JP4858691B2 - 光学部材用放射線硬化性樹脂組成物およびその硬化膜 - Google Patents
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Description
しかし、これらの方法は、レンズの製作に長い時間を要し、生産性が悪いという問題があった。
この問題点を解決するために、近年、紫外線硬化性樹脂を用いてレンズを製作する方法が検討されている。この方法は、レンズの形状を有する金型と、透明樹脂からなる基板との間に、紫外線硬化性樹脂組成物を流し込み、次いで、基板の側から紫外線を照射し、該組成物を硬化させることによって、短時間でレンズを製造するものである。
更に、最近のプロジェクションテレビやビデオプロジェクターの薄型化及び大型化に伴い、レンズを形成する樹脂に対して、高屈折率化や力学特性などの種々のレンズ特性に応じた様々な改良が提案されている。例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エチレン性不飽和基含有モノマー及び光重合開始剤を含む紫外線硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1〜4参照)。
本発明の目的は、紫外線を照射することによって硬化物が得られ、さらにはその硬化物が、光学部材に要求される高い屈折率、PET等の各種プラスチック基材との良好な密着性、レンズ成型時の造形精度を改善できる高いヤング率、および、優れた耐候性(例えば、黄変が小さいこと)を備えた光学部材用樹脂組成物、及び該組成物からなる硬化膜を提供することである。
[1] 下記成分(A)、(B)、(D)及び(E)を含有する光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
(A)炭素数4以上のアルキレングリコールからなる繰り返し構造を有するポリエーテルポリオールと、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート
(B)ビスフェノール構造を有するポリオールと、ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、成分(A)以外のウレタン(メタ)アクリレート
(D)成分(A)及び成分(B)以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物
(E)光重合開始剤
[2] (C)ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であってポリオール由来の構造を有しないウレタン(メタ)アクリレートを含有する、前記[1]の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[3] 前記成分(A)が、ポリテトラメチレングリコールとイソホロンジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、前記[1]又は[2]の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[4] 前記成分(D)が、環状構造を有する、前記[1]〜[3]のいずれかの光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[5] 波長589nm、25℃における屈折率が1.510〜1.530である硬化物を与える、前記[1]〜[4]のいずれかの光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかの光学部材用放射線硬化性樹脂組成物に放射線を照射して硬化することにより得られる硬化膜。
本発明の樹脂組成物からなる硬化膜は、特に、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート、プリズムレンズシート、マイクロレンズシート等の各種レンズシート等の光学部材に適している。
(A)炭素数4以上のアルキレングリコールからなる繰り返し構造を有するポリエーテルポリオールと、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート
(B)ビスフェノール構造を有するポリオールと、ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、成分(A)以外のウレタン(メタ)アクリレート
(C)ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であって、ポリオール由来の構造を有しない、ウレタン(メタ)アクリレート
(D)成分(A)〜(C)以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物
(E)光重合開始剤
以下、各成分について、詳述する。
また、(a)炭素数4以上のアルキレングリコールからなる繰り返し構造を有するポリエーテルポリオールの数平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,500〜8,000、特に好ましくは1,500〜3,000である。数平均分子量が1,000未満であると、本発明の組成物からなる硬化物とプラスチック基材との密着性が低下する。数平均分子量が10,000を超えると、組成物の粘度が高くなり、取り扱いにくくなり易い。
脂肪族ポリイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる
脂環族ポリイソシアネートの例としては、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
これらの中で好ましい例は、イソホロンジイソシアネートである。
中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
芳香族ポリイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートの例としては、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートの例としては、成分(A)の合成時の原料として前述した(b)脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。
これらの中では、脂環族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、特に、脂肪族ポリイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートが好ましい。
(c’’)水酸基含有(メタ)アクリレートは、成分(A)の原料として前述した(c)水酸基含有(メタ)アクリレートと同様である。
これらの中でも、(ii)ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法が、好ましい。
更に、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対して、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.3〜2当量であり、かつ、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.3〜1当量であるように定めることが、特に好ましい。
前記の好ましい数値範囲から外れると、組成物の粘度が高くなるなどによって、液状での取り扱いが困難になる。
成分(D)としては、成分(A)〜(C)以外のエチレン性不飽和基を有するモノマー化合物であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、又はビニル基を含有する化合物(以下、「不飽和モノマー」という。)を使用することができる。このような不飽和モノマーとしては、単官能モノマー(不飽和基を1つ有するモノマー)、及び多官能モノマー(不飽和基を2つ以上有するモノマー)を使用することができる。
で表される化合物等が挙げられる。
これらの中では、イソボルニル(メタ)アクリレートや、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物が好ましい。これらを配合することにより、良好な流動性を有しかつ硬化後に高い屈折率を有する組成物を得ることができる。また、N−ビニル化合物を配合することによって、本発明の組成物の硬化性を改善することができる。
硬化性の他のオリゴマー又はポリマーとしては、例えば、成分(A)〜(C)以外のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレートとその他の重合性モノマーとの共重合体と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
ここで、酸化防止剤としては、例えば、Irganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Antigen P、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、Tinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、Tinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の市販品としては、例えば、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
