JP4370451B2 - 医薬組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬理活性物質の吸収促進を向上させる目的で、薬理活性物質を含有する医薬に薬物吸収促進剤を配合することが、通常行われている(例えば、Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst., S.Muranishi, 7, p1-33(1990) 等参照)。
【0003】
しかしながら、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬は、小腸、大腸、直腸等の腸管粘膜に損傷を与えるという副作用を有している(例えば、Pharm. Res., E.S.Swenson, W.B.Milisen, W.Curatolo, 11(8), p1132-1142(1994) 等参照)。この副作用は、薬物吸収促進剤による。
【0004】
上記副作用の発現を抑制するために、薬物吸収促進剤の配合量を少なくする必要がある。しかし、薬物吸収促進剤の配合量を少なくすると、薬理活性物質の吸収促進効果が低下するという不都合が生ずる。
【0005】
このような問題点を改善するために、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物にアルギニン等のアミノ酸を配合する試みがなされている(Biol. Pharm. Bull., Y.Kinouchi, N.Yata, 19(3), p375-378(1996) 参照)。
【0006】
しかしながら、アミノ酸を配合することにより、腸管粘膜の損傷がある程度抑制できるものの、その効果は不十分である。そして、腸管粘膜の損傷をより一層抑制できる医薬組成物の開発が要望されている。
【0007】
一方、ポリアミンが乳幼児の消化管の成熟促進作用を有すること(特開平10−262607号公報、特許文献1)及びポリアミンが胃酸分泌を阻止し胃粘膜保護作用を有していること(特開昭58−131914号公報、特許文献2)は公知である。しかしながら、上記公報には、ポリアミンが、分子量が約1000以下である低分子薬理活性物質の吸収を増加させる旨の記載も示唆もない。更に、腸管の薬理活性物質吸収を増加させるためにポリアミンが使用された例は今日まで知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−262607号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭58−131914号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、腸管粘膜に殆ど損傷を与えない医薬組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物にポリアミンを配合することにより、本発明の上記目的を達成できることを見い出した。即ち、本発明者は、ポリアミンが、薬物吸収促進剤による薬物吸収促進効果を増強する効果を有しており、このため薬物吸収促進剤とポリアミンとを併用すれば、薬物吸収促進剤の使用量を減らすことができ、その結果として薬物吸収促進剤の副作用による腸管粘膜の損傷を抑制又は防止できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
1.本発明は、薬理活性物質、薬物吸収促進剤及びポリアミンを含有する医薬組成物を提供する。
2.本発明は、薬物吸収促進剤が溶解補助剤である上記1に記載の医薬組成物を提供する。
3.本発明は、薬理活性物質が、テオフィリン、シロスタゾール、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール、5−フルオロウラシル、ジクロフェナック、シクロスポリン、ニフェジピン、フェノールレッド、トルパブタン、インターフェロンα、インターフェロンβ、ベスナリノン、ナジフロキサシン、トボノン、プラニジピン、セファゾリン、ブプレノルフィン、プロブコール、γ−オリザノール、1−[3−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン モノメタンスルホネート、4−(N−メチル−2−フェニルエチルアミノ)−1−(3,5−ジメチル−4−プロピオニルアミノベンゾイル)ピペリジン ハイドロクロライド モノハイドレート、(±)−5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズアゼピン ハイドロクロライド、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸、メバロチン、ロキソニン、プロブレス、ベイスン、タケプロン、パンスポリン、セルタ、カルスロットノルバスク、リピトール、カルデナリン、バイアグラ、クラビット、バナルジン、ガスター、ハルナール、ペルジピン、セルベックス、グラケー、アリセプト、リポバス、ニューロタン、レニベース、フロモックス、フルマリン、ケフラー、サジテン、ラシミール、エポジン、セフゾン、インタール及びニバジールからなる群より選ばれた少なくとも1種である上記1に記載の医薬組成物を提供する。
4.本発明は、薬物吸収促進剤が、胆汁酸のアルカリ金属塩である上記1に記載の医薬組成物を提供する。
5.本発明は、薬物吸収促進剤が、タウロコール酸のアルカリ金属塩及びタウロデオキシコール酸のアルカリ金属塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である上記4に記載の医薬組成物を提供する。
6.本発明は、ポリアミンが、スペルミンである上記1に記載の医薬組成物を提供する。
7.本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物と併用される薬物吸収増強剤であって、ポリアミンを含有することを特徴とする薬物吸収増強剤を提供する。
8.本発明は、薬物吸収促進剤が溶解補助剤である上記7に記載の薬物吸収増強剤を提供する。
9.本発明は、ポリアミンが、スペルミンである上記7又は8に記載の薬物吸収増強剤を提供する。
10.本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物と併用される腸管粘膜保護剤であって、ポリアミンを含有することを特徴とする腸管粘膜保護剤を提供する。
11.本発明は、薬物吸収促進剤が溶解補助剤である上記10に記載の腸管粘膜保護剤を提供する。
12.本発明は、ポリアミンが、スペルミンである上記10又は11に記載の腸管粘膜保護剤を提供する。
13.本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物にポリアミンを配合して、薬理活性物質の吸収を改善する方法を提供する。
14.本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物にポリアミンを配合して、腸管粘膜の損傷を抑制又は防止する方法を提供する。
15.本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物とポリアミンを含有する薬物吸収増強剤とを併用して、薬理活性物質の吸収を改善する方法を提供する。
16.本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物とポリアミンを含有する薬物吸収増強剤とを併用して、腸管粘膜の損傷を抑制又は防止する方法を提供する。
17.本発明は、難溶性薬理活性物質及びポリアミンを含有し、薬物吸収促進剤を含有しない医薬組成物を提供する。
18.本発明は、薬物吸収促進剤が溶解補助剤である上記17に記載の医薬組成物を提供する。
19.本発明は、難溶性薬理活性物質が、シロスタゾール、レバミピド、シクロスポリン及びニフェジピンからなる群より選ばれた少なくとも1種である上記17に記載の医薬組成物を提供する。
