[go: up one dir, main page]

JP4753575B2 - 生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法 - Google Patents

生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4753575B2
JP4753575B2 JP2004375045A JP2004375045A JP4753575B2 JP 4753575 B2 JP4753575 B2 JP 4753575B2 JP 2004375045 A JP2004375045 A JP 2004375045A JP 2004375045 A JP2004375045 A JP 2004375045A JP 4753575 B2 JP4753575 B2 JP 4753575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
zro
sio
tio
mgo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004375045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006122634A (ja
Inventor
邦英 四方
健文 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2004375045A priority Critical patent/JP4753575B2/ja
Publication of JP2006122634A publication Critical patent/JP2006122634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4753575B2 publication Critical patent/JP4753575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

本発明は、特に人工関節などのインプラント材に用いられる高強度、高靱性でかつ高硬度のセラミックスを用いた生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法に関するものである。
AlやZrOのセラミックス材料は生体不活性な材料である上、機械的強度、耐摩耗性に優れることから人工関節や人工歯根といった医療用材料としての適用が進んでいる。例えば、人工股関節では、金属に比べ、AlもしくはZrO/超高分子ポリエチレンの組合せが摩耗しにくく、且つ欠陥も生じにくいとされていることから、骨頭にセラミックスが、臼蓋ソケットに超高分子ポリエチレンが採用されてきた(特許文献1参照)。
さらにAl同士の摺動部を有した人工股関節も開発されている(特許文献2参照)。
また近年、Al、ZrO系の酸化物セラミックスは、高強度、耐摩耗性及び耐食性が要求される構造部材として広く利用されている。特にAlとZrOを一定の比率で複合化する場合は、結晶粒の微細化効果によりそれぞれの単体よりも高い強度が得られることが注目されている(非特許文献1参照)。
しかし、上記複合材を切削工具として用いた場合、靱性不足が原因で切刃に欠損やチッピングが生じ易く、実用に供する事が出来ない為、形状異方性粒子による靱性改善等が行われている。例えば、Al−ZrO複合セラミックスにSiOとBaO、SrO、CaOのいずれかを添加することによりAlの異方粒成長を促進し、高靱性Al−ZrO複合セラミックスを開示している(例えば、特許文献3)。これらの
材料はCa、Ba、Srの酸化物とSiOの共存作用でAl結晶が細長く成長し、Alの主体が細長成長結晶からなる組織を持つようになり、この細長成長Al結晶によって優れた靱性を具備するようになる。
特公平06−22572号公報 特開2000−16863号公報 特開平5−294718号公報 四方良一他、「粉体および粉末冶金」、(社)粉体粉末冶金協会、1991年4月10日、第38巻、第3号 p.57−61
ところで、前述のセラミックス材料であるAlは非常に優れた生体材料であるが、強度と靱性の点でZrOに遠く及ばない。例えば、前述のAl同士の摺動部を有した人工股関節では、Alの強度と靱性では不十分で、残念ながら破壊に至った症例が報告されている。この原因として、エッジコンタクトによる、アルミナソケットと骨頭ボールの高面圧下での摺動が影響していると考えられている。
一方、ZrOは、Alに比べて高強度、高靱性であるが、金属の靱性には遠く及ばない。しかし、前述したように金属と超高分子ポリエチレンの組合せはセラミックスと超高分子ポリエチレンの組合せよりも摩耗しやすい傾向がある。また、通常ZrOは、Yなどの安定化剤を適量ZrOに固溶させることで機械的特性を向上させることができる。Yを安定化剤として用いた場合、水が存在する環境下では相変態が起こりやすく、強度低下や表面粗さが悪化する場合がある。表面粗さが悪化した場合、摺動部での摩耗に伴って摩耗粉が発生し、この摩耗粉が人工関節近傍の組織内に蓄積されると、骨吸収を引き起こす。この骨吸収は、人工関節と骨との緩みの原因になる。特に、ZrO同士で摺動させると応力誘起変態が起き、表面粗さが悪化し、摩耗粉の発生が顕著になる。
また、CeOを安定化剤に用いた場合、水による相変態はなくなるが、Yと比較し、結晶が成長するため、摺動特性と強度が良好なZrOを作製することが困難であった。
前述のAl−ZrO複合材については、形状異方性粒子の生成によって、破壊靱性が向上する一方で、強度と硬度が低下することが知られている。破壊靱性をより高くするためには形状異方性粒子をより細長く成長させる必要があるが、粒子が大きくなるほど強度と硬度が低下する。前記特許文献1では、Alの異方性粒子の成長により靱性の改善効果が見られたが、結晶粒成長により曲げ強度が1050MPa以下となり、強度が低下している。したがって、高強度・高靱性材料を得るには、結晶粒成長を抑えながら、靱性を向上することが必要である。
準安定相である正方晶としてZrOが分散したAl−ZrO複合セラミックスに外部応力が作用すると応力誘起変態により、正方晶が安定な単斜晶へ相変態する。この相変態は体積膨張を伴うので、クラックの進展が妨げられ、靱性が向上する。しかし、ZrOは本来常温では単斜晶であり、準安定な正方晶として分散させるためには、安定化剤を微量添加する必要がある。アルカリ土類、稀土類元素の8配位のイオン半径が、Zrイオン半径の140%以下のとき、固溶し、安定化剤として作用すると言われている。安定化剤となる物質は、Mg、Ca、Y等があり、Sr、Baはイオン半径が大きいために、安定化剤にならないことが知られている。Al−ZrO複合セラミックスにおいてYの配合量が多すぎると立方晶が多くなり相変態の破壊靱性への寄与が小さくなる。一方、Yの配合量が少なすぎると単斜晶ZrOが多くなり、強度、靱性ともに低下する。またAl含有量の増加によって硬度が高くなるが強度と靱性が低下する。これを補う目的でSrOを添加し形状異方性粒子生成による破壊靱性向上をおこなうが、高温焼成を必要とし、結晶粒成長や緻密化阻害等により、強度、硬度は大きく低下する。
本発明は、このような従来技術の課題にかえりみてなされたものであり、高強度・高靱性を有する生体部材およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明の材料を用いて、生体内環境下で耐摩耗性を有した人工関節を提供することである。
本発明者らはAl主体のAl−ZrO複合セラミックスにSrOを添加して、低温で焼成する工程により、Alの形状異方性粒子の生成を抑えつつ、同時に、分散させたZrOの粒成長を抑制することができる製造工程を開発した。本製造工程ではZrO粒子がAl粒子に囲まれており、ZrO粒子に歪みが残存するたえ、本来固溶しないSrをZrO粒子に微量固溶させることが可能になったと考えられる。すなわち、SrOが安定化剤として作用し、より多く正方晶に準安定相として斬罪させることにより応力誘起変態によって、強度と破壊靱性を向上できる。さらに焼結助剤としてTiO、MgOおよびSiOを添加することによりZrO粒子へのSr固溶が促進され、応力誘起変態の効果が大きくなることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の生体部材は、Alを65質量%以上、ZrOを4〜34質量%、SrOを0.1〜4質量%を含有する複合セラミックスからなり、前記ZrO粒子の一部にSrが固溶していることを特徴とする。
即ち、複合セラミックス材料が上記組成範囲で、かつZrO粒子の一部にSrが固溶していることにより、SrOによる正方晶ZrOの安定化効果が発現し、強度と靱性が向上する。また、ZrO含有量の増加やAlの形状異方性粒子の生成による強度の低下も少なく、実用に耐え得るものが得られるようになる。
本発明において、上記複合セラミックスは焼結助剤としてTiO、MgO及びSiOを含むのが望ましく、そのSiOを0.20質量%以上、TiOを0.22質量%以上、MgOを0.12質量%以上含有し、かつSiO、TiO及びMgOを合計で0.6〜4.5質量%含有することがより望ましい。
前記複合セラミックスにより人工関節の摺動部を構成したことを特徴とする。
また、本発明の人工関節は、上述した摺動部を構成する一対の生体部材からなるとともに、該生体部材が相互に摺動することを特徴とする。
さらに、本発明の生体部材の製造方法は、Al、Zr及びSrを金属、又はこれらの金属化合物として含む主原料を、これらの金属または金属化合物を金属酸化物に換算して、複合セラミックス中でAlを65質量%以上、ZrOを4〜34質量%、およびSrOを0.1〜4質量%含有するように混合して、所定形状に成形した後、1300℃〜1500℃の温度範囲で焼成し、前記焼成温度より30℃低い温度で熱間静水圧処理することを特徴とする。
この場合、Al、Zr、およびSrの金属、又はこれらの金属化合物として含む前記主原料に、さらにTi、MgおよびSiの金属、又はこれらの金属化合物として含む焼結助剤を、これらの金属または金属化合物を金属酸化物に換算して、複合セラミックス中でSiOが0.20質量%以上、TiOが0.22質量%以上、MgOが0.12質量%以上で、かつSiO、TiOおよびMgOが合計で0.6〜4.5質量%含有するように混合することが望ましい。
本発明材料であるAl−ZrO複合セラミックスはSrが固溶したZrO粒子が準安定化相の正方晶となり、また、SrではZrOへの固溶量が少ないため、立方晶は生成し難くなる。そのため応力誘起変態の効果が大きく、形状異方性粒子生成によらずよって高強度、高靱性材料となる。さらに、焼結助剤としてSiO、TiOおよびMgOを同時に添加することでその効果が顕著になり、また、これらの焼結助剤は焼成温度を下げるので、Alの形状異方性粒子が生成せずに、高緻密化、組織微細化がおこる。その結果、高強度、高靱性、高硬度の前記複合セラミックスからなる生体部材およびそれを用いた人工関節を得ることが可能となる。
さらに、前記複合セラミックスは、水分が多い生体内環境下でも相変態による表面性状劣化が起こらず、非常に優れた摺動特性を有する。したがって、本発明の生体部材は摺動部材としても高い耐摩耗性を有する。特に、前記複合セラミックス同士の摺動では、121℃の飽和水蒸気中で152時間の条件で行う加速劣化試験後の比摩耗量を0.3×10−7mm/N・m以下にすることができる。また、エッジコンタクトを想定した高面圧下での比摩耗量を1.0×10−7mm/N・m以下にすることができる。したがって、前記複合セラミックスで相互に摺動する人工関節の摺動部を構成することにより、人工関節において、高強度、高靱性、耐摩耗性を実現することができる。
以下に本発明を詳述する。図1ないし図2に本発明の生体部材の実施形態を例示する。本発明の生体部材はAl−ZrOからなる後述の複合セラミックスが用いられる。
図1によれば、生体部材である人工股関節、人工膝関節などの人工関節の摺動部に本発明の複合セラミックスが用いられている。具体的には、人工股関節であれば金属ステムならびにセラミックス製の骨頭ボールおよび臼蓋ソケットにより人工股関節が構成されている。
本発明では、例えば、人工関節において、対をなす摺動部が複合セラミックスからなり、これら摺動部を含む一対の生体部材が人工関節を構成する場合のみではなく、一方の摺動部のみが複合セラミックスからなる場合でも構わない。
図2によれば、人工膝関節の大腿骨コンポートネントが前記複合セラミックスからなり、他方、頸骨コンポーネントは、超高分子量ポリエチレンより構成される。
また、本発明の生体部材は摺動部を有しないものでもよい。例えば、関節部分を含まない人工骨であっても構わない。
本発明の生体部材をなす複合セラミックスの特徴は、Alを65質量%以上、ZrOを4〜34質量%、およびSrOを0.1〜4質量%を含有しており、ZrO粒子の一部にSrが固溶していることである。
複合セラミックスのAlの含有量としては、65質量%以上、好ましくは67〜90質量%、特に好ましくは76〜84質量%であり、ZrOの含有量は4〜34質量%、好ましくは10〜34質量%、特に好ましくは11〜20質量%である。
Alを65質量%以上含有させることにより、高強度でかつ高硬度という効果が得られ、ZrOの含有量が4質量%未満では強度が低下し、低靱性となり、一方、34質量%をこえるとヤング率低下により硬度が下がる。
また、SrOの添加量は、複合セラミックス中で0.1〜4質量%、好ましくは0.5〜3質量%特に好ましくは0.7〜1.5質量%である。特に本発明においてSrOの添加量を上記0.1〜4質量%とすることは重要である。
すなわち、SrOの添加量が0.1質量%未満のとき、単斜晶ZrOが多くなり、強度が低下する。またSrOの添加量が4質量%をこえるときは、焼成温度が高くなり、Alの形状異方性粒子の生成による緻密化阻害、ZrO粒成長による強度あるいは硬度の低下がおきる。
上記組成範囲にさらに焼結助剤として、SiO、TiOおよびMgOを一定割合添加することにより、AlとZrOの結晶粒成長を抑制しながら、低い温度条件で焼結体を作製でき、微細結晶、高緻密化の組織形成により高強度化の実現が可能となる。
すなわち、Alを65質量%以上、ZrOを4〜34質量%、SrOを0.1〜4質量%含有し、さらにSiOを0.2質量%以上、TiOを0.22質量%以上、MgOを0.12質量%以上含有して、かつSiO、TiOおよびMgOが総量で0.6〜4.5質量%含有する組成において高強度、高靱性、高硬度が実現される。
