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JP4748125B2 - フッ素ゴム架橋用組成物 - Google Patents

フッ素ゴム架橋用組成物 Download PDF

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JP4748125B2
JP4748125B2 JP2007177220A JP2007177220A JP4748125B2 JP 4748125 B2 JP4748125 B2 JP 4748125B2 JP 2007177220 A JP2007177220 A JP 2007177220A JP 2007177220 A JP2007177220 A JP 2007177220A JP 4748125 B2 JP4748125 B2 JP 4748125B2
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剛 野口
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Description

本発明は新規な架橋系を提供するフッ素ゴム架橋用組成物に関する。本発明によれば、機械的特性、特に圧縮永久歪みと耐熱性に優れた含フッ素架橋ゴム成形品を提供することができる。
含フッ素エラストマー、特にテトラフルオロエチレン(TFE)単位を中心とするパーフルオロエラストマーは、優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性を示すことから、過酷な環境下でのシール材などとして広く使用されている。
しかし、技術の進歩に伴い要求される特性はさらに厳しくなり、航空宇宙分野や半導体製造装置分野、化学プラント分野では300℃以上の高温環境下におけるシール性が要求されている。
かかる要求に対して、架橋系を工夫して耐熱性を向上させる試みが提案されている。それらの一つの方向として、ニトリル基を架橋点として導入した含フッ素エラストマーを使用し、有機スズ化合物によりトリアジン環を形成させるトリアジン架橋系(たとえば特許文献1参照)、同じくニトリル基を架橋点として導入した含フッ素エラストマーを使用し、ビスアミノフェノールによりオキサゾール環を形成させるオキサゾール架橋系(たとえば、特許文献2参照)、ビスジアミノフェニル化合物によりイミダゾール環を形成させるイミダゾール架橋系(たとえば、特許文献2参照)、ビスアミノチオフェノールによりチアゾール環を形成させるチアゾール架橋系(たとえば、特許文献3参照)が知られている。
米国デュポン社の一連のPCT特許出願(特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7)には、上記トリアジン架橋系、オキサゾール架橋系に加えてパーオキサイド架橋系での架橋速度の向上を目的とし、ニトリル基含有含フッ素エラストマーの末端をカルボニル含有末端基にすることが提案されている。
しかし、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載されている架橋系で得られる架橋ゴムは、架橋可能な官能基はキュアサイトモノマーに由来する分岐鎖のみに存在するため、機械的強度や高温時の圧縮永久歪みが不充分である。
また、前記一連のデュポン社の出願の明細書に記載されている発明は、架橋阻害を生じ得るスルホン酸末端基を低減することを本質的な目的としており、その手段として末端基をカルボニル含有基にしようとしている。すなわちカルボニル含有基を架橋点として架橋速度を改善しようとするのではなく、スルホン酸基を低減させることで架橋速度を向上させているのである。このことは、イオン化されたまたはイオン化し得るカルボニル含有末端基はエラストマーの粘度を高くするため、加熱して脱炭酸し粘度を下げることが好ましいと記載されていることからもわかる。なお、カルボニル含有末端基としてカルボキシル基、カルボン酸塩およびカルボキシアミド基があげられているが、得られた乳化重合物の凝析に金属塩を使用しているため、凝析され単離された架橋に供されるエラストマーのカルボニル含有末端基は実質的にカルボン酸金属塩やカルボキシアミド基となっており、これらの塩がエラストマーの粘度上昇を引き起こしているものと考えられる。また、この末端カルボニル含有基の脱炭酸処理は末端基を架橋に使用していないことを示している。
さらに、デュポン社の発明における、末端基としてカルボニル含有基をもつニトリル基含有含フッ素エラストマーを用いた架橋系でも得られる架橋物の機械的強度や高温時の圧縮永久歪みは改善されていない。
特開昭58−152041号公報 特開昭59−109546号公報 特開平8−104789号公報 WO97/19982号パンフレット WO98/23653号パンフレット WO98/23654号パンフレット WO98/23655号パンフレット
本発明は、機械的強度および高温での圧縮永久歪みが特に改善された架橋物を与える含フッ素エラストマーの新規な架橋系を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、架橋性基としてカルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を主鎖の末端および/または分岐鎖に有する含フッ素エラストマーを含むフッ素ゴム架橋用組成物ならびに該フッ素ゴム架橋用組成物を架橋して得られる含フッ素架橋ゴム成形品、特に架橋性基としてカルボキシル基を主鎖の末端および/または分岐鎖、特に末端に有する含フッ素エラストマーを含むフッ素ゴム架橋用組成物、ならびに該フッ素ゴム架橋用組成物を架橋して得られる含フッ素架橋ゴム成形品に関する。
また、重合開始剤および/またはモノマーの一つとしてカルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を主鎖および/または分岐鎖に与える化合物を用いて含フッ素モノマーを重合した後、重合生成物を酸で処理することを特徴とする含フッ素エラストマーの製造法にも関する。
