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JP4991025B2 - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子 Download PDF

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JP4991025B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、短波長の半導体レーザに係り、特に光情報処理分野においてキンクのない高出力での連続発振が可能な窒化物半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会の発展とともに、大量の情報を記憶するファイ装置が必要とされ、短波長のレーザ光源は、DVD等の大容量メディアの光源として、通信用等の光源として切望されている。また、本出願人は、窒化物半導体レーザ素子で、波長403.7nmのシングルモードでの室温における連続発振1万時間以上を達成したことを発表した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したようなレーザ光源としての応用には、レーザ素子の更なる特性向上、特に光学的な特性の向上が必要となる。それは、レーザ光のビーム形状のアスペクト比、遠視野像の改善、光の漏れ防止など、半導体レーザの光導波路の改善が必要となる。
【0004】
具体的には、上記長寿命のレーザ素子は、リッジ導波路構造の屈折率導波型であり、横モードの制御を高い精度で実現しなければならない。これは、リッジ導波路構造は、エッチングの深さ、ストライプの高さなどにより、実効屈折率が変化するため、このような構造の変化は、素子特性に大きな影響を及ぼすこととなる。上述した従来のレーザ素子では、上述したように、その応用において、十分な光学特性を有しているとはいえず、更にその特性を向上する必要がある。
【0005】
それは、レーザ光のビーム形状、すなわちF.F.P.(ファー・フィールド・パターン)でのアスペクト比の改善である。なぜなら、光ディスクシステムやレーザプリンタへの応用には、レーザ光を各光学系により補正・調整されるが、上記アスペクト比がある値以上になければその補正光学系が大規模になり、その設計、製造、またその光学系を経ることによる損失が大きな問題となる。
【0006】
更には、窒化物半導体発光素子では、従来から問題となっていた光の漏れ対策も必要であり、これはレーザ素子においてリップルとして現れ、レーザ素子の応用において、雑音の問題を生み出すこととなる。
【0007】
加えて、レーザ素子の生産性の面から、更なる歩留りの向上が必要である。これは、具体的にはストライプ形成時のエッチング深さの制御性に起因する問題である。
【0008】
本発明では、上述したようなレーザ素子の応用において、問題となる素子特性の向上を達成した窒化物半導体レーザ素子を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記事情に鑑み、ビーム形状の良好なレーザ素子を得るため、導波路を構成する光ガイド層に着目して、p側光ガイド層とn側光ガイド層の膜厚を異ならせることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の窒化物半導体レーザ素子は、基板上に、n型窒化物半導体層と、活性層と、p型窒化物半導体層とを有する窒化物半導体レーザ素子において、前記活性層を挟み込むようにn側光ガイド層とp側光ガイド層とを設けて導波路を形成し、該導波路を挟み込むようにn側クラッド層とp側クラッド層とを設け、前記p側光ガイド層にストライプ状の突出部がエッチングにより設けられることでストライプ状の導波路領域を有し、前記p側光ガイド層が、n側光ガイド層の膜厚より厚く形成されており、前記p側光ガイド層の前記突出部における膜厚が1μm以下であり、かつ、前記p側光ガイド層のエッチングされた残りの膜厚が500Å以上であり、前記突出部の上面以外の領域であって、該突出部の側面であるp側光ガイド層の表面に、保護膜を有し、前記保護膜は、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、又はSiO 、BN、SiC、AlNの内の少なくとも一種で形成されることを特徴とする。このことにより、閾値電流を上昇させることなく、良好な光閉込め効果を実現し、リップルを減少させる。また、製造においては、エッチングによりストライプ状の導波路などを形成する際に、p側光ガイド層の位置までをエッチング深さとする場合には、従来に比べて、エッチング精度が増すため好ましい。
【0011】
前記p側光ガイド層のストライプ状の突出部を有すると共に、該突出部の上にp型窒化物半導体層を有し、該p側光ガイド層の突出部の膜厚が1μm以下であることを特徴とする。このことにより、ストライプ状の導波路領域が形成され、良好な横モードの制御が可能となり、具体的には実効的な屈折率差が効果的に形成されるため、取り出される光のビーム形状、特に接合面に平行な方向でのファー・フィールド・パターンの光の広がりが従来に比べて向上し、アスペクト比も素子の応用において良好なものである。更に、このような光学特性の向上は、従来と同程度以上の閾値電流を低く抑え、長寿命での発振を可能とし、従来の発振に関する諸特性を維持して、実現されるものである。
【0012】
前記p側光ガイド層の突出部及び、該突出部上のp型窒化物半導体層が、p型窒化物半導体層側からエッチングすることにより形成されたストライプ状のリッジ導波路であることを特徴とする。p側光ガイド層に形成されるリッジ導波路であることから、良好な閾値電流の低減、長寿命、単一モードでの安定した発振を実現し、且つ横モードの閉じ込めが良好で、アスペクト比の良好なレーザ光得られるリッジ導波路構造のレーザ素子である。
【0013】
前記p側光ガイド層の膜厚が、2500Å(オングストローム)以上であることにより、レーザ光の導波において、より効果的な実効屈折率が働き、水平横モードの閉じ込めがより効果的となり、安定して良好なアスペクト比のレーザ光が得られる。
【0014】
前記p側光ガイド層は、突出部以外の領域における膜厚が、500Å以上1000Å以下であること、安定してレーザ素子の製造され、素子ばらつきの少なく、製造歩留りの向上が実現できる。
【0015】
前記突出部のストライプ幅が、1μm以上3μm以下であることにより、良好な横モードの制御を可能とし、特に単一モードでの発振を可能とし、高出力でもキンクなどの発生を抑えられたものである。
【0016】
前記p側光ガイド層は、InxGa1−xN(0≦x<1)であることにより、良好な光導波路形成され、より素子特性に優れたレーザ素子となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1に示す、具体例を用いて説明する。本発明の窒化物半導体レーザ素子は、具体的には基板上に、n型窒化物半導体からなるn側光ガイド層と、活性層、p型窒化物半導体からなるp側光ガイド層とを積層した構造を有し、この時p側光ガイド層の膜厚がn側光ガイド層の膜厚より厚いことである。
【0018】
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、活性層をp側光ガイド層とn側光ガイド層とで挟み込む構造で導波路を構成し、p側光ガイド層がn側光ガイド層の膜厚より厚いことで、良好なレーザ光を有するものである。これは、活性層を挟むp側光ガイド層とn側光ガイド層の膜厚が異なることにより、膜厚方向において光分布が利得分布からずれ、従来とは横モードの制御において変化を持たせることにより、良好なレーザ光を取り出すことにある。また、光の閉じ込めにおいても、その効果が増し、リップルの発生を抑制する。
【0019】
(ストライプ状の導波路領域)
