本発明は、表示装置に用いる光吸収性樹脂および光吸収性樹脂を合成するための組成物に関する。また、光吸収性樹脂を用いた表示装置に関する。
近年、液晶表示装置(LCD)や発光装置に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)は、これまでのCRTに替わる表示装置として注目を集めている。特にアクティブマトリクス駆動の大型表示パネルを搭載した大画面テレビジョン装置の開発は、パネルメーカーにとって注力すべき重要な課題になっている。
発光装置の構造の一例として、上面発光構造の発光装置の一部断面図を図2に示す。図2において、発光物質を含む層25から出た光は、第1の電極23により反射され、第2の電極24側から外部に取り出される。
図2の構造において、発光領域間を分離する隔壁28は酸化シリコンやポリイミド樹脂等の十分な光吸収性を持たない光透過性材料が用いられてきた。このため、発光素子22の横からの発光や外光は隔壁28を透過し、隔壁の下に位置する配線27や、トランジスタ21まで届いてしまう。特にトランジスタに光が照射されてしまうと、トランジスタの電気特性に影響が出たり、劣化の原因となる。
また、発光領域が非発光の状態の場合、外光が第1の電極で反射されるため、コントラストが低下してしまっていた。
これらの問題を解決するため、発光領域間を分離する隔壁に、光吸収層を積層される構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、発光領域を分離する絶縁膜上に光吸収層として酸化クロム膜や、黒色顔料を分散させた感光性樹脂材料層を形成する構造が記載されている。
特開2003−17272号公報
しかし、これらの光吸収層として用いるためには、光吸収性や遮光性が高いこと以外に、耐熱性等の性質が要求される。これらの性質を備えた材料は、現状ではまだそれほど多くはない。
従って、本発明は、光吸収性や遮光性、耐熱性に優れた光吸収性樹脂および光吸収性樹脂を得るための光吸収性樹脂用組成物を提供することを目的とする。また、光吸収性樹脂を用いた表示装置を提供することを目的とする。
本発明の光吸収性シロキサン組成物は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤とを含み、粘度が1mPa・s〜300mPa・sであることを特徴とする。
また、本発明の別の構成として、本発明の光吸収性ポリイミド組成物は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤とを含み、粘度が5mPa・s〜800mPa・sであることを特徴とする。
なお、複数種の分散剤はそれぞれ異なるアミン価を持つことを特徴とする。
また、顔料として、具体的にはチタンブラックが挙げられる。
また、本発明の光吸収性樹脂は、上記の光吸収性シロキサン組成物または光吸収性ポリイミド組成物を焼成して得られた光吸収性樹脂であることを特徴とする。
つまり、本発明の光吸収性樹脂は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤と、樹脂材料とを含み、光透過率が3%以下であることを特徴とする。
上記構成において、樹脂材料は、ポリイミド樹脂またはシロキサン樹脂であることを特徴とする。
また、顔料として、具体的にはチタンブラックが挙げられる。
また、本発明の光吸収性樹脂は、光吸収性、遮光性に優れているため、表示装置に隔壁に用いることが好適である。
よって、本発明の表示装置は、トランジスタと、トランジスタに接続された第1の電極と、第1の電極に接する発光物質を含む層と、発光物質を含む層に接する第2の電極とを有する画素を複数備え、第1の電極は隔壁によって、各画素ごとに電気的に分断されており、隔壁は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤と、樹脂材料とを含み、光透過率が3%以下の光吸収性樹脂で構成されていることを特徴とする。
上記構成において、樹脂材料は、ポリイミド樹脂またはシロキサン樹脂であることを特徴とする。
また、上記構成において、隔壁は、本発明の光吸収性樹脂材料と、他の材料との積層構造であってもよい。
つまり、本発明の表示装置は、トランジスタと、トランジスタに接続された第1の電極と、第1の電極に接する発光物質を含む層と、発光物質を含む層に接する第2の電極とを有する画素を複数備え、第1の電極は隔壁によって、各画素ごとに電気的に分断されており、隔壁は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤と、樹脂材料とを含み、光透過率が3%以下の光吸収性樹脂と他の材料との積層体であることを特徴とする。
また、隔壁を積層構造とした場合、本発明の光吸収性樹脂と、他の材料は、同じ樹脂材料を含むようにすると密着性が向上するため好ましい。
よって、本発明の表示装置は、トランジスタと、トランジスタに接続された第1の電極と、第1の電極に接する発光物質を含む層と、発光物質を含む層に接する第2の電極とを有する画素を複数備え、第1の電極は隔壁によって、各画素ごとに電気的に分断されており、隔壁は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤と、シロキサン樹脂とを含む光透過率が3%以下の光吸収性樹脂と、シロキサン樹脂との積層体であることを特徴とする。
