状態における粘度上昇が効果的に抑制される。そのため、例えば、本発明の自己分散ポリマーを含む水性インク組成物は、従来にない安定な吐出性と良好な定着性とを有する。
本発明の自己分散ポリマーは、分散状態としたときに水溶性を示す水溶性成分の含有量が10質量%以下であるが、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。水溶性成分が10質量%を超えると、ポリマー粒子の膨潤やポリマー粒子同士の融着により安定な分散状態を維持することが困難になる。また、水性分散物の粘度が上昇し、例えば、本発明の自己分散ポリマーを水性インク組成物に含有させた場合に、インク粘度が上昇して吐出安定性が著しく悪化する等の弊害が生じる。
本発明において自己分散ポリマーとは、界面活性剤の不存在下、ポリマー自身の官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーをいう。ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルジョン)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
本発明の自己分散ポリマーにおいては、例えば、水性インク組成物に含有されたときのインク定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる自己分散ポリマーであることが好ましい。
自己分散ポリマーの乳化又は分散状態、すなわち自己分散ポリマーの水性分散物の調製方法としては、転相乳化法を好ましく挙げることができる。転相乳化法としては、例えば、自己分散ポリマーを溶媒(例えば、水溶性有機溶剤等)中に溶解又は分散させた後、界面活性剤を添加せずにそのまま水中に投入し、自己分散ポリマーが有する塩生成基(例えば、酸性基)を中和した状態で、攪拌、混合し、前記溶媒を除去した後、乳化又は分散状態となった水性分散物を得る方法が挙げられる。
また本発明の自己分散ポリマーにおける安定な乳化又は分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、乳化又は分散状態が、25℃で、少なくとも1週間安定に存在し、沈殿の発生が目視で確認できない状態であることをいう。
また、自己分散ポリマーにおける乳化又は分散状態の安定性は、遠心分離による沈降の加速試験によっても確認することができる。遠心分離による沈降の加速試験による安定性は、例えば、上記の方法により得られたポリマー粒子の水性分散物を、固形分濃度25質量%に調整した後、12000rpmで1時間遠心分離し、遠心分離後の上澄みの固形分濃度を測定することによって評価できる。
遠心分離前の固形分濃度に対する遠心分離後の固形分濃度の比が大きければ(1に近い数値であれば)、遠心分離によるポリマー粒子の沈降が生じない、すなわち、ポリマー粒子の水性分散物がより安定であることを意味する。本発明においては、遠心分離前後での固形分濃度の比が0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
前記水溶性成分とは、本発明の自己分散ポリマーに含有される化合物であって、自己分散ポリマーを乳化又は分散状態にした場合に水に溶解する化合物をいう。前記水溶性成分は本発明の自己分散ポリマーを製造する工程、または自己分散ポリマーから自己分散ポリマーの水性分散物を製造する工程において、副生又は混入する水溶性の化合物である。
本発明の自己分散ポリマーの水性分散物において、前記水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。本発明においては、水と水に対して0.2質量%以下の水溶性有機溶媒とから構成されることが好ましく、水から構成されることがより好ましい。
前記水不溶性ポリマーの主鎖骨格としては、特に制限は無く、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース、ポリエーテル、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネート等)を用いることができる。その中で、特にビニルポリマーが好ましい。
ビニルポリマー及びビニルポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−181549号公報及び特開2002−88294号公報に記載されているものを挙げることができる。また、解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する連鎖移動剤や重合開始剤、イニファーターを用いたビニルモノマーのラジカル重合や、開始剤或いは停止剤のどちらかに解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する化合物を用いたイオン重合によって高分子鎖の末端に解離性基を導入したビニルポリマーも使用できる。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
本発明の自己分散ポリマーは、芳香族基含有モノマー由来の構成単位の含有量が10質量%以上95質量%以下である。芳香族基含有モノマーの含有量が95質量%を超える場合には、自己乳化又は分散状態の安定性が低下する。また芳香族基含有モノマーの含有量が10質量%未満の場合には、水性媒体中での粒子形状が不安定化したり、自己分散ポリマー中の水溶性成分の含有量が増加したりする。
本発明においては、自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
前記芳香族基含有モノマーは、芳香族基と重合性基とを含む化合物であれば特に制限はない。前記芳香族基は芳香族炭化水素に由来する基であっても、芳香族複素環に由来する基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましい。
また前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
本発明における芳香族基含有モノマーは、芳香族炭化水素に由来する芳香族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。本発明において前記芳香族基含有モノマーは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記芳香族基含有モノマーとしては、芳香族基を含有する(メタ)アクリレート、およびスチレン系モノマー等を挙げることができる。本発明においては、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスを保つ観点から、芳香族基を含有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記スチレン系モノマーとは、スチレン、置換スチレン(α-メチルスチレン、クロロスチレンなど)、およびポリスチレン構造単位を有するスチレンマクロマーのことを指す。
本発明の自己分散ポリマーがスチレン系モノマーに由来する構成単位を含む場合、より高度の分散安定性の観点から、スチレン系モノマーに由来する構成単位は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。また、スチレン系モノマーに由来する構成単位を全く含まないことが特に好ましい。
本発明において前記芳香族基を含有する(メタ)アクリレートは、より高度の分散安定性の観点から、前記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。尚、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
一般式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
Lは、単結合、炭素数1〜12のアルキレン基、繰り返し単位数が1から20の(ポリ)エチレンオキシ基、および、繰り返し単位数が1から20が(ポリ)プロピレンオキシ基から選ばれる少なくとも1種からなる2価の連結基を表す。
Arは、フェニル基、縮環型芳香環化合物、または2以上のベンゼンが連結した化合物に由来する1価の基を表す。
ここで前記縮環型芳香環化合物、もしくは2以上のベンゼンが連結した化合物に由来する1価の基とは、縮環型芳香環化合物、もしくは2以上のベンゼンが連結した化合物から少なくとも1つの原子を取り除いて形成される1価の基を意味する。なお、少なくとも1つの原子が取り除かれる位置については特に制限はない。
前記縮環型芳香環化合物とは、少なくとも2個のベンゼン環が縮環した芳香環、及び、少なくとも1種以上の芳香環と該芳香環に縮環した脂環式炭化水素で構成される芳香族化合物である。本発明において縮環型芳香環化合物の炭素数は7〜24であることが好ましく、10〜14であることがより好ましい。
縮環型芳香環化合物の具体的な例としては、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アセナフテンなどが挙げられる。
また前記2以上のベンゼンが連結した化合物とは、2個以上(好ましくは、6個以下)のベンゼン環が単結合、2価の連結基、または3価の連結基で結合されて形成される化合物をいう。ここで、ベンゼン環は互いに複数の連結基で結合されていても良く、複数の連結基は同じであっても異なっていても良い。