この含フッ素エラストマーとしては、式(I):
1−[A−(Y)pq−X2 (I)
または式(II):
1−[A−(Y1pq−[B−(Y2rs−X2 (II)
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子またはスルホン酸基、Y、Y1およびY2は同じかまたは異なり、いずれも側鎖にカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子またはニトリル基を有する2価の有機基、Aはエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「エラストマー性セグメントA」という、Bは非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「非エラストマー性セグメントB」という)、pは0〜10の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数、sは1〜3の整数である、ただしX1、X2、Y、Y1またはY2のいずれか一つはカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基であり、Y、Y1およびY2はAまたはBのセグメント中にランダムに入っていてもよい)で示され、架橋性基としてカルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を主鎖の末端および/または分岐鎖に有する架橋可能な新規含フッ素エラストマーが好ましい。
また、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントとしては、構成単位として90モル%以上がパーハロオレフィン単位であるものが好ましい。
本発明はまた、式(Ia):
1−[A−(Y)pq−X2 (Ia)
または式(IIa):
1−[A−(Y1pq−[B−(Y2rs−X2 (IIa)
(式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子またはスルホン酸基、Y、Y1およびY2は同じかまたは異なり、いずれも側鎖にカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子またはニトリル基を有する2価の有機基、Aはエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント、Bは非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント、pは0〜10の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数、sは1〜3の整数である、ただしX1またはX2のいずれか一つはカルボキシル基であり、Y、Y1およびY2はAまたはBのセグメント中にランダムに入っていてもよい)で示され、架橋性基としてカルボキシル基を主鎖の末端に有する含フッ素エラストマーに関する。
式(I)、(II)、(Ia)および(IIa)において、アルコキシカルボニル基のアルコキシル基としては、たとえば炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシル基があげられ、水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
また、本発明の含フッ素エラストマーは関係式(1):
(Sco/Scf)×(D/Dp)×(F/Fp)≧0.01 (1)
(式中の文字は後述する)を満たすカルボキシル基含有量をもつものが好ましい。
本発明によれば、新たな架橋系が適用できる新規な含フッ素エラストマーおよび、該エラストマーを架橋して得られる機械的強度および圧縮永久歪み、特に高温時の圧縮永久歪みを大幅に向上させることができる。
まず、本発明の架橋可能な含フッ素エラストマーについて説明する。
本発明で用いる含フッ素エラストマーは、式(I):
1−[A−(Y)pq−X2 (I)
で示されるエラストマー性セグメントAを主鎖とするエラストマー、または式(II):
1−[A−(Y1pq−[B−(Y2rs−X2 (II)
で示されるエラストマー性セグメントAと非エラストマー性セグメントBとからなる主鎖をもつ含フッ素多元セグメント化エラストマーである(式(I)および式(II)において、X1、X2、Y、Y1、Y2、A、B、p、q、rおよびsは前記と同じである)。これらのうち前記式(Ia)または(IIa)で示されるカルボキシル基を主鎖の末端に有する(すなわち、X1またはX2の少なくとも一方がカルボキシル基である)含フッ素エラストマーは新規なエラストマーである。
エラストマー性セグメントAとしては、たとえば式(1):
Figure 0004748125
(式中、mは95〜50、nは5〜50、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される2元共重合体ゴム、もしくは
式(2):
Figure 0004748125
(式中、lは95〜35、mは0〜30、nは5〜35、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体ゴムなどのパーフルオロエラストマーセグメント、または
式(3):
Figure 0004748125
(式中、mは85〜60、nは15〜40)で示される2元共重合体ゴム、
式(4):
Figure 0004748125
(式中、lは85〜20、mは0〜40、nは15〜40)で示される3元共重合体ゴム、
式(5):
Figure 0004748125
(式中、lは95〜45、mは0〜10、nは5〜45、Z1、Z2およびZ3はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体ゴム、もしくは
Figure 0004748125
(lは1〜80、mは0〜80、nは10〜50、Rfは前記と同じ)などの非パーフルオロエラストマーセグメントであってもよい。
