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JP4845861B2 - 使い捨て式防じんマスク - Google Patents

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本発明は、鼻部及び口部を覆うように略半球状に成形したフィルタ部と、該フィルタ部の全外縁から中央へ延び、鼻部,口部に位置する部分に開口を有する接顔クッションとからなる使い捨て式防じんマスクに関するものである。
防じんマスクには、大きく分けて、使用後の集塵能力が低下したろ過材を交換するろ過材取り替え式の防じんマスクと、フィルタ部材からなるマスク全体を廃棄する使い捨て式防じんマスクの2種類がある。前者は、ろ過材,吸気弁,面体及び締紐からなっていて、ろ過材の取り替えが可能であり、後者は、フィルタ部材,面体及び締紐が一体となっている。
また、使い捨て式防じんマスクには、接顔クッションなし型と接顔クッション付き型の2種類があり、接顔クッション付き型の方が長所が多い。
接顔クッションなし型は、全体が不織布を複数枚積層したフィルタ部材から構成され、装着時にフィルタ部材の内面が顔に接する。したがって、フィルタ部材の顔への接触線より外側の部分はフィルタとして寄与せず、フィルタとしての有効面積が小さくなるので、粉塵捕集性能は低下する。また、吸気抵抗が上昇する等の欠点がある。
また、図5に示したような、不織布からなるフィルタ部材を、鼻部及び口部を覆うように略半球状に成形したフィルタ部21を用いたマスクにおいては、締紐22を締めることによってフィルタ部を顔の起伏に追従して変化させるようにするが、素材が不織布であるため弾力性に乏しく、したがって、フィルタ部材の顔に対する接触部分が、顔の起伏に十分追従できないため、フィット感が悪くなったり、顔面、特に鼻梁部とマスクの間から粉じんの漏れが生ずる。この漏れを極力少なくするために、ノーズクリップ23を付ける等の方法もある。しかし、この方法でも、鼻梁部とマスクの間からの漏れは減少するものの、その他の欠点は解消されない。
そこで、これら接顔クッションなし型の問題点を解決するために、マスク本体の全外周縁部から内側方向に延設した柔軟性及び弾力性を有する接顔クッションを有する使い捨て式防じんマスクが実公平7−36669号(特許文献1)に開示されている。
図3および図4は、この接顔クッションを有する使い捨て式防じんマスクを示したものである。図3,図4において、11は、鼻部及び口部を覆うように略半球状に成形したフィルタ部、12は、フィルタ部11の全外縁から中央へ延び、鼻部,口部に位置する部分に開口12aを有する接顔クッション、13はマスクの両側から延びた弾性を有する締紐である。
この構成のものは、フィルタ部11が直接顔面に触れないため、フィルタ面積が100%有効利用できる。また、接顔クッション12がマスクと顔の接する面積を増やし、さらに柔軟性及び弾力性があるので、顔の起伏に沿ってある程度変形し、フィット感が向上する。さらに、フィルタ部11が、直接肌に触れないため汗を吸収することがなく、汗の吸収により生ずるフィルタの性能劣化が少ないといった長所もある。このように、接顔クッション付き型マスクは、接顔クッションなし型マスクに比較して多くのメリットを有している。
ここで、フィット感、装着感について説明する。フィット感、装着感がよい、あるいはフィットする、の意味は、(1)マスクを装着したときに、マスクと顔面との接触面にかかる圧力に偏りがなく、(2)顔面とマスクが密着している、つまり顔面とマスクの間からの粉じんの侵入が少ないことをいう。そして、一般的に、マスクを装着した際のフィット感および装着感は重要である。何故ならば、フィット感および装着感が悪いと、顔面にかかる圧力の偏りによって、装着者に部分的な痛みおよび不快感を与えることになり、また、マスクと顔面との間に隙間ができ、そこから多量の粉じんが侵入するからである。
実公平7−36669号
しかしながら、上記従来の接顔クッション付き型マスクは、図3,図4から分かるように、接顔クッション12として平板状のものが使用されているため、その形状が顔の起伏と大きく異なっている。したがって、顔面にフィットさせるにはかなりの変形や湾曲を伴う必要がある。また、装着時には最初に接顔クッションが鼻梁部と顎部に当たり、その当接部を支点として折り曲げるようにして顔に装着することになる。しかし、略半球状のフィルタ部が柔軟性をあまり持っていないため、折り曲げても顔の起伏にフィットせず、ある程度の隙間が生ずる。そのため、接顔クッション付き型マスクを完全に顔にフィットさせるには、以下の方法が考えられるが、いずれの場合も、フィット感は向上するものの、フィット感以外のマスクとして必要な要素を犠牲にしなければならない。
(1)フィルタ部に柔軟性を持たせることにより顔の形に変形し易くする。この場合、フィット感は問題ないが、フィルタ部が柔らか過ぎるとフィルタ部に凹凸等の変形が生じ易くなり、保形維持性が低下してマスクの外観を損なうことになる。
(2)締紐の張力を強くする。この場合、締紐の張力でマスクを強制的に変形または湾曲させてフィット感を向上させようとすると、フィット感は向上するものの、締紐の張力で強制的に顔の形状に合わせることになるので、顔とマスクの形状が合っていない部分があると、装着時にマスクから顔にかかる圧力に大きな偏りが生じて、大きな圧力がかかる部分に痛みおよび圧迫感が生じる。また、締紐の張力を強くするので、締紐が当たる部分にも大きな力がかかり、痛み等を生じて装着感が悪くなる。
(3)ノーズクリップを使用する。図5に示したように、従来の接顔クッションのないマスクで採用されているノーズクリップ等の部品を付ければよいが、その場合、部品点数が多くなり、コストが高くなるという欠点が生ずる。
また、フィット感の他に、従来品には次のような問題点がある。すなわち、前述のように、フィルタ部が硬いと、マスクが顔の形に追従し難くなり、フィット感が悪くなる。そして、無理に追従させようとすると、顔の起伏に合っていない形状の部分に圧力がかかり、痛みおよび圧迫感を生じる。また、柔らか過ぎると、マスクの外観を損ねてしまう。そのため、フィルタ部は硬さを選択するときの自由度が小さい。
また、接顔クッションの形状が顔の起伏とかなり異なる形状をしているため、顔面にフィットさせるにはかなりの変形や湾曲を伴う必要がある。その結果、保形維持特性の低下および、締紐の張力がある程度必要となり、締紐の当たる部分に痛み等を生ずる問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点のいくつかを解決しようとするもので、マスクのフィット感がよく、さらにフィット感以外のマスクとしての必要な要素についても、従来の接顔クッションを有するマスクと同等以上の性能を有する使い捨て式防じんマスクの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明が対象とするのは、鼻部及び口部を覆うように略半球状に成形したフィルタ部と、前記フィルタ部の全外周縁部から中央へ延びていて前記鼻部及び口部に位置する部分に開口を有する接顔クッションと、締紐とからなる使い捨て式防じんマスクである。
このような防じんマスクにおいて、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記接顔クッションを顔の起伏に沿うような凹凸を有する立体形状として、鼻梁部と顎部が他の部分よりも凹んでいて、前記フィルタ部と前記接顔クッションとは前記全外周縁部において重なり合っており、前記接顔クッションの前記重なり合った全外周縁部は、前記防じんマスクの側面視において、前記鼻梁部と前記顎部が他の部分よりも凹み、前記鼻梁部から前記顎部にかけて上方凸部、中間凹部、下方凸部が順に形成された形状であって、前記接顔クッションの外周においては、前記鼻梁部と前記顎部に接する部分の最も凹んだ点を含む面から最も突出した点までの垂直方向の距離が5〜40mmであり、前記締紐が前記中間凹部と前記下方凸部とにおいて前記防じんマスクに取り付けられている。
上記構成によれば、接顔クッションが顔の起伏に沿った立体形状を有するものになっているので、接顔クッションの全体が、略均一な圧力で顔面に接するようになり、したがって、接顔クッションを少しだけ変形または湾曲させる程度で防じんマスクが顔にフィットすることになる。
