以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態の説明では、図1Aに従って、身体部分を示す用語を使用する。なお、図1Aは、身体部分を示す用語を説明するための図であり、人体を背面からみた図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における車両制御装置10は、運転操作の前に起こる予備動作に従って車両を制御する。
図1Bは、実施の形態1における車両制御装置の全体構成の一例を示すブロック図である。図1Bに示すように、車両制御装置10は、姿勢測定部11と、姿勢変動検出部12と、予備動作特定部13と、車両制御部14とを備える。
姿勢測定部11は、運転者が運転操作を行う身体部分と異なる身体部分の状態を示す姿勢を測定する。具体的には、姿勢測定部11は、例えば、運転者の臀部、骨盤上部、及び運転者がブレーキ操作又はアクセル操作を行う脚部と反対側の脚部の少なくとも1つの状態を示す姿勢を測定する。また、姿勢測定部11は、運転者の大腿部、臀部、及び骨盤より上の腰部から背部の少なくとも1つの状態を示す姿勢を測定しても良い。本実施の形態では、姿勢測定部11は、運転者の臀部及び大腿部が接する座面上における圧力を測定することにより得られる運転者の重心位置を、運転者の臀部及び大腿部の状態を示す姿勢として測定する。
ここで、運転操作とは、運転者が車両を制御するために意識的に行う操作である。具体的には、運転操作には、ブレーキペダルを踏むブレーキ操作、ハンドルを左もしくは右に回す左ハンドル操作もしくは右ハンドル操作(以下、両者を合わせて「ハンドル操作」という。)又はアクセルペダルを踏むアクセル操作などが含まれる。
また、運転者が運転操作を行う身体部分とは、ブレーキペダル、アクセルペダル又はハンドルなどの運転操作受付手段を運転者が物理的に操作する身体部分を意味する。つまり、ブレーキペダル又はアクセルペダルが操作される場合、運転操作を行う身体部分は、脚部(詳細には、脚部の先端部分である足部)である。また、ハンドルが操作される場合、運転操作を行う身体部分は手部である。
実際に運転者が運転操作を行う場合、運転者の意思決定からブレーキペダル、アクセルペダル又はハンドルなどの運転操作受付手段を、運転者が物理的に操作するまでには、いくつかの段階がある。例えば「ブレーキペダルを踏む」という意思決定が行われた場合、ブレーキペダルを踏む右足の足部の軌道が決定されると、右足の足部の軌道を実現するための右足の脚部の運動が決定される。右足の足部及び脚部の運動が決定されると、右足の脚部及び足部が運動することによる身体の重量バランスの変化に耐えるように姿勢を調節するために、背、腰の重心を動かす背筋群と腹筋群、腰と脚との角度を調節する骨盤周辺の筋群の運動が決定される。実際の身体動作としては、運転操作を行う右の足部及び脚部の運動に先立って、まず姿勢調節のための背筋群、腹筋群及び骨盤周辺の筋群が動き、右の脚部及び足部の運動に備える。この動作は無意識に行われる。次いで右の脚部の運動によって右の足部の位置が変わり「ブレーキペダルを踏む」という運転者が意思決定した運転操作が行われる。上記のように、人間が意識して動作する場合、意識した動作に先行する、無意識に行われる姿勢調節のための運動の段階と、意識する動作そのものの運動の段階があり、無意識に行われる姿勢調節のための運動は、意識する動作そのものの運動を実行する身体部位とは異なる部位である場合が多い。特に意識する動作が運転操作のように四肢の運動である場合、姿勢維持は四肢の起始部である体幹すなわち胴を中心とした運動になる。
姿勢変動検出部12は、姿勢測定部11によって測定された姿勢の変動である姿勢変動を検出する。具体的には、姿勢変動検出部12は、姿勢測定部11によって測定された姿勢の時間的・空間的変動を姿勢変動として検出する。
予備動作特定部13は、姿勢変動検出部12によって検出された姿勢変動が、運転操作(アクセル操作、ブレーキ操作又はハンドル操作)の予備動作によって生じた姿勢変動であるか否かを特定する。すなわち、予備動作特定部13は、姿勢変動検出部12によって検出された姿勢変動を用いて、運転操作の予備動作を特定することにより、予備動作の後に行われる運転操作を予測する。ここで、運転操作の予備動作(以下、単に「予備動作」ともいう。)とは、運転者が運転操作を行う前に姿勢を制御するために行う動作を示す。つまり、運転操作の予備動作とは、運転者の運転操作に付随する動作であって、運転操作の前に無意識に行われる運転者の動作を示す。なお、予備動作については、図2を用いて後述する。
車両制御部14は、姿勢変動が運転操作の予備動作であると判定された場合に、予備動作に従って車両を制御する。つまり、車両制御部14は、運転操作に従った車両の制御の前に、予備動作特定部13によって予測された運転操作に従って車両を制御する。具体的には、車両制御部14は、予測された運転操作に従って、車両の動き又は状態を制御する。より具体的には、車両制御部14は、予測された運転操作に従って、例えば車両の速度、車両の進行方向、又は車両が備える各種ランプの点灯状態などを制御する。
以下、予備動作について、図2を用いて詳細に説明する。
予備動作とは、予測的姿勢制御(Anticipatory postural control)を指し、人が何らかの動作を行う場合に、動作に先立って姿勢が制御される際の身体の動きのことを指す。
人は、両足で立っている状態から右足を上げる際には、右足を上げる動作に先立って、右足を上げても転倒しないように重心を左足に移動する。このような動作を行った際に身体のバランスを維持することができるように、動作に先立って予測的に行われる姿勢制御を予備動作と呼んでいる。
このような予備動作は無意識に行われるものであり、動作する身体部位あるいは動作の大きさ等によるが、動作に数100ミリ秒程度先行して起こる(例えば、非特許文献1参照)。
1987、藤田厚"運動支配の生理心理:運動反応のメカニズム"、「新版運動心理学入門」松田岩男 杉原隆 編 大修館書店 東京都、第2章 p15−p22
図2は、予備動作を説明するための図であり、非特許文献1に記載の図面(図2−8)に説明を付け加えた図である。非特許文献1において、図2は、「右又は左にランダムに呈示される上向き又は下向きの矢印の光刺激に対して、全身的な高い跳躍(high jump)又は低い跳躍(low jump)を行うという、選択的反応場面を設定して、被験者の反応によって生ずる跳躍板のゆがみの変化を反応曲線(response curve)、眼球運動による網角膜電位を眼球電位図(electrooculogram;E.O.G.)、前脛骨筋と腓腹筋の緊張変化を筋電図(electromyogram;E.M.G.)として、それをオシログラフに同時に記録して、それに基づいて、反応時間を、I:眼球運動の潜時(latency of eye movement)、II:眼球運動時間(eye movement time)、III:決断時間(decision time)、IV:筋収縮時間(contraction time)、V:反応時間(reaction time)、VI:脚部屈曲の潜時(latency of leg flexion)、VII:滞空時間(jumping time)に分類して」示した図であると説明されている。
図2の筋電図(前脛骨筋及び腓腹筋)に示すように、跳躍動作をするためのふくらはぎの筋である腓腹筋の動きに先立って、脛の筋肉である前脛骨筋が動いている。つまり、人が意識的に行う動作である跳躍動作を行う部分である腓腹筋の動作に先立って、跳躍動作を行う部分とは異なる前脛骨筋が動作する。このように前脛骨筋が収縮することにより、重心はやや前方に移動する。つまり、腓腹筋の収縮によって起こる後方への重心移動に対してバランスを維持するために、前方への重心移動が予備動作として行われる。
なお、足などの下半身の動作だけではなく、上半身の動作に対しても予備動作は確認されている(例えば、非特許文献2参照)。
1992、 Sandy Moore、 Denis Brunt、 Mary L. Nesbitt and Terl Juarez、 Investigation of Evidence for Anticipatory Postural Adjustments in Seated Subjects Who Performed a Reaching Task、 Physical Therapy Vol. 72、 (5)、 pp335−343.
非特許文献2には、人が腰掛けた状態において腕を伸ばす際にも、腕を伸ばす筋肉である三角筋の活動に数十ミリ秒先行して、姿勢を維持する筋である外腹斜筋と背筋とが活動していることが示されている。
したがって、このような下半身又は上半身による運転操作の予備動作を検出できれば、運転操作が行われる前に運転操作を予測することが可能となる。
次に、図1Bに示した各構成要素の詳細について説明する。
図3は、実施の形態1における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、姿勢測定部11は、シート圧力センサ111と、重心位置計算部112と、振動センサ113と、補正部114とを備える。また、姿勢変動検出部12は、平常重心位置記憶部121と、重心移動検出部122と、平常重心位置計算部123とを備える。また、予備動作特定部13は、重心移動パターン記憶部131と、重心移動パターン照合部132とを備える。また、車両制御部14は、減速制御信号生成部141と、加速制御信号生成部142と、進行方向制御信号生成部143とを備える。
4つのシート圧力センサ111のそれぞれは、運転者が座る座席の座面の互いに異なる位置に配置される。また、各シート圧力センサ111は、運転者によって加えられる座面への圧力を測定する。シート圧力センサ111の配置については、図4を用いて後述する。
重心位置計算部112は、各シート圧力センサ111によって測定された圧力と、各シート圧力センサの位置とから、座面内における圧力の重心位置を計算する。具体的には、重心位置計算部112は、各シート圧力センサ111によって測定された圧力値と、各シート圧力センサ111の座面上の位置を示す位置座標とを用いて、圧力によるモーメントが相殺される位置の座標を重心位置座標として計算する。
振動センサ113は、運転者の重心位置に影響を与える車両の振動を測定する。具体的には、振動センサ113は、例えば、座席の座面と平行な平面上における車両振動ベクトルを測定する。
補正部114は、振動センサ113によって測定された車両の振動に基づいて、重心位置計算部112によって計算された重心位置を補正する。具体的には、補正部114は、シート圧力センサ111によって圧力が測定されたときに測定された車両振動ベクトルを打ち消すベクトルに従って重心位置を移動させる。これにより、補正部114は、運転者の重心位置から車両の振動の影響を除去することが可能となる。
平常重心位置記憶部121は、平常重心位置を記憶している。ここで、平常重心位置とは、運転者の姿勢が平常状態であるときの運転者の重心位置である。言い換えると、平常重心位置は、運転操作及び予備動作が行われていないときの運転者の重心位置である。
重心移動検出部122は、重心位置の移動を姿勢変動として検出する。具体的には、重心移動検出部122は、平常重心位置から補正部114によって補正された重心位置へ向かう重心移動ベクトルを姿勢変動として検出する。
平常重心位置計算部123は、各シート圧力センサ111によって圧力が測定された後に所定期間運転操作が行われなかった場合、その測定された圧力を用いて計算された重心位置を用いて平常重心位置を計算する。言い換えると、平常重心位置計算部123は、運転者が運転操作を行っている時を含む所定期間以外に測定された圧力を用いて計算された重心位置を用いて平常重心位置を計算する。
ここで、運転操作が行われたか否かは、運転操作受付手段によって受け付けられた運転者の運転操作に関する情報(運転操作情報)を運転操作受付手段から取得することにより判断される。また、所定期間は、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間が含まれるような期間である。この所定期間は、経験的に又は実験により得られる、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間より長くなるように決定されればよい。
重心移動パターン記憶部131は、姿勢変動パターン記憶部の一例であり、予備動作が行われるときの重心移動ベクトルの特徴を示す重心移動パターンと、予備動作の後に行われる運転操作を特定するための予備動作情報とを対応づけて記憶している。具体的には、重心移動パターン記憶部131は、重心移動パターンと予備動作情報とを対応づけて格納している重心移動パターンテーブル131aを記憶している。重心移動パターンテーブル131aについては、図5を用いて後述する。
重心移動パターン照合部132は、姿勢変動パターン照合部の一例である。重心移動パターン照合部132は、重心移動パターン記憶部131に記憶された重心移動パターンと重心移動検出部122によって検出された重心移動ベクトルとを照合することにより、予備動作情報を特定する。具体的には、重心移動パターン照合部132は、重心移動ベクトルが重心移動パターンの示す条件を満たすか否かに基づいて、予備動作情報によって示される運転操作を予測する。
