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JP4950401B2 - 滑り制御ブレーキ装置を備えた車両の安定化方法および装置 - Google Patents

滑り制御ブレーキ装置を備えた車両の安定化方法および装置 Download PDF

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JP4950401B2 JP2001523254A JP2001523254A JP4950401B2 JP 4950401 B2 JP4950401 B2 JP 4950401B2 JP 2001523254 A JP2001523254 A JP 2001523254A JP 2001523254 A JP2001523254 A JP 2001523254A JP 4950401 B2 JP4950401 B2 JP 4950401B2
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  • Transportation (AREA)
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Description

【0001】
従来の技術
本発明は、滑り制御ブレーキ装置を備えた車両の安定化方法および装置に関するものである。このような方法および装置は、従来の技術から種々の修正態様において既知である。
【0002】
自動車技術誌(ATZ)96、1994年11月号、674頁−689頁に発表されている論文「FDR−Boschの走行動特性制御」に、乗用車に対する安定化装置が記載されている。この安定化装置の場合、制御において車両の姿勢角およびヨー・レートが制御される。このために、姿勢角に対する実際値と目標値との間の制御偏差およびヨー・レートがそれぞれ決定される。この目標値に基づいて目標滑り変化が決定され、この目標滑り変化が対応する機関係合および/またはブレーキ係合により達成される。ブレーキ係合により、目標滑り変化に基づいて個々の車輪におけるブレーキ圧力を上昇ないし低下させることが可能である。
【0003】
「Bosch技術報告」第7巻(1980年2月号、ISSN 0006−789X)に発表されている論文「乗用車に対するアンチロック制御装置(ABS)」に、ブレーキ滑り制御装置が記載されている。この装置においては、ブレーキ過程の間に実際滑りが目標滑りと比較され、実際滑りが目標滑りに等しくなると直ちに該当する車輪においてブレーキ圧力が低下される。
【0004】
ドイツ特許公開第2112669号は、走行路面とタイヤとの間で最大ブレーキ力が可能なように車輪滑りを制御するアンチロック制御装置を記載する。アンチロック制御装置は、自動車縦軸が走行方向から偏向したときに、アンチロックの調節が可能な制御装置を有している。この制御装置は、それほど顕著ではないブレーキ圧力低下で、車輪のコーナリング・フォースを本質的に改善する値に車輪滑りを自動的に低下させる調節要素を含む。調節要素は、通り抜けるカーブの方向に応答する。特に、このアンチロック制御装置を用いて、カーブ内側のブレーキ力が低減され且つカーブ外側のブレーキ力が増大されることが達成される。
【0005】
上記の従来技術に関連する装置はすべて、車輪の調節を実行するために、制御変数として車輪滑りを使用する。この背景から、それに基づいて車輪の調節が実行される、車輪滑りに代わる制御変数を使用する方法ないし装置を提供することが本発明の課題である。この課題は、請求項1ないし13の特徴により解決される。
【0006】
発明の利点
本発明による方法は、滑り制御ブレーキ装置を備えた車両の安定化方法である。この方法においては、車両の個々の車輪に対する車輪速度が決定される。従来技術から制御変数として既知の滑りの代わりに、本発明の方法により車輪速度が使用される。この理由から、少なくとも1つの車輪に対して、車輪速度に対する目標値が決定される。前記少なくとも1つの車輪に対して、この車輪に対して決定された車輪速度と前記目標値との間の偏差を表わす偏差変数が決定される。車両の安定化のために、前記少なくとも1つの車輪に関連のアクチュエータが前記偏差変数の関数として操作される。
【0007】
制御変数として車輪速度を使用することは次の利点を有している。滑りは相対変数を示す。即ち、車輪に関連のアクチュエータを操作することにより滑りが制御される場合、アクチュエータの操作の後に得られる車輪速度は予めわかっていない。これに対して車輪速度は絶対変数を示す。車輪に関連のアクチュエータを操作することにより車輪速度が制御される場合、アクチュエータを操作した後に得られる車輪速度を希望の値に調節することができる。これは、例えば、カーブ走行において、アクチュエータを操作した後に得られる車輪速度が通り抜けるカーブに適合されることが保証されている、という利点を有している。
【0008】
本発明による方法ないし本発明による装置は、アンチロック制御装置を備えている車両において使用されるものである。しかしながら、これは制約を示すものではない。同様に、例えば冒頭記載のATZの文献に記載されているように、駆動滑り制御装置または滑り制御を備えている車両に使用することが考えられる。
【0009】
車両は、カーブ走行中に、部分ブレーキ作動範囲内においても過制御となる傾向がある。車両がブレーキ滑り制御装置を備えている場合、本発明の方法により車両を安定化させることができる。車両の安定化のために前車軸において圧力変調係合が行われるが、この圧力変調係合はブレーキ滑り制御係合を示すものではない。
【0010】
さらに、ブレーキ滑り制御装置を備えている車両は、カーブ内側前車輪の荷重軽減に基づいてこの車輪がきわめて急速にブレーキ滑り制御されることがある。これは、ペダルそれ自体においておよび騒音により、明確に感知可能であり、これが走行快適性を損なうことになる。さらに本発明の方法により、カーブ内側前車輪が、横方向加速度が高いときに重量荷重軽減に基づいて軽いブレーキ作動のときでも、ブレーキ滑り制御されることが防止される。したがって、本発明の方法により、ブレーキ滑り制御装置における安定化の改善のみならず快適性の改善もまた達成される。
