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JP4366775B2 - 固体電解質電池 - Google Patents

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JP4366775B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体又はゲル状の電解質を用いた固体電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、二次電池においては、電子機器の小型化、ポータブル化、高性能化に伴って、これら電子機器の電源としてより小型化、高容量化されることが望まれている。従来、二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池等が使用されている。また、新たな二次電池としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池が実用化されている。
【0003】
しかしながら、これら二次電池では、液状の非水電解液が用いられるために液漏れするといった問題があった。この有効な解決手段として、二次電池では、固体又はゲル状の電解質を用いる、いわゆる固体電解質電池が提案されている。
【0004】
代表的な固体電解質電池としては、リチウムイオン電池にゲル状電解質を用いたポリマーリチウムイオン二次電池がある。一般に、ポリマーリチウムイオン二次電池は、炭素材料のようなリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な物質からなる帯状の負極と、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物等のリチウム複合酸化物からなる帯状の正極とが積層され、この負極と正極との間にゲル状電解質層が形成されてなる積層電極体が、この負極及び正極にそれぞれ取り付けられたリード線を外部へ導出しつつ、外装部材であるラミネートフィルムに封入されてなる。
【0005】
このようなポリマーリチウムイオン二次電池は、液漏れの心配がなく高い安全性を有している。また、ポリマーリチウムイオン二次電池は、外装缶を必要とせず成形性のよい材料を使用していることから、柔軟性があり従来に比べて薄型化しやすいといった利点を有している。また、ポリマーリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間にセパレータを配することなくゲル状電解質層が薄膜形成されていることから、電池作製時において部品点数を削減することができ、作製工程を簡略化することができるといった利点を有している。このようにポリマーリチウムイオン二次電池は、高作動電圧、高エネルギー密度を有する二次電池として大いに注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のポリマーリチウムイオン二次電池は、上述したように負極と正極とが積層され、この負極と正極との間にセパレータを配することなくゲル状電解質層が薄膜形成されてなる積層電極体を有している。このような積層電極体では、帯状の負極集電体上に負極活物質層が形成されてなるものを所望の大きさに裁断して負極としている。同様に、帯状の正極集電体上に正極活物質層が形成されてなるものを所望の大きさに裁断して正極としている。そして、このようにして作製された負極と正極とをゲル状電解質を介して積層して圧着させている。
【0007】
したがって、積層電極体においては、積層される負極と正極との長手方向の端部にバリが生じていたり、集電体等ががむき出しの状態となっていたりする。このため、積層電極体には、積層された負極と正極との長手方向の端部においてこれら相反する極性の電極又は集電体の端面同士が接触してしまい、内部短絡が発生するといった問題があった。この内部短絡の発生は、電池製造時における歩留りの大幅な低下を招くことになる。
【0008】
そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、電池内部の電気的短絡を防止することにより、信頼性の向上した高品質の固体電解質電池を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明の固体電解質電池は、上記積層電極体が長手方向に巻回されており、上記負極又は上記正極には、巻回されたときに他方の電極のリード線が接する部分に、絶縁部材が被覆されていることが好ましい。