JP4185791B2 - 制動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動を制御する制動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の制動を制御する制動制御装置として、特開平8−34331号公報に記載されているように、車輪の各々に設置したホイルシリンダにより制動力を独立して付与するブレーキ系統を備え、差動装置で連結されている2つの駆動輪のうち一方におけるホイルシリンダの供給液圧が減圧中である場合には、他方のホイルシリンダへの増圧を遅延させるものが知られている。この装置は、駆動輪間におけるトルクの相互干渉による振動の発生を防止して、安定した制動作動を確保しようとするものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−34331号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような装置において、車輪加速度が大きいときに液圧を減圧させる減圧ポイントを低下させる誤減圧抑制制御を行う場合がある。この誤減圧抑制制御は、車輪加速度が所定以上の値を超えるときに減圧モードを開始させる減圧開始設定値を低下させることによって減圧モードに入ることを抑制する制御である。
【0005】
しかしながら、このような誤減圧抑制制御の下で制動制御を行うと、他の駆動輪の速度落ち込み時に他の駆動輪のトルク循環により自輪の加速度が増加し、誤減圧抑制制御により誤って減圧ポイントが低下し、適切な制動制御が行えないおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、差動装置を介して連結される駆動輪に対して適切な制動制御が行える制動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る制動制御装置は、差動装置を介し駆動力を分配して伝達される複数の車輪に対し、車輪加速度に応じてブレーキ液圧を減少、保持又は増加させることにより制動制御を行う制動制御装置であって、車輪における車輪加速度が所定値以上となったときにブレーキ液圧を減圧モードとするための減圧基準値を低下させる誤減圧抑制手段を備え、差動装置を介して連結される他の車輪によるトルク循環が所定以上であるときに、誤減圧抑制手段による減圧基準値の低下を禁止することを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る制動制御装置は、他の車輪の車輪加速度が所定の加速度より小さく、かつ、他の車輪が減圧中であるときに、誤減圧抑制手段による減圧基準値の低下を禁止することを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、差動装置を介して連結される他の車輪によるトルク循環が所定以上であるときに、誤減圧抑制手段による減圧基準値の低下を禁止することにより、誤減圧抑制処理によりブレーキ液圧の減圧が遅延することが防止され、トルクの相互干渉を抑制でき、適切な制動制御が行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1に本実施形態に係る制動制御装置の構成を示す。
【0012】
図1に示すように、制動制御装置1は、四輪駆動車の車両に設置され、駆動輪となる右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLに加えられる制動力を制御するものである。その車両には、ドライブシャフト2を介して右前輪FRと左前輪FLとを連結するフロントディファレンシャル3が設けられ、また、ドライブシャフト4を介して右後輪RRと左後輪RLとを連結するリアディファレンシャル5が設けられている。
【0013】
フロントディファレンシャル3は、プロペラシャフト6を通じて伝達される駆動力を右前輪FRと左前輪FLに分配し、右前輪FRと左前輪FLとの回転速度差を吸収する差動装置として機能する。
【0014】
リアディファレンシャル5は、プロペラシャフト6を通じて伝達される駆動力を右後輪RRと左後輪RLに分配し、右後輪RRと左後輪RLとの回転速度差を吸収する差動装置として機能する。
【0015】
また、車両には、プロペラシャフト6を介してフロントディファレンシャル3とリアディファレンシャル5とを連結するセンタディファレンシャル7が設けられている。センタディファレンシャル7は、エンジン8及び変速機9を通じて伝達される駆動力を前輪側と後輪側に分配し、前輪側と後輪側の回転速度差を吸収する差動装置として機能する。
【0016】
制動制御装置1には、ECU10が設けられている。ECU10は、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。ROMには、制動制御ルーチンを含む各種制御ルーチンが記憶されている。
【0017】
また、制動制御装置1には、車輪速センサ11が設けられている。車輪速センサ11は、車両の各車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段であり、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLの各車輪にそれぞれ設置されている。車輪速センサ11は、それぞれECU10に接続されており、その検出信号をECU10に出力する。
【0018】
また、制動制御装置1には、ブレーキアクチュエータ20が設けられている。ブレーキアクチュエータ20は、各車輪のホイルシリンダに加える液圧を調整するためのものであり、例えば、複数のソレノイドバルブ、ポンプモータなどにより構成され、ECU10の制御信号に応じて作動する。