減速制御信号生成部141は、車両を減速させるための信号である減速制御信号を生成し、車両を減速させる。具体的には、減速制御信号生成部141は、例えば、生成した減速制御信号を、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ又は回生ブレーキ等の制動装置に通知し、制動装置に車両を減速させる。制動装置は、例えば、アクチュエータを用いて減速制御信号を物理的な動きに変換し、車両を減速させるための部材を動作させる。
加速制御信号生成部142は、車両を加速させるための信号である加速制御信号を生成し、車両を加速させる。具体的には、加速制御信号生成部142は、例えば、生成した加速制御信号をエンジンに通知し、エンジンシリンダへの燃料の供給量を増加させる。
進行方向制御信号生成部143は、車両の進行方向を変更させるための信号である進行方向制御信号を生成し、車両の進行方向を変更させる。具体的には、進行方向制御信号生成部143は、例えば、生成した進行方向制御信号を操舵装置に通知し、操舵装置に車輪の向きを変更させる。
図4は、実施の形態1におけるシート圧力センサの配置の一例を示す図である。図4に示すように本実施の形態において、シート圧力センサ111は、シートの座面の四隅に配置される。
なお、本実施の形態では、シート圧力センサ111がシートの座面に4つ設置されているが、必ずしも4つ設置される必要はない。シート圧力センサ111は、重心位置を計算することができる数である3つ以上配置されればよい。
また、本実施の形態では、シート圧力センサ111がシートの座面の四隅に配置されるが、必ずしも四隅に配置される必要はない。例えば、シート圧力センサ111は、座面を囲む各辺の中央に1つずつ配置されてもよい。
図5は、実施の形態1における重心移動パターン記憶部に記憶されている重心移動パターンテーブルの一例を示す図である。
重心移動パターン記憶部131に記憶されている重心移動パターンテーブル131aには、予備動作が行われるときの重心移動ベクトルの特徴を示す重心移動パターンと、予備動作の後に行われる運転操作を特定するための予備動作情報とが対応づけて格納されている。予備動作情報は、例えば、ブレーキペダルを踏む運転操作を示す「ブレーキ」、ハンドルを右又は左に回す運転操作を示す「右ハンドル」又は「左ハンドル」、及びアクセルペダルを踏む運転操作を示す「アクセル」である。
図5に示す重心移動パターンテーブル131aは、例えば、重心移動ベクトルの向きが角度範囲「200〜250度」の条件を満たす場合、ブレーキペダルを踏む運転操作の予備動作であることを示す。
なおここでは、重心移動パターンは、重心移動ベクトルの向きを特定するための情報であったが、これに限定されるものではない。例えば、重心移動パターンは、重心移動ベクトルの向き及び大きさを特定するための情報であってもよい。
次に、以上のように構成された車両制御装置10によって実行される車両制御方法について説明する。
図6は、実施の形態1における車両制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、車両制御装置10は、運転者が座席に着座し、車両を始動することで動作をスタートする。そして、車両制御装置10は、エンジンを停止する等の終了信号があるか否かを判断する(S100)。ここで、終了信号がある場合(S100のYes)、車両制御装置10は、動作を終了する。
一方、終了信号がない場合(S100のNo)、姿勢測定部11は、運転者が運転操作を行う身体部分と異なる身体部分の状態を示す姿勢を測定する(S110)。そして、姿勢測定部11は、測定した姿勢に関する情報を姿勢変動検出部12へ出力する。
続いて、姿勢変動検出部12は、測定された姿勢の変動である姿勢変動を検出する(S120)。そして、姿勢変動検出部12は、検出した姿勢変動に関する情報を予備動作特定部13へ出力する。
次に、予備動作特定部13は、検出された姿勢変動を用いて運転操作の予備動作を特定することにより、予備動作の後に行われる運転操作を予測する(S130)。そして、予備動作特定部13は、予測した運転操作に関する情報を車両制御部14へ出力する。
最後に、車両制御部14は、予測された運転操作に従って車両を制御する(S140)。
以上のように、車両制御装置10は、ステップS100からステップS140までの一連の動作を繰り返すことにより、車両運転中の運転者の運転操作を予測して車両制御を行うための制御信号を逐次生成する。
次に、図6に示したフローチャートの各ステップにおける処理の詳細について、図7〜図11を用いて説明する。まず、姿勢測定ステップ(S110)の詳細について、図7を用いて説明する。
図7は、実施の形態1における姿勢測定ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、重心位置計算部112は、各シート圧力センサ111の入力値(圧力データ)を取得する(S111)。次に、重心位置計算部112は、取得した入力値と各圧力測定点間の距離とから重心位置を計算し(S112)、補正部114へ出力する。
続いて、補正部114は、振動センサ113によって測定された車両振動ベクトルを用いて、重心位置計算部112によって計算された重心位置を補正する(S113)。具体的には、補正部114は、測定された車両振動ベクトルを相殺するベクトルの方向にそのベクトルの大きさだけ重心位置を移動することにより、重心位置を補正する。
以上のように、姿勢測定部11は、ステップS111からステップS113までの各処理を実行し、車両の振動の影響が除去された重心位置を、運転者の姿勢として測定する。
次に、図6に示す姿勢変動検出ステップ(S120)の詳細について、図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態1における姿勢変動検出ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、平常重心位置計算部123は、平常重心位置記憶部121に現在の運転者の平常重心位置が記憶されているか否かを判断する(S121)。ここで、平常重心位置記憶部121に現在の運転者の平常重心位置が記憶されている場合(S121のYes)、重心移動検出部122は、平常重心位置記憶部121に記憶された現在の運転者の平常重心位置からステップS110において測定された重心位置へ向かう重心移動ベクトルを算出する(S122)。
一方、平常重心位置記憶部121に現在の運転者の平常重心位置が記憶されていない場合(S121のNo)、平常重心位置計算部123は、現在の運転者に適応した平常重心位置を計算する(S125)。
以上のように、姿勢変動検出部12は、ステップS121からステップS125までの各処理を実行し、平常重心位置から測定された重心位置へ向かうベクトルである重心移動ベクトルを姿勢変動として検出する。
次に、図8に示す平常重心位置計算ステップ(S125)の詳細について、図9を用いて説明する。
図9は、実施の形態1における平常重心位置計算ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、平常重心位置計算部123は、例えばハンドル、ブレーキ又はアクセル等の運転操作受付手段から取得した操作情報に基づいて、運転操作が行われているか否かを判断する(S1251)。
ここで、運転操作が行われている場合(S1251のYes)、平常重心位置計算部123は、平常重心位置記憶部121に記憶されている一時記憶重心位置を消去し(S1252)、ステップS100へ戻る。一方、運転操作が行われていない場合(S1251のNo)、平常重心位置計算部123は、平常重心位置記憶部121に一時記憶重心位置が記憶されているか否かを判断する(S1253)。
ここで、一時記憶重心位置が記憶されていない場合(S1253のNo)、平常重心位置計算部123は、ステップS100において測定された重心位置を一時記憶重心位置として平常重心位置記憶部121に格納し(S1259)、ステップS100へ戻る。
一方、一時記憶重心位置が記憶されている場合(S1253のYes)、平常重心位置計算部123は、平常重心位置記憶部121に記憶されている一時記憶重心位置を計算用重心位置として平常重心位置記憶部121に格納する(S1254)。つまり、平常重心位置計算部123は、前回圧力が測定されてから今回圧力が測定されるまでの期間に運転操作が行われなかった場合に、前回測定された圧力を用いて計算される重心位置を計算用重心位置として平常重心位置記憶部121に格納する。
次に、平常重心位置計算部123は、平常重心位置記憶部121に記憶されている計算用重心位置の数があらかじめ定められた数以上であるか否かを判断する(S1255)。なお、あらかじめ定められた数は、現在の運転者の平常重心位置を計算するために必要な計算用重心位置の数である。具体的には、あらかじめ定められた数は、例えば「20」などの自然数である。
ここで、計算用重心位置の数があらかじめ定められた数未満である場合(S1255のNo)、平常重心位置計算部123は、ステップS100において測定された重心位置を一時記憶重心位置として平常重心位置記憶部121に格納し(S1259)、ステップS100へ戻る。
一方、計算用重心位置の数があらかじめ定められた数以上である場合(S1255のYes)、平常重心位置計算部123は、計算用重心位置の平均位置を平常重心位置として計算する(S1256)。さらに、平常重心位置計算部123は、各計算用重心位置と平常重心位置との距離を計算し、計算した距離の分布の75%点を重心移動閾値と決定する(S1257)。例えば、あらかじめ定められた数が「20」である場合、平常重心位置計算部123は、20個の計算用重心位置のそれぞれと平常重心位置との距離を計算する。そして、平常重心位置計算部123は、計算した距離を昇順に並べたときの15番目と16番目との中間の距離を重心移動閾値と決定する。
次に、平常重心位置計算部123は、ステップS1256において計算された平常重心位置と、ステップS1257において決定された重心移動閾値とを平常重心位置記憶部121に格納する(S1258)。
なお、ここでは平常重心位置を計算するために必要な計算用重心位置の数が20個である場合について説明したが、1以上の数であればこれ以外の数であってもよい。計算用重心位置の数が多いほど、平常重心位置の信頼度は向上する。
また、平常重心位置計算部123は、計算用重心位置の平均値を平常重心位置として計算したが、中央値、最頻値等平均値以外の代表値を平常重心位置として計算してもよい。また、平常重心位置計算部123は、平常重心位置からの距離の分布の75%点となる距離を重心移動閾値と決定していたが、標準偏差等他の基準を用いて重心移動閾値を決定してもよい。
以上のように、平常重心位置計算部123は、ステップS1251からステップS1258までの各処理を実行し、現在の運転者に適応した平常重心位置を設定する。
なお、これらの平常重心位置の計算は、例えば毎秒50回のように、あらかじめ定められた周期で行われる。つまり、ステップS125からステップS100に戻った後、再度ステップS125に戻ってくるというループ処理は、あらかじめ定められた周期で行われる。この周期は、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間と略一致することが好ましい。これにより、運転操作情報が取得された周期の1つ前の周期は、予備動作が行われているときの周期となる。つまり、運転操作情報が取得されなかった周期の1つ前の周期は、平常時の周期となる。
次に、図6に示す予備動作特定ステップ(S130)の詳細について、図10を用いて説明する。
図10は、実施の形態1における予備動作特定ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、重心移動パターン照合部132は、重心移動ベクトルの大きさが平常重心位置記憶部121に記憶された重心移動閾値以上であるか否かを判断する(S131)。ここで、重心移動ベクトルの大きさが重心移動閾値未満である場合(S131のNo)、ステップS100へ戻る。
一方、重心移動ベクトルの大きさが重心移動閾値以上である場合(S131のYes)、重心移動パターン照合部132は、ステップS122において算出された重心移動ベクトルと、重心移動パターン記憶部131に記憶された重心移動パターンとを照合する(S132)。
具体的には、重心移動パターン照合部132は、例えば、重心移動ベクトルの向きを示す角度を算出する。そして、重心移動パターン照合部132は、算出した角度が重心移動パターンに示される角度範囲に含まれるか否かを照合する。
続いて、重心移動パターン照合部132は、照合結果に基づいて、運転操作に先立って行われる予備動作を特定し、車両制御部14に出力する(S133)。具体的には、例えば、重心移動パターン照合部132は、照合結果を用いて、算出した角度が角度範囲に含まれる重心移動パターンに対応する予備動作情報を特定することにより、予備動作の後に行われる運転操作を予測する。つまり、重心移動パターン照合部132は、重心移動ベクトルが重心移動パターンによって示される予め定められた条件を満たすか否かを判定することにより、重心移動ベクトルが運転操作の予備動作によって生じた重心移動ベクトルであるか否かを特定するとともに、当該予備動作がアクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作のいずれの予備動作であるかを特定する。
例えば、重心移動パターン照合部132は、算出した角度が「220度」であった場合、図5に示す重心移動パターンテーブル131aを参照することにより、角度範囲が「200〜250度」である重心移動パターンに対応する予備動作情報「ブレーキ」を特定する。つまり、重心移動パターン照合部132は、重心移動ベクトルの向きを示す角度「220度」を用いて、運転操作「ブレーキ」を予測する。
以上のように、予備動作特定部13は、ステップS131からステップS133までの各処理を実行し、姿勢変動検出部12によって検出された姿勢変動を用いて運転操作の予備動作を特定し、運転操作を予測する。具体的には、予備動作特定部13は、予め定められた条件に基づいて、検出された姿勢変動が、アクセル操作、ブレーキ操作又はハンドル操作の予備動作によって生じた姿勢変動であるか否かを特定する。
次に、図6に示す車両制御ステップ(S140)の詳細について、図11を用いて説明する。
図11は、実施の形態1における車両制御ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、減速制御信号生成部141は、ステップS130において特定された予備動作が、ブレーキ操作の予備動作であるか否かを判定する(S141)。ここで、ステップS130において特定された予備動作がブレーキ操作の予備動作である場合(S141のYes)、減速制御信号生成部141は、車両を減速するための減速制御信号を生成し、車両を減速させる(S142)。そして、車両制御部14は、車両制御ステップの処理をする。
一方、ステップS130において特定された予備動作がブレーキ操作の予備動作でない場合(S141のNo)、進行方向制御信号生成部143は、ステップS130において特定された予備動作が、ハンドル操作の予備動作であるか否かを判定する(S143)。ここで、ステップS130において特定された予備動作がハンドル操作の予備動作である場合(S143のYes)、進行方向制御信号生成部143は、車両の進行方向を変更するための進行方向制御信号を生成し、車両の進行方向を変更させる(S144)。そして、車両制御部14は、車両制御ステップの処理をする。
一方、ステップS130において特定された予備動作がハンドル操作の予備動作でない場合(S143のNo)、加速制御信号生成部142は、ステップS130において特定された予備動作が、アクセル操作の予備動作であるか否かを判定する(S145)。ここで、ステップS130において特定された予備動作がアクセル操作の予備動作である場合(S145のYes)、加速制御信号生成部142は、車両を加速するための加速制御信号を生成し、車両を加速させる(S146)。そして、車両制御部14は、車両制御ステップの処理をする。
一方、ステップS130において特定された予備動作がアクセル操作の予備動作でない場合(S145のNo)、車両制御部14は、車両制御ステップの処理をする。
以上のように、車両制御部14は、ステップS141からステップS146までの各処理を実行し、予備動作特定部13によって特定された予備動作に従って、車両を制御するための制御信号を生成する。
次に、運転者が運転操作をしたときの予備動作についての実験結果について、図12を用いて説明する。
図12は、運転者がブレーキ操作を行ったときの予備動作についての実験結果の一例を示す図である。図12において、(a)は平常時の圧力分布を示す図であり、(b)は予備動作時の圧力分布を示す図であり、(c)は右足を挙げた(以下、「右足挙上動作」という。)時の圧力分布を示す図である。また、(d)は、右足大腿部、左足大腿部、右臀部、及び左臀部に対応する領域における最大圧力の時間変化を示すグラフである。
重心位置401は、右足挙上動作が行われる539ms前である平常時の重心位置を示す。また、重心位置402は、右足挙上動作が行われる240ms前である予備動作時の重心位置を示す。また、平常時重心位置範囲403は、平常時の重心位置が存在する範囲を示す。具体的には、平常時重心位置範囲403は、中心が平常重心位置であって半径が重心移動閾値である円の内部の領域である。
運転者は、ブレーキペダルを踏むために、右足を挙げてブレーキペダルの上方へ足を移動させる。このとき、右足を挙げたときに身体のバランスを崩さないように、右足を挙げる前に左足側に身体の重心を移動させる予備動作が行われる。図12(b)は、このような予備動作が、右足が挙がる時刻の240ms前に行われていることを示している。
図12(b)に示すように予備動作時には、左足を踏み込む動作によって、平常時よりも左大腿部前部の圧力が増加している。同時に、平常時よりも、右大腿部の圧力は減少し、臀部全体の圧力は増加している。左足の踏み込みによる左大腿部の圧力増加と臀部全体の圧力増加として現れる体幹の後方へのずれによって、圧力分布から計算される重心位置は、図12(b)中に示した重心位置402のように左後方へ移動する。
このような予備動作が行われることによって、図12(c)に示すように右足挙上動作が行われ、右臀部に身体右側の荷重が集中したときも、運転者は姿勢を崩すことはない。
運転者の重心位置は、右足が挙がる240ms前に平常重心位置の範囲を超えて左後方に移動している。具体的には、運転者の重心位置は、図12(a)に示す重心位置401から、図12(b)に示す重心位置402へ移動している。姿勢変動検出部12は、平常時重心位置範囲の中心、つまり平常重心位置から重心位置402へ向かうベクトルを重心移動ベクトルとして検出する。なお、姿勢変動検出部12は、この重心位置401から重心位置402への移動を表すベクトルを重心移動ベクトルとして検出してもよい。
なお、図12では、運転者がブレーキ操作を行うときの予備動作について説明したが、アクセル操作又はハンドル操作を行ったときも同様に予備動作が行われる。例えば、運転者がハンドル操作を行う場合、ハンドル操作が行われる前の予備動作として、ハンドルを切る方向と反対の方向に重心を移動する。この重心移動は、運転者が旋回方向のハンドルを引き下げる動作を行ったときに身体のバランスを保つための動作である。このハンドル操作の予備動作は、足の挙上に対する予備動作とは異なる。したがって、ブレーキ操作の予備動作時に検出される重心移動ベクトルと、ハンドル操作時に検出される重心移動ベクトルとは、向き及び大きさなどの特徴が異なる。つまり、車両制御装置10は、重心移動ベクトルを用いて、ブレーキ操作の予備動作とハンドル操作の予備動作とを区別して特定することができる。
以上のように、本実施の形態における車両制御装置10は、運転操作の前に無意識で行われる予備動作を用いて運転操作を予測できるので、運転者の運転操作を早期に予測することが可能となる。つまり、車両制御装置10は、運転者による意識的な動作よりも前に行われる予備動作を用いて運転操作を予測できるので、従来よりも早期に運転者の運転操作を予測することができる。ここで運転者による意識的な動作とは、例えば、ブレーキペダルを踏むときの右足挙上動作、又はアクセルペダルから足を離す動作(アクセルペダルの戻り速度)などである。
また、車両制御装置10は、このように予測された運転操作に従って車両を制御することができるので、運転操作にすばやく反応することが可能となる。その結果、運転操作がされたタイミングと、その運転操作に対応する車両の動作が開始するタイミングとのずれが短縮されるので、車両制御装置10は、運転者が持つ違和感を軽減することが可能となる。
さらに、実際の運転操作に従った制御の前に車両の制御を行うこともできるので、運転者が急加減速、又は急ハンドルなどの急な運転操作が行われた場合であっても、車両制御装置10は、車両がスムースに動作するように制御することができる。
また、衝突回避などのために運転者が急ブレーキをかける場合、車両制御装置10は、急ブレーキのための運転操作の0.1秒から0.5秒程度前にその運転操作を予測することができる。その結果、車両制御装置10は、実際の運転操作に従ってブレーキをかける場合と比べて、時速40kmであれば、1.1mから5.5m、時速60kmであれば1.7mから8.5mの空走距離を減らすことができ、衝突等の事故の抑制を図ることができる。
また、車両制御装置10は、座席の座面に配置された圧力センサを用いて計算した重心位置を運転者の姿勢として測定することができるので、運転者にセンサなどを取り付ける必要がなく、比較的容易に運転者の姿勢を測定することができる。
また、車両制御装置10は、平常時の重心位置からの重心位置の移動を示す重心移動ベクトルを用いて運転操作を予測するので、比較的高精度に運転操作を予測することができる。
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について図面を参照しながら詳細に説明する。本変形例における車両制御装置は、運転者が座る座席に配置された圧力センサから得られる圧力分布の変動を用いて予備動作を特定する点が、実施の形態1における車両制御装置と異なる。つまり、本変形例における車両制御装置は、運転者の大腿部、臀部、骨盤上部、及び骨盤より上の腰部から背部の状態の変動を利用して、姿勢変動が予備動作により生じた姿勢変動であるか否かを特定する点が、実施の形態1における車両制御装置と異なる。以下、実施の形態1における車両制御装置と異なる点を中心に、本変形例における車両制御装置を説明する。
本変形例における車両制御装置10の全体構成は、図1Bに示した実施の形態1における車両制御装置と同様であるので図示及び説明を省略する。
図13は、実施の形態1の変形例1における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、本変形例における車両制御装置10において、姿勢測定部11、姿勢変動検出部12及び予備動作特定部13の一部が、実施の形態1における車両制御装置と異なる。なお、図13において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
本変形例において、姿勢測定部11は、運転者の大腿部、臀部、骨盤上部、及び骨盤より上の腰部から背部の状態を示す姿勢を測定する。姿勢測定部11は、シート圧力センサ115と、振動センサ113と、補正部116とを備える。また、姿勢変動検出部12は、平常圧力分布記憶部124と、圧力分布変動検出部125と、平常圧力分布計算部126とを備える。また、予備動作特定部13は、圧力分布変動パターン記憶部133と、圧力分布変動パターン照合部134とを備える。
複数のシート圧力センサ115のそれぞれは、運転者が座る座席の互いに異なる位置に配置される。また、各シート圧力センサ115は、運転者によって加えられる座席への圧力の分布を測定する。シート圧力センサ115の配置については、図14を用いて後述する。
補正部116は、振動センサ113によって測定された車両の振動に基づいて、各シート圧力センサ115によって測定された圧力の測定点を補正する。具体的には、補正部116は、シート圧力センサ115によって圧力が測定されたときに測定された車両振動ベクトルを打ち消すベクトルに従って測定点を移動させる。その結果、補正部114は、測定された圧力分布から車両の振動の影響を除去することが可能となる。
平常圧力分布記憶部124は、平常圧力分布を記憶している。ここで、平常圧力分布とは、運転者の姿勢が平常状態であるときの圧力分布である。言い換えると、平常圧力分布は、運転操作及び予備動作が行われていないときの圧力分布である。
圧力分布変動検出部125は、圧力分布の変動を姿勢変動として検出する。具体的には、圧力分布変動検出部125は、平常圧力分布と補正部114によって補正された圧力分布との各測定点における圧力差分の分布である圧力分布変動を姿勢変動として検出する。
平常圧力分布計算部126は、シート圧力センサ115によって圧力分布が測定された後に所定期間運転操作が行われなかった場合のその測定された圧力分布を用いて平常圧力分布を計算する。言い換えると、平常圧力分布計算部126は、運転者が運転操作を行っている時を含む所定期間以外に測定された圧力分布を用いて平常圧力分布を計算する。
ここで、運転操作が行われたか否かは、運転操作受付手段から運転操作情報を取得することにより判断される。また、所定期間は、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間が含まれるような期間である。この所定期間は、経験的に又は実験により得られる、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間より長くなるように決定されればよい。
