JP4940505B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム(Li)およびマンガン(Mn)を含有するマンガン含有酸化物とリチウムおよびコバルト(Co)を含有するコバルト含有酸化物とを含む正極を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩に伴い、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ),携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどの小型ポータブル電子機器が数多く普及し、それらの小型化および軽量化が図られている。そこで、それらに使用するポータブル電源として、小型かつ軽量で高エネルギー密度を有する電池、特に二次電池の開発が進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の水を溶媒とする液状電解質を用いた鉛電池またはニッケル・カドミウム電池に比べて高いエネルギー密度が得られることから、大きく期待されている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池の負極材料としては、リチウムを吸蔵および離脱可能な炭素材料が実用化されており、中でも、難黒鉛化炭素は放電時の電位形状がなだらかで容量の残量表示が容易であることから広く用いられている。
【0004】
一方、正極材料としては、リチウム・コバルト複合酸化物,リチウム・マンガン複合酸化物およびリチウム・ニッケル複合酸化物などが実用化されている。これらのうちリチウム・コバルト複合酸化物は、電池容量,コストおよび熱的安定性などの各面でのバランスに最も優れており、現在広く利用されている。また、リチウム・マンガン複合酸化物は電池容量が低く高温保存特性が若干悪いなどの欠点があるものの、原料の価格および安定供給の面において優れており、今後の活用に向け研究が進められている。
【0005】
なお、これらの正極材料については、充放電の繰り返しによる容量の減少が見られたため、充放電サイクル特性を改善するための様々な改良がこれまでに試みられている。例えば、リチウム・コバルト複合酸化物に関しては、コバルトの一部を遷移金属,アルカリ金属,アルミニウム(Al)またはホウ素で置換することが報告されている(特開平4−25316号公報,特開平7−176302号公報および特公平4−24831号公報参照)。リチウム・マンガン複合酸化物に関しては、マンガンの一部を他の元素で置換する方法の他に、LiMn2 O4 とLi2 Mn2 O4 との複合体を用いる方法(特開平6−338320号公報参照)、あるいはリチウム・マンガン複合酸化物の表面にホウ素を被覆する方法(特開平8−73527号公報参照)などが報告されている。また、リチウム・マンガン複合酸化物とリチウム・コバルト複合酸化物とを混合して用いることにより、充放電における正極の膨張および収縮を抑制する方法も報告されている(特許第2751624号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、正極にリチウム・コバルト複合酸化物,リチウム・マンガン複合酸化物あるいはこれらを混合して用いた二次電池では、例えば45℃〜60℃の高温環境下で保存あるいは使用すると特性が低下してしまうという問題があった。特に、携帯電話などの情報端末に用いられる場合には、高温保存の後に−20℃程度の低温で使用されることもあるが、高温保存後には十分な電池特性を得ることができなかった。また、負極に難黒鉛化炭素を用いた場合には、高温使用後に重負荷での放電容量が低下してしまい、ノートパソコンのように高温下にさらされやすくかつ重負荷放電容量が重要である用途に対しては、十分な特性が得られなかった。更に、これらの二次電池では、リチウム・マンガン複合酸化物およびリチウム・コバルト複合酸化物の粒径によっては十分に充放電サイクル特性を向上させることができないという問題もあった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温保存特性に優れ、更に高温使用後の負荷特性および充放電サイクル特性にも優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるリチウムイオン二次電池は、マンガン含有酸化物としてのLiMn1.8 Cr0.2 O4 およびコバルト含有酸化物としてのLiCoO2 からなる正極材料を含有する正極合剤層が正極集電体層に設けられてなる正極を備え、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の平均粒径がそれぞれ30μm以下のものである。
【0009】
本発明によるリチウムイオン二次電池では、正極が、マンガン含有酸化物としてのLiMn 1.8 Cr 0.2 O 4 と、コバルト含有酸化物としてのLiCoO 2 とを含有する正極合剤層を正極集電体層に設けたものであり、かつ、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の平均粒径がそれぞれ30μm以下であるので、高温保存後においても優れた電池特性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構成を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えば、ニッケル(Ni)の鍍金がされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
【0012】
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構成されている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0013】
