本発明はリードレスパッケージ型半導体装置に関するものである。
リードレスパッケージ型の半導体装置(以下、リードレスパッケージと称する)は、半導体チップを封止した封止樹脂から外部接続用の電極としてのリードが突出されていないため、パッケージの外形寸法が封止樹脂の外形寸法と同一に構成できるため、半導体装置の小型化、薄型化に有利である。このようなリードレスパッケージとして特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1の技術は、図16(a)に示すように、半導体チップ301を樹脂パッケージ302で封止しており、樹脂パッケージ302の底面に設けられた樹脂突起303の表面に外部接続用のリードとしての金属膜304を形成し、この金属膜304と半導体チップ301の電極305とをボンディングワイヤ306により電気接続した構成である。
特許第3074264号明細書
この特許文献1の技術は、図には表れないがリードフレームを利用して半導体チップ301を支持した状態で金属膜304に対してボンディングワイヤ306の接続、及び樹脂パッケージ302の形成を行い、その後にリードフレームを除去する製造技術が採用されているが、リードフレームに半導体チップをマウントし、当該リードフレームを残した構成のリードレスパッケージも提案されている。図16(b)はその例であり、リードフレーム402上に半導体チップ401を搭載し、半導体チップ401と外部接続用のリード403との間をボンディングワイヤ404により電気接続した上で半導体チップ401及びボンディングワイヤ404等を封止樹脂405により一括封止し、その後にリードフレーム404を切断分離して個々のパッケージを形成するものである。このように図16(a)に示した特許文献1のリードレスパッケージ、あるいは図16(b)に示したリードレスパッケージでは、外部接続用のリードがパッケージの外形寸法と同一寸法に形成されるためパッケージの小型化、薄型化に有利である。
従来のリードレスパッケージの構成では、半導体チップと外部接続用のリードとをボンディングワイヤで接続しているため、ボンディングヤイヤが半導体チップのエッジ部に短絡しないようなループ形状を必要とするための高さ寸法だけパッケージの高さ寸法が必要であり、パッケージの小型化、特に薄型化を進める上での障害になる。また、半導体チップとリードとを細いボンディングワイヤで接続しているため、複数個の半導体チップに対してそれぞれワイヤボンディングの工程が必要であり、製造工数が多くなるという問題もある。さらに、ボンディングワイヤの電気抵抗が大きく、リードレスパッケージの高速動作の点で好ましくないという問題もある。
これらの問題のうち、電気抵抗の問題に対しては、従来では、図16(b)の構成に対し、図17(a)のように、ボンディングワイヤに代えて金属板片406で半導体チップ401とリード403とを接続するパッケージ形態や、図17(b)のように、リードフレーム402の一部を金属片端子407として延長して半導体チップ401に接続するパッケージ形態が提案されている。これらの技術では、金属板片や金属片端子をボンディングワイヤよりも低抵抗化できるためパッケージにおける電気抵抗を低減し、高速動作を実現する上では有利である。しかしながら、これらの改善された技術においても、金属板片や金属片端子によってパッケージの薄型化を図ることは困難であり、また、個々の半導体チップに対して金属板片や金属片端子を接続するための工程が必要であり、製造工数を低減することは困難である。
本発明の目的は、パッケージの小型化、薄型化を図るとともに半導体チップとリードとの電気抵抗を低減し、しかも製造工数を削減することが可能なリードレスパッケージ型半導体装置を提供するものである。
本発明は、一方の面に1つの電極が設けられ、他方の面に複数の電極が設けられた複数の半導体チップと、一方の面に設けられた全ての電極が直接接続された1つの共通外部電極と、他方の面に設けられた全ての電極の各々に独立して直接接続された複数の個別外部電極と、共通外部電極と個別外部電極とで挟まれる領域に充填されて複数の半導体チップを封止する封止樹脂とを備えることを特徴とする。