20.本発明は、ポリアミンが、スペルミンである上記17に記載の医薬組成物を提供する。
21.本発明は、難溶性薬理活性物質を含有し、薬物吸収促進剤を含有しない医薬組成物と併用される薬物吸収改善剤であって、ポリアミンを含有することを特徴とする薬物吸収改善剤を提供する。
22.本発明は、難溶性薬理活性物質を含有し、薬物吸収促進剤を含有しない医薬組成物にポリアミンを配合して、該薬理活性物質の吸収を改善する方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
ポリアミン含有医薬組成物A
ポリアミンを含有する医薬組成物について、以下に説明する。
【0013】
本発明の医薬組成物は、薬理活性物質、薬物吸収促進剤及びポリアミンを含有する。ポリアミンは、薬物吸収促進剤の吸収促進効果を高める作用を有する。本明細書において、薬物吸収促進剤とは、薬理活性物質の吸収を促進する化合物である。
【0014】
薬理活性物質としては、腸管粘膜から吸収される薬理活性物質である限り特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。このような薬理活性物質としては、例えば、呼吸器官用製剤、消化器官用製剤、循環器官用製剤、中枢神経用製剤、末梢神経用製剤、抗生物質製剤、化学療法剤、抗腫瘍剤、血小板凝集抑制剤、抗アレルギー剤、ビタミン剤、診断薬等の各種製剤に配合される通常の薬理活性物質を挙げることができる。
【0015】
このような薬理活性物質の具体例としては、例えば、テオフィリン、シロスタゾール、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール、5−フルオロウラシル、ジクロフェナック、シクロスポリン、ニフェジピン、フェノールレッド、トルパブタン、インターフェロンα、インターフェロンβ、ベスナリノン、ナジフロキサシン、トボノン、プラニジピン、セファゾリン、ブプレノルフィン、プロブコール、γ−オリザノール、1−[3−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン モノメタンスルホネート、4−(N−メチル−2−フェニルエチルアミノ)−1−(3,5−ジメチル−4−プロピオニルアミノベンゾイル)ピペリジン ハイドロクロライド モノハイドレート、(±)−5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズアゼピン ハイドロクロライド、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸、メバロチン、ロキソニン、プロブレス、ベイスン、タケプロン、パンスポリン、セルタ、カルスロットノルバスク、リピトール、カルデナリン、バイアグラ、クラビット、バナルジン、ガスター、ハルナール、ペルジピン、セルベックス、グラケー、アリセプト、リポバス、ニューロタン、レニベース、フロモックス、フルマリン、ケフラー、サジテン、ラシミール、エポジン、セフゾン、インタール、ニバジール等が挙げられる。
【0016】
好ましい薬理活性物質は、例えば、テオフィリン、シロスタゾール、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール、5−フルオロウラシル、ジクロフェナック、シクロスポリン、ニフェジピン、フェノールレッド、トルパブタン、インターフェロンα、インターフェロンβ、ベスナリノン、ナジフロキサシン、トボノン、プラニジピン、セファゾリン、ブプレノルフィン、プロブコール、γ−オリザノール、1−[3−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン モノメタンスルホネート、4−(N−メチル−2−フェニルエチルアミノ)−1−(3,5−ジメチル−4−プロピオニルアミノベンゾイル)ピペリジン ハイドロクロライド モノハイドレート、(±)−5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズアゼピン ハイドロクロライド、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸等である。
【0017】
より好ましい薬理活性物質の具体例としては、例えば、テオフィリン、シロスタゾール、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール、5−フルオロウラシル、ジクロフェナック、シクロスポリン、ニフェジピン、フェノールレッド等が挙げられる。
【0018】
これら薬理活性物質は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0019】
薬物吸収促進剤のうち、ある種の化合物は上記薬理活性物質の溶解を補助する作用を有しているので、薬理活性物質として難溶性薬理活性物質を使用できる。薬物吸収促進剤であって、薬理活性物質の溶解を補助する作用を有している化合物を、本明細書において「溶解補助剤」という。
【0020】
ここで、難溶性薬理活性物質とは、水に対する溶解度が10mg/ml以下の薬理活性物質を意味する。例えば、第13改正日本薬局方で規定されている溶解性が「極めて溶けにくい」及び「ほとんど溶けない」に該当する薬物が、難溶性薬理活性物質に該当する。
【0021】
上記薬理活性物質のうち、難溶性薬理活性物質は、シロスタゾール、レバミピド、アリピプラゾール、シクロスポリン及びニフェジピンである。また、これら難溶性薬理活性物質のうち、吸収性に乏しい薬理活性物質は、レバミピド、シクロスポリン及びニフェジピンである。ここで、吸収性に乏しい薬理活性物質とは、吸収率が40%未満の薬理活性物質を意味する。吸収率及びその測定方法については、例えば、Walter E., Janich S., Roessler B. J., Hilfinger J.H., Amidon G., 1996; J.Pharm. Sci. 85, 1070-1076 に記載されている。
【0022】
薬物吸収促進剤としては、上記薬理活性物質の吸収を促進する化合物であって、特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、胆汁酸塩、中鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸塩、界面活性剤、シクロデキストリン、アルキルサッカライド、キレート化剤、アルキルカルバメート、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0023】
胆汁酸塩としては、例えばコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等の胆汁酸のアルカリ金属塩が挙げられ、具体的にはコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム等が包含される。
【0024】
中鎖脂肪酸塩としては、例えば炭素数6〜13の脂肪酸の塩(特にアルカリ金属塩)が挙げられ、具体的にはカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等が包含される。
【0025】
長鎖脂肪酸塩としては、例えば炭素数14〜20の脂肪酸の塩(特にアルカリ金属塩)等が挙げられ、具体的にはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等が包含される。
【0026】
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリド、トリカプリン酸グリセリド、トリラウリン酸グリセリド、モノウンデシレン酸グリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル等の中鎖脂肪酸グリセリドの他、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等が挙げられる。