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する本発明に係る固体電解質電池は、帯状の負極集電体上に負極活物質層が形成されてなる負極と、帯状の正極集電体上に正極活物質層が形成されてなる正極とが積層され、当該負極と当該正極との間に固体電解質層が形成されてなる積層電極体とされ、当該積層電極体を当該正極を内周として多数巻回した巻回構造を有し、当該負極及び当該正極にそれぞれリード線が取り付けられてなり、当該正極リード及び当該負極リードが巻回構造の長手方向の端部から導出され、且つ、当該正極リード及び当該負極リードが並行に導出され、固体電解質層は、ポリフッ化ビニリデンに対してヘキサフルオロプロピレンが8重量%未満の割合で共重合された高分子からなるゲル状電解質を用いて形成されてなり、積層電極体は、長手方向に巻回されており、巻回されたときに、中心部及び外周部側の端部において、一方の電極の端部が臨む当該一方の電極と固体電解質層との間及び/又は他方の電極と固体電解質層との間に、当該負極又は当該正極の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材が被覆されている。
【0017】
以上のように構成された本発明に係る固体電解質電池によれば、積層電極体が長手方向に巻回されており、巻回されたときに、中心部及び外周部側の端部において、一方の電極の端部が臨む一方の電極と固体電解質層との間及び/又は他方の電極と固体電解質層との間に、負極又は正極の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材が被覆されていることから、積層された負極と正極との長手方向の端部付近における接触が防止され、絶縁性が保持される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態として示すポリマーリチウムイオン二次電池1は、図1及び図2に示すように、積層電極体2に接続された外部端子となる正極リード線3及び負極リード線4を外部へ導出しつつ、この積層電極体2が、外装部材5である上部ラミネートフィルム6と下部ラミネートフィルム7とにより封入されてなる。
【0021】
積層電極体2は、図3に示すように、負極8と正極9とが積層され、正極9側を内周として図中矢印Aの向きに多数巻回された構造を有している。積層電極体2には、負極8と正極9との間にゲル状電解質層10が形成されている。なお、積層電極体2においては、負極8の内周側端部を複数回空巻した後、負極8と正極9とを多数巻回する構造としてもよい。
【0022】
負極8は、図4に示すように、負極集電体11の両面に負極活物質層12が形成されてなる。負極8には、その両面の負極活物質層12上にゲル状電解質層10が形成されている。
【0023】
負極集電体11としては、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔等を使用することができる。これら金属箔は、多孔性金属箔とすることが好ましい。金属箔を多孔性金属箔とすることで、集電体と活物質層との接着強度を高めることができる。このような多孔性金属箔としては、パンチングメタルやエキスパンドメタルの他、エッチング処理によって多数の開口部を形成した金属箔等を使用することができる。
【0024】
負極活物質層12を形成するには、負極活物質として、リチウムをドープ・脱ドープできる材料を使用することが好ましい。リチウムをドープ・脱ドープすることができる材料としては、例えば、グラファイト、難黒鉛化炭素系材料、易黒鉛系炭素材料等がある。このような炭素材料としては、具体的には、熱分解炭素類、コークス類、アセチレンブラック等のカーボンブラック類、黒鉛、ガラス状炭素、活性炭、炭素繊維、有機高分子焼成体、コーヒー豆焼成体、セルロース焼成体、竹焼成体等を挙げることができる。
【0025】
なお、負極活物質層12を形成するには、これら負極活物質を2種類以上混合して使用してもよい。また、負極活物質層12を形成するに際して、公知の導電剤や結着剤等を含有させてもよい。
【0026】
正極9は、図5に示すように、正極集電体13の両面に正極活物質層14が形成されてなる。正極9には、その両面の正極活物質層14上にゲル状電解質層10が形成されている。
【0027】
正極集電体13としては、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔を使用することができる。これら金属箔は、多孔性金属箔とすることが好ましい。金属箔を多孔性金属箔とすることで、集電体と活物質層との接着強度を高めることができる。このような多孔性金属箔としては、パンチングメタルやエキスパンドメタルの他、エッチング処理によって多数の開口部を形成した金属箔等を使用することができる。
【0028】
正極活物質層14を形成するには、正極活物質として、目的とする電池の種類に応じて金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子材料を用いることができる。正極活物質としては、LixMO2(Mは1種類以上の遷移金属、好ましくはCo、Ni、又はMnを表し、xは電池充放電状態によって異なり、0.05≦x≦1.12である。)を主体とするリチウム複合酸化物等を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiNiyCo(1-y)2(但し、0<y<1)、LiMn24等を挙げることができる。