圧力分布変動パターン記憶部133は、姿勢変動パターン記憶部の一例であり、予備動作が行われるときの圧力分布変動の特徴を示す圧力分布変動パターンと、予備動作の後に行われる運転操作を特定するための予備動作情報とを対応づけて記憶している。具体的には、圧力分布変動パターン記憶部133は、圧力分布変動パターンと予備動作情報とを対応づけて格納している圧力分布変動パターンテーブル133aを記憶している。圧力分布変動パターンテーブル133aについては、図15を用いて後述する。
圧力分布変動パターン照合部134は、姿勢変動パターン照合部の一例である。圧力分布変動パターン照合部134は、圧力分布変動パターン記憶部133に記憶された圧力分布変動パターンと圧力分布変動検出部125によって検出された圧力分布変動とを照合することにより、予備動作情報を特定し、運転操作を予測する。具体的には、圧力分布変動パターン照合部134は、圧力分布変動が条件を満たす圧力分布変動パターンを特定することにより、予備動作情報を特定する。つまり、圧力分布変動パターン照合部134は、圧力分布変動が圧力分布変動パターンの示す条件を満たすか否かに基づいて、予備動作情報によって示される運転操作を予測する。
図14は、実施の形態1の変形例1におけるシート圧力センサの配置の一例を示す図である。図14に示すように本実施の形態において、シート圧力センサ115は、運転者が座る座席の座面及び背面の全面に複数配置される。つまり、姿勢測定部11は、運転者が座る座席の座面及び背面に複数配置されたシート圧力センサ115を用いて、運転者の大腿部、臀部、骨盤上部、及び骨盤より上の腰部から背部の状態を示す姿勢を測定する。
図15は、実施の形態1の変形例1における圧力分布変動パターン記憶部に記憶されている圧力分布変動パターンテーブルの一例を示す図である。
圧力分布変動パターン記憶部133に記憶されている圧力分布変動パターンテーブル133aには、予備動作が行われるときの圧力分布変動の特徴を示す圧力分布変動パターンと、予備動作の後に行われる運転操作を特定するための予備動作情報とが対応づけて格納されている。
図15に示す圧力分布変動パターンテーブル133aは、例えば、計算された圧力分布変動における各測定点の圧力差分が、テーブルに格納された圧力分布変動における各測定点の範囲に含まれている場合、ブレーキ操作の予備動作であることを示す。
次に、以上のように構成された車両制御装置10によって実行される車両制御方法について説明する。
なお、本変形例における車両制御装置の動作の一例を示すフローチャートと、車両制御ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートは、図6及び図11に示したフローチャートと同様であるので、図示及び説明を省略する。以下に、本変形例におけるフローチャートに含まれる各ステップの処理の詳細について、図16〜19を用いて説明する。まず、姿勢測定ステップ(S110)の詳細について、図16を用いて説明する。
図16は、実施の形態1の変形例1における姿勢測定ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、補正部116は、各シート圧力センサ115の入力値(圧力データ)を取得する(S161)。次に、補正部116は、振動センサ113によって測定された車両振動ベクトルを用いて、取得した圧力データから得られる圧力分布を補正する(S162)。具体的には、補正部114は、測定された車両振動ベクトルを相殺するベクトルの方向にそのベクトルの大きさだけ測定点を移動することにより、圧力分布を補正する。
ここで、測定点の補正方法の一例を、図14を用いて説明する。
振動センサ113によって振動ベクトル128が測定された場合、補正部116は、振動ベクトル128を相殺する振動相殺ベクトル129を計算する。補正部116は、振動相殺ベクトル129に従って圧力測定点を移動することにより圧力分布を補正する。
例えば、図14では、圧力測定点a2を振動相殺ベクトル129に従って移動したときの位置が圧力測定点a1であるため、補正部116は、圧力測定点a2において測定された圧力値を圧力測定点a1において測定された圧力値に補正する。同様に、補正部116は、すべての測定点について圧力値を補正する。
以上のように、姿勢測定部11は、車両の振動の影響が除去された圧力分布を、運転者の姿勢として測定する。
次に、姿勢変動検出ステップ(S120)の詳細について、図17を用いて説明する。
図17は、実施の形態1の変形例1における姿勢変動検出ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、平常圧力分布計算部126は、平常圧力分布記憶部124に現在の運転者の平常圧力分布が記憶されているか否かを判断する(S171)。ここで、平常圧力分布記憶部124に現在の運転者の平常圧力分布が記憶されている場合(S171のYes)、圧力分布変動検出部125は、平常圧力分布記憶部124に記憶された現在の運転者の平常圧力分布と測定された圧力分布との各測定点における圧力差分の分布である圧力分布変動を算出する(S172)。
一方、平常圧力分布記憶部124に現在の運転者の平常圧力分布が記憶されていない場合(S171のNo)、平常圧力分布計算部126は、現在の運転者に適応した平常圧力分布を計算する(S175)。
以上のように、姿勢変動検出部12は、ステップS171からステップS175までの各処理を実行し、測定された圧力分布と平常圧力分布との圧力差分の分布である圧力分布変動を姿勢変動として検出する。
次に、図17に示す平常圧力分布計算ステップ(S175)の詳細について、図18を用いて説明する。
図18は、実施の形態1の変形例1における平常圧力分布計算ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、平常圧力分布計算部126は、例えばハンドル、ブレーキ又はアクセル等の操作受付手段から取得した操作情報に基づいて、運転操作(ブレーキ操作、ハンドル操作又はアクセル操作など)が行われているか否かを判断する(S1751)。
ここで、運転操作が行われている場合(S1751のYes)、平常圧力分布計算部126は、平常圧力分布記憶部124に記憶されている一時記憶圧力分布を消去し(S1752)、ステップS100へ戻る。一方、運転操作が行われていない場合(S1751のNo)、平常圧力分布計算部126は、平常圧力分布記憶部124に一時記憶圧力分布が記憶されているか否かを判断する(S1753)。
ここで、一時記憶圧力分布が記憶されていない場合(S1753のNo)、平常圧力分布計算部126は、ステップS100において測定された圧力分布を一時記憶圧力分布として平常圧力分布記憶部124に格納し(S1759)、ステップS100へ戻る。一方、一時記憶圧力分布が記憶されている場合(S1753のYes)、平常圧力分布計算部126は、平常圧力分布記憶部124に記憶されている一時記憶圧力分布を計算用圧力分布として平常圧力分布記憶部124に格納する(S1754)。つまり、平常圧力分布計算部126は、前回圧力分布が測定されてから今回圧力分布が測定されるまでの期間に運転操作が行われなかった場合に、前回測定された圧力分布を計算用圧力分布として平常圧力分布記憶部124に格納する。
次に、平常圧力分布計算部126は、平常圧力分布記憶部124に記憶されている計算用圧力分布の数があらかじめ定められた数以上であるか否かを判断する(S1755)。なお、あらかじめ定められた数は、現在の運転者の平常圧力分布の計算に最低限必要な計算用圧力分布の数である。具体的には、あらかじめ定められた数は、例えば「20」などの自然数である。
ここで、計算用圧力分布の数があらかじめ定められた数未満である場合(S1755のNo)、平常圧力分布計算部126は、ステップS100において測定された圧力分布を一時記憶圧力分布として平常圧力分布記憶部124に格納し(S1759)、ステップS100へ戻る。
一方、計算用圧力分布の数があらかじめ定められた数以上である場合(S1755のYes)、平常圧力分布計算部126は、計算用圧力分布の各測定点における圧力の平均値を平常圧力分布として計算する(S1756)。さらに、平常圧力分布計算部126は、測定点ごとに圧力の標準偏差を計算し、計算した各測定点の標準偏差の総和を圧力分布変動閾値と決定する(S1757)。
そして、平常圧力分布計算部126は、ステップS1756において計算された平常圧力分布と、ステップS1757において決定された圧力分布変動閾値とを平常圧力分布記憶部124に格納する(S1758)。
なお、ここでは平常圧力分布を計算するために必要な計算用圧力分布の数が20個である場合について説明したが、1以上の数であればこれ以外の数であってもよい。計算用圧力分布の数が多いほど、平常圧力分布の信頼度は向上する。
また、平常圧力分布計算部126は、計算用圧力分布の平均値を平常圧力分布として計算したが、中央値、最頻値等平均値以外の代表値を平常圧力分布として計算してもよい。また、平常圧力分布計算部126は、各測定点の標準偏差の総和を圧力分布変動閾値と決定していたが、その他の方法により圧力分布変動閾値を決定してもよい。
以上のように、平常圧力分布計算部126がステップS1751からステップS1758までの各処理を実行し、現在の運転者に適応した平常圧力分布を設定する。
なお、これらの平常圧力分布の計算は、例えば毎秒50回のように、あらかじめ定められた周期で行われる。つまり、ステップS175からステップS100に戻った後、再度ステップS175に戻ってくるというループ処理は、あらかじめ定められた周期で行われる。この周期は、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間と略一致することが好ましい。これにより、運転操作情報が取得された周期の1つ前の周期は、予備動作が行われているときの周期となる。つまり、運転操作情報が取得されなかった周期の1つ前の周期は、平常時の周期となる。
次に、予備動作特定ステップ(S130)の詳細について、図19を用いて説明する。
図19は、実施の形態1の変形例1における予備動作特定ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、圧力分布変動パターン照合部134は、圧力分布変動に含まれる圧力差分の絶対値の総和である圧力分布変動量が平常圧力分布記憶部124に記憶された圧力分布変動閾値以上であるか否かを判断する(S181)。ここで、圧力分布変動量が圧力分布変動閾値未満である場合(S181のNo)、ステップS100へ戻る。
一方、圧力分布変動量が圧力分布変動閾値以上である場合(S181のYes)、圧力分布変動パターン照合部134は、ステップS172において算出された圧力分布変動と、圧力分布変動パターン記憶部133に記憶された圧力分布変動パターンとを照合する(S182)。
具体的には、圧力分布変動パターン照合部134は、例えば、圧力分布変動パターンが示す照合範囲に、ステップS172において算出された圧力分布変動に含まれる圧力差分が含まれるか否かを測定点ごとに照合する。
そして、圧力分布変動パターン照合部134は、照合結果に基づいて、運転操作に先立って行われる予備動作を特定し、予備動作後に行われる運転操作の情報を車両制御部14に出力する(S183)。具体的には、例えば、圧力分布変動パターン照合部134は、照合結果を用いて、すべての測定点において圧力差分が照合範囲に含まれる圧力分布変動パターンに対応する予備動作情報を特定することにより、予備動作の後に行われる運転操作を予測する。つまり、圧力分布変動パターン照合部134は、圧力分布変動が圧力分布変動パターンによって示される予め定められた条件を満たすか否かを判定することにより、圧力分布変動が運転操作の予備動作によって生じた圧力分布変動であるか否かを特定するとともに、当該予備動作がアクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作のいずれの予備動作であるかを特定する。
以上のように、予備動作特定部13は、ステップS181からステップS183までの各処理を実行し、姿勢変動検出部12によって検出された姿勢変動を用いて運転操作の予備動作を特定し、運転操作を予測する。具体的には、予備動作特定部13は、予め定められた条件に基づいて、検出された姿勢変動が、アクセル操作、ブレーキ操作又はハンドル操作の予備動作によって生じた姿勢変動であるか否かを特定する。
次に、運転者が運転操作をしたときの予備動作についての実験結果について、図12を用いて説明する。
図12(b)に示すように、予備動作時には、左足を踏み込む動作によって平常時よりも左大腿部前部の圧力が増加している。同時に、平常時よりも、右大腿部の圧力は減少し、臀部全体の圧力は増加している。
したがって、車両制御装置10は、図12(a)に示す平常時の圧力分布と、図12(b)に示す予備動作時の圧力分布との圧力差分の分布である圧力分布変動を検出することにより、ブレーキ操作の予備動作を特定することができる。
