本発明は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色のトナーを用いて形成されたフルカラー画像上に透明トナーを用いた透明樹脂層を形成する画像形成方法に関する。
本発明者は、特許文献3に開示された技術で画像形成を行ったときに、透明トナー層と画像との間に空間が発生したことに着目した。そして、カラートナーにより形成された画像層と透明樹脂層との密着性を向上させることにより、転写シート全面にわたり均一な光沢性が発現されるものと推測した。そこで、カラートナーと透明トナーの形状や粒径を近づけて画像形成を行ったところ、トナー画像と透明樹脂層との間に空間が発生することがなくなり、均一な光沢を有するフルカラー画像が得られることを見出したのである。
カラートナーと透明トナーの粒径差や形状差をある範囲内にすることで、均一な光沢性が発現される理由は明らかではないが、おそらく、定着時にそれぞれのトナーの溶融状態が均一となるため画像が同じような状態になり、その結果、トナー画像間の接着性が向上し、密着性が向上して光沢性が均一化するものと推測される。
以下、本発明に使用されるトナーについて説明する。
本発明に係る画像形成方法では、画像形成に使用されるカラートナーと透明樹脂層を形成する透明トナーが以下のように、粒径と形状がそれぞれ揃ったものが使用される。
本発明に係る画像形成方法に使用されるトナーは、透明トナーの形状係数の平均値をX、イエロートナーの形状係数の平均値をAy、マゼンタトナーの形状係数の平均値をAm、シアントナーの形状係数の平均値をAc、黒色トナーの形状係数の平均値をAkとしたときに、|X−Ay|、|X−Am|、|X−Ac|、|X−Ak|の値がそれぞれ20以下となるものである。本発明では、透明トナーと着色トナーの形状係数の平均値の差が小さいほどよい。
本発明では、カラートナーの形状係数と透明トナーの形状係数の差を上記範囲内にすることにより、両トナーの形状が揃って画像形成時にトナー画像層と透明樹脂層との密着性が向上する結果、画像の光沢性が向上するものと推測される。
本発明に使用されるトナーの「形状係数」とは、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示すものである。すなわち、
形状係数={〔(トナーの最大径/2)2×π〕/(トナーの投影面積)}×100
ここで、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいうものである。また、投影面積とは、トナー粒子を平面上に投影したときに得られる像の面積をいうものである。
この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
そして、形状係数の平均値とは、複数個のトナー粒子を測定して算出した形状係数の総和を測定に使用したトナー粒子の個数で除して得られる値である。
なお、本発明に使用される透明トナーの形状係数の平均値は、110乃至150であることが好ましい。
このように、透明トナーの形状係数の平均値を上記範囲とすることである程度の不定形性が付与され、粒子間の密着性が向上して粒子間の接着性が向上する。この理由は明確ではないが、おそらく真球のものに比べて接触点が増加する分、粒子間の接着性が向上するためではないかと推測される。一方、150を超えるとトナー間に空隙が発生し易くなるため効果が低減するものと推測される。
また、本発明に使用される透明トナーの体積基準のメディアン径(体積D50%径)をDx、イエロートナーの体積基準のメディアン径をDy、マゼンタトナーの体積基準のメディアン径をDm、シアントナーの体積基準のメディアン径をDc、黒色トナーの体積基準のメディアン径をDkとしたときに、|Dx−Dy|、|Dx−Dm|、|Dx−Dc|、|Dx−Dk|の値がそれぞれ0.5μm未満となるものである。本発明では、透明トナーと着色トナーの体積基準のメディアン径の差が小さいほどよい。
本発明では、カラートナーの粒径と透明トナーの粒径差を上記範囲内にすることにより、トナー画像部の画像粗さと透明樹脂層で形成される樹脂層の粗さの差が抑制されて透明樹脂層で形成された均一性が維持される結果、転写シート上で均一な光沢性が発現されるものと推測される。
体積基準メディアン径(体積D50%径)は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度8%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、コールターマルチサイザーのアパチャー径は50μmのものを使用した。
本発明に使用される「透明トナー」は、光吸収や光散乱による着色を目的とした後述するような着色剤(着色顔料、着色染料、黒色カーボン粒子、黒色磁性紛など)を粒子中に含有しないものである。本発明に使用される透明トナーは、通常、無色透明であるが、その中に含まれるワックス等の種類や量により透明度が若干低くなることがあるが、実質的には無色透明なものである。例えば、このトナー粒子のみを溶融させ、厚みが0.5mmのペレットとした際の光透過率が95%以上のものが好ましい。
次に、本発明に使用されるトナーを構成する樹脂について説明する。
本発明に使用される透明トナーや、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色のトナー(着色トナー)に使用可能な樹脂には、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られる重合体が挙げられる。
トナーに使用される樹脂は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることも可能である。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
上述した重合性単量体を重合して得られる結着樹脂は、定着速度の高速化や定着温度を下げる視点から、重量平均分子量が5000以上40000以下で、ガラス転移点が55℃以上75℃未満であることが好ましい。
