JP4222071B2 - 制動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動を制御する制動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の制動を制御する制動装置として、特開2001−151094号公報に記載されているように、緊急の制動時にブレーキ操作によって発生する制動力を助勢するブレーキアシストシステム(以下、「BA」という。)と、車輪のロック状態を回避するようにブレーキ液圧を調整するアンチロックブレーキシステム(以下、「ABS」という。)とを備えたものが知られている。この制動装置は、BAの作動中にABSを作動させるべきと判断されたとき、BAの作動を中止しABSを作動させる一方、低μ路を走行したことによってABSが作動した場合にはABSの作動終了後にBAを再開させて、BAとABSとの制御干渉を回避しつつ、BAを適正に作動させようというものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−151094号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような制動装置にあっては、BAの作動を中止することによりブレーキアシスト効果が十分に得られず、適切なブレーキングが行えないおそれがある。例えば、BAの作動を中止すると、その結果車輪ロックが解除されABSの作動が終了し、すぐにBAの作動が再開される場合がある。この場合、BAの作動が間欠的になり、ブレーキアシスト効果が得られず、ブレーキ性能が十分に発揮されないこととなる。
【0005】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、ブレーキアシスト効果が得られブレーキ性能を十分に発揮できる制動制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る制動制御装置は、アンチロックブレーキ制御機能及びブレーキアシスト制御機能を備えた制動制御装置において、アンチロックブレーキ制御及びブレーキアシスト制御が同時に行われる際、ブレーキアシスト制御によりブレーキ液圧を増圧しアンチロックブレーキ制御によりブレーキ液圧を増減圧した後のブレーキ液圧値が予め設定された設定値より小さいときには、前記ブレーキ液圧を増圧することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ブレーキアシスト制御とアンチロックブレーキ制御が同時に行われる場合であって、ブレーキアシスト制御により増圧しアンチロックブレーキ制御により増減圧した後のブレーキ液圧値に基づいてブレーキ液圧を増圧することにより、ブレーキ液圧をブレーキアシスト効果の得られる圧力以上に保持することができる。これにより、ブレーキアシスト制御によるブレーキ性能を十分に発揮させることができる。
【0008】
また本発明に係る制動制御装置は、ブレーキアシスト制御による増圧量及びアンチロックブレーキ制御による増減圧量に基づいて、
ブレーキアシスト制御によりブレーキ液圧を増圧しアンチロックブレーキ制御によりブレーキ液圧を増減圧した後のブレーキ液圧値を推定することを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る制動制御装置は、一連のブレーキアシスト制御中及びアンチロックブレーキ制御中において、ブレーキ液圧値が設定値より小さいことによるブレーキ液圧の増圧が繰り返して行われる場合、その繰り返し回数の増加に伴い設定値を低く設定することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、増圧の繰り返し回数の増加に伴い設定値を低く設定することにより、ブレーキアシスト制御によりブレーキ液圧が大きくなりすぎることを抑制できる。特に、ブレーキアシスト制御によるブレーキ液圧の増圧量を推定算出しアンチロックブレーキ制御によるブレーキ液圧の増減圧量を推定算出する場合に有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1に本実施形態に係る制動制御装置の構成を示す。
【0013】
図1に示すように、制動制御装置1は、例えば四輪駆動車の車両に設置され、駆動輪となる右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLに加えられる制動力を制御する。その車両には、ドライブシャフト2を介して右前輪FRと左前輪FLとを連結するフロントディファレンシャル3が設けられ、また、ドライブシャフト4を介して右後輪RRと左後輪RLとを連結するリアディファレンシャル5が設けられている。
【0014】
フロントディファレンシャル3は、プロペラシャフト6を通じて伝達される駆動力を右前輪FRと左前輪FLに分配し、右前輪FRと左前輪FLとの回転速度差を吸収する差動装置として機能する。
【0015】
リアディファレンシャル5は、プロペラシャフト6を通じて伝達される駆動力を右後輪RRと左後輪RLに分配し、右後輪RRと左後輪RLとの回転速度差を吸収する差動装置として機能する。
【0016】
また、車両には、プロペラシャフト6を介してフロントディファレンシャル3とリアディファレンシャル5とを連結するセンタディファレンシャル7が設けられている。センタディファレンシャル7は、エンジン8及び変速機9を通じて伝達される駆動力を前輪側と後輪側に分配し、前輪側と後輪側の回転速度差を吸収する差動装置として機能する。
【0017】
