JP4675483B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な皮膚外用剤、さらに詳しくはリン脂質及びジプロピレングリコール等を高圧乳化機により微粒子化処理を施すことで得られる、経皮吸収促進作用を持ち、100nm以下の平均粒子径を有し、皮膚に対して安全性が高く、経時安定性に優れた皮膚外用剤に関するものである。
経皮吸収とは、外部から皮膚に接触・吸着した物質が皮膚内に入り、角質層を透過して表皮又は真皮に達し、さらに血管内に吸収される現象をいう。
【0002】
【従来の技術】
従来、リン脂質を含有する化粧料としては特開昭56−115452号、特開昭57−111169号、特開昭57−227465号、特開昭57−228795号、特開昭61−177248号及び特開平3−235341号など公報に記載されている通り、リン脂質を安定に配合する技術が知られている。
【0003】
リン脂質としては、卵黄、大豆、紅花、ヒマワリなどから抽出し精製したものが知られており、一般的には卵黄あるいは大豆由来のものが用いられる。このリン脂質は未水素添加リン脂質及び/あるいは水素添加リン脂質であるが、化粧品に含有されることを考慮すると、色、におい及び脂質の酸化において経時的に安定な水素添加リン脂質が汎用されている。
【0004】
リン脂質を含む皮膚外用剤、例えば、リポソーム分散液やリン脂質を乳化剤とした乳化懸濁液などは、リン脂質界面が電気的に中性のため、分散液あるいは懸濁液は不安定化し、経時的に分離する。特に、電解質の種類及び含有量によってもその安定性は大きく変化する。
【0005】
一方、リン脂質を含む皮膚外用剤の工業規模での生産は、一旦粗分散液あるいは懸濁液を調製後、これを微粒子化装置、例えばゴーリンタイプの高圧ホモジナイザーや超音波照射等で処理する方法で製造されている。さらに、特公平2976526号や特開平11−47580号などにある新しいタイプの高圧乳化機が提案されているが、高圧乳化機では乳化させる圧力を高く設定すると処理時にベース温度が上昇することから、リン脂質を含む皮膚外用剤では経時的に沈殿や変色など、その安定性に問題が生じる。
【0006】
従来のリン脂質を含む皮膚外用剤ではリン脂質膜界面が電気的に中性であるため、経時的に不安定化し分離する。特に、電解質の種類及び含有量によってもその安定性は大きく変化する。また、分離を防ぐためには乳化剤、脂肪酸石鹸などを添加し安定化させているが乳化剤等の添加量が多く、使用性及び安全性に問題がある。さらに、リン脂質は天然由来のものが多く、その品質のばらつきが大きいために化粧品の品質にも影響を及ぼすことがしばしばあった。これを防ぐために、微粒子化装置、例えばゴーリンタイプの高圧ホモジナイザーや超音波照射等で処理する方法で製造しているが、製造方法、製造時間の長時間化あるいは製造工程の煩雑化などの問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のリン脂質を含む皮膚外用剤がもつ欠点、さらにリン脂質を含む皮膚外用剤の製造方法に由来する欠点を克服し、リン脂質及びジプロピレングリコール等を高圧乳化機により微粒子化処理を施すことで得られる、経皮吸収促進作用を持ち、100nm以下の平均粒子径を有し、経時的に安定で、皮膚への安全性が高く、使用性に優れた皮膚外用剤を提供することを目的となされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。すなわち、本発明は(1)請求項1参照、(2)リン脂質とジプロピレングリコールの含有割合が1:1〜1:10の範囲である(1)の皮膚外用剤、(3)リン脂質に含まれるフォスファチジルコリン含量が90%以上、かつ、ヨウ素価が平均して0.1〜44の範囲である(2)の皮膚外用剤、(4)リン脂質の含有量が0.01〜5.0重量%の範囲である(3)の皮膚外用剤、(5)高圧乳化機での圧力が25,000〜50,000psi、かつ、冷却部の排出部にかかる圧力を500〜2,000psiの範囲に設定する(4)の皮膚外用剤、を提供するものである。
【0009】
【発明実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明において「リン脂質」とは、分子内にリン酸基とアシル基及び/またはアルキル基からなる疎水基を2個以上有するものをいい、例えば、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルグリセロール、フォスファチジン酸、スフィンゴミエリン、カルジオリピンまたはこれら誘導体の1種または2種以上の混合物等が挙げられる。その中で、フォスファチジルコリン含量は特に限定されるものではないが好ましくは90%以上であり、さらに好ましくはフォスファチジルコリン含量92%以上である。本発明における「ヨウ素価」とは、粧原基の一般試験法の「ヨウ素価測定法」で規定される値である。本発明での「ヨウ素価」の範囲は、この「ヨウ素価測定法」に準じリン脂質を分析したとき特に限定されるものではないが、好ましくは平均で0.1〜44の範囲であり、さらに好ましくは平均で0.5〜40である。本発明でのリン脂質の含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜5.0重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2.0重量%である。安定性、安全性には問題ないが0.01重量%よりも少ない量では皮膚外用剤として効果が期待できなく、5.0重量%を越える量では使用性に問題がある場合がある。