なお、図12では座面の圧力分布変動の例を示したが、車両制御装置10は、右足によるブレーキ操作の予備動作を、図14の背面の圧力分布を用いて特定しても良い。例えば、運転者が右足を挙上するためには、図12に示した臀部全体への圧力の増加と共に、重心の後方への移動により骨盤上部の後退による背面下部の圧力の上昇が起こる。骨盤と右大腿部との角度が大きく変わり、左右のバランス変化に対応するための予備動作として図12の座面に現れる左大腿部の動きのみでなく、挙上しようとする脚とは反対側の背筋、すなわち右足のブレーキ操作の場合は左側の背筋が緊張することで、座席背面の下部左側の圧力の上昇が起こる。車両制御装置10は、これらの予備動作を特定して運転操作を予測することが可能である。すなわち、車両制御装置10は、骨盤上部の状態の変動に応じて予備動作を特定することができる。
なお、運転者がハンドル操作を行う場合、ハンドル操作が行われる前の予備動作として、ハンドルを切る方向と反対の方向に重心を移動する。この重心移動は、運転者が旋回方向のハンドルを引き下げる動作を行ったときに身体のバランスを保つための予備動作である。この予備動作は、例えば左右に均等な座面の圧力分布が左右どちらか一方の大腿部あるいは臀部の圧力が高くなる圧力分布として観測することができる。したがって、車両制御装置10は、この大腿部あるいは臀部の状態を示す圧力分布から計算される圧力分布変動によって、圧力が増加した側と反対側へハンドルを回す運転操作を予測することができる。つまり、車両制御装置10は、運転者の大腿部あるいは臀部の状態を示す姿勢が変動する方向と反対方向へ車両が旋回するように車両を制御する。なお、左右の大腿部あるいは左右の臀部のうち圧力が増加した側へ向かう方向が、姿勢が変動する方向に相当する。
さらに、ハンドル操作の予備動作では、運転者が旋回方向のハンドルを引き下げる動作のための予備動作として座面のみでなく背面の圧力分布の左右の偏りが観測される。ハンドル操作の肩の大きな動きによるバランス変化に対応するため、旋回方向の背筋が緊張して骨盤より上の腰部から背部を支えるため、座席背面中ほどの旋回方向と同側の圧力が増加する。つまり、車両制御装置10は、運転者の骨盤より上の腰部から背部の状態を示す姿勢が変動する方向と同一方向へ車両が旋回するように車両を制御する。なお、腰部及び背部を左右に分割した領域のうち圧力が増加した側へ向かう方向が、姿勢が変動する方向に相当する。
このハンドル操作の予備動作は、ブレーキ操作のような足の挙上の場合の予備動作とはバランスを保つ動作の対象が異なるので、圧力変動分布も異なる。つまり、車両制御装置10は、圧力分布変動を用いて、ブレーキ操作の予備動作とハンドル操作の予備動作とを区別して特定することができる。
以上のように、重心位置の代わりに座席の座面及び背面の少なくとも一方の圧力分布を運転者の大腿部、臀部、骨盤上部、及び骨盤より上の腰部から背部の状態を示す姿勢として測定することにより、本変形例における車両制御装置10は、実施の形態1における車両制御装置10と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について図面を参照しながら詳細に説明する。本変形例における車両制御装置は、運転者が座る座席前の床面に配置された圧力センサから得られる、運転者がブレーキ操作又はアクセル操作を行う脚部とは反対側の脚部による圧力分布の変動を用いて予備動作を特定する点が、実施の形態1の変形例1における車両制御装置と異なる。つまり、本変形例では、車両制御装置は、ブレーキ操作又はアクセル操作を行なう脚部とは異なる脚部の状態の変動を利用して予備動作を特定する。
以下、実施の形態1の変形例1における車両制御装置と異なる点を中心に、本変形例における車両制御装置を説明する。なお、以下では、ブレーキ操作又はアクセル操作を行う脚部が右脚部である場合について説明する。
本変形例における車両制御装置10の全体構成は、図1Bに示した実施の形態1における車両制御装置と同様であるので図示及び説明を省略する。
図20は、実施の形態1の変形例2における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図20に示すように、本変形例における車両制御装置10において、姿勢測定部11及び車両制御部14の一部が、実施の形態1の変形例1における車両制御装置と異なるが、他は同じである。具体的には、本変形例における姿勢測定部11は、シート圧力センサ115の代わりに足部圧力センサ117を備える。また、本変形例における車両制御部14は、進行方向制御信号生成部143を備えない。なお、図20において、図13と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
複数の足部圧力センサ117のそれぞれは、運転者が座る座席前の床面の互いに異なる位置に配置される。また、各足部圧力センサ117は、運転者の足部(特に足裏)によって加えられる床面への圧力の分布を測定する。なお、足部圧力センサ117は、床面に限らず、フットレスト又は各種ペダルなどにも配置されてもよい。
なお、ハンドル操作に伴う足部の圧力変化は、ブレーキ操作又はアクセル操作に伴う圧力変化に比べて小さいことが予測される。したがって、本変形例における車両制御装置10は、ハンドル操作は予測せずに、ブレーキ操作又はアクセル操作を予測して車両を制御する。つまり、車両制御部14は、進行方向制御信号生成部143を備えない。
次に、以上のように構成された車両制御装置10によって実行される車両制御方法について説明する。
なお、本変形例における車両制御装置の動作は、姿勢測定ステップにおいて圧力を足部圧力センサから取得することと、車両制御ステップの動作の詳細とが、実施の形態1の変形例1における車両制御装置の動作と異なる。したがって、車両制御ステップ(S140)の詳細についてのみ、図21を用いて説明し、他の動作は図示及び説明を省略する。
図21は、実施の形態1の変形例2における車両制御ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。図21に示すように、本変形例における車両制御ステップでは、進行方向の制御に関するステップ(S143、S144)が省かれる。なお、減速又は加速の制御に関するステップ(S141、S142、S144、S145)については、図11と同様の処理であるので説明を省略する。
次に、運転者が運転操作をしたときの予備動作についての実験結果について、図12を用いて説明する。
図22は、運転者がブレーキ操作を行ったときの予備動作についての実験結果の一例を示す図である。図22において、(a)は平常時の圧力分布を示す図であり、(b)は右足挙上動作前の予備動作時の圧力分布を示す図であり、(c)は右足挙上動作時の圧力分布を示す図であり、(d)は右足が挙げられた状態が維持されている時の圧力分布を示す図であり、(e)は右足がブレーキペダルを踏み込む前の予備動作時の圧力分布を示す図であり、(f)は右足がブレーキペダルを踏み込んだ時の圧力分布を示す図である。また、(g)は、左足つま先部、右足つま先部、左足かかと部、及び右足かかと部に対応する領域における最大圧力の時間変化を示すグラフである。
なお、本実験では、座席前の床面に加えて、ブレーキペダル及びアクセルペダルの上面にも複数の足部圧力センサ117が配置されている。
図22(a)に示す圧力分布から明らかなように、平常時は、左足つま先部及び左足かかと部に均等に圧力がかかっている。また、右足かかと部は、右足つま先部よりも高い圧力がかかっている。
ここで運転者は、ブレーキペダルを踏むために、右足を挙げてブレーキペダルの上方へ右足を移動させる。このとき、右足を挙げる動作に先立って、右足を挙げた際に身体のバランスを崩すことがないように、左足に身体の重心を移す予備動作が行われる。図22(b)は、このような予備動作が、右足が挙がる時刻の250ms前に行われていることを示している。
図22(b)では、左足へ重心を移動する動作により左足かかと部の圧力が増加している。同時に、左足かかと部よりも増加量は小さいが、左足つま先部の圧力も増加している。この予備動作により、図22(c)に示すように、右足が挙げられることにより右足が身体からの荷重を支えない状態であって、左足に身体からの荷重が集中する状態になっても姿勢を崩すことはない。
例えば、車両制御装置10は、図22(b)に示す圧力分布と図22(a)に示す平常圧力分布との圧力差分分布を圧力分布変動として検出する。車両制御装置10は、このように検出した圧力変動分布を圧力変動分布パターンと照合することにより、ブレーキ操作の予備動作を特定することができる。
以上のように、座席の圧力分布の代わりに座席前の床面の圧力分布を用いることにより、本変形例における車両制御装置10は、ブレーキペダル又はアクセルペダルを踏む前の予備動作を特定することができる。つまり、本変形例における車両制御装置10は、ブレーキ操作及びアクセル操作については、実施の形態1における車両制御装置10と同様の効果を奏することができる。
なお、本変形例における車両制御装置10は、床面の圧力分布ではなく、床面内の圧力の重心位置を用いて、予備動作を特定してもよい。その場合、車両制御装置10は、両足に対応する1つの領域における重心位置を用いて予備動作を特定してもよいし、各足に対応する領域ごとの重心位置を用いて予備動作を特定してもよい。片足の重心位置を用いる場合には、例えば、ブレーキを踏み込もうとする動作に先行して生じる左足重心のかかと部方向への移動ベクトルあるいは移動軌跡により予備動作を特定すればよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施の形態2における車両制御装置20は、測定された姿勢の変動から運転操作の予備動作を特定するための姿勢変動パターンを生成する点に特徴を有する。
図23は、実施の形態2における車両制御装置の全体構成の一例を示すブロック図である。なお、図23において、図1Bと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図23に示すように、車両制御装置20は、姿勢測定部11、姿勢変動検出部12、予備動作特定部13、及び車両制御部14に加えて、姿勢変動パターン生成部21を備える。
姿勢変動パターン生成部21は、姿勢変動検出部12によって運転操作前の所定期間に検出された姿勢変動を用いて姿勢変動パターンを生成する。そして、姿勢変動パターン生成部21は、生成した姿勢変動パターンと運転操作とを対応づけて姿勢変動パターン記憶部に格納する。
次に、図23に示した各構成要素の詳細について説明する。
図24は、実施の形態2における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。なお、図24において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
姿勢変動パターン生成部21が備える重心移動パターン生成部211は、重心移動検出部122によって運転操作前の所定期間に検出された、運転操作(ブレーキ操作、アクセル操作、右ハンドル操作又は左ハンドル操作など)ごとの重心移動ベクトルを用いて、重心移動パターンを生成する。そして、重心移動パターン生成部211は、生成した重心移動パターンを運転操作に対応づけて重心移動パターン記憶部131に格納する。
具体的には、重心移動パターン生成部211は、例えば、運転操作前の所定期間に検出された複数の重心移動ベクトルの向きを示す角度又は大きさの(平均値±標準偏差)の範囲を重心移動パターンとして生成する。
ここで、運転操作が行われたか否かは、運転操作受付手段から運転操作情報を取得することにより判断される。また、所定期間は、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間が含まれるような期間である。
次に、以上のように構成された車両制御装置20によって実行される車両制御方法について説明する。
図25は、実施の形態2における車両制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図25において、図6と同じステップについては同じ符号を用い、説明を省略する。
姿勢測定部11によって運転者の姿勢が測定された後(S110)、姿勢変動パターン生成部21は、姿勢変動検出部12によって運転操作前の所定期間に検出された姿勢変動を用いて姿勢変動パターンを生成する(S210)。そして、姿勢変動パターン生成部21は、生成した姿勢変動パターンと運転操作とを対応づけて姿勢変動パターン記憶部に格納する。続いて、ステップS120以降の処理が実行される。
次に、図25に示したフローチャートに含まれる各ステップのうち、図6に示した各ステップと異なる姿勢変動パターン生成ステップ(S210)について、図26を用いて詳細に説明する。
図26は、実施の形態2における姿勢変動パターン生成ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、重心移動パターン生成部211は、例えばハンドル、ブレーキ又はアクセル等の操作受付手段から取得した運転操作情報に基づいて、運転操作(ブレーキ操作、ハンドル操作又はアクセル操作など)が行われているか否かを判断する(S211)。