また、本発明の表示装置は、トランジスタと、トランジスタに接続された第1の電極と、第1の電極に接する発光物質を含む層と、発光物質を含む層に接する第2の電極とを有する画素を複数備え、第1の電極は隔壁によって、各画素ごとに電気的に分断されており、隔壁は、平均粒径が50nm〜1μmで窒素と酸素とチタンとを含む顔料と、複数種の分散剤と、ポリイミド樹脂とを含む光透過率が3%以下の光吸収性樹脂と、ポリイミド樹脂との積層体であることを特徴とする。
また、本発明に光吸収性樹脂は、表示装置のカラーフィルターに用いることもできる。より具体的には、各着色層を分離するブラックマトリクスとして用いることができる。
本発明の表示装置は、本発明の光吸収性樹脂を有するカラーフィルタを備えたことを特徴とする。
上記構成において、カラーフィルターは光吸収性樹脂により各着色層が分離されていることを特徴とする。
本発明の光吸収性樹脂は、光吸収性や遮光性に優れているため、発光装置の隔壁として用いることによってトランジスタへの光の照射を防ぐことが可能となり、トランジスタの電気特性への変化やトランジスタの劣化を防ぐことができる。また、外光の反射による発光装置のコントラストの低下を抑制することが可能となる。
また、本発明の光吸収性樹脂は、高い耐熱性を有するため、表示装置に用いた場合、後の工程における熱処理に耐えることができる。
本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記述内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の本発明の光吸収性シロキサン組成物および光吸収性ポリイミド組成物、並びに光吸収性樹脂について説明する。なお、本明細書中では、本発明の光吸収性シロキサン組成物と光吸収性ポリイミド組成物とをあわせて光吸収性樹脂用組成物という。
本発明の光吸収性シロキサン組成物は、酸素と窒素とチタンを含む顔料と、複数種の分散剤とを含み、粘度が1mPa・s〜300mPa・sであることを特徴とする。粘度が1mPa・s〜300mPa・sであることにより、顔料の分散状態が良好となり、本発明の光吸収性シロキサン組成物を塗布し、焼成した場合に、ピンホールの発生や顔料の濃淡ムラ等を抑制することができる。
また、本発明の光吸収性ポリイミド組成物は、酸素と窒素とチタンを含む顔料と、複数種の分散剤とを含み、粘度が5mPa・s〜800mPa・sであることを特徴とする。粘度が5mPa・s〜800mPa・sであることにより、顔料の分散状態が良好となり、本発明の光吸収性ポリイミド組成物を塗布し、焼成した場合に、ピンホールの発生や顔料の濃淡ムラ等を抑制することができる。
なお、粘度が高すぎると、塗布する際に膜厚を調整しにくくなり、焼成した後、ピンホールが多数発生してしまう。また、粘度が低すぎると、顔料の分散状態が悪くなり、多数の凝集体が形成されてしまう。
また複数種の分散剤を含むことにより、顔料の表面状態に合うようにアミン価を調整することが可能となる。より具体的には、酸性顔料を用いた場合には、アミン価が大きい分散剤を多く用い、塩基性顔料を用いた場合には、アミン価が小さい分散剤を多く用いる。このように顔料の表面状態にあうように分散剤を調整することにより、顔料の分散状態が良好となり、本発明の光吸収性樹脂用組成物を焼成し、光吸収性樹脂を合成したときに、ピンホールの発生や顔料の濃淡ムラ等を抑制することができる。
また、顔料としては、酸素と窒素とチタンを含んでおり、粒径が50nm〜1μmであることが好ましい。粒径が大きすぎるとうまく分散されず、焼成した場合にピンホールが多数発生してしまう。
また、本発明の光吸収性樹脂用組成物を焼成することにより、光吸収性樹脂を得ることができる。本発明の光吸収性樹脂は、反射率、透過率が低く、優れた光吸収性を有する。
また、本発明の光吸収性樹脂は、耐熱性の高いシロキサン樹脂およびポリイミド樹脂を材料として用いており、本発明の光吸収性樹脂は高い耐熱性を有する。
(実施の形態2)
本発明の光吸収性樹脂を発光装置に用いた場合について、図1を用いて説明する。
図1において、点線で囲まれているのは、発光素子12を駆動するために設けられているトランジスタ11である。発光素子12は、第1の電極13と第2の電極14との間に発光物質を含む層15を有する。トランジスタ11のドレインと第1の電極13とは、第1層間絶縁膜16(16a、16b、16c)を貫通している配線17によって電気的に接続されている。また、発光素子12は、隔壁18によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明の発光装置は、本形態において、基板10上に設けられている。
なお、図1に示されたトランジスタ11は、半導体層を中心として基板と逆側にゲート電極が設けられたトップゲート型のものである。ただし、トランジスタ11の構造については、特に限定はなく、例えばボトムゲート型のものでもよい。またボトムゲートの場合には、チャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でもよいし、あるいはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ型)でもよい。
