本発明は、発光素子を各画素に有する発光装置に関する。
発光素子は自ら発光するため視認性が高く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックライトが要らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無い。そのため発光素子を用いた発光装置は、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されており、実用化が進められている。発光素子の1つであるOLED(Organic Light Emitting Diode)は、電場を加えることでルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる電界発光材料を含む層(以下、電界発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。陽極から注入されたホールと、陰極から注入された電子とが電界発光層で結合することで、発光が得られる。電界発光層から得られるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とが含まれる。
得られた光は、陽極側でも、陰極側でも、原理的にはどちらからでも取り出すことが可能である。アクティブマトリクス型の発光装置の場合だと、陽極と陰極のうち、配線やトランジスタのゲート電極が形成された基板に対して、より遠い側の電極から光を取り出す方が、高精細化に伴う開口率の低下に依存せずに高い取り出し効率を維持できるので、より望ましい。そして電極からの光の取り出しは、光を透過する程度に電極を薄く形成するか、もしくは透明導電膜で電極を形成するか、いずれかの方法を用いることで行なうことができる。しかし上記2つの方法のうち、前者の方法では透過率に限界があるため、光の取り出し効率を十分に高めることが難しい。
一方、後者の方法を用いる場合、前者に比べて光の取り出し効率を高めることが比較的容易である。
しかし、ITO(Indium Tin Oxide)に代表される透明導電膜をスパッタ法で電界発光層上に形成すると、電界発光層内の有機物を有する層が損傷(スパッタダメージ)を受けてしまうという問題があった。なお蒸着法を用いて透明導電膜を形成する場合、該有機物を有する層に与えられる損傷を抑えることができるが、この場合、形成される電極の透過率は低くなり、抵抗率は高くなるため好ましくない。よって、有機物を含む層に損傷を与えることなく、スパッタ法を用いて電界発光層上に電極を形成することができる、発光装置の提案が望まれている。
また、発光装置でフルカラーの表示を行なうには、R(赤)G(緑)B(青)に対応した三種類の発光素子を用いる方法や、白色発光の発光素子とカラーフィルターを組み合わせる方法を用いるのが一般的である。しかし前者の場合、R(赤)G(緑)B(青)に対応した発光の色純度を高める必要があり、電界発光材料及び素子構成を最適化するためのコストと時間がかかる。また後者の場合、カラーフィルターによって遮蔽された光が無駄になり、消費電力の割に高い輝度が得られないという問題があった。
本発明では、上述した問題に鑑み、有機物を含む層に損傷を与えることなく、スパッタ法を用いて電界発光層上に電極を形成することができ、なおかつ光の色純度が高く、光の取り出し効率が高い、発光装置の提供を課題とする。
本発明では、電界発光層のうち、電界発光層上にスパッタ法で形成される電極に最も近い層にエッチングされにくい材料を用いる。具体的には、金属酸化物、またはベンゾオキサゾール誘導体を用いることを発案した。
前記金属酸化物の具体例としては、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等が挙げられ、これらは蒸着法によって形成されることが好ましい。またベンゾオキサゾール誘導体の構造を、化学式1に示す。
(式中、Arはアリール基を示し、R1〜R4は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ基、アルキル基(ただし、炭素数1〜10)、ハロアルキル基(ただし、炭素数1〜10)、アルコキシル基(ただし、炭素数1〜10)、置換または無置換のアリール基、置換または無置換の複素環残基を示す。)
そして本発明の発光素子は、第1の電極と、前記第1の電極上に形成された電界発光層と、前記電界発光層上に形成された第2の電極とを有し、前記電界発光層は単層でも多層でもよく、実際に発光が得られる層(発光層)の他に、キャリア(電子・正孔)輸送性の高い材料を含む層や、キャリア注入性の高い材料を含む層などを組み合わせて構成されたものである。
そして例えば、陰極を第1の電極、陽極を第2の電極とする場合、前記電界発光層のうち最も陽極に近い、ホール注入性またはホール輸送性を有する層として、上述したエッチングされにくい材料を用いる。具体的に、ベンゾオキサゾール誘導体を用いる場合は、当該ベンゾオキサゾール誘導体と、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、FeCl3、C60または2,3,5,6−テトラフルオロー7,7,8,8―テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)のいずれか一または複数の材料とを含む層を、最も陽極に近くなるように形成する。
また例えば、陽極を第1の電極、陰極を第2の電極とする場合、前記電界発光層のうち最も陰極に近い、電子注入性または電子輸送性を有する層として、上述したエッチングされにくい材料を用いる。具体的に、モリブデン酸化物を用いる場合は、当該モリブデン酸化物と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属のいずれか一または複数の材料とを含む層を、最も陰極に近くなるように形成する。またベンゾオキサゾール誘導体を用いる場合は、当該ベンゾオキサゾール誘導体と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属のいずれか一または複数の材料とを含む層を、最も陰極に近くなるように形成する。なお、金属酸化物とベンゾオキサゾール誘導体を共に用いていても良い。
上記構成により、第2の電極として、スパッタ法で形成した透明導電膜、例えばインジウム錫酸化物(ITO)や珪素を含有したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)等を用いても、電界発光層が有する有機物を含む層への、スパッタダメージを抑えることができ、第2の電極を形成するための物質の選択性が広がる。そして本発明では、第2の電極側から光を取り出すことで、第1の電極側から光を取り出す場合よりも、光の取り出し効率を高めることができる。
なお、発光素子から得られる光のスペクトルは、比較的広い波長領域にピークを有している場合が多く、そのため色純度が劣るという問題があり、さらに色純度の高さのみならず発光素子の特性には信頼性の高さも要求されている。しかし、両方の特性を十分に満たす発光素子を得るには、開発に時間とコストがかかるのが現状である。そこで本発明の発光装置では、発光の波長領域が異なる複数の発光素子を用い、なおかつカラーフィルターを用いて、発光素子から発せられる光のうち特定の波長領域を有する光のみ取り出す。上記構成により、比較的広い波長領域を有する発光素子を用いても、該発光素子から得られる光のうち、余分な波長領域をカラーフィルターで遮蔽し、必要な波長領域のみを取り出すことができるので、色純度の高さを確保することが容易であり、よって発光素子に用いられる電界発光材料の選択性を広げることができる。また、取り出したい光の波長に合わせて電界発光材料を選択することで、白色発光の発光素子とカラーフィルターを組み合わせる場合よりも、カラーフィルターによって遮蔽される光の量を抑えることができ、取り出し効率を高めることができる。
なお本発明の発光装置は、アクティブマトリクス型に限定されず、パッシブマトリクス型であっても良い。
上述したように本発明では、有機物を含む層に損傷を与えることなく、スパッタ法を用いて電界発光層上に電極を形成することができるので、スパッタダメージに起因する不良が抑制される発光装置を提供することができる。よって、電界発光層上に形成される電極の材料の選択性を広げることができる。また、カラーフィルターを用いることで光の色純度を容易に高めることができ、また白色の発光素子とカラーフィルターを組み合わせる場合に比べて光の取り出し効率を高めることができる。そして、例えば信頼性などの色純度以外の特性をある程度優先させることが可能になるので、該電界発光材料の選択性を広げることができる。