【0011】
要約すると、本発明による装置において使用される滑り制御ブレーキ装置は、車両の少なくとも個々の車輪のブレーキ滑りを制御可能なブレーキ装置であるということができる。安定化の間に、車両は部分ブレーキ作動範囲内にある。
【0012】
アクチュエータが偏差変数の関数として操作される前記少なくとも1つの車輪がカーブ内側車輪あることが有利である。ここでそれがカーブ内側前車輪であるとき、それは特に有利である。アクチュエータは、カーブ内側車輪に存在するブレーキ作用が同じ車軸のカーブ外側車輪に作用しているブレーキ作用に比較して低減されるように操作される。カーブ内側前車輪の上記の調節により次のことが達成される。即ち、本発明による方法は第1にブレーキ滑り制御ブレーキ装置を備えている車両が対象となっているので、車輪に関連のアクチュエータへの、しかもドライバとは独立に行われる安定化係合として、ブレーキ作用が低減されるような係合のみが問題となる。油圧式または空圧式で作動する対応のブレーキ装置は、ドライバとは独立に圧力を上昇させ且つ最終的にブレーキ作用の上昇を形成することができる手段を備えていないので、ブレーキ作用の上昇は行われない。本発明の方法により車両の過制御傾向が防止されるべきであるので、不足制御として作用するヨー・モーメントが発生されなければならない。上記のようにドライバとは独立にブレーキ作用の低減のみが実行可能であるので、不足制御として作用するヨー・モーメントを確保するために、カーブ内側車輪にこれが実行されなければならない。荷重分布に基づいて、力伝達はカーブ内側後車輪においてよりもこのカーブ内側前車輪においてのほうがより好ましいので、カーブ内側前車輪が選択される。
【0013】
車輪速度に対する目標値がカーブ内側車輪と同じ車軸上に存在するカーブ外側車輪の車輪速度の関数として決定されることが有利である。カーブ走行においては、カーブ外側車輪が車両の荷重分布に基づいて特に安定しているので、この決定方法が実行される。同様に、前記目標値を決定するとき、カーブ走行に基づいて得られる、カーブ内側車輪の車輪速度とカーブ外側車輪の車輪速度との差が考慮されるとき、それは有利である。これは、目標値が通り抜けるカーブの半径を表わす変数の関数として決定されることにより行われることが有利である。
【0014】
目標値の決定のために2段階の方法が特に有利であることがわかっている。最初に、カーブ内側車輪と同じ車軸上に存在するカーブ外側車輪の車輪速度の関数として、および/または通り抜けるカーブの半径を表わす変数の関数として、中間変数が決定される。この中間変数は、カーブ走行に基づいて予想されるカーブ内側車輪の車輪速度を表わす。通り抜けるカーブの半径は、車両速度および車両に作用する横方向加速度の関数として決定される。言い換えると、このようにして決定された中間変数は、カーブ走行の影響が考慮されるときに、カーブ内側車輪が所定のカーブ半径においておよび所定の横方向加速度において理論的に有していなければならないカーブ内側車輪の速度を示す。カーブ外側車輪が車両速度に対して滑りを有しているときもまた、この中間変数の決定が使用されてもよい。この場合、カーブ内側車輪およびカーブ外側車輪が同じ大きさで滑りをなしていることが保証されている。即ち、両方の車輪の間に滑りの差が存在しない。第2のステップにおいて、前記目標値を決定するために、前記中間変数が設定可能な係数を用いて評価される。この場合、前記評価により、目標値が中間変数に比較して設定可能な部分だけ低減されるように、この評価が行われることが有利である。これにより、カーブ内側車輪において調節された車輪速度が各々の場合に対してカーブ走行により与えられる条件に対応することが達成される。中間変数が、低減される前記設定可能な部分が小さければ小さいほど、それだけ多くのブレーキ力がカーブ内側前車輪により伝達される。
【0015】
前記偏差変数として、目標値を基準とした、前記少なくとも1つの車輪に対して決定された車輪速度と目標値との間の差が決定されることが有利である。この偏差変数はその決定に基づいて滑りの特性を有している。前記偏差変数はフィルタリングされることが有利である。これは、従来技術から既知のPT1素子を用いて行われる。アクチュエータは前記フィルタリングされた偏差変数の関数として操作される。偏差変数のフィルタリングは、速度信号ノイズが外乱として作用しないことを保証する。さらに、短時間の走行路面外乱が減衰される。
【0016】
前記偏差変数が上限しきい値および下限しきい値と比較される。この場合、アクチュエータが、この比較の関数として、前記偏差変数が前記上限しきい値と下限しきい値とにより定義された値範囲内にとどまるようにおよび/またはこの値範囲内で調整されるように操作される。
【0017】
アクチュエータは、偏差変数が下限しきい値より小さいときには、前記少なくとも1つの車輪に存在するブレーキ作用が低減されるように操作され、および/または偏差変数が下限しきい値より大きく且つ上限しきい値より小さいときには、ブレーキ作用が保持されるように操作され、および/または偏差変数が上限しきい値より大きいときには、ブレーキ作用が上昇されるように操作されることが有利である。これにより、偏差変数は上記の値範囲内に保持される。
【0018】
