JP4758205B2 - 成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
本体部品内への水などの侵入を防止するために、本体部品と樹脂部品の接合部(以下では界面と称することがある)には高い気密性が要求される。従来はOリング等のシール材を本体部品の開口部の周囲に貼着してから樹脂部品を射出成形していた。しかしながら、Oリングなどの従来のシール材は高反発性であって圧縮性に乏しく、十分に押し潰した状態で射出成形することができない。そのために、溶融した樹脂を冷却して固化する際の収縮によって樹脂部品とシール材またはシール材と本体部品との界面に隙間ができてしまい、樹脂部品と本体部品の間の気密性が不十分となる可能性があった。
そこで特許文献1には、本体部品に樹脂部品を射出成形する際に、本体部品における樹脂部を射出成形する予定部の周囲に加熱発泡性物質を固定しておき、溶融した樹脂の射出成形時の熱を利用して、本体部品と樹脂部品との間の気密性を確保する技術が提案されている。
特許文献1の技術によれば、加熱発泡性物質が膨張する。膨張したシール材が本体部品と樹脂部品の間の微細な隙間に侵入して高い気密性を確保する。溶融した樹脂が冷却後に収縮しても、収縮した分だけシール材が膨張するために、本体部品と樹脂部品の間の界面の気密性を確保できるという利点がある。
特許文献1では、そのような場合には射出成形後に成形体を再加熱することで樹脂部品の成形後にシール材の発泡を促進させて気密性を確保する。しかしその場合、成形体を再加熱する工程が必要となる。
成形体を再加熱するなどの付加的な工程を必要とせずに、本体部品と樹脂部品の間の界面における気密性を確実に確保することができる射出成形技術が望まれている。
本発明では、特許文献1の技術のように、射出する溶融樹脂の熱でシール材を膨張させるのではなく、すでに発泡している発泡シール材を用いて必要な気密性を確保する。本発明では、射出成形する前に、あるいは射出成形する際に発泡シール材を圧縮する。本発明によると、発泡シール材の発泡が不十分となることがない。射出成形する前に、あるいは射出成形する際に発泡シール材を圧縮して射出成形すると、溶融樹脂が固化する際に収縮しても、その収縮分を補償するように圧縮された発泡シールが復元する。溶融樹脂が固化する際に収縮しても、発泡シールは圧縮状態を維持する。本発明によると、固化した樹脂(樹脂部品)と本体部品の間に圧縮状態を維持した発泡シール材を封止することによって高い気密性を確保することが可能となる。
本発明によると、成形体を再加熱するなどの付加的な工程を必要とせずに、本体部品と樹脂部品の間の界面の気密性を確実に確保することができる。本発明によると、樹脂部品を射出成形した後に界面の気密性を確実にするための工程が不要となる。本体部品に樹脂部品が射出成形された成形体であって、本体部品と樹脂部品の間の界面における気密性を確保した成形体を安価に提供することができる。
ここでいう発泡シール材は、その内部に独立した気泡若しくは半独立した気泡を有しており、通気性がない材料をいう。厚さ方向とは、付着面から発泡シール材の高さ方向に伸びる方向をいう。
また、保持部品は、例えば断面がコの字形状に形成されており、保持部品の断面のコの字形状のうちの平行な部位によって、発泡シール材を本体部品の開口部の周囲部とともに挟みこむ形状のもので実現できる。換言すれば、保持部材はクリップ状に形成されており、発泡シール材と本体部品の開口部の周囲部を挟みこむ形状のものでよい。なお、保持部品は開口部の周囲に付着した発泡シール材の全周囲を圧縮状態に保持するものであってよいし、発泡シール材の周囲の一部を圧縮状態に保持するものであってもよい。
この製造方法は、本体部品の開口部の周囲に発泡シール材を付着する工程と、本体部品に付着した発泡シール材と本体部品の開口部の周囲がキャビティ内に露出するように、本体部品と金型を組み合わせてキャビティを画定する工程と、金型に対して移動可能に設けられている圧縮部材を、発泡シール材に対して厚さ方向に押し当てて発泡シール材を圧縮した状態に保持する工程と、キャビティ内に溶融した樹脂を射出するとともに、射出した樹脂が固化する前に圧縮部材を発泡シール材から引き離す工程を含む。
