JP4929675B2 - 多層構造体および多層構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明は、他の面において、基材層と、第1の無機層状化合物を含む第1の材料からなる第1の層と、該第1の材料における第1の無機層状化合物の体積分率よりも高い体積分率で第2の無機層状化合物を含む第2の材料からなる第2の層とを有し、前記基材層上に第1の層が積層されていて、更に該第1の層上に前記第2の層が隣接して積層されている多層構造体の製造方法であって、該方法は、
第1の液体媒体とそれに含まれた前記第1の材料からなる第1の塗工液を基材層上に塗工し、次いで前記液体媒体を除去して前記第1の材料からなる第1の層を前記基材層上に形成する工程、および
第2の液体媒体とそれに含まれた前記第2の材料からなる第2の塗工液を、前記第1の層上に塗工し、次いで前記液体媒体を除去して前記第2の材料からなる第2の層を前記第1の層上に形成する工程
を含み、
前記第1の塗工液と前記第2の塗工液とは、前記第2の材料の乾燥体積に対する前記第2の無機層状化合物の乾燥体積の比率が前記第1の材料の乾燥体積に対する前記第1の無機層状化合物の乾燥体積の比率よりも高い、という要件を満たす多層構造体の製造方法である。
第1の層に含まれる無機層状化合物および第2の層に含まれる無機層状化合物としてはそれぞれ、溶媒への膨潤性、劈開性を有する粘土鉱物が好ましく用いられる。
本発明の無機層状化合物とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している物をいう。層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス等の弱い結合力によってほぼ平行に積み重なった構造をいう。
無機層状化合物の中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土鉱物が好ましく用いられる。
100mlメスシリンダーに液体媒体100mlを入れ、これに無機層状化合物2gを徐々に加える。23℃にて24時間静置後、上記メスシリンダー内における無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この数値(膨潤値)が大きい程、膨潤性が高いことを示す。
無機層状化合物30gを液体媒体1,500ml中に徐々に加え、分散機(浅田鉄工株式会社製、デスパMH−L、羽根径52mm、回転数3,100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて、周速8.5m/分、23℃で90分間分散させた後、この分散液100mlをメスシリンダーに採取する。60分静置後、上記メスシリンダー内における層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この数値(劈開値)が大きい程、劈開性が高いことを示す。
第1の層に含まれる無機層状化合物と第2の層に含まれる無機層状化合物は同じであってもよく、異なっていてもよい。
多層構造体のガスバリア性の観点から、第1の層に含有される樹脂は、該樹脂のみからなる厚さ25μmのフィルムを用いて、23℃0%RHの条件下で酸素透過度を測定した場合に、1000cc/m2・day・atm以下となる樹脂が好ましい。樹脂のみからなるフィルムを作製することが困難な場合には、他の樹脂からなる酸素透過度が既知の基材フィルム上に、酸素透過度を測定したい樹脂からなる層を形成して積層フィルムを調製し、この積層フィルムの酸素透過度を測定する。以下の式により基材フィルム上に形成した樹脂層の酸素透過度を求める。
1/P=(1/P1)+(1/P2)
P :積層フィルムの酸素透過度(cc/m2・day・atm)
P1:基材フィルムの酸素透過度(cc/m2・day・atm)
P2:樹脂層の酸素透過度(cc/m2・day・atm)
具体的には、基材フィルムには厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材フィルム上に、酸素透過度を測定したい樹脂からなる層を形成して酸素透過度を測定し、樹脂層25μmあたりの酸素透過度を算出する。
多糖類とは、種々の単糖類の縮重合によって生体系で合成される生体高分子であり、ここではそれらをもとに化学修飾したものも含まれる。たとえば、セルロースおよびヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、などが挙げられる。
従来、無機層状化合物を含む層を有する構造体のガスバリア性は、前記層中の無機層状化合物の体積分率が高くなるほど良好になると考えられてきた。そうであれば、無機層状化合物を含む層における無機層状化合物の体積分率が同じであれば、ガスバリア性は同じになるはずである。しかしながら、本発明のように無機層状化合物の体積分率の異なる第1の層と第2の層とが隣接して積層されている本発明の多層構造体と、無機層状化合物の体積分率が前記第1の層と第2の層における無機層状化合物の平均体積分率(((前記第1の層に含まれる無機層状化合物の体積+第2の層に含まれる無機層状化合物の体積)/(前記第1の層の体積+第2の層の体積))×100)と等しい一つの層を有する構造体とを比較すると、本発明の多層構造体のほうが高湿度条件下でのガスバリア性に優れることが明らかとなった。