2価の連結基としては、炭素数1〜4のアルキレン基、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。また3価の連結基としては、メチン基が挙げられる。
本発明においては、本発明の効果を十分に得る観点から、ベンゼン環の数が6個以下であることが好ましく、2〜3個であることがより好ましい。
2以上のベンゼンが連結された化合物の具体例としては、ビフェニル、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、およびジフェニルスルホン等が挙げられる。
本発明においてArは置換基をさらに有していてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、ハロゲン基、およびシアノ基等を挙げることができ、好ましい置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数1〜10のアルキルカルボニル基、炭素数1〜10のアルキルカルボニルオキシ基、クロロ基、およびシアノ基を挙げることができる。
これらの置換基は、他の置換基によってさらに置換されていても良く、この場合の好ましい置換基も上述と同義である。
またArは、2以上の置換基を有していてもよい。Arが置換基を2つ以上有する場合、それぞれの置換基は同じでも異なってもよい。また可能な場合には、2以上の置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
本発明において一般式(I)中、Arとしては、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化と、水性媒体中での粒子の径時安定性の観点から、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、トリフェニルメタン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、またはジフェニルメタンに由来する1価の基が好ましく、ベンゼン、ナフタレン、またはビフェニルに由来する1価の基がより好ましく、ベンゼンに由来する1価の基(フェニル基)が特に好ましい。
以下に一般式(I)で表されるモノマーの具体例としてM−1〜M−17を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。
本発明の自己分散ポリマーは親水性の構成単位を含む。前記親水性の構成単位は、親水性基含有モノマーに由来するものであれば特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であってもノニオン性親水性基であってもよい。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、少なくとも1種は、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、水性インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が特に好ましい。
本発明における親水性の構成単位は、アニオン性の解離性基を有する親水性単位のみを含有する態様、または、アニオン性の解離性基を有する親水性の構成単位とノニオン性の親水性基とを両方含有する態様であることが好ましい。
さらにまた、アニオン性の解離性基を有する親水性単位を2種以上含有する態様、または、アニオン性の解離性基を有する親水性の構成単位とノニオン性親水性基の構成単位の2種以上とを含有する態様もまた好ましい。
本発明の自己分散ポリマーにおける親水性構成単位の含有率は、25質量%以下であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、2〜23質量%がさらに好ましく、4〜20質量%が特に好ましい。親水性構成単位の含有率が前記範囲内であることで、自己分散性ポリマー分散物の粘度の上昇を抑制することができ、インクジェット用インクを構成した場合の吐出安定性が効果的に向上する。
本発明の自己分散ポリマーが2種以上の親水性の構成単位を含む場合、総含有率が前記範囲内であることが好ましい。
本発明の自己分散ポリマーの酸価(KOHmg/g)は、自己分散性、水溶性成分の含有量、及び水性インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、20以上200以下であることが好ましく、22以上120以下であることがより好ましく、25以上80以下であることが更に好ましく、特に好ましいのは、25以上65以下である。酸価が20以上であることにより、粒子をより安定に分散することができ、酸価が200以下であることにより水溶性成分を少なくすることができる。
本発明の自己分散ポリマーにおけるアニオン性の解離性基を有する親水性構成単位の含有率は、酸価が前記範囲内となるような含有率であることが好ましく、特に好適な含有率についても同様である。
また本発明の自己分散ポリマーがノニオン性の親水性構成単位を含む場合、ノニオン性の親水性構成単位の含有量は、25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。またノニオン性の親水性構成単位を実質的に含まない態様であることもまた好ましい。
本発明において前記親水性の構成単位は、親水性基含有モノマーに由来する構成単位である。前記親水性基含有モノマーとしては、解離性基含有モノマー、およびノニオン性親水性基含有モノマーを挙げることができる。なかでも、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマー、またはノニオン性親水性基とエチレン性不飽和結合とを有するノニオン性親水性基含有モノマーであることが好ましい。
解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとして具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとして具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとして具体的には、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
また、ノニオン性親水性基含有モノマーとしては、例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(分子量200〜1000)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(分子量200〜1000)モノメタクリレートなどの(ポリ)エチレンオキシ基またはポリプロピレンオキシ基を含有するエチレン性不飽和モノマーや、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。
本発明においては、ポリマー粒子の安定性および水溶性成分の含有量の観点から、ノニオン性親水性基含有モノマーとしては、親水性基の末端に水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーよりも、末端にアルキルエーテルを有するエチレン性不飽和モノマーのほうが、で好ましい。
本発明の自己分散ポリマーは、例えば、芳香族基含有モノマーからなる構成単位と、親水性基含有モノマーからなる構成単位とから構成することができるが、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んで構成することができる。
前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記芳香族基含有モノマーと親水性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限はない。中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
本発明におけるその他の構成単位を形成するモノマー(以下、単に「その他のモノマー」ということがある)としては、炭素数が1〜8の鎖状アルキル基(直鎖又は分岐鎖)を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。より好ましくは炭素数が1〜4の鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、特に好ましいのはメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートである。
その他のモノマーが、炭素数が1〜8の鎖状アルキル基含有モノマーであることで自己分散ポリマーの安定性がより効果的に向上する。一方、炭素数が9以上の鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、特に、炭素数が12以上の鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートをその他の構成単位を形成するモノマーとして用いると、自己乳化ポリマー粒子の安定性が低下する傾向がある。そのため、本発明の自己分散ポリマーは、炭素数が9以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を実質的に含まない形態であることが好ましい。