圧縮部材は、例えば金型から発泡シール材の付着面に向けてスライドする部材によって実現することができる。
本体部品の開口部の周囲の裏面もキャビティ内に露出しているために、溶融樹脂は、発泡シール材の表面側に充填されるとともに、開口部を通過して本体部品の裏面側にも充填される。射出成形された樹脂部品は、開口部を通過して発泡シール材の表面側と本体部品の裏面側に圧接しており、発泡シール材を圧縮状態に維持する。
本体部品に発泡シール材を付着する工程は、本体部品と金型を組み合わせる前に実施してもよいし、開いた状態の金型に本体部品を配置した後に実施してもよい。
この製造方法は、樹脂部品を射出成形した後に界面での気密性を高めるための工程を必要としない。従って本体部品の開口部に樹脂部品が射出成形された成形体であり、本体部品と樹脂部品の間の界面における気密性が確実に確保された成形体を安価に得ることができる。
(第1形態) 発泡シール材は、圧縮率が5%以上あれば気密を維持できるものであることが好ましい。射出した溶融樹脂が固化した収縮しても、5%程度の圧縮率であれば、必要な圧縮率を確保しやすいからである。
(第2形態) 発泡シール材は、JISK6767に準拠した方法で測定したときの50%ひずみ時の圧縮応力が1.0×10−4N/m2以下であることが好ましい。50%ひずみ時の圧縮応力が1.0×10−4N/m2以下であると、溶融した樹脂を射出する際の圧力が低くても十分にシール材を圧縮することができる。
(第3形態) 発泡シール材は、低い圧縮率(5%程度)で気密を維持でき、低い応力で圧縮でき(1.0×10−4N/m2以下の応力で50%以上圧縮でき(厚みが半分以下となることをいう))、ひずみ率の大小による応力の変化幅が小さいことが好ましい。日東電工(株)製のエプトシーラー(登録商標)などを利用することができる。
図1(A)は、コネクタケース10の模式的斜視図である。図1(B)は、図1(A)のB−B線に対応する縦断面図のコネクタ部品14付近の拡大図である。図1(C)は、コネクタケース10の本体部品12の模式的斜視図である。この実施例1は、金属性の本体部品12の開口部20に樹脂製のコネクタ部品14(樹脂部品)を射出成形により成形したコネクタケース10を製造する方法である。
図1(A)に示すように、本体部品12には樹脂製のコネクタ部品14が射出成形によって成形されている。図1(A)と(C)に示すように、コネクタ部品14は本体部品12に設けられた開口部20を塞ぐように成形される。
図1(B)に示すように、本体部品12の開口部20の周囲部の表面側(図1(C)に示す周囲部21)には発泡シール材16が付着されている。コネクタ部品14は樹脂を射出成形して成形される。破線で示す保持部品18は、コネクタ部品14を射出成形する前に、発泡シール材16を厚さ方向に圧縮した状態に保持するものである。ここでいう「厚さ方向」とは、付着面から発泡シール材の高さ方向に伸びる方向をいう。
保持部品18は、射出成形されるコネクタ部品14の樹脂と同じ樹脂で成形されている。従って保持部品18は、射出される溶融樹脂と一体化してコネクタ部品14の一部となる。
また、コネクタ部品14には、本体部品12の内部に配置される電気部品とコネクタ部品14に接続される他のコネクタ(不図示)内のケーブルを電気的に接続するための金属端子30が貫通している。
コネクタケース10の内部には電気部品が配置されるので、本体部品12とコネクタ部品14の接合面は気密性が確保されなければならない。気密性を確保する役割を発泡シール材16が果たす。
図2と図3は、図1(C)に示すII−II線に対応した縦断面の開口部20付近の拡大図である。なお、図2と図3では、図面の紙面奥側に位置すべき本体部品12の部分は図示を省略してある。
図2に示すように、まず本体部品12の開口部20の周囲部21の表面に発泡シール材16を付着する。発泡シール16の無荷重状態での厚さはh1である。