また、分岐鎖に架橋点を導入するためのY、Y1、Y2としては、たとえばCX2=CX−Rf 1CHRI(式中、XはH、FまたはCH3、Rf 1は1個以上のエーテル型酸素原子を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のフルオロ−もしくはパーフルオロアルキレン基、またはフルオロ−もしくはパーフルオロオキシアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、RはHまたはCH3)で示されるヨウ素含有単量体、臭素含有単量体、
Figure 0004748125
で示されるニトリル基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられ、通常、ヨウ素含有単量体、ニトリル基含有単量体、カルボキシル基含有単量体などが好適である。
ヨウ素含有単量体としては、パーフルオロビニルエーテル化合物がその共重合性から好適である。たとえばパーフルオロ(6,6ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)や、パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などが好適である。
そのほか特公平5−63482号公報に記載されている一般式:
Figure 0004748125
(式中、Y3はトリフルオロメチル基、nは0〜2)で示されるフルオロビニルエーテルなどがあげられる。
また、CF2=CHIなども好適に使用できる。
これらのうち末端基X1またはX2の少なくとも一つがカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である場合はニトリル基またはカルボキシル基を含有する単位であるのが架橋反応性の点で好ましい。
非エラストマー性セグメントBとしては、フッ素原子を含み前記エラストマー性を有していなければ基本的には限定されず、非エラストマー性セグメントBをブロック共重合することによりえようとする特性・機能に合わせて選択すればよい。なかでも、機械的物性を付与するためには結晶融点が150℃以上である結晶性ポリマー鎖セグメントであることが好ましい。
非エラストマー性セグメントBを構成しうる単量体のうち含フッ素単量体としては、たとえばTFE、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、CF2=CF(CF2pX(pは1〜10の整数、XはFまたはCl)、パーフルオロ−2−ブテンなどのパーハロオレフィン類;フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、
Figure 0004748125
(X4およびX5はHまたはF、qは1〜10の整数)、CH2=C(CF32などの部分フッ素化オレフィン類の1種または2種以上があげられる。また、これらと共重合可能な単量体、たとえばエチレン、プロピレン、塩化ビニル、ビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、アクリル類の1種または2種以上も共重合成分として使用できる。
これらのうち、耐薬品性、耐熱性の点から、主成分に用いる単量体としては含フッ素オレフィン単独または含フッ素オレフィン同士の組合せ、エチレンとTFEの組合せ、エチレンとCTFEの組合せが好ましく、特にパーハロオレフィンの単独またはパーハロオレフィン同士の組合せが好ましい。
具体的には、
(1)VdF/TFE(0〜100/100〜0)、特にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、PTFEまたはPVdF;
(2)エチレン/TFE/HFP(6〜60/40〜81/1〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜40);
(3)TFE/CF2=CF−Rf 3(非エラストマー性を示す組成範囲、すなわち、CF2=CF−Rf 3が15モル%以下。Rf 3は1個以上のエーテル型酸素原子を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のフルオロ−もしくはパーフルオロアルキル基、またはフルオロ−もしくはパーフルオロオキシアルキル基である。);
(4)VdF/TFE/CTFE(50〜99/30〜0/20〜1);
(5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0/10〜1);
(6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40);
(7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);
(8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40)
などがあげられる。これらのうち、耐薬品性と耐熱性の点から、特にPTFEおよびTFE/CF2=CF−Rf 3(Rf 3は前記と同じ)の非エラストマー性の共重合体が好ましい。
また、非エラストマー性セグメントBを構成しうる単量体として、各種架橋のために前記した硬化部位を与える単位Y2を5モル%以下、好ましくは2モル%以下導入してもよい。
非エラストマー性セグメントBのブロック共重合は、たとえばエラストマー性セグメントAの乳化重合に引き続き、単量体を非エラストマー性セグメントB用に変えることにより行なうことができる。
非エラストマー性セグメントBの数平均分子量は、1,000〜1,200,000、好ましくは3,000〜400,000と広い幅で調整できる。
また、エラストマー性セグメントAの構成単位の90モル%以上、特に95モル%以上をパーハロオレフィン単位とすることによりエラストマー性セグメントAに確実に非エラストマー性セグメントBをブロック共重合でき、しかも非エラストマー性セグメントBの分子量(重合度)を大きくすることができる。