巻回電極体20は、例えばセンターピン24を中心にして巻回されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
【0014】
正極21は、例えば、正極合剤層と正極集電体層とにより構成されており、正極集電体層の両面あるいは片面に正極合剤層が設けられた構造を有している。正極集電体層は、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層は、例えば、以下に述べるマンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物とを含んでおり、必要に応じて更に、黒鉛などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいる。
【0015】
マンガン含有酸化物は、リチウムと、マンガンと、マンガン以外の金属元素およびホウ素よりなる群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、酸素とを含んでいる。このマンガン含有酸化物は例えば立方晶(スピネル)構造あるいは正方晶構造を有しており、第1の元素はマンガン原子のサイトの一部にマンガン原子と置換されて存在している。このようにマンガンの一部を第1の元素で置換することによりこのマンガン含有酸化物は結晶構造が安定化すると考えられ、これにより、この二次電池では、高温保存後の容量維持率および高温サイクル後の重負荷放電容量維持率を向上させることができるようになっている。
【0016】
マンガン含有酸化物の化学式は、第1の元素をMaで表すと、Lix Mn2-y May O4 で示される。xの値は例えば0.9≦x≦2の範囲内であり、yの値は0.01≦y≦0.5の範囲内であることが好ましい。すなわち、マンガンに対する第1の元素の組成比Ma/Mnは、モル比で0.01/1.99以上0.5/1.5以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内において結晶構造がより安定し、これよりも第1の元素が少ないと置換による十分な効果を得ることができず、第1の元素が多いと高温保存後における低温での放電エネルギーおよび高温使用後の重負荷放電容量維持率が低くなってしまうからである。なお、より好ましいxおよびyの範囲は、0.9≦x≦1.4、0.01≦y≦0.3である。
【0017】
第1の元素としては、具体的には、鉄,ニッケル,コバルト,銅(Cu),亜鉛(Zn),アルミニウム,スズ(Sn),クロム(Cr),バナジウム(V),チタン(Ti),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、中でも、鉄,ニッケル,コバルト,亜鉛,アルミニウム,スズ,クロム,バナジウム,チタン,マグネシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。これらを第1の元素とするマンガン含有酸化物は比較的容易に得ることができ、化学的にも安定だからである。
【0018】
コバルト含有酸化物は、リチウムと、金属元素およびホウ素からなる群のうちの少なくともコバルトと、酸素とを含んでいる。このコバルト含有酸化物は例えば層状構造を有しており、コバルト以外の金属元素およびホウ素からなる群のうちの少なくとも1種の第2の元素がコバルト原子のサイトの一部にコバルト原子と置換されて存在する場合もある。このコバルト含有酸化物の化学式は、第2の元素をMbで表すと、代表的にはLiCo1-z Mbz O2 で示される。リチウムと酸素との組成比はLi:O=1:2でなくてもよく、zの値は0≦z≦0.5の範囲内であることが好ましい。すなわち、コバルトに対する第2の元素の組成比Mb/Coは、モル比で0以上0.5/0.5以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内において結晶構造が安定し、第2の元素が多いと高温保存後における低温での放電エネルギーが低くなってしまうからである。
【0019】
また、このコバルト含有酸化物は、例えば負極22に後述する難黒鉛化炭素を用いる場合には、少なくとも1種の第2の元素がコバルト原子のサイトの一部にコバルト原子と置換されて存在することが好ましい。これによりコバルト含有酸化物は結晶構造がより安定化すると考えられ、高温サイクル後の重負荷放電容量維持率を向上させることができるからである。その場合、zの値は0.01≦z≦0.5の範囲内であることが好ましい。すなわち、コバルトに対する第2の元素の組成比Mb/Coは、モル比で0.01/0.99以上0.5/0.5以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内において、結晶構造がより安定し、高温使用後の重負荷放電容量維持率をより向上させることができるからである。なお、zのより好ましい範囲は0.01≦z≦0.25である。
【0020】
第2の元素としては、具体的には、鉄,ニッケル,マンガン,銅,亜鉛,アルミニウム,スズ,ホウ素,ガリウム(Ga),クロム,バナジウム,チタン,マグネシウム,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種が挙げらて、中でも、鉄,マンガン,亜鉛,アルミニウム,スズ,ホウ素,ガリウム,クロム,バナジウム,チタン,マグネシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。これらを第2の元素とするコバルト含有酸化物は比較的容易に得ることができ、化学的にも安定だからである。
【0021】