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでもよい。また、セミアモルファス等でもよい。
なお、セミアモルファスな半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含まれている。いわゆる微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成され、珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可能である。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲、圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzとすると良い。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃とすると良い。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。なお、セミアモルファスなものを有する半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の移動度はおよそ1〜10m2/Vsecとなる。
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性のシリコン、あるいはシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって形成されたものでもよい。
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成するトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置であることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよい。
また、第1層間絶縁膜16は、図1(A)、(C)に示すように多層でもよいし、または単層でもよい。なお、16aは酸化シリコンや窒化シリコンのような無機物から成り、16bはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化シリコン等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、16cはアルゴン(Ar)を含む窒化シリコン膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
隔壁18は、本発明の光吸収性樹脂で形成されている。具体的には、本発明の光吸収性シロキサン樹脂、または、光吸収性ポリイミド樹脂で形成されている。本発明の光吸収性樹脂を用いることにより、光吸収性、遮光性、耐熱性に優れた隔壁を形成することができる。それにより、配線やトランジスタへの光の照射を防ぐことができ、トランジスタの電気的特性の変化や劣化、発光装置のコントラスト低下を抑制することができる。
また、本発明の光吸収性樹脂は高い耐熱性を有するため、隔壁を形成した後の工程における熱処理に耐えることができる。よって熱処理による不良の発生が抑制され、歩止まりが向上するという効果も得られる。
また、本発明の光吸収性樹脂は、良好な光吸収性、遮光性、耐熱性および絶縁性を有しているため、図1で示すように、本発明の光吸収性樹脂の単層で隔壁を形成することが可能である。隔壁を単層で形成する場合、工程を簡略化することができる。
なお、隔壁は、本発明の光吸収性樹脂と、他の材料との積層構造としてもよい。他の材料としては公知の材料を用いることができる。本発明の光吸収性樹脂は良好な光吸収性、遮光性を有しているため、例えば透光性を有する樹脂を積層した場合でも、十分な光吸収性および遮光性を得ることができる。
また、光吸収性樹脂を平滑な表面を得ることができる材料で覆うことによって、隔壁の表面をより平滑にすることも可能である。隔壁の表面をより平滑にすることで、隔壁上に形成される発光物質を含む層15および第2の電極14を平滑な表面上に形成することができ、第1の電極13と第2の電極14とが短絡することを防止することができる。
なお、本発明の光吸収性樹脂は、高い耐熱性を有しているため、積層する材料も高い耐熱性を有していることが好ましい。
また、隔壁を積層構造とした場合、本発明の光吸収性樹脂と、他の材料は、同じ樹脂材料を含むようにすることが好ましい。つまり、光吸収性シロキサン樹脂とシロキサン樹脂を積層させる、または光吸収性ポリイミド樹脂とポリイミド樹脂とを積層させることにより、密着性を向上させることができる。
また、隔壁18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ましい。曲率半径が連続的に変化する形状とすることにより、上に形成される発光物質を含む層15や第2の電極14の被覆性を向上させることができる。
なお、図1(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素子12の間に設けられた構成であるが、図1(B)のように、第1層間絶縁膜16(16a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(19a、19b)が設けられた構成のものであってもよい。図1(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜19を貫通し、配線17と接続している。
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層でもよい。19aはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化シリコン等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化シリコン膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第2層間絶縁膜19は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
また、発光素子12は、第1の電極13と第2の電極14との間に、発光物質を含む層15を有する。発光物質を含む層15は、公知の材料を用いることができ、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。なお、発光物質を含む層を形成する材料には、有機化合物材料のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。また、発光物質を含む層は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、発光層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成されるが、単層で構成してもよいし、複数の層を積層させた構成としてもよい。
また、発光物質を含む層15に含まれる発光物質は、一重項励起発光材料のほか、三重項励起発光材料を用いてもよい。三重項励起発光材料の一例としては、金属錯体を金属ドーパントとして用いたものがあり、第三遷移系列元素である白金を中心金属とする金属錯体、イリジウムを中心金属とする金属錯体などが知られている。なお、三重項励起発光材料としては、これらの化合物に限られることはなく、中心金属に周期表の8〜10属に属する元素を有する化合物を用いることも可能である。
また、発光素子12において、第1の電極および第2の電極がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、図1(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極14のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図1(B)の白抜きの矢印で表されるように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図1(C)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設けられていることが好ましい。
また、発光素子12は、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が高くなるように電圧を印加したときに動作するように発光物質を含む層15が形成されていてもよいし、あるいは、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が低くなるように電圧を印加したときに動作するように発光物質を含む層15が形成されていてもよい。前者の場合、トランジスタ11はNチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はPチャネル型トランジスタである。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブ型の発光装置について説明したが、この他、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブ型の発光装置であってもよい。パッシブ型の発光装置においても、本発明の光吸収性樹脂を用いて隔壁を形成することによって、トランジスタの特性変化や劣化、発光装置のコントラストの低下等を防止することができる。したがって、コントラストに優れ、信頼性が高く、長寿命である発光装置を提供することが可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の光吸収性樹脂をカラーフィルター用ブラックマトリクスとして用いた場合について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、基板1800上にトランジスタ1801が形成され、トランジスタ1801と第1の電極1803は電気的に接続されている。そして、第1の電極1803と第2の電極1805とで発光物質を含む層1804が挟まれているところが発光素子となる。本実施例における発光物質を含む層1804は、白色光を発光する。そして、発光素子の上部に赤色のカラーフィルター1806R、緑色のカラーフィルター1806G、青色のカラーフィルター1806Bを設けられており、フルカラー表示を行うことができる。また、これらのカラーフィルターを隔離するブラックマトリクス(BMともいう)1807が設けられている。また、第1の電極1803の端部は、本発明の光吸収性樹脂からなる隔壁1808により覆われている。この隔壁1808により各発光素子は分離されており、それぞれ独立に発光することが可能である。