【0027】
シクロデキストリンとしては、例えばジメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン等が挙げられる。
【0028】
アルキルサッカライドとしては、例えばカルボキシフルオレセイン、ラウリルマルトシド等が挙げられる。
【0029】
キレート化剤としては、例えばEDTA等のポリアミノカルボン酸類、クエン酸等のオキシカルボン酸類、ジメチルグリオキシム等のオキシム類等が挙げられる。
【0030】
アルキルカルバメートとしては、例えば、C1−C4アルキルカーバメート、具体的には、メチルカルバメート、エチルカルバメート、ブチルカルバメート等が挙げられる。
【0031】
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばモノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
【0032】
これらの中で、薬理活性物質の溶解を補助する作用を有し、溶解補助剤として使用できる化合物は、例えば、胆汁酸塩、中鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸塩、界面活性剤、シクロデキストリン等である。
【0033】
好ましい薬物吸収促進剤は、例えば、胆汁酸塩、中鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸塩等である。
【0034】
より好ましい薬物吸収促進剤は、例えば、胆汁酸塩、中鎖脂肪酸塩等である。
【0035】
これら薬物吸収促進剤は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0036】
本発明においては、上記薬理活性物質及び薬物吸収促進剤(溶解補助剤)を含有する組成物において、ポリアミンを配合することを必須とする。
【0037】
ポリアミンとしては、特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。ポリアミンの具体例としては、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、1,3−ジアミノプロパン、カルジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等を例示できる。
【0038】
好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等である。
【0039】
より好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン等である。
【0040】
これらポリアミンは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0041】
ポリアミンの配合量は、特に限定されるものではないが、吸収促進増強効果、経済性等を考慮すると、薬物吸収促進剤に対して、通常0.001〜5000重量%、好ましくは0.005〜1000重量%、より好ましくは0.05〜1000重量%、更に好ましくは0.1〜500重量%とするのがよい。
【0042】
本発明医薬組成物中における薬理活性物質及び薬物吸収促進剤の配合量は、特に制限がなく、通常の配合量でよいが、ポリアミンが薬理活性物質の腸管からの吸収を高める効果又は薬物吸収促進剤による薬理活性物質の吸収効果を増強する作用を有しているので、薬物吸収促進剤の配合量を少なくすることができる。例えば、有効量の薬理活性物質を使用し、薬物吸収促進剤を薬理活性物質に対して通常0.01〜1000重量%、好ましくは0.05〜500重量%、より好ましくは0.1〜500重量%、特に0.1〜100重量%配合するのがよい。
【0043】
本発明の医薬組成物は、通常、上記薬理活性物質、薬物吸収促進剤及びポリアミンと共に、賦形剤、結合剤、崩壊剤等の各種担体と配合し、製剤とされる。
【0044】
賦形剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の各種の糖類、バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の各種デンプン類、結晶セルロース等の各種セルロース類、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の各種無機塩類等が挙げられる。
【0045】
結合剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、結晶セルロース、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
【0046】
崩壊剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0047】
本発明医薬組成物の製剤形態は、特に限定がなく、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、溶液剤、坐剤等の各種製剤形態を挙げることができる。本発明医薬組成物は、通常、経口投与される。本発明医薬組成物に含まれる薬理活性物質は腸管粘膜から吸収される性質を有しているので、本発明の医薬製剤を、小腸、大腸、直腸等の腸管崩壊性製剤とするのがよい。
【0048】
ポリアミンの投与量は、1日、体重1kg当たり、通常0.0001〜100mg、好ましくは0.005〜20mg、より好ましくは0.05〜20mg、更に好ましくは0.5〜20mgとするのがよい。
【0049】
本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物にポリアミンを配合して、薬理活性物質の吸収を改善する方法を提供する。
【0050】
本発明は、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物にポリアミンを配合して、腸管粘膜の損傷を抑制又は防止する方法を提供する。
【0051】
ポリアミンは薬理活性物質の吸収を改善する作用を有している。そのため、医薬組成物中における薬物吸収促進剤の含有量を減らすことができる。従って、薬物吸収促進剤による腸管粘膜の損傷を抑制又は防止することができる。
【0052】
ポリアミン含有薬物吸収増強剤
上記ポリアミンは、前記のように薬物吸収促進剤が有している薬理活性物質の吸収を増強する効果を有する。従って、本発明は、ポリアミンを含有する薬物吸収増強剤を提供する。
【0053】
ポリアミンとしては、特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。ポリアミンの具体例としては、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、1,3−ジアミノプロパン、カルジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等を例示できる。
【0054】
好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等である。
【0055】
より好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン等である。
【0056】
これらポリアミンは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0057】
ポリアミンの含有量は、特に限定されるものではなく、広い範囲内から適宜選択される。例えば、ポリアミンが、製剤中に、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%の割合で含まれているのがよい。
【0058】
本発明の薬物吸収増強剤は、通常、ポリアミンと共に、賦形剤、結合剤、崩壊剤等の各種担体と配合し、製剤とされる。
【0059】