エラストマーの末端基であるX1、X2としては、前記のとおりカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子またはスルホン酸基である。末端基にこれらの官能基を導入する方法としては、後述する酸処理法があげられる。
本発明の特徴は、架橋点となりうるX1、X2、Y、Y1、Y2の少なくとも1つがカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基である含フッ素エラストマーを使用することである。前述のとおり、これらのうち前記式(Ia)または(IIa)で示されるカルボキシル基を主鎖の末端に有する(すなわち、X1またはX2の少なくとも一方がカルボキシル基である)含フッ素エラストマーは新規なエラストマーである。
前記デュポン社の出願明細書にはカルボニル含有末端基を有する含フッ素エラストマーが記載されており、カルボニル基含有基としてカルボキシル基、カルボン酸塩およびカルボキシアミド基があげられている。しかし、同明細書ではこれらを区別することなく一括してカルボニル基含有基として扱っており、実際にカルボキシル基が主鎖の末端に存在しているかは不明である。本発明者らの知見によると、これらの国際公開公報に記載されている重合条件、凝析条件、とくにpH3.5〜7.0という条件では末端基は実質的にカルボキシル基の金属塩またはアンモニウム塩となっており、アルコキシカルボニル基はもとより遊離のカルボキシル基も殆ど存在していないと考えられる。
本発明のもう一つの特徴は、本発明の含フッ素エラストマーは、重合生成物そのものではなく、重合反応混合物から単離された状態の含フッ素エラストマーである点にある。したがって、架橋剤を加えるか、高エネルギー線を照射すれば架橋可能ないわゆるマス(mass)の状態にある。
前記のように、乳化重合法に代表される重合上がりの重合生成物(エラストマー)は重合反応混合物から通常金属塩によって凝析して単離されたのち架橋される。したがって、たとえ重合生成物がカルボキシル基を有していたとしてもこの塩析段階でカルボン酸塩になり、遊離のカルボキシル基を含有する含フッ素エラストマーは現実として得られていない。このことが原因となって、架橋物の機械的強度および圧縮永久歪みの向上を妨げていたのである。
このように前記式(Ia)および(IIa)で示される含フッ素エラストマーはもちろん、前記式(I)および(II)で示される含フッ素エラストマーも、架橋に供される状態では従来存在していなかったのである。
本発明の前記式(Ia)および(IIa)で示される新規な含フッ素エラストマー中のカルボキシル基の含有量は、前記関係式(1):
(Sco/Scf)×(D/Dp)×(F/Fp)≧0.01
を満たすことが、架橋点を確保し耐熱性を上げ、圧縮永久歪みを向上させる点から好ましい。
つぎに関係式(1)中の文字の説明をする。
式中、Sco、Scf、D、Dp、FおよびFpは、対象とする本発明の含フッ素エラストマーおよび後述する標準パーフルオロエラストマーのそれぞれつぎの値をいう。
Sco:対象とするエラストマーをFT−IRで測定したときの1680〜1830cm-1に吸収のピークをもつ会合および非会合のカルボキシル基のカルボニル基に基づく吸収の合計面積吸光度。たとえば、TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)/CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2X(XはCNまたはCOOH)においては、会合しているカルボニル基に基づく吸収が1800〜1820cm-1に、非会合のものに基づく吸収が1760〜1780cm-1に出現する。
Scf:対象とするエラストマーをFT−IRで測定したときの2220〜2840cm-1に吸収のピークをもつC−F結合の倍音に基づく吸収の面積吸光度。ただし、ニトリル基が存在する場合は2220〜2840cm-1に吸収のピークをもつすべての吸収の面積吸光度の合計から2220〜2300cm-1に吸収のピークをもつニトリル基に基づく吸収の面積吸光度を引いた値。この補正は、ニトリル基が存在する場合は2220〜2300cm-1に吸収のピークが出るため、その吸収の影響を排除するためである。
D:対象とするエラストマーの20℃での比重。
Dp:標準とするパーフルオロエラストマー(TFE/PMVEのモル比で58/42の共重合体。19F−NMRで測定)の20℃での比重(測定値:2.03)。TFE/PMVEのモル比で58/42の共重合体を標準パーフルオロエラストマーとする理由は、入手が容易であるからである。
F:元素分析法で求めた対象とするエラストマーのフッ素含有量(重量%)。
Fp:元素分析法で求めた前記標準パーフルオロエラストマーのフッ素含有量(測定値:71.6重量%)。
つぎにこの関係式(1)のもつ意味について説明する。
Sco/Scf項は含フッ素エラストマーにおけるカルボニル基(カルボキシル基のカルボニル基。以下この説明では同様)のC−F結合に対する割合である。本発明の含フッ素エラストマーがパーフロオロエラストマーである場合はこの項だけでよい。すなわちSco/Scfp≧0.01
(ScfpはパーフルオロエラストマーのC−F結合の面積吸光度)でよい。
D/Dp項およびF/Fp項は、本発明の含フッ素エラストマーが非パーフルオロエラストマー、たとえばフッ化ビニリデンなどを共重合した場合の補正項である。すなわちフッ化ビニリデンなどの非パーフルオロモノマーを共重合するとエラストマー中のC−F結合量が相対的に減少し、透過型のIRで測定するとC−F結合の面積吸光度が相対的に減少する。
一般に透過型のIRで測定する場合、C−Fの面積吸光度はエラストマーの単位体積あたりのフッ素原子のモル数(フッ素原子の重量をフッ素の原子量19で除した値)に比例する。そうすると体積Vのパーフルオロエラストマーの重量はV×Dp(Dpはパーフルオロエラストマーの比重)であり、このパーフルオロエラストマー中のフッ素の重量はV×Dp×Fp/100(Fpはパーフルオロエラストマーのフッ素含有量(Fp重量%))となり、フッ素のモル数はV×Dp×Fp/1900となる。同じく体積Vの非パーフルオロエラストマー中のフッ素のモル数はV×D×F/1900(DおよびFはそれぞれ非パーフルオロエラストマーの比重およびフッ素含有量)となる。
