JP5005161B2 - ポリフェニレンエ−テル系樹脂製シート - Google Patents
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一方、液晶ポリエステルにポリフェニレンエーテルなどの重合体を配合し、ポリフェニレンエーテルの溶融加工性を改良することが提案されているが、100〜1000(1/秒)の高いシェアレートがかかる射出成形に関するものであり、シェアレートの低い押出成形についての記載はなく、物性も十分とはいえない。(特許文献1参照)
はんだ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各種のポリアリレンオキサイドを配合することが提案され、さらには、アミン類で変性したポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルを配合することが提案されているが、いずれも押出成形シートの成形性についての記述はなく、物性についても十分ではなかった。(特許文献3、特許文献4参照)
また、強度、剛性のリサイクル保持性を高める方法が提案されているが、シートにおいての記述はなく、物性も十分とはいえない。(特許文献5参照)
また、LCPとPPEにシラン系カップリング剤を配合して、機械的特性の異方性の低減が提案されているが、シートについての記載はなく、物性においても十分でなかった。(特許文献8参照)
また、LCPと特定の分子量分布を規定したPPEとの組成物について提案されているが、シートについての記載はなく、層剥離や耐折り曲げ性については十分ではなかった。(特許文献9参照)
(1)(A)下記(式1)の繰り返し単位構造からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.15〜1.0dl/gの範囲にあるポリフェニレンエーテル系樹脂と
(B)液晶ポリエステルの合計量100重量部に対して、(A)該ポリフェニレンエーテル系樹脂51〜99.9重量部、(B)液晶ポリエステル0.1〜49重量部並びに、
(C)Zn元素を含有する化合物および/またはMg(OH) 2 0.1〜3重量部および/または(D)アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を含有するシラン化合物0.1〜5重量部を含有する樹脂組成物からなる耐熱性に優れ、層剥離のないポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
(2)(C)成分がZn元素を含有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
(3)(C)成分がZnOおよび/またはMg(OH)2であることを特徴とする上記(1)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート、
(5)(E)シリコーンポリマーがアミノ基を有し、かつ25℃において、粘度が10mm2/s以上の液体であることを特徴とする上記(4)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート、
(6)押出しチューブラー法により成形して得られる上記(1)〜(5)のいずかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート、
(7)Tダイ押出し法により成形して得られる上記(1)〜(5)のいずかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート、
である。
本発明の(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、下記(式1)の繰り返し単位構造からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.15〜1.0dl/gの範囲にあるホモ重合体及び/または共重合体である。さらに好ましい還元粘度は、0.20〜0.70dl/gの範囲、最も好ましくは0.40〜0.60の範囲である。
米国特許第3306875号、同第3257357号および同第3257358号の各明細書、特公昭52−17880号および特開昭50−51197号および同63−152628号の各公報等に記載された方法も(A)ポリフェニレンエーテルの製造方法として好ましい。
本発明の(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、重合行程後のパウダーのまま用いてもよいし、押出機などを用いて、窒素ガス雰囲気下あるいは非窒素ガス雰囲気下、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融混練することでペレット化して用いてもよい。
構造式(ニ)において好ましいのは、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ジカルボキシナフタレンのそれぞれから生成した構造単位であり、さらに好ましいのは、テレフタル酸およびイソフタル酸のそれぞれから生成した構造単位である。
また、構造式(ニ)においては、1)テレフタル酸から生成した構造単位/イソフタル酸から生成した構造単位、2)テレフタル酸から生成した構造単位/2,6−ジカルボキシナフタレンから生成した構造単位、などを挙げることができる。ここでテレフタル酸量は2成分中、好ましくは40wt%以上、さらに好ましくは60wt%以上、特に好ましくは80wt%以上である。テレフタル酸量を2成分中40wt%以上とすることで、比較的に流動性、耐熱性が良好な樹脂組成物となる。液晶ポリエステル(B)成分中の構造単位(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の使用割合は特に限定されない。ただし、構造単位(ハ)と(ニ)は基本的にほぼ等モル量となる。
本発明の(B)成分の溶融時での液晶状態を示し始める温度(以下、液晶開始温度という)は、好ましくは150〜350℃、さらに好ましくは180〜320℃である。液晶開始温度をこの範囲にすることは、得られる樹脂製シート中に黒色異物が少なくなり、好ましい。