次に図3に示すように保持部品18を本体部品12に取付ける。保持部品18は、後に射出成形される樹脂部品と同じ樹脂で形成されている。
保持部品18の断面はコの字形をなしており、本体部品12に付着した発泡シール材16を本体部品12の開口部20の周囲部21とともに、発泡シール材16の厚さ方向に挟み込んで発泡シール材16を厚さ方向に圧縮した状態に保持する。より詳細には、保持部品18は、開口部20を通過しており、一端側では本体部品12に付着した発泡シール材16の表面に当接し、他端側では本体部品12の開口部20の周囲部21の裏面19に当接し、発泡シール材16を厚さ方向に圧縮した状態に保持する。図3に示すように、保持部品18によって厚さ方向に圧縮した状態での発泡シール材の厚さはh2である。ここでh2の値はh1の値より小さい。
なお、図3では保持部品18は開口部20の全周に亘って発泡シール材16を圧縮した状態に保持するが、保持部品18は開口部20の全周の少なくとも一部、好ましくは全周の半分以上で発泡シール材16を圧縮状態に保持する形状であればよい。また、保持部品18は複数個あってもよい。この場合、夫々の保持部品は、例えば矩形の開口部の四辺の夫々の辺で発泡シール材16を圧縮状態に保持する。
図4は、発泡シール材16を圧縮状態に保持する保持部品18を取り付けた本体部品12(図3の状態の本体部品12)を下金型22に配置した状態を示す。なお、図4には上金型24とスライド金型26が示されている。本体部品12を下金型22に配置する際には、上金型24とスライド金型26は、下金型22から離れた場所に位置している。また下金型22には樹脂の射出部28が設けられている。
また、溶融した樹脂が冷却後に収縮し、それに伴って一体化した保持部品18が発泡シール材16の表面から離れる方向に引っ張られても圧縮された発泡シール材16が膨張して保持部品18(即ち、樹脂製のコネクタ部品14)と本体部品12の間の気密性が確保される。
また実施例1では、本体部品12の開口部20の周囲部21の裏面がキャビティ36内に露出するように本体部品12を金型に配置する。即ち、溶融樹脂は、開口部20を通過して発泡シール材16の表面側にも本体部品12の裏面側にも充填される。射出成形された樹脂部品14は、開口部20を通過して発泡シール材16の表面側と本体部品12の裏面側に圧接することになる。射出成形された樹脂部品14は、発泡シール材16の表面側に圧接するとともに、開口部20を通過して本体部品の裏面側(図3に符号19で示す面)に圧接することになり、発泡シール材16を長期に亘って圧縮状態に維持することができる。
またコの字状の保持部品18によって、発泡シール材16の上面と内周側面を拘束することができる。保持部品18を発泡シール材の上面と内周側面だけでなく、外周の側面も拘束する形状としてもよい。即ち、保持部品18と発泡シール材16を付着した本体部品12の表面によって、発泡シール材16の断面におけるその外周を囲うように保持部品18を形成する。これにより発泡シール材16はその付着面内方向にずれることなく、効率的に厚さ方向にのみ圧縮することができる。発泡シール材16を厚さ方向にのみ圧縮することで、樹脂製のコネクタ部14と本体部品12との間の気密性を一層高めることができる。
なお、保持部品18は、本体部品12の開口部20の周囲部21の板厚の一部とともに、本体部品に付着した発泡シール材をその厚さ方向に挟み込む形状でもよい。具体的には例えば、本体部品12において、発泡シール材の周囲(内側でも外側でもよい)に縦溝を設ける。縦溝の底部にはさらに横溝が設けられている。コの字状の保持部品は、その一端を発泡シール材の表面に押し当てつつ、他端を前記横溝に引っ掛けるようにして本体部品に係止する。
実施例2では図9に示すように、上金型24bにキャビティ36内で発泡シール材16の厚さ方向に移動可能な圧縮部材50aを有する。同様にスライド金型26bには、キャビティ36内で発泡シール材16の厚さ方向に移動可能な圧縮部材50bを有する。圧縮部材50aおよび50bは、図面に垂直な方向に伸びている。図9に示すように、金型を閉じた後に、圧縮部材50aを開口部20の図面上側の発泡シール材16へ向けて伸展させる。伸展させた圧縮部材50aによって、開口部20の図面上側の発泡シール材16を圧縮した状態に保持する。同様に、圧縮部材50bを開口部20の図面下側の発泡シール材16へ向けて伸展させる。伸展させた圧縮部材50bによって、開口部20の図面下側の発泡シール材16を圧縮した状態に保持する。この状態で樹脂の射出部28から溶融した樹脂を射出する。
実施例2の製造方法によれば、圧縮部材50aと50bによって、本体部品12の開口部20の周囲に付着させた発泡シール16をその厚さ方向に圧縮させた状態に保持することができる。樹脂製コネクタ部品14(図8を参照)と本体部品12との間で発泡シール16材による気密性の品質をより向上させることができる。
なお、圧縮部材50aと50bを後退させた後の空隙では圧縮された発泡シール材16も膨張する。しかし流動性が高く、圧力の加わっている溶融樹脂40の方が、発泡シール材16が空隙全体に膨張するよりも先に充填されるので発泡シール材16の膨張は少なくて済む。また、先に充填される溶融樹脂40の圧力によっても発泡シール材は再度圧縮される。射出された樹脂40が発泡シール材16の周囲に充填されるまで発泡シール材16は圧縮された状態を保持されるため、樹脂製のコネクタ部品14が成形された状態における界面の発泡シール材16をほぼ均一に圧縮された状態とすることができる。
なお、実施例2では、圧縮部材50aと50bによって、開口部20の図面上側と下側に位置する発泡シール材16を圧縮状態に保持した。圧縮部材が発泡シール材16を圧縮状態に保持する位置は、開口部20の図面上側と下側に限られない。例えば、図9で示す開口部20の図面奥側と手前側でもよい。なお、発泡シール16の表面のうち、圧縮部材が当接しない部分は、後に実施例3で説明するように、射出された溶融樹脂の圧力により圧縮される。
この状態でキャビティ36内に射出部28から加熱溶融した樹脂を射出する。図7はキャビティ36の内部が溶融した樹脂40で充填された状態を示す。射出部28から射出された樹脂40の圧力で発泡シール材16は強く圧縮される。この状態を樹脂が冷却されて固化するまで保持する。発泡シール材16は強く圧縮されたまま、本体部品12と樹脂40の間で密封される。
樹脂が冷却されて固化したら図8に示すように上金型24を矢印42で示すように上昇させる。またスライド金型26を矢印44で示すように図面左方向へ移動させる。即ち、金型を開く。本体部品12の開口部20に樹脂製のコネクタ部品14(樹脂部)が一体に成形されたコネクタケース10が完成する。
キャビティ36内に充填された溶融樹脂40が冷却されて固化して図8に示す樹脂製のコネクタ部品14となる際、樹脂は収縮する。溶融した樹脂40が冷却して収縮して本体部品12とコネクタ部品14の間に空隙が生じてもその空隙には圧縮されていた発泡シール材16が膨張して充填される。
樹脂を射出する前に本体部品12に付着した発泡シール材16はその内部に独立した気泡若しくは半独立した気泡を有しているために圧縮−ひずみ荷重が小さい。実施例3の製造方法によれば、図7に示すように、金型のキャビティ36内に溶融した樹脂40を射出すると、射出された樹脂40の圧力により、圧縮−ひずみ荷重の小さい発泡シール材16は強く圧縮される。従って射出した樹脂40が冷却後に収縮したとしても強く圧縮された発泡シール材16が膨張して樹脂40が収縮することにより生じる本体部品12との間の空隙に充填される。発泡シール材16は樹脂が固化する前に十分圧縮されているので、発泡シール材16が膨張して前記空隙に充填された後でも発泡シール材16の圧縮率は少なくとも5%程度は確保できる。樹脂部品と本体部品との界面の間で少なくとも5%程度に圧縮された発泡シール材16が密封されていれば、界面の気密性を保持することができる。