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、上述した光ガイド層の膜厚が活性層を挟んで非対称であることに加えて、ストライプ状の導波路領域を設けることでより横モードの制御された、屈折率導波型の構造を有するものである。すなわち、基板上に、n型窒化物半導体からなるn側光ガイド層と、活性層と、p型窒化物半導体からなるp側光ガイド層とが積層された構造で、p側光ガイド層がストライプ状の突出部を有し、ストライプ状の導波路領域を有するものである。さらには本発明のレーザ素子は、その突出部の上にp型窒化物半導体層が形成されたレーザ素子である。具体的にはこのようにストライプ状の導波路領域を有するものであり、屈折率導波型のレーザ素子である。
【0020】
(エッチング深さ)
上記本発明のレーザ素子は、具体的には、n型窒化物半導体からなるn側光ガイド層、活性層、p型窒化物半導体からなるp側光ガイド層、更にその上にp型窒化物半導体層を積層した後、p型窒化物半導体層側からエッチングにより、p型窒化物半導体層、p側光ガイド層の一部を除去して、ストライプ構造を形成する。このとき、側光ガイド層の突出部の高さは、エッチングする深さにより決定されるため、後述するように、従来に比べてエッチング深さの制御性が向上する。また、エッチングの深さは、活性層に達しない深さであることが重要であり、本発明においてはp側光ガイド層の位置まで、エッチングする。
【0021】
本発明において、上記p側光ガイド層の突出部、若しくはストライプ状のリッジ導波路の形状としては、順メサ型、逆メサ型形状に限定されないが、順メサ形状とすることで、良好な横モードの制御が実現できる傾向にあり好ましい。
【0022】
(エッチング手段)
上述したp側光ガイド層若しくはリッジ導波路の形成等、窒化物半導体をエッチングするには、ウエットエッチング、ドライエッチング等の方法があり、例えばドライエッチングとして、反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択することにより、窒化物半導体をエッチングすることができる。
【0023】
(光ガイド層)
n側光ガイド層とp側光ガイド層とで活性層を挟み込む構造でもって、導波路を成すものである。本発明のレーザ素子は、p側光ガイド層にストライプ状の突出部が設けられることにより、ストライプ状の導波路領域を有するものである。
【0024】
(p側光ガイド層)
本発明において、活性層を挟むn側光ガイド層、p側光ガイド層は、その膜厚が異なり、p側光ガイド層の膜厚を厚くすることにある。更に好ましくは、p側光ガイド層は、ストライプ状の突出部を有するものであり、具体的にはこの突出部の上に、p型窒化物半導体層が形成され、ストライプ状の導波路領域を有するレーザ素子を形成するものである。具体的には、p側光ガイド層でリッジ導波路を形成したレーザ素子である。また、この突出部は上述したように、具体的にはp型窒化物半導体層側からエッチングすることにより形成され、p側光ガイド層の膜内で、エッチングストップすることで、形成する。ここで、p側光ガイド層の膜厚は、p側光ガイド層を成長させる際の膜厚に当たり、p側光ガイド層形成後に上記エッチングにより突出部を形成する場合には、所定の膜厚のp側光ガイド層の一部を除去して形成するため、突出部の膜厚がp側光ガイド層の膜厚となる。この時、p側光ガイド層が1μmを超える膜厚であると、閾値が大幅に向上し、レーザ発振が極めて困難となり、例え発振しても素子寿命の極めて短いレーザ素子となるため、好ましくはp側光ガイド層の膜厚を1μm以下とする。更に好ましくは、p側光ガイド層の膜厚、すなわち突出部の膜厚を、1500Å以上5000Å以下の範囲とすることである。なぜなら、1500Åより薄いと、レーザ光のF.F.P.が良好とはならず、また5000Åを超える膜厚であると、発振しきい電流が上昇する傾向にあるからである。具体的には、1500Åより薄いと、水平横モードの制御が十分になされず、そのF.F.P.は、x方向に10°以上のビーム形状となり、結果として、アスペクト比が2.0を超えるものとなる。この時、特に本発明において、p側光ガイド層の膜厚が、2500Å以上になると、活性層を挟むガイド層の膜厚が同じである場合に比べて、閾値電流の上昇を低く抑える傾向が確認され、本発明のようにp側光ガイド層の膜厚が厚く非対称な導波路を有することが有利に働く傾向がある。
【0025】
また、エッチングにより、上記リッジ導波路、突出部を形成する際には、生産性も考慮しなければならない。これは、エッチングの深さがますにつれて、その精度、例えばウェーハ内での素子間のばらつきが多く発生するようになり、これをそれを回避する必要がある。具体的には、0.7μmを超える深さでエッチングして、上記ストライプ状の突出部(リッジ構造)を形成すると、上記問題が急激に発生する傾向にあり、これよりも浅くエッチングすることが好ましい。すなわち、これは、本発明において、リッジの高さを調整するものであり、上記範囲内でレーザ素子を形成することが好ましい。ここで、突出部の高さとは、具体的には、上記突出部以外の領域におけるp側光ガイド層の平面、すなわちエッチングにより露出され突出部の側面に連続した平面から、突出部まで、リッジの高さはその突出部の上に形成されたp型窒化物半導体層までで、その膜厚方向での高さを指し、p型窒化物半導体層の最上面がエッチング開始位置である。
【0026】
(突出部の高さ)
更に、本発明の上記p側光ガイド層において、突出部の高さを高くすると、発振しきい電流が下がる傾向にあり、好ましい。すなわち、これは、エッチングが深くなるにつれて、出力の安定性を増加させるものであり、レーザ素子の応用に多大に寄与するものである。すなわち、出力が増加しても、単一モードでの安定した発振を実現し、発振しきい電流が良好なため素子劣化を大幅に抑制し、長寿命での連続発振を実現する効果がある。前記p側光ガイド層において、突出部の高さが100Å以上であることにより、良好なビーム形状有するレーザ素子が得られ、好ましくは、500Å以上であり、その出力において、高出力でも単一モード発振が可能である。そのため、レーザ素子の応用において必要とされる素子の信頼性を十分に確保されたものである。
【0027】
以上に加えて、エッチングにより形成する場合には、エッチングにより露出される表面の平坦性も考慮すると、更に、好ましい。これは、エッチングにより、上記ストライプ状の突出部を形成する際に、そのエッチングにより露出されたp側光ガイド層の表面の位置が、膜厚方向であって、素子間のばらつきを生む程度の領域において、ばらつきがあるため、それを考慮する必要がある。具体的には、p側光ガイド層を膜厚500Å以上、好ましくは500以上1000Å以下の範囲残す深さでエッチングして、上記p側光ガイド層の突出部を形成することである。これは、膜厚500Å以上の残る深さであると、p側光ガイド層よりも深くエッチングされることが、ほぼなくなり、良好な精度で突出部が形成される。また、1000Å以上であると、上述した発振しきい電流の上昇がみられ、さらに横モードの制御性に劣る傾向にある。
【0028】
本発明において、p側光ガイド層の組成としては、特に限定されるものではなく、窒化物半導体からなり、導波路形成に十分なエネルギーバンドギャップを有していれば良く、単一の膜、多層膜のどちらでも良い。例えば、波長370〜480nmではアンドープのGaNを用い、それよりも長波長ではInGaN/GaNの多層膜構造を用いることである。
【0029】
また、本発明において、n側光ガイド層と、p側光ガイド層とで活性層を挟み込む構造により構成される導波路は、その膜厚の総和、すなわち両ガイド層で挟まれる領域の膜厚が、好ましくは5000Å以下、更に好ましくは、4500Å以下とすることである。なぜなら、上記導波路の膜厚の総和が、5000Åを超えると閾値が上昇し、更に7000Åを超えると急激に発振しきい電流が増大し、基本モードでの連続発振が極めて困難になるためであり、4500Å以下であると、そのような発振しきい電流の上昇は抑えられ、基本モード、且つ長寿命での連続発振が可能である。
【0030】
本発明において、n側光ガイド層はp側光ガイド層の膜厚より薄いこと以外には特に限定されるものでなく、両光ガイド層で活性層を挟み込む構造として導波路とすることである。また、n側光ガイド層として具体的には、GaN、InGaNを成長させることが望ましく、具体的にはアンドープのGaN、活性層に近づくに従いIn混晶比を小さくしたInGaNと、GaNとを交互に積層した多層膜等がある。ここで、InGaNとは、GaNにInが含まれる三元混晶のことである。
【0031】
本発明の窒化物半導体レーザ素子において、上記p側光ガイド層の上に形成されるp型窒化物半導体層としては、具体的には、実施例に示すようにp側クラッド層、p側コンタクト層などを積層したものである。そのため、本発明では、p側光ガイド層の突出部の上に形成されたp型窒化物半導体層は、ストライプ状に形成されており、リッジ導波路を形成する。
【0032】
本発明において、光ガイド層と活性層との間に、キャップ層を形成しても良い。例えば、活性層とp側光ガイド層との間に、p型不純物をドープしたAlxGa1−xN(0≦x≦1)からなるp側キャップ層を形成することである。この時、ストライプ状のリッジ導波路を、p側キャップ層に達する深さで形成されると、素子寿命が低下する傾向にあり好ましくなく、このような場合にも上述したように、p側光ガイド層にストライプ状の突出部を設けるように、リッジ導波路を形成することが好ましい。
【0033】
以上のような活性層と光ガイド層とで導波路を形成する、若しくはそれにキャップ層を有する導波路について、具体的な実施形態としては、後述の実施例、変形例1〜3、図5〜7に示すものがある。光ガイド層は、活性層を挟む構造で、p型導電層側、n型導電層側にそれぞれ設けられ、この両光ガイド層で挟まれる領域でもって、光導波路領域を成すものである。
【0034】
また、上述の活性層とp側クラッド層との間、好ましくは活性層とp側光ガイド層との間に設けられるp側キャップ層は、閾値電流を低下させ、そのことによる容易な発振に寄与し、加えて活性層へのキャリアの閉込めとしても機能する層である。このp側キャップ層にAlGaNを用いる場合には、好ましくはp型不純物をドープしたものとすることで上記機能を有し得るが、ノンドープであっても上記キャリアの閉込めとして機能する傾向にある。また、膜厚としては、500Å以下で形成し、AlxGa1-xNの組成としては、xが0より大きく、好ましくは0.2以上とする事で上記効果が十分に期待できる。
【0035】
本発明において、リッジ導波路のストライプ幅、若しくはp側光ガイド層においては突出部のストライプ幅が、1μm以上3μm以下の範囲にあると、良好な横モードの制御が可能となる。これは、上記範囲であると、単一横モードでの発振が比較的良好に実現され、また上記p側光ガイド層でリッジ導波路が形成されることで、安定、且つ精度の良いビーム形状の制御(良好なF.F.P.)を実現することができる。この時、1μm未満であると、ストライプ状のリッジ構造若しくは上記突出部の形成が製造上困難となり、歩留りが低下し、3μmを超えると水平横モードの制御が困難になる傾向を示す。
【0036】
本発明における窒化物半導体レーザ素子を構成する窒化物半導体としては、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表され、窒化ガリウムの他に、3元系、4元系の混晶などがある。本発明では、上記、基板上に積層するレーザ素子構造を、実施例で示すように、上記組成式で表される窒化物半導体からなるものとすることが、上述したレーザ光の横モード、ビーム形状の制御が最も好ましくなる傾向にある。
【0037】
ここで、F.F.P.における水平方向(x方向)とは、接合面(若しくはpn接合面)に平行な方向を示すものであり、図2における遠視野像(F.F.P.)101のx方向102であり、その方向における横モードを水平横モードと記す。
【0038】
(作用・効果)
本発明は、活性層を挟む光ガイド層の内、p側光ガイド層をn側光ガイド層との膜厚より厚くした非対称な構造を有し、両光ガイド層で挟まれる導波路領域内における光分布を、従来のレーザ素子と比べてずらして、すなわち、光分布と利得分布をずらすことで、横モードを従来とは異なる方法で制御し、所望のビーム形状のレーザ光を得るものである。
【0039】
好ましくは、p側光ガイド層がストライプ状の突出部を有することであり、このことで、上述したようにストライプ状の導波路領域を形成し、実効的な屈折率分布を形成するものである。具体的には、図2に観るように、ストライプ状の突出部有するp側光ガイド層9側に、出射光であるレーザスポット103が偏り、良好な水平横モードの制御が実現されている。このことにより、従来のストライプ構造のレーザ素子では、F.F.P.の水平方向(x方向)では狭く、アスペクト比も3以上のものであったが、本発明ではこの水平方向の横モードが良好に制御されているため、従来に比べて格段にアスペクト比も良好なものとなる。
【0040】
また、本発明において、活性層がInを含む窒化物半導体、例えばInGaNの三元混晶、である場合には、活性層での発光が活性層内のInにより、光が散乱されることを考慮しなければならない。すなわち、活性層からの光は、活性層内の光散乱物質であるInにより、損失を受け、これが出力の向上を妨げる原意ともなる。本発明のレーザ素子では、上述したように、活性層挟む光ガイド層の内、p側光ガイド層の膜厚が厚いことにより、従来とは異なった導波によりレーザ光が得られるため、上記光散乱物質による損失が減少して、光ガイド層の膜厚が厚くなることによる、閾値電流の上昇を補填するようなレーザ素子となる。これは主に、膜厚方向における導波路内での光分布が利得分布からずれることで、上記光散乱物質に有する領域(活性層)からずれた所に、光が分布して導波することによる。このため、上記光の散乱による損失が減少し、結果として、従来と同等若しくはそれ以下の閾値電流で発振が可能になるものと思われる。このことで、従来より光ガイド層の膜厚、特にp側光ガイド層の膜厚が厚くなることにより閾値電流の上昇する傾向を抑え、本発明では上記光散乱の損失が減少することにより、閾値を従来と同程度の状態で、レーザのビーム形状の良好なレーザ素子が得られる。
【0041】
また、図2において、従来は、出射面におけるスポット形状103が、接合面に平行な方向に広がっており、F.F.P.でのx方向102は、10°以下と狭く、アスペクト比も悪いものであった。しかし、本発明では、図に示すように、スポット形状の長手方向は従来と同様に水平方向にあるが、その長手方向の広がりは、狭くなり、F.F.P.101のx方向は従来より広く、具体的には12°〜20°と良好で、アスペクト比も2.0前後と良好なものとなる。このように、出力特性、素子信頼性を悪化させずに、光学特性を改善するのは、上述したように、ストライプ状の突出部が設けられたp側光ガイド層により、良好な実効屈折率を有するストライプ状の導波路領域がレーザ素子に形成されたことによるものである。更にまた、上述したように、従来に比べて、p側光ガイド層の膜厚、若しくはそれにn側光ガイド層の膜厚を加えた両ガイド層のトータル膜厚が増すことにより、図における接合面に垂直な方向(y方向)のビーム広がりが、回折効果の減少により抑制され、このことも本発明のレーザ素子における光学特性、特にアスペクト比の改善に寄与している。すなわち、上述したような水平横モードの制御だけでなく、従来に比べて、F.F.P.でのy方向の光の広がりが抑えられたことで、従来のような垂直方向に扁平したファー・フィールド・パターン101からより真円に近づいたレーザ光が得られる。このように、p側光ガイド層がn側光ガイド層より膜厚が厚いことで、F.F.P.におけるx方向だけでなく、y方向へのビーム形状改善への寄与も、本発明の効果を奏するのに重要である。
【0042】
【実施例】
以下に示す、エッチング深さ、若しくはp側光ガイド層のストライプ状の突出部の高さに対する素子特性変化(図4)は、実施例1のレーザ素子をもとに測定されたものであり、活性層を挟む両光ガイド層の内、p側光ガイド層の膜厚が厚い場合におけるものである。
【0043】
図4は、エッチング深さ、p側キャップ層、p側ガイド層、p側光ガイド層とが積層された構造に対する、閾値電流変化、アスペクト比変化を示すものである。図4から明らかなように、p側光ガイド層に届く深さまで、エッチングしてリッジ構造を形成すること、すなわちp側光ガイド層がストライプ状の突出部を有することにより、良好な閾値電流でもって発振が可能であり、得られるレーザ光のアスペクト比も1に近づく傾向にあることを示している。このことは、図2で示すように、p側光ガイド層のストライプ状の突出部側に、出射光が移動するような状態になり、良好な実効屈折率が形成される。このことにより、水平横モードの閉じ込め有効に働き、結果として、F.F.P.におけるx方向のビーム形状が、10°以上、好ましくは12°〜20°の良好なレーザ光得られ、アスペクト比も良好であるレーザ素子が得られることを示すものである。また、p側光ガイド層の突出部以外の領域における膜厚が薄くなるにつれて、すなわち突出部の高さが高くなるにつれて、閾値電流、アスペクト比共に、低下する傾向も現れているため、好ましくは上述した範囲に突出部の高さとすることである。
【0044】
[実施例1]
図1は本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図でありストライプ状の突出部に垂直な面で切断した際の積層構造を示すものである。以下、この図を基に実施例1について説明する。
【0045】
ここで、本実施例では、基板として窒化物半導体と異なる異種基板を用いているが、GaN基板などの窒化物半導体からなる基板を用いても良い。ここで、異種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA124のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネルが挙げられる。また、異種基板は、オフアングルしていてもよく、この場合ステップ状にオフアングルしたものを用いると窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性よく成長させるため好ましい。更に、異種基板を用いる場合には、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる窒化物半導体を成長させた後、異種基板を研磨などの方法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種基板を除去する方法でも良い。
【0046】
基板として、(0001)C面を主面とするサファイア基板を用いた。この時、オリフラ面はA面であった。窒化物半導体を成長させる基板としては、サファイア(主面がC面、R面、A面)の他、SiC、ZnO、スピネル(MgAl2O4)、GaAs等、窒化物半導体を成長させるために知られている、窒化物半導体と異なる材料よりなる機種基板を用いることができる。また、窒化物半導体からなる基板上に直接積層しても良い。
【0047】
(バッファ層2)
1インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させる。
【0048】
(下地層3)
バッファ層成長後、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaNよりなる下地層3を4μmの膜厚で成長させる。この層は、素子構造を形成する各層の成長において基板として作用する。このように、異種基板上に、窒化物半導体の素子構造を形成する場合には、低温成長バッファ層、窒化物半導体の基板となる下地層を形成すると良い。
【0049】
(n側コンタクト層4)
次に、アンモニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、窒化物半導体基板1の上に、1050℃でSiを3×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn側コンタクト層5を4μmの膜厚で成長させる。
【0050】
(クラック防止層5)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層6を0.15μmの膜厚で成長させる。なお、このクラック防止層は省略可能である。
【0051】
(n側クラッド層6)
続いて、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、アンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn側クラッド層7を成長させる。
【0052】
(n側光ガイド層7)
続いて、シランガスを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn側光ガイド層8を1000Åの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層8にn型不純物をドープしても良い。
【0053】
(活性層8)
次に、温度を800℃にして、SiドープIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層を100Åの膜厚で成長させ、続いて同一温度で、アンドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を40Åの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚380Åの多重量子井戸構造(MQW)の活性層を成長させる。活性層は本実施例のようにアンドープでもよいし、またn型不純物及び/又はp型不純物をドープしても良い。不純物は井戸層、障壁層両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なお障壁層にのみn型不純物をドープすると閾値が低下しやすい。
【0054】
(p側キャップ層9)
次に、温度を1050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p側光ガイド層11よりもバンドギャップエネルギーが大きい、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.3Ga0.7Nよりなるp側キャップ層7を300Åの膜厚で成長させる。
【0055】
(p側光ガイド層10)
続いてCp2Mg、TMAを止め、1050℃で、バンドギャップエネルギーがp側キャップ層10よりも小さい、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層11を2500Åの膜厚で成長させる。
このp側光ガイド層10は、アンドープ、すなわち意図的にドープしない状態で成長させるが、p側キャップ層、p側クラッド層の隣接する層からのMg拡散が起こり、実際にはMg濃度が5×1016/cm3となり、Mgがドープされた層となる。
【0056】
(p側クラッド層11)
続いて、1050℃でアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてCp2Mg、TMAを止め、アンドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp側クラッド層12を成長させる。p側クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物はいずれか一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープしても良い。クラッド層12は、Alを含む窒化物半導体層、好ましくはAlXGa1−XN(0<X<1)を含む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくはGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。p側クラッド層12を超格子構造とすることによって、クラッド層全体のAl混晶比を上げることができるので、クラッド層自体の屈折率が小さくなり、さらにバンドギャップエネルギーが大きくなるので、閾値を低下させる上で非常に有効である。さらに、超格子としたことにより、クラッド層自体に発生するピットが超格子にしないものよりも少なくなるので、ショートの発生も低く抑えることができる。
【0057】
(p側コンタクト層12)
最後に、1050℃で、p側クラッド層11の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層12を150Åの膜厚で成長させる。p側コンタクト層はp型のInXAlYGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極20と最も好ましいオーミック接触が得られる。コンタクト層12は電極を形成する層であるので、1×1017/cm3以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。1×1017/cm3よりも低いと電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにコンタクト層の組成をGaNとすると、電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0058】
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウェーハを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面にSiO2よりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチング)を用いSiCl4ガスによりエッチングし、図1に示すように、n電極を形成すべきn側コンタクト層4の表面を露出させる。このように窒化物半導体を深くエッチングするには保護膜としてSiO2が最適である。
【0059】
次にストライプ状のリッジ導波路を形成する方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、最上層のp側コンタクト層12のほぼ全面に、PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO2)よりなる第1の保護膜61を0.5μmの膜厚で形成した後、第1の保護膜61の上に所定の形状のマスクをかけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜63を、ストライプ幅2μm、厚さ1μmで形成する。ここで、第1の保護膜61は、特に絶縁性は問わず、窒化物半導体のエッチング速度と差がある材料であればどのような材料でも良い。例えばSi酸化物(SiO2を含む)、フォトレジスト等が用いられ、好ましくは、後に形成する第2の保護膜との溶解度差を設けるために、第2の保護膜よりも酸に対して溶解されやすい性質を有している材料を選択する。酸としてはフッ酸を好ましく用い、そのためフッ酸に対して溶解しやすい材料として、Si酸化物を好ましく用いる。
【0060】
次に、図3(b)に示すように第3の保護膜63形成後、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、CF4ガスを用い、第3の保護膜63をマスクとして、前記第1の保護膜をエッチングして、ストライプ状とする。その後エッチング液で処理してフォトレジストのみを除去することにより、図3(c)に示すようにp側コンタクト層12の上にストライプ幅2μmの第1の保護膜61が形成できる。
【0061】
さらに、図3(d)に示すように、ストライプ状の第1の保護膜61形成後、再度RIEによりSiCl4ガスを用いて、p側コンタクト層12、およびp側クラッド層11、p側光ガイド層10をエッチングして、p側光ガイド層のエッチングされた領域(突出部以外の領域)における膜厚が1000Åとなる深さのストライプ状の導波路領域として、リッジストライプを形成する。
【0062】
リッジストライプ形成後、ウェーハをPVD装置に移送し、図3(e)に示すように、Zr酸化物(主としてZrO2)よりなる第2の保護膜62を、第1の保護膜61の上と、エッチングにより露出されたp側光ガイド層11の上(突出部以外の領域)に0.5μmの膜厚で連続して形成する。
【0063】
ここで、第2の保護膜の材料としてはSiO2以外の材料、好ましくはTi、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlNの内の少なくとも一種で形成することが望ましく、その中でもZr、Hfの酸化物、BN、SiCを用いることが特に好ましい。これらの材料はフッ酸に対しても多少溶解する性質を有しているものもあるが、レーザ素子の絶縁層にすれば埋め込み層としてSiO2よりもかなり信頼性が高くなる傾向にある。またPVD、CVDのような気相で成膜した酸化物系薄膜は、その元素と酸素とが当量反応した酸化物となりにくいので、酸化物系薄膜の絶縁性に対する信頼性が不十分となりにくい傾向にあるが、本発明で選択した前記元素のPVD、CVDによる酸化物、BN、SiC、AlNはSi酸化物よりも絶縁性に対して信頼性に優れている傾向にある。しかも酸化物の屈折率を窒化物半導体よりも小さいもの(例えばSiC以外のもの)を選択すると、レーザ素子の埋め込み層として非常に都合がよい。さらにまた、第1の保護膜61をSi酸化物とすると、Si酸化物に対して、フッ酸による選択性を有しているため、図3(e)に示すようにストライプ導波路の側面、そのストライプが形成されている平面(エッチストップ層)、及び第1の保護膜61の表面に連続して形成すると、リフトオフ法により、第1の保護膜61のみを除去すると、図3(f)に示すような、平面に対して膜厚が均一な第2の保護膜62を形成することができる。
【0064】
第2の保護膜62形成後、ウェーハを600℃で熱処理する。このようにSiO2以外の材料を第2の保護膜として形成した場合、第2の保護膜成膜後に、300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半導体の分解温度以下(1200℃)で熱処理することにより、第2の保護膜が第1の保護膜の溶解材料(フッ酸)に対して溶解しにくくなり、この工程を加えることがさらに望ましい。
【0065】
次に、ウェーハをフッ酸に浸漬し、図3(f)に示すように、第1の保護膜61をリフトオフ法により除去する。
【0066】
次に図3(g)に示すように、p側コンタクト層12の上の第1の保護膜61が除去されて露出したそのp側コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp電極20を形成する。但しp電極20は100μmのストライプ幅として、この図に示すように、第2の保護膜62の上に渡って形成する。第2の保護膜形成後、既に露出させたn側コンタクト層5の表面にはTi/Alよりなるn電極21をストライプと平行な方向で形成する。
【0067】
次に、n電極を形成するためにエッチングして露出された面でp,n電極に、取り出し電極を設けるため所望の領域にマスクし、SiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜64を設けた後、p,n電極上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)よりなる取り出し(パット)電極22,23をそれぞれ設けた。
【0068】
以上のようにして、n電極とp電極とを形成したウェーハのサファイア基板を研磨して70μmとした後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側からバー状に劈開し、劈開面((11−00)面、六方晶系の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。この共振器面にSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図1に示すようなレーザ素子とする。なおこの時の共振器長は800μmであった。
【0069】
このレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれのパット電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長400〜420nm、発振しきい電流密度2.9kA/cm2において単一横モードでの室温連続発振を示した。次に、レーザ光のF.F.P.を測定したところ、水平方向で16°〜20°の良好な水平横モードが得られた。また、水平横モードは、比較例1とほぼ同程度に良好で、アスペクト比は、2であった。加えて、厚膜の光ガイド層により、光の閉じ込めが良好となり、比較例1に比べてリップルの発生を大幅に抑制できた。
【0070】
[実施例2]
n側光ガイド層の膜厚が、2000Åであることを除いて、実施例1と同様に、レーザ素子を得る。得られるレーザ素子は、実施例1に比べて、横モードの制御に僅かに劣り、F.F.P.のx方向は、14°で、アスペクト比は2であるが、比較例1に比べて大幅に向上しているものである。アスペクト比が2.5以下であるため、光情報機器への応用がより簡単なものとなる。また、光の閉じ込めについては、実施例1と同様に良好で、リップルの発生も大幅に減少していた。出力特性については、p側光ガイド層とn側光ガイド層に挟まれる導波路領域の膜厚が、5000Å以上となるため、実施例1に比べて閾値電流が上昇しており、素子も実施例1に比べて劣るものであった。
【0071】
[実施例3]
p側光ガイド層の膜厚を、3000Å、突出部以外の領域における膜厚が1000Å、すなわちエッチングをp側光ガイド層の膜厚が1000Åとなる深さで実施する他は実施例1と同様にして、レーザ素子を得る。得られるレーザ素子は、実施例1に比べて、同程度に良好なレーザ光が得られ、F.F.P.のx方向のビームの広がりは、18°であり、アスペクト比も1.4と実用に十分なものであった。更に、p側光ガイド層の膜厚を3500Åとして、p側光ガイド層の突出部の高さを2500Å(突出部以外の領域の膜厚を1000Å)としたところ、閾値電流の上昇があり、素子寿命も低下する傾向にあったが、出射される光のビーム形状については、ほぼ同程度のものであった。これは、活性層を挟む両光ガイド層の膜厚の総和が、5000Åを超えたことによる影響と思われる。
【0072】
[実施例4]
p側光ガイド層の突出部のストライプ幅、すなわちストライプ状のリッジ導波路の幅を3μmとする他は、実施例1と同様にして、レーザ素子を得る。得られるレーザ素子は、実施例1に比べて、実施例1に比べて、水平横モードの制御が劣るものとなり、F.F.P.のアスペクト比は2と、実施例1に比べて劣るものであった。また、実施例1に比べて単一横モードでの発振の安定性に劣り、キンクの発生する不良品となる素子の割合が高くなる傾向にあった。このため、更に好ましくはストライプ幅は2μm±0.5μm(1.5μm以上2.5μm以下)の範囲にあることで、横モードの制御性に素子ばらつきが少なく、レーザ光のアスペクト比も良好で、単一モード発振のレーザ素子が得られる。
【0073】
[実施例6]
本発明の一実施形態として、実施例1よりも長波長、具体的には480nm以上の長波長のレーザ素子について以下説明する。C面を主面とするサファイアよりなる異種基板1の上に、実施例1と同様にGaNよりなるバッファ層2を200Å、アンドープGaNよりなる下地層3を4μmを成長させ、その上にSiを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn側コンタクト層4を4.5μm、SiドープのIn0.3Ga0.7Nよりなる中間層5を成長させる。この時、中間層は、省略が可能である。
【0074】
(n側クラッド層6)
次に、TMG、アンモニア、TMA(トリメチルアルミニウム)を流し、1050℃にしてアンドープAl0.15Ga0.85Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構成し、総膜厚0.2μm〜1.5μm、好ましくは0.7μmの超格子よりなるn側クラッド層6を成長させる。n側クラッド層は、Alを含む窒化物半導体層、好ましくはAlXGa1−XN(0<X<1)を含む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくはGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。超格子とした場合、不純物はいずれか一方の層に多くをドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープしても良い。
【0075】
(n側光ガイド層7)
続いて、シランガスを止め、TMIを流し、850℃〜950℃、好ましくは880℃でアンドープIn0.1Ga0.9Nよりなる層を10Åの膜厚で成長させ、続いてTMIを止めて、アンドープGaNよりなる層を10Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構成し、総膜厚50Å〜2500Å、好ましくは500Å〜800Å、更に好ましくは750Åの超格子よりなるn側光ガイド層7を成長させる。
【0076】
(活性層8)
続いて、TMIを流し、750℃〜850℃、好ましくは820℃でアンドープIn0.4Ga0.6Nからなる井戸層を30Å、アンドープIn0.3Ga0.7Nからなるキャップ層を10Å、続いて850℃〜950℃、好ましくは880℃でアンドープのIn0.1Ga0.9Nからなるバリア層を60Å成長させ、これを1ペアとして合計6ペア積層した活性層8を成長させる。
【0077】
(p側キャップ層9)
次にTMIを止め、TMAを流し、850℃〜950℃、好ましくは880℃で、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.3Ga0.7Nよりなるキャップ層9を10Å以上、0.1μm以下、好ましくは100Åの膜厚で成長させる。
【0078】
(p側光ガイド層10)
続いて、TMAを止め、TMIを流し、850℃〜950℃、好ましくは880℃で、アンドープIn0.1Ga0.9Nよりなる層を10Åの膜厚で成長させ、続いてTMIを止めて、Mgを1×1018〜3×1018/cm3ドープしたGaNよりなる層を10Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構成し、総膜厚50Å〜2500Å、好ましくは500Å〜800Å、更に好ましくは750Åの超格子よりなるp側光ガイド層10を成長させる。
【0079】
(p側クラッド層11)
続いて、TMAを流して、850℃〜1050℃でアンドープAl0.15Ga0.85Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、Mgを3×1018〜5×1018/cm3ドープしたGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子構造を構成し、総膜厚0.2μm〜1.5μm、好ましくは0.7μmの超格子よりなるp側クラッド層11を成長させる。
【0080】
(p側コンタクト層12)
最後に、850℃〜1050℃でp側クラッド層10の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層12を150オングストロームの膜厚で成長させる。p側コンタクト層はp型のInXGaYAl1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaN、InGaNとすれば、p電極と最も好ましいオーミック接触が得られる。コンタクト層12は電極を構成する層であるので、1×1018/cm3以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。1×1018/cm3より低いと、電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにコンタクト層の組成をGaN、InGaN若しくは、GaN、InGaNを含む超格子とすると、電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0081】
以上の各層を積層した後、実施例1と同様に、エッチングして、n側コンタクト層4の表面を露出させ、更にストライプ状のリッジ導波路を形成して、n電極21,p電極20、誘電体多層膜64、取り出し電極22,23を形成して、レーザ素子を得る。得られるレーザ素子は、閾値電流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.0Vで、発振波長480nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。また、そのレーザ光は、F.F.P.において、ビーム形状の水平方向(x方向)が広く17°程度であり、アスペクト比も1.5程度と良好なものであった。長波長のレーザ素子でも、良好なレーザ光で、発振しきい電流も低く良好なもので、寿命特性も良好なものが得られる。
【0082】
[比較例1]
p側光ガイド層、及びn側光ガイド層の膜厚が、1000Åであることを除いて、実施例1と同様にレーザ素子を形成した。得られたレーザ素子は、同程度の発振しきい電流であったが、F.F.P.において、x方向の広がりが狭く8°程度であり、そのアスペクト比も3.2程度であった。
【0083】
[参考例1]
参考例として、基板の上に表1に示すn側コンタクト層〜p側コンタクト層までの各層を順に積層し、エッチングにより、ストライプ状の導波路を形成し、更にn側コンタクト層を露出させ、これらのコンタクト層にp,n電極を形成して、図5に示すレーザ素子を得る。この時、ストライプ状の導波路を形成する際のエッチング深さとしては、p側クラッド層の膜厚が0.1μmとなる位置より下(活性層に近づく方向)で、活性層よりも上(活性層に達しない深さ)となる深さである。
【0084】
【表1】
Figure 0004991025
【0085】
得られるレーザ素子は、光ガイド層とp側キャップ層を有しているレーザ素子に比べて、駆動電流が大幅に上昇する傾向にあり、100mA近傍のものもあった。
【0086】
[参考例2]
参考例として、基板の上に表2に示すn側コンタクト層〜p側コンタクト層まで順に積層し、エッチングにより、ストライプ状の導波路を形成し、更にn側コンタクト層を露出させ、これらのコンタクト層にp,n電極を形成して、図6に示すレーザ素子を得る。この時、ストライプ状の導波路を形成する際のエッチング深さとしては、p側クラッド層の膜厚が0.1μmとなる位置より下(活性層に近づく方向)で、活性層よりも上(活性層に達しない深さ)となる深さである。
【0087】
【表2】
Figure 0004991025
【0088】
得られるレーザ素子は、参考例1に比べて、駆動電流が10〜20mA程度低くなる傾向にある。
【0089】
[変形例1]
変形例として、基板の上に表3に示すn側コンタクト層〜p側コンタクト層までの各層順に積層し、エッチングにより、ストライプ状の導波路を形成し、更にn側コンタクト層を露出させ、これらのコンタクト層にp,n電極を形成して、図7に示すレーザ素子を得る。この時、ストライプ状の導波路を形成する際のエッチング深さとしては、具体的にはp側クラッド層の膜厚が0.1μmとなる位置より下(活性層に近づく方向)で、活性層よりも上(活性層に達しない深さ)となる深さである。好ましくは、上述したように、ストライプ状のリッジ導波路がp側光ガイド層210に達する深さで形成し、さらに具体的には実施例1と同様に、膜厚1000Åとなる深さで形成する。
【0090】
【表3】
Figure 0004991025
【0091】
得られるレーザ素子は、p側キャップ層を有するレーザ素子に比べて、駆動電圧Vfが、下がる傾向にあるものの、閾値電流が5〜6倍に上昇する傾向にあり、得られるレーザ素子の多くがレーザ発振を示さない傾向にある。また、p側光ガイド層の膜厚を2.5μm、n側光ガイド層の膜厚を1.5μmとして、p側光ガイド層をn側よりも厚くして得られるレーザ素子は、上記に加えて、ストライプ状の導波路による横モードの制御が良好なものとなり、アスペクト比などの光学特性に優れるレーザ素子が得られる。このように、両光ガイド層の膜厚差が、1μmであると、上述した光分布がp側光ガイド層側に偏らせることによるモード制御性向上の効果が、十分に得られる傾向にある。この両光ガイド層の膜厚差としては、500Å以上であれば前記傾向がみられる。
【0092】
(長波長域のレーザ素子)
本発明のレーザ素子において、450nm以上、具体的には450以上520nm以下の、青色〜緑色の長波長領域では、以下の層構成とすることが好ましい。ただし、本発明は、この波長域に限定されるものではない。
長波長域において、活性層として、井戸層、障壁層に加えて、その間に中間層を設けることが発振特性の向上につながり好ましい。
【0093】
短波長域、具体的には450nm以下の波長域、に用いる活性層では、InGaNからなる井戸層、その井戸層よりバンドギャップエネルギーの大きい障壁層で挟んだ量子井戸構造で、具体的にはInGaNからなる井戸層とその井戸層とは混晶比若しくは組成の異なるAlGaInNからなる障壁層を用いる。このような構造として、障壁層/井戸層/障壁層の単一量子井戸構造(SQW)、井戸層と障壁層とを繰り返し積層した多重量子井戸構造(MQW)が用いられている。しかし、この井戸層と障壁層とは、混晶比もしくは組成が異なるため、それぞれの層成長時に適した温度が異なることとなり、その成長が困難な傾向になる。この場合、井戸層の上に、それよりも成長温度を高くして障壁層を成長することとなる。これは、Inを有する井戸層において、障壁層成長時の昇温過程で、Inの分解が発生し、発光ピークの鋭いものが得られなくなる。また、障壁層を井戸層とほぼ同じ温度で形成したとしても、活性層の形成後に続く、他の層(クラッド層、ガイド層)を形成する際にも、良好な結晶成長のためには昇温過程が必要となる。このような成長困難性は、発振波長が長くなるにつれて、顕著なものとなる傾向にあり、上記長波長域では中間層を設けることが好ましい。
【0094】
このため、上記中間層を介することで、上記昇温による問題を解決できる。この中間層を設けることで、上記Inの分解を部分的なものとして観察される傾向にあり、また中間層そのもののが凹凸を呈する表面形態として観察される傾向にあり、これらのことが駆動電圧や閾値電圧の大幅な低下に寄与しているものと考えられる。この中間層は、井戸層と障壁層との間に設けるものであり、そのバンドギャップエネルギーが、障壁層よりも大きいものである。この中間層は、活性層がMQWである場合には、少なくとも1層の井戸層上に設ける必要があり、全ての井戸層の上に設けることで、井戸層上の障壁層の全てについて上記問題が解決でき好ましい。
【0095】
また、中間層の膜厚としては、障壁層の膜厚より薄くして、1原子層以上100Å以下の範囲とすることが好ましい。これは膜厚が100Å以上となることで、中間層と障壁層との間にミニバンドが形成され、発振特性が悪化する傾向にあるためである。この時の障壁層としては、10Å以上400Å以下の範囲とする。更に、中間層の組成として、好ましくはAluGa1-uN(0≦u≦1)とすることで、上記Inの部分的な分解、中間層の表面形態による駆動電圧や閾値電圧の低下傾向を示し、更に好ましくは、AlvGa1-vN(0.3≦v≦1)とすることで上記各電圧の低下を大きくすることができる。
【0096】
[変形例2]
基板上に、以下の表4に示すn側コンタクト層〜p側コンタクト層を順に積層して、レーザ素子構造を形成した。次に、ストライプ幅1.8μm、p側コンタクト層側からp側光ガイド層の膜厚が500Åとなる深さまで、エッチングすることで、ストライプ状のリッジ導波路を形成し、その他は実施例と同様に、更にエッチングによりn側コンタクト層を露出させ、各コンタクト層の上に、p,n電極を形成して、チップを取り出して図8に示すようなレーザ素子を得た。なお、図中208aは中間層、208bは井戸層、208cは障壁層を示すものであり、図8は、活性層208の構造を拡大して模式的に示している。