本発明の(D)シラン化合物とは、官能基含有シラン化合物のことであり、アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を含有するシラン化合物である。官能基含有シラン化合物は、通常、これらの官能基のうちのいずれか1個を分子中に含有するものであればよいが、場合によっては、これらの官能基の2種以上を分子中に含有するものであっても良い。
本発明における(C)成分の配合量は、(A)と(B)の合計100重量部に対して、0.1〜3重量部含有することが好ましく、さらに0.2〜3重量部が好ましく、特にさらには0.4〜3重量部が好ましい。この(C)成分の含有量は、0.1重量より少ないとシートの層剥離が顕著になってしまい、10重量部より多いと比重が大きくなるし、耐熱性が低下することがある。
本発明においては、(C)成分と(D)成分を併用して用いることもでき、好ましい態様である。
アミノ基、水酸基、エポキシ基、フェニル基の中から選ばれる少なくとも1種の基は、シリコーンポリマーの主鎖に結合していてもよいし、末端に結合していてもよい。
本発明で用いられる(E)シリコーンポリマーの配合量は、(A)と(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜4重量部で、特に好ましくは0.5〜2重量部である。この配合量は難燃性の観点から0.1重量部以上が好ましく、外観低下やシリコーンポリマーのブリードアウトの観点から5重量部以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物は種々の方法で製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常150〜350℃の中から任意に選ぶことができる。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂製シートは、上記で得られた樹脂組成物を原料とし、押出シート成形により得ることもできるし、本発明の成分を押出シート成形機に直接投入し、ブレンドとシート成形を同時に実施して得ることもできる。
本発明のポリフェニレンエ−テル系樹脂製シートは、押出しチューブラー法、場合によってはインフレーション法とも呼ばれる方法にて製造することができる。円筒から出てきたパリソンがすぐに冷却してしまわないように、50〜290℃の温度範囲の中から適宜選択して、パリソンの温度制御することがシート厚みを均一にし、層剥離のないシートを作成する上で極めて重要である。
こうして得られた本発明のポリフェニレンエ−テル系樹脂製シートは、耐熱性に優れ、層剥離がなく、耐折り曲げ性、耐湿性に優れ、熱収縮率が小さく、また難燃性、機械的強度、絶縁性や誘電率や誘電正接などに代表される電気特性にも優れ、耐加水分解性にも優れる特徴を有する。従って、これらの特性が要求される用途に用いることができる。例えば、プリント基板材料、プリント基板周辺部品、半導体パッケージ、データ系磁気テープ、APS写真フィルム、フィルムコンデンサー、モーターやトランスなどの絶縁材料、スピーカー振動板、自動車用シートセンサー、ワイヤーケーブルの絶縁テープ、TABテープ、発電機スロットライナ層間絶縁材料、トナーアジテーター、リチウムイオン電池などの絶縁ワッシャー、などが挙げられる。
<ポリフェニレンエーテル(PPE−1)の製造例>
2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得た還元粘度0.42のパウダー状のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。
<液晶ポリエステル(LCP−1)の製造例>
窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し、重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリエステル(LCP−1)を得た。なお、組成の成分比はモル比を表す。
(1)シート成形
得られたペレットを、シリンダー温度290℃、円筒状ダイス温度290℃に設定したスクリュー径50mmの押出機を用い、チューブラー法により、押出シート成形を実施した。ブローする空気の圧力は厚みが100μmになるように設定した。
(2)耐熱性
シートを150℃の熱風オーブンに5時間おき、以下の判定基準に基づき、耐熱性評価を実施した。
○:シートの変形が認められない。
×:シートの変形が認められた。
得られたシートのエッジ部分を、5mm間隔で長さ約10mmの切り込みをはさみで10本入れ、切り込んだシートの断面の20カ所を目視で観察し、以下の判定基準に基づき、層剥離の無さを評価した。
○:全く剥離が認められない。
△:1〜3カ所、層剥離が認められた。
×:4カ所以上、層剥離が認められた。
シートを120×30角に切り取り、長手方向に対し、約半分のところ(端から約60mm)で、完全に折り曲げ、その後もとに戻し、さらに反対側にも折り曲げた。このサイクルを10回繰り返し、以下の判断基準で耐折り曲げ性を判定した。
○:クラックも破断も認められなかった。
△:破断はしないが、クラックが認められた。
×:10回以内に破断が認められた。
上記(1)で得られたシートをサイズ100×200mm角に切り取り、恒温恒湿槽(タバイエスペック(株)製、PL−3FP)を用い、90℃、80%相対湿度の加温加湿環境下に、24時間曝した後、以下の式に従って、重量増加率(Δw)を求めた。各シート2枚の平均値をとった。
重量増加率(Δw)(%)=(w1−w0)/w0×100
(w1:加温加湿後、十分にシート表面の水滴を拭った後のシート重量(g)、w0:加温加湿前に、100℃、2時間熱風乾燥機中にて乾燥し、デシケーター中にて室温まで冷却したシート重量(g))
重量増加率(Δw)の値が小さい方が、耐吸湿性に優れることを意味する。
上記(1)で得られたシートを、MDとTDに各片が平行になるように、150mm×150mmの大きさにカットし、190℃に設定したオーブン中に5分間セットし、取り出して放冷する。MD、TD各々加熱前後の寸法を測定し、以下の式に従って求めた。
熱収縮率(%)=(加熱前の辺の長さ−加熱後の辺の長さ)/(加熱前の辺の長さ)×100
ここで、MDとはチューブラー押出成形機のダイスから樹脂が流動する方向であり、TDはMDに対し直角方向を指す。