また、無機層状化合物を含む層を後述するように塗工し乾燥して形成する場合には、塗工性の観点から、第1の層における無機層状化合物の体積分率は、40vol%以下であることがさらに好ましく、35vol%以下であることがさらに好ましく、30vol%以下であることが最も好ましい。
基材層/第1の層/第2の層(構成1)、
基材層/第1の層/第2の層/無機層状化合物を含む追加層A(構成2)、
基材層/第1の層/第2の層/無機層状化合物を含む追加層B/無機層状化合物を含む追加層C(構成3)、
基材層/第1の層/第2の層/無機層状化合物を含む追加層D/無機層状化合物を含む追加層E/無機層状化合物を含む追加層F(構成4)、
基材層/第1の層/第2の層/樹脂層(構成5)、
基材層/第1の層/第2の層/無機層状化合物を含む追加層B/無機層状化合物を含む追加層C/樹脂層(構成6)、
基材層/第1の層/第2の層/無機層状化合物を含む追加層D/無機層状化合物を含む追加層E/無機層状化合物を含む追加層F/樹脂層(構成7)
が挙げられる。
ここで無機層状化合物を含む追加層A、B、C、D、Eは、それぞれ第1の層または第2の層と同じ組成であってもよい。例えば構成2において無機層状化合物を含む追加層Aが第1の層と同じ組成であってもよく、構成3において無機層状化合物を含む追加層Bが第1の層と、無機層状化合物を含む追加層Cが第2の層と同じ組成であってもよい。また構成4において無機層状化合物を含む追加層DおよびFが第1の層と同じ組成であり、無機層状化合物を含む追加層Eが第2の層と同じ組成であってもよい。
架橋剤にキレート化合物を用いる場合には、架橋剤を混合した後の塗工液の安定性の観点から、該塗工液が酸性であることが好ましく、pH5以下であることがより好ましく、3以下であることが特に好ましい。塗工液のpHに特に下限はないが、通常、0.5以上である。塗工液に塩酸等の酸性溶液を添加したり、塗工液をイオン交換処理することにより酸性とすることができる。
また本発明の多層構造体を包装材料として用いることにより、該包装材料で包装された内容物の酸素劣化を防ぐことができる。本発明の多層構造体を包装材料として用いる場合、その形状としては、フィルム、袋、パウチ、ボトル、ボトルキャップ、カートン容器、カップ、皿、トレー、タンク、チューブ等が挙げられる。本発明の多層構造体の最表層における無機層状化合物の体積分率が60〜100vol%である場合には、ボイルやレトルト後の耐白化性に優れることから、ボイル用、あるいはレトルト用包装材料として好ましく用いられる。本発明の多層構造体により包装される内容物としては、ケーキ、カステラ等の洋菓子、大福、もち等の和菓子、ポテトチップス等のスナック菓子等の菓子類、竹輪や蒲鉾等の水産加工品、味噌、漬物、蒟蒻、ミートボール、ハンバーグ、ハム・ソーセージ等の食品、コーヒー、茶、ジュース等の飲料品、牛乳、ヨーグルト等の乳製品、米飯、カレー等が例示される。また食料品以外に、洗剤、入浴剤、化粧品といったトイレタリー製品、ガソリン、水素ガス等の燃料、粉末剤、錠剤、点眼薬、輸液バック等の医薬品および医療機器、ハードディスク、シリコンウエハ等の電子部品および電子機器等の包装材料としても用いることができる。
0.5μm以上の厚みは、市販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)を用いて測定した。0.5μm未満の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面観察より求めた。
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)を用いて測定した。無機層状化合物塗工液を希釈し、該希釈液中の無機層状化合物の平均粒径を、フローセルにて光路長4mmで測定し、得られた平均粒径を無機層状化合物の平均粒径Lとみなした。
なお、無機層状化合物塗工液を希釈せずに、該塗工液中の無機層状化合物の平均粒径をペーストセルにて光路長50μmで測定し、この平均粒径と、希釈液で求めた平均粒径Lの値とがほぼ一致したとき、該塗工液中で無機層状化合物が充分に膨潤し劈開していると認定した。
X線回折装置(XD−5A、(株)島津製作所製)を用い、無機層状化合物そのものについて粉末法による回折測定を行った。これにより無機層状化合物の単位厚さaを求め、上述の方法で求めた粒径Lを用いて、アスペクト比Zを、Z=L/aの式により算出した。なお第1の層の形成に用いた第1の塗工液を乾燥したものについてもX線回折測定を行ない、無機層状化合物の面間隔が広がっていることを確認した。
