以下、本実施形態に係る画像表示装置の一例について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、画像表示装置を、画像情報に基づいて生成した画像光を2次元的に走査し、その走査された画像光を当該画像表示装置の使用者である観察者の眼に投射して網膜上に結像させる網膜走査型として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、画像情報に応じた画像光を観察者の眼に入射させ、当該画像情報に応じた画像を表示する画像表示装置であれば液晶や有機ELなどを用いた同様の装置全てに適用することができる。
〔画像表示装置の概要〕
まず、本実施形態に係る画像表示装置の概要について、図面を参照して説明する。なお、以下においては、画像表示装置として、シースルー型のヘッドマウントディスプレイを例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る画像表示装置1は、画像情報に応じた画像を表示する画像表示ユニット2を備えており、この画像表示ユニット2は、連結部3を介して支持フレーム4により支持される。
支持フレーム4は、フロント部4aとこのフロント部4aの両端に連結され左右のテンプル部4b,4bからなる眼鏡型の支持フレームである。観察者Pは、眼鏡をかける要領で、この支持フレームを頭部に装着する。
画像表示ユニット2は、画像情報に応じた画像光を観察者Pの眼に投射する投射部8(図2参照)を備えている。この画像表示ユニット2の画像を観察者Pが視認できるようにするためには、投射部8による射出瞳の位置を観察者Pの眼の瞳孔位置に合わせる必要がある。しかし、頭部における眼の位置は人によって異なり、また、瞳孔の大きさも周囲の明るさなどによって異なる。したがって、投射部8による射出瞳の位置を観察者Pの眼の瞳孔位置に合わせることが難しい場合がある。
そこで、画像表示装置1は、投射部8による射出瞳の実効径を拡大する瞳拡大素子を備えている。これにより、投射部8による射出瞳の実効径が拡大されて、観察者Pの眼の瞳孔に画像光が入射しやすくなる。
さらに、画像表示装置1の連結部3は、観察者Pの調整操作に応じて、画像表示ユニット2の位置や姿勢を変更する位置変更部として機能する。これにより、観察者Pの眼に対する画像表示ユニット2の位置を動かして、射出瞳の位置を観察者Pの眼の瞳孔位置に合わせることができる。
ここで、瞳拡大素子70による射出瞳の実効径の拡大機能について図2〜図4を参照して具体的に説明する。なお、投射部8と観察者Pの眼との間にハーフミラー43があるが、図2では省略している。
瞳拡大素子70は、図2に示すように、第1回折部71と第2回折部72とを重ねて形成され、中間像面位置73に配置される。この中間像面位置は、画像表示装置1内に形成され、観察者Pの網膜110bと共役関係にある像面である。第1回折部71は、透明樹脂板にY軸方向に沿った複数の溝を互いに平行に形成することで透過型回折格子を形成して構成される。また、第2回折部72は、透明樹脂板にX軸方向に沿った複数の溝を互いに平行に形成することで透過型回折格子を形成して構成される。
瞳拡大素子70の第1回折部71は、入射した画像光Lbを、0次光Lbx(0)と、−1次光Lbx(-1)と、1次光Lbx(+1)とに分岐させる回折特性を有するように溝が形成される。0次光Lbx(0)は、入射した画像光Lbをそのまま透過した光であり、−1次光Lbx(-1)は、画像光Lbに対して−X方向に所定角度を持った光であり、+1次光Lbx(+1)は、画像光Lbに対して+X方向に所定角度を持った光である。また、瞳拡大素子70の第2回折部72は、入射する光を第1回折部71の0次光Lbx(0)とすると、0次光Lbx(0)y(0)と、−1次光Lbx(0)y(-1)と、+1次光Lbx(0)y(+1)とに分岐させる回折特性を有するように溝が形成される。0次光Lbx(0)y(0)は、入射した光Lbx(0)をそのまま透過した光であり、−1次光Lbx(0)y(-1)は、入射光Lbx(0)に対して−Y方向に所定角度を持った光であり、+1次光Lbx(0)y(+1)は、入射光Lbx(0)に対して+Y方向に所定角度を持った光である。
瞳拡大素子70はこのような特性を持つ第1回折部71及び第2回折部72を有しており、入射する光Lbは、第1回折部71及び第2回折部72により、9個の光に分岐される。すなわち、入射する画像光Lbは、図3に示すように、光Lbx(0)y(0)、光Lbx(0)y(-1)、光Lbx(0)y(+1)、光Lbx(-1)y(0)、光Lbx(-1)y(-1)、光Lbx(-1)y(+1)、光Lbx(+1)y(0)、光Lbx(+1)y(-1)、光Lbx(+1)y(+1)に分岐される。なお、x(α)は第1回折部71のα次光であり、y(β)は第2回折部72のβ次光であることを意味する。例えば、光Lbx(-1)y(+1)は、第1回折部71の−1次光かつ第2回折部72の+1次光である。
このように瞳拡大素子70により9個に分岐した画像光Lbは観察者Pの眼110に向い、射出瞳位置で図2及び図3に示すように射出瞳が分割拡大されている。すなわち、瞳拡大素子70を配置していないときの射出瞳は、図3に示すLbx(0)y(0)の範囲であり、図4(a)に示すように、眼110を動かしてこの範囲内に瞳孔110aが位置しなくなったときには、観察者Pは画像を視認できない。一方、瞳拡大素子70を配置したときの射出瞳の様子は、図4(b)に示す通りとなる。眼110を動かしてもこの範囲内に瞳孔110aが位置している限り、観察者Pは画像を視認できる。このように画像表示装置1では、瞳拡大素子70を配置して射出瞳の拡大を図っている。
ところで、画像表示装置1の操作に慣れていない観察者Pは、画像表示ユニット2の位置を観察者Pの眼の位置に合わせることが難しい。このように操作に慣れていない観察者Pでも、瞳孔110aに画像光を入射しやすくするためには、瞳拡大素子70によって拡大する射出瞳の実効径は、大きければ大きいほどよい。たとえば、画像表示ユニット2の位置が、画像光Lbを9個に分岐しても、図4(c)に示すように、瞳孔110aに画像光Lbを入射しないような位置にあったとする。このような場合でも、図4(d)に示すように、画像光Lbを16個に分岐して射出瞳の実効径をより拡大することにより、瞳孔110aに画像光Lbを入射することができる。
ところが、射出瞳の実効径を大きく設定するにつれて、画像表示ユニット2の位置が観察者Pの眼の位置に合った場合に、瞳孔110aに入射する画像光の実効径が大きくなる可能性が高くなる。瞳孔に入射する画像光の実効径が大きくなると、図5(a)に示すように、焦点深度が浅くなる。焦点深度が浅いと、ピント調整に手間がかかり、ユーザビリティを著しく損なってしまう。特に、慣れにより射出瞳に瞳孔位置を簡単にあわせることができる人であれば、画像表示ユニット2の位置が眼の位置に合うことになるから、焦点深度が浅くなり、問題となる。
そこで、本実施形態に係る画像表示装置1では、瞳拡大素子70を変更可能とし、投射部8による射出瞳の実効径を変更可能としている。そして、連結部3に設けた画像表示ユニット2の位置調整操作の習熟度に応じて、変更する射出瞳の実効径を決定するようにしている。
すなわち、慣れや個人差などにより画像表示ユニット2の位置を眼の位置に精度よく合わせることができる観察者Pに対しては、投射部8による射出瞳の実効径を小さく設定する。これにより、瞳孔110aに入射する画像光の実効径が小さくなり、図5(b)に示すように、焦点深度が深くなって、慣れた観察者Pは、ピント調整が容易になる。
なお、上述した瞳拡大素子70では、投射部8による射出瞳の実効径を変えることとしたが、射出瞳の形状を変えるようにしてもよく、また、射出瞳の実効径と形状の両方、あるいは分布のしかたなど含めて変えるようにしてもよい。たとえば、射出瞳の分布形状として、上述のような略方形状のものに加え、長方形状、十字状、星状或いは三角形状などを用いることができるし、ホログラムなどを用いて、射出瞳の形状を六角形などに整形するようにしても良い。さらに六角形の瞳を蜂の巣状に配列する特性を付与して、最密充填構造となる分布形状にしてもよい。