ここで、運転操作が行われていない場合(S211のNo)、重心移動パターン生成部211は、ステップS210の処理を終了する。一方、運転操作が行われている場合(S211のYes)、重心移動パターン生成部211は、行われている運転操作に対応する重心移動パターンが既に生成されているか否かを判断する(S212)。具体的には、重心移動パターン生成部211は、重心移動パターン記憶部131に運転操作に対応する重心移動パターンが記憶されているか否かを判断する。
ここで、運転操作に対応する重心移動パターンが既に生成されている場合(S212のYes)、重心移動パターン生成部211は、ステップS210の処理を終了する。一方、運転操作に対応する重心移動パターンがまだ生成されていない場合(S212のNo)、平常重心位置記憶部121に一時記憶重心位置が記憶されているか否かを判断する(S213)。
ここで、一時記憶重心位置が記憶されていない場合(S213のNo)、重心移動パターン生成部211は、ステップS210の処理を終了する。一方、一時記憶重心位置が記憶されている場合(S213のYes)、重心移動パターン生成部211は、一時記憶重心位置をパターン計算用重心位置として、運転操作ごとに重心移動パターン記憶部131に格納する(S214)。つまり、重心移動パターン生成部211は、運転操作が行われた場合、圧力測定周期の1周期前までの期間(所定期間内)に測定された圧力を用いて計算された重心位置をパターン計算用重心位置として、運転操作ごとに重心移動パターン記憶部131に格納する。
続いて、重心移動パターン生成部211は、重心移動パターン記憶部131に記憶されている、運転操作に対応するパターン計算用重心位置の数が、あらかじめ定められた数以上であるか否かを判断する(S215)。なお、あらかじめ定められた数は、現在の運転者の重心移動パターンを計算するために必要な計算用重心位置の数である。具体的には、あらかじめ定められた数は、例えば「20」などの自然数である。
ここで、パターン計算用重心位置の数があらかじめ定められた数未満である場合(S215のNo)、重心移動パターン生成部211は、平常重心位置記憶部121に記憶されている一時記憶重心位置を削除し(S219)、ステップS100へ戻る。一方、パターン計算用重心位置の数があらかじめ定められた数以上である場合(S215のYes)、重心移動パターン生成部211は、平常重心位置記憶部121に平常重心位置が記憶されているか否かを判断する(S216)。
ここで、平常重心位置が記憶されていない場合(S216のNo)、重心移動パターン生成部211は、平常重心位置記憶部121に記憶されている一時記憶重心位置を削除し(S219)、ステップS100へ戻る。一方、平常重心位置が記憶されている場合(S216のYes)、重心移動パターン生成部211は、パターン計算用重心位置と平常重心位置とに基づいて、重心移動パターンを生成する(S217)。
具体的には、重心移動パターン生成部211は、例えば以下のように重心移動パターンを生成する。まず、重心移動パターン生成部211は、パターン計算用重心位置ごとに、平常重心位置からパターン計算用重心位置へ向かう重心移動ベクトルを算出する。さらに、重心移動パターン生成部211は、パターン計算用重心位置ごとに算出された重心移動ベクトルの向きを示す角度の平均値と標準偏差とを算出する。そして、重心移動パターン生成部211は、算出した角度の平均値に、標準偏差を減算した角度から標準偏差を加算した角度までの範囲を重心移動パターンとして生成する。
なお、重心移動パターンは、ベクトルの大きさの範囲を重心移動パターンとして生成してもよい。その場合、重心移動パターン生成部211は、重心移動ベクトルの大きさの平均値と標準偏差とを算出し、算出した大きさの平均値に、標準偏差を減算した大きさから標準偏差を加算した大きさまでの範囲を重心移動パターンとして生成する。また、重心移動パターン生成部211は、ベクトルの角度の範囲及び大きさの範囲の両方を重心移動パターンとして生成してもよい。
なお、重心移動パターン生成部211は、平均値の代わりに、中央値、最頻値等平均値以外の代表値を用いて重心移動パターンを生成してもよい。また、重心移動パターン生成部211は、標準偏差の代わりに、標準偏差のN倍の値、二乗平均平方根等の重心移動ベクトルのばらつきを表す値を用いて重心移動パターンを生成してもよい。
次に、重心移動パターン生成部211は、生成した重心移動パターンと運転操作(予備動作情報)とを対応づけて重心移動パターン記憶部131に格納する(S218)。
以上のように、重心移動パターン生成部211は、ステップS211からステップS219までの各処理を実行し、現在の運転者に適応する重心移動パターンを生成する。
なお、本実施の形態における車両制御装置20は、圧力が測定されるたびに重心位置が予備動作の行われているときの重心位置であるか否かを逐次判断しながら、運転者の重心移動パターンを生成していた。しかし、車両制御装置20は、エンジン始動から一定期間(例えば5分間)における運転操作情報と一定の時間間隔(例えば50ms)ごとに計算された重心位置とを記録し、記録した運転操作情報と重心位置とを用いて重心移動パターンを生成してもよい。具体的には、車両制御装置20は、記録時間内に行われた運転操作ごとに、運転操作の一定時間(例えば300ms)前の重心位置を抽出し、抽出した重心位置を用いて重心移動パターンを生成してもよい。
また、本実施の形態における車両制御装置20は、測定された圧力から計算された重心位置と運転操作情報とのみから重心移動パターンを生成していたが、必ずしもこのように重心移動パターンを生成する必要はない。例えば、車両制御装置20は、あらかじめ標準的な重心移動パターンを保持しておき、測定された圧力から計算された重心位置と運転操作情報とを用いて保持している重心移動パターンを補正してもよい。この場合、車両制御装置20は、重心位置と運転操作情報とから重心移動パターンを生成できない場合であっても、保持された重心移動パターンを用いて予備動作を特定することができる。
以上のように、本実施の形態における車両制御装置20は、測定された重心位置を用いて運転者に適応した重心移動パターンを生成することができる。したがって、本実施の形態における車両制御装置20は、実施の形態1における車両制御装置10により得られる効果に加えて、さらに運転操作の予測精度を向上させることが可能となる。
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について図面を参照しながら詳細に説明する。本変形例における車両制御装置は、運転者が座る座席に配置された圧力センサから得られる圧力分布の変動を用いて予備動作を特定する点が、実施の形態2における車両制御装置と異なる。また、本変形例における車両制御装置は、測定された姿勢の変動から運転操作の予備動作を特定するための姿勢変動パターンを生成する点が、実施の形態1の変形例1における車両制御装置と異なる。以下、実施の形態2及び実施の形態1の変形例1における車両制御装置と異なる点を中心に、本変形例における車両制御装置を説明する。
本変形例における車両制御装置20の全体構成は、図23に示した実施の形態2における車両制御装置と同様であるので図示及び説明を省略する。
図27は、実施の形態2の変形例における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図27に示すように、本変形例における車両制御装置20は、姿勢変動パターン生成部21を備える点が、図13に示した実施の形態1の変形例1における車両制御装置10と異なる。
姿勢変動パターン生成部21が備える圧力分布変動パターン生成部212は、圧力分布変動検出部125によって運転操作前の所定期間に検出された、運転操作(ブレーキ操作、アクセル操作、右ハンドル操作又は左ハンドル操作など)ごとの圧力分布変動を用いて、圧力分布変動パターンを生成する。そして、圧力分布変動パターン生成部212は、生成した圧力分布変動パターンを運転操作に対応づけて圧力分布変動パターン記憶部133に格納する。
具体的には、圧力分布変動パターン生成部212は、例えば、運転操作前の所定期間に検出された複数の圧力分布変動の測定点ごとの値の(平均値±標準偏差)の範囲を圧力分布変動パターンとして生成する。
ここで、運転操作が行われたか否かは、運転操作受付手段から運転操作情報を取得することにより判断される。また、所定期間は、予備動作が行われてから運転操作が行われるまでの期間が含まれるような期間である。
次に、以上のように構成された車両制御装置20によって実行される車両制御方法について説明する。なお、本変形例における車両制御装置の動作の一例を示すフローチャートは、図25に示したフローチャートと同一であるので図示及び説明を省略する。また、図25に示したフローチャートに含まれるステップS110からステップS130までの処理の詳細は、実施の形態1の変形例1における図16〜図19と同様であるので、図示及び説明を省略する。
図28は、実施の形態2の変形例における姿勢変動パターン生成ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、圧力分布変動パターン生成部212は、例えばハンドル、ブレーキ又はアクセル等の操作受付手段から取得した操作情報に基づいて、運転操作(ブレーキ操作、ハンドル操作又はアクセル操作など)が行われているか否かを判断する(S261)。
ここで、運転操作が行われていない場合(S261のNo)、圧力分布変動パターン生成部212は、ステップS260の処理を終了する。一方、運転操作が行われている場合(S261のYes)、圧力分布変動パターン生成部212は、行われている運転操作に対応する圧力分布変動パターンが既に生成されているか否かを判断する(S262)。具体的には、圧力分布変動パターン生成部212は、圧力分布変動パターン記憶部133に運転操作に対応する圧力分布変動パターンが記憶されているか否かを判断する。
ここで、運転操作に対応する圧力分布変動パターンが既に生成されている場合(S262のYes)、圧力分布変動パターン生成部212は、ステップS260の処理を終了する。一方、運転操作に対応する圧力分布変動パターンがまだ生成されていない場合(S262のNo)、平常圧力分布記憶部124に一時記憶圧力分布が記憶されているか否かを判断する(S263)。
ここで、一時記憶圧力分布が記憶されていない場合(S263のNo)、圧力分布変動パターン生成部212は、ステップS260の処理を終了する。一方、一時記憶圧力分布が記憶されている場合(S263のYes)、圧力分布変動パターン生成部212は、一時記憶圧力分布をパターン計算用圧力分布として、運転操作ごとに圧力分布変動パターン記憶部133に格納する(S264)。つまり、圧力分布変動パターン生成部212は、運転操作が行われた場合、圧力測定周期の1周期前までの期間(所定期間内)に測定された圧力分布をパターン計算用圧力分布として、運転操作ごとに圧力分布変動パターン記憶部133に格納する。
続いて、圧力分布変動パターン生成部212は、圧力分布変動パターン記憶部133に記憶されている、運転操作に対応するパターン計算用圧力分布の数が、あらかじめ定められた数以上であるか否かを判断する(S265)。なお、あらかじめ定められた数は、現在の運転者の圧力分布変動パターンを計算するために必要な計算用圧力分布の数である。具体的には、あらかじめ定められた数は、例えば「20」などの自然数である。
ここで、パターン計算用圧力分布の数があらかじめ定められた数未満である場合(S265のNo)、圧力分布変動パターン生成部212は、平常圧力分布記憶部124に記憶されている一時記憶圧力分布を削除し(S269)、ステップS100へ戻る。一方、パターン計算用圧力分布の数があらかじめ定められた数以上である場合(S265のYes)、圧力分布変動パターン生成部212は、平常圧力分布記憶部124に平常圧力分布が記憶されているか否かを判断する(S266)。
ここで、平常圧力分布が記憶されていない場合(S266のNo)、圧力分布変動パターン生成部212は、平常圧力分布記憶部124に記憶されている一時記憶圧力分布を削除し(S269)、ステップS100へ戻る。一方、平常圧力分布が記憶されている場合(S266のYes)、圧力分布変動パターン生成部212は、パターン計算用圧力分布と平常圧力分布とに基づいて、圧力分布変動パターンを生成する(S267)。
具体的には、圧力分布変動パターン生成部212は、例えば以下のように圧力分布変動パターンを生成する。まず、圧力分布変動パターン生成部212は、パターン計算用圧力分布ごとに、平常圧力分布とパターン計算用圧力分布との圧力差分の分布である圧力分布変動を算出する。そして、圧力分布変動パターン生成部212は、パターン計算用圧力分布ごとに算出された圧力分布変動の測定点ごとの圧力差分の平均値と標準偏差とを算出する。さらに、圧力分布変動パターン生成部212は、算出した圧力差分の平均値に標準偏差を減算した値から標準偏差を加算した値までの測定点ごとの照合範囲を圧力分布変動パターンとして生成する。