正極21におけるマンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物との混合比は、質量比で、マンガン含有酸化物10〜80に対してコバルト含有酸化物90〜20であることが好ましい。マンガン含有酸化物は高温雰囲気において後述する電解質中で著しく劣化してしまうので、これよりもマンガン含有酸化物の含有量が多いと、高温保存後に内部抵抗が増大してしまい、容量が低下してしまうからである。また逆に、これよりもコバルト含有酸化物の含有量が多いと、高温保存後における低温での放電エネルギーが低くなってしまうからである。また、この範囲外では高温使用後における重負荷放電容量を十分に改善できないからである。中でも、高温使用後における重負荷放電容量を改善したい場合には、質量比で、マンガン含有酸化物40〜80に対してコバルト含有酸化物60〜20とすればより高い効果を得ることができるので好ましい。
【0022】
マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の平均粒径はそれぞれ30μm以下であることが好ましい。これよりも平均粒径が大きいと、充放電に伴う正極21の膨張および収縮を十分に抑制することができず、常温において十分な充放電サイクル特性を得ることができないからである。これらの平均粒径は例えばレーザ回折法により求められる。また、例えば負極22に難黒鉛化炭素を用いる場合には、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の比表面積を規定することにより、高温環境下の重負荷サイクル特性を改善することができる。
【0023】
なお、これらマンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物は、例えば、リチウム化合物,マンガン化合物および第1の元素を含む化合物、またはリチウム化合物,コバルト化合物および必要に応じて第2の元素を含む化合物をそれぞれ用意し、それらを所望の比で混合したのち、酸素存在雰囲気中において600℃〜1000℃の温度で加熱焼成することにより得ることができる。その際、原料の化合物としては、炭酸塩,水酸化物,酸化物,硝酸塩あるいは有機酸塩などがそれぞれ用いられる。
【0024】
負極22は、例えば、正極21と同様に、負極集電体層の両面あるいは片面に負極合剤層がそれぞれ設けられた構造を有している。負極集電体層は、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。負極合剤層は、例えば、リチウム金属、またはリチウム金属電位を基準として例えば2V以下の電位でリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて更に、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいる。
【0025】
リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、例えば、リチウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属あるいは半導体、またはこれらの合金あるいは化合物が挙げられる。これら金属、合金あるいは化合物は、例えば、化学式Ds Et Liu で表されるものである。この化学式において、Dはリチウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属元素および半導体元素のうちの少なくとも1種を表し、EはリチウムおよびD以外の金属元素および半導体元素のうち少なくとも1種を表す。また、s、tおよびuの値は、それぞれs>0、t≧0、u≧0である。
【0026】
中でも、リチウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属元素あるいは半導体元素としては、4B族の金属元素あるいは半導体元素が好ましく、特に好ましくはケイ素あるいはスズであり、最も好ましくはケイ素である。これらの合金あるいは化合物も好ましく、具体的には、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Mg2 Sn、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 あるいはZnSi2 などが挙げられる。
【0027】
リチウムを吸臓・離脱可能な負極材料としては、また、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子材料なども挙げられる。炭素材料としては、例えば、難黒鉛化炭素,人造黒鉛,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラック類などが挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化モリブデンあるいは酸化スズなどが挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
【0028】
特に、炭素材料は優れた放電容量およびサイクル特性を得ることができるので好ましい。中でも、黒鉛は高い放電容量を得ることができるので好ましく、難黒鉛化炭素は放電電位形状がなだらかで容量の残留表示が容易であり、サイクル特性にも優れているので好ましい。なお、黒鉛は、真密度が2.1g/cm3 以上、より好ましくは2.18g/cm3 以上で、(002)面のC軸結晶子厚みが14.0nm以上であり、(002)面の面間隔が0.34nm未満、より好ましくは0.335nm以上0.337nm以下のものを言う。難黒鉛化炭素は、黒鉛構造がほとんど発達していない炭素材料のうち(002)面の面間隔が0.372nm以上で、真密度が1.70g/cm3 未満であり、不活性ガスであるN2 気流中での発熱ピークが700℃以上にないものを言う。
【0029】
セパレータ23は、例えば、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0030】
