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JP4975031B2 - 薬物リン酸化酵素 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内で薬物をリン酸化する酵素に関する。更に、本発明は、上記酵素を用いた化合物のリン酸化方法、該酵素によってリン酸化される化合物のスクリーニング方法、及び被験者の被験化合物のリン酸化能を判定する方法等に関する。
医薬品の中には、患者に投与する段階では実際の薬効を有する化合物とは構造を異にし、患者に投与すると生体内で代謝され構造が変化し、その薬効を発揮するものがある。このような生体内で代謝される前の化合物はプロドラッグと呼ばれ、プロドラッグを薬効を示す化合物に代謝する酵素についても種々のものが知られている。
アミノアルコール誘導体の中には生体内でリン酸化されることによって免疫抑制活性を示すものがある。例えば、FTY720(2-Amino-2-[2-(4-octylphenyl)ethyl]propane-1,3-diol hydrochloride)は、生体内でスフィンゴシンキナーゼ1及び2によってリン酸化を受けて、FTY720-phosphate [i.e., (:)2-amino- 2 phosphoryloxymethyl-4-(4-octylphenyl)butanol],になり、免疫抑制作用を示すと考えられている(The Journal of Biological Chemistry, (2003), 278, p.47408−47415)。
一方、一般式(I)(式中、R及びRは、水素原子である。Rは、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)で表される化合物についても生体内でリン酸化されることによって活性体に変化し、免疫抑制活性を示すと考えられているが(日本国特許公開公報:特開2005-46141号公報)、生体内におけるリン酸化機構は不明であった。
これらの化合物のリン酸化機構を解明することは、生体内でリン酸化されることによって活性を示す化合物の探索や、活性発現の機構の解明、更には薬剤に対して感受性を有する患者の選択等に有効であると考えられた。
Figure 0004975031
ヒト フルクトサミン−3−キナーゼ関連タンパク質(human fructosamine-3-kinase-related protein:以下、「ヒトFN3KRP」ともいう。)はリブロサミンやサイコサミンのようなケトサミンの3位をリン酸化する活性を持つことが報告されている(Diabetes, (2003), 52, p.2888−2895)が、生体内における役割は不明であった。
本発明者は、生体内におけるリン酸化機構を解明するために鋭意研究をしたところ、ヒトFN3KRP又はフルクトサミン−3−キナーゼ(human fructosamine−3−kinase 、以下、「ヒトFN3K」ともいう。)と呼ばれているタンパク質が上記一般式(I)で示される化合物のリン酸化に関与していることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の1つの課題は、例えば、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのような、上記一般式(I)で示される化合物を生体内でリン酸化する酵素を明らかにすることである。更に、本発明の1つの課題は、上記化合物をリン酸化する酵素を用いた該化合物のリン酸化方法を提供することである。更に本発明の1つの課題は該酵素によってリン酸化される化合物をスクリーニングする方法を提供することである。更に本発明の1つの課題は、被験者の被験化合物のリン酸化能を判定する方法を提供すること等である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行ったところ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのような、上記一般式Iで示される化合物をリン酸化する酵素がフルクトサミン−3−キナーゼ関連タンパク質(fructosamine-3-kinase-related protein:以下、「FN3KRP」ともいう。)及び/又はフルクトサミン−3−キナーゼ(fructosamine−3−kinase、以下、「FN3K」ともいう。)と呼ばれるタンパク質であることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)下記の工程1)乃至3)を含む、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kによってリン酸化される物質のスクリーニング方法:
1)以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドと被験物質を接触させる工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)被験物質のリン酸エステルの生成量を測定する工程;
3)被験物質を上記a)乃至c)から選択されるポリペプチドと接触させない場合に測定された、被験物質のリン酸エステルの量と上記2)で測定されたリン酸エステルの生成量を比較する工程、
(2)下記の工程1)乃至4)を含む、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kによってリン酸化される物質のスクリーニング方法:
1)以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドと被験物質を接触させる工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)被験物質のリン酸エステルの生成量を測定する工程;
3)被験物質を上記a)乃至c)から選択されるポリペプチドと接触させない場合に測定された、被験物質のリン酸エステルの量と上記2)で測定されたリン酸エステルの生成量を比較する工程;
4)被験物質を上記a)乃至c)から選択されるポリペプチドと接触させない場合に測定された、リン酸エステルの量と比較して、上記2)で測定されたリン酸エステルの量が多い場合に被験物質がリン酸化されたと判定する工程。
(3)下記の工程1)乃至3)を含む、免疫抑制活性を有する物質のスクリーニング方法:
1)以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドと被験物質を接触させる工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)被験物質のリン酸エステルの生成量を測定する工程;
3)被験物質を上記a)乃至c)から選択されるポリペプチドと接触させない場合に測定された、被験物質のリン酸エステルの量と上記2)で測定されたリン酸エステルの生成量を比較する工程、
(4)下記の工程1)乃至4)を含む、免疫抑制活性を有する物質のスクリーニング方法:
1)以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドと被験物質を接触させる工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)被験物質のリン酸エステルの生成量を測定する工程;
3)被験物質を上記a)乃至c)から選択されるポリペプチドと接触させない場合に測定された、被験物質のリン酸エステルの量と上記2)で測定されたリン酸エステルの生成量を比較する工程。
4)被験物質を上記a)乃至c)から選択されるポリペプチドと接触させない場合に測定された、リン酸エステルの量と比較して、上記2)で測定されたリン酸エステルの量が多い場合に被験物質が免疫抑制活性を有すると判定する工程、
(5)被験物質が、下記一般式(I)(式中、R及びRは、水素原子である。Rは、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)で表される化合物であることを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のスクリーニング方法、
Figure 0004975031
(6)以下の工程1)及び2)を含む、リン酸エステルの製造方法
1)一般式(I)を有する化合物と以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドとを接触させる工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)1)における反応溶液から一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを取得する工程、
(7)下記の工程1)乃至3)を含む、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法
1)被験者より採取した検体より全RNAを抽出する工程;
2)全RNAにおける、下記のa)乃至c)からなる群から選択されるポリヌクレオチドの発現量を測定する工程;
a) 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号6乃至935に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号27から956に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
c)上記a)又はb)に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
3)2)で測定されたポリヌクレオチドの発現量と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、該ポリヌクレオチドの発現量を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程、
(8)下記の工程1)及び2)を含む、患者の一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法
1)被験者より採取した検体における、下記のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドの発現量を測定する工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)1)で測定されたポリペプチドの発現量と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、該ポリペプチドの発現量を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程、
(9)下記の工程1)及び2)を含む、患者の一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法
1)被験者より採取した検体における、下記のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドの酵素活性を測定する工程;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
2)1)で測定されたポリペプチドの酵素活性と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、該ポリペプチドの酵素活性を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程、
(10)下記の工程1)乃至3)を含む、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法
1)被験者より採取した検体における以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を調べる工程;
a) 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1乃至1466に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号1から1781に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
c)上記a)又はb)に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
2) 上記ポリヌクレオチドにおける酵素活性に影響のあるヌクレオチド配列の変異の有無を調べる工程;
3) 該ポリヌクレオチドがコードするポリペプチドのリン酸化活性を低下させるヌクレオチド配列の変異がある被験者は一般式(I)を有する化合物のリン酸化能が低いと判定し、該ポリペプチドのリン酸化活性を低下させるヌクレオチド配列の変異がない被験者は一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を有すると判定する工程、
(11)下記の工程1)乃至3)を含む、以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチドのリン酸化活性に影響のあるヌクレオチド配列の変異を同定する方法。
a) 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1乃至1466に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号1から1781に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
c)上記a)又はb)に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
1)被験者より採取した検体における上記a)乃至c)からなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を調べる工程;
2)上記ポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド配列の変異の有無を調べる工程;
3) 該ポリヌクレオチド配列の変異と該ポリヌクレオチドがコードするポリペプチドのリン酸化活性の関連を調べ、リン酸化活性に影響のある、ポリヌクレオチド配列の変異を同定する工程、
(12)検体が、末梢血であることを特徴とする、(7)乃至(11)のいずれか1項に記載の方法、
(13)下記の1)乃至5)からなる群から選択される少なくとも1以上を含む薬物代謝能診断用キット
1)配列表の配列番号1または3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの一部乃至全部を特異的に増幅するための15から30塩基長の連続したオリゴヌクレオチドプライマー;
2)配列表の配列番号1または3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、該ポリヌクレオチドを検出するための15ヌクレオチド以上の連続したポリヌクレオチドプローブ;
3)上記1)に記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたは上記2)に記載のポリヌクレオチドプローブのいずれか一つのポリヌクレオチドが固定された固相化試料;
4)下記のa)乃至c)から選択されるポリペプチドに特異的に結合し、該タンパク質を検出するための抗体;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
5)上記4)に記載の抗体に結合する二次抗体、
からなる。
本発明により、ヒト フルクトサミン−3−キナーゼ関連タンパク質(human fructosamine-3-kinase-related protein:以下、「ヒトFN3KRP」ともいう。)及び/又はヒト フルクトサミン−3−キナーゼ(human fructosamine−3−kinase、以下、「ヒトFN3K」ともいう。)を用いた該化合物のリン酸化方法を提供することができた。更に本発明により、該酵素によってリン酸化される化合物をスクリーニングする方法を提供することができた。更に本発明により、被験者の被験化合物のリン酸化能を判定する方法を提供すること等ができた。
1.定義
本明細書中において、「遺伝子」という語には、DNAのみならずそのmRNA、cDNA及びそのcRNAも含まれるものとする。また、本明細書中において、「ポリヌクレオチド」という語は核酸と同じ意味で用いており、DNA、RNA、プローブ、オリゴヌクレオチド、及びプライマーも含まれている。本明細中においては、「ポリペプチド」と「蛋白質」は区別せずに用いている。また、本明細書中において、「RNA画分」とは、RNAを含んでいる画分をいう。また、本明細書中において、「細胞」には、動物個体内の細胞、培養細胞も含んでいる。本明細書中における「全RNA画分」とは、全RNAを含む画分をいい、血液、各種臓器、各種組織、培養細胞等からRNAの抽出用の溶媒等、通常の方法によって抽出された全RNAが含まれている画分のことをいう。本明細書中において、「ストリンジェントな条件でハイブリダイズする」とは、市販のハイブリダイゼーション溶液ExpressHyb Hybridization Solution(クロンテック社製)中、68℃でハイブリダイズすること、または、DNAを固定したフィルターを用いて0.7-1.0MのNaCl存在下68℃でハイブリダイゼーションを行なった後、0.1-2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度SSCとは150mM NaCl、15mM クエン酸ナトリウムからなる)を用い、68℃で洗浄することにより同定することができる条件またはそれと同等の条件でハイブリダイズすることをいう。
2.ヒトFN3KRP及びヒトFN3K
本発明で用いるヒト フルクトサミン−3−キナーゼ(human fructosamine-3-kinase: ヒトFN3K)及びヒト フルクトサミン−3−キナーゼ関連タンパク質(human fructosamine-3-kinase-related protein:ヒトFN3KRP)はその全長タンパク質に限らず、本発明で用いることができる化合物のリン酸化反応を行うことができる限りにおいて、その一部の配列からなる部分ペプチドでも良い。また、ヒト由来細胞より取得された天然のタンパク質でもよいし、PCR法等によってクローニングされた遺伝子によって当該タンパク質を発現するように遺伝子組換えされた細胞より取得されたタンパク質でもよい。また、これらのタンパク質は、精製されたものの他に、部分精製されたものでもよい。
ヒトFN3KのcDNAのヌクレオチド配列は例えば、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1乃至1466に示されている。また、ヒトFN3Kのアミノ酸配列は、例えば、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されている。ヒトFN3KのcDNAのヌクレオチド配列はGenBankにアクセッション番号:NM_022158で登録されている。
また、ヒトFN3KRPのcDNAのヌクレオチド配列は例えば、配列表の配列番号3のヌクレオチド番号1乃至1781に示されている。また、ヒトFN3KRPのアミノ酸配列は、例えば、配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されている。ヒトFN3KRPのcDNAのヌクレオチド配列はGenBankにアクセッション番号:NM_024619で登録されている。
本明細書中において、「ヒトFN3K遺伝子」とは、ヌクレオチド配列が、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号6乃至935からなる遺伝子、または該ヌクレオチド配列からなる遺伝子と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、ヒトFN3Kと同一の生物活性を有する蛋白質をコードするヌクレオチド配列からなる遺伝子をいう。
本明細書中において、「ヒトFN3K」とは、アミノ酸配列が、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、または、該蛋白質のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ヒトFN3Kと同一の生物活性を有する蛋白質をいう。
本明細書中において、「ヒトFN3KRP遺伝子」とは、ヌクレオチド配列が、配列表の配列番号3のヌクレオチド番号27乃至956からなる遺伝子、または該ヌクレオチド配列からなる遺伝子と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、ヒトFN3KRPと同一の生物活性を有する蛋白質をコードするヌクレオチド配列からなる遺伝子をいう。本明細書中において、「ヒトFN3KRP」とは、アミノ酸配列が、配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、または、該蛋白質のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ヒトFN3KRPと同一の生物活性を有する蛋白質をいう。
ヒトFN3K及びヒトFN3KRP、並びにその部分ペプチドに他のアミノ酸配列を付加した融合タンパク質も、ヒトFN3K及びヒトFN3KRP、並びにその部分ペプチドに含まれる。融合タンパク質としてはヒスチジンタグ融合タンパク質、FLAG融合タンパク質、GFP等の蛍光色素融合タンパク質等を挙げることができるが、これらに限定されない。
ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPの酵素活性はヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRP、基質になる物質を適当なバッファーでインキュベートし、生成物であるリン酸化化合物を定量することによって測定することが出来る。例えばヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPを(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールとインキュベートし、生成されるリン酸エステルをHPLCで定量することによって、酵素活性を測定することが出来る。
3.ヒトFN3K cDNA及びヒトFN3KRP cDNAの取得
(1)ヒトFN3K cDNA
ヒトFN3K cDNAは市販品を用いることができ、例えばGeneCopoeia社より入手できる(カタログNo. GC-W1392)。
また、ヒトFN3K cDNAは ヒトFN3K遺伝子を含むcDNAライブラリーを用いて以下のようにして取得することもできる。
ヒトFN3K遺伝子を発現しているcDNAライブラリーから、コロニーハイブリダイゼーション法等、公知の方法に従い、完全長cDNAを取得する。この完全長cDNAを鋳型としてPCR法を用いてヒトFN3K cDNAを取得する。cDNAライブラリーは例えば、ヒト骨髄由来のcDNAライブラリーを用いることができる。市販のヒトcDNAライブラリーとしては例えば、クロンテック社のCreator SMART Human cDNA Librariesを用いることもできるし、また自らcDNAライブラリーを調製することもできる。
なお、コロニーハイブリダイゼーションを行わずに、cDNAライブラリーを鋳型として直接PCRを行なってヒトFN3K cDNAを取得することもできる。
PCRプライマーとしてはヒトFN3K cDNAを増幅することができればよく、公知の方法で適当なプライマーを選択することができる。ヒトFN3K cDNAを増幅するPCR用プライマーとしては例えば以下のヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを選択することができる。
5’- atggagcagctgctgcgcgccgagctgcgc -3’(プライマー1:配列表の配列番号:5)及び、
5’- ctacttgagcagccttcgcatggtgcccaa -3’(プライマー2:配列表の配列番号:6)。
(2)ヒトFN3KRP cDNA
ヒトFN3KRP遺伝子を発現しているcDNAライブラリーから、コロニーハイブリダイゼーション法等、公知の方法に従い、完全長cDNAを取得する。この完全長cDNAを鋳型としてPCR法を用いてヒトFN3KRP cDNAを取得できる。cDNAライブラリーは例えば、ヒト骨髄由来のcDNAライブラリーを用いることができる。市販のヒトcDNAライブラリーとして例えば、クロンテック社のCreator SMART Human cDNA Librariesを用いることもできるし、自らcDNAライブラリーを調製することもできる。
なお、cDNAライブラリーを鋳型として直接PCRを行なってヒトFN3KRP cDNAを取得することもできる。
PCRプライマーとしてはヒトFN3KRP cDNAを増幅することができればよく、公知の方法で適当なプライマーを選択することができる。ヒトFN3KRP cDNAを増幅するPCR用プライマーとしては例えば以下のヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを選択することができる。
5’- ataagaatgcggccgccaccatggaggagctgctgaggcg -3’(プライマー3:配列表の配列番号:7)及び、
5’- atagtttagcggccgctcacttgaccagattcctcat-3’(プライマー4:配列表の配列番号:8)。
なお、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、ヒトFN3K遺伝子及び/又はヒトFN3KRP遺伝子の天然型のヌクレオチド配列の一部を他のヌクレオチドへの置換やヌクレオチドの欠失、付加などの改変により、天然型のヒトFN3K遺伝子及び/又はヒトFN3KRP遺伝子と同等の生物活性を有するポリヌクレオチドを調製することが可能である。このように天然型のヌクレオチド配列においてヌクレオチドが置換、欠失、もしくは付加したヌクレオチド配列を有し、天然型のヒトFN3K遺伝子及び/又はヒトFN3KRP遺伝子と同等の生物活性を示すポリヌクレオチドもまた本発明に用いることができる。ヌクレオチド配列の改変は、例えば、制限酵素あるいはDNAエキソヌクレアーゼによる欠失導入、部位特異的変異誘発法による変異導入、変異プライマーを用いたPCR法によるヌクレオチド配列の改変、合成変異DNAの直接導入などの方法により行うことができる。また、ヒトFN3K遺伝子又はヒトFN3KRP遺伝子と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、ヒトFN3K又はヒトFN3KRPと同様の生物活性を有するポリヌクレオチドを使用することもできる。
4.ヒトFN3K及びヒトFN3KRPの発現
(1)ヒトFN3K及びヒトFN3KRP発現ベクターの構築
ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPはin vitroにて合成する、あるいは遺伝子操作により宿主細胞に産生させることによって生産することができる。具体的には、ヒトFN3K遺伝子及び/又はヒトFN3KRP遺伝子を発現可能なベクターに組み込んだ後、転写と翻訳に必要な酵素、基質およびエネルギー物質を含む溶液中で合成する、あるいは他の原核生物、または真核生物の宿主細胞を形質転換させることによってヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPを発現させることにより、ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPを得ることが出来る。
原核細胞の宿主としては、例えば、大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)などが挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内で形質転換させるには、宿主と適合し得る種由来のレプリコンすなわち複製起点と、調節配列を含んでいるプラスミドベクターで宿主細胞を形質転換させる。また、ベクターとしては、形質転換細胞に表現形質(表現型)の選択性を付与することができる配列を有するものが好ましい。
例えば、大腸菌としてはK12株、DH5α株などがよく用いられ、ベクターとしては、一般にpBR322やpUC系、pcDNA3.1(+)(インビトロジェン社)等のプラスミドが用いられるが、これらに限定されず、公知の各種菌株、およびベクターがいずれも使用できる。
枯草菌としては、例えば207−25株が好ましく、ベクターとしてはpTUB228(Ohmura、K.et al.(1984)J.Biochem.95、87−93)などが用いられるが、これに限定されるものではない。枯草菌のα−アミラーゼのシグナルペプチド配列をコードするDNA配列を連結することにより、菌体外での分泌発現も可能となる。
真核細胞の宿主細胞には、脊椎動物、昆虫、酵母などの細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、例えば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman、Y.(1981)Cell 23、175−182、ATCC:CRL−1650)やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細胞、ATCC:CCL−61)のジヒドロ葉酸還元酵素欠損株(Urlaub、G.and Chasin、L.A.(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77、4126−4220)等がよく用いられているが、これらに限定されない。
宿主細胞として、HEK293細胞を用いる場合を例に取ると、例えば、ベクターとしてpcDNA3.2−DEST(インビトロジェン社)を用いることが出来る。
上記のようにして得られる形質転換体は、常法に従い培養することができ、該培養により細胞内、または細胞外に目的のポリペプチドが産生される。該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択でき、例えば、上記HEK293細胞であれば、RPMI1640培地やダルベッコ変法イーグル培地などの培地に、必要に応じウシ胎児血清などの血清成分を添加したものを使用できる。
上記培養により、形質転換体の細胞内または細胞外に産生される組換えタンパク質は、該タンパク質の物理的性質や化学的性質などを利用した各種の公知の分離操作法により分離・精製することができる。該方法としては、具体的には例えば、通常のタンパク沈殿剤による処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの各種液体クロマトグラフィー、透析法、これらの組合せなどを例示できる。また、発現させる組換えタンパク質に6残基からなるヒスチジンを繋げることにより、ニッケルアフィニティーカラムで効率的に精製することができる。上記方法を組み合わせることにより容易に高収率、高純度で本発明のポリペプチドを大量に製造できる。また、精製したポリペプチドの分子量は質量分析器、SDS−PAGE等通常の方法で決定することができる。
ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPの精製に際しては酵素活性を指標にすることができる。
5.リン酸化酵素によってリン酸化を受ける化合物
本発明においてヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPの基質として用いることができる化合物は、ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPによってリン酸化される限りにおいて特に制限はないが例えば、下記一般式(I)を有する化合物である。
Figure 0004975031

また、上記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体は、例えば、国際公開第94/08943号パンフレット(FTY720)、国際公開第96/06068号パンフレット(FTY類似化合物)、国際公開第98/45249号パンフレット(FTY類似化合物)、国際公開第03/029184号パンフレット(ROX−2127: KRP−203類似化合物)、国際公開第03/029205号パンフレット(KRP−203)、国際公開第02/06268号パンフレット(チオフェン誘導体)、国際公開第03/059880号パンフレット(ピロール誘導体)、国際公開第05/005383号パンフレット(置換ピロール誘導体)、国際公開第05/063671号パンフレット(ベンゼン環のエーテル誘導体)等に記載する方法に従って製造することができる。
本発明における上記一般式(I)有するアミノアルコール誘導体を医薬組成物の有効成分として用いるときの置換基として、好適な置換基を以下に示す。
及びRは、好適には、水素原子である。
は、好適には、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基であり、更に好適には、メチル基又はヒドロキシメチル基である。
は、好適には、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり、更に好適には、水素原子、塩素原子又はメチル基であり、特に更に好適には、水素原子又は塩素原子である。
は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、好適には、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、フッ素原子又は水素原子であり、更に好適には、水素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、フッ素原子又は水素原子であり、特に更に好適には、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ベンジルオキシフェニル基、フッ素原子又は水素原子である。
Xは、好適には、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基であり、更に好適には、ビニレン基(CH=CH基)又はメチルアミノ基である。
Yは、好適には、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基であり、更に好適には、単結合、酸素原子、又はカルボニル基である。
Zは、好適には、単結合又はC1−C8アルキレン基であり、更に好適には、単結合、トリメチレン、テトラメチレン又はオクタメチレンである。
nは、好適には、2又は3であり、更に好適には、2である。
本発明におけるヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPの基質として用いることができる化合物のうち、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体として好適な化合物は、
2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,3−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−シアノフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール並びに、
2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルオキシフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(7−フェニルヘプタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−(2−{4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}エチル)プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−(2−{4−[2−(4−エトキシフェニル)エトキシ]フェニル}エチル)プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−(2−{4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}エチル)プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロピオニル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[3−メトキシ−4−(4−フェニルブトキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−(4−ヘキシルオキシフェニル)ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−フェニルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−(4−ヘプチルオキシフェニル)ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール(ROX−2127)、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオール(KRP−203)、
2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{3−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{3−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{3−クロロ−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1,3−ジメチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−3−クロロ−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1,3−ジメチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−3−(4−ヘプタノイルフェノキシ)プロパン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−5−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ペンタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−5−{5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ペンタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]フェニルメトキシ}プロパン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−3−{2−クロロ−4−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]フェニルメトキシ}プロパン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−3−{5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イルメトキシ}プロパン−1−オール、及び
2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(FTY720)
であり、
更に好適な化合物は、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,3−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−シアノフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール並びに、
(2R)−2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルオキシフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−{2−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−{2−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−{2−[4−(7−フェニルヘプタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−(2−{4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}エチル)プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−(2−{4−[2−(4−エトキシフェニル)エトキシ]フェニル}エチル)プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−(2−{4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}エチル)プロパン−1,3−ジオール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロピオニル)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[3−メトキシ−4−(4−フェニルブトキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−(4−ヘキシルオキシフェニル)ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−フェニルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−(4−ヘプチルオキシフェニル)ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
(2R)−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール(ROX−2127)、
(2R)−2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオール(KRP−203)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{3−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{3−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{3−クロロ−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1,3−ジメチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−3−クロロ−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1,3−ジメチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2S)−2−アミノ−2−メチル−3−(4−ヘプタノイルフェノキシ)プロパン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−5−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ペンタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−5−{5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ペンタン−1−オール、
(2S)−2−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]フェニルメトキシ}プロパン−1−オール、
(2S)−2−アミノ−2−メチル−3−{2−クロロ−4−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]フェニルメトキシ}プロパン−1−オール、
(2S)−2−アミノ−2−メチル−3−{5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イルメトキシ}プロパン−1−オール、及び
(2R)−2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(FTY720)
であり、
更に特に好適な化合物は、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−シアノフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール並びに、
(2R)−2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオールであり、
更に好適には、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール並びに、
(2R)−2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオールである。
以下に一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体として好適な化合物の構造式を示す。
Figure 0004975031

Figure 0004975031
Figure 0004975031

Figure 0004975031


Figure 0004975031
Figure 0004975031
Figure 0004975031


Figure 0004975031
Figure 0004975031
上記R、R、R、R及びRの定義における「C1−C6アルキル基」とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルプロピル基、2,2,2−トリメチルメチル基、ペンチル基又はヘキシル基であり得、好適には、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、更に好適には、メチル基又はエチル基である。
上記R及びRの定義における「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好適には、フッ素原子又は塩素原子である。
上記R及びRの定義における「C1−C6アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、3−メチルプロポキシ基、2,2,2−トリメチルメトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基であり、好適には、メトキシ基又はエトキシ基である。
上記Rの定義における、「C3−C6シクロアルキル基」とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり得、好適には、シクロプロピル基又はシクロヘキシル基である。
上記Rの定義における、「ハロゲノC1−C6アルキル基」とは、上記C1−C6アルキル基にハロゲン原子が置換した基であり、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、フルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、フルオロブチル基、ジフルオロブチル基、トリフルオロブチル基、フルオロペンチル基、ジフルオロペンチル基、トリフルオロペンチル基、フルオロヘキシル基、ジフルオロヘキシル基、トリフルオロヘキシル基、ペンタフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、クロロプロピル基、ジクロロプロピル基、トリクロロプロピル基、クロロブチル基、ジクロロブチル基、トリクロロブチル基、クロロペンチル基、ジクロロペンチル基、トリクロロペンチル基、クロロヘキシル基、ジクロロヘキシル基、トリクロロヘキシル基、ペンタクロロエチル基、ヘキサクロロプロピル基、ノナクロロブチル基であり得、好適には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、フルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基又はトリフルオロプロピル基であり、更に好適には、トリフルオロメチル基又はトリフルオロエチル基である。
上記Zの定義における「C1−C8アルキレン基」とは、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基又はオクタメチレン基であり得、好適には、炭素数2乃至8のアルキレン基であり、更に好適には、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘプタメチレン基又はオクタメチレン基である。
上記Zの定義における「フッ素原子で2乃至8個置換されたC1−C8アルキレン基」とは、例えば、ジフルオロメチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、1,1,2,2−テトラフルオロエチレン基、1,1−ジフルオロプロピレン基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピレン基、1,1−ジフルオロテトラメチレン基、1,1,2,2−テトラフルオロテトラメチレン基、1,1−ジフルオロペンタメチレン基又は1,1,2,2−テトラフルオロペンタメチレン基であり得、好適には、1,1−ジフルオロプロピレン基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピレン基、1,1−ジフルオロテトラメチレン基、1,1,2,2−テトラフルオロテトラメチレン基、1,1−ジフルオロペンタメチレン基又は1,1,2,2−テトラフルオロペンタメチレン基である。
上記における塩とは、上記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、塩基性基としてアミノ基を有するため、酸と反応させることにより得られる塩であり、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;又は、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、塩酸塩、酢酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩又はマレイン酸塩である。
本発明における一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体及びその薬理上許容される塩は、その分子内に不斉炭素原子を有する場合には、光学異性体が存在する。一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体のうち不斉炭素原子を有する化合物は、単一の式、即ちR体として示されているが、製造方法等の都合により、S体が副生成物として混入する場合が考えられる。従って、そのような場合には、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体は光学異性体として、主にR体を含有するものであるが、一部にS体を含有する混合物をも含むものである。
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体及びその薬理上許容される塩は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明の一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体の薬理上許容される塩に包含される。

6.ヒトFN3KRP及び/またはヒトFN3Kを用いた化合物(I)のリン酸エステルの製造方法
上記一般式(I)を有する化合物からヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kを用いて下記一般式(II)を有する化合物を製造することができる。
Figure 0004975031

(式中R、R、R、R、R、X、Y及びZは前掲の化合物(I)と同じである。以下、一般式(II)で表される化合物を「化合物(II)」ともいう。)
化合物(I)並びに、ヒトFN3KRP及び/またはヒトFN3Kを接触させることによって上記化合物のリン酸エステルである化合物(II)を製造することができる。
化合物(II)の製造方法としては具体的には以下の方法を挙げることができるが化合物(II)を製造できる限りにおいてこれらに限定されない。
(1)ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K
化合物(II)の製造に用いることができるヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kは上記「4」の項目に記載した方法によって赤血球から取得したものを用いることができるし、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kを発現する細胞から取得したものを用いることもできる。ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPは精製したものを用いることもできるし、粗精製のもの、細胞抽出液そのままを用いることもできる。また、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kを発現する細胞をそのまま用いることもできる。
(2) 酵素反応
本発明の製造方法は、種々の態様で実施することができる。例えば、(a)ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPを発現する細胞に化合物(I)を接触させる、(b)ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPを発現する細胞からの抽出物と化合物(I)を接触させる、(c)精製又は粗精製ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPと化合物(I)を接触させる等の方法を挙げることができる。
なお、ヒトFN3K及びヒトFN3KRPによって化合物(I)から化合物(II)を製造するに際しては、該酵素反応が起こるような条件とするのが望ましい。
酵素反応産物は酵素反応後に、酵素反応産物である化合物(II)の生成量を測定することによって分析することができる。化合物(II)の生成量は化合物(II)の生成を測定できる限りにおいて特に制限はないが、例えば、反応産物をHPLCに供して、化合物(II)のピークを測定することによって測定することができる。
また、酵素反応産物である化合物(II)は反応系より精製することができる。
7.ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kによってリン酸化される物質のスクリーニング方法
以下の方法によってヒトFN3KRPまたはヒトFN3Kによってリン酸化される物質を同定することができる。本方法は以下の工程を含む。
1)
i)ヒトFN3KRP又はヒトFN3Kを被験物質と接触させる工程;
ii)被験物質のリン酸エステルの生成量を測定する工程;
iii)被験物質をヒトFN3KRP又はヒトFN3Kと接触させない場合に測定された、被験物質のリン酸エステルの量と上記ii)で測定されたリン酸エステルの生成量を比較する工程。

2)
i)ヒトFN3KRP又はヒトFN3Kを被験物質と接触させる工程;
ii)被験物質のリン酸エステルの生成量を測定する工程;
iii)被験物質をヒトFN3KRP又はヒトFN3Kと接触させない場合に測定された、被験物質のリン酸エステルの量と上記ii)で測定されたリン酸エステルの生成量を比較する工程。
iv)被験物質をヒトFN3KRP又はヒトFN3Kと接触させない場合に測定された、リン酸エステルの量と比較して、上記ii)で測定されたリン酸エステルの量が多い場合に被験物質がリン酸化されたと判定する工程。
以下、各工程を説明する。
1)について
1)−i)について
本工程で用いるヒトFN3KRP又はヒトFN3Kとしては特に制限はないが、ヒトFN3KRP又はヒトFN3Kを発現している細胞をそのまま用いることが出来るし、これらの細胞の破砕液、これらの細胞から粗精製したヒトFN3KRP又はヒトFN3K、精製したヒトFN3KRP又はヒトFN3Kを用いることも出来る。また、上記「4.ヒトFN3K及びヒトFN3KRPの発現」の項に記載の方法によって取得されたものを用いることも出来る。
被験物質としては、上記「5.リン酸化酵素によってリン酸化を受ける化合物」の項に記載した物質を用いることができるし、その他の化合物を用いることもできる。その他の化合物の例としては、一般式(I)を有する化合物以外の化合物、微生物の代謝産物、植物や動物組織の抽出物、それらの誘導体またはそれらの混合物等が挙げられる。被験物質の投与量や濃度は適宜設定するか、または例えば希釈系列を作成するなどして複数種の投与量を設定してもよく、個体、液体等適当な状態で投与することができ、適当なバッファーに溶解したり、安定化剤等を加えたりしてもよい。培養細胞を用いるスクリーニング方法の場合には、培地に添加して培養することができる。培地に添加する場合には培養開始時から添加してもよいし、培養途中で添加しても良く、また、添加の回数も1回に限らない。被験物質存在下で培養する期間も適宜設定してよいが、好ましくは30分乃至48時間である。哺乳動物個体に被験物質を投与する場合は、被験物質の物性等により経口投与、静脈注射、腹腔内注射、経皮投与、皮下注射等の投与形態を使い分ける。また、投与から、検体を得るまでの時間は適当に選択することができる。
その他、反応液には、必要に応じ、pH調整のための緩衝液が添加され得る。
これらの材料を混合し、例えば以下に示す反応を行う。
温度条件:0℃〜45℃、好適には37℃
反応液のpH:6〜9、好適には7.4
反応時間:30秒〜24時間、好適には3時間
反応は、例えば、384穴アッセイプレートを用いて行うことができる。
1)−ii)について
被験物質のリン酸エステルの量を測定する方法としては例えばHPLCを用いて生成物を分離定量する方法を挙げることができる。そのような方法としては例えば以下の方法を挙げることが出来るがこの方法に限定されない。
カラム:YMC−Pack ODS−A A−312(直径6.0mm×長さ150mm、粒子径5μm、(株)ワイ・エム・シー)
移動相:40%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸
流速:1mL/分
溶出方法:イソクラティック溶出
カラム温度:40℃
検出波長:295nm
1)−iii)について
被験物質をヒトFN3KRP又はヒトFN3Kと接触させない場合に測定された被験物質のリン酸エステルの量は、上記1)−ii)に記載した方法と同様の方法によって測定することが出来る。そして、ヒトFN3KRP又はヒトFN3Kと接触させた場合と接触させない場合の被験物質のリン酸エステルの生成量を比較することが出来る。
2)について
2)−i)乃至iii)について
これらの工程は上記1)−i)乃至iii)と同様の方法によって行うことが出来る。
2)−iv) について
上記2)−iii)による比較の結果、上記ii)における被験物質のリン酸エステルの生成量がiii)に比べて多い場合に被験物質がリン酸化されたと判定することが出来る。
8.リン酸化能を利用した患者の薬物代謝能を調べる方法
ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kは一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化して、一般式(II)を有するリン酸エステルに変換する機能を有する。
以下の方法によって、一般式(I)を有する薬剤の患者における代謝能を調べることが出来る。
1)ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子の発現量を指標とした方法
以下の工程i)乃至iii)を含む:
i)被験者より採取した検体より全RNAを抽出する工程;
ii)全RNAにおけるヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子の発現量を測定する工程;
iii)ii)で測定されたヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子の発現量と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子の発現量を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程。
2)ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kタンパク質の発現量を指標とした方法
以下の工程i)乃至ii)を含む:
i)被験者より採取した検体中におけるヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kタンパク質の発現量を該タンパク質に特異的に結合する抗体又はリガンドを用いて測定する工程;
ii)i)で測定されたタンパク質の発現量と、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kタンパク質の発現量を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程。
3)ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kタンパク質の酵素活性を指標とした方法
i)被験者より採取した検体中におけるヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kタンパク質の酵素活性を測定する工程;
ii) i)で測定されたタンパク質の酵素活性と、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kタンパク質の酵素活性を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程。
4)遺伝子の変異を利用した方法
i)被験者より採取した検体におけるヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子におけるヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3Kのヌクレオチド配列を調べる工程;
ii)i) ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子における酵素活性に影響のあるヌクレオチド配列の変異の有無を調べる工程;
iii) ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子の活性を低下させるヌクレオチド配列の変異がある被験者は一般式(I)を有する化合物のリン酸化能が低いと判定し、ヒトFN3KRP及び/又はヒトFN3K遺伝子の活性を低下させるヌクレオチド配列の変異がない被験者は一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を有すると判定する工程。
9.診断用キット
ヒトFN3K及び/又はヒトFN3KRPは生体内においてリン酸化されることによって活性を有する化合物のリン酸化能を有する。したがって、以下のキットを用いることで、被験者の薬物代謝能を調べることが出来る。該キットは具体的には以下のものである。
下記の1)乃至5)からなる群から選択される少なくとも1以上を含む薬物代謝能診断用キット
1)配列表の配列番号1または3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの一部乃至全部を特異的に増幅するための15から30塩基長の連続したオリゴヌクレオチドプライマー;
2)配列表の配列番号1または3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、該ポリヌクレオチドを検出するための15ヌクレオチド以上の連続したポリヌクレオチドプローブ;
3)上記1)に記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたは上記2)に記載のポリヌクレオチドプローブのいずれか一つのポリヌクレオチドが固定された固相化試料;
4)下記のa)乃至c)から選択されるポリペプチドに特異的に結合し、該タンパク質を検出するための抗体;
a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
5)上記4)に記載の抗体に結合する二次抗体。
ヒト血液中の各構成成分による化合物1のリン酸化 各分画における反応産物濃度 化合物1のリン酸化活性 (A)FTY720のリン酸化、(B)スフィンゴシンのリン酸化
以下実施例によって本発明を説明するが本発明は実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において、遺伝子操作に関する各操作は特に明示がない限り、「モレキュラークローニング(Molecular Cloning)」(Sambrook, J.,Fritsch, E.F.およびManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Laboratory Press刊、1989年)、その他の実験書に記載されている方法、及び当業者に知られている方法により行った。また、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従って実施した。
(参考例)
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールの取得
以下の実験で用いる式(I)で示される、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オール(以下、「化合物1」ともいう。)は、例えば、国際公開第94/08943号パンフレット、国際公開第96/06068号パンフレット、国際公開第98/45249号パンフレット、国際公開第03/029184号パンフレット、国際公開第03/029205号パンフレット、国際公開第02/06268号パンフレット(実施例19)、国際公開第03/059880号パンフレット、国際公開第05/005383号パンフレット、国際公開第05/063671号パンフレット等に記載する方法に従って製造することができる。
Figure 0004975031
(I)(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オール(化合物1)

(実施例1)ヒト全血の調製
匿名化された2名の供血者から約100mLずつ末梢血を採血し、抗凝固剤として3.2%(w/v)クエン酸3ナトリウム2水和物溶液をヒト末梢血100mL当り約11mL添加してヒト全血とし、常法に従って、全血から赤血球、血漿、血小板、リンパ球の各画分に分画した。

(実施例2)リン酸化活性の確認及びリン酸化活性の局在
実施例1で得た各種構成成分について化合物1に対するリン酸化活性を測定した。反応基質には化合物1を使用し、反応産物である化合物1のリン酸エステルである、リン酸 モノ(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブチル エステル(化合物1のリン酸エステル)の生成量を定量することによりリン酸化活性を測定した。
Figure 0004975031
リン酸 モノ(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブチル エステル

1.5mL容ポリプロピレンチューブを13本用意し、それぞれに実施例1で得た全血、血漿、赤血球、血小板、またはリンパ球を、全血、血漿、赤血球、血小板、リンパ球、赤血球+血漿、血小板+血漿、リンパ球+血漿、赤血球+血小板+リンパ球+血漿、赤血球+血小板+リンパ球、赤血球+血小板+血漿、赤血球+リンパ球+血漿、血小板+リンパ球+血漿の組み合わせで分注し氷冷した。何れのチューブの分注量も500μLとし、2種類以上の構成成分を混ぜる場合は、各々等量を混合した上で500μLとした。即ち2種類混合の場合は250μLずつ、3種類混合の場合は166.7μLずつ、四種類混合の場合は125μLずつ分注し、総分注量を500μLとした。各チューブに100mg/mL 化合物1/ジメチルスルホキシド溶液を0.5μL加えて混合(終濃度100μg/mL)した後氷冷し、これを37℃の湯浴中で30分間インキュベーションした後、氷上に移した。各チューブに1mLのメタノールを加えて混合後、HPLC測定時まで−20℃で保存した。
反応産物であるリン酸 モノ(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブチル エステル(化合物1のリン酸エステル)の生成量は以下の装置及び条件下で測定した。
HPLC:LC−10AVPシステム((株)島津製作所)
カラム:YMC−Pack ODS−A A−312(直径6.0mm×長さ150mm、粒子径5μm、(株)ワイ・エム・シー)
移動相:40%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸
流速:1mL/分
溶出方法:イソクラティック溶出
カラム温度:40℃
検出波長:295nm
保持時間:6.7分(化合物1のリン酸エステル)、11.1分(化合物1)、14.2分(1−ナフトール、内部標準物質)

反応終了後のチューブに10μg/mLの1−ナフトール/メタノール溶液を、終濃度2.5μg/mLとなるように添加した後混合し、21,600×g、3分間、4℃で遠心分離した。その上清30μLを上記HPLC装置にロードし、各保持時間に出現するピークのAUC値を測定した。化合物のAUC値を内部標準物質である1−ナフトールのAUC値で補正した後、別途作成した検量線に外挿して化合物の濃度を得た。
測定の結果、図1に示したように、反応系に赤血球が存在する場合に化合物1のリン酸エステルの生成量が多く、化合物1がリン酸化されていることが判明し、全血中の構成成分の内、赤血球が化合物1をリン酸化する主たる存在であることが明らかになった。
(実施例3)ヒト赤血球中における化合物1をリン酸化する酵素の局在
赤血球より常法に従って、可溶性画分と膜画分を分画した。実施例2と同様の方法で化合物1のリン酸化反応を調べたところ、図2に示すように、赤血球の可溶性画分に強いリン酸化活性が存在することが確認され、化合物1をリン酸化する酵素は主に赤血球の可溶性画分に存在することが明らかになった。
(実施例4)ヒト赤血球可溶性画分からの化合物1をリン酸化する酵素の精製(1)
以下の方法により、ヒト赤血球の可溶性画分から化合物1をリン酸化する酵素を精製した。
(1)酵素活性測定方法
酵素活性測定用の検体45μLに対して、それぞれ終濃度で100μg/mL 化合物1、1mM ATP、0.5% CHAPS及び100mM HEPES,pH 7.0、総量75μLとなるように添加した。1−デオキシ−1−モルフォリノフルクトース(1−deoxy−1−morpholinofructose;DMF、シグマ社)を加える場合は終濃度で1mMとなるように反応液に加えた。37℃にて1時間保温することにより化合物1をリン酸化した後、150μLのメタノールを添加し、孔径0.45μmのフィルターで濾過することにより反応停止及び蛋白質除去を行った。10μLの濾液を逆相クロマトグラフィーカラム(TSK−gel ODS−100S、 直径4.6mm×長さ150mm、東ソー社)に供し、流速1mL/分、カラム温度40℃において0.1% トリフルオロ酢酸を含む40% アセトニトリルによりイソクラティック溶出した。化合物1及び化合物1のリン酸エステルの検出は295nmで行い、ピーク面積により化合物1のリン酸エステルの生成量を測定した。上記条件で1μg/mLの化合物1のリン酸エステルを生成する活性を1U/mLと定義した。以降の精製過程において、化合物1をリン酸化する酵素の活性の測定には本測定法を使用した。
(2)ヒト赤血球可溶性画分からの化合物1をリン酸化する酵素の精製
匿名化されたボランティア5名から各100mLずつ、計500mL採血し、常法に従って調製した赤血球可溶性画分から、化合物1のリン酸化活性を指標に、硫酸アンモニウム塩析、疎水性相互作用カラム(HiTrap Phenyl HP 5mL、GEヘルスケア バイオサイエンス社)、色素結合アフィニティカラム(HiTrap Blue HP 1mL、GEヘルスケア バイオサイエンス社)、陰イオン交換カラム(Resource Q 1mL、GEヘルスケア バイオサイエンス社)、陽イオン交換カラム(Resource S 1mL、GEヘルスケア バイオサイエンス社)、陽イオン交換カラム(Mono S PC 1.6/5、GEヘルスケア バイオサイエンス社)、及びゲル濾過カラム(Superdex 75 PC 3.2/30、GEヘルスケア バイオサイエンス社)によって精製した。その結果、ヒト赤血球可溶性画分中の化合物1のリン酸化活性は、表1に示した通り約10,000倍まで濃縮された。
(表1)
Figure 0004975031
(実施例5)質量分析による化合物1をリン酸化する酵素の同定(1)
実施例4で得られた活性画分をSDS−PAGEに供し、SDS−PAGEゲル上の各バンドをゲルより切出し、常法に従い、トリプシン(モディファイドトリプシン、プロメガ社)を加え37℃にて12時間消化反応を行った。生成した消化ペプチドは液体クロマトグラフィー(LC)/タンデム質量分析装置(MS/MS)に供した。得られた質量スペクトルデータは、データベース検索ソフトウェア(Mascot、マトリクスサイエンス社)により解析した。データベースはNational Center for Biotechnology Informationにより編纂されたGenBank nrデータベースを用いた。
その結果、化合物1をリン酸化する酵素は、ヒト配列fructosamine-3-kinase(FN3K、GenBank accession number NP_071441 )であることが明らかになった。
(実施例6)ヒト赤血球可溶性画分からの化合物1をリン酸化する酵素の精製(2)
ヒトFN3Kが化合物1をリン酸化する酵素であることを確認するために、ヒトFN3Kの競合阻害剤として知られているDMF(Biochem. J.(2000)vol. 352,p.835−839)を用いた阻害実験を行った。実施例4における第2精製段階の疎水性相互作用カラムの活性分画はDMFにより顕著に阻害され、そのIC50値は約1μMであった。これにより、ヒトFN3Kが化合物1をリン酸化する酵素であることが確認された。
一方、可溶性画分及び第1精製段階である硫酸アンモニウム沈殿を再可溶化したサンプルではDMFによる阻害はほとんど観察されず、ヒトFN3Kとは異なる化合物1をリン酸化する酵素の存在もまた強く示唆された。DMFの阻害の程度から考えて、この、ヒトFN3Kとは異なる酵素が、化合物1をリン酸化する主な酵素であると推定された。そこでこの酵素の精製を行った。
精製にあたっては常に1mM DMF存在下、非存在下で酵素活性測定を行い、DMFにより阻害されない活性を指標に精製を進めた。
実施例4で得た硫酸アンモニウム沈殿を陰イオン交換カラム(HiPrep Q 16/10 XL、GEヘルスケア バイオサイエンス社)、色素結合アフィニティカラム(HiTrap Blue HP 1mL)、陽イオン交換カラム(Mono S PC 1.6/5)、ゲル濾過カラム(Superdex 75 PC 3.2/30)により分画した。
以上5段階の精製過程を経た結果、表2に示すように、第2精製段階以降の酵素活性はDMFにより阻害されず、最終的にこの精製法により化合物1をリン酸化する酵素の比活性は約16,000倍に上昇した。
(表2)
Figure 0004975031
(実施例7)質量分析による化合物1をリン酸化する酵素の同定(2)
精製された活性画分をSDS−PAGEに供して得られた33kDa付近のバンドを質量分析にかけてこのバンドの蛋白質の同定を行った。その結果、いずれのバンドもヒト配列hypothetical fructosamine kinase−like protein(FN3KRP、GenBank のprotein databaseにAccession No. Q9HA64で登録されている。)と同一であることが確認された。
ヒトFN3KRPの配列から予想された分子量は35kDaとSDS−PAGEによる推定分子量(33kDa)及びゲル濾過による推定分子量(24−38kDa)と一致した。
従って、本実施例により精製された化合物1をリン酸化する酵素はヒトFN3KRPであることが明らかになった。
(実施例8)ヒトFN3KRP発現ベクターの構築
インビトロジェン社より購入したヒトFN3KRPのcDNAクローン(クローンID:3351601)を制限酵素XhoI及びEcoRIで処理してcDNAを取り出し、XhoI及びEcoRIで処理したプラスミドベクター、pcDNA3.1(+)neo (インビトロジェン社)と結合した。結合反応産物であるプラスミドで大腸菌DH5αを形質転換した。得られた形質転換体を大量培養し、ヒトFN3KRPのcDNAを含む発現プラスミドベクター、hFN3KRP/pcDNA3.1(+)neoを得た。
(実施例9)ヒトFN3K発現ベクターの構築
ゲートウエイテクノロジー(インビトロジェン社)を用いて、GeneCopoeia社より購入したヒトFN3KのcDNAクローン(カタログNo. GC-W1392)から、哺乳類細胞用の発現プラスミドベクター、pcDNA3.2−DESTにcDNAを移し替えた。反応後のDNA溶液を用いて大腸菌DH5αを形質転換した。得られた形質転換体を大量培養し、ヒトFN3KのcDNAを含む発現プラスミドベクター、hFN3K/pcDNA3.2−DESTを得た。

(実施例10)ヒトFN3KRP/FN3K発現ベクターの遺伝子導入及び一過的発現細胞からの細胞質画分の調製
ヒトFN3KRP及びヒトFN3Kが実際に化合物1のリン酸化活性を有するか確認する為、両遺伝子の発現ベクターを培養細胞に導入して一過的に発現させ、その細胞質画分を調製した。
75cm培養フラスコ3枚にHEK293細胞を播種し、80%コンフルエントとなるまで培養した。リポフェクタミンプラス試薬(インビトロジェン社)を用いて、フラスコごとにプラスミドDNAなし、または4μgのhFN3KRP/pcDNA3.1(+)neo、または4μgのhFN3K/pcDNA3.2−DESTで遺伝子導入し、約27時間培養した。細胞をPBSで洗浄した後、2.5mLの細胞溶解液(100mM HEPES, pH7.4、80%(v/v) CelLytic−M(シグマ社)、1mM ジチオスレイトール、50mL当り1個のプロテアーゼ阻害剤カクテル(コンプリート EDTA−free、ロシュ社))を添加し、細胞が全て剥がれるまで4℃で強く振盪した。剥がれた細胞及び上清を回収し、20,000×g、15分間、4℃で超遠心分離した。上清を回収し、200μLずつ小分けして液体窒素中で凍結し、使用時まで−80℃で保存した。また上清の一部を取り蛋白質濃度を測定した。

(実施例11)細胞質画分の化合物1をリン酸化する活性の測定
1.5mL容ポリプロピレンチューブに、以下の終濃度となるように各成分を添加し、総量を250μLとして氷上に静置した(100mM HEPES, pH 7.4、5mM 塩化マグネシウム、1mM ATP、1mM ジチオスレイトール、0.5% CHAPS、100μg/mL 化合物1、実施例10で得た各々の細胞質画分:18.2、54.6、163.8μg相当量または無添加)。これを37℃の湯浴中で3時間インキュベーションした後、氷上に移した。各チューブに0.5mLのメタノールを加えて混合後、HPLC測定時まで−20℃で保存した。
実施例2に従って化合物1のリン酸エステルの生成量を測定した結果、図3に示したように、ヒトFN3KRPまたはヒトFN3Kを発現させた細胞質画分を用いた場合のみ化合物1のリン酸エステルの生成が見られた。以上の結果より、ヒトFN3KRP及びヒトFN3Kが実際に化合物1をリン酸化する活性を有することが明らかとなった。
(実施例12)FTY720及びスフィンゴシンに対するリン酸化能の確認
スフィンゴシンキナーゼ1及び2は、生体内においてスフィンゴシンをスフィンゴシン−1−リン酸(S1P)に変換する酵素であるが、FTY720をリン酸化してFTY720リン酸エステルを生成することが知られている
Figure 0004975031
FTY720
Figure 0004975031
FTY720リン酸エステル

(J Biol Chem. (2003) vol.278, p.47408−47415)(FEBS Lett. (2003) vol.554, p.189−193)。そこで逆に、ヒトFN3KRP及びヒトFN3KがFTY720またはスフィンゴシンをリン酸化するか否かを検討した。
1.5mL容ポリプロピレンチューブを18本用意し、それぞれに以下の終濃度となるように各成分を添加し、総量を250μLとして氷上に静置した(100mM HEPES, pH 7.4、5mM 塩化マグネシウム、5mM ATP、1mM ジチオスレイトール、0.5% CHAPS、10μM FTY720またはスフィンゴシン、実施例10で得た各々の細胞質画分:91μg相当量)。これを37℃の湯浴中で3時間インキュベーションした後、氷上に移した。各チューブに0.5mLのメタノールを加えて混合後、LC/MS/MS測定時まで−20℃で保存した。
FTY720リン酸エステルまたはS1Pの生成量を下記のLC/MS/MSシステムで分析した。
LCシステム:
HPLC装置名:アジレント 1100シリーズ(アジレント テクノロジーズ社)
オートサンプラー名:HTC PAL(CTC アナリティクス社)
MS/MSシステム:
装置名:API4000(アプライド バイオシステムズ/MDS Sciex社)
その結果、ヒトFN3KRP及びヒトFN3Kの両者共、FTY720をわずかにリン酸化するが、スフィンゴシンに対するリン酸化能は有さないことが明らかとなった(図4)。よってヒトFN3KRP及びヒトFN3Kは、化合物1及びFTY720をリン酸化する酵素であることが明らかになった。
(実施例13)ヒトFN3KRP発現細胞質画分による化合物1及び化合物1の類縁体のリン酸化反応
実施例10で調製したヒトFN3KRP発現細胞質画分を用いて、以下の化合物のリン酸化反応を行った。
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オール(化合物1)、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール(ROX−2127)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[1−メチル−5−(5−フェニルペンタノイル)ピロール−2−イル]ブタン−1−オール(化合物2)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール(化合物3)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{3−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール(化合物4)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{3−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール(化合物5)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール(化合物6)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{3−クロロ−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ブタン−1−オール(化合物7)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1,3−ジメチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール(化合物8)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−3−クロロ−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール(化合物9)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−{1,3−ジメチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール(化合物10)、
2−アミノ−2−メチル−3−(4−ヘプタノイルフェノキシ)プロパン−1−オール(化合物11)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−5−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ペンタン−1−オール(化合物12)、
(2R)−2−アミノ−2−メチル−5−{5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イル}ペンタン−1−オール(化合物13)、
2−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]フェニルメトキシ}プロパン−1−オール(化合物14)、
2−アミノ−2−メチル−3−{2−クロロ−4−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]フェニルメトキシ}プロパン−1−オール(化合物15)、
2−アミノ−2−メチル−3−{5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]チオフェン−2−イルメトキシ}プロパン−1−オール(化合物16)
反応溶液:100mM HEPES, pH 7.4、5mM 塩化マグネシウム、5mM ATP、1mM ジチオスレイトール、0.5% CHAPS、0.328mg/mL ヒトFN3KRP発現細胞質画分
反応容量:100μL
反応基質:100μM
反応条件:37℃、3時間
反応終了後、メタノール200μLを加えて攪拌し、遠心分離(16,000×g、10分間、4℃)を行い、上清20μLをHPLCに供して以下に示す条件で分析を行った。
HPLC装置:HP1100(アジレント・テクノロジーズ社)
カラム:YMC−pack ODS A−312
カラム温度:40℃
流速:1mL/分
移動相:30% アセトニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸)→
90% アセトニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸)
溶出方法:グラジエント溶出を実施。初期アセトニトリル濃度及びグラジエント勾配は化合物により変更した。典型的な方法は、
30% アセトニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸)→
90% アセトニトリル(0.1% トリフルオロ酢酸)、
グラジエント勾配:2%アセトニトリル/分
検出波長:295nm 又は254nm 又は230nm
各化合物のリン酸化効率は、以下の式に示すようにリン酸エステル及び未反応基質のピーク面積を用いて算出した。
リン酸化効率(%)=リン酸エステルのピーク面積/(リン酸エステルのピーク面積+未反応基質のピーク面積)×100
以上の測定の結果、ヒトFN3KRPが種々の化合物をリン酸化する酵素であることが確認された(表3)。
(表3)
Figure 0004975031
(実施例14)ヒトFN3K発現細胞質画分による、化合物1及び化合物1の類縁体のリン酸化反応
実施例10で調製したヒトFN3K発現細胞質画分を用いて、以下に示す条件で実施例13と同じ化合物1及び化合物1の類縁体のリン酸化反応を行った。
反応溶液:100mM HEPES, pH 7.4、5mM 塩化マグネシウム、
5mM ATP、1mM ジチオスレイトール、0.5% CHAPS、
0.3mg/mL ヒトFN3K発現細胞質画分
反応容量:100μL
反応基質:100μM
反応条件:37℃、3時間
反応終了後、メタノール200μLを加えて攪拌し、遠心分離(16,000×g、10分間、4℃)を行い、上清20μLをHPLCに供して、実施例13に示した条件で分析を行った。各類縁体のリン酸化効率は実施例13に示した式を用いて算出した。
その結果、ヒトFN3Kは化合物1及び化合物1の類縁体をリン酸化する酵素であることが確認された(表4)。
(表4)
Figure 0004975031
(実施例15)ラット赤血球による化合物1及び化合物1の類縁体のリン酸化反応
Wistar−Imamichiラット(財団法人動物繁殖研究所より購入)から実施例1と同様にして赤血球を調製し、以下に示す条件で実施例13と同じ化合物1及び化合物1の類縁体のリン酸化反応を行った。
反応溶液:ラット赤血球
反応容量:500μL
反応基質:100μg/mL
反応条件:37℃、3時間
反応終了後、メタノール1mLを加えて攪拌し、遠心分離(16,000×g、5分間、4℃)を行った。上清を再度遠心分離し(16,000×g、10分間、4℃)、改めて得た上清20μLをHPLCに供して、実施例13に示した条件で分析を行った。各類縁体のリン酸化効率は実施例13に示した式を用いて算出した。
その結果、ラット赤血球は化合物1及びその類縁体をリン酸化することが明らかになった(表5)。
(表5)
Figure 0004975031
以上、実施例1から実施例15までの一連の実験により、ヒト赤血球中にはヒトFN3KRP及びヒトFN3Kが存在すること、またそれらが化合物1、化合物1の類縁体及びFTY720をリン酸化する酵素であることが示された。
本発明により、例えば、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのような化合物を生体内でリン酸化する酵素を明らかにすることができ、該酵素を用いた該化合物のリン酸化方法を提供することができた。更にまた、該酵素によってリン酸化される物質のスクリーニング方法を提供することができた。更に、被験者の被験化合物のリン酸化能を判定する方法を提供することができた。また、本酵素のリン酸化能を指標にして被験者の薬物代謝能を判定する方法を提供した。

Claims (6)

  1. 以下の工程1)及び2)を含む、リン酸エステルの製造方法。
    1)下記一般式(I)を有する化合物と以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドとを接触させる工程;
    a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
    2)1)における反応溶液から一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを取得する工程
    Figure 0004975031
    ――――――――――――――――――――――――――
    (式中、R 及びR は、水素原子である。R は、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)
  2. 下記の工程1)乃至3)を含む、被験者の下記一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法。
    1)被験者より採取した検体より全RNAを抽出する工程;
    2)全RNAにおける、下記のa)乃至c)からなる群から選択されるポリヌクレオチドの発現量を測定する工程;
    a) 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号6乃至935に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
    b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号27から956に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
    c)上記a)又はb)に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    3)2)で測定されたポリヌクレオチドの発現量と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、該ポリヌクレオチドの発現量を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程
    Figure 0004975031
    ――――――――――――――――――――――――――
    (式中、R 及びR は、水素原子である。R は、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)
  3. 下記の工程1)及び2)を含む、患者の下記一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法。
    1)被験者より採取した検体における、下記のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドの発現量を測定する工程;
    a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
    2)1)で測定されたポリペプチドの発現量と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、該ポリペプチドの発現量を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程
    Figure 0004975031
    ――――――――――――――――――――――――――
    (式中、R 及びR は、水素原子である。R は、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)
  4. 下記の工程1)及び2)を含む、患者の下記一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法。
    1)被験者より採取した検体における、下記のa)乃至c)からなる群から選択されるポリペプチドの酵素活性を測定する工程;
    a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
    2)1)で測定されたポリペプチドの酵素活性と一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有することが確認されている検体における、該ポリペプチドの酵素活性を比較し、被験者の一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を検定する工程
    Figure 0004975031
    ――――――――――――――――――――――――――
    (式中、R 及びR は、水素原子である。R は、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)
  5. 下記の工程1)乃至3)を含む、被験者の下記一般式(I)を有する化合物のリン酸エステルを生成する能力を判定する方法。
    1)被験者より採取した検体における以下のa)乃至c)からなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を調べる工程;
    a) 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号1乃至1466に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
    b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号1から1781に示されるヌクレオチド配列を含むことからなるポリヌクレオチド
    c)上記a)又はb)に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、一般式(I)を有する化合物を生体内でリン酸化する能力を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    2) 上記ポリヌクレオチドにおける酵素活性に影響のあるヌクレオチド配列の変異の有無を調べる工程;
    3) 該ポリヌクレオチドがコードするポリペプチドのリン酸化活性を低下させるヌクレオチド配列の変異がある被験者は一般式(I)を有する化合物のリン酸化能が低いと判定し、該ポリペプチドのリン酸化活性を低下させるヌクレオチド配列の変異がない被験者は一般式(I)を有する化合物のリン酸化能を有すると判定する工程
    Figure 0004975031
    ――――――――――――――――――――――――――
    (式中、R 及びR は、水素原子である。R は、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)
  6. 下記の1)乃至5)からなる群から選択される少なくとも1以上を含む下記一般式(I)を有する化合物のリン酸化能診断用キット。
    1)配列表の配列番号1または3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドの一部乃至全部を特異的に増幅するための15から30塩基長の連続したオリゴヌクレオチドプライマー;
    2)配列表の配列番号1または3に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、該ポリヌクレオチドを検出するための15ヌクレオチド以上の連続したポリヌクレオチドプローブ;
    3)上記1)に記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたは上記2)に記載のポリヌクレオチドプローブのいずれか一つのポリヌクレオチドが固定された固相化試料;
    4)下記のa)乃至c)から選択されるポリペプチドに特異的に結合し、該タンパク質を検出するための抗体;
    a)配列表の配列番号2のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    b)配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至309に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    c)上記a)又はb)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、(2R)−2−アミノ−2−メチル−4−[5−(5−フェニルペンタノイル)チオフェン−2−イル]ブタン−1−オールのリン酸化能を有するポリペプチド;
    5)上記4)に記載の抗体に結合する二次抗体
    Figure 0004975031
    ――――――――――――――――――――――――――
    (式中、R 及びR は、水素原子である。R は、C1−C6アルキル基又はヒドロキシメチル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基である。R は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群より選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基、ハロゲン原子又は水素原子であり、Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチルアミノ基である。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である。Zは、単結合又はC1−C8アルキレン基である。nは、2又は3である。)
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