なお、本発明に使用される透明トナー用の結着樹脂は、樹脂自身が有色のものではないこと、すなわち、実質的に透明なものであればよく、上記重合性単量体を適宜選択して形成されるものが使用可能である。
次に、本発明に使用されるトナーに使用可能なワックスについて説明する。本発明に係るトナーに使用可能なワックスは従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
また、本発明では、透明トナーにワックスを含有させることが好ましい。透明トナー中にワックスを含有させることにより、画像表面の離型性が向上して定着時のオフセットによる微小な画像あれが防止されるので均一な光沢をより確実に発現することができる。さらに、ワックスが添加されている層が転写シート最上層に形成されるので、転写シート表面の離型効果が向上して、こすりに対する抵抗が強化される。その結果、形成されたフルカラー画像は長期にわたり高い光沢を維持することが可能になる。
次に、本発明に使用されるトナーの製造方法について説明する。本発明に使用されるトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、フルカラーのピクトリアル画像を高精細に再現するという視点から、製造工程中に粒径や形状の制御を行うことが可能な重合トナーが好ましい。
ここで、本発明に使用可能なトナーの代表的な製造例である樹脂粒子を凝集させて粒子形成を行う会合工程を有するトナーの製造方法を説明する。このトナーは、(1)樹脂粒子分散液の作製工程、(2)着色剤粒子分散液の作製工程、(3)粒子の会合工程、(4)着色粒子の固液分離工程、(5)乾燥工程、(6)着色粒子への外添剤処理工程、の工程を経て作製されるものである。以下、粒子の会合工程を有するトナーの製造方法を上記各工程の順に基づいて説明する。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
ここでいう樹脂粒子とは、いわゆるトナーの「結着樹脂」として機能するものをいう。樹脂粒子は、ラジカル重合性単量体を乳化重合して得ることが好ましいが、ポリエステル樹脂などを溶剤に溶解させた後、適宜脱溶剤して溶剤濃度を調整して得た樹脂を用いることも可能である。ラジカル重合性単量体としては、前述のビニル系単量体が挙げられる。
また、樹脂粒子の分子量を調整することを目的として、一般に使用される連鎖移動剤を使用することが可能である。連鎖移動剤としては、たとえば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系化合物や、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
ラジカル重合性単量体を使用して重合を行う場合、ラジカル重合性単量体を水系媒体中に油滴分散させるために界面活性剤が必要になる。本発明に使用されるトナーを構成する樹脂粒子を作製する場合に使用可能な界面活性剤は、特に限定されるものではないが、以下のようなものが挙げられる。
たとえば、イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤を使用することが可能であり、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドを組み合わせたもの、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル化合物、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドと高級脂肪酸とのエステル化合物、ソルビタンエステル等が挙げられる。
トナーにワックスを含有させるには、樹脂粒子を形成するラジカル重合性単量体に溶解させた後、重合を進行させることにより、樹脂粒子中に含有させることが好ましい。また、ワックス分散液を別途調整し、後述する会合工程において、樹脂粒子分散液、着色剤分散液とともに混合することで、これらの粒子を凝集、会合させることにより着色粒子内に取り込むことができる。
ここで、ワックス分散液の製造例について説明する。ワックス分散液は、非極性ワックス、極性ワックス、ノニオン界面活性剤をワックスの融点以上に加温して均一溶融させた後、たとえば、純水100部にアニオン界面活性剤8部を添加して加温したものを別途用意しておき、これに前述のワックス溶融物を投入する。そして、ワックス溶融物を投入した液を超音波分散機で30分〜2時間かけることにより、ワックス溶融物を液中に分散させ、ワックス分散液を作製する。
ここで、非極性ワックスと極性ワックスの混合比は、質量比で15:1〜50:1で、好ましくは20:1〜45:1である。
ワックス分散に用いる界面活性剤は、イオン性界面活性剤とノニオン界面活性剤を併用することが好ましい。ワックス分散に使用するイオン性界面活性剤とノニオン界面活性剤の具体例は、ラジカル重合性単量体を油滴分散させるために挙げたものと同様のものが挙げられる。使用可能なワックスは、前述のものが挙げられる。
(2)着色剤分散液の作製工程
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散させることにより、調製することが可能である。着色剤の分散処理は、水系媒体中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。
着色剤の分散処理に使用する分散機は、特に限定されるものではないが、「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」に代表される機械式分散機、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が使用可能である。
また、着色剤の分散処理に使用される界面活性剤は、前述の界面活性剤と同様のものが挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することが可能である。
