JP4591591B2 - 立体画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このことから、立体画像表示装置の中には、位相差素子52における右目用画像表示部52Rと左目用画像表示部52Lとの境界に、光を遮光する遮光層を設けたものも存在する(例えば、特許文献2参照。)。さらに詳しくは、例えば右目用画像表示部52Rと左目用画像表示部52Lとが水平ライン毎に交互に配されている場合であれば、各表示部52R,52Lの境界を含む所定幅の領域部分のみに位置するように、ストライプ状の遮光層を配置する。遮光層は、光を遮光する機能を有した黒色材を、位相差素子52の面上から凸設されて形成することが考えられる。このような遮光層を設ければ、例えば観者が斜め方向から見た場合であっても、遮光層によって遮光されることで、右目用画像Rが左目用画像表示部52Lを通過したり、左目用画像Lが右目用画像表示部52Rを通過したりすることがない。つまり、クロストーク現象の発生を未然に防止し得るようになる。
例えば、遮光層については、当該遮光層を基材シート上に形成しておき、当該遮光層を転写した後に当該基材シートのみを剥離することで、画像表示パネル51と位相差素子52との間に介在させることが考えられる。ところが、遮蔽層を転写した後基材シートを剥離する際には、当該基材シートに付着した接合剤が遮蔽層を巻き込んでしまうと、遮蔽層が転写されずに基材シートと共に剥離されてしまうという事態が発生し得る。そのため、基材シートの剥離作業中は、遮蔽層まで剥離されないか否かを監視(または、予防)しつつその作業を行わなければならなく、結果として作業効率の悪化を招いてしまうおそれがある。また、基材シートの剥離作業は、一定のスピードを保ちながら効率よく行わないと、当該基材シートが接合剤に形状を与えてしまい、ライン状のキズが発生する要因となり得る。
したがって、例えば基材シートからの剥離を経て遮光層を画像表示パネルと位相差素子との間に介在させる場合に、当該基材シートの端縁側から剥離作業を行っても、ダミー遮光層の存在により、当該遮蔽層が転写されずに基材シートと共に剥離されてしまうという事態の発生を抑制することができる。しかも、ダミー遮光層は、画像表示パネルにおける画像表示領域外に位置しているため、当該画像表示パネルによる画像表示を阻害してしまうこともない。
なお、「接合剤層」とは、接合剤によって形成される層のことをいう。したがって、ここでいう「接合剤層」としては、例えば粘着剤によって形成される層が挙げられるが、接着剤によって形成される層も含まれるものとする。
先ず、立体画像表示装置の概略構成について説明する。
図例の立体画像表示装置は、画像表示パネル1と、偏光板2と、位相差素子3と、遮光層4と、第1接合剤層5と、空気層6と、第2接合剤層7と、反射防止膜8と、第3接合剤層9と、ダミー遮光層10と、を備えて構成されている。
具体的には、例えば、右目用画像表示部3aと左目用画像表示部3bとの偏光方向が互いに直交するようになっており、画像表示パネル1における各水平ラインの上下ピッチと合致するように、厚み0.7mm程度の支持基材3c上に交互に構成されたものを用いることが考えられる。また、例えば、支持基材3c上に接着剤を介して複屈折性の無いTAC(トリアセチルセルロース)フィルムと位相差機能を有する延伸PVAフィルムを積層させた後、線状体のレジストを塗布した部分以外の位相差機能を消失せしめて、右目用画像表示部3aと左目用画像表示部3bを交互に作成し、レジスト塗布側に複屈折性を有さない保護部材フィルムを設けた後に、画像表示パネル1に接合しているものであったり、支持基材3c上に液晶ポリマー層を一軸配向させたもの等を用いることも考えられる。
なお、遮光層4は、位相差素子3における右目用画像表示部3aと左目用画像表示部3bとの境界部分に対応するように配設されたものであるが、当該位相差素子3の面上ではなく、偏光板2よりも画像表示パネル1の側の位置に配設されているものとする。
また、遮光層4と同層には、後述するように、ダミー遮光層10が形成されているものとする。
さらに詳しくは、第1接合剤層5は、遮光層4およびダミー遮光層10の頂面と画像表示パネル1との間を除く偏光板2における当該遮光層4の形成面側と当該画像表示パネル1との間に介在しているものとする。したがって、遮光層4およびダミー遮光層10の頂面と画像表示パネル1との間は除かれることから、これらの間には、第1接合剤層5が介在していないことになる。
ただし、後述する理由により遮光層4およびダミー遮光層10の頂面と画像表示パネル1との間は除かれていることが望ましいが、必ずしもこれらの間が除かれている必要はなく、第1接合剤層5は、これらの間を含んで遮光層4およびダミー遮光層10によって形成された凹凸を埋めるように介在するものであってもよい。あるいは、全く逆に、遮光層4およびダミー遮光層10の頂面と画像表示パネル1との間のみに第1接合剤層5を介在させ、当該遮光層4および当該ダミー遮光層10が形成されていない部分には第1接合剤層5が充填されない空間を存在させるようにすることも考えられる。
ここで、「接合剤層」とは、接合剤によって形成される層のことをいう。「接合剤」とは、接合のために部材間に介在するものをいい、具体的には接着剤または粘着剤がこれに該当する。したがって、「接合剤層」には、接着剤によって形成される層と、粘着剤によって形成される層とが含まれる。
これに対して、本実施形態で説明する立体画像表示装置では、後述する理由により、第1接合剤層5が、透明ゲル状のアクリル系の粘着剤からなり、層厚が25〜100μmに形成されているものとする。さらには、当該粘着剤の硬度が0より大きく350000μN以下の範囲にあり、40℃での貼合後保持力が8〜20N/20mmとなるように構成されているものとする。