このセパレータ23には液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒に電解質塩として例えばリチウム塩が溶解されたものである。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどの非水溶媒が好ましく、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられている。
【0031】
リチウム塩としては、例えば、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 H5 )4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiCl,LiBrなどがあり、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられている。中でも、LiPF6 は高い導電率を得ることができ、酸 化安定性にも優れているので好ましく、LiBF4 は熱的安定性および酸化安定性に優れているので好ましい。
【0032】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0033】
まず、例えば、マンガン含有酸化物と、コバルト含有酸化物と、必要に応じて導電剤および結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散してペースト状の正極合剤スラリーとする。この正極合剤スラリーを正極集電体層に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ローラープレス機などにより圧縮成型して正極合剤層を形成し、正極21を作製する。
【0034】
次いで、例えば、負極材料と、必要に応じて結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散してペースト状の負極合剤スラリーとする。この負極合剤スラリーを負極集電体層に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ローラープレス機などにより圧縮成型して負極合剤層を形成し、負極22を作製する。
【0035】
続いて、正極集電体層に正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体層に負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード26の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード27の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解質を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が形成される。
【0036】
この二次電池は次のように作用する。
【0037】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが離脱し、セパレータ23に含浸された電解質を介して負極22に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが離脱し、セパレータ23に含浸された電解質を介して正極21に吸蔵される。ここでは、正極21に第1の元素を含むマンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物とを含有しているので、高温保存後においても電池容量が低下せず、高い容量維持率が得られる。また、高温使用後においても高い重負荷放電容量維持率が得られる。
【0038】
このように本実施の形態に係る二次電池によれば、正極21に、リチウム,マンガンおよび第1の元素を含むマンガン含有酸化物と、リチウムおよびコバルトを含むコバルト含有酸化物とを含有するようにしたので、高温で保存しても電池容量が低下せず、容量維持率を改善することができる。よって、例えば、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどに用いられる場合に、車中に放置されたり使用時に温度が上昇したりなどして40℃〜60℃程度の高温環境下にさらされたとしても、優れた電池特性を保持することができる。
【0039】
特に、コバルト含有酸化物がリチウムおよびコバルトに加えて第2の元素を含むようにすれば、高温使用後の重負荷放電容量維持率も改善することができる。よって、特にラップトップコンピュータなどに用いられる場合に、高温環境下にさらされたとしても、優れた重負荷放電容量を得ることができる。
【0040】
また、マンガン含有酸化物のマンガンに対する第1の元素のモル比を0.01/1.99以上とすれば、高温保存後の容量維持率をより向上させることができ、更に、マンガン含有酸化物のマンガンに対する第1の元素のモル比を0.01/1.99以上とし、コバルト含有酸化物のコバルトに対する第2の元素のモル比を0.01/0.99以上とすれば、高温使用後の重負荷放電容量維持率をより向上させることができる。
【0041】
加えて、マンガン含有酸化物のマンガンに対する第1の元素のモル比を0.5/1.5以下とするか、またはコバルト含有酸化物のコバルトに対する第2の元素のモル比を0.5/0.5以下とすれば、高温保存後に例えば−20℃程度の低温で使用しても、十分な放電エネルギーを得ることができる。よって、例えば、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどに用いられる場合に、温度変動の激しい環境下に置かれたとしても、優れた電池特性を保持することができる。
【0042】
更にまた、マンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物との混合比を、質量比でマンガン含有酸化物10〜80に対してコバルト含有酸化物90〜20とするようにすれば、高温保存後の電池特性をより向上させることができる。