【0029】
なお、正極活物質層14を形成する際して、これら正極活物質を2種類以上混合して使用してもよい。また、正極活物質層14を形成するに際して、公知の導電剤や結着剤を含有させてもよい。
【0030】
ゲル状電解質層10を形成するには、非水溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、酢酸メチル、プロピレン酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、2,4−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、4−ブロモベラトロール等を単独若しくは2種類以上の混合溶媒として使用することができる。
【0031】
なお、非水溶媒としては、外装部材5として防湿性ラミネートフィルムを使用した場合、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はγ−ブチルラクトン、2,4−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、4−ブロモベラトロール等の沸点が150℃以上の溶媒を組み合わせて使用することが好ましい。
【0032】
ゲル状電解質層10を形成するには、電解質塩として、例えばLiCl、LiBr、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiB(C654、Li(CH3SO3)、LiCF3SO3等のリチウム塩を使用することができる。
【0033】
ゲル状電解質層10を形成するには、ゲル状電解質に用いられる高分子材料として、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデンの共重合体を使用することができ、共重合モノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレンやテトラフルオロエチレン等を挙げることができる。
【0034】
また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル及びポリアクリロニトリルの共重合体を使用することができる。共重合モノマー(ビニル系モノマー)としては、例えば、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、イタコン酸、水素化メチルアクリレート、水素化エチルアクリレート、アクリルアミド、塩化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等を挙げることができる。さらに、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−塩化ポリエチレン−プロピレンジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−メタアクリレート樹脂、アクリロニトリル−アクリレート樹脂等を使用することができる。
【0035】
また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデンの共重合体を使用することができる。共重合モノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン等を挙げることができる。
【0036】
また、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、ポリエチレンオキサイド及びポリエチレンオキサイドの共重合体を使用することができる。共重合モノマーとしては、例えば、ポリプロピレンオキサイド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等を挙げることができる。
【0037】
その他、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、ポリエーテル変性シロキサン、及びその共重合体を使用することができる。
【0038】
なお、ゲル状電解質に用いられる高分子材料としては、これらを単独又は2種類以上混合して使用することができる。
【0039】
なお、ゲル状電解質層10は、固体電解質としてゲル状電解質を用いて形成されたが、ゲル状の固体電解質に限定されるものではなく、固体電解質として上述した電解質塩を含有する非水溶媒を膨潤した高分子材料からなる高分子固体電解質であってもよい。
【0040】
