JP5050440B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態となる半導体装置は、図1に示すように、基板1と半導体素子2とを備え、基板1と半導体素子2は接合層3によって接合されている。基板1は金属材料又は有機物材料若しくは無機物材料と金属材料との複合材料により形成されている。接合層3は半導体材料は金属材料、又は有機物材料若しくは無機物と金属材料との複合材料により形成されている。
本発明の第2の実施形態となる半導体装置では、上記第1の実施形態となる半導体装置構造において、基板1の厚さt1が接合層3の厚さt2以上の大きさになっている(図1参照)。このような構造によれば、一定の発生変位に対して歪を分かち合う基板1の体積が増えことによって、応力や歪が基板1に局所的に集中しなくなり、基板1全体で応力や歪を吸収することができるようになるので、基板1や接合層3の疲労をさらに低減し、半導体装置の寿命をさらに向上させることができる。
本発明の第3の実施形態となる半導体装置では、上記第1又は第2の実施形態となる半導体装置構造において、図3に示すように、半導体素子2の引張破壊強度σt2の大きさが同一温度において基板1の引張破壊強度の大きさσt1と同じ若しくはそれ以上になるように基板1及び半導体素子2を形成する材料が選択されている。接合層を高強度に形成することによって基板1に発生する歪を極力低減するために、基板1を形成する材料として、極端に硬い金属材料を用いたり、歪の蓄積によって加工硬化することにより極端に硬くなる金属材料を用いた場合、半導体素子2自体が破壊する可能性がある。従ってこのような構造によれば、基板1に発生する応力によって半導体素子2が破壊されることを防止できるので、半導体装置の信頼性をさらに向上させることができる。
本発明の第4の実施形態となる半導体装置では、上記第1乃至第3の実施形態となる半導体装置構造のいずれかにおいて、図4に示すように、少なくとも基板1と接合層3の界面に形成された薄膜4を有し、基板1に対する薄膜4の密着強度及び薄膜4自体の引張破壊強度の大きさが同一温度において基板1の0.2%耐力の大きさと同じ若しくはそれ以上になるように薄膜4が形成されている。このような構成によれば、薄膜4が基板1から剥離したり、薄膜4が破壊されることがないので、半導体装置の寿命をより確実に向上させることができる。
本発明の第5の実施形態となる半導体装置では、上記第1乃至第4の実施形態となる半導体装置構造のいずれかにおいて、図5〜図8に示すように基板1が突出面Aを有し、接合層3は突出面A上において基板1と接合している。このような構成によれば、基板1の剛性が上がることによって基板1自体の反りを抑制でき、反りによって半導体素子2,接合層3,及び基板1に新たに発生する応力を緩和することができるので、接合後の冷却によって生じる残留応力により基板1自体や半導体素子2側面や接合層3にクラックが発生することを防止できる。
本発明の第6の実施形態となる半導体装置では、上記第5の実施形態となる半導体装置構造において、図9や図10に示すように、突出面Aが突出面Aの側面部と半導体素子2の側面部との間の距離が半導体素子2の側面形状の角部において最短になるように形成されている。このような構成によれば、図11(a)に示すような応力集中領域R1を図11(b)に示す領域R2のように分散させることによって、半導体素子2の角部周辺に応力が集中することを防止できる。
次に、上記半導体装置の製造方法の幾つかの実施例について説明する。
実施例1では、始めに、Alとセラミックスから成るAlセラミックス絶縁基板により形成された基板1表面上にAlSi系ロウ材により形成された接合層3を配置し、接合層3表面上にSiにより形成された高耐熱半導体素子2を配置した。次に、半導体素子2表面上に重りを配置し、600[℃]程度の雰囲気の真空炉内で加熱することにより実施例1の半導体装置を得た。なお、接合層3を形成するAlSi系ロウ材の融点は約580[℃]であるので、基板1と半導体素子2を接合する際の接合雰囲気の温度は600[℃]程度とした。この実施例1における基板1と接合層3の0.2%耐力の大小関係、及び基板1と半導体素子2の引張破壊強度(引張強度)の大小関係を以下の表1に示す。この実施例1では、基板1はAlセラミックス絶縁基板により形成され、接合後の冷却時に生じるAlの収縮をセラミックスがある程度抑制するので、基板1の反りを抑え、製造時の残留応力を極力少なくすることができる。またこの結果、半導体素子2にクラックが入ったり、接合層3が剥離したりすることを防止できる。
実施例2では、始めに、図12(a)に示すように、Cuにより形成された基板1と半導体素子2の少なくとも一方の接合面に粒径10[nm]前後のCuナノ粒子粉末(又はCuナノ合金粒子粉末)5を吹き付けた。一般に、金属をナノレベルまで小さくすると、表面エネルギーが増加することによってバルク本来の融点以下の温度でも溶解するようになる。また、ナノ粒子の融点は粒径が小さい程低く、粒径が大きくなるにつれてバルク本来の融点に近づくことが知られている。このため、室温でCuナノ粒子を塗布し、図12(b)に示すように基板1と半導体素子2の接合面を重ねて300[℃]程度に加熱し、図12(c)に示すように基板1と半導体素子2を接合することで実施例2の半導体装置を得た。なお、この時、より安定した接合層3を形成するために加圧してもよい。この実施例2における基板1と接合層3の0.2%耐力の大小関係、及び基板1と半導体素子2の引張破壊強度(引張強度)の大小関係を以下の表1に示す。この実施例2では、接合層3の耐熱温度はバルクのCuと同様1000[℃]以上になるので、半導体素子2として高耐熱素子等を用いた場合であっても高い接合信頼性を得することができる。なお、この実施例2では、表1に示すように接合層3の0.2%耐力は同一温度において基板1の0.2%耐力と同じ大きさであるが、接合層3をCu合金ナノ粒子により形成することにより、接合層3の0.2%耐力は同一温度において基板1の0.2%耐力以上の大きさになるので、接合層3をCuにより形成した場合よりも接合層3に発生する歪を更に低減することができる。