【0043】
加えてまた、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の平均粒径をそれぞれ30μm以下とすれば、充放電に伴う正極21の膨張および収縮を抑制することができ、常温において十分な充放電サイクル特性を得ることができる。
【0044】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について、図1を参照して詳細に説明する。
【0045】
(実施例1−1,参考例1−2〜1−10)
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と二酸化マンガン(MnO2 )と三酸化二クロム(Cr2 O3 )とを混合し、空気中において850℃で5時間焼成してリチウムとマンガンと第1の元素(Ma)としてクロムとを含むマンガン含有酸化物Lix Mn2-y Cry O4 を作製した。その際、実施例1−1,参考例1−2〜1−10で原料の混合比を変化させ、マンガン含有酸化物の組成が表1に示したようになるように調整した。次いで、得られたマンガン含有酸化物を粉砕し、平均粒径を20μmとした。平均粒径の測定はレーザ回折法により行った。
【0046】
【表1】
【0047】
また、炭酸リチウムと一酸化コバルト(CoO)と実施例に応じて三酸化二アルミニウム(Al2 O3 )とを混合し、空気中において900℃で5時間焼成してリチウムとコバルトと第2の元素(Mb)として実施例に応じてアルミニウムとを含むコバルト含有酸化物LiCo1-z Alz O2 を作製した。ここでも、実施例1−1,参考例1−2〜1−10で原料の混合比を変化させ、コバルト含有酸化物の組成が表1に示したようになるように調整した。次いで、得られたコバルト含有酸化物を粉砕し、平均粒径を10μmとした。平均粒径の測定は同様にレーザ回折法により行った。
【0048】
続いて、得られたマンガン含有酸化物10質量部とコバルト含有酸化物90質量部とを混合したのち、この混合粉末90質量部に対して導電剤としてグラファイト7質量部および結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部を混合して正極合剤を調製した。正極合剤を調整したのち、この正極合剤を溶剤であるN−メチルピロリドンに分散して正極合剤スラリーとし、厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体層の両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極合剤層を形成し、正極21を作製した。そののち、正極集電体層の一端部にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
【0049】
次いで、フィラーとしての石炭系コークス100質量部にバインダとしてのコールタール系ピッチを30質量部を加え、約100℃で混合したのち、プレス機により圧縮成型し、1000℃以下の温度で熱処理することにより炭素成型体を作製した。続いて、この炭素成型体に200℃以下で溶融させたコールタール系ピッチを含浸し、1000℃以下で熱処理するというピッチ含浸/熱処理工程を数回繰り返したのち、不活性雰囲気中において2700℃で熱処理し、黒鉛化成型体を作製した。そののち、この黒鉛化成型体を粉砕分級し、粉末状とした。
【0050】
得られた黒鉛化粉末について、X線回折法により構造解析を行ったところ、(002)面の面間隔は0.337nmであり、(002)面のC軸結晶子厚みは50.0nmであった。また、ピクノメータ法により求めた真密度は2.23g/cm3 であり、嵩密度は0.83g/cm3 であり、平均形状パラメータは10であった。更に、BET(Brunauer,Emmett,Teller)法により求めた比表面積は4.4m2 /gであり、レーザ回折法により求めた粒度分布は、平均粒径が31.2μm,累積10%粒径が12.3μm,累積50%粒径が29.5μm,累計90%粒径が53.7μmであった。加えて、島津微少圧縮試験機(島津製作所製)を用いて求めた黒鉛化粒子の破壊強度は、平均値で7.0×107 Paであった。
【0051】
黒鉛化粉末を得たのち、この黒鉛化粉末90質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製し、溶剤であるN−メチルピロリドンに分散して負極合剤スラリーとした。負極合剤スラリーを作製したのち、この負極合剤スラリーを厚さ10μmの帯状の銅箔よりなる負極集電体層の両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して負極合剤層を形成し、負極22を作製した。そののち、負極集電体層の一端部に銅製の負極リード26を取り付けた。
【0052】
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層して径4.0mmの芯に渦巻状に多数巻回し、最外周部を接着テープで固定して巻回電極体20を作製した。
【0053】
巻回電極体20を作製したのち、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケル鍍金した鉄製の電池缶11の内部に収納した。なお、電池缶11には、外径18.0mm,内径17.38mm,缶肉厚0.31mm,高さ65mmのものを用いた。巻回電極体20を電池缶11の内部に収納したのち、電池缶11の内部に電解液を注入した。電解液には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを等容量混合した溶媒に電解質塩としてLiPF6 を1.0mol/lの割合で溶解させたものを用いた。そののち、表面にアスファルトを塗布したガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、図1に示した円筒型の二次電池を実施例1−1〜1−10についてそれぞれ作製した。なお、実施例1−1,参考例1−2〜1−10の二次電池は、マンガン含有酸化物またはコバルト含有酸化物の組成が異なることを除き、他は同一である。