積層電極体2においては、図6に示すように、負極8の長手方向の両端部8a、8b及び幅方向の両端部8c、8dが、正極9の長手方向の両端部9a、9b及び幅方向の両端部9c、9dよりも大きくなされている。負極8の長手方向の両端部8a、8bには、負極8及び正極9の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材である高分子フィルム15a、15bが、この長手方向の両端部8a、8bを挟み込むようにして被覆されている。また、正極9の長手方向の両端部9a、9bには、負極8及び正極9の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材である高分子フィルム15c、15dが、この長手方向の両端部9a、9bを挟み込むようにして被覆されている。
【0041】
上述のように、負極8及び正極9の長手方向の端部を、絶縁部材15a,15b,15c,15dで被覆することで、例えば、電極の端部にバリが発生していたとしても、このバリによる負極8と正極9との接触を無くして絶縁性を保ち、内部短絡を防止することができる。
【0042】
これら高分子フィルム15a、15b、15c、15dは、絶縁性を有し、且つ上述したゲル状電解質に含まれる非水溶媒等に対して安定性(不溶性、無反応性等)を有するものであればよく、例えば、ポリイミド、ポリエステル、及びポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系高分子材料等を使用することができる。高分子フィルム15a、15b、15c、15dは、その厚みを50μm以下することが好ましい。高分子フィルム15a、15b、15c、15dの接着方法としては、特に限定されるものではなく、接着剤による貼り付け、熱融着等を用いることができる。
【0043】
さらに、本発明に係るポリマーリチウムイオン二次電池1では、図7〜図9に示すように、巻回電極体2において、負極8の、正極9の端部と接触する部分に、負極8の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材である高分子フィルム15が、この負極8の、正極9の端部と接触する部分を挟み込むようにして被覆されていることが好ましい。また、巻回電極体2において、正極9の、負極8の端部と接触する部分に、正極9の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材である高分子フィルム15が、この正極9の、負極8の端部と接触する部分を挟み込むようにして被覆されていることが好ましい。
【0044】
例えば、図7においては、巻回電極体2の中心部において、負極8の、正極9の端部と接触する部分が、絶縁部材である高分子フィルム15eで被覆されており、また、巻回電極体2の中心部において、正極9の、負極8の端部と接触する部分が、絶縁部材である高分子フィルム15fで被覆されている。なお、図7においては、負極8及び正極9の、巻回電極体2の外周部側の端部は、絶縁部材である高分子フィルム15g,15hで被覆されている。
【0045】
また、図8においては、巻回電極体2の外周部において、負極8の、正極9の端部と接触する部分が、絶縁部材である高分子フィルム15iで被覆されており、また、巻回電極体2の外周部において、正極9の、負極8の端部と接触する部分が、絶縁部材である高分子フィルム15jで被覆されている。なお、図においては、負極8及び正極9の、巻回電極体2の中心部側の端部は、絶縁部材である高分子フィルム15k,15lで被覆されている。
【0046】
また、図9においては、負極8及び正極9の両端部が、絶縁部材である高分子フィルム15m,15n,15o,15pで被覆されているとともに、巻回電極体2の中心部及び外周部において、負極8の、正極9の端部と接触する部分が、絶縁部材である高分子フィルム15q,15r,15sで被覆されており、また、巻回電極体2の中心部において、正極9の、負極8の端部と接触する部分が、絶縁部材である高分子フィルム15tで被覆されている。
【0047】
このように、巻回電極体2において、負極8及び正極9の、それぞれ相対する電極の端部と接触する部分を絶縁部材で被覆することで、負極8及び正極9の端部における絶縁性をより確実ならしめることができる。
【0048】
もちろん、巻回電極体2の中心部における絶縁構造と、巻回電極体2の外周部における絶縁構造とは図7〜図9に示したような組み合わせに限定されるものではなく、種々の組み合わせが可能である。
【0049】
負極リード線3及び正極リード線4は、例えば、薄板状又はメッシュ状に加工されたアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属材料を使用することができる。負極リード線3及び正極リード線4は、それぞれ負極8の長手方向の一方端部8a及び正極9の長手方向の一方端部9aに取り付けられた際、上述した高分子フィルム15a、15cに被覆されるように取り付けられている。負極リード線3及び正極リード線4の取付方法としては、例えば、抵抗溶接、超音波溶接等の方法を用いることができる。
【0050】
負極リード線3及び正極リード線4は、それぞれ高分子フィルム15a、15cにより被覆されていることから、負極8の幅方向の端部8c及び正極9の幅方向の端部9c付近におけるこれらリード線と相反する極性の電極又は集電体の端面との接触を防ぐことができ、絶縁性を保持することができる。
【0051】
ここで、負極リード線3及び正極リード線4においては、図10に示すように、負極8の長手方向の両端部8a、8bの高分子フィルム15a、15bに被覆されない位置及び正極9の長手方向の両端部9a、9bの高分子フィルム15c、15dに被覆されない位置に取り付けられた場合、それぞれ負極8の幅方向の端部8c及び正極9の幅方向の端部9cに対応する位置に、絶縁手段である絶縁テープ16a、16bが巻かれることになる。絶縁テープ16a、16bは、上述した高分子フィルム15a〜15tと同様に、絶縁性を有し、且つ上述したゲル状電解質に含まれる非水溶媒等に対して安定性(不溶性、無反応性等)を有するものであればよく、例えば、ポリイミド、ポリエステル、及びポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系高分子材料等を使用することができる。
【0052】
この場合、負極リード線3及び正極リード線4においては、負極8の幅方向の端部8c及び正極9の幅方向の端部9cに対応する位置に、絶縁テープ16a、16bが巻かれていることから、負極リード線3及び正極リード線4の負極8の幅方向の端部8c及び正極9の幅方向の端部9c付近におけるこれらリード線と相反する極性の電極又は集電体の端面との接触を防止ぐことができ、絶縁性を保持することができる。
【0053】
なお、負極リード線3及び正極リード線4においては、絶縁手段として絶縁テープ16a、16bが巻かれた構成とされたが、係る構成に限定されるものではなく、絶縁手段として熱融着により絶縁被膜が成膜された構成であってもよい。
【0054】
さらに、本発明に係るポリマーリチウムイオン二次電池1では、巻回電極体2において、負極8の、正極リード線4と接触する部分が、絶縁部材で被覆されていることが好ましい。また、巻回電極体2において、正極9の、負極リード線3と接触する部分が、絶縁部材で被覆されていることが好ましい。
【0055】
このように、巻回電極体2において、負極8及び正極9の、それぞれ相対する電極リード線と接触する部分を絶縁部材で被覆することで、リード線と相反する極性の電極又は集電体の端面との接触を防止ぐことができ、絶縁性をより確実ならしめることができる。
【0056】
外装部材5は、図1及び図2に示すように、防湿性を有するものであればよく、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔、及びポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた3層から形成されてなる。上部ラミネートフィルム6は、積層電極体2を収納するのに合わせて融着部分となる外縁部分6aを残して膨らみを持たせた形状とされている。下部ラミネートフィルム7は、上部ラミネートフィルム6よりも大きい形状とされている。
【0057】
外装部材5においては、積層電極体2が収納される際、上部ラミネートフィルム6と下部ラミネートフィルム7とが互いのポリエチレンフィルム側を内面として熱融着により上部ラミネートフィルム6の外縁部分6aが下部ラミネートフィルム7に張り合わされ、減圧封止される。外装部材5においては、負極リード線3及び正極リード線4を導出部5aから外部に導出しつつ、積層電極体2を封入することになる。
【0058】
なお、外装部材5においては、係る構成に限定されるものでなく、例えば、略袋状に成形されたラミネートフィルムにより積層電極体2が封入される構成であってもよい。この場合、外装部材5は、その内部に積層電極体2を収納した後、負極リード線3及び正極リード線4を外部に導出しつつ、この収納口である導出部5dを熱融着することで減圧封止される。
【0059】
ここで、正極リード線3及び負極リード線4と外装部材5の導出部5aとの接触部分には、ポリオレフィン樹脂からなる上下2枚の融着フィルム17がこの正極リード線3及び負極リード線4を挟み込むようして設けられている。
【0060】
融着フィルム17としては、正極リード線3及び負極リード線4の対して接着性を有するものであればよく、例えば、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン、及びこれらの共重合体等を挙げることができる。なお、融着フィルム17においては、その熱融着前の厚みが20μm〜200μmの範囲にあることが好ましい。この熱融着前の厚みを20μm以上としたのは、これよりも薄い場合に取扱性が悪くなるからである。逆に、この熱融着前の厚みを200μm以下としたのは、これよりも厚い場合に水分が透過しやすくなり電池内部の気密性を保つことが困難となるからである。
【0061】
このように、融着フィルム17が熱融着に際して溶融することで、負極リード線3及び正極リード線4と外装材5との密着性をより向上させることができる。
【0062】
以上のように構成されたポリマーリチウムイオン二次電池によれば、負極8の長手方向の両端部8a、8bに、それぞれ高分子フィルム15a、15bが被覆されているとともに、正極9の長手方向の両端部9a、9bに、それぞれ高分子フィルム15c、15dが被覆されていることから、積層された負極と正極との長手方向の端部付近における接触を防ぐことができ、絶縁性を保持することができる。したがって、電池作製時における電池内部の電気的短絡を防ぐことができ、信頼性を大幅に向上させることができる。
【0063】
また、以上のように構成されたポリマーリチウムイオン二次電池によれば、負極8の、正極9の端部と接触する部分が絶縁部材で被覆されているとともに、正極9の、負極8の端部と接触する部分が絶縁部材で被覆されていることから、積層巻回された負極と正極との長手方向の端部付近における接触を防ぐことができ、絶縁性を保持することができる。したがって、電池作製時における電池内部の電気的短絡を防ぐことができ、信頼性を大幅に向上させることができる。
【0064】
また、ゲル状電解質層10においては、ゲル状電解質としてポリフッ化ビニリデンを使用する場合に、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリ四フッ化エチレン等が共重合された多元系高分子からなるゲル状電解質を用いて形成されていることが好ましい。さらに好ましくは、ポリフッ化ビニリデン及びポリヘキサフルオロプロピレンの共重合体からなるゲル状電解質を用いて形成されていることが好ましい。これにより、より機械的強度の高いゲル状電解質を得ることができる。
【0065】
また、ゲル状電解質層10においては、ポリフッ化ビニリデンに対してヘキサフルオロプロピレンが8重量%未満の割合で共重合された高分子からなるゲル状電解質を用いて形成されていることが機械的強度を高める上で好ましい。さらに好ましくは、ポリフッ化ビニリデンに対してヘキサフルオロプロピレンが3重量%以上、7.5重量%以下の割合でブロック共重合された高分子からなるゲル状電解質を用いて形成されていることが好ましい。
【0066】
ヘキサフルオロプロピレンの割合を7.5重量%以下としたのは、これよりも多くなると膜強度が不足する虞れがあるからである。逆に、3重量%以上としたのは、これ未満であるとヘキサフルオロプロピレンを共重合することによる溶媒保持能力の向上の効果が不足し、十分な量の溶媒を保持できないからである。
【0067】
なお、ポリマーリチウムイオン二次電池1においては、積層電極体2が巻回構造とされたが、係る構成に限定されるものではない。ポリマーリチウムイオン二次電池1においては、図11に示すように、折り畳み構造とされた積層電極体18を有する構成としてもよい。
【0068】
積層電極体18は、例えば、負極集電体19の片面に負極活物質層20が形成されてなる負極21と、正極集電体22の片面に正極活物質層23が形成されてなる正極24とが、互いに負極活物質層20側と正極活物質層23側とを対向させて積層折り畳まれ、この負極21と正極24との間にゲル状電解質層25が形成されてなる。
【0069】
また、ポリマーリチウムイオン二次電池1においては、図12に示すように、積み重ね構造とされた積層電極体26を有する構成としてもよい。なお、本発明では、多数回巻回した巻回構造を適用する。
【0070】
積層電極体26は、例えば、負極集電体27の両面に負極活物質層28が形成されてなる負極29と、正極集電体30の両面に正極活物質層31が形成されてなる正極32とが、順に複数積み重ねられ、これら積み重ねられた負極29と正極32との間にそれぞれゲル状電解質層33が形成されてなる。
【0071】
なお、上述した実施の形態では、二次電池を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一次電池についても適用可能である。また、本発明の電池は、円筒型、角型等、その形状については特に限定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明に係る非水電解液二次電池を実際に作製した実施例について説明する。また、これら実施例と比較するために作製した比較例について説明する。
【0073】
実施例1
実施例1では、負極を作製するのに、先ず、ハードカーボンを90重量%と、ポリフッ化ビニリデンを10重量%とを混合して負極合剤とした。そして、この負極合剤を適量のN−メチルピロリドン中に分散させてスラリー(ペースト状)とした。
【0074】
次に、この正極合剤スラリーを負極集電体となる厚さ10μmの銅箔の両面に、それぞれ80μmの厚さに均一に塗布し、これを80℃の乾燥炉中に2時間放置することにより乾燥させた。さらに、これを120℃に加熱したローラプレス機により加圧することによって、厚さ100μmの負極を作製した。
【0075】
正極を作製するには、先ず、LiNi0.8Co0.22を95重量%と、ケッチェンブラックを1重量%と、黒鉛を3重量%と、ポリフッ化ビニリデンを3重量%とを混合して正極合剤とした。そして、この正極合剤を適量のN−メチルピロリドン中に分散させてスラリー(ペースト状)とした。
【0076】
次に、この正極合剤スラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に、それぞれ80μmの厚さに均一に塗布し、これを80℃の乾燥炉中に2時間放置することにより乾燥させた。さらに、これを120℃に加熱したローラプレス機により加圧することによって、厚さ100μmの正極を作製した。
【0077】
ゲル状電解質層を形成するには、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとが93:7の重量比でブロック共重合された高分子材料を用いた。先ず、ジメチルカーボネートを80重量部と、γ−ブチルラクトンを42重量部と、エチレンカーボネートを50重量部と、プロピレンカーボネートを8重量部と、LiPF6を18重量部の割合で混合した溶液に対して、1重量%となるように2,4−ジフルオロプロピレンアニソールを加え、さらに同溶液に対して10重量%となるようにポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体をホモジナイザにて均一に分散させた後、これを75℃で加熱攪拌した。
【0078】
そして、この混合液が無色透明に変化した時点で攪拌を終了し、これをドクターブレードを用いて上述した正極及び負極の両面にそれぞれ均一に塗布した後、常圧下、70℃の条件で3分間乾燥することで、正極及び負極の両面に片側で厚さ30μmとなるゲル状電解質層を形成させた。
【0079】
ここで、負極及び正極の長手方向の両端部に、ポリエチレンからなる厚さ50μmの高分子フィルムを熱融着により被覆した。また、負極リード線及び正極リード線を、上述した高分子フィルムに被覆されるように負極及び正極の長手方向の一方端部に取り付けた。
【0080】
以上のように作製された負極と正極とを積層し、正極側を内周として多数回巻回することにより積層電極体を作製した。このようにして得られた積層電極体を負極リード線及び正極リード線を外部へ導出しつつ、ラミネートフィルムに封入することによりポリマーリチウムイオン二次電池を作製した。
【0081】
実施例2
実施例2では、負極及び正極の長手方向の両端部に、ポリプロピレンからなる厚さ50μmの高分子フィルムを熱融着により被覆した以外は、実施例1と同様に作製した。
【0082】
実施例3
実施例3では、負極及び正極の長手方向の両端部に、ポリプロピレンからなる厚さ50μmの高分子フィルムを接着剤により貼り付けた以外は、実施例1と同様に作製した。
【0083】
実施例4
実施例4では、負極及び正極の長手方向の両端部に、ポリイミドからなる厚さ50μmの高分子フィルムを熱融着により被覆した以外は、実施例1と同様に作製した。
【0084】
実施例5
実施例5では、負極及び正極の長手方向の両端部に、ポリイミドからなる厚さ50μmの高分子フィルムを接着剤により貼り付けた以外は、実施例1と同様に作製した。
【0085】
実施例6
実施例6では、負極及び正極の長手方向の両端部に、ポリエステルからなる厚さ10μmの高分子フィルムを接着剤により貼り付けた以外は、実施例1と同様に作製した。
【0086】
実施例7
実施例7では、負極と正極とを巻回電極体とする際に、内周側となる負極及び正極の長手方向の端部に、ポリエチレンからなる厚さ50μmの高分子フィルムを熱融着により被覆した。また、負極と正極とを巻回電極体とする際に、正極の端部及び正極リード線と接触する部分の負極を、ポリイミド樹脂からなる厚さ50μmの高分子フィルムを熱融着により被覆した。さらに、負極と正極とを巻回電極体とする際に、負極の端部及び負極リード線と接触する部分の正極を、ポリイミド樹脂からなる厚さ50μmの高分子フィルムを熱融着により被覆した。
【0087】
以上のように作製された負極と正極とを積層し、正極側を内周として多数回巻回することにより巻回電極体を作製した。このようにして得られた巻回電極体を負極リード線及び正極リード線を外部へ導出しつつ、ラミネートフィルムに封入することによりポリマーリチウムイオン二次電池を作製した。
【0088】
比較例1
比較例1では、従来のように負極及び正極の長手方向の両端部に高分子フィルムを被覆しない以外は、実施例1と同様に作製した。
【0089】
特性評価試験
上述したように作製された実施例1乃至実施例7、比較例1のポリマーリチウムイオン二次電池について、それぞれ10個作製して電池ショート発生件数を測定した。ショート発生の有無は、電池作製直後の電圧により評価した。
【0090】
これら評価結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
Figure 0004366775
【0092】
表1から明らかなように、実施例1乃至実施例7では、電池内部のショート発生件数を10個中0個に抑えることができたのに対して、比較例1では、10個中4個の内部短絡品が発生した。
【0093】
このことから、巻回電極体2において、負極及び正極の長手方向の両端部を高分子フィルムで被覆するとともに、この高分子フィルムに被覆されるように負極リード線及び正極リード線を負極及び正極に取り付けることは、電池の内部短絡品の発生を抑えるうえで有効であることが明らかになった。
【0094】
さらに、実施例7から、巻回電極体2において、正極及び負極の、積層電極体とする際に対極の端部及び対極リードと接触する部分を、絶縁部材で被覆することで、電池の内部短絡の抑制をより確実にできることが明らかになった。
【0096】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る固体電解質電池によれば、積層電極体が巻回されたときに、中心部及び外周部側の端部において、一方の電極の端部が臨む一方の電極と固体電解質層との間及び/又は他方の電極と固体電解質層との間の部分が、絶縁部材で被覆されていることから、積層された負極と正極との長手方向の端部付近における接触を防止することができ、絶縁性を保持することができる。
【0097】
したがって、本発明では、電池作製時における電池内部の電気的短絡を防ぐことができ、信頼性の大幅に向上した高品質の固体電解質電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態として示すポリマーリチウムイオン二次電池の構成を説明する分解斜視図である。
【図2】 同ポリマーリチウムイオン二次電池の構成を説明する斜視図である。
【図3】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の巻回構造を模式的に説明する概略断面図である。
【図4】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における負極の構成を説明する要部断面図である。
【図5】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における正極の構成を説明する要部断面図である。
【図6】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の構成を説明する平面図である。
【図7】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の他の巻回構造を模式的に説明する概略断面図である。
【図8】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の他の巻回構造を模式的に説明する概略断面図である。
【図9】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の他の巻回構造を模式的に説明する概略断面図である。
【図10】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の他の構成を説明する平面図である。
【図11】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における積層電極体の折り畳み構造を模式的に説明する概略断面図である。
【図12】 同ポリマーリチウムイオン二次電池における参考例となる積層電極体の積み重ね構造を模式的説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1 ポリマーリチウムイオン二次電池、 2 積層電極体、 3 負極リード線、 4 正極リード線、 8 負極、 8a,8b 負極の長手方向の両端部、 8c,8d 負極の幅方向の両端部、 9 正極、 9a,9b 正極の長手方向の両端部、 9c,9d 正極の幅方向の両端部、 10 ゲル状電解質層、 15a〜15t 高分子フィルム、 16a,16b 絶縁テープ

Claims (2)

  1. 帯状の負極集電体上に負極活物質層が形成されてなる負極と、帯状の正極集電体上に正極活物質層が形成されてなる正極とが積層され、当該負極と当該正極との間に固体電解質層が形成されてなる積層電極体とされ、当該積層電極体を当該正極を内周として多数巻回した巻回構造を有し、当該負極及び当該正極にそれぞれリード線が取り付けられてなり、当該正極リード線及び当該負極リード線が上記巻回構造の長手方向の端部から導出され、且つ、当該正極リード線及び当該負極リード線が並行に導出され、
    上記固体電解質層は、ポリフッ化ビニリデンに対してヘキサフルオロプロピレンが8重量%未満の割合で共重合された高分子からなるゲル状電解質を用いて形成されてなり、
    上記積層電極体は、長手方向に巻回されており、巻回されたときに、中心部及び外周部側の端部において、一方の電極の端部が臨む当該一方の電極と上記固体電解質層との間及び/又は他方の電極と上記固体電解質層との間に、当該負極又は当該正極の幅方向の寸法よりも大きくなされた絶縁部材が被覆されている固体電解質電池。
  2. 上記積層電極体は、ラミネートフィルムからなる外装部材に封入されている請求項記載の固体電解質電池。
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