アクチュエータの操作において、前記少なくとも1つの車輪におけるブレーキ作用の上昇を阻止する条件が満たされているかどうかが検査され、この条件が満たされている場合に対して、ブレーキ作用を上昇させる代わりにブレーキ作用が保持されることが有利である。この方法は、次のこと、即ち、本発明により車両の安定化のためにカーブ内側前車輪に関連のアクチュエータが操作される場合、車両が減速し且つカーブ半径が同じままである場合に低減する横方向加速度に基づいてカーブ内側車輪の荷重が再び増加することに基づいている。この結果、この車輪における滑りは低下する。これにより、アクチュエータの操作は、ブレーキ作用が発生されるように行われることになる。例えば、油圧式ブレーキ装置が基礎となっている場合、この車輪の圧力を上昇させる。この圧力上昇は、低速においておよび小さい減速度においては必ずしも必要ではないが、供給圧力レベルに到達していないかぎり、上昇パルス列によりペダルの快適性を損なうことになる。ペダルの快適性を損なうことを防止するために、このような状況が検出されたときはに、圧力上昇が抑制され、その代わりに圧力したがってブレーキ作用は保持される。
【0019】
次の方法、即ち、相応の許容条件が満たされているときに、目標値および/または偏差変数の決定が行われ、および/または相応の開始条件が満たされているときに、前記少なくとも1つの車輪のアクチュエータの操作が開始され、および/または相応の終了条件が満たされているときに、前記少なくとも1つの車輪のアクチュエータの操作が終了されることが特に有利であることがわかっている。
【0020】
その他の利点並びに有利な実施態様が従属請求項、図面並びに実施態様の説明から明らかであり、この場合、従属請求項の任意の組み合わせが考えられる。
実施の態様
図1に、部分ブレーキ作動範囲内に存在する2つの車両(a)ないし(b)が、カーブ走行中の異なる時点1、2aないし3a並びに2bないし3bで示されている。四角窓により車両の前方側が示され、楕円形窓により車両の後方側が示されている。車両(a)は本発明による装置を備えていないものとする。これに対して、車両(b)は本発明による装置を含むものとする。両方の車両に対して、それぞれ縦方向に記入されている矢印は、それぞれの車輪において調節されたブレーキ力を示す。図から、車両(a)のみならず車両(b)もまたこのような滑り制御ブレーキ装置を備え、このブレーキ装置は、後車輪に対して個別の制御を許容していることがわかる。これは車両の後部領域内の異なる長さの矢印により示されている。時間ステップ2aないし3aの図から、車両(a)に対して両方の前車輪が同じ強さでブレーキ作動され、即ち両方の前車輪は同じブレーキ力を受けていることがわかる。この結果、車両は図示のように過制御となる。即ち、車両(a)の走行軌跡は、ドライバによりそのかじ取り角設定に基づいて最初に希望されたカーブ半径より小さいカーブ半径を有している。図1の時間ステップ2bおよび3bに示されているように、車両(b)の両方の前車輪は異なる強さでブレーキ作動される。この場合、カーブ内側前車輪のブレーキ作用はカーブ外側前車輪のブレーキ作用より小さい。この結果、車両の過制御傾向に対して反作用として働くヨー・モーメントが車両に与えられることになる。車両はかじ取り角により設定されたドライバの設定に順応する。
【0021】
図2に本発明による装置が示されている。ブロック201はストップ・ランプ・スイッチを示し、ストップ・ランプ・スイッチによりドライバによるブレーキ・ペダル操作が検出される。ストップ・ランプ・スイッチ201はブレーキ・ペダル操作を表わす信号BLSを発生し、信号BLSはブロック207に供給される。ブロック202は、個々の車両車輪に対して車輪速度vradを決定する手段を示す。車輪速度vradは、ブロック204ないし205並びにブロック207に供給される。手段202は、例えば車輪回転数センサであり、車輪回転数センサは対応の評価ユニットを有し、この評価ユニットにより、決定された車輪回転数が車輪速度に換算される。
【0022】
ブロック204において、それに供給された車輪速度vradの関数として、車両速度を表わす変数vfが決定される。この決定は、例えば平均値形成により行われる。ここで、個々の車輪が車両速度の決定に対していかによく適しているかに応じて、それぞれ個々の車輪が異なる強さで重みづけされてもよい。車両速度を表わす変数vfは、ブロック204からブロック207並びにブロック205に供給され、またブロック208にも供給される。
【0023】
ブロック207は、本発明による装置の制御ユニットを示す。この制御ユニット207は、ブレーキ滑り制御のための制御装置内に含まれている、制御ユニットが有しているすべての機能を含むものである。これらの機能のほかに、制御ユニット207は本発明による方法に関連する機能を有するものである。この機能の1つは、車両に作用する横方向加速度を表わす変数aqを提供する機能である。変数aqは車輪速度vradの関数として決定される。例えば、前輪駆動車両が対象となる場合、変数aqは、後車輪即ち非駆動車輪の関数として決定される。このために、例えば、左側車輪の車輪速度と右側車輪の車輪速度との差が評価されてもよい。変数aqはブロック205ないし208に供給される。
【0024】
図2はブロック203を有し、ブロック203は横方向加速度センサである。破線で示したことにより、ここではオプションないし代替態様であることが示されている。言い換えると、本発明による方法を実行するために、横方向加速度センサ203の存在は不可欠ではない。しかしながら、対応するセンサを利用可能なブレーキ滑り制御は既知である。この場合、横方向加速度センサ203により測定された横方向加速度が、車輪速度から決定された横方向加速度の代わりに使用されてもよい。これが、ブロック203からブロック207、205並びに208への横方向加速度aqの破線供給ラインにより示されている。
【0025】
ブロック205において、カーブ内側前車輪の車輪速度に対する目標値vsollinVRが決定される。この目標値は、本発明によりカーブ外側車輪の車輪速度の関数として決定されるので、車両のどの車輪がカーブ外側前車輪を示すかに関する情報が供給されなければならない。次に、目標値vsollinVRの関数として、カーブ内側前車輪に対して決定された車輪速度と目標値vsollinVRとの間の偏差を表わす偏差変数AbinVRが決定される。目標値および偏差変数の決定は、相応の許容条件が満たされているときに実行される。したがって、ブロック205に対応の情報が供給されなければならない。この情報は、ブロック205にブロック208から信号ないし変数S5を介して供給される。カーブ外側前車輪に関する情報は、ブロック205にブロック207から信号ないし変数S6を介して供給される。信号S5並びにS6の提供に関しては、後に詳細に説明する。目標値vsollinVRおよび偏差変数AbinVRの決定は図3により説明する。偏差変数AbinVRは、ブロック205からブロック206に供給される。
【0026】
ブロック206はフィルタ手段を示し、このフィルタ手段により偏差変数AbinVRの関数としてフィルタリングされた偏差変数AbinVRfilが決定される。このフィルタリングにより、車輪速度に含まれているノイズの影響並びに短時間発生する走行路面外乱が除去ないし減衰される。フィルタ手段206は、例えば従来技術から既知のPT1素子である。フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilは、ブロック206からブロック208に供給される。
【0027】
ブロック208において、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilは、上限しきい値および下限しきい値と比較される。この比較の関数として、カーブ内側前車輪のアクチュエータが、フィルタリングされた偏差変数が上限しきい値と下限しきい値とにより定義された値範囲内にとどまるようにおよび/またはこの値範囲内で調整されるように操作される。ここで、偏差変数のフィルタリングを省略することも考えられることを付記しておく。この場合には、ブロック208において、フィルタリングされた偏差変数が処理されないで、偏差変数それ自身が処理される。比較の関数として信号ないし変数S3が発生され、信号ないし変数S3は、制御ユニット207に供給され、且つカーブ内側前車輪のアクチュエータがいかに操作されるべきかに関する情報を含む。これに関しては、図3により詳細に説明する。相応の開始条件が満たされているときに、カーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が開始されるので、および/または相応の終了条件が満たされているときに、カーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が終了されるので、ブロック208にブロック207から対応の情報が供給されなければならない。これは信号ないし変数S4により行われる。信号ないし変数S4内に含まれている個々の情報に関しては、図3によりさらに詳細に説明する。
【0028】
制御ユニット207は、信号ないし変数S1を発生し、信号ないし変数S1によりブレーキ装置に付属のアクチュエータ209が操作される。一方で、アクチュエータ209は通常のブレーキ滑り制御により操作され、他方で、本発明による方法に対応して操作される。即ち、信号ないし変数S1は、重ね合わせの形で通常のブレーキ滑り制御の設定並びに本発明による方法の設定を含む。アクチュエータ209から制御ユニット207に信号ないし変数S2が供給され、信号ないし変数S2は、制御ユニット207にアクチュエータ209の状態に関する信号を与える。
【0029】
部分図3aおよび3bからなる図3に、本発明による装置内で実行される本発明による方法が示されている。
本発明による方法はステップ301からスタートされ、ステップ301にステップ302が続く。ステップ302において、カーブ外側前車輪の車輪速度が提供される。この提供は上記のブロック205において行われる。このために、ブロック205は、車両車輪のいずれがカーブ外側前車輪を示すかに関する情報を必要とする。この情報は変数ないし信号S6内に含まれている。この情報は、例えばカーブ走行フラグであってもよく、カーブ走行フラグはブロック205に左カーブが走行されるかないしは右カーブが走行されるかを示す。ステップ302に続いてステップ303が実行される。ステップ303において、カーブ内側前車輪における安定化係合を終了させるための条件、即ち終了条件が満たされているかどうかが検査される。終了条件の範囲内で検査される部分条件は、本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が実行される場合に対してのみ検査される。第1の部分条件において、ドライバがブレーキ・ペダルを放したかどうかが検査される。第2の部分条件において、カーブ方向の逆転が存在するかどうかが検査される。両方の部分条件の検査はブロック208において行われる。このために必要な情報が信号ないし変数S4内に含まれている。第1の部分条件に対しては、ブレーキ・ペダルの操作に関する情報が必要である。即ち、S4内に、信号BLSそれ自身またはこの信号から導かれた信号が含まれている。第1の部分条件は次の理由から検査される。即ち、ドライバがブレーキ・ペダルを放した場合、即ちドライバがブレーキ・ペダルを解放した場合、これにより自動的にブレーキ作用が低下する。本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作、即ち本発明による安定化はもはや必要ではない。第2の部分条件は、カーブ方向が逆転したときに、カーブ内側前車輪が換わることから評価される。即ち、それまでのアクチュエータはもはや操作される必要がないからである。この代わりに、他方の前車輪のアクチュエータが操作されなければならない。本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作の間に、第1または第2の部分条件が満たされていることが特定されたとき、終了条件が満たされている。終了条件が満たされている場合、ステップ303に続いてステップ304が実行される。このステップにおいて、本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が終了されたので、本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が実行されるかどうかを示す変数StabinVRに値0が割り当てられる。ステップ304に続いてステップ305が実行される。これに対して、ステップ303において、終了条件が満たされていないことが特定された場合、ステップ303に続いて直接ステップ305が実行される。
【0030】
ステップ305において、目標値vsollinVRおよび偏差変数AbinVRの決定のための許容条件が満たされているかどうかが検査される。これに関しては次の部分条件が検査される。即ち、第1の部分条件において、いずれの前車輪もブレーキ滑り制御されていないかどうかが検査される。第2の部分条件において、ブレーキ滑り制御の範囲内で実行すべきタイヤ公差補償が正常に行われているかどうかが検査される。ここで、タイヤ公差補償の技術的方法に関しては、ドイツ特許公開第4230295号が参照される。ここでは、タイヤ公差補償により異なるタイヤ半径を特定することができ、例えば車輪回転速度を調節する滑り制御の場合、異なるタイヤ半径が補償されることを付記するにとどめておく。第3の部分条件において、ブレーキ滑り制御が許容されているかどうか、即ちブレーキ滑り制御のために必要とされる装置が故障していないかどうかが検査される。許容条件の検査は、同様にブロック208において行われる。このために必要な情報は、同様に信号ないし変数S4内に含まれている。第1の部分条件に対しては、前車輪の状態に関する情報、即ち少なくとも1つの前車輪がブレーキ滑り制御状態にあるかどうかに関する情報が必要である。第1の部分条件は次の理由から設けられている。即ち、本発明によるカーブ内側前車輪への係合が実行され、しかもブレーキ滑り制御装置のこの車輪への係合が必要とされる場合、ブレーキ滑り制御装置が本発明による係合によって影響されることなくカーブ内側前車輪の制御を行うことが可能なように、本発明による係合は遮断されるものとする。したがって、第1の部分条件により、本発明による係合からブレーキ滑り制御装置の係合への移行がモニタリングされる。第2および第3の部分条件のための情報は、適切なフラグの形で提供される。第2および第3の部分条件は、本発明による方法を実行するために完全な車輪回転速度信号が必要であるという理由から検査される。ブレーキ滑り制御の実行のために必要な装置が故障しているか、ないしはタイヤ公差補償内に外乱が存在する場合、車輪回転速度センサが故障していること、ないしは車輪回転速度センサにより発生された信号が使用可能ではないことが推測される。3つのすべての部分条件が満たされているとき、許容条件が満たされている。ステップ305において、許容条件が満たされていることが特定された場合、ステップ305に続いてステップ306が実行される。これに対して、ステップ305において、許容条件が満たされていないことが特定された場合、ステップ305に続いてステップ311が実行される。ステップ311において、この場合には目標値が存在しないこと、ないしは偏差変数が存在しないことに基づいて、カーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が可能ではないので、変数StabinVRに値0が割り当てられる。ステップ311に続いてステップ315が実行され、ステップ315により本発明による方法が終了される。許容条件の検査結果は、ブロック208から変数ないし信号S5を介してブロック205に伝達され、ブロック205において目標値および偏差変数の決定が行われる。
【0031】
横方向加速度センサを備えているブレーキ滑り制御の場合(図2においてオプションとして示されている図を参照)、ステップ305において他の部分条件が検査される。この部分条件においては、横方向加速度センサが故障し、横方向加速度センサの値の代わりに、車輪速度好ましくは非駆動車輪の車輪速度からいわゆるリセット・レベルの機能内で決定された横方向加速度に対する値が使用されるかどうかが検査される。即ちこの部分条件においては、横方向加速度センサが提供する値が正常であり、したがって使用可能であるかどうかが検査される。この他の部分条件を考慮して、前にステップ305に関して記載の部分条件およびこの他の部分条件が満たされているときに、許容条件が満たされている。
【0032】
ステップ306において、カーブ内側前車輪の車輪速度に対する目標値vsollinVRが決定される。この決定はブロック205において行われる。目標値vsollinVRは、カーブ内側前車輪と同じ車軸上に存在するカーブ外側車輪の車輪速度の関数として決定される。目標値の決定において、カーブ走行に基づいて得られるカーブ内側車輪の車輪速度とカーブ外側車輪の車輪速度とにおける差が考慮される。これは、通り抜けるカーブの半径を表わす変数であり且つ車両に作用する横方向加速度および車両速度の関数として決定される変数の関数として行われる。本質的に、目標値vsollinVRの決定は2つのステップで行われる。最初に、カーブ内側車輪と同じ車軸上に存在するカーブ外側車輪の車輪速度および通り抜けるカーブの半径を表わす変数の関数として、カーブ走行に基づいて予想されるカーブ内側車輪の車輪速度を表わす中間変数が決定される。この第1のステップにおいて、車両の輪距である車両形状を表わす変数もまた考慮される。通常、前車軸の輪距が使用される。しかしながら、後車軸の輪距、または前車軸の輪距と後車軸の輪距とから得られた平均値が使用されてもよい。第2のステップにおいては、設定可能な係数を用いて中間変数が評価されることにより、中間変数から目標値vsollinVRが決定される。設定可能な係数は1より小さいので、目標値は中間変数より小さい。この係数は、予め適用の範囲内で決定された固定設定値であってもよい。代替態様として、この係数は車両の運転中に計算されてもよい。この計算は、車両速度、横方向加速度、縦方向加速度、および走行路面状態を表わす変数、特に摩擦係数の関数として決定されてもよい。また、両側で異なる摩擦係数に関する情報が入力されてもよい。目標値vsollinVRの決定において、最終的に、カーブ外側車輪が滑りを有しているかどうかは問題ではない。
【0033】
ステップ306に続いてステップ307が実行され、ステップ307において、目標値vsollinVRの関数として偏差変数AbinVRが決定される。この決定は同様にブロック205において行われる。偏差変数は、カーブ内側前車輪に対して決定された車輪速度とステップ306において決定された目標値との間の偏差を表わす。具体的には、偏差変数は、目標値を基準とした、カーブ内側前車輪に対して決定された速度と目標値との間の差として決定される。言い換えると、係数100を用いた対応評価においては、偏差変数AbinVRはカーブ内側前車輪に対して測定された車輪速度の目標値vsollinVRからのパーセント偏差に対応する。ステップ307に続いてステップ308が実行される。このステップにおいて、偏差変数は、適切なフィルタ手段、好ましくはPT1素子によりフィルタリングされ、これによりフィルタリングされた偏差変数AbinVRfilが発生する。フィルタリングはブロック206において行われる。
【0034】
ステップ308に続いてステップ309が実行され、ステップ309において開始条件が検査される。開始条件は複数の部分条件からなっている。第1の部分条件において、本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が実行されていないかどうかが検査される。カーブ内側前車輪のアクチュエータに対して既に本発明による操作が実行されている場合、この操作は保持されたままであることが推測される。この場合、他の部分条件の検査は必要ないであろう。これに対して、本発明による操作がまだ実行されていない場合、次の第2ないし第5の部分条件が重要となり、このときこれらの部分条件に基づいて、本発明による操作が必要であるかどうかが決定される。第2の部分条件において、横方向加速度が対応の設定値より大きいかどうかが検査される。横方向加速度の値が設定値より大きい場合、車両の不安定性が、場合により可能となる走行状態が存在し、この結果、場合により本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が必要となる。第3の部分条件において、車両速度が対応設定値より大きいかどうかが検査される。第3の部分条件に対してもまた、設定値を超えた場合に、車両の不安定性が抑制されるべき走行状態の存在することが適用される。第4の部分条件において、車両減速度が設定値より大きいかどうかが検査され、このときフィルタリングされた車両減速度の絶対値が使用されることが好ましい。第4の部分条件から、車両減速度が大きいときに開始が行われてもよい。即ち、小さい減速度が存在するときには、本発明による係合は必要ではない。これに対して大きい車両減速度が存在するとき、本発明による係合が許容されてもよい。第5の部分条件において、フィルタリングされた偏差変数が対応の設定値より小さいかどうかが検査される。
【0035】
上記の5つの部分条件の範囲内で、必要な情報は信号S4によりブロック208に供給され、ブロック208において開始条件が検査される。5つのすべての部分条件が同時に満たされているとき、開始条件が満たされている。
【0036】
開始条件が満たされている場合、ステップ309に続いてステップ310が実行される。このステップにおいて、本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が必要であるので、変数StabinVRに値1が割り当てられる。ステップ310に続いてステップ312が実行され、ステップ312において、変数StabinVRが値1を有しているかどうかが検査される。これが肯定の場合、これは本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が必要であることと同じ意味であるので、ステップ312に続いてステップ313が実行され、ステップ313により本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が導かれる。これに対して、変数StabinVRが値1を有していない場合、ステップ312に続いてステップ315が実行される。これに対して、ステップ309において、開始条件が満たされていないことが特定された場合、ステップ309に続いて直接312が実行される。
【0037】
ステップ313において、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilが、下限しきい値USWより小さいかどうかが検査される。これが肯定の場合、ステップ313に続いてステップ314が実行され、ステップ314において、カーブ内側車輪のアクチュエータが、この車輪におけるブレーキ作用が低下されるように操作される。この実施の態様の基礎となっているブレーキ装置は油圧式ブレーキ装置であるので、具体的な場合において、カーブ内側前車輪におけるブレーキ圧力が低下されるものとする。ステップ314に続いてステップ315が実行される。
【0038】
これに対して、ステップ313において、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilが、下限しきい値USWより大きいことが特定された場合、ステップ313に続いてステップ316が実行される。このステップにおいて、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilが、上限しきい値OSWより小さいかどうかが検査される。これが肯定の場合、ステップ316に続いてステップ317が実行される。このステップにおいて、カーブ内側前車輪のアクチュエータは、この車輪に対してブレーキ圧力が保持されるように操作される。ステップ317に続いてステップ315が実行される。これに対して、ステップ316において、フィルタリングされた偏差変数が、上限しきい値OSWより大きいことが特定された場合、ステップ316に続いてステップ318が実行される。このステップにおいて、カーブ内側前車輪のアクチュエータは、この車輪におけるブレーキ圧力が上昇されるように操作される。ステップ318に続いて同様にステップ315が実行される。
【0039】
圧力上昇のみならず圧力低下もまたパルス列の形で行われる。ここで、パルス時間および休止時間は固定設定されていても、または適応により決定されてもよい。上昇パルス列は、いわゆる隙間充填パルスを有している。隙間充填パルスは、本来のブレーキ作用が開始される前に、ブレーキ・ライニングをブレーキ・ドラムまたはブレーキ・ディスクに当接する第1の上昇パルスを示す。これにより、ブレーキ作用の正確な調節が達成される。
【0040】
本実施の態様の変更態様においては、ステップ316において、フィルタリングされた偏差変数が上限しきい値より小さいかどうかの上記の検査に補足して、他の条件が検査される。この他の条件の検査により、カーブ内側車輪におけるブレーキ作用の上昇が阻止され且つその代わりにブレーキ作用が保持されるべきかどうかが特定される。この他の条件は複数の部分条件からなっている。第1の部分条件において、車両速度が対応のしきい値より小さいかどうかが検査される。第2の部分条件において、フィルタリングされた車両減速度が対応のしきい値より大きいかどうかが検査される。第3の部分条件において、ブレーキが保持される時間が対応のしきい値より小さいかどうかが検査される。第1および第2の部分条件は、次の理由、即ち本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作はカーブ半径が一定のまま車両が減速する場合、低下する横方向加速度に基づいてカーブ内側車輪の荷重が再び増大することから検査される。この結果、この車輪における滑りは低下する。これによりこの車輪における圧力が上昇することがある。この圧力上昇は、速度が低く且つ減速度が小さいときには必ずしも必要ではない。供給圧力レベルにまだ達していないかぎり、この圧力上昇は、上昇パルス列によりむしろペダルの快適性を損なうことになる。このペダルの快適性を損なうことを防止するために、このような状況においては、圧力上昇は阻止され、その代わりに圧力が保持される。第3の部分問い合わせは、圧力上昇の代わりに、圧力保持が所定の時間のみ行われることを保証する。
【0041】
ステップ312、313、314、316、317および318はブロック208において実行される。このために必要な情報は信号ないし変数S4によりブロック208に供給される。得られた結果、即ちブレーキ圧力が上昇または保持または低下されるべきかに関する情報は、信号ないし変数S3により制御ユニットに供給される。
【0042】
図4は、カーブ内側前車輪のアクチュエータが、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilと、上限しきい値OSWおよび下限しきい値USWとの比較の関数として、いかに操作されるかを示す。時点t1までは、ドライバにより設定された供給圧力により与えられる連続圧力上昇が行われる。本発明によるカーブ内側車輪のアクチュエータの操作は、その時点まではまだ行われていない。時点t1において、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilがしきい値FREISWを下回ったことにより、本発明によるカーブ内側前車輪のアクチュエータの操作が行われるべきことが特定される(ステップ309における第5の部分条件)。フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilは、時点t1およびt2により定義される時間内は、上限しきい値と下限しきい値との間に存在するので、最初に、カーブ内側前車輪のアクチュエータが、ブレーキ圧力が保持されるように操作される。フィルタリングされた偏差変数は、時点t2以降下限しきい値を下回り、これが時点t3まで継続する。この理由から、この時間の間、カーブ内側前車輪のアクチュエータは、カーブ内側前車輪に対するブレーキ圧力が低下されるように操作される。時点t3およびt4により定義される時間の間、フィルタリングされた偏差変数は、再び上限しきい値と下限しきい値との間に存在する。カーブ内側前車輪のアクチュエータの操作は、時点t1およびt2により定義された時間の間の操作に対応する。時間t4以降、フィルタリングされた偏差変数は、上限しきい値を超えている。したがって、カーブ内側前車輪のアクチュエータは、ブレーキ圧力が上昇されるように操作される。ここで、次のこと、即ち、圧力をドライバにより設定された圧力以上に上昇させることが可能な手段をブレーキ装置が備えていない場合、圧力はドライバにより設定された圧力までしか上昇させることができないことを注記しておく。図4に2つの縦座標系aないしbが示されている。縦座標系aにおいては、カーブ内側前車輪のカーブ外側前車輪に対する滑りlambdainVRが示されている。この滑りは係数の形で使用され、この係数により中間変数から目標値が決定される。縦座標系bは、フィルタリングされた偏差変数AbinVRfilの時間線図を示す。図4からわかるように、カーブ内側前車輪とカーブ外側前車輪との間の滑りの差は、定義可能な目標値の周りの定義可能な範囲内に保持される。
【0043】
最後に、説明の中で選択された実施態様の形態並びに図の中で選択された図示は、本発明の本質的な考え方に制約的な作用を有するものではないことを注記しておく。上記の実施の態様において、車両の安定化は、カーブ内側前車輪のアクチュエータの操作のみにより達成される。同様に、カーブ内側後車輪の操作が行われてもよいことは当然である。さらに、カーブ外側車輪のいずれかの操作もまた考えられる。しかしながら、この場合には、過制御に対して反作用として働くヨー・モーメントを発生するために、ブレーキ作用を低減させずにブレーキ作用を上昇させることが必要である。即ち、後者の場合には、ドライバとは独立にブレーキ作用を上昇させる可能性を有するブレーキ装置においてのみ達成される。これは、ブレーキ滑りのみを制御するブレーキ装置を用いては可能ではないことは明らかである。しかしながら、駆動滑り制御を備えているブレーキ装置ないしは冒頭記載のATZの文献に記載されているようなブレーキ装置は、対応する可能性を提供する。さらに、本発明による方法の使用は、油圧式ないし空圧式ブレーキ装置のみに限定されない。電気油圧式、電気空圧式または電気機械式ブレーキ装置における使用もまた同様に考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1にカーブ走行中に部分ブレーキ作動範囲内に存在する2つの車両が示され、車両(a)は本発明による方法ないし本発明による装置を備えてなく、車両(b)は本発明による方法ないし本発明による装置を備えている。
【図2】 図2は本発明による装置の構造をブロック回路図の形で示す。
【図3】 部分図3aおよび3bからなる図3は本発明による装置内で実行される本発明による方法の経過を流れ図により示す。
【図4】 図4に、カーブ内側前車輪に付属のアクチュエータの操作に関するフィルタリングされた偏差変数の時間線図が示されている。

Claims (5)

  1. 車両の個々の車輪に対する車輪速度(vrad)を決定すること、
    少なくとも1つの車輪に対して、車輪速度に対する目標値(vsollinVR)を決定すること、
    前記少なくとも1つの車輪に対して、この車輪に対して決定された車輪速度と前記目標値との間の偏差を表わす偏差変数(AbinVR)を決定すること、および
    車両の安定化のために、前記少なくとも1つの車輪に関連のアクチュエータを前記偏差変数の関数として操作すること、
    からなる滑り制御ブレーキ装置を備えた車両の安定化方法であって、
    前記少なくとも1つの車輪が、カーブ内側車輪であること、
    前記アクチュエータの操作により、前記カーブ内側車輪に存在するブレーキ作用が、同じ車軸の前記カーブ外側車輪に作用しているブレーキ作用に比較して低減されること、
    車輪速度に対する前記目標値が、前記カーブ内側車輪と同じ車軸上に存在するカーブ外側車輪の車輪速度の関数として決定されること、
    前記偏差変数を、上限しきい値(OSW)および下限しきい値(USW)と比較し、前記アクチュエータが、この比較の関数として、前記偏差変数が前記上限しきい値と前記下限しきい値とにより定義された値範囲内にとどまることおよびこの値範囲内で調整されることのうち少なくともいずれかを満たすように操作されること、
    前記アクチュエータが、前記偏差変数が前記下限しきい値より小さいときには、前記少なくとも1つの車輪に存在するブレーキ作用が低減されるように操作され、前記偏差変数が前記下限しきい値より大きく且つ前記上限しきい値より小さいときには、前記ブレーキ作用が保持されるように操作され、かつ、前記偏差変数が前記上限しきい値より大きいときには、さらに、
    車両が減速し且つカーブ半径が同じままであるとの条件が満たされているかどうかを検査すること、
    前記条件が満たされている場合にはブレーキ作用を保持し、満たされていない場合には、ブレーキ作用を上昇させること、
    を特徴とする方法。
  2. 前記目標値を決定するとき、カーブ走行に基づいて得られる、前記カーブ内側車輪の車輪速度と前記カーブ外側車輪の車輪速度との差が考慮され、前記目標値が、通り抜けるカーブの半径を表わす変数の関数として決定されること、を特徴とする請求項1の方法。
  3. 前記カーブ内側車輪と同じ車軸上に存在する前記カーブ外側車輪の車輪速度の関数および前記通り抜けるカーブの半径を表わす変数の関数のうちの少なくとも一方の関数として、カーブ走行に基づいて予想される前記カーブ内側車輪の車輪速度を表わす中間変数を最初に決定すること、および
    前記目標値を決定するために、前記中間変数を設定可能な係数を用いて評価すること、
    を特徴とする請求項1の方法。
  4. 前記評価により、前記目標値が、前記中間変数に比較して設定可能な部分だけ低減されていることを特徴とする請求項3の方法。
  5. 車両の個々の車輪に対する車輪速度(vrad)を決定する手段(202)と、
    少なくとも1つの車輪に対して、車輪速度に対する目標値(vsollinVR)を決定し、且つ前記少なくとも1つの車輪に対して、この車輪に対して決定された車輪速度と前記目標値との間の偏差を表わす偏差変数(AbinVR)を決定する手段(205)と、
    を備え、車両の安定化のために、前記少なくとも1つの車輪に関連のアクチュエータが前記偏差変数の関数として操作される滑り制御ブレーキ装置を備えた車両の安定化装置であって、
    前記少なくとも1つの車輪が、カーブ内側車輪であること、
    前記アクチュエータの操作により、前記カーブ内側車輪に存在するブレーキ作用が、同じ車軸の前記カーブ外側車輪に作用しているブレーキ作用に比較して低減されること、および、
    車輪速度に対する前記目標値が、前記カーブ内側車輪と同じ車軸上に存在するカーブ外側車輪の車輪速度の関数として決定されること、
    前記アクチュエータが、前記偏差変数が前記下限しきい値より小さいときには、前記少なくとも1つの車輪に存在するブレーキ作用が低減されるように操作され、前記偏差変数が前記下限しきい値より大きく且つ前記上限しきい値より小さいときには、前記ブレーキ作用が保持されるように操作され、かつ、前記偏差変数が前記上限しきい値より大きいときには、さらに、
    車両が減速し且つカーブ半径が同じままであるとの条件が満たされているかどうかを検査すること、
    前記条件が満たされている場合にはブレーキ作用を保持し、満たされていない場合には、ブレーキ作用を上昇させること、
    を特徴とする装置。
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