本発明の光吸収性樹脂は、カラーフィルター用ブラックマトリクスとしても適用することができる。本発明の光吸収性樹脂は、光吸収性、遮光性に優れているため、カラーフィルター用ブラックマトリクスとして用いることで、よりコントラストに優れた表示装置を提供することが可能となる。
また、本実施の形態では、発光装置のカラーフィルターに本発明の光吸収性樹脂を適用した場合について説明したが、これに限らず、液晶表示装置のカラーフィルターにも適用することができる。また、バックライトとして発光装置を用いた液晶表示装置についても適用することが可能である。
本実施例では、シロキサン樹脂を用いた光吸収性シロキサン組成物および光吸収性シロキサン樹脂について具体的に説明する。
本実施例では、シロキサン樹脂としてPSB−K31(東レ製)を用いた場合について説明する。
シロキサン樹脂PSB−K31(東レ製)11.7gに、チタンブラック(三菱マテリアル製)を3.0g(15質量%)、分散剤としてアジスパーPB−711(味の素ファインテクノ製)を3.8g(7.6質量%)、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ製)を1.5g(7.5質量%)加えた後、直径4mmのボールミルを65g加え、分散処理を行った。具体的には、18分間撹拌した後、超音波処理を30分間行った。その後、濾過によりボールミルを除去した。
なお、この光吸収性シロキサン組成物の粘度をVISCOMATE粘度計 Model VM−1G−L(CBCマテリアルズ株式会社製)を用いて測定したところ、20.1℃における粘度は60mPa・sであった。
その後、光吸収性シロキサン組成物を350℃で1時間焼成し、本発明の光吸収性ポリイミド樹脂を得た。
得られた光吸収性樹脂は、ピンホールが少なく、顔料の分散状態を良好であった。また、顔料の濃淡ムラもなく、十分な光吸収性や遮光性を有することが確認できた。
本実施例では、ポリイミド樹脂を用いた光吸収性ポリイミド組成物および光吸収性ポリイミド樹脂について説明する。
本実施例では、ポリイミド樹脂としてSE7492(062M)(日産化学製)を用いた場合について説明する。
ポリイミド樹脂SE7492(062M)14.5gに、分散剤としてアジスパーPB−711を2.5g(5.0質量%)、アジスパーPB−821を1.0g(5.0質量%)加えた後、直径2mmのアルミナ製のボールミルを80g加え、18分間撹拌した。その後、濾過によりボールミルを除去した。
なお、この光吸収性ポリイミド組成物の粘度をVISCOMATE粘度計 Model VM−1G−L(CBCマテリアルズ株式会社製)を用いて測定したところ、20.1℃における粘度は200mPa・sであった。
次に、この光吸収性ポリイミド組成物をスピン成膜(3000rpm)した。膜厚は約1.8μmとなり、その後280℃で1時間焼成し、本発明の光吸収性ポリイミド樹脂を得た。
本発明の光吸収性樹脂の透光性について測定した。図5に実施例2で作製した光吸収性樹脂の透過率の加熱による変化を測定した結果を示した。具体的には、本発明の光吸収性ポリイミド樹脂を300℃で1時間加熱した前後の透過スペクトルを測定した。
図5からわかるように、本発明の光吸収性樹脂の透過率は0〜3%程度であり、良好な遮光性を有している。また、加熱の前後におけるスペクトルの変化はほとんどなく、加熱処理をした後も良好な遮光性を保っている。つまり、加熱処理による透過率の変化が少ないことから、本発明の光吸収性樹脂は耐熱性にも優れていることがわかる。
本実施例では、発光装置の隔壁を、本発明の光吸収性樹脂と他の材料との積層構造とした場合について、図4を用いて説明する。なお、図4において、図2と同じ構成要素については同じ番号で示している。
本実施例では、隔壁を本発明の光吸収性樹脂18aと透光性を有する樹脂18bとの積層構造とする。具体的には、ポリイミド樹脂を用いた本発明の光吸収性ポリイミド樹脂を形成した上に、透光性を有する樹脂として、光吸収性樹脂に用いたものと同じポリイミド樹脂を積層する。同じポリイミド樹脂を用いているため、本発明の光吸収性樹脂と透光性を有する樹脂との密着性は良好なものとなる。
なお、図4に示した上面出射構造において、第1の電極13が反射率の高い材料で構成されていた場合は第1の電極13の端部を覆うように、反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられている場合は反射膜の端部を覆うように、光吸収性樹脂18aが形成されていることが望ましい。第1の電極13または反射膜の端部を光吸収性樹脂で覆うことにより、外光および発光物質を含む層からの発光がトランジスタに照射されることを防ぐことができる。