ここで、SiOの含有量は0.2質量%以上、好ましくは0.4〜1.5質量%であり、TiOの含有量は、0.22質量%以上、好ましくは0.3〜0.7質量%であり、MgOの含有量は、0.12質量%以上、好ましくは0.2〜1.4質量%である。
SiOの含有量が0.20s質量%未満、あるいはTiOの含有量が0.22質量%未満、あるいはMgOの含有量が0.12質量%未満では、液相が不足し、Alが緻密化しにくいという不都合を生ずる。
焼結助剤としてSiO、TiOおよびMgOを上記割合添加することにより、SrのZrOへの固溶が促進され、強度、靱性が向上するとともに共晶点が1300℃以下になり、焼結時に液相が生成して材料の焼結が大きく促進される。このため、より低い温度でも高い緻密性の焼結体が得られる。また、比較的低温で焼成することによってAlの形状異方性粒子の成長を抑制し、微細な結晶組織となり強度と強度が低下しない。
次に、高強度、高靱性、および高硬度の材料特性を得るには、1500℃以下の低温焼成によりAlとZrOの結晶粒成長を抑制することが重要であり、特に1490℃以下とするのが望ましい。SrOを添加した状態で高温にて焼成した場合Alの形状異方性粒子が成長し、強度、靱性、硬度が低下する。これはZrOの結晶粒成長によって単斜晶ZrO量が増加して、強度と硬度が低下するからである。
一方、本発明の生体部材に用いられる複合セラミックスは、121℃の飽和水蒸気中で152時間の条件で行う加速劣化試験後の複合セラミックスの比摩耗量が0.3×10−7mm/N・m以下であることを特徴とする。すなわち、複合セラミックスの比摩耗量が0.3×10−7mm/N・mを超える場合には、人工関節として利用した場合に摩耗粉がオステオライシス(骨融解)を引き起こし、人工関節のルースニング(緩み)が発生し、再置換が必要となる恐れがあるからである。
また、本発明の生体部材に用いられる複合セラミックスは、ピンオンフラット法においてピンの面圧が2.5GPaのとき、比摩耗量が1.0×10−7mm/N・m以下であることを特徴とする。すなわち、複合セラミックスの比摩耗量が1.0×10−7mm/N・mを超える場合には人工関節として利用した場合にその摩耗痕が破壊起点となり、人工関節の破損を引き起こし、再置換が必要となる恐れがあるからである。
なお、上述のように加速劣化試験による比摩耗量とピンオンフラット法による比摩耗量とを挙げて本発明の生体部材を説明したが、より好ましくは何れの比摩耗量も上述の範囲に入ったものを使用するのが好ましい。その理由としては、人工関節においては、加速劣化試験による比摩耗量は通常の関節摺動運動を想定し、ピンオンフラット法による比摩耗量はマイクロセパレーションと呼ばれる亜脱臼状態を想定する必要があるからである。また、マイクロセパレーションは正常に設置した人工関節でも発生することが判明しており、想定可動域を超えていないときにも発生するからである。
上記組成を有する本発明の複合セラミックスは、Alの形状異方性粒子による緻密化阻害や、ZrOの粒成長による強度あるいは硬度の低下を回避しており、例えば、複合セラミックス中のAl粒子は、複合セラミックスにおけるAlの粒子が、長軸及び短軸を有する針状もしくは鱗片状の楕円形状を有しており、そのアスペクト比が2.5以下であり、かつ前記短軸径の平均と長軸径の平均との中間値が1ミクロン以下であることが望ましい。
すなわち、Al粒子の平均アスペクト比が2.5をこえるときには、形状異方性粒子による緻密化阻害を生じ、強度低下が生じる。また、ZrO粒子の結晶粒子径が1.0μmよりも大きいと、正方晶の安定化が低下し、相変態によるクラックが発生し、強度が低下、比摩耗量の増加を生じる。
よって、後述の1500℃以下で焼成し、Al、ZrOの結晶粒成長を抑制しつつ、熱間静水圧焼成によって、緻密化させることが重要である。この熱間静水圧焼成条件としては、大気焼成温度よりも30℃以上低い温度、特に50℃以上低い温度が望ましい。
次に本発明の生体部材の製造方法を説明する。すなわち、Al、Zr及びSrを金属、又はこれらの金属化合物として含む主原料を所定の割合で混合し、所定形状に成形する。ここでいう原料とは、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩などの塩類等を粉末あるいは水溶液等として使用することが可能である。粉末として使用する場合、その平均粒径は、1.0μm以下が望ましい。
また、成形には、プレス成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形、あるいは冷間静水圧処理などの成形法を使用可能である。
次に本発明によれば、1300℃〜1500℃の温度範囲で焼成し、さらに前記焼成温度より30℃低い温度で熱間静水圧処理がおこなわれる。これによりAl、ZrOが微粒で、Alの異方性粒子の生成を抑えた緻密体を作製することが可能となる。
