[go: up one dir, main page]

JP4771121B2 - ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法 - Google Patents

ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4771121B2
JP4771121B2 JP2005212088A JP2005212088A JP4771121B2 JP 4771121 B2 JP4771121 B2 JP 4771121B2 JP 2005212088 A JP2005212088 A JP 2005212088A JP 2005212088 A JP2005212088 A JP 2005212088A JP 4771121 B2 JP4771121 B2 JP 4771121B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zirconium
nanostructure
substrate
zirconium oxide
mainly composed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005212088A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007031732A (ja
Inventor
ショウチク ショ
健二 和田
井上  悟
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2005212088A priority Critical patent/JP4771121B2/ja
Publication of JP2007031732A publication Critical patent/JP2007031732A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4771121B2 publication Critical patent/JP4771121B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

本発明は、ジルコニウムを陽極酸化することにより得られるジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法に関する。詳しくは、Al/Zrの二層構造物を陽極酸化することにより得られるジルコニウム酸化物ナノ構造体とその製造方法に関する。
今日まで、Alを中心としてバブル金属の薄膜や板材あるいは押出材を用いて、陽極酸化によりその表面に金属酸化物からなる多孔質皮膜やナノ構造体を作成して、様々な用途に供するための試みと努力がなされてきた。こうした長年の努力と経験から、結果としてアルミニウムだけが取り分け特別な金属であり、酸及びアルカリ溶液中で、簡単にナノ領域の多孔質皮膜を生成し、生成した孔をテンプレートとして超微細な構造体、すなわちナノ構造体(ナノドット、ナノロッド、ナノファイバー、ナノホール、ナノチューブ等)を生成することができ、ナノホールを中心に多くの用途に利用されている(特許文献1、2)。
Al以外の金属では、本発明者らにおいてこの出願前にTiのナノ構造体について学術文献に報告をした(非特許文献1)。また、Mgに関する情報が幾つか見られるものの、Alのような多孔質化やナノ構造体化にはまだ成功していない。従来のMgの陽極酸化で得られる酸化皮膜は非晶質皮膜として得られ、そこに形成された孔の状態も、Alの陽極酸化で得られる多孔質アルミナなのように綺麗に配列した構造ではなく、噴火口状ないしはスポンジ状を呈し、大小の孔、穴がランダムに分布した状態である。特殊な電解液を用いて結晶質の皮膜を形成することもできるが、その場合でも生成する皮膜に形成される多孔質構造は噴火口・スポンジ状であり、Alの陽極酸化によって得られる秩序よく配列した孔からなる多孔質アルミナとは異なるもので、その孔の制御も容易ではない。従って、Alの陽極酸化のようにナノ構造物を作製するテンプレートとして使用することもできないものであった。
これ以外のバブル金属ではTa、Nb、Zr、Si等の金属の陽極酸化によるナノ構造体作製に必要なテンプレートとしての多孔質化が期待されているが、今日これらについての報告は極めて少なくNb、Taについては物理的手法による蒸着膜についての結果が僅かに見られるにすぎない。
Zrについてはホウ酸やホウ酸アンモニウムなどの弱酸または中性溶液を電解液とすれば、二酸化ジルコニウム(ZrO2)のバリヤー型皮膜が生成することが知られている。
しかし、今日まで、多孔質構造の形成にはまだ成功していない。
ジルコニウム酸化物は、電気材料、光学材料、触媒、セラミックス等々各種技術分野で基本的な材料の一つとして使用され、欠くことのできない材料である。一方、今日の技術革新は、ナノレベルの超微細構造に制御された形態を実現することによって、ナノ効果を発現する材料開発が求められ、このような要請はジルコニウム酸化物においても例外ではない。しかし、従来技術は如上のとおりであり、陽極酸化によるナノ構造体の製造にはまだ成功していない。陽極酸化は、制御のしやすい、低コスト、量産化に適った技術であるということができ、陽極酸化プロセスによってナノ構造体を提供することができれば、極めて有利であり、産業の発展に寄与することは明らかであり、この方法によるナノ構造物の提供は各種技術分野から大いに注目され、その成功が待たれている。