賦形剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の各種の糖類、バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の各種デンプン類、結晶セルロース等の各種セルロース類、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の各種無機塩類等が挙げられる。
【0060】
結合剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、結晶セルロース、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
【0061】
崩壊剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0062】
本発明薬物吸収増強剤の製剤形態は、特に限定がなく、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、溶液剤、坐剤等の各種製剤形態を挙げることができる。本発明医薬組成物は、通常、経口投与される。ポリアミンは、薬物吸収促進剤による腸管粘膜損傷を抑制又は防止する作用を有していることから、本発明薬物吸収増強剤は、小腸、大腸、直腸等の腸管崩壊性製剤がよい。
【0063】
本発明の薬物吸収増強剤の使用に当たっては、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物と併用する。
【0064】
薬物吸収増強剤と該医薬組成物とを併用するに当たっては、両者を同時に投与することができる。或いは、時間をあけて薬物吸収増強剤、次に医薬組成物の順序で、又は医薬組成物、次に薬物吸収増強剤の順序で投与することができる。
【0065】
ポリアミンの投与量は、1日、体重1kg当たり、通常0.0001〜100mg、好ましくは0.005〜20mg、より好ましくは0.05〜20mg、更に好ましくは0.5〜20mgとするのがよい。
【0066】
ポリアミン含有腸管粘膜保護剤
上記ポリアミンは、前記のように薬物吸収促進剤が有している薬理活性物質の吸収を増強する効果を有するので、薬物吸収促進剤の使用量を減じることができ、その結果、薬物吸収促進剤の副作用による腸管粘膜の損傷を抑制又は防止することができる。従って、本発明は、ポリアミンを含有する腸管粘膜保護剤を提供する。
【0067】
ポリアミンとしては、特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。ポリアミンの具体例としては、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、1,3−ジアミノプロパン、カルジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等を例示できる。
【0068】
好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等である。
【0069】
より好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン等である。
【0070】
これらポリアミンは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0071】
ポリアミンの含有量は、特に限定されるものではなく、広い範囲内から適宜選択される。例えば、ポリアミンが、製剤中に、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%の割合で含まれているのがよい。
【0072】
本発明の腸管粘膜保護剤は、通常、ポリアミンと共に、賦形剤、結合剤、崩壊剤等の各種担体と配合し、製剤とされる。
【0073】
賦形剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の各種の糖類、バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の各種デンプン類、結晶セルロース等の各種セルロース類、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の各種無機塩類等が挙げられる。
【0074】
結合剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、結晶セルロース、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
【0075】
崩壊剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0076】
本発明腸管粘膜保護剤の製剤形態は、特に限定がなく、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、溶液剤、坐剤等の各種製剤形態を挙げることができる。本発明医薬組成物は、通常、経口投与される。ポリアミンは、薬物吸収促進剤による腸管粘膜損傷を抑制又は防止する作用を有していることから、本発明腸管粘膜保護剤は、小腸、大腸、直腸等の腸管崩壊性製剤がよい。
【0077】
本発明の腸管粘膜保護剤の使用に当たっては、薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物と併用する。
【0078】
腸管粘膜保護剤と該医薬組成物とを併用するに当たっては、両者を同時に投与することができる。或いは、時間をあけて腸管粘膜保護剤、次に該医薬組成物の順序で、又は該医薬組成物、次に腸管粘膜保護剤の順序で投与することができる。
【0079】
ポリアミンの投与量は、1日、体重1kg当たり、通常0.0001〜100mg、好ましくは0.005〜20mg、より好ましくは0.05〜20mg、更に好ましくは0.5〜20mgとするのがよい。
【0080】
ポリアミンは薬理活性物質の吸収を改善する作用を有しているので、医薬組成物中における薬物吸収促進剤の含有量を減らすことができる。従って、薬物吸収促進剤による腸管粘膜の損傷を抑制又は防止することができる。
【0081】
ポリアミン含有医薬組成物B
ポリアミンを含有する医薬組成物について、以下に説明する。
【0082】
上記ポリアミンは、薬理活性物質の吸収を増加させる効果を有する。従って、本発明は、難溶性薬理活性物質及びポリアミンを含有し、薬物吸収促進剤(溶解補助剤)を含有していない医薬組成物を提供する。
【0083】
難溶性薬理活性物質とは、水に対する溶解度が10mg/ml以下の薬理活性物質を意味する。例えば、第13改正日本薬局方で規定されている溶解性が「極めて溶けにくい」及び「ほとんど溶けない」に該当する薬物が、難溶性薬理活性物質に該当する。
【0084】
難溶性薬理活性物質としては、腸管粘膜から吸収される薬理活性物質である限り特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。このような薬理活性物質としては、例えば、呼吸器官用製剤、消化器官用製剤、循環器官用製剤、中枢神経用製剤、末梢神経用製剤、抗生物質製剤、化学療法剤、抗腫瘍剤、血小板凝集抑制剤、抗アレルギー剤、ビタミン剤、診断薬等の各種製剤に配合される通常の薬理活性物質を挙げることができる。
【0085】
このような難溶性薬理活性物質の具体例としては、例えば、シロスタゾール、レバミピド、アリピプラゾール、シクロスポリン、ニフェジピン等が挙げられる。これら難溶性薬理活性物質のうち、吸収性に乏しい薬理活性物質は、レバミピド、シクロスポリン及びニフェジピンである。ここで、吸収性に乏しい薬理活性物質とは、吸収率が40%未満の薬理活性物質を意味する。吸収率及びその測定方法については、例えば、Walter E., Janich S., Roessler B. J., Hilfinger J.H., Amidon G., 1996; J.Pharm. Sci. 85, 1070-1076 に記載されている。