本発明により、Srが固溶したZrOにおいて応力誘起変態の効果が大きく、さらに焼結助剤としてSiO、TiOおよびMgOを添加することでその効果が顕著になる。また、SiO、TiOおよびMgOの添加により、焼成温度が下がり、高緻密化、組織微細化がおこり、高強度、高靱性、高硬度の複合セラミックスからなる生体部材を提供できる。
純度が99.95質量%で平均粒径0.22μmのAl粉末に、純度が99.95質量%で平均粒径0.4μmのZrO粉末、平均粒径0.2μmのSrO粉末、平均粒径0.6μmのMg(OH)、平均粒径0.5μmのSiO粉末、および平均粒径0.5μmのTiO粉末を表1に示すような組成になるように秤量混合して混合粉末を得た。そして、この混合粉末を98MPaで金型成形し、さらに294MPaで静水圧処理を加えて成形体を作製し、表2に示す温度にて大気焼成、および熱間静水圧焼成(表中HIPと表示)をおこなった。
得られた各焼結体に対して、JIS−R1601による室温における抗折強度、およびJIS−R1607によるSEPB法による破壊靱性値、JIS−R1610によるビッカース硬度を測定した。結晶粒径の測定方法は、試験片を鏡面研磨後、焼成温度より50℃低い温度でサーマルエッチング処理し、SEMによる研磨面上の写真をAlおよびZrO粒子がそれぞれ100個以上写るように撮影し、その写真から完全な粒子形状を有するAlを抜き出し、長軸、短軸を測定してアスペクト比を算出した。ZrO結晶粒径は、上記写真より、結晶粒子の2軸方向の長さを測定して平均粒径とした。
また、X線回折(XRD)によってSrOによる正方晶ZrOが安定化されていることを確認し、電子線プローグマイクロアナライザー(EPMA)によりZrOへのSrの固溶を確認した。
さらに、ピンオンディスク試験法(JIS−T0303)により耐摩耗性を評価した。試験片は121℃の飽和水蒸気中で152時間の加速試験を実施したものを使用した。ディスクおよびピンを表1に示した組成の材料で作製した。摩擦面圧力はピンの面圧が1.0GPaとなるようにし、摺動速度20mm/sec、摺動距離を10mmとし、潤滑溶液は37℃、30%希釈牛血清を用いた。ピンの摩耗量を測定し比摩耗量を算出した。得られた結果を加速試験後の比摩耗量として表2に示す。
また、高荷重下での耐摩耗性をピンオンプレート方式の摩耗試験(ASTM F732)にて評価した。プレートおよびピンを表1に示した組成の材料で作製した。摩擦面圧力はピンの面圧が2.5GPaとなるようにし、周波数1Hz、摺動速度50mm/sec、摺動距離を1.5×10mmとし、潤滑溶液は37℃、30%希釈牛血清を用いた。ピンの摩耗量を測定し比摩耗量を算出した。得られた結果を高荷重下での比摩耗量として表2に示す。
表2より、SrOを含み、他の焼結助剤を含まない材料(試料No.8)ではSrOを添加していない材料(試料No.12)よりも強度と破壊靱性が高かった。しかし、SrOと焼結助剤SiO、TiO、MgOを含み、さらにより低温で焼結した材料(試料No.1、2、6、14)は強度1410〜1540MPa、破壊靱性5.1〜5.4MPa√m、硬度1740〜1790Hvの特性を示し、試料No.8の材料よりも特性が向上した。
試料No.4の材料では焼成温度が高く、僅かに形状異方性粒子が生成するため、強度と硬度が多少低下したが試料No.8の材料よりも破壊靱性は高かった。Yの固溶したZrOを含む材料(試料No.12)では、立方晶ZrO含有量が増加し、SrOによる正方晶安定化の効果が小さくなるため、SrOとSiO2、TiO、MgOを含有しているにも関わらず強度と靱性が小さかった。
また、試料No.1とNo.11の材料のX線回折(XRD)測定結果を比較することで、試料No.1の材料ではSrOの添加によって正方晶ZrOが安定化されていることを確認した。
図3は試料No.1の材料の組織を観察した透過電子顕微鏡(TEM)写真である。Srの固溶の確認方法として図3におけるZrO結晶のa部位、b部位、d部位をEDS分析し、b部位でSrのピークを確認した。これにより、Srが固溶していることを確認した。
試料No.10よりAlが65質量%以下でZrOが34質量%以上では曲げ強度が720MPa、破壊靱性が4.3MPa√mと試料No.5と比較し、低かった。
また、試料No.21〜27においては焼結助剤であるTiO、MgO、SiO2のいずれかが少ないか多いものであるが、いずれかが少ないと焼結温度が高くなり、結晶粒径が大きくなるために曲げ強度が低くなり、いずれかが多いものは焼結温度が低いものの液相成分が多くなり、曲げ強度が低い結果となった。
試料No.28は、成分は本発明内であるが、大気焼成温度が高く結晶粒径が大きいため耐摩耗性が低下する結果となった。
Figure 0004753575
Figure 0004753575
本発明の生体部材である人工股関節の模式図である。 本発明の生体部材である人工膝関節の模式図である。 試料No.1の組織のTEM写真である。

Claims (4)

  1. Alを65質量%以上、ZrOを4〜34質量%、SrOを0.1〜4質量%を含有する複合セラミックスからなり、
    前記ZrO粒子の一部にSrが固溶しており、
    前記複合セラミックスは、焼結助剤としてTiO 、MgO、SiO を含み、前記複合セラミックス中に前記SiO を0.20質量%以上、前記TiO を0.22質量%以上、前記MgOを0.12質量%以上含有し、かつ前記SiO 、前記TiO 及び前記MgOを合計で0.6〜4.5質量%含有することを特徴とする生体部材。
  2. 前記複合セラミックスにより人工関節の摺動部を構成したことを特徴とする請求項1に記載の生体部材。
  3. 一対の請求項に記載の生体部材からなるとともに、該生体部材が相互に摺動することを特徴とする人工関節。
  4. 主原料としてAl、ZrおよびSrの金属、又はこれらを含む金属化合物を金属酸化物に換算して、Alを65質量%以上、ZrOを4〜34質量%、SrOを0.1〜4質量%含有するように混合し、前記主原料に対してTi、Mg及びSiの金属、又はこれらを含む金属化合物を金属酸化物に換算して、SiO が0.20質量%以上、TiO が0.22質量%以上、MgOが0.12質量%以上でかつSiO 、TiO 及びMgOが合計で0.6〜4.5質量%含有するように混合して所定形状に成形した後、1300〜1500℃の温度範囲で焼成し、更に熱間静水圧処理することを特徴とする生体部材の製造方法。
JP2004375045A 2003-12-25 2004-12-24 生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法 Expired - Fee Related JP4753575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375045A JP4753575B2 (ja) 2003-12-25 2004-12-24 生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003431558 2003-12-25
JP2003431558 2003-12-25
JP2004283564 2004-09-29
JP2004283564 2004-09-29
JP2004375045A JP4753575B2 (ja) 2003-12-25 2004-12-24 生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006122634A JP2006122634A (ja) 2006-05-18
JP4753575B2 true JP4753575B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=36717902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004375045A Expired - Fee Related JP4753575B2 (ja) 2003-12-25 2004-12-24 生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4753575B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248051A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Japan Medical Materials Corp アルミナ−ジルコニア複合焼結体
JP5639346B2 (ja) * 2009-05-28 2014-12-10 京セラメディカル株式会社 セラミック製骨頭ボールおよび人工関節
JP5947579B2 (ja) 2012-03-16 2016-07-06 京セラメディカル株式会社 医療用セラミック材料の製造方法
US20210284578A1 (en) * 2018-07-27 2021-09-16 Kyocera Corporation Alumina-based porcelain and ceramic heater
CN111187069B (zh) * 2020-02-21 2021-10-22 四川大学 一种二氧化钛和氧化镁复合生物医用陶瓷材料及其制备方法
JP7466048B1 (ja) 2023-09-26 2024-04-11 株式会社Maruwa アルミナジルコニア焼結板

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3087431B2 (ja) * 1992-03-17 2000-09-11 三菱マテリアル株式会社 靭性のすぐれた酸化アルミニウム−酸化ジルコニウム系セラミックス製切削工具の製造法
JP2910020B2 (ja) * 1992-04-23 1999-06-23 三菱マテリアル株式会社 靭性のすぐれた酸化アルミニウム−酸化ジルコニウム系焼結セラミックス