塗面改良剤としては、例えば、ジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられる。塗面改良剤の市販品としては、例えば、DC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH−28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業(株)製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物の粘度は、通常、200〜50,000mPa・s/25℃、好ましくは500〜30,000mPa・s/25℃である。粘度が高すぎると、レンズを製造する際、塗布むらやうねりが生じたり、目的とするレンズ厚を得るのが難しくなり、レンズとしての性能を十分に発揮できない。逆に低すぎると、レンズ厚のコントロールが難しく、一定厚の均一なレンズを形成できない場合がある。
撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート16.592g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.023g、ジブチル錫ジラウレート0.08gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら8.659g滴下した後、さらに、1時間撹拌して反応させた。次に数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学(株)製)を74.645g加え、液温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。こうして得られたウレタンアクリレートをUA−1とする。
撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート41.252g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.023g、ジブチル錫ジラウレート0.08gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら21.528g滴下した後、さらに、1時間撹拌して反応させた。次に、数平均分子量400のビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオール(日本油脂(株)製)を37.117g加え、液温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。こうして得られたウレタンアクリレートをUA−2とする。
撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート48.80g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.023g、ジブチル錫ジラウレート0.08gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら51.016g滴下した後、温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。こうして得られたウレタンアクリレートをUA−3とする。
撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート16.592g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.023g、ジブチル錫ジラウレート0.08gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら8.659g滴下した後、さらに、1時間撹拌して反応させた。次に数平均分子量2,000のポリプロピレングリコール(旭硝子(株)製)を74.645g加え、液温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。こうして得られたウレタンアクリレートをUA−4とする。
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート13.474g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.023g、ジブチル錫ジラウレート0.08gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら8.983g滴下した後、さらに、1時間撹拌して反応させた。次に数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学(株)製)を77.439g加え、液温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。こうして得られたウレタンアクリレートをUA−5とする。
(1)評価試料の作製
250μm厚のアプリケーターバーを用いて、ガラス板上に前記の調製した液状硬化性樹脂組成物を塗布した後、この組成物に対して、空気下で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。
アッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)等を用いて、波長589nm、25℃での屈折率を測定した。
(3)ヤング率の測定
試験用フィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作製した。この短冊状サンプルについて、温度23℃、相対湿度50%で引っ張り試験を行った。引っ張り速度は1mm/分とした。2.5%歪みでの抗張力に基づいて、ヤング率を求めた。
(4)耐候性試験
試験用フィルムに対して、スガ試験機(株)製のデューパネル光コントロールウェザーメータを用いて一週間、光曝露した。光曝露後の試験用フィルムについて、NIPPON DENSHOKU社製300Hを用いて、色差(ΔYI値)を求めた。
(5)密着性試験
PETフィルム上に250μm厚のアプリケーターバーを用いて液状硬化性樹脂組成物を塗布した後、この組成物に対して、空気下で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。この試験用フィルムを、温度60℃、相対湿度95%の雰囲気下に1,000時間静置した後に取り出した。次いで、この試験用フィルムについて、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、JIS K5400に準拠して、碁盤目剥離試験を行った。その結果、PETフィルムから一つも剥離せずに完全に接着していた場合を「良好」とし、一部又は全部の碁盤目がMS基板から剥がれた場合を「不良」と判定した。
Irgacure184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
Irganox1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、各種プラスチック基材との間に良好な湿熱密着性を有する硬化物を与え、光学部材、とりわけ、プリズムレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズなどの透過型スクリーンに用いられる光学用レンズ等の作製に適したものである。
Claims (6)
- 下記成分(A)、(B)、(D)及び(E)を含有する光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
(A)炭素数4以上のアルキレングリコールからなる繰り返し構造を有するポリエーテルポリオールと、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート
(B)ビスフェノール構造を有するポリオールと、ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、成分(A)以外のウレタン(メタ)アクリレート
(D)成分(A)及び成分(B)以外の、エチレン性不飽和基を有する化合物
(E)光重合開始剤 - (C)ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であってポリオール由来の構造を有しないウレタン(メタ)アクリレートを含有する、請求項1に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
- 前記成分(A)が、ポリテトラメチレングリコールとイソホロンジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、請求項1又は2に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
- 前記成分(D)が、環状構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
- 波長589nm、25℃における屈折率が1.510〜1.530である硬化物を与える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物に放射線を照射して硬化することにより得られる硬化膜。
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