特開平7−62595号公報 特開2003−73859号公報 (社)電気化学会2003年秋季大会予稿集、P162、発行日2003年9月11日
本発明は、上記要請に応え、ジルコニウムを陽極酸化することによって、多孔質化を図り、孔をテンプレートとしてジルコニウム酸化物を得、これによってナノ構造物を提供しようというものである。陽極酸化によるナノ構造の生成および成長は、電解液と電圧(電場強度)による基体金属の化学溶解とその酸化物の電気化学的な溶解と酸化物の生成速度とのバランスによって決まる。Alの場合には酸化皮膜生成と溶解とのバランスがほぼ一対一であるため、皮膜はバリヤー型皮膜のみならずナノ構造化する。これに対してZrでは、皮膜の生成(Zrの酸化)に対する電解液による化学溶解と電気化学溶解が弱いため、皮膜はバリヤー型となりナノ構造化し得なかったものと考えられる。
そのため、本発明者らにおいて鋭意研究した結果、ジルコニウム基体表面にアルミニウムを蒸着し、これを陽極酸化することによって、ジルコニウム基体表面のアルミニウムが多孔質アルミナに転換され、この孔を介して下地層ジルコニウムが陽極酸化され、該孔をテンプレートとしてジルコニウム金属酸化物のナノホール、ナノドット、ナノロッドが生成することを知見した。本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その構成は以下(1)〜()に記載の通りである。
(1)ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化することによって形成されたナノ構造を有しており、前記ナノ構造がナノロッドを有する構造であり、前記ナノロッドは、径が35.7nm以上66.7nm以下の略円柱状のロッドであることを特徴とする、ジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
)前記ジルコニウムを主成分とする基体が、陽極酸化により可視光透過ジルコニウム酸化物に転換されることを特徴とする、(1)に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
(3)前記ジルコニウムを主成分とする基体が、陽極酸化により結晶質のジルコニウム酸化物に転換されることを特徴とする、(1)又は(2)に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
(4) 前記ジルコニウムを主成分とする基体が、光透過性基板の上に形成され、陽極酸化後に光透過性ナノ構造体に転換されてなるものであることを特徴とする、(1)ないし(3)項の何れか1項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
(5) (1)ないし(4)の何れかに記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法であって、ジルコニウムを主成分とする基体上にアルミニウムを主成分とする膜を配置するステップと、前記アルミニウムを主成分とする膜を陽極酸化して細孔が配列するアルミナ皮膜を形成するステップと、次いで前記ジルコニウムを主成分とする基体を細孔が配列したアルミナ皮膜を介して陽極酸化するステップ、とを有することを特徴とする、ジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
(6) 前記ジルコニウムを主成分とする基体が、任意の基板上に物理気相成長法により形成して得られてなるものであることを特徴とする、(5)に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
(7) 前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電位または定電流方式であることを特徴とする、(5)又は(6)項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
(8) 前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電位方式であり、前記定電位方式陽極酸化に使用する電解液が、酸性溶液であることを特徴とする、(5)又は(6)項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
(9) 前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電流方式であり、前記定電流方式陽極酸化に使用する電解液が、酸性溶液であることを特徴とする、(5)又は(6)項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
すなわち、本発明は要約すると、上述したようにジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化することにより形成されるナノ構造体であり、ジルコニウムを主成分とする基体上に、貫通孔を有するアルミナ皮膜を形成するステップと、次いで該アルミナ皮膜を介してジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化するステップとを有する製造方法によって好適に製造される。その生成の機構については図面に基づいて後述するが、概略、次のように考えられる。すなわち、ジルコニウムは多孔質アルミナによってマスキングされ、これによって陽極酸化される領域が多孔質アルミナの孔に限定され、限定された下地層領域に陽極酸化における電解電流が局部的に集中し、一種の孔食が進行し、酸化、溶解、堆積が進行し、時間的経過によって、ナノドットからナノロッドへと転換されていくものと考えられる。