【0054】
得られた二次電池について、高温保存特性および常温における充放電サイクル特性をそれぞれ調べた。高温保存特性としては、高温保存後の常温放電容量維持率と低温放電エネルギーとをそれぞれ求めた。それらの結果を表1にそれぞれ示す。
【0055】
なお、高温保存後の常温放電容量維持率は次のようにして求めた。まず、23℃の恒温槽中において充放電を行い初期放電容量を求めた。その際、充電は1Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で充電時間の総計が3時間に達するまで行い、放電は0.5Aの定電流で終止電圧3.0Vまで行った。次いで、この充電条件で再び充電したのち、60℃のオーブン中で2週間保存した。続いて、23℃の恒温槽中において、一旦終止電圧3.0Vまで放電したのち、上述の充放電条件で充放電を10サイクル行い、10サイクル中で最も高かった値を高温保存後の放電容量とし、初期放電容量に対する割合を高温保存後の常温放電容量維持率とした。
【0056】
また、高温保存後の低温放電エネルギーは、60℃で2週間保存したのち、23℃の恒温槽中において一旦終止電圧3.0Vまで放電したのち、上述の充電条件で充電を行い、−20℃の恒温槽中において上述の放電条件で放電を行った結果から求めた。
【0057】
更に、常温における充放電サイクル特性としては、23℃の恒温槽中で上述の充放電条件で充放電を200サイクル行い、2サイクル目の放電容量に対する200サイクル目の放電容量の割合(容量維持率)を求めた。
【0058】
実施例1−1,参考例1−2〜1−10に対する比較例1−1として、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の組成を表1に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1,参考例1−2〜1−10と同様にして二次電池を作製した。比較例1−1についても、実施例1−1,参考例1−2〜1−10と同様にして高温保存特性および常温における充放電サイクル特性をそれぞれ調べた。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
【0059】
表1から分かるように、実施例1−1,参考例1−2〜1−10ではいずれも高温保存後の常温放電容量維持率について95%以上と高い値が得られたのに対して、マンガンをクロムで置換していないマンガン含有酸化物を用いた比較例1−1では89%と低い値しか得られなかった。すなわち、マンガン含有酸化物にクロムを含むようにすれば、高温保存後における常温放電容量維持率を改善できることが分かった。
【0060】
また、コバルト含有酸化物のコバルトに対するアルミニウムのモル比(Al/Co)が0.5/0.5よりも大きい実施例1−4、およびマンガン含有酸化物のマンガンに対するクロムのモル比(Cr/Mn)が0.5/1.5よりも大きい実施例1−7では、高温保存後の低温放電エネルギーが2.4Wh以下と低い値しか得られなかったのに対して、他の実施例では3.0Wh以上と高い値が得られた。すなわち、マンガン含有酸化物のマンガンに対するクロムのモル比(Cr/Mn)を0.5/1.5以下とし、コバルト含有酸化物のコバルトに対するアルミニウムのモル比(Al/Co)を0.5/0.5以下とすれば、高温保存後における低温放電エネルギーを大きくできることが分かった。なお、常温における充放電サイクル特性についてはいずれも良好な結果が得られた。
【0061】
(参考例1−11〜1−22)
参考例1−11〜1−16では、第1の元素(Ma)を表2に示したように変化させてマンガン含有酸化物を作製したことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。なお、マンガン含有酸化物を作製する際には、実施例1−1の三酸化二クロムに変えて実施例1−11では三酸化二鉄(Fe2 O3 )を用い、参考例1−12では三酸化二アルミニウムを用い、参考例1−13では一酸化マグネシウム(MgO)を用い、参考例1−14では一酸化亜鉛(ZnO)を用い、参考例1−15では一酸化スズ(SnO)を用い、参考例1−16では一酸化コバルトおよび三酸化二クロムを用いた。
【0062】
【表2】
【0063】
また、参考例1−17〜1−22では、表2に示した組成となるように第2の元素(Mb)を変化させてコバルト含有酸化物を作製したことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。なお、コバルト含有酸化物を作製する際には、炭酸リチウムおよび一酸化コバルトに加えて参考例1−17では一酸化ニッケル(NiO)を混合し、参考例1−18では三酸化二ガリウム(Ga2O3 )を混合し、参考例1−19では一酸化マグネシウムを混合し、参考例1−20では一酸化亜鉛を混合し、参考例1−21では一酸化スズを混合し、参考例1−22では一酸化ニッケルおよび三酸化二アルミニウムを混合した。
【0064】
参考例1−11〜1−22についても、実施例1−1と同様にして高温保存特性および常温における充放電サイクル特性をそれぞれ調べた。得られた結果を実施例1−1の結果と共に表2に示す。
【0065】
表2から分かるように、参考例1−11〜1−22では、高温保存後の常温放電容量維持率が96%以上、高温保存後の低温放電エネルギーが3.1Wh以上と共に実施例1−1と同様に高い値が得られた。また、常温における充放電サイクル特性についても良好な結果が得られた。すなわち、第1の元素をクロム以外の他の元素に変えたマンガン含有酸化物を用いても、アルミニウム以外の他の第2の元素を含むコバルト含有酸化物を用いても、実施例1−1と同様に優れた高温保存特性を得られることが分かった。
【0066】