黒色の着色剤として使用されるカーボンブラックとしては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が挙げられ、磁性体としてはマグネタイトやフェライト等が挙げられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド154、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。
オレンジもしくはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、ソルベントイエロー162等が挙げられる。
グリーンもしくはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66等が挙げられる。
着色剤粒子の数平均1次粒径は、種類により多様であるが、概ね10〜200nmが好ましい。
(3)粒子の会合工程
樹脂粒子、着色剤粒子等を会合させて着色粒子や透明トナーを構成する粒子を形成する工程である。すなわち、ワックスを内包した樹脂粒子と着色剤粒子とを会合させたり、樹脂粒子、着色剤粒子、ワックス粒子を会合させて着色粒子を形成する工程である。
樹脂粒子、着色剤粒子等を会合させる会合方法としては、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、ワックス粒子分散液を混合し、混合液中に凝集剤(塩析剤)を添加することにより粒子を会合させる方法が挙げられる。なお、透明トナーを作製する場合には着色剤分散液を用いずにワックスを内包した樹脂粒子を会合する工程、樹脂粒子とワックス粒子とを会合する工程より粒子を形成させる。
粒子の会合を行う場合、樹脂粒子のガラス転移温度以下でこれら分散液の混合を行い、粒子の凝集を行いながら温度を上げて凝集させた粒子を融着(融合)させると同時に粒子の凝集を進行させる方法がある。この方法では、粒子を成長させつつ融着を進行させることができるので、粒子形状と粒子径分布を均一にすることができる。
このような観点から、粒子の会合工程では、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子の成長を停止させ、必要に応じて粒子形状を制御するために加熱を継続する「塩析/融着法」と呼ばれる会合方法を用いることが好ましい。
「塩析/融着法」による会合工程では、上記の重合工程により得られた樹脂粒子の分散液に着色剤分散液(場合によってはワックス粒子分散液も)を添加し、樹脂粒子と着色粒子とを塩析/融着させる。なお、本発明でいう「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に可溶性の有機溶媒が挙げられ、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン等が挙げられる。
粒子の会合工程では、凝集剤として金属塩が好ましく用いられ、特に、2価または3価の金属塩が好ましく使用される。また、凝集を停止させる凝集停止剤として、1価の金属塩を用いることができる。
1価の金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩が挙げられ、2価の金属塩としては、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩、マンガンや銅の2価の塩が挙げられる。さらに、3価の金属塩としては、鉄やアルミニウム等の金属塩が挙げられる。
1価の金属塩の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が挙げられる。また、2価の金属塩の具体例としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。さらに、3価の金属塩の具体例としては、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これらは適宜選択される。
(4)着色粒子の固液分離工程
固液分離工程は、上記の工程で得られた着色粒子の分散液から当該着色粒子をろ別するろ過処理と、ろ別されて得られたトナーケーキ(ウエット状態の着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理を行う工程である。ろ過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧ろ過法、フィルタープレス等を使用して行うろ過法などがあり、特に限定されるものではない。
(5)乾燥工程
乾燥工程は、固液分離工程で洗浄処理されて得られたトナーケーキを乾燥処理して、粉体形状の着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で顆粒化することがあるが、この場合は当該顆粒物を解砕処理してもよい。解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(6)外添処理工程
外添処理工程は、乾燥処理された着色粒子に必要に応じ外部添加剤(外添剤ともいう)を添加して、画像形成に供することが可能なトナーにする工程である。外添剤を添加するために使用する装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の種々の混合装置が挙げられる。
外添剤の添加により、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などが実現される。これら外添剤の種類は特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子や有機微粒子及び滑剤が使用可能である。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いても良い。具体的なシリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