ここでパーフルオロエラストマーのC−F結合の面積吸光度をScfpとし、非パーフルオロエラストマーのC−F結合の面積吸光度をScfとすると、C−F結合の面積吸光度とモル数は比例するので、Scfp/Scf=VDpFp/VDFとなり、Scfp=(DpFp/DF)×Scfとなる。この式をパーフルオロエラストマーの場合の関係式:Sco/Scfp≧0.01に代入すると前記関係式(1)が得られる。
なお、関係式(1)における測定はつぎの方法、装置を使用する。
(FT−IR測定)
測定機:パーキンエルマー社製のFT−IRスペクトロメータ1760X型
サンプル:厚さ約0.1mmのフィルム
測定条件:分解能 2cm-1、測定間隔 1cm-1、透過法で測定
(元素分析)
測定機:オリオンリサーチ社製のマイクロプロセッサ イオナライザ901型
測定方法:サンプル1.4〜1.9mgにNa22(助燃剤)を少量加え、25mlの純水を入れた燃焼フラスコ中で燃焼させる。30分間放置後、10mlを取り出し、チサブ液(酢酸500ml、塩化ナトリウム500g、クエン酸三ナトリウム2水和物5gおよび水酸化ナトリウム320gに純水を加えて10リットルにしたもの)10mlを加えてFイオンメータでFイオン量を測定する。
(比重)
測定機:(株)東洋精機製作所製のオートマチックデンシメータD−1型
測定条件:20℃
関係式(1)は本発明の含フッ素エラストマーがパーフルオロエラストマーであろうと非パーフルオロエラストマーであろうと、カルボキシル基をポリマー1kgあたり1ミリモル以上もつことを意味し、そのうち特に10〜250ミリモルのものが好ましい。また、カルボキシル基含有単量体を共重合したものであるときは、その共重合組成比が特に0.3〜2モル%であるのが好ましい。
またその結合位置としては、得られる架橋物の物性がより向上する点から、主鎖の末端X1、X2が好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーは、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法などの重合法により製造することができる。
重合開始剤としては、好ましくはカルボキシル基またはカルボキシル基を生成し得る基(たとえば酸フルオライド、酸クロライド、CF2OH。これらはいずれも水の存在下にカルボキシル基を生ずる)をエラストマー末端に存在させ得るものが用いられる。具体例としては、たとえば過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)などがあげられる。
また、分子量の調整に通常使用される連鎖移動剤を使用してもよいが、末端に導入されるカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を生成し得る基の割合が低下するため、できるだけ使用しない方がよい。ただし、連鎖移動剤が前記基をエラストマー末端に存在させ得るものであれば、この限りではない。連鎖移動剤を使用しない場合、分子量は重合を低圧、たとえば2MPa・G未満、好ましくは1MPa・G以下で行なうことにより調整すればよい。その他の重合条件は、特に制限されないが、カルボキシル基を末端および/または分岐鎖に有する重合生成物を後述する酸処理を経ずに得るためには、重合系のpHを3以下の強酸性とするのが好ましい。
かくして得られた重合生成物は重合条件によっては遊離のカルボキシル基が含まれていないものもあるが、それらもつぎの酸処理を施すことにより、遊離のカルボキシル基に変換することができる。
本発明の重要な特徴の一つは重合生成物を酸処理することにより、重合生成物に存在しているカルボン酸の金属塩やアンモニウム塩などの基をカルボキシル基に変換することにある。酸処理法としては、たとえば塩酸、硫酸、硝酸などにより洗浄するか、これらの酸で重合反応後の混合物の系をpH3以下にする方法が適当である。
この酸処理は、重合反応混合物から重合生成物を凝析により単離する際の凝析手段として適用するのが、工程の簡略化の点から好ましい。または、重合混合物を酸処理し、その後凍結乾燥などの手段で重合生成物を単離してもよい。さらに超音波などによる凝析や機械力による凝析などの方法も採用できる。
また、ヨウ素や臭素を含有する含フッ素エラストマーを発煙硝酸により酸化してカルボキシル基を導入することもできる。
本発明はさらに、架橋性基としてカルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を主鎖の末端および/または分岐鎖に有する含フッ素エラストマー、特に前記式(I)および式(II)で示される含フッ素エラストマーを含むフッ素ゴム組成物に関する。
本発明の含フッ素ゴム組成物は架橋剤を使用しない架橋方法、たとえば電子線照射法、放射線照射法、紫外線照射法などの高エネルギー線照射法で架橋することもできるが、好ましくはカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基と反応可能な架橋剤、特にオキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系に使用される架橋剤を配合する。
オキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系に使用する架橋剤としては、たとえば式(III):
Figure 0004748125
(式中、R3は−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基または単結合手であり、R1およびR2は一方が−NH2であり他方が−NH2、−OHまたは−SH、好ましくはR1およびR2のいずれも−NH2である)で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、式(IV):