また、個別外部電極は、封止樹脂から露呈された電極部と、当該電極部の面積よりも大きい面積を有する電極配線部とを有し、当該電極配線部が他方の面に設けられた電極に直接接続される。この電極配線部は封止樹脂によって被覆される。
本発明の半導体装置によれば、複数の半導体チップの一方の面の1つの電極を共通外部電極に直接接続し、各半導体チップの他方の面の各複数の電極をそれぞれ個別外部電極に直接接続し、これら外部電極の間に封止樹脂を充填して半導体チップを封止した構成としているので、半導体チップの電極と各外部電極とを電気接続するためのボンディングワイヤ等が不要になり、リードレスパッケージの高さ寸法を低減し、小型化、薄型化が可能になる。また、ボンディングワイヤ等が不要になることで、半導体チップとリードフレームとの間の電気抵抗を低減し、高速動作を実現する上で有利になる。また、個々の半導体チップに対するボンディングワイヤ等の接続工程が不要になり、製造工数を低減することが可能になる。
さらに、個別外部電極は当該個別外部電極の面積よりも大きな面積の電極配線部を一体的に接続しており、この電極配線部を介して半導体チップの電極が接続されるので、個別外部電極に対する半導体チップの電極のボンディングが容易になるとともに、複数の個別外部電極の各面積を必要最小限の面積にすることができ、リードレスパッケージを回路基板等に実装する際に隣接する個別外部電極が実装用半田等によって短絡するようなこともない。
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明をMOSFET素子からなる半導体チップ(以下、MOSチップと称する)を一体的にパッケージしたリードレスパッケージ型半導体装置(以下、リードレスパッケージLLPと称する)の実施例1の概略構成斜視図であり、同図(a)は上面側から見た図、(b)は下面側から見た図である。図2は封止樹脂を除いた部分分解斜視図、図3は図1(a)のAA線に沿う縦断面図である。この実施例1のリードレスパッケージLLPは2つのMOSチップをパッケージした構成例であり、第1のリードフレームL1上に同一構成をした第1及び第2の2つのMOSチップMC1,MC2が平面配置され、各MOSチップMC1,MC2の各裏面のドレイン電極において共通外部ドレイン電極TDとしての前記第1のリードフレームL1上に固定されている。また、前記2つのMOSチップMC1,MC2の表面上には第1及び第2の外部ゲート電極TG1,TG2と、第1及び第2の外部ソース電極TS1,TS2を構成している第2のリードフレームL2が載置され、各MOSチップMC1,MC2の表面に形成された複数の電極に接続されている。前記第1及び第2のリードフレームL1,L2は前記2つのMOSチップMC1,MC2を挟み込むのに必要な最小面積の寸法に形成されており、これら第1及び第2のリードフレームL1,L2の間に樹脂Rが充填され、前記2つのMOSチップMC1,MC2を樹脂封止してリードレスパッケージLLPを構成している。
前記第1及び第2の2つのMOSチップMC1,MC2はそれぞれ図4に断面構造を示すように、パワーMOSFETとして形成されている。ここでは、n+ 型基板101上にn- 型エピタキシャル層102が形成されており、このn- 型エピタキシャル層102の主面にp型ベース層103が形成され、このp型ベース層103にn+ 型ソース層104が形成されている。前記n- 型エピタキシャル層102の表面にはゲート絶縁膜105が形成され、前記n+ 型ソース層104で挟まれた領域にはポリシリコンゲート106が形成される。また、ポリシリコンゲート106を覆う層間絶縁膜107には前記p型ベース層103ないしn+ 型ソース領域104を含む領域にソースコンタクトホール108が開口され、このソースコンタクトホール108には金属膜からなるソース電極109(図2のS1,S2)が形成される。また、前記ポリシリコンゲート106の上層には金属膜からなるゲート電極110(図2のG1,G2)が形成され、これらのゲート電極110及びソース電極109にはそれぞれ図2に示したような金バンプ(あるいは半田ボール)Bが形成される。また、n+ 型基板101の裏面には金属膜からなるドレイン電極111(図2のD1,D2)が形成される。
前記2つのMOSチップMC1,MC2は、図5に等価回路を示すように、それぞれのドレイン電極D1,D2が相互に電気接続され、リードレスパッケージとしての共通外部ドレイン電極TDとして構成されている。また、前記第1及び第2の各MOSチップMC1,MC2の各ゲート電極G1,G2、ソース電極S1,S2はそれぞれ独立してパッケージの第1外部ゲート電極TG1、第2外部ゲート電極TG2、並びに第1外部ソース電極TS1、第2外部ソース電極TS2として構成されている。そして、前記第1のリードフレームL1によって前記共通外部ドレイン電極TDが構成され、前記第2のリードフレームL2によって前記第1及び第2の各外部ゲート電極TG1,TG2及び外部ソース電極TS1,TS2が構成されている。
前記第1のリードフレームL1は平坦な金属板で形成されており、前述のように2つのMOSチップMC1,MC2の各ドレイン電極D1,D2が共通に接続され、共通外部ドレイン電極TDとして構成されている。前記第2のリードフレームL2は平坦な金属板を所要のパターンにエッチング形成してゲート電極配線部HG1,HG2とソース電極配線部HS1,HS2が形成されている。そして、前記ゲート電極配線部HG1,HG2、ソース電極配線部HS1,HS2にそれぞれ各MOSチップMC1,MC2の各ゲート電極G1,G2、ソース電極S1,S2が前記金バンプBによって接続されている。また、前記ゲート電極配線部HG1,HG2とソース電極配線部HS1,HS2の一部領域は第2のリードフレームL2の外面から突出されており、この突出された領域が前記外部ゲート電極TG1,TG2、及び外部ソース電極TS1,TS2として形成されている。そして、前記封止樹脂Rは前記第1及び第2のリードフレームL1,L2の間に充填されて前記MOSチップMC1,MC2を封止しているが、封止樹脂Rの一部は前記外部ゲート電極TG1,TG2及び外部ソース電極TS1,TS2を除く領域において第2のリードフレームL2の外面を覆うように形成されている。
ここで、実施例1でのリードレスパッケージLLPにおける共通ドレイン電極TDは必ずしも外部に対して電気接続を行うことが必要とされるものではないが、この実施例1では第1のリードフレームL1は封止樹脂Rの外面に露出しているので、図5に示すように、外部に電気接続を行うことが可能な共通外部ドレイン電極TDとして構成されているものである。なお、共通ドレイン電極に対する外部接続が不要な場合には、第1のリードフレームを封止樹脂によって被覆するように構成してもよい。あるいは、第1のリードフレームは絶縁基板の内面にドレイン電極を短絡することが可能な導電膜を形成した構成としてもよい。
実施例1のリードレスパッケージLLPでは、MOSチップMC1,MC2のドレイン電極D1,D2を第1のリードフレームL1に直接接続し、ゲート電極G1,G2及びソース電極S1,S2を第2のリードフレームL2に直接接続した構成としているので、MOSチップMC1,MC2のゲート電極やソース電極を電気接続するためのボンディングワイヤ、金属板片、金属片端子等が不要になり、MOSチップMC1,MC2の上面と第2のリードフレームL2との間の高さ寸法を低減し、リードレスパッケージの小型化、薄型化が可能になる。また、ボンディングワイヤ、金属板片、金属片端子等が不要になることで、MOSチップMC1,MC2と第2のリードフレームL2との間の電気抵抗を低減し、高速動作を実現する上で有利になる。また、個々のMOSチップに対するボンディングワイヤ等の接続工程が不要になり、製造工数を低減することが可能になる。
また、このリードレスパッケージLLPでは、特に、個別外部電極TG,TSは封止樹脂Rの外面に露呈された面積よりも大きな面積の電極配線部HG,HSを有しており、この電極配線部HG,HSに半導体チップMCの電極G,Sが接続されるので、個別外部電極TG,TSに対する半導体チップMCの電極G,Sのボンディングが容易になるとともに、封止樹脂Rの外面に露呈される複数の個別外部電極TG,TSの各面積を必要最小限の面積にすることができ、リードレスパッケージLLPを回路基板等に実装する際に隣接する個別外部電極TG,TSが実装用半田等によって短絡するようなこともない
図6は実施例1のリードレスパッケージLLPの第1の製造方法を説明するための工程断面図である。図6(a)のように、半導体ウェハに形成された複数個のMOSチップはダイシングによって個片に切断分離された後、個々のMOSチップのうち第1のMOSチップMC1と第2のMOSチップMC2はそれぞれ組み合わされた状態で裏面のドレイン電極D1,D2を下側に向けて平板の金属材からなる第1のリードフレームL1上の所定位置に順次配列され当該ドレイン電極D1,D2において銀ペースト等によってチップマウントが行われる。なお、MOSチップMC1,MC2が同一種類のものであれば、前記個々のMOSチップを区別することなく第1のリードフレームL1上にマウントする。次いで、図6(b)のように、第1のリードフレームL1上に第2のリードフレームL2が被せられ、個々のMOSチップMC1,MC2のゲート電極G1,G2、ソース電極(図6には表れない)に設けられている金バンプ(或いは半田ボール)Bによって第2のリードフレームL2に対する接続が行われる。この接続では第2のリードフレームL2をMOSチップMC1,MC2に対して加熱しながら加圧することで金バンプBによる熱圧着が行われる。
ここで第2のリードフレームL2は、図2に示したように、前記MOSチップMC1,MC2のゲート電極G1,G2及びソース電極S1,S2に対して電気接続を行うためのゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2に相当するパターン領域を残して金属板を内面側から半分の厚みでハーフエッチング除去し、一方、前記ゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2の一部領域、すなわち外部ゲート電極TG1,TG2及び外部ソース電極TS1,TS2として構成される領域以外の領域では金属板を外面側から半分の厚みでハーフエッチング除去して形成している。これにより、前記外部ゲート電極TG1,TG2及び外部ソース電極TS1,TS2として構成される領域では金属板が全厚みにわたって残され、前記ゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2の領域では金属板が半厚みに残され、その他の領域では金属板が全厚みにわたって除去された構成となる。
しかる後、図6(c)のように、モールド樹脂成形法等によって第1のリードフレームL1及び第2のリードフレームL2の間に封止樹脂Rを充填し、MOSチップMC1,MC2を樹脂封止する。このとき、第1及び第2のリードフレームL1,L2はそれぞれ表面が露呈された状態で樹脂封止を行うが、図1(a)に示したように、封止樹脂Rの一部は第2のリードフレームL2の全厚みにわたって除去した領域に充填されるとともに、ゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2の領域では封止樹脂Rによって外面が覆われ、外部ゲート電極TG1,TG2及び外部ソース電極TS1,TS2においてのみ露呈された状態となる。しかる後、図6(d)のように、第1及び第2のリードフレームL1,L2、並びに封止樹脂Rを全厚さにわたって切断し、個々のパッケージに切断分離する。これにより図1に示したリードレスパッケージLLPが完成される。
この第1の製造方法では、図6(a)のMOSチップMC1,MC2を第1のリードフレームL1上にチップマウントする工程では、MOSチップMC1,MC2のゲート電極G1,G2及びソース電極S1,S2、すなわち各電極の金バンプBが上面に露呈されているので、これらの電極を基準にして各MOSチップMC1,MC2の位置決めを高い精度で行うことが可能である。また、図6(b)の工程では、上面に露呈されたゲート電極G1,G2やソース電極S1,S2に対して第2のリードフレームL2の位置決めを容易行うことができるため、MOSチップMC1,MC2に対する第2のリードフレームL2の位置決めを高い精度で行うことが可能である。これにより、特にゲート電極G1,G2及びソース電極S1,S2に対する第2のリードフレームL2のゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2の電気接続の信頼性を高めることが可能になる。
図7は実施例1のリードレスパッケージの第2の製造方法を説明するための工程断面図である。図7(a)のように、半導体ウェハに形成された複数個のMOSチップMC1,MC2はダイシングによって個片に切断分離された後、個々のMOSチップMC1,MC2は表面を下側に向けて第2のリードフレームL2上に位置決めされながら載置され、MOSチップの上側の裏面側から加圧されながらゲート電極G1,G2及びソース電極S1,S2が各金バンプBによって第2のリードフレームL2にフリップチップマウントされる。第2のリードフレームL2は外部ゲート電極TG1,TG2及び外部ソース電極TS1,TS2が全厚みで残され、ゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2の各領域が半厚みで残されるようにエッチング形成され、その他の領域が全厚みわたってエッチング除去されていることは第1の製造方法の第2のリードフレームと同じである。次いで、図7(b)のように、各MOSチップMC1,MC2上に平坦な金属板からなる第1のリードフレームL1が被せられ、各MOSチップMC1,MC2の裏面のドレイン電極D1,D2が銀ペースト等によって共通外部ドレイン電極TDとしての第1のリードフレームL1にマウントが行われる。次いで、図7(c)のように、モールド樹脂成形法等によって第1のリードフレームL1及び第2のリードフレームL2の間に封止樹脂Rを充填し、MOSチップMC1,MC2を樹脂封止する。このとき、第1及び第2のリードフレームL1,L2はそれぞれ表面が露呈される状態に樹脂封止を行う。また、封止樹脂Rの一部はゲート電極配線部HG1,HG2及びソース電極配線部HS1,HS2の表面を覆うように形成される。しかる後、図7(d)のように、第1及び第2のリードフレームL1,L2、並びに封止樹脂Rを全厚みにわたって切断し、個々のパッケージに切断分離する。
第2の製造方法によっても第1の製造方法と同様に実施例1のリードレスパッケージLLPが製造できる。第2の製造方法では、MOSチップMC1,MC2の表面を下側に向けて第2のリードフレームL2にチップマウントしているため、MOSチップMC1,MC2のゲート電極G1,G2及びソース電極S1,S2を上方から確認することが難しいため、第2のリードフレームL2に対するMOSチップMC1,MC2の各電極の位置決め精度を高めるためには第1の製造方法の方が有利である。その一方で、第2の製造方法では個々のMOSチップMC1,MC2をハンドリングした状態で第2のリードフレームL2に対して加圧しながら加熱してチップマウントを行うことができ、その後は銀ペーストによって第1のリードフレームL1に対してドレイン電極D1,D2をマウントするだけでよいため、第1の製造方法のように複数のMOSチップに対して第2のリードフレームを一括して金バンプによる接続を行う場合に比較してMOSチップの各面の各電極に対するマウント作業は第1の製造方法よりも容易である。
図8は本発明の実施例2のリードレスパッケージLLPの概略斜視図、図9は封止樹脂を除いた部分分解斜視図、図10はその縦断面図である。なお、実施例2において実施例1と等価な部分には同一符号を付してある。実施例2では、第1のリードフレームL1と第2のリードフレームL2との間に2つの半導体チップを挟んだ状態で実装している構成は実施例1と同じであるが、一方の半導体チップはMOSチップMCであり、他方の半導体チップはダイオードチップDCで構成されている。また、第1及び第2のリードフレームL1,L2はいずれも所要のパターンをした各電極配線部が構成されている。ここでは、第1のリードフレームL1にはドレイン電極配線部HD及びアノード電極配線部HAが一体に形成されている。また、第2のリードフレームL2にはゲート電極配線部HG、ソース電極配線部HS、カソード電極配線部HKが形成されている。これらの各配線部の製造は実施例1の第2のリードフレームL2と同様に、各リードフレームL1,L2の表面側と裏面側からそれぞれ所要のパターンでハーフエッチングすることで、各電極配線部HD,HA,HG,HS,HKを半厚みの構成とし、ゲート、ソース、ドレイン、カソードの各外部電極TG,TS,TD,TKを全厚みの構成とし、その他の領域を全厚みにわたって除去した構成としている。
そして、MOSチップMCは第1のリードフレームL1のドレイン電極配線部HDに対してはドレイン電極を接続し、第2のリードフレームL2のゲート電極配線部HG及びソース電極配線部HSに対してはゲート電極Gとソース電極Sを接続している。一方、ダイオードチップDCは第1のリードフレームL1のアノード電極配線部HAに対してはアノード電極Aを接続し、第2のリードフレームL2のカソード電極配線部HKに対してはカソード電極Kを接続している。また、第1のリードフレームL1と第2のリードフレームL2との間に封止樹脂Rを充填してMOSチップMCとダイオードチップDCを封止していること、並びに封止樹脂Rの一部は各リードフレームL1,L2の各電極配線部HG,HS,HK,HD,HAを覆うように形成され、各外部電極TG,TS,TK,TDのみが露出されていることは実施例1のリードレスパッケージと同じである。また、各リードレスパッケージは個片に切断分離して形成されていることも実施例1と同じである。
なお、実施例2のリードレスパッケージLLPの等価回路は図11の通りであり、MOSチップMCのドレイン電極DとダイオードチップDCのアノード電極Aが第1のリードフレームL1に設けられたドレイン電極配線部HDとアノード電極配線部HAを介して外部ドレイン電極TDに接続されており、MOSチップMCのゲート電極G及びソース電極SとダイオードチップDCのカソード電極Kが第2のリードフレームL2に設けられた外部ゲート電極TG、外部ソース電極TS、外部カソード電極TKに接続され、各外部の電極がリードレスパッケージの外部電極として構成されている。
この実施例2のリードレスパッケージLLPにおいては、MOSチップMCのゲート、ソース、ドレインG,S,Dの各電極を第1及び第2の各リードフレームL1,L2に直接接続し、またダイオードチップDCのアノード電極Aとカソード電極Kを第1及び第2のリードフレームL1,L2に直接接続しているので、MOSチップMCやダイオードチップDCの各電極と各外部電極とを接続するためのボンディングワイヤ、クリップ、ビームリード等が不要になり、第1と第2のリードフレームL1,L2の間の高さ寸法を低減し、リードレスパッケージの小型化、薄型化が可能になる。また、同時にMOSチップMC及びダイオードチップDCと第1及び第2のリードフレームL1,L2との間の電気抵抗を低減し、高速動作を実現する上で有利になる。また、個々のチップに対するボンディングワイヤ等の接続工程が不要となり、製造工数を低減することが可能になる。
実施例2のリードレスパッケージLLPの製造方法、すなわち本発明の第3の製造方法は、図12(a)のように、第1及び第2のリードフレームL1,L2をそれぞれ表面側及び裏面側からハーフエッチングして第1のリードフレームL1ではドレイン電極配線部HDとアノード電極配線部HAを形成し、第2のリードフレームL2ではゲート電極配線部HG、ソース電極配線部HS、及びカソード電極配線部HKを形成する。しかる後、MOSチップMCを第1のリードフレームL1のドレイン電極配線部HDに対してドレイン電極Dをチップマウントする。また、図12(b)のように、ダイオードチップDCを第2のリードフレームL2のカソード電極配線部HKに対してカソード電極Kをチップマウントする。次いで、図12(c)のように、第2のリードフレームL2上に第1のリードフレームL1を上下反転した状態で被せ、第1のリードフレームL1にマウントしてあるMOSチップMCのゲート電極G及びソース電極S(図12には図示せず)を第2のリードフレームL2のゲート電極配線部HGに対して位置決めし、同時に第2のリードフレームL2にマウントしてあるダイオードチップDCのアノード電極Aに対して第1のリードフレームL1のアノード電極配線部HAを位置決めする。そして、MOSチップMCのゲート電極G及びソース電極Sを第2のリードフレームL2に、同時にダイオードチップDCのアノード電極Aを第1のリードフレームL1にそれぞれマウントを行う。しかる後、前記第1及び第2の製造方法と同様に第1及び第2のリードフレームL1,L2間に封止樹脂Rを充填してMOSチップMC及びダイオードチップDCの樹脂封止を行い、さらに図12(d)のように、第1及び第2のリードフレームL1,L2さらに封止樹脂Rを全厚みにわたって切断分離することで個々のリードレスパッケージが形成される。
以上のように構成された実施例1,2のリードレスパッケージLLPを実装する形態について説明する。ここでは前記実施例1のリードレスパッケージLLPを実装する例について説明する。図13は実施例1のリードレスパッケージの第1の実装構造例を示す断面図である。第1の実装構造例では、実装基板201は絶縁基板202の表面に銅等の金属膜を所要のパターンに形成した回路配線203が形成されており、この実装基板201にリードレスパッケージLLPの第2のリードフレームL2側を対面させ、第2のリードフレームで構成されている外部ゲート電極TG1,TG2と外部ソース電極TS1,TS2(図13では図示されていない)をそれぞれ実装基板201の回路配線203のパッド部に銀ペーストや半田等のろう材を用いてフェースダウンボンディングによって接続する。また、上側に配置されるリードレスパッケージLLPの第1のリードフレームL1に対しては、共通外部ドレイン電極TDに対して電気的な接続が必要な場合に同図のように金属板を細片に加工した金属片端子204によって実装基板201と共通外部ドレイン電極TDとを電気接続する。
この第1の実装構造例は、一般に提供されている実装基板に対して本発明のリードレスパッケージを実装する場合に好適な構造例であり、従来のフェースダウン法によるリードレスパッケージの実装技術と、金属片端子による接続技術とを利用して容易に実装を行うことが可能である。
図14は実施例1のリードレスパッケージLLPの第2の実装構造例を示す断面図である。第2の実装構造例では、第1及び第2の実装基板211,221を用いているが、これらの実装基板211,221はそれぞれ第1の実装構造例の実装基板と同様に絶縁基板212,222に回路配線213,223を形成したものである。そして、第1の実装基板212にリードレスパッケージLLPの第1のリードフレームL1を対面させ、共通外部ドレイン電極TDを第1の実装基板211の回路配線213のパッド部に銀ペーストや半田等のろう材を用いて電気接続する。同様に、第2の実装基板221に対して第2のリードフレームL2を対面させ、外部ゲート電極TG1,TG2と外部ソース電極TS1,TS2(図14では図示されていない)をそれぞれ第2の実装基板221の回路配線223のパッド部に銀ペーストや半田等のろう材によって接続する。なお、図示は省略するが、第1及び第2の実装基板211,221は両実装基板の縁部等においてフレキシブル配線基板によって相互に電気接続するようにしてもよい。あるいは、第1及び第2の実装基板211,221は一枚のフレキシブル基板を折り曲げた構成としてもよい。
この第2の実装構造例は、第1の実装構造例のような金属片端子等による接続技術が不要であり、また実装構造全体の高さ寸法がリードレスパッケージの厚み寸法にほぼ等しい高さに構成でき、薄型の実装構造を実現する上で有効である。
図15は実施例1のリードレスパッケージLLPの第3の実装構造例を示す図である。第3の実装構造例では、第1の実装基板231に第1のリードフレームL1を対面させて実装し、第2の実装基板241に第2のリードフレームL2を対面させて実装する。ここで、第1及び第2の実装基板231,241は互いに対向する面がリードレスパッケージを内装可能な凹所を有する絶縁基板232,242として形成されており、両実装基板231,241にリードレスパッケージLLPを実装したときに両実装基板231,241でリードレスパッケージLLPを収納するケースを構成するように構成されている。第1の実装基板231への実装では第1のリードフレームL1、すなわち共通外部ドレイン電極TDを第1の実装基板231の凹所に設けられた回路配線233に対して銀ペーストや半田等のろう材によって電気接続する。第2の実装基板241への実装では、第2のリードフレームL2に形成されている外部ゲート電極TG1,TG2と外部ソース電極TS1,TS2(図15では図示されていない)をそれぞれ第2の実装基板241に形成された回路配線243の各パッド部に銀ペーストや半田等のろう材によって接続する。そして、両実装基板231,241を凹所の周縁において互いに一体的に接合すると同時に両実装基板231,241の回路配線233,243を互いに電気接続することで、リードレスパッケージLLPを含む所要の回路構体が構成される。
この第3の実装構造例は、一対の実装基板によってリードレスパッケージを含んだ回路構体として構成されるため、小型で薄型の回路構体を実現することが可能である。また、実装基板によってリードレスパッケージを封止することも可能であり、環境変化に対しても安定した特性の回路構体を得ることが可能になる。
以上の説明では本発明のリードレスパッケージは第1及び第2のリードフレーム間に2つの半導体チップをマウント及び接続して樹脂封止した実施形態を説明したが、3つの以上の半導体チップをマウント及び接続して樹脂封止することも可能である。また、前記各実施例では同一のMOSチップのように同一種類の半導体チップをパッケージした構成例と、MOSチップとダイオードチップのように異なる種類の半導体チップをパッケージした構成例について説明したが、同一種類と異なる種類の半導体チップを混在させてパッケージすることも可能である。ただし、本発明においてはマウントする複数の半導体チップは表面側及び裏面側のそれぞれにおいて第1及び第2のリードフレームに直接的にマウント及び接続されることが必要であるので、各半導体チップの厚みは等しいことが好ましい。
また、本発明のリードレスパッケージは前記各実施例に示したような等価回路を構成する場合に限定されるものではなく、任意の等価回路を構成するとともに、外部電極を任意に配列したパッケージとして構成することが可能であることは言うまでもない。特に、第1及び第2のリードフレームの各電極配線部のパターンを任意に設計することにより、パッケージを任意の等価回路のリードレスパッケージとして構成することが可能になる。
本発明の実施例1のリードレスパッケージの上面側、下面側の各外観斜視図である。
実施例1の封止樹脂を除いた部分分解斜視図である。
図1(a)のAA線に沿う縦断面図である。
MOSチップの断面図である。
実施例1の等価回路図である。
実施例1のリードレスパッケージの第1の製造方法を説明する工程断面図である。
実施例1のリードレスパッケージの第2の製造方法を説明する工程断面図である。
本発明の実施例2のリードレスパッケージの外観斜視図である。
実施例2の封止樹脂を除いた部分分解斜視図である。
実施例2の縦断面図である。
実施例2の等価回路図である。
実施例2のリードレスパッケージの製造方法を説明する工程断面図である。
実施例1のリードレスパッケージの第1の実装構造を示す断面図である。
実施例1のリードレスパッケージの第2の実装構造を示す断面図である。
実施例1のリードレスパッケージの第3の実装構造を示す断面図である。
従来のリードレスパッケージの2つの例の断面図である。
従来の改善されたリードレスパッケージの2つの例の断面図である。
符号の説明
LLP リードレスパッケージ
MC(MC1,MC2) MOSチップ(半導体チップ)
DC ダイオードチップ(半導体チップ)
L1 第1のリードフレーム
L2 第2のリードフレーム
TG,TS,TD,TK 外部電極
HG,HS,HD,HK,HA 電極配線部
R 封止樹脂
201,211,221,231,241 実装基板