本発明の光吸収性樹脂は良好な光吸収性、遮光性を有しているため、隔壁を本発明の光吸収性樹脂と透光性を有する樹脂との積層構造とした場合、十分な光吸収性、遮光性を有する隔壁を得ることができる。また、本実施例で用いたポリイミド樹脂は平滑な表面を得ることができる材料であり、隔壁の表面をより平滑にすることができる。そのため、隔壁上に形成される発光物質を含む層15および第2の電極14を平滑な表面上に形成することができ、第1の電極13と第2の電極14とが短絡することを防止することができる。
なお、本実施例では、光吸収性樹脂と、光吸収性樹脂に用いた透光性を有する樹脂とを積層した例を示したが、本発明はこれに限られることはない。
本実施例では実施の形態2に示したような発光装置を搭載するモジュールについて説明する。
図7(A)に示す情報端末のモジュール999は、プリント配線基板946に、コントローラ901、中央処理装置(CPU)902、メモリ911、電源回路903、音声処理回路929及び送受信回路904や、その他、抵抗、バッファ、容量素子等の素子が実装されている。また、発光装置よりなるパネル900がフレキシブル配線基板(FPC)908を介してプリント配線基板946に接続されている。
パネル900には、発光素子が各画素に設けられた画素部905と、前記画素部905が有する画素を選択する第1の走査線駆動回路906a、第2の走査線駆動回路906bと、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路907とが設けられている。
プリント配線基板946に備えられたインターフェース(I/F)部909を介して、各種制御信号の入出力が行われる。また、アンテナとの間の信号の送受信を行なうためのアンテナ用ポート910が、プリント配線基板946に設けられている。
なお、本実施例ではパネル900にプリント配線基板946がFPC908を介して接続されているが、必ずしもこの構成に限定されない。COG(Chip on Glass)方式を用い、コントローラ901、音声処理回路929、メモリ911、CPU902または電源回路903をパネル900に直接実装させるようにしても良い。また、プリント配線基板946には、容量素子、バッファ等の各種素子が設けられ、電源電圧や信号にノイズがのったり、信号の立ち上がりが鈍ったりすることを防いでいる。
図7(B)は、図7(A)に示したモジュール999のブロック図を示す。このモジュール999は、メモリ911としてVRAM932、DRAM925、フラッシュメモリ926などが含まれている。VRAM932にはパネルに表示する画像のデータが、DRAM925には画像データまたは音声データが、フラッシュメモリには各種プログラムが記憶されている。
電源回路903では、パネル900、コントローラ901、CPU902、音声処理回路929、メモリ911、送受信回路931に与える電源電圧が生成される。またパネルの仕様によっては、電源回路903に電流源が備えられている場合もある。
CPU902は、制御信号生成回路920、デコーダ921、レジスタ922、演算回路923、RAM924、CPU用のインターフェース935などを有している。インターフェース935を介してCPU902に入力された各種信号は、一旦レジスタ922に保持された後、演算回路923、デコーダ921などに入力される。演算回路923では、入力された信号に基づき演算を行ない、各種命令を送る場所を指定する。一方デコーダ921に入力された信号はデコードされ、制御信号生成回路920に入力される。制御信号生成回路920は入力された信号に基づき、各種命令を含む信号を生成し、演算回路923において指定された場所、具体的にはメモリ911、送受信回路931、音声処理回路929、コントローラ901などに送る。
メモリ911、送受信回路931、音声処理回路929、コントローラ901は、それぞれ受けた命令に従って動作する。以下その動作について簡単に説明する。
入力手段933から入力された信号は、インターフェース909を介してプリント配線基板946に実装されたCPU902に送られる。制御信号生成回路920は、ポインティングデバイスやキーボードなどの入力手段933から送られてきた信号に従い、VRAM932に格納してある画像データを所定のフォーマットに変換し、コントローラ901に送付する。
コントローラ901は、パネルの仕様に合わせてCPU902から送られてきた画像データを含む信号にデータ処理を施し、パネル900に供給する。またコントローラ901は、電源回路903から入力された電源電圧やCPU902から入力された各種信号をもとに、Hsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)、切り替え信号L/Rを生成し、パネル900に供給する。
送受信回路904では、アンテナ934において電波として送受信される信号が処理されており、具体的にはアイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路を含んでいる。送受信回路904において送受信される信号のうち音声情報を含む信号が、CPU902からの命令に従って、音声処理回路929に送られる。
CPU902の命令に従って送られてきた音声情報を含む信号は、音声処理回路929において音声信号に復調され、スピーカー928に送られる。またマイク927から送られてきた音声信号は、音声処理回路929において変調され、CPU902からの命令に従って、送受信回路904に送られる。