すなわち、本発明は、(1)ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化することにより形成されることを特徴とするナノ構造体である。ここに、ジルコニウムを主成分とする基体は、ジルコニウムを基板上に真空蒸着やスパッタリング等の物理気相成長法で形成したものや薄膜、板材等から選択することができる。
また、ナノ構造体とは、陽極酸化した基体から切り離した、個々のナノドットやナノロッドのように単独のものも、あるいは、陽極酸化した基体から分離することなく、基体に付着した状態の、基体を含めたものをも指し、含むものである。
ジルコニウムを主成分とする意味は、ジルコニウム以外の金属を含み、陽極酸化されうるジルコニウム合金を含むものである。
また、本発明のナノ構造体は、ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化することにより形成されたナノロッドを有してなるナノ構造体である
また、()本発明のナノ構造体は、上記(1)のナノ構造体において、前記陽極酸化され、可視光を透過するナノ構造体であり得る。
また、()本発明のナノ構造体は、上記(1)のナノ構造体において、陽極酸化され、結晶質によって構成されるナノ構造体であり得る。
また、()本発明のナノ構造体は、光透過性基板上に形成され、陽極酸化され、光透過性ナノ構造体であり得る。
すなわち、この構成によって光を透過する基板を採用し、その上に可視光を透過するナノ構造体が配置されることにより、基板を含めて可視光が透過する材料とすることができる。特に、基板とナノ構造体が透明であれば、ナノ構造体に発光材料等を組み合わせることにより、透明なディスプレー等の表示装置等を容易に実現することができる。
また、本発明は、((1)ないし(4)の何れかに記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法であって、ジルコニウムを主成分とする基体上にアルミニウムを主成分とする膜を配置するステップと、前記アルミニウムを主成分とする膜を陽極酸化して細孔が配列するアルミナ皮膜を形成するステップと、次いで前記ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化するステップと、を有することを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
ジルコニウムを主成分とする基体としては、基板の上にジルコニウムをスパッタリングや真空蒸着等により成膜加工したものや、ジルコニウムを圧延したシート等が採用できるが、必ずしも膜状のものに限定されるものではなく、用途によって適当な形状のものを採用することができる。また、ジルコニウムが膜状の場合、特に限定はされないが、厚さ50nm〜5000nmが好ましく、望ましくは50nm〜2000nm、さらに望ましくは100nm〜1000nmの範囲にあることが効果的である。
また、アルミナ皮膜の細孔の直径は、ナノ構造体に対応したものであればよく、限定されるものではないが、具体的には、10nm〜600nmが好ましく、望ましくは10nm〜200nm、さらに望ましくは20nm〜100nmの直径のものが好適である。また、厚さは、特に限定されないが、300nm〜20mが好ましく、望ましくは500nm〜10m、さらに望ましくは1μm〜5μmの範囲にあることが効果的である。
また、本発明は、()基板上にジルコニウムを主成分とする基体を物理気相成長法により形成するステップと、前記基体の表面にアルミニウムを主成分とする膜を物理気相成長法により形成するステップと、前記アルミニウムを主成分とする膜を陽極酸化して細孔が配列するアルミナ皮膜を形成するステップと、前記ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化するステップと、を有することを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
本発明においては、陽極酸化を進めるに際して用意するAl/Zr二層構造は、アルミニウムを主成分とする膜やジルコニウムを主成分とする基体を物理気相成長法によって用意することが好ましい。その理由の一つには、物理気相成長法により薄膜が均一に形成され得るためである。また、バルク金属と異なり積層薄膜の超微粒子間には隙間が存在し、程良い大きさの超微粒子が程良く緻密に積まれているので、陽極酸化時に電解液がこうした微小隙間に浸入して生成する酸化皮膜の細孔径や細孔の配列を適切にするための制御が容易であることも挙げられる。
また、本発明は、()上記()又は()のナノ構造体の製造方法において、前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電位または定電流方式であることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
また、本発明は、()上記()又は()のナノ構造体の製造方法において、前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電位方式であり、前記定電位方式陽極酸化に使用する電解液が、酸性溶液であることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