次に、本発明の発光装置の構成について説明する。本発明の発光装置は、三原色、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)に対応する複数の画素と、カラーフィルターとを有している。そして各画素は発光素子を有しており、該発光素子から発せられる光は、少なくとも画素に対応する色の波長を含んでいる。ただし、発光素子から発せられる光のスペクトルは全て同じわけではない。
そして本発明では、カラーフィルターが有する、特定の波長領域の光の透過率が他の領域に比べて著しく高い層(以下、着色層と呼ぶ)を用いて、各発光素子から発せられた光のうち特定の波長領域の光を遮蔽する。例えば赤に対応する画素の発光素子から発せられた光は、該着色層によって赤色の波長領域の光が優先的に透過されるようにする。そして他の色に対応する画素でも同様に、対応する色の波長領域の光が優先的に透過されるようにする。
図1(A)に、発光素子から発せられる光の色と、着色層を透過する光の色との関係を、模式的に示す。図1(A)では、101が赤色に対応する画素の発光素子であり、該発光素子101から発せられる光には、赤色(R)の光に加えて赤色以外の色(α)の光も混ざっていると仮定する。また同様に、102は緑色に対応する画素の発光素子であり、該発光素子102から発せられる光には、緑色(G)の光に加えて緑色以外の色(β)の光が混ざっていると仮定する。103は青色に対応する画素の発光素子であり、該発光素子103から発せられる光には、青色(B)の光に加えて青色以外の色(γ)の光が混ざっていると仮定する。
また図1(A)には各画素に対応する着色層を示しており、具体的には、発光素子101に対応する着色層104、発光素子102に対応する着色層105、発光素子103に対応する着色層106を図示している。
着色層104は赤色の波長領域の光を優先的に透過することができる。つまり、発光素子101から発せられた光のうち、赤色以外の色(α)の光は遮蔽されるため、赤色の光のみを優先的に取り出すことができる。同様に、着色層105は緑色の波長領域の光を優先的に透過することができる。つまり、発光素子102から発せられた光のうち、緑色以外の色(β)の光は遮蔽されるため、緑色の光のみを優先的に取り出すことができる。また、着色層106は青色の波長領域の光を優先的に透過することができる。つまり、発光素子103から発せられた光のうち、青色以外の色(γ)の光は遮蔽されるため、青色の光のみを優先的に取り出すことができる。
よって上記構成により、各発光素子101〜103から発せられる光の色純度が多少劣っていたとしても、画素から取り出される光の色純度を高めることができる。なお、各色に対応する画素の発光素子は、当該発光素子から発せられる光のスペクトルが、該対応する色の波長領域において、他の波長領域に比べ、比較的強いピークを有していることが望ましい。例えば赤色の画素の場合、発光素子から発せられる光のスペクトルは、赤色の波長領域に比較的強いピークを有するようにすれば良い。上記構成によって、各色の画素ごとに、遮蔽される光の量を抑制することができ、白色発光の発光素子を用いる場合に比べて効率良く光を取り出すことができる。
なお図1(A)では、各色の画素ごとに発光素子から得られる光のスペクトルが異なっている例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば3色に対応する画素のうち、2つの色に対応する画素が、同じ光のスペクトルが得られる発光素子を有していても良い。
図1(B)を用いて、赤色に対応する画素の発光素子と、緑色に対応する画素の発光素子とが、同じ光のスペクトルを有している場合の、本発明の構成について説明する。図1(B)では、111が赤色に対応する画素の発光素子、112が緑色に対応する画素の発光素子であり、該発光素子111、112から発せられる光には、赤色(R)の光と緑色(G)の光とが混ざっていると仮定する。また、113は青色に対応する画素の発光素子であり、該発光素子113から発せられる光には、青色(B)の光に加えて青色以外の色(δ)の光が混ざっていると仮定する。
また図1(B)には各画素に対応する着色層を示しており、具体的には、発光素子111に対応する着色層114、発光素子112に対応する着色層115、発光素子113に対応する着色層116を図示している。
着色層114は赤色の波長領域の光を優先的に透過することができる。よって、発光素子111から発せられた光のうち、緑色(G)の光は遮蔽されるため、赤色の光のみを優先的に取り出すことができる。同様に、着色層115は緑色の波長領域の光を優先的に透過することができる。よって、発光素子112から発せられた光のうち、赤色(R)の光は遮蔽されるため、緑色(G)の光のみを優先的に取り出すことができる。また、着色層116は青色の波長領域の光を優先的に透過することができる。つまり、発光素子113から発せられた光のうち、青色以外の色(δ)の光は遮蔽されるため、青色の光のみを優先的に取り出すことができる。
このように本発明では、電界発光材料の選択性を大幅に広げることができる。
次に図2を用いて、本発明の発光装置のより具体的な構成について説明する。図2は、本発明の発光装置における、画素の断面図の一形態である。図2では、基板200上に、TFT201〜203と、発光素子204〜206が形成されている。そして、TFT201と発光素子204は、赤色(R)に対応する画素内に設けられており、TFT201によって発光素子204への電流の供給が制御されている。またTFT202と発光素子205とは緑色(G)に対応する画素内に設けられており、TFT202によって発光素子205への電流の供給が制御されている。TFT203と発光素子206とは青色(B)に対応する画素内に設けられており、TFT203によって発光素子206への電流の供給が制御されている。
また207は、発光素子204〜206を封止するためのカバー材であり、透光性を有している。カバー材207には、可視光を遮蔽するための遮蔽膜208と、各色の画素に対応した着色層209〜211とを有するカラーフィルター212が形成されている。図2では、着色層209において、発光素子204から発せられる光のうち、赤色の波長領域の光が選択的に透過される。また着色層210において、発光素子205から発せられる光のうち、緑色の波長領域の光が選択的に透過される。また着色層211において、発光素子206から発せられる光のうち、青色の波長領域の光が選択的に透過される。
遮蔽膜208は、発光素子204〜206どうしの間と重なるようにレイアウトされており、遮蔽膜208により、発光素子の光が、隣接する画素に対応する着色層を透過してしまうのを防ぐことができる。
着色層は、一般的に用いられている材料を用いることができ、例えば樹脂等の透光性を有する有機材料に顔料を分散させて形成することができる。また遮蔽膜は、一般的に用いられている材料を用いることができ、Crなどに代表される金属で形成していても良いし、樹脂等の透光性を有する有機材料に黒色の顔料を分散させて形成しても良い。またインクジェット法を用いて着色層をカバー材に形成しても良い。
また発光素子204は、TFT201と電気的に接続された第1の電極213と、第1の電極213上に形成された電界発光層214と、電界発光層214上に形成された第2の電極215を有しており、第1の電極213と、電界発光層214と、第2の電極215とが重なっている部分が、発光素子204に相当する。
また発光素子205は、TFT202と電気的に接続された第1の電極216と、第1の電極216上に形成された電界発光層217と、電界発光層217上に形成された第2の電極215を有しており、第1の電極216と、電界発光層217と、第2の電極215とが重なっている部分が、発光素子205に相当する。
また発光素子206は、TFT203と電気的に接続された第1の電極218と、第1の電極218上に形成された電界発光層219と、電界発光層219上に形成された第2の電極215を有しており、第1の電極218と、電界発光層219と、第2の電極215とが重なっている部分が、発光素子206に相当する。
なお図2では、各色に対応する画素ごとに、含まれる電界発光材料または素子構成が異なる電界発光層214、217、219を用いているが、本発明は必ずしもこの構成に限定されない。少なくとも、2つの色に対応する画素において、含まれる電界発光材料または素子構成が互いに異なる電界発光層を用いていれば良い。
そして本発明では、電界発光層214、217、219上に形成される電極215は、上述したようなITO、ITSO、IZOなどの透明導電膜を用いており、スパッタ法で形成されている。そして各電界発光層214、217、219は、第2の電極215に接する最も上の層が、金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体を含んでいる。