コントローラ901、CPU902、電源回路903、音声処理回路929、メモリ911を、本実施例のパッケージとして実装することができる。本実施例は、アイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路以外であれば、どのような回路にも応用することができる。
表示パネル900は、実施の形態2で示すように隔壁が、本発明の光吸収性樹脂により形成されている。それにより、この表示パネル900を備えるモジュール999は外光の反射を抑え、また、外光および発光物質を含む層からの発光がトランジスタに照射されることを防ぐことができるため、トランジスタの特性変化や劣化、発光装置のコントラストの低下等を防止することができる。したがって、コントラストに優れ、信頼性が高く、長寿命であるモジュールを提供することが可能となる。
図8は、実施例5に示したようなモジュール999を含む電子機器の一態様を示している。表示パネル900はハウジング1001に脱着自在に組み込んでモジュール999と容易に一体化できるようにしている。ハウジング1001は組み入れる電子機器に合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
表示パネル900を固定したハウジング1001はプリント配線基板946に嵌着されモジュールとして組み立てられる。プリント配線基板946には、コントローラ、CPU、メモリ、電源回路、その他、抵抗、バッファ、容量素子等の素子が実装されている。さらに、用途に応じて、音声処理回路、送受信回路などが実装されていても良い。パネル900はFPC908を介してプリント配線基板946に接続される。
このようなモジュール999、入力手段998、バッテリ997は筐体996に収納される。表示パネル900の画素部は筐体996に形成された開口窓から視認できように配置されている。
表示パネル900は、実施の形態2で示すように隔壁が、本発明の光吸収性樹脂により形成されている。それにより、この表示パネル900を備えるモジュール999は外光の反射を抑え、また、外光および発光物質を含む層からの発光がトランジスタに照射されることを防ぐことができるため、トランジスタの特性変化や劣化、発光装置のコントラストの低下等を防止することができる。したがって、コントラストに優れ、信頼性が高く、長寿命である電子機器を提供することが可能となる。
実施例6で示した、実施例5に記載したようなモジュールを搭載した電子機器の他の態様について説明する。
本発明の表示装置を用いて作製された電気機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電気機器の具体例を図6に示す。
図6(A)はテレビ受像機であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。本発明の表示装置をその表示部9103に用いることにより作製され、黒の再現性が良くコントラストに優れたテレビ受像器とすることができる。なお、テレビ受像機は、コンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれる。
図6(B)はパーソナルコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングマウス9206等を含む。本発明の表示装置をその表示部9203に用いることにより作製され、コントラストに優れた黒の再現性の良いパーソナルコンピュータとすることができる。。
図6(C)はゴーグル型ディスプレイであり、本体9301、表示部9302、アーム部9303を含む。本発明の表示装置をその表示部9302に用いることにより作製され、コントラストに優れた黒の再現性の良いゴーグル型ディスプレイとすることができる。
図6(D)は携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。本発明の表示装置をその表示部9403に用いることにより作製され、屋外の使用に際しても反射が少なく、コントラストに優れた見やすい画面を得ることができる。
図6(E)はカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。表示装置をその表示部9502に用いることにより作製され、屋外の使用に際してもコントラストに優れた反射が少なく見やすい画面を得ることができる。
以上の様に、本発明の表示装置の適用範囲は極めて広く、この表示装置をあらゆる分野の電気機器に適用することが可能である。本発明の表示装置を用いることにより、コントラストに優れた表示部を有する電気機器を提供することが可能となる。
本発明の表示装置を説明する図。
従来の表示装置を説明する図。
本発明の表示装置を説明する図。
本発明の表示装置を説明する図。
本発明の光吸収性樹脂の透過率を示す図。
本発明の表示装置を用いた電気機器を説明する図。
本発明の表示装置を用いたモジュールを説明する図。
本発明の表示装置を用いた電気機器を説明する図。
符号の説明
10 基板
11 トランジスタ
12 発光素子
13 第1の電極
14 第2の電極
15 発光物質を含む層
16 第1層間絶縁膜
17 配線
18 隔壁
19 第2層間絶縁膜