また、滑剤としては、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤や滑剤の添加方法は、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加することが可能である。
これらの無機微粒子や有機微粒子の平均粒径は5〜1000nmが好ましい。平均粒径がこの範囲内にあることで、トナー表面に添加した外添剤による凝集の発生を防ぎ、光沢性を損ねるおそれがない。
なお、透明トナーにおいては高い光沢度をムラなく均一に発現させるために、トナーの流動性と帯電性を制御することが好ましく、透明トナーの流動性と帯電性を制御する観点から、透明トナー表面にも無機微粒子や有機微粒子を外添させることが好ましい。
次に、本発明に係る画像形成方法が実施可能な画像形成装置について説明する。図1は、本発明に係る画像形成方法が実施可能なカラー画像形成装置の概略構成図である。
このカラー画像形成装置1は、大別して、カラー原稿の画像を読み取る原稿読取装置2と、原稿読取装置2で読み取られたカラー画像や図示しないパーソナルコンピュータ等から送信される画像データに基づいて画像出力を行う画像出力装置3とから構成される。
画像出力装置3は、静電潜像が形成される像担持体である感光体ドラム4と、感光体ドラム4の表面を一様帯電する帯電器5と、画像露光手段であるROS6(Raster Output Scanner)と、感光体ドラム4上に形成された静電潜像を現像して複数のトナー画像を形成する現像装置7と、感光体ドラム4上に形成されたトナー画像を順次転写する中間転写ベルト8と、感光体ドラム4上に形成された複数のカラートナー画像を中間転写ベルト8に転写する第1の転写帯電器9と、中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー画像を帯電する帯電器10と、中間転写ベルト8に対向して透明トナーを現像する透明トナー現像装置11と、中間転写ベルト8上のカラートナー画像と透明トナー画像を転写シート12上に転写する第2の転写帯電器13と、転写シート12上に形成されたトナー画像と透明トナー画像を転写シート12に定着する定着装置14を有する。
原稿読取装置2は、図示しないプラテンガラス上に載置された原稿15を、照明ランプ16によって照明し、原稿15からの反射光像をカラースキャナー17によって、所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取る。
原稿読取装置2により読み取られた原稿15の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置18に送られる。画像処理装置18では、原稿15の反射率データに対して、シェーディング補正、色補正、階調補正、シャープネス補正等の所定の画像処理が施されるとともに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の4色の画像データに変換される。画像処理装置18で画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の画像データとしてROS6に送られる。
ROS6は、図1に示すように、レーザーダイオード19を画像データに応じて変調し、このレーザーダイオード19からは、画像データに応じて変調されたレーザー光LBが出射される。このレーザーダイオード19から出射されたレーザー光LBは、図示しない回転多面鏡によって偏向走査され、f・θレンズや反射ミラー等からなる光学系を介して像担持体としての感光体ドラム4上に走査露光される。
ROS6によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム4は、図示しない駆動手段により矢印方向に所定速度で回転駆動する。感光体ドラム4の表面は、予め帯電器5により、所定の極性及び電位に帯電後、画像データに応じてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の各色に対応したレーザー光LBが、順次、露光されて静電潜像が形成される。感光体ドラム4上に形成される静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の各色の現像器7Y、7M、7C、7Kを備えた現像装置7により現像され、所定の色のトナー画像Tを形成する。
現像装置7は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の各カラートナーにより、感光体ドラム4上に形成された対応する色の静電潜像を顕像化する。
感光体ドラム4上に順次形成された各色のトナー像Tは、感光体ドラム4の下部に配置された中間転写ベルト8上に第1の転写コロトロン9により多重に転写される。中間転写ベルト8は、図示しないロール状の部材に端部を固定することで張架され、感光体ドラム4の周速とほぼ同一の移動速度で矢印方向に沿って回転駆動する。
中間転写ベルト8には、感光体ドラム4上に形成されたカラートナー像Tが転写されるが、半導電性の特性を持つことが必要となる。中間転写ベルト8は、その表面をたとえば表面電位−500Vに一様帯電した場合、電位半減時間を0.05秒以上1.0秒以下とすることで転写コロトロン9でのカラートナー像を中間転写ベルト8への均一転写と転写帯電器13でのカラートナー像を転写シート12へのカラートナー像の均一転写を円滑に行えるようにしている。また、中間転写ベルト8が帯電器10から透明トナー現像装置11まで移動する間に中間転写ベルト8の表面電位を十分減衰させるようにしている。