(実施例1−23〜1−26)
マンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物との混合比を表3に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。また、実施例1−1および実施例1−23〜1−26に対する比較例1−2として、マンガン含有酸化物を混合しないことを除き他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。更に、、実施例1−1および実施例1−23〜1−26に対する比較例1−3として、コバルト含有酸化物を混合しないことを除き他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。実施例1−23〜1−26および比較例1−2,1−3についても、実施例1−1と同様にして高温保存特性および常温における充放電サイクル特性をそれぞれ調べた。得られた結果を実施例1−1の結果と共に表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
表3から分かるように、マンガン含有酸化物の混合比が高いと高温保存後の低温放電エネルギーが大きく、コバルト含有酸化物の混合比が高いと高温保存後の常温放電容量維持率が高い傾向が見られた。中でも、実施例1−1および実施例1−23〜1−26は、高温保存後の常温放電容量維持率が93%以上、高温保存後の低温放電エネルギーが3.1Wh以上と共に優れていた。これに対して、マンガン含有酸化物を含まない比較例1−2は、高温保存後の低温放電エネルギーが小さく、コバルト含有酸化物を含まない比較例1−3は、高温保存後の常温放電容量維持率が低かった。
【0069】
すなわち、マンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物との混合比を、質量比でマンガン含有酸化物10〜80に対してコバルト含有酸化物90〜20とすれば、優れた高温保存特性を得られることが分かった。なお、常温における充放電サイクル特性についてはいずれも良好な結果が得られた。
【0070】
(実施例1−27〜1−31,参考例1−32,1−33)
マンガン含有酸化物またはコバルト含有酸化物の平均粒径を表4に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。実施例1−27〜1−31,参考例1−32,1−33についても、実施例1−1と同様にして高温保存特性および常温における充放電サイクル特性をそれぞれ調べた。得られた結果を実施例1−1の結果と共に表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
表4から分かるように、実施例1−1および実施例1−27〜1−31では、高温保存特性についても常温における容量維持率についても共に優れた結果が得られた。これに対して、参考例1−32,1−33では、高温保存特性については優れた結果が得られたものの、常温における容量維持率については79%以下と十分な結果が得られなかった。すなわち、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の粒径の平均をそれぞれ30μm以下とすれば、常温における充放電サイクル特性を高くできることが分かった。
【0073】
(実施例2−1,2−2)
実施例2−1として、負極材料として黒鉛に代えて難黒鉛化炭素を用いた二次電池を作製した。難黒鉛化炭素は次のようにして作製した。まず、出発原料として石油ピッチを用い、これに酸素を含む官能基を10質量%〜20質量%導入(いわゆる酸素架橋)したのち、不活性ガス気流中において1000℃で焼成して難黒鉛化炭素を得た。得られた難黒鉛化炭素についてX線回折測定を行ったところ、(002)面の面間隔は0.376nmであった。また、ピクノメータ法により真密度を測定したところ1.50g/cm3 であった。
【0074】
正極材料には、マンガン含有酸化物(LiMn1.8 Cr0.2 O4 )30質量%と、コバルト含有酸化物(LiCo0.9 Al0.1 O2 )70質量%とを混合したものを用いた。他は実施例1−1と同一とした。
【0075】
【表5】
【0076】
また、実施例2−2として、マンガン含有酸化物(LiMn1.8 Cr0.2 O4 )30質量%と、コバルト含有酸化物(LiCo0.9 Al0.1 O2 )70質量%とを混合した正極材料を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
【0077】
更に、本実施例に対する比較例2−1,2−2として、コバルト含有酸化物に代えてリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を用いたことを除き、またはマンガン含有酸化物に代えてリチウム・マンガン複合酸化物(LiMn2 O4 )を用いたことを除き、それぞれ実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。
【0078】
得られた実施例2−1,2−2および比較例2−1,2−2の二次電池について、高温サイクル後の重負荷放電容量維持率を求めた。それらの結果を表5に示す。
【0079】
なお、高温使用後の重負荷放電容量維持率は次のようにして求めた。まず、23℃の恒温槽中において重負荷放電条件により充放電を行い初回の重負荷放電容量を求めた。次いで、45℃の恒温槽中において低負荷放電条件により200サイクル充放電を行ったのち、再び23℃の恒温槽中において重負荷放電条件により充放電を行い高温使用後の重負荷放電容量を求めた。その際、充電は、重負荷放電条件および低負荷放電条件共に、0.5Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で充電時間の総計が3時間に達するまで行った。放電は、重負荷放電条件では、2.0Aの定電流で終止電圧3.0Vまで行い、低負荷放電条件では、0.5Aの定電流で終止電圧3.0Vまで行った。これにより得られた初回の重負荷放電容量に対する高温使用後の重負荷放電容量の割合を高温使用後の重負荷放電容量維持率とした。