【0010】
このようなリン脂質としては、例えば、ジラウロイルフォスファチジルコリン、ジミリストイルフォスファチジルコリン、ジパルミトイルフォスファチジルコリン、ジステアロイルフォスファチジルコリン、ジオレイルフォスファチジルコリン、ジベヘノイルフォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ステアルイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ミリストイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ラウロイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−ミリストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−ベヘノイル−2−オレイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ラウロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ミルストイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−パルミトイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ステアロイル−sn−フォスファチジルコリン、1−オレイル−2−ベヘノイル−sn−フォスファチジルコリンなどがあり、天然系では大豆リン脂質、紅花リン脂質、サフラワーリン脂質あるいはヒマワリリン脂質などの植物系リン脂質及び卵黄リン脂質を水素添加により還元したものなどが挙げられる。また、本発明では、これらリン脂質から選ばれる1種もしくは2種以上を用いることができる。
【0011】
本発明でのジプロピレングリコールの含有濃度は、特に限定されないがリン脂質とジプロピレングリコールの含有割合が1:1〜1:10の範囲が好ましい。さらに、好ましくは1:5〜1:7の範囲である。1:1以下では経皮吸収促進作用が処方系によっては期待できない場合がある。1:10を越える濃度では皮膚外用剤としての使用性が悪くなることもある。
【0012】
本発明において使用する高圧乳化機は、高圧処理ができる乳化機であれば特に限定されるものではないが、既存の高圧乳化機としては、例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、アルティマイザー(タウテクノロジー社製)、DeBEE2000(B.E.E.International社製)などがあげられる。処理する圧力は特に限定されるものではないが、好ましくは25,000〜50,000psiがよい。処理する圧力が50,000psiを超えると、配管としての耐圧性に注意する必要があり、25,000psiより低いと目的とする微粒子化ができない場合もある。さらに好ましくは、前述の既存の高圧乳化機において乳化部の次に冷却部を入れ、冷却部と排出部の間に圧力(以下、背圧とする)をかけると良い。高圧の設定により乳化部でのベースの温度上昇を瞬時に冷却させ排出部に圧力をかけることによって、従来の方式とは異なりリン脂質を含む外用剤の経時的な沈殿や変色、かつ、粒子径を100nm以下に製造することが可能となる。背圧をかける方法とは、冷却部の太い配管から細い配管に導く方法であり、特に限定されるものではないが、例えば、冷却部の配管よりも内径が細い配管を有する装置、処理液が流れる配管を狭くすることができる調整バルブを有する装置である。かかる装置の主要部の材質は、背圧に耐え、腐食し難いものであれば特に制限はなく、例えば、ステンレス、ガラス、焼結ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニア、セラミックス等を挙げることができる。上記背圧をかけることができる装置は、冷却部の出口に直接装着するか、又は出口側の配管と溶接や耐圧ジョイント等で装着することができる。背圧は特に限定されるものではないが、好ましくは500〜2,000psiの範囲がよい。背圧が2,000psiを超えると冷却部の耐圧性に注意する必要があり、500psiより低いと目的とする微粒子化ができない場合もある。乳化部の次に冷却部を入れ、冷却部と排出部の間に背圧をかけない場合、平均粒子径100nm以下であっても、経時的に沈殿物等が生じ、皮膚外用剤としては好ましくない場合もある。
【0013】
本発明において「平均粒子径100nm以下」とは、本発明の皮膚外用剤の粒子径を、市販の動的光散乱法による粒子径測定装置である大塚電子製のDLS−7000またはこれに準ずる装置により測定したとき、平均粒子径100nm以下のものをいう。特に平均粒子径が80nm以下のものは、経時的な平均粒子径の変化が少なく、外観上もほとんど変化がなく好ましい。一方、平均粒子径が100nmを超えると、経時的な平均粒子径の変化が大きく、沈殿物等の外観上の変化があり好ましくない。
【0014】
本発明の皮膚外用剤としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、洗顔料、クレンジングクリーム、マッサージクリーム、パック料などとして用いることができる。本発明の皮膚外用剤は各種成分、例えば、スクワランなどの炭化水素類、油脂、ロウ類、各種エステル油、動物油、植物油、シリコーン油、脂肪酸、高級アルコールなどの油剤、エタノール、多価アルコールなどのアルコール類、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤などの両親媒性物質、酸化チタン、マイカ、酸化鉄などの顔料、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウムなどの高分子類、色素、ビタミン類(A・B1・B2・B5・B6・B12・C・D2・D3・E・K1・K2・K3)及びその誘導体、アミノ酸類(グリシン・セリン・ピロリドンカルボン酸ナトリウム)、糖類(グルコース・ショ糖・トレハロース・硫酸化トレハロース・プルラン・マルトース・カルボキシメチルデキストラン)、紫外線吸収剤、ホルモン剤、香料、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤などを適宜配合することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、表1から表5に示すように、リン脂質及びジプロピレングリコール等を高圧乳化機により微粒子化処理を施すことで得られる、経皮吸収促進作用を持ち、100nm以下の平均粒子径を有し、皮膚に対して安全性が高く、経時安定性に優れることを特徴とするものである。本発明において、高圧乳化機での圧力が25,000〜50,000psi、かつ、冷却部の排出部にかかる圧力が500〜2,000psiの範囲での製造条件は、従来の製造方法に比べてより少ないエネルギーで短時間に製造できることも特徴としている。
【0016】
次に実験例により本発明の効果をさらに詳しく説明する。
例中の物性の測定と評価は以下の方法で行った。例中、%とあるのはすべて重量%である。背圧の1,000psiは冷却部の排出部の内径3mmの配管に内径0.2mmのステンレス製の配管を接続することにより得た。
【0017】
実施例の皮膚外用剤は、全成分の粗分散液をDeBEE2000(B.E.E.International社製)で1回通過処理(1パス)を行って調製した。
この粗分散液は以下のように調製した。まず、リン脂質及び油溶性有効成分(酢酸トコフェロール2.0%またはパルミチン酸レチノール10.0%)を混合溶解し、この溶液に精製水を加えて粗分散液全量の30.0%となるようにした。これをホモジナイザーで攪拌し、多価アルコール(ジプロピレングリコール等)及び塩化マグネシウム0.5%及び水溶性有効成分(L−アスコルビン酸2−リン酸マグネシウム3.0%)を加え、精製水を加えて全量100.0%としたものである。実施例の皮膚外用剤は、油溶性有効成分及び水溶性有効成分のうち1種類を含むものとし、油溶性有効成分及び水溶性有効成分及び塩化マグネシウムは以下の実施例中に明記されている場合のみ配合した。
【0018】
(1)粒子径測定
粒子径測定は、動的光散乱法であるDLS−7000(大塚電子製)を用い、25℃、角度90度の条件で、キュムラント(Cumulant)法によって算出した。
【0019】
(2)経皮吸収促進効果測定
経皮吸収促進効果は、モルモットを用いたin vivo試験によりビタミンAをパルミチン酸レチノール、ビタミンCをアスコルビン酸、ビタミンEを酢酸トコフェロールを用いてそれぞれの皮膚中濃度を測定し、評価した。
【0020】
<1>パルミチン酸レチノール
in vivo試験は次のように行った。
ハートレー系モルモットの背位部を剃毛した後、ネンブタールで麻酔し、内径19.0mmのプラスティックチューブにアロンアルファを塗布、背部皮膚に接着する。このチューブに0.1mlの試料を注入し、注入3時間後に皮膚をサンプリングする。皮膚は接着面に沿って円形に切り取り、筋肉や脂肪組織を取り除いた後、皮膚をリン酸緩衝液でホモゲナイズし、同量のブタノールを加えパルミチン酸レチノールを分配抽出する。パルミチン酸レチノールの測定はHPLCで行った。
HPLC条件
カラム:ODS RP−18(250×4mm)
移動相:メタノール:イソプロピルアルコール=1:1
波 長:328nm
流 速:1ml/min
皮膚中パルミチン酸レチノール量は、皮膚1g当りのμg数で表した。
【0021】
<2>アスコルビン酸
in vivo試験は次のように行った。
ハートレー系モルモットの背位部を剃毛した後、ネンブタールで麻酔し、内径19.0mmのプラスティックチューブにアロンアルファを塗布、背部皮膚に接着する。このチューブに0.4mlの試料を注入し、注入3時間後に皮膚をサンプリングする。皮膚は接着面に沿って円形に切り取り、筋肉や脂肪組織を取り除いた後、皮膚中のアスコルビン酸をリン酸緩衝液で抽出する。抽出は皮膚200mgをミンチ状に切り刻み、1.5mlのリン酸緩衝液を加え、氷中で冷却しながら2分間ホモゲナイズすることによって行う。抽出液は15,000rpmで5分間遠心し、得られた上清をHPLC用サンプルとして測定する。
HPLC条件
カラム:LiChrospher 100 NH2
移動相:アセトニトリル:20mMKH2PO4=80:20
波 長:254nm
流 速:1ml/min
皮膚中アスコルビン酸量は、皮膚1g当りのμg数で表し、未塗布部分で得られたあらかじめ皮膚に存在するアスコルビン酸量を差し引いた増加分として表した。
【0022】
<3>酢酸トコフェロール
in vivo試験は次のように行った。
ハートレー系モルモットの背位部を剃毛し、2.0×2.0cmの面積に0.4mlの試料を塗布し、塗布1時間後に皮膚をサンプリングする。酢酸トコフェロールは皮膚100mgを2mlのトリス酸緩衝液でホモゲナイズし、同量のブタノールを加え分配抽出した。酢酸トコフェロールの測定はHPLCで行った。
HPLC条件
カラム:ODS RP−18(250×4mm)
移動相:メタノール
波 長:Ex 298nm、Em 325nm
流 速:1ml/min
皮膚中酢酸トコフェロール量は、皮膚1g当りのμg数で表した。
【0023】
(3)経時安定性
経時安定性は、5℃、室温、40℃の3ヶ所で1ヶ月間の保存した状態のものについて、目視で判断し、離油、離水、沈殿物など生じた場合のものを×、外観上、変化がなかったものについて、特に問題なし:△、良い:〇、非常に良い:◎とした。
【0024】
(4)使用性の評価
使用性とは、皮膚外用剤としてののび、肌へのなじみ、塗布した後のしっとり感の項目について、専門のパネラー5名によって以下の基準で評価した。
◎:非常に良い、〇:良い、△:ふつう、×:不良
【0025】
(5)総合評価
粒子径、各有効成分の経皮吸収促進効果、経時安定性、使用性の評価の各項目を総合して評価した。
◎:非常に良い、〇:良い、△:ふつう、×:不良
【0026】
実施例中の物性の測定と評価は以下の方法で行った。例中、%とあるのはすべて重量%である。背圧の1,000psiは冷却部の排出部の内径3mmの配管に内径0.2mmのステンレス製の配管を接続することにより得た。
【0027】
実施例の皮膚外用剤は、全成分の粗分散液をDeBEE2000(B.E.E.International社製)で1回通過処理(1パス)を行って調製した。
この粗分散液は以下のように調製した。まず、リン脂質及び油溶性有効成分(酢酸トコフェロール2.0%またはパルミチン酸レチノール10.0%)を混合溶解し、この溶液に精製水を加えて粗分散液全量の30.0%となるようにした。これをホモジナイザーで攪拌し、多価アルコール(ジプロピレングリコール等)及び塩化マグネシウム0.5%及び水溶性有効成分(L−アスコルビン酸2−リン酸マグネシウム3.0%)を加え、精製水を加えて全量100.0%としたものである。実施例の皮膚外用剤は、油溶性有効成分及び水溶性有効成分のうち1種類を含むものとし、油溶性有効成分及び水溶性有効成分及び塩化マグネシウムは以下の実施例中に明記されている場合のみ配合した。
【0028】
実施例1
L−アスコルビン酸2−リン酸マグネシウムを有効成分として3.0%加えた。その結果を表1及び図1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例2
酢酸トコフェロールを有効成分として2.0%加えた。その結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例3
L−アスコルビン酸2−リン酸マグネシウムを有効成分として3.0%加えた。その結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】
実施例4
酢酸トコフェロールを有効成分として2.0%加えた。その結果を表4に示した。
【0035】
【表4】
【0036】
実施例5
パルミチン酸レチノールを有効成分として10.0%、塩化マグネシウムを0.5%加えた。その結果を表5及び図2に示した。
【0037】
【表5】
【0038】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。尚、含有量については、他に指示のない限り重量%を示す。
【0039】
【実施例】
「実施例6−1 美容液」
大豆由来のリン脂質 1.0重量%
精製水 19.0
ジプロピレングリコール 5.0
L−アスコルビン酸2−リン酸マグネシウム 3.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.35
水酸化カリウム 0.1
エタノール 5.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製)使用
(処理圧力30,000psi、背圧1,000psi)
平均粒子径64nm、皮膚中アスコルビン酸濃度 48(μg/g)
【0040】
「実施例6−2 美容液」
卵黄由来のリン脂質 1.5重量%
精製水 19.0
ジプロピレングリコール 3.0
酢酸トコフェロール 2.0
キサンタンガム 0.4
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
1,3−ブチレングリコール 4.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
ナノマイザー(ナノマイザー社製)使用
(処理圧力35,000psi、背圧1,000psi)
平均粒子径59nm、皮膚中酢酸トコフェロール濃度 3.5(μg/g)
【0041】
「実施例6−3 美容液」
ヒマワリ由来のリン脂質 5.0重量%
精製水 19.0
ジプロピレングリコール 5.0
パルミチン酸レチノール 10.0
塩化マグネシウム 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
1,3−ブチレングリコール 8.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
エタノール 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
アルティマイザー(タウテクノロジー社製)使用
(処理圧力40,000psi、背圧1,500psi)
平均粒子径64nm、皮膚中パルミチン酸レチノール濃度 115(μg/g)
【0042】
「実施例6−4 乳液」
大豆由来のリン脂質 1.0重量%
精製水 19.0
ジプロピレングリコール 5.0
L−アスコルビン酸2−リン酸マグネシウム 3.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 1.0
テトラオレイン酸POE(40)ソルビトール 0.5
モノステアリン酸ソルビタン 1.0
ベヘニルアルコール 0.5
スクワラン 10.0
カルボキシビニルポリマー 0.35
水酸化カリウム 0.1
エタノール 5.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
DeBEE2000(B.E.E.International社製)使用
(処理圧力25,000psi、背圧900psi)
平均粒子径88nm、皮膚中アスコルビン酸濃度 52(μg/g)
【0043】
「実施例6−5 乳液」
ジパルミトイルフォスファチジルコリン 1.0重量%
精製水 19.0
ジプロピレングリコール 4.0
パルミチン酸レチノール 15.0
モノミリスチン酸デカグリセリル 2.3
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
オリーブ油 2.0
ステアリン酸 0.8
1,3−ブチレングリコール 10.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製)使用
(処理圧力30,000psi、背圧1,200psi)
平均粒子径77nm、皮膚中パルミチン酸レチノール濃度 131(μg/g)
【0044】
「実施例6−6 クリーム」
ジオレオイルフォスファチジルコリン 5.0重量%
精製水 20.0
ジプロピレングリコール 15.0
酢酸トコフェロール 5.0
ペンタオレイン酸デカグリセリル 3.0
流動パラフィン(#70) 10.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 8.0
セタノール 0.5
エデト酸四ナトリウム 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
DeBEE2000(B.E.E.International社製)使用
(処理圧力35,000psi、背圧1,300psi)
平均粒子径64nm、皮膚中酢酸トコフェロール濃度 4.2(μg/g)
【0045】
実施例6−1から実施例6−6は全て、経皮吸収促進作用を持ち、100nm以下の平均粒子径を有し、経時的に安定で、皮膚への安定性が高く、使用性に優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】経皮吸収促進作用に及ぼす多価アルコール、リン脂質の影響を示したグラフである。(実施例1)
【図2】乳化時の圧力と経皮吸収促進作用の関係を示したグラフである。(実施例5)
Claims (4)
- リン脂質及びジプロピレングリコールを含有し、高圧乳化機により圧力が25,000〜50,000psi、かつ、冷却部の排出部にかかる圧力を500〜2,000psiの範囲に設定して微粒子化処理をして動的光散乱法により測定した粒子径が平均粒子径100nm以下の分散液を含有する皮膚外用剤。
- リン脂質とジプロピレングリコールの含有割合が1:1〜1:10の範囲であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- リン脂質に含まれるフォスファチジルコリン含量が90%以上、かつ、ヨウ素価が平均して0.1〜44の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の皮膚外用剤。
- リン脂質の含有量が0.01〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
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