Figure 0004748125
で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、式(V)または(VI):
Figure 0004748125
(式中、Rf 3は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基)、
Figure 0004748125
(式中、nは1〜10の整数)で示されるビスアミドキシム系架橋剤などがあげられる。これらのビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤またはビスジアミノフェニル系架橋剤などは従来ニトリル基を架橋点とする架橋系に使用していたものであるが、本発明の含フッ素エラストマーが有するカルボキシル基およびアルコキシカルボニル基とも反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成し、架橋物を与える。
特に好ましい架橋剤としては複数個の3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル基、3−アミノ−4−メルカプトフェニル基または式:
Figure 0004748125
(式中、R3は前記と同じ。R4およびR5はいずれもアミノ基)で示される3,4−ジアミノフェニル基を有する化合物があげられ、具体的には、たとえば2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス−3,4−ジアミノフェニルメタン、ビス−3,4−ジアミノフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどである。
架橋剤の配合量は、好ましくはエラストマー100重量部に対して0.1〜10重量部である。
本発明の組成物において、必要に応じて含フッ素エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のフッ素ゴムを混合してもよい。
本発明の組成物は、上記の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。
上記組成物から予備成形体を得る方法は通常の方法でよく、金型にて加熱圧縮する方法、加熱された金型に圧入する方法、押出機で押出す方法など公知の方法で行なうことができる。ホースや電線などの押出製品の場合は押出後も形を保持することが可能なので、架橋剤を使用せずに押出した予備成形体をそのまま用いることができる。もちろん架橋剤を使用してスチームなどによる加熱架橋を施した予備成形体を用いることも可能である。またO−リングなどの型物製品で未架橋状態では離型後も形を保持することが困難な場合は、架橋剤を使用してあらかじめ架橋した予備成形体を用いることにより実施可能となる。
本発明においてビスアミノフェノールなどの架橋剤を用いてオキサゾール架橋を行なう場合、通常のフッ素ゴムの架橋条件下で行なうことができる。たとえば、金型に入れ、加圧下において120〜250℃で1〜60分間保持することによって、プレス架橋を行ない、続いて120〜320℃の炉中で0〜48時間保持することによってオーブン架橋を行なうと、架橋ゴムを得ることができる。また公知のフッ素ゴムの架橋方法、たとえばポリアミン架橋やポリオール架橋、パーオキサイド架橋の配合にビス(アミノフェノール)AFなどを添加して併用架橋することもできる。
また、カルボキシル基をビスジアミノフェニル系架橋剤で架橋するイミダゾール架橋は、カルボキシル基を末端以外に有するカルボキシル含有ポリマーに最適であり、比較的低い架橋温度(たとえば150〜230℃、好ましくは170〜200℃)で良好な物性をもつ架橋物を与える。
本発明はかくして得られる架橋物にも関する。本発明の架橋物は含フッ素エラストマーの末端基をも架橋点として架橋できるので、従来にない高い機械的強度を与える。それ以上に、驚くべきことに特にシール材として不可欠なシール性を評価する基準である圧縮永久歪みが大幅に小さくなっており、しかも高温時の圧縮永久歪みも小さくなっている。
本発明の架橋物はつぎの表1、表2および表3に示す分野の各種成形品として有用である。
Figure 0004748125
Figure 0004748125
Figure 0004748125
特に具体的には次のような半導体製造装置に組み込んで用いることができる。
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O3洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水1リットルおよび乳化剤として
Figure 0004748125
10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の527mg/mlの濃度の水溶液10mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.69MPa・Gまで降下した時点で、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN(CNVE)3gを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEを4.7gおよびPMVE5.3gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.69〜0.78MPa・Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返すと共に、TFEとPMVEの合計量が70g、130g、190gおよび250gとなった時点でそれぞれCNVE3gを窒素圧で圧入した。
重合反応の開始から19時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、300gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度21.2重量%の水性分散体1330gを得た。