なお、圧力分布変動パターンは、ベクトルの大きさの範囲を圧力分布変動パターンとして生成してもよい。その場合、圧力分布変動パターン生成部212は、圧力分布変動ベクトルの大きさの平均値と標準偏差とを算出し、算出した大きさの平均値に、標準偏差を減算した大きさから標準偏差を加算した大きさまでの範囲を圧力分布変動パターンとして生成する。また、圧力分布変動パターン生成部212は、ベクトルの角度の範囲及び大きさの範囲の両方を圧力分布変動パターンとして生成してもよい。
なお、圧力分布変動パターン生成部212は、平均値の代わりに、中央値、最頻値等平均値以外の代表値を用いて圧力分布変動パターンを生成してもよい。また、圧力分布変動パターン生成部212は、標準偏差の代わりに、標準偏差のN倍の値、二乗平均平方根等の圧力分布変動ベクトルのばらつきを表す値を用いて圧力分布変動パターンを生成してもよい。
次に、圧力分布変動パターン生成部212は、生成した圧力分布変動パターンと運転操作(予備動作情報)とを対応づけて圧力分布変動パターン記憶部133に格納する(S268)。
以上のように、圧力分布変動パターン生成部212は、ステップS261からステップS269までの各処理を実行し、現在の運転者に適応する圧力分布変動パターンを生成する。
本変形例における車両制御装置20は、測定された圧力分布を用いて運転者に適応した圧力分布変動パターンを生成することができる。したがって、車両制御装置20は、実施の形態1の変形例1における車両制御装置10により得られる効果に加えて、さらに運転操作の予測精度を向上させることが可能となる。
なお、実施の形態2又はその変形例における車両制御装置20は、運転者が座る座席に配置された複数のシート圧力センサによって測定された圧力を用いて、姿勢変動パターン(重心移動パターン又は圧力分布変動パターン)を生成したが、必ずしもこのように姿勢変動パターンを生成する必要はない。例えば、車両制御装置は、実施の形態1の変形例2の車両制御装置のように、足部圧力センサによって測定された圧力を用いて、姿勢変動パターンを生成し、予備動作を特定してもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施の形態3における車両制御装置30は、予備動作の特定に加えて運転者の驚愕反応を検出し、驚愕反応の検出結果と予備動作の特定結果とに従って車両を制御する点に特徴を有する。
図29は、実施の形態3における車両制御装置の全体構成の一例を示すブロック図である。なお、図29において、図1Bと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図29に示すように、車両制御装置30は、姿勢測定部11、姿勢変動検出部12、予備動作特定部13、及び車両制御部14に加えて、驚愕反応検出部31を備える。
驚愕反応検出部31は、運転者の驚愕反応を検出し、驚愕反応を検出した場合に車両を減速させる。また、驚愕反応検出部31は、驚愕反応を検出した場合に驚愕反応を検出したことを車両制御部14に通知する。
ここで驚愕反応とは、運転者が運転中に何らかの緊急事態に遭遇したなどの理由により、運転者が驚愕していることを示す反応である。
次に、図29に示した各構成要素の詳細について説明する。
図30は、実施の形態3における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。なお、図30において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
減速制御信号生成部144は、驚愕反応が検出されたことにより車両が減速された場合に、予備動作特定部13によって車両を減速させるための運転操作が予測されたとき、車両の減速を促進する。また、減速制御信号生成部144は、驚愕反応が検出されたことにより車両が減速された場合に、予備動作特定部13によって車両を減速させるための操作が予測されなかったとき、車両の減速を中止する。
驚愕反応検出部31は、ハンドル圧力センサ311と、把持圧力変動検出部312と、カメラ313と、瞳孔拡大検出部314と、反応記憶部315と、驚愕反応判定部316とを備える。
ハンドル圧力センサ311は、運転者がハンドルを把持する圧力を測定する。
把持圧力変動検出部312は、ハンドル圧力センサ311によって測定された、運転者がハンドルを把持する圧力に基づいて、運転者が驚愕していることを示す把持圧増加反応を検出する。具体的には、把持圧力変動検出部312は、測定された圧力の時間変化が閾値を超えるか否かに応じて把持圧増加反応を検出する。
カメラ313は、運転者の瞳孔を含む領域を撮影する。
瞳孔拡大検出部314は、カメラ313によって撮影された画像から運転者の瞳孔の拡大を検出することにより、運転者が驚愕していることを示す瞳孔拡大反応を検出する。具体的には、把持圧力変動検出部312は、撮影された画像から得られる運転者の瞳孔の面積の時間変化が閾値を超えるか否かに応じて瞳孔拡大反応を検出する。
反応記憶部315は、把持圧力変動検出部312によって把持圧増加反応が検出されたことを示す情報と、瞳孔拡大検出部314によって瞳孔拡大反応が検出されたことを示す情報とを記憶するための記憶部である。
驚愕反応判定部316は、把持圧力変動検出部312によって把持圧増加反応が検出されたことを示す情報と、瞳孔拡大検出部314によって瞳孔拡大反応が検出されたことを示す情報とが反応記憶部315に記憶されている場合、車両を減速させるとともに驚愕反応を減速制御信号生成部144に通知する。
次に、以上のように構成された車両制御装置30によって実行される車両制御方法について説明する。なお、本実施の形態における車両制御装置において、予備動作を利用して車両を制御するための動作と、驚愕反応を利用して車両を制御するための動作とが互いに連関しながら並行して行われる。
はじめに、予備動作を利用して車両を制御するための動作について説明する。なお、予備動作を利用して車両を制御するための動作において、本実施の形態と実施の形態1とは、車両制御ステップ(S140)の詳細な処理が異なるが、他の処理は同じである。したがって、以下に、車両制御ステップ(S140)の詳細について、図31を用いて説明する。
図31は、実施の形態3における車両制御ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図31において、図11と同じステップについては同じ符号を用い、説明を省略する。
まず、減速制御信号生成部144は、驚愕反応検出部31によって驚愕反応の通知を受けたか否かを判断する(S301)。具体的には、減速制御信号生成部144は、例えば、驚愕反応検出部31から驚愕反応の通知を受けたか否かを示す驚愕フラグが、驚愕反応ありを示しているか否かを判定する。
ここで、驚愕反応検出部31によって驚愕反応の通知を受けていない場合(S301のNo)、車両制御部14は、実施の形態1と同様の処理(S141〜S146)を実行する。一方、驚愕反応検出部31によって驚愕反応の通知を受けていた場合(S301のYes)、減速制御信号生成部144は、ステップS130において特定された予備動作が、ブレーキ操作の予備動作であるか否かを判定する(S302)。
ここで、ステップS130において特定された予備動作がブレーキ操作の予備動作である場合(S302のYes)、減速制御信号生成部144は、車両の減速が促進するための減速制御信号を生成し、車両の減速を促進させる(S303)。一方、ステップS130において特定された予備動作がブレーキ操作の予備動作でない場合(S302のNo)、減速制御信号生成部144は、車両の減速を中止するための減速制御信号を生成し、車両の減速を中止させる(S304)。
そして、減速制御信号生成部144は、驚愕反応を初期化する(S305)。具体的には、減速制御信号生成部144は、例えば、驚愕フラグを驚愕反応なしに変更する。
以上のように、減速制御信号生成部144は、ステップS301からステップS305までの各処理を実行し、驚愕反応を用いた車両制御に応じて予備動作を用いた車両制御を行う。
次に、驚愕反応を利用して車両を制御するための動作について説明する。なお、驚愕反応を利用して車両を制御するための動作には、把持圧力変動検出部312の動作と、瞳孔拡大検出部314の動作と、驚愕反応判定部316の動作との3つの動作が含まれる。以下に、これらの3つの動作について、図32〜図34を用いて説明する。
図32は、実施の形態3における把持圧力変動検出部の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、把持圧力変動検出部312は、運転者が座席に着座し、車両を始動することで動作をスタートする。そして、把持圧力変動検出部312は、エンジンを停止する等の終了信号があるか否かを判断する(S311)。ここで、終了信号がある場合(S311のYes)、把持圧力変動検出部312は動作を終了する。
一方、終了信号がない場合(S311のNo)、把持圧力変動検出部312は、ハンドル圧力センサ311よりハンドルの把持圧力を取得する(S312)。そして、把持圧力変動検出部312は、取得した把持圧力の中で最大の把持圧力と、反応記憶部315に記憶されている一時記憶最大把持圧力との圧力差を計算する(S313)。さらに、把持圧力変動検出部312は、反応記憶部315に記憶されている一時記憶最大把持圧力を、ステップS312において取得された把持圧力の中で最大の把持圧力に更新する(S314)。
続いて、把持圧力変動検出部312は、計算された圧力差が閾値以上であるか否かを判断する(S315)。なお閾値は、運転者が驚愕前の把持圧力と驚愕時の把持圧力との圧力差の下限を示す値である。
ここで、圧力差が閾値未満である場合(S315のNo)、把持圧力変動検出部312は、ステップS311の処理に戻る。一方、圧力差が閾値以上である場合(S315のYes)、把持圧力変動検出部312は、把持圧増加反応があったことを示す情報を反応記憶部315に格納し(S316)、ステップS311の処理に戻る。
以上のように、把持圧力変動検出部312は、ステップS311からステップS316までの各処理を実行し、運転者が驚愕していることを示す把持圧増加反応を検出する。
なおここでは、把持圧力変動検出部312は、圧力差を閾値と比較することにより把持圧増加反応を検出していたが、圧力比を閾値と比較することにより把持圧増加反応を検出してもよい。また、把持圧力変動検出部312は、取得した把持圧力の最大値を閾値と比較してもよい。
図33は、実施の形態3における瞳孔拡大検出部の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、瞳孔拡大検出部314は、運転者が座席に着座し、車両を始動することで動作をスタートする。そして、瞳孔拡大検出部314は、エンジンを停止する等の終了信号があるか否かを判断する(S321)。ここで、終了信号がある場合(S321のYes)、瞳孔拡大検出部314は動作を終了する。
一方、終了信号がない場合(S321のNo)、瞳孔拡大検出部314は、カメラ313より運転者の目の像を含む画像を取得する(S322)。続いて、瞳孔拡大検出部314は、取得した画像の中において、瞳孔領域を特定する(S323)。具体的には、瞳孔拡大検出部314は、例えば、あらかじめ保持された瞳孔のテンプレート画像と類似する領域を探索することにより、瞳孔領域を特定する。また、瞳孔拡大検出部314は、例えば、エッジ探索により瞳孔の輪郭を特定することにより、瞳孔領域を特定してもよい。
そして、瞳孔拡大検出部314は、特定された瞳孔領域と、反応記憶部315に記憶された一時記憶瞳孔領域との面積比を計算する(S324)。さらに、瞳孔拡大検出部314は、反応記憶部315に記憶されている一時記憶瞳孔領域を、ステップS323において特定された瞳孔領域に更新する(S325)。
続いて、瞳孔拡大検出部314は、計算された面積比が閾値以上であるか否かを判断する(S325)。なお閾値は、驚愕前の瞳孔の面積と驚愕時の瞳孔の面積との比の下限を示す値である。
ここで、面積比が閾値未満である場合(S326のNo)、瞳孔拡大検出部314は、ステップS321の処理に戻る。一方、面積比が閾値以上である場合(S326のYes)、瞳孔拡大検出部314は、瞳孔拡大反応があったことを示す情報を反応記憶部315に格納し(S327)、ステップS321の処理に戻る。
以上のように、瞳孔拡大検出部314は、ステップS321からステップS327までの各処理を実行し、瞳孔の面積を用いて運転者が驚愕していることを示す瞳孔拡大反応を検出する。
なおここでは、瞳孔拡大検出部314は、面積比を閾値と比較することにより瞳孔拡大反応を検出していたが、面積差を閾値と比較することにより瞳孔拡大反応を検出してもよい。また、瞳孔拡大検出部314は、特定した瞳孔領域の面積を閾値と比較してもよい。
図34は、実施の形態3における驚愕反応判定部の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、驚愕反応判定部316は、運転者が座席に着座し、車両を始動することで動作をスタートする。そして、驚愕反応判定部316は、エンジンを停止する等の終了信号があるか否かを判断する(S331)。ここで、終了信号がある場合(S331のYes)、驚愕反応判定部316は動作を終了する。
一方、終了信号がない場合(S331のNo)、驚愕反応判定部316は、反応記憶部315を参照し、把持圧増加反応を示す情報が記憶されているか否かを判断する(S332)。ここで、把持圧増加反応を示す情報が記憶されていない場合(S332のNo)、驚愕反応判定部316は、瞳孔拡大反応を示す情報を削除し(S336)、ステップS331の処理に戻る。
一方、把持圧増加反応を示す情報が記憶されている場合(S332のYes)、驚愕反応判定部316は、反応記憶部315を参照し、瞳孔拡大反応を示す情報が記憶されているか否かを判断する(S333)。ここで、瞳孔拡大反応を示す情報が記憶されていない場合(S333のNo)、驚愕反応判定部316は、把持圧増加反応を示す情報を削除し(S336)、ステップS331の処理に戻る。
一方、瞳孔拡大反応を示す情報が記憶されている場合(S333のYes)、驚愕反応判定部316は、車両を減速させるための減速制御信号を生成し、車両を減速させる(S334)。さらに、驚愕反応判定部316は、驚愕反応があったことを示す情報を減速制御信号生成部144に通知する(S335)。続いて、驚愕反応判定部316は、把持圧増加反応を示す情報と瞳孔拡大反応を示す情報とを削除し(S336)、ステップS331の処理に戻る。
以上のように、驚愕反応判定部316は、ステップS331からステップS336までの各処理を実行し、驚愕反応に応じて車両を減速させるとともに、驚愕反応を利用して車両を制御する動作と、予備動作を利用して車両を制御する動作とを連動させる。
なお、本実施の形態では、把持圧力変動検出部312、瞳孔拡大検出部314及び驚愕反応判定部316の動作のタイミング及び周期は互いに独立していたが、同期させてもよい。例えば、把持圧力変動検出部312の動作と瞳孔拡大検出部314の動作とを並行して処理した後、驚愕反応判定部316の動作を開始してもよい。この場合、驚愕反応判定部316の動作が終了した後、把持圧力変動検出部312の動作と瞳孔拡大検出部314の動作とを再度開始すればよい。
以上のように、本実施の形態における車両制御装置30は、運転者が緊急事態に遭遇したときなどの驚愕反応を検出し、検出した驚愕反応に従って車両を減速させる。これにより、車両制御装置30は、運転者が状況を認識した後に行われる運転操作及びその予備動作よりもさらに早く車両の減速を開始することができる。
さらに、車両制御装置30は、驚愕反応による減速制御と予備動作による減速制御とを連携させることにより、驚愕反応により開始された減速制御の誤りを訂正することができる。つまり、車両制御装置30は、運転者の判断と異なった不必要な急制動を回避することができる。これにより、車両制御装置30は、不必要な急制動を回避し、後続車に与える混乱を低減させるとともに、追突等の事故を抑制することができる。つまり、車両制御装置30は、驚愕反応のみを検出して車両を制御するよりも、安全に車両を制御することができる。
なお、本実施の形態における車両制御装置30は、実施の形態1もしくは2又はそれらの変形例における車両制御装置と同様に、予備動作を利用して車両の進行方向又は加速を制御してもよい。これにより、車両制御装置30は、驚愕反応が検出されるような緊急事態において、運転者が事態を回避するための運転操作に先行して車両を制御し、車両をスムースに動作させることができる。その結果、車両制御装置30は、運転者及び車両を緊急事態から安全に回避させることができるとともに、後続車両その他周辺交通の安全性も向上させることができる。
また、本実施の形態における車両制御装置30は、ハンドル把持圧力及び瞳孔面積を用いて驚愕反応を検出していたが、どちらか一方を用いて驚愕反応を検出してもよい。また、車両制御装置30は、例えば、重心位置、血圧、発汗、脈拍、又は脈波等のいずれか又はそれらの組み合わせにより驚愕反応を検出してもよい。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施の形態4における車両制御装置40は、ブレーキ操作など車両を減速するための運転操作の予備動作が特定された場合に、制動灯を点灯させる点に特徴を有する。
図35は、実施の形態4における車両制御装置の全体構成の一例を示すブロック図である。また、図36は、実施の形態4における車両制御装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。なお、図35及び図36において、図1B又は図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
車両制御部14が備える制動灯制御信号生成部145は、予備動作特定部によって車両を減速させるための運転操作が予測された場合、車両が備える制動灯を点灯させるための制動灯制御信号を生成し、制動灯を点灯させる。ここで、制動灯とは、ブレーキペダルが踏まれた場合など車両の制動が行われるときに点灯するランプである。
次に、以上のように構成された車両制御装置40によって実行される車両制御方法について説明する。なお、本実施の形態と実施の形態1とは、車両制御ステップ(S140)の詳細な処理が異なるが、他の処理は同じである。したがって、以下に、車両制御ステップ(S140)の詳細について、図37を用いて説明する。
図37は、実施の形態4における車両制御ステップの詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、制動灯制御信号生成部145は、ステップS130において特定された予備動作が、ブレーキ操作の予備動作であるか否かを判定する(S401)。ここで、ステップS130において特定された予備動作がブレーキ操作の予備動作である場合(S401のYes)、制動灯制御信号生成部145は、車両の制動灯を点灯させるための制動灯制御信号を生成し、制動灯を点灯させる(S402)。そして、車両制御部14は、ステップS140の処理を終了する。
一方、ステップS130において特定された予備動作がブレーキ操作の予備動作でない場合(S401のNo)、車両制御部14は、ステップS140の処理を終了する。
以上のように、車両制御部14は、予備動作特定部13によって特定された予備動作に従って、車両が備える制動灯を制御するための制御信号を生成し、制動灯を点灯させる。これにより、本実施の形態における車両制御装置40は、運転者がブレーキ操作を意図した時点から制動灯が点灯されるまでの時間を短縮することができる。その結果、車両制御装置40は、車両が減速されることを後続車両により早く示すことができ、後続車両の追突などの事故を減少させ、周辺交通の安全性を高めることができる。具体的には、車両制御装置40は、ブレーキ操作が行われてから制動灯を点灯させるよりも、0.1秒から0.5秒程度早く点灯させることが可能となり、急ブレーキに対して後続車が対応できずに追突してしまうような危険を低減させることができる。
以上、本発明に係る車両制御装置及び車両制御方法について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態又はその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態もしくはその変形例に施したもの、又は異なる実施の形態もしくはその変形例における各構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、本発明に係る車両制御装置は、実施の形態1並びにその変形例1及び2における車両制御装置の各構成要素を組み合わせてもよい。すなわち、車両制御装置は、座席及び床面における重心位置及び圧力分布を用いて予備動作を特定してもよい。この場合、車両制御装置は、例えば、重心位置及び圧力分布を用いて予測される運転操作のすべてが同一の場合に車両を制御すればよい。
また、実施の形態3又は4における車両制御装置は、座席の座面における圧力の重心位置を利用して運転操作を予測していたが、実施の形態1の変形例1又は2と同様に、座席又は足部の圧力分布を利用して運転操作を予測してもよい。
また、上記実施の形態において、重心移動検出部122は、平常重心位置から測定された重心位置へ向かう重心移動ベクトルを姿勢変動として検出していたが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、重心移動検出部122は、直前の時間サンプル点において測定された重心位置から今回測定された重心位置へ向かうベクトルを姿勢変動として検出してもよい。また、例えば、重心移動検出部122は、時間的に連続する3点以上の時間サンプル点における重心位置の移動軌跡を姿勢変動として検出してもよい。これらの場合、重心移動検出部122は、過去に測定された重心位置を保持し、保持した重心位置と測定された重心位置とを用いて姿勢変動を検出する。また、これらの場合、重心移動パターン記憶部131には、予備動作が行われているときの移動軌跡の特徴を示す重心移動パターンが記憶される。
また、上記実施の形態又はその変形例における車両制御装置は、平常重心位置計算部123又は平常圧力分布計算部126を備えていたが、必ずしもこれらを備える必要はない。例えば、車両制御装置は、平均的な運転者の平常重心位置又は平常圧力分布があらかじめ記憶された平常重心位置記憶部121又は平常圧力分布記憶部124を備えてもよい。または例えば、車両制御装置は、運転者のタイプ又は運転の特性などに対応する複数の平常重心位置又は平常圧力分布があらかじめ記憶されている平常重心位置記憶部121又は平常圧力分布記憶部124を備えてもよい。この場合、車両制御装置が自動的に又は運転者が、運転者のタイプ又は運転の特性などにしたがって、複数の平常重心位置又は平常圧力分布のいずれかを選択すればよい。
また、上記実施の形態又はその変形例における車両制御装置は、圧力センサによって測定された圧力に基づいて予備動作を特定していたが、必ずしも圧力に基づく必要はない。例えば、本発明に係る車両制御装置は、筋電位、筋肉の硬さなどから運転者の姿勢を維持又は変動させるための筋肉の活動を測定して、予備動作を特定してもよい。
また、上記実施の形態又はその変形例における車両制御装置は、車両の振動を測定する振動センサと重心位置又は圧力分布を補正する補正部とを備えていたが、車室内の振動が無視できるほど小さい場合などは振動センサ及び補正部を備えなくてもよい。
また、上記実施の形態又はその変形例における姿勢変動検出部12は、重心移動ベクトル又は圧力分布変動を姿勢変動と検出していたが、これらとは異なる姿勢変動を検出してもよい。例えば、姿勢変動検出部12は、図12又は図22に示したように、左臀部、左大腿部、左足つま先部、左足かかと部のような身体部分ごと又は座席等の分割された領域ごとの最大圧力値又はその最大圧力値の相対関係の変動を姿勢変動として検出してもよい。この場合、予備動作特定部13は、身体部分ごと又は領域ごとの最大圧力値又はその最大圧力値の相対関係の変動を用いて予備動作を特定する。具体的には、予備動作特定部13は、例えば、左大腿部及び左足かかと部の最大圧力値が他の領域に比べて急峻に変化している場合、ブレーキ操作の予備動作であると特定する。
なお、本発明は、このような車両制御装置として実現することができるだけでなく、このような車両制御装置が備える特徴的な構成部の動作をステップとする車両制御方法として実現したり、それらの各ステップを図38に示すようなコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
図38は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。車両を制御するためのプログラムは、コンピュータが読取可能な媒体であるCD−ROM515に記憶され、CD−ROM装置514を介して読み出される。または、画像を選択するためのプログラムは、有線若しくは無線ネットワーク、又は放送などを介して伝送される。
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、ハードディスク504、通信インタフェース505等を備える。
CPU501は、CD−ROM装置514を介して読み出されたプログラム、又は通信インタフェース505を介して受信したプログラムを実行する。具体的には、CPU501は、CD−ROM装置514を介して読み出されたプログラム、又は通信インタフェース505を介して受信したプログラムをRAM503に展開する。そして、CPU501は、RAM503に展開されたプログラム中のコード化された各命令を実行する。
ROM502は、コンピュータ500の動作に必要なプログラム及びデータを記憶する読み出し専用メモリである。RAM503は、CPU501がプログラムを実行するときにワークエリアとして使用される。具体的には、RAM503は、例えば、プログラム実行時のパラメータなどのデータを一時的に記憶する。ハードディスク504は、プログラム、データなどを記憶する。
通信インタフェース505は、ネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行なう。バス506は、CPU501、ROM502、RAM503、ハードディスク504、通信インタフェース505、ディスプレイ511、キーボード512、マウス513及びCD−ROM装置514を相互に接続する。