ポリフェニレンエーテル(PPE−1)と液晶ポリエステル(LCP−1)と酸化亜鉛(ZnO、特級グレード、和光純薬(株)製)を、表1に示す割合(重量部)で、250〜310℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDERER社製)を用いて溶融混練し、ペレットとして得た。このペレットを用い、上に示した方法により、シート成形加工した。得られたシートの平均厚みは、102μmであった。上に示した方法に従ってシート評価を実施した。その結果を表1に示した。
(D)成分として、アミノ基を含有するシラン化合物(シラン1、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、KBM−603、信越化学工業(株)製)を用い、各成分を表1に示す割合(重量部)で配合したこと以外は、実施例1と同様に実施して、ペレットを得て、シート成形加工した。得られたシートの平均厚みは103μmであった。これらのシートを、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
(E)成分として、シリコーンポリマー(シリコーン1、アミノ変性シリコーン、SF8417、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、粘度(25℃):1,200mm2/sの液体、アミノ当量:1,800)を用い、各成分を表1に示す割合(重量部)で配合したこと以外は、実施例1と同様に実施して、ペレットを得て、シート成形加工した。得られたシートの平均厚みは105μmであった。これらのシートを、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
(A)成分として、ポリフェニレンエーテル(PPE−1)に加え、ハイインパクトポリスチレン(HIPS、H9405、PSジャパン(株)製)を用い、各成分を表1に示す割合(重量部)で配合したこと以外は、実施例1と同様に実施して、ペレットを得て、シート成形加工した。得られたシートの平均厚みは98μmであった。これらのシートを、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
ペレット原料として、耐熱難燃性の変性ポリフェニレンエーテル(ザイロン500Z(登録商標)、旭化成ケミカルズ(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、シート成形加工した。得られたシートの平均厚みは、110μmであった。これらのシートを、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。熱収縮率に関しては、シートの変形が大きく、測定できなかった。
(C)成分を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ペレットを得て、シート成形加工した。得られたシートの平均厚みは、106μmであった。これらのシートを、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
シートとして、ポリイミドシート(PI、カプトン500H(登録商標)、東レ・デュポン(株)製、厚み125μm)を、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
シートとして、ポリエチレンテレフタレートシート(PET、ルミラー(登録商標)、東レ(株)製、厚み100μm)を、上に示した方法に従って物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
Claims (7)
- (A)下記(式1)の繰り返し単位構造からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.15〜1.0dl/gの範囲にあるポリフェニレンエーテル系樹脂と
(R1、R4は、それぞれ独立して、水素、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、炭化水素オキシを表わす。R2、R3は、それぞれ独立して、水素、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニルを表わす。)
(B)液晶ポリエステルの合計量100重量部に対して、(A)該ポリフェニレンエーテル系樹脂51〜99.9重量部、(B)液晶ポリエステル0.1〜49重量部並びに、
(C)Zn元素を含有する化合物および/またはMg(OH) 2 0.1〜3重量部および/または(D)アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を含有するシラン化合物0.1〜5重量部を含有する樹脂組成物からなる耐熱性に優れ、層剥離のないポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。 - (C)成分がZn元素を含有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
- (C)成分がZnOおよび/またはMg(OH)2であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
- (A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して(E)シリコーンポリマー0.1〜5重量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
- (E)シリコーンポリマーがアミノ基を有し、かつ25℃において、粘度が10mm2/s以上の液体であることを特徴とする請求項4に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
- 押出しチューブラー法により成形して得られる請求項1〜5のいずかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
- Tダイ押出し法により成形して得られる請求項1〜5のいずかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂製シート。
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