【0097】
【表4】
Figure 0004991025
【0098】
得られたレーザ素子は、波長450nmであり、室温において閾値電流密度2.0kA/cm2、で1000時間以上の連続発振が確認された。これは、ストライプ状の導波路形成時のエッチング深さが、p側光ガイド層に達しない深さのレーザ素子に比べても、横モードの制御性、F.F.P.におけるアスペクト比に優れたものが得られる。また、p側光ガイド層を1300Åとして、n側光ガイド層との膜厚差を十分なものとすることで、更に好ましいレーザ素子を得ることができる。
【0099】
[変形例3]
基板上に積層する素子構造が、以下の表5の通りであることを除いて、変形例2と同様にして、レーザ素子を得る。
【0100】
【表5】
Figure 0004991025
【0101】
得られるレーザ素子は、発振波長が510nmであり、良好なレーザ素子が得られる。変形例2に比べて、活性層をMQWからSQWとしたことによる素子特性の低下は僅かなものとなる傾向にあるが、活性層中の中間層がGaNであることにより、中間層を設けることによる効果が低くなる傾向がみられる。しかしながら、変形例2と同様に、本発明のストライプ状の導波路を有することで、横モードの安定性、素子寿命に優れたレーザ素子が得られ、長波長域にも本発明は適用できる。また、p側光ガイド層を1300Åとして、n側光ガイド層との膜厚差を十分なものとすることで、更に好ましいレーザ素子を得ることができる。
【0102】
[変形例4]
実施例1と同様に、異種基板上にバッファ層、下地層を形成した後、Siを1×1018/cm2ドープしたGaNを100μmの膜厚で成長させる。続いて、ウエハの裏面、すなわち、窒化物半導体を成長させた異種基板の主面に対向する面側から、研磨して、基板を除去し、窒化物半導体のみとする。
次に、基板除去した面とは反対側の面の窒化物半導体204を主面として、図9に示すように、実施例1と同様の、n側クラッド層206、n側光ガイド層207、活性層208、p側キャップ層209、p側光ガイド層210、p側クラッド層211、p側コンタクト層212を順に積層する。続いても、実施例1と同様に、700℃でアニールを行いp型導電層を更に低抵抗化し、反応容器からウェーハを取り出し、RIE装置に移して、エッチングにより幅約3μmのストライプ状の導波路を形成する。この時、エッチング深さは、p側光ガイド層の膜厚に達する深さで、その膜厚が500Åとなる位置となる深さで形成する。つづいて、p側コンタクト層212の最上面にNi/Auからなるp電極220を形成し、このp電極220を除くエッチング露出面に、SiO2よりなる絶縁膜264を形成し、p電極220に電気的に接続する取り出し電極222を絶縁膜264にまたがって形成し、ウェーハの裏面(n側コンタクト層表面)にTi/Alよりなるn電極221、その上にヒートシンクとのメタライゼーション用にAu/Snよりなる薄膜を形成する。最後に、n電極221が設けられたウェーハ面側からスクライブし、GaNのM面[(11−00)面]でウェーハを劈開してバー状とした後、共振面を作製する。互いに対向する一対の共振面の内、少なくとも一方にSiO2/TiO2よりなる誘電体多層膜のミラーを設け、最後に共振器方向にほぼ垂直に切断して、レーザ素子チップ得る。得られるレーザ素子は、実施例1に比べて、ストライプ幅が広いために、横モードの安定性に少し劣るものの、電流―光出力曲線において、キンクの発生のない良好な特性を有している。このことは、本発明がこのような設計変更に影響されず、良好な素子特性の向上を奏しうることを示唆するものである。
【0103】
【発明の効果】
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、従来の出力特性を確保しながら、レーザ素子の光学特性、特にレーザ光のF.F.P.を良好なものが得られ、アスペクト比も大幅に改善された。また、光の閉じ込め効果が増大させることができたため、良好な導波路の形成が可能となり、素子寿命の向上も確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ素子を説明する断面模式図。
【図2】本発明のレーザ素子を説明する一部拡大した模式図。
【図3】本発明の一実施形態の製造方法を説明する模式図。
【図4】本発明のレーザ素子におけるエッチング深さと素子特性の関係を説明する図。
【図5】本発明の変形例1に係るレーザ素子の模式断面図。
【図6】本発明の変形例2に係るレーザ素子の模式断面図。
【図7】本発明の変形例3に係るレーザ素子の模式断面図。
【図8】本発明の変形例4,5に係るレーザ素子の模式断面図。
【図9】本発明の変形例6に係るレーザ素子の模式断面図。
【符号の説明】
1,201・・・異種基板
2,202・・・バッファ層
3,203・・・下地層
4,204・・・n側コンタクト層
5,205・・・クラック防止層
6,206・・・n側クラッド層
7,207・・・n側光ガイド層
8,208・・・活性層
9,209・・・p側キャップ層
10,210・・・p側光ガイド層
11,211・・・p側クラッド層
12,212・・・p側コンタクト層
61,261・・・第1の保護膜
62,262・・・第2の保護膜
63,263・・・第3の保護膜
20,220・・・p電極
21,221・・・n電極
22,222・・・pパッド電極
23,223・・・nパッド電極

Claims (8)

  1. 基板上に、n型窒化物半導体層と、活性層と、p型窒化物半導体層とを有する窒化物半導体レーザ素子において、
    前記活性層を挟み込むようにn側光ガイド層とp側光ガイド層とを設けて導波路を形成し、該導波路を挟み込むようにn側クラッド層とp側クラッド層とを設け、
    前記p側光ガイド層にストライプ状の突出部がエッチングにより設けられることでストライプ状の導波路領域を有し、
    前記p側光ガイド層の前記突出部における膜厚が、n側光ガイド層の膜厚より厚く形成されており、
    前記p側光ガイド層の前記突出部における膜厚が1μm以下であり、かつ、前記p側光ガイド層のエッチングされた残りの膜厚が500Å以上であり、
    前記突出部の上面以外の領域であって、該突出部の側面であるp側光ガイド層の表面に、保護膜を有し、
    前記保護膜は、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、又はSiO、BN、SiC、AlNの内の少なくとも一種で形成されることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記突出部のストライプ幅が、1μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記p側光ガイド層は、InGa1−xN(0≦x<1)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記活性層とp側光ガイド層の間に、p型不純物をドープしたAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるp側キャップ層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記p側クラッド層は、AlGa1−xN(0<x<1)を含む超格子構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記活性層は、単一量子井戸構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記n側クラッド層が、p側クラッド層の膜厚より厚く形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 前記保護膜は、窒化物半導体よりも屈折率が小さい酸化物である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
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