その結果、顔面における部分的な痛みや圧迫感あるいは違和感がなくなるとともに、顔面と接顔クッションの気密がとれて、粉じんの漏れ込みが少なくなる。また、装着時のマスクの変形および湾曲が小さいので、型くずれが起きにくくなり、保形維持特性が向上する。さらに、弱い力で締紐を締めて装着するだけで顔にフィットするので、締紐の締付による痛みも少なくなる。また、接顔クッションが顔の起伏に沿った形状であるため、フィルタ部を硬くしても、部分的な痛みや違和感が生じにくくなり、したがって、フィルタ部の硬さの自由度が広がる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1および図2は、本発明の一実施の形態における使い捨て式防じんマスクを示したものである。1はフィルタ部、2は接顔クッション、3は締紐である。フィルタ部1は、マスク装着者の顔の鼻部及び口部を覆うように略半球状に成形されている。接顔クッション2は、フィルタ部1の全外周縁部40から中央へ延びていて鼻部及び口部に位置する部分に開口2aを有し、弾力性または伸縮性を有している。
この接顔クッション2は、顔の起伏に沿うような凹凸を有する立体形状となっており、特に、鼻梁部と接する部分4及び顎部と接する部分5が他の部分よりも凹んでいる。そして、接顔クッション2の外周において、鼻梁部と顎部の最も凹んだ点を含む面Aから最も突出した点Bまでの垂直方向の距離を5〜40mm、好ましくは10〜30mmの範囲とする。
以上のように構成された本実施の形態における使い捨て式防じんマスクは、次のような利点を有する。
(1)マスクの接顔クッションが顔の起伏に沿った立体形状になっているため、装着時に呼吸をする鼻部,口部を取り巻くように顔に密接し、接顔クッションと顔面との間にほとんど隙間ができず、したがって、粉じん等が漏れ込むのが少なくなる。
(2)接顔クッションが顔の起伏に沿った立体形状になっているため、締紐の張力が小さくても顔によくフィットし、また、締紐の張力が小さいと、顔に痛みや違和感を生ずることがなく、装着感がよい。
(3)装着時のマスクの変形あるいは湾曲が小さいので、保形維持特性がよく、外観を損なうことがない。
(4)締紐の張力が小さくてもマスクが顔にフィットするので、フィルタ部を多少硬くしても、顔における部分的な痛みや違和感を生ずることがなく、フィルタ部の硬さの自由度も広がる。
(5)ノーズクリップのような部品を使用しないので、従来の接顔クッション付きマスクと同じ部品点数で、フィット感を向上することができる。
以上説明したように、本発明によれば、使い捨て式防じんマスクにおける接顔クッションを、顔の起伏に沿った凹凸を有する立体形状とすることにより、マスクのフィット性および装着感を向上するとともに、防塵性能および他のマスクとしての必要な性能を高めることができるという効果を奏する。
(a)と(b)は、本発明の一実施の形態における使い捨て式防じんマスクの構成を示す側面図と斜視図。 (a)と(b)は、本発明の一実施の形態における使い捨て式防じんマスクの正面図および顔との対比を示す図。 (a)と(b)は、従来例の使い捨て式防じんマスクの側面図および斜視図。 (a)と(b)は、従来例の正面図および顔との対比を示す図。 他の従来例を示す図。
1 フィルタ部
2 接顔クッション
2a 開口
3 締紐
4 鼻梁部と接する部分
5 顎部と接する部分

Claims (2)

  1. 鼻部及び口部を覆うように略半球状に成形したフィルタ部と、前記フィルタ部の全外周縁部から中央へ延びていて前記鼻部及び口部に位置する部分に開口を有する接顔クッションと、締紐とからなる使い捨て式防じんマスクにおいて、
    前記接顔クッションを顔の起伏に沿うような凹凸を有する立体形状として、鼻梁部と顎部が他の部分よりも凹んでいて、
    前記フィルタ部と前記接顔クッションとは前記全外周縁部において重なり合っており、
    前記接顔クッションの前記重なり合った全外周縁部は、前記防じんマスクの側面視において、前記鼻梁部と前記顎部が他の部分よりも凹み、前記鼻梁部から前記顎部にかけて上方凸部、中間凹部、下方凸部が順に形成された形状であって、
    前記接顔クッションの外周においては、前記鼻梁部と前記顎部に接する部分の最も凹んだ点を含む面から最も突出した点までの垂直方向の距離が5〜40mmであり、
    前記締紐が前記中間凹部と前記下方凸部とにおいて前記防じんマスクに取り付けられていることを特徴とする前記使い捨て式防じんマスク。
  2. 前記防じんマスクの側面視には、前記フィルタ部と前記接顔クッションとの厚さがあらわれていて、前記締紐が前記接顔クッションに対して前記接顔クッションの厚さ方向において交差するように延びる請求項1記載の使い捨て式防じんマスク。
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