以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図11は本発明の一実施例を示すものであり、図1はエンジンの部分縦断面図であって図2の1−1線断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線矢視図、図4はリフト可変機構の側面図、図5はリフト可変機構の分解斜視図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図3の7矢視図、図8はリフト可変機構の作用説明図、図9は機関弁のリフト曲線を示す図、図10は図3の要部拡大図、図11はコントロールアームの回転角とセンサアームの回転角との関係を示すグラフである。
先ず図1において、直列多気筒であるエンジンEのエンジン本体10は、内部にシリンダボア11…が設けられたシリンダブロック12と、シリンダブロック12の頂面に結合されたシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14の頂面に結合されるヘッドカバー16とを備え、各シリンダボア11…にはピストン13…が摺動自在に嵌合され、各ピストン13…の頂部を臨ませる燃焼室15…がシリンダブロック12およびシリンダヘッド14間に形成される。
シリンダヘッド14には、各燃焼室15…に通じ得る吸気ポート17…および排気ポート18…が設けられており、各吸気ポート17…が一対の機関弁である吸気弁19…でそれぞれ開閉され、各排気ポート18が一対の排気弁20…でそれぞれ開閉される。吸気弁19のステム19aはシリンダヘッド14に設けられたガイド筒21に摺動自在に嵌合され、ステム19aの上端部に設けられるばねシート22ならびにシリンダヘッド14に当接されるばねシート23間に設けられる弁ばね24によって各吸気弁19…は閉弁方向に付勢される。また排気弁20のステム20aはシリンダヘッド14に設けられるガイド筒25に摺動自在に嵌合され、ステム20aの上端部に設けられるばねシート26ならびにシリンダヘッド14に当接されるばねシート27間に設けられる弁ばね28によって各排気弁20…は閉弁方向に付勢される。
図2を併せて参照して、シリンダヘッド14には、各気筒の両側に配置される支持壁44a…を有するホルダ44が一体に設けられており、各支持壁44a…には、吸気カムホルダ46…および排気カムホルダ48…を協働して構成するキャップ45…,47…が結合される。而して吸気カムホルダ46…には吸気カムシャフト31が回転自在に支承され、排気カムホルダ48…には排気カムシャフト32が回転自在に支承され、吸気弁19…は吸気カムシャフト31によってリフト可変機構33を介して駆動され、排気弁20…は排気カムシャフト32によってリフト・タイミング可変機構34を介して駆動される。
排気弁20…を駆動するリフト・タイミング可変機構34は周知のものであり、ここではその概略を説明する。排気カムホルダ48…における支持壁44a…で支持された排気ロッカシャフト35には、一対の低速用ロッカアーム36,36の一端部と、単一の高速用ロッカアーム37の一端部とが枢支されており、低速用ロッカアーム36,36の中間部に軸支されたローラ38,38に排気カムシャフト32に設けられた2個の低速用カム39,39が当接し、高速用ロッカアーム37の中間部に軸支されたローラ40に排気カムシャフト32に設けられた高速用カム41が当接する。また低速用ロッカアーム36,36の他端には、排気弁20…のステム20a…の上端に当接するタペットねじ42…が進退位置を調節可能として螺合される。
しかも両低速用ロッカアーム36,36および高速用ロッカアーム37は、油圧の制御によって連結および連結解除を切換可能であり、エンジンEの低速運転時に、低速用ロッカアーム36,36および高速用ロッカアーム37の連結を解除すると、低速用ロッカアーム36,36は対応する低速用カム39,39により駆動され、排気弁20…は低リフト・低開角で開閉される。またエンジンEの高速運転時に、低速用ロッカアーム36,36および高速用ロッカアーム37を連結すると、高速用ロッカアーム37は対応する高速用カム41により駆動され、高速用ロッカアーム37に結合された低速用ロッカアーム36,36により、排気弁20…は高リフト・高開角で開閉される。このように、リフト・タイミング可変機構34により、排気弁20…のリフトおよびタイミングが2段階に制御される。
次に図3〜図7を併せて参照しつつリフト可変機構33の構造を説明すると、該リフト可変機構33は、吸気カムシャフト31に設けられる動弁カム69に当接するカム当接部としてのローラ65を有するロッカアーム63と、該ロッカアーム63に一端部が回動可能に連結されるとともに他端部がエンジン本体10の固定位置に回動可能に支承される第1リンクアーム61と、前記ロッカアーム63に一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が変位可能な可動軸68aで回動可能に支承される第2リンクアーム62とを備える。
ロッカアーム63の一端部には、一対の吸気弁19…におけるステム19a…の上端に上方から当接するタペットねじ70,70が進退位置を調節可能として螺合される弁連結部63aが設けられる。またロッカアーム63の他端部は吸気弁19…とは反対側に開くようにして略U字状に形成されており、第1リンクアーム61の一端部を回動可能に連結するための第1支持部63bと、第2リンクアーム61の一端部を回動可能に連結する第2支持部63cとが、第1支持部63bの下方に第2支持部63cが配置されるようにしてロッカアーム63の他端部に設けられる。しかも吸気カムシャフト31の動弁カム69に転がり接触するローラ65は略U字状である第1支持部63bに挟まれるように配置されるものであり、第1リンクアーム61の一端連結部と同軸にして第1支持部63bに軸支される。
またロッカアーム63は、動弁カム69の回転軸線に沿う方向での前記弁連結部63aの幅を他の部分の幅よりも大きくして形成されるものであり、第1および第2支持部63b,63cの幅は同一に形成される。
第1リンクアーム61は、ロッカアーム63を両側から挟む一対の第1連結部61a,61aと、円筒状の固定支持部61bと、両第1連結部61a,61aおよび固定支持部61b間を結ぶ一対の腕部61c,61cとを有して略U字状に形成される。
第1リンクアーム61の一端部の第1連結部61a,61aは、ロッカアーム63の第1支持部63bに設けられた第1連結孔49に挿通、固定された円筒状の第1連結軸64を介して前記ロッカアーム63の他端部の第1支持部63bに回動可能に連結されており、前記ローラ65も第1連結軸64を介して第1支持部63bに軸支される。また第1支持部63bのうち前記吸気カムシャフト31に対向する部分の外側面ならびに第1リンクアーム61における第1連結部61a,61の外側面は、側面視では重なるようにして第1連結軸64の軸線を中心とする円弧状に形成される。
第1リンクアーム61の下方に配置される第2リンクアーム62は、その一端部に第1連結部62aを有するとともに他端部に可動支持部62bを有するものであり、第2連結部62aは、略U字状に形成されている第2支持部63bに挟まれるように配置される。第2支持部63cには、第1支持部63bの第1連結孔49とともに前記両吸気弁19…の開閉作動方向すなわち上下方向に並ぶ第2連結孔50が設けられており、第2連結部62aは、第2連結孔50に挿通、固定される第2連結軸66を介して第2支持部63cに回動可能に連結される。
すなわち動弁カム69に当接する前記ローラ65を他端側上部に有するロッカアーム63の一端部が一対の吸気弁19…に連動、連結され、上方の第1リンクアーム61がその一端部に有する第1連結部61a,61aと、第1リンクアーム61の下方に配置される第2リンクアーム62がその一端部に有する第2連結部62aとが、ロッカアーム63の他端部に上下に並列して相対回動可能に連結されることになる。
ところで前記ロッカアーム63には、略U字状である第1および第2支持部63b,63c間を結ぶ一対の連結壁63d…が一体に設けられる。しかも連結壁63d…は、前記両吸気弁19…側で第1および第2連結孔49,50の外縁に接する接線Lに対して前記両吸気弁19…とは反対側に少なくとも一部が配置されるようにして、第1および第2支持部63b,63c間を連結するように形成される。
また連結壁63d…には、第2リンクアーム62の他端部の可動支持部62bがロッカアーム63側に最も近づいた状態で可動軸68aに対向する位置に配置されるようにして凹部51…が形成される。さらに前記連結壁63d…には、たとえば外側面から内方側に凹むようにして、肉抜き部52…が形成される。
第1リンクアーム61の他端部の固定支持部61bは、エンジン本体10に設けられる吸気カムホルダ46…の下部を構成するようにして前記固定支持部61bの両側に配置される支持壁44a…に、固定支軸67を介して回動可能に支承されるものであり、固定支軸67は前記両支持壁44a…に固定的に支持される。
図6に特に注目して、前記支持壁44a…には、第1リンクアーム61の固定支持部61b側に突出するようにして一対の支持ボス53,53が一体に突設される。これらの支持ボス53…には、前記固定支持部61bの両端面に摺接し得る小径軸部53a…と、小径軸部53a…の基端部を囲むようにして固定支持部61bの両端面に間隔をあけて対向する段部53b…とが設けられ、固定支軸67は、小径軸部53a…を同軸に貫通するようにして支持ボス53…で固定的に支持される。
ところで、両吸気弁19…は弁ばね24…で閉弁方向にばね付勢されるものであり、閉弁方向にばね付勢されている両吸気弁19…をロッカアーム63で開弁方向に駆動しているときにロッカアーム63のローラ65は、弁ばね24…の働きによって動弁カム69に当接しているのであるが、吸気弁19…の閉弁状態では、弁ばね24…のばね力はロッカアーム63に作用することはなく、ローラ65が動弁カム69から離れてしまい、吸気弁19…の微小開弁時における弁リフト量の制御精度が低下してしまう可能性がある。そこで、第1リンクアーム61の他端部の固定支持部61bの両面と、固定支持部61bの両側に配置される支持壁44a…に突設された支持ボス53…との間に介装される介在物であるねじりばね54…が、弁ばね24…とは別に設けられ、このねじりばね54…によりロッカアーム63は、前記ローラ65を動弁カム69に当接させる方向に付勢される。
前記ねじりばね54…は、前記支持ボス53…における小径軸部53a…を介して前記固定支軸67を囲繞するように配置され、エンジン本体10およびロッカアーム63間に設けられる。すなわち前記小径軸部53a…を囲繞するねじりばね54…の一端は、前記支持ボス53…の段部53b…に植設された係止ピン55…に係合され、ねじりばね54…の他端は、ロッカアーム63と一体に作動する中空の第1連結軸64内に挿入、係合される。
ところで、第1リンクアーム61の他端部の固定支持部61bは、コイル状に巻かれている前記ねじりばね54…の外周よりも側面視では内方に外周が配置されるようにして円筒状に形成されるものであり、固定支持部61bの軸方向両端部には、ねじりばね54…が固定支持部61b側に倒れるのを阻止する複数たとえば一対の突部56,57が、周方向に間隔をあけてそれぞれ突設され、それらの突部56,57は、第2リンクアーム62の作動範囲を避けて配置される。
エンジン本体10には、ロッカアーム63の他端部に第1および第2リンクアーム61,62の一端部の第1連結部61a…および第2連結部62aを連結するようにして上下に並ぶ位置に配置される第1および第2連結軸64,66のうち上方の連結軸に向けてオイルを供給するオイル供給手段としてのオイルジェット58…が固定配置されるものであり、この実施例では、第1および第2連結軸64,66のうち上方の連結軸である第1連結軸64に向けてオイルを供給するオイルジェット58…が、エンジン本体10に設けられた吸気カムホルダ46…におけるキャップ45…に固定的に取付けられる。
しかもロッカアーム63の他端側上部には、ローラ65を両側から挟むようにして略U字状に形成される第1支持部63bが設けられ、第1リンクアーム61の一端部の第1連結部61a…が、前記ローラ65を軸支する第1連結軸64を介して第1支持部63bに回動可能に連結されており、前記オイルジェット58…は、第1リンクアーム61の第1連結部61a…および第1支持部63bの合わせ面に向けてオイルを供給するようにして前記キャップ45…に配設される。
第2リンクアーム62がその他端部に有する可動支持部62bを回動可能に支承する可動軸68aは、クランク部材68に設けられる。このクランク部材68は、第2リンクアーム62の作動平面と平行な平面に配置される連結板68bの両端に、前記可動軸68aおよび支軸68cが相互に反対方向に突出するようにして直角に設けられて成るものであり、前記支軸68cは、エンジン本体10におけるヘッドカバー16に設けられる支持孔16aに回転自在に支持される。
而してロッカアーム63が図4に示す上昇位置にあるとき、すなわち吸気弁19…が閉弁状態にあるときに、ロッカアーム63の下部を枢支する第2連結軸66の軸線C上にクランク部材68の支軸68cが同軸に配置される(図5参照)ものであり、したがってクランク部材68が支軸68cの軸線まわりに揺動すると、可動軸68aは支軸68cを中心とする円弧A(図4参照)上を移動することになる。
前記クランク部材68の支軸68cは、ヘッドカバー16の支持孔16aから突出するものであり、この支軸68cの先端にコントロールアーム71が固定され、該コントロールアーム71がシリンダヘッド14の外壁に取付けられた駆動手段としてのアクチュエータモータ72によって駆動される。すなわちアクチュエータモータ72により回転するねじ軸73にナット部材74が噛み合っており、ナット部材74にピン75で一端を枢支された連結リンク76の他端が、ピン77,77を介してコントロールアーム71に連結される。したがってアクチュエータモータ72を作動せしめると、回転するねじ軸73に沿ってナット部材74が移動し、ナット部材74に連結リンク76を介して連結されたコントロールアーム71によって支軸68cまわりにクランク部材68が揺動することで、可動軸68aが図8(A)の位置と図8(B)の位置との間を移動する。
ヘッドカバー16の外壁面に、例えばロータリエンコーダのような回転角センサ80が設けられており、そのセンサ軸80aの先端にセンサアーム81の一端が固定される。コントロールアーム71には、その長手方向に沿って直線状に延びるガイド溝82が形成されており、そのガイド溝82にセンサアーム81の他端に設けた連結軸83が摺動自在に嵌合する。
ねじ軸73、ナット部材74、ピン75、連結リンク76、ピン77,77、コントロールアーム71、回転角センサ80、センサアーム81および連結軸83は、シリンダブロック14およびヘッドカバー16の側面から突出する壁部14a,16bの内側に収納され、壁部14a,16bの端面を覆うカバー78がボルト79…で壁部14a,16bに固定される。
前記リフト可変機構33において、アクチュエータモータ72でコントロールアーム71が図3の実線位置から反時計方向に回動すると、コントロールアーム71に連結されたクランク部材68(図5参照)が反時計方向に回動し、図8(A)に示すようにクランク部材68の可動軸68aが上昇する。この状態で吸気カムシャフト31の動弁カム69でローラ65が押圧されると、固定支軸67、第1連結軸64、第2連結軸68および可動軸68aを結ぶ四節リンクが変形してロッカアーム63が鎖線位置から実線位置へと下方に揺動し、タペットねじ70,70が吸気弁19のステム19a…を押圧し、吸気弁19…を高リフトで開弁する。
アクチュエータモータ72でコントロールアーム71が図3の実線位置に回動すると、コントロールアーム71に連結されたクランク部材68が時計方向に回動し、図8(B)に示すようにクランク部材68の可動軸68aが下降する。この状態で吸気カムシャフト31の動弁カム69でローラ65が押圧されると、前記四節リンクが変形してロッカアーム63が鎖線位置から実線位置へと下方に揺動し、タペットねじ70,70が吸気弁19…のステム19aを押圧し、吸気弁19…が低リフトで開弁する。
図9は吸気19のリフト曲線を示しており、図8(A)に対応する高リフト時の開角と、図8(B)に対応する低リフト時の開角とは同一であり、リフト量だけが変化している。このように、リフト可変機構33を設けたことにより、吸気弁19…の開角を変更せずに、リフト量だけを任意に変更することができる。
ところで、アクチュエータモータ72でクランク部材68を揺動させて吸気弁19…のリフトを変更する際に、リフトの大きさ、つまりクランク部材68の支軸68cの回動角を検出してアクチュエータモータ72の制御にフィードバックする必要がある。そのために、クランク部材68の支軸68cの回動角を回転角センサ80で検出するようになっている。クランク部材68の支軸68cの回動角を単に検出するだけなら、前記支軸68cに回転角センサを直結すれば良いが、低リフトの領域ではリフト量が僅かに変化しただけで吸気効率が大きく変化するため、クランク部材68の支軸68cの回動角を精度良く検出してアクチュエータモータ72の制御にフィードバックする必要がある。それに対して、高リフトの領域ではリフト量が多少変化しても吸気効率が大きく変化しないため、前記回転角の検出にそれほど高い精度は要求されない。
図10に実線で示すコントロールアーム71の位置は低リフトの領域に対応し、そこから反時計方向に揺動した鎖線で示すコントロールアーム71の位置は高リフトの領域に対応している。低リフトの領域では、回転角センサ80のセンサ軸80aに固定したセンサアーム81の連結軸83がコントロールアーム71のガイド溝82の先端側(軸線Cから遠い側)に係合しているため、コントロールアーム71が僅かに揺動しただけでセンサアーム81は大きく揺動する。すなわちクランク部材68の回動角に対するセンサ軸80aの回動角の比率が大きくなり、回転角センサ80の分解能が高まってクランク部材68の回動角を高精度で検出することができる。
一方、コントロールアーム71が鎖線で示す位置に揺動した高リフトの領域では、回転角センサ80のセンサ軸80aに固定したセンサアーム81の連結軸83がコントロールアーム71のガイド溝82の基端側(軸線Cに近い側)に係合しているため、コントロールアーム71が大きく揺動してもセンサアーム81は僅かしか揺動しない。すなわちクランク部材68の回動角に対するセンサ軸80aの回動角の比率が小さくなり、クランク部材68の回動角の検出精度は低リフト時に比べて低くなる。
図11のグラフから明らかなように、コントロールアーム71の回転角が低リフト状態から高リフト状態に向かって増加してゆくと、最初はセンサアーム81の角度の増加率が高いために検出精度が高くなるが、次第に前記増加率が低くなって検出精度が低くなることが分かる。
このように、高価で検出精度の高い回転角センサを用いずとも、回転角センサ80のセンサアーム81をコントロールアーム71のガイド溝82に係合させることで、高い検出精度を必要とする低リフト状態における検出精度を確保し、コストダウンに寄与することができる。
このとき、コントロールアーム71の一端側(支軸68cに近い側)とセンサアーム81の一端側(回転角センサ80に近い側)とを接近させて配置し、コントロールアーム71の一端側にガイド溝82を形成したので、センサアーム81の長さを短くしてコンパクト化することができる。またコントロールアーム71の一端側にガイド溝82を形成すると、軸線Cからの距離が小さくなってガイド溝82の円周方向の移動量も小さくなるが、センサアーム81の長さも短くなるため、センサアーム81の回動角を充分に確保して回転センサ80の検出精度を確保することができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、吸気弁19…の開弁リフト量を連続的に変化させるためのリフト可変機構33において、第1および第2リンクアーム61,62がその一端部に有する第1および第2連結部61a,61a;62aは、一対の吸気弁19…に連動、連結される弁連結部63aを一端部に有するロッカアーム63の他端部に並列して相対回動可能に連結され、第1リンクアーム61の他端部の固定支持部61bはエンジン本体10に支持される固定支軸67に回動可能に支承され、第2リンクアーム62の他端部の可動支持部62bは変位可能な可動軸68aで回動可能に支承されている。
したがって可動軸68aを無段階に変位させることで吸気弁19…のリフト量を無段階に変化させることが可能であり、しかも第1および第2リンクアーム61,62の一端部がロッカアーム63に回動可能として直接連結されており、両リンクアーム61,62を配置するスペースを少なくして動弁装置のコンパクト化を図ることができ、動弁カム69からの動力がロッカアーム63のローラ65に直接伝達されるので動弁カム69に対する優れた追従性を確保することができる。また吸気カムシャフト31の軸線に沿う方向でのロッカアーム63、第1および第2リンクアーム61,62の位置をほぼ同一位置に配置することができ、吸気カムシャフト31の軸線に沿う方向での動弁装置のコンパクト化を図ることができる。
しかも一対の吸気弁19…にそれぞれ当接するタペットねじ70…がその進退位置を調節可能として螺合される弁連結部73aと、第1および第2リンクアーム61,62の一端部を回動可能に連結する第1および第2支持部63b,63cとを有するロッカアーム63が、動弁カム69の回転軸線に沿う方向での弁連結部63aの幅を他の部分の幅よりも大きくして形成されているので、動弁カム69の回転軸線に沿う方向でのロッカアーム63の幅を極力小さくすることを可能とし、これによっても動弁装置のコンパクト化を図ることができる。それに加えて、ロッカアーム63は、第1および第2支持部63b,63cの幅を同一として形成されるので、ロッカアーム63を、その形状の単純化を図りつつコンパクト化することができる。
またロッカアーム63に設けられる第1支持部63bは、ローラ65を両側から挟むようにして略U字状に形成されており、ローラ65が第1支持部63bで回転可能に支承されるので、ローラ65を含むロッカアーム63全体をコンパクトに構成することができる。しかも第1リンクアーム61の一端部には、第1支持部63bを両側から挟む一対の第1連結部61a…が設けられ、両第1連結部61a…が第1連結軸64を介して第1支持部63bに回動可能に連結され、ローラ65が第1連結軸64を介して第1支持部63bに軸支されるので、第1リンクアーム61の一端部の第1支持部63bへの回動可能な連結、ならびに前記ローラ65の第1支持部63bへの軸支を共通の第1連結軸64で達成するようにして、部品点数の低減化を図るとともに動弁装置をよりコンパクト化することができる。
ロッカアーム63の第1および第2支持部63b,63cには、第1および第2リンクアーム61,62の一端部をそれぞれ回動可能に連結するための第1および第2連結軸64,66を挿通せしめる第1および第2連結孔49,50が、両吸気弁19…の開閉作動方向に並ぶようにして設けられており、両吸気弁19…側で第1および第2連結孔49,50の外縁に接する接線Lに対して両吸気弁19…とは反対側に少なくとも一部が配置される連結壁63d…で、第1および第2支持部63b,63c間が連結されるので、第1および第2支持部63b,63cの剛性を高めることができる。。
また第2リンクアーム62の他端部の第2連結部62aがロッカアーム63側に最も近づいた状態で前記第2連結部62aに対向するようにして連結壁63d…に凹部51…が形成されており、第2リンクアーム62の第2連結部62aをロッカアーム63側に極力近接した位置まで変位させることが可能であり、それにより動弁装置のコンパクト化を可能としつつ吸気弁19…の最大リフト量を極力大きく設定することが可能となる。
さらに連結壁63d…に肉抜き部52…が形成されるので、連結壁63d…による剛性増大を可能としつつロッカアーム63の重量増大を抑えることができる。
第1および第2リンクアーム61,62の一端部をロッカアーム63に連結する第1および第2連結軸64,66のうち上方の第1連結軸64側に向けてオイルを供給するオイルジェット58…がエンジン本体10に固定配置されており、第1および第2リンクアーム61,62のうち上方の第1リンクアーム61およびロッカアーム63間を潤滑したオイルが下方に流下して下方の第2リンクアーム62およびロッカアーム63間を潤滑することになる。したがって簡単かつ部品点数を少なくした潤滑構造で、ロッカアーム63と、第1および第2リンクアーム61,62との連結部をともに潤滑して円滑な動弁作動を保証することができる。
しかもローラ65を両側から挟むようにして略U字状に形成される第1支持部63bが前記ロッカアーム63に設けられ、第1リンクアーム61の一端部の第1連結部61a…が、ローラ65を軸支する第1連結軸64を介して第1支持部63bに回動可能に連結され、前記オイルジェット58…が、第1リンクアーム61および第1支持部63bの合わせ面に向けてオイルを供給するようにしてエンジン本体10に配設されるので、ローラ65の軸支部をも潤滑することができる。
さらに動弁カム69が設けられる吸気カムシャフト31を回転自在に支承するようにしてエンジン本体10に設けられる吸気カムホルダ46…のキャップ45…に、オイルジェット58…が配設されるので、吸気カムシャフト31および吸気カムホルダ46…間を潤滑するための油路を利用して、充分に高圧かつ充分な量のオイルをオイルジェット58…から供給することができる。
ところで吸気弁19…は弁ばね24…で閉弁方向に付勢されるのであるが、ロッカアーム63は、弁ばね24…とは別のねじりばね54…により、ローラ65を動弁カム69に当接させる方向に付勢されており、吸気弁19…の閉弁状態でもロッカアーム63のローラ65が動弁カム69から離れることはなく、吸気弁19…の微小開弁時における弁リフト量の制御精度を高くすることができる。
またねじりばね54…が固定支軸67を囲繞するコイル状のねじりばねであり、ねじりばね58…の設置スペースを小さくし、動弁装置のコンパクト化を図ることができる。
しかも固定支軸67を支持する一対の支持ボス53,53が、第1リンクアーム61の他端部を両側から挟むようにしてエンジン本体10の吸気カムホルダ46…における支持壁44a…に設けられ、ねじりばね54…が、両支持ボス53,53を囲繞してエンジン本体10の支持壁44a…および第1リンクアーム61の他端部間に介装されているので、第1リンクアーム61および両支持壁44a…間の寸法公差をねじりばね54…で吸収するようにして第1リンクアーム61の位置決めが容易となり、しかも一対の支持ボス53,53で第1リンクアーム61の他端部における固定支持部61bの移動を規制しつつ、ねじりばね54…の収縮による影響が固定支軸67に及ぶことを回避するようにして、ねじりばね54…のコンパクトな配置が可能となる。
第1リンクアーム61の他端部には、側面視ではねじりばね54…の外周よりも内方に外周が配置されるようにした円筒状の固定支持部61bが設けられ、その固定支持部61bが固定支軸67で回動可能に支承されるのであるが、固定支持部61bの軸方向両端部には、前記ねじりばね54…が固定支持部61b側に倒れるのを阻止する複数の突部56,57…が、周方向に間隔をあけてそれぞれ突設されている。したがって固定支持部61bの大型化を抑制しつつねじりばね54…の前記倒れを防止し、固定支持部61bの支持剛性を高めることができる。
しかも前記突部56,57…が第2リンクアーム62の作動範囲を避けて配置されるので、突部56,57…が固定支持部61bに設けられるにもかかわらず、第2リンクアーム62の作動範囲を充分に確保することができる。
さらにリフト可変機構33は、連結板68bの両端に、可動軸68aと、該可動軸68aと平行な軸線を有する支軸68cとが突設されて成るクランク部材68を備えており、支軸68cがエンジン本体10のヘッドカバー16に回動可能に支承されるので、クランク部材68を支軸68cの軸線まわりに回動せしめることで可動軸68aを容易に変位させることができ、アクチュエータモータ72によって可動軸68aを変位させる機構の単純化を図ることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。