酸性溶液としては、単独の無機酸、複数種の無機酸の混合液、単独の有機酸、複数種の有機酸の混合液、さらにそれらの混合液を採用することができる。無機酸としては硫酸、リン酸、クロム酸から選ばれることが好ましい。有機酸としてはマロン酸、コハク酸、シュウ酸から選ばれることが好ましい。また、前記酸性溶液にフッ素イオンを含む塩類又は酸類、塩素酸類及び硝酸または硝酸塩類からなる少なくても一種を添加することも好適である。さらに、電解液がpH2以下の強酸性電解液であることが好ましく、pH1以下の強酸性電解液であればさらに好ましい。このように陽極酸化の条件を定めることにより、容易に酸化ジルコニウムのナノホール(ナノ構造体)を形成することができる。
また、()本発明は、上記()又は()のナノ構造体の製造方法において、前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電流方式であり、前記定電流方式陽極酸化に使用する電解液が、酸性溶液であることを特徴とするナノ構造体の製造方法である。
酸性溶液としては、単独の無機酸、複数種の無機酸の混合液、単独の有機酸、複数種の有機酸の混合液、さらにそれらの混合液を採用することができる。また、Fー、Clー、
またはNO3 -イオンを含まないようにすることが好適である。また、前記無機酸としては、硫酸、リン酸の中から1種類又は複数種が選ばれることが好ましい。また、有機酸としては、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸の中から1種類又は複数種が選ばれることが好ましい。電解液がpH3以上の、6.5以下の酸性電解液であることが好ましい。
本発明は、このように陽極酸化の条件を適宜定めることにより、容易に酸化ジルコニウムのナノドット、ナノロッド、ナノワイヤー、ナノファイバー(ナノ構造体)を形成することができる。反応条件としては、反応時間も含まれることは勿論である。ナノロッド、ナノワイヤーの長さは、反応時間によっても支配される。
本発明は、ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化するにおいて、該基体を反応性のある雰囲気に曝すことなくその表面にアルミニウムを主成分とする膜を一体化成膜により形成する。すなわち、アルミニウムとジルコニウム金属との界面には、不純物が存在しないようにすることが極めて重要であり、これを怠ると、陽極酸化工程中に、ジルコニウムを主成分とする基体上の酸化アルミニウムを主成分とする膜との剥離が生じ、ナノ構造体を得ることができなくなるが、この不都合な現象を防ぐことができる。また、その方法としては、基板にジルコニウムをスパッタした後、真空度を保ったままアルミニウムをスパッタ成膜する等の方法が有効であり、採用できる。
本発明のナノ構造体及びその製造方法によれば、耐化学性、耐熱性、層ゲート絶縁性、誘電性、圧電性等の特性に優れた次世代の結晶性酸化物(ZrO2)からなるナノ配列構
造体を製造することができ、今日先端技術分野での絶縁材料として使われているアルミナ系、シリカ系、チタニヤ系材料に換わる材料として回路基板などとしての応用が期待できる。また誘電体、圧電体などの電子材料としての応用が期待されている。さらに、燃料電池などの分野での隔壁としての利用も可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図6〜図11を参照しながら説明する。本発明においては、図6に示すように、基板1の上に形成されたジルコニウムを主成分とする基体2表面にアルミニウムを主成分とする膜3を配置するステップと、図7に示すように、アルミニウムを主成分とする膜3を陽極酸化して細孔32が配列するアルミナ皮膜31を形成するステップと、ジルコニウムを主成分とする基体2を陽極酸化するステップからナノ構造体が製造される。
ジルコニウムを主成分とする基体2は、例えば、透明ガラス基板1の上にジルコニウムをスパッタリングや真空蒸着することにより製造される。また、アルミニウムを主成分とする膜3を配置する方法としては、スパッタリングや真空蒸着が採用できる。そのアルミニウムを主成分とする膜3を陽極酸化して細孔32が配列するアルミナ皮膜を形成する。これらの細孔32は、アルミナ膜の表面から裏面に実質的に貫通していることが必要である。実質的に貫通しているという意味は、アルミナ膜の細孔部分で、ジルコニウムを陽極酸化することができる電気的性質を備えているということである。
ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化する方法としては、定電位又は定電流方式を採用することができる。定電位方式陽極酸化の場合使用する電解液は酸性溶液であることが好ましい。酸性溶液としては、単独の無機酸、複数種の無機酸の混合液、単独の有機酸、複数種の有機酸の混合液、さらにそれらの混合液を採用することができる。無機酸としては硫酸、リン酸、クロム酸から選ばれることが好ましい。有機酸としてはマロン酸、コハク酸、シュウ酸から選ばれることが好ましい。また、前記酸性溶液にフッ素イオンを
含む塩類又は酸類、塩素酸類及び硝酸または硝酸塩類からなる少なくても一種を添加することも好適である。さらに、電解液がpH2以下の強酸性電解液であることが好ましく、pH1以下の強酸性電解液であればさらに好ましい。
このように陽極酸化の条件を定めることにより、図8に示すように、ジルコニウムを主成分とする基体2にナノホール22(ナノ構造体)を容易に形成することができる。ナノホール22はアルミナ層31の細孔32を通してジルコニウムを主成分とする基体2表面を選択的に強烈に陽極酸化するために形成されるものと考えられる。また、表面のアルミナ皮膜31を除去することにより、図9に示す酸化ジルコニウム21が表面に露出したナノホール構造体を得ることができる。