本発明においてその他の構成単位を形成するモノマーは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本発明の自己分散ポリマーがその他のモノマーに由来する構成単位を含有する場合、その含有率は10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜75質量%であり、特に好ましくは20〜70質量%である。
本発明の自己分散ポリマーは、安定性の観点から、芳香族基含有モノマー、親水性基含有モノマー、およびその他のモノマーの少なくとも3種を重合して得られるポリマーであることが好ましく、芳香族基含有モノマー、親水性基含有モノマー、および炭素数が1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基含有モノマーの少なくとも3種を重合して得られるポリマーであることがより好ましい。
本発明における自己分散ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己乳化安定性を高めることができる。
尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することできる。
また、本発明の自己分散ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、40〜150度が好ましく、60〜140度がより好ましく、70〜130度が特に好ましい。ガラス転移温度が40℃以上であることで、自己分散ポリマーを含む水性インク組成物を用いて形成した画像の引っかき耐性やブロッキング耐性が向上する。また、ガラス転移温度が150℃以下であることで、耐擦性がより良好になる。
本発明の自己分散ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、含有率10〜80質量%の芳香族基含有モノマーに由来する構成単位と解離性基含有モノマーに由来する構成単位と炭素数1〜8の鎖状アルキル基含有モノマーに由来する構成単位とを含み、酸価が20〜120であって、親水性構成単位の総含有率が1〜25質量%であって、重量平均分子量が3000〜20万のビニルポリマーであることが好ましい。
より好ましくは、芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位と炭素数1〜4のアルキル基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位とを総含有率10〜80質量%で含み、解離性基含有モノマーに由来する構成単位を酸価が25〜80となる含有率で含み、親水性構成単位の総含有率が2〜23質量%であって、重量平均分子量が5000〜15万であって、有機媒体中で重合することにより得られるビニルポリマーである。
さらに好ましくは、含有率10〜60質量%の芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位と、含有率20〜75質量%のメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位と、酸価が25〜65となる含有率であるアクリル酸又はメタクリル酸に由来する構成単位とを含み、親水性構成単位の総含有率が4〜20質量%であって、重量平均分子量が5000〜15万である、有機媒体中で重合することにより得られるビニルポリマーである。
以下に、自己分散ポリマーの具体例として、例示化合物B−01〜B−22を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、括弧内は共重合成分の質量比を表す。
B−01:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(50/45/5)
B−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/35/29/6)
B−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(50/44/6)
B−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(30/55/10/5)
B−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/59/6)
B−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(10/50/35/5)
B−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(55/40/5)
B−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸 共重合体(45/47/8)
B−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(5/48/40/7)
B−10:ベンジルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(30/30/30/10)
B−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸 共重合体(12/50/30/8)
B−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(93/2/5)
B−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/5/20/25)
B−14:メチルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/30/15/5)
B−15:スチレン/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/57/8)
B−16:ベンジルアクリレート/アクリル酸 共重合体(90/10)
B−17:メチルメタクリレート/メトキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(44/15/35/6)
B−18:エチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/エトキシトリエチレングリコールメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(46/40/10/4)
B−19:メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)/メタクリル酸 共重合体(74/15/5/6)
B−20:ベンジルメタクリレート/エトキシトリエチレングリコールメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(65/30/5)
B−21:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸 共重合体(60/30/10)
B−22:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(62/35/3)
本発明の自己分散ポリマーの製造方法としては、特に制限はなく、公知の重合法によりモノマー混合物を共重合させることによって製造することができる。これらの重合法の中では、水性インク組成物としたときの打滴安定性の観点から、溶液重合法が特に好ましい。
本発明の自己分散ポリマーの製造方法においては、モノマー混合物と、必要に応じて、有機溶媒及びラジカル重合開始剤とを含んだ混合物を、不活性ガス雰囲気下で共重合反応させて前記水不溶性ポリマーを製造することができる。
本発明の自己分散ポリマーの製造方法は、自己分散ポリマーを水性分散物として得る工程を更に含むことが好ましい。自己分散ポリマーを水性分散物として得る工程は、次の工程(1)及び工程(2)を含むことが好ましい。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程。
工程(2):前記混合物から、前記有機溶媒を除去する工程。
前記工程(1)は、まず前記水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の自己分散ポリマー粒子を得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。
アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の自己分散ポリマー粒子を得ることができる。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、自己分散ポリマーが水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。本発明の自己分散ポリマーが解離性基としてアニオン性の解離基を有する場合、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアニン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、本発明の自己分散ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、例えば、5〜120モル%使用することができる。好ましくは20〜100モル%であり、より好ましくは30〜80モル%である。20モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、100モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで自己分散ポリマー粒子の水性分散物を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
本発明の自己分散ポリマーの水性分散物は、含有率10〜80質量%の芳香族基含有モノマーに由来する構成単位と解離性基含有モノマーに由来する構成単位と炭素数1〜8の鎖状アルキル基含有モノマーに由来する構成単位とを含み、酸価が20〜120であって、親水性構成単位の総含有率が1〜25質量%であって、重量平均分子量が3000〜20万であるビニルポリマーが、その解離性基の20〜100モル%が中和された状態で分散している水性分散物であることが好ましい。
より好ましくは、芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位と炭素数1〜4のアルキル基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位とを総含有率10〜80質量%で含み、解離性基含有モノマーに由来する構成単位を酸価が25〜80となる含有率で含み、親水性構成単位の総含有率が2〜23質量%であって、重量平均分子量が5000〜15万であって、有機媒体中で重合することにより得られるビニルポリマーが、その解離性基の30〜80モル%が中和された状態で分散している水性分散物である。
さらに好ましくは、含有率10〜60質量%の芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位と、含有率20〜75質量%のメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位と、酸価が25〜65となる含有率であるアクリル酸又はメタクリル酸に由来する構成単位とを含み、親水性構成単位の総含有率が4〜20質量%であって、重量平均分子量が5000〜15万である、有機媒体中で重合することにより得られるビニルポリマーが、その解離性基の30〜80モル%が中和された状態で分散している水性分散物である。
かかる水性分散物であることにより、水性分散物に含まれる水溶性成分を自己分散ポリマーに対して10質量%以下とすることができ、分散安定性が、より良好になる。また吐出安定性に、より優れたインク組成物を構成することができる。
本発明における自己分散ポリマー粒子の平均粒径は、1〜100nmの範囲であることが好ましく、3〜80nmがより好ましく、5〜60nmがさらに好ましい。特に好ましくは5〜40nmである。1nm以上の平均粒径であることで製造適性が向上する。また、100nm以下の平均粒径とすることで保存安定性が向上する。
また、自己分散ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、水不溶性粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、自己分散ポリマー粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明の自己分散ポリマーは、例えば、水性インク組成物に好適に含有させることができ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
またこのとき、自己分散ポリマー粒子は、実質的に着色剤を含有しない形態で存在することが好ましい。
<水性インク組成物>
次に、本発明の水性インク組成物に関して説明する。
本発明の水性インク組成物は、着色剤を含む水不溶性着色粒子(A)の少なくとも1種と、前述の自己分散ポリマー粒子(B)の少なくとも1種と、を含有する。自己分散ポリマー粒子を含有することで、インク組成物の保存安定性と吐出安定性に優れ、形成された画像の定着性が向上する。
本発明の水性インク組成物は、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク(例えば無色)等を用いることができる。
本発明の水性インク組成物を用いて画像を記録する方法としては、特に制限はなく公知の画像記録方法を用いることができ、例えば、インクジェット方式、謄写方式、捺転方式等の手段により、被記録媒体に水性インク組成物を付与する方法を挙げることができる。
(A)水不溶性着色粒子
本発明における水不溶性着色粒子(A)は、着色剤の少なくとも1種を含む。着色剤としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である着色剤であることが好ましい。具体的には例えば、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができる。
本発明においては、水不溶性の自己分散顔料自体または分散剤で表面が被覆された顔料自体を水不溶性着色粒子とすることができる。
本発明における顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機及び無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能であれば、いずれも使用できる。更に、上記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。上記顔料のうち、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ましい。
本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、米国特許4311775記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
−分散剤−
本発明における着色剤が顔料である場合、分散剤によって水系溶媒に分散されていることが好ましい。分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性の分散剤でも水不溶性の分散剤の何れでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤(以下、「低分子分散剤」ということがある)は、インクを低粘度に保ちつつ、有機顔料を水溶媒に安定に分散させる目的で添加することができる。ここでいう低分子分散剤は、分子量2000以下の低分子分散剤である。また、低分子分散剤の分子量は、100〜2000が好ましく、200〜2000がより好ましい。
前記低分子分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基は、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基を連結するための連結基も適宜有することができる。
親水性基としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等を挙げることができる。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであれば特に制限はないが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基またはカルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
カチオン性基は、プラスの電荷を有するものであれば特に制限はないが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素またはリンを含むカチオン性基であることがより好ましく、窒素を含むカチオン性基であることが更に好ましい。中でも、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることが特に好ましい。
ノニオン性基は、マイナスまたはプラスの電荷を有しないものであれば特に制限はない。例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
本発明においては、顔料の分散安定性と凝集性の観点から、親水性基がアニオン性基であることが好ましい。
また、低分子分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、そのpKaは3以上であることが好ましい。本発明における低分子分散剤のpKaはテトラヒドロフラン−水=3:2(V/V)溶液に低分子分散剤1mmol/Lに溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。
理論上、低分子分散剤のpKaが3以上であれば、pH3程度の処理液と接したときに、アニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。この観点から、低分子分散剤が、アニオン性基としてカルボン酸基を有していることが好ましい。
