JP4649705B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、電池反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムとして注目されている。
【0003】
特に、高分子電解質膜を有する固体高分子型燃料電池は、(1)高いイオン導電性を有する高分子電解質膜が開発されたこと、(2)高分子電解質膜と同種或いは異種のイオン交換樹脂(高分子電解質)で被覆した触媒担持カーボン微粒子を電極触媒層の構成材料として使用し、いわゆる触媒層内の反応サイトの3次元化が図られるようになったこと等によって、電池特性が飛躍的に向上した。そして、このような高い電池特性を得られることに加え、小型軽量化が容易であることから、固体高分子型燃料電池は、電気自動車等の移動車両や、小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用化が期待されている。
【0004】
そして、現在検討されている固体高分子型燃料電池は、その作動温度領域が高分子電解質膜の耐熱性やイオン伝導性等の制約により一般的に50〜120℃と低く、その排熱を利用しにくいので、その実用化に向けて、特に、純水素等のアノード反応ガス利用率及び空気等のカソード反応ガス利用率の高い作動条件下において、高い発電効率、高い出力密度を得ることのできる性能が要求されている。
【0005】
通常、固体高分子型燃料電池に使用されるガス拡散電極は、上記のイオン交換樹脂で被覆された触媒担持カーボン微粒子を含有する触媒層と、この触媒層に反応ガスを供給すると共に触媒層において発生する電荷を集電するガス拡散層とからなる。そして、ガス拡散電極の触媒層内には、上記の構成材料となるカーボン微粒子の二次粒子間に形成される微少な細孔からなる空隙部が存在し、当該空隙部が反応ガスの拡散流路として機能している。
【0006】
しかし、上記のような電池反応の反応速度が比較的高い作動条件のもとでは、アノードからカソードに向けて高分子電解質膜中を移動するプロトンに伴って移動する水(以下、プロトン同伴水という)の量と、カソードの電極反応により生成し凝縮する生成水の量とが多くなる。そのため、これらの水がカソードから外部に速やかに排出されず、カソードの触媒層内の空隙部がこれらの水により閉塞されてしまう現象、いわゆるフラッディングの現象が起こり易かった。このようなフラッディングが起こると、カソード反応ガスの触媒層の反応サイトへの供給が妨げられ、所望の電池出力を安定的に得られなくなる。そのため、フラッディングの発生を防止して所望の電池出力を長期間にわたり安定して得るためには、カソードの良好な排水性の確保が必要となる。
【0007】
そのため、特開平5−36418号公報には、撥水化剤として、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等の含フッ素樹脂等を、カソード触媒層中に含有させた固体高分子型燃料電池が提案されている。しかし、このように触媒層中に撥水化剤を含有させると、撥水化剤により撥水性の高い空隙部を構築できるものの、撥水化剤の絶縁性による電極の電気抵抗の増大や、触媒層の層厚の増大による触媒層内のガス拡散性の低下により、かえって電池出力が低下する場合があるという問題があった。なお、本明細書中において、「A/B共重合体」とは、Aに基づく重合単位とBに基づく重合単位とからなる共重合体を示す。
【0008】
また、特開平11−288727号公報には、イオン交換容量の異なるイオン交換樹脂で被覆した2種類の触媒担持カーボン微粒子を構成材料として用いて、イオン交換容量(以下、ARという)が1.10ミリ当量/g乾燥樹脂(以下、meq./gとする)であるイオン交換樹脂を含有する触媒層と、ARが0.97meq./gであるイオン交換樹脂を含有する触媒層とを調製し、前者を高分子電解質膜の側に配置し、後者をガス拡散層の側に配置した二層構造のカソード触媒層を有する固体高分子型燃料電池が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らは、上記特開平11−288727号公報に記載の固体高分子型燃料電池であっても、起動初期の電池特性を高くして大電流を流そうとすると起動から比較的短時間で電池特性が低下し、更にはカソード触媒層におけるフラッディングが発生してしまうという問題、或いは、カソード触媒層におけるフラッディングを防止しようとすると起動初期の電池特性が低くなり、従って高い電池特性を長期間にわたり得ることができなくなるという問題があり、未だ十分なものではないことを見出した。
【0010】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、起動初期において大電流を流す場合であってもフラッディングの発生が十分に防止され、高い電池特性を起動初期から長期間にわたり安定して得ることのできる固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、かかる特開平11−288727号公報に記載の固体高分子型燃料電池が有する問題の原因は、高分子電解質膜の側に配置される触媒層に含有させるイオン交換樹脂のARとガス拡散層の側に配置される触媒層に含有させるイオン交換樹脂のARとの差が、0.13meq./gと小さいことにあることを見出した。
【0012】
そこで、本発明は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを有しており、アノード反応ガスをアノードに供給すると共にカソード反応ガスをカソードに供給し、電気化学反応によって電力を発生する固体高分子型燃料電池であって、
カソードが、ガス拡散層と、当該ガス拡散層と高分子電解質膜との間に配置される複数の触媒層と、を備えており、
高分子電解質膜に接する最内部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオン交換容量X[ミリ当量/g乾燥樹脂]、及びガス拡散層に接する最外部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオン交換容量Y[ミリ当量/g乾燥樹脂]が、それぞれ下記式(1)〜(3)の条件:0.88≦X≦1.50…(1),0.70≦Y≦1.32…(2),0.18≦(X−Y)≦0.70…(3)を同時に満たしていること、を特徴とする固体高分子型燃料電池を提供する。
【0013】
このように、上記のXとYの値が(1)及び(2)の条件を満たす範囲内において、(X−Y)の値を0.18meq./g以上とすることで、最内部の触媒層と最外部の触媒層とのそれぞれに対して異なる機能を明確に差別化して持たせることができる。すなわち、反応生成水の累積量が少ない最内部の触媒層には、高いARを有するイオン交換樹脂を分布させることにより当該最内部の触媒層を効率よく高含水率状態とさせ、多数の反応サイトを持たせて電極反応を主として担う機能を持たせることができる。一方、反応生成水の累積量が多い最外部の触媒層には、低いARを有するイオン交換樹脂を分布させることにより当該最外部の触媒層を効率よく低含水率状態とさせ、その離水性を高くして優れた排水性を持たせて反応生成水やプロトン同伴水の外部への排水を主として担う機能を持たせることができる。
【0014】
その結果、高分子電解質膜の近傍の触媒層領域においては、多数の反応サイトが有効に利用されるので電池の高出力密度化を図ることができ、一方、ガス拡散層の近傍の触媒層領域においては、反応生成水やプロトン同伴水をスムーズに外部に排水することができるので、フラッディングの発生の防止を図ることができる。従って、このように固体高分子型燃料電池を構成することにより、作動中の固体高分子型燃料電池の電極において、フラッディングの発生を防止しつつ反応サイトへの反応ガス及びプロトンの十分な供給を長期間にわたり保持できる、良好な排水構造を有する触媒層を構築することができる。
【0015】
ここで、最内部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のARXの値が、0.88meq./g未満となると樹脂の含水率が低くなり、十分なプロトン伝導経路を確保することが困難となるので電池特性が低下する。一方、このXの値が、1.50meq./gを超えると、樹脂中のイオン交換基の密度が増大し、結晶性が著しく低下する。このように結晶性の著しく低下し、固体高分子型燃料電池の作動中に当該イオン交換樹脂が触媒層中から溶出したり、触媒層の構造自体を維持することが困難となる不具合が生じる。また、このXの値は、上記と同様の観点から、1.00〜1.35meq./gであることがより好ましい。
【0016】
また、最外部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のARYの値が、0.70meq./g未満となると、著しくプロトン伝導性が低下して抵抗が増大するため電池出力が低下する。また、触媒層を調製する際にイオン交換樹脂が溶液に溶解しにくくなり触媒層を形成しにくくなる。一方、このYの値が、1.32meq./gを超えると、イオン交換樹脂の含水率が高くなってその離水性が低くなるため、当該最外部の触媒層における排水性が低下し、フラッディングが発生し易くなる。更に、このYの値は、上記と同様の観点から、0.85〜1.15meq./gであることがより好ましい。
【0017】
更に、最内部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のARXと最外部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のARYとの差(X−Y)の値が、0.18meq./g未満であると、最内部の触媒層と最外部の触媒層とのそれぞれに対して、前者には電極反応を主として担う機能、後者には反応生成水やプロトン同伴水の外部への排水を主として担う機能を明確に差別化して持たせることが困難となる。
【0018】
一方、この(X−Y)の値が、0.70meq./gを超えると、最内部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂中のイオン交換基の密度が増大し、結晶性が著しく低下する問題、及び/又は、最外部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のプロトン伝導性が著しく低下し抵抗が増大して電池特性が低下すると共に、触媒層を調製する際にイオン交換樹脂が溶液に溶解しにくくなり触媒層を形成しにくくなる問題が発生する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の固体高分子型燃料電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
図1は、本発明の固体高分子型燃料電池の好適な実施形態にかかる単位セル及びセパレータを示す断面図である。同図に示す燃料電池FCは、移動車両や小型コジェネレーションシステムの電源として採用すると好適な固体高分子型燃料電池である。この燃料電池FCは、アノード反応ガスと、カソード反応ガスとを利用した電気化学反応によって電気エネルギーを発生する。
【0021】
この燃料電池FCは、平板状の単位セルUCと、単位セルUCの両側に配置された2つのセパレータSP1とSP2とから構成されている。更に、単位セルUCは、カソード5と、アノード8と、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜PEMから構成されている。
【0022】
この燃料電池FCの電極活物質としては、例えばメタノールや天然ガスといった炭化水素系原燃料を水蒸気改質して生成される水素含有ガス(燃料ガス)がアノード反応ガスとして用いられ、例えば空気等の酸素含有ガスがカソード反応ガスとして用いられる。この場合、アノード8においては、以下の(4)式に、カソード5においては以下の(5)式に、それぞれ示す電極反応が進行し、全体として(6)式に示す全電池反応が進行して起電力が発生する。
H2→2H++2e- …(4)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O …(5)
H2+(1/2)O2→H2O …(6)
以下、図1に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細について説明する。
【0023】
高分子電解質膜PEMは、例えば、含フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成されており、湿潤状態下で良好なイオン伝導性を示すイオン交換膜である。高分子電解質膜PEMを構成する固体高分子材料としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(以下、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体という)、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。中でも、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体が好ましく、商品としては例えば、ナフィオン(デュポン社製)、フレミオン(旭硝子社製)等が挙げられる。
【0024】
一方、ガス拡散電極であるカソード5及びアノード8は、何れもガス拡散層4及び7と、これらのガス拡散層上に形成された触媒層3及び6とからなる。
【0025】
ガス拡散層4及び7は、単セルUCに供給された燃料ガス又は空気を触媒層側に円滑かつ均一に供給すると共に、触媒層3及び8における上記(4)及び(5)式に示す電極反応によって生じる電荷を単セルUCの外部に放出させる役割や反応生成水や未反応ガス等を外部に放出する役割を担うものである。ガス拡散層4及び7の構成材料としては、例えば、電子伝導性を有する多孔質体(例えば、撥水化剤とカーボン粉末とからなる層が表面に形成されたカーボンクロスやカーボンペーパー)が使用される。
【0026】
燃料電池FCのカソード触媒層3は、上記(5)式に示す電極反応が起こる反応場となる。カソード触媒層3は、イオン交換樹脂を被覆した表面積の大きな触媒担持カーボンブラック微粒子を主体として構成されている。
【0027】
図1に示すように、この触媒層3は、高分子電解質膜PEM側に配置される触媒層1と、ガス拡散層4側に配置された触媒層2とから構成されている。
【0028】
これらの触媒層1と触媒層2とは、高分子電解質膜PEMに接する触媒層1に含有されているイオン交換樹脂のARXmeq./g、及びガス拡散層に接する触媒層2に含有されているイオン交換樹脂のARYmeq./gが、それぞれ下記式(1)〜(3)の条件:0.88≦X≦1.50…(1),0.70≦Y≦1.32…(2),0.18≦(X−Y)≦0.70…(3)を同時に満たすようにして形成されている。
【0029】
この(1)〜(3)式の条件を同時に満たす時に、触媒層3におけるイオン、反応ガス、及び電子の反応サイトへの供給路のうち、電池反応の生成水及びプロトン同伴水の影響を受けるイオン伝導経路とガス拡散経路とを燃料電池FCの作動中にバランスよく確保することができる。
【0030】
上記の(1)及び(2)式に示す条件の下で、(3)式に示すように触媒層1に含有されているイオン交換樹脂のARXと触媒層2に含有されているイオン交換樹脂のARYとの差(X−Y)を十分にとることで、主として電極反応を担う役割を触媒層1に行わせることと、主として触媒層3全体に存在する水の外部への排水を担う役割を触媒層2に行わせることとを明確に区別することができる。
【0031】
つまり、触媒層1は、含有されているイオン交換樹脂の含水率が高く、十分にプロトンが移動できる経路を確保し、反応サイトを広く設けることができる。また、触媒層1においては、高分子電解質膜PEM中を移動してくるプロトン同伴水の凝縮分と、高分子電解質膜PEMと触媒層1との界面から触媒層1の厚さ方向に向けて移動しながら累積される反応生成水とが存在しているが、これらを合わせた水量は、反応生成水の累積分が少ないだけ触媒層2中の水量に比較して少量であり、含水率が高くともガス拡散性に大きな支障はきたさない。しかも、高分子電解質膜PEM近傍ではカソード3からアノード8への水の濃度勾配を駆動力とする逆拡散水もあるため、さらに排水の負担は軽減されることになる。
【0032】
その一方で、触媒層2は、イオン交換樹脂の含水率が低く離水し易くなるため排水性が良好となり十分にガスが拡散する経路を確保することができる。また、触媒層2においても、触媒層1と同様にプロトン同伴水の凝縮分と、反応生成水の累積分とが存在している。これらのうち累積生成水が非常に多くなり触媒層1中の水量に比較して非常に多量となる。しかし、触媒層2は、イオン交換樹脂の含水率が低いため多量の水を効率よく外部に排出することができる。
【0033】
このように触媒層3内には、十分多く確保された反応サイトへのスムーズな反応ガスの供給を、長期間にわたり保持することのできる良好な排水構造が構築されている。そのため、作動中の触媒層3におけるフラッディングの発生を防止して当該触媒層3内の反応サイトを有効に利用することが可能となるので、高い電池特性を起動初期から長期間にわたり安定して得ることができる。
【0034】
更に、上記の触媒層1に含有されているイオン交換樹脂のARXと触媒層2に含有されているイオン交換樹脂のARYとの差(X−Y)を十分に大きくとることにより生じる作用効果を効果的に発揮させる観点から、触媒層1に含有されているイオン交換樹脂の含有量と触媒層2に含有されているイオン交換樹脂の含有量との差は、0〜0.6mg/cm3であることが好ましい。
【0035】
また、触媒層1及び触媒層2に含有されるイオン交換樹脂の含有量については、触媒層1及び触媒層2のいずれにおいても、触媒とイオン交換樹脂との比率(質量比)の範囲が、触媒の質量:イオン交換樹脂の質量=0.40:0.60〜0.95:0.05であることが好ましく、触媒の質量:イオン交換樹脂の質量=0.60:0.40〜0.80:0.20であることがより好ましい。
【0036】
ここで、イオン交換樹脂に対する触媒の含有率が、触媒の質量:イオン交換樹脂の質量=0.40:0.60の比率より低いと、触媒量が不足するので反応サイトが少なくなる傾向がある。また、触媒を被覆するイオン交換樹脂の被覆層の厚みが大きくなり樹脂中における反応ガスの拡散速度が小さくなる傾向がある。更に、反応ガスの拡散に必要な細孔が樹脂により塞がれてしまいフラッディングが生じ易くなるおそれがある。一方、イオン交換樹脂に対する触媒の含有率が、触媒の質量:イオン交換樹脂の質量=0.95:0.05の比率を超えると、触媒に対して当該触媒を被覆するイオン交換樹脂の量が不足して反応サイトが少なくなり電池出力が低下する傾向がある。また、イオン交換樹脂は、カソード5のバインダ及びカソード5と高分子電解質膜PEMとの接着剤としても機能するが、その機能が不十分となり触媒層構造を安定に維持できなくなる傾向が大きくなる。なお、ここでいう触媒は、触媒担持カーボンなどの担体に担持された担持触媒の場合にはその担体の質量も含むものとする。
【0037】
更に、触媒層1及び触媒層2に含有されるイオン交換樹脂は、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体であることが好ましい。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体は、触媒層1及び触媒層2内において長期間化学的に安定であり速やかなプロトン伝導を可能にする。
【0038】
このようなスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とCF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるフルオロビニル化合物に基づく重合単位(式中、mは0〜3の整数、nは1〜12の整数、pは0又は1であり、XはF又はCF3である)とからなる共重合体が好ましい。
【0039】
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、以下(i)〜(iv)の化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、sは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2)qSO3H (i)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)rSO3H (ii)
CF2=CF(CF2)sSO3H (iii)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2SO3H (iv)
なお、上記共重合体には、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィン又はパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位が、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位の25質量%以下であればテトラフルオロエチレンに基づく重合単位と置き換わって含まれていてもよい。
【0040】
更に、本発明の触媒層1における全細孔容積に対する細孔径0.1μm以下の細孔容積の割合は、10.0〜90.0vol.%であることが好ましい。なお、以下の説明においては、全細孔容積に対する細孔径0.1μm以下の細孔容積の割合を「微細孔割合」といい、細孔径が0.1μmを超える細孔から構成されたガス拡散性と排水性に優れた空隙部を「ガス拡散有効空隙部」という。触媒層1における微細孔割合を上記の範囲とすることで、触媒層1における反応ガスの反応界面面積を十分に確保することができる。
【0041】
ここで、触媒層1における微細孔割合が10.0vol.%未満であると、触媒層1における細孔内の表面積が著しく減少し、反応ガスの接触し得る面積が小さくなり電池出力が低下する傾向がある。すなわち、電池特性が低下してしまう傾向がある。一方、触媒層1における微細孔割合が90.0vol.%を超えると、触媒層1内のガス拡散経路の割合が少なくなり、高電流密度領域のように多量の水が生成する条件の下で燃料電池FCを作動させる場合に、フラッディングが発生する傾向が大きくなる。また、この触媒層1における微細孔割合は、上記と同様の観点から、15.0〜70.0vol.%であることがより好ましい。
【0042】
そして、触媒層2における微細孔割合は、10.0〜70.0vol.%であることが好ましい。触媒層2における微細孔割合を上記の範囲とすることで、触媒層2における反応ガスの反応界面面積を十分に確保することができる。ここで、触媒層2内の微細孔割合が10.0vol.%未満であると、触媒層2における反応ガスの細孔内の表面積が著しく減少し反応界面面積が減少する傾向が大きくなる。一方、触媒層2内の微細孔割合が70vol.%を超えると、触媒層2において累積生成水や凝縮水を外部に十分に排水させるためのガス拡散経路を確保しにくくなる傾向が大きくなる。また、この触媒層2における微細孔割合は、上記と同様の観点から、13.0〜60.0vol.であることがより好ましい。
【0043】
また、触媒層1の微細孔割合と触媒層2の微細孔割合とがそれぞれ上記の数値範囲で示される条件を満たすと同時に、触媒層2の微細孔割合は触媒層1の微細孔割合より小さいことが好ましく、触媒層2の微細孔割合と触媒層1の微細孔割合との差が5.0〜45.0vol.%であることがより好ましい。
【0044】
このように、触媒層1及び触媒層2のそれぞれに含有させるイオン交換樹脂のARに着目することに加え、触媒層1及び触媒層2のそれぞれに形成されている細孔の細孔径を制御することにより、触媒層1においては反応サイトの密度を高くし、触媒層2においては排水性を高くすることができるので各触媒層中の反応サイトへのスムーズな反応ガスの供給を、長期間にわたり保持することのできる良好な排水構造を有する触媒層をより確実に構築することが可能となる。
【0045】
特に、上記のように、触媒層1内の微細孔割合と触媒層2内の微細孔割合との差を5.0vol.%以上とすることで、触媒層1と触媒層2とがそれぞれ有する機能をより明確に差別化することができる。触媒層1内の微細孔割合と触媒層2内の微細孔割合との差が5.0vol.%未満となると、先に述べた触媒層1と触媒層2とがそれぞれ有する機能を明確に差別化することが徐々に困難となる傾向がある。一方、触媒層1内の微細孔割合と触媒層2内の微細孔割合との差が45.0vol.%を超えると、触媒層の構造を維持することが徐々に困難となる傾向が大きくなる。また、触媒層1においてフラッディングが発生し易くなる傾向も大きくなる。
【0046】
また、触媒層1及び2内の細孔の細孔径は大部分が0.01〜100μmであることが好ましく、0.01〜50μmであることが更に好ましい。細孔径が0.01μm未満である細孔は、反応ガスを反応サイトに向けて拡散させる機能を果せず、特に、触媒層2内にこのような細孔が多数分布しているとフラッディングが発生する傾向が大きくなる。一方、細孔径が100μmを超える細孔は、反応ガスの反応面積を十分に確保することが困難である。
【0047】
このように、各触媒層内に形成される空隙部の細孔構造を制御する方法としては、例えば、少なくともイオン交換樹脂及び触媒を溶媒に溶解又は分散した液(以下、触媒層形成インクという)の溶媒の種類を変化させればよい。例えば、水よりもエタノール、トルエン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の有機溶媒を用いる方がより多孔質の触媒層構造を得ることが可能である。
【0048】
また、その他の方法として、造孔剤や発泡剤を用いてもよい。造孔剤としては、例えば、樟脳(昇華性を有する)や酸に可溶な炭酸カルシウムなどが適用できる。発泡剤としては少量で効率よく発泡されるものが好ましく、例えばアゾ化合物、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物に代表される有機系物質、また金属炭酸塩、重炭酸塩、亜硝酸塩、水素化物に代表される無機系物質などがある。発泡剤は、加熱処理により分解させ、ガスを発生させるために200〜280℃の温度で10秒〜30分保持する加熱処理を施す必要がある。なお、この加熱処理において、触媒被覆用樹脂が分解してしまう場合があるため、処理時間は短い方が好ましい。
【0049】
また、触媒層1及び触媒層2のそれぞれの層厚の総和は1.0〜150μmであることが好ましく、5.0〜100μmであることがより好ましい。触媒層1及び触媒層2のそれぞれの層厚の総和が1.0μm未満であると、薄すぎて実質的に二層の複数層構造の形成が困難であると共に十分な反応サイトを有する触媒層を形成しにくくなる傾向にある。一方、触媒層1及び触媒層2のそれぞれの層厚の総和が150μmを超えると、触媒層3全体の厚みが大きくなり、触媒層1及び触媒層2のガス拡散性が著しく低下すると共に、触媒層1及び触媒層2を合わせた触媒層3全体のオーム抵抗(電圧損失)が増大してしまう傾向にある。
【0050】
更に、触媒層1の層厚は、高分子電解質膜PEMの近傍に反応サイトの密度の高い領域を局在化させる観点と、その反応サイトの密度の高い領域に十分に反応ガスを供給し得る反応ガス経路を確保する観点と、この領域から水を効率よく排水してフラッディングを確実に防止する観点とから、ガス拡散層4側に接する触媒層2の層厚よりも薄いほうが好ましい。具体的には、触媒層1の層厚は0.5〜70μmであることが好ましく、2.0〜50μmであることがより好ましい。触媒層1の層厚が0.5μm未満であると、薄すぎて実質的に形成が困難であると共に十分な反応サイトを有する触媒層を形成しにくくなる傾向にある。一方、触媒層1の層厚が70μmを超えると、触媒層1内のガス拡散性が低下し、十分に反応ガスを供給し得る反応ガス経路を確保しにくくなると共に触媒層1から水を効率よく排水しにくくなる傾向にある。
【0051】
また、触媒層2は、触媒層1に十分な反応ガスを供給し得るガス拡散経路を有すると共に触媒層3全体の厚み方向に累積された生成水等の水を外部に効率よく排水するという観点から、その層厚は触媒層1同様に薄いほうが好ましい。ただし、触媒層2の層厚は、触媒層2の抵抗が大きくならない範囲で上記の良好なガス拡散性が確保できれば、触媒層1の場合よりも厚くてもよく、調製の際のハンドリング性の観点から決定してもよい。具体的には、触媒層2の層厚は0.5〜80μmであることが好ましく、3.0〜60μmであることがより好ましい。触媒層2の層厚が0.5μm未満であると、薄すぎて実質的に形成が困難となる傾向がある。一方、触媒層2の層厚が80μmを超えると、ガス拡散性が低下すると共に、触媒層の抵抗が大きくなる傾向がある。
【0052】
更に、触媒層3の各層の空隙率は20〜95%であることが好ましく、40〜80%であることがより好ましい。触媒層3の各層の空隙率が20%未満では触媒層内の構成材料間に形成される細孔の細孔容積が著しく低下すると共に、空隙を構成する細孔の細孔径も著しく小さくなるので、細孔内の表面積が著しく低下し反応ガスと接する面積が小さくなる上にガス拡散性および排水性が著しく低下してしまう。また、触媒層3の各層の空隙率が95%を超えると触媒層自体の構造維持が困難となる。
【0053】
一方、燃料電池FCのアノード8の触媒層6も、イオン交換樹脂を被覆した表面積の大きな触媒担持カーボンブラック微粒子により構成されている。アノード8の触媒層6は、上記(4)式に示す電極反応を進行させる役割を担う。
【0054】
アノード8の触媒層6に含まれるイオン交換樹脂は、カソード5と同様にスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体であることが好ましい。また、アノード8では反応生成水が生じないため、カソード5ほどの排水性は必要ない。従って、十分な反応サイトを確保するためにアノード8中のイオン交換樹脂は含水率が高いものが好ましい。
【0055】
以上のような観点から、触媒層6に含有されるイオン交換樹脂のARは、0.85〜1.40meq./gであることが好ましい。触媒層6に含有されるイオン交換樹脂のARが、0.85meq./g未満であると、触媒層6内に十分なプロトン伝導経路を構築することが困難となり十分な反応サイトが確保できない。一方、触媒層6に含有されるイオン交換樹脂のARが、1.40meq./gを超えると、触媒層6内の排水性が低下し、加湿水の凝縮による触媒層6内にフラッディングが発生する傾向が大きくなる。また、図1では触媒層6は、単層からなるが複数の層から構成されていてもよい。
【0056】
なお、触媒層3及び触媒層6には、必要に応じて撥水化剤を含有させてもよい。特に、触媒層3中に撥水化剤を含有させることは、触媒層3中の排水性を向上させることができ、フラッディングの抑制効果が高まるので好ましい。ただし、撥水化剤は絶縁体であるためその量は少量であるほど望ましく、その添加量は0.01〜15質量%が好ましい。このような撥水化剤としては、PTFEや溶媒に可溶な含フッ素樹脂等が使用できる。
【0057】
このようなガス拡散層と触媒層とからなるカソード5とアノード8の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、以下のような形成方法に従って製造される。
【0058】
先ず、触媒層形成インクを調製する。次に、この触媒層形成インクを、高分子電解質膜PEM、或いは撥水化剤とカーボンとからなる層が表面に形成されたカーボンクロス等のガス拡散層となる材料表面に、噴霧、塗布、濾過転写するなどして、高分子電解質膜PEM、或いはガス拡散層となる材料表面上に所定の構造を有する触媒層を厚さが均一になるように形成する。
【0059】
次に、触媒層を形成した高分子電解質膜PEMとガス拡散層となる材料との接合、或いは、高分子電解質膜PEMと触媒層を形成したガス拡散層となる材料との接合を行う。上記の両者の接合は、例えば、ホットプレスやロールプレスにより行ってもよい。このとき、特開平7−220741号公報等に開示されているように、特殊な接着剤を用いて非加熱により両者を接合させてもよい。また、予め用意したPTFEやポリエチレンテレフタレートなどの基材平板上に触媒層を塗布等により形成した後、これを高分子電解質膜PEMにホットプレスにより転写する、いわゆる転写法を用いてもよい。このようにして、カソード5、アノード8、及び単位セルUCが完成する。
【0060】
ここで、二層構造の触媒層3の形成を行う場合には、例えば高分子電解質膜PEM上にカソード形成用の触媒層形成インクを直接二回塗布することによって行ってもよい。この場合には、一回目の塗布は、触媒層1を形成する工程となり、二回目の塗布は、触媒層2を形成する工程となる。
【0061】
更に、上記の触媒層形成インクの粘度は、電極の形成方法により好ましい範囲が異なり、数十cP程度の分散液状のものから2万cP程度のペースト状のものまで、広い粘度範囲のものが使用できる。粘度を調節するために、触媒層形成インクには増粘剤や希釈溶媒が含まれていてもよい。
【0062】
セパレータSP1及びSP2は、図1に示すように、1体の単セルUCに対して、アノード8側とカソード5側とにそれぞれ1体ずつ装着される。セパレータSP1及びSP2は、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンといったようなガス不透過の電子伝導性部材により形成され、図1に示すように、矩形薄板状を呈する。
【0063】
また、セパレータSP1のカソード接触面に形成された各溝9は、各単セルUCのカソード5の表面とにより、空気流路9を画成する(図1参照)。更に、セパレータSP2のアノード8との接触面に形成された各溝10は、各単セルUCのアノード8の表面とにより、燃料ガス流路10を画成する。これにより、燃料ガスは、セパレータSP1の各溝10とアノード8の表面とによって画成される燃料ガス流路10に流れ込む。
【0064】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0065】
例えば、上記の実施形態においては、二層の触媒層構造を有するカソードを備えた固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池はこれに限定されるものではなく、三層以上の触媒層構造を有するカソードを備えるものであってもよい。
【0066】
この場合には、複数の触媒層にそれぞれ含有されているイオン交換樹脂のARが、最内部の触媒層から最外部の触媒層にかけて減少していくようになっていることが好ましい。このように、最内部の触媒層から最外部の触媒層にかけてそれぞれの触媒層中のイオン交換樹脂のARに負の傾斜を設けることにより、最内部の触媒層と最外部の触媒層とが、それぞれに意図された効率の良い電極反応の役割と効率の良い排水の役割を効果的に発揮することができる。
【0067】
また、複数の触媒層それぞれにおける微細孔割合が、最内部の触媒層から最外部の触媒層にかけて減少していくようになっていることが好ましい。このように微細孔割合を、最内部の触媒層から最外部の触媒層にかけて減少させることは、ガス拡散有効空隙部を最内部の触媒層から最外部の触媒層にかけて増加させることにもなる。従って、このようにすることにより、各触媒層中の反応サイトへのバランスのとれた反応ガス及びプロトンの供給を、長期間にわたり保持することのできる良好な排水構造を有する触媒層を更に確実に構築することが可能となる。
【0068】
また、上記の実施形態においては、単位セルのみの構成を有する固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池はこれに限定されるものではなく、単位セルを複数積層したいわゆるスタック構造を有するものであってもよい。
【0069】
更に、上記の実施形態においては、単位セルとしていわゆる電極・膜接合体について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池はこれに限定されるものではない。例えば、熱処理によりアノードとカソードとをそれぞれ高分子電解質膜に接合させず、高分子電解質膜に対してアノードとカソードとを当該高分子電解質膜に接触させ、高分子電解質膜に対するアノードとカソードとのそれぞれの接触抵抗が最小値となるようにして、高分子電解質膜をアノードとカソードとで外側から力学的に加圧した状態で挟持させてもよい。
【0070】
更に、上記の実施形態においては、アノード反応ガスとして水素を主成分とするガスを用いる場合の固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料電池はこれに限定されるものではなく、例えば、アノード反応ガスとしてメタノールをアノードに直接導入する構成のものであってもよい。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の固体高分子型燃料電池の内容を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す実施例及び比較例の固体高分子型燃料電池について、各々のカソードの触媒層の構造の特徴を示すAR、層厚、及び微細孔割合を表1に示す。
(実施例1)
実施例1の単位セルは、以下に説明する手順により作製した。
【0072】
触媒層内に含有させるイオン交換樹脂の前駆体を先ず以下の手順で調製した。すなわち、ステンレス鋼製オートクレーブに、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシカーボネートと、CF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2SO3Fとを仕込んだ。次に、このオートクレーブ内の気体を液体窒素で十分にパージした後、CF2=CF2を仕込み、オートクレーブ内の温度を40℃に保持して、バルク重合を開始した。なお、重合反応中のオートクレーブ内の圧力は、系外からCF2=CF2を追加導入することにより一定に保持した。次に、重合開始から10時間後に未反応のCF2=CF2をパージして重合を終了させ、得られたポリマー溶液をメタノールで凝集し、洗浄、乾燥させてイオン交換樹脂の前駆体となるCF2=CF2/CF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2SO3F共重合体を得た。
【0073】
次に、上記のイオン交換樹脂の前駆体を、ジメチルスルホキシド30質量%及びKOHを15質量%含む混合水溶液中に混入させて加水分解させ、水洗後、1mol/Lの塩酸中に浸漬することでスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体を得た。ここで、重合開始剤の量、重合時の圧力を調整することにより、ARが1.10meq./gと、0.90meq./gである2種類のイオン交換樹脂を合成した。
【0074】
触媒層形成インクは次のようにして調製した。すなわち、触媒層形成インクAとして、40質量%白金担持カーボン微粒子と、ARが1.10meq./gのイオン交換樹脂とを質量比で2:1となるようにして、エタノール/水の混合溶媒(質量比で1:1)に分散させた液を調製した。また、触媒層形成インクBとして、ARを0.90meq./gとしたイオン交換樹脂を使用した以外の調製条件は触媒層形成インクAと同様とした液を調製した。更に、触媒層形成インクCとして、溶媒をエタノールのみとした以外の調製条件は触媒層形成インクAと同様とした溶液を調製した。
【0075】
電極のガス拡散層は、アノード、カソードともに撥水性カーボンクロス(繊維織布)を撥水性カーボン粉末層(カーボンブラックとPTFEの混合物)で目詰めした厚さ350μmのものを用いた。
【0076】
更に、二層構造を有するカソード触媒層は以下の手順により形成した。すなわち、先ず、ガス拡散層側の触媒層として、触媒層形成用の触媒層形成インクCを上記ガス拡散層シートの撥水性カーボン粉末層側に白金担持量が0.3mg/cm2となるように1回塗布して乾燥させた。次に、その上に高分子電解質膜側の触媒層として触媒層形成インクAを白金担持量が0.3mg/cm2となるように1回塗布して乾燥させた。このようにして二層構造のカソード触媒層を形成した。ここで、作製したカソード用ガス拡散電極に担持された白金の量は0.6mg/cm2であり、触媒層の厚みは50μm(高分子電解質膜側の触媒層;20μm、ガス拡散層側の触媒層;30μm、)であった。なお、カソードの膜側の触媒層は、その微細孔割合が62vol.%であり、ガス拡散層側の触媒層は、その微細孔割合が33vol.%であった。
【0077】
一方、アノードの触媒層は、触媒形成用の触媒層形成インクA(樹脂のAR=1.10meq./g)を1回あたり白金の担持量が0.3mg/cm2となるように塗布、乾燥させ、同工程を2回繰り返すことで形成した。ここで、作製したアノード用ガス拡散電極に担持された白金の量は0.6mg/cm2であった。
【0078】
また、作製したガス拡散電極は、アノード、カソードともに、有効電極面積が25cm2となるように切り出した。更に、高分子電解質膜としては、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体(商品名:フレミオンHR、旭硝子(株)社製、AR=1.10meq./g、乾燥膜厚50μm)を使用した。
【0079】
上記のようにして作製した、アノード、カソードと、高分子電解質膜を、以下のようにして接合し、いわゆる電極・膜接合体を作製した。すなわち、カソード及びアノードを触媒層形成インクが塗布された面を内側に向けて対向させ、その間に高分子電解質膜を挟み込んだ状態でホットプレスを行い接合させた。
(実施例2)
触媒層形成インクDとして、40質量%白金担持カーボン触媒と、ARが1.10meq./gのイオン交換樹脂と、造孔剤としての炭酸カルシウムとを質量比で2:1:0.05となるようにして、エタノール/水の混合溶媒(質量比で1:1)に分散させた溶液を調製した。
【0080】
この触媒層形成インクDをガス拡散層シートに白金担持量が0.3mg/cm2となるように塗布後、酸による洗浄処理を施して造孔剤を除去させることによって造孔させガス拡散層側の触媒層を作製した以外は、実施例1と同様にして電極・膜接合体を得た。
(実施例3〜5及び比較例1〜8)
カソード触媒層の二層構成を、表1に示すAR、層厚、及び微細孔割合となるようにした以外は、実施例1と同様にして電極・膜接合体を作製した。
[電池特性試験]
上記の実施例1〜5及び比較例1〜8の各単位セル(電極・膜接合体)にセパレータを装着して測定セルとし、カレントパルスジェネレータ(高砂製作所社製,FK400L及びEX750L)を用いてカレントインタラプタ法による電池特性試験を行った。測定条件は、水素導入口圧力;0.15MPa、空気導入口圧力;0.15MPa)、測定セルの作動温度;80℃とし、電流密度;1.0A/cm2における測定セルの分極特性の1000時間にわたる経時変化を測定した。これらの各単位セルの試験結果を表1に示す。
【0081】
なお、表1においてΔARの値は、二層構造を有するカソードの触媒層における、高分子電解質膜側の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のARXと、ガス拡散層側の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のARYとの差を示す。また、ΔVの値は、起動初期(測定開始から約250分後)の測定セルの電池電圧(端子間電圧)と、1000時間経過後の各測定セルの電池電圧との差を示す。
更に、「−」と表記してあるデータは「測定不能」であったことを示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜実施例5の本発明の固体高分子型燃料電池は、実用的な作動条件(電池電圧条件)の下で、比較例1〜比較例8の固体高分子型燃料電池に比べて高い起動初期の電池特性を有しており、更には、大きな電池特性の低下を招くことなく1000時間という長時間にわたり安定して作動することが確認された。
【0084】
これに対し、比較例1〜比較例6の固体高分子型燃料電池においては、起動初期の電池特性が高い場合には1000時間後の電池特性が大きく低下してしまうという欠点が、他方、起動初期から1000時間後の電池特性の低下が抑制される場合には起動初期の電池特性が低く長期にわたり高い電池出力を得ることができないという欠点があることが確認された。特に、特願平11−288727の固体高分子型燃料電池に対応する比較例3の固体高分子型燃料電池は、起動初期の電池電圧に対して、1000時間作動させた後の電池電圧は50mVも低下してしまうことが確認された。
【0085】
更に、比較例7の固体高分子型燃料電池は作製することができず、カソードのガス拡散層側の触媒層として触媒層内に含有されるイオン交換樹脂のARが非常に小さな値の場合には触媒層を形成できないことが確認された。また、比較例8の固体高分子型燃料電池は、開回路電圧を測定することができたものの、固体高分子型燃料電池を作動させはじめると急激に電池電圧が降下して発電不能状態に陥った。この時、カソードのガス拡散層側の触媒層からイオン交換樹脂が溶出していたことが確認された。このことから、カソードのガス拡散層側の触媒層として触媒層内に含有されるイオン交換樹脂のARが非常に大きな値の場合には触媒層内のイオン交換樹脂が固体(結晶)状態を安定して保持できないことが確認された。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の固体高分子型燃料電池によれば、十分に多く確保された反応サイトへの反応ガスの供給を、長期間にわたり保持することのできる良好な排水構造を有する触媒層を構築することが可能となる。そのため、作動中の触媒層内、特に、カソード触媒層内におけるフラッディングの発生を防止して当該触媒層内の反応サイトを有効に利用することが可能となる。従って、本発明によれば、起動初期の電池特性を高くして大電流を流す場合であってもフラッディングの発生が十分に防止され、高い電池特性を起動初期から長期間にわたり安定して得ることのできる固体高分子型燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による固体高分子型燃料電池の好適な一実施形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…高分子電解質膜側の触媒層、2…ガス拡散層側の触媒層、3…カソード触媒層、4…ガス拡散層、5…カソード、6…アノード触媒層、7…ガス拡散層、8…アノード、9…カソード反応ガス流路、10…アノード反応ガス流路、FC…燃料電池、PEM…高分子電解質膜、SP1,SP2…セパレータ、UC…単位セル。
Claims (3)
- アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された高分子電解質膜とを有しており、アノード反応ガスを前記アノードに供給すると共にカソード反応ガスを前記カソードに供給し、電気化学反応によって電力を発生する固体高分子型燃料電池であって、
前記カソードが、ガス拡散層と、当該ガス拡散層と前記高分子電解質膜との間に配置される複数の触媒層と、を備えており、
前記高分子電解質膜に接する最内部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオン交換容量X[ミリ当量/g乾燥樹脂]、及び前記ガス拡散層に接する最外部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオン交換容量Y[ミリ当量/g乾燥樹脂]が、それぞれ下記式(1)〜(3)の条件を同時に満たしていること、を特徴とする固体高分子型燃料電池。
0.88≦X≦1.50 (1)
0.70≦Y≦1.32 (2)
0.18≦(X−Y)≦0.70 (3) - 前記イオン交換樹脂がスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記最内部の触媒層における全細孔容積に対する細孔径0.1μm以下の細孔容積の割合は、10.0〜90.0vol.%であり、かつ、前記最外部の触媒層の前記割合は、前記最内部の触媒層の前記割合より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池。
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