実施例3では、始めに、Alにより形成された基板1の接合面にAgめっき処理を施した。なお、Agめっき界面の密着強度及びAgめっき自体の引張破壊強度は基板1(Al)の0.2%耐力よりも大きくする。Agめっき密着強度を向上させるためには、Agめっき前に基板1の接合面に表面処理を施す方法が有効である。例えば、脱脂やエッチング等によって基板1表面を洗浄したり、下地めっきを改善したりすることによって、Agめっきの密着性を格段に向上することができる。また、一般的に電解めっきは無電解めっきに比べて緻密で高強度であり且つ母材への密着性が高いと言われているので、併せて利用できる。また、めっきはAgに限らず、CuやAu等であってもよい。次に、接合層3としてペースト化したCuSn系ろう材をAgめっき処理が施された基板1に塗布した後、半導体素子2をAgめっき上に配置して250〜300[℃]程度の温度範囲で加熱接合することにより、実施例3の半導体装置を得た。この実施例3における基板1と接合層3の0.2%耐力の大小関係、基板1と半導体素子2の引張破壊強度(引張強度)の大小関係、及びAgめっきの密着強度を以下の表1に示す。この実施例3では、比較的柔らかく靭性の高く、ある一定の歪に対する繰り返し疲労強度が高い基板1側の純Alによる応力緩和が可能となり、接合層3の寿命が大幅に向上する。なお、基板1は純Alではなく、Al合金や純Cuであっても構わない。特に純Cuの基板でCuSn系ろう材を用いる場合はめっきは不要である。また、CuSnろう材とは、溶融したSnがCuへ拡散することで合金化し融点が上がることを応用したものである。また、Agめっきの強度は、Agめっきが形成された基板1と試験用の治具とをCuSn系ろう材で接合したもの、又はAgめっきが形成された基板1と半導体素子2とをCuSn系ろう材で接合し、その後改めてどちらか一方を試験用の治具と接合又は固定したものを用いて引張試験を行い、Agめっき中またはAgめっき界面に亀裂が入る前に基板1が変形し始めたらAgめっき自体の引張破壊強度及び密着強度は基板1の0.2%耐力より高いとすることにより、評価することができる。
最後に、本発明の効果を検証するために、接合層3がPbSnにより形成された従来の半導体装置構造と接合層3がAgにより形成された本願発明の半導体装置構造それぞれについて、接合層3及び基板1のMises応力,Max応力,及びMax歪をシミュレーションにより評価した結果を以下の表2,3に示す。なお、シミュレーションにおいては、半導体素子2のヤング率を400[GPa]に設定し、基板1としてAl基板を用いた。また、PbSn,Ag,及びAlには公知の材料特性を設定し、熱負荷として150[℃]から−50[℃]に冷却する負荷を半導体装置に与えた。
2:半導体素子
3:接合層
4:薄膜
5:Cuナノ粉末(又はCuナノ合金粉末)
Claims (7)
- 半導体素子と基板を有し、半導体素子と基板が接合層によって接合されている半導体装置において、前記接合層の0.2%耐力の大きさが同一温度において前記基板の0.2%耐力の大きさと同じ若しくはそれ以上であり、前記基板は円形または多角形の突出面を有し、前記接合層は前記突出面において前記基板と接合し、前記突出面の円形の側面部又は多角形の側面部の辺と前記半導体素子の側面の角部とが対向し、前記突出面は、前記突出面の側面部と前記半導体素子の間の距離が前記半導体素子の側面の角部において最短になるように形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1に記載の半導体装置において、前記基板はアルミニウム又はアルミニウム合金により形成され、前記接合層はアルミニウム、銅、金、銀、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、白金、チタン、亜鉛のうちのいずれか又はこれら金属のうちのいずれかを含む合金により形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1に記載の半導体装置において、前記基板は銅又は銅合金により形成され、前記接合層は銅、鉄、チタンのうちのいずれか又はこれら金属のうちのいずれかを含む合金により形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の半導体装置において、前記基板の厚さは前記接合層の厚さ以上の大きさであることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の半導体装置において、前記半導体素子の引張破壊強度の大きさが同一温度において前記基板の引張破壊強度の大きさと同じ若しくはそれ以上であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の半導体装置において、少なくとも前記基板と前記接合層の界面に形成された薄膜を有し、基板に対する薄膜の密着強度及び薄膜自体の引張破壊強度の大きさが同一温度において基板の0.2%耐力の大きさと同じ若しくはそれ以上であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記半導体素子の接合面と前記基板の接合面の少なくとも一方に金属ナノ粒子を積層した後、半導体素子と基板の接合面を重ねて加熱接合する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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