一方、疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等のいずれの構造を有するものであってもよいが、特に、炭化水素系であることが好ましい。また、これらの疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また疎水性基は、1本鎖状構造、又は2本以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
本発明におけるポリマー分散剤のうち水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物を用いることができる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
また、天然物を原料として化学修飾した親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
また、合成系の水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシル基を含む高分子化合物が好ましい。これらの例としては、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂等のようなカルボキシル基を含む高分子化合物が挙げられる。
ポリマー分散剤のうち水不溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
中でも、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシル基を含むビニルポリマーを水不溶性分散剤として用いることが好ましく、疎水性部として少なくとも芳香族基含有モノマーに由来する構成単位を有し、親水性部としてカルボキシル基を含む構成単位を有するビニルポリマーがより好ましい。
本発明におけるポリマー分散剤の重量平均分子量としては、3,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜100,000、更に好ましくは5,000〜80,000、特に好ましくは10,000〜60,000である。
本発明における分散剤としては、顔料分散物の径時安定性の観点から、ポリマー分散剤であることがより好ましく、水不溶性のポリマー分散剤であることが特に好ましい。
また、顔料と分散剤との混合質量比(顔料:分散剤)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
本発明において着色剤として染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを水不溶性着色粒子として用いることができる。染料としては公知の染料を特に制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料を本発明においても好適に用いることができる。また、担体としては、水に不溶または水に難溶であれば特に制限なく、無機材料、有機材料及びこれらの複合材料を用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体を本発明においても好適に用いることができる。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
本発明における水不溶性着色粒子(A)は、着色剤が顔料である水不溶性着色粒子が好ましく、着色剤が自己分散顔料または水不溶性のポリマー分散剤で表面が被覆された顔料である水不溶性着色粒子がより好ましく、着色剤が水不溶性のポリマー分散剤で表面が被覆された顔料である水不溶性着色粒子が特に好ましい。
着色剤が顔料である水不溶性着色粒子を用いることで、形成される画像の耐水性、耐光性、耐候性を向上させることができる。更に、着色剤が水不溶性のポリマー分散剤で表面が被覆された顔料である水不溶性着色粒子を用いることで、印刷時の吐出安定性をより向上させることができる。
本発明において、水不溶性着色粒子の平均粒径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒径が200nm以下であることで色再現性が良好になり、インクジェット方式の場合には打滴特性が良好になる。また、平均粒径が10nm以上であることで、耐光性が良好になる。
また、水不溶性着色粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ水不溶性着色粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、水不溶性着色粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明において、上記水不溶性着色粒子は1種単独で、また2種以上を組合わせて使用してもよい。
また、水不溶性着色粒子の含有量としては、画像濃度の観点から、水性インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、2〜15質量%がさらに好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
本発明における水性インク組成物における自己分散ポリマー粒子(B)の含有量としては、画像の光沢性などの観点から、水性インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、2〜10質量%でることが特に好ましい。
また、本発明の水性インク組成物における水不溶性着色粒子と水不溶性粒子の含有比率(水不溶性着色粒子/水不溶性粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
−水溶性有機溶媒−
本発明の水性インク組成物は、水を溶媒として含むものであるが、水溶性有機溶媒を更に含むことができる。前記水溶性有機溶剤は乾燥防止剤、浸透促進剤として含有することができる。
乾燥防止剤は、特に、本発明の水性インク組成物をインクジェット方式による画像記録方法に適用する場合、インク噴射口におけるインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。
乾燥防止剤は、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。乾燥防止剤の具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体等が挙げられる。中でも、乾燥防止剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。また、上記の乾燥防止剤は単独で用いても、2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤は、インク中に、10〜50質量%含有されることが好ましい。
また、浸透促進剤は、インクを記録媒体(印刷用紙)により良く浸透させる目的で、好適に使用される。浸透促進剤の具体的な例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を好適に用いることができる。これらの浸透促進剤は、インク組成物中に、5〜30質量%含有されることで、充分な効果を発揮する。また、浸透促進剤は、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲内で、使用されることが好ましい。
また、水溶性有機溶媒は、上記以外にも、粘度の調整に用いることができる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒の具体的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。
尚、水溶性有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
−その他の添加剤−
本発明におけるその他の添加剤としては、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水性インク組成物を調製後に直接添加してもよく、水性インク組成物の調製時に添加してもよい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらは水性インク組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は水性インク組成物の保存安定性を向上させる目的で、該水性インク組成物がpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。
また、表面張力調整剤の添加量は、インクジェット方式で良好に打滴するために、水性インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整する添加量が好ましく、20〜45mN/mに調整する添加量がより好ましく、25〜40mN/mに調整する添加量がさらに好ましい。一方、インクの付与をインクジェット方式以外の方法で行う場合には、20〜60mN/mの範囲が好ましく、30〜50mN/mの範囲がより好ましい。
水性インク組成物の表面張力は、例えば、プレート法を用いて測定することができる。