【0086】
これら難溶性薬理活性物質は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0087】
ポリアミンとしては、特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。ポリアミンの具体例としては、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、1,3−ジアミノプロパン、カルジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等を例示できる。
【0088】
好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等である。
【0089】
より好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン等である。
【0090】
これらポリアミンは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0091】
ポリアミンの配合量は、特に限定されるものではないが、吸収促進増強効果、経済性等を考慮すると、薬理活性物質に対して、通常0.01〜10000重量%、好ましくは0.05〜1000重量%、より好ましくは0.1〜500重量%、更に好ましくは1〜100重量%とするのがよい。
【0092】
本発明医薬組成物中における薬理活性物質の配合量は、特に制限がなく、通常の配合量でよく、例えば通常0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%とするのがよい。
【0093】
本発明の医薬組成物は、通常、上記薬理活性物質及びポリアミンと共に、賦形剤、結合剤、崩壊剤等の各種担体と配合し、製剤とされる。
【0094】
賦形剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の各種の糖類、バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の各種デンプン類、結晶セルロース等の各種セルロース類、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の各種無機塩類等が挙げられる。
【0095】
結合剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、結晶セルロース、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
【0096】
崩壊剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0097】
本発明医薬組成物の製剤形態は、特に限定がなく、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、溶液剤、坐剤等の各種製剤形態を挙げることができる。本発明医薬組成物は、通常、経口投与される。本発明医薬組成物に含まれる薬理活性物質は腸管粘膜から吸収される性質を有しているので、本発明の医薬製剤を、小腸、大腸、直腸等の腸管崩壊性製剤とするのがよい。
【0098】
ポリアミンの投与量は、1日、体重1kg当たり、通常0.0001〜100mg、好ましくは0.005〜20mg、より好ましくは0.05〜20mg、更に好ましくは0.5〜20mgとするのがよい。
【0099】
ポリアミン含有薬物吸収改善剤
上記ポリアミンは、前記のように薬理活性物質の吸収を改善する効果を有する。従って、本発明は、ポリアミンを含有する薬物吸収改善剤を提供する。
【0100】
ポリアミンとしては、特に限定がなく、公知のものを広く使用できる。ポリアミンの具体例としては、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、1,3−ジアミノプロパン、カルジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等を例示できる。
【0101】
好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペルチルノルスペルミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)カダベリン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン等である。
【0102】
より好ましいポリアミンは、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン等である。
【0103】
これらポリアミンは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0104】
ポリアミンの含有量は、特に限定されるものではなく、広い範囲内から適宜選択される。例えば、ポリアミンが、製剤中に、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%の割合で含まれているのがよい。
【0105】
本発明の薬物吸収改善剤は、通常、ポリアミンと共に、賦形剤、結合剤、崩壊剤等の各種担体と配合し、製剤とされる。
【0106】
賦形剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の各種の糖類、バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の各種デンプン類、結晶セルロース等の各種セルロース類、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の各種無機塩類等が挙げられる。
【0107】
結合剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、結晶セルロース、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
【0108】
崩壊剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0109】
本発明薬物吸収改善剤の製剤形態は、特に限定がなく、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、溶液剤、坐剤等の各種製剤形態を挙げることができる。本発明医薬組成物は、通常、経口投与される。薬理活性物質の吸収が腸管で行われることから、ポリアミンを含む薬剤は、小腸、大腸、直腸等の腸管崩壊性製剤がよい。
【0110】
本発明の薬物吸収改善剤の使用に当たっては、難溶性薬理活性物質を含有する医薬組成物と併用する。
【0111】
難溶性薬理活性物質は、上記で述べた難溶性薬理活性物質と同じである。
【0112】
薬物吸収改善剤と該医薬組成物とを併用するに当たっては、両者を同時に投与することができる。或いは、時間をあけて薬物吸収改善剤、次に該医薬組成物の順序で、又は該医薬組成物、次に薬物吸収改善剤の順序で投与することができる。
【0113】
ポリアミンの投与量は、1日、体重1kg当たり、通常0.0001〜100mg、好ましくは0.005〜20mg、より好ましくは0.05〜20mg、更に好ましくは0.5〜20mgとするのがよい。
【0114】
【発明の効果】
本発明のポリアミンを含有する医薬組成物は、腸管粘膜の損傷を抑制し、しかも薬物の吸収促進効果を著しく向上させるという優れた性能を備えている。
【0115】
薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物とポリアミンを含有する薬物吸収増強剤とを併用することにより、薬物吸収促進剤の効果を著しく高めることができる。
【0116】
薬理活性物質及び薬物吸収促進剤を含有する医薬組成物とポリアミンを含有する薬物吸収増強剤とを併用することにより、薬物吸収促進剤の使用量を減らすことができ、その結果として腸管粘膜の損傷を抑制又は防止することができる。
【0117】
ポリアミンは、薬理活性物質の腸管からの吸収を高める作用を有しているので、薬物吸収促進剤の使用量を減らすことができ、その結果、腸管粘膜の損傷を抑制することができる。
【0118】
【実施例】
以下に製剤例及び試験例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。以下に示す製剤例は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0119】
製剤例1
平均粒子径約2μmのシロスタゾールジェットミル粉砕原末800g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース800g、D−マンニトール224g及びラウリル硫酸ナトリウム(薬物吸収促進剤)60g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)60gを混合し、精製水900gを添加しながら湿式造粒し、乾燥し、整粒した。次いでこの整粒物にステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)16gを添加混合し、直径6.5mmの杵臼を用い、1錠が98mgとなるように打錠して、シロスタゾールとして40mg/錠を含有する錠剤を得た。
【0120】
得られた錠剤を1カプセル当たり5個となるようにカプセルに充填して、シロスタゾールとして200mg/カプセルを含有するマルチプルユニット型カプセル剤を得た。
【0121】
製剤例2
ポリビニルアルコール3.3g、マンニトール10g、ラウリル硫酸ナトリウム2g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)3gを水106gに溶解した。この溶液に平均粒子径約3μmのシロスタゾールジェットミル粉砕原末20gを分散し、溶解した後、得られる溶液を噴霧乾燥して、シロスタゾール粉末製剤を得た。
【0122】
製剤例3(錠剤)
レバミピド20g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g、スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)5g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを混合し、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学社製)0.5gを添加した。この混合物を直径8.0mmの臼で打錠し、重量235.5mgの錠剤を得た。
【0123】
製剤例4(錠剤)
レバミピド20g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g、スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを混合し、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学社製)0.5gを添加した。この混合物を直径8.0mmの臼で打錠し、重量240.5mgの錠剤を得た。
【0124】
製剤例5(顆粒)
レバミピド20g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g、スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを、ニーダー(岡田精工社製、商品名:NSK-150)に投入して混合後、水200gを加えて練合物を得た。この練合物を、0.8 mm穴のドームダイを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、商品名:ドームグランDG-L1)を用いて押し出し造粒し、その後、造粒物を球形整粒機(不二パウダル社製、商品名:マルメライザーQJ-400)により球形に整粒した。得られた整粒物を乾燥し、顆粒を得た。
【0125】
製剤例6(顆粒)
製剤例5で得られた顆粒に、6%ヒドロキシプロピルメチルセルロース、2%ポリエチレングリコール、1%タルク及び1%酸化チタンを含むコーティング液を噴霧して、コーティング顆粒を得た。
【0126】
製剤例7(液剤)
レバミピド20g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g、スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製)100g、水100g及び2N−水酸化ナトリウム水溶液0.5mlの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して液剤を得た。
【0127】
製剤例8(液剤)
レバミピド20g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g、スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製)100g、水100g及び2N−水酸化ナトリウム水溶液0.5mlの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して液剤を得た。
【0128】
製剤例9(坐剤)
レバミピド20g、ウィテップゾルW−35(SASOL Germany GmbH 社製)150g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0129】
製剤例10(坐剤)
レバミピド20g、ウィテップゾルH−15(SASOL Germany GmbH 社製)150g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0130】
製剤例11(坐剤)
レバミピド20g、ポリエチレングリコール1000(シグマ・アルドリッチ社製)150g、ポリエチレングリコール4000(シグマ・アルドリッチ社製)200g、水100g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0131】
製剤例12(坐剤)
レバミピド20g、ポリエチレングリコール1000(シグマ・アルドリッチ社製)150g、ポリエチレングリコール8000(シグマ・アルドリッチ社製)200g、水100g、タウロコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)10g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0132】
製剤例13(錠剤)
スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)5g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを混合し、更にステアリン酸マグネシウム(太平化学社製)0.5gを添加した。この混合物を直径8.0mmの臼で打錠し、重量225.5mgの錠剤を得た。
【0133】
製剤例14(顆粒)
スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10g、コーンスターチ(日本食品化工社製)100g及び結晶セルロース(旭化成社製)100gを、ニーダー(岡田精工社製、商品名:NSK-150)に投入して混合後、水200gを加えて練合物を得た。この練合物を、0.8 mm穴のドームダイを装着した押し出し造粒機(不二パウダル社製、商品名:ドームグランDG-L1)を用いて押し出し造粒し、その後、造粒物を球形整粒機(不二パウダル社製、商品名:マルメライザーQJ-400)により球形に整粒した。得られた整粒物を乾燥し、顆粒を得た。
【0134】
製剤例15(液剤)
スペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製)100g、水100g及び2N−水酸化ナトリウム水溶液0.5mlの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して液剤を得た。
【0135】
製剤例16(坐剤)
ウィテップゾルW−35(SASOL Germany GmbH 社製)150g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0136】
製剤例17(坐剤)
ポリエチレングリコール1000(シグマ・アルドリッチ社製)150g、ポリエチレングリコール4000(シグマ・アルドリッチ社製)200g、水100g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0137】
製剤例18(坐剤)
ポリエチレングリコール1000(シグマ・アルドリッチ社製)150g、ポリエチレングリコール8000(シグマ・アルドリッチ社製)200g、水100g及びスペルミン(シグマ・アルドリッチ社製)10gの混合物を37℃に加温して均一になるまで混合して、溶液を得た。この溶液を鋳型に流し込み、坐剤を得た。
【0138】
試験例1
吸収に関するモデル化合物として、フェノールレッド(PR)を使用し、次の7種類の溶液を調製した。
溶液PA(コントロール1):
PRが100μMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPRを加えて、溶液PAを調製した。
溶液PB(コントロール2):
PRが100μM及びスペルミン(ポリアミン)が10mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPR及びスペルミンを加えて、溶液PBを調製した。
溶液PC(比較例1):
PRが100μM及びタウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が5mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPR及びタウロデオキシコール酸ナトリウムを加えて、溶液PCを調製した。
溶液PD(比較例2):
PRが100μM及びタウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が0.5mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPR及びタウロデオキシコール酸ナトリウムを加えて、溶液PDを調製した。
溶液PE(実施例1):
PRが100μM、タウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が0.5mM及びスペルミン(ポリアミン)が10mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPR、タウロデオキシコール酸ナトリウム及びスペルミンを加えて、溶液PEを調製した。
溶液PF(コントロール3):
PRが100μM及びラウリン酸ナトリウム(溶解補助剤)が2mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPR及びラウリン酸ナトリウムを加えて、溶液PFを調製した。
溶液PG(実施例2):
PRが100μM、ラウリン酸ナトリウム(溶解補助剤)が2mM及びスペルミン(ポリアミン)が10mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にPR、ラウリン酸ナトリウム及びスペルミンを加えて、溶液PGを調製した。
【0139】
(1)溶解補助剤としてタウロデオキシコール酸ナトリウムを用いた試験
試験動物としてSD系雄性ラット(体重約250g)を用いた。ラットの大腸上部に5cmのループを作製し、そのループ内へ上記で調製した各種溶液(溶液PA、溶液PB、溶液PC、溶液PD又は溶液PE)を2.5ml投与した。投与から1.5時間後に、ループ内に残存している溶液を回収した。
【0140】
回収した溶液中のPRの残存量を求め、ラットの大腸から吸収されたPRの吸収率(%)を求めた。
【0141】
また、ラット大腸から漏出(溶出)した蛋白質の量(mg)を測定した。この蛋白質漏出量が大腸損傷の目安となる。
【0142】
結果を表1に示す。
【0143】
【表1】
【0144】
表1中の各数値は、ラット4匹〜11匹を用いた mean±S.E.値である。
【0145】
表1から、次のことがわかる。
【0146】
スペルミン(ポリアミン)を含有する溶液PB(コントロール2)は、スペルミン(ポリアミン)を含有しない溶液PA(コントロール1)に比し、PRの吸収率が殆ど変化がなく、また蛋白質漏出量も同レベルであった。このことから、スペルミン自身は、薬理活性物質の吸収及びラットの大腸粘膜になんら影響を与えていないことが分かる。
【0147】
タウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)を低濃度で含有する溶液PD(比較例2)は、タウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)を含有しない溶液PA(コントロール1)及びスペルミン(ポリアミン)を含有する溶液PB(コントロール2)に比し、PRの吸収率は低下しているものの、蛋白質漏出量は殆ど変わらなかった。PRの吸収率が低下した原因としては、タウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が形成するミセル中にPRが取り込まれたため、PRが腸管から吸収されなかったことが考えられる。
【0148】
タウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)を高濃度で含有する溶液PC(比較例1)は、タウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)を低濃度で含有する溶液PD(比較例2)に比し、PRの吸収率が向上しているが、蛋白質漏出量が著しく増加し、ラットの大腸に損傷を与えた。
【0149】
低濃度のタウロデオキシコール酸ナトリウム(溶解補助剤)と共にスペルミン(ポリアミン)を含有する溶液PE(実施例1)は、PRの吸収率を大幅に向上させ、しかも、蛋白質漏出量に殆ど影響を与えておらず、ラットの大腸に損傷を与えなかった。
【0150】
(2)溶解補助剤としてラウリン酸ナトリウムを用いた試験
試験動物としてSD系雄性ラット(体重約250g)を用いた。ラットの大腸上部に5cmのループを作製し、そのループ内へ上記で調製した各種溶液(溶液PA、溶液PF又は溶液PG)を2.5ml投与した。投与から1.5時間後に、ループ内に残存している溶液を回収した。
【0151】
回収した溶液中のPRの残存量を求め、ラットの大腸から吸収されたPRの吸収率(%)を求めた。
【0152】
また、ラット大腸から漏出(溶出)した蛋白質の量(mg)を測定した。この蛋白質漏出量が大腸損傷の目安となる。
【0153】
結果を表2に示す。
【0154】
【表2】
【0155】
表2中の各数値は、ラット4匹〜11匹を用いた mean±S.E.値である。
【0156】
表2から、次のことがわかる。
【0157】
ラウリン酸ナトリウム(溶解補助剤)を含有する溶液PF(コントロール3)は、ラウリン酸ナトリウム(溶解補助剤)を含有しない溶液PA(コントロール1)に比し、PRの吸収率が向上しているが、蛋白質漏出量が著しく増加し、ラットの大腸に損傷を与えた。
【0158】
ラウリン酸ナトリウム(溶解補助剤)と共にスペルミン(ポリアミン)を含有する溶液PG(実施例2)は、ラウリン酸ナトリウム(溶解補助剤)のみを含有する溶液PF(コントロール3)に比し、PRの吸収率を大幅に向上させ、しかも、蛋白質漏出量に殆ど影響を与えておらず、ラットの大腸に損傷を与えなかった。
【0159】