また、射出瞳の実効径や形状の変更は、光学特性の異なる複数の瞳拡大素子を観察者Pの操作により交換自在に配置することによって行うことができる。また、複数の異なる光学特性を有する瞳拡大素子70a,70b,70c,…を備え、これらの瞳拡大素子70a,70b,70c,…を切り替えて、投射部8による射出瞳の実効径又は形状を変更する変更機構を設けるようにしてもよい。
画像表示装置1では、画像表示ユニット2の位置調整操作の習熟度を判定する習熟度判定部を有しており、これにより、観察者Pに応じた適切な射出瞳の実効径や形状とすることができる。習熟度判定部は、観察者Pによる画像表示ユニット2の位置調整操作に応じて習熟度を判定する。例えば、以下のいずれかに基づき、習熟度を判定する。この判定については後で詳述する。
(1)画像表示ユニット2の位置調整操作に要した時間
(2)画像表示ユニット2の位置調整操作による変位の遷移又は総変位量
(3)画像表示ユニット2の位置調整操作後における、観察者Pの瞳孔110a位置に対する射出瞳の位置の偏差(位置ずれ)
また、瞳拡大素子70は、回折格子ではなく、入射する光を散乱させる散乱面を備えた光学素子であってもよい。回折格子もガラスや樹脂で成形された受動素子だけでなく、反射型あるいは透過型の液晶を用いた能動的な物であっても良い。散乱させる素子についても同様である。
本実施形態に係る画像表示装置1は、以上のように構成されているため、射出瞳に瞳孔位置を合わせにくい観察者Pと合わせやすい観察者Pとで射出瞳の実効径又は形状を異なるものにできる。従って、射出瞳に瞳孔位置を合わせやすい観察者Pに対してピント調整の手間を低減させることができる。
〔画像表示装置1の具体的構成及び動作〕
以下、画像表示装置1の具体的な構成及び動作の一例について、図面を参照して説明する。図6は画像表示装置1を装着した状態の観察者Pを示した説明図であり、図7は画像表示装置1の電気的構成及び光学的構成を示した説明図である。
図6に示すように、本実施形態に係る画像表示装置1は、観察者Pの腰部に装着する腰部ユニット7と、観察者Pが頭部に装着する頭部装着具9と、腰部ユニット7と頭部装着具9と接続する伝送ケーブル5とを備えている。
腰部ユニット7は、内蔵した後述のコンテンツ記憶部12に記憶されたコンテンツ情報に基づいて画像信号Sを形成し、この画像信号Sに応じて各色(R,G,B)毎に強度変調されたレーザ光により形成される画像光を伝送ケーブル5へ出射する。また、腰部ユニット7には、外部入出力端子13が形成されており、外部からの画像信号を入力したり、図示しないパーソナルコンピュータ等との間で画像信号を形成するためのコンテンツ情報などの送受信を可能としている。なお、ここでコンテンツ情報とは、文字を表示させるためのデータ、画像を表示させるためのデータ及び動画を表示させるためのデータのうちの少なくとも1つのデータで構成される画像情報であり、例えば、パーソナルコンピュータ等で使用される文書ファイルや画像ファイル、動画ファイル等である。
また、この腰部ユニット7の表面には、画像表示装置1の電源の入切を行うための電源ボタン77が配設されている。
伝送ケーブル5は、腰部ユニット7から出射された画像光を伝送する光ファイバケーブルを備えている。また、伝送ケーブル5は、画像表示ユニット2内に備えられた後述の高速走査部22及び低速走査部24と、腰部ユニット7内に備えられる後述の画像光生成部11との間で同期をとるための高速駆動信号23、低速駆動信号25を伝送する駆動信号伝送用ケーブルを有している。また、伝送ケーブル5は、後述のCCDカメラ16、加速度センサ19及び調整時押下ボタン20から出力される信号を伝送したり、後述の光学素子円盤駆動回路18へ信号を送信するための信号伝送用ケーブルも有している。
頭部装着具9は、観察者Pの頭部に装着した状態において、伝送された画像光を走査して観察者Pの眼に投射し、観察者Pに対して画像を表示するものである。この頭部装着具9は、画像表示ユニット2と、支持フレーム4と、画像表示ユニット2を支持フレーム4に対して移動自在に連結する連結部3とで構成している。
連結部3は、支持フレーム4のテンプル部4bに固定した状態に取り付ける連結基部74と、連結基部74と連結された第1アーム75と、第1アーム75と連結された第2アーム76とで構成されている。連結基部74と第1アーム75、第1アーム75と第2アーム76、第2アーム76と画像表示ユニット2とをそれぞれボールジョイント構造で連結し、支持フレーム4に対して画像表示ユニット2を上下、左右、前後方向へ移動自在としている。なお、これらのボールジョイント構造は、画像表示ユニット2の重量に抗する程度の摩擦力を有しており、観察者Pが力を加えない限り画像表示ユニット2は支持フレーム4に対して固定される。連結部3は、このように構成されており、画像表示ユニット2の位置や姿勢を変更する位置変更部として機能する。
また、連結部3は、画像表示ユニット2を、一般的な人の瞳孔位置に向けて画像光Lbを出射できるように設定された位置(以下、「基準位置」という。)とするための構成を備えている。
具体的には、各ボールジョイント構造を構成する受部と玉部には、その接触面に位置決め用の凹部と凸部がそれぞれ形成されており、観察者Pが連結部3の角度を調整しながら各ボールジョイント部の凹部と凸部とを嵌合すると、画像表示ユニット2が基準位置となるよう構成している。
なお、本実施形態に係る画像表示装置1は、ボールジョイント構造で連結された連結部3を位置変更部としているが、例えば、画像表示ユニット2を支持フレーム4に対して電動で上下、左右、前後方向へ移動させるような機構を採用しても良い。但し、この場合でも予め基準位置を設定しておく必要がある。
画像表示ユニット2は、2次元方向に走査した画像光Lbを観察者Pの眼110に入射させ、観察者Pの眼110の網膜上で画像光Lbを2次元方向に走査する。これにより、観察者Pに画像情報に応じた画像を視認させることができる。
この画像表示ユニット2には、観察者Pの眼110と対向する位置に第2ハーフミラー43が設けられている。そのため、外光Laは第2ハーフミラー43を透過して観察者Pの眼110に入射され、画像表示ユニット2から出射される画像光Lbは第2ハーフミラー43で反射して観察者Pの眼110に入射する。これにより、観察者Pは外光Laによる外景に画像光Lbによる画像を重ねて視認することができる。
このように画像表示装置1は、外光を透過しつつ、画像光を観察者Pの眼110に投射するシースルー型のヘッドマウントディスプレイとしている。
また、画像表示ユニット2には、図1に示すように観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整を行う際に観察者Pに押下される位置(図6参照)に調整時押下ボタン20が配設されている(図1参照)。調整時押下ボタン20は押下されたときON状態となり、押下されないときOFF状態となる。調整時押下ボタン20のON/OFF状態は、伝送ケーブル5内に収容されている信号伝送用ケーブルにより腰部ユニット7へ伝送される。
次に、画像表示装置1の電気的構成及び光学的構成について図7を参照しながら説明する。図7に示すように、腰部ユニット7内には、表示制御部10と、画像光生成部11とが備えられている。
(表示制御部10)
表示制御部10は、比較的大容量の記憶領域を有するコンテンツ記憶部12に予め記憶されたコンテンツ情報を読み出し、このコンテンツ情報を画像信号Sに変換して、画像光生成部11に供給する。また、表示制御部10は、外部入出力端子13を介して外部接続した図示しない機器類から供給されるコンテンツ情報を画像信号Sに変換し、画像光生成部11に供給することもできる。なお、コンテンツ記憶部12は、例えば、ハードディスクの如き磁気的記憶媒体や、CD−Rの如き光学的記録媒体や、フラッシュメモリ等とすることができる。
また、表示制御部10には、観察者Pの調整操作の習熟度を判定するモードを切り替えるスライドスイッチ型のモード切替スイッチ14が電気的に接続されている。具体的には、観察者Pがこのモード切替スイッチ14を操作することにより、画像表示ユニット2の調整操作に要した時間に基づき習熟度を判定する第1モードと、画像表示ユニット2の調整操作による変位の遷移又は総変位量に基づき習熟度を判定する第2モードと、調整操作後における観察者Pの瞳孔位置に対する射出瞳の位置の偏差に基づき習熟度を判定する第3モードと、習熟度の判定を行わない第4モードとを切り替えることができるようにしている。