中間転写ベルト8は、ポリイミド等の誘電体に導電性カーボン等の導電性無機粉や、ポリアニリン等の導電性高分子等を分散させることにより、電位半減時間を上記範囲にすることが可能である。ここで、電位半減時間は、まず中間転写ベルト8の裏面を接地して初期電位が−500Vになるように帯電スコロトロンで表面を帯電し、これを電位計の直下に0.05秒以内の時間で移動して電位低下を測定し、電位が−250Vになる時間(移動時間0.05秒を含む)で定義される。
転写手段9としては、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、感光体ドラム4と中間転写ベルト8の間に電界を形成し、荷電トナー粒子を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロンやスコロトロン帯電器などで中間転写ベルト8の裏面をコロナ帯電して荷電トナー粒子を転写する。
中間転写ベルト8上には、形成する画像の色に応じて感光体ドラム4上に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の4色のすべてまたはその一部のトナー画像が、転写コロトロン9により順次重ね合わせられた状態で転写される。
また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)の4色のすべてまたはその一部のトナー画像が多重に転写された中間転写ベルト8の表面は、帯電器10により、たとえば、マイナス極性の所定の電位に一様帯電される。なお、帯電器10と対向する中間転写ベルト8の裏面には、バックアップロール20が配設されている。
中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー画像を帯電する帯電器10は、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電器、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などの帯電器が挙げられる。ただし、中間転写ベルト8上のカラートナー像Tを乱さないという観点から、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器を用いた中間転写体と非接触方式の帯電手段が好ましい。
さらに、帯電器10によって所定の極性、例えばマイナス極性に帯電されたカラートナー像T及び中間転写ベルト8の表面は、透明トナー現像装置11によって透明トナーで現像される。なお、透明トナー現像装置11と対向する中間転写ベルト8の裏面には、バックアップロール21が配設されている。
中間転写ベルト8に対向して透明トナーを現像する透明トナー現像装置11は、2成分現像装置、1成分現像装置が使用できるが、中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー画像Tを乱さないことやフルカラーのピクトリアル画像形成というニーズから非接触の1成分現像装置が好ましい。
中間転写ベルト8上に転写されたカラートナー画像T及び透明樹脂層40は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される転写シート12上に、中間転写ベルト8を支持するバックアップロール22と、バックアップロール22に圧接する第2の転写ロール13の圧接力及び静電吸引力により転写される。転写シート12は、カラー画像形成装置1の内部に配置された図示しない給紙カセットから、所定サイズのものが給紙される。そして、転写シート12にはバックアップロール22と第2の転写ロール13とにより、中間転写ベルト8上からカラートナー画像T及び透明樹脂層40が一括して転写される。
中間転写ベルト8上のカラートナー画像T及び透明樹脂層40を転写シート12上に転写する第2の転写ロール13には公知の転写装置が使用可能である。たとえば、電圧を印加した一対の導電性または半導電性のロール等を用いて、中間転写体8と転写シート12の間に電界を形成し、荷電トナー粒子を転写する手段、中間転写体8の裏面または転写シート12の裏面に備えたコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などに対向電極を設けて、中間転写体8の裏面または転写材12の裏面をコロナ帯電して荷電トナー粒子を転写する手段などが挙げられる。
中間転写ベルト8上からカラートナー画像Tと透明樹脂層40が転写された転写シート12は、中間転写ベルト8から分離後、定着装置14に搬送される。転写シート12上に形成されたカラートナー画像Tと透明樹脂層40を、転写シート12上に定着する定着装置14としては、たとえば、加熱ロールと加圧ロールを用いてトナーを溶融変形させて定着する加熱ロール定着器が挙げられる。
また、図1に示すような転写シート12上のカラートナー画像T及び透明樹脂層40と接触する定着ベルト30と、転写シート12上のカラートナーT及び透明樹脂層40を定着ベルト30と接触させた状態で加熱溶融する加熱加圧装置31と、加熱溶融したトナー画像を冷却し定着ベルト30からカラートナー画像と透明樹脂層を剥離する冷却剥離手段32を備えた定着装置も使用可能である。
定着ベルト30は、ポリイミド等のポリマーフィルムによって無端ベルト状に形成したものが用いられ、剥離性の観点から、定着ベルト30表面をシリコン樹脂やフッ素系樹脂で被覆することも好ましい。さらに、定着ベルト30は、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上であることが好ましい。
加熱加圧装置31には、たとえば、図1に示すように、一定速度で駆動される一対の加熱・加圧ロール33、34の間に、定着ベルト30とカラートナー画像Tと透明樹脂層40が形成された転写シート12を挟持しながら搬送して加熱加圧するものが挙げられる。加熱・加圧ロール33、34の一方または両方を、中心に熱源35を備える等の方法で、その表面がカラートナー画像Tと透明樹脂層40を溶融させる温度に加熱する。ロール33と34は、圧接されている。また、ロール33、34表面にシリコンゴムまたはフッ素ゴム層が設けたり、加熱加圧されるニップ領域の長さを1〜8mm程度の範囲に特定することも可能である。