制動制御装置1には、ECU10が設けられている。ECU10は、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。ROMには、制動制御ルーチンを含む各種制御ルーチンが記憶されている。
【0018】
また、制動制御装置1には、車輪速センサ11が設けられている。車輪速センサ11は、車両の各車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段であり、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLの各車輪にそれぞれ設置されている。車輪速センサ11は、それぞれECU10に接続されており、その検出信号をECU10に出力する。
【0019】
また、制動制御装置1には、ブレーキアクチュエータ20が設けられている。ブレーキアクチュエータ20は、各車輪のホイルシリンダに加える液圧を調整するためのものであり、例えば、複数のソレノイドバルブ、ポンプモータなどにより構成され、ECU10の制御信号に応じて作動する。
【0020】
また、制動制御装置1には、マスタシリンダ圧力センサ21が設けられている。マスタシリンダ圧力センサ21は、マスタシリンダの圧力を検出するものであり、このセンサ出力の変化状態により、緊急制動が行われたか否かを判断することが可能となる。
【0021】
図2に制動制御装置におけるブレーキ液圧系を示す。
【0022】
図2に示すように、ブレーキ液圧系は、例えば、前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分された前後配管方式のものが用いられる。このブレーキ液圧系は、液圧発生手段としてマスタシリンダ31を備えている。マスタシリンダ31は、ブレーキペダル33に加わる踏力に応じて作動し、液圧を発生させる。また、このマスタシリンダ31は、ブースタ機能を備えており、リザーバ34が接続されると共に、補助液圧源となるポンプ35がアキュムレータ36を介して接続されている。
【0023】
ポンプ35は、モータ37によって駆動され、リザーバ34のブレーキ液を昇圧して出力し、逆止弁38を介してアキュムレータ36に畜圧する。モータ37は、アキュムレータ36内の液圧が所定の下限値を下回ることに応答して駆動し、またアキュムレータ36内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して停止する。これにより、アキュムレータ36から所定液圧が、適宜マスタシリンダ31に供給され、また、ホイルシリンダ側へ延びる液路81に供給される。
【0024】
マスタシリンダ31は、アキュムレータ36からの液圧を受け、ブレーキペダル33の踏み込みにより発生する液圧をパイロット圧として、これに比例した液圧を発生させる。
【0025】
マスタシリンダ31と右前輪FRのホイルシリンダ41FRは、液路42により接続されている。その液路42の途中には、切換弁SA1、保持弁43がそれぞれ配設されている。切換弁SA1は、3ポート2位置の電磁切換弁であり、非作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRとを連通させ、作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを遮断し液路81を通じてアキュムレータ36とホイルシリンダ41FRを連通させる。この切換弁SA1は、ECU10からの制御信号を受けて作動する。
【0026】
保持弁43は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを遮断する。また、液路42には、保持弁43をバイパスする逆止弁45が設けられている。
【0027】
液路42における保持弁43とホイルシリンダ41FRとの間の部分には、リザーバ34に連なる液路46が接続されている。そして、この液路46の途中には、減圧弁44が配設されている。減圧弁44は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41FRとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41FRとリザーバ34を連通させる。
【0028】
マスタシリンダ31と左前輪FLのホイルシリンダ41FLは、液路52により接続されている。その液路52の途中には、切換弁SA2、保持弁53がそれぞれ配設されている。切換弁SA2は、3ポート2位置の電磁切換弁であり、非作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLとを連通させ、作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLを遮断し液路81を通じてアキュムレータ36とホイルシリンダ41FLを連通させる。この切換弁SA2は、ECU10からの制御信号を受けて作動する。
【0029】
保持弁53は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLを遮断する。また、液路52には、保持弁53をバイパスする逆止弁55が設けられている。
【0030】
液路52における保持弁53とホイルシリンダ41FLとの間の部分には、リザーバ34に連なる液路56が接続されている。そして、この液路56の途中には、減圧弁54が配設されている。減圧弁54は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41FLとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41FLとリザーバ34を連通させる。
【0031】
マスタシリンダ31と液路81の途中との間には、液路61が設けられている。液路61の途中には切換弁SA3が配設されている。切換弁SA3は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時に液路61を連通状態とし、作動時に液路61を遮断状態とする。また、液路61には、切換弁SA3をバイパスする逆止弁67が設けられている。この液路61は、液路81と交差して更に後輪のホイルシリンダ側へ向けて延びており、液路62、液路72の二つの液路に分岐している。
【0032】
液路62は、右後輪RRのホイルシリンダ41RRに接続されており、その途中に保持弁63が配設されている。保持弁63は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RRを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RRを遮断する。また、液路62には、保持弁63をバイパスする逆止弁65が設けられている。
【0033】
また、保持弁63とホイルシリンダ41RRとの間の液路62には、リザーバ34に連なる液路66が接続されている。この液路66の途中には、減圧弁64が配設されている。減圧弁64は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41RRとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41RRとリザーバ34を連通させる。
【0034】
一方、液路72は、左後輪RLのホイルシリンダ41RLに接続されており、その途中に保持弁73が配設されている。保持弁73は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RLを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RLを遮断する。また、液路72には、保持弁73をバイパスする逆止弁75が設けられている。
【0035】
また、保持弁73とホイルシリンダ41RLとの間の液路72には、リザーバ34に連なる液路76が接続されている。この液路76の途中には、減圧弁74が配設されている。減圧弁74は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41RLとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41RLとリザーバ34を連通させる。
【0036】
液路81の途中であって、液路61との交差位置よりアキュムレータ36側の位置には、切換弁STRが配設されている。切換弁STRは、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時に液路81を遮断し、作動時に液路81を連通させる。
【0037】
このようなブレーキ液圧系によれば、通常制動時(強制的な制動制御(ABS制御、BA制御)が行われない時)には、ECU10からの制御信号により、切換弁SA1、切換弁SA2、切換弁SA3及び切換弁STRの全てが非作動状態とされ、切換弁SA1がマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを連通状態とし、切換弁SA2がマスタシリンダ32とホイルシリンダ41FLを連通状態とし、切換弁SA3が開弁状態となり、切換弁STRが閉弁状態となる。
【0038】
また、通常制動時には、各保持弁43、53、63及び73と各減圧弁44、54、64及び74の全てが非作動状態とされ、各保持弁43、53、63及び73が全て開弁状態となり、各減圧弁44、54、64及び74が全て閉弁状態となる。
【0039】
これにより、マスタシリンダ31の液圧が液路61、液路62及び液路72を通じてホイルシリンダ41RR、41RLに伝達されると共に、マスタシリンダ31の液圧が液路42及び液路52を通じてホイルシリンダ41FR、41FLに伝達され、運転者のブレーキ操作に応じた制動力が得られることとなる。
【0040】
一方、このブレーキ液圧系によれば、運転者のブレーキ操作を行い、車体速度に対して車輪速度が一定値以下となるなどの条件の下で、ABS制御(アンチロックブレーキ制御)が開始される。この場合、切換弁STRを開弁状態とし、切換弁SA1、SA2及びSA3を閉弁状態とすることにより、液路81を通じて、ポンプ35からの液圧が右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLの全車輪のホイルシリンダ41へ伝達される。また、それと共に、各保持弁43、53、63及び73と各減圧弁44、54、64及び74が適宜開閉することにより、各ホイルシリンダ41の液圧が調整され、各車輪の制動力が制御される。
【0041】
また、このブレーキ液圧系において、マスタシリンダ圧力センサ21の出力変化が所定値以上である場合、ブレーキペダルが急速度で踏まれ緊急制動と判断され、BA制御(ブレーキアシスト制御)が開始される。この場合、切換弁STRを開弁状態とし、切換弁SA1、SA2及びSA3を閉弁状態とし、各保持弁43、53、63及び73を開弁状態とし、各減圧弁44、54、64及び74を閉弁状態とすることにより、液路81を通じて、ポンプ35から高い液圧を右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLの全車輪のホイルシリンダ41へ伝達することできる。これにより、各ホイルシリンダ41の液圧をマスタシリンダ31の液圧以上に高くでき、緊急時にブレーキ性能を十分に発揮することができる。
【0042】
なお、ブレーキ液圧系は上述したものに限定されるものではなく、他の形式や他の配管構成などのものを用いてもよい。
【0043】
次に、本実施形態に係る制動制御装置にABS制御処理について説明する。
【0044】
図3は、制動制御装置1におけるABS制御処理のフローチャートである。
【0045】
図3のS100にて、ECU10が初期化され、ECU10に内蔵されるCPU、RAMなどの各種の演算値が適宜クリアされる。そして、各車輪の車輪速度Vwが読み込まれ(S102)、その各車輪において車輪速度Vwに基づいて車輪加速度DVwが演算され(S104)、車体速度Vsoが演算される(S106)。
【0046】
そして、各車輪の制御開始条件が満たされているか否かが判断される(S108)。この制御開始条件としては、例えば車体速度Vsoと車輪速度Vwの差が設定値以上となることが条件とされる。この制御開始条件が満たされていないと判断されたときには、制御処理を終了する。一方、制御開始条件が満たされていると判断されたときには、車輪速度Vw、車体速度Vso及び車輪加速度DVwの関係に基づいて減圧モードであるか否かが判断される(S110)。
【0047】
減圧モードであると判断されたときには、減圧出力処理が行われる(S112)。すなわち、図2において、ECU10から切換弁STR、切換弁SA1、切換弁SA2、切換弁SA3、保持弁43、53、63又は73(以下、適宜「保持弁」という)及び減圧弁44、54、64又は74(以下、適宜「減圧弁」という)にそれぞれ制御信号が出力される。そして、その制御信号により、切換弁STRが閉弁され、切換弁SA1及び切換弁SA2が閉弁され、切換弁SA3が開弁される。また、保持弁が閉弁され、減圧弁が開閉される。これにより、減圧弁を通じてホイルシリンダ41の液圧がリザーバへ逃がされ、ホイルシリンダ41の液圧が減ぜられる。
【0048】
一方、図3のS110にて、減圧モードでないと判定されたときには、車輪速度Vw、車体速度Vso及び車輪加速度DVwの関係に基づいてパルス増モードであるか否かが判断される(S114)。パルス増モードでないと判断されたときには、保持出力処理が行われる(S116)。すなわち、保持弁及び減圧弁にそれぞれ制御信号が出力され、保持弁が閉弁され、減圧弁も閉弁される。これにより、ホイルシリンダ41の液圧が保持される。
【0049】
一方、S114にて、パルス増モードであると判定されてときには、パルス増出力処理が行われる(S118)。すなわち、ECU10から保持弁及び減圧弁にそれぞれ制御信号が出力され、保持弁が開閉され、減圧弁が閉弁される。これにより、マスタシリンダ31から液圧がホイルシリンダ41に伝達され、そのホイルシリンダ41の液圧が増加される。そして、制御処理を終了する。
【0050】
次に、本実施形態に係る制動制御装置においてABS制御とBA制御が同時に行われる際の制動制御処理について説明する。
【0051】
図4は、制動制御装置1においてABS制御とBA制御が同時に行われる際の制動制御処理のフローチャートである。
【0052】
図4のS200にて、BA制御中であるか否かが判断される。BA制御中でないと判断されたときには、制御処理を終了する。一方、BA制御中であると判断されたときには、BA制御処理が行われる(S202)。すなわち、上述したように、図2において、切換弁STRを開弁状態とし、切換弁SA1、SA2及びSA3を閉弁状態とし、各保持弁43、53、63及び73を開弁状態とし、各減圧弁44、54、64及び74を閉弁状態とすることにより、液路81を通じて、ポンプ35からの高い液圧が右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLの全車輪のホイルシリンダ41へ伝達される。これにより、各ホイルシリンダ41の液圧をマスタシリンダ31の液圧以上に高くでき、緊急時にブレーキ性能を十分に発揮することが可能となる。
【0053】
そして、S204に移行し、BA制御処理により増圧しABS制御処理により増減圧した後のホイルシリンダ41の液圧値Pが所定の設定値Kより小さいか否かが判断される。例えば、BA制御処理によるホイルシリンダ41の液圧の増圧量は増圧源の増圧勾配と増圧時間により推定算出され、ABS制御処理によるホイルシリンダ41の液圧の増減圧量は増減圧源の増減圧勾配と増減圧時間により推定算出される。S204にてBA制御処理により増圧しABS制御処理により増減圧した後のホイルシリンダ41の液圧値Pが所定の設定値Kより小さくないと判断されたときには、制御処理を終了する。
【0054】
一方、S204にてBA制御処理により増圧しABS制御処理により増減圧した後のホイルシリンダ41の液圧値Pが所定の設定値Kより小さいと判断されたときには、増圧補正処理が行われる(S206)。増圧補正処理は、ホイルシリンダ41の液圧をBA制御処理にて加圧しABS制御における増減圧した後に、さらに増圧を行う処理である。
【0055】
例えば、図5に示すように、BA制御を行ってホイルシリンダ液圧Pが増加し、ABS制御を行ってホイルシリンダ液圧Pが増減し、ABS制御の結果、ホイルシリンダ液圧Pが減圧して所定の設定値Kより小さくなったときには、ホイルシリンダ液圧Pが増圧補正される。設定値Kは、予めECU10に設定される値であり、ブレーキアシストとしてブレーキ性能を発揮できるように設定される。
【0056】