この水性分散体のうち1196gを水3588gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2kgのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、240gのポリマー(ニトリル基含有エラストマー)を得た。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CNVE=56.6/42.3/1.1モル%であった。赤外分光分析により測定したところ、図1に示すチャートが得られた。
図1のチャートにおいて、カルボキシル基の特性吸収が1774.9cm-1、1808.6cm-1付近に、OH基の特性吸収が、3557.5cm-1および3095.2cm-1付近に認められる。(Sco/Scf)×(D/Dp)×(F/Fp)=0.040であった。
なお、参考までに、生成物を塩化マグネシウムとエタノールを用いて凝析して得られたエラストマーをIR分析したところ、カルボキシル基に基づく吸収は存在せず、1729cm-1にカルボン酸のマグネシウム塩の吸収が認められた。
さらにまた、凝析を凍結凝析法(pH3.5〜7.0)により行ない、得られたエラストマーを同じくIR分析したところ、カルボキシル基に基づく吸収は存在せず、1651cm-1にカルボン酸のアンモニウム塩(−COONH4)の吸収が認められた。
得られた本発明の含フッ素エラストマー(末端にカルボキシル基を有するニトリル基含有エラストマー)と架橋剤である2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン[ビス(アミノフェノール)AF]と充填材であるカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/2/20で混合し、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を180℃で10分間プレスして架橋を行なったのち、さらにオーブン中で表4に記載の条件で2段階のオーブン架橋を施し、厚さ2mmの架橋物およびO−リング(AS−568A−214)の被験サンプルを作製した。この架橋物の架橋性、常態物性および圧縮永久歪みについて測定した結果を表4に示す。
(架橋性)
各架橋用組成物についてJSR型キュラストメーター
II型により、表4に記載の温度にて加硫曲線を求め、最低粘度(νmin)、最高粘度(νmax)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を求める、
(常態特性)
JIS K6301に準じて厚さ2mmの架橋物の常態(25℃)での100%モジュラス、引張強度、引張伸びおよび硬度(JIS A硬度)を測定する。
(圧縮永久歪み)
JIS K6301に準じてO−リング(AS−568A−214)の200℃70時間、200℃168時間、230℃70時間および230℃168時間後の圧縮永久歪みを測定する。
実施例2
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水1リットルおよび乳化剤として
Figure 0004748125
10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の527mg/mlの濃度の水溶液10mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.69MPa・Gまで降下した時点で、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2COOH(CBVE)3.78gを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEを4.7gおよびPMVE5.3gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.69〜0.78MPa・Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。重合反応の開始から4.2時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が80gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度7.5重量%の水性分散体1091gをえた。
この水性分散体のうち1000gを水3000gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに800gのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、120℃で72時間真空乾燥させ、72gのポリマーを得た。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CBVE=57.3/41.8/0.9モル%であった。赤外分光分析により測定したところ、図2に示すチャートが得られた。
図2のチャートにおいて、カルボキシル基の特性吸収が1774.4cm-1付近に、OH基の特性吸収が3557.0cm-1および3087.7cm-1付近に認められる。(Sco/Scf)×(D/Dp)×(F/Fp)=0.53であった。
得られた含フッ素エラストマー(カルボキシル基含有エラストマー)と架橋剤である2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン[ビス(アミノフェノール)AF]と充填材であるカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/2/20で混合し、オープンロールにて混練して架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製した。