【0019】
図2に制動制御装置におけるブレーキ液圧系を示す。
【0020】
図2に示すように、ブレーキ液圧系は、例えば、前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分された前後配管方式のものが用いられる。このブレーキ液圧系は、液圧発生手段としてマスタシリンダ31を備えている。マスタシリンダ31は、ブレーキペダル33に加わる踏力に応じて作動し、液圧を発生させる。また、このマスタシリンダ31は、ブースタ機能を備えており、リザーバ34が接続されると共に、補助液圧源となるポンプ35がアキュムレータ36を介して接続されている。
【0021】
ポンプ35は、モータ37によって駆動され、リザーバ34のブレーキ液を昇圧して出力し、逆止弁38を介してアキュムレータ36に畜圧する。モータ37は、アキュムレータ36内の液圧が所定の下限値を下回ることに応答して駆動し、またアキュムレータ36内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して停止する。これにより、アキュムレータ36から所定液圧が、適宜マスタシリンダ31に供給され、また、ホイルシリンダ側へ延びる液路81に供給される。
【0022】
マスタシリンダ31は、アキュムレータ36からの液圧を受け、ブレーキペダル33の踏み込みにより発生する液圧をパイロット圧として、これに比例した液圧を発生させる。
【0023】
マスタシリンダ31と右前輪FRのホイルシリンダ41FRは、液路42により接続されている。その液路42の途中には、切換弁SA1、保持弁43がそれぞれ配設されている。切換弁SA1は、3ポート2位置の電磁切換弁であり、非作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRとを連通させ、作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを遮断し液路81を通じてアキュムレータ36とホイルシリンダ41FRを連通させる。この切換弁SA1は、ECU10からの制御信号を受けて作動する。
【0024】
保持弁43は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを遮断する。また、液路42には、保持弁43をバイパスする逆止弁45が設けられている。
【0025】
液路42における保持弁43とホイルシリンダ41FRとの間の部分には、リザーバ34に連なる液路46が接続されている。そして、この液路46の途中には、減圧弁44が配設されている。減圧弁44は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41FRとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41FRとリザーバ34を連通させる。
【0026】
マスタシリンダ31と左前輪FLのホイルシリンダ41FLは、液路52により接続されている。その液路52の途中には、切換弁SA2、保持弁53がそれぞれ配設されている。切換弁SA2は、3ポート2位置の電磁切換弁であり、非作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLとを連通させ、作動時にはマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLを遮断し液路81を通じてアキュムレータ36とホイルシリンダ41FLを連通させる。この切換弁SA2は、ECU10からの制御信号を受けて作動する。
【0027】
保持弁53は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FLを遮断する。また、液路52には、保持弁53をバイパスする逆止弁55が設けられている。
【0028】
液路52における保持弁53とホイルシリンダ41FLとの間の部分には、リザーバ34に連なる液路56が接続されている。そして、この液路56の途中には、減圧弁54が配設されている。減圧弁54は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41FLとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41FLとリザーバ34を連通させる。
【0029】
マスタシリンダ31と液路81の途中との間には、液路61が設けられている。液路61の途中には切換弁SA3が配設されている。切換弁SA3は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時に液路61を連通状態とし、作動時に液路61を遮断状態とする。また、液路61には、切換弁SA3をバイパスする逆止弁67が設けられている。この液路61は、液路81と交差して更に後輪のホイルシリンダ側へ向けて延びており、液路62、液路72の二つの液路に分岐している。
【0030】
液路62は、右後輪RRのホイルシリンダ41RRに接続されており、その途中に保持弁63が配設されている。保持弁63は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RRを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RRを遮断する。また、液路62には、保持弁63をバイパスする逆止弁65が設けられている。
【0031】