また、本実施例では、本体部品12の開口部20の周囲の表面に発泡シール16を付着する。そして発泡シール材16と、本体部品12の開口部20の周囲部21の裏面(図3に符号19で示す面)がキャビティ36内に露出するように本体部品12を金型に配置する。溶融樹脂40は、発泡シール材16の表面側に充填されるとともに、開口部20を通過して本体部品12の裏面側にも充填される。射出成形された樹脂部品14は、開口部20を通過して発泡シール材16の表面側と本体部品12の裏面側に圧接することになり、発泡シール材16を圧縮状態に維持することができる。
本実施例の製造方法によれば、樹脂が冷却後に収縮しても樹脂製のコネクタ部品14と本体部品12の間の気密性が確保できる。即ち、樹脂を射出成形するだけで樹脂製のコネクタ部品14(樹脂部)と本体部品12の間の気密性が確保されたコネクタケース10(成形体)を製造することができる。樹脂の射出成形後にコネクタ部品14と本体部品12の間の気密性を確実にするための付加的な工程は不要である。
また、実施例3の製造方法において、実施例2で説明したように、付着した発泡シール材の周方向の少なくとも一部を、金型に備えられた圧縮部材によって圧縮状態に保持しておくことも好適である。これにより溶融した樹脂の圧力で発泡シール材が圧縮される際に、発泡シール材が付着面方向にずれることを防止することができる。
<変形例1> 図11を用いて変形例1を説明する。図11は実施例1で説明した工程における図7に相当する変形例1の工程を示す図である。この変形例1では、上金型24cにキャビティ36内に射出される溶融樹脂40の圧力を計測する圧力計測部60を備えている。圧力計測部60は、キャビティ36に連通するシリンダ62と、シリンダ62に対して摺動可能なピストン64と、ピストン64に固定されたピストンロッド66と、ピストン64をキャビティ36の方向へ付勢する弾性材68を有している。
樹脂の射出部28から溶融樹脂40を射出すると、溶融樹脂40の圧力によりピストン64が上昇する。ピストン64は弾性材68によりキャビティ36の方向へ付勢されているので、溶融樹脂40のキャビティ36内の圧力と弾性材68によりピストン64に付勢される圧力とが平衡状態となる位置までピストン64が上昇する。従ってピストン64に固定されたピストンロッド66の上昇高さを計測することでキャビティ36内の溶融樹脂40の圧力が計測できる。溶融樹脂40は樹脂の射出部28から所定の圧力で射出されるので、圧力計測部60によってキャビティ36内の圧力を計測することで発泡シール材16が異常な状態であるか否かを検出できる。例えば発泡シール材16が本体部品12から剥離して異常変形した場合などでは、圧力計測部60によって計測されるキャビティ36内の圧力の値が通常とは異なる値を示す。圧力計測部60を備えることによって、変形しやすい発泡シール材16が異常な状態であることを検出することができる。発泡シール材が樹脂部品と本体部品との界面に密封された後では発泡シール材が適正に圧縮されているか否かは外見からは判別できない。本変形例によれば、圧力計測部60によって、発泡シール材が適正に圧縮されているか否かを判別することができる。発泡シール材16を用いて製造される、樹脂部品と本体部品が一体成形された成形体の品質をより良く管理することができる。
<変形例2> 図12により変形例2による成形体の製造方法を説明する。図12(A)は変形例2における本体部品12bの模式的斜視図である。図12(B)は本体部品12bに発泡シール材16を付着させた状態を示す。図12(C)はコネクタ部品14が成形された後のコネクタケース10bの模式的斜視図を示す。図12(D)は図12(C)の12D−12D線に対応したコネクタケース10bの縦断面の開口部20付近の拡大図である。
この変形例2の本体部品12bは、その開口部20の周囲に凸部70が設けてある。この変形例2では、凸部70が設けられている本体部品12bに樹脂製のコネクタ部品14が一体成形されたコネクタケース10bを成形するものである。図12(A)に示すように、本体部品12bの凸部70の内側領域21が発泡シール材を貼り付ける予定面である。
図12(B)に示すように、発泡シール材16を本体部品12bの開口部20の周囲に設けられた凸部70に沿って付着する。