このフッ素ゴム組成物を180℃で10分間プレスして架橋を行なったのち、さらにオーブン中で表4に記載の条件で2段階のオーブン架橋を施し、厚さ2mmの架橋物およびO−リング(AS−568A−214)の被験サンプルを作製した。この架橋物の架橋性、常態物性および圧縮永久歪みについて測定した結果を表4に示す。
実施例3
実施例2において、架橋剤としてビス(アミノフェノール)AFに代えて式:
Figure 0004748125
で示されるビスジアミノフェニル化合物を用いたほかは同様にして架橋可能なフッ素ゴム組成物を調製し、表4に示す架橋条件(実施例1と同じ条件)で架橋を行ない、得られた架橋物の架橋性、常態物性および圧縮永久歪みを実施例1と同様にして測定した。結果を表4に示す。
実施例4(トリアジン架橋系)
実施例1で得たカルボキシル基を末端に有するニトリル基含有エラストマー100重量部に架橋剤としてビスアミノフェノールAFに代えてテトラフェニルスズを3重量部配合し、カーボンブラックとしてSRFカーボンブラックを10重量部配合したほかは実施例1と同様にして表4に示す条件で架橋し、架橋物を得た。この架橋物について実施例1と同様にして架橋性および各物性を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004748125
表4に示すように、カルボキシル基を末端に有するニトリル基含有ポリマー(実施例1)については低い架橋温度で常態物性と圧縮永久歪みに優れた架橋物が得られ、カルボキシル基含有ポリマーもオキサゾール架橋(実施例2)で常態物性に優れた架橋物が得られている。また、カルボキシル基含有ポリマーのイミダゾール架橋(実施例3)では低い架橋温度(180℃)で特に圧縮永久歪みが改善された架橋物が得られている。また、カルボキシル基を末端に有するニトリル基含有ポリマーをテトラフェニルスズで架橋しても(実施例4)、架橋時の最低粘度が低く、良好な加工性を示す。
実施例1で得られた本発明の含フッ素エラストマーの赤外分光分析のチャートである。 実施例2で得られた本発明の含フッ素エラストマーの赤外分光分析のチャートである。

Claims (6)

  1. 架橋性基としてカルボキシル基および/またはアルコキシカルボニル基を主鎖の両末端に有するパーフルオロエラストマーと、該カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基と反応可能でかつオキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系またはチアゾール架橋系に使用される架橋剤とを含むフッ素ゴム架橋用組成物。
  2. パーフルオロエラストマーが、架橋性基としてカルボキシル基を主鎖の両末端に有するパーフルオロエラストマーである請求項1記載のフッ素ゴム架橋用組成物。
  3. カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基と反応可能な架橋剤が、式(III):
    Figure 0004748125
    (式中、R1およびR2は一方が−NH2であって他方が−NH2、−OHまたは−SHであり、R3は−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基または単結合手である)で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、
    式(IV):
    Figure 0004748125
    で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、
    式(V)または(VI):
    Figure 0004748125
    (式中、Rf 3は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基)、
    Figure 0004748125
    (式中、nは1〜10の整数)で示されるビスアミドキシム系架橋剤
    である請求項1または2記載のフッ素ゴム架橋用組成物。
  4. パーフルオロエラストマー100重量部と式(III):
    Figure 0004748125
    (式中、R1およびR2は一方が−NH2であって他方が−NH2、−OHまたは−SHであり、R3は−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基または単結合手である)で示される架橋剤0.5〜5.0重量部とからなる請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素ゴム架橋用組成物。
  5. 式(III)において、R1およびR2がいずれも−NH2であるビスアミノフェニル系架橋剤を用いる請求項4記載のフッ素ゴム架橋用組成物。
  6. パーフルオロエラストマーが、式(I):
    1−[A−(Y)pq−X2 (I)
    または式(II):
    1−[A−(Y1pq−[B−(Y2rs−X2 (II)
    (式中、X1およびX2は同じかまたは異なり、いずれもカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基、Y、Y1およびY2は同じかまたは異なり、いずれも側鎖にカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子またはニトリル基を有する2価の有機基、Aはエラストマー性パーフルオロポリマー鎖セグメント、Bは非エラストマー性パーフルオロポリマー鎖セグメント、pは0〜10の整数、qは1〜5の整数、rは0〜10の整数、sは1〜3の整数である、ただし、Y、Y1およびY2はAまたはBのセグメント中にランダムに入っていてもよい)で示されるパーフルオロエラストマーである請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素ゴム架橋用組成物。
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