また、本実施形態で説明する立体画像表示装置では、第1接合剤層5が、上述した条件と併せて、あるいは上述した条件とは別に(上述した条件ではなく)、以下に述べる条件を満たすものであってもよい。すなわち、第1接合剤層5は、後述する理由により、透明ゲル状のアクリル系の粘着材からなり、30〜70℃での貯蔵剛性率が0より大きく70000Pa以下の範囲にあり、損失剛性率が0より大きく20000Pa以下の範囲にある。そして、これらの条件を満たすことで、クリープ特性が0.3mm以下となるように構成されている。
なお、「粘着剤」とは、初めから高粘度で低弾性率の半固体であり、接合形成後もその状態が変わらないもの、つまり固化の過程が必要でないものをいう。
この第2接合剤層7についても、第1接合剤層5と同様に、透明ゲル状のアクリル系の粘着剤からなり、層厚が25〜100μmに形成されているものとする。さらには、当該粘着剤の硬度が0より大きく350000μN以下の範囲にあり、40℃での貼合後保持力が8〜20N/20mmとなるように構成されているものとする。
または、第1接合剤層5の場合と同様に、透明ゲル状のアクリル系の粘着材からなり、30〜70℃での貯蔵剛性率が0より大きく70000Pa以下の範囲にあり、損失剛性率が0より大きく20000Pa以下の範囲にある。そして、これらの条件を満たすことで、クリープ特性が0.3mm以下となるように構成されている。
第3接合剤層9は、反射防止膜8を位相差素子3(さらに具体的には、当該位相差素子3を構成する支持基材3c。)に対して接合させるためのもので、例えば接着剤または粘着剤からなる層を用いることが考えられる。
ただし、ダミー遮光層10は、遮光層4とは異なり、画像表示パネル1における画像表示領域外にて、遮光層4の配設箇所の外周側を囲うように、配設されているものとする。すなわち、画像表示パネル1における画像表示領域内に対応して配される遮光層4に対して、その遮光層4の配設箇所の外周側を囲うように、当該画像表示パネル1における画像表示領域外に配設されているのである。
このようなダミー遮光層10については、後述する理由により、第1接合剤層5による貼合面を、凹凸状に形成することが望ましい。その場合に、凹凸状における凸部分の面積密度は、画像表示パネル1の画像表示領域内における遮光層4の面積密度と同等に形成されるものとする。なお、ここでいう「面積密度」は、単位面積当たりで遮光層4またはダミー遮光層10が占める面積の割合である。
さらに具体的には、ダミー遮光層10における凹凸状は、規則的なメッシュ格子によって形成することが考えられる。そして、当該メッシュ格子の凸部分の面積密度を、画像表示領域内における遮光層4の面積密度と同等にするのである。
したがって、観者が各画像に合った左右異なる偏光角を持つ偏光眼鏡を掛ければ、当該観者にとっては、右目には右目用画像が、左目には左目用画像が、各々独立して入射することになるので、その結果として立体画像が視認可能になるのである。
その一方で、遮光層4の頂面と画像表示パネル1との間を除くように第1接合剤層5を介在させれば、当該遮光層4の頂面と当該画像表示パネル1との間には、第1接合剤層5が充填されない空間である空気層6が存在することになる。したがって、当該空気層6が貼合時に生じ得る歪みを逃がすように作用し、その結果として貼合後における面内貼り合わせ応力分布状態の不均一さが緩和されるようになる。また、当該空気層6が存在する箇所は、遮光層4の頂面と画像表示パネル1との間、すなわち当該遮光層4によって光が遮られる箇所である。そのため、当該空気層6が存在していても、当該遮光層4のない凹部分の場合とは異なり、表示画像の画質低下を招く要因となることがない。
つまり、第1接合剤層5による貼合にあたり、遮光層4の頂面と画像表示パネル1との間を除くように当該第1接合剤層5を介在させれば、遮光層4による凹凸が存在する場合であっても、不要な空気層での光屈折作用に起因する画質低下を抑制しつつ、必要な空気層6により応力分布状態の面内不均一に起因する画質低下についても抑制できるので、その結果として画像表示パネル1と偏光板2との貼合を適切に行うことができる。
図例の立体画像表示装置は、偏光板2と遮光層4との間に基材シート4aが介在している点で、上述した第1概略構成例(図1参照)とは異なる。
ただし、画像表示パネル1と基材シート4aとの間では、後述する理由により、第1接合剤層5を一様の厚さとして、遮光層4が形成されていない部分に当該第1接合剤層5が充填されない空間を存在させることが望ましいが、必ずしも当該空間が存在している必要はない。すなわち、第1接合剤層5は、遮光層4によって形成された凹凸を埋めるように介在するものであってもよい。あるいは、全く逆に、遮光層4の頂面と画像表示パネル1との間を除く画像表示パネル1と基材シート4aとの間に介在させ、当該遮光層4の頂面と当該画像表示パネル1との間に空気層6を存在させるようにすることも考えられる。
しかも、少なくとも遮光層4の頂面、すなわち凸形状の頂面について、第1接合剤層5が介在していればよいので、当該第1接合剤層5が充填されない空間が存在しないようにする場合に比べて、当該第1接合剤層5を介在させるための作業やその第1接合剤層54を用いた貼合作業等が煩雑なものとなってしまうこともない。つまり、例えばシート状の第1接合剤層5を貼り付ければよいといったように、貼合のための作業等を非常に簡便に行い得るようになる。
つまり、第2概略構成例においても、基材シート4a上には、遮光層4と同層に、当該遮光層4の配設箇所の外周側を囲うように、ダミー遮光層10が形成されていてもよい。
次に、以上のような構成の立体画像表示装置の製造方法について説明する。
立体画像表示装置の製造にあたっては、少なくとも、アニール工程と、遮光層形成工程と、位置決め工程と、貼合工程と、を含むものとする。
以下、これらの各工程について順に説明する。
上述したように、立体画像表示装置は位相差素子3を備えて構成されているが、その位相差素子3は、元々水を含んだ材料からなり、また空気中の水分を吸着してしまう特性がある。そのため、その状態のまま、立体画像表示装置を構成すべく、位相差素子3についての貼合を行って、当該位相差素子3の表裏面をガラス基板等の通気性がない光透過材料で挟んで封止してしまうと、以下に述べるような問題が生じるおそれがある。
例えば、立体画像表示装置は、製品として生産工場を出荷された後、運送時に船便で赤道を越えることがあり得るが、その場合における製品の周囲温度が60〜70℃となることもある。このような高温環境下に一定時間以上置かれると、立体画像表示装置では、位相差素子3から水あるいは酢酸等の気体が出てきて、50μm〜200μm程度の大きさの気泡となることが考えられる。その場合に、位相差素子3の表裏面が封止されていると、気泡が逃げ場を失ってしまい、その結果として当該立体画像表示装置が不良品となってしまうおそれがある。
そこで、立体画像表示装置の製造にあたっては、位相差素子3についての貼合を行うのに先立ち、当該位相差素子3に対するアニール工程を実施する。
加熱処理は、所定温度で所定時間だけ行う。具体的には、位相差素子3の耐熱温度が100〜120℃程度であることを考慮して、例えば40〜80℃、好ましくは70℃程度の温度で、1時間以上3日間以下、好ましくは48時間程度、行うことが考えられる。
なお、加熱処理にあたり、上述した条件以外については、公知技術を利用して行えばよい。
具体的には、例えば70℃で24時間加熱処理を行ったアニール工程を経て得られた立体画像表示装置と、当該アニール工程を経ないで得られた立体画像表示装置とのそれぞれについて、完成後に70℃となる環境下に48時間置き、パネル内の14cm×35cmの領域範囲において目視でわかる気泡の数をカウントする実験を行った。その結果、アニール工程を経ないものは気泡の数が61個であったのに対し、アニール工程を経たものについては、気泡の数が2個であることがわかった。
つまり、アニール工程を経ることによって、製品不良の要因となる位相差素子3からの気泡発生について、これを激減させることが可能になる。
上述したように、立体画像表示装置は、遮光層4を備えて構成されている。そのため、当該立体画像表示装置の製造過程では、遮光層4を形成する遮光層形成工程を実施する。なお、ここで説明する遮光層形成工程には、当該遮光層形成工程の他に、接合剤層形成工程および遮光層貼合工程が含まれるものとする。
図3は、遮光層形成工程の概要の一具体例を示す説明図である。
図例のように、基材シート4aの面上には、画像表示パネル1における画像表示領域内に対応して、ストライプ状に配された遮光層4が形成されている。そして、その遮光層4の配設箇所の外周側、すなわち画像表示パネル1における画像表示領域外には、当該遮光層4の配設箇所を囲うように、頂面(露出面)が規則的なメッシュ格子によって凹凸状に形成されたダミー遮光層10が配設されている。
なお、図例では、ダミー遮光層10が遮光層4の配設箇所外周側の全周を囲っている場合、すなわちダミー遮光層10が閉じた外郭を構成する場合を示しているが、必ずしも閉じた外郭を構成している必要はなく、一部に開いた領域部分が含まれていても構わない。また、ダミー遮光層10の頂面は、必ずしもメッシュ格子によるものである必要はなく、他の形状によって凹凸状が実現されていても構わない。
そのためには、遮蔽層4を転写した後基材シート4aを剥離する際に、基材シート4aに付着した第1接合剤層5が遮蔽層4を巻き込んでしまい、遮蔽層4が転写されずに基材シート4aと共に剥離されてしまうといった事態の発生を、未然に防止する必要がある。基材シート4aの剥離作業中に遮蔽層4まで剥離されないか否かについての監視等が必要になると、作業効率の悪化を招くからである。さらには、基材シート4aの剥離作業は、一定のスピードを保ちながら効率よく行わないと、当該基材シート4aが第1接合剤層5に形状を与えてしまい、ライン状のキズが発生する要因となるからである。
したがって、ダミー遮光層10を設けておけば、基材シート4aからの剥離を経て遮光層4を画像表示パネル1と偏光板2との間に介在させる場合に、当該基材シート4aの端縁側から剥離作業を行っても、ダミー遮光層10の存在により、遮蔽層4が転写されずに基材シート4aと共に剥離されてしまうという事態の発生を抑制することができる。
つまり、例えばダミー遮光層10を設けない場合には、遮光層4の配設箇所の外周側に当該遮光層4もダミー遮光層10も存在しないので、第1接合剤層5が占める面積の割合が大きくなり、当該第1接合剤層5による接合強度が強くなり過ぎてしまい、そのために最外周部分の遮蔽層4が基材シート4aの剥離の際に欠落してしまったり、第1接合剤層5の剥離ムラが発生したりすることが考えられる。ところが、画像表示パネル1における画像表示領域外にダミー遮光層10を存在させれば、当該画像表示パネル1における画像表示領域内と画像表示領域外での第1接合剤層5による接合強度の均一化が図れるので、遮蔽層4の欠落や第1接合剤層5の剥離ムラ等といった不都合が発生するのを未然に回避することができる。
しかも、ダミー遮光層10は、画像表示パネル1における画像表示領域外に位置しているため、当該画像表示パネル1による画像表示を阻害してしまうこともない。
例えば、ダミー遮光層10が凹凸状に形成されていない場合について考えると、画像表示パネル1の画像表示領域外では、画像表示領域内における遮光層4の面積密度とは異なる可能が非常に高くなる。その一方で、遮光層貼合工程の際には、接合剤層形成工程で一様の厚さで形成された第1接合剤層5に対して、遮光層4およびダミー遮光層10が形成された基材シート4aの貼り合わせを行う。したがって、遮光層貼合工程の際に、画像表示パネル1の画像表示領域外では、画像表示領域内に比べて、貼り合わせによって押し出される第1接合剤層5の量が多くなり、その押し出された第1接合剤層5に気泡等が混入してしまうおそれが生じる。このような気泡等の混入は、表示画像の欠陥に直結するため、その発生を未然に防止する必要がある。
これに対して、ダミー遮光層10に形成された凹凸状によって、画像表示パネル1の画像表示領域内外での面積密度を同等にすれば、遮光層貼合工程の際に当該画像表示領域内外での第1接合剤層5の押し出し量に差が生じることはない。したがって、遮光層貼合工程の際に気泡混入等の欠陥が発生してしまうことを未然に防止することができる。
さらには、規則的なメッシュ格子であるが故に、画像表示領域内外での面積密度の分布の均一化が図れる。つまり、第1接合剤層5の硬度や粘性等に拘らずに、遮光層貼合工程の際の当該第1接合剤層5の押し出し量に偏り等が生じることはない。したがって、気泡混入等の欠陥発生を防止する上で非常に有効なものとなる。
立体画像表示装置を構成する場合には、画像表示パネル1、位相差素子3および遮光層4について、それぞれの間の相対的な位置決めを正確に行う必要がある。
例えば、画像表示パネル1と位相差素子3との間が正確に位置決めされず、右目用画像に対する右目用画像表示部3aの位置や左目用画像に対する左目用画像表示部3bの位置等にズレが生じてしまうと、観者の捕らえる画像が不鮮明となったり立体感が薄れたりする等の不具合が発生し得るからである。具体的には、例えば40インチクラスのHD信号(ハイビジョン信号)を表示する場合であれば、1画素ラインの縦方向は500μm程度の極細線状となるので、位置ずれの許容範囲を5%未満とした場合に、25μmレベルでの位置決めを行う必要がある。
また、例えば、位相差素子3と遮光層4との間が正確に位置決めされず、遮光層4の配設位置が右目用画像表示部3aと左目用画像表示部3bとの境界部分からズレてしまうと、クロストーク現象の発生を防止できなかったり、通過光の減少による表示画像の輝度低下を招いたりするからである。
これらのことから、立体画像表示装置の製造にあたっては、画像表示パネル1、位相差素子3および遮光層4の間の貼合を行うのに先立ち、これらについての平面的な位置決めを行う位置決め工程を実施する。
図例では、画像表示パネル1と、遮光層4、第2接合剤層7、偏光板2、位相差素子3、反射防止膜8および接合剤層7からなる積層体との間で、平面的な位置合わせを行う場合を示している。ただし、平面的な位置合わせは、図例の場合のみならず、遮光層4および偏光板2を、位相差素子3に対して貼合する場合にも、全く同様に適用することが考えられる。
図例に示した平面的な位置合わせを行う場合には、先ず、位置合わせ装置の上部台座11に画像表示パネル1を支持させ、当該位置合わせ装置の下部台座12に遮光層4や位相差素子3等の積層体を支持させ、これらを互いに対向させる。上部台座11および下部台座12による支持は、真空吸着等の公知技術を利用して行えばよい。また、上部台座11および下部台座12の少なくとも一方は、図中前後左右方向に、または上下方向に、スライド可能な構造を有しているものとする。
また、位置合わせ装置では、上部台座11および下部台座12の一方の側に、位置検出のための画像処理用カメラ等の撮像装置13が配されている。また、撮像装置13と上部台座11および下部台座12を挟んで対向する側には、光を照射する光源14が配されている。そして、光源14には、位相差素子3における右目用画像表示部3aまたは左目用画像表示部3bのいずれか一方に対応する偏光状態を実現する偏光板15が付設されている。
なお、位置合わせ装置は、2焦点の深度切り替え機構の採用により、撮像装置13からの画像に付加されるマーキングラインに対して、空隙を有した状態のまま、最適位置合わせを可能とする位置合わせ機構が設置されたものであってもよい。
そこで、位置合わせ装置では、画像表示パネル1についての平面的な位置合わせ、さらに具体的には当該画像表示パネル1に対して遮光層4や位相差素子3等の積層体を貼合する際の平面的な位置合わせにあたり、光源14から、ノーマリーブラックタイプの液晶パネルが電圧非印加状態にあっても、すなわち当該液晶パネルにおける光透過率が最小となる状態にあっても、当該液晶パネルを透過する光量の照射光を出射する。具体的には、最小光量として、例えば3万ルクスを超える照射光を出射することが考えられる。ただし、最大光量は、液晶パネルにおける液晶分子等に悪影響を及ぼさない程度に抑えることが望ましい。
このような光量の照射光を光源14から出射すれば、液晶パネルがノーマリーブラックタイプのものであっても、当該液晶パネルに対する電圧印加を要することなく、当該液晶パネルを光が透過して、撮像装置13まで到達することになる。したがって、撮像装置13での撮像結果によれば、例えば画素領域のような光が透過する部分と配線領域のような遮光膜で覆われている部分とについての識別が可能となり、これにより画像表示パネル1の平面的な位置が明確に認識されることになる。
画像表示パネル1、位相差素子3、および、遮光層4が形成された偏光板2ついて、それぞれの間の平面的な位置合わせを行った後は、続いて、その位置合わせ状態を保ちつつ、これらを互いに貼り合わせる貼合工程を実施する。
貼合工程には、第1接合剤層5を介在させて画像表示パネル1と遮光層4が形成された偏光板2とを互いに貼合する第1貼合工程(すなわち、パネル貼合工程。)と、第2接合剤層7を介在させて遮光層4が形成された偏光板2と位相差素子3とを互いに貼合する第2貼合工程とがある。
これら第1貼合工程と第2貼合工程とは、どちらを先に行ってもよいが、ここでは第2貼合工程を行った後に第1貼合工程を行う場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
遮光層4が形成された偏光板2と位相差素子3との貼り合わせは、これらの間に第2接合剤層7を介在させることで行う。このとき、第2接合剤層7は、偏光板2における遮光層4の非形成面側と、位相差素子3における右目用画像表示部3aおよび左目用画像表示部3bの形成面側との間において、その全面領域に介在させるようにする。
また、第2接合剤層7としては、後述する理由によって、第1接合剤層5の場合と全く同様に、透明ゲル状のアクリル系の粘着材からなり、層厚が25〜100μmに形成され、当該粘着材の硬度が0より大きく350000μN以下の範囲にあり、40℃での貼合後保持力が8〜20N/20mmであるものを用いることが考えられる。
あるいは、第2接合剤層7としては、後述する理由によって、第1接合剤層5の場合と全く同様に、30〜70℃での貯蔵剛性率が0より大きく70000Pa以下の範囲にあり、損失剛性率が0より大きく20000Pa以下の範囲にあり、クリープ特性が0.3mm以下となるものを用いることが考えられる。
なお、第2貼合工程では、位相差素子3に対して、第3接合剤層9を介した反射防止膜8の貼り付けも行うようにする。
上述した第2貼合工程によって、遮光層4、偏光板2、位相差素子3等からなる積層体を構成した後は、当該積層体と画像表示パネル1との貼り合わせを、第1接合剤層5を介在させることで行う。
ただし、第1接合剤層5は、上述した第1概略構成例の場合であれば、画像表示パネル1と偏光板2における遮光層4の形成面側との間のうち、当該遮光層4の頂面と当該画像表示パネル1との間を除く箇所に介在させるようにする。具体的には、遮光層4の頂面との間を除く箇所、すなわち偏光板2の面上で遮光層4が凸設されておらず光透過領域となる箇所には、当該遮光層4によって形成される凹形状部分を埋めるように第1接合剤層5を充填して、当該第1接合剤層5を介在させる。
一方、遮光層4の頂面との間については、第1接合剤層5を介在させないようにする。これにより、画像表示パネル1と偏光板2等の積層体との貼り合わせ後は、当該画像表示パネル1と遮光層4の頂面との間に、第1接合剤層5が充填されていない空気層6が形成されることになる。
第1接合剤層5は、光透過領域となる箇所に存在することになる。したがって、第1接合剤層5は、貼合後に画像表示パネル1と偏光板2との間における光学特性に悪影響を及ぼすものであってはならない。そのために、第1接合剤層5の形成材料としては、光透過性を有した透明ゲル状のアクリル系の粘着剤を用いる。
また、第1接合剤層5は、その層厚が薄過ぎると、当該層の均一性を確保することが困難である。さらには、例えば画像表示パネル1の貼合面にうねり等が生じており平面均一性が乏しい場合に、これを吸収することも困難となる。しかも、例えば遮光層形成工程において遮光層4を転写によって形成することを考慮すると、少なくとも当該遮光層4の凸設高さを超える層厚であることが望ましい。一方、第1接合剤層5の層厚が厚過ぎると、光透過率低下等といった光学特性への悪影響が生じるおそれがあり、また気泡等の異物が混入する可能性も高くなる。これらのことから、第1接合剤層5については、その層厚が25〜100μmとなるように形成する。
さらに、第1接合剤層5は、形成材料である粘着剤の硬度が高過ぎると、画像表示パネル1と偏光板2との間での緩衝材としての機能や、遮光層4によって形成される凹形状部分を埋める充填機能等が阻害されるため、好ましくない。
また、第1接合剤層5は、貼合後の保持力が小さ過ぎると、画像表示パネル1と偏光板との間の平面的な位置合わせ状態を保つことが困難となる。一方、貼合後の保持力が大き過ぎると、例えば不具合時に、第1接合剤層5による貼合箇所を剥がし、再度貼り合せることが不可能となることから、好ましくない。
これらのことから、第1接合剤層5は、形成材料である粘着剤の硬度および貼合後の保持力が以下に述べるように設定されているものとする。
図6(a)は、厚み100μmの何種類かの粘着剤層について、粘着剤硬度および粘着剤層保持力を比較検討した結果を示している。
なお、粘着剤硬度に関しては、図6(b)に示すように、圧縮時(例えば、100μmの粘着剤21が50μm沈み込んだ時)の反発強度を指標としている。
また、粘着剤の保持力(接着強度)は、図6(c)に示すように、ガラス材22に対して、幅20mmの粘着剤23における剥離強度を指標としている。
図6(a)に示すように、このような条件で粘着剤硬度および粘着剤層保持力を実測して比較検討した結果、粘着剤硬度が350000μN以下であり、40℃での貼合後保持力が8〜20N/20mmであることが、接合面全域について、気泡や剥がれ等が生じることなく、また外観上も問題なく、正確に位置決めされた状態を維持できることが判明した。
したがって、第1接合剤層5は、形成材料である粘着剤の硬度が0より大きく350000μN以下の範囲にあり、40℃での貼合後保持力が8〜20N/20mmであるように設定されているものとする。
第1接合剤層5は、光透過領域となる箇所に存在するので、その形成材料として、光透過性を有した透明ゲル状のアクリル系の粘着剤を用いる。
また、第1接合剤層5は、形成材料である粘着剤の硬度が高過ぎると、画像表示パネル1と偏光板2との間での緩衝材としての機能や、遮光層4によって形成される凹形状部分を埋める充填機能等が阻害されるため、好ましくない。これに対して、粘着剤は、低弾性で、かつ、高粘性であることが、充填機能等を阻害しないために必要な事項となる。
さらに、第1接合剤層5は、貼合後の保持力が小さ過ぎると、画像表示パネル1と偏光板との間の平面的な位置合わせ状態を保つことが困難となる。特に、既に説明したような高温環境下に一定時間以上置かれる場合を考慮すると、クリープ特性が小さくなければ、位置合わせ状態を保つことが困難となる。その一方で、貼合後の保持力が大き過ぎると、例えば不具合時に、第1接合剤層5による貼合箇所を剥がし、再度貼り合せることが不可能となることから、好ましくない。
これらのことから、第1接合剤層5は、形成材料である粘着剤の弾性、粘性およびクリープ特性が、以下に述べるように設定されているものとする。
図7は、何種類かの粘着剤層について、粘着剤弾性および粘着剤粘性を比較検討した結果を示している。
また、図8(a)は、粘着剤層について、クリープ力を比較検討した結果を示している。なお、粘着剤のクリープ力(接着強度)は、図8(b)に示すように、80℃の温度下で1kgの荷重を与えた状態での1時間後のズレ量(mm)を指標としている。
図7,8に示すように、このような条件で、粘着剤弾性、粘性およびクリープ特性を実測し、比較検討した結果、30〜70℃での貯蔵剛性率(弾性に相当)が0より大きく70000Pa以下であり、損失剛性率(粘性に相当)が0より大きく20000Pa以下であり、またクリープ特性としても0.3mm以下であることが、接合面全域について、遮光層4による凹凸形状に追従しながらこれらの間を埋め、また外観上も問題なく、正確に位置決めされた状態を維持できることが判明した。
したがって、第1接合剤層5は、形成材料である粘着剤の30〜70℃での貯蔵剛性率が0より大きく70000Pa以下の範囲にあり、損失剛性率が0より大きく20000Pa以下の範囲にあり、そしてこれらの条件を満たすことでクリープ特性が0.3mm以下となるように設定されているものとする。
また、いずれの構成例の場合であっても、第1貼合工程で用いる第1接合剤層5または第2貼合工程で用いる第2接合剤層7として、上述したような粘着剤ではなく、他の粘着剤や接着剤を用いることも考えられる。
ところで、第1貼合工程または第2貼合工程において、画像表示パネル1、偏光板2、位相差素子3、遮光層4等についての貼り合わせを行う際には、パネルサイズが大型化するほど、その貼り合わせ時に微小な気泡等を巻き込む可能性が高くなる。また、画像表示パネル1または位相差素子3若しくは遮光層4の頂面についての面精度等を高く維持することが困難となることから、それぞれの間の貼合面にうねり等が生じて平面均一性が乏しくなる可能性が高く、局所的な隙間が生じたり、それぞれの間の密着性や離間距離等が均一ではなくなるおそれもある。
これらのことから、画像表示パネル1、偏光板2、位相差素子3、遮光層4等についての貼り合わせに際しては、貼合用ローラを用いて加圧しながら、当該貼り合わせを行うようにする。
なお、図例では、第1貼合工程における圧着処理を例に挙げているが、第2貼合工程についても全く同様に適用することは可能である。
具体的には、図9(b)に示すように、最適条件エリアに属する加圧力で加圧を行い、かつ、当該最適条件エリアに属する速度で走行させる。加圧力が小さかったり、速度が大き過ぎたりすると、気泡等を巻き込む可能性が高くなるからである。
この最適条件エリアについては、実験等の経験則を通じて導き出すことが考えられる。図例では、後述する支持子32の上下位置(クリアランス)を0.4mmとした場合の貼合用ローラ31の加圧力と走行速度との関係を示している。ただし、上下位置は、貼り合せる遮光層4、偏光板2、位相差素子3等の厚み、大きさ等に任意により調整が必要であり、それに伴って加圧力と走行速度との関係についても当然に異なったものとなる。
具体的には、図9(a)に示すように、偏光板2を含む積層体の端縁位置を支持子32によって支持し、これにより画像表示パネル1と偏光板2を含む積層体との間に隙を存在させる。そして、偏光板2を含む積層体の端縁位置を貼合用ローラ31の走行状態に連動して移動させる。すなわち、貼合用ローラ31が支持子32に近づくのに伴って、画像表示パネル1と偏光板2を含む積層体との間隙が小さくなるように、支持子32の位置を移動させる。
なお、貼合用ローラ31の走行およびこれに対する支持子32の連動を行う機構等については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその詳細な説明を省略する。
しかも、貼合用ローラ31による加圧力および走行速度についても、気泡等の巻き込みを抑制する上で最適化されたものとなっている。
次に、以上のような製造方法によって得られる立体画像表示装置の作用効果を説明する。
図10〜13は、本発明に係る立体画像表示装置の作用効果の概要を具体的に示す説明図である。
これらを比べると、本実施形態の立体画像表示装置は、従来構成品に比べて、遮光層4が画像表示パネル1に近い位置に存在していることが明らかである。したがって、本実施形態の立体画像表示装置では、同一の視野角についてクロストーク現象の発生を防止するのであれば、従来構成品に比べて、遮光層4の形成幅が小さくて済む。つまり、図中におけるθ1=θ2の場合であれば、W1<W2の関係が成立することになる。
クロストーク率については、一般に、図11に示すように定義される。なお、クロストーク率7%は、ほとんどの観者が違和感なく、疲労感を感じないで、立体画像として見ることのできる限界レベルに相当するものである。
具体的には、図12に示すように、従来構成品に比べて画面輝度が改善することがわかった。なお、立体視野角と画面輝度の関係は図例のような直線的なデータとなるが、40インチ画面を観賞する上で支障を来さない範囲まで改善に寄与することが実験によって確認されている。
図14は、本発明の他の実施の形態における立体画像表示装置の概略構成例を示す説明図である。なお、上述した実施の形態の場合と同一の構成要素については、図中において同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
そして、画像表示パネル1aと位相差素子3との間は、接合剤層5aによって貼合されている。この接合剤層5aは、上述した実施の形態における第1接合剤層5と同様に構成したものであればよい。
また、画像表示パネル1aと位相差素子3との間には、遮光層4およびダミー遮光層10が介在している。そして、遮光層4および当該ダミー遮光層10の頂面と画像表示パネル1aとの間には、接合剤層5aが介在していないことによって、空気層6が形成されている。
他は、上述した実施の形態の場合と同様に構成されている。
したがって、観者が各画像に合った左右異なる偏光角を持つ偏光眼鏡を掛ければ、当該観者にとっては、右目には右目用画像が、左目には左目用画像が、各々独立して入射することになるので、その結果として立体画像が視認可能になるのである。
また、画像表示パネル1aと位相差素子3との間に、右目用画像表示部3aと左目用画像表示部3bとの境界部分に対応して遮光層4が配設されている。そのため、例えば観者が斜め方向から見た場合であっても、当該遮光層4によって遮光されることで、右目用画像が左目用画像表示部3bを通過したり、左目用画像が右目用画像表示部3aを通過したりすることがない。つまり、クロストーク現象の発生を未然に防止することができる。
しかも、その場合に、接合剤層5aによる貼合については、画像表示パネル1aと位相差素子3との間に遮光層4による凹凸が存在しても、当該遮光層4のない凹部分、すなわち光が透過する部分に、当該凹部分の形状に追従するように、接合剤層5aが介在していることになる。つまり、当該凹部分には、接合剤層5aが充填され、空気層が生じてしまうことがない。したがって、当該空気層での光屈折作用に起因する表示画像の画質低下を招くことがない。
その一方で、遮光層4の頂面と画像表示パネル1aとの間を除くように接合剤層5aを介在させれば、当該遮光層4の頂面と当該画像表示パネル1との間には空気層6が存在することになる。したがって、当該空気層6が貼合時に生じ得る歪みを逃がすように作用し、その結果として貼合後における面内貼り合わせ応力分布状態の不均一さが緩和されるようになる。また、当該空気層6が存在する箇所は、遮光層4の頂面と画像表示パネル1aとの間、すなわち当該遮光層4によって光が遮られる箇所である。そのため、当該空気層6が存在していても、当該遮光層4のない凹部分の場合とは異なり、表示画像の画質低下を招く要因となることがない。つまり、接合剤層5aによる貼合にあたり、遮光層4の頂面と画像表示パネル1aとの間を除くように当該接合剤層5aを介在させれば、遮光層4による凹凸が存在する場合であっても、不要な空気層での光屈折作用に起因する画質低下を抑制しつつ、必要な空気層6により応力分布状態の面内不均一に起因する画質低下についても抑制できるので、その結果として画像表示パネル1と偏光板2との貼合を適切に行うことができる。
立体画像表示装置の製造にあたっては、少なくとも、アニール工程と、遮光層形成工程と、位置決め工程と、貼合工程と、を含むものとする。
アニール工程および位置決め工程は、上述した実施の形態の場合と同様に行えばよい。また、貼合工程は、上述した実施の形態の場合における第1貼合工程と同様に行えばよい。
図15は、遮光層形成工程の概要の一具体例を示す説明図である。
遮光層形成工程では、先ず、図15(a)に示すように、位相差素子3における遮光層4の形成面上(画像表示パネル1a側の面上)に、接合剤層5aを一様の厚さで形成する。つまり、先ず、接合剤層形成工程を実施するのである。
そのためには、遮蔽層4を転写した後基材シート4aを剥離する際に、基材シート4aに付着した接合剤層5aが遮蔽層4を巻き込んでしまい、遮蔽層4が転写されずに基材シート4aと共に剥離されてしまうといった事態の発生を、未然に防止する必要がある。基材シート4aの剥離作業中に遮蔽層4まで剥離されないか否かについての監視等が必要になると、作業効率の悪化を招くからである。さらには、基材シート4aの剥離作業は、一定のスピードを保ちながら効率よく行わないと、当該基材シート4aが接合剤層5aに形状を与えてしまい、ライン状のキズが発生する要因となるからである。
したがって、ダミー遮光層10を設けておけば、基材シート4aからの剥離を経て遮光層4を画像表示パネル1aと位相差素子3との間に介在させる場合に、当該基材シート4aの端縁側から剥離作業を行っても、ダミー遮光層10の存在により、遮蔽層4が転写されずに基材シート4aと共に剥離されてしまうという事態の発生を抑制することができる。
つまり、例えばダミー遮光層10を設けない場合には、遮光層4の配設箇所の外周側に当該遮光層4もダミー遮光層10も存在しないので、接合剤層5aが占める面積の割合が大きくなり、当該接合剤層5aによる接合強度が強くなり過ぎてしまい、そのために最外周部分の遮蔽層4が基材シート4aの剥離の際に欠落してしまったり、接合剤層5aの剥離ムラが発生したりすることが考えられる。ところが、画像表示パネル1aにおける画像表示領域外にダミー遮光層10を存在させれば、当該画像表示パネル1aにおける画像表示領域内と画像表示領域外での接合剤層5aによる接合強度の均一化が図れるので、遮蔽層4の欠落や接合剤層5aの剥離ムラ等といった不都合が発生するのを未然に回避することができる。
しかも、ダミー遮光層10は、画像表示パネル1aにおける画像表示領域外に位置しているため、当該画像表示パネル1aによる画像表示を阻害してしまうこともない。
例えば、ダミー遮光層10が凹凸状に形成されていない場合について考えると、画像表示パネル1aの画像表示領域外では、画像表示領域内における遮光層4の面積密度とは異なる可能が非常に高くなる。その一方で、遮光層貼合工程の際には、接合剤層形成工程で一様の厚さで形成された接合剤層5aに対して、遮光層4およびダミー遮光層10が形成された基材シート4aの貼り合わせを行う。したがって、遮光層貼合工程の際に、画像表示パネル1aの画像表示領域外では、画像表示領域内に比べて、貼り合わせによって押し出される接合剤層5aの量が多くなり、その押し出された接合剤層5aに気泡等が混入してしまうおそれが生じる。このような気泡等の混入は、表示画像の欠陥に直結するため、その発生を未然に防止する必要がある。
これに対して、ダミー遮光層10に形成された凹凸状によって、画像表示パネル1aの画像表示領域内外での面積密度を同等にすれば、遮光層貼合工程の際に当該画像表示領域内外での接合剤層5aの押し出し量に差が生じることはない。したがって、遮光層貼合工程の際に気泡混入等の欠陥が発生してしまうことを未然に防止することができる。
さらには、規則的なメッシュ格子であるが故に、画像表示領域内外での面積密度の分布の均一化が図れる。つまり、接合剤層5aの硬度や粘性等に拘らずに、遮光層貼合工程の際の当該接合剤層5aの押し出し量に偏り等が生じることはない。したがって、気泡混入等の欠陥発生を防止する上で非常に有効なものとなる。
Claims (8)
- 右目用画像と左目用画像とを面内で規則的に混在させて表示する画像表示パネルと、
前記右目用画像と前記左目用画像で互いに異なる偏光状態となるように偏光を行う前記右目用画像に対応する右目用画像表示部および前記左目用画像に対応する左目用画像表示部を有する位相差素子と、
前記位相差素子における前記右目用画像表示部と前記左目用画像表示部との境界を含む領域部分に対応するように、前記画像表示パネルと前記位相差素子との間に配設された遮光層と、
前記画像表示パネルにおける画像表示領域外にて前記遮光層の配設箇所の外周側を囲うように当該遮光層と同層に形成されたダミー遮光層と、
前記遮光層および前記ダミー遮光層を介在させた状態で前記画像表示パネルと前記位相差素子との間を貼合する接合剤層と
を備える立体画像表示装置。 - 前記画像表示パネルと前記位相差素子との間に配される偏光板を備えるとともに、
前記接合剤層として、
前記遮光層および前記ダミー遮光層を介在させた状態で前記画像表示パネルと前記偏光板との間を貼合する第1接合剤層と、
前記偏光板と前記位相差素子との間を貼合する第2接合剤層と
を有する請求項1記載の立体画像表示装置。 - 前記ダミー遮光層は、前記接合剤層による貼合面が凹凸状に形成されているとともに、当該凹凸状における凸部分の面積密度が前記画像表示パネルの画像表示領域内における前記遮光層の面積密度と同等に形成されている
請求項1または2記載の立体画像表示装置。 - 前記ダミー遮光層における前記凹凸状は、規則的なメッシュ格子によって形成されている
請求項3記載の立体画像表示装置。 - 右目用画像と左目用画像とを面内で規則的に混在させて表示する画像表示パネルの画像出力面側を覆うように配された偏光板と、前記右目用画像に対応する右目用画像表示部および前記左目用画像に対応する左目用画像表示部を有するとともに当該右目用画像表示部と当該左目用画像表示部が互いに異なる偏光状態を実現するように構成された位相差素子との間に、第2接合剤層を介在させて、当該偏光板と当該位相差素子とを互いに貼合する偏光板貼合工程と、
前記偏光板における前記画像表示パネルの側の面上に、第1接合剤層を形成する接合剤層形成工程と、
基材シート上に、前記右目用画像表示部と前記左目用画像表示部との境界を含む領域部分に対応するように配される遮光層と、前記画像表示パネルにおける画像表示領域外にて前記遮光層の配設箇所の外周側を囲うように当該遮光層と同層に配されるダミー遮光層と、を形成する遮光層形成工程と、
前記偏光板における前記第1接合剤層の形成面に対して、前記遮光層および前記ダミー遮光層が面した状態で当該遮光層および当該ダミー遮光層が形成された前記基材シートを貼り合わせ、その後に当該基材シートを剥離する遮光層貼合工程と、
前記遮光層および前記ダミー遮光層の貼合後の前記偏光板における前記第1接合剤層の形成面に対して、当該遮光層および当該ダミー遮光層の配設箇所を除く箇所に当該第1接合剤層を介在させて、前記画像表示パネルを貼合するパネル貼合工程と
を含む立体画像表示装置の製造方法。 - 右目用画像に対応する右目用画像表示部および左目用画像に対応する左目用画像表示部を有するとともに当該右目用画像表示部と当該左目用画像表示部が互いに異なる偏光状態を実現するように構成された位相差素子の面上に、接合剤層を形成する接合剤層形成工程と、
基材シート上に、前記右目用画像表示部と前記左目用画像表示部との境界を含む領域部分に対応するように配される遮光層と、前記右目用画像と前記左目用画像とを面内で規則的に混在させて表示する画像表示パネルにおける画像表示領域外にて前記遮光層の配設箇所の外周側を囲うように当該遮光層と同層に配されるダミー遮光層と、を形成する遮光層形成工程と、
前記位相差素子における前記接合剤層の形成面に対して、前記遮光層および前記ダミー遮光層が面した状態で当該遮光層および当該ダミー遮光層が形成された前記基材シートを貼り合わせ、その後に当該基材シートを剥離する遮光層貼合工程と、
前記遮光層および前記ダミー遮光層の貼合後の前記位相差素子における前記接合剤層の形成面に対して、当該遮光層および当該ダミー遮光層の配設箇所を除く箇所に当該接合剤層を介在させて、前記画像表示パネルを貼合するパネル貼合工程と
を含む立体画像表示装置の製造方法。 - 前記ダミー遮光層は、前記接合剤層による貼合面が凹凸状に形成されているとともに、当該凹凸状における凸部分の面積密度が前記画像表示パネルの画像表示領域内における前記遮光層の面積密度と同等に形成されている
請求項5または6記載の立体画像表示装置の製造方法。 - 前記ダミー遮光層における前記凹凸状は、規則的なメッシュ格子によって形成されている
請求項7記載の立体画像表示装置の製造方法。
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