また、定電流方式陽極酸化に使用する電解液は酸性溶液であることが好ましい。酸性溶液としては、単独の無機酸、複数種の無機酸の混合液、単独の有機酸、複数種の有機酸の混合液、さらにそれらの混合液を採用することができる。また、Fー、Clー、またはNO3 -イオンを含まないようにすることが好適である。また、前記無機酸としては、硫酸、リン酸の中から1種類又は複数種が選ばれることが好ましい。また、有機酸としては、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸の中から1種類又は複数種が選ばれることが好ましい。電解液がpH3以上の、6.5以下の酸性電解液であることが好ましい。
このように陽極酸化の条件を定めることにより、ジルコニウムを主成分とする基体2の溶解速度と酸化物の生成速度との割合をあわせることにより酸化ジルコニウムの生成物23の成長を最適にすることができるので、図10に示すように、細孔32の中に酸化ジルコニウムの生成物23を成長させることができる。酸化ジルコニウムの生成物23の成長度合いを調整することにより、ジルコニウムのナノドット、ナノロッド、ナノワイヤー又はナノファイバー(ナノ構造体)を形成することができる。また、表面のアルミナ皮膜31を除去することにより、図11に示す酸化ジルコニウム23が表面に露出したナノ構造体を得ることができる。
上述の方法でジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化することにより、電解液や電圧、電流、陽極酸化の時間等を制御することにより、ナノドット、ナノロッド、ナノチューブ、ナノホール等の細孔構造を有するナノ構造体を製造することができる。
ここに、本発明で使用する基体材料となるジルコニウムの形状は特には限定されないが、通常は板状のものが好適に採用される。また、ジルコニウムの上とは、ジルコニウムが板状の場合、ジルコニウム板の片面又は両面を意味している。
ジルコニウムは薄く形成された方が、ナノ構造体を効果的に形成できる。薄いジルコニウムを形成する方法としては、特に限定はされないが、ガラス等の基体上にジルコニウム膜を物理気相成長法で形成することが効果的である。
透明コーニングガラス基板を用いて、表面に300nmの厚さのZr層をRF(高周波)スパッタリングにより成膜し、その後に空気に晒すことなく、1.5μmの厚さのAl層をRF(高周波)スパッタリングした基板を用い、前処理としてアセトン中で10分間超音波洗浄した試料を陽極酸化に供した。Alの陽極酸化は、10vol%の硫酸溶液中で28Vにて定電位電解によった。次に、Zrの陽極酸化は、10vol%の硫酸溶液中に2mg/Lのフッ化アンモニウムを添加した混合液を電解液とし、30Vにて定電位電解によりZr膜を完全に酸化した。こうして生成した透明かつZrO2の結晶からなる、
基板に対して垂直に配列したナノ細孔を有するナノ構造体を製造した(図1)。
実施例1と同じZr及びAl層をスパッタリングした透明ガラス基板を用いて、実施例1と同様に前処理した試料を陽極酸化に供した。始めに試料を1℃の5 vol%の硫酸溶液中28Vにて定電位電解を行い、電流が零に近い値になるまで陽極酸化した。次に、この試料を75℃の5vol%のリン酸と3wt%クロム酸との混合溶液中に5分間浸せきによりアルミナ皮膜を溶解除去し、ナノドットが配列したナノ構造体を製造した(図2)。
実施例1と同じZr及びAl層をスパッタリングした透明ガラス基板を用いて、実施例1と同様に前処理した試料を陽極酸化に供した。試料を20℃の3wt%ホウ酸溶液中50Vにて定電位電解を行い、電流が零に近い値になるまで陽極酸化した。引き続いて、20℃の4wt%のリンゴ酸溶液中10A/m2の定電流にて250Vまで陽極酸化を行っ
た。次に、この試料を5vol%リン酸と3 wt%クロム酸との混合溶液(75℃)中に5分間浸せきしてアルミナ皮膜を溶解除去し、ナノロッドが配列したナノ構造体を製造した(図3)。
Zr板上にAl層をスパッタリングした基板を用いて、実施例1と同様に前処理した試料を陽極酸化に供した。始めに試料を1℃の10vol%の硫酸溶液中23Vにて定電位電解を行い、電流が零に近い値になるまでAlを陽極酸化した。次に、Zr板の陽極酸化は、10vol%の硫酸溶液中に2mg/Lのフッ化アンモニウムを添加した混合液を電解液とし、30Vにて20分間陽極酸化した。このようにして無色透明な結晶質である多孔質ジルコニアナノ構造体を製造した(図4)。
実施例4までと同じAl層をスパッタ蒸着したガラス基板を用いて、前処理、陽極酸化、細孔径拡大処理までは実施例1と全く同じプロセス、リン酸溶液組成(10wt%、0℃)、電解条件(170V)により処理した細孔径約200nmのリン酸陽極酸化多孔質皮膜を作成した。続くZrの陽極酸化は、5vol%濃度の硫酸溶液中に2mg/Lのフッ化アンモニウム及び1vol%過塩素酸を添加した混合液を電解液とし、60〜100Vにて最後まで陽極酸化した。この様にして無色透明な結晶質である多孔質なナノ構造体を製造した(図5)。
以上、本発明の実施例を図面により説明したが、本発明の具体的構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ジルコニウムやアルミニウムはそれらを主成分とする合金であってもよい。また、基板はガラスではなく、セラミックや合成樹脂等であってもよい。