定着装置14は、図1に示すように、表面にカラートナー画像T及び透明樹脂層40が転写された転写シート12を加熱ロール33と加熱ロール33に定着ベルト30を介して圧接する加圧ロール34との圧接部(ニップ部)に、カラートナー画像Tと透明樹脂層40が加熱ロール33側に位置するようにして導入し、加熱ロール33と加圧ロール34との圧接部を通過させる間にカラートナー画像Tと透明樹脂層40を加熱溶融して転写シート12上に定着させる。透明樹脂層40とカラートナー画像Tが冷却して固化した転写シート12は剥離ロール36によりシート自身の剛性により剥離される。
以上の工程を経て、転写シート12上のカラートナー画像Tが存在しない非画像領域にも透明トナーによる透明樹脂層40を有する画像が得られる。
本発明では、カラートナー画像形成に使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒色トナーと透明樹脂層形成に使用される透明トナーの形状係数の平均値の差と、体積基準のメディアン径の差を前述の範囲に特定することにより、転写シート全面にわたり均一な光沢を有するフルカラー画像が得られるようになった。その結果、光沢にムラのない見映えのよいフルカラーの画像形成が安定して行えるようになった。
以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
1.現像剤(トナー)の作製
(1)トナーシェル用樹脂粒子s1の作製
以下の重合性単量体を混合して重合性単量体溶液を調製した。すなわち、
スチレン 322.3g
n−ブチルアクリレート 121.9g
メタクリル酸 35.5g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 9.55g
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤C12H25OSO3Na7.08gをイオン交換水3010gに溶解させ、窒素気流下に230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させて、界面活性剤溶液を調製した。
前記界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加して温度を75℃にした後、前記重合性単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌を行って重合を行い、トナーシェル用樹脂粒子を作製した。得られたトナーシェル用樹脂粒子を「トナーシェル用樹脂粒子s1」とした。
(2)トナー母体用樹脂粒子分散液2の調製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤C12H25OSO3Na7.08gをイオン交換水3010gに溶解させ、窒素気流下に230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
前記界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加して温度を75℃にした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、この系を75℃で2時間にわたり加熱、撹拌を行って重合を行い(第1段重合)、「トナー母体用樹脂粒子分散液(2H)」を調製した。
次に、撹拌装置を取り付けたフラスコに、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル131.2gを、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2gおよびn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、撹拌装置を取り付けたフラスコに、アニオン系界面活性剤C12H25OSO3Na1.6gをイオン交換水2700gに溶解させた界面活性剤溶液を調製し、内温を98℃に昇温させ、前述の「トナー母体用樹脂粒子分散液(2H)」を固形分換算で28g添加した。
次いで、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、「トナー母体用樹脂粒子分散液(2H)」を含有する界面活性剤溶液中に、前記単量体溶液を8時間かけて混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)が分散された乳化液を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)5.1gをイオン交換水240gに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750gとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱、撹拌して重合(第2段重合)を行った。第2段重合により、樹脂粒子表面にペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステルを含有した樹脂を被覆してなる複合樹脂粒子の分散液(2HM)を得た。
さらに、複合樹脂粒子分散液(2HM)全量を投入した撹拌装置付きのフラスコに、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)7.4gをイオン交換水200gに溶解した開始剤溶液を添加し、温度を80℃に保った状態で、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3gおよびn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃で2時間にわたり加熱、撹拌して重合(第3段重合)を行った。その後、この系を28℃まで冷却して、前述の複合樹脂粒子表面に樹脂を被覆した構造の複合樹脂粒子からなる「トナー母体用樹脂粒子分散液2」を調製した。