CN1226053C (zh) * 2000-08-07 2005-11-09 松下电工株式会社 用氧化锆-氧化铝复合陶瓷制成的人工关节
JP4931298B2 (ja) * 2001-07-30 2012-05-16 京セラ株式会社 高強度ジルコニア質焼結体からなる人工関節の製造方法
JP4589642B2 (ja) * 2003-08-28 2010-12-01 京セラ株式会社 アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法
JP2005075659A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Kyocera Corp セラミックス焼結体とその製法および生体用材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006122634A (ja) 2006-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7148167B2 (en) Alumina/zirconia ceramics and method of producing the same
Ramesh et al. The influence of Ca/P ratio on the properties of hydroxyapatite bioceramics
JP5698740B2 (ja) ジルコニア−アルミナ・セラミック材料
Ramesh et al. The effect of manganese oxide on the sinterability of hydroxyapatite
US7820577B2 (en) Biomedical member and method for producing the same
EP1514856B1 (en) Alumina/zirconia ceramics and method of producing the same
JP4753575B2 (ja) 生体部材およびそれを用いた人工関節ならびに生体部材の製造方法
JP2005075659A (ja) セラミックス焼結体とその製法および生体用材料
JP2002362972A (ja) 生体用ジルコニアセラミックスとその製造方法
JP4761749B2 (ja) 生体部材およびそれを用いた人工関節
CN100435860C (zh) 生物构件及其制造方法
JP4589642B2 (ja) アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法
US6241773B1 (en) Biomedical article made of alumina ceramics
JP2010248051A (ja) アルミナ−ジルコニア複合焼結体
JP4883885B2 (ja) 生体部材及びその製造方法並びに人工関節
JP4570348B2 (ja) 生体部材の製造方法及び生体部材ならびにそれを用いた人工関節
JP4601304B2 (ja) アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法
WO2022264617A1 (ja) セラミックス生体材料、生体部品及び生体部品の製造方法
JP4514563B2 (ja) アルミナ・ジルコニア系セラミックスおよびその製法
JP4601303B2 (ja) アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法
JP2001089224A (ja) セラミック生体部材
JP4243514B2 (ja) 複合セラミックス及びその製法
Hasan et al. Effect of sintering temperature and time on microstructure and properties of zirconia toughened alumina (Zta)
JP4460918B2 (ja) アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法
Enoiu et al. Nanostructured zirconia composites stabilized with CeO2 for biomedical applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110524

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4753575

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees