以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
通常の固体撮像装置では、光電変換により生成した電子・正孔対のうち一方の電荷、例えば電子又は正孔のみを信号電荷として扱い、他方の電荷、例えば正孔又は電子は光電変換部から掃き出された構成が採られている。本発明は、この従来捨てられる信号電荷として用いられない他方の電荷に着目し、光電変換で発生した電子・正孔対のうち、信号電荷とならない他方の電荷をも利用して光電変換部での信号電荷の増加を図るようにしたものである。
図1及び図2に、本発明に係る固体撮像装置の光電変換部を含む受光領域の一実施形態を示す。図1は受光領域のポテンシャル分布の概念図、図2は光電変換部を有する受光領域の概略断面構造を示す。ここでは、光電変換で生成された電子・正孔対のうち、電子を信号電荷として取り扱う場合の例である。
本実施形態に係る受光領域1は、図1A、図2に示すように、第1導電型、本例ではn型の半導体基板(例えばシリコン基板)2に、第2導電型、本例ではp型の半導体層3、n型半導体層4、p型半導体層5、n型半導体層6及びp型半導体層(いわゆるp+アキュミュレーション層)7が順次に形成されて構成される。画素を構成する受光領域1は、半導体基板2に形成された画素分離領域9、本例ではp型半導体領域で区画された領域に形成される。受光領域1を含む全面には、例えばシリコン酸化膜等による絶縁膜10が形成される。
画素分離領域としては、上例の他、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)分離方式の画素分離領域、LOCOS(選択酸化)分離方式の画素分離領域、あるいはシリコン基板中にp型拡散層を注入し、その上に厚い酸化膜を堆積したEDI分離方式の画素分離領域などを用いることができる。これらの画素分離領域は、以下の実施の形態でも同様に適用することができる。
なお、図1Aでは各半導体層において、色の濃い領域ほど不純物濃度が大きいことを表している。
受光領域1における光入射される表面側のp型半導体層7とその下のn型半導体層6とその下のp型半導体層5とにより、HAD(Hole Accumulation Diod)構造の実質的な光電変換部8となるフォトダイオードPDが構成される。基板深部に形成されたn型半導体層4は、電荷である電子が蓄積される電荷蓄積部として構成される(以下、n型半導体4を電荷蓄積部という)。この電荷蓄積部4の光入射側、本例では基板表面側に接するp型半導体層5は、後述する光電変換で生成された電子・正孔対のうちの正孔によりポテンシャルバリアφaが変調される変調ポテンシャルバリア層となる(以下、ポテンシャルバリアφaを変調ポテンシャルバリアφaという)。電荷蓄積部4の光入射側と反対側、本例では基板深部側に接するp型半導体層3は、固定のポテンシャルバリアφbを有する基板側ポテンシャルバリア層となる(以下、このポテンシャルバリアφbを基板側ポテンシャルバリアφbという)。
ここで、受光直前の状態では、変調ポテンシャルバリアφaは、基板側ポテンシャルバリアφbより高くなるように設定される。受光され光電変換されている状態では、変調ポテンシャルバリアφaは、正孔hにより変調されて基板側ポテンシャルバリアφbより低くなるように設定される。これら、電荷蓄積部4、変調ポテンシャルバリアφaを構成するp型半導体層5及び基板側ポテンシャルバリアφbを構成するp型半導体層3は、それぞれ導入する不純物濃度によりポテンシャルを設定することができる。
電荷蓄積部4と変調ポテンシャルバリアφaを構成するp型半導体層5は、各画素毎に形成される。固定の基板側ポテンシャルバリアφbを構成するp型半導体層3は、各画素に共通に形成される。
一方、基板2の深部、すなわち例えば電荷蓄積部4及びp型半導体層3の近傍領域には、電子を発生させるための欠陥11を形成することが好ましい。この欠陥11からの電子は、常時、電荷蓄積部4に蓄積されることになる。欠陥11は、例えば窒素を分布させることで形成することができる。欠陥11は、電子・正孔対を発生させるが、本例では電子を電荷蓄積部4に蓄積させるようになされる。
なお、欠陥11を設けなくても、受光時の波長の長い光で電荷蓄積部4及びp型半導体層3の近傍領域において光電変換で生成された電子を、電荷蓄積部4に蓄積させるようにすることもできる。さらに、熱によって発生する熱電子を電荷蓄積部4に蓄積させるようにすることもできる。
p型の画素分離領域9と、光電変換部8のアキュミュレーション層となるp型半導体層7とには、0Vが印加される。また、変調ポテンシャルバリア層となるp型半導体層5は、0Vで抑えられているが、変調ポテンシャルバリアφaは正孔の蓄積で変調される。基板側ポテンシャルバリアφbの固定を、より安定させるためには、n型半導体基板2に所要の電位を印加して置くのが好ましい。例えば、n型半導体基板2に0Vを印加して置く。
次に、上述の本実施形態の受光領域1の動作を説明する。欠陥11から発生した電子、あるいは長波長の光入射により光電変換した電子・正孔対のうちの電子、あるいは基板中の発生した熱電子、本例では基板深部に設けた欠陥11から発生した電子e′が、電荷蓄積部4のポテンシャルディップ(電子に対するポテンシャルディップ)12に蓄積される。常時、ポテンシャルディップ12は電子e′で満たされている。電荷蓄積部4から溢れた電子e′は基板側ポテンシャルバリアφbを越えて基板2側に排出される。
受光時、光電変換部8であるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち信号電荷となる電子eはn型半導体層6の基板表面側の不純物濃度の大きい電荷蓄積領域6aに蓄積される。同時に光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層5のポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調される。すなわち、変調ポテンシャルバリアφaが破線で示すように、低くなる。
このため、電荷蓄積部4に蓄積されていた電子e′のうち、変調ポテンシャルバリアφaと固定の基板側ポテンシャルバリアφbとの差分に対応する電子e′が変調ポテンシャルバリアφaを越えて光電変換部8であるフォトダイオードPDのn型半導体層6aへ供給される。これにより、光電変換部8では、光電変換された電子・正孔対の電子eに、電荷蓄積部4に蓄積された一部の電子e′が加算された信号電荷量(電子)が蓄積されることになる。
上述の本実施形態に係る固体撮像装置によれば、光電変換で生成された電子・正孔対のうち電子eを信号電荷として扱うと共に、正孔hを利用して変調ポテンシャルバリアφaを変調し、電荷蓄積部4に蓄積された電子e′を光電変換部8へ供給している。このため、光電変換部8では、本来の信号電荷である電子eと、正孔hにより電荷蓄積部4から供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。