次に図3を用いて、本発明の発光素子の構成について説明する。図3に、本発明における発光素子の素子構成を模式的に示す。本発明の発光素子301は、基板300上に形成された第1の電極302と、第2の電極303と、第1の電極302と第2の電極303間に設けられた電界発光層304とを有する。なお実際には、基板300と発光素子301間には各種の層または半導体素子などが設けられている。
第1の電極302と第2の電極303は、いずれか一方が陽極、他方が陰極に相当する。図3では、第1の電極302を陰極、第2の電極303を陽極とする。そして本発明では、電界発光層304のうち、電界発光層304上に形成される第2の電極303に最も近い層305に、金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体などの、スパッタによりエッチングされにくい材料を含ませる。具体的に図3では、第2の電極303は陽極である例を示しているので、第2の電極303に最も近い層305にホール注入性をもたせるために、ベンゾオキサゾール誘導体を用いる場合は、当該ベンゾオキサゾール誘導体と、TCNQ、FeCl3、C60またはF4−TCNQいずれか一または複数の材料とを含ませる。
また金属酸化物は、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等を用いることができる。このように金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体を用いることで、第2の電極303をスパッタ法で形成する際に、電界発光層304のうち有機物を含む層へのスパッタダメージを抑制することができる。なお、第2の電極303に最も近い層305は、金属酸化物を含んでいる場合でも、ベンゾオキサゾール誘導体を含んでいる場合でも、共に蒸着法を用いて形成することができる。また膜厚を10nm以上とすることで、スパッタ法に起因した損傷を抑制する効果を高めることができる。
なお、逆に第1の電極302が陽極、第2の電極303が陰極である場合、第2の電極303に最も近い層305に電子注入性をもたせるために、金属酸化物、ベンゾオキサゾール誘導体のいずれを用いる場合でも、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属のいずれか一または複数の材料を該層に含ませるようにする。
本発明の発光装置は、カラーフィルターが有する遮蔽膜によって、第1の電極において外光が反射し、鏡面のように画素部に物が映りこむのを防ぐことができる。よって、透過率がカラーフィルターに比べて著しく低い偏光板を用いる必要がなく、光の取り出し効率を飛躍的に高めることができる。また、色純度を高めるために微小共振器(マイクロキャビティー)のような構成を用い、光の減衰による取り出し効率の低下を招くこともない。
本実施例では、発光素子と、カラーフィルターが有する着色層及び遮蔽膜との、レイアウトの一形態について説明する。
図4(A)に、本発明の発光装置が有する画素の上面図を示す。ただし図4(A)では、カバー材で封止する前の状態を示しており、401〜403は発光素子、404は画素への信号または電源電圧の供給を制御するための配線に相当する。なお各種層間膜及び隔壁は省略して示す。本実施例では、発光素子401が、赤色(R)に対応する画素に形成されており、発光素子402が、緑色(G)に対応する画素に形成されており、発光素子403が、青色(B)に対応する画素に形成されているものと仮定する。
次に図4(B)に、図4(A)に示した画素をカバー材で封止した様子を示す。405は遮蔽膜であり、発光素子401〜403間を埋めるようにレイアウトされている。そして406〜408は着色層に相当し、遮蔽膜405の開口部に形成されている。そして着色層406により、発光素子401からの光のうち、赤色の波長領域の光を選択的に取り出すことができる。また、着色層407により、発光素子402からの光のうち、緑色の波長領域の光を選択的に取り出すことができる。着色層408により、発光素子403からの光のうち、青色の波長領域の光を選択的に取り出すことができる。
本実施例では、カラーフィルターによる色純度の向上の仕組みについて説明する。
図5(A)に、着色層における光の波長と透過率の関係を、一例として示す。図5(A)では、600nmよりも短い波長領域が、600nmよりも長い波長領域よりも、透過率が著しく低くなっている。
また図5(B)に、赤色の波長領域の光に、緑色の波長領域の光が混ざっている場合の、スペクトルを示す。図5(B)に示すスペクトルは、700nmを含む赤色の波長領域にピークを有するほか、550〜600nmにおいて小さなショルダーが見られる。このようなスペクトルを有する光は、赤色の純度が低く、若干緑がかって見えてしまう。
そして、図5(B)に示すスペクトルが得られる光を、図5(A)に示す特性を有する着色層に通すことで、図5(C)に示すようなスペクトルを有する光が得られる。具体的に図5(C)では、546nmを含む緑色の波長領域に近い、600nm以下の波長の光が遮蔽されるため、図5(B)のスペクトルが有するショルダーはほぼ低減する。従って、着色層を通して取り出された光は、赤色の色純度が高められる。
なお、赤色、緑色、青色の波長領域は、設計者が所望する色純度の高さに合わせて適宜設定することができる。より高い色純度が要求される場合、当該色に対応する波長領域の幅を狭めればよい。
本実施例では、本発明の発光装置が有する発光素子の、具体例について説明する。
図6(A)を用いて、青色の波長領域の光が得られる、発光素子の素子構成を示す。図6(A)に示す発光素子は、基板600上に、第1の電極601と、第1の電極601上に形成された電界発光層602と、電界発光層602上に形成された第2の電極603とを有している。なお図6(A)では、第1の電極601が陰極、第2の電極603が陽極に相当する。
本発明では、第1の電極601に、一般的に発光素子の陰極に用いられるような仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Liなど)の他、YbやEr等の希土類金属を用いて形成することもできる。また、電子注入性の高い材料を含む層を第1の電極601に接するように形成するので、アルミニウム等の通常の導電膜も用いることができる。
第2の電極603としては、仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。第2の電極603において光を透過させる場合は、透光性の高い材料を用いる。この場合、例えばインジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を含むインジウム−スズ酸化物(ITSO)等の透明導電性材料を用いればよい。
また図6(A)では、電界発光層602は、第1〜第5の層604〜608を有している。陰極である第1の電極601に接して形成されている第1の層604は、電子注入性の高い材料を用いるのが望ましい。具体的には、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のようなアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略称:Li(acac)や8−キノリノラト−リチウム(略称:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等の金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属のいずれか一または複数の材料とを含むようにしても良い。
また第1の層604上に形成されている第2の層605には、電子輸送性の高い材料を用いることが望ましい。具体的には、Alq3に代表されるような、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体やその混合配位子錯体などを用いることができる。具体的には、Alq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(p−EtTAZ)などのトリアゾール誘導体、TPBIのようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)、バソキュプロイン(BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
また第2の層605上に形成されている第3の層606には、イオン化ポテンシャルが大きく、かつバンドギャップの大きな材料を用いるのが望ましい。具体的には、例えばペリレン誘導体(ペリレン、アルキルペリレン、アリールペリレンなど)、アントラセン誘導体(アルキルアントラセン、ジアリールアントラセンなど)、ピレン誘導体(アルキルピレン、アリールピレン)などの縮合芳香環を用いることができる。また、ジスチリルアリーレン、シロール誘導体、クマリン誘導体、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(BAlq)などの金属錯体も用いることができる。上記材料は、ドーパントとしても、単層膜としても用いることができる。