図12(D)に示すように、本体部品12bの開口部20は樹脂製のコネクタ部品14により塞がれており、本体部品12とコネクタ部品14が一体成形されている。発泡シール材16は、開口部20の周囲に設けられた凸部70に沿っており、本体部品12bとコネクタ部品14との間で圧縮された状態で封止されている。この発泡シール材18が圧縮された状態で封止されていることによって、本体部品12とコネクタ部品14の気密性が確保される。本変形例によるコネクタケース10bのより具体的な製造方法は、実施例1乃至3で詳細に説明した製造方法と同様の方法で製造することができる。
本変形例では、本体部品12bの開口部20の周囲に設けられた凸部70に沿って発泡シール材16を付着する。凸部70によって、樹脂を射出する際に発泡シール材16が付着面内方向にずれることを防止することができる。その結果、発泡シール材16がその付着面内方向にずれることなく、厚さ方向に効率よく圧縮することができる。本変形例ではまた、凸部をまたぐように発泡シール材16を付着してもよい。
図13(A)に示すように、この変形例3の本体部品12cは、その開口部20の周囲に溝部72が設けてある。この変形例3では、溝部72が設けられている本体部品12cに樹脂製のコネクタ部品14が一体成形されたコネクタケース10cを成形するものである。図13(B)に示すように、本体部品12cの溝部72の底面に発泡シール材16を付着する。
図13(D)に示すように、本体部品12cの開口部20は樹脂製のコネクタ部品14により塞がれており、本体部品12cとコネクタ部品14が一体成形されている。発泡シール材16は、開口部20の周囲に設けられた溝部72に沿って付着されており、本体部品12cとコネクタ部品14との間で圧縮された状態で封止されている。この発泡シール材16が圧縮された状態で封止されていることによって、本体部品12cとコネクタ部品14の気密性が確保される。本変形例によるコネクタケース10cのより具体的な製造方法は、実施例1乃至3で詳細に説明した製造方法と同様の方法で製造することができる。
本変形例では、本体部品12cの開口部20の周囲に設けられた溝部72の底面に発泡シール材16を付着する。発泡シール材16を溝部72の底面に付着することよって、樹脂を射出する際に発泡シール材16が付着面内方向にずれることを防止することができる。その結果、発泡シール材16がその付着面内方向にずれることなく、厚さ方向に効率よく圧縮することができる。本変形例の溝部72の溝の断面形状は、矩形でも扇形でもよい。また、発泡シール材16の一部が溝部72内に納まっていればよい。
特に発泡性物質を含有しており液状または粉末状のシール材を塗布する工程は機械による自動化に適している。本体部品に樹脂部品が射出成形されており、樹脂部品と本体部品との間の気密性に優れた成形体を、自動化に適した製造方法で製造することができる。
上記実施例または変形例において、発泡シール材は、射出した樹脂が固化する前の圧縮率が90%程度であることが好ましい。射出した樹脂が固化する前の発泡シール材の圧縮率が90%程度であれば、樹脂が固化して収縮した後の空隙に圧縮された発泡シール材が膨張して充填されても、樹脂が固化した後の発泡シール材の圧縮率が少なくとも5%以上となり、界面の気密性を保持することができるからである。
この成形体では、本体部品と樹脂部品の間に、5%〜90%の範囲で圧縮されている発泡シール材が介在しており、本体部品と樹脂部品の間の界面の気密性を確保することができる。射出成形された樹脂部品は、発泡シール材の表面側に圧接するとともに、開口部を通過して本体部品の裏面側に圧接している。即ち、発泡シール材は、その表裏両面から樹脂部品により圧力を受ける。発泡シール材を長期に亘って圧縮状態に維持することができる。
(1)発泡シール材は、その表面が凹凸状となるため、射出された樹脂との融着性が向上する。
(2)発泡シール材は、圧縮性が良い。従って、発泡シール材が射出された樹脂を押し返すことなく溶融した樹脂を本体部品の樹脂取付け面の近傍まで十分に行き亘らせることができる。
(3)発泡シール材は、柔軟性が高い。従って本体部品の開口部の周囲の形状が複雑な形状であっても発泡シール材を付着させやすい。
12、12b、12c:本体部品
14:コネクタ部品(樹脂部品)
16:発泡シール材
18:保持部品
20:開口部
21:周囲部
22:下金型
24、24b、24c:上金型
26、26b:スライド金型
28:射出部
36:キャビティ
40:溶融樹脂
50a、50b:圧縮部材
60:圧力計測部
70:凸部
72:溝部
Claims (5)
- 本体部品の開口部に樹脂部品が射出成形された成形体を製造する方法であり、
本体部品の開口部の周囲に発泡シール材を付着する工程と、
射出する樹脂と同じ樹脂で形成されており、本体部品に付着した発泡シール材を、本体部品の開口部の周囲部とともに、発泡シール材の厚さ方向に挟み込んで発泡シール材を厚さ方向に圧縮した状態に保持する保持部品を本体部品に取り付ける工程と、
本体部品に取り付けられた保持部品がキャビティ内に露出するように、本体部品と金型を組み合わせてキャビティを画定する工程と、
キャビティ内に溶融した樹脂を射出し、保持部品を溶融し樹脂と一体化する工程と、
を含んでおり、
前記発泡シール材を付着する工程は、発泡性物質を含有している液状又は粉末状のシール材を本体部品の開口部の周囲に塗布する工程と、塗布したシール材に含まれる発泡性物質を発泡させる工程と、
を含むことを特徴とする成形体の製造方法。 - 本体部品の開口部に樹脂部品が射出成形された成形体を製造する方法であり、
本体部品の開口部の周囲に発泡シール材を付着する工程と、
本体部品に付着した発泡シール材と本体部品の開口部の周囲がキャビティ内に露出するように、本体部品と金型を組み合わせてキャビティを画定する工程と、
金型に対して移動可能に設けられている圧縮部材を、発泡シール材に対して厚さ方向へ押し当てて発泡シール材を圧縮した状態に保持する工程と、
キャビティ内に溶融した樹脂を射出するとともに、射出した樹脂が固化する前に圧縮部材を発泡シール材から引き離す工程と、
を含むことを特徴とする成形体の製造方法。 - 前記発泡シール材を付着する工程では、本体部品の開口部の周囲の表面に発泡シール材を付着し、
前記キャビティを画定する工程では、本体部品の開口部の周囲の裏面がキャビティ内に露出するように、本体部品と金型を組み合わせてキャビティを画定することを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。 - 本体部品の開口部に樹脂部品が射出成形された成形体を製造する方法であり、
本体部品の開口部の周囲の表面に設けられた溝部に発泡シール材を付着する工程と、
本体部品に付着した発泡シール材と本体部品の開口部の周囲の裏面がキャビティ内に露出するように、本体部品と金型を組み合わせてキャビティを画定する工程と、
キャビティ内に溶融した樹脂を射出するとともに、射出した樹脂の圧力により発泡シール材を本体部品の開口部の周囲の表面方向へ圧縮する工程と、
を含んでおり、
前記発泡シール材を付着する工程は、発泡性物質を含有している液状又は粉末状のシール材を本体部品の開口部の周囲に塗布する工程と、塗布したシール材に含まれる発泡性物質を発泡させる工程と、
を含むことを特徴とする成形体の製造方法。 - 本体部品の開口部に樹脂部品が射出成形された成形体を製造する方法であり、
本体部品の開口部の周囲の表面に設けられた凸部に沿って発泡シール材を付着する工程と、
本体部品に付着した発泡シール材と本体部品の開口部の周囲の裏面がキャビティ内に露出するように、本体部品と金型を組み合わせてキャビティを画定する工程と、
キャビティ内に溶融した樹脂を射出するとともに、射出した樹脂の圧力により発泡シール材を本体部品の開口部の周囲の表面方向へ圧縮する工程と、
を含んでおり、
前記発泡シール材を付着する工程は、発泡性物質を含有している液状又は粉末状のシール材を本体部品の開口部の周囲に塗布する工程と、塗布したシール材に含まれる発泡性物質を発泡させる工程と、
を含むことを特徴とする成形体の製造方法。
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