【0080】
表5から分かるように、正極材料にマンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物とを用いると共に、負極材料に難黒鉛化炭素を用いるようにすれば、高温サイクル後の重負荷放電容量維持率を向上させることができる。
【0081】
なお、上記実施例では、マンガン含有酸化物およびコバルト含有酸化物の組成について具体的に例を挙げて説明したが、上記実施の形態において説明した他のマンガン含有酸化物および他のコバルト含有酸化物を用いても、上記実施例と同様の結果を得ることができる。
【0082】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、溶媒にリチウム塩を溶解させた電解液を用いた二次電池について説明したが、電解液に代えて、リチウム塩を含有する電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する高分子化合物にリチウム塩を分散させた固体状の電解質あるいは固体状の無機伝導体よりなる電解質などの他の電解質を用いるようにしてもよい。
【0083】
その際、ゲル状の電解質には、電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリビニリデンフルオロライドあるいはビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物,ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物,またはポリアクリロニトリルが挙げられる。中でも、フッ素系高分子化合物は酸化還元の安定性が高いので好ましい。
【0084】
固体状の電解質には、高分子化合物として、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物,ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物,アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機伝導体としては、窒化リチウム,ヨウ化リチウムあるいは水酸化リチウムの多結晶,ヨウ化リチウムと三酸化アルミニウムとの混合物,またはヨウ化リチウムと硫化リチウムと亜硫化二リンとの混合物などを用いることができる。
【0085】
また、上記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する円筒型の二次電池について一例を具体的に挙げて説明したが、本発明は他の構成を有する円筒型の二次電池についても適用することができる。加えて、円筒型以外のコイン型,ボタン型,角型あるいはラミネートフィルムの内部に電極素子が封入された型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池によれば、LiMn 1.8 Cr 0.2 O 4 とLiCoO 2 とを含有する正極を備えるようにしたので、高温で保存しても電池容量が低下せず、容量維持率を改善することができる。よって、例えば、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどに用いられる場合に、車中に放置されたり使用時に温度が上昇したりなどして40℃〜60℃程度の高温環境下にさらされたとしても、優れた電池特性を保持することができるという効果を奏する。
【0088】
また、請求項2記載のリチウムイオン二次電池によれば、マンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物との混合比を、質量比でマンガン含有酸化物10〜80に対してコバルト含有酸化物90〜20とするようにしたので、高温保存後および高温使用後の電池特性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0090】
加えて、請求項3記載のリチウムイオン二次電池によれば、負極が難黒鉛化炭素を含有するようにしたので、高温使用後の重負荷放電容量維持率も改善することができる。よって、例えばラップトップコンピュータなどに用いられる場合に、高温環境下にさらされたとしても、優れた電池特性を発揮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【符号の説明】
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15a…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、22…負極、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード
Claims (3)
- マンガン含有酸化物としてのLiMn1.8 Cr0.2 O4 およびコバルト含有酸化物としてのLiCoO2 からなる正極材料を含有する正極合剤層が正極集電体層に設けられてなる正極を備え、
前記マンガン含有酸化物および前記コバルト含有酸化物の平均粒径はそれぞれ30μm以下である
リチウムイオン二次電池。 - 前記正極におけるマンガン含有酸化物とコバルト含有酸化物との混合比は、質量比で、マンガン含有酸化物10〜80に対してコバルト含有酸化物90〜20である
請求項1記載のリチウムイオン二次電池。 - 負極材料としての難黒鉛化炭素を含有する負極を備えた
請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
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