以上の表1及び表2の結果から、医薬組成物に溶解補助剤及びポリアミンを配合することで、腸管粘膜障害の生じない低濃度の溶解補助剤量で、腸管粘膜障害の生じる高濃度の溶解補助剤量と同等もしくはそれ以上の薬物吸収増強作用を発現でき、安全性が向上することがわかる。
【0160】
試験例2
吸収に関するモデル化合物として、レバミピド(商品名:ムコスタ、大塚製薬(株)製)を使用し、次の4種類の溶液を調製した。
溶液PH(コントロール4):
レバミピドが2.0mg/ml及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5E、信越化学(株)製)が1重量%となるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にレバミピド及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを加え、溶液状態になるように2N−NaOHを滴下して、溶液PHを調製した。溶液PI(コントロール5):
レバミピドが2.0mg/ml、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが1重量%及びタウロコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が5mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にレバミピド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタウロコール酸ナトリウムを加え、溶液状態になるように2N−NaOHを滴下して、溶液PIを調製した。
溶液PJ(実施例3):
レバミピドが2.0mg/ml、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが1重量%、タウロコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が5mM及びスペルミン(ポリアミン)が10mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にレバミピド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、タウロコール酸ナトリウム及びスペルミン(ポリアミン)を加え、溶液状態になるように2N−NaOHを滴下して、溶液PJを調製した。
溶液PK(実施例4):
レバミピドが2.0mg/ml、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが1重量%及びスペルミン(ポリアミン)が10mMとなるように、トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)にレバミピド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びスペルミン(ポリアミン)を加えて、溶液PKを調製した。
【0161】
試験動物としてSD系雄性ラット(体重約250g)を用いた。ラットの大腸上部に5cmのループを作製し、そのループ内へ上記で調製した各種溶液(溶液PH、溶液PI、溶液PJ又は溶液PK)を2.5ml投与した。投与から5分後、15分後、30分後、45分後、60分後及び90分後に、ラット頸静脈から採血した。また、投与から90分後に、ループ内に残存している溶液を回収した。
【0162】
投与から90分以内の全レバミピド吸収量(ng.hr/ml)を求め、AUC1.5hrとして表3に示す。また、投与から5〜90分後におけるレバミピドの最高血中濃度(ng/ml)を求め、Cmaxとして表3に示す。更に、ラット大腸から漏出(溶出)したリン脂質の量を測定し、表3に示す。
【0163】
【表3】
【0164】
表3中の各数値は、ラット4匹を用いた mean±S.E.値である。
【0165】
表3から、次のことがわかる。
【0166】
タウロコール酸ナトリウム(溶解補助剤)を低濃度含有する溶液PI(コントロール5)は、タウロコール酸ナトリウム(溶解補助剤)を含有しない溶液PH(コントロール4)に比し、レバミピドの吸収率は低下しているものの、リン脂質漏出量は殆ど変わらなかった。レバミピドの吸収率が低下した原因としては、タウロコール酸ナトリウム(溶解補助剤)が形成するミセル中にレバミピドが取り込まれたため、レバミピドが腸管から吸収されなかったことが考えられる。
【0167】
低濃度のタウロコール酸ナトリウム(溶解補助剤)と共にスペルミン(ポリアミン)を含有する溶液PJ(実施例3)は、レバミピドの吸収率を大幅に向上させ、しかも、リン脂質漏出量に殆ど影響を与えておらず、ラットの大腸に損傷を与えなかった。
【0168】
スペルミン(ポリアミン)を含有する溶液PK(実施例4)は、レバミピドの吸収を増加させた。上記試験例1においてPRにスペルミン(ポリアミン)を用いた場合にはPRの吸収増加効果が認められなかったことから、スペルミン(ポリアミン)は、難溶性薬理活性物質に対して特異的に作用し、吸収増加効果を発揮することがわかった。
【0169】
実施例4の溶液PKにおいて、レバミピドの代わりにシロスタゾールを用いた場合にも、上記と同様の結果が得られた。
【0170】
また、実施例4の溶液PKにおいて、スペルミン以外のポリアミンを用いた場合にも、上記と同様の結果が得られた。
Claims (4)
- 薬理活性物質、胆汁酸のアルカリ金属塩及びC6-13脂肪酸のアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の薬物吸収促進剤並びにスペルミンを含有する医薬組成物。
- 胆汁酸のアルカリ金属塩がグリココール酸のアルカリ金属塩、タウロコール酸のアルカリ金属塩又はタウロデオキシコール酸のアルカリ金属塩である請求項1に記載の医薬組成物。
- C6-13脂肪酸のアルカリ金属塩がカプロン酸のアルカリ金属塩、カプリル酸のアルカリ金属塩、ラウリン酸のアルカリ金属塩又はラウリル硫酸のアルカリ金属塩である請求項1に記載の医薬組成物。
- 薬理活性物質が、テオフィリン、シロスタゾール、グレパフロキサシン、カルテオロール、プロカテロール、レバミピド、アリピプラゾール、5−フルオロウラシル、ジクロフェナック、シクロスポリン、ニフェジピン、フェノールレッド、トルパブタン、インターフェロンα、インターフェロンβ、ベスナリノン、ナジフロキサシン、トボノン、プラニジピン、セファゾリン、ブプレノルフィン、プロブコール、γ−オリザノール、1−[3−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン モノメタンスルホネート、4−(N−メチル−2−フェニルエチルアミノ)−1−(3,5−ジメチル−4−プロピオニルアミノベンゾイル)ピペリジン ハイドロクロライド モノハイドレート、(±)−5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズアゼピン ハイドロクロライド、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸、プラバスタチン、ロキソプロフェン、カンデサルタン、ボグリボース、ランソプラゾール、セフォチアム、セリバスタチン、マニジピン、アムロジピン、アトルバスタチン、ドキサゾシン、シルデナフィル、レボフロキサシン、チクロピジン、ファモチジン、タムスロシン、ニカルジピン、テプレノン、メナテトレノン、ドネペジル、シンバスタチン、ロサルタン、エナラプリル、セフカペン、フロモキセフ、セファクロル、ケトチフェン、テルビナフィン、エポエチンβ、セフジニル、クロモグリク酸及びニルバジピンからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の医薬組成物。
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