界面活性剤の具体的な例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
本発明の水性インク組成物の粘度としては、インクの付与をインクジェット方式で行う場合、打滴安定性と凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
また、インクの付与をインクジェット方式以外の方法で行う場合には、1〜40mPa・sの範囲が好ましく、5〜20mPa・sの範囲がより好ましい。
水性インク組成物の粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、前記水性インク組成物の少なくとも1種を含んで構成される。本発明のインクセットは、上述した水性インク組成物を用いる記録方法に用いられ、特にインクジェット記録方法に用いるインクセットとして好ましい。また、本発明のインクセットはこれらを一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジとして用いることができ、取り扱いが便利である点等からも好ましい。インクセットを含んで構成されるインクカートリッジは当技術分野において公知であり、公知の方法を適宜用いてインクカートリッジにすることができる。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、前記水性インク組成物又は前記インクセットを用いて、被記録媒体上に、前記水性インク組成物を付与するインク付与工程を含むものである。
本発明の水性インク組成物及びインクセットは、一般の筆記具用、記録計用、ペンプロッター用等に使用することができるが、インクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。本発明のインクセット又はインクカートリッジを用いることができるインクジェット記録方法は、インク組成物を細いノズルから液滴として吐出させ、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる記録方法も含む。本発明の水性インク組成物を用いることができるインクジェット記録方法の具体例を以下に説明する。
第一の方法は静電吸引方式とよばれる方法である。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、又は、インク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの静電吸引方式による記録方法に用いることが好ましい。
第二の方法は、小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法である。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることが好ましい。
第三の方法は、インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法(ピエゾ)である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることが好ましい。
第四の方法は、印刷信号情報に従って微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射させて記録媒体上に画像を記録する方法(バブルジェット(登録商標))である。本発明のインクセット又はインクカートリッジはこの記録方法に用いることが好ましい。
本発明における被記録媒体としては特に制限はなく、例えば、普通紙、上質紙、塗工紙等を挙げることができる。
本発明のインクセット又はインクカートリッジは、上述した4つの方法を含むインクジェット記録方式による画像記録方法を用いて被記録媒体上に画像を記録する場合に用いるインク組成物として特に好ましい。本発明のインクセットを用いて記録された記録物は優れた画質を有し、さらに耐オゾン性に優れている。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[自己分散ポリマーの調製]
<実施例1>
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は64000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))、酸価は38.9(mgKOH/g)であった。
次に、重合溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1モル/LのNaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保ち、溶媒を留去した後、更に反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0%の自己分散ポリマー(B−01)の水分散物(エマルジョン)を得た。なお、下記化合物例(B−01)の各構成単位の数字は質量比を表す。以下、各構造式に関しても同様である。
<実施例2>
実施例1の(B−01)の合成において、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0gの代わりに、下記例示化合物の質量比となるように各モノマーの混合比を変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記例示自己分散ポリマー(B−02)〜(B−21)を得た。得られた(B−02)〜(B−21)の物性を表1に示した。なお、いずれも自己分散ポリマーの中和度は、解離性基1モルに対して75モル%となるように、NaOH水溶液(1モル/L)の量を調整した。
参考例3>
攪拌装置、還流冷却管を装着した1リットル三口フラスコに、パイオニンA−43s(竹本油脂社製)8.1g、蒸留水236.0gを入れ、窒素気流下70℃に加熱攪拌した。スチレン6.2g、n−ブチルアクリレート3.5g、アクリル酸0.3g、過硫酸アンモニウム1.0g、蒸留水40gを添加し、30分間攪拌した後、スチレン117.8g、n−ブチルアクリレート66.5g、アクリル酸5.7gからなるモノマー溶液を2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、過硫酸アンモニウム0.5g、蒸留水20gからなる水溶液を加え、70℃で4時間攪拌した後、85℃に昇温して更に2時間攪拌を続けた。反応液を冷却し、濾過し、下記例示化合物(B−22)を得た。得られた(B−22)の物性を表1に示した。
<比較例1>
実施例1の(B−01)の合成において、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0gの代わりに、下記例示化合物の質量比となるように各モノマーの混合比を変更したこと以外は合成例1と同様にして下記例示自己分散ポリマー(BH−01a)、(BH−02a)を得た。なお、中和度は解離性基1モルに対して75モル%とした。
<比較例2>
実施例1の(B−01)の合成において、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0gの代わりに、スチレン180.0g、n−ブチルアクリレート176.4g、アクリル酸3.6gに変更したこと以外は実施例1と同様に重合を行い、酸価7.8の重合体(スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸=50/49/1)を得た。
次に、重合溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1モル/LのNaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下したが、沈降凝集物が発生した。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間保った時点で多量の凝集物が沈殿し、分散不可となり、自己分散ポリマーを得ることはできなかった。
<比較例3>
実施例1の(B−01)の合成において、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0gの代わりに、スチレン345.6、アクリル酸14.4gに変更したこと以外は実施例1と同様に重合を行い、酸価31.1の重合体(スチレン/アクリル酸=96/4)を得た。
次に、重合溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1モル/LのNaOH水溶液116.6mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下したが、沈降凝集物が発生した。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間保った時点で多量の凝集物が沈殿し、分散不可となり、自己分散ポリマーを得ることはできなかった。
<比較例4>
特開2006−283003号公報の段落番号[0041]に記載の自己乳化ポリマー粒子の製造例に従って、下記例示化合物(BH−03a)を得た。なお、下記例示化合物中、AS−6Sはスチレンマクロマーの商品名(東亞合成(株)社製)であり、NK ESTER EH−4Gはポリエチレングリコールメタクリレート2−エチルヘキシルエーテルの商品名(新中村化学(株)社製)である。得られた(BH−03a)の物性を表1に示した。