(3)着色剤分散液(Bk)の調製
アニオン性界面活性剤C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na90gをイオン交換水1600gに添加し、溶解、撹拌させた溶液に、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)400gを徐々に添加した。次に、機械式分散機CLEARMIX(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理して着色剤分散液(Bk)を調製した。この分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(4)着色剤分散液(Y)、(M)、(C)の調製
上記着色剤分散液(Bk)の作製において、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)の代わりに、C.I.Pigment Yellow74を380g用いた他は同様の手順でイエローの着色剤分散液(Y)を作製した。また、上記カーボンブラックの代わりに、C.I.Pigment Red122を390g用いた他は同様の手順でマゼンタの着色剤分散液(M)を作製した。さらに、上記カーボンブラックの代わりに、C.I.Pigment Blue15:3を375g用いた他は同様の手順でシアンの着色剤分散液(C)を作製した。得られた着色剤分散液における着色剤粒子の粒子径を前述の電気泳動光散乱光度計「ELS−800」を用いて測定したところ、着色剤分散液(Y)は108nm、(M)は112nm、(C)は107nmであった。
(5)会合工程
トナー母体用樹脂粒子分散液2 439.2g(固形分換算)、イオン交換水900g、「着色剤分散液(Bk)」200gを、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000gに溶解させた水溶液を、撹拌下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置後、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、粒子径を成長させて会合反応を行った。その状態で「コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準メディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。引き続き、熟成処理として液温度を98℃にして6時間にわたり加熱撹拌して融着を継続させた。
さらに、トナーシェル用樹脂粒子(s1)96gを添加して、3時間にわたり加熱撹拌を継続して会合粒子表面に融着させた。この後、塩化ナトリウム40.2gを添加し、冷却速度8℃/分で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥して「着色粒子1Bk」を得た。得られた「着色粒子1Bk」の形状係数の平均値、及び、体積基準メディアン径は後述する表1に示す値となった。
(6)着色粒子2Bk、着色粒子3Bkの作製
着色粒子1Bkの会合工程において、会合粒子の粒径が体積基準メディアン径で4μmになった時点で上記塩化ナトリウム水溶液を添加した他は同様にして「着色粒子2Bk」を作製した。また、会合粒子の粒径が体積基準メディアン径で8μmになった時点で上記塩化ナトリウム水溶液を添加し、さらに、液温度を98℃にして9時間にわたり加熱撹拌を実施した他は同様にして「着色粒子3Bk」を作製した。
(7)トナー1Bk〜3Bkの作製
得られた「着色粒子1Bk」、「着色粒子2Bk」、「着色粒子3Bk」に、数平均1次粒子径が12nm、疎水化度が68の疎水性シリカを1質量%、及び、数平均1次粒子径が20nm、疎水化度が63の疎水性酸化チタンを1.2質量%となるように、添加して、ヘンシェルミキサにより混合して「黒色トナー1Bk〜3Bk」を得た。
(8)トナー1Y〜3Y、1M〜3M、1C〜3Cの作製
「トナー1Bk〜3Bk」の作製において、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)に代わり、C.I.Pigment Yellow74を用いた他は同様にして「イエロートナー1Y〜3Y」を、C.I.Pigment Red122を用いた他は同様の手順で「マゼンタトナー1M〜3M」を、C.I.Pigment Blue15:3を用いた他は同様の手順で「シアントナー1C〜3C」を作製した。
(9)透明トナー1T〜3Tの作製
着色粒子1Bk〜3Bkで行った会合工程において、反応容器中に添加するトナー母体用樹脂粒子分散液2を639.2g(固形分換算)に変更し、着色剤分散液(Bk)を添加せずに反応液を調整した他は同様にして会合反応を行った。その状態で「コールターカウンターTA−III(ベックマン・コールター社製)」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準メディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させトナーを、「透明トナー1T〜3T」を作製した。
(10)トナー4Bk〜4Tの作製
着色粒子1Bkの会合工程において、塩化マグネシウム・6水和物の水溶液添加後に行っていた90℃までの昇温を85℃に変更して会合を行った他は同様にして、トナー4Bk〜4Tを作製した。
(11)トナー5Bk〜5T及び6Bk〜6Tの作製
着色粒子1Bkの会合工程において、塩化マグネシウム・6水和物の水溶液添加後に行っていた90℃までの昇温を80℃までに変更して会合を行った他は同様にして、トナー5Bk〜5Tを作製した。