本発明は、基体上に直接接合して規則配列したナノ構造体が高い比表面積を持ち、耐化学性そして耐熱性(断熱性)、耐磨耗性(硬さ)等の物理的強度に優れ、さらに電気絶縁性、誘電性、圧電性等の電気的特性にも優れたナノ構造体からなる圧電素子・セラミックコンデンサー・デバイス・特殊磁器・光ファイバーコネクターなどの開発に多大な貢献をなすことができる。
本発明のナノ構造体(ナノホール)の電子顕微鏡写真である。 本発明の他のナノ構造体(ナノドット)の電子顕微鏡写真である。 本発明の他のナノ構造体(ナノロッド)の電子顕微鏡写真である。 本発明の他のナノ構造体(透明多孔質)の電子顕微鏡写真である。 本発明の他のナノ構造体(透明多孔質)の電子顕微鏡写真である。 本発明のナノ構造体の製造方法を説明するための断面図である。 図6に続く工程を説明するための断面図である。 本発明のナノホールの製造方法を説明するための断面図である。 図8に続く工程を説明するための断面図である。 本発明のナノロッドの製造方法を説明するための断面図である。 図10に続く工程を説明するための断面図である。
符号の説明
1 基板
2 ジルコニウムを主成分とする基体
21 酸化物ジルコニウム
22 ナノホール
23 酸化ジルコニウムの生成物
3 アルミニウムを主成分とする膜
31 アルミナ皮膜
32 細孔

Claims (9)

  1. ジルコニウムを主成分とする基体を陽極酸化することによって形成されたナノ構造を有しており、前記ナノ構造がナノロッドを有する構造であり
    記ナノロッドは、径が35.7nm以上66.7nm以下の略円柱状のロッドであることを特徴とする、ジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
  2. 前記ジルコニウムを主成分とする基体が、陽極酸化により光透過性ジルコニウム酸化物に転換されることを特徴とする、請求項第1に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
  3. 前記ジルコニウムを主成分とする基体が、陽極酸化により結晶質のジルコニウム酸化物に転換されることを特徴とする、請求項第1又は2に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
  4. 前記ジルコニウムを主成分とする基体が、任意の光透過性基板上に形成されてなるものであることを特徴とする、請求項第1ないし3項の何れか1項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体。
  5. 請求項第1ないし4項の何れか1項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法であって、
    ジルコニウムを主成分とする基体上にアルミニウムを主成分とする膜を配置するステップと、前記アルミニウムを主成分とする膜を陽極酸化して細孔が配列するアルミナ皮膜を形成するステップと、次いで前記ジルコニウムを主成分とする基体を細孔が配列したアルミナ皮膜を介して陽極酸化するステップ、とを有することを特徴とする、ジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
  6. 前記ジルコニウムを主成分とする基体が、任意の基板上に物理気相成長法により形成して得られてなるものであることを特徴とする、請求項5に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
  7. 前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電位または定電流方式であることを特徴とする、請求項第5又は6項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
  8. 前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電位方式であり、前記定電位方式陽極酸化に使用する電解液が、酸性溶液であることを特徴とする、請求項第5又は6項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
  9. 前記ジルコニウムを主成分とする基体の陽極酸化が定電流方式であり、前記定電流方式陽極酸化に使用する電解液が、酸性溶液であることを特徴とする、請求項第5又は6項に記載するジルコニウム酸化物を主成分とするナノ構造体の製造方法。
JP2005212088A 2005-07-22 2005-07-22 ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4771121B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005212088A JP4771121B2 (ja) 2005-07-22 2005-07-22 ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005212088A JP4771121B2 (ja) 2005-07-22 2005-07-22 ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007031732A JP2007031732A (ja) 2007-02-08