<比較例5>
特開2002−88285号公報の段落番号[0098]に記載の共重合体樹脂液の製造例に従って下記例示化合物(BH−04a)を得た。得られた(BH−04a)の物性を表1に示した。
<比較例6>
特表2007−519772号公報の段落番号[0052]に記載の自己乳化ポリマー粒子の製造例に従って、下記例示化合物(BH−05a)を得た。得られた(BH−05a)の物性を表1に示した。
なお、表1中における水溶性成分量は以下のようにして測定を行った。
まず、ポリマー分散液を固形分10%になるように調製した。調製した10%ポリマー分散液の5mLを遠心透析チューブMILLIPORE製Amicon Ultra-15(分画分子量Mw10万)に添加し、(株)トミー精工製小型高速冷却遠心機SRX-201で遠心加速度4000G、10℃、40分間遠心し、限外濾過された液体を回収した。
次に限外濾過により回収された液体の固形分質量を測定した。測定方法は直径1.5cmのアルミカップに限外濾過により回収された液を500〜600mg計量し、真空乾燥機中で大気圧下120℃30分加熱した後、減圧下(真空度:0.1MPa以下)120℃2時間放置した後、固形分の質量を測定した。
測定した固形分質量の値を10倍した数値を、自己分散ポリマーの分散状態におけるポリマーの水溶性成分の含有量とした。
〜評価基準〜
◎… 水溶性成分量が5質量%未満
○… 水溶性成分量が5質量%以上8質量%未満
△… 水溶性成分量が8質量%以上10質量%未満
×… 水溶性成分量が10質量%以上
表1中、粒径は平均粒径であり、マイクロトラックUPA EX−150(日機装(株)製)を用いて常法により測定した値である。なお、pHは下記評価基準にて評価した結果を記載した。
〜評価基準〜
○… 8以上9未満
△… 9以上10未満または6以上8未満
×… 10以上
<実施例4>
[水性インク組成物の調製]
《シアンインクC−1の調製》
(水不溶性着色粒子(A)としてのシアン分散液の調液)
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、メチルエチルケトン24部の混合溶液を調液した。
一方、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)9部、プレンマーPP−500(日本油脂製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部からなる混合溶液を調液し、滴下ロートに入れた。
次いで、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12質量部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、水不溶性ポリマー分散剤のメチルエチルケトン溶液を得た。
得られた水不溶性ポリマー分散剤溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、GPCにて重量平均分子量を測定した。その結果、単離された固形分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000であった。
また、得られた水不溶性ポリマー分散剤溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料ピグメントブルー15:3(大日精化製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L水酸化ナトリウム8.0g、イオン交換水82.0g、0.1mmジルコニアビーズ300gをベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス製)で1000rpm6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが十分留去できるまで減圧濃縮し、顔料濃度が10%になるまで濃縮し、水不溶性のポリマー分散剤で表面が被覆された顔料よりなる水不溶性着色粒子(A)として、シアン分散液C1を得た。得られたシアン分散液C1の平均粒径は77nmであった。
そして、水不溶性着色粒子(A)としてシアン分散液C1と、自己分散ポリマー(B)としてB−01を用いて、下記のインク組成になるようにインクを調液した。調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、水性インク組成物としてシアンインクC−1を調製した。
〈シアンインクC−1のインク組成〉
・シアン顔料(ピグメントブルー15:3)大日精化製 ・・・ 4 %
・水不溶性ポリマー分散剤 ・・・ 2 %
・B−01(固形分換算) ・・・ 8 %
・ジエチレングリコール(和光純薬製) ・・・ 10 %
・グリセリン ・・・ 20 %
・オルフィンE1010(日信化学) ・・・ 1 %
・イオン交換水 ・・・ 合計が100%となるように添加
上記において平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA EX−150(日機装(株)製)にて分散液を測定に適した濃度に適宜希釈し、測定条件は全て同じにした。即ち、粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.51、粒子形状:非球形、密度:1.2g/cm、溶媒:水、セル温度:18〜25℃条件において、体積平均粒径を測定した。また、粘度は、BROOKFIELD社製DV−II+VISCOMETERにて測定した。また、表面張力は、協和界面科学社製CBVP−Zを用いて、白金プレート法で測定した。
《シアンインクC−2〜22、C−H1〜C−H6の調製》
シアンインクC−1における自己分散ポリマーB−01の代わりに、下記表2に示したポリマー(B)をそれぞれ用いた以外はシアンインクC−1と同様の方法で、水性インク組成物のシアンインクC−2〜21、C−H1〜H6をそれぞれ調製した。
上記で得られたシアンインクの調液直後の物性値を、表2に示す。
なお、表2中、粘度の項は下記評価基準に従って記載した。
〜評価基準〜
○… 6.5mPa・s未満
△… 6.5mPa・s以上10mPa・s未満
×… 10mPa・s以上
[評価]
上記の如く調製した各シアンインク(以下、単に「インク」ということがある)についてインクの経時安定性試験ならびに打滴試験および画像の定着性試験を行った。インクの経時安定性試験は、インクを打滴する前、即ちインク貯留槽(あるいはカートリッジ)にインクが収納されているときの粒径や粘度の安定性についての評価であり、安定性が悪いとインクジェット装置の打滴ノズルから吐出する際に、打滴ノズルが詰まる等の問題が生じる。また、打滴試験は、吐出方向性に関する評価であり、インク粘度が高いとノズルに目詰まりが発生して方向性不良が生じる。
(インクの経時安定性試験1)
インク10mLをそれぞれ15mLのガラス瓶に密閉して、(1)60℃14日間放置後、及び(2)40℃3ヶ月間放置後、平均粒径及び粘度をそれぞれ測定した。放置前と放置後における平均粒径の変化率[(放置後の平均粒径−放置前の平均粒径)/放置前の平均粒径]及び粘度の変化率[(放置後の粘度−放置前の粘度)/放置前の粘度]をそれぞれ算出した。評価基準は、次の通りである。
〜評価基準〜
○…平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が、5%未満であった。
△…平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が、5%以上10%未満であった。
×…平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が、10%以上であった。
そして、×の評価を、使用不可と判断した。結果を表3に示した。
(打滴安定性試験1)
打滴安定性試験1は次のように行った。特菱両面アートN(三菱製紙)上に、リコー社製GELJETG717プリンターヘッドを用いて、解像度1200×600dpi、インク打滴量12pLになるように打滴した。連続して打適して5時間後の状態を観察することで、打滴安定性を評価した。打滴安定性試験結果を表3に示した。尚、表3の打滴安定性試験1の評価基準は、次の通りである。
〜評価基準〜
○… 吐出不良がなく、方向不良もなかった。
○△…吐出不良がなく、方向不良が少し生じた。
△… 吐出不良が殆どなく、方向不良が少し生じた。
×… 吐出不良が多かった。
(定着性試験)
インクを、リコー社製GELJETG717のカートリッジに詰め替え、特菱両面アートN(三菱製紙)にGELJETG717でべた画像をプリントし、プリント後プリントサンプルを室温で24時間以上乾燥させた。乾燥後に更に加熱オーブンESPEC(株)社製PDR−3KPの中で80℃1時間加熱放置し、12時間放置したサンプルの定着性評価を行った。結果を表3に示す。尚、表3の定着性試験の評価基準は、次の通りである。セロテープ(登録商標)及びメンディングテープ(3M)を塗布サンプルにテープが全面くっつくように貼った後、剥がしたテープへの色移りを下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
○… セロテープ(登録商標)及びメンディングテープ共、色移りが認められなかった。
△… セロテープ(登録商標)またはメンディングテープの少なくとも一方で僅かな色移りが認められた。
×… セロテープ(登録商標)及びメンディングテープの両方で色移りが認められた。
まず、表1からわかるように、本発明の自己分散ポリマーは、酸価が低く、中和度も低いため、水溶性成分量が少なかった。また、分散状態が安定していることが分かる。これに対して比較化合物BH−01aでは、中和度は低いものの酸価が272と高いため、全体的に親水的に寄っており、水溶性成分量が多くなっていた。また、比較化合物BH−03aは、酸価は比較的低いものの、親水性の構成単位の含率が高く、かつ、中和度が160%と高いためか、水溶性成分量が多くなっていた。また、比較化合物BH−04aは、酸価は比較的低いものの中和度が250%と極めて高く、水溶性成分量は極めて多かった。なお、比較例2のように、自己分散ポリマーの酸価を下げ過ぎると乳化分散が困難となった。また、比較例3のように芳香族基含有モノマーに由来する構成単位が95質量%を超えた場合にも乳化分散が困難となった。
また、表3からわかるように、本発明のインクは経時安定性に優れている。一方、pHの高いインクであるC−H3やC−H4は経時で粘度や粒径が上昇する傾向にあった。
また、本発明のインクはいずれもインク粘度が低いことから、吐出不良は全く起こらず、打滴安定性に優れているのに対し、インク組成物である自己分散ポリマー分散物中に水溶性成分を多く含むC−H3及びC−H4の打滴安定性は極めて低かった。
また、芳香族基含有モノマーに由来する構成単位が10質量%未満の自己分散ポリマーBH−02aを含むC−H2では、インクの経時安定性が不十分であった。
また、ポリマー成分をインク組成物として含有する本発明のインクや比較インクC−H1〜C−H5は定着性に優れているが、ポリマーを含まないインクC−H6の定着性は極めて悪かった。
さらに本発明の自己分散ポリマー分散液における、より高度の分散安定性について検証するため以下のようにして、分散安定性加速試験、経時分散安定性試験を行った。結果を表4に示す。
(分散安定性加速試験)
ポリマー分散液を固形分25%になるように調製した。調製した25%ポリマー分散液を遠沈管につめ、(株)久保田商事製高速大容量冷却遠心機で回転数12000rpm、10℃、60分間遠心し、上澄みを回収した。
次に遠心分離により回収された液体の固形分質量を測定した。測定方法は直径1.5cmのアルミカップに遠心分離により回収された液を500〜600mg計量し、真空乾燥機中で大気圧下120℃30分加熱した後、減圧下(真空度:0.1MPa以下)120℃2時間放置した後、固形分の質量を測定した。遠心後の固形分の値を遠心前の固形分の値で割ることで比を算出した。
〜評価基準〜
◎ … 比が0.95以上
○ … 比が0.9以上0.95未満
△ … 比が0.8以上0.9未満
× … 比が0.8未満
(ポリマー分散液の経時安定性試験)
ポリマー分散液10mLをそれぞれ15mLのガラス瓶に密閉して、(1)60℃14日間放置後、及び(2)40℃3ヶ月間放置後、及び、(3)70℃2ヶ月間放置後に、平均粒径、粘度、及びpHをそれぞれ測定した。放置前と放置後における平均粒径の変化率[(放置後の平均粒径−放置前の平均粒径)/放置前の平均粒径]及び粘度の変化率[(放置後の粘度−放置前の粘度)/放置前の粘度]およびpHの変化率[(放置後のpH−放置前のpH)/放置前のpH]をそれぞれ算出した。評価基準は、次の通りである。
〜評価基準〜
○ … 平均粒径の変化率、粘度の変化率が5%未満であった。またはpHの変化率が2%未満であった。
△ … 平均粒径の変化率、粘度の変化率5%以上10%未満であった。またはpHの変化率が2%以上5%未満であった。
× … 平均粒径の変化率、粘度の変化率が10%以上であった。またはpHの変化率が5%以上であった。
また本発明の水性インク組成物における、より高度の経時安定性および打滴安定性について検証するため、以下のようにしてそれぞれ評価を行った。結果を表5に示す。
(インク経時安定性試験2)
70℃2ヶ月間放置後に、平均粒径、及び粘度をそれぞれ測定した。放置前と放置後における平均粒径の変化率[(放置後の平均粒径−放置前の平均粒径)/放置前の平均粒径]及び粘度の変化率[(放置後の粘度−放置前の粘度)/放置前の粘度]をそれぞれ算出した。評価基準は、次の通りである。
〜評価基準〜
○ … 平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が、5%未満であった。
△ … 平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が、5%以上10%未満であった。
× … 平均粒径の変化率、又は粘度の変化率が、10%以上であった。
そして、×の評価を、使用不可と判断した。結果を表5に示した。
(インク経時安定性試験3)
(1)60℃14日間放置後、及び(2)40℃3ヶ月間放置後、及び、(3)70℃2ヶ月間放置後に、pHをそれぞれ測定した。放置前と放置後におけるpHの変化率[(放置後のpH−放置前のpH)/放置前のpH]をそれぞれ算出した。評価基準は、次の通りである。
〜評価基準〜
○ … pHの変化率が2%未満であった。
△ … pHの変化率が2%以上5%未満であった。
× … pHの変化率が5%以上であった。
そして、×の評価を、使用不可と判断した。結果を表5に示した。
(打滴安定性試験2)
連続して打滴して10時間後、および24時間後の状態を観察することで、打滴安定性を評価した以外は、前記打滴安定性試験1と同様の評価方法により、打滴安定性を評価した。打滴安定性試験結果を表5に示した。尚、評価基準は、打滴安定性試験1と同様である。
表4から、溶液重合法で形成した本発明の自己分散ポリマー粒子分散液は、遠心分離による加速試験、高度の経時安定性試験において、本発明の当初の課題を越える良好な分散安定性を有することが確認できた。
また表5から、溶液重合法で形成した本発明の自己分散ポリマー粒子を含む水性インク組成物は、本発明の当初の課題を越える、より高度のインク経時安定性および打滴安定性を有することが確認できた。
以上より、本発明の自己分散ポリマーを含有するインクを用いることで、従来にない安定な吐出性と良好な定着性を有するインク組成物を提供することができることが分かる。

Claims (11)

  1. 親水性の構成単位と、芳香族基含有(メタ)アクリレートを含む芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含み、
    前記親水性の構成単位の少なくとも1種がカルボキシル基を有する構成単位であって、酸価が20以上200以下であり、
    前記芳香族基含有モノマー由来の構成単位の含有量が10質量%以上95質量%以下であり、スチレン系モノマーに由来する構成単位の含有量が30質量%以下であって、分散状態としたときに水溶性を示す水溶性成分の含有量が総質量中に10質量%以下である
    自己分散ポリマー。
  2. 前記親水性の構成単位の含有量が25質量%以下である請求項1に記載の自己分散ポリマー。
  3. 前記芳香族基含有モノマーは下記一般式(I)で表される請求項1または請求項2に記載の自己分散ポリマー。

    (一般式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Lは、単結合、炭素数1〜12のアルキレン基、繰り返し単位数が1から20の(ポリ)エチレンオキシ基、および、繰り返し単位数が1から20が(ポリ)プロピレンオキシ基から選ばれる少なくとも1種からなる2価の連結基を表す。Arは、フェニル基、縮環型芳香環化合物、または2以上のベンゼンが連結した化合物に由来する1価の基を表す)。
  4. 炭素数が1〜8の鎖状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位をさらに含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自己分散ポリマー。
  5. 前記アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が10質量%以上80質量%以下である請求項4に記載の自己分散ポリマー。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の自己分散ポリマーが、固体粒子状態で水性媒体中に分散している水性分散物。
  7. 水性媒体と、着色剤を含む水不溶性着色粒子(A)と、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の自己分散ポリマーを含むポリマー粒子(B)と、を含有する水性インク組成物。
  8. 前記着色剤は、顔料である請求項7に記載の水性インク組成物。
  9. インクジェット記録用インクである請求項7または請求項8に記載の水性インク組成物。
  10. 請求項7請求項9のいずれか1項に記載の水性インク組成物の少なくとも1種を含むインクセット。
  11. 請求項7請求項9のいずれか1項に記載の水性インク組成物、または請求項10に記載のインクセットを用いて、被記録媒体上に、前記水性インク組成物を付与して画像を形成するインク付与工程を含む画像形成方法。
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