このホイルシリンダ液圧Pの増圧時間は、BA加圧残量推定値を増圧源の増圧勾配値Kupで割って得た時間(BA加圧残量推定値/増圧勾配値Kup)に設定される。BA加圧残量推定値は、BA制御による増圧分からABS制御による増減圧分を減じた液圧の推定値である。BA制御による増圧分は、例えば増圧源の増圧勾配値KupとBA加圧時間Tupを乗じて算出される。ABS制御による増減圧分は、例えば減圧のみの場合には、ABS減圧勾配値KdownとABS減圧時間Tdownを乗じて算出される。
【0057】
また、一連の制御中に増圧補正が繰り返し行われる場合、繰り返し回数の増加に伴い設定値Kを低下させて設定することが好ましい。例えば、図6に示すように、初回、2回目の増圧補正における設定値Kに対し、その後3回目の設定値Kを低下させて設定し、さらに4回目の設定値Kを低下させて設定する。このように設定値Kを低下させることにより、BA制御によりホイルシリンダ41の液圧を増加しすぎることを抑制できる。特に、BA制御処理によるホイルシリンダ41の液圧の増圧量を推定算出し、ABS制御処理によるホイルシリンダ41の液圧の増減圧量を推定算出している場合に有効である。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る制動制御装置によれば、BA制御とABS制御が同時に行われる場合であって、BA制御により増圧しABS制御により増減圧した後のブレーキ液圧値に基づいてブレーキ液圧値を補正する。このため、ブレーキ液圧値が所定の設定値Kより小さいときにブレーキ液圧値を増加させて所定以上のブレーキ液圧値を保持することができる。これにより、BA制御によるブレーキ性能を十分に発揮させることができる。
【0059】
また、一連のBA制御中及びABS制御中において、ブレーキ液圧の増圧補正が繰り返し行われる場合、その繰り返し回数の増加に伴い設定値Kを低く設定することにより、BA制御によりブレーキ液圧値が大きくなりすぎることを抑制できる。特に、BA制御によるブレーキ液圧の増圧量を推定算出し、ABS制御によるブレーキ液圧の増減圧量を推定算出している場合に有効である。
【0060】
なお、本実施形態では、図4のABS制御とBA制御が同時に行われる際の制動制御処理において、S204にてBA制御処理により増圧しABS制御処理により増減圧した後のホイルシリンダ41の液圧値Pが所定の設定値Kより小さいか否かを判断し、ホイルシリンダ41の液圧値Pが所定の設定値Kより小さいと判断されたときに増圧補正処理(S206)を行うものであったが、これに限らず、ABS制御中において増圧タイミングであるか否かを判断し、ABS制御中で増圧タイミングであると判断されたときに、上述した増圧補正処理を行ってもよい。この場合、ABS制御中のBA制御によるホイルシリンダ41の増圧が達成できるばかりでなく、加圧が過剰に行われてしまうことも防止することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、四輪駆動の車両における制動制御する場合について説明したが、本発明に係る制動制御装置はそのようなものに限られるものではなく、差動装置を介し駆動力を分配して伝達される複数の車輪に対して制動制御を行うものであれば、その他の車両にて制動制御するものであってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ブレーキアシスト効果が得られブレーキ性能を十分に発揮できる制動制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る制動制御装置の構成概略図である。
【図2】図1の制動制御装置のブレーキ液圧系の説明図である。
【図3】図1の制動制御装置におけるABS制御処理のフローチャートである。
【図4】図1の制動制御装置における制動制御処理のフローチャートである。
【図5】図4の制動制御処理におけるブレーキ液圧補正処理の説明図である。
【図6】図4の制動制御処理におけるブレーキ液圧補正処理の説明図である。
【符号の説明】
1…制動制御装置、10…ECU、11…車輪速センサ、21…マスタシリンダ圧力センサ、41…ホイルシリンダ。
Claims (3)
- アンチロックブレーキ制御機能及びブレーキアシスト制御機能を備えた制動制御装置において、
前記アンチロックブレーキ制御及び前記ブレーキアシスト制御が同時に行われる際、前記ブレーキアシスト制御によりブレーキ液圧を増圧し前記アンチロックブレーキ制御により前記ブレーキ液圧を増減圧した後のブレーキ液圧値が予め設定された設定値より小さいときには、前記ブレーキ液圧を増圧すること、
を特徴とする制動制御装置。 - 前記ブレーキアシスト制御による増圧量及び前記アンチロックブレーキ制御による増減圧量に基づいて、前記ブレーキアシスト制御によりブレーキ液圧を増圧し前記アンチロックブレーキ制御により前記ブレーキ液圧を増減圧した後のブレーキ液圧値を推定することを特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。
- 一連の前記ブレーキアシスト制御中及び前記アンチロックブレーキ制御中において、前記ブレーキ液圧値が前記設定値より小さいことによる前記ブレーキ液圧の増圧が繰り返して行われる場合、その繰り返し回数の増加に伴い前記設定値を低く設定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の制動制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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