また、表示制御部10には、CCDカメラ16と、後述の射出瞳変更部17の光学素子円盤駆動回路18と、加速度センサ19と、調整時押下ボタン20とが電気的に接続されている。
CCDカメラ16は、画像表示ユニット2に配設されており、眼110の瞳孔110a及びその周辺を撮像可能としている。これは、瞳孔110aと眼110へ向けて出射された画像光の照射部位、即ち射出瞳の様子とを撮像するためであり、具体的な動作については後述する。CCDカメラ16により撮像された瞳孔110a及びその周辺の撮像画像は表示制御部10へ送信される。
光学素子円盤駆動回路18は、画像表示ユニット2に配設され、後述の光学素子円盤26を回動する。この光学素子円盤駆動回路18は、表示制御部10から送信される光学素子選択信号により、後述する光学素子円盤26の回動動作を行う。
加速度センサ19は、画像表示ユニット2に配設され、観察者Pにより画像表示ユニット2の移動を検出する。この加速度センサ19は、上下左右前後方向への移動を検出することのできる3軸の加速度センサであり、上下方向への加速度、左右方向への加速度、前後方向への加速度に応じた加速度信号を表示制御部10へ出力する。
調整時押下ボタン20は、画像表示ユニット2に配設され、観察者Pによって押下された際にONとなり、手を離すとOFFとなるプッシュスイッチである。表示制御部10により調整時押下ボタン20のON/OFF状態を検出する。観察者Pは、この調整時押下ボタン20を押下しながら画像表示ユニット2の位置調整を行う。これにより、表示制御部10は、観察者Pが画像表示ユニット2の調整中であることを検出する。
画像光生成部11は、観察者Pの眼に表示するための画像を形成する画像光を生成する部位であり、表示制御部10に電気的に接続される駆動信号供給回路15が備えられている。駆動信号供給回路15は、表示制御部10から供給された画像信号Sに基づいて、表示画像を形成するための要素となる後述の各駆動信号21r,21g,21bを画素単位で生成する。また、駆動信号供給回路15は、後述の高速走査部22で使用される高速駆動信号23と、低速走査部24で使用される低速駆動信号25とをそれぞれ出力する。
また、画像光生成部11には、R(赤色)レーザ27、G(緑色)レーザ28、B(青色)レーザ29をそれぞれ駆動するためのRレーザドライバ31、Gレーザドライバ32、Bレーザドライバ33が設けられている。R,G,Bレーザドライバ31,32,33は駆動信号供給回路15から画素単位で出力されるR,G,B駆動信号21r,21g,21bをそれぞれ入力し、R,G,B駆動信号21rに応じた大きさの駆動電流をR,G,Bレーザ27,28,29に出力する。これにより、各レーザ27,28,29は、画像信号Sに基づいて生成された各駆動信号21r,21g,21bに応じてそれぞれ強度変調されたレーザ光(「光束」とも呼ぶ。)を出射する。
各レーザ27,28,29は、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザとして構成することが可能である。なお、半導体レーザを用いる場合は駆動電流を直接変調して、レーザ光の強度変調を行うことができるが、固体レーザを用いる場合は、各レーザそれぞれに外部変調器を備えてレーザ光の強度変調を行う必要がある。
さらに、画像光生成部11には、各レーザ27,28,29より出射されたレーザ光を平行光にコリメートするように設けられたコリメート光学系35,36,37と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー38,39,40と、合波されたレーザ光を伝送ケーブル5に導く結合光学系41とが設けられている。従って、各レーザ27,28,29から出射したレーザ光は、コリメート光学系35,36,37によってそれぞれ平行化された後に、ダイクロイックミラー38,39,40に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー38,39,40により、各レーザ光が波長選択的に反射または透過して結合光学系41に達し、集光されて伝送ケーブル5へ出力される。
(画像表示ユニット2)
画像表示ユニット2は、伝送ケーブル5を介して入射する画像光を走査して観察者Pの眼110に投射する。この画像表示ユニット2には、走査部50と、レンズ51aと、接眼レンズ51bと、第1ハーフミラー42と、第2ハーフミラー43とが備えられている。走査部50は、画像光生成部11で生成され、伝送ケーブル5を介して出射されるレーザ光(画像光)を2次元方向に走査する。
具体的には、走査部50には、伝送ケーブル5を介して出射されるレーザ光を平行光化するコリメート光学系52と、このコリメート光学系52で平行光化されたレーザ光を画像表示のために第1の方向に往復走査する高速走査部22とが設けられている。また、走査部50には、高速走査部22で第1の方向に走査されたレーザ光を、第1の方向と直交する第2の方向に走査する低速走査部24と、高速走査部22と低速走査部24との間に設けられたリレー光学系53とが設けられており、走査されたレーザ光をレンズ51aへ向けて出射する。なお、前述の第1の方向及び第2の方向は、例えば、表示する画像の水平方向を第1の方向をとし、表示する画像の垂直方向を第2の方向とすることが可能であるが、第1の方向が垂直方向、第2の方向が水平方向であっても良いのは言うまでもない。本実施形態に係る画像表示装置1は、第1の方向を水平方向、第2の方向を垂直方向として説明する。
高速走査部22及び低速走査部24は、伝送ケーブル5から入射されたレーザ光を、画像として観察者Pの網膜110bに投影可能な状態にするために、水平方向と垂直方向に走査して走査光束とする光学系である。
高速走査部22は、レーザ光を水平方向に走査するための偏向面(反射面)22bを有する共振型の偏向素子22aと、この偏向素子22aを共振させて偏向面22bを揺動させる駆動信号を高速駆動信号23に基づいて発生する高速走査駆動回路22cを備えている。一方、低速走査部24は、レーザ光を垂直方向に走査するための偏向面(反射面)24bを有する非共振型の偏向素子24aと、この偏向素子24aの偏向面24bを非共振状態で強制的に揺動させる駆動信号を低速駆動信号25に基づいて発生する低速走査制御回路24cとを備えている。そして、低速走査部24は、表示すべき画像の1フレームごとに、水平方向に走査された画像を形成するためのレーザ光を垂直方向に走査して2次元走査された画像を形成している。なお、偏向素子22a,24bとしてガルバノミラーなどを用いることができる。
また、高速走査部22と低速走査部24との間でレーザ光を中継するリレー光学系53は、偏向素子22aの偏向面22bによって水平方向に走査されたレーザ光を偏向素子24aの偏向面24bに収束させる。そして、このレーザ光が偏向素子24aの偏向面24bによって垂直方向に走査され、レンズ51aへ向け出射される。
レンズ51aは正の屈折力を持つレンズであり、入射した光を接眼レンズ51bへ向けて出射する。接眼レンズ51bもまた正の屈折力を持つレンズであり、レンズ51aと直列配置されている。
そして、レンズ51aと接眼レンズ51bとは、走査部50によって走査されたレーザ光を収束させ、第1ハーフミラー42及び第2ハーフミラー43を透過して観察者Pの眼110にその瞳孔110aから入射する。これによって観察者Pは、網膜110b上で走査されたレーザ光よる画像を認識することができる。
ここで、第1ハーフミラー42は、眼110の瞳孔110a及びその周辺で反射した光を第2ハーフミラー43を介してCCDカメラ16へ導く役割を果たす。これにより、CCDカメラ16により瞳孔110a及びその周辺を撮像可能としている。
また、本実施形態に係る画像表示装置1では、レンズ51aと接眼レンズ51bとの間の中間像面位置73に射出瞳変更部17を配設している。
射出瞳変更部17は、光学素子円盤駆動回路18と、同光学素子円盤駆動回路18内に配設されたモータ(図示せず)に連結される駆動軸78と、この駆動軸78の回動力により回転される光学素子円盤26とで構成している。
光学素子円盤駆動回路18は、表示制御部10から送信される光学素子選択信号を受信することにより、所定角度分だけ駆動軸78を回転させる。
また、光学素子円盤26には、投射部による射出瞳の実効径又は形状を変更する光学素子として、回折格子を有する瞳拡大素子70a,70b,70cが嵌め込まれている。これら瞳拡大素子70a,70b,70cには、回折格子に加え、さらに減光フィルタが設けられている。
具体的には、図8に示すように、第1回折部71と第2回折部72と減光フィルタ79とを重ね合わせて光学素子を構成している。かかる構成により、各回折部71,72により射出瞳の実効径を拡大するとともに、画像光Lbの光路上に減光フィルタを配置することにより画像光Lbを減光し、投射部8から投射する画像光Lbの強度を変更する。なお、瞳拡大素子70a,70b,70cが拡大する射出瞳の実効径はそれぞれ異なっており、例えば本実施形態では、瞳拡大素子70aは各回折部71,72での0次光の出射を抑制した2×2の4分割、瞳拡大素子70bは図4(b)に示したような3×3の9分割、70cは図4dに示したような5×5の25分割としている。また、瞳拡大素子70a,70b,70cに用いられる減光フィルタ79の減光量も異ならせている。すなわち、瞳拡大素子70aの減光フィルタは瞳拡大素子70bの減光フィルタよりも減光量が多い。また、瞳拡大素子70bの減光フィルタは瞳拡大素子70cの減光フィルタよりも減光量が多い。
また、光学素子円盤26には、回折格子が嵌め込まれず、減光フィルタのみからなる透光部80が形成されており、画像光Lbがこの透光部80を通った場合には、画像光Lbは分割されないこととなる。なお、透光部80の減光フィルタは瞳拡大素子70aの減光フィルタよりも減光量が多い。
そして、このような構成を有する射出瞳変更部17において、表示制御部10から送信された光学素子選択信号を光学素子円盤駆動回路18が受信すると、光学素子円盤駆動回路18は所定角度分だけ駆動軸78を回動させ、各瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80を中間像面位置73に位置させる。すなわち、射出瞳変更部17は、複数の異なる光学特性を有する光学素子を切り替えて、投射部8による射出瞳の実効径又は形状を変更する変更機構を備えている。なお、本実施形態では、複数の瞳拡大素子70を円盤状に配置して交換自在に構成したがこれに限定されるものではなく、観察者Pの操作により瞳拡大素子70を差し替えるなどして交換自在に構成しても良い。また、射出瞳の実効径を拡大する手段として回折格子を用いることとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、入射する光を散乱させる散乱面を備えた光学素子を用いるようにしても良い。
また、画像光Lbの光路上に減光フィルタを配置して、画像光の強度を変更することとしたが、これに限定されるものではなく、射出瞳の実効径又は形状に応じて、画像光生成部11から出射させる光の強度を調整し、投射部8から投射される画像光Lbの強度を変更するよう構成しても良い。例えば、駆動信号21r,21g,21bを増幅する増幅部を設け、この増幅部により80駆動信号21r,21g,21bを増幅してそれぞれレーザドライバ31,32,33へ入力する。そして、増幅部の増幅率を配置する瞳拡大素子70又は透光部80に応じて増幅率を変える。具体的には、射出瞳の実効径が大きくなるほど、増幅部の増幅率を上げるようにする。
また、画像表示ユニット2には、前述の加速度センサ19と、調整時押下ボタン20も配設されている。
〔表示制御部10の電気的構成〕
次に、表示制御部10の構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、表示制御部10の電気的構成を示したブロック図である。
表示制御部10は、CPU100と、ROM101と、RAM102と、計時回路107と、EEPROM109と、駆動信号供給回路用インターフェース103と、駆動信号供給回路用VRAM104と、周辺機器用インターフェース105と、通信インターフェース106とを備えており、システムバス108を介して相互に接続されている。
ROM101には、CPU100で実行されることにより、後述するフローチャートに従った処理を実現するためのプログラムや、後述のカウント値を算出するための規定加速度値が記憶されている。また、このROM101には、後述の第1モード処理にてレベル値を決定するための調整時間テーブルや、後述の第2モード処理にてレベル値を決定するための調整加速度テーブルや、後述の第3モード処理にてレベル値を決定するためのオーバーラップ面積比率テーブルや、各第1〜第3モード処理にて瞳拡大素子を決定するための瞳拡大素子決定テーブルが記憶されている。
ここで、ROM101内に記憶されている各テーブルについて説明する。調整時間テーブルは、第1モード処理にて観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整に要した時間と、レベル値とを対応付けしたテーブルである。
この調整時間テーブルでは、調整に要する時間が短く、調整慣れしている観察者Pに対しては大きい値のレベル値とする一方、調整に要する時間が長く、調整慣れしていない観察者Pに対しては小さい値のレベル値とする。例えば、図10(a)に示すように、調整時間を「5秒未満」、「5秒以上10秒未満」、「10秒以上15秒未満」、「15秒以上」の4つに区分し、レベル値を1〜4の4段階で定義している。
同様に、調整加速度テーブルは、第2モード処理にて観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整を行った際に、画像表示ユニット2に対して前述の規定加速度値を越える加速度が加えられた回数(以下、「カウント値」ともいう。)と、レベル値とを対応付けしたテーブルである。
この調整加速度テーブルでは、調整の際に計数されたカウント値が少なく、調整慣れしている観察者Pに対しては大きい値のレベル値とする一方、調整の際に計数されたカウント値が多く、調整慣れしていない観察者Pに対しては小さい値のレベル値とする。例えば、図10(b)に示すように、カウント値を「5回未満」、「5回以上10回未満」、「10回以上15回未満」、「15回以上」の4つに区分し、レベル値を1〜4の4段階で定義している。
また、オーバーラップ面積比率テーブルは、第3モード処理にて観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整を行った後に、瞳孔位置とオーバーラップした表示画像の面積割合と、レベル値とを対応付けしたテーブルである。
このオーバーラップ面積比率テーブルでは、調整後にオーバーラップしている面積が広く、調整慣れしている観察者Pに対しては大きい値のレベル値とする一方、調整後にオーバーラップしている面積が少なく、調整慣れしていない観察者Pに対しては小さい値のレベル値とする。例えば、図10(c)に示すように、表示画像面積に対するオーバーラップ面積の比率を「25%未満」、「25%以上50%未満」、「50%以上75%未満」、「75%以上」の4つに区分し、レベル値を1〜4の4段階で定義している。
また、瞳拡大素子決定テーブルは、各第1〜第3モード処理にて決定されたレベル値と、使用する瞳拡大素子70又は透光部80とを対応付けしたテーブルである。
この瞳拡大素子決定テーブルでは、図10(d)に示すように、各レベル1〜4に対して、光学素子円盤26に配設された瞳拡大素子70や透光部80が割り振られており、レベル値の高い調整慣れしている観察者Pに対しては、瞳拡大をせず、焦点深度の深い画像を提供できる透光部80を選択する一方、レベル値の低い調整慣れしていない観察者Pに対しては、射出瞳の実効径が大きい瞳拡大素子70を選択すべく、4段階で定義している。
図9の説明に戻ると、RAM102は、ROM101に記憶されているプログラムをCPU100が実行する際に参照する各種変数などを記憶しておく一時記憶領域として機能する。このRAM102に記憶される値としては例えば、調整時間や、カウント値、オーバーラップ面積やレベル値、次に述べる計時回路107の計時時間の値が挙げられる。
計時回路107は、時間を測定するための回路であり、CPU100からの命令により計時回路107内のタイマを稼働又は停止させて、その間の時間の値をRAM102の所定アドレスに書き込む。
EEPROM109は、画像表示装置1の電源を切った後でも保持すべき値等を記憶しておく記憶領域として機能するものであり、例えば、後述の習熟度判定部にて決定される習熟度のレベル値等が記憶される。
駆動信号供給回路用インターフェース103は、駆動信号供給回路15との接続を担うものであり、駆動信号供給回路用VRAM104を参照して、画像信号Sを生成し駆動信号供給回路15に供給する。なお、駆動信号供給回路用VRAM104のデータは、CPU100によって書き込まれる。すなわち、CPU100はコンテンツ記憶部12から周辺機器用インターフェース105を介してコンテンツ情報を読み出し、駆動信号供給回路用VRAM104に書き込んで展開するようにしている。
周辺機器用インターフェース105は、表示制御部10に接続された周辺機器類の動作制御や信号の送受信を担うものである。この周辺機器用インターフェース105には、コンテンツ記憶部12や、モード切替スイッチ14や、CCDカメラ16や、光学素子円盤駆動回路18や、加速度センサ19や、調整時押下ボタン20や、電源ボタン77が接続されている。
調整時押下ボタン20や電源ボタン77から送信される操作信号を受信した周辺機器用インターフェース105は、それぞれに対応するRAM102上の所定アドレスに、これらのボタンの操作があった旨を示すフラグを立てる。また、周辺機器用インターフェース105はモード切替スイッチ14のスライド位置を監視しており、そのスライド位置をRAM102上の所定アドレスに書き込みを行う。
また、CCDカメラ16から送信される撮像信号を受信した周辺機器用インターフェース105は、撮像信号に対応したデータ(以下、「撮像データ」ともいう。)に変換し、RAM102の所定アドレスに書き込みを行う。
また、加速度センサ19から送信される加速度情報を受信した周辺機器用インターフェース105は、上下方向、左右方向、前後方向への加速度に対応した数値データ(以下、「加速度データ」ともいう。)に変換し、RAM102の所定アドレスに書き込みを行う。
また、CPU100から光学素子円盤26を回動させる旨の命令を受けた周辺機器用インターフェース105は、光学素子円盤駆動回路18に対して、所定の瞳拡大素子70又は透光部80を中間像面位置73に配置させる光学素子選択信号を送信する。
なお、上述のRAM102上に記憶されるフラグやモード切替スイッチ91のスライド位置は、後述のフローチャートに示す処理を実行する際に、CPU100から参照可能としており、これによりCPU100は各種ボタンやスイッチなどの観察者Pによる操作を検出する。特に、調整時押下ボタン20の押下により、観察者Pが画像表示ユニット2の位置を調整中であることを検出する。また、RAM102に記憶される撮像データや加速度データについても、CPU100から参照可能としている。
通信インターフェース106は、表示制御部10に接続された機器類との信号の送受信を担うものであり、外部入出力端子13が接続されている。
〔表示制御部10の処理動作〕
次に、画像表示装置1における表示制御部10での処理について、図11〜図17を用いて説明する。図11は、本実施形態に係る画像表示装置1のメイン処理を示したフローチャートであり、図12はメイン処理にて実行される調整慣れ判定処理を示したフローチャートであり、図13は調整慣れ判定処理にて実行される第1モード処理を示したフローチャートであり、図14は調整慣れ判定処理にて実行される第2モード処理を示したフローチャートであり、図15は調整慣れ判定処理にて実行される第3モード処理を示したフローチャートであり、図16は第2モード処理にて計数されるカウント値の概念を示した説明図であり、図17は第3モード処理にて使用される撮像データを画像化して示した説明図である。
フローチャートの説明に先立ち、まず、観察者Pの動作を説明する。観察者Pは、本実施形態に係る画像表示装置1を使用するにあたり、支持フレーム4を把持し、眼鏡を掛ける要領で頭部に頭部装着具9を装着する。次いで、観察者Pは連結部3のボールジョイント部に形成された位置決め用の凹部と凸部とを嵌合させて、画像表示ユニット2を基準位置とする。そして、電源ボタン77を押下することにより、以下のフローチャートが実行されることとなる。
次に、図11のメイン処理から順に説明する。表示制御部10のCPU100は、RAM102のアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定を実行する(ステップS11)。このとき、CPU100は、EEPROM109を参照し、習熟度のレベル値の読み込みを行う。CPU100は、読み込んだ習熟度レベル値に応じた透光部80又は瞳拡大素子70a,70b,70cが光路上に配置されるように光学素子円盤駆動回路18の制御を行う。なお、習熟度レベル値が未だ定義されていない場合には、CPU100は、透光部80が画像光Lbの光路上に配置されるように、光学素子円盤駆動回路18を制御する。このように透光部80を配置すると、調整操作が難しくなるため、調整慣れ判定の精度を向上させることができる。また、本実施形態に係る画像表示装置1は、ボールジョイント構造で連結された連結部3を位置変更部としているが、位置変更部を電動構造とした場合にあっては、本ステップS11にて、画像表示ユニット2の位置を基準位置とする処理も併せて実行される。
次にCPU100は、RAM102の所定アドレスを参照し、調整時押下ボタン20が押下されたか否かについて判断を行う(ステップS12)。ここで調整時押下ボタンが押下されたと判断した場合(ステップS12:Yes)には、処理をステップS13へ移す。
ステップS13においてCPU100は、調整慣れ判定処理を実行する。この調整慣れ判定処理については、後に図12を参照しながら説明する。このステップS13を終えると、CPU100は、処理をステップS14へ移す。
一方、ステップS12にて調整時押下ボタン20が押下されていないと判断した場合(ステップS12:No)には、CPU100は、処理をステップS14へ移す。
ステップS14においてCPU100は、表示制御部10より画像光Lbを出射して、観察者Pに対して画像を表示する画像表示処理を実行する。
次に、CPU100は、電源ボタン77や図示しない画像停止ボタンが押下されるなどして、画像表示が停止されたか否かについて判断を行う(ステップS15)。ここで画像表示が停止されていないと判断した場合(ステップS15:No)には、CPU100は、処理をステップS12へ戻す。一方、画像表示が停止されたと判断した場合(ステップS15:Yes)には、CPU100は、処理を終了する。
次に、メインフローにおけるステップS13にて実行される調整慣れ判定処理について図12を参照しながら説明する。
まず、調整慣れ判定処理においてCPU100は、RAM102の所定アドレスを参照して、モード切替スイッチ14にてどのモードが選択されているか、状態を取得する(ステップS20)。その後、CPU100は、テスト画像を表示する(ステップS21)。この処理において、CPU100は、コンテンツ記憶部12からテスト画像のコンテンツ情報を取得し、このコンテンツ情報を画像信号Sに変換して駆動信号供給回路15に出力する。これにより、画像表示装置1からテスト画像に応じた画像光Lbが出射される。このテスト画像は、どのような画像であってもよいが、調整慣れ判定モード中である旨が分かるような画像であることが望ましい。例えば何らかの画とともに、「調整慣れ判定モード中」と比較的大きな文字で直接的に示す画像が考えられる。
次いでCPU100は、モード切替スイッチ14が第1モードを選択中であるか否かについて判断を行う(ステップS22)。ここで第1モードが選択中であると判断した場合(ステップS22:Yes)には、CPU100は処理をステップS23へ移す。
ステップS23においてCPU100は、第1モード処理を実行する。この第1モード処理は、画像表示ユニット2の調整操作に要した時間に基づき習熟度を判定し、射出瞳変更部によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する処理であり、後に図13を参照しながら説明する。CPU100はこのステップS23を終えると、処理をステップS14へ移す。
一方、ステップS22において、モード切替スイッチ14は第1モードを選択中ではないと判断した場合(ステップS22:No)には、CPU100は処理をステップS24へ移す。ステップS24においてCPU100は、モード切替スイッチ14が第2モードを選択中であるか否かについて判断を行う。ここで第2モードが選択中であると判断した場合(ステップS24:Yes)には、CPU100は処理をステップS25へ移す。
ステップS25においてCPU100は、第2モード処理を実行する。この第2モード処理は、画像表示ユニット2の調整操作による変位の遷移又は総変位量に基づき習熟度を判定し、射出瞳変更部によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する処理であり、後に図14を参照しながら説明する。CPU100はこのステップS25を終えると、処理をステップS14へ移す。
一方、ステップS24において、モード切替スイッチ14は第2モードを選択中ではないと判断した場合(ステップS24:No)には、CPU100は処理をステップS26へ移す。ステップS26においてCPU100は、モード切替スイッチ14が第3モードを選択中であるか否かについて判断を行う。ここで第3モードが選択中であると判断した場合(ステップS26:Yes)には、CPU100は処理をステップS27へ移す。
ステップS27においてCPU100は、第3モード処理を実行する。この第3モード処理は、調整操作後における観察者Pの瞳孔位置に対する射出瞳の位置の偏差に基づき習熟度を判定し、射出瞳変更部によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する処理であり、後に図15を参照しながら説明する。CPU100はこのステップS27を終えると、処理をステップS14へ移す。
一方、ステップS26において、モード切替スイッチ14は第3モードを選択中ではないと判断した場合(ステップS26:No)には、モード切替スイッチ14は第4モードが選択されているものとして、CPU100は処理をステップS26へ移す。
次に、調整慣れ判定処理におけるステップS23にて実行される第1モード処理について図13を参照しながら説明する。
まず、第1モード処理においてCPU100は、計時回路107に対して計時を開始するよう命令する(ステップS31)。
次にCPU100は、RAM102の所定アドレスを参照し、調整時押下ボタン20はOFF状態であるか否かについて判断を行う(ステップS32)。ここで調整時押下ボタン20がOFF状態ではないと判断した場合(ステップS32:No)には、CPU100は再び同ステップS32を実行する。一方、調整時押下ボタン20はOFF状態であると判断した場合(ステップS32:Yes)には、処理をステップS33へ移す。
ステップS33においてCPU100は、計時回路107に対して計時終了を命令し、計時回路107によってRAM102に書き込まれた計時時間を取得する。すなわち、CPU100は、観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整に要した時間を取得する。
次にCPU100は、調整時間テーブルを参照し、観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整に要した時間に相当するレベル値を取得する(ステップS34)。すなわち、CPU100が本ステップS34を実行することにより、観察者Pによる連結部3の調整操作の習熟度を判定する習熟度判定部として機能することとなる。
次にCPU100は、瞳拡大素子決定テーブルを参照し、ステップS34にて取得したレベル値に対応する瞳拡大素子70又は透光部80を選択する(ステップS35)。CPU100が本ステップS35を実行することにより、上記熟度判定部として判定した習熟度に応じて、射出瞳変更部17によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する射出瞳決定部として機能する。
次にCPU100は、周辺機器用インターフェース105に対して、光学素子円盤26を駆動させるよう命令を行う(ステップS36)。この命令を受けた周辺機器用インターフェース105は、光学素子円盤駆動回路18に対して、ステップS35にて選択された瞳拡大素子70又は透光部80に応じた光学素子選択信号を送信する。
次にCPU100は、取得したレベル値をEEPROM109の所定アドレスに書き込みを行う(ステップS37)。このEEPROM109に書き込まれたレベル値は、前述のステップS11にて参照され、画像表示装置1の起動時の透光部80又は瞳拡大素子70a,70b,70cを予め設定するのに利用される。本ステップS37を終えるとCPU100は処理をステップS14へ移す。
次に、調整慣れ判定処理におけるステップS25にて実行される第2モード処理について図14を参照しながら説明する。
まず、第2モード処理においてCPU100は、周辺機器用インターフェース105によりRAM102上に書き込まれる加速度データの蓄積を開始する(ステップS41)。この加速度データの蓄積もまた、RAM102上にて行われる。
次にCPU100は、RAM102の所定アドレスを参照し、調整時押下ボタン20はOFF状態であるか否かについて判断を行う(ステップS42)。ここで調整時押下ボタン20がOFF状態ではないと判断した場合(ステップS42:No)には、CPU100は再び同ステップS42を実行する。一方、調整時押下ボタン20はOFF状態であると判断した場合(ステップS42:Yes)には、処理をステップS43へ移す。
ステップS43においてCPU100は、加速度データのRAM102上への蓄積を終了する。
そしてCPU100は、RAM102上に蓄積した加速度データから、画像表示ユニット2の遷移を算出し、ROM101に予め記憶されている規定加速度値と比較して、規定加速度値を越える加速度が何度あったかについてカウントを行い、カウント値を取得する(ステップS44)。
ここで、カウント値を求める概念について、図16を参照しながら説明する。図16は、CPU100が加速度データから算出した画像表示ユニット2の遷移を経時的に示した説明図である。図16において折れ線で示すように、画像表示ユニット2の遷移の過程において、破線で示す規定加速度値を超えるピークが何回あったか算出する。図16に示す例では、黒丸にて示すように、5回のピークが検出されており、この場合のカウント値は5回となる。
次にCPU100は、調整加速度テーブルを参照し、観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整を行った際のカウント値に相当するレベル値を取得する(ステップS45)。すなわち、前述のステップS34と同様に、CPU100が本ステップS45を実行することにより、観察者Pによる連結部3の調整操作の習熟度を判定する習熟度判定部として機能することとなる。特に、本ステップS45を実行するCPU100は、調整操作による変位の遷移に基づき習熟度を判定する習熟度判定部として機能する。
次にCPU100は、瞳拡大素子決定テーブルを参照し、ステップS45にて取得したレベル値に対応する瞳拡大素子70又は透光部80を選択する(ステップS46)。これもまた、前述のステップS35と同様に、CPU100が本ステップS46を実行することにより、上記熟度判定部として判定した習熟度に応じて、射出瞳変更部によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する射出瞳決定部として機能する。