また、保持弁63とホイルシリンダ41RRとの間の液路62には、リザーバ34に連なる液路66が接続されている。この液路66の途中には、減圧弁64が配設されている。減圧弁64は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41RRとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41RRとリザーバ34を連通させる。
【0032】
一方、液路72は、左後輪RLのホイルシリンダ41RLに接続されており、その途中に保持弁73が配設されている。保持弁73は、2ポート2位置の常開式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RLを連通させ、作動時にマスタシリンダ31とホイルシリンダ41RLを遮断する。また、液路72には、保持弁73をバイパスする逆止弁75が設けられている。
【0033】
また、保持弁73とホイルシリンダ41RLとの間の液路72には、リザーバ34に連なる液路76が接続されている。この液路76の途中には、減圧弁74が配設されている。減圧弁74は、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時にホイルシリンダ41RLとリザーバ34とを遮断し、作動時にホイルシリンダ41RLとリザーバ34を連通させる。
【0034】
液路81の途中であって、液路61との交差位置よりアキュムレータ36側の位置には、切換弁STRが配設されている。切換弁STRは、2ポート2位置の常閉式の電磁開閉弁であり、ECU10の制御信号を受けて作動し、非作動時に液路81を遮断し、作動時に液路81を連通させる。
【0035】
このようなブレーキ液圧系によれば、通常時(強制的な制動制御が行われない時)には、ECU10からの制御信号により、切換弁SA1、切換弁SA2、切換弁SA3及び切換弁STRの全てが非作動状態とされ、切換弁SA1がマスタシリンダ31とホイルシリンダ41FRを連通状態とし、切換弁SA2がマスタシリンダ32とホイルシリンダ41FLを連通状態とし、切換弁SA3が開弁状態となり、切換弁STRが閉弁状態となる。
【0036】
また、通常時には、各保持弁43、53、63及び73と各減圧弁44、54、64及び74の全てが非作動状態とされ、各保持弁43、53、63及び73が全て開弁状態となり、各減圧弁44、54、64及び74が全て閉弁状態となる。
【0037】
これにより、マスタシリンダ31の液圧が液路61、液路62及び液路72を通じてホイルシリンダ41RR、41RLに伝達されると共に、マスタシリンダ31の液圧が液路42及び液路52を通じてホイルシリンダ41FR、41FLに伝達され、運転者のブレーキ操作に応じた制動力が得られることとなる。
【0038】
一方、このブレーキ液圧系によれば、運転者のブレーキ操作を行い、車体速度に対して車輪速度が一定値以下となるなどの条件の下で、ABS制御(アンチロックブレーキ制御)が開始される。この場合、切換弁STRを閉弁状態とし、切換弁SA1及び切換弁SA2を閉弁状態(作動状態)とし、切換弁SA3のみを開弁状態(非作動状態)とすることにより、液路61を通じて、マスタシリンダ31から高い液圧が右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RLの全車輪のホイルシリンダ41へ伝達される。また、それと共に、各保持弁43、53、63及び73と各減圧弁44、54、64及び74が適宜開閉することにより、各ホイルシリンダ41の液圧が調整され、各車輪の制動力が制御される。詳細な制御内容については、後述する。
【0039】
次に、本実施形態に係る制動制御装置の動作について説明する。
【0040】
図5は、制動制御装置1における制動制御処理のフローチャートである。
【0041】
図5のS100にて、ECU10が初期化され、ECU10に内蔵されるCPU、RAMなどの各種の演算値が適宜クリアされる。そして、各車輪の車輪速度Vwが読み込まれ(S102)、その各車輪において車輪速度Vwに基づいて車輪加速度DVwが演算され(S104)、車体速度Vsoが演算される(S106)。
【0042】
そして、各車輪の制御開始条件が満たされているか否かが判断される(S108)。この制御開始条件としては、例えば車体速度Vsoと車輪速度Vwの差が設定値以上となることが条件とされる。この制御開始条件が満たされていないと判断されたときには、制御処理を終了する。一方、制御開始条件が満たされていると判断されたときには、車輪速度Vw、車体速度Vso及び車輪加速度DVwの関係に基づいて減圧モードであるか否かが判断される(S110)。
【0043】
減圧モードであると判断されたときには、減圧出力処理が行われる(S112)。すなわち、図2において、ECU10から切換弁STR、切換弁SA1、切換弁SA2、切換弁SA3、保持弁43、53、63又は73(以下、適宜「保持弁」という)及び減圧弁44、54、64又は74(以下、適宜「減圧弁」という)にそれぞれ制御信号が出力される。そして、その制御信号により、切換弁STRが閉弁され、切換弁SA1及び切換弁SA2が閉弁され、切換弁SA3が開弁される。また、保持弁が閉弁され、減圧弁が開閉される。これにより、減圧弁を通じてホイルシリンダ41の液圧がリザーバへ逃がされ、ホイルシリンダ41の液圧が減ぜられる。
【0044】
一方、図3のS110にて、減圧モードでないと判定されたときには、車輪速度Vw、車体速度Vso及び車輪加速度DVwの関係に基づいてパルス増モードであるか否かが判断される(S114)。パルス増モードでないと判断されたときには、保持出力処理が行われる(S116)。すなわち、保持弁及び減圧弁にそれぞれ制御信号が出力され、保持弁が閉弁され、減圧弁も閉弁される。これにより、ホイルシリンダ41の液圧が保持される。
【0045】
一方、S114にて、パルス増モードであると判定されてときには、パルス増出力処理が行われる(S118)。すなわち、ECU10から保持弁及び減圧弁にそれぞれ制御信号が出力され、保持弁が開閉され、減圧弁が閉弁される。これにより、マスタシリンダ31から液圧がホイルシリンダ41に伝達され、そのホイルシリンダの液圧が増加される。そして、制御処理を終了する。
【0046】
次に、制動制御処理におけるブレーキ液圧のモード設定について詳述する。
【0047】
上述した制動制御処理において、ホイルシリンダ41における液圧を減圧モード、増圧モード(パルス増モード)、保持モードのいずれかにするか否かは、例えば、図4に示すように、制御対象となる車輪の車輪加速度DVwに基づいて決定される。すなわち、車輪加速度DVwが第一減圧開始設定値A1以下となったときから保持開始設定値B(B>A1)以上となるまで減圧モードとし、保持開始設定値B以上である間は保持モードとし、保持開始設定値B以下となったときから第一減圧開始設定値A1以下となるまで増圧モードとする。
【0048】
このように減圧モード、保持モード、増圧モードを繰り返して制動制御する際又はこの制動制御する前段階において、車輪加速度DVwが上限値C(C>B)以上となったときには、所定の条件下で、減圧開始の基準値が所定の時間だけ第一減圧開始設定値A1から第二減圧開始設定値A2に切り替えられる。第二減圧開始設定値A2は、第一減圧開始設定値A1より低い値に設定される。所定の条件とは、制動制御すべき駆動輪において、差動装置を介して連結される他の駆動輪によるトルク循環が所定以上であるか否かが条件とされる。
【0049】
図5に減圧開始設定値の切り替え処理のフローチャートを示す。
【0050】
図5のS200に示すように、制動制御すべき駆動輪において差動装置を介して連結される他の駆動輪によるトルク循環が所定以上であるか否かが判断される。この判断は、例えば他の駆動輪の車輪加速度が所定値より低く、かつ、他の駆動輪が減圧モード中であるか否かによって行われる。すなわち、他の駆動輪の車輪加速度が所定値より低く、かつ、他の駆動輪が減圧モード中であるときには他の駆動輪によるトルク循環が所定以上であると判断され、他の駆動輪の車輪加速度が所定値より低くなく又は他の駆動輪が減圧モード中でないときには他の駆動輪によるトルク循環が所定以上でないと判断される。
【0051】
そして、S200にて他の駆動輪によるトルク循環が所定以上でないと判断されたときには、減圧開始の基準値の切り替えが許容される。すなわち、図4に示すように、車輪加速度DVwが上限値C以上となったときには、減圧開始の基準値が所定の時間だけ第一減圧開始設定値A1から第二減圧開始設定値A2に切り替えられる。
【0052】
一方、S200にて他の駆動輪によるトルク循環が所定以上であると判断されたときには、減圧開始の基準値の切り替えが禁止される。すなわち、図4に示すように、車輪加速度DVwが上限値C以上となったときでも、減圧開始の基準値が第一減圧開始設定値A1から第二減圧開始設定値A2に切り替えられず、第一減圧開始設定値A1のまま維持される(図4中二点鎖線)。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る制動制御装置によれば、差動装置を介して連結される他の車輪によるトルク循環が所定以上であるときに誤減圧抑制制御による減圧開始の基準値の低下を禁止することにより、誤減圧抑制制御によりブレーキ液圧の減圧が遅延することが防止され、トルク抑制の相互干渉を抑制でき、適切な制動制御が行える。
【0054】
なお、本実施形態では、四輪駆動の車両における制動制御する場合について説明したが、本発明に係る制動制御装置はそのようなものに限られるものではなく、差動装置を介し駆動力を分配して伝達される複数の車輪に対して制動制御を行うものであれば、その他の車両にて制動制御するものであってもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、差動装置を介して連結される駆動輪に対して適切な制動制御が行える制動制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る制動制御装置の構成概略図である。
【図2】図1の制動制御装置のブレーキ液圧系の説明図である。
【図3】図1の制動制御装置における制動制御処理のフローチャートである。
【図4】図3の制動制御処理におけるブレーキ液圧のモード設定の説明図である。
【図5】図1の制動制御装置における減圧開始設定値の切り替え処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…制動制御装置、3…フロントディファレンシャル、5…リアディファレンシャル、7…センタディファレンシャル、10…ECU、11…車輪速センサ、41…ホイルシリンダ。
Claims (2)
- 差動装置を介し駆動力を分配して伝達される複数の車輪に対し、車輪加速度に応じてブレーキ液圧を減圧、保持、増圧させることにより制動制御を行う制動制御装置であって、
前記車輪における車輪加速度が所定値以上となったときに前記ブレーキ液圧を減圧モードとするための減圧基準値を低下させる誤減圧抑制手段を備え、
前記差動装置を介して連結される他の車輪によるトルク循環が所定以上であるときに、前記誤減圧抑制手段による減圧基準値の低下を禁止すること、
を特徴とする制動制御装置。 - 前記他の車輪の車輪加速度が所定の加速度より小さく、かつ、前記他の車輪が減圧中であるときに、前記誤減圧抑制手段による減圧基準値の低下を禁止すること、
を特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。
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