JP4771121B2 true JP4771121B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=37791346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005212088A Expired - Fee Related JP4771121B2 (ja) 2005-07-22 2005-07-22 ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4771121B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6154438B2 (ja) * 2015-07-22 2017-06-28 Tsk株式会社 スピーカー用振動板の製造方法
CN111218707B (zh) * 2020-02-28 2021-07-23 湖南大学 一种提高锆合金表面亲水性的方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5925496A (en) * 1998-01-07 1999-07-20 Eastman Kodak Company Anodized zirconium metal lithographic printing member and methods of use
JP3598373B2 (ja) * 2001-09-03 2004-12-08 独立行政法人物質・材料研究機構 基体上に接合して規則化配列したナノ構造体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007031732A (ja) 2007-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102203327B (zh) 含硼薄膜形成方法和叠层结构体
JP3598373B2 (ja) 基体上に接合して規則化配列したナノ構造体およびその製造方法
EP2367969A1 (en) Formation of nanoporous materials
WO2010095661A1 (ja) 金属部材
El-Sayed et al. Controlled growth and monitoring of tantalum oxide nanostructures
JP2022051582A (ja) チタン基材、チタン基材の製造方法、及び、水電解用電極、水電解装置
Park et al. Controlled fabrication of nanoporous oxide layers on zircaloy by anodization
JP2008223073A (ja) 多孔質ナノ構造体及びその製造方法
Imai et al. Facile synthesis of size-and shape-controlled freestanding Au nanohole arrays by sputter deposition using anodic porous alumina templates
JP5816794B2 (ja) 電極箔の製造方法
Chen et al. The microstructure and capacitance characterizations of anodic titanium based alloy oxide nanotube
CN1752296A (zh) 一种氧化铝纳米模板光子晶体的制备方法
JP4771121B2 (ja) ジルコニウム酸化物ナノ構造体及びその製造方法
Yanagishita et al. Preparation of ordered nanohole array structures by anodization of prepatterned Cu, Zn, and Ni
Tsuchiya et al. Metallurgical aspects on the formation of self-organized anodic oxide nanotube layers
Liu et al. Nanoscale electrochemical metallization memories based on amorphous (La, Sr) MnO3 using ultrathin porous alumina masks
JP2010215930A (ja) 金多孔質膜の製造方法および金多孔質膜
JP4788880B2 (ja) バルブ金属酸化物ナノ構造体の製造方法
KR101731906B1 (ko) 원기둥 형태 또는 각기둥 형태의 금속 표면에 산화막을 형성하는 방법
KR101568866B1 (ko) 산화티타늄 나노튜브의 제조방법
Kim et al. On-Wafer Wide-Pore Anodic Aluminum Oxide
Anitha et al. Fabrication of hierarchical porous anodized titania nano-network with enhanced active surface area: Ruthenium-based dye adsorption studies for dye-sensitized solar cell (DSSC) application
KR100999255B1 (ko) 수직 이방성을 가지는 나노기둥 자성박막 제조방법
Zhao et al. Electrochemical fabrication of well-ordered titania nanotubes in H3PO4/HF electrolytes
JP2007031164A (ja) シリコン酸化物ナノ構造体とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees