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JP4394285B2 - コバラミンの検定 - Google Patents

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JP4394285B2
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Description

【0001】
本発明は、体液中のコバラミンまたはビタミンB12の検定方法および、特に、コバラミンの代謝活性プール(metabolically active pool)の検定方法に関係する。
【0002】
コバラミン、あるいはビタミンB12は、食物中に見られるビタミンB複合体の一部を形成する水溶性ビタミンである。その核となる分子は、必須のコバルト原子を取り囲む4つのピロールユニットのコリン環からなる。コバラミンは、動物または植物により合成することができず、腸内で食物から吸収しなければならない唯一のビタミンである。しかしながら、コバラミンは、肝臓に貯えることができる。コバラミンは、微生物により、特に、嫌気性菌および酵母菌により合成される。
【0003】
コバラミンは、in vivoでは、補酵素およびコバラミン酵素として機能し、三つの型の反応を触媒する。(i)分子内転移、例えば、L−メチルマロニルCoAからスクシニルCoAの形成。(ii)メチル化、例えば、ホモシステインのメチル化によるメチオニンの形成、および(iii)ある微生物における、リボヌクレオチドのデオキシリボヌクレオチドへの還元。哺乳類では、(i)および(ii)で特別に述べた2の酵素反応のみが、コバラミンを補酵素として必要とすることが知られている。
【0004】
消化の過程では、ハプトコリンと呼ばれる唾液タンパク質、以下、HCと表すが(このものは、また、当技術分野では、集合名詞的に、R−バインダーまたはトランスコバラミンIおよびIIIと表される。)、それが消化管上部の中でコバラミンと結合し、複合体を形成し、それは胃を通過する。膵酵素は、前記コバラミン−ハプトコリン(ホロHC)複合体を回腸内で消化し、コバラミンを放出し、そのコバラミンは、つぎに胃粘膜から分泌される内因子と呼ばれるタンパク質と結合し、さらなる複合体を形成する。前記コバラミン−内因子複合体は、末端回腸の裏地(lining)の中で特定のレセプターと結合し、その上で、放出因子により解離させられ、そして、前記コバラミンは、回腸の膜を通して、血管走行の中に活発に輸送される。
【0005】
コバラミンは、フリーの形態では、適切な量で身体内を循環しない。おそらく、99%ほどのコバラミンは、トランスコバラミンタンパク質(TCI−III)またはアルブミンの一つと結合している。
【0006】
コバラミンを目標とする組織に輸送する原因であると信じられているタンパク質は、重要な微量タンパク質であるトランスコバラミンII(TCII)であり、それなしでは、コバラミンは、細胞膜を通過することができない。この重要な代謝機能にもかかわらず、血清中の約6〜25%のコバラミンしかTCIIに結合せず、かつ、ほとんどは、HCにより運ばれる。TCIIは、血清、精液および脳脊髄液(cerebro-spinal fluid)中に最初に発見された45kDaの単一鎖のポリペプチドである。コバラミンに結合したTCIIあるいはホロTCIIは、細胞膜上の特定のレセプターに付着し、そして、いったん結合すると、前記ホロTCIIの複合体は、飲作用により細胞内に取り込まれる。
【0007】
TCIIは、肝臓、脈管内皮、腸内細胞(enterocyte)、マクロファージおよび繊維芽細胞により合成され、主としてアポTCIIの形態で、すなわち、結合したコバラミンなしで循環する。このものの半減期は、ほぼ90分と短い。
【0008】
血漿中の全コバラミンの4分の1未満がTCIIと結合している。残りは、上に述べた他のトランスコバラミンまたはアルブミンと結合している。
【0009】
コバラミンは食物から吸収しなければならないが、胃機能障害につながる任意の状態、例えば胃腸炎、または胃萎縮につながる状態、または機能的ハプトコリン、内因子、放出因子、TCIIもしくはTCIIレセプターを生産できないことは、コバラミンの吸収障害および結果としての欠乏症につながり得る。
【0010】
ある個体群の小群、例えば、高齢の妊娠した女性、慢性または急性の胃腸病患者、自己免疫疾患に苦しむそのような小群、悪性貧血およびエイズに苦しむ家族暦を持つそのような小群は、特に、コバラミン欠乏症に陥りやすい。
【0011】
コバラミン欠乏症の臨床症状は、多様でありかつ多数であるが、しかし、根本的には、貧血、巨赤芽球の造血(haematopoiesis)ならびに神経系統の機能的および構造的な障害に関係している。コバラミン欠乏症と診断された個体の約60%は貧血症であるが、しかし、多くの場合、神経症状だけが、観測される臨床症状である。約10%の患者は、精神医学的な症状を示し、かつ、約40%は、神経的および精神医学的の両方の症状を示す。
【0012】
あるコバラミン欠乏症の現われ、特に、精神神経性効果は、早急に発見され、かつコバラミン療法により苦痛を和らげなければ元に戻せないので、コバラミン欠乏症の早期診断は、患者のための良い予想を確立するために重要である。
【0013】
それゆえ、個人のコバラミンレベルを、適切かつ効果的な方法で、その個人がコバラミン欠乏症に苦しむか否かを確立する観点から、正確に評価することが望ましい。
【0014】
血漿中コバラミン、すなわちトランスコバラミン(TC)タンパク質I、IIおよびIIIのうち任意の一つと結合したコバラミン(およびコバラミン類似物質)の総量の測定が、コバラミン欠乏を評価するための試みとして使用されてきている。この技術は、正常であると考えられる個体群における広範囲の濃度分布につながり、それゆえに、広い基準範囲を生み出す。個人に関しては、しかしながら、その個人について正常であると考えられる有効なコバラミンの範囲は極めて狭い。代謝活性コバラミンの濃度が自身の基準範囲から外に移動した個人であっても、その血漿中コバラミン総含有量は、個体群にとって正常であると考えられる範囲内に止まることが観測されたことがある。
【0015】
そのような環境下では、コバラミン欠乏症は、発見されないまま進行する可能性がある。そのような信頼性に欠ける方法は、明らかに望ましくなく、また、そのような血清または血漿中のコバラミンの測定は、診断上、低い感度および特異性しか持たないことがよく認識されている。
【0016】
微生物学的定量は、成長についてコバラミンに依存する微生物に関係し、血漿中コバラミン濃度を測定するために用いられるが、適切な基準範囲を確立することの困難さに加え、これらの方法は、コバラミンの抽出と変換とを必要とし、それは、実験室での迅速なスクリーニングのためには、非常に時間を消費し、煩雑であり、全体として適切でない。
【0017】
コバラミン欠乏を評価するために他にとり得る方法は、血漿中の代謝物質の蓄積を測定することに関係し、コバラミンを、その変換として必要とする。血漿中マロン酸メチルおよび血漿中ホモシステインのレベルは、コバラミン欠乏症の個人においては増加し(Chanarin, The megaloblastic anaemia; London, Blackwell Scientific Publications, 1991)、ビタミンB12欠乏症との相関関係についての候補物質分子であることを実証している。しかしながら、ホモシステイン評価に基づいた方法は、複雑であり、実用的でなく、不十分な特異性および感度しか示さないことが示されている。マロン酸メチルの測定に基づく方法は、正確で信頼できるが、扱いにくく、かつ、ガスクロマトグラフィーおよびマススペクトルを組み合わせた分析を必要とし、かつ、それゆえに高価であり、これもまた日常的な臨床のスクリーニングには適していない(Nexo et al.(1994) Scand. J. Clin. Lab. Invest. 54: 61-76)。
【0018】
血漿中コバラミンの総量に対するものとして、TCIIに結合したコバラミンを測定することもまた、コバラミン欠乏症の可能性についての信頼できる臨床上の検出手段(indictor)を提供するであろうことが提案されている(Herbert et al. (1990) Am. J. Clin. Pathol. 46: 537-539; US Patent 4680273)。しかしながら、ホロTCII濃度を定量するためのそのような努力は、今日までは、ほとんど間接的であり、ホロTCII濃度を、血漿中コバラミンの総量とTCIIを除去した血漿中のコバラミン濃度との差として確立している。
【0019】
そのようなTCIIの除去は、硫酸アンモニウム(Carmel (1974) Am. J. Clin. Pathol. 62: 367-372)、マイクロシリカ(Herzlich & Hubert (1988) Lab. Invest. 58: 332-337; Wickramasinghe & Fida (1993) J. Clin. Pathol. 46: 537-539)、マイクロファイングラス(microfine glass)(Vu et al. (1993) Am. J. Hematol. 42: 202-211)または固定化されたアンチTCIIポリクローナル抗体(Lindemans et al. (1983) Clin. Chim. Acta 132:53-61)への吸着によって成し遂げられる。全血漿中およびTCII除去フラクション(depleted fraction)中のコバラミン濃度は、ラジオイムノアッセイまたは酵素イムノアッセイのような当業者に周知の方法により行われる。これらの方法は、自動化のまたは非自動化の日常的なスクリーニングには適していない。なぜならば、これらは、複雑で、時間がかかり、かつ、使用される前記吸着材の低い程度の特異性が、ホロTCIIとホロHCの不十分な分離につながり、さらに、ホロTCIIを多く見積もることにつながるからである。前記吸着材のロット間ばらつきはさらなる誤差を導き、かつ、さらに重要なことには、一の大きな体積から他の大きな体積の引き算は、受け入れられない不正確さおよび非信頼性につながる。
【0020】
TCIIを評価するための他の試みは、TCIIを、TCIおよびTCIIIを含む他の血漿成分と、その親油性を利用して分離することに関係する。Kapel et al. (1988) Clin. Chim. Acta 172: 297-310, Benhayoun et al. (1993) Acta Haematol. 89: 195-199 and Toft et al. (1994) Scand. J. Clin. Lab. Invest. 54:62 は、そのように、ヘパリンセファロース、シリカゲルまたはセルロースをそれぞれ用いて、TCIIを他のトランスコバラミンと分離する方法を開示する。これらの方法は、しかしながら、前記と同じ吸着材に頼るため、前記間接的方法と同じ欠点により損害を被る。また、ホロTCIIの低い血漿中濃度は、これらの方法を、すでに存在するコバラミン定量方法と組み合わせることを不適切にする。ホロTCIIの正常範囲は35〜160pMであり、35pM未満の数値は、一般的に、コバラミン欠乏症を示すと考えられている。血漿中コバラミンのためのもっとも日常的な方法について報告されている分析感度は、約40pMであるが、実際問題として、それはしばしばはるかに高く、典型的には約90pMである。このゆえに、正常なホロTCIIの血漿中レベルは、前記コバラミンの定量のための日常的な方法における前記感度限界よりも下かまたはその近くである。
【0021】
TCIIに結合したコバラミンを定量するための方法として最近認識された、あるいは最も正確であるかもしれない方法は、TCIIをシリカに吸着させることと、つぎに、コバラミンを含む前記結合したフラクションを、例えば Kuemmerle et al. (1992) Clin. Chem. 38/10: 2073-2077 に記載されているイムノアッセイ、または微生物学的検定法により検定することに関係し、後者の方が明らかに最良の結果を生む。この方法は、わずか20の検定を実行するのに、丸1労働日を必要とする。これは、非常に高価につき、かつ、非実用的であり、日常的な臨床上の診断の研究室における調査にほとんど適していない。
【0022】
そのように、日常的な臨床上の診断の適用において検査することができるコバラミンレベルをコバラミン欠乏症の可能性と関連付ける観点から、体液中の代謝活性なコバラミンレベルを検定する改良された方法についての多大な受容が存在する。
【0023】
そのように、第一の観点によると、本発明は、体液由来の無細胞試料を、トランスコバラミンII(TCII)またはコバラミンに結合したTCII(ホロTCII)のための固定化されたまたは固定化され得る特異性結合リガンドと接触させることと、リガンドに結合したフラクションをリガンドに結合していないフラクションと分離することと、そこに含まれるホロTCIIまたはTCIIに結合したコバラミンを測定することを含む、身体由来の試料(body sample)中のTCIIに結合したコバラミンを定量するための検定方法を提供する。
【0024】
「特異性結合リガンド」とは、その特定の化学構造またはコンホメーションの効力によって、かつ、単に体液試料中の多くの成分に共通するであろう一般的な物理化学的性質(親油性のような)によってでなく、TCII(すなわち、アポTCIIおよびホロTCII)またはホロTCIIと結合するものを意味する。前記リガンドの、前記方法に使用するために適切な結合親和力および特異性は、3倍、より好ましくは5倍、そしてさらに好ましくは10倍、および最適には10倍以上の濃度の試料中TCIIまたはホロTCIIを許容し、そのゆえに、そのような方法は、ホロTCIIの正確で信頼できる数値を、ホロTCIIの標準範囲の低い部分において、およびまた標準以下の(sub-normal)範囲においても与えることができる。そのような、標的分子の分離および濃縮は、従来存在した、TCIIまたはホロTCIIをHCまたはホロHCから有効に分離することができない方法では不可能である。前記TCIIまたはホロTCIIを少なくとも3倍に濃縮する能力は、前記方法の実施において、自動化された分析装置を使用することを可能にする。そのような濃縮段階なしには、試料中に存在する分析物の量は、おそらく検出下限未満になる。そのような自動化された分析装置は、典型的には、40および100μLの間の試料を、その運転のための典型的には150μLまたはそれを超える総体積中に必要とする。そのように、低い濃度の分析物でさえも、分析のためにさらに希釈されてしまう。本発明の検定方法を用いることにより、しかしながら、前記分析物は、少なくとも3倍に濃縮される。典型的には100〜700pMの制御範囲および約40pMの感度下限、しかし実際問題としては約90pMの下限に関係する自動化された分析装置を用いるため、5倍濃縮は、18pM以上のホロTCIIの測定を助け、10倍濃縮は、9pM以上のホロTCIIの測定を助ける。本発明は、10倍を超える濃縮を助けるため、感度を高める程度の熟練者によれば、本発明が実際非常に強力な技術となることが容易に理解されるはずである。
【0025】
分析物を濃縮する能力のために、そのような自動化された手順により分析するのを制御しやすいことは、本検定方法の重要な利点である。
【0026】
開始時に600μLの体液試料から、つぎに任意に自動化された手順を用いて分析することができる、好ましくは150μL以下、より好ましくは100μL以下、および最適には60μL未満を生成させることができる。
【0027】
任意のTCII特異性結合リガンドを、捕捉、濃縮および分離のためのリガンドとして、または検出のためのリガンドとして、前記本発明の方法に使用することができ、また、本発明の特定の実施形態によれば、TCIIとアポ形態およびホロ形態の両方で結合することができ、または、ホロ形態と特異的にもしくは好ましく結合することができる。前記TCII結合リガンドは、好ましくは、TCIIに対し高い程度の選択性および特異性を示すことができ、かつ、他のTCタンパク質、すなわちTCIもしくはTCIIIのアポもしくはホロのどちらかの形態、または任意の他のコバラミン結合タンパク質に対する親和性は、低いかまたはより好ましくは本質的に持たないことができる。前記TCII結合リガンドがホロTCII特異性結合リガンドである場合、アポTCIIに対する親和性が低いかまたは好ましくは本質的にないという追加の要件と共に、前記と同じ性質を示す。
【0028】
前記TCIIまたはホロTCII結合リガンドは、一般的には、抗体、抗体フラグメント、または細胞表面レセプター、ポリペプチド、オリゴペプチド、小さい有機化学薬品等のTCIIまたはホロTCIIに対しそれぞれ親和性を持つ化合物であることができる。他の結合リガンドは、組み合わせの化学(combinatorial chemistry)もしくはファージ展示ライブラリ、またはDNAもしくはRNAの特定結合配列から選択される特定のバインダーであってよい。
【0029】
前記結合リガンドが抗体である場合、それはポリクローナルであっても良いが、好ましくはモノクローナルである。モノクローナル抗体の方がポリクローナル抗体よりもはるかに大きい特異性および均質性を持たせて生産することができ、かつ、体液の他の成分、特に他のトランスコバラミンおよび適切には前記標的分析物の他のコンホメーションすなわちアポ形態との交差反応性を減少させる。モノクローナル抗体により与えられる均質性および再生産性は、ポリクローナル抗体のそれと比べて、検定において前記分析物がそのように低い濃度であるときに必要なより優れた精度を確立する。その他、それは、抗体フラグメント、例えば、F(ab)、F(ab’)2またはF(v)断片であっても良い。前記抗体または抗体フラグメントは、一価または二価であって良く、かつ、ハイブリドーマ技術により生産されても合成由来でも、また、組替えDNA技術または化学合成により発生させても良い。一本鎖抗体または他の抗体誘導体もしくは疑似物質を、例えば使用することができる。前記抗体は、任意のエピトープ、TCIIまたはホロTCIIタンパク質の構成要素または構造に対して適切に方向づけ(direct)するかまたは立ち上げて(raise)良い。
【0030】
本発明で結合リガンドとして用いるのに好適な抗体は、例えば、Quadros et al. (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 222:149-154; McLean et al. (1997) Blood 89(1) : 235-242 に開示されている。
【0031】
TCIIのアポおよびホロ形態と結合することができるか、またはホロTCII形態と好んでもしくは特異的に結合するレセプター分子を、同様に用いることができる。好適なレセプターは、細胞表面または膜に結合したTCIIまたはホロTCIIレセプターであり、交差種(cross species)の反応性は、そのようなレセプター分子は、任意の哺乳類種からのものを用いることができるが、しかし、好ましくは、そのようなレセプターの源はヒトまたはウシであることを意味する。しかしながら、前記レセプター分子は、好ましくは、比較的精製された形態で、前記レセプターを好ましくは濃縮された形態で含む細胞膜または混合膜フラクションの使用もまた完了されて単離される。そのようなレセプターまたはレセプター含有膜または膜フラクションは、有利には、腎臓、胎盤または腫瘍細胞から単離することができる。沈降細胞(deposit cell)は、一般的には、そのようなレセプターの源として用いられるべきでない。しかしながら、沈降細胞は、ハプトコリンレセプターの源として用いることができる。
【0032】
TCIIレセプターを豊富化した膜フラクションは、Seligman et al., J. Biol Chem 253 : 1766-1722 (1978) および Nexo et al., Biochem Biophys Act 628 : 190-200 (1980)に記載の通りにして得ることができる。要点を述べると、組織、例えばヒトの胎盤またはウサギの肝臓を小片にカットし、pH7.4の、0.15M NaClおよび10mM EDTAトリス緩衝液中で均質化させ、つづいて、25,000xgで30分間遠心分離する。残った血液を取り除くために、前記均質化/遠心分離を、少なくとももう一回繰り返す。この膜フラクションを、さらに洗剤、例えば、Ammonyx−LO、Triton X−100またはChapsoで抽出し、かつ、4℃、100,000xgで30分間遠心分離して透明化する。
【0033】
前記ホロTCII複合体と好んで結合する好適なレセプター分子の例は、非共有結合性ホモダイマーとして存在し、すべての組織の細胞表面に見られる62kDaの一本鎖糖タンパク質(Rothenberg & Quadros (1996) Balliere's Clinical Haematology 8(3) 499-514 ; WO 96/085150)である。本発明の前記検定方法に好適に用いることができるさらなるタンパク質は、gp300、吸収上皮細胞、例えば、腎近位尿細管細胞中で、Moestrup et al., (1996) Proceedings National Academy Science 93: 8612-8617 に開示され記述されているようにして発現される600kDaのエンドシトーシス媒介膜タンパク質である。このレセプターは、LDLレセプターであり、TCIIのアポおよびホロの両方の形態と結合する。
【0034】
細胞表面レセプターが用いられた場合、それは、抱合(conjugation)により、表面、例えば、ビーズまたはシートの表面に固定化することが可能であり、また、代わりに、前記レセプターを、そのレセプターを展示するシートまたは小胞内に形成することもできる。
【0035】
前記リガンドが固定化される場合、その場所は、例えば、固体表面、例えば、濾過膜、またはシートまたは管の内腔が可能であるが、粒子上、例えば、ノルウェーのDyno Industrier ASAにより生産されるようなミクロスフェアへの固定化が特に好ましい。そのような粒子は、多孔性または非多孔性であることが可能であり、かつ、望むのであれば、それを集めることのできる手段、例えば、磁気感応性材料、例えば、超磁性酸化鉄結晶製粒子の封入により提供することができる。そのような磁気感応性ミクロビーズは、ノルウェーのDyno Industrier ASAおよびDynal AS、米国のBang Particles、およびフランスのProlaboから入手することができる。前記リガンドが、固定化されるのでなく、固定化され得る場合、それは、前記リガンドを特定の結合ペアのメンバー(例えば、ビオチン/ストレプトアビジン)と連結(coupling)し、そして、任意に基質に結合した前記結合ペアの他のメンバーを、本発明の方法において行われる前記リガンド結合フラクションの前記非結合フラクションからの分離に先立ち、前記リガンドまたは前記リガンド:TCIIまたはリガンド:ホロTCII複合体を集めるかさもなければ固定化するために使用することにより達成することができる。
【0036】
親和性分子、例えば、抗体および抗体フラグメントを、分離の目的で固定化するために、例えば、前記リガンドを、任意にリンカーにより、カラムおよび任意の公知の方法において分離または固定化のために一般に広く用いられているかまたは提案されている任意の周知の固形担体またはマトリックスに結合または連結することが使用できることは、技術的に周知である。そのような固層は、粒子、シート、ゲル、フィルター、膜、繊維、または毛細管または微量滴定用細片(microtitre strip)、管またはウェル板(plate of wells)等の形態を取ることが可能であり、かつ、好適には、ガラス、シリカ、ラテックスまたは高分子材料で形成することができる。前記リガンドを前記固形担体に結合させる技術は、それもまた、極めて良く知られており、かつ、文献中に広く記述されている。
【0037】
前記リガンドを、基質または特定結合ペアの一員に連結させることは、従来技術により達成することができる。
【0038】
本発明の方法では、前記アッセイが競争的結合アッセイとして行われる場合、それは、一般的に、さらに、前記リガンドとの結合に関して競争する標識化合物の試料に関係する。一般的に、この目的では、標識されたホロTCIIを用いることが好ましい。前記使用される標識は、直接的または間接的に、例えば、発色団(この用語は、蛍光団を含む意味で用いる)、放射性同位体(一般的には、共有結合性またはキレート結合性)による識別、酵素または酵素基質、磁気標識等により同定することができる任意の標識が可能である。
【0039】
好ましい実施形態では、本発明の方法は、固定化されたまたは固定化され得るTCIIまたはホロTCIIに結合したリガンドを、調査する試料に接触させることと、
リガンド結合フラクションを非リガンド結合フラクションから分離することと、
結合したコバラミンを前記結合フラクション中のホロTCII分子から解離させ、放出されたコバラミンの濃度を定量することに関係する。その解離は、前記放出されたコバラミンの濃度が、当初の試料中のホロTCII濃度の少なくとも3倍、好ましくは5倍およびさらにより好ましくは10倍を超えるように作用することが好ましい。
【0040】
本発明のこの様相の本質は、前記方法において有用に用いられるコバラミン定量の標準的方法を可能にする、TCIIまたはホロTCIIの分離および濃縮にある。上に示した通り、そのような濃縮の段階なしには、コバラミンはとても低い濃度でしか存在しないので、従来公知の方法は、コバラミンの定量には適さない。コバラミンをホロTCIIから放出させるために、任意の適切な方法を使用することができるが、好適には、熱または周囲媒体のpHの変化が、この目的のために使用される。異なるコバラミンの形態は、KCN処理により、より光感応性の低いシアノコバラミンに変換することができる。フリーなコバラミンの定量のための任意の適切な方法、例えば、コバラミンのための固定化された結合パートナーを、試料中の解離したコバラミンと標識リガンドの存在下で接触させる競合アッセイを本発明の方法に採用することができる。前記標識リガンドは、前記固定化された結合パートナーと結合することについて、前記単離したコバラミンと競争する。例えば、Kuemmerk et al. (1992) Clin. Chem 38 : 2073-2077 に記述された方法が適切である。フリーのコバラミンを定量するための他の方法は、米国特許第5451508号に記載されており、イムノアッセイ技術に関係している。
【0041】
本発明のこの実施形態では、TCIIのための結合リガンドは、固定化され、かつ、ホロおよびアポTCIIの両方に結合していることが好ましい。
【0042】
他の好ましい実施形態では、本発明の検定方法は、TCIIまたはホロTCII結合リガンドをその上に固定した固形担体を、調査しようとする試料および固定化されていないリガンドと接触させることと、
結合フラクションを非結合フラクションと分離することと、
前記固定化リガンドに結合した前記非固定化リガンド(前記結合フラクション)または非結合かつ溶液中の前記非固定化リガンド(前記非結合フラクション)を直接的にまたは間接的に定量することを含み、
前記固定化リガンドが、TCIIまたはホロTCII、前記非固定化リガンドまたは前記TCIIもしくはホロTCIIと前記非固定化リガンドとの複合体に結合することが可能であり、かつ、前記非固定化リガンドが、前記固定化リガンドのうち少なくとも一つ、TCIIまたはホロTCIIおよび前記固定化リガンドとTCIIまたはホロTCIIとの複合体と結合することが可能であり、
前記検定方法がサンドイッチアッセイである場合、少なくとも一つの前記リガンドはホロTCII特異性であり、かつ、前記アッセイが競合アッセイである場合、前記固定化リガンドはホロTCIIおよびその競争物特異性であり、
TCIIまたはホロTCIIにより、前記非固定化リガンドにより、または前記非固定化リガンドとTCIIもしくはホロTCIIとの複合体によりそれぞれ結合された前記固定化リガンドの比率が、前記試料中に存在するホロTCIIの量に依存し、
前記非固定化リガンドが、結合時または非結合時に、直接的にまたは間接的に探知可能なシグナルを生成することが可能であり、
前記試料および前記非固定化リガンドの前記固形担体との接触は、個別に、同時にまたは連続的に行って良く、かつ、個別にまたは連続的に行う場合は、それらはどちらの順序で接触させても良い。
【0043】
それゆえ、本質的に、本発明の方法における別の好適な実施形態は、前記固定化リガンドと直接的もしくは間接的に結合しているか、または直接的もしくは間接的に結合することに失敗した前記非固定化リガンドを定量することに関係する。前記非固定化リガンドは、前記固定化リガンドと結合することに関してホロTCIIと競争するので、結合していない非固定化リガンドのレベルが高いことは、試料中のホロTCII濃度が高いことを示し、結合していない非固定化リガンドのレベルが低いことは、試料中のホロTCII濃度が低いことを示す。前記非固定化リガンドは、前記固定化リガンドと順番に結合したTCIIまたはホロTCIIと結合するので、したがって、結合した非固定化リガンドのレベルが高いことは、試料中のホロTCIIの濃度が高いことを示し、結合した非固定化リガンドのレベルが低いことは、試料中のホロTCIIの濃度が低いことを示す。
【0044】
本発明の方法では、それゆえに、コバラミンの代謝活性プールは、アポおよびホロTCIIならびにアポおよびホロHC(ハプトコリンまたはTCIおよびTCIII)の両方を含む身体由来のサンプル中に存在するホロTCII複合体を測定するか、またはTCIIに結合したコバラミンの量を測定することにより定量される。
【0045】
予備分離段階は、TCIIおよびハプトコリン(HC)の両者のアポ形態と選択的に結合する固定化されたコバラミンまたはその同族体もしくは断片を使用して行うことができる。そのような予備分離段階では、前記TCIIおよびHCタンパク質のアポ形態が前記固定化されたコバラミンまたはその同族体もしくは断片と結合し、前記ホロTCIIおよびホロHC複合体と分離される。
【0046】
この場合、前記分離されたTCIIのホロ形態の分析は、上記本発明の実施形態のうち任意のものにしたがって行われるが、明らかに、前記ホロTCII複合体の定量が、前記複合体の解離および続いての前記放出されたコバラミンの定量以外により行われることが最も有用である。そのような予備段階が、上記それぞれの好ましい実施形態に先立って行われる場合、サンドイッチアッセイにおける少なくとも一つのリガンドはTCIIに対してホロTCII特異性である必要があり、かつ、競合アッセイにおける前記固定化リガンドはホロTCII特異性である必要があり、かつ、そのTCIIに対する競争物は、前記TCIIのアポ形態が捕捉されてもはや有効でなくなると、もはや関係がないことは、熟練者には明らかである。そのように、前記固定化または非固定化リガンドは、ホロTCIIまたはTCIIまたはそれらの競争物に対して特異性であることが可能である。
【0047】
前記固定化されたコバラミンは、その支持体から解離することについて、どのような顕著な傾向も示すべきでない。これにより、アポTCIIと結合し、ホロTCIIに変換することが可能になるからである。ビオチン化されたコバラミンは、アビジン(avadin)/ストレプトアビジンが結合した固体表面に非常に安定な方法で結合し、また、コバラミンを支持体にこの方法でつなぐことは、この段階の実施のために好適である。実際、ビオチン化されたコバラミンが使用される場合、分析される試料に、非固定化形態で、前記TCIIおよびHCのアポ形態と結合するように加えることが可能である。前記試料は、つぎに、ビオチン標本、アビジンのための結合パートナーが固定化された固体表面に接触させることが可能である。前記試料から容易に単離することが可能な、アビジン−ビオチン化されたコバラミン−TCII複合体が、つぎに形成される。
【0048】
本発明の一実施形態において、この予備分離段階を行う場合、前記ホロTCIIプールを、続いて、前記試料を、溶液中で前記ハプトコリンを放出する前記ホロTCII複合体を捕捉する固定化されたTCIIリガンドと接触させ、そしてつぎに、前記固定化されたホロTCIIを、標識され、上記のように検出できる第二のTCIIリガンドと接触させることにより定量する。好適なTCII結合リガンドの例は、オーバーラップしていない(non-overlapping)モノクローナル抗体であるか、または確実に(indeed)TCII特異性のポリクローナル抗体が、TCII分子状の異なるエピトープが認識されるため、この実施形態で捕捉および検出の両方のために好適である。
【0049】
本発明の他の実施形態において、この予備分離段階を行う場合、前記ホロTCII分子は、前記固定化リガンドと結合することについて前記標識された非固定化リガンドと競争し、それゆえに、ホロTCIIの量は、前記固定化リガンドに結合しているかまたは結合していない標識された非固定化リガンドの量との関係から算出される。
【0050】
好ましい実施形態では、前記予備分離段階において、前記アポTCIIおよびアポHCのコバラミン、その同族体または断片への結合が、続いて起こる、前記非固定化リガンドまたはTCIIの結合パートナーによる、前記TCIIに結合した固定化されたコバラミンの認識および結合を阻害する部位または手法で起こる。この実施形態においては、本発明のアッセイを行う前に、前記ホロTCIIおよびホロHCを結合したアポ形態から分離する必要がない。この実施形態においては、前記非固定化結合パートナーまたはリガンドがそこに向かって方向づけられている部位が非常に重要である。それは、マスクもしくはシールドされ、または、さもなければ、アポTCIIおよびアポHCがコバラミン、その同族体または断片に固定化されたとき結合するのに不適切となり、TCIIのエピトープとなるであろう。
【0051】
前記初期分離段階は、TCIIのための結合リガンドを使用することに関係するか、または、固定化されたコバラミン、その同族体または断片を用いる予備段階に先立って行われ、完全な分離、すなわち、すべてのアポおよびホロTCIIタンパク質の試料からの分離は、本方法においては必要とされず、かつ、フラクションが、少なくとも希望の「タンパク質のTCIIサブセット」の一部を含む試料から分離されれば十分である。
【0052】
したがって、ある実施形態では、前記結合パートナーまたはリガンドおよび結合状態は、実質的に、選択した全ての「サブセット」の分離を達成するように選択することができる。このケースにおいて、前記非結合フラクションは、実質的にTCIIまたはホロTCIIタンパク質フリーであるとみなすことができる。すなわち、どちらの要素を分別の基本として選択するかに依存して、TCIIまたはホロTCIIのどちらかに対して、少なくとも80%、90%または95%フリーである。
【0053】
その他の実施形態では、前記結合パートナーおよび条件は、前記試料中のTCIIタンパク質の一部だけがフラクション中に分離されるように選択することができる。このケースでは、前記部分的分離において、本アッセイのための標準検量線(standard calibration curve)を作図するために計算(account)を採用すべきである。この点では、検出されたホロTCII濃度に対しての標準検量線の生成は、技術的に周知な標準的技術を用いて決定することができる。
【0054】
したがって、分別段階において、TCII結合リガンドを用いるとき、少なくとも一部の前記TCII結合コバラミンが前記結合フラクション中に存在し、かつ、試料中の、TCII以外の分子に結合した任意のコバラミン、例えば、HCまたはアルブミンが、前記非結合フラクション(すなわち、分離されていないフラクション)中に存在するべきである。前記結合フラクション中のTCIIは、アポおよびホロ形態のどちらであっても良く、かつ、コバラミンに加えて、コバラミン様物質または同族体と複合体を形成しても良い。
【0055】
望むのであれば、前記本発明の方法は、さらなる予備分離段階に関係していても良い。その予備分離段階では、前記試料を、ハプトコリン(アポおよびホロの両方の形態か、またはホロ形態単独)に対する、固定化されたまたは固定化されていない特異性結合リガンドと接触させる。このやり方では、ホロTCIIに由来する前記TCII結合コバラミンの定量における誤差への任意の寄与を減少させることができ、かつ、ハプトコリンに対していくらかの結合親和性を持つ、TCIIまたはホロTCIIに対して特異性の結合リガンドを使用することができる。
【0056】
その他、上に示した通り、TCIIの血漿濃度は、アポおよびホロのどちらの形態でも非常に低いので、特に高い特異性および親和性を持つリガンドまたは結合パートナーが、本発明の操作のためには必要である。また、TCIIの血漿濃度は約0.5〜1nMであるが、ほろTCIIの濃度はわずか35〜160pMなので、本発明のリガンドに要求される親和定数は、前記リガンドがTCIIまたはホロTCII特異性かどうか、また、その有用性が捕捉リガンド向きかまたは検出リガンド向きかに依存する。したがって、TCII捕捉リガンドとしては、親和定数は、少なくとも109-1であり、好ましくは2×109-1を超え、そして、より好ましくは、1010-1が望ましい。ホロTCII捕捉リガンドとしては、親和定数は少なくとも1010-1が望ましく、好ましくは2×1010-1であり、より好ましくは2×1010-1を超え、そして、最適には、1011-1を超える。前記アッセイの濃度効果により、バインダー(binder)の検出に必要な親和定数は、捕捉リガンドのそれよりも明らかに小さくて良い。
【0057】
ホロTCIIまたはTCII結合リガンドの、HCとの交差反応性の程度は、好ましくは1%未満、より好ましくは0.1%と1%の間、そして最適には0.1%未満が良い。同様に、ホロTC結合リガンドは、アポTCIIとの交差反応性の程度の発現において、1%を超えないことが好ましく、より好ましくは0.1%と1%の間、そして、最適には、前記交差反応性は、0.1%未満であるべきである。
【0058】
そのような高い親和性のリガンドを使用することにより、それらの機能は、単に捕捉および/または検出リガンドであることを超えて広げられ、それらは、TCIIタンパク質を分析用サンプルから分離しかつ濃縮することを可能にする重要な役割をする。TCIIまたはホロTCIIのための結合リガンドは、好ましくは前記リガンドを少なくとも3倍に、より好ましくは5倍に、かつ、さらにより好ましくは少なくとも10倍に濃縮すべきである。
【0059】
本アッセイ技術のさらなる実施形態は、競合アッセイよりも置換アッセイ(displacement assay)により近く、前記ホロTCII複合体を含む前記試料を、前記固定化リガンドの、ホロTCIIが結合しているのと同じ結合部位を認識する標識されたリガンドが結合されている固層と接触させる。
前記試料中のホロTCIIは、前記結合した標識リガンドと、前記結合部位について競争し、その競争は、前記系の均衡化の後、前記固形担体から置換され、溶液中で検出可能な標識リガンドの量と、前記当初の試料中に存在するホロTCIIの量との間に直接比例関係があるような競争であり、前記標識リガンドは、前記固形担体に適切に結合したまたは結合していない標識リガンドの量として直接的にまたは間接的に検出されてよく、また定量されて良い。事実上、本実施形態では、前に述べた前記非固定化リガンドを、前記試料の適用の前に前記固定化リガンドと結合するが、そのような結合は、前記リガンドが固定化されたことを意味すると解釈すべきでない。
【0060】
さらなる好ましい実施形態は、前記ホロTCII含有試料を、その上に固定化されたホロTCIIを有する固形担体および標識された、固定化されていないホロTCII特異性バインダーと接触させることに関係する。前記サンプル中のフリーなホロTCIIおよび前記固定化されたホロTCIIは、標識された非固定化リガンドと結合することについて競争し、かつ、前記固形担体に結合しているかまたは溶液中に残っている前記標識リガンドの定量は、ホロTCII濃度の計算を可能にする。本発明の特に好ましい実施形態では、前記非固定化ホロTCII結合リガンドは、抗体である。
【0061】
さらにもう一つの実施形態では、重要な分析物を含む試料を、標識されたホロTCIIおよび固定化リガンドと接触させる。前記標識されたおよび標識されていないホロTCIIは前記固定化リガンドと結合することについて競争し、かつ、均衡化が到達した後、前記固定化リガンドに結合した標識されたホロTCIIの量が、前記重要な試料中のホロTCIIの量と間接的に比例する。さらに、前記標識されたTCIIは、直接的または間接的に検出することができ、かつ、前記固形担体と結合したまたは結合していない標識されたホロTCIIの量として定量することができる。
【0062】
本発明のさらなる実施形態では、前記ホロTCII特異性であり、非固定化の、しかし固定化され得るリガンド(例えば、ビオチンまたはその他の特定結合ペアのメンバーと接合(conjugate)したリガンド)を、前記試料と接触させ、ホロTCII/非固定化リガンド複合体を形成させる。前記リガンド/ホロTCII複合体は、つづいて、公知の手段を用いることにより溶液から沈殿させ、分析のために単離することができる。
【0063】
本発明のさらにその他の実施形態では、前記試料からTCIIおよびHCのアポ形態を枯渇させるような予備段階の後任意に、前記試料に二つの標識された結合パートナーを加える。このケースでの結合パートナーは、標識されたホロTCIIまたはその同族体もしくは断片およびその(thereof)標識された結合パートナー、例えば標識された抗体である。本実施形態では、検出可能なシグナルは、前記ラベルが互いに近接しているとき、すなわち、前記二つの標識された結合パートナーが結合するときは、そのラベルからのみ発生する。したがって、前記試料に加えて、前記TCIIのための標識された結合パートナーは、検出可能なシグナルが発生しない場合には、試料中に存在する標識されていないホロTCIIと、または、検出可能なシグナルが発生する場合には、前記標識されたTCII結合パートナーと結合する標識されたホロTCIIまたはその同族体、断片もしくは変異体と結合させて良い。米国特許第4568649号に記述されているアマシャムシンチレーション近接アッセイ(Amersham scintillation proximity assays)におけるような標識物質がそのような実施例への取り込みには適切であり、この処理の高い感度は、分析物がそのように低い濃度で存在するアッセイに良く適合する。したがって、例えば、結合ペアの一員は、I125またはH3のようなβ線放出核種で標識することができ、他のメンバーは、適切なシンチラント分子(scintillant molecule)で標識することができる。放出されたβ粒子は、前記シンチラントが1.5μm以内となるまで、その水性環境中でエネルギーを失い、そして、検出可能なシグナルのために、両方の標識パートナーが互いに結合することを必要とする。二つの標識パートナーが互いに結合する可能性は、試料中に存在するホロTCII濃度により見積もられる。前記発生したシグナルが大きいほど、前記試料中のホロTCII濃度は低いからである。
【0064】
本発明の検定方法で用いる身体由来の試料は、任意のコバラミン含有試料、例えば、体液または組織試料、または縣濁液等であって良い。しかしながら、好ましくは、前記試料は、体液、例えば、精液、脳脊髄液、羊水が良く、しかし、一般的には、血液由来の試料が良い。このケースでは、分析に用いられる資料は、好ましくは無細胞であり、血清または血漿のどちらかを用いることができる。前記試料は、本発明の検定方法に使用する前に処理して良い。例えば、緩衝液または他の水性媒体を加えることにより希釈して良く、かつ、分析前に、例えば冷蔵または冷凍により、保管(store)するかまたは保存(preserve)して良い。
【0065】
本発明の実行では、結合フラクションを非結合フラクションから分離するとき、それは、例えば、沈殿分離法、遠心分離、濾過、クロマトグラフィー法等、任意の適切な手段により実行して良い。
【0066】
疑義を避けるために述べると、ここで「コバラミン」という用語は、「ビタミンB12」と同じ意味で使用しており、かつ、体内で生じ、そして代謝活性である(適切に存在している場合に)可能性のあるビタミンB12の全ての形態(シアノコバラミン、5−6−ジメチル−ベンズイミダゾリルシアノコバミド、メチルコバラミン、5’−デオキシアデノシルコバラミン)を含む。
【0067】
上に示した通り、本発明の方法では、前記TC結合コバラミンの定量は、分離されたホロTCIIに結合したリガンドを検出することにより、または、ホロTCIIとの標識された競争物を用いて競合アッセイを行うか、または分離されたホロTCIIから放出されたコバラミンを検出することにより行って良い。前記競合アッセイにおいては、前記ホロTCIIは、前記標識された競争物と、その(therefor)結合リガンドと結合することについて競争する。
【0068】
前記検出可能なリガンドは、好適には、任意の一般的な手段、例えばシグナル形成ラベルで標識して良く、そのシグナル形成ラベルは、例えば、ルミネッセンス、化学ルミネッセンス、比色定量評価、フルオレッセンス、放射活性または酵素活性により定量することができる。事実上、任意の技術上公知のシグナル形成ラベルを本発明の方法に用いることができる。
【0069】
単なる例示として、本発明において結合リガンドを検出可能に標識するために用いることができる有色のまたは蛍光性の化合物のいくつかの好適な例は、アントラキノン類、アゾ染料、オキサジンおよびチアジンのようなアジン染料、トリアジン類、ポルフィリン類のような天然由来の色素、フィコエリトリン(phycoerythin)およびフィコクアニン(phycoquanin)を含むフィコビリタンパク質、クロロフィルおよびそれらの同族体と誘導体、カロチノイド、アクリニジン(acrinidine)、フルオレッセインおよびローダミンを含むキサンテン類、インジゴ染料、チオキサンテン類、クマリン類、ジおよびトリアリールメチンを含むポリメチン類およびその誘導体、フタロシアニン類および金属フタロシアニン類である。
【0070】
同様に、広い範囲の放射活性化合物を前記試薬のシグナル形成ラベル部分を本発明に用いることができ、その中にはヨウ素125で標識した化合物がある。
【0071】
その他、前記結合リガンドは、化学ルミネッセンスシグナルを生成し得る天然のまたは合成の化合物と接合して良く、それは、公知の方法で検定することができる(Cormier, M.J. et al.; Chemiluminescence and Bioluminescence, Plinum Press, New York 1973)。好適な化学蛍光化合物は、ルシフェリン、シュウ酸エステル、1,2−ジオキセタン、ルミノールまたはその誘導体を含むが、これらに限定されない。適切であれば、過酸化水素、酵素例えばルシフェラーゼ、またはその他の化学物質を、使用したシグナル生成分子から化学ルミネッセンスシグナルを生成させるために用いて良い。
【0072】
強いアニオン性シグナルを形成する分子は、試料中に存在するヒト血清アルブミン(HSA)のような血清タンパク質と結合する傾向があるため、本発明の方法に使用するのは好ましくない。用いることのできる特に好適な例は、フルオレッセインイソチオシアネート、ローダミンBまたはN−(レゾルフィン−4−カルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはレゾ(resos)である。
【0073】
本発明の方法の一実施形態に基づけば、少なくとも一部のTCIIを含むフラクションを、体液試料から分離することができる。その分離は、前記体液をTCII特異性の結合リガンドと反応させ、つぎに、前記TCII結合フラクションを前記試料の残部から分離し、それによって、そこに含まれる標的分析物を単離しかつ濃縮することにより行う。本発明の一実施形態では、ホロTCIIに向かって方向づけられている検出可能な結合リガンドを、前記分離した結合フラクション中に存在するTCII−コバラミン複合体を定量するために使用することができる。前記ホロTCII結合リガンドは、調査する試料と接触させて良い。その接触は、TCII結合リガンドとの接触に先立ってか、同時にか、または後で行うことができ、かつ、前記TCII結合フラクションを、前記試料の残部から分離する前または後で行うことができる。
【0074】
それと対応して、コバラミン含有フラクション(例えば、ホロTCIIおよびホロHCを含む)は、前記試料の残部と分離して良い。その分離は、調査する体液を、アポTCIIおよびアポHCに結合する固定化されたまたはつながれたコバラミンまたはその同族体もしくは断片と反応させ、そして、前記結合フラクションから、ホロTCIIおよびホロHCを含む前記試料の残部を分離することにより行う。検出可能なTCII結合フラクションは、つぎに、前記分離したフラクション中に存在するTCII−コバラミン複合体を検出するために使用することができる。前記検出可能なTCII結合リガンドは、研究する試料と接触させることができる。その接触は、前記結合コバラミンとの接触に先立ってか、同時にか、または後で行うことができ、かつ、前記結合フラクションを、前記試料の残部から分離する前または後で行うことができる。
【0075】
いくつかの実施例では、アポおよび/またはホロTCII/HC複合体のうち一つのまたは他の構成要素のための固定化リガンドは、カラム中で整理(arrange)することができる。前記TCIIコバラミン複合体を含む体液は、前記カラムに適用し、前記結合リガンドと接触させて良い。
【0076】
前記カラムは、流す(flush through)かまたは洗うかして良く、また、必要であれば、結合フラクションを前記カラムから放出させ、その収集を促進することを可能にするために、溶出剤を用いる。前記非結合フラクションの中身を、他の構成成分についても分析する場合は、前記カラムは、緩衝液または媒質で洗浄してよい。その緩衝液または媒質は、正確な知られた体積を管理しかつ集めることを確実にするために、目盛り付きマイクロピペットを用いて管理する。前記管理された体積は、好ましくは、望ましい(すなわち、検量(calibration)の)体積の3%以内、より好ましくは、1または2%以内である。さらに、分析しようとするフラクションを、検出前に前記カラムから放出する場合、前記複合体を放出するために用いる溶出剤は、目盛り付きマイクロピペットで管理すべきである。
【0077】
その他の実施形態では、試料のフラクションを分離するために用いる前記結合リガンドは、微粒子状の固層支持体、例えば、ラテックスまたはポリマービーズ上に固定することができる。操作および分離を助けるために磁性ビーズを使用して良く、事実上、これが本発明の好ましい実施形態である。ここで使用する「磁性」という用語は、その支持体が磁場内に置かれたときに、それに与えられた磁気モーメントを持ち得ることを意味する。言い換えると、磁性粒子を含む支持体は、磁性集合(magnetic aggregation)により容易に取り除くことができ、リガンド結合に続くフラクションを分離するための迅速、単純かつ効果的な手法を与える。
【0078】
したがって、本発明の方法を用いると、前記TCII−コバラミン複合体が付着した前記磁性粒子は、磁場の適用、例えば永久磁石の使用により、適切な表面へと取り除くことができる。前記試料混合物を含む器の側面に磁石を適用することで、前記粒子を前記器の壁に集め、それらをさらなる分析のために単離するためには、通常は十分である。
【0079】
特に好ましいのは、例えば、Sintefにより欧州特許公開106873号(EP-A-106873)で記述されている超磁性粒子であり、前記粒子の反応途中における凝集および凝固(aggregation and clumping)を回避することができる。Bang Particles(米国)製の周知の磁性ビーズは、本発明に特に好ましく使用することができる。
【0080】
一般的に、評価(evaluate)しようとする試料の他に、ホロTCII複合体含有量の分かっている検量用試料(calibration sample)も、本発明の検定方法の実行において評価(assess)するのが良い。そのような定量は、検量線をプロットするのに使用することができ、その検量線から、調査しようとする試料中の前記TCII結合コバラミン含有量を定量することができる。前記ホロTCII複合体の定量に使用する前記検量用試料の性質および換算係数または調整係数の選択は、例えば、結合に使用する特異性リガンドと、前記アッセイの分離段階と、前記方法において前記試料の結合および分離に影響を与えるその他の面、例えば、緩衝液の組成、アッセイの条件に依存して変化する。典型的には、ホロTCII含有量0から300pmol/Lの検量用試料を使用するのが良い。それによるTCII結合コバラミンの価の参照範囲(reference range)は、一般的には、30から160pmol/Lに見られる。
【0081】
ホロTCIIの校正標準(calibration standard)は、典型的には、ヒトの、天然または組替えのホロTCIIである。ホロTCIIの、ホロTCIIアッセイにおける校正物質(calibrator)としての使用は、新規であり、本発明のさらなる面を形作る。
【0082】
他のさらなる面から見ると、本発明は、本発明にしたがった診断上のアッセイに使用するキットを提供する。そのキットは、TCIIまたはホロTCII特異性の、固定化されたまたは固定化され得る結合リガンドと、好ましくは既知の濃度のホロTCII溶液、より好ましくはホロTCII複合体濃度の範囲を有するそのような溶液のセットと、任意にコバラミンをホロTCIIから放出させる放出剤(release agent)と、任意に標識リガンドとを含む。
【0083】
本発明の検定方法は、前記ホロTCII複合体を定量するか、または前記ホロTCII複合体を単離することによりコバラミンの代謝活性プールを定量し、そしてつぎに、そこに結合したコバラミンを定量し、そして、そのように、コバラミン欠乏症の臨床症状の開始前または後におけるコバラミン欠乏の定量のために便利な方法を提供する。前記検定方法は、コバラミンの陰性バランスにおける正確な予言値を持つため、病気の徴候が始まる前に有利に使用することができる。
【0084】
本発明を、以下の限定しない実施例およびそれに伴う図により例示する。図1は、ホロTCIIの標準曲線であり、図2は、血清中の全コバラミンとホロTCII濃度との相関を示すプロットであり、そして、図3は、血清中の全コバラミンとホロHC濃度との相関を示すプロットである。
【0085】
実施例1
TCII特異性抗体(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体)を、磁化できる粒子上に固定する。同体積のPBSと混合した血清のアリクォット(aliquot)(100〜500μL)を、過剰の固定化された抗体および過剰の、オーバーラップしていない、I125で放射性同位体ラベルされた抗ホロTCII抗体(例えば、モノクローナル抗体)と共に15分間反応させる。前記磁化できる粒子は、強力な磁石を用いて沈殿させ、上澄みを除去し、前記粒子をPBSで洗浄する。
放射活性を測定し、試料のホロTCII濃度を、標準曲線上への内挿(interpolation)により定量する。
【0086】
実施例2
TCII特異性抗体(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体)を、磁化できる粒子上に固定する。同体積のPBSと混合した血清のアリクォット(aliquot)(600μL)を、過剰の固定化された抗体と共に30分間反応させる。前記磁化できる粒子は、強力な磁石を用いて沈殿させ、上澄みを除去する。前記粒子をPBSで洗浄し、続いて、シアン化カリウム(100μM)とジチオトレイトール(15mM)を含む水酸化ナトリウム(0.3M)および一定量(fixed amount)の、I125またはCo57で放射性同位体ラベルされたシアノコバラミンで、総量100μLで15分間処理することにより、前記固定化されたホロTCIIに結合したコバラミンを放出し、かつ、同時に、コバラミンの全ての形態をシアノコバラミンに変換し、そして、一定量の標識されたシアノコバラミンと混合する。100μLのホウ酸緩衝液中の限定された量の内因子を加え、10分間反応させる。前記磁化できる粒子を、強力な磁石により沈殿させ、150μLの上澄みを、放射活性の測定のために除去する。血清試料中のTCII結合コバラミンの濃度を、標準曲線から定量する。
同時に、前記放出されたコバラミンは、アボットのIMx法(Abbot's IMx method)または同様の方法を用いて測定することができる。
【0087】
実施例3
ホロTCII特異性抗体(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体)を、磁化できる粒子上に固定する。同体積のPBSと混合した血清のアリクォット(aliquot)(100〜500μL)に、一定量の、I125で放射性同位体ラベルされたホロTCIIおよび限定された量の抗ホロTCII抗体を加える。15分間の浸漬(incubation)の後、前記磁化できる粒子を、強力な磁石を用いて沈殿させる。前記粒子をPBSで洗浄し、その放射活性を測定する。ホロTCII濃度は、標準曲線から定量する。
【0088】
実施例4
組替えホロTCIIを、磁化できる粒子上に固定する。同体積のPBSと混合した血清のアリクォット(aliquot)(100〜500μL)に、一定量の、固定化されたホロTCIIおよび過剰量の、I125で放射性同位体ラベルされたホロTCII特異性抗体(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体)を加える。15分間の浸漬(incubation)の後、前記粒子を、強力な磁石を用いて沈殿させる。前記粒子をPBSで洗浄し、その放射活性を測定する。ホロTCII濃度は、標準曲線から定量する。
【0089】
実施例5
血清のアリクォットに、過剰の、ビオチン化された(biotinylated)コバラミンを加え、全てのアポTCIIおよびアポHCと結合するようにする。10分間の浸漬の後、前記血清試料を、アビジンで被覆した磁性粒子で10分間処理する。前記粒子を、強力な磁石を用いて沈殿させる。上澄みを回収し、二つのオーバーラップしていないモノクローナル抗TCII抗体と混合する。一つはI125で放射性同位体ラベルされており、他はビオチンと接合(conjugate)している。10分後、アビジンで被覆された磁化できる粒子を加え、10分間、ビオチン化アダクトと結合させる。続いて、前記粒子を強力な磁石で沈殿させ、PBSで洗浄する。放射活性を測定し、ホロTCII濃度は、標準曲線上への内挿により定量する。
【0090】
実施例6
実施例5と同様に、しかし、アポTCIIの枯渇した血清を、一定量の、I125でラベルしたホロTCIIおよび限定された量の、磁化できる粒子上に固定された抗TCII抗体と混合する。15分間の前記粒子を、強力な磁石を用いて沈殿させる。
前記粒子をPBSで洗浄し、その放射活性を測定する。
【0091】
実施例7
コバラミンを磁化できる粒子上に、例えば共有結合により、またはビオチン−(ストレプト)アビジン結合の使用により固定する。典型的には、ストレプトアビジンで被覆した磁化できる粒子は、1μMのビオチン化されたコバラミンに、室温で、暗所において、30分間浸漬する。前記ビーズを磁石を用いて沈殿させ、PBSで2回洗浄し、PBS+5mg/mL HSA中、1%で再縣濁させる。血清のアリクォット(100〜500μL)に、同体積のPBSおよび十分の一の体積の、コバラミンで被覆された磁化できる微粒子を加える。その混合物を、室温で、暗所において30分間浸漬し、全てのアポTCIIおよびアポHCと結合させる。前記粒子を磁石により沈殿させ、その上澄みを回収し、二つのオーバーラップしていないモノクローナル抗ヒトTCII抗体と混合する。一つはI125で放射性同位体ラベルされており、他はビオチンと接合(conjugate)している。10分後、(ストレプト)アビジンで被覆された磁化できる粒子を加え、10分間、ビオチン化アダクトと結合させる。続いて、前記粒子を強力な磁石で沈殿させ、PBSで洗浄する。放射活性を測定し、ホロTCII濃度は、標準曲線上への内挿により定量する。
【0092】
実施例8
実施例7と同様に、しかし、過剰のビオチン化されたコバラミンを、直接に血清試料+PBSに加え、全てのアポTCIIおよびアポHCと結合させる。10分間浸漬後、前記血清試料を、(ストレプト)アビジンで被覆した磁化できる微粒子で、30分間、室温で、暗所において処理する。
【0093】
実施例9
ヒトTCII特異性であり、明らかに5×109-1を超える結合定数を有するウサギ抗体を、ヤギ抗ウサギIgG抗体(Indica Diagnostics)で被覆した、1μmの磁化できる微粒子上に固定化した。49名の健康なボランティアからの、それぞれ400μLの血清試料を、同体積のPBSおよび40μLの前記固定化された抗体(1%)と混合した。その混合物を、室温で、暗所に、1時間保持し、続いて、微粒子を、磁石を用いて沈殿させた。その沈殿物を、氷冷の洗浄用緩衝液(PBSに加え0.02%のTween 20)で一度洗浄し、続いて、50mMのジチオトレイトール、0.001%のシアン化カリウム、および一定量の57Co−CN−コバラミン(アマシャム)を含んだ、pH7.5のリン酸緩衝液50μL中で再縣濁させた。これを室温で30分間静置し、その後、25μLの0.5M水酸化ナトリウムを加え、15分後、pH8.6のホウ酸緩衝液中でデキストラン上に固定された(50%の追跡物(tracer)と結合するのに十分な)内因子300μLを加えた。室温、暗所で1時間後、試料を1000g、4℃で10分間遠心分離し、上澄みを注意深く除去し、ペレットを、Packard Riasrarでカウントした。TCII結合コバラミンの濃度は、試料ごとに取り扱った8の校正物質(0〜500pMのホロTCII)により作図した標準曲線から定量した。また、37の血清試料を、血清中の全コバラミンについて、アボットのIMx B12アッセイを用いて分析した。
前記ホロTCIIについての標準曲線を図1に示す。また、37名の健康なボランティアにおける、血清中の全コバラミンとホロTCII濃度との関係を、図2に示す。r2=0.50であるから、相関が低いことは明らかである。対照的に、ホロHCと血清中の全コバラミンとの相関は高く、r2=0.96である(図3)。49名の健康なボランティアについての平均ホロTCII濃度は、64±28pMであり、95%参照範囲(reference range)は、23〜127pMであった。
本アッセイは、10%のCV、10pM以下での分析感度(0校正物質、3標準偏差(0-calibrator-3 s.d.))を有し、ハプトコリンと交差反応をしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ホロTCIIの標準曲線である。
【図2】 血清中の全コバラミンとホロTCII濃度との相関を示すプロットである。
【図3】 血清中の全コバラミンとホロHC濃度との相関を示すプロットである。

Claims (24)

  1. 体液由来の無細胞試料を、トランスコバラミンII(TCII)のアポ形態およびハプトコリンのアポ形態と選択的に結合する固定化されたコバラミンまたはその同族体もしくは断片に接触させることと、
    続いて前記接触後の試料を、TCIIまたはコバラミンに結合したTCII(ホロTCII)に対して特異的に結合する固定化されたリガンドまたは固定化され得るリガンドと接触させることと、
    リガンドに結合したフラクションをリガンドに結合していないフラクションと分離することと、
    前記リガンド結合フラクションにおけるホロTCIIまたはTCIIに結合したコバラミンを測定することを含む、身体由来の試料(body sample)中のTCIIに結合したコバラミンを定量するための検定方法。
  2. 体液由来の無細胞試料を、磁化可能な粒子上に固定された、TCIIまたはホロ−トランスコバラミンII(ホロTCII)に対して特異的に結合するリガンドと接触させることと、
    磁場を適用することにより、リガンドに結合したフラクションをリガンドに結合していないフラクションと分離することと、
    前記リガンド結合フラクションに含まれるホロTCIIまたはTCIIに結合したコバラミンを測定することを含む、身体由来の試料中のホロTCIIを定量するための検定方法。
  3. 前記特異性結合リガンドが、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体、抗体フラグメント、ポリペプチド、オリゴペプチド、小さい有機化学薬品、組み合わせの化学(combinatorial chemistry)もしくはファージディスプレイライブラリから選択される特定のバインダー、DNAもしくはRNAの特定結合配列、または細胞表面レセプターを含む群から選択される請求項1又は2に記載の検定方法。
  4. 前記特異性結合リガンドが、TCIIに対する高い程度の選択性および特異性を示し、かつ、その他のアポもしくはホロ形態のTCタンパク質または任意の他のコバラミン結合タンパク質に対しては低い親和性を示す請求項1から3のいずれか一項に記載の検定方法。
  5. 前記特異性結合リガンドが、TCIIに結合するモノクローナル抗体である請求項1から4のいずれか一項に記載の検定方法。
  6. 前記コバラミンが、周囲の媒体の温度またはpHを変化させることによりホロTCII分子から放出される請求項1から5のいずれか一項に記載の検定方法。
  7. 前記放出されたコバラミンが、コバラミンのための固定化された結合パートナーを、試料中の解離したコバラミンと、前記固定化された結合パートナーと結合することについて前記単離されたコバラミンと競合する標識リガンドの存在下で、接触させることによって行われる競合アッセイによって定量される請求項6に記載の検定方法。
  8. 前記標識リガンドが、ルミネッセンス、化学ルミネッセンス、比色定量評価、フルオレッセンス、放射活性または酵素活性により定量することができるシグナル形成ラベルで標識される請求項7に記載の検定方法。
  9. 前記標識リガンドが、化学ルミネッセンスにより定量することができるシグナル形成ラベルで標識される請求項7に記載の検定方法。
  10. TCII結合リガンドをその上に固定した固形担体を、調査しようとする試料および固定化されていないリガンド(非固定化リガンド)と接触させることと、
    結合フラクションを非結合フラクションと分離することと、
    前記結合フラクションにおけるリガンドに結合した前記非固定化リガンドまたは前記非結合フラクションにおける溶液中の前記非固定化リガンドを直接または間接的に定量することとを含み、
    前記固形担体上に固定化されたリガンドが、TCIIまたは前記TCIIと前記非固定化リガンドとの複合体に結合することが可能であり、かつ、前記非固定化リガンドが、ホロTCIIと結合することが可能であり、
    前記非固定化リガンドを結合する前記固定化されたリガンドの比率、または、前記非固定化リガンドとホロTCとの複合体を結合する前記固定化されたリガンドの比率が、前記試料中に存在するホロTCIIの量に依存し、
    前記非固定化リガンドが、結合時または非結合時に、直接的にまたは間接的に探知可能なシグナルを生成することが可能であり、
    前記固形担体との、前記試料および前記非固定化リガンドの接触は、個別に、同時にまたは連続的に行って良く、かつ、個別にまたは連続的に行う場合は、どのような順序で接触させても良い、
    請求項1に記載の検定方法。
  11. 前記TCIIに結合したリガンドが、少なくとも109-1の親和定数を有する請求項1から10のいずれか一項に記載の検定方法。
  12. 前記親和定数が、1011-1を超える請求項11に記載の検定方法。
  13. ホロTCIIまたはTCIIに結合したリガンドの、HCとの交差反応性の程度が0.1%と1%の間である請求項1から12のいずれか一項に記載の検定方法。
  14. ホロTCIIまたはTCIIに結合したリガンドの、HCとの交差反応性の程度が0.1%以下である請求項1から12のいずれか一項に記載の検定方法。
  15. ホロTCIIを含む前記試料を、前記特異的に結合する固定化されたリガンド上の結合部位であって、ホロTCIIの結合部位と同じ結合部位を認識する標識化されたリガンドが結合できる固定化リガンドをその上に有している固形担体と接触させ、
    前記試料中のホロTCIIは、前記結合した標識リガンドと前記結合部位において競合し、系が平衡に達した後、前記固形担体から分離され、溶液中で検出可能な標識リガンドの量と、前記当初の試料中に存在するホロTCIIの量との間は直接比例関係となり、前記溶液中の標識リガンドを、前記固形担体に適切に結合したまたは結合していない標識リガンドの量として直接的にまたは間接的に検出する請求項1に記載の検定方法。
  16. 前記ホロTCII含有試料を、その上に固定化されたホロTCIIを有する固形担体、および、ホロTCIIに特異的な標識され固定化されていないバインダーと接触させる請求項1に記載の検定方法。
    ここで、前記サンプル中のフリーなホロTCIIおよび固定化されたホロTCIIは、標識された非固定化リガンドとの結合において競合し、かつ、前記固形担体に結合しているかまたは溶液中に残っている前記標識リガンドの定量は、ホロTCII濃度の定量を可能にする。
  17. 前記ホロTCII含有試料を、標識されたホロTCIIおよびホロTCIIに結合する固定化リガンドと接触させ、その結果、前記標識されたホロTCIIおよび標識されていないホロTCIIは、前記固定化リガンドと結合することにおいて競合し、平衡に達した後、前記固定化リガンドに結合した標識されたホロTCIIの量が、前記試料中のホロTCIIの量と間接的に比例する請求項1に記載の検定方法。
  18. 前記身体由来の試料が、精液、脳脊髄液、羊水または血液由来の試料を含む群から選択される請求項1から17のいずれか一項に記載の検定方法。
  19. 前記血液由来の試料が、血清または血漿である請求項18に記載の検定方法。
  20. 前記リガンド結合フラクションを、沈殿分離法、遠心分離、濾過またはクロマトグラフィー法により前記非リガンド結合フラクションから分離する請求項1に記載の検定方法。
  21. 較正(calibration)を、ホロTCII標準物質を使用することにより作る請求項1から20のいずれか一項に記載の検定方法。
  22. 前記標準物質が、ヒトの、天然または組替えホロTCIIである請求項21に記載の検定方法
  23. TCIIおよびハプトコリンのアポ形態と選択的に結合する固定化されたコバラミンまたはその同族体もしくは断片、TCIIまたはホロTCII特異性の、固定化されたまたは固定化され得る結合リガンドと、
    既知の濃度のホロTCII溶液またはホロTCII複合体濃度の範囲を有するそのような溶液のセットと、
    コバラミンをホロTCIIから放出させる放出剤(release agent)と、
    標識リガンドとを含む請求項1に記載の検定方法に使用するキット。
  24. ホロTCIIの使用方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の検定方法における較正物質としての使用方法。
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