第3の層606上に形成されている第4の層607には、ホール輸送性が高く、結晶性の低い公知の材料を用いることが望ましい。具体的には芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物が好適であり、例えば、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)や、その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)などがある。4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)や、MTDATAなどのスターバースト型芳香族アミン化合物も用いることができる。また4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)を用いても良い。また高分子材料としては、良好なホール輸送性を示すポリ(ビニルカルバゾール)などを用いることができる。
また本発明では、第4の層607上に形成されている第5の層608に、ホール注入性が高く、なおかつエッチングされにくい金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体を用いる。
金属酸化物とベンゾオキサゾール誘導体を両方用いていても良い。上記材料を用いることにより、後にスパッタ法で第5の層608上に第2の電極603を形成する際に、第1〜第4の層に含まれる有機物にスパッタダメージが与えられるのを防ぐことができる。第5の層608は蒸着法を用いて形成できる。また第5の層608は、10nm以上の膜厚であることが好ましい。スパッタ法に起因した損傷を抑制するには、このような膜厚で形成することが有効である。
なお第5の層608として、ホール輸送性の高い有機材料と併せて金属酸化物を用いても良い。正孔輸送性の高い化合物としては、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。但し、ここに示したものに限らず、その他の物質を用いてもよい。上記構成により、第5の層608が結晶化するのを抑制することができ、その結果、発光素子の信頼性を高めることができる。
さらに、第5の層608を100nm以上の膜厚で形成した場合には、第1の電極601または第2の電極603の膜面に形成された突起或いはこれらの電極間に混入した異物等に起因して生じる、第1の電極601と第2の電極603とのショート(短絡)を抑制することができる。
なお金属酸化物は、具体的にはモリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等を用いることができる。
また、第5の層608にベンゾオキサゾール誘導体を用いる場合は、当該ベンゾオキサゾール誘導体に加え、TCNQ、FeCl3、C60またはF4−TCNQのいずれか一または複数の材料を併せて用い、ホール注入性を高めておくことが望ましい。
上記構成を有する発光素子において、第1の電極601と第2の電極603の間に電圧を印加し、電界発光層602に順方向バイアスの電流を供給することで、第3の層606から青色もしくは水色の発光を得ることができる。水色の光に見えるのは、青色の光に加えて、緑色の光が混ざっているためである。具体例を挙げると、第3の層606に用いられるペリレン誘導体から得られる光は基本的には青色であるが、ドープする濃度を高めていくにつれてエキシマー発光が観測されるため、緑色の光が混じってしまい、水色に近くなってしまう。本発明では、上記発光素子から得られた光を、カラーフィルターの着色層に通すことで、緑色の波長領域の光を遮蔽し、青色の純度の高い光を得ることができる。
次に、本発明の発光装置が有する発光素子の、別の具体例について説明する。
図6(B)を用いて、青色の波長領域の光が得られる、発光素子の素子構成を示す。図6(B)に示す発光素子は、基板610上に、第1の電極611と、第1の電極611上に形成された電界発光層612と、電界発光層612上に形成された第2の電極613とを有している。なお図6(B)では、第1の電極611が陰極、第2の電極613が陽極に相当する。そして電界発光層612は、第1〜第4の層614〜617を有している。
第1の電極611は、図6(A)の第1の電極601と同様に、一般的に発光素子の陰極に用いられるような仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが望ましい。また第2の電極613は、図6(A)の第2の電極603と同様に、仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。
陰極である第1の電極611に接して形成されている第1の層614は、図6(A)の第1の層604と同様に、電子注入性の高い材料を用いるのが望ましい。第1の層614上に形成されている第2の層615には、図6(A)の第2の層605と同様に、電子輸送性の高い材料を用いることが望ましい。第2の層615上に形成されている第3の層616には、図6(A)の第4の層607と同様に、ホール輸送性が高く、結晶性の低い公知の材料を用いることが望ましい。そして、第3の層616上に形成されている第4の層617には、図6(A)の第5の層608と同様に、ホール注入性が高く、なおかつエッチングされにくい金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体を用いる。
そして、第2の層615または第3の層616に加えるドーパントの種類によって、緑色の発光が得られたり、赤色の発光が得られたりする。緑色の発光を得るには、例えば、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、Alq3やトリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(Almq3)を第2の層615にドーパントとして加えればよい。また上記材料のほかに、トリス(フェニルピリジン)イリジウム錯体などの三重項材料を使っても、緑色の発光が得られる。トリス(フェニルピリジン)イリジウム錯体をドーパントとして用いる場合、ホストとしてバイポーラの材料を用いるのが望ましく、さらにこの場合、第1の層614と第2の層615の間に、イオン化ポテンシャルが小さく、バンドギャップの大きなホールブロック性の高い層を形成するのが望ましい。ホールブロック性の高い層には、具体的には、BCPなどのフェナントロリン誘導体、あるいはオリゴピリジンなどを用いることができる。
上記構成を有する発光素子に順方向バイアスの電流を供給することにより、第2の層615から緑色の発光が得られる。
なお図6(B)に示した構成を有する発光素子において、赤色の発光を得るには、例えば、ルブレンなどの縮合芳香族化合物、ペリレンジイミド誘導体、オリゴチオフェン、DCM誘導体(4,4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(4−ジアリールアミノ)スチリル−2,5−ピランなどに代表される)、あるいは2,5−ジシアノ−1,4−ビス(4−ジアリールアミノスチリル)ベンゼン誘導体、ベンゾクマリン誘導体、白金オクタエチルポルフィリン錯体などのポルフィリン系材料、トリス(1−ベンゾイルアセトナト)(1、10―フェナントロリン)ユーロピウム錯体などの希土類金属錯体を、第2の層615または第3の層616のいずれか一方に、ドーパントとして加えればよい。
上記構成を有する発光素子に順方向バイアスの電流を供給することにより、第2の層615または第3の層616のうちドーパントを加えた層から、赤色の発光が得られる。
なお、第2の層615と第3の層616の間に、イオン化ポテンシャルが大きく、かつバンドギャップの大きな材料を用いた層を設け、上述したドーパントを加えるようにし、当該追加した層から発光を得るようにしても良い。この場合、当該追加した層のホストとして、Alq3や2,5−ジシアノ−1,4−ビス(4−ジアリールアミノスチリル)ベンゼン誘導体などを用いるのが望ましい。
上記赤色の発光は、実際には緑色の光が混入しており、オレンジ色もしくは黄色に見えてしまう場合がある。本発明では、上記発光素子から得られた光を、カラーフィルターの着色層に通すことで、緑色の波長領域の光を遮蔽し、赤色の純度の高い光を得ることができる。
なお本発明では、同じスペクトルの光から、カラーフィルターを用いて、互いにスペクトルが異なる2色の発光を得ることもできる。例えば青色と緑色が混じった光から、青色の光と、緑色の光を選択して取り出すことが可能である。
図6(A)に示した構成を有する発光素子において、青色と緑色が混じった光を得るには、第3の層606に、緑色の光を得ることができるドーパントおよび青色の光を得ることができるドーパントを加えればよい。また、図6(B)に示した構成を有する発光素子において、青色と緑色が混じった光を得るには、第2の層615に、緑色の光を得ることができるドーパントと、青色の光を得ることができるドーパントとを、共に加えればよい。或いは、図6(A)に示した構成を有する発光素子において、第2の層605に緑色の光が得られるドーパントを加えるようにすればよい。また、図6(A)に示した構成を有する発光素子において、第3の層606に、立体障害の小さい縮合芳香環(ペリレンおよびその誘導体、ピレン誘導体、アントラセン誘導体など)をドーパントとして高濃度で用いることで、エキシマー発光により青色と緑色が混じった光を得ることができる。
図6(B)に示した構成を有する発光素子において、赤色と緑色が混じった光を得るには、第2の層615に、Alq3に代表される金属キノリノール錯体などの電子輸送層性のホストを用い、さらに赤色の光が得られるドーパントをドープすればよい。或いは、図6(A)に示した構成を有する発光素子において、第3の層606にバイポーラなホストを用い、さらに当該第3の層606に緑色の光が得られるドーパントをドープする。そして第2の層605に電子輸送性のホストを用い、さらに当該第2の層605に赤色の光が得られるドーパントを加えるようにすればよい。
なお、図6(A)、図6(B)では、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極である場合について説明したが、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極であっても良い。
図6(C)に、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極であるときの、発光素子の構成を、一例として示す。図6(C)に示す発光素子は、基板620上に、第1の電極621と、第1の電極621上に形成された電界発光層622と、電界発光層622上に形成された第2の電極623とを有している。なお図6(C)では、第1の電極621が陽極、第2の電極623が陰極に相当する。
図6(C)では、第1の電極621として、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を用いることができる。また、上記光を反射することができる材料の上に、ITO、ITSO、IZOなどの透明導電膜を積層して、第1の電極621として用いてもよい。図6(C)では、ガラス基板620に近い方から、Al−Si膜630、Ti膜631、ITO膜632を積層することにより、第1の電極621が形成されている。
また第2の電極623として、ITO、IZO、ITSO等の透明導電膜を用いる。
電界発光層622は、図6(A)または図6(B)と同様に、複数の層で構成されているが、各層の積層する順が図6(C)では逆になっている。図6(C)では、電界発光層622が第1の層624〜第5の層628を有する場合について示している。
陽極である第1の電極621に接して形成されている第1の層624には、イオン化ポテンシャルの比較的小さな材料を用いるのが望ましい。大別すると金属酸化物、低分子系有機化合物、および高分子系有機化合物に分けられる。金属酸化物であれば、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなど用いることができる。低分子系有機化合物あれば、例えば、m−MTDATAに代表されるスターバースト型アミン、銅フタロシアニン(略称:CuPc)に代表される金属フタロシアニン、フタロシアニン(略称:H2Pc)、2,3−ジオキシエチレンチオフェン誘導体などを用いることができる。低分子系有機化合物と上記金属酸化物とを共蒸着させた膜であっても良い。高分子系有機化合物であれば、例えば、ポリアニリン(略称:PAni)、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)、ポリチオフェン誘導体などの高分子を用いることができる。ポリチオフェン誘導体の一つであるポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたものを用いても良い。また、ベンゾオキサゾール誘導体と、TCNQ、FeCl3、C60またはF4−TCNQのいずれか一または複数の材料とを併せて用いても良い。
また第1の層624上に形成されている第2の層625には、ホール輸送性が高く、結晶性の低い公知の材料を用いることが望ましい。具体的には、図6(A)の第4の層607と同じ材料を用いることができる。
第2の層625上に形成されている第3の層626には、イオン化ポテンシャルが大きく、かつバンドギャップの大きな材料を用いるのが望ましい。具体的には、図6(A)の第3の層606と同じ材料を用いることができる。
また第3の層626上に形成されている第4の層627には、電子輸送性の高い材料を用いることが望ましい。具体的には、図6(A)の第2の層605と同じ材料を用いることができる。
また本発明では、第4の層627上に形成されている第5の層628に、エッチングされにくい金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体を用いる。そしてなおかつ電子注入性を高めるように、上述した材料に加え、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属のいずれか一または複数の材料とを合わせて用いる。なお、金属酸化物とベンゾオキサゾール誘導体を両方用いていても良い。上記材料を用いることにより、後にスパッタ法で第5の層628上に第2の電極623を形成する際に、第1〜第4の層に含まれる有機物にスパッタダメージが与えられるのを防ぐことができる。第5の層628は蒸着法を用いて形成できる。また第5の層628は、10nm以上の膜厚であることが好ましい。スパッタ法に起因した損傷を抑制するには、このような膜厚で形成することが有効である。
さらに、第5の層628を100nm以上の膜厚で形成した場合には、第1の電極621または第2の電極623の膜面に形成された突起或いはこれらの電極間に混入した異物等に起因して生じる、第1の電極621と第2の電極623とのショート(短絡)を抑制することができる。
なお金属酸化物は、具体的にはモリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等を用いることができる。
なお図6(B)と同様に、図6(C)に示した発光素子において第3の層626を設けずに、ドーパントにより第2の層625または第4の層627から発光を得るようにしてもよい。
本実施例では、本発明の発光装置が有する画素の構成の、一形態について説明する。
図7に、本実施例の発光装置の断面図を示す。図7では、基板7000上に、トランジスタ7001〜7003が形成されている。トランジスタ7001〜7003は第1の層間絶縁膜7004で覆われており、第1の層間絶縁膜7004上には、コンタクトホールを介してトランジスタ7001〜7003のドレインと電気的に接続されている配線7005〜7007が形成されている。
そして配線7005〜7007を覆うように、第1の層間絶縁膜7004上に、第2の層間絶縁膜7008と第3の層間絶縁膜7009とが積層されている。なお、第1の層間絶縁膜7004と第2の層間絶縁膜7008は、有機樹脂膜、無機絶縁膜、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O結合とSi−CHx結晶手を含む絶縁膜等を用いることができる。本実施例では非感光性のアクリルを用いる。第3の層間絶縁膜7009は、水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法で形成された窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。
第3の層間絶縁膜7009上には、コンタクトホールを介して配線7005〜7007に電気的に接続された、配線7010〜7012が形成されている。配線7010〜7012の一部は発光素子の第1の電極として機能している。なお図7では、図2に示した画素と異なり、第1の電極とTFTに直接接続されている配線とが異なる層に形成されているので、第1の電極のレイアウトの面積を広げることができ、よって、発光素子として光が得られる領域を広げることができる。
また第3の層間絶縁膜7009上には、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O結合とSi−CHx結合を含む絶縁膜や、有機樹脂膜、無機絶縁膜など、を用いて形成された隔壁7013が形成されている。隔壁7013は開口部を有しており、該開口部において、第1の電極として機能する配線7010〜7012と電界発光層7014〜7016と第2の電極7017が重なり合うことで発光素子7018〜7020が形成されている。電界発光層7014〜7016は、複数の層が積層された構成を有している。なお、隔壁7013及び第2の電極7017上に、保護膜を成膜しても良い。この場合、保護膜は水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法で形成された窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。また上述した水分や酸素などの物質を透過させにくい膜と、該膜に比べて水分や酸素などの物質を透過させやすい膜とを積層させて、保護膜として用いることも可能である。
また隔壁7013は、電界発光層7014〜7016が成膜される前に、吸着した水分や酸素等を除去するために真空雰囲気下で加熱しておく。具体的には、100℃〜200℃、0.5〜1時間程度、真空雰囲気下で加熱処理を行なう。望ましくは3×10-7Torr以下とし、可能であるならば3×10-8Torr以下とするのが最も望ましい。そして、隔壁7013に真空雰囲気下で加熱処理を施した後に電界発光層7014〜7016を成膜する場合、成膜直前まで真空雰囲気下に保つことで、信頼性をより高めることができる。
また隔壁7013の開口部における端部は、隔壁7013上に一部重なって形成されている電界発光層7014〜7016に、該端部において穴があかないように、丸みを帯びさせることが望ましい。具体的には、開口部における隔壁7013の断面が描いている曲線の曲率半径が、0.2〜2μm程度であることが望ましい。
上記構成により、後に形成される電界発光層7014〜7016や第2の電極7017のカバレッジを良好とすることができ、配線7010〜7012と第2の電極7017が電界発光層7014〜7016に形成された穴においてショートするのを防ぐことができる。また電界発光層7014〜7016の応力を緩和させることで、発光領域が減少するシュリンクとよばれる不良を低減させることができ、信頼性を高めることができる。
なお図7では、隔壁7013として、ポジ型の感光性のアクリル樹脂を用いた例を示している。感光性の有機樹脂には、光、電子、イオンなどのエネルギー線が露光された箇所が除去されるポジ型と、露光された箇所が残るネガ型とがある。本発明ではネガ型の有機樹脂膜を用いても良い。また感光性のポリイミドを用いて隔壁7013を形成しても良い。ネガ型のアクリルを用いて隔壁7013を形成した場合、開口部における端部が、S字状の断面形状となる。このとき開口部の上端部及び下端部における曲率半径は、0.2〜2μmとすることが望ましい。
また配線7010〜7012は、光が透過しないような材料を用い、その表面が平坦化されるように、CMP法を用いて研磨、あるいはポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、配線7010〜7012の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
また7021は、発光素子7018〜7020を封止するためのカバー材であり、透光性を有している。カバー材7021には、可視光を遮蔽するための遮蔽膜7022と、各色の画素に対応した着色層7023〜7025とを有するカラーフィルター7026が形成されている。図7では、着色層7023において、発光素子7018から発せられる光のうち、赤色の波長領域の光が選択的に透過される。また着色層7024において、発光素子7019から発せられる光のうち、緑色の波長領域の光が選択的に透過される。また着色層7025において、発光素子7020から発せられる光のうち、青色の波長領域の光が選択的に透過される。
なお図7では、遮蔽膜7022に、黒色の顔料と乾燥剤とを樹脂に分散させて形成する。上記構成により、発光素子の劣化を防ぐことができる。
遮蔽膜7022は、発光素子7018〜7020どうしの間と重なるようにレイアウトされており、遮蔽膜7022により、発光素子の光が、隣接する画素に対応する着色層を透過してしまうのを防ぐことができる。
なお図7では、各色に対応する画素ごとに、含まれる電界発光材料または素子構成が異なる電界発光層7014〜7016を用いているが、本発明は必ずしもこの構成に限定されない。少なくとも、2つの色に対応する画素において、含まれる電界発光材料または素子構成が互いに異なる電界発光層を用いていれば良い。
そして本発明では、電界発光層7014〜7016上に形成される第2の電極7017は、上述したようなITO、ITSO、IZOなどの透明導電膜を用いており、スパッタ法で形成されている。そして各電界発光層7014〜7016は、第2の電極7017に接する最も上の層が、金属酸化物またはベンゾオキサゾール誘導体を含んでいる。
なお、カバー材7021と基板7000とによって形成された密閉状態の空間には、不活性ガスまたは樹脂などで充填したり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりしても良い。図8に、図2に示した発光装置において、基板とカバー材とで形成される密閉された空間に、乾燥剤8002が分散された樹脂8001を充填している様子を示す。図8に示すように、乾燥剤を内部に分散させることで、発光素子の信頼性が向上する。
また、図2、図8では、カバー材にカラーフィルターを設けているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図9に示すように、発光素子901〜903上に重なるように、インクジェット法などを用いて、着色層904〜906を形成しても良い。この場合、発光素子901〜903を封止するのに、カバー材ではなく樹脂を用いることができるので、カバー材を設ける場合に比べて光の取り出し効率を高めることができる。
なお、本発明は上述した作製方法に限定されず、公知の方法を用いて作製することが可能である。
本発明の発光装置に用いられるトランジスタは、多結晶半導体を用いたTFTであっても良いし、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体を用いたTFTであっても良い。本実施例では、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体を用いて形成されたTFTの構成について説明する。
図10(A)に、駆動回路に用いられるTFTの断面図と、画素部に用いられるTFTの断面図を示す。1001は駆動回路に用いられるTFTの断面図に相当し、1002は画素部に用いられるTFTの断面図に相当し、1003は該TFT1002によって電流が供給される発光素子の断面図に相当する。TFT1001、1002は逆スタガ型(ボトムゲート型)である。
駆動回路のTFT1001は、基板1000上に形成されたゲート電極1010と、ゲート電極1010を覆っているゲート絶縁膜1011と、ゲート絶縁膜1011を間に挟んでゲート電極1010と重なっている、セミアモルファス半導体またはアモルファス半導体で形成された第1の半導体膜1012とを有している。さらにTFT1001は、ソース領域またはドレイン領域として機能する一対の第2の半導体膜1013と、第1の半導体膜1012と第2の半導体膜1013の間に設けられた第3の半導体膜1014とを有している。
図10(A)では、ゲート絶縁膜1011が2層の絶縁膜で形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。ゲート絶縁膜1011が単層または3層以上の絶縁膜で形成されていても良い。
また第2の半導体膜1013は、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成されており、該半導体膜に一導電型を付与する不純物が添加されている。そして一対の第2の半導体膜1013は、第1の半導体膜1012のチャネルが形成される領域を間に挟んで、向かい合っている。
また第3の半導体膜1014は、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成されており、第2の半導体膜1013と同じ導電型を有し、なおかつ第2の半導体半導体膜1013よりも導電性が低くなるような特性を有している。第3の半導体膜1014はLDD領域として機能するので、ドレイン領域として機能する第2の半導体膜1013の端部に集中する電界を緩和し、ホットキャリア効果を防ぐことができる。第3の半導体膜1014は必ずしも設ける必要はないが、設けることでTFTの耐圧性を高め、信頼性を向上させることができる。なお、TFT1001がn型である場合、第3の半導体膜1014を形成する際に特にn型を付与する不純物を添加せずとも、n型の導電性が得られる。よって、TFT1001がn型の場合、必ずしも第3の半導体膜1014にn型の不純物を添加する必要はない。ただし、チャネルが形成される第1の半導体膜1012には、p型の導電性を付与する不純物を添加し、極力I型に近づくようにその導電型を制御しておく。
また、一対の第2の半導体膜1013に接するように、2つの配線1015が形成されている。配線1015の一方は、異方性導電樹脂1050を介してICチップ1051に接続されている。なおICチップ1051は、単結晶の半導体を用いて形成されていても良いし、ガラス基板上に形成された多結晶半導体を用いて形成されていても良い。なおICチップ1051を発光素子の封止に用いるシール材1052と重なるようにレイアウトすることで、画素部周辺の額縁領域の大きさを抑えることができる。
画素部のTFT1002は、基板1000上に形成されたゲート電極1020と、ゲート電極1020を覆っているゲート絶縁膜1011と、ゲート絶縁膜1011を間に挟んでゲート電極1020と重なっている、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成された第1の半導体膜1022とを有している。さらにTFT1002は、ソース領域またはドレイン領域として機能する一対の第2の半導体膜1023と、第1の半導体膜1022と第2の半導体膜1023の間に設けられた第3の半導体膜1024とを有している。
また第2の半導体膜1023は、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成されており、該半導体膜に一導電型を付与する不純物が添加されている。そして一対の第2の半導体膜1023は、第1の半導体膜1022のチャネルが形成される領域を間に挟んで、向かい合っている。
また第3の半導体膜1024は、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成されており、第2の半導体膜1023と同じ導電型を有し、なおかつ第2の半導体膜1023よりも導電性が低くなるような特性を有している。第3の半導体膜1024はLDD領域として機能するので、ドレイン領域として機能する第2の半導体膜1023の端部に集中する電界を緩和し、ホットキャリア効果を防ぐことができる。第3の半導体膜1024は必ずしも設ける必要はないが、設けることでTFTの耐圧性を高め、信頼性を向上させることができる。なお、TFT1002がn型である場合、第3の半導体膜1024を形成する際に特にn型を付与する不純物を添加せずとも、n型の導電性が得られる。よって、TFT1002がn型の場合、必ずしも第3の半導体膜1024にn型の不純物を添加する必要はない。ただし、チャネルが形成される第1の半導体膜1022には、p型の導電性を付与する不純物を添加し、極力I型に近づくようにその導電型を制御しておく。
また、一対の第2の半導体膜1023に接するように、配線1025が形成されている。
また、TFT1001、1002及び配線1015、1025を覆うように、絶縁膜からなる第1のパッシベーション膜1040、第2のパッシベーション膜1041が形成されている。TFT1001、1002を覆うパッシベーション膜は2層に限らず、単層であっても良いし、3層以上であっても良い。例えば第1のパッシベーション膜1040を窒化珪素、第2のパッシベーション膜1041を酸化珪素で形成することができる。窒化珪素または窒化酸化珪素でパッシベーション膜を形成することで、TFT1001、1002が水分や酸素などの影響により、劣化するのを防ぐことができる。
そして、配線1025の一方は、発光素子1003の第1の電極1030に接続されている。また第1の電極1030上に接するように、電界発光層1031が、該電界発光層1031に接するように第2の電極1032が形成されている。
次に、本発明の発光装置が有するTFTの、図10(A)とは異なる形態について説明する。図10(B)に、駆動回路に用いられるTFTの断面図と、画素部に用いられるTFTの断面図を示す。1101は駆動回路に用いられるTFTの断面図に相当し、1102は画素部に用いられるTFTの断面図に相当し、1103は該TFT1102によって電流が供給される発光素子の断面図に相当する。
駆動回路のTFT1101と画素部のTFT1102は、基板1100上に形成されたゲート電極1110、1120と、ゲート電極1110、1120を覆っているゲート絶縁膜1111と、ゲート絶縁膜1111を間に挟んでゲート電極1110、1120と重なっている、セミアモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成された第1の半導体膜1112、1122とをそれぞれ有している。そして、第1の半導体膜1112、1122のチャネル形成領域を覆うように、絶縁膜で形成されたチャネル保護膜1160、1161が形成されている。チャネル保護膜1160、1161は、TFT1101、1102の作製工程において、第1の半導体膜1112、1122のチャネル形成領域がエッチングされてしまうのを防ぐために設ける。さらにTFT1101、1102は、ソース領域またはドレイン領域として機能する一対の第2の半導体膜1113、1123と、第1の半導体膜1112、1122と第2の半導体膜1113、1123の間に設けられた第3の半導体膜1114、1124とをそれぞれ有している。
図10(B)では、ゲート絶縁膜1111が2層の絶縁膜で形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。ゲート絶縁膜1111が単層または3層以上の絶縁膜で形成されていても良い。
また第2の半導体膜1113、1123は、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成されており、該半導体膜に一導電型を付与する不純物が添加されている。そして一対の第2の半導体膜1113、1123は、第1の半導体膜1112、1122のチャネルが形成される領域を間に挟んで、向かい合っている。
また第3の半導体膜1114、1124は、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体で形成されており、第2の半導体膜1113、1123と同じ導電型を有し、なおかつ第2の半導体膜1113、1123よりも導電性が低くなるような特性を有している。第3の半導体膜1114、1124はLDD領域として機能するので、ドレイン領域として機能する第2の半導体膜1113、1123の端部に集中する電界を緩和し、ホットキャリア効果を防ぐことができる。第3の半導体膜1114、1124は必ずしも設ける必要はないが、設けることでTFTの耐圧性を高め、信頼性を向上させることができる。なお、TFT1101、1102がn型である場合、第3の半導体膜1114、1124を形成する際に特にn型を付与する不純物を添加せずとも、n型の導電性が得られる。よって、TFT1101、1102がn型の場合、必ずしも第3の半導体膜1114、1124にn型の不純物を添加する必要はない。ただし、チャネルが形成される第1の半導体膜1112、1122には、p型の導電性を付与する不純物を添加し、極力I型に近づくようにその導電型を制御しておく。
また、一対の第2の半導体膜1113、1123に接するように、2つの配線1115と、2つの配線1125が形成されている。配線1115の一方は、異方性導電樹脂1150を介してICチップ1151に接続されている。なおICチップ1151は、単結晶の半導体を用いて形成されていても良いし、ガラス基板上に形成された多結晶半導体を用いて形成されていても良い。なおICチップ1151を発光素子の封止に用いるシール材1152と重なるようにレイアウトすることで、画素部周辺の額縁領域の大きさを抑えることができる。
また、TFT1101、1102及び配線1115、1125を覆うように、絶縁膜からなる第1のパッシベーション膜1140、第2のパッシベーション膜1141が形成されている。TFT1101、1102を覆うパッシベーション膜は2層に限らず、単層であっても良いし、3層以上であっても良い。例えば第1のパッシベーション膜1140を窒化珪素、第2のパッシベーション膜1141を酸化珪素で形成することができる。窒化珪素または窒化酸化珪素でパッシベーション膜を形成することで、TFT1101、1102が水分や酸素などの影響により、劣化するのを防ぐことができる。
そして、配線1125の一方は、発光素子1103の第1の電極1130に接続されている。また第1の電極1130上に接するように、電界発光層1131が、該電界発光層1131に接するように第2の電極1132が形成されている。
なお本実施例では、アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体を用いたTFTで発光装置の駆動回路と画素部を同じ基板上に形成した例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。アモルファス半導体またはセミアモルファス半導体を用いたTFTで画素部を形成し、該画素部が形成された基板に別途形成された駆動回路を貼り付けても良い。
またゲート電極や配線などをインクジェット法で形成しても良い。図11(A)に、インクジェット法を用いて形成された画素の断面図を一例として示す。図11(A)において1201はボトムゲート型のTFTであり、発光素子1202と電気的に接続されている。TFT1201は、ゲート電極1203と、ゲート電極1203上に形成されたゲート絶縁膜1204と、ゲート絶縁膜1204上に形成された第1の半導体膜1205と、前記第1の半導体膜1205上に形成された第2の半導体膜1206とを有している。なお第1の半導体膜1205はチャネル形成領域として機能する。そして第2の半導体膜1206には、導電型を付与する不純物が添加されており、ソースまたはドレインとして機能する。
また第2の半導体膜1206に接するように配線1208が形成されており、配線1208は、発光素子1202が有する第1の電極1209と接続されている。また発光素子1202は、第1の電極1209と、前記第1の電極1209上に形成された電界発光層1210と、前記電界発光層1210上に形成された第2の電極1211とを有している。
図11(A)に示す発光装置では、ゲート電極1203、配線1208、第1の電極1209、電界発光層1210、パターン形成に用いるマスクなどを、インクジェット法で形成することができる。
また図11(B)に、インクジェット法を用いて形成された画素の断面図を一例として示す。図11(B)では、ボトムゲート型のTFT1220が有する第1の半導体膜1221上に、第2の半導体膜1222及び配線1223をパターニングする際に、第1の半導体膜1221がエッチングされてしまうのを防ぐことができる絶縁膜(エッチングストッパー)1224が形成されている。
本発明の発光装置では、電界発光層上に形成される第2の電極として、透明導電膜を用いている。一般的にITO、ITSO、IZOに代表される透明導電膜は、Alなどの金属に比べて導電率が低い傾向にある。第2の電極のシート抵抗が高いと、電圧降下により輝度の低下が起こってしまい好ましくない。そこで本発明では電圧降下を抑えるために、第2の電極よりも導電率の高い材料を用い、第2の電極上に補助電極を形成しても良い。
図12に、補助電極が形成された、本発明の発光装置の断面図を示す。図12において、1301は発光素子、1302は発光素子1301に電流を供給するためのトランジスタに相当する。また1303は第1の電極、1304は電界発光層、1305は第2の電極に相当する。隔壁1306の開口部において、第1の電極1303と、電界発光層1304と、第2の電極1305とが重なり合っている部分が、発光素子1301に相当する。
第2の電極1305は、ITO、ITSO、IZOに代表される透明導電膜で形成されており、透光性を有している。そして第2の電極1305上には、補助電極1307が形成されている。具体的に補助電極1307は、隔壁1306と重なる領域に形成されている。
第2の電極1305と補助電極1307との合成抵抗は、第2の電極1305だけの抵抗よりも低いため、補助電極1307を形成することにより、電圧降下に伴う輝度の低下を防ぐことができる。
本実施例では、本発明の発光装置の一形態に相当するパネルの外観について、図13を用いて説明する。図13(A)は、基板上に形成されたトランジスタ及び発光素子を、カバー材との間にシール材によって封止した、パネルの上面図であり、図13(B)は、図13(A)のA−A’における断面図に相当する。
基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004の上にカバー材4006が設けられている。よって画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは、基板4001とシール材4005とカバー材4006とによって、充填材4007と共に密封されている。
また基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図13(B)では、信号線駆動回路4003に含まれるトランジスタ4008、4009と、画素部4002に含まれるトランジスタ4010とを示す。
また4011は発光素子に相当し、トランジスタ4010と電気的に接続されている。
また引き回し配線4014は、画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004に、信号または電源電圧を供給するための配線に相当する。引き回し配線4014は、引き回し配線4015を介して接続端子4016と接続されている。接続端子4016は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
なお、基板4001としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックスのほか、プラスチックに代表されるようなフレキシブルな素材を用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。またカバー材4006は、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
カバー材4006には、着色層4012と遮蔽膜4013とを有するカラーフィルター4017が形成されている。着色層4012によって、発光素子4011から発せられた光のうち、特定の波長領域の光が選択的に取り出される。
また、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施例では充填材として窒素を用いた。
また充填材4007を吸湿性物質(好ましくは酸化バリウム)もしくは酸素を吸着しうる物質にさらしておくために、カバー材4006の基板4001側の面に凹部4007を設けて吸湿性物質または酸素を吸着しうる物質を配置しても良い。
本発明の発光装置は、色純度が高く、また消費電力の割に光の取り出し効率が高く、画像のコントラストを高めることができる。従って、太陽光などの外光が照射されていても、消費電力をおさえつつ鮮明な画像を表示することができるため、使用場所を比較的選ばずに使用できるところがメリットとして大きい。従って、テレビなどの他、携帯用の電子機器などに非常に適している。
具体的に本発明の発光装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD:Digital Versatile Disc)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図14に示す。
図14(A)は表示装置であり、筐体2001、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の発光装置を表示部2003に用いることで、本発明の表示装置が完成する。発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。なお、発光素子表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図14(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の発光装置を表示部2203に用いることで、本発明のノート型パーソナルコンピュータが完成する。
図14(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明の発光装置を表示部A2403、B2404に用いることで、本発明の画像再生装置が完成する。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施例の電子機器は、実施例1〜7に示したいずれの構成の発光装置を用いても良い。
発光素子から発せられる光の色と、着色層を透過する光の色との関係を、模式的に示す図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置における発光素子の構成を示す図。
本発明の発光装置が有する画素の上面図。
着色層における光の波長と透過率の関係を示す図。
本発明の発光装置における発光素子の構成を示す図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置の断面図。
本発明の発光装置の上面図及び断面図。
本発明の発光装置を用いた電子機器の図。