次にCPU100は、周辺機器用インターフェース105に対して、光学素子円盤26を駆動させるよう命令を行う(ステップS47)。この命令を受けた周辺機器用インターフェース105は、光学素子円盤駆動回路18に対して、ステップS46にて選択された瞳拡大素子70又は透光部80に応じた光学素子選択信号を送信する。
次にCPU100は、取得したレベル値をEEPROM109の所定アドレスに書き込みを行う(ステップS48)。このEEPROM109に書き込まれたレベル値は、前述のステップS11にて参照され、画像表示装置1の起動時の透光部80又は瞳拡大素子70a,70b,70cを予め設定するのに利用される。本ステップS48を終えるとCPU100は処理をステップS14へ移す。
なお、この第2モードでは、ステップS44及びステップS45において、調整操作による変位の遷移に基づき習熟度を判定することにより習熟度判定部として機能することとしたが、例えば、観察者Pが調整を行っている間に画像表示ユニット2が移動させられた距離(総変位量)を加速度データから算出し、その距離に応じて習熟度を判定するように構成しても良い。
具体的には、ステップS44においてCPU100は、RAM102上に蓄積した加速度データから、図18(a)に示すように画像表示ユニット2の総変位量を算出する。なお、図18(a)は総変位量算出の概念の理解を容易とするために変位量の計時変化を示しているが、CPU100が実際に算出する総変位量はグラフで言う最終値、すなわち調整時押下ボタン20がOFF状態となるt0時までに起こった変位を積算して算出された量である。
次にステップS45においてCPU100は、図18(b)に示す総変位量テーブルを参照し、観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整を行った際の総変位量に相当するレベル値を取得する。CPU100がこのような処理を実行すれば、調整操作による変位の総変位量に基づき習熟度を判定する習熟度判定部として機能させることができる。
次に、調整慣れ判定処理におけるステップS27にて実行される第3モード処理について図15を参照しながら説明する。
まず、第3モード処理においてCPU100は、光学素子円盤駆動回路18を駆動して瞳拡大素子70bを画像光Lbの光路上に配置する(ステップS51)。瞳拡大素子70bは、図4(b)に示すように、瞳孔110aと同程度の大きさであり、画像表示ユニット2の調整操作が慣れた人ほど、画像光Lbを瞳孔110aにより多く入射させることができる。一方、瞳拡大素子70cでは、画像表示ユニット2の調整操作に慣れてなくても、瞳孔110aに入射する画像光Lbの面積が変わらない恐れがあり、また、瞳拡大素子70aや透光部80では射出瞳が小さいため、調整慣れ判定の精度が悪くなる。従って、第3モードでは、瞳拡大素子70bを画像光Lbの光路上に配置するようにしている。
次にCPU100は、RAM102の所定アドレスを参照し、調整時押下ボタン20はOFF状態であるか否かについて判断を行う(ステップS52)。ここで調整時押下ボタン20がOFF状態ではないと判断した場合(ステップS52:No)には、CPU100は再び同ステップS52を実行する。一方、調整時押下ボタン20はOFF状態であると判断した場合(ステップS52:Yes)には、処理をステップS53へ移す。
ステップS53においてCPU100は、RAM102を参照し、CCDカメラ16にて撮像し、周辺機器用インターフェース105により書き込まれた撮像データを取得する。
そしてCPU100は、取得した撮像データに数値処理を施して、瞳孔外縁と画像光Lbの照射範囲とを抽出し(ステップS54)、オーバーラップ面積の比率を求める(ステップS55)。オーバーラップ面積とは、画像光Lbの照射範囲が瞳孔110aにオーバーラップしている面積を意味する。オーバーラップ面積の比率は、画像光Lbの全照射範囲の面積に対するオーバーラップ面積の割合である。
この処理について、図17を参照しながら説明する。なお、図17は、説明の便宜上、抽出処理が施された撮像データを画像化して示している。図17に示すように、抽出後の撮像データ81には、瞳孔110aと画像光Lbの照射範囲の位置情報が少なくとも格納されている。
そしてCPU100は、ステップS55にて、このような撮像データ81のうち、画像光Lb全体の面積(図17中において集合した9個の丸の面積)と、瞳孔110aの領域にオーバーラップする画像光Lbの面積(網掛けで示す面積)を求め、画像光Lb全体の面積に対するオーバーラップ面積の割合を算出する。
図15の説明に戻ると、次にCPU100は、オーバーラップ面積比率テーブルを参照し、観察者Pが画像表示ユニット2の位置調整を行った後のオーバーラップ面積比率に相当するレベル値を取得する(ステップS56)。ここでは、オーバーラップ面積比率が大きいほど、観察者Pの瞳孔位置に対する前記射出瞳の位置の偏差が小さいものとして、観察者Pの習熟度レベルを高くする一方、オーバーラップ面積比率が小さいほど、観察者Pの瞳孔位置に対する前記射出瞳の位置の偏差が大きいものとして、観察者Pの習熟度レベルを低くする。すなわち、前述のステップS34やステップS45と同様に、CPU100が本ステップS56を実行することにより、観察者Pによる連結部3の調整操作の習熟度を判定する習熟度判定部として機能することとなる。
次にCPU100は、瞳拡大素子決定テーブルを参照し、ステップS56にて取得したレベル値に対応する瞳拡大素子70又は透光部80を選択する(ステップS57)。これもまた、前述のステップS35やステップS46と同様に、CPU100が本ステップS57を実行することにより、上記習熟度判定部として判定した習熟度に応じて、射出瞳変更部17によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する射出瞳決定部として機能する。
次にCPU100は、周辺機器用インターフェース105に対して、光学素子円盤26を駆動させるよう命令を行う(ステップS58)。この命令を受けた周辺機器用インターフェース105は、光学素子円盤駆動回路18に対して、ステップS57にて選択された瞳拡大素子70又は透光部80に応じた光学素子選択信号を送信する。
次にCPU100は、取得したレベル値をEEPROM109の所定アドレスに書き込みを行う(ステップS59)。このEEPROM109に書き込まれたレベル値は、前述のステップS11にて参照され、画像表示装置1の起動時の透光部80又は瞳拡大素子70a,70b,70cを予め設定するのに利用される。本ステップS59を終えるとCPU100は処理をステップS14へ移す。
このように、本実施形態に係る画像表示装置1は、上述してきたフローチャートの処理に従って、動作することとなる。
次に、本実施形態に係る画像表示装置1の変形例について説明する。本変形例に係る画像表示装置120は、前述の画像表示装置1とほぼ同様の構成を有しているが、光学素子円盤駆動回路18や駆動軸78を備えずに、観察者Pにより光学素子円盤26を手動で動かせるようにしている点で構成を異にしている。なお、以下の説明において、前述の画像表示装置1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。また、図19(a)において画像表示装置120は、腰部ユニット7の記載を省略し、頭部装着具9と伝送ケーブル5のみを示している。
具体的には、前述した画像表示装置1では、射出瞳決定部にていずれの瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80を光路上に配置するかを決定すると、光学素子円盤駆動回路18により光学素子円盤26を自動的に動かすこととしていたが、本変形例に係る画像表示装置120では、観察者Pに決定した射出瞳の実効径又は形状に対応する光学素子を報知して、手動で所定の瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80を光路上に配置させるようにしている。
まず、図19(a)及び図19(b)に示すように、画像表示ユニット2の上面部分には、射出瞳決定部にていずれの瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80が決定されたかを観察者Pに対して報知するための発光報知部121が備えられている。
この発光報知部121は、前述の表示制御部10に電気的に接続されている。そして、表示制御部10は、図19(c)に示すテーブルに示すように、射出瞳決定部にて決定された瞳拡大素子に対応する発光報知部121のランプを点灯させる。
また、画像表示ユニット2の上面部分には、滑り止めが刻設された光学素子円盤26の側面部122の一部を露出させている。そして、観察者Pがこの側面部122を指で回すことにより、光学素子円盤26を回動可能に構成している。
光学素子円盤26の側面部122には、光路上に配置されている瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80がいずれであるかを示すための突起報知部123が備えられている。この突起報知部123には、光路上に配置される瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80毎にそれぞれ異なった突起文字124が形成されており、指先でこの突起文字124に触れることで、いずれの瞳拡大素子70a,70b,70cや透光部80が光路上に配置されているか分かるようにしている。
すなわち、観察者Pが指先で光学素子円盤26を回動し、図19(b)に示すように、「C」の突起文字123が形成された突起報知部122を頂部位置とすれば、射出瞳決定部にて決定された第1瞳拡大素子が光路上に配置されるよう構成している。
また、前述のフローチャートの説明において、ステップS36、ステップS47、ステップS58では、周辺機器用インターフェース105に対し、光学素子円盤26を回動させるよう命令することとしたが、これに替えて、決定された瞳拡大素子に対応する発光報知部121のランプを点灯させる処理を実行する。このとき、同時に、画像光Lbを用いて観察者Pに「光学素子円盤を『C』に合わせてください。」等のメッセージを表示するようにしても良い。
このような構成を備える画像表示装置120によれば、観察者Pは、いずれの瞳拡大素子70を選択すれば良いかを知った上で、手動で射出瞳の実効径又は形状を変更することができる。
上述してきたように、本実施形態に係る画像表示装置1や変形例に係る画像表示装置120によれば、画像情報に応じた画像光Lbを観察者Pの眼110に投射する投射部8と、投射部8による射出瞳の実効径又は形状を変更する射出瞳変更部17と、観察者Pの瞳孔位置に対する射出瞳の相対位置および姿勢を観察者Pの調整操作に応じて変位させる連結部3(位置変更部)と、観察者Pによる連結部3の調整操作の習熟度を判定する習熟度判定部(表示制御部10)と、習熟度判定部によって判定した習熟度に応じて、射出瞳変更部によって変更する射出瞳の実効径又は形状を決定する射出瞳決定部とを備えたため、瞳拡大機能を備えつつも、射出瞳に瞳孔位置を合わせやすい観察者Pに対してピント調整の手間を低減させることができる
また、表示制御部10(習熟度判定部)は、調整操作に要した時間に基づき、習熟度を判定することとしたため、比較的安価な構成で観察者Pの習熟度を決定することができる。
また、表示制御部10(習熟度判定部)は、調整操作による変位の遷移又は総変位量に基づき、習熟度を判定することとしたため、比較的正確に観察者Pの習熟度を決定することができる。例えば、本実施形態に係る画像表示装置1のように、画像表示ユニット2の調整操作による変位の遷移過程において、規定値を超える加速度が検出された回数に基づいて習熟度を判定したり、図18を用いて説明したごとく、画像表示ユニット2の総変位量に基づいて習熟度を判定することで、観察者Pの習熟度を比較的正確に決定できる。
また、表示制御部10(習熟度判定部)は、観察者Pによる位置変更部の調整操作後における、観察者Pの瞳孔位置に対する射出瞳の位置の偏差に基づき、習熟度を判定することとしたため、比較的正確に観察者Pの習熟度を決定することができる。例えば、本実施形態に係る画像表示装置1のように、瞳孔110aと画像光Lb(射出瞳)とのオーバーラップ面積比率が大きいほど、観察者Pの瞳孔位置に対する前記射出瞳の位置の偏差が小さいものとし、逆に、オーバーラップ面積比率が小さいほど、偏差が大きいものとして、観察者Pの習熟度を判定することで、観察者Pの習熟度を比較的正確に決定できる。
また、射出瞳変更部17は、投射部8による射出瞳の実効径又は形状を変更する光学素子を観察者Pの操作により交換自在に配置し、射出瞳決定部は、決定した射出瞳の実効径又は形状に対応する射出瞳変更部17の瞳拡大素子70(光学素子)を観察者Pに報知することとしても良い。このような構成によれば、観察者Pは、いずれの瞳拡大素子70を選択すれば良いかを知った上で、射出瞳の実効径又は形状を変更することができる。
また、射出瞳変更部17は、複数の異なる光学特性を有する瞳拡大素子70(光学素子)を切り替えて、投射部8による射出瞳の実効径又は形状を変更する変更機構を備えることとしても良い。このような構成によれば、観察者Pにより射出瞳の実効径又は形状を、さらに容易に変更することができる。
また、瞳拡大素子70は、回折格子であることとしたため、所望の次数の光を容易に生成することができる。
また、瞳拡大素子70は、入射する光を散乱させる散乱面を備えた光学素子であることとしたため、拡大したい射出瞳全域に亘って光を連続的に散乱させることができる。
また、射出瞳の実効径又は形状に応じて、投射部8から投射される画像光Lbの強度を変更することとしたため、観察者Pが視認する画像の明るさが射出瞳の実効径又は形状に応じて大きく変動することを抑制できる。例えば、射出瞳の実効径を変更した場合、単位面積当たりの画像光Lbの強度が低くなり、同じ面積の画像光Lbが瞳孔110aに入射した場合に、射出瞳の実効径が大きいものほど観察者Pが視認する画像の明るさが低くなる。そこで、射出瞳の実効径が大きくなるほど、画像光Lbの強度を高くする。同様に、射出瞳の形状を例えば正方形状から長方形状に変更した場合、瞳孔110aに入射する面積が小さくなり、観察者Pが視認する画像の明るさが低くなる。そこで、射出瞳の形状が瞳孔110aに画像光Lbが入射する割合が低くなる形状であるほど、画像光Lbの強度を高くする。
また、画像光Lbの光路上に減光フィルタを配置することにより、投射部8から投射する画像光Lbの強度を変更することとしたため、投射部8から投射される画像光Lbの強度を変更した場合と同様に、観察者Pが視認する画像の明るさが射出瞳の実効径又は形状に応じて大きく変動することを抑制できる。なお、射出瞳の実効径又は形状に応じて投射部8から投射される画像光Lbの強度を変更する必要がないため、制御処理が複雑にならずに済むという利点がある。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本実施形態に係る画像表示装置1は、投射部8を備えた画像表示ユニット2と画像光生成部11を備える腰部ユニット7とを別体に設け、それぞれを伝送ケーブル5にて接続する構成としたが、これに限定されるものではなく、画像表示ユニット2と腰部ユニット7とを一体として構成しても良いのは言うまでもない。
また、本実施形態に係る画像表示装置1において第1〜第4のモードとして記載したそれぞれ異なる習熟度判定部を必ずしも全て備える必要はなく、いずれか1つ以上の習熟度判定部を備えるようにしても良い。
また、本実施形態に係る画像表示装置1の第3モードでは、オーバーラップ面積比率の大小で偏差を求めることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、撮像データから瞳孔110aの中心位置と、図3を用いて説明したLbx(0)y(0)の中心とを比較して偏差を求め、習熟度を判定するよう構成しても良い。このような構成とすることにより、射出瞳の実効径の大小にかかわらず、観察者Pが熟練するにつれ、Lbx(0)y(0)をうまく瞳孔110aに位置させることができるようになり、最終的には、瞳拡大なしでも画像を視認させることができるよう導くことができる。