ASTM F392に従い評価した。210mm×297mmの多層フィルムを23℃、50%RHの環境下で24時間エージングした後、210mmの辺同士を合わせて筒状にし、恒温槽付ゲルボフレックステスター(テスター産業(株))を用いて、筒状フィルムの長さ方向の中心軸を回転軸として440°ねじった後、元にもどす操作を100回、繰り返し行った。
23℃、50%RHの環境下で24時間エージングした片面にヒートシール層を有する多層フィルム(210mm×300mm)を、ヒートシール層を内側にして二つ折りにした。ヒートシーラー(FUJI IMPULSE T230 :FUJI IMPULSE CO.LTD 製)を用いて、温度150℃、時間1秒、ヒートシール幅10mmで2辺をヒートシールし、105mm×150mmの袋を作製した。この袋に50ccの水を入れて残りの辺を先と同様にヒートシールして密封袋とし、該密封袋を98℃で60分間ボイルした。ボイル後、24時間、23℃50%RH雰囲気下に保管した後、密封袋の外観を目視により評価した。
○:白化無し
△:白化僅かに有り
×:白化有り
JIS K7126に基づき、超高感度酸素透過度測定装置(OX−TRANML、MOCON社製)にて、23℃90%RH、あるいは23℃50%RHの条件下で測定を行った。
(1)第1の塗工液の作製
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)1300gと、ポリビニルアルコール(PVA117H;(株)クラレ製,ケン化度;99.6%、重合度1,700)130gとを混合し、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で95℃に昇温した。該混合系を同温度で30分間攪拌してポリビニルアルコールを溶解させたのち、60℃に冷却し、ポリビニルアルコール水溶液を得た。該ポリビニルアルコール水溶液(60℃)を前記同様の条件で攪拌しながら、1−ブタノール122g、イソプロピルアルコール122gおよびイオン交換水520gを混合してなるアルコール水溶液を5分間かけて滴下した。滴下終了後、高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)に切り替え、該攪拌系に高純度モンモリロナイト(商品名:クニピアG;クニミネ工業(株)製)65gを徐々に加え、添加終了後、60℃で60分間攪拌を続けた。その後、さらにイソプロパノール243gを15分間かけて加え、次いで該混合系を室温まで冷却し、第1の無機層状化合物含有液を得た。この第1の無機層状化合物含有液に対し、非イオン性界面活性剤(ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレン共重合体、商品名:SH3746、東レ・ダウコーニング(株)製)0.1重量%(前記含有液の重量を基準とする)を添加し、さらにこれを高圧分散装置(商品名:超高圧ホモジナイザーM110−E/H、Microfluidics Corporation 製)を用いて、1100kgf/cm2の条件で処理し、第1の分散液を得た。第1の無機層状化合物分散液中の劈開したモンモリロナイト平均粒径は560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.2156nmであり、アスペクト比は460であった。 上記の第1の分散液1000gに、イオン交換水1000g、イソプロピルアルコール1000gを添加し、これにチタンアセチルアセトナート(商品名:TC100、松本製薬工業(株)製)2.66gを、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)において、系のpHが3以下となるように塩酸で調整しながら徐々に添加することにより、第1の塗工液を調製した。第1の塗工液中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積を100%としたとき、無機層状化合物の体積分率は20vol%であった。
攪拌機にて、室温下、イオン交換水1000gおよびイソプロパノール1000gを高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)のもと、該攪拌系に高純度モンモリロナイト(商品名:クニピアG;クニミネ工業(株)製)12gを徐々に加え、添加終了後、室温下にて60分間攪拌を続けた。その後、系のpHが3以下となるように塩酸を添加して調整し、第2の塗工液を調製した。
モンモリロナイトの添加量を122gとしたこと以外は、第1の塗工液の作製と同様の方法で、第3の塗工液を作製した。第3の塗工液中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積を100%としたときの無機層状化合物の体積分率は32vol%であった。