また、トナー5Bk〜5Tの作製において、会合粒子の粒径が体積基準メディアン径で8μmになった時点で上記塩化ナトリウム水溶液を添加した他は同様にして「トナー6Bk〜6T」を作製した。
(12)トナー7Bk〜7Tの作製
着色粒子2Bkの会合工程において、塩化マグネシウム・6水和物の水溶液添加後に行っていた90℃までの昇温を75℃までに変更して会合を行った他は同様にして「トナー7Bk〜7T」を作製した。
(13)トナー8Bk〜8Tの作製
着色粒子1Bkの会合工程において、塩化マグネシウム・6水和物の水溶液添加後に行っていた90℃までの昇温を70℃までに変更して会合を行った他は同様にして「トナー8Bk〜8T」を作製した。
また、「トナー8Bk〜8T」の作製において、会合粒子の粒径が体積基準メディアン径で4.0μmになった時点で前述の塩化ナトリウム水溶液を添加した他は同様にして「トナー9Bk〜9T」を作製した。さらに、「トナー8Bk〜8T」の作製において、会合粒子の粒径が体積基準メディアン径で8.0μmになった時点で前述の塩化ナトリウム水溶液を添加した他は同様にして「トナー10Bk〜10T」を作製した。
作製した各トナーの形状係数の平均値と体積基準メディアン径の値を表1に示す。
(14)現像剤の調製
表1に記載の各トナーに、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が8%となるように、V型混合機で20分間混合して、現像剤1(1Bk、1Y、1M、1C、1T)〜10(10Bk、10Y、10M、10C、10T)を調製した。そして、表2に示すように、透明トナーの現像剤と着色トナーの現像剤を組み合わせ、実施例1〜13、比較例1〜5とした。これらの組み合わせにおけるトナーの形状係数平均値差とトナーの粒径差を表2に示す。
2.評価実験
(1)評価装置
評価装置としては、図1に示すフルカラー画像形成装置を用いて評価を行った。なお、定着速度は245mm/sec(約50枚/分(A4版、横送り))で、加熱ロール表面温度を120℃とした。
(2)評価用紙
評価用の用紙(記録紙)としては、下記手順で作製した非光沢紙(64g/m2)を用いた。
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)をフリーネス480ml(カナダ標準フリーネス、CSF)に叩解した後、絶乾パルプ当たり合成サイズ剤「SPS−300」(荒川化学工業社製)を0.2質量%、硫酸バンドを1.0質量%、無機填料としてタルクを5質量%添加して紙料を調整し、この紙料を用いてシムホーマー湿式抄紙機「BALMET」(住友重工社製)において950m/分で抄造し、ゲートロールサイズプレス装置においてポリビニルアルコールと浸透剤からなる固形分濃度5質量%の塗布液(ポリビニルアルコール「P−7000」(日本合成化学工業社製)固形分当たりポリグリコール型非イオン界面活性剤「ハイルーブD550」(第一工業社製薬社製)を15ppm添加)を紙の表面と裏面に塗布し、全体の塗布量を0.55g/m2とし、坪量64g/m2の非光沢紙(フォーム用紙)を製造した。得られた非光沢紙の光沢度は6%であった。
(3)評価
〈光沢度差の測定〉
画像の光沢度(グロス)の測定には、Gloss Meter GM−26D(村上色彩技術研究所)を用い、画像に対する光の入射角度を75度にした。評価した画像には、シアン画像信号が10%、50%、100%の均一シアン画像と、シアン画像信号、マゼンタ画像信号、イエロー画像信号を各50%としてカラートナーを現像したプロセスグレー画像と、シアン画像信号、マゼンタ画像信号、イエロー画像信号を各100%としてカラートナーを現像したプロセスブラック画像と、カラートナーの画像信号がすべて0%の画像とからなる4種類の画像を用いた。そして、これらの画像の光沢度差の最大値を求め、以下の基準に従い、評価を行った。
◎:光沢度の差が15未満
○:光沢度の差が15以上30未満
×:光沢度の差が30以上
〈標準光沢度〉
標準光沢度は、記録材をトナーが90%以上被覆している画像部分において、入射角75°にてグロスメーター VGS−1D(日本電色工業株式会社社製)により測定した。
標準光沢度は、17〜37であれば、適度な光沢により写真画像に立体感があり、文字も読みやすい。
◎:標準光沢度が25〜37
○:標準光沢度が17〜25
×:標準光沢度が17未満
〈光沢度ムラ〉
評価用プリント画像は、現像後、感光体上のトナー付着量が0.4mg/cm2となる条件で、5cm×2cmのトナー画像を感光体上に形成し、このトナー画像を転写紙上にに転写し、熱定着して作成した。
この評価用プリント画像を10人のパネラーに目視観察させ、下記評価を行った。
◎:トナー画像のムラを感じると回答した人数が0〜1名
○:トナー画像のムラが気になると答えた人が2名〜4名
×:トナー画像のムラが気になると答えた人が5名以上。
〈ハーフトーン画像の定着性〉
C、M、Y、Bkの各ハーフトーン画像(トナー付着量が0.2mg/cm2)をそれぞれ出力し、1Paの荷重で20回こすった前後の反射濃度の比率で評価した。
◎:80%以上
○:70%以上80%未満
×:70%未満
結果を表3に示す。
上記表3に示すように、実施例1〜13では、光沢度差、標準光沢度、光沢度ムラ等いずれも良好な評価結果が得られたのに対し、比較例1〜5では評価項目のいずれかが達成されておらず、本発明の効果が奏されないことが確認された。このように、本発明に係る画像形成方法により、高い光沢を有するカラー画像を長期にわたり維持することが可能であることが確認された。
ところで、今回の評価実験では、ハーフトーン画像の定着性がいずれも良好な結果となったが、これは、ワックスを含有した透明トナーの層が画像最上層に形成される結果、こすりに対する抵抗性が付与されたことによるものと推測される。さらに、実施例1〜13ではより定着性が向上しているが、これは、画像形成に使用されるトナーの形状と大きさを特定することで、定着時におけるオフセット発生が回避され、トナー画像表面での微小な画像あれの発生が防止されたためと推測される。