次に、本発明に係る固体撮像装置をCMOS固体撮像装置(イメージセンサ)に適用した実施形態について説明する。
図3に、本実施形態に係るCMOS固体撮像装置の一実施の形態の概略構成を示す。本発明実施の形態に係る固体撮像装置21は、半導体基板例えばシリコン基板上に、複数の光電変換部を含む画素22が規則的に2次元アレイ状に配列された撮像領域23と、その周辺回路としての垂直駆動回路24と、カラム信号処理回路25と、水平駆動回路26と、出力回路27と、制御回路28等を有して構成される。
垂直駆動回路24は、例えばシフトレジスタによって構成され、撮像領域23の各画素22を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線29を通して各画素22の光電変換部(フォトダイオード)において受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号をカラム信号処理回路25に供給する。
カラム信号処理回路25は、画素22の例えば列毎に配置されており、例えばS/H(サンプルホールド)回路及びCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)回路などによって構成される。このカラム信号処理回路25は、1行分の画素22から出力される信号を画素列毎に黒基準画素(図示しないが、有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によってノイズ除去や信号増幅等の信号処理を行う。カラム信号処理回路25の出力段には、水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線30との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路26は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路25の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路25の各々から画素信号を水平信号線30に出力する。
出力回路27は、カラム信号処理回路25の各々から水平信号線30を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。
制御回路28は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路24、カラム信号処理回路25及び水平駆動回路26などの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成し、垂直駆動回路24、カラム信号処理回路25及び水平駆動回路26等に入力する。
図4は、単位画素22の回路構成の一例を示す回路図である。本回路例に係る単位画素22Aは、光電変換部、例えばフォトダイオードPDと、3つの画素トランジスタとを有して構成される。3つの画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113及び増幅トランジスタ114である。これら画素トランジスタ112〜114は、例えばnチャネルのMOSトランジスタを用いている。
転送トランジスタ112は、フォトダイオードPDのカソードとFD(フローティングディフージョン)部116との間に接続され、フォトダイオードPDで光電変換され、ここに蓄積された信号電荷(電子)を、ゲートに転送パルスφTRGが与えられることによってFD部116に転送する。
リセットトランジスタ113は、選択電源SELVDDにドレインが、FD部116にソースがそれぞれ接続され、フォトダイオードPDからFD部116への信号電荷の転送に先立って、ゲートにリセットパルスφRSTが与えられることによってFD部116の電位をリセットする。選択電源SELVDDは、電源電圧としてVDDレベルとGNDレベルとを選択的にとる電源である。
増幅トランジスタ114は、FD部116にゲートが、選択電源SELVDDにドレインが、垂直信号線29にソースがそれぞれ接続されたソースフォロア構成となっている。増幅トランジスタ114は、選択電源SELVDDがVDDレベルになることによって動作状態となって画素22Aを選択し、リセットトランジスタ113によってリセットした後のFD部116の電位をリセットレベルとして垂直信号線29に出力する。さらに増幅トランジスタ114は、転送トランジスタ112によって信号電荷を転送した後のFD部116の電位を信号レベルとして垂直信号線29に出力する。
図5は、単位画素22の回路構成の他の例を示す回路図である。本回路例に係る単位画素22Bは、光電変換部、例えばフォトダイオードPDと、4つの画素トランジスタとを有して構成される。4つの画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、増幅トランジスタ114及び選択トランジスタ115である。これら画素トランジスタ112〜115は、例えばnチャネルのMOSトランジスタを用いている。
転送トランジスタ112は、フォトダイオードPDのカソードとFD部116との間に接続され、フォトダイオードPDで光電変換され、ここに蓄積された信号電荷(ここでは、電子)を、ゲートに転送パルスφTRGが与えられることによってFD部116に転送する。
リセットトランジスタ113は、電源VDDにドレインが、FD部116にソースがそれぞれ接続され、フォトダイオードPDからFD部116への信号電荷の転送に先立って、ゲートにリセットパルスφRSTが与えられることによってFD部116の電位をリセットする。
選択トランジスタ115は、例えば、電源VDDにドレインが、増幅トランジスタ114のドレインにソースがそれぞれ接続され、ゲートに選択パルスφSELが与えられることによってオン状態となり、増幅トランジスタ114に対して電源VDDを供給することによって画素22Bの選択をなす。なお、この選択トランジスタ115については、増幅トランジスタ114のソースと垂直信号線121との間に接続した構成を採ることも可能である。
増幅トランジスタ114は、FD部116にゲートが、選択トランジスタ115のソースにドレインが、垂直信号線29にソースがそれぞれ接続されたソースフォロア構成となっている。増幅トランジスタ114は、リセットトランジスタ113によってリセットした後のFD部116の電位をリセットレベルとして垂直信号線29に出力する。さらに増幅トランジスタ114は、転送トランジスタ112によって信号電荷を転送した後のFD部116の電位を信号レベルとして垂直信号線29に出力する。
そして、本実施の形態に係る固体撮像装置21おいては、特に、画素22を構成する光電変換部を含む受光領域31を、図6に示すように、前述の図2と同様の構成を採る受光領域1で構成される。この受光領域31は、前述の本発明に係る固体撮像装置の受光領域の第1実施の形態に相当する。
すなわち、本実施の形態における画素22は、第1導電型である例えばn型の半導体基板(例えばシリコン基板)32に第2導電型である例えばp型の半導体ウェル領域41が形成され、例えばp型半導体領域で形成された画素分離領域39で区画されたp型半導体ウェル領域41に、光電変換部38、例えばフォトダイオードPDを含む受光領域31と、複数の画素トランジスタTrが形成されて成る。
受光領域31は、n型半導体基板32に接して順次にp型半導体層33、n型半導体層34、p型半導体層35、n型半導体層36及びp型半導体層(いわゆるp+アキュミュレーション層)37が積層されて構成される。受光領域31における光入射される表面側のp型半導体層7と、その下の高濃度の電荷蓄積領域36aを有するn型半導体層36と、その下のp型半導体層35とにより、HAD構造の実質的な光電変換部38となるフォトダイオードPDが構成される。
基板深部に形成されたn型半導体層34は、電荷である電子が蓄積される電荷蓄積部として構成される(以下、このn型半導体層34を電荷蓄積部という)。この電荷蓄積部34の光入射側、本例では基板表面側に接するp型半導体層は、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの正孔hによりポテンシャルバリアφa(図1参照)が変調される変調ポテンシャルバリア層となる。電荷蓄積部34の光入射側とは反対側、本例では基板深部側に接するp型半導体層33は、固定のポテンシャルバリアφb(図1参照)を有する基板側ポテンシャルバリア層となる。
前述と同様に、受光直前の状態では、変調ポテンシャルバリアφaは、基板側ポテンシャルバリアφbより高くなるように設定される。受光されて光電変換されている状態では、変調ポテンシャルバリアφaは、正孔hにより変調されて基板側ポテンシャルバリアφbより低くなるように設定される。これら、電荷蓄積部34、変調ポテンシャルバリアφaを構成するp型半導体層35及び基板側ポテンシャルバリアφbを構成するp型半導体層33は、それぞれ導入する不純物濃度によりポテンシャルを設定するようになされている。
電荷蓄積部34と変調ポテンシャルバリアφaを構成するp型半導体層35は、各画素毎に独立に形成される。固定の基板側ポテンシャルバリアφbを構成するp型半導体層33は、各画素に共通に形成される。
基板32の深部、すなわち例えば電荷蓄積部34及びp型半導体層33の近傍の領域には、前述と同様に、電子を発生させるための欠陥11(図1参照)を形成することが好ましい。この欠陥11からの電子は、常時、電荷蓄積部34に蓄積されることになる。
なお、欠陥11を設けなくても、受光時の波長の長い光で電荷蓄積部34及びp型半導体層33の近傍の領域において光電変換で生成された電子を、電荷蓄積部34に蓄積させるようにすることもできる。さらに、熱によって発生する熱電子を電荷蓄積部34に蓄積させるようにすることもできる。
一方、複数の画素トランジスタは、p型半導体ウェル領域41に形成される。図6では、複数の画素トランジスタのうち、転送トランジスタ112のみを示している。転送トランジスタ112は、フォトダイオードPDと、n型半導体層42からなるFD部と、ゲート絶縁膜40を介して形成したゲート電極43とから構成される。
なお、図示しないが、撮像領域の半導体基板32の上方には、層間絶縁膜を介して多層配線が形成され、その上に平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ、さらにその上にオンチップマイクロレンズが形成される。
本実施の形態に係るCMOS固体撮像装置21によれば、各画素22において、基板32の厚み方向に光電変換部38と、電荷蓄積部34と、光電変換部38及び電荷蓄積部34間の変調ポテンシャルバリアφaを有した受光領域31を備え、信号電荷として光電変換による電子・正孔対のうち、電子と共に正孔をも利用することにより、前述の図1で説明したように、固体撮像装置の感度を向上することができる。すなわち、常時、電荷蓄積部34は、例えば基板32中の欠陥11から発生した電子e′で満たされている。受光時に、光電変換部38で光電変換されて生成した電子・正孔対のうち、信号電荷となる電子eが光電変換部38の電荷蓄積領域36aに蓄積される。同時に、正孔hがp型半導体層35におけるポテンシャルディップ13(図1参照)に蓄積されることにより、変調ポテンシャルバリアφaが変調されて低くなり、電荷蓄積部34の電子e′が光電変換部38の電荷蓄積領域36aへ供給される。これにより、電子e、e′が加算された信号電荷量となり、感度が向上する。特に、本実施の形態では、画素22の微細化に基づいて受光面積が縮小された固体撮像装置に適用して好適である。
上例の図1の受光領域1をCMOS固体撮像装置21の画素22に適用した実施の形態では、電荷蓄積部34及び変調ポテンシャルバリアφa(p型半導体層35)を各画素毎に独立に設ける。電荷蓄積部34は、電気的にフローティングとなるように形成される。基板側ポテンシャルバリアφb(p型半導体層33)は各画素共通にして構成される。そして、基板側ポテンシャルバリアφbは、基板深部に形成されるために基板表面側での例えばゲート電位の変調に影響されることがないので、バリアレベルをp型半導体層33の不純物濃度によって設定することができる。その他、基板側ポテンシャルバリアφbは、半導体基板32に所要の電位、例えば0Vを印加してバリアレベルを設定することができる。すなわち、基板電位を制御して電荷蓄積部34の基板側ポテンシャルバリφbを制御するようにしても良い。これにより、基板側ポテンシャルバリアφbのバリアレベルを、より確実に制御し、固定することができる。
図6において、電荷蓄積領域36aに過大な信号電荷が蓄積されたときの、ブルーミン対策としては、転送ゲートを通してFD部となるn型半導体層42に電荷を流すようにすることもできる。
本発明に係る画素の受光領域は、上述の図1及び図2に示した第1実施の形態の他、種々の受光領域を構成することができる。次に、その他の受光領域の実施の形態について説明する。
図7に、本発明に係る画素の受光領域の第2実施の形態を示す。本実施の形態に係る受光領域51は、第1導電型であるn型の半導体基板(例えばシリコン基板)2に第2導電型であるp型の半導体ウェル領域14を形成し、このp型半導体ウェル領域14に光電変換部8となる例えばフォトダイオードPDと、この光電変換部8より光入射側、すなわち基板表面側の電子が蓄積される電荷蓄積部16と変調ポテンシャルバリア層となるp型半導体層15とを形成して構成される。半導体基板2の最表面にはp型半導体層(いわゆるp+アキュミュレーション層)7が形成される。
n型の電荷蓄積部16は、p型半導体層15及び7で囲まれるように形成される。すなわち、n型の電荷蓄積部16は、光電変換部8の基板表面側の電荷蓄積領域6a内の一部中央に設けたp型半導体層15内に形成され、その表面がp+アキュミュレーション層となるp型半導体層7で被覆されるようにして構成される。
光電変換部8となるフォトダイオードPDは、p型半導体ウェル領域14と、電荷蓄積領域6aを有するn型半導体層6と、このn型半導体層6に接するp型半導体層15、p+アキュミュレーション層となるp型半導体層7とにより構成される。
図示しないが、n型の電荷蓄積部16の近傍部分、つまり基板表面側には、電荷蓄積部16に蓄積される電子を発生する欠陥を形成して置くことが好ましい。なお、欠陥を設けなくても、受光時の波長の短い光で電荷蓄積部16の近傍領域において光電変換で生成された電子を、電荷蓄積部16に蓄積させるようにすることもできる。さらに、熱によって発生する熱電子を電荷蓄積部16に蓄積させるようにすることもできる。
画素を構成する受光領域51は、半導体基板2に形成された画素分離領域9、本例ではp型半導体領域で区画された領域に形成される。受光領域51を含む全面には、例えばシリコン酸化膜等による絶縁膜10が形成される。
次に、第2実施の形態の受光領域51の動作を説明する。図7Bのポテンシャル分布図に示すように、欠陥からの電子、あるいは短波長の光入射により光電変換した電子・正孔対のうちの電子、あるいは基板表面中の発生した熱電子、本例では欠陥から発生した電子e′が電荷蓄積部16のポテンシャルディップ(電子に対するポテンシャルディップ)12に蓄積され。常時、ポテンシャルディップ12は電子e′で満たされている。
受光時、光電変換部8であるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち信号電荷となる電子eは、不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに蓄積される。同時に光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層15のポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調され、低くなる。
このため、電荷蓄積部16に蓄積されていた電子e′の一部が変調されたポテンシャルバリアφaを越えて光電変換部8の電荷蓄積領域6aへ供給される。光電変換部8では、光電変換された電子eに、電荷蓄積部16からの電子e′が加算され、信号電荷量が増加する。
第2実施の形態に係る画素の受光領域51によれば、第1実施の形態と同様に、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域51は、電荷蓄積部16が基板表面側に形成されているので、特に、青の波長光に対する感度が向上する。
図7の実施の形態において、電荷蓄積部16の一部を基板表面、すなわち外部に露出するように形成することができる。絶縁膜10の開口を通して一部露出した電荷蓄積部16に電極を形成し、この電極を通じて所用の電圧、この例では0Vを与えて、電荷蓄積部16への電子e′の供給源とすることができる。また、この電極に印加する電圧により、変調ポテンシャルバリアφaのバリアレベルをコントロールすることもできる。さらに電荷蓄積部16の一部を絶縁膜10より外部に露出させることにより、この露出部から電子e′を電荷蓄積部16へ供給するようになすこともできる。
図8に、本発明に係る画素の受光領域の第3実施の形態を示す。本実施の形態に係る受光領域52は、光電変換部8のn型半導体層6の表面側の不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに接してp型半導体層15を形成し、このp型半導体層15の中央部にn型半導体層により電荷蓄積部16を形成して構成される。p型半導体層15及び電荷蓄積部16の表面は、基板上の絶縁膜10との界面に臨むように形成される。
この受光領域52においては、n型の電荷蓄積部16の上面が絶縁膜10に接しているので、常時、絶縁膜10との界面から電子が電荷蓄積部16に蓄積される。その他の構成は、図7と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第3実施の形態に係る受光領域52では、図8Bのポテンシャル分布図に示すように、光電変換部8より光入射側、すなわち基板表面側のn型の電荷蓄積部16のポテンシャルディップ(電子に対するポテンシャルディップ)12に、絶縁膜10との界面から常時、電子e′が蓄積される。ポテンシャルディップ12から溢れた電子e′は、基板表面(絶縁膜10との界面)から排出される。
そして、受光時には、前述と同様に、光電変換部8であるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち信号電荷となる電子eが、不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに蓄積される。同時に光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層15のポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調されて低くなる。電荷蓄積部16に蓄積されていた電子e′の一部は、変調されたポテンシャルバリアφaを越えて光電変換部8の電荷蓄積領域6aへ供給される。光電変換部8では、光電変換された電子eに、電荷蓄積部16からの電子e′が加算され、信号電荷量が増加する。
第3実施の形態に係る画素の受光領域52によれば、第1実施の形態と同様に、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域52は、電荷蓄積部16が基板表面側に形成されているので、特に、青の波長光に対する感度が向上する。この受光領域52は製造が容易になる。
図9に、本発明に係る画素の受光領域の第4実施の形態を示す。本実施の形態に係る受光領域56は、基板表面にp型半導体層16を形成した後、基板表面の一部にn型不純物ヲイオン注入してn型の電荷蓄積部15を形成して構成される。このn型の電荷蓄積部16の拡散形成により、p型半導体層15の電荷蓄積部16に対応する部分は、下側に凹んだ形状となる。
この受光領域56においては、n型の電荷蓄積部16の上面が絶縁膜10と接しているので、常時、絶縁膜10との界面から電子が電荷蓄積部16に蓄積される。その他の構成は、図8Aと同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第4実施の形態に係る受光領域56においても、図8の第3実施の形態と同様に作用し、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域52は、電荷蓄積部16が基板表面側に形成されているので、特に、青の波長光に対する感度が向上する。この受光領域53は製造が容易になる。
なお、図8A、図9の受光領域52,56をCMOS固体撮像装置の受光領域に適用したときには、図10の上面図で示す構成とすることが望ましい。すなわち、受光領域52,56の中央部にn型の電荷蓄積部16が形成され、この電荷蓄積部16から離れた位置、例えば四角形状の受光領域としたときには、四角形状の角部が切除された部分に対向してFD部であるn型半導体層42を配置し、四角形状の角部が切除された部分とFD部との間に対応して転送トランジスタのゲート電極43が形成されるように構成することができる。
図11に、本発明に係る画素の受光領域の第5実施の形態を示す。本実施の形態に係る受光領域57は、n型の電荷蓄積部16を省略し、基板表面のp型半導体層15の一部を薄く形成して構成される。この場合、基板表面が電子の供給源となり、基盤表面の薄いp型半導体部15aが変調ポテンシャルバリア層となる。その他の構成は、図8Aと同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第5実施の形態に係る受光領域57では、基板表面から電荷蓄積部16へ電子e′が供給され、蓄積される。光電変換部8で光電変換された電子・正孔対のうち、電子eはn型の電荷蓄積領域6aに蓄積される。一方、正孔は薄いp型半導体部15aのポテンシャルディップに入り、変調ポテンシャルバリアφbを変調する。これにより、基板表面の電子供給部から電子e′が光電変換部8の電荷蓄積領域6aに供給され、電荷蓄積領域6aの信号電荷量が増加する。
第5実施の形態に係る受光領域57によれば、前述と同様に、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域57は、電荷蓄積部16が基板表面側に形成されているので、特に、青の波長光に対する感度が向上する。
図12に、本発明に係る画素の受光領域の第6実施の形態を示す。本実施の形態に係る受光領域53は、光電変換部8のn型半導体層6の表面側の不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに接してp型半導体層15を形成し、このp型半導体層15の全面上にn型半導体層により電荷蓄積部16を形成して構成される。n型の電荷蓄積部16の表面は、基板上の絶縁膜10との界面に臨むように形成される。
この受光領域53においては、n型の電荷蓄積部16の上面が絶縁膜10に接しているので、常時、絶縁膜10との界面から電子が電荷蓄積部16に蓄積される。その他の構成は、図7と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第6実施の形態に係る受光領域53では、図12Bのポテンシャル分布図に示すように、第3実施の形態と同様に、光電変換部8より光入射側、すなわち基板表面のn型の電荷蓄積部16におけるポテンシャルディップ(電子に対するポテンシャルディップ)12に、絶縁膜10との界面から常時、電子e′が蓄積される。ポテンシャルディップ12から溢れた電子e′は、基板表面(絶縁膜10との界面)から排出される。
そして、受光時には、第3実施の形態と同様に、光電変換部8であるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち信号電荷となる電子eが、不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに蓄積される。同時に光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層15におけるポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調されて低くなる。電荷蓄積部16に蓄積されていた電子e′の一部は、変調されたポテンシャルバリアφaを越えて光電変換部8の電荷蓄積領域6aへ供給される。光電変換部8では、光電変換された電子eに、電荷蓄積部16からの電子e′が加算され、信号電荷量が増加する。
第6実施の形態に係る画素の受光領域53によれば、第3実施の形態と同様に、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域53は、電荷蓄積部16が基板表面側に形成されているので、特に、青の波長光に対する感度が向上する。この受光領域53は製造が容易になる。
図13に、本発明に係る受光領域の第7実施の形態を示す。本実施の形態に係る受光領域54は、半導体基板2の厚み方向の中間部、すなわち、光電変換部8のn型半導体層6中に、局部的にp型半導体層15に取り囲まれたn型の電荷蓄積部16を形成して構成される。n型半導体層6の表面側には、p型半導体層(いわゆるp+アキュミュレーション層)7が形成され、このp型半導体層7上に絶縁膜10が形成される。
図示しないが、n型の電荷蓄積部16の近傍部分には、電荷蓄積部16に蓄積される電子を発生する欠陥を形成して置くことが好ましい。なお、欠陥を設けなくても、受光時の波長の短い光で電荷蓄積部16の近傍領域において光電変換で生成された電子を、電荷蓄積部16に蓄積させるようにすることもできる。さらに、熱によって発生する熱電子を電荷蓄積部16に蓄積させるようにすることもできる。
その他の構成は、前述の図7と同様であるので、対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
第7実施の形態では、図13Bのポテンシャル分布図に示すように、欠陥からの電子、あるいは短波長の光入射により光電変換した電子・正孔対のうちの電子、あるいは基板表面中の発生した熱電子、本例では欠陥から発生した電子e′が電荷蓄積部16におけるポテンシャルディップ(電子に対するポテンシャルディップ)12に蓄積される。常時、ポテンシャルディップ12は電子e′で満たされている。
受光時、光電変換部8であるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち信号電荷となる電子eは、不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに蓄積される。同時に光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層15におけるポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調されて低くなる。電荷蓄積部16に蓄積されていた電子e′の一部は、変調されたポテンシャルバリアφaを越えて光電変換部8の電荷蓄積領域6aへ供給される。光電変換部8では、光電変換された電子eに、電荷蓄積部16からの電子e′が加算され、信号電荷量が増加する。
第7実施の形態に係る画素の受光領域54によれば、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域54は、電荷蓄積部16が基板厚み方向の中間に形成されているので、特に、緑の波長光に対する感度が向上する。
図14に、本発明に係る画素の受光領域の第8実施の形態を示す。本実施の形態に係る画素の受光領域55は、前述の図2の基板深部のn型電荷蓄積部4と、図7の基板表面側のn型の電荷蓄積部16を有して構成される。すなわち、この受光領域55は、光電変換部8の高不純物濃度のn型の電荷蓄積領域6aを有するn型半導体層6を挟んで、光入射側とその反対側、つまり、基板表面側と基板深部側の双方にn型の電荷蓄積部15及び4を形成して構成される。基板表面側の電荷蓄積部16は、光電変換部8のn型の電荷蓄積領域6a上に形成したp型半導体層15に局部的に形成される。基板最表面にはp型半導体層(いわゆるp+アキュミュレーション層)7が形成され、その上に絶縁膜10が形成される。
図示しないが、基板深部の電荷蓄積部4の近傍、及び基板表面側の電荷蓄積部16の近傍部には、欠陥を形成して置くことが好ましい。なお、欠陥を設けなくても、受光時の波長の短い光及び波長の長い光で、電荷蓄積部16及び4の近傍領域においてそれぞれ光電変換で生成された電子を、電荷蓄積部16及び4に蓄積させるようにすることもできる。さらに、熱によって発生する熱電子を電荷蓄積部16及び4に蓄積させるようにすることもできる。
その他の構成は、図2及び図7と同様であるので、対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
第8実施の形態に係る画素の受光領域55では、前述と同様に、常時、電荷蓄積部4及び16に電子e′が蓄積される。受光時、光電変換部8であるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち信号電荷となる電子eは、不純物濃度の大きいn型の電荷蓄積領域6aに蓄積される。同時に基板中間部及び基板深部で光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層5におけるポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調して低くなる。また、基板表面側で光電変換された電子・正孔対のうちの正孔hが、p型半導体層15におけるポテンシャルディップ(正孔に対するポテンシャルディップ)13に蓄積され、変調ポテンシャルバリアφaが変調されて低くなる。これによりそれぞれの電荷蓄積部4及び16に蓄積されていた電子e′の一部は、それぞれp型半導体層5、15における変調されたポテンシャルバリアφaを越えて光電変換部8の電荷蓄積領域6aへ供給される。光電変換部8では、光電変換された電子eに、電荷蓄積部4、16からの電子e′が加算され、信号電荷量が増加する。
この受光領域55では、基板深部の電荷蓄積部4の電子e′は、主として赤、緑の波長光が入射したときに光電変換部8へ供給され、基板表面側の電荷蓄積部16の電子e′は、主として青の波長光が入射したときに光電変換部8へ供給される。
第8実施の形態に係る画素の受光領域55によれば、光電変換で生成された電子・正孔対のうちの電子eに、正孔hにより供給される電子e′が加算されることにより、画素面積の微細化に伴い受光面積が小さくなっても、感度を向上することができる。この受光領域55は、電荷蓄積部16が基板深部及び基板表面側の双方に形成されているので、特に、赤、緑及び青の波長光に対する感度を向上することができる。
上述した図7〜図14に示す第2〜第8実施の形態に係る受光領域51〜57は、前述したCMOS固体撮像装置21における画素2の受光領域に適用することができる。すなわち、図6の実施の形態に係るCMOS固体撮像装置21において、その受光領域31を図7〜図14の受光領域51〜57のいずれかの受光領域に置き換えて構成することができる。
一方、例えば図1の受光領域を適用した本実施の形態に係るCMOS固体撮像装置21においては、電荷蓄積部34に蓄積されている電子e′を、光電変換部8であるフォトダイオードPDの信号電荷(電子)eのリセットと同時にリセットし、受光期間で再び電荷蓄積部34に電子e′を蓄積するようになせば、飽和信号電荷量(Qs)を向上し、ダイナミックレンジ(いわゆる階調)を大きくすることが可能になる。図15にその実施の形態を示す。
図15は、図6に示すCMOS固体撮像装置における受光領域31と同様の構成を採る受光領域のポテンシャル分布図である。実線のポテンシャル分布は、変調ポテンシャルバリアφaが光電変換により生成した正孔hによりφa′に変調した状態である。n型半導体基板32には、例えば0Vあるいは1.8Vの電圧が印加されて基板側ポテンシャルバリアφbが設定されている。
リセット時に、光電変換部8の電荷蓄積領域6aに蓄積された信号電荷e+e′をリセットしたとき、同時に半導体基板32に例えば2.7Vを印加して破線で示すように、基板側ポテンシャルバリアφbを消滅して電荷蓄積部34の電子e′の全てを半導体基板32側に排出する。その後、半導体基板32の基板電位を0Vあるいは1.8Vに戻して、基板側ポテンシャルバリアφbを形成する。
このような構成とすることにより、光電変換部8での飽和電荷量(Qs)は、電荷蓄積部34での蓄積電荷量が加算されるので増大する。従って感度の向上と共に、飽和電荷量(Qs)を向上することができる。
次に、図16〜図17を用いて、図6に示す受光領域31を含む画素22を有するCMOS固体撮像装置21の製造方法の一実施の形態について説明する。本実施の形態の製造方法は、後述する微細画素の製造に適した製造方法を一部用いている。なお、図16〜図17は、説明の簡略化のため、受光領域と画素分離領域のみを示し、画素トランジスタを省略した模式図である。
先ず、図16Aに示すように、n型の半導体基板32の表面に、イオン注入により基板側ポテンシャルバリア層となるp型半導体層33を形成する。
次に、図16Bに示すように、p型半導体層33の表面に、電荷蓄積部34を形成するためのn型種ドーパント61と、画素分離領域39を形成するためのp型種ドーパント62と、変調ポテンシャルバリア層となるp型半導体層35を形成するためのp型種ドーパント63を、それぞれ選択的にイオン注入する。このとき、各種ドーパント61、62、63は、拡散係数を考慮して選択される。
次に、図16Cに示すように、P型半導体層33上にエピタキシャル層64を成長させる。このエピタキシャル成長と同時に各種ドーパント61、62、63がエピタキシャル層64中に拡散して電荷蓄積部34、画素分離領域39の一部となる下部画素分離領域39A、及びp型半導体層35が形成される。
次に、図17Dに示すように、エピタキシャル層64の上面からイオン注入によりp型ドーパント及びn型ドーパントを選択的にイオン注入し、熱処理して下部画素分離領域39Aに達する上部画素分離領域39Bを形成し、各電荷蓄積部34に対応する位置にp型半導体層35に接する光電変換部8を構成する電荷蓄積領域36aを含むn型半導体層36を形成する。下部画素分離領域39A及び上部画素分離領域39Bにより画素分離領域39が形成される。同時に、画素分離領域の各画素毎に分離された、変調ポテンシャルバリア層となるp型半導体層35及び光電変換部8を構成するn型半導体層36が形成される。
次に、図17Eに示すように、エピタキシャル層64の表面にp+アキュミュレーション層となるp型半導体層37を形成する。このようにして、各画素毎の受光領域31を形成する。
その後は、画素トランジスタ、多層配線層、オンチップカラーフィルタ及びオンチップレンズ等を形成してCMOS固体撮像装置を得る。
電荷蓄積部34であるn型半導体層のp型半導体層33に接する側の領域、光電変換部38のn型半導体層36のp型半導体層35に接す側の領域は、p型不純物の濃度を制御することで、p型不純物によりn型濃度を打ち消して低濃度化することができる(図1Aの濃度分布参照)。これら各半導体層の不純物濃度分布は、拡散係数を考慮した不純物の選択、イオン注入のドーズ量、イオン注入の飛程距離Rpをコントロールすることにより可能である。
微細画素化するに伴って受光面積が小さくなると、レジストマスクのアスペクト比が大きくなり、深さ方向にn型半導体層、p型半導体層が繰り返えされる多層構造を上面からのイオン注入で形成することが困難になる。本実施の形態に係る図16及び図17の製造方法によれば、半導体基板32に形成したp型半導体層33の表面側に、それぞれn型種ドーパント61、p型種ドーパント62、63をイオン注入して置き、エピタキシャル成長したときに同時にエピタキシャル層64中に下から拡散して電荷蓄積部34、画素分離領域39A、p型半導体層35を形成する。その後、エピタキシャル層64の表面からn型ドーパント、p型ドーパントを選択的にイオン注入し、熱処理して画素分離領域39B、光電変換部8のn型半導体層36、p型半導体層37を形成するようにしている。これにより、エピタキシャル層の上面からのイオン注入の打ち込むエネルギーの低減が可能になると共に、確実にn型半導体層、p型半導体層の繰り返し多層構造を形成することができる。
更に、光電変換部8の深さを拡大する場合、あるいは上面からのイオン注入の打ち込みエネルギーを低減するには、図15に示すように、下地半導体層にn型種ドーパント、p型種ドーパントをイオン注入し、エピタキシャル成長する工程を繰り返すことに可能になる。
すなわち、図17Dの工程のあと、図18Aに示すように、第1のエピタキシャル層64におけるn型半導体層36A及び画素分離領域39Bの表面に、それぞれn型種ドーパント65、p型種ドーパント66をイオン注入する。
次に、図18Bに示すように、第2のエピタキシャル層67を成長させ、第2のエピタキシャル層67中に第1のエピタキシャル層64のn型半導体層36A及び画素分離領域39Bに連続するn型半導体層36B及びp型の画素分離領域39Cを形成する。
その後、図18Cに示すように、第2のエピタキシャル層67の表面にp+アキュミュレーション層となるp型半導体層37をイオン注入により形成する。
本実施形態に係るCMOS固体撮像装置の製造方法によれば、半導体基板の深部に濃度プロファイルの半導体層を形成することができる。また、深部に欠陥を形成することが出来る。従って、微細画素で且つ多層半導体構造の本実施形態のCMOS固体撮像装置を製造することができる。
上述の各実施の形態におけるCMOS固体撮像装置及び製造方法においては,サブストレートとしてn型半導体基板を用いたが,p型半導体基板を用いることができる。また。n型半導体基板にp型半導体ウェル領域を形成した基板を用いたが、p型半導体基板にp型半導体ウェル領域を形成した基板を用いて構成することもできる。
上述の各実施形態に係る受光領域は、光を多層配線層を有する基板表面側より入射するようにした表面照射型のCMOS固体撮像装置に適用したが、その他、光を多層配線層とは反対側の基板裏面側から入射する裏面照射型のCMOS固体撮像装置にも適用できる。裏面照射型のCMOS固体撮像装置に上述の各実施の形態の受光領域を適用する場合には、各実施の形態における裏面側のn型の半導体基板2が省略された構成となる。
前述した第1実施の形態〜第8実施の形態に係る画素の受光領域1、51〜57は、CCD固体撮像装置(イメージセンサ)の受光領域に適用することもできる。図19に、CCD固体撮像装置に適用した本発明の実施の形態の要部を示す。
本実施の形態に係るCCD固体撮像装置71は、撮像領域にマトリックス状に配列された複数の受光領域と、各受光領域列に対応するCCD構造の垂直転送レジスタとを有して構成される。撮像領域では、図16に示すように、第1導電型である例えばn型半導体基板72に第2導電型のp型の半導体ウェル領域73が形成され、このp型半導体ウェル領域73に、例えば第1実施の形態の受光領域1と、垂直転送レジスタ74のn型の転送チャネル領域75が形成されて成る。
受光領域1は、p型半導体ウェル領域73にn型の電荷蓄積部4と、変調ポテンシャルバリアφaを形成するp型半導体層5と、光電変換部8となり表面側に不純物濃度の大きい電荷蓄積領域6aを有するn型半導体層6と、p型半導体層(p+アキュミュレーション層)10とを有して構成される。n型転送チャネル領域75上には読出し領域76にわたりゲート絶縁膜78を介して転送電極77が形成される。受光領域1の読出し領域76とは反対側には、画素分離のためのp型のチャネルストップ領域79が形成される。さらに、n型転送チャネル領域75の下部にp型の半導体ウェル領域80が形成される。
なお、図示しないが、層間絶縁膜を介して受光領域を除く全面上に遮光膜が形成され、さらに平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ、オンチップマイクロレンズが積層される。
このCCD固体撮像装置71では、p型半導体ウェル領域73がオーバーフローコントロール領域となり、余剰電荷を基板72側に排出する縦型オーバーフロードレイン方式に構成される。このp型半導体ウェル領域73が、前述の固定の基板側ポテンシャルバリアφbとして構成される。
本実施の形態に係るCCD固体撮像装置71においても、前述したように、例えば基板深部に形成した欠陥からの電子e′が、常時、n型の電荷蓄積部4に蓄積される。受光時、光電変換部となるフォトダイオードPDで光電変換された電子・正孔対のうち、信号電荷となる電子eが電荷蓄積領域6aに蓄積され、同時に正孔によりp半導体層5の変調ポテンシャルバリアφaを変調し、n型電荷蓄積部4の電子e′の一部がフォトダイオードPDの電荷蓄積領域6aに供給される。これにより、画素面積が微細化されても、電荷蓄積領域6aに蓄積される信号電荷量が増し、感度を向上することができる。
CCD固体撮像装置では、半導体基板72の基板電位を制御して、電子シャッタなどを行うようにしている。従って、フォトダイオードPDの信号電荷e+e′を読出し領域76を介して垂直転送レジスタ74に読み出すと同時に、基板電位を制御して電荷蓄積部4の電子e′をリセットするようになせば、フォトダイオードPDにおける飽和電荷量(Qs)を大きくすることもできる。
次に、固体撮像装置の特に画素を構成する光電変換部及び画素分離領域の製造方法について説明する。
CMOSイメージセンサあるいはCCDイメージセンサ等の固体撮像装置において、画素の微細化に伴い光電変換部であるフォトダイオードのアスペクト比が増大する傾向になる。このようなアスペクト比の増大したフォトダイオードを基板上面側からのイオン注入で形成する場合、レジストマスクのアスペクト比(厚さ/開口の比)が大きくなり、レジストマスクの形成が困難になる。また、イオン注入の注入加速エネルギーも大きくなる。深いところにイオン注入した場合、イオン注入領域がブロードになる。画素分離領域も深いイオン注入ではイオン注入領域がブロードになる。このため、深い位置まで正確にフォトダイオードを形成することが困難になる。さらにフォトダイオードとフォトダイオードの間の画素分離領域も狭くなるので、画素分離領域の形成も困難になる。
図20A,Bに、画素を微細化して行った場合のフォトダイオードと画素分離領域の状況を示す。フォトダイオードの場合、レジストマスク91のアスペクト比(厚さT:開口幅Wの比)が、例えば10.5:1としたとき、イオン注入で形成したフォトダイオードの拡散層92の形状は、図20Aに示すように、望ましくない形状になる。また、画素分離領域の場合、レジストマスク93のアスペクト比(厚さT:開口幅Wの比)が、例えば21:1としたとき、イオン注入で形成した画素分離領域94の形状は、図20Bに示すように、望ましくない形状になる。
図21を参照して、この点を改善した製造方法を説明する。
先ず、図21Aに示すように、n型又はp型、本例ではn型のシリコン半導体基板101にp型の半導体ウェル領域102を形成し、このp型半導体ウェル領域102に画素分離領域を形成するためのp型ドーパント103と、フォトダイオードのn型半導体層を形成するためのn型ドーパント104をイオン注入する。これらのドーパント102、103、104は、拡散係数の違いを考慮して飛程距離Rpの深さを変化させてもよい。
なお、基板101としてp型のシリコン基板を用い、このp型半導体基板101にp型の半導体ウェル領域102を形成した基板を用いることもできる。
次に、図21Bに示すように、p型半導体ウェル領域102上にエピタキシャル層105を成長させる。このエピタキシャル成長時にn型ドーパント104、p型ドーパント103がエピタキシャル層105中に固溶拡散する。
次に、図21Cに示すように、エピタキシャル層105の成長が終了する。このとき、n型ドーパント104の固溶拡散、p型ドーパント103の固溶拡散をエピタキシャル層105の界面まで伸ばすか、伸ばさないかは、ドーパント104、103のイオン注入条件で決定する。これにより、フォトダイオードのn型半導体層204及びp型の画素分離領域203が形成される。
次に、図21Dに示すように、エピタキシャル成長後に、エピタキシャル層105の上面からイオン注入を継ぎ足して、n型半導体層204に重なるn型半導体層204′、p型の画素分離領域203に重なるp型半導体層203′を形成する。なお、フォトダイオードにおけるエピタキシャル層上面からのイオン注入の継ぎ足しは、例えば画素トランジスタのゲート電極を形成した後に行うのが好ましい。
エピタキシャル成長後にアニールが施される。エピタキシャル成長温度、水素アニール温度は、1000℃程度で、ドーパントは固溶拡散する。
上述の製造方法によれば、エピタキシャル成長前に半導体基板101のp型半導体ウェル領域102にフォトダイオード、画素分離領域を形成するためのドーパントをイオン注入して置き、エピタキシャル成長後に、アニールしてエピタキシャル層中にドーパントを拡散する。このエピタキシャル層の堆積、ドーパントのイオン注入、エピタキシャル層の堆積を繰り返し、最終エピタキシャル層の上面からイオン注入を継ぎ足すことにより、必要なアスペクト比でイオン注入することができ、微細画素でもフォトダイオード、及び画素分離領域を形成することができる。
エピタキシャル層の堆積温度、水素アニール温度を1000℃程度で固溶拡散してフォトダイオードを形成するため、イオン注入回数も低減でき、注入ダメージによる白点の発生を低減できる。エピタキシャル層の上面からのイオン注入の継ぎ足す場合、レジストマスクの膜厚を薄くでき、イオン注入の加速エネルギーも表面付近の打ち込むエネルギーで済み、継ぎ足す拡散領域のアスペクト比は低減する。
センサー(フォトダイオード)注入のエネルギーを低加速化できるため、微細画素が形成できる。イオン注入でセンサーを形成しないため、注入欠陥が低減でき、非常に微小白点の少ないセンサーが形成可能になる。
上述の各実施の形態では、光電変換で生成された電子・正孔対のうち、電子を信号電荷として光電変換部に蓄積し、電荷蓄積部に蓄積する電荷を電子とし、変調ポテンシャルバリアを電子・正孔対のうち、正孔で変調するように構成した。その他の構成としては、光電変換で生成された電子・正孔対のうち、正孔を信号電荷とし、電荷蓄積部に蓄積する電荷を正孔とし、変調ポテンシャルバリアを電子・正孔対のうち、電子で変調するように構成することもできる。この場合には、上述の各実施の形態の受光領域において、各半導体層の導電型を逆の導電型にすることにより構成することができる。
図22に、上述した本発明に係る固体撮像装置を備えたカメラの概略構成を示す。本実施形態に係るカメラ121は、上述したCMOS固体撮像装置21、CCD固体撮像装置71、その他の各実施形態の受光領域を備えた固体撮像装置等、本発明に係る固体撮像装置122と、光学系123と、信号処理回路124とを有する。
光学系123は、被写体から像光(入射光)を固体撮像装置122の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置122における画素の受光領域において、入射光量に応じた信号電荷(電子e+e′)が光電変換部に蓄積される。
信号処理回路124は、固体撮像装置122の出力信号に対して種々の信号処理を施して映像信号として出力する。
本実施形態に係る固体撮像装置を備えたカメラによれば、画素が微細化されても高感度のカメラを実現することができる。また、ダイナミックレンジをも向上したカメラを実現することも可能である。
1・・画素の受光領域、2・・n型半導体基板、3・・p型半導体層、4・・電荷蓄積部、5・・p型半導体層、6・・n型半導体層、6a・・電荷蓄積領域、7・・p型半導体層、8・・光電変換部、・・画素分離領域、15・・p型半導体層、16・・n型半導体層、21・・CMOS固体撮像装置、22・・画素、23・・撮像領域、24・・垂直駆動回路、25・・カラム信号処理回路、26・・水平駆動回路、27・・出力回路、28・・制御回路、31・・受光領域、32・・n型半導体基板、33・・p型半導体ウェル領域、34・・電荷蓄積部、35・・p型半導体層、36・・n型半導体層、36a・・電荷蓄積領域、37・・p型半導体層、38・・光電変換部、39・・画素分離領域、40・・ゲート絶縁膜、43・・ゲート電極、112・・転送トランジスタ、51〜57・・受光領域