モンモリロナイトの添加量を111gとしたこと以外は、第1の塗工液の作製と同様の方法で、第4の塗工液を作製した。第4の塗工液中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積を100%としたときの無機層状化合物の体積分率は30vol%であった。
厚さ15μmの二軸延伸ナイロン(ONy)フィルム(商品名:ON-U;ユニチカ(株)製)の片面をコロナ処理したものを基材層とし、該基材層のコロナ処理面に、前述の第1の塗工液をテストコーター(康井精機製)を用いてマイクログラビア塗工法(グラビアロールの線数 300)により、塗工速度3m/分でグラビア塗工して乾燥温度100℃で乾燥し、無機層状化合物を含む第1の層を形成した。第1の層の厚みは0.04μmであった。該第1の層をA1層とする。次にA1層上に、第2の塗工液を第1の塗工液と同様の方法で塗工して乾燥し、無機層状化合物を含む第2の層を形成した。該第2の層をB1層とする。さらに上記B1層上に第1の塗工液を先と同様の方法で塗工して乾燥し、A2層を形成した。次にA2層上に第2の塗工液を同様の方法で塗工して乾燥し、B2層を形成した。最後にB2層に塗工液1を塗工して乾燥し、A3層を形成した。このようにして第1の塗工液を3回、第2の塗工液を2回交互に塗工し、基材層を含めて6層(基材層/A1層/B1層/A2層/B2層/A3層)の多層構造体を得た。該多層構造体における乾燥後の無機層状化合物を含む層の総厚み、すなわちA1層/B1層/A2層/B2層/A3層の厚みは0.14μmであった。なおA1層、A2層、A3層の各層における無機層状化合物の体積分率は、用いた第1の塗工液中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積に対する無機層状化合物の体積分率と等しいとみなすことができ、20vol%である。またB1層、B2層の各層における無機層状化合物の体積分率は100vol%であった。A1層の厚みが0.04μmであったことから、同じ条件で塗工したA2層、A3層の厚みもそれぞれ0.04μmであり、また無機層状化合物を含む層の総厚みが0.14μmであったことから、B1層、B2層の厚みはそれぞれ0.01μmと求められた。またA1、B1、A2、B2、A3層における無機層状化合物の平均体積分率は32vol%であった。
得られた多層構造体について酸素透過度測定、ボイル試験、耐屈曲性試験を行い、結果を表1に示した。
A3層を設けないこと以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/A1層/B1層/A2層/B2層であり、乾燥後の無機層状化合物を含む層の総厚み、すなわちA1層/B1層/A2層/B2層の厚みは0.10μmであった。なおA1層、A2層の各層における無機層状化合物の体積分率は、20vol%であった。またB1層、B2層の各層における無機層状化合物の体積分率は100vol%であった。またA1、B1、A2、B2層における無機層状化合物の平均体積分率は36vol%であった。
得られた多層構造体について酸素透過度測定、ボイル試験、耐屈曲性試験を行い、結果を表1に示した。
第1の塗工液のかわりに第4の塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/D1層/B1層/D2層/B2層/D3層であり、乾燥後の無機層状化合物を含む層の総厚み、すなわちD1層/B1層/D2層/B2/D3層の厚みは0.14μmであった。なおD1層、D2層、D3層の各層における無機層状化合物の体積分率は、30vol%であった。またB1層、B2層の各層における無機層状化合物の体積分率は100vol%であった。またD1、B1、D2、B2、D3層における無機層状化合物の平均体積分率は43vol%であった。
得られた多層構造体について酸素透過度測定を行い、結果を表1に示した。
第2の塗工液のかわりに、第1の塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/A1層であり、乾燥後のA1層の厚みは0.20μmであった。なおA1層における無機層状化合物の体積分率は20vol%であった。
得られた多層構造体について酸素透過度測定、ボイル試験、耐屈曲性試験を行い、結果を表1に示した。
〔比較例2〕
第1の塗工液のかわりに、第2の塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/B1層であり、乾燥後のB1層の厚みは約0.05μmであった。ただしB1層は基材層と充分に密着しておらず剥離しやすい状態であり、手で触れると無機層状化合物が手に付着した。B1層における無機層状化合物の体積分率は100vol%であった。
得られた多層構造体について酸素透過度測定および耐屈曲性試験を行い、結果を表1に示した。
第1の塗工液および第2の塗工液のかわりに、第3の塗工液を用いた以外は、実施例2と同様にして基材上にC1層を設け、多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/C1層であり、乾燥後のC1層の厚みは約0.14μmであった。なおC1層における無機層状化合物の体積分率は、32vol%であった。
得られた多層構造体について酸素透過度測定を行い、結果を表1に示した。
基材層上に、無機層状化合物の体積分率が36vol%である無機層状化合物とポリビニルアルコールからなる、厚み0.10μmの層を積層した多層構造体の23℃×90%RHにおける酸素透過度を、下記のNielsenの理論式を用いて算出したところ、4.8cc/m2・day・atmとなる。
計算方法
Nielsenの理論式(LAWRENCE E. NIELSEN, Models for the Permeability of Filled Polymer Systems, J. MACROMOL. SCI.(CHEM.), 1967年, A1(5), 929-942)
P/P0=(1−Φ)/(1+AΦ/2)
P :系のガス透過度
P0:樹脂のガス透過度
A :無機層状化合物のアスペクト比
Φ :無機層状化合物の体積分率
無機層状化合物のアスペクト比Aを460(一定)とする。樹脂はポリビニルアルコールであり、樹脂のガス透過度P0は一定である。すると系のガス透過度Pは無機層状化合物Φのみの関数として表すことができる。
無機層状化合物の体積分率Φが32vol%の場合、
P(32vol%)=0.0091・P0
また無機層層状化合物の体積分率Φが36vol%の場合
P(36vol%)=0.0076・P0
となり、両者より無機層状化合物の体積分率が36vol%のときの酸素透過度は、32vol%の酸素透過度の0.0076/0.0091の値となる。比較例3より、無機層状化合物の体積分率が32vol%の場合の酸素透過度は4.1cc/m2・day・atmであるから、無機層状化合物の体積分率が36vol%のときの酸素透過度は、3.4cc/m2・day・atmと算出される。
ガス透過度は、ガスバリア層の厚みに反比例する。前記値は、層の厚みが0.14μmの場合である。実施例2と同じ、厚み0.10μmのときの酸素透過度は、4.8cc/m2・day・atmと求められる。
〔比較例5〕
基材層上に、無機層状化合物の体積分率が43vol%である無機層状化合物とポリビニルアルコールからなる、厚み0.14μmの層を積層した多層構造体の23℃×90%RHにおける酸素透過度を、比較例4と同様にして算出すると、2.6cc/m2・day・atmとなる。
Claims (6)
- 第1の無機層状化合物を含む第1の材料からなる第1の層と、該第1の材料における無機層状化合物の体積分率よりも高い体積分率で無機層状化合物を含む第2の材料からなる第2の層とを有し、前記第1の層と前記第2の層とが隣接して積層されており、
第1の層における無機層状化合物の体積分率が70vol%未満であって、
第2の層における無機層状化合物の体積分率が70〜100vol%であり、かつ前記第1の層における無機層状化合物の体積分率よりも10vol%以上高い多層構造体。 - 第1の層における無機層状化合物の体積分率が5〜50vol%である請求項1に記載の多層構造体。
- 少なくとも一方の最表層における無機層状化合物の体積分率が60〜100vol%である請求項1または2に記載の多層構造体。
- 少なくとも一方の最表層における無機層状化合物の体積分率が0〜50vol%である請求項1または2に記載の多層構造体。
- 基材層を更に有し、前記第1の層が該基材層上に積層されている請求項1〜4のいずれかに記載の多層構造体。
- 基材層と、第1の無機層状化合物を含む第1の材料からなる第1の層と、該第1の材料における第1の無機層状化合物の体積分率よりも高い体積分率で第2の無機層状化合物を含む第2の材料からなる第2の層とを有し、
第1の層における無機層状化合物の体積分率が70vol%未満であって、
第2の層における無機層状化合物の体積分率が70〜100vol%であり、かつ前記第1の層における無機層状化合物の体積分率よりも10vol%以上高く、
前記基材層上に第1の層が積層されていて、更に該第1の層上に前記第2の層が隣接して積層されている多層構造体の製造方法であって、該方法は、
第1の液体媒体とそれに含まれた前記第1の材料からなる第1の塗工液を基材層上に塗工し、次いで前記液体媒体を除去して前記第1の材料からなる第1の層を前記基材層上に形成する工程、および
第2の液体媒体とそれに含まれた前記第2の材料からなる第2の塗工液を、前記第1の層上に塗工し、次いで前記液体媒体を除去して前記第2の材料からなる第2の層を前記第1の層上に形成する工程
を含み、
前記第1の塗工液と前記第2の塗工液とは、前記第2の材料の乾燥体積に対する前記第2の無機層状化合物の乾燥体積の比率が前記第1の材料の乾燥体積に対する前記第1の無機層状化合物の乾燥体積の比率